長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」(再・改)1(ネギま!×とある禁書)

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71 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/05/29(日) 00:39:06.45 ID:CaaFuz7t0
生存報告です
72 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/06/28(火) 02:14:40.06 ID:Hw4caRY90
生存報告です
73 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:42:27.36 ID:4fmS3s7z0

お久しぶりです。
随分と間が空いてすいません。

早速ですが、訂正です。

>>62
×断続的な爆発に終われる形で、
○断続的な爆発に追われる形で、

それでは今回の投下、入ります。
74 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:43:59.09 ID:4fmS3s7z0
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>>64

 ×     ×

神裂が瞬時に飛び退き、小太郎に背を向けた、
次の瞬間には、ビルの外から神裂の目の前の空中に「黒鴉部隊」のメカが現れ、
神裂とメカの間で爆発が巻き起こる。

「………やりますね………」

呟いた神裂は、そのまま下のステイルに撤退を指示する。
こんな連中まで関わって来たとなると、
これ以上引き延ばせばここの正式な警察機関である警備員の介入を招く。
そもそも正規の許可を受けての出入りですらない、
ここでは存在自体が御法度の魔術サイドとしては論外の事態だ。

「あなたも、背中を狙わなかったのですね」

「アホ抜かせ」

ぼそっと言った小太郎は、
ほんの一瞬とてつもない気が神裂から噴き上がったあの時、
少なくとも10万3千通りは展開された自分のサイコロステーキの妄想を汗と共に拭い去る。
すれ違い駆け抜ける神裂を、小太郎はやる気なさげに手を振って見送った。

 ×     ×

「鳴護アリサに関わるな、死ぬぞ」

その少女は、黒いライダースーツの様な強化服がよく似合っていた。
歳は余り自分と変わらないのだろう、セミロングの黒髪でキリッとした雰囲気。
見た目は美人の部類に入れてもいいだろう。

だからと言って、機動メカから出て来た少女に告げられた言葉に納得した上条当麻ではない。
だから、懸命に追走し、通りの真ん中で停止したメカから現れた黒い少女に散々に食い下がり、
その結果がこの最後通告だ。

そして、少女は警告した先からオートマチックの拳銃を抜いている。
いやいやいやいや、言ってる事とやってる事が違う、
右手以外は一般人である筈の上条さんとしてはあんだけ言っといて今殺す気ですかあんた、
と、内心の突っ込みが口から出る前に、少女は無造作に発砲する。
75 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:45:18.28 ID:4fmS3s7z0

「よう」

着弾した建物の陰からメカの機体に跳び乗った小太郎が不敵な笑みを見せた時には、
拳銃は右手から左手に移り、ナイフが突き、退いていた。

「ナイフと拳法をいっぺんに使う、あっちの軍隊の流儀やな」

「貴様も素人ではないな」

既に拳銃をしまい、女性にはごついナイフを片手に構えを取る少女と、
急所こそ外した一撃を交わした小太郎が向き合う。
少女もコクピットを完全に離れ、機体上での攻防が開始された。

鋭い刃を交わす小太郎の動きには、まだ余裕があった。
しまいに、小太郎はナイフを手掴みにしてへし折って見せる。
だが、少女は表情に驚きを見せながらも即座にナイフを捨て、
小太郎の脇腹目指して右脚を跳ね上げていた。

「いい判断や」

小太郎は回転しながら大きく後ろに跳び、通りに着地する。

「!?さっきのかっ!」

先ほど、屋上での片脚ジーパン姉ちゃん神裂火織との攻防は見ていた。
正確に把握した訳ではないが、とにかくワイヤーに繋がった爆弾、
実際にはレアアースペレットが幾つも放たれ小太郎の上で展開しているのは確か。

「おいっ!」

離れた所で事態を見守るしかなかった上条当麻の叫びも虚しく、
レアアースペレットはオレンジ色の光を放ち爆発する。
その跡には、肉片一つ残っていなかった。

「逃げたか」
76 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:46:59.82 ID:4fmS3s7z0

 ×     ×

「な、なんなのよ、こいつ」

夏美が震えながら呟く。
高音チーム、ステイルチームはそれぞれに逃走。
ステイルが工業レベルの高温火炎で、メアリエが消火栓の水を暴走させ、
マリーベイトが土の筒を絡めてメカを文字通り足止めしながら逃走するのを、
上条当麻も追走して姿を消した。

長瀬楓も別の機動メカに追われて姿を消し、残ったのは火力最低少女四人組。
夏美と千雨、アリサにシスターが手を繋いで公園に残っているのだが、
その理由はひとえに動けないから。
黒い機動メカが一台、夏美達の周囲をうろうろして離れようとしない。

「センサーだ」

千雨が言った。

「このアーティファクトは存在感を消すだけ…」

「アーティファクト?」

シスターの呟きが聞こえるが、千雨は少し失敗を自覚しつつ言葉を続ける。

「多分、センサーで機械的にここに人間の反応がある事を察知してる。
だけど、パイロットの脳が私達を認知出来ないんでうろうろしてるって状態に見える」

「そしたらどうするのよ?」

「あのメカのコンピューターに七部衆が干渉してる、じゃなかったらとっくにやられてる。
それでも、こっちに直撃が来ない様にごまかす時間稼ぎが限度だ。
私が直接干渉したら攻撃判定で村上のアーティファクトが剥がれて
メカを乗っ取る前にこっちの居場所が割れるし
その前に割り込むには防壁が硬過ぎる、流石は科学の学園都市だ」

言ってる先から、機動メカに上からすごいあつりょくが叩き付けられ、
メカが煙を上げる。
77 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:50:41.82 ID:4fmS3s7z0

「こ、この…」

「あらよっ!」

コクピットが開き、中の男性隊員が拳銃を抜こうとしたが、
小太郎が頭突きでKOするのが先だった。

「小太郎君っ!」

「助かった」

夏美が叫び、実際は腰が抜けそうだった千雨もふうっと嘆息した。

「いるでござるか?もうこの辺りは大丈夫でござる」

しゅたっと着地した楓が言い、一端隠れ身を解いて合流した。

「さて、こっからどうするかだ」

とにかくぐっちゃぐちゃの状況を千雨が整理しようと周囲を見回す。

「アディウトル・ソリタリウス」

荘厳に澄んだ発音を聞き、千雨がそちらを見た。

「日本語だと孤独な黒子。
日本語だと皮膚の黒い点とか学園都市産のグドンのエサも同じ漢字を当てるみたいだけど、
同じ意味の漢字で言うなら、お芝居で黒い服を着て、そこにはいない事になっている人だね。
言い伝えられているだけでも280年前より後の記録が無い魔法具。
生きている間に伝説通りの効果を身をもって知る事が出来るとは思わなかったんだよ」

そう言いながら、シスターは、きょとんとしている夏美から視線を移す。

「パクティオーカードと言う事は君がマスターなのかな?
日本でも西の方の魔術師は西洋の魔術を使うのを嫌う人が多いって聞いていたけど」

ちょっと聞く分には子どもっぽい口調でもあるが、穏やかな威厳すら感じられる。
そんなシスターの声に夏美が息を呑み、小太郎が身構えた。
78 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:52:46.30 ID:4fmS3s7z0

「君の術式は陰陽術、基礎を覚えて、後は使う所を我流で摘む使い方だね。
体術の補助に、「血の制御」にも使っているんだね」

小太郎の眉がぴりりと上がった。

「あなたの後ろに隠れているのは雷の精霊、
電気を媒介に急速に発展した科学に介入するために進化した変種だね。
直接知らなくてもコンセプトから理屈は分かるんだよ。
いとめののっぽさんは甲賀流の忍者さんだね」

「何の事でござるかな?」

ごくりと息を呑む千雨の側で楓が飄々と応じる。

「甲賀忍術の発祥は諏訪明神、そこに地理的な条件が加わって
薬草使い、陰陽道、密教、修験道、各種の山岳信仰の魔術と科学が実用的に進化したのが忍術。
日本の戦国時代には軍師と呪術師の明確な境界線は無かったんだよ」

「な、何なんだよ、こいつ…」

「それで、どうするの?」

焦りを見せる千雨に、シスターは静かに尋ねる。

「さっきの黒いサラマンダーも知り合いなんだね。
サラマンダーが使っていた箒はオソウジダイスキ。
いわゆる魔女の箒を定形化した、「学校」の魔術師を中心に使われているもの。
基本から体系的なラテンの詠唱魔術を使う統率のとれた集団。
日本、それも関東であの歳であれだけの実力でそういう魔術集団は一つしか考えられないんだよ。
あなた達は別行動だったみたいだけど、
そういう繋がりがあってこれだけの魔術を使う集団がここに、学園都市にいていいのかな?」

「ヤバイぞ」

「で、ござるな」

チラと周囲を伺った小太郎と楓が、揃って硬い口調で言う。
79 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:54:23.15 ID:4fmS3s7z0

「これ、いよいよ警察か何かか?」

「その様でござるな」

「アンチスキルが来たのかな?
だったらこれ以上いられない、あなた達はもっとだよね。
行こう、アリサ」

「え?」

元々通じない話を千雨達に向いて喋っていたシスターに
不意に声を掛けられてアリサも戸惑いを見せる。

「頼んでいいんだな」

「アリサは私の、私とととうまの、大切な友達なんだよ」

「頼んだ」

「夏美姉ちゃん」

「分かったっ!」

間一髪、千雨とシスターの間で合意が成立し、
アリサ達が姿を消して夏美に始まる人のチェーンが繋がるのと、
アンチスキルが本格投入されるのは辛うじて入れ違った。
80 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:55:41.91 ID:4fmS3s7z0

 ×     ×

「転移ポイントはっ!?」

「もうすぐですっ!」

「ん?」

上条当麻は、本日も不幸であった。
ここまでの騒ぎとなると、流石にアンチスキルも動き出す。
そもそも、「学園」と「都市」が同義語に近いこの学園都市では、
学園的秩序、発想に直結して学生の夜間外出自体が厳しく制限されている。

と言う訳で、上条当麻は今日も走る、走る走る走る、
目の合った職務熱心な警備員ボランティア先生を振り切るべく全力でダッシュする事幾度か、
薄氷を踏む思いをしながら、目の合わない内に建物から建物へと駆け抜けた事が幾度か、
近くに聞こえるサイレンと逆方向に駆け出した事もしばしば。

そうこうしている内に、既に大方の営業が終わったビル街で、
上条の視界を見覚えのある人影がよぎった。

「おいっ!」

ビル街の中の空き地で、
高音・D・グッドマン率いる魔女見習い三人娘は呼びかけに振り向いた。

「あの人…」

全三人のチームの内の一人、佐倉愛衣が呟く。
視線の先で両手を腿に当てて息を切らしているのは、
先ほどなし崩し的に共闘する事となったウニ頭の少年だった。

「ハァハァ一体ゼェどういうハァ事なんだゼェゼェっ!?
どういうハァハァ事なんだ?
ゼェハァお前達もゼェ魔術のゼェ人間なんだろ?ハァハァ
魔術の人間がどうしゼェゼェてアリサをゼェゼェ襲う?アリサに何がハァハァあるって言うんだ?」」

「お姉様、時間が。それにこれ以上は…」

同行した夏目萌に促され、
元来の誠実な性格でウニ人間のブツ切り言語を解読しようとしていた高音が頷いて歩き出す。
81 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:57:10.89 ID:4fmS3s7z0

「待てよっ!」

力強い怒声が、三人の歩みを止めた。
そして、振り返った三人の美少女は、叫びの主、上条当麻と正面から向き合う事となる。

「お前ゼェゼェら魔術ハァハァ師ハァハァアリサハァ、ハァ」

既に相手の事すら半ば見えない状態で、只、逃がしてたまるかと言う一念だった。
駆け出した上条当麻だったが、体力は限界。
言葉もほとんど繋がらず、吐き気を抑え込むのがやっとの有様。
それでも、歩みを止めた三人にようやく向き合う事が出来る、
と言う客観的状況下で、上条の脚が限界を迎えた。

「お前ハァハァらハァハァアリサハァハァにハァハァ」

もつれた足が大きめの石ころを踏みつける。
完全に限界を迎えた脚の均衡が崩壊する。
三人の美少女は一歩、二歩と、上条当麻に正面から向かい合う形で後退していたが、

「ハァハァ一体ハァハァ何ハァハァをハァハァハァハァ」

何とか痛い転倒は回避しようとした上条当麻は、
ゴシック調の揃いの黒衣姿で自分の方を向いて横並びに立っている
目の前の三人の中でも真ん中で一際背の高い、
金髪のロングヘアがよく似合う美少女の肩を、空中を泳がせていた
右手で、ガシッ、と掴んでいた。
82 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [saga]:2022/07/11(月) 01:59:10.47 ID:4fmS3s7z0

==============================

>>73

今回はここまでです。

これの元となった過去作を映画の記憶で描いた時とその後に観直したものとで、
規模等にかなりの違いが見られましたので、この公園戦に関しては大幅な書き換えを行いました。

続きは折を見て
83 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/08/06(土) 01:26:48.02 ID:6y0KVm0J0
生存報告です
84 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/08/29(月) 23:56:03.32 ID:vpj0uWeA0
生存報告です
85 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/09/28(水) 00:33:37.69 ID:ZcOuCRX00
生存報告です
86 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/10/22(土) 02:19:11.62 ID:NMZx0fOJ0
生存報告です
87 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/11/12(土) 23:16:45.88 ID:TN+3XaGb0
生存報告です
88 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2022/12/09(金) 02:24:33.18 ID:nhtyELtn0
生存報告です
89 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/01/05(木) 02:26:30.06 ID:n3q3QwQD0
生存報告です
90 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/02/04(土) 20:06:04.69 ID:jI0W/ewr0
生存報告です
91 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/03/03(金) 01:07:25.84 ID:YJ6V6AnZ0
生存報告です
92 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/04/01(土) 21:20:25.32 ID:3bL1AtgJ0
生存報告です
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/04/12(水) 23:22:57.93 ID:wbp6i9BI0
はい
94 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/04/30(日) 03:01:52.50 ID:rGcO9hpq0
生存報告です
95 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/05/29(月) 01:23:18.49 ID:HsuT/W4w0
生存報告です
96 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/06/13(火) 01:56:09.52 ID:4OaJuCH10
生存報告しときます
97 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/07/10(月) 02:26:55.21 ID:T0dMNvnp0
生存報告です
98 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/08/08(火) 02:33:48.10 ID:c8Sz81gr0
生存報告です
99 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/09/07(木) 19:58:54.58 ID:EWYncz1E0
生存報告です
100 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/10/06(金) 01:22:59.55 ID:KzRnoKR90
生存報告です
101 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/11/04(土) 03:33:19.34 ID:Y4m0RoK40
生存報告です
102 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/12/03(日) 01:59:15.67 ID:v4ErjX0h0
生存報告です
103 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2023/12/25(月) 01:54:03.33 ID:kQptvkss0
生存報告です
104 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2024/01/24(水) 03:21:14.01 ID:V8BfDPVO0
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105 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2024/02/23(金) 02:36:50.94 ID:PQ+iUXK70
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106 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2024/03/21(木) 20:10:05.85 ID:AIQx1/mU0
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107 :ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs [sage]:2024/04/19(金) 01:28:39.58 ID:qG0MV/ra0
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