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【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.4
	- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/25(金) 23:21:20.07 ID:JmvMzQcP0
 -  お疲れさまでした 
 原作知識があると変にそっちに思考が引っ張られるのが難しい……  
	- 725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/25(金) 23:27:37.32 ID:on5ua4Ga0
 -  1乙 
 罠とどんでん返しが多くてずっと振り回されてしまった… 
 それはそれとして、最後まで楽しみにしています  
	- 726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 00:28:35.17 ID:ToWPQWj40
 -  664のあさひの反論で冬優子と愛依のスキルが発動してるのがなんかいいよね……ってなった 
 
	- 727 :それでは再開します ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:01:36.07 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 智代子「前回のコロシアイも1周目のコロシアイも、今の記憶には残ってなかったんだけどね……」 
  
 ルカ「だが、体は覚えている。コロシアイという非日常に身を置いていたという事実は体に染み付いて、ダンガンロンパのキャラクターを受け入れるだけの器ができてしまっている」 
  
 智代子「……あれ? そういえば、2周目のコロシアイを始めた理由って何? ルカちゃんの言った通り、一回でもコロシアイを経験すれば器は完成するんだよね?」 
  
 ルカ「まあ、そこは月岡恋鐘にしか人格が入っていないところを見るに、うまくいかなかったんだろうな」 
  
 あさひ「恋鐘ちゃん以外のわたしたちは囮に使われたのかもしれないっすね。前回の生き残り5人も巻き込むために!」 
  
 ルカ「意図までは完全にはわからないが、2周のコロシアイを行ったことには何かしらの意味はあるんだろうよ」 
  
 モノミ「うるうる……あちし、感涙の極みでちゅ。ミナサンで力を合わせて、まさかここまで辿り着くことができるなんて」 
  
 ルカ「ケッ、もともとコロシアイをするためのプログラムの癖によく言うよ」 
  
 モノミ「あと少し……あと少しでちゅ! あと少しでミナサンはたどり着くべき高み。全ての真実に辿り着くことができるはずでちゅ!」 
  
 あさひ「次が最終問題ってことっすか?」 
  
 モノミ「はい! 卒業試験は次の問題でおしまいになりまちゅ!」 
   
	- 728 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:03:15.84 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 智代子「ねえ、それならそろそろ透ちゃんを解放してよ! まだダメなの!?」 
  
 ルカ「ああ、この世界が新世界プログラムで作られた2周目のコロシアイの世界だと確定した今、あいつに聞きたいことだって山ほどあるんだ」 
  
 モノミ「うーん……そうでちゅね、彼女はこれまでの二問に置いて、裁判の場にいたらトッチラケだったんでちゅが……」 
  
 モノミ「最終問題は彼女がいたところで変わらないでちゅし、まあいてもいいかな!」 
  
 モノミ「カモーン、浅倉さん! 出番でちゅよ〜!」 
  
  
 モノミがステッキを天に向かって振り上げると、浅倉透が立つべき証言台のその空間に目に優しくない配色の文字や数字が湯水の方に湧き上がる。 
 0と1の電子配列が幕のように上がったかと思うと、そこには初めからそこに居たかのように浅倉透の姿が浮かび上がってきた。 
 口元には少し力がこもっていたが、いつものような儚げな表情で私たちを見据えた。 
  
  
  
 透「……やっほ」 
  
  
   
	- 729 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:05:01.54 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「浅倉透……」 
  
  
 私がそこに抱く感慨は仲間との再会に対する歓喜などではなく、ましてここまで辿り着いたという達成感などでもない。 
 今自分達が直面している現実に対して鍵を握る人物。 
 詰め寄りたいという衝動ばかりが込み上げて、自然と奥歯を噛みつぶした。 
  
  
 透「聞いてたよ、今までの話も全部」 
  
 あさひ「透ちゃんには聞きたいことがいっぱいあるっす。透ちゃんの仲間って前回のコロシアイの生き残り5人で間違いないっすか?」 
  
 透「あー、イエス。部分的に」 
  
 ルカ「部分的?」 
  
 透「5人以外にもいるんだって。社長たちに対抗するための協力者はもっといて、チームなんだ」 
  
 智代子「他の、協力者……」 
  
 あさひ「それはチーム・ダンガンロンパじゃないんっすよね? なんで今まで教えてくれなかったんっすか?」 
  
 透「うん、チーム・ダンガンロンパじゃない。むしろ、私たちはみんなをチーム・ダンガンロンパから救い出す側」 
  
  
  
 透「【未来機関】、って言うんだけど」 
  
  
   
	- 730 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:05:58.45 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「未来機関だと……?! それじゃ、現実世界のジャバウォック島を改造したのって……」 
  
 智代子「わ、私たち……?! ……の、協力者さんたちってことだったんだ」 
  
 透「それと、これまで言えなかった理由」 
  
 透「これまでの話でも出たけど、新世界プログラムは人の記憶に直接干渉するから」 
  
 透「抜き取った記憶を下手にもう一度呼び覚ますようなことをしたら、中でエラーが起きかねないんだよ。アバター自身にさ」 
  
 ルカ「……なるほど、もともと精神療養のための装置。トラウマを消し去ったはずなのに、それを中で呼び覚ますようなことをするのは想定されてない挙動だわな」 
  
 透「どこまでなら踏み込んでいいのか分かんなかったから、不親切な話しかできなかったよね。ごめん」 
  
 あさひ「じゃ、透ちゃん。もう一個いいっすか?」 
  
  
 あさひ「透ちゃんは、結局何者なんっすか?」 
  
  
 透「……」 
  
 あさひ「オリジナルの透ちゃんと相違ない人格を持っているう人間。別の誰かが成り代わってるのかと思ってたっすけど、この写真からじゃ別の誰かすら見えてこないっす」 
  
 あさひ「もうここまで来て、その正体を隠す必要もないっすよね?」 
  
  
 透「えー……」 
  
  
  
 透「あー……うーん……」 
  
   
	- 731 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:07:23.09 ID:eBhCCQ9W0
 -   
  
  
 モノミ「新世界プログラムの管理NPCでちゅよ」 
  
  
  
 透「えっ、ちょっ」 
  
 モノミ「新世界プログラムは人と人の意識をつなぐ仮想現実。万一の事態に備えて、その手綱を握る存在が常時必要なんでちゅ」 
  
 モノミ「プログラムに生じた脆弱な部分を補修したり、侵入してきたウイルスを排除したり。そのためにプログラミングされたNPCがデフォルトで存在するんでちゅね」 
  
 モノミ「だからもし浅倉さんがコロシアイの中で命を落としてたら世界自体が危うかったんでちゅけど……生き抜いてくれてよかったでちゅね!」 
  
  
 コトダマゲット!【浅倉透の正体】 
 〔今回のコロシアイに参加している浅倉透は、新世界プログラムの管理AIの役割を担っている。モノミ曰くコロシアイの中で命を落とすことがあれば世界の存続自体が怪しかったらしい〕 
   
	- 732 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:08:26.62 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「お、おい……今の話はマジなのか……?!」 
  
 あさひ「NPCってことは現実世界での体はないんすよね。私たちみたいに意識だけ切り出された存在ってわけでもなく、全てがデータ上の存在」 
  
 智代子「現実世界には存在しない人ってこと……なんだよね」 
  
 透「……」 
  
 ルカ「……なるほどな、NPCを私たちの中に紛れ込ませるのなら既に死んでいる283プロのアイドルってのはうってつけだわな」 
  
 智代子「私たちの誰も、死んだことを覚えてないんだもんね……」 
  
 透「仲間への思いを利用したみたいで、悪いとは思ってる」 
  
 透「……ごめん」 
  
 あさひ「むー、わたしが聞きたいのはそれだけじゃないっすよー」 
  
 あさひ「透ちゃんはずっとわたしたちの味方って言ってきたっすけど、それって本当なんっすか?」 
  
 ルカ「ああ、今一度オマエの言葉は精査しなくちゃなんねえ」 
  
 透「……」 
  
 智代子「え、ええ……? ここからは透ちゃんも合流して、チームプレイで頑張ろうって話じゃなかったの……?」 
  
 ルカ「学級裁判は……この島でのコロシアイは……そんな単純な話じゃねえ。議論の流れで敵と味方が二転も三転もする。信じられるのは議論の中で導き出される真実だけ」 
  
 ルカ「今までだってそうだったろ……!!」 
  
 (浅倉透の正体はNPC、新世界プログラムを内部から管理するAIだった) 
  
 (だとしたら、あいつの本当の立ち位置は……どうなるんだ……?) 
   
	- 733 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:09:50.53 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
  
 【ノンストップ議論開始!】 
  
 発言力:♡×7 
 集中力:☆×7 
  
 ‣【チーム・ダンガンロンパ】 
 ‣【新世界プログラム】 
 ‣【プログラムエラー】 
 ‣【透の外部との通信】 
 ‣【一周目のコロシアイ】 
 ‣【満月】 
 ‣【Aへのメール】 
 ‣【冬優子の写真】 
 ‣【にちかの証言】 
  
  
 モノミ「浅倉さんは【NPC】なんでちゅ」 
  
 モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」 
  
 モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」 
  
 あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」 
  
 あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」 
  
 あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」 
  
 智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に【拉致したことも認めてた】よね」 
  
 智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」 
  
 透「コロシアイなんかさせたくない」 
  
 透「【敵じゃない】んだって……100」 
  
  
 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 
  
  
 1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価) 
 2.集中力を使う(コトダマの数が減る) 
 3.アイテムを使用する 
 【高級ヒーリングタルト】×2 
 【プロデュース手帳】×3 
  
 ↓1 
   
	- 734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 21:16:26.55 ID:9dQIbcJI0
 -  コロシアイをスムーズに進行するための存在 に 透の外部との通信 
 
	- 735 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:22:54.70 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 【発言力:♡×7→6】 
  
 あさひ「透ちゃんの通信が不自然なのは間違いないっすけど、それが何を目的としてたかはまだ分かってないっすよね?」 
  
 あさひ「だとしたら、それで擁護するのはちょっと苦しいっすよ」 
  
 (チッ……それもそうか) 
  
 (あいつが、未来機関が……こっち側の存在なのだとしたら、その根拠になる何か証拠は無かったろうか) 
  
 【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】 
  
 【コトダマの数が減少した!】 
  
 【昂る思いを乱反射。言葉巧みに、言葉少なに】 
  
 【ロンパ候補の発言の数が減少した!】 
  
 ------------------------------------------------- 
  
 【ノンストップ議論開始!】 
  
 発言力:♡×6 
 集中力:☆×7 
  
 ‣【チーム・ダンガンロンパ】】 
 ‣【プログラムエラー】 
 ‣【一周目のコロシアイ】 
 ‣【満月】 
 ‣【にちかの証言】 
  
  
 モノミ「浅倉さんはNPCなんでちゅ」 
  
 モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」 
  
 モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」 
  
 あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」 
  
 あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」 
  
 あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」 
  
 智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に拉致したことも認めてたよね」 
  
 智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」 
  
 透「コロシアイなんかさせたくない」 
  
 透「【敵じゃない】んだって……100」 
  
  
 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 
  
  
 1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価) 
 2.集中力を使う(コトダマの数が減る) 
 3.アイテムを使用する 
 【高級ヒーリングタルト】×2 
 【プロデュース手帳】×3 
  
 ↓1  
	- 736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 21:35:48.90 ID:9dQIbcJI0
 -  集中力 
 
	- 737 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:37:31.20 ID:eBhCCQ9W0
 -  【集中力:☆×7→6】 
  
 【集中力を使用しました】 
  
 【類まれなる集中力とともに、星をめざして二段飛び!】 
  
 【いつもより多めにコトダマの数が減少しました】 
  
 【清らかなる星の流れが私たちを導く……】 
  
 【発言力:♡×6→7】 
  
 ------------------------------------------------- 
  
 【ノンストップ議論開始!】 
  
 発言力:♡×7 
 集中力:☆×6 
  
 ‣【プログラムエラー】 
  
  
 モノミ「浅倉さんはNPCなんでちゅ」 
  
 モノミ「新世界プログラムを内部で管理するAIなんでちゅ」 
  
 モノミ「だから現実世界に実体なんて【何一つない】んでちゅよ」 
  
 あさひ「新世界プログラムは本来精神療養のための装置」 
  
 あさひ「だけど、今回は黒幕側の人間が起動し、コロシアイを仮想現実で体験させるために使った」 
  
 あさひ「そうなると透ちゃんは【コロシアイをスムーズに進行するための存在】ってことにならないっすか?」 
  
 智代子「そういえば、元々透ちゃんは私たちをこの島に拉致したことも認めてたよね」 
  
 智代子「新世界プログラムの目的がはっきりした今、私たちの仲間って言うのは信用しても大丈夫なものなのかな……」 
  
 透「コロシアイなんかさせたくない」 
  
 透「【敵じゃない】んだって……100」 
  
  
 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 
  
  
 1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価) 
 2.集中力を使う(コトダマの数が減る) 
 3.アイテムを使用する 
 【高級ヒーリングタルト】×2 
 【プロデュース手帳】×3 
  
 ↓1  
	- 738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 21:40:56.76 ID:9dQIbcJI0
 -  コロシアイをスムーズに進行するための存在 に プログラムエラー 
 
	- 739 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:43:10.67 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「それは違うぞ!」 
  
 【BREAK!】 
  
 ルカ「新世界プログラムにはシステム管理を行うAIが標準搭載されている。今回のプログラムで、その役割は浅倉透が担っていた」 
  
 ルカ「多分、モノミのその言葉は正しいんだろう……部分的に」 
  
 モノミ「……」 
  
 ルカ「さっきも確認した新世界プログラムのエラーコードをもう一度見てくれ。この未定義のエラーにより、内部セキュリティが内側から改変され、外からの干渉はされなくなったというメッセージ……」 
  
 ルカ「これと同時に、もう一つ。内部にウイルスが侵入したってメッセージがあるだろ?」 
  
 透「……!」 
  
 ルカ「システムセキュリティの改変……これ、ウイルスの侵入と併せて考えると防衛機構が働いただけとも取れないか?」 
  
 智代子「取れないこともないけど……だとしても、それがどう変わるの? 結局、エラーが起きて外の世界と隔絶されたっていう事実は変わらないんだよね?」 
  
 ルカ「新世界プログラムはコロシアイを目的としたプログラムだった、この前提を持った状態で見直すとどうだ?」 
  
 あさひ「コロシアイを阻害する何かが侵入したから、外から手出しされないようにした……?」 
   
	- 740 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:44:09.63 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「そうだ、内部プログラムからすればその目的と対極になる存在が侵入しないとこのメッセージは出てこない」 
  
 ルカ「このメッセージが出たからこそ、前回の生き残り連中五人が新世界プログラムにログインするようになったんだとすれば、ウイルスとみなされたものの正体……浅倉透である可能性が高いんじゃねーのか?」 
  
 智代子「待って! モノミはシステム管理のAIは新世界プログラムに標準搭載されているって言ってたんだよ! 後から透ちゃんが出てくるんじゃ、その基本原則に反してない?」 
  
 モノミ「ちなみに、浅倉さんがそのAIだということは証明ができまちゅよ。ログインしているユーザーには、そのユーザーが実在する人物かどうかを示すフラグがデータとして盛り込まれているんでちゅが……」 
  
 モノミ「浅倉さんのフラグは『management』、あちしたちとおんなじで新世界プログラムを管理するAIのフラグでちゅ!」 
  
 智代子「このフラグがある以上は、透ちゃんはコロシアイを取り仕切る側になってしまう……こればっかりはどうしようもないよ!」 
  
 ルカ「いや、浅倉透は【正常な】新世界プログラムの管理AIだ。異常をきたしている新世界プログラムに対し、それを元に戻すために導入されたんだろう」 
  
 ルカ「それに、【異常を起こしている】新世界プログラムの管理AIはほかにいる。もともとこの新世界プログラムの管理AIはそいつだったんだろうな」 
  
 あさひ「そっか……ほかにもAIがいたなら、透ちゃんが後から入ったAIだとしても新世界プログラムの管理AIの標準搭載にも説明がつくんだ」 
  
 智代子「そうかもしれないけど……そうなると私たちの中に、他にもNPCがいたってこと……?」 
  
 智代子「でも、透ちゃん以外のみんなはこの写真に映ってるんだよ……?」 
  
 ルカ「何言ってんだ、丁度いるじゃねーか。私たちのコロシアイ、その場に居ながらこの写真にはその姿を映していないあからさまなNPC野郎が」 
  
 ------------------------------------------------- 
  
 【怪しい人物を指摘しろ!】 
  
 ↓1 
   
	- 741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 21:49:31.76 ID:9dQIbcJI0
 -  モノミ 
 
	- 742 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:52:21.12 ID:eBhCCQ9W0
 -   
  
 ルカ「オマエだ!」 
  
 【解!】 
  
 ルカ「モノミ、さっきオマエは言ったな。浅倉透のフラグはオマエと同じ『management』だって」 
  
 智代子「あっ……!」 
  
 ルカ「別にこいつは浅倉透が今回の新世界プログラムの管理AIだとは言ってない、あくまでこいつはその役割を持っているAIというだけでコロシアイの運営側だとは一度も言ってないんだよ」 
  
 ルカ「そして、その解釈をするなら浅倉透の今までの言葉、これまでの議論の流れ、そしてあの写真に映っていた事実。いずれにおいても整合性が取れる」 
  
 ルカ「私たち10人を巻き込んだコロシアイを起こすための機械と化した新世界プログラム、それを正常に戻すために前回のコロシアイの生き残り5人を構成員とする未来機関がプログラム内に侵入させた正常化のための管理AI。それが浅倉透だったんだ」 
  
 あさひ「それじゃあ透ちゃんは、敵じゃないんっすね!」 
  
 智代子「ご、ごめん……! この期に及んで疑うような真似して……」 
  
 透「いいって、いいって。わかってもらえたら、それで」 
  
 ルカ「モノミ、わざと情報を断片的にしか伝えなかったり、議論に関わってきたり、ここにきていよいよ形振り構わなくなってきたじゃねえか。この卒業試験は私たちの実力で乗り越えるのに意味があるんじゃなかったか?」 
  
 モノミ「別にミナサンを妨害しているわけじゃないでちゅよ、ミナサンには真実のすべてを知ってほしい。そのために必要な干渉なんでちゅ」 
  
 あさひ「それじゃあ、そろそろ最終問題を出してほしいっす」 
  
 智代子「そういえば、まだ出されてないんだったね……透ちゃんを前にして興奮しちゃったや……」 
  
 モノミ「わかりまちた! ミナサンが仲間を仲間だと認識したところで、いよいよ最後の問題に移りまちゅ!」 
  
 モノミ「これが、卒業試験の最終問題でちゅ!」 
  
   
	- 743 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:53:37.97 ID:eBhCCQ9W0
 -   
  
  
  
 ★ 今回のコロシアイの参加者はなんの記憶をなくしている? 
  
  
  
  
 モノミ「さあ、シンキングタイム……スターティン!」 
  
 ルカ「……は? いや、おいおい……オマエ、今までの話は聞いてたのか?」 
  
 ルカ「私たちはとっくにその話は終えてる……! 前回のコロシアイの話も、今までずっとずっと忘れていた……月岡恋鐘に記憶を植え付けるための一周目のコロシアイだって、思い出したんだぞ……!」 
  
 ルカ「これ以上、一体何を求めるってんだ……!」 
  
 あさひ「まさか、そのコロシアイの顛末まで詳細に思い出さなくちゃいけないんっすか?」 
  
 智代子「そんなの無理だよ! ……いや、できることなら思い出したい、けど」 
   
	- 744 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:55:01.79 ID:eBhCCQ9W0
 -   
  
  
  
  
 透「深呼吸、一つ」 
  
  
  
  
  
   
	- 745 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:55:57.15 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「ああ?!」 
  
 透「肺いっぱいに吸い込んで……吐きましょう……」 
  
 透「ほら、落ち着いて。トランキーロ」 
  
 ルカ「これが取り乱されずにいられるかよ……こんな問題、何をどう答えろって……」 
  
 透「だからこそじゃん。今までの問題だって、モノミにははっきりした意図?があったし。この問題も、やみくもじゃないんじゃない?」 
  
 あさひ「何か、私たちに思い出させたい……重要な記憶があるってことっすか?」 
  
 智代子「これ以上の何かがある……なんだか自分の記憶が怖くなってくるね」 
  
 ルカ「チッ……」 
  
 透「私には思い出す記憶も何も、ないからさ。赤ちゃんみたいなもんだよ」 
  
 智代子「私たちの記憶……これまでの議論の延長線上で導き出すしかなさそうだね」 
  
 ルカ「これまでの議論……なぁ」 
  
 あさひ「やっぱり、わたしたちが参加していたのに忘れていた1周目のコロシアイが関係するっすかね?」 
  
 ルカ「よし、そこから議論してみるか……」 
  
 (私たちが忘れてしまっていた、1周目のコロシアイ……) 
  
 (すべての始まりを、私たちは知らない……) 
  
 (この忘却のどこかに、重要なヒントが眠っているはずなんだ……!)  
	- 746 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 21:57:48.62 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
  
 【ノンストップ議論開始!】 
  
 発言力:♡×7 
 集中力:☆×6.5 
  
 ‣【一周目のコロシアイ】 
 ‣【恋鐘の証言】 
 ‣【行方不明の十人】 
 ‣【新世界プログラム】 
 ‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】 
 ‣【オリジナルの浅倉透】 
 ‣【Aへのメール】 
 ‣【チーム・ダンガンロンパ】 
 ‣【にちかの証言】 
  
  
 あさひ「わたしたちはみんな、この島に来た記憶がない」 
  
 あさひ「でも、どこまでを忘れてるんっすかね?」 
  
 智代子「私も参加した前回のコロシアイ」 
  
 智代子「そのコロシアイの生き残りを除いたみんなが参加した1周目のコロシアイ」 
  
 智代子「今回のコロシアイは、【3回目のコロシアイ】に当たるんだよね!」 
  
 透「1回目のコロシアイの黒幕は【社長】」 
  
 透「新世界プログラムでのコロシアイの黒幕は【恋鐘ちゃん】」 
  
 透「みんなが思い出せたのは、参加者と黒幕……ぐらいかな」 
  
 あさひ「それぞれで誰がどんな死に方をしたとかまでは流石に思い出せないっすよ〜」 
  
 あさひ「これ以上何を思い出せばいいんっすか〜」 
  
  
 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 
  
  
 1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価) 
 2.集中力を使う(コトダマの数が減る) 
 3.アイテムを使用する 
 【高級ヒーリングタルト】×2 
 【プロデュース手帳】×3 
  
 ↓1 
   
	- 747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 22:02:42.20 ID:9dQIbcJI0
 -  恋鐘ちゃん に 一周目のコロシアイ 
 
	- 748 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:04:04.54 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「それは違うぞ!」 
  
 【BREAK!】 
  
 ルカ「……そうか、私たちはまだ思い出すべきところを思い出せちゃいなかったんだ」 
  
 透「おっ、来た? 天啓」 
  
 ルカ「ああ、その記憶にライトを当ててくれたのはオマエだよ。浅倉透」 
  
 透「しゃー、功労賞」 
  
 ルカ「これまでの議論の中で明らかになった一周目のコロシアイの存在。私たちはそれについて、まだ何も知らないんだよな」 
  
 智代子「うん……恋鐘ちゃんがそのコロシアイを経たせいで、江ノ島盾子の人格を貰っちゃったってことだけ」 
  
 ルカ「そう、このコロシアイがあったからこそ今回のコロシアイでは月岡恋鐘が黒幕になったんだ」 
  
 ルカ「……じゃあ、1周目のコロシアイは誰が始めたんだ?」 
   
	- 749 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:04:55.35 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 あさひ「それは……社長じゃないんっすか?」 
  
 ルカ「いや、それはないはずだ。今回のコロシアイが始まる前の段階で撮影された例の写真。ここに前回の生き残りの5人が映っている、つまりはこの段階で【前回のコロシアイ】は終わっている。天井努は死んでいるんだよ」 
  
 ルカ「天井努でなく、月岡恋鐘でもない第三者が……もう一人の黒幕が絶対にいる筈なんだ……!!」 
  
 あさひ「わたしたちが思い出すべき記憶って……その黒幕なんっすか……!?」 
  
 智代子「新世界プログラムを起動した人間……それを当てなくちゃなんだね!」 
  
 ルカ「浅倉透、オマエは管理AIなんだろ? なんかその、ログとかは見れないのか?」 
  
 透「ううん、フラグとしては管理者だけどその権限はすぐに剥奪されちゃった。持ってたらこんなコロシアイさせてないって」 
  
 ルカ「それもそうか……」 
  
 あさひ「その黒幕って何者なんっすかね。社長とは最初から協力関係だったんだとは思うっすけど、283プロの人なんすか?」 
  
 ルカ「そうとも限らねえが……これだけの人数を集めるうえで、関係者であるとかなり工程は楽になるだろうな」 
  
 智代子「でも、みんなコロシアイに巻き込まれてるし、候補になるような人はもういないよね?」 
  
 (一週目のコロシアイを始めた黒幕……ひいては今回のコロシアイの真の黒幕とも言うべき存在だ) 
  
 (こいつを引きずり出さないことには……終われない!) 
  
   
	- 750 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:05:57.83 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
  
 【ノンストップ議論開始!】 
  
 発言力:♡×7 
 集中力:☆×7 
  
 ‣【方舟計画】 
 ‣【冬優子の写真】 
 ‣【ジャバウォック島再開発計画】 
 ‣【Aへのメール】 
 ‣【新世界プログラム】 
 ‣【島の電波環境】 
 ‣【にちかの証言】 
 ‣【一周目のコロシアイ】 
 ‣【希望ヶ峰学園歌姫計画】 
  
  
 透「コロシアイをするための仮想空間になった新世界プログラム」 
  
 透「それを起動した人間が、誰かいる筈なんだよね」 
  
 智代子「前回のコロシアイ、二周目のコロシアイ」 
  
 智代子「どっちも283プロの人間が黒幕だったし、やっぱり新世界プログラムを起動した人も【283プロの人間】なのかな……」 
  
 あさひ「わたしたちアイドルは全員がコロシアイに参加してるっす」 
  
 あさひ「真の黒幕になることは誰にもできないんじゃないっすか?」 
  
 透「プロデューサーにはづきさん……」 
  
 透「二人も捜査資料に登場してるし【黒幕にはなれそうにない】よね」 
  
 智代子「社長はチーム・ダンガンロンパを裏切る時に協力者を連れて裏切ってるみたいだし」 
  
 智代子「やっぱり、【その関係の誰か】なのかな……」 
  
 あさひ「そんなの、わたしたちが知ってるわけないじゃないっすか〜」 
  
  
 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 
  
  
 1.発言する(コトダマと撃ち込む先の発言を併せて指定安価) 
 2.集中力を使う(コトダマの数が減る) 
 3.アイテムを使用する 
 【高級ヒーリングタルト】×2 
 【プロデュース手帳】×3 
  
 ↓1 
   
	- 751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 22:11:28.56 ID:9dQIbcJI0
 -  283プロの人間 に にちかの証言 
 
	- 752 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:13:16.35 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「それは違うぞ!」 
  
 【BREAK!】 
  
 ルカ「……いや、283プロの人間でもう一人……黒幕になることができる可能性がある人物がいるはずだ」 
  
 透「なんか、めっちゃフワフワしてる」 
  
 ルカ「断言はできねえんだよ。一人の証言だけで疑うって話だから……」 
  
 あさひ「そんな証言をした人がいるんっすか?」 
  
 ルカ「ああ、でもそいつの発言は信ぴょう性がある程度はあるはずだぞ。なんたって、その黒幕候補の肉親、なんだからな」 
  
 智代子「肉親……? 283プロダクションの中でそんな関係性になり得る人って……」 
  
 ルカ「七草にちかだ」 
  
 あさひ「にちかちゃん、っすか……? でも、にちかちゃんはもう死んでるっすよ……?」 
  
 ルカ「んなことは分かってる。でも、私たちは全員がその目で見たはずだ、骸が目覚めて私たちと刹那の時を過ごした瞬間を」 
  
 智代子「……学級裁判前の、捜査時間だよね」  
	- 753 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:14:12.39 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「私はあの時、七草にちかの亡霊と美琴の亡霊と一緒に捜査をしていた。その時に捜査資料を見つけて……あいつが口にしたんだよ」 
  
 ルカ「こんな泣きボクロなんかあったっけ……ってな」 
  
 あさひ「はづきさんに泣きボクロ……? うーん、あったっすかね……」 
  
 智代子「言われてみれば、あったような……なかったような……」 
  
 ルカ「同じ時間を過ごしていた人間だとは言え、記憶なんてのは朧気だ。んなもん何の当てにもならない」 
  
 ルカ「でも、幼少期から一緒に育ち、共に暮らしてきた人間ならどうだ? 身体的特徴なんて、そうそう見紛うもんじゃないはずだ」 
  
 透「それってさ、あの資料に載ってたはづきさんは別人だっていいたいの?」 
  
 ルカ「ああ。顔は整形で合わせに行けばいい、人格は方舟計画の技術を流用すればいい。後は身分証なりなんなり……本人の協力があればどうにでもなる」 
  
 ルカ「七草はづきという人間は283プロダクションにとって大きく関係しているが、コロシアイにも参加していない例外的な人物。283プロダクションの人間を集めて、新世界プログラムを使ってコロシアイを強いるうえではこれ以上ない最適者だ……!」 
  
 あさひ「納得はできるっす。でも、証拠がないっすよ」 
   
	- 754 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:15:40.86 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 あさひ「それに、条件ならプロデューサーさんだって同じじゃないっすか? プロデューサーさんも捜査資料に登場はしてるっすけど、いくらでも成り代わることはできるしコロシアイにも参加してないっす」 
  
 透「……いや、それだけはないよ」 
  
 ルカ「そう断言するからには理由があるんだよな?」 
  
  
  
 透「うん、にちかちゃんに疑われたあの時……連絡を取っていたのがプロデューサーだから」 
  
  
  
 智代子「えっ……!!」 
  
 透「私……正常な管理AIを新世界プログラムに侵入させたのがそもそもプロデューサーなんだよ。外からの干渉は拒絶されてしまったけど、内側から外部に通信をとることはできたから、エレクトボムを使うことで黒幕に気づかれないように連絡とってた」 
  
 透「だから、プロデューサーは違うと思う。みんなを守ろうとしてる」 
  
 智代子「プロデューサーさん……」 
   
	- 755 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:16:24.97 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「……まあ、これで絞れたわけだ。真の黒幕の可能性が一番高いのは七草はづき。それに異存はないな」 
  
 あさひ「可能性の話はそうっすけど……でも、やっぱり確定は出来ないっす。わたしたちの知らない人だって可能性も、全然あるし」 
  
 智代子「……私は、はづきさんが黒幕だとは思いたくないよ」 
  
 智代子「だって、はづきさんだってプロデューサーさんと同じでいつも私たちをすぐそばでサポートしてくれて……私たちが挑戦するのを応援し続けてくれた人なんだよ」 
  
 智代子「そんな人が……私たちの在り方を否定して、別の人格を入れるなんて考え方に同意するとは思えないんだ」 
  
 ルカ「……」 
  
 智代子「ねえ、はづきさんが本当に真の黒幕なのかどうか、精査する方法はないのかな」 
  
 (……七草はづきの容疑を検証する方法か) 
  
 (園田智代子からすれば、七草はづきは黒幕ではないという証拠が欲しいところだろうな) 
  
 (そんなもの、あっただろうか……?) 
   
	- 756 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:17:16.55 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
  
 【検討プロセッシング開始!】 
  
 新世界プログラムを使った二度のコロシアイ。 
 二周目のコロシアイの黒幕は月岡恋鐘が担わされたが、その役割を背負わせた真の黒幕……最初に新世界プログラムを起動した人間がいる。 
 いわば真の黒幕と言い換えてもいい。 
 現状、その真の黒幕の可能性が高いのは七草はづき、283プロの事務員だ。 
 実妹が成り代わりを指摘しており、これだけの人数を集め、コロシアイを実行・運営できるだけの素質もある。 
 でも、その証拠は存在しない。論理上怪しい、というだけ。 
 どうだろう、七草はづきは本当に真の黒幕なのだろうか? 
  
 まず、真の黒幕が満たすべき要件から考えてみるか…… 
  
 Q1.1周目のコロシアイが起きたのは前回のコロシアイよりも? 
 A.前回のコロシアイ以前 B.前回のコロシアイ以降 
  
 ↓1 
   
	- 757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 22:22:29.94 ID:9dQIbcJI0
 -  b 
 
	- 758 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:23:35.29 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
 B 
 ------------------------------------------------- 
 【CORRECT!】 
  
 前回のコロシアイよりは一周目のコロシアイが起きたのは後になっているはずだ。 
 事件の捜査資料からしても、事件の発生と同時期に私たちは姿を消したと書かれている。 
 早くても同時期……普通に考えて、天井努の死後に行われているものとみていいだろう。 
  
 つまり、前回のコロシアイで死んでいる人間はまず除外して考えていい。 
  
 Q2.1周目のコロシアイが起きた時、真の黒幕はどこにいた? 
 A.希望ヶ峰学園を模して作られた建物 B.ジャバウォック島 C.283プロダクション  
  
 ↓1 
   
	- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 22:27:29.70 ID:9dQIbcJI0
 -  b 
 
	- 760 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:29:10.32 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
 B 
 ------------------------------------------------- 
 【CORRECT!】 
  
 ……そうだ、二周目のコロシアイが、今回のコロシアイが始まった時。 
 浅倉透という正常化管理AIが投じられ、更には【前回のコロシアイ】の生き残り5人までログインしてきた。 
 つまり、二周目が始まろうとしていたその瞬間、現実世界のジャバウォック島には関与している全員が集結していた。 
 私たちを救うために未来機関が集まっていたのなら、その場で真の黒幕を抑えてしまえばいい。 
  
 だけど、こうしてコロシアイは止められることもなく、 
 今ここに至っているということは未来機関が踏み込んだ時には真の黒幕の姿はそこにはなかったということになる。 
  
 島の外に逃げ出した? 
 いや、そんなことはできない。二周目を始めるための指示が機械に与えることができないからだ。 
 二周目を始めるのにも、やっぱりその場に黒幕がいる必要がある。 
 だのに、その身柄を抑えることができなかったということは…… 
  
 Q4.真の黒幕は誰? 
 A.月岡恋鐘 B.天井努 C.七草はづき D.今回のコロシアイに参加している誰か 
  
 ↓1 
   
	- 761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/11/26(土) 22:31:56.86 ID:9dQIbcJI0
 -  d 
 
	- 762 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:37:01.79 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
 D 
 ------------------------------------------------- 
 【CORRECT!】 
  
 未来機関に拘束されることなく、姿を消し、かつ今回のコロシアイを行うことができる方法はただ一つ。 
  
 自分自身がコロシアイに参加することだ________! 
  
  
 【FORGING!】 
  
  
 ルカ「……園田智代子、朗報だ。七草はづきは真の黒幕じゃない。真の黒幕にはなり得ない」 
  
 智代子「え、ど、どうしたの!? 突然の手のひら返し!」 
  
 ルカ「考えてみれば当然なんだ。今回のコロシアイは新世界プログラムという大掛かりな装置を使い、それに加えて二周目を起こすために再起動までかけてる」 
  
 ルカ「真の黒幕も私たちと同じ場所に、装置のある現実世界のジャバウォック島にいなくちゃいけないんだ」 
  
 あさひ「リモートで制御するには複雑な操作が必要になりそうっすよね」 
  
 ルカ「だけど、未来機関の鎮圧の記録から見ても……私たちがコロシアイを強いられた新世界プログラムの装置の現場には真の黒幕の姿はなかった」 
  
 透「二周目だけ始めさせて、ドロンとかは?」 
  
 ルカ「月岡恋鐘に黒幕をやらせたうえでの二周目だぞ? そんな絶好の肴をわざわざ放ってどっかに行くと思うか?」 
  
 智代子「でも、実際いなかったわけだし……」 
  
 ルカ「いや、黒幕自身はその場にいたんだよ。一番の特等席で、な」 
  
 智代子「特等席……?」 
  
 ルカ「簡単な話だ、自分自身がコロシアイに参加すればいい」 
  
 智代子「えッ……」 
  
  
  
 智代子「ええええええええええええええええ!?!?!??!」 
  
  
   
	- 763 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:38:04.34 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 ルカ「それに身を隠す上でもこの上なくうってつけなんだよ。他の参加者に紛れてしまえば見分けもつかないし、証拠も残らない」 
  
 あさひ「それじゃ、未来機関の5人、AIの透ちゃん、今回のコロシアイの黒幕の恋鐘ちゃんを除いたうちの誰かが……一周目のコロシアイを始めた真の黒幕なんっすか?」 
  
 ルカ「私はそう思う。どうだ、朗報だったろ?」 
  
 智代子「ど、どこが……!? さっきよりも状況、滅茶苦茶に悪くなってるよ……!!」 
  
 智代子「ここにきて、また仲間を疑わないといけないなんて……そんなの、いやだよ……!」 
  
 あさひ「……じゃあ、ここでいったん絶交っすね」 
  
 智代子「あ、あさひちゃん……?」 
  
 あさひ「進むしかないんだって、止まってる時間はないんだって。それは智代子ちゃんだって分かってるっすよね?」 
  
 智代子「……うぅ」 
  
 あさひ「それでも、仲良しなせいで、仲間を疑えない。前に進めない。それなら、今は仲良しをやめなくちゃダメっすよ」 
  
 ルカ「あさひ……」 
  
 あさひ「疑うことが進むことなら、わたしはその道を進むことを躊躇しないっす。今までに死んだみんなのためにも」 
  
 モノミ「うぅ、本当に強くなりまちたね、芹沢さん。和泉さんも黛さんも、冥界からその成長を喜んでくれていると思いまちゅよ」 
  
 あさひ「その冬優子ちゃんだって、黒幕候補っすよ」 
  
 モノミ「……! これは、想像以上でちゅ……!」 
  
 あさひ「ルカさんは付き合ってくれるっすよね。この絶交に」 
  
 (絶交、か……その言葉を聞くと、あいつのことを思い出すな) 
  
 (……ああ、私にとっても絶交は前に進むための手段。なら、あさひが示してくれた道から私が退く理由はない) 
  
 ルカ「おう、オマエのことも疑い尽くしてやる。見つけ出してやるよ、真の黒幕を……!」 
  
   
	- 764 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:38:53.84 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
 【検討プロセッシング開始!】 
  
 一周目のコロシアイ、そこに謎のすべては眠っているが……その記憶もまた眠っている。 
 脳髄を引きずり出したとて、それを呼び起こすことは適わないだろう。 
 私たちにできるのは、今のこの記憶に溶けだしている一周目のコロシアイの残滓を掬い集めることだけだ。 
 どんなに微かで、薄くて、小さくても……その残滓を見逃しちゃダメだ……! 
  
 Q1.一周目のコロシアイと二周目(今回)のコロシアイ、その違いは? 
 A.舞台 B.参加者 C.設定 D.期間 
  
 ↓1 
   
	- 765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 22:41:06.69 ID:CTKsf4xu0
 -  B 
 
	- 766 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 22:42:48.56 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
 B 
 ------------------------------------------------- 
 【CORRECT!】 
  
 そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。 
 コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。 
 これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。 
 それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか? 
  
 Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは? 
  
 >>590 >>591 >>592 
  
 ↓1 
   
	- 767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 22:57:07.42 ID:9dQIbcJI0
 -  冬優子の写真 
 
	- 768 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:03:08.57 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 【発言力:♡×7→6】 
  
 (いや……これは参加者の違いを示す証拠であって、これにより歪みが生じたことを示す証拠じゃない) 
  
 (もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ) 
  
 【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】 
  
 【コトダマの数が減少した!】 
  
 そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。 
 コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。 
 そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。 
  
 これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。 
 それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか? 
  
 Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは? 
  
 >>590 >>592 
  
 ↓1  
	- 769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 23:05:53.91 ID:vpz+bMIA0
 -  【行方不明の十人】 
 
	- 770 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:08:11.34 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 【発言力:♡×6→5】 
  
 (いや……違う、これじゃない) 
  
 (もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ) 
  
 【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】 
  
 【コトダマの数が減少した!】 
  
 そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。 
 コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。 
 そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。 
  
 これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。 
 それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか? 
  
 Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは? 
  
 >>590  
  
 ↓1  
	- 771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 23:08:42.57 ID:9dQIbcJI0
 -  プログラムエラー 
 
	- 772 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:15:29.12 ID:eBhCCQ9W0
 -  【発言力:?×5→4】 
  
 (いや……違う、これじゃない)  
  
 (もっと明確に……このコロシアイ自体が狂ってしまった証拠が何かあるはずだ)  
  
 【実像は揺れ動く、されど彼女の信念はブレない……!】  
  
 【コトダマの数が減少した!】  
  
 そう、今回の黒幕は一周目とは参加者が大きく異なっている。  
 コロシアイの舞台装置となった新世界プログラムを正常化するための管理AIの浅倉透、私たちを救うために入り込んだ未来機関の人間の5人。  
 そして何より、未来機関から身を隠すために真の黒幕も参加していた。  
  
 これが大きな相違点のはずだ。おそらくこれらはもともと予定されていた出来事ではなく、飛び入り参加のような形でイレギュラーだったはずだ。  
 それなら、このイレギュラーによって生じた食い違いがあれば、その綻びから黒幕を引きずり出すことができるんじゃないか?  
  
 Q2.今回のコロシアイにおいて、参加者が一周目と異なることで生じた食い違いを示すコトダマは?  
  
 ?【希望ヶ峰学園歌姫計画】  
 ?【にちかの証言】  
 ?【ジャバウォック島再開発計画】  
  
 ↓1  
	- 773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 23:17:02.51 ID:JjZS6bxL0
 -  【ジャバウォック島再開発計画】 
 
	- 774 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:25:16.71 ID:eBhCCQ9W0
 -  【発言力:♡×4→3】 
  
 【スキル効果によりコトダマが減少しますが、候補が残らないため自動で進行します】 
  
 ------------------------------------------------- 
 【希望ヶ峰学園歌姫計画】 
 ------------------------------------------------- 
  
 【CORRECT!】 
  
 この島に来た時、そういえばモノミのやつが言っていた。 
 この島の暮らしは希望ヶ峰学園による才能研究の一環で、学園の技術を用いてアイドルとしての潜在能力を引き出すことを目的としている。 
 そのプログラムには283プロのアイドルと私が参加し、それを収録して一つの番組にする……とかなんとか。 
 それを総合した呼称が、『希望ヶ峰学園歌姫計画』だったはずだ。 
  
 でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ? 
 ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。 
 私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。 
  
 ……この食い違いは。 
  
 Q3.なぜ『希望ヶ峰学園歌姫計画』の対象が予定と実際で食い違っている? 
  
 A.黒幕の参加に合わせて修正したから 
 B.黒幕の参加に合わせて修正したから 
 C.黒幕の参加に合わせて修正したから 
 D.黒幕の参加に合わせて修正したから 
  
 ↓1  
	- 775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 23:27:28.79 ID:9dQIbcJI0
 -  a 
 
	- 776 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:30:25.28 ID:eBhCCQ9W0
 -  ------------------------------------------------- 
 A 
 ------------------------------------------------- 
  
 【CORRECT!】 
  
 (……) 
  
 【FORGING!】 
  
  
 ルカ「あさひ、礼は言っておく。オマエのおかげで、どれだけ酷な真実があろうとも受け止めるだけの覚悟ができた。腹を括れたよ」 
  
 あさひ「ルカさんが言ったことっすから。進むのをためらうなって」 
  
 ルカ「ああ、だから私も足を止めなかった。この島での暮らしを、はじめから疑った。私たちがここに来た理由から、全部な」 
  
 智代子「もともとは希望ヶ峰学園歌姫計画……希望ヶ峰学園のプログラムの才能育成の一貫だって聞かされてたんだっけ」 
  
 透「希望ヶ峰学園自体、植え付けられた記憶……なんだけどさ」 
  
 ルカ「ま、それはそういう舞台設定だったんだろう。そういう希望に満ちた始まりからコロシアイのどん底に落とされることで絶望を一層引き立てる……いかにも黒幕が好きそうな話じゃねえか」 
  
 ルカ「ただ、その設定を一周目ならず二周目までも採用しちまったのは失策だったんだよ。本来の設定の現行の状況との間に食い違いが生じてしまったからな」 
  
 あさひ「食い違いって何のことっすか?」 
  
 ルカ「本当に小さな食い違いなんだけどな、元々この希望ヶ峰学園歌姫計画ってのは『283プロダクションのアイドルのみ』を対象としたものという設定なんだよ」 
   
	- 777 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:31:28.16 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 智代子「あっ……ルカちゃんが含まれてない……!?」 
  
 ルカ「そういうことだ。モノミは283と私とでの合同ロケ、なんて理由づけをしてたが随分と苦しい言い訳じゃないか?」 
  
 モノミ「そ、そんなことはないでちゅよ……」 
  
 透「二周目と一周目の違いはその参加者。うちら未来機関と、一周目を起こした黒幕」 
  
 透「混じったことで、折り合いがつかなくなっちゃったんだ」 
  
 ルカ「そう、綻びははじめからあったんだ。ただ、それに気づくことは外の世界を忘れてしまった私たちには不可能だったんだけどな」 
  
  
  
 あさひ「……えっ」 
  
  
  
 智代子「あさひちゃん、どうしたの?」 
  
 あさひ「……」 
  
 ルカ「……あさひ、相変わらずオマエは察しがいいな。まあ、ここまでいえば全部話したも同然だけどな」 
  
 智代子「ルカちゃんまで……ど、どうしたの……」 
  
 ルカ「オマエだって本当は気づいてるんだろ? 今の話で、真の黒幕はすぐに分かっちまうって」 
  
  
 (……私が歩んできた道は、間違いじゃなかった) 
  
 (それは、胸を張って言える) 
  
  
 (……だけど、ここから先にも) 
  
  
  
 (道は繋がっているのだろうか) 
   
	- 778 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:32:22.22 ID:eBhCCQ9W0
 -   
  
  
  
  
 【真の黒幕を指摘しろ!】 
  
 ↓1 
  
  
  
  
   
	- 779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 23:33:20.73 ID:CTKsf4xu0
 -  ルカ 
 
	- 780 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/26(土) 23:38:00.12 ID:eBhCCQ9W0
 -   
 卒業試験の最終問題の解答が出たところで本日はここまで。 
 最後の学級裁判はこれで前半パートがおしまいになります。 
 後半パートに突入し、物語はいよいよ結末に向けて加速していきます。 
  
 次回更新は11/27(日)21:00ごろを予定しています。 
 安価外の物語進行がかなり多めになると思います。 
 予めご了承ください。 
 それではお疲れさまでした。 
 またよろしくお願いいたします。  
	- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/26(土) 23:42:24.48 ID:9dQIbcJI0
 -  1乙 
 やっと黒幕が判明したら主人公って… 絶望すぎる  
	- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/11/27(日) 00:21:25.08 ID:tRXy152T0
 -  マジかよ…てかこんな事実受け入れれるルカのメンタル強すぎな 
 
	- 783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 04:51:17.65 ID:IorJo2ej0
 -  ルカが黒幕……?いやでもよく考えたら原作も主人公が実質黒幕か……って思ったよりすんなり受け入れた自分がいたんだよね  
  それはともかくちょっと重箱の隅な気もすることが気になってて、  
  774の歌姫計画の説明で、  
  「ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。」  
  って書かれてて、たぶんこれの対応は446の歌姫計画の説明だと思うんですけど、こっちには  
  「『計画には283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい、……』」  
  って記述で、「283プロダクション所属のアイドルに参加してもらい」=「283プロのアイドルのみが対象」とは文脈から読み取れるんですけど、  
  ハッキリと「のみを集め」とは書かれてなくない……?って思ってしまったんですよね  
  なんか変ないちゃもんみたいなところ気にして申し訳ないです  
	- 784 : ◆vqFdMa6h2. [sage saga]:2022/11/27(日) 06:22:19.04 ID:EggkbfIo0
 -  >>783 
 これは>>774の書き方に問題がありましたね… 
 仰る通り、コトダマの説明もそうですし、実際にコトダマを獲得した時の>>445 >>446でも「のみ」なんて表記は無いですね、、、 
 ここの問題の主たる意図としては「実際はルカも参加しているのに、283プロダクションのアイドルの参加しか明文化されておらず若干の食い違いが生まれている」です。 
  
 × 
  
 でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ? 
 ここにはハッキリと『283プロダクション所属のアイドル【のみ】を集め』と書かれているではないか。 
 私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。 
  
 ……この食い違いは。 
  
 ↓ 
  
 〇 
  
 でも、実際の『希望ヶ峰学園歌姫計画』はどうだ? 
 「283プロダクションのアイドル」の参加には言及はあるが、私の参加には一切言及もない。 
 まるで、そもそも参加なんか意図されていないように…… 
 私は天地がひっくり返ろうともその所属は283プロダクションではない。 
  
 ……この食い違いは。 
  
 多分これぐらいの表現が適当になるかと思います。 
 元から小さな違和感、矛盾を指摘するところなのでモヤつかせてしまう要素ではあったんですが、ずっとこれまでになかった表現が登場するという部分で余計に納得しにくい展開になってしまって大変申し訳ないです。 
 本家V3であったように、それ単体では意味が通るが、実際にコロシアイに参加している人間は違和感を感じるコトダマを目指したんですが中々難しいですね。 
   
	- 785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2022/11/27(日) 14:00:25.20 ID:77GhznRs0
 -  揚げ足とる行為そのものに生き甲斐を感じる性癖の持ち主はたまにいるから気にしなくていいんじゃね? 
 Q.朝ごはん何だった→A.パン食べたww 
 みたいな奴は頭が悪いか性格が悪い子、関わると碌ことにならない 
 多分コナンやネウロのトリックにすらネチネチ文句言ってるだろうな  
	- 786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/11/27(日) 18:52:55.01 ID:IorJo2ej0
 -  すいません、783なのですが早朝からお手を煩わせてしまい申し訳ないです  
  また、返信をいただいていることに気づくことが遅れてしまったこともお詫び申し上げます  
  少し気になっただけのところをわざわざ対応していただきありがとうございます  
  お手数をおかけしました  
	- 787 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:51:41.54 ID:EggkbfIo0
 -  >>786 
 実際こちらの表現に問題がある部分だったのでご指摘はもっともだと思います! 
 その他諸々も掲示板の特性上のことなので何もお気になさらないでくださいね 
  
  
 それでは最後の学級裁判後半パート……前の幕間の章より再開いたします  
	- 788 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:53:05.12 ID:EggkbfIo0
 -  ------------------------------------------------ 
  
  
  
  
  
 CHAPTER 00 
  
 幕間 
  
 ナポリタン一皿のイマージュ 
  
  
  
  
  
 ------------------------------------------------  
	- 789 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:53:52.42 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
  
  
 ____マジでどの面下げて私の前に現れてんだって。 
  
  
  
  
  
   
	- 790 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:54:47.34 ID:EggkbfIo0
 -   
 ナポリタンに醤油やお酢をぶっかけられたような最悪の気分。 
 苦虫を噛み潰してすり潰し、それを濃縮して煎じた薬でも飲んだような顔をしていただろうと思う。 
 目の前の席についた男に、目を細め侮蔑の視線を送る。 
  
 この男は私にとって親の仇だ。 
 若くして私を身籠ったママは妊娠していたにも関わらず無理なプロデュースにより活動を強いられ、 
 そして身を壊し、精神も消耗し、最終的には私を産み落とした後に自殺という選択を取った。 
  
 その結末を齎したのは間違いなく目の前のこいつ。 
 こいつは今、そのことに触れることもなく悠々とした様子でワイングラスを口元へと運んでいる。 
  
  
 「そんなに美味いかよ……屍の山の上で飲む酒は」 
 「山、とは大層だな」 
 「一人や二人じゃ目でもないって……? 笑えるね、何がアイドルのプロデューサーだよ」 
  
  
 黒いスーツには年季が入っていた。手入れを尽くしても隠しきれない折り目に、その面に走る皺。 
 私の身に纏う服との取り合わせは倒錯した時間の流れを印象付けた。 
 母の歩んだ道の上を死に急ぐように走る私と、死の生まれた地点で立ち止まってばかりのこいつ。はじめはそう思っていた。 
   
	- 791 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:56:35.79 ID:EggkbfIo0
 -   
 「ああ、ホントまっずい……最悪の店だね」 
 「人に見られる仕事をしている以上は、最低限他の人間にどうみられるか気にした方がいい」 
  
  
 退席を促す、鬱憤だけの暴言。その悉くが眼前の標的からは逸れていた。 
 的を射ないばかりに、男からは私を逆なでするような言葉ばかりが飛んでくる。 
 こちらの怒りの感情には耳を傾けないばかりか、反省の色も覗かせない。 
 さも自分は出来ている人間だ、とばかりの言葉面。 
  
  
 「あんたこそ、こんな店には似合わないよ。老いぼれがこういう、若者の集まる店に入っていいと思ってんの?」 
  
  
 実際、この店にこの男がいるとは思いもせず。 
 普段の客層からしてもそう、私が注文している品からしてもそう。 
 私に父親はいないが、こういう歳の男は普通もっと閉鎖的な空間で夜を過ごす者ではないのだろうか。 
 居酒屋で愚痴垂れたり、バーで傷をなめあったり、そういう加齢臭のこもった哀愁がお似合いだ。 
  
 私の指摘にこの男は『やれやれ』と言わんばかりにため息をつくと、言葉を返すことなく目の前の料理を口に運ぶ。 
 フォークの先で巻き取ったパスタからは、ウィンナーが零れ落ちた。 
  
  
 「……苦いな」 
  
  
 男の一口分には、ピーマンばかりが巻き取られていた。 
  
   
	- 792 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:57:58.86 ID:EggkbfIo0
 -   
 「……萎えた」 
  
  
 平然と食事を続ける男を前に、何か言ってやろう、ぶつけてやろうという意欲はいつの間にか立ち消えてしまった。 
 フラストレーションをぶちまけたところでそれが昇華される保証もない。 
 それに、親の仇をとるならもっと望ましい形があることを私は知っていた。 
  
  
 「代金はそっち持ち、不快にさせた分くらいは払えよ」 
  
  
 こいつがアイドルのプロデュース業の前線から身を引いて、事務所を立てたと聞いたとき。 
 はらわたが煮えくり返りそうになるのと同時に、やっと復讐の好機が回ってきたと拳を突き上げてもいた。 
 こいつがずっと手に入れようとして手に入れられなかった、安泰の『家』、それを為す『家族たち』。 
 私の手でぶち壊すことができたのならどれだけ胸がすくことだろう。 
 ステージという華々しい舞台の上で、歓声と支持を全て私のもので上書きして、その上であの男の起こした仕打ちのすべてを白日の下に晒す。 
 架けたはずの虹は陰雨のもとに折れ、背中の翼は羽の一つ一つまでが毟り取られる。 
  
 咎を求めるなら、その方が効果的だろうと悟っていた。 
  
   
	- 793 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 20:59:54.46 ID:EggkbfIo0
 -   
 「待て」 
  
  
 完全に背を向けていた私に、男が声をかけた。 
 さっきまで席についていたのに、なぜ離席したタイミングで呼びつける。 
 その横柄さに虫唾を走らせながら、振り向く。 
  
  
 「話がある」 
  
  
 咽喉まで出かかった言葉が霧散した。 
 そこに座っていた男はさっきまでとは別物に映ったからだ。 
 肉親の仇という先入観が視野を曇らせていたのか。 
  
 否、そうではない。男自体がさっきまでは擬態をしていた。 
 枯れた柳のように、のらりくらりとしていたばかりの男とは思い難く。 
 皺を走らせてかっぴらいた眼球は禍々しくも血走り、絡め合わせた指は歪に擦れあう。 
  
  
  
 ___刹那、男の中に死神を見た。 
  
   
	- 794 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:02:13.88 ID:EggkbfIo0
 -   
  
 「私からのスカウトを受けてみる気はないか」 
  
  
 邪悪は、呪詛を吐いた。 
  
  
 「はぁ? あんた正気じゃないね、イかれてるよ」 
  
  
 その深度を測りかねて、蹴って退ける言葉で動揺を繕う。 
 それを見透かしたように、男は言葉をつづけた。 
  
  
 「君を誘っているのはステージ上へではない、その対極だ」 
 「意味わかんないこと言うなって……」 
  
  
 気が付けばレストランに人は私とこの男の二人だけだった。 
 食器に食器がぶつかる音、給仕が机に料理を運ぶ足音、飲み物を片手に語らう人々……そのいずれも虚無へと消えた。 
 私の意識に降りた分厚い幕は、見なくていいもの、聞かなくていいもののすべてを覆い隠す。 
  
 ただ、男の言葉だけに耳を傾ける。 
   
	- 795 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:02:59.49 ID:EggkbfIo0
 -   
  
 「この世界の真裏を見てみる気はないか」 
  
  
 何よりも重たく、何よりも甘美な響きだった。 
  
  
 「あんた……わ、私にママと同じように……死ねって言いたいのかよ……?!」 
  
  
 違う、そうじゃない。私の言葉が的外れなことを自覚しながら、それを発した。 
 男のにやけ面、その裏に透ける悍ましい何かに心を惹かれていることを認めたくはなかったのだ。 
  
  
 「君に見せたい世界がある」 
  
  
 男はポケットからスマートフォンを取り出すとそれを横向きに机の上へ。人差し指で机を二度叩き着座を促してくる。 
  
  
 「……」 
  
  
 何も言わずに、浅く腰掛けた。食べかけのナポリタンは草臥れている。 
  
  
 「……すまん、まだ操作には不慣れでな」 
  
  
 たどたどしい手つきで画面をタップ。 
 何やら意味の分からない文字列を入力するたびに、そこに映るものはどんどん物々しくなっていく。 
 発色は暗いものに変わり、そこに踊る字も陰惨な響きの物に。 
  
  
 最終的に行きついたのは、 
   
	- 796 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:03:52.04 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
  
  
 「……コロシアイ?」 
  
 B級映画でも今時目にしないような5文字だった。 
  
  
  
  
   
	- 797 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:05:04.59 ID:EggkbfIo0
 -   
 「私に見せたいのって、これ……なの……? いや、やっぱあんた頭おかしいよ……」 
  
  
 残虐すぎて、一周回って幼稚なそのフレーズに、何の笑いなのかもわからずにはにかみながら男の顔を見た。 
 ただでさえ、彫の深いその顔立ちは、日が沈んだかのようで何故だか表情が見えなかった。 
  
  
 「再生するぞ」 
  
  
 私の反応は一切の無視。男は迷うこともなく、その指先を横向きの三角形に添わせた。 
  
  
  
 「これが、君を待っている世界だ」 
  
   
	- 798 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:06:20.40 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
 ケチャップ。 
  
  
  
 その食卓にはテーブルマナーはない。 
 あるのはドレスコード、血染めのシューズワンセットだけ。 
 好きに席を立ち、好きに同席者を殴りつけたっていい。 
 食事をするための道具で、眼球をえぐり出したっていい。 
 ナイフで割かれた肉が床を転がり、フォークでリブステーキを持ち上げる。 
 付け合わせのソースは自分の眼球から零れる雫に、胃袋から噴き上げる酸味のあるジュレ。 
 シェフらは自らの首をねじ切ろうともがき、手のひらから血が噴き出すほどに床を殴りつける。 
  
  
 最悪で括れないだけの数分ばかりの底が、流れた。 
   
	- 799 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:08:32.66 ID:EggkbfIo0
 -   
 「これは、その一端だ」 
  
  
 ダブルタップすると、画面の八割以上を赤が占拠していた映像が一時停止。 
 そのまま液晶の明かりを落として、男はポケットにスマホをしまいこんだ。 
 私はというと、ただ茫然とスマホがあった場所一点を凝視していた。 
 つい先ほどまでそこに非日常が、無秩序が、無倫理が、醜悪なる厭悪がそこに在った。 
 その記憶はとりもちのように私の眼球を捉えて離さなかった。 
  
  
 「これは非日常。私たちの日常のすぐ真裏の、な」 
  
  
 体をめぐる血管に、これまでと違う血が流れているのを感じていた。 
 血管の末端までその一つ一つが拍動しているようでうるさい。 
 皮膚の下で異様な熱気を放つのに、なぜか体は震えている。 
 奥歯は火花を立てようかという勢いでぶつかり合い、呼吸は間がない程に浅い。 
  
  
 「私は今、アイドルのプロデュース業とは別にこの興行を取り仕切る立場にある」 
  
  
 当然のように自身の非人道的な行いを語る。 
 自己紹介をするかのように、呼吸をするかのように。 
   
	- 800 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:09:41.92 ID:EggkbfIo0
 -   
 「もし君が私を告発すれば、今すぐにでも牢の中に投げ込まれるだろうな」 
  
  
 でも、君はそれをしないだろう? 
  
 そう言いたげな視線が鬱陶しくて、そこでようやっと首を振るという反応を示すことができた。 
 とはいえ男の言葉を否定する意味合いで首を振ったのではなく、あくまで煩わしさから出ただけの反応。 
 凝り固まっていた関節がほぐれただけのこと。 
  
  
 「あんた、私にその犯罪の片棒をかつげって……?」 
  
  
 男の言うスカウトとはつまりそういうことなのだろうと思った。 
 共犯者を募っている。断頭台の上で一緒になって踊る人間を探し求めているのだ。 
  
  
 「ああ、そうなるな」 
  
  
 そんな最悪の意図を明け透けにして取り繕うともしない。 
   
	- 801 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:10:31.89 ID:EggkbfIo0
 -   
 「……」 
  
  
 なのに、その誘いを棄却できなかった。 
 悩むことなんてない、表舞台で生き続けたいのなら蹴り飛ばしてこいつを通報なりなんなりすればいい。 
  
 それなのに、どうしてさっきのあんな凄惨な光景に心惹かれてしまっているのだろう。 
 生まれた時から親がいない。死という存在が自分自身のルーツだから。 
 そんな理由をつけようと思えば付けれたかもしれない。 
  
  
 「あんた、本当に終わってるね。ママ殺して、行くとこまで行った?」 
 「狂いへの道程はまだ道すがらだ」 
 「ハッ……ホント、イカれすぎ」 
  
  
 でも、自分自身が1番わかっている。 
 この衝動の根っこは、ただの好奇心だ。  
	- 802 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:11:20.37 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
  
  
  
  
 「話、もっと聞かせなよ」 
  
  
  
  
  
   
	- 803 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:14:00.55 ID:EggkbfIo0
 -  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
  
 しばらくしてからこのコロシアイのルーツが『ダンガンロンパ』というカルトゲームだということを知った。 
 私とほぼ同年代の登場人物たちがエゴを剥き出しにして、文字通り殺し合う。 
 そのコロシアイには裏で糸を引く存在があり、最終的にはその黒幕を打ち破り希望が輝いて終わる……というあらすじ。 
  
 私がなぜこのコロシアイに魅せられたのか、それで合点がいった。 
  
 私はずっと地の底を這っていたんだ。 
 生まれた時から母親の仇を取る、それだけを生き甲斐にしてきたし、自分の青春は全て復讐のために投げ打った。 
 その中でもようやっと見つけた他にない相棒とも、別離し、絶縁し、自暴自棄の果て。 
 心の中に拠り所をずっと追い求めていた。 
 このコロシアイの中で幾度と生まれる『希望』を、自分も手にしたいと思った。 
  
  
 「……好きな女守って終わり、か。綺麗な終わり方なこって」 
  
  
 モニターには愛した女性に覆いかぶさり庇うようにした骸が映る。 
 生憎ながら、その骸ごと鉄芯が両者を貫いているため、庇うことは叶わずにいるが。 
  
  
 「これが、今回の希望の形……自己犠牲ってとこか?」 
 「もう一端の評論家気取りか」 
 「ハッ……そんなんじゃねえ」 
  
   
	- 804 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:14:56.41 ID:EggkbfIo0
 -   
 男はどこか冷めた目つきで顛末を見届けていた。 
 参加者たちが無惨で悲劇的な死を遂げようが、感情が波を立てることもない。 
 顎に手を添えて、ため息混じりの声をこぼす程度。 
 同じ仕事をするようになってからは、男のそんな仕草ばかりを目にしていた。 
  
 かくいう私も似たようなものだ。 
 あのレストランで見せられたコロシアイは、はじめこそ魅力的なものではあったが、回数を重ねるごとに自然と色褪せ、私の中にも慣れが生じてきた。 
  
  
 「……なあ、あんた。本当は何がしたいんだ?」 
 「と、いうと」 
 「ただコロシアイを興行にするだけじゃねえんだろ」 
  
  
 そんな退屈にこいつが誘い込むばかりとは私には思い難かった。 
  
 この男は、悪魔だ。 
 自分のために他人を振り回すことを屁とも思わず、嗜虐の限りを尽くして使い潰す。 
 私が今見ている姿には、その側面が不足していた。 
  
  
 「何か目的があってコロシアイをやってる、それに私を誘ったのもその目的あってこそだろ」 
 「……」 
  
  
 私の問いかけに少し考え込むそぶりを見せた。 
   
	- 805 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:16:19.53 ID:EggkbfIo0
 -   
 「私は、アイドルのプロデュース業を今でも1番に考えている」 
 「はぁ……?」 
  
  
 男の発言の意図を図りかねて、思わず問い返す。 
  
  
 「ひいては、このコロシアイもプロデュース業に活かしたいと思っている」 
 「いや、アイドルとコロシアイなんて対極だろ……世界の真裏だってあんたも言ったよね?」 
 「表裏一体という言葉がある」 
  
  
 コインの表と裏は文字通りピッタリとくっついており、そこに開きはひとつもない。 
 生まれながらにしての隣り合わせ、男はそう言いたいらしい。 
  
 間違っている。 
 アイドルの真裏がコロシアイ? 
 華やかなステージの幕裏には死体が積まれている? 
 そんなことあり得ない。 
 ステージに立つものは、おおよそ命のやり取りとは程遠いところにいる。 
 スパンコールが光を乱反射させることはあっても、血飛沫を帯びることなどない。 
 そんな荒唐無稽な言説を、取り下げようともせずに男は続ける。 
   
	- 806 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:17:43.40 ID:EggkbfIo0
 -   
 「君の母親が自ら命を絶った時のことだ」 
 「!」 
 「私は自身の愚かさに頭を擡げると同時に、アイドルとしての器量のあり方に疑問を抱いた。羨望と声援を恣にするアイドル、だが真に世界に希望を齎すにはそれでは不十分だと」 
  
  
 親の仇が当時の心境を語る。 
 熱帯夜なんか目じゃない不快感に、爪を立てる。 
 その爪で顔を引き裂かなかったのは、話を聞きたいという衝動が蓋をしたから。 
 ここまで来たら、どれほどこの男が狂っているのかを明らかにせねばいけない。その責任すら感じていた。 
  
  
 「どんな絶望に直面しようとも立ち上がり、立ち向かう……その姿にこそ人は耀きを見るのではないか」 
 「まさか、あんたは自分のアイドルにコロシアイをさせようってんじゃ……」 
  
  
  
 「そうではない」 
  
  
 時間が、止まった。 
   
	- 807 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:18:34.27 ID:EggkbfIo0
 -   
  
 「それでは不十分だ」 
  
  
 それは、盲信。 
 はるか昔に胸に打ち込んだ楔。 
  
  
 「彼女たちの翼は儚く、脆い。虹を抱くには、羽根にはしなやかさを携えていなければならない。私は、その羽根に新しい色を加えたいのだ」 
  
  
 既にその芯は朽ち果てて、ただの墓標に化していた。 
  
  
 「ダンガンロンパに出てきた希望の象徴たる参加者たち、その人格を伴うことができたなら、その羽はより一層の輝きとなるだろう」 
  
  
 ただその墓標の根元に縋り、いつまでも天を見上げている。 
 天井努とは、そういう“故障品”だった。 
   
	- 808 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:19:56.76 ID:EggkbfIo0
 -   
 「……ハッ」 
  
  
 なんだ、私が手を下さずとも復讐は既に母の手によってなされていたのだ。 
 母を使い潰して、自殺にまで追い込んだ相手は、いつの間にか母の幻影に囚われ、魅入られていた。 
  
  
 「あんた、最高だよ。いい趣味してんじゃん」 
  
  
 それなら、ここから先は嗜虐の範疇だ。 
 壊れてしまった相手を、もう戻りようもないほどに痛めつける。 
 飛んでしまったネジを掴んで捻じ曲げる。 
 二度とその穴を埋めることができないように、埋めようとしすれば却って穴が広がってしまうように。 
  
  
 「付き合わせろよ、私にも」 
  
  
 男は一瞬面食らったかと思うと、すぐに吹き出した。 
  
  
 「元よりそのつもりだったよ」 
  
   
	- 809 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:21:14.07 ID:EggkbfIo0
 -  ◆◇◆◇◆◇◆◇ 
  
 283プロの連中でのコロシアイのセッティングは異常なまでに順調に進んだ。 
 事務所の社長が主犯格ということもあるが、コロシアイを既に何回も興行として成功させてきた経験が私にも天井にも蓄積されていたところが大きい。 
 発見を遅らせるための根回し、物資の確保、会場の用意……気が遠くなる額のお金がとんだ。 
 これまでのコロシアイとは比べ物にならない額だ。 
 天井努はここで、全てを終わらせ、全てを始めるつもりだったらしい。 
  
 コロシアイの参加者に選んだのは16人。 
 283プロダクションの中で、高校生の年にあたる者から七草にちかを除いたものだ。 
 なぜ七草にちかを除いたのかというと、親友の娘だからだと返答。 
 この期に及んでそんな人の情のようなものがあったのかと呆れ返ったものだ。 
  
  
 「残りの連中はどうするんだ?」 
 「コロシアイの動機になる。身柄は参加者と同様に押さえておけ」 
  
  
 なるほど、ユニットの中でも年齢がバラけているところもあるし動機としてメンバーの存在を活用するのは効果的だろう。 
 天井は私に残りの連中のリストを手渡す。 
   
	- 810 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:23:01.42 ID:EggkbfIo0
 -   
 「……美琴」 
  
  
 リストの字面を目で追えば、自然と彼女が目についた。 
 283のアイドルでは最も私のとって馴染み深い存在。私にとってのもう片翼。 
 彼女がコロシアイの毒牙から免れていたことには安堵を禁じ得なかった。 
  
  
 「七草、にちか」 
  
  
 それと同時に、目につく名前。つい先ほど天井が『こいつだけは』と逃れさせた贔屓目。 
 私と天井の贔屓目同士が、偶然にもユニットを組んでいる。 
 これ以上に不愉快なことはなかった。 
  
  
 「コロシアイに参加しない面々には実害は加えない、誘拐する絵だけ撮れればあとは解放していい」 
  
  
 天井からの指示はそれだけ。 
 実動部隊はほぼ私に任せっきりになっていたし、天井はコロシアイの運営に向けての準備で手一杯だ。 
  
 私への監視の目は、確実に緩んでいた。 
   
	- 811 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:24:47.87 ID:EggkbfIo0
 -   
 「美琴、もうオマエは……私の知ってる美琴じゃないんだよな」 
  
 「私の知ってる美琴は、もう帰ってこない……」 
  
  
 私は天井の考えに同調なんてしていない。 
 別の人間の人格を入れてしまえば、統合がうまくいったとてそれが臨むべき形であるはずがない。 
 元々の彼女はその時点で死に、『別の誰か』になってしまうだろう。 
  
  
 「それなら」 
  
  
 だからこそ、好都合。 
  
  
  
 「私が美琴を殺さないと」 
  
  
   
	- 812 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:26:40.77 ID:EggkbfIo0
 -   
 緋田美琴を完全に、壊す。 
 天井の計画を利用して、生き残ろうとも死のうとも、緋田美琴という存在をこの世から消し去ってやる。 
 私が愛してやまなかった彼女の姿を借りて、今ものうのうと生きている『美琴』、その横暴をこれ以上赦しておくわけにはいかない。 
 私をこれ以上否定させるわけにはいかない。 
  
  
 「……私。あのさ、283のコロシアイで使う動機の人質連中……こっちに預けて。そう、天井からの指示だから」 
  
  
 だからそのために、他の283の連中にも協力してもらう。 
 私の目的に年齢なんか関係ない。幼かろうが私より年上だろうが、どうだっていい。 
 どうせみんな、壊れて元通りにはならない。 
 人格が統合されて出来る、紛い物にして醜態を晒し続けさせてやる。 
 もちろんその中には七草にちかだって。 
  
  
 「ハッ……」 
  
  
 この時を私は生まれた時から待ち侘びていた。 
 母の命を奪い去ったこの世の無条理、誑かし欺き食い潰すばかりの悪魔、私の拠り所を掠め去っていく泥棒連中…… 
 その全てに復讐する時が今やってきたのだ。 
 この方舟計画が成功したその時こそが私の宿願なのだと悟った。 
   
	- 813 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:27:33.46 ID:EggkbfIo0
 -   
  
 「穏やかな顔して寝てるね、美琴」 
  
  
 瞳を閉じて、寝息も立てず意識を失っている美琴の頬に触れる。 
 私生活なんてだらしないものなのに、アイドルには必要だからと身につけたスキンケアの賜物だろうか。 
 肌はきめ細やかで、赤子のような弾力もある。 
 指をむにっと押し込んでみると、クッションのような低反発でそれを受け入れる。 
  
  
 「……」 
  
  
 指先は、その先でわずかな熱を感じ取る。 
  
  
 「……変わってない、のかな」 
  
  
 美琴はいつも静かに燃えていた。 
 ステージのライトを一身に浴びる、それは彼女にとって夢というよりも生きる理由だった。 
 レッスンのたびにその話を聞かされては、涼しげな表情と情熱的な野望とのチグハグさに呆気に取られていた記憶がある。 
  
  
 「もう、私にはわからない」 
  
  
 ただ、もう昔の話だ。 
 時間は、全てを解決するし、全てを流し去ってしまう。 
   
	- 814 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:28:39.74 ID:EggkbfIo0
 -   
 「じゃあな、『美琴』」 
  
  
 少しばかり胸が痛むのを感じながら、背を向けた。 
 これが私の見る最後の『美琴』の顔になる。次に見るとき、そこにあるのはきっと『美琴』ではない紛い物。 
 今生の別離という奴だ。 
  
  
 「……そろそろ始めるか、復讐」 
  
  
 連中を繋いでいる仰々しい装置、その操作盤の前に腰掛ける。 
 組織に所属してから叩き込まれたのでもうこの手の操作には慣れたもの。 
 プログラムのコードだって空で書けるほど。 
  
 だから、書き換えることも容易だった。 
 彼女たちが見ている楽園を一転、地獄にすることだって今の私なら苦でもない。 
 指先一つで、それは適う。 
  
  
 「ハッ……神にでもなった気分。最悪」 
  
  
 カミサマだなんて、周りの連中が押し付けてきた私の商品価値のイメージ。 
 だのに、今この局面になってレッテルが実態に追いついてきた。 
  
 弱者に対する圧倒的な優位。 
 きっと神なんて概念はその優位を畏敬と錯誤してしまうがゆえに生まれてしまったミステイクなのだろう。 
  
  
 「あー」 
   
	- 815 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:29:26.20 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
  
 「神は神でも、死神だったんだ。私」 
  
  
  
  
 Role:managementによってルールが変更されました 
 Objectの配列が変更されます 
 新しいプラグインを導入しています 
 この端末に変更を加えています 
  
 >ハコフネケイカク ジッコウカイシ 
 019838299193782919163929298163891928 
 017382891849298471939938273819919939 
 182732894929284728919184820409171839 
  
   
	- 816 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:30:40.40 ID:EggkbfIo0
 -  ------------------------------------------------ 
  
  
  
  
  
 CHAPTER 00 
  
 幕間 
  
 ナポリタン一皿のイマージュ 
  
 END 
  
  
  
  
  
 ------------------------------------------------  
	- 817 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:31:25.99 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
  
  
 「モノミ、回答だ」 
  
 「私たちは1周目のコロシアイに関する記憶を失っている。283の連中はコロシアイに参加した記憶を」 
  
 「私は、コロシアイに連中を巻き込んだ記憶を」 
  
  
  
  
  
   
	- 818 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:32:35.75 ID:EggkbfIo0
 -   
 モノミ「大正解でちゅ〜! 天晴、お見事、マーベラス! ミナサン、全ての謎を自分たちの手で解き明かすことができまちたね!」 
  
  
 モノミに提示された卒業試験。 
 全3問に私たちは完答することが出来た。 
 でも、そこに待っていた答えはどれも私たちが俯くには充分すぎるだけの酷なもの。 
 モノミの賞賛ばかりが裁判上には空虚に響き渡る。 
  
  
 モノミ「あちしも達成感を感じまちゅ。満ち足りた達成感を感じまちゅ。中綿から縫い合わせの糸までがあったかくなるような達成感を感じまちゅ」 
  
 モノミ「ミナサンと過ごしたこの島での時間。それには重要な意味があったんだと再確認できまちた」 
  
 ルカ「……ホント、悪趣味だな。ここまで来て、これほどまでに胸糞悪い気分になるとは思わなかったよ」 
  
 ルカ「過去の自分、なんて恨んでも恨みきれねえ……!」 
  
 モノミ「うんうん、斑鳩さんのお気持ちは察して余りありまちゅ」 
  
 モノミ「緋田さんも七草さんも……」 
  
 モノミ「風野さんも桑山さんも田中さんも三峰さんも和泉さんも小宮さんも有栖川さんも黛さんも市川さんも月岡さんも」 
  
  
  
 モノミ「全部全部死んじゃったのは元を辿れば斑鳩さんのせいなんでちゅからね!」 
  
 ルカ「……ッ!」 
  
   
	- 819 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:33:53.22 ID:EggkbfIo0
 -   
 あさひ「モノミ、わたしたちの答えは本当に全部合ってるっすか?」 
  
 モノミ「はい! バッチリもバッチリ! 完全回答でちゅよー!」 
  
 あさひ「……なら、ルカさんならこの状況をひっくり返せるんじゃないっすか?」 
  
 ルカ「……え?」 
  
 あさひ「コロシアイの全てを始めたのがルカさんなら、全てを終わらせられるのも……ルカさんだけじゃないっすか?」 
  
 智代子「そ、そうだよ! ルカちゃんなら、新世界プログラムを解除することだって……死んじゃったみんなを生き返らせることだって……!」 
  
 智代子「だって、このコロシアイは2周目……1周目で死んじゃった子も参加してたんだよね?!」 
  
 透「……」 
  
 モノミ「どうやら、浅倉さんには見えているようでちゅね。流石は管理AIさんでちゅ!」 
  
 あさひ「どういう意味っすか?」 
  
 透「私とかモノクマモノミとおんなじなんだよ」 
   
	- 820 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:34:47.57 ID:EggkbfIo0
 -   
 透「ユーザー側にはフラグ……役職がついてるんだけど、本来は。今のコロシアイ、みんな役職が同じなんだよ」 
  
 ルカ「同じ……?」 
  
 透「要は、普通の参加者と一緒。システムを書き換えることもできないし、記憶も取り上げられてる」 
  
 透「その記憶も別メモリに取られてるから、今この場じゃどうにもならないんだよ」 
  
 ルカ「……すまん」 
  
 あさひ「……」 
  
 モノミ「でも、当たり前でちゅよね。そうでもしなきゃ未来機関に捕まっちゃうんでちゅから。新世界プログラムに紛れるには潔白な小市民を演じる必要がありまちゅ」 
  
 モノミ「下手に管理者である証拠を残していたら台無しでちゅからね。それに……」 
  
 モノミ「チーム・ダンガンロンパに所属していた人間なんでちゅから少なからず殺し合いに憧れる気持ちもあったんでちゅよ!」 
  
 ルカ「……」 
  
  
 明らかに、連中の私に向ける視線は変わっていた。 
 島の生活の中で少しずつ、積み重ねていたはずの信頼はこの裁判で突き崩されてしまった。 
 かけがえのない仲間たちが命を奪いあい、罪を背負わされたこのコロシアイ。その全ての責任は、私にある。 
 今までと同じように会話などできるはずもない。 
  
   
	- 821 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:35:45.46 ID:EggkbfIo0
 -   
 透「これさ、こっからどうするの? 卒業試験自体は、もう終わりなんだよね?」 
  
 モノミ「そうでちゅね、問題自体は完答していただきまちたし、もう試験は終わりでちゅね」 
  
 あさひ「試験『は』?」 
  
 モノミ「はい! ミナサンは卒業の資格を今手にしたんでちゅ、ここから先はその卒業についての説明をしなくちゃいけまちぇん!」 
  
 ルカ「卒業って……このコロシアイが終わりってことじゃないのか?」 
  
 智代子「まさか……3周目……?!」 
  
 モノミ「いやいや、そんなことはありまちぇんよ。そこまでの権限はあちしにはないでちゅ」 
  
 モノミ「ミナサンにはこのコロシアイの終わり方を選んでもらいまちゅ」 
  
 ルカ「終わり方って、私たちが解放される以外の終わり方があるのか?」 
  
 モノミ「そうでちゅね……その説明をしなくちゃいけないんでちゅが……ちょっと込み入った話になるんでちゅよね」 
  
 智代子「今更込み入るも何もないよ! ちゃんと教えて!」 
   
	- 822 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:37:04.22 ID:EggkbfIo0
 -   
 モノミ「さっきまでのお話の流れでこのコロシアイの目的が方舟計画にあることは確認しまちたよね?」 
  
 ルカ「それを……私が望んでいたらしいな」 
  
 モノミ「斑鳩さんの意志は生きていまちゅ。このコロシアイからの『卒業』は方舟計画の実行を意味しまちゅ」 
  
 智代子「それってつまり、私たちに人格を入れ込むの……?!」 
  
 透「……」 
  
 モノミ「コロシアイの経験値は十分すぎるはず、ミナサンにはダンガンロンパの人格を受け入れるだけの器がもう完成しているはずでちゅからね」 
  
 ルカ「島を出るには、それを受け入れるしかないのか……?」 
  
 モノミ「はい! 勿論でちゅ、それはあなた自身が望んだことなんでちゅよ?」 
  
 ルカ「……クソが」 
  
 あさひ「入れ込む人格は、この候補者リストの通りっすかね。……どんな風になるんだろ」 
  
 智代子「そんなの……嫌だよ……」 
  
 智代子「私は自分自身のままでいたい……チョコアイドル園田智代子は、今この自分だってそう思うから……!」 
  
 モノミ「勿論無理強いはしまちぇん。でも、卒業を選べば、コロシアイはちゃんと終わりまちゅ」 
   
	- 823 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2022/11/27(日) 21:37:56.12 ID:EggkbfIo0
 -   
  
  
  
  
 モノミ「今までに犠牲になったミナサンも、復活しまちゅよ!」 
  
  
  
  
   
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