勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 19:59:18.50 ID:KpvTj3yS0
勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結です

続編なので前作読まないと分からない事が多々あるかと思いますのでご注意ください

1作目
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1600089742/

2作目
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1605497940/

3作目
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1637368468/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1656586758
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:02:57.81 ID:KpvTj3yS0
『夜明け』


カンカンカン ゴシゴシ


情報屋「何を作っているの?」

女海賊「ワイヤー射出装置の改造だよ…」カチャカチャ

情報屋「それで空中を飛び回っていたのね?」

女海賊「あぁ…あん時見てたんだ」

情報屋「気を失う前の最後の記憶…それだけ印象に残ってる」

女海賊「あの後色々試して改善しなきゃいけない所沢山見つけたんだ」

情報屋「このメモは?」

女海賊「それは位置エネルギーを運動エネルギーにした後にどうやって更に加速するか記したメモだよ」

情報屋「へぇ…面白そう」

女海賊「私体重が重いからさぁ…ワイヤーの強度が課題なんだ…あと打ち込むアンカーもか」

情報屋「これかなり速度が出て危ないわ?」ヨミヨミ

女海賊「だよね…地面に落ちたらペチャンコだよ」

情報屋「ワイヤーが切れないように安全装置が必要ね…例えば一定以上の負荷が掛かったら伸びるとか…」

女海賊「お!!?なるほど…そのエネルギーを圧縮空気に変換して溜めても良いな」

情報屋「フフ…何かのヒントになった?」

女海賊「おっし!!ちっと大改造すっか!!」


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3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:03:42.14 ID:KpvTj3yS0
『昼中』


トンテンカン ゴシゴシ


狼女「ふぁ!?…」パチ キョロ

女海賊「リカ姉ぇ起きた?」カチャカチャ

狼女「どれだけ寝てた?」

女海賊「10時間くらいかな」

狼女「今何処?」

女海賊「分かんない…海か山が見えるまで直進してる」

狼女「外は曇りか…」

女海賊「匂いでなんか分かんない?」

狼女「右の方向に硫黄の匂い」クンクン

女海賊「おおおお!!てことは火山は右か」

狼女「硫黄の匂い追えば良い?」

女海賊「火山見えれば何とかなる」

狼女「分かった…」スタ グイ


スィーーー ヒュゥゥゥ


狼女「…」ジロ

女海賊「何?」カチャカチャ

狼女「まだワイヤーの装置いじってるんだ…」

女海賊「だって暇だもん」ゴシゴシ

狼女「好きだねぇ…」

女海賊「うっさいな!!」

狼女「はぁぁぁ…それにしてもすごく良い寝覚め…気持ちよかった」ノビー

女海賊「妖精に会った?」

狼女「分かんない…ナッツを投げ合った夢」

女海賊「ナッツ?…あぁリカ姉ぇの好物だっけ」

狼女「食べたくなってきたなぁ…」

女海賊「荷室にちょっとあるよ…種類入れた箱有るから勝手に食べておけ」

狼女「探して来る…」スタ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:04:12.36 ID:KpvTj3yS0
『火山』


モクモクモク


女海賊「ちょちょ…火山の煙に突っ込まないで」

狼女「火山口がどうなってるのか気になっただけだよ」グイ

女海賊「これ通り過ぎたら左手に川が見える筈なんだ」

狼女「高度下げた方が良いね…向こう側雲張ってるし」

女海賊「雲にも近づかない方が良い…氷で球皮が傷付く」

狼女「また雨か…」


ガバッ!!


商人「ハッ!!」キョロ

女海賊「お?やっと起きたかぁ…どう?久しぶりに寝た気分は?」

商人「スゴイな…夢を見た…」

女海賊「あんたも寝るとは思わなかったよ」

商人「ちょっとメモ!!書き残さないと…」ドタドタ

女海賊「リカ姉ぇ!操舵頼むよ…私作り物すっから」

狼女「はいはい…私の分もお願いね」


ええと…アンカーも改造しよう…

2アクションで簡単に外せるように…

ワイヤーを引っ張ると返しが開く…

緩めると返しが閉じたまま維持…


カンカンカン シュッシュ ゴシゴシ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:04:44.20 ID:KpvTj3yS0
『川の上空』


シトシト シトシト


狼女「雨が小降りになってるけど霧が…」

商人「もう少し高度下げた方が良い…川を見失いそうだ」

狼女「なんか温かくなってる気がする」

商人「そうだね…でもまだ気温は低いよ」

情報屋「この湿度は体に良さそう…」スゥゥゥ ハァァァ

商人「呼吸は平気?」

情報屋「胸に痛みがあるけれど大丈夫…我慢できるから」

商人「肋骨が折れちゃってる部分があるからしばらく安静にしないと」

情報屋「たった2日程度でこんなに回復するなんて賢者の石はすごい力ね」

商人「うん…僕の心臓は治らなかったけど…」

情報屋「先天的な物は治らないのね」


女海賊「よ〜し!!出来たどーーーー!!」ジャーーン


商人「また新しい装置かい?」

女海賊「あぁぁ試したくてウズウズする…」モジモジ

狼女「随分形が変わったね…腰にもクロスボウ?」

女海賊「そそ…射出を魔石じゃ無くて小型クロスボウにした…これでもうちょい射出早くなる」

商人「なんかガチャガチャした感じだねぇ…」

女海賊「今まで使ってた奴はリカ姉ぇにあげるよ」

狼女「お?」

女海賊「リカ姉ぇは体重軽いからそれで十分だと思う…私は重いからしっかりアンカー撃ち込まないと危ないんだ」

狼女「そういう事か…じゃぁ貰って置く」カチャカチャ

商人「僕も欲しいなぁ…」

狼女「じゃぁ私が使ってたお古をあげるよ」ポイ

商人「ん?腰に付けてる容器は?」

女海賊「これ圧縮空気溜める容器さ…風の魔石よりも強い風が出せるんだよ」

商人「へぇ?それで飛ぶ?」

女海賊「いやいやそんな力は無い…ワイヤー巻き取る動力だよ…私重いから巻き取るのも力居るのさ」

商人「なるほど…君専用なんだ…」

女海賊「リカ姉ぇが羨ましいよ…軽いと全部小型で済む」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:05:12.57 ID:KpvTj3yS0
『ハテノ村上空』


シュゴーーーー ヒュゥゥゥ


女海賊「あれ?大型の気球が何かやってる…」

商人「ええ!?本当だ…静止飛行か」

女海賊「どっかに魔物来てるのかも…」キョロ

狼女「…」クンクン

商人「見当たらないな…」キョロ

狼女「違う…気球に沢山人が乗ってる」

女海賊「何やってんのかなぁ…」ジーーーー

商人「なんだ?様子がおかしい…デッキに人が集まって…あああああああ!!落ち…」

女海賊「あれさぁ…兵隊が降下訓練やってんじゃね?」

商人「ほっ…ビックリしたよ…」

狼女「100メートル近い降下だよ」

女海賊「もっと有るって…ヤバ!私のワイヤー全然長さ足りんじゃん…」

狼女「用途が違う感じだね」

女海賊「そうか100メートル以上のワイヤーも用意しなきゃダメかぁ…結構重いんだよなぁ」

商人「気球からの降下なら長いワイヤー必要だね…出来ればクロスボウの射程外」

女海賊「やっぱあいつ等精鋭部隊か…」

商人「それより兵隊たちが地上に上がって来てるという事は事情が変わって居そうだ」

女海賊「だね?」

狼女「鉱山の方を見て!!あっちでも煙が上がってる」

女海賊「本当だ…あっちでも何か作ってんな…」

商人「とりあえず着陸しようか…」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:05:41.27 ID:KpvTj3yS0
『広場』


フワフワ ドッスン


盗賊「いよーう!!待ってたぜ?」ダダ

商人「これはどういう事かな?」

盗賊「見ての通り降下訓練よ…地下の兵隊たちが交代で地上に上がって来てんだ」

商人「まぁそれは分かる…僕達の手の内を知られてマズく無いかって言う話さ」

盗賊「そういうリスクは承知でお互い様な訳よ」

商人「向こうの手の内も見せるという事か…」

盗賊「そういう取引を影武者がやったんだ…あの兵隊たちは今は傭兵になった」

商人「え!?影武者が雇った?」

盗賊「まぁ女戦士も魔女も了承してる…なんつーか利害が一致した」

商人「なるほど…武器食料提供の代わりに村の治安維持か…」

盗賊「そうなるな…まぁ他にも色々あるんだが今の所良い方向な訳よ」


女海賊「先に情報屋を車椅子で運ぶから青年はちょい待ってて…」ゴトゴト


盗賊「お…おい!!どうしたんだ!!」ダダダ

情報屋「あぁ盗賊…心配しなくて大丈夫…」

盗賊「なんで車椅子なのよ!!どっか怪我したんだな?」オロオロ

女海賊「奇跡的に一命をとりとめたの…血は全部入れ替わった…これで説明になった?」ゴトゴト

情報屋「ちょっと女海賊!…心配させてしまうだけだから…」

盗賊「生きてりゃ良い…血は俺のを使え」

情報屋「じゃぁ返して貰おうかしら…フフ」

女海賊「ぬぁぁ!!ほんじゃ盗賊!!情報屋を教会まで連れてって…肋骨とか折れてるから揺らさないで」

盗賊「何ぃ!!何が有ったのよ!!」

女海賊「今言ったじゃん!!クロスボウ3発くらい胸貫通して死にそうになったの!!ほんで肋骨も折れた」

盗賊「バカ野郎!!なんで連絡し無ぇんだ!!」

情報屋「盗賊!責めないで…」

盗賊「ちぃぃ…雨に当たると傷が痛む…行くぞ!」ゴトゴト

情報屋「揺れると痛む…ぅぅぅ」

盗賊「おぉ悪い…ゆっくりだな?」ソローリ


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8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:06:16.54 ID:KpvTj3yS0
『鯨型飛空艇』


ヨッコラ セット


商人「じゃぁ僕も青年を背負って教会に向かうよ」

女海賊「大型の気球に乗ってるあんたの荷物どうする?こっちに移しとこうか?」

商人「そうだね…頼むよ」

女海賊「やっぱ兵隊が何人も乗り降りするから気になるよね」

商人「うん…特に書物類は無くしたくない」

女海賊「おけおけ…こっちに移してハイディングしておくわ」

狼女「大型の気球はエド・モント砦の降下用で考えて居るのね?」

女海賊「地下でそんな様な話をしてたわ…あの縦穴から降下して地下線路から退避するって言う話…」

商人「じゃぁ青年!今日から君の家はあの教会だよ…まず挨拶に行こう」ヨタヨタ


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狼女「へぇ…意外と面倒見が良いんだ」

女海賊「生まれつき体が弱い子を放って置けないのさ…自分がそうだったから」

狼女「違う所にセンス持ってるんだなぁ…」

女海賊「さてリカ姉ぇ!!さっさと荷物運んで勝負しようか!!」

狼女「ちょっと…私もワイヤーの練習をしてからじゃないと不公平」

女海賊「ダッシュ!!」スタコラ ピューーー

狼女「あ!!」シュタタ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:06:44.91 ID:KpvTj3yS0
『林』


パシュン シュルシュル ヒュン! ヒュン! シュタッ!


女海賊「良いね!!リカ姉ぇは元々身軽だからあんまワイヤーに頼らなくて良さそう」

狼女「これ面白い…」

女海賊「でしょ!?私は高速でワイヤー移動しながら射撃…リカ姉は射撃と近接を使い分け」

狼女「増速はどうやってやる?」

女海賊「速度殺さないようにワイヤー巻きあげる速度も乗せる感じ…ほんで次のワイヤーに切り替える」

狼女「コツが必要か…やってみる」パシュン シュルシュル パシュン


ヒュン! ヒュン!


女海賊「私もちょい向こうで練習してくる!!」パシュン シュルシュル


ヒュン! ヒュン!


女海賊「ひゃっほーーい!!」チャキリ

女海賊「…よーし!!移動しながら6発は撃てるな…」ヒュン!

女海賊「次円錐振り子運動!!」パシュン ヒュン!

女海賊「…回りながら360°ずっと撃てる」チャキリ

女海賊「おけおけ!イケる!!」シュルシュル シュタ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:07:10.05 ID:KpvTj3yS0
『教会』


ワイワイ キャッキャ ドタドタ


商人「…そうか…女戦士達はずっと地下に居るのか」

影武者「定期的に温泉には入りに来ている様です」

商人「物資運搬の方は?」

影武者「ローグさんが毎日往復しています」

商人「それも大変だねぇ…」

影武者「坑道内にラクにする工夫をされている様ですね」

商人「どうするかなぁ…一回見に行こうかな」

影武者「道が複雑なので知らない人は入らない方が良いとか…」

商人「あ…そうそう…鉱山の方で煙が見えて居たんだけどさ…アレ何?」

影武者「兵隊の詰め所ですね…普段はあちらの方で過ごして居ます」

商人「なるほど…一応ハテノ村の住民に配慮はしてるんだ」

影武者「私が条件を付けました…あちらは温泉も近いので意外と快適な様です」

商人「兵隊を傭兵として雇っていると聞いたけど…」

影武者「村の物流に彼等にもお金が必要なので夜間の守備に雇って居ます」

商人「なるほど…そのお金で食料とか買ってもらう訳か」

影武者「お酒が売れますね」

商人「ハハ酒を飲みながら夜間の守備か…彼らは戦闘のプロだから余裕かも知れないなぁ」

影武者「その分他に雇っている傭兵の負担も減るので助かっています」

商人「あれ?いつの間に君…髪の毛が綺麗に生えそろって来てるじゃ無いか」

影武者「恥ずかしいので見ないで下さい」

商人「あぁゴメンゴメン…」

影武者「商人さんは今日はどちらでお休みを?」

商人「う〜ん…ここは騒がしいなぁ…」

影武者「子供達が寝た後は静かになりますよ?」

商人「そう?じゃぁここで休もうかな」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:07:44.89 ID:KpvTj3yS0
『夜』


ドゥルルルン〜♪

時代は移り風士は変わり〜♪

主にある民は分かれても〜♪

みことばをのべ共ににパンをさく〜♪


盗賊「やっと静かになって俺達の時間だ…」

商人「情報屋は?」

盗賊「なんだか青年に色々教えてて俺は構って貰えん…」グビ

商人「ハハなんか冷たいねぇ」

盗賊「まぁ気を遣わんで良いのがアイツの良い所だ」

商人「心配して損したかい?」

盗賊「生きてりゃ良いんだ…多少痛い事は誰にでもある」

商人「その割に動揺してたじゃ無いか」

盗賊「ヌハハまぁそういう事もあるわな?…ほんであの2人はまだ帰って来んのか?」

商人「なんか新型のワイヤー装置作ってたんだよ…多分2人で試しに行ってるね」

盗賊「相性良さそうだな…あの2人は」

商人「そうだね…2人共トラブルメイカーだけど」

盗賊「違い無いぇ!!ダハハハ」

商人「それで地下の状況はどうなんだい?」

盗賊「兵隊がチラチラ救出されてて…今30人ぐらいか?」

商人「そんなに増えてるのか…」

盗賊「まぁ負傷して戦えん奴も居るから実質そんなに居らん」

商人「負傷と言うと?」

盗賊「ええと闇の術だっけな…くそデカイ出来物が出来る病気だ…それの治療で結構消耗すんのよ」

商人「あぁ…盗賊が掛かってたやつか」

盗賊「ちゃんと回復するまでしばらく戦えんな…まぁ瀕死な訳だ」

商人「それを地下で治療してるのか…感染防止とは言え結構酷い環境だね」

盗賊「だから息抜きで地上に交代で出てる訳だ…文句言えんな」

商人「兵隊達の反応はどうかな?」

盗賊「驚いてんな…特にあの黒の同胞だった奴…理想郷を見つけたと言って泣き崩れてた」

商人「理想郷…確かにハテノ村は理想に近い」

盗賊「俺はアイツの気持ちが痛い程分かる…多分黒の同胞の中で俺みたいなポジションの奴だ」

商人「へぇ?」

盗賊「沢山仲間失ったんだろうな…自分だけ生き残って尚戦い続けてる…理想郷の為に」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:08:13.08 ID:KpvTj3yS0
商人「なんか胸が痛むね…僕達が彼の仲間を倒してしまったのかな?」

盗賊「かもな?もしかしたら相当良い奴も居たのかも知れん」

商人「リッチが多かったね…自分の命をも捧げて成しえたかった彼らの理想郷…そうかやっと見つけたか」

盗賊「リアルな話だがやられる時ってよ?会話する暇なんざ無くて一瞬だよな」

商人「そうだね…やらなきゃやられる…だからリッチと一言も話さないで終わった」

盗賊「そうやって仲間失うと思うと眠る事も出来んわ」

商人「こういう話は止めようか…死亡フラグが立ちそうだ」

盗賊「怖くなったか?」

商人「僕はまだ死ねない…いやもう死んでるか…まだやる事がある」

盗賊「ホムンクルスか?」

商人「フフ僕はもっと先を見てるさ…ホムンクルスを解放してみせる」ギラリ

盗賊「もったいぶんなよ?なんだ?言って見ろ」

商人「実はね…ホムンクルスの欠陥を発見したんだよ」

盗賊「ほう?…何よ?」


orc遺伝子…人の第六感を感受する受容体を司る部分

ホムンクルスはこの遺伝子を欠落させた状態で誕生してるんだ

何故ならこの受容体で感受する感覚は超高度AIを迷わせるバグを発生してしまうから…

この遺伝子が欠落しているせいでホムンクルスの脳に魂が宿らない

実はこの実験は400年ほど前にも行われてる

精霊の伴侶と呼ばれた男性型のホムンクルスを誕生させ

その子供を産ませる事で魂が宿るか実験をしている…

しかしその子にも魂は宿らなかった


盗賊「その子ってのは…シャ・バクダ遺跡の地下にある勇者の像か?」

商人「そうだよ」

盗賊「なるほど…じゃぁ今名もなき島で育ってるホムンクルスはそのなんとか遺伝子を組み込んだ…という事か」

商人「察しが良いね…そしてもう一体僕が作るのは男性型ホムンクルス」

盗賊「子供を産ませる気か…」

商人「僕は自信がある…必ず魂が宿る…そして死んでも尚集合意識として僕達と一緒になる筈だ」

盗賊「お前はホムンクルスの生みの親になる訳か」

商人「そういう言い方も有るけど本当は…僕がホムンクルスを諦められないんだ…あの世にも一緒に行きたいのさ」

盗賊「そら不倫になるんじゃ無ぇか?」

商人「そう言わないでおくれよ…兎に角本当の意味でホムンクルスを救いたい」

盗賊「お前なりの愛か…確かに聞いたぜ?」

商人「もう僕の手元に全部カードが揃った…今度こそホムンクルスを救って見せる」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:08:49.82 ID:KpvTj3yS0
『夜空』


ヨタヨタ


女海賊「いててて…お尻大分擦りむいたなぁ…リカ姉ぇは大丈夫?」

狼女「出血は無い…でももしかした骨折れてるかも…」ヨロ

女海賊「調子にのると怪我するね…線虫いる?」

狼女「頼む…」

女海賊「線虫!癒せ!!」ニョロ

狼女「木の強度を考えて無かった…」

女海賊「まぁ木じゃ無くてもアレくらいが限界だよ…20メートルの落下エネルギーで大体時速70km…」

女海賊「ほんでワイヤー使って増速して時速100kmは余裕で超える…これ以上出すとアンカー外れたり色々起きる」

狼女「速さに慣れるとそれでも遅く感じるのがね…」

女海賊「そこは我慢だね…やっぱ落下した時の安全装置作っとかないと大怪我しそうだなぁ…」

狼女「とりあえず注意しながら使う…あれ?」

女海賊「んん?」

狼女「いつの間に夜空見えてる…月も…」

女海賊「おぉ!!測量しなきゃ…」

狼女「私は地下に戻ろうと思ってたけど…」

女海賊「ちょい晴れてるうちに測量を優先したい…リカ姉ぇだけ戻って状況報告しといて」

狼女「ふ〜ん…」ジロ

女海賊「行きたくない訳じゃないさ…本当は退魔の砂銀を取りに行きたいんだよ」

狼女「それ魔女に言えば貰える?」

女海賊「うん…ローグに持たせてこっちに運ばせて欲しいな」

狼女「分かった…丁度温泉に入りたかったし…そのまま坑道降りる」

女海賊「おけ…わたしは測量行って来る」スタタ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:09:25.89 ID:KpvTj3yS0
『測量』


カリカリ カチッ キリキリキリ…


女海賊「やっぱ南極星の位置全然違うな…」

女海賊「月の方向もおかしい…あれは北から登ってるんかな?」


スポッ パタパタ


女海賊「お?呼んで無いのに出て来るんじゃん!!」

妖精「ハロハロー…さっきは危なかったねぇ」

女海賊「んぁ?何の話?」

妖精「僕が居なかったらお尻を擦りむく程度じゃ済まなかったと思うんだけどなぁ…感謝して欲しい」

女海賊「お!!?もしかしてアンタが居たお陰で軽傷で済んだ?」

妖精「やっと気が付いたか…感謝しろぉ!!」

女海賊「分かってたんだよアンタは幸運を運ぶ妖精だってさ」

妖精「分かればよろしい!!」ヒラヒラ

女海賊「そうそう…アンタに分かるかな?なんか月デカくね?あんなんだったっけ?」

妖精「近いからに決まってるじゃない」

女海賊「アハ…そりゃそうだ…落ちるって事無いよね?」

妖精「そんな事知らないよ…でも狭間が深くなっちゃうね」

女海賊「狭間ねぇ…」


ヨタヨタ


盗賊「いよー…焚火の消し忘れだと思ったら女海賊か…何やってんだ?」

女海賊「盗賊か…雨あがって空見えてるから星の観測やってんのさ」

盗賊「あれ?お前一人か?今誰かとしゃべってただろ」

女海賊「あんた妖精見えない?」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:10:17.86 ID:KpvTj3yS0
盗賊「なんだ妖精が居るんか…どうも俺は鈍感らしくて見えんのだ…どこよ?」キョロ

女海賊「目の前飛んでんだけど…」

盗賊「んん?…やっぱ見えんな…俺にゃなんとか遺伝子が足り無ぇんだなぁ…」

女海賊「あぁそれ…商人か情報屋に教えて貰ったんだね?」

盗賊「まぁ難しくて分からん」

女海賊「ほんでどっか行くん?」

盗賊「気球に帰るんだ…俺の寝床は気球だからな」

女海賊「あ!!商人の荷物は飛空艇に移しといたから」

盗賊「そうか…ほんじゃ俺の寝床は飛空艇にすっか」

女海賊「え?どゆこと?」

盗賊「一応あいつの物を守ってるつもりなんだがな」

女海賊「そういう事か…あの大型気球はこれからどうすんの?」

盗賊「エド・モント砦に降下する訓練はしばらくやりたいらしい」

女海賊「いつ頃やる想定なん?」

盗賊「負傷してる兵隊がもう少し回復したらだろうな…まぁ10日くらいじゃ無いか?」

女海賊「てか向こうの状況分かってんのかなぁ…結構厳しいと思うんだけど」

盗賊「魔女がお前の眼を見てちゃんと分かってんぞ?降下訓練も実践を想定した動きやってんのよ」

女海賊「なる…」

盗賊「もう人員の配置場所とか降下場所…その後のルートも決まってるらしい」

女海賊「うわヤバ…考え甘いの私の方だな…」

盗賊「そこら辺は女戦士に聞いた方が良いな…あいつは地下から行くトロッコ組の指揮取る様だから」

女海賊「別行動するとバラバラになるんじゃね?」

盗賊「貝殻だ…司令塔は魔女が担当する」

女海賊「あれ?兵隊達が使う通信機は?」

盗賊「そうかお前何も知らんのだな…その通信機で傍受されるから今は一切使って無いのよ…だから他の隊が音信不通なんだ」

女海賊「傍受…エド・モント側に動きがバレて何か起きてんの?」


そもそもな…エド・モント砦の機械が通信の中心端末だったらしい

キ・カイの軍隊が分断しちまったのも恐らく通信の偽情報が原因だった訳よ

今回のような事は10年前にも起きててよ…そん時はオークを捕らえて奴隷化してたんだが

偽情報に気付いた連中はキ・カイ軍隊を離脱してオーク側に離反したそうだ

それが当時機動隊と呼ばれていた連中…そいつらは古代遺跡で発掘した古代の兵器を持ったままどっか行っちまんたんだ

ほんで今回オークを攻め入った本当の目的はそいつらの掃討と古代の兵器を奪取する事…

その事実は一般には一切伝えられて居ない…政治家も含めてな?

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:10:57.00 ID:KpvTj3yS0
女海賊「なるほど…それでキ・カイの軍隊で言い争いとか起きてるのか…」

盗賊「まぁこの話は相当根深い…俺らの知らん所でキ・カイ軍隊内部で色々ある訳だ」

女海賊「その機動隊って奴らの目的は?」

盗賊「詳しく知らんらしいがオークを守ってるそうだ…てかな?オークの数は噂よりもずっと数が少ないんだってよ」

女海賊「なんか分かって来たぞ…私キ・カイの地下で機動隊ってのに間違えられてたのさ」

盗賊「んん?何か有ったんだな?」

女海賊「ワイヤー使ったりハイディングで姿消したりしてるっぽい」

盗賊「なに?ハイディング使うってのは相当だな…」

女海賊「光学迷彩って何か知ってる?」

盗賊「なんだそれはハイディングとはちと違うな…まぁ見えなくなる点では同じだが…」

女海賊「もしかしてレンジャー部隊もそれ使ったりするんかな?」

盗賊「お前あいつらの装備見て何か気付かんかったか?」

女海賊「触らせてくれないんだよ…多分スケール製だと思うんだけどさぁ」

盗賊「そのスケール一つ一つが背景の色に変色するんだ…まぁカメレオンみたいに見えにくくなる訳よ」

女海賊「マジか…そんな凄い装備してたのか…」

盗賊「俺らも大概反則級の装備してるんだがな…特にお前は」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:11:25.38 ID:KpvTj3yS0
『焚火』


メラメラ パチ


盗賊「この村は石炭には困らんからいいな…」スリスリ

女海賊「あんたいつまでそこに居んの?」

盗賊「お前も一人じゃ寂しいだろ?…てかリカオンは何処行ったのよ?」

女海賊「リカ姉ぇは温泉行った後坑道降りるってさ」

盗賊「そうか…まぁ帰って来た報告はしといた方が良いな…お前は行かんで良いんか?」

女海賊「星の観測を優先したいんだ…じゃないと時間も方角も何もかも分かんない」

盗賊「ふむ…いつまでやんのよ?」

女海賊「朝までやるよ…日の出の時間も知りたい」

盗賊「なんか肉でも焼いてやっか?」

女海賊「お!!私の飛空艇にシカ肉を積んで有るのさ…生肉がまだ残ってる」

盗賊「おぉそりゃ良い!てかあっちに酒も運び込んどくか…」


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18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:12:00.35 ID:KpvTj3yS0
『坑道最下層_簡易前哨基地』



…公爵が狙って居るのはオーク領の向こう側にあるかつてヒュー・ストンと言われた地にある箱舟なんだ

そこに未だかつてない古代遺物の存在を知った機械省の高官たちはまんまと食いつきオーク領への進軍を強行した

だが10年前に離反した機動隊たちが行く手を阻み計画通りに進軍は進まなかった

業を煮やした公爵は外海から攻略する作戦に切り替え海軍を取り込み始めた


女戦士「ふむ…ではやはり公爵が持つ黒い魔石と引き換えに海軍をすべて掌握したと思って良いのだな?」

レンジャー「大陸での覇権に海軍は大した意味を持たない…キ・カイからすると安い買い物の筈」

魔女「黒い魔石を得た機械省が何故クーデターに踏み切ったのじゃろうのう?」

レンジャー「10年前に既にその眼は出ていた…機械省と環境省の対立…この2つは政策が根本的に違う」


国の管理運営を完全に機械が判断するようにしたい機械省

対して人間が判断を下すようにしたい環境省

環境省はキラーマシンのAI開発に携わる技術者を全員解雇し

代わりに人間の脳を搭載する事で機械が物事を判断する事にならないように計らった

一方機械省は人間の脳まで機械に挿げ替える技術を成し遂げ

政府高官を含む多数に全身機械化を施した


レンジャー「機械と人間の対立は10年前から既に始まって居たんだ…それがエネルギーを得て一気に機械側に転んだ」

女戦士「つまり機械省の狙いは人間の機械化だな?」

レンジャー「恐らく…それで脳硬化症も含む石化の問題も無くなる」

魔女「それは主達…黒の同胞が望んだ事なのかえ?」

レンジャー「誓って違う…人の争いを無くし人類生存の為に最善の判断をする知恵を機械から得たかった」

女戦士「機械化した人間か…それを人間と呼んで良いのか…」

レンジャー「…」

女戦士「話は飛ぶが…離反した機動隊が私達の邪魔になるような事は起きないか?」

レンジャー「なんとも言えない…ただ向こうは古代の兵器を所持して居るから奇襲された場合全滅の恐れもある」

女戦士「ダメだな…先に片づけなければならないのは背後の安全だ」

レンジャー「フフ怖いか?俺達にとって白狼の者達も今の機動隊と同様の存在だったんだ」

女戦士「私達と機動隊が同じか…」

魔女「機動隊にはわらわ達を奇襲する動機が無いじゃろう?何も争って居らぬ」

女戦士「ふむ確かに…機動隊の目的がいまいち分からん…何故オーク側に居るのか…」

魔女「女戦士や…昔…100日の闇の時じゃ…一度国賓でキ・カイに来たじゃろう」

女戦士「あぁ…そうだったな」

魔女「あの時にわらわ達に面会した皇子は脳硬化症で亡くなったと聞いたがその病気で亡くなるにしては若すぎじゃ」

女戦士「何が言いたい?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:12:31.53 ID:KpvTj3yS0
魔女「もしやオーク領で亡命して居るのではと思うてな」

女戦士「レンジャー…お前は何か知らないのか?」

レンジャー「俺がこちらに来たのは光る隕石が落ちた後…9年ぐらい前か…皇子はとうに亡くなっているとしか聞いて居ない」

魔女「ほぼ全身機械化しておったから気持ち悪いと思って覚えて居ったのじゃが…」

女戦士「政策に口を出せる立場では無いという事は言って居たな」

魔女「うむ…今思えば環境省寄りの感じじゃった…頭部は死んでも機械化しないと言うて居ったわい」

女戦士「待てよ…そう言えば子供の脳が搭載されたキラーマシン改はどうなった?」

レンジャー「子供の脳が搭載されている?何の話だ?」

女戦士「それは後だ…新型のキラーマシン改はどうなったと聞いて居る…前線に投入されたのだろう?」

レンジャー「通信で退避時に囮に使えと指示があって置き去りだ…」

女戦士「…なるほど分かったぞ!!環境省は機械に支配されないキラーマシンを機動隊に送ったのだ」

レンジャー「話が呑み込めない…撤退指示を出して居るのは機械省側に居る政務官だ」

女戦士「頭部に人の脳が搭載されたキラーマシンは機械省からの命令に従わない…だから不要なのだ」

レンジャー「頭部に人の脳が入っている…しかも子供の…まさか」

魔女「ふむぅ…機械省も大概じゃが環境省もやり口がエグイのぅ…」

レンジャー「…という事は機動隊は古代の兵器以外に50機近いキラーマシンも得たという事になる…」

女戦士「そうだ…そう考えると皇子が亡命しているという線も有り得る…陰で支援して居るのが環境省という構図」

魔女「目的は機械省の解体じゃろうのぅ…わらわ達と同じじゃがしばらく様子は見た方が良さそうじゃな」

女戦士「うむ…敵と認識されてしまってはこちらが危ない」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:13:15.89 ID:KpvTj3yS0
『しばらく後』


シュタタ スタ


女戦士「む!?リカオン!戻って来たか」

魔女「ご苦労じゃった…退魔の砂銀を撒いて来たのは機転が利いたのぅ…」

狼女「早速だけど女海賊がその砂銀を欲しいと言ってる」

魔女「うむ…用意してあるぞよ」

女戦士「妹はどうした?一緒じゃ無いのか?」

狼女「雨が上がって空が見え始めたから星の観測をしているんだ…」

女戦士「ふむ…地軸のズレを観測か…では私も地上に出なければ…」


ダダダ スタ!!


アサシン「緊急事態だ!!エド・モント方面からトロッコの音がする!!突撃に備えろ!!」

女戦士「なんだと!!」ガバ

狼女「本当だ…何台か連結してる音…」

女戦士「兵隊共を叩き起こせ!!私は突撃に備える!!」ダダ

レンジャー「起きろぉ!!敵襲!!敵襲!第一級戦闘に備えろ!!」ダダ

狼女「トロッコ10両くらい繋がってる…」

魔女「マズいのぅ…奇襲でその数は準備して居ったという事じゃ…」ノソノソ

女戦士「線路に近付くな!!坑道の側道に入って一旦状況把握だ!!」


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21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:13:51.36 ID:KpvTj3yS0
『地下線路』


カタタン ゴーーーーーーーー


女戦士「来るぞ!!」

狼女「姿を隠して!!キラーマシンが沢山乗ってる音!!クロスボウの一斉射撃が来る!!」

女戦士「くそぅ!!先手を打たれてしまったか…」ギリ

魔女「万が一の場合はわらわが坑道を塞ぐ故に一旦撤退をせよ」

女戦士「塞ぐ?どうやって?」

魔女「成長魔法でクヌギを育てる…切り倒す時間が稼げるじゃろう」

女戦士「ぐぬぬ…」

アサシン「来るぞ!!」


ゴーーーーーーーー

バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!

タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!


女戦士「な…なんだこの数は…」タジ

アサシン「頭を出すな!!」グイ

狼女「あれ?トロッコが止まらない…」


ゴーーーーーーーー

バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!

タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!


女戦士「…どうなっている?走り抜けて行く…のか?」

アサシン「この数ではどの道戦えん…ここは素通りさせて引くべきだ」

レンジャー「分かったぞ!…奴らはミネア・ポリスまで抜けてそこからヒュー・ストンへ行く気だ」

女戦士「箱舟を目指して居るのか…」

狼女「トロッコ1台にキラーマシン6台乗ってる…今ので60台くらい通り抜けて行ったよ」


タッタッタ スタ


ローグ「こここ…これどうなってるんすか!!?」

女戦士「奇襲だ…来るのが遅い!!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:14:23.50 ID:KpvTj3yS0
狼女「又来る…次も同じくらいの数…気を付けて!!」

女戦士「気を抜くなぁ!!次が来るぞ!!」

ローグ「これマジヤバイっすね…一瞬でボルトが100発くらい飛んで来てるでやんす」

女戦士「さてどうする?」

アサシン「手を出すな…相手にとって私達はゴミ同然に見えて居るのだ」

魔女「そうじゃな…魔物達がわらわ達に倒されて居る事は知らんのじゃ…機械達と魔物が手を組んだ訳では無さそうじゃな」

女戦士「なるほど…キラーマシンを倒した訳では無いからこちらの戦力を知らないのか…」

アサシン「このまま素通りさせて機を伺えば良い」

狼女「シーーーーッ!!そろそろ次のが来る!!」


カタタン ゴーーーーーーーー

バシュン! バシュン! バシュン! バシュン!

タタタタタン! タタタタタン! カン! カン!


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『2時間後_地下線路』


ヨッコラ ドサ

急いで鉄鉱石で線路を塞げぇ!!

ゾンビは鉄鉱石の採掘を急がせてくれ!!


女戦士「魔女!!積みあがった鉄鉱石を魔法で焼いて鉄をすこし融解させてほしい」

魔女「ふむ…鉄の壁を作るか」

女戦士「そうだ…これでキラーマシンはこちら側へ戻る事は出来ない」

魔女「火炎地獄!!」ボボボボボ ボゥ

アサシン「壁にばかり時間を使って居られんぞ?トロッコがこちらへ来たと言う事は線路を塞いでいた水が無くなったと言う事だ」

女戦士「分かっている!!リカオンはエド・モント側の線路を哨戒して居てくれ」

リカオン「分かった!!」シュタタ

女戦士「兵隊は数名で重装射撃砲をトロッコに乗せて線路上に配置しろ」

兵隊「ハッ!!」スタスタ

女戦士「アサシン!トロッコ一台を300メートル向こうで横転させておいて欲しい」

アサシン「フフそれで良い…次のトロッコが来たら撃滅だな?」

女戦士「後何台残って居るのか…」

レンジャー「もうほとんどのキラーマシンが通過して行った筈…」

女戦士「見た事の無い機械も乗っていただろう?連射する射撃を行う小型の機械だ…アレは何だ?」

レンジャー「古代の機械…動いて居るのは初めて見た」

女戦士「アレの能力がどの程度か分からん…ここでしばらく籠城だ」

アサシン「ゾンビに戦わせて能力を確認してやる…私だけ少し突出するから砲弾で私を巻き込むな?」

女戦士「トロッコより向こうには出るな?それ以上は保障出来ん」

アサシン「分かった…行って来る」タッタッタ


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23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:15:12.06 ID:KpvTj3yS0
『少し後』


シュタタ シュタタ


狼女「トロッコがこちらに向かって来る音!!また10両くらいの編成!!」

女戦士「来たか…重装射撃砲を構えろ!!」

兵隊「目標!横転したトロッコの前方!」ガチャ

狼女「私は撃ち漏らしたキラーマシンの排除に行く!!」シュタタ

ローグ「あっしはハイディングから各個撃破狙いやす」ダダ

魔女「女戦士や…アサシンの眼に敵影が見えたぞよ」

女戦士「うむ…兵隊!私からでは敵が見えん…お前のタイミングで撃て」

兵隊「了解!!」

女戦士「私は重装射撃砲を死守する…魔女は私の援護を頼む」

魔女「うむ…」ノソノソ


ドーン! ドカーーン!!


兵隊「ヒット!!数台に貫通!!」

女戦士「次装填!!」


ガッコン ガチャガチャ


魔女「リカオンの戦闘が始まったぞよ?」


ピカーーーーー チュドーーーーン!


魔女「小型の機械がこちらに抜けて来よる…小さい虫型の機械じゃ」

レンジャー「総員射撃構え!!」

女戦士「重装射撃砲!!続けて撃てぇ!!」


ドーン! ドカーーン!!


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24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:15:46.61 ID:KpvTj3yS0
『激戦』


タタタタタン! タタタタタン!


レンジャー「ちぃぃちょこまかと…」バシュン バシュン

魔女「電撃魔法!」ビビビ

小型の機械「プツン…ブーーン」ガチャ ゴロン


リリース! スゥ


女戦士「くらえ!!」スパ

小型の機械「ビビビビ…」ドーン プスプス

兵隊「射撃!!」


ドーン! ドガーーン!!


兵隊「よし!!キラーマシン全滅!!」

小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ


タタタタタン! タタタタタン!


女戦士「ぐぅぅぅ…この攻撃はデリンジャーと同じか…」ヨロ

ローグ「頭ぁぁ!!」ダダダ スパ

小型の機械「ピピッ…」ドーン パラパラ

ローグ「ぐはぁぁ…爆発…」ズザザ ゴロゴロ


パシュ シュルシュル シュタ!


狼女「下がって!!後は私が片づける!!」パシュ シュルシュル ピョン

小型の機械「ピピピ…」シャカシャカ


タタタタタン! タタタタタン!


狼女「遅い!!」ピョン クルクル スパ

小型の機械「ビビビビ…」ドーン パラパラ

魔女「爆発するで魔法で停止させた方が良い!電撃魔法!」ビビビ

狼女「あと4台くらい…私がタゲを取るから魔女が倒して!!」パシュ シュルシュル シュタ

魔女「女戦士!!一旦引けい!!電撃魔法!」ビビビ

小型の機械「プツン…ブーーン」ガチャ ゴロン

女戦士「済まん…任せた…」ヨロ ポタポタ

ローグ「頭…止血を…」ヨロ
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:16:22.85 ID:KpvTj3yS0
『簡易前哨基地』


回復魔法!回復魔法!回復魔法!


魔女「他に治療が必要な者は居らぬか?」ノソ

アサシン「私だ…」ズルズル ドサリ

魔女「全身撃たれてボロボロじゃな…回復魔法!」ボワー

アサシン「機械を舐めすぎていた…ふぅぅ体の欠損が無くて良かった…」

女戦士「私もだ…あの連射するデリンジャーは危険すぎる」

アサシン「あれは撃ち始めて2秒後にエイミングを修正して偏差撃ちをして来る…普通には避けられない」

女戦士「やはりな…ハイディングを駆使するしか戦い様が無いな」

アサシン「ワイヤーを使った不規則な動きはまだ通用していた様だな」

女戦士「狙いを修正してくる前に転進すれば良いという事か…」


タッタッタ


レンジャー「戦利品を回収して来た…大量の魔石を入手したぞ」ザラザラ

女戦士「出来るだけ傷んで居ない小型の機械は製鉄所に運んでおいてくれ…あとで分解する」

レンジャー「分かった…キラーマシンの部品もそこに運べば良いか?」

女戦士「何台ある?」

レンジャー「20台程…コバルトが沢山使われているから貴重な資源になる」

女戦士「ふむ…それより次の戦闘に控えていた方が良いな」

レンジャー「いや…状況は既に知られた筈…もう来ないだろう」

女戦士「それなら良いが一応警戒だけしておこう」

レンジャー「多分向こうは機動隊による伏兵だと思っただろう…戦い方が似て居たからな」

女戦士「機動隊がそれ程怖いか?」

レンジャー「白狼と同じくらいには…」

アサシン「被害を増やしたくないのだろう…こちらは死者ゼロ…向こうは全滅」

レンジャー「敵に武器を与えたくないのもある…今の戦いで得た戦利品は価値が高い」

女戦士「なるほど…では少し体を回復させるか」

レンジャー「それが良い…警戒は俺の部隊でやる」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:16:49.96 ID:KpvTj3yS0
『製鉄所』


エンヤー コーラ ドッコイセー


ドワーフ「こらたまげたでぇ…娘さんこない沢山の機械どうするんや?」

女戦士「コバルトが沢山使われて居るのだ…これがあれば超硬合金が作れる」

ドワーフ「武器の材料でっか?」

女戦士「いや…鎧が欲しいな」

ドワーフ「切削できまへんで…」

女戦士「切削は私がやる…超硬合金で鎧が作れればデリンジャーの弾も跳ね返すだろう」

ドワーフ「ごっつい鎧になりそうでんなぁ?」

女戦士「私は少し地上に出るから製鉄所は任せる」

ドワーフ「温泉でっか?」

女戦士「そうだ…少し傷を癒したい」

ドワーフ「まかせときなはれ〜」エンヤー コラー

女戦士「ローグ!!退魔の砂銀はお前が持ってくれ…私は小型の機械を運ぶ」ヨッコラ

ローグ「ムリせんで下せぇ…大分撃たれやしたよね?」

女戦士「いや…この機械はそれほど重くない…材質は何だ?」サワサワ

ローグ「そうなんすか?」

女戦士「驚きだな…これは金属では無い…樹脂の類だ…こんなに硬質に作れるのか…」コンコン

ローグ「やたら弾を発射して来たんすが…中身どうなってるんすかね?」

女戦士「妹に分解させようと思うのだ」

ローグ「姉さんよろこびそーっすね…」

女戦士「うむ…早く地上に出たいからハイディングしながら移動するぞ」

ローグ「へい!!あっしに付いて来て下せぇ…ハイディング!」スゥ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:17:39.39 ID:KpvTj3yS0
『坑道_縦穴手前』


女戦士「ええい…撃たれた所に弾が残っていて痛む…うぅぅ」

ローグ「あっしが処置しやしょうか?」

女戦士「こんな所で出来る訳無いだろう…回復魔法も貰えん」

ローグ「足の付け根っすね?アラクネーの毒を持ってるんで痛みはしやせん」

女戦士「…」ギロ

ローグ「一瞬で終わりやす…ただ麻痺毒が抜けるまでちぃと横になってて貰いやすが…」

女戦士「早くやれ!」

ローグ「足の付け根なんで脱がさせて貰いやすぜ」ゴソゴソ

女戦士「…ぅぅ…そこだ…そこが痛む」

ローグ「分かりやした…骨に当たってるんすね…麻痺毒打ちやす…」チク

女戦士「…」

ローグ「ちぃと顔を背けてて下せぇ…自分の体切られるのは見たく無いっすよね?」

女戦士「フン!」クル

ローグ「3…2…1…」


スパ ゴソゴソ コロン…コロコロ


ローグ「終わりやした…圧迫で止血してるんでこのエリクサーを一口飲んでくれやんす」スッ

女戦士「なるほど痛まん…」ゴク

ローグ「傷が塞がるまでちっとこのままっす」グググ

女戦士「お前は私を脱がしたかったのだろう?」

ローグ「バレやした?…でもこれで傷みが無くなりやす」

女戦士「こうも正直だと怒る気にもならん」

ローグ「麻痺が無くなるまで小一時間掛かるんで寝てても良いっすよ?」

女戦士「…」ギロ

ローグ「へい…寝てる間に目の保養をさせて貰いやす」

女戦士「こんな状況で寝られる物か!」

ローグ「取り出した弾丸…これ9mmって所っすかね」

女戦士「デリンジャーの弾より一回り小さい」

ローグ「こんなんが連射されるのはかなりキツイっすね」

女戦士「うむ…キラーマシンよりもよほど厄介だ」

ローグ「あっし思ったんすが小型の機械は丈夫な機械じゃないんで爆弾使って倒した方が良さそうっす」

女戦士「そうだな」

ローグ「姉さんがキーマンっすね…小型爆弾をバンバン撃てるんで…」

女戦士「例の特殊弾倉の新兵器か…アレの量産は大変だな…」


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28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:18:26.46 ID:KpvTj3yS0
『朝_広場の焚火』


リリース! スゥ…


女海賊「うわ!!びっくりしたぁ!!あんた何やってんのさ!!」

ローグ「こっちもびっくりしやしたよ…姉さんにお土産持って来たんす」

女海賊「砂銀か…早かったね」

ローグ「そらハイディングで移動してきたもんで…」ヨッコラ ドスン

女海賊「んん?何それ?どっから持って来たん?」

ローグ「地下線路にキラーマシンが攻めて来たんすよ…ほんでこれは古代の機械だそうです」

女海賊「ええ!?マジマジ?ちょ…これどうなってんの?」

ローグ「姉さんに分解して欲しいんすよ…連射するデリンジャーが搭載されてるんす」

女海賊「おおおおおおお!!ちょい日の出の観測終わったら早速やるわ」

ローグ「へい…頭も観測がしたいと言って一緒に来て居やすぜ?」

女海賊「お姉ぇは何処行ったん?」

ローグ「温泉に行きやした…そうそう怪我の具合が良くないんで線虫を頼んます」

女海賊「お姉ぇが怪我するって珍しくない?」

ローグ「キラーマシン20台とその古代の機械も20台くらい来たんすよ」

女海賊「ヤッバ!!下の方は大丈夫なん?」

ローグ「ギリギリ防ぎやした…一応死者ゼロでやんす」

女海賊「てか2人でこっちに来て大丈夫なん?戦力ダウンだよね?」

ローグ「なもんで早い所その機械から連射するデリンジャー欲しい感じっすね」

女海賊「おけおけ!何とかするわ」

ローグ「ちっと注意なんすが爆発に気を付けて下せぇ…破壊の剣で切るとドーン!!って感じなんす」

女海賊「あぁぁ分かった…エネルギー部だな…そいつがまだ生きてるならそれも研究できるな」

ローグ「なるほど…あっしは商人さん達にも挨拶してくるんで後は頼んます」

女海賊「盗賊は私の飛空艇で寝てるよ…てか私も飛空艇戻るけど」

ローグ「いつもの場所っすね?後で行きやす」

女海賊「おっけ!!分解やっとくわ」


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29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:19:21.79 ID:KpvTj3yS0
『鯨型飛空艇』


カチャカチャ

…なるほどぉ…これがAI部分でこいつに過電流流れてぶっ壊れたんんだ…

中身は9o弾ばっか入ってんな…ふむふむ構造は特殊弾倉と似たようなもんか

やっぱこいつもエネルギー部が良く分かんないなぁ…多分この容器に電気が溜まってると思うんだけど…

えーと連射するデリンジャー…これかぁ…砲身が焼けちゃってる…こんなんじゃ狙い定まんないぞ?

連射する仕組みは…なんだこれ?外してみっか!!



女戦士「どうだ?武器を取り出せそうか?」

女海賊「あ…お姉ぇ寝てた方が良いんじゃないの?」カチャカチャ

女戦士「もう10時間程寝たのだが…」

女海賊「あれ?そんな経ってたっけ?」

女戦士「ここは狭間の中だろう?」

女海賊「あぁ忘れてた…私飛空艇に出入りしてるから時間分かって無いのか」

女戦士「時間のかかる作業は狭間の中で行った方が良い」

女海賊「分解もうちょい掛かるから私は飛空艇出ない様にするわ」

女戦士「では私は教会に行って商人と情報を交換してくる」

女海賊「おけ!!」


カチャカチャ

ここが電極…こいつはコイルか…なるほど電磁気力でローレンス力発生させるんだな?

超電導させないとこの長さじゃあんまローレンス力強くない筈なんだけど…

まてよ?材質の問題か?…てことはこのユニットはメッチャ貴重だな


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30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:20:29.26 ID:KpvTj3yS0
『教会』


ワイワイ キャッキャ


商人「…地下線路でそんな事が…」

女戦士「もしかするとミネア・ポリスから逃れて来るオーク達が出て来るかも知れん」

商人「キラーマシン500台か…古代の機械まで…」

盗賊「おいおい…ギャングのガキ共はミネア・ポリスに行った筈だろ?放って置けんぞ」

女戦士「機械共は此処を素通りした様にミネア・ポリスも素通りした事も考えられる」

商人「狙いはヒュー・ストンにある箱舟か…」

盗賊「う〜む…なんか落ち着かんな…」

商人「ミネア・ポリスは飛空艇で見に行けないのかな?」

盗賊「キ・カイに行くのも一苦労だったんだろう?…詳細な場所が分からん事には無理だな」

女戦士「一つ情報があるのはオーク側にキラーマシン改が渡っている可能性が有る事だ」

商人「ええええ!!?どういう事だい!?」

女戦士「環境省の策だ…恐らくオーク側に渡った機動隊へ戦力として送ったと思われる」

商人「そんな…」

女戦士「キラーマシン改は人の脳が搭載されていて他のキラーマシンの様に命令に服従しない」

商人「まだ戦争の道具として引っ張りまわすと言うのか…」グググ

影武者「割入ります…オークへ魔石を支援するのはどうでしょう?」

商人「君はキラーマシン改にもっと戦えと言うのか?」

影武者「キラーマシンのエネルギーは魔石です…それは相手にも同じ事」

女戦士「ハッ!!そうだ先日大量の魔石を入手した所だ…」

影武者「それが無ければキラーマシンはエネルギー切れで停止します…つまり勝つために必要な支援になります」

商人「相手のエネルギー切れまで耐えれば勝ちか…」

影武者「それでハテノ村はオーク達と決定的な友好となる筈…」

女戦士「影武者…取り引きに行けるのか?」

影武者「任せて下さい…近くのオーク村に伝手がありますので」

盗賊「ようし!!その取り引き…俺が護衛してやる」

影武者「いえ…盗賊さんは人相が悪いので遠慮します」

盗賊「なぬ!?」

商人「ハハそれは仕方ない…」

影武者「オークに守って貰いますので問題無いです」

盗賊「なんだよもう友達になってんのか…」

影武者「それよりも急いだ方が良いので魔石を運搬してくれると助かります」

盗賊「分かった…ハイディングで移動すっから直ぐに持って来れる」

影武者「お願いします」


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31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:21:11.07 ID:KpvTj3yS0
商人「…魔石はそんなに沢山入手したの?」

女戦士「トロッコに満載だったらしい…偶然にも私達が相手の補給を断った形になった」

商人「それなら他の補給方法を考えそうだなぁ…」

女戦士「地下線路は一本道でしかも鉄の壁ですでに封鎖してある」

商人「他にもルートあったりするんじゃない?」

女戦士「それはレンジャーに聞いてみないとなんとも…」

商人「どちらにしてもエド・モント側は補給で更にキラーマシンを出動しなければならないから手薄になるね」

女戦士「手薄…攻めるなら今だという見方も出来るか…」

商人「もし先に相手の通信手段を壊してしまえばもっとラクに収まるかもね」



『河原』


タタタタタン! タタタタタン!


女海賊「だぁぁぁ何だコレ…全然狙い定まんないじゃん」

女海賊「飛距離もクロスボウ以下だ…接近武器だよコレは…」

女海賊「てか弾の消費が半端無いし重くて持ってらんないわ…クソ武器確定!!」

女海賊「やっぱエネルギーを魔石で代替すると色々能力落ちるんだろうなぁ…」

女海賊「まてよ?プラズマ銃と同じかもしんないな…一発づつ撃てばイケるんか?」


タン! シュン!!


女海賊「うわ…飛距離伸びた!!そういう事か…短いリロードが必要か…」

女海賊「弾を発射するタイプだと精度上げるなら長い砲身が必要になる…邪魔になるなぁ」

女海賊「クロスボウのボルトなら砲身無くてもソコソコ真っ直ぐ飛ぶ…改造してみるか」

女海賊「私の特殊弾倉と合体してみるか…もしかしたらクロスボウより良いかも…」


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32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:22:05.98 ID:KpvTj3yS0
『鯨型飛空艇』


カンカン ゴシゴシ


女戦士「…もうすぐ日の入りだぞ?」

女海賊「あ!お姉ぇ…六分儀そこにあるから星の観測お願い…昨日の分はメモ取ってある」

女戦士「ふむ…新しい武器を作って居るのか?」

女海賊「例の連射するやつ使い物になんないからさ…ちっと改造」

女戦士「私はアレに撃たれて痛い思いをしたのだが?」

女海賊「あれは接近武器なんだ…弾をメッチャ使って当てる感じの武器」

女戦士「確かにそうだったな…」

女海賊「そんな沢山の弾を持ち歩けないからあんま意味無いんだよ」

女戦士「まだ地下に沢山あるのだがな…」

女海賊「えとね…今作ってんのがクロスボウのボルトを撃つ装置…多分飛距離伸びる」

女戦士「ふむ…」

女海賊「飛距離と精度が一番重要なんだって…これなら量産しても良いよ」

女戦士「見せてみろ…ほう?クロスボウよりも簡単そうだ」

女海賊「でしょ?ほんで雷の魔石で動くのさ…よし!!試し撃ち…ちょい来て!!」スタタ ピュー


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女海賊「いちおう照準付けて狙って見るか…」カチャカチャ チャキリ

女戦士「撃ってみろ…」

女海賊「いくよぉ!!」カチ


タン! シュン!


女海賊「おぉぉぉ!!ヤバ…これ有効射程300メートルくらいあるかも…」

女戦士「では小さな重装射撃砲だな」

女海賊「特殊弾に火薬仕込んだらかなりイケると思う…もっかい」カチ


タン! シュン!


女海賊「ふむふむ…特殊弾の製造バラツキ分ちょっと狙いがズレる…よし!弾が回転するように作って見るか…」

女戦士「フフ…私は星の観測に行くから良い武器に仕上げろ」スタ
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:22:44.98 ID:KpvTj3yS0
『大型気球』


ヨッコラ ドスン


盗賊「よーし…とりあえず石炭と要らん骨類は積めるだけ積んだ」

ローグ「魔石はそれだけで良いんすか?」

影武者「ひとまず十分だよ…もっと欲しいならこっちに来る様に促すのさ」

盗賊「なるほど…やっぱお前賢いなぁ」

影武者「じゃぁ僕はいつもの傭兵3人連れて行って来る」

盗賊「しばらく帰って来ん感じだな?」

影武者「う〜ん…オークがちゃんとミネア・ポリスまで案内してくれれば2〜3日で戻ると思うんだ」

盗賊「まぁ気を付けて行って来い」

影武者「うん…じゃぁ」ノシ


フワフワ パタパタ


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34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:23:48.78 ID:KpvTj3yS0
『広場』


キリキリキリ カチッ


女戦士「やはり昼が相当長い…南半球の中緯度域に入ったくらいか…」

盗賊「おろ?今日は女戦士が観測やってんのか…女海賊はまた作り物か?」

女戦士「その通り…」

盗賊「ほんでどうよ?」

女戦士「方角がしっかり分かるようになって来たぞ?北と南が入れ替わったと言えば分かるか?」

盗賊「やっぱりな?情報屋が言ってた通りだ」

女戦士「地下に籠っていると地軸が移動したのは全然分からん…こうして観測すると大変な事が起きていると実感する」

盗賊「北の大陸とかどうなっちまってんだろうな?」

女戦士「我々人間はつくづく見えている範囲の事しか分からんのだな」

盗賊「うむ…ほんでよう?月の動きがおかしく無いか?」

女戦士「その様だ…右へ行ったり左へ行ったり」

盗賊「ありゃ縦周りになってんだよな?」

女戦士「南極星の側に有るのだがここから見ると北にある様に見える…不思議な動きだ」

盗賊「ほんで前よりでかくなってんだろ?」

女戦士「恐らく楕円の起動になってしまったのだろうと思う」

盗賊「塩の満ち引きとかかなり影響出そうだ」

女戦士「確かに…」


タッタッタ


女海賊「お姉ぇ!!私ちっと地下行って来るわ」スタタ

盗賊「お!?急にどうした?」

女海賊「コレ見て!!例の連射する銃を改造したんだ」チャキリ

盗賊「ほう?」

女海賊「同じように改造したらメッチャすごいクロスボウになる」

盗賊「んん?クロスボウに見えんが…」

女海賊「弾がクロスボウのボルトなんだ見てて」カチ


タン! シュン!


女戦士「危ないからここで不用意に撃つな!」

盗賊「弾が見えんな…何処行った?」

女海賊「有効射程300メートルくらい…最大射程1kmくらいある」

女戦士「同じ物を作りに行くのか?」

女海賊「私のは特殊弾を撃つんだけど汎用でクロスボウのボルト撃つタイプも作ってみたいのさ」

女戦士「まぁ地下での戦力増強になるならやって構わん…気を付けて行け」

女海賊「ハイディングしながら行くから速攻だよ…ほんじゃ行って来る!!」スタタ ピューー

盗賊「ヌハハ元気そうだ…アイツいつ寝てるんだ?」

女戦士「好きな事をやっている時は眠たくならんのだ…私も星の観測は飽きん」キリキリ カチャリ

盗賊「確かに…俺もお宝物色は寝んでやるわ…おーし!!遺跡掘りにでも行ってくっか!」スック
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:24:43.92 ID:KpvTj3yS0
『地下_簡易前哨基地』


タタタタタン! カシャカシャ…


狼女「魔女!!今!!」ピョン クルクル シュタ

魔女「雷魔法!」ビビビ

小型の機械「プスン…ブーン」ゴロゴロ ドテ


リリース! スゥ


女海賊「おぉ!!?これどういう事?」キョロ

魔女「おぁ良い所に来たのぅ…主の線虫が必要じゃ」

女海賊「ええ!?戦闘やってんの?」

狼女「散発的にこの小型の機械が襲撃してくるんだ…私警戒してくる」スタタ

女海賊「怪我してんのは兵隊達だね?」

魔女「うむ…わらわが回復魔法を掛けてしまうと食らった弾が体内に残ってしまうのじゃ…線虫でゆるりと癒した方が良い」

女海賊「なるほど…弾は自分で気付いて取らないとダメな訳か」

魔女「そうじゃ本真に厄介な敵じゃ」

女海賊「アサシンは?」キョロ

魔女「機械はゾンビ達を襲っては来ぬ故かなり先の方へ出て警戒中じゃ」

女海賊「なるほど…それで対処出来てるんか」

魔女「急いで怪我人に線虫を頼む」

女海賊「おけおけ!」


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36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:25:27.45 ID:KpvTj3yS0
『製鉄所』


ドッコイセー ドッコイセー ハァ〜〜〜♪


ドワーフ「娘さんやないか!!どうしたんや?」

女海賊「ここのガラクタ勝手に改造しちゃうよ!!」

ドワーフ「邪魔やったんや…早うのかして欲しいわ」

女海賊「お!!?ちょうどキラーマシンのクロスボウあるじゃん…よーし!こいつに組み合わせよう」

ドワーフ「散らかさんでな?」

女海賊「はいはい…えーと…例の電磁力ユニットだけ外して…」カチャカチャ


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『地下線路』


トンテンカン! トンテンカン!


レンジャー「トロッコの装甲強化急げ!」

狼女「レンジャー!!アサシンから連絡…ここから一つ目の分岐で小型の機械が止まってるらしい」

レンジャー「むむ…バン・クーバー方面か…直通はして居ないが線路載せ替えでミネア・ポリスには向かえる」

狼女「どうする?迎撃する?」


タッタッタ


女海賊「新兵器持って来たヨ!!」ガチャガチャ

レンジャー「んん?なんだそれは?」

女海賊「強化クロスボウって感じ?ちょい見てて」チャキリ

レンジャー「ボルトを発射するのか…」


ダン! バヒュン!!


女海賊「痛った!!ボルト撃つと反動があるのか…」ヨロ

レンジャー「飛距離は?」

女海賊「有効射程だと100〜200メートルだと思う…超強化クロスボウだね」

レンジャー「使えるな…いくつある?」

女海賊「8台作った…ちょい持ってくるからトロッコに装着しててよ」スタタ ピュー

狼女「これがあれば迎撃に行ける?」

レンジャー「行けそうだ…8台あれば近付く前に撃破出来る筈」

狼女「アサシンに伝えて来る」シュタタ
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:26:17.58 ID:KpvTj3yS0
『重装トロッコ』


ガチャガチャ


レンジャー「ふむ…発射部を電磁力にしただけの単純な構造…メンテナンスしやすい」

女海賊「でしょ?こういう武器が一番使えるんだよ…今までのボルトそのまま使えるし」ガチャガチャ

レンジャー「これなら俺達でも作れるな」

女海賊「こっちに突進してくる相手ならメチャ当てやすい筈…射程活かして戦えるよ…よーし!!」

レンジャー「んん?」

女海賊「突撃すんじゃ無いの?さっさと出発しろよ!!」イラ

レンジャー「突撃だと?」

女海賊「こんだけ火力揃ったんだから相手が動く前にやっちゃわないと裏取られる…ほれ全軍出撃ぃぃ!!」ビシ

レンジャー「魔女がまだ乗って居ない」


”魔女?聞こえる?今すぐトロッコに乗って…火力ぶっぱでぶっ潰す”

”なぬ?今動けるの10人程度しか居らんが…”

”だから火力ぶっぱで押し込むのさ…こっちにはインドラ銃もある…大丈夫”

”ふむ…主を信じて見ようかのぅ…”


レンジャー「んん?インドラ銃とは何だ?」

女海賊「有効射程2kmの超高精度でインドラの光を落とせるのさ…この線路なら向こうは丸裸も同然」

レンジャー「そんな兵器まで…」

女海賊「私の眼を見て…」クルリン

レンジャー「蒼眼…」

女海賊「そゆ事…アンタが追ってた白狼は私の旦那と子供…まぁ私のやり方見て付いて来な」

レンジャー「フフ見せて貰おうか…勇者の力を」



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38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:26:57.33 ID:KpvTj3yS0
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ノソノソ


魔女「急に決めるのじゃのぅ…」

女海賊「はい乗った乗った!!」

レンジャー「一旦アサシンと合流で良いんだな?」

女海賊「ほんなん確認しなくても分かるじゃん…さっさと動かして!!」

レンジャー「総員!前進だ…目標分岐点A…後にエド・モント方面から来る敵を排除する!!」

女海賊「アンタなんか堅いんだよなぁ…ふぁぁ〜あ…ちっと私寝るから着いたら起こして」ドタ グゥ…

魔女「やれやれじゃのぅ…」


ヒラヒラ パタパタ


魔女「ほう?妖精が居ったか」

妖精「ハロハローやっと寝たか…」

レンジャー「妖精まで味方につけて…」

魔女「主にも見える様じゃな?これ妖精!眠らせたのはお主か?」

妖精「興奮してずっと寝て無いのさ…どれくらいかなぁ…狭間の中も合わせて5日くらい?」

魔女「ふむ…では仮眠を取らせた方が良いな」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:27:46.95 ID:KpvTj3yS0
『分岐の手前』


キキー ガッコン


アサシン「トロッコ1台前方に連結させるぞ?」ガチャン

レンジャー「分かった…フフ…オークゾンビにトロッコを動かさせていたか」

アサシン「さてここから少し先に小型の機械が3台程停止している」

レンジャー「分岐を守備しているか」

アサシン「恐らくな?小型の機械では分岐を変える事が出来ないから待機しているのだ」

レンジャー「分岐の向こう側にはまだ退魔の砂銀を撒いて居ないからグレムリンが居る事も想定される」

狼女「その分岐の場所は広いからそこまで敵が来られると排除に厄介…」

レンジャー「さてどうする?」

魔女「これ起きんか!」ユサユサ

女海賊「むにゃー」スヤ ドテ

アサシン「向こうにまだ動きは無いが…」

女海賊「誰だよ蹴ったのは…」ムクリ

魔女「自分で転がったのじゃタワケ…寝ながら下を触るクセをなんとかせい!」

女海賊「ハッ!!やば…バレた…」ズボ

レンジャー「…」アゼン

アサシン「お前には呆れる…状況を考えろ」

女海賊「寝てたんだからしょうがないじゃん!ほんで今の状況は?」フキフキ

アサシン「現在地は分岐の手前2kmだ…小型の機械は分岐を変えられず停止したまま動かない」

女海賊「向こうに明かり無いよね?」

アサシン「ある訳無いだろう」

女海賊「ゾンビに照明魔法掛けた砂銀持たせて奥まで行かせられる?」

魔女「ほう?名案じゃのぅ」

アサシン「なるほど…10体ほど近くに待機させてあるが…」

女海賊「出来るだけ向こうまで行かせて欲しい…後は私が狙撃する」

アサシン「分かった…魔女!照明魔法を」

魔女「ちと待てい!照明魔法!照明魔法!照明魔法!」ピカー

アサシン「ゾンビ共来い!明かりを持って線路に沿って進み続けろ」


ヴヴヴヴヴ ガァァァ… ヨタヨタ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:28:16.07 ID:KpvTj3yS0
『30分後』


女海賊「分岐見えた!!射撃するからトロッコ動かして!」チャキリ

レンジャー「占拠するのだな?」

女海賊「てかそのままゾンビの後付いて進むのさ」

レンジャー「その先は退魔の砂銀を撒いて居ない…他の魔物も居るぞ」

女海賊「構うもんか!!火力ぶっぱで進めるだけ進む」

アサシン「クックックお前の作戦は単純で分かりやすい」

レンジャー「分岐の横からも来るかも知れんぞ?」

女海賊「うっさいな!後ろから来た奴も倒せば良いだけじゃん…狭い線路なんだから火力ぶっぱで何とかなる!!」

狼女「フフ後ろは見て置く」スタ

レンジャー「分かった!総員微速前進…ゾンビの歩測に合わせろ」


ガコン ゴトゴト


女海賊「おーし!!撃っちゃうよ…爆風来るからトロッコに隠れて」カチ


シュン! チュドーーーーーン!!


女海賊「もういっちょ!!」カチ


シュン! チュドーーーーーン!!


女海賊「おっけ!!3台ともバラバラになった…爆風来るよ!!」


ブォォォォォォ


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41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:29:05.77 ID:KpvTj3yS0
『進撃』


ドーン! ドガーン!!


女海賊「重装射撃砲イイネ!!敵が射程に入ったらどんどん撃って」

アサシン「圧倒的火力だな…」

女海賊「撃ち漏らしたやつは強化クロスボウで狙って!」


ダン! バヒュン! ダン! バヒュン! ダン! バヒュン! ダン! バヒュン!


魔女「退魔の砂銀を撒くのも忘れるで無いぞ?」

レンジャー「やってる!!」バシュン バシュン

女海賊「よしよし…敵のトロッコ全部回収出来そう」

アサシン「もうキラーマシンは殲滅したか?」

女海賊「余裕だね…ちっこい機械は強化クロスボウで一発だし」

アサシン「これはエド・モント砦までこのまま行けそうだな…」

女海賊「弾切れまで前進するよ…もうゾンビは引き上げて良い!インドラの銃で前方撃ちながら行けば大体わかる」

アサシン「分かった…トロッコの連結をやらせる」

女海賊「爆風だけ注意してね…」カチ


シュン! チュドーーーーン!


女海賊「おぉ見える見える…デカいの何体か居るから重装射撃砲で狙って!」

魔女「これは忙しいのう…照明魔法!」ピカー

女海賊「その砂銀一杯作って!私が前方に打ち込むから」

魔女「うむ…」

女海賊「明かり行くよ!!」


タン! シュン! ピカーーーー


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42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:29:58.71 ID:KpvTj3yS0
『翌日_ハテノ村の教会』


”なに?エド・モント砦へ向けて進撃しているだと?”

”そうじゃ…倒したキラーマシンからボルトを回収しつつ進んで居る”

”口ぶりからして余裕そうだな?”

”うむ…新しい強化クロスボウがなかなか強くてのぅ…グレムリンも寄せ付けぬ”

”そうか魔物掃討も兼ねているか…”

”こちらは問題ない故に主は少し休息しておれ”

”悪いな…撃たれた場所が丁度足の関節で不自由していた所だ”

”また何か有ったら連絡するぞよ…ではのぅ”


商人「…やっぱり女海賊居ると違うみたいだね」

女戦士「無茶しなければ良いがな…」

商人「まぁインドラの銃が有るからねぇ…真っ直ぐな線路だと圧倒的に有利だよね」

女戦士「逆に魔女と女海賊が不在の今…ここで怪我人を出す訳にイカンな」

商人「あぁ実はね…子供達の回復魔法がなかなか良くなって来ててさ」

女戦士「ほう?回復魔法を使う者が居るか…」

商人「傭兵の中にシン・リーンで修行した人も居るんだ」

女戦士「そうだったか…」


タッタッタ


盗賊「お〜い!!古代遺跡の入り口が出て来たぜ?」

商人「おぉ!!早かったね」

盗賊「他の兵隊とドワーフ達が手伝ってくれてよ…情報屋も来た方が良いぜ?」

商人「情報屋はまだ歩けないんだ…どうしようかな」

盗賊「俺が背負って行く…お前等先に行っててくれ」

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:30:56.19 ID:KpvTj3yS0
『古代遺跡』


ヨッコラ セット


盗賊「ほら着いたぜ?あん時のままだろ?」

商人「やっと来たね…遺物が沢山残って居たよ…ホラ?」

情報屋「これは…」

商人「ホムンクルスの外部メモリさ…僕達はあの時見落としていたんだ」

情報屋「そうだったのね…確かにあの時は噴火で慌てていたわね…」

商人「他にもたくさんある…こっちだよ」

盗賊「おいおい無理させんな…俺の肩に掴まって歩け」

情報屋「ありがとう…」ヨロ

商人「やっぱり相当具合悪そうだな…」

情報屋「貫通したボルトが背骨の近くを抜けて行った様なの…片足に力が入らない」

盗賊「まぁゆっくり治せば良い…足の役にくらいなってやる」グイ

情報屋「走れないだけよ…ゆっくりなら歩けるから」ヨロ

商人「じゃぁゆっくりおいで…」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:31:24.14 ID:KpvTj3yS0
『古代遺跡_下層』


スタスタ


情報屋「壁画!!」ヨタヨタ

商人「これもだよ…謎の容器…これの上に外部メモリが乗ってたんだ」

盗賊「中に何が入ってんだ?」

商人「僕には開けられない」

盗賊「貸してみろ」

商人「ちょっと待って…盗賊にはこっちの鍵穴をどうにかして欲しい」

盗賊「んん?」

商人「ここの機械を動かす為の鍵さ…鍵を探しても見当たらないんだ」

盗賊「わかった…ちょっと待ってろ」ガチャガチャ

商人「どう?解錠できそう?」

盗賊「こりゃ解錠ってもんじゃ無いな…新しく鍵作らにゃイカン」

商人「先にこれを優先して欲しい」

盗賊「わーーったよ…他のお宝には手を付けんな?俺が頂く…」

商人「もう女戦士が手を付けちゃてるけどね」

盗賊「おいおい…先にこの遺跡を見つけたのは俺だぞ?ってか扉開いたのも俺だ」

女戦士「フフ…お前にコレが組み立てられるのか?」カチャカチャ

盗賊「おお!!そらデリンジャーじゃ無いのか?」

女戦士「組みあがったらお前が使っても良いだろう」

盗賊「その言葉忘れんな?じゃぁちっと鍛冶場まで走って来る」ダダ

商人「ふ〜む…僕達は教会で寝泊まりするんじゃなくてこっちの方が良さそうだ」

女戦士「それなら掃除しておけ…」

商人「ローグも呼んで来る」

女戦士「お前が掃除すれば良いだろう…」

商人「手分けした方が早いのさ…」タッタッタ
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:32:17.21 ID:KpvTj3yS0
『半日後』


ブーーン ピピピ


商人「動いた…名もなき島と同じだ…」

盗賊「ほんじゃ俺はこのデリンジャーを頂くぜ?」

女戦士「それは私の物と少し違うぞ?」

盗賊「ちとデカいな?」

女戦士「単発で特殊な弾を使う様だ」

盗賊「ぬぁぁぁ使え無ぇじゃないか」

女戦士「ラッパ状の砲身からして散弾する弾だな」

盗賊「作ってくれよぉ…」

女戦士「丁度銅貨が20枚ほどその弾の入る場所に収まる…注意しながら試してみろ」

盗賊「ほう?銅貨をぶっ放す訳か…面白れぇ!やってみる」

女戦士「爆発の恐れがあるからそのつもりでな?」

盗賊「わーったわーった!!ちっと外で試してくんな」ダダ


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女戦士「この遺跡はどういう場所だ?」

商人「なにかの研究所さ…石板の図からして軍事研究所…かな?」

情報屋「恐らく剣士と未来君がここを拠点にして居たのよ…世界地図が記されて居るのは目的地を探す為ね」

商人「ここでもホムンクルスが作れるよね?なんでだろう?」

情報屋「その当時はホムンクルスがお手伝いさん役なのよ…だから色々な場所で作られた」

商人「なるほど…いつの時代か分かる?」

情報屋「この遺跡自体は大体6000年前…でも剣士と未来君がここに居たのは大体4000年前ね」

商人「あれ?なんか今までの法則から外れて居ないかい?」

情報屋「そうね…でも理由は分かってる…」

商人「??」

情報屋「剣士も未来君もそれぞれの時代で生きて何十年も過ごしているの…だから過去に戻るのは700年ピッタリじゃない」

商人「あぁそういう事か…」

情報屋「今まで私が言ってたのは大体700年づつ飛んでいるという話…実際には数年から十数年づつズレてる」

商人「なら随分歳を取ってるのか…」

情報屋「結論を言うと未来君はこの場所で老衰によって眠りについた…」

女戦士「老衰…」

情報屋「そう…生き抜いた最後に月を見上げた場所はハテノ村だった…壁画からそう読み取れる」


でもエルフの血が濃い剣士はまだ若かった…

だからその先も過去に戻ってオークの地に予言を残せた


女戦士「未来の骸は何処に?」

情報屋「壁画を見て?」ユビサシ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:32:53.51 ID:KpvTj3yS0
商人「オークに連れられて…これは何処だ?何の建物だ?」

情報屋「それは超古代メソポタミア文明の有った地…今で言う暁の墓所」

商人「君の予測は正しかったんだね…」

情報屋「この壁画を見れば女海賊も暁の墓所へ行く決心がつくかもしれない…残念だけど未来君はそこに居る」

商人「ちょっと待って…未来君が眠りについたならこの壁画を残せる訳が無い」

情報屋「それは剣士が掘った物よ…未来君が残した壁画はこっち」

商人「そっちか!!あぁ確かに全然出来が違う…」

情報屋「剣士は未来君の行く先を私達に伝える為に書き残したのね」

女戦士「未来の壁画…未来が箱舟に乗って居るでは無いか…」

情報屋「フフそうね…もしかしたら月に行ったのかも知れない」

商人「いや待って!薬と虫を奪って逃げてる画だ」

情報屋「え?虫はいつも未来君が持って…あら?虫の形が変わってる…」

商人「これ僕なりの考察がある…ちょっと待ってまとめるよ」


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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:33:42.15 ID:KpvTj3yS0
『壁画』


…クジラが箱舟を引っ張って海へ行った

そうだ箱舟はもう飛べなかったんだ

何故なら既に光る隕石で破壊されていたから…

崩れそうな箱舟の中から取り出したのは薬と虫

天秤に掛かってるのは未来君と…その薬と虫…

つまりオークと取引をしたんだ

剣士は薬と虫を何処かに隠した…それがこのハテノ村だ

取り引きの条件は何だ?


ダダダダ


盗賊「いよーう!!これ最高のデリンジャーだな?」

ローグ「盗賊さんだけズルいっす…」ダダ

商人「あ…盗賊!良い所に戻ったね…この謎の容器を開けて欲しい」

盗賊「おう…どうしたのよ?みんな神妙な面してよ?」

商人「ハハ今謎が解けそうなのさ…この容器を開けてよ…多分中に薬と虫が入ってる筈なんだ」

盗賊「アホか!!それじゃ開ける楽しみが無くなるだろ!!ヨコセ」グイ

商人「あぁゴメンゴメン」

盗賊「ほー…こりゃ中身真空だな?どうにかして空気入れりゃ開くぞ?」カチャカチャ


シュポン!!


盗賊「なんだ簡単に開くじゃ無ぇか…ゆっくり出すぞ?」ソローリ

商人「ビンゴだね…液体の詰まった容器と…これなんだ?ダンゴムシかな?」

女戦士「見せてみろ」ズイ

盗賊「指輪とアダマンタイト…どういう事よ?」

情報屋「見せて?…これは祈りの指輪」

女戦士「未来の持ち物で間違いなさそうだ…」ガク

情報屋「女海賊には見せにくいけれど…やっぱり間違いない」

女戦士「容器に仕舞っておいてくれないか…私達が先に開けたのは心象悪い」

商人「あぁそうだね…女海賊の帰りを待とうか」

ローグ「な〜んか皆さん雰囲気悪いでやんす…」

女戦士「うるさい!お前は遺跡の掃除をやれ」

ローグ「ええええ?あっしだけ掃除するんすか?」

盗賊「おい!言う事聞いておけ…ありゃ相当機嫌の悪い顔だ」

ローグ「盗賊さんは一緒に掃除手伝ってくれやすよね?」


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48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:35:15.58 ID:KpvTj3yS0
『夜』


メラメラ パチ


商人「情報屋に僕の考えを行っておくよ…」

情報屋「まとまったの?」

商人「まぁね…まずは箱舟が有ると言われてるヒュー・ストン…この場所は既に存在しない」

情報屋「光る隕石ね?」

商人「この壁画には掛かれて居ないけど恐らく4000年よりもっと前に無くなってると思う」

情報屋「壊れかけの箱舟がそういう意味を持つという解釈ね」

商人「そう…そしてその箱舟はクジラによって此処に運ばれた…ハウ・アイ島」

情報屋「では公爵の行動が正解だった訳ね」

商人「うん…でも大事な物は僕達が持ってるこの謎の薬とダンゴムシの死骸」

情報屋「それは何だと思って居るの?」

商人「さぁ?ただオークシャーマン…いやアヌンナキにとっては大事な物…それを剣士と未来君が奪って逃げたのさ」

情報屋「フフ面白い…私と違う説を聞くのはワクワクするわ」

商人「よーしもっと言うぞ?」


魔王の話からしようか…

魔王は実体を持たない怨念の塊…この世界で影響力を得るためには器が必要だった…

アヌンナキも同じ様に素粒子と言われる実体の無い集合意識

この世界に影響力を持つ為にはやはり器が必要で…それが魔力の最も高い処女のオーク

それがオークシャーマンだった

僕が思うにそのダンゴムシこそアヌンナキの本当の器なんじゃないかと思って居る


情報屋「それを奪われたと?」

商人「そうだよ…そしてその液体はアヌンナキが集めていた遺伝子の集合体じゃ無いかな?…言い換えれば命の水」

情報屋「それは私と意見が一致するわ」

商人「剣士と未来君はそれを使ってアヌンナキと取り引きしたんだと思う…正確には剣士かな」

情報屋「と言うと?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:36:00.45 ID:KpvTj3yS0
商人「未来君を現代に蘇らせればソレを帰すと言う約束…それがオークと交わした契約じゃないか?」

情報屋「え!!?ビックリ発想…確かにそれなら動機が十分…」

商人「その約束を現代で果たす前に何千年前だったかな?…多分オークシャーマンに会ってるんだ」

情報屋「なるほどその時には剣士も未来君も何の事か分からない…だから喧嘩別れの形に…」

商人「それともう一つ…未来君は最後に月を見上げたそうだね?」

情報屋「女海賊の話ではそうね…」

商人「まだある…未来君が言っていた言葉だ…僕はダンゴムシになる!」

情報屋「え!!?…まさか…」

商人「そう…祈りの指輪を使って未来君はダンゴムシになった可能性が高い…つまりそのダンゴムシは未来君だ」

情報屋「じゃぁ暁の墓所に行ったのは…」

商人「魂の抜け殻かな…未来君の魂はそのダンゴムシで眠って居るんだよ」

情報屋「話が飛びすぎよ…」トーイメ

商人「まぁ僕の勝手な考察だけどね…」

情報屋「でも無酸素の極限状態でも生命活動を再開する虫は沢山居る…」

商人「お!?だとすると生きてるかも知れない…記憶を保持してるかどうかは別だけど」


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50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:37:12.22 ID:KpvTj3yS0
『遺跡の外』


ヒソヒソ ヒソヒソ


女戦士「…」---未来がダンゴムシに…---

ローグ「頭ぁ…寒いんで石炭で暖を取りやしょう」ゴソゴソ

女戦士「静かにしろ…商人と情報屋の話声が聞こえなくなる…」

ローグ「へい…寒さは傷に良くないもんすから温まって下せぇ」メラメラ

女戦士「お前も話を聞いているか?」

ローグ「あっしは元諜報員ですぜ?丸聞こえでやんす」

女戦士「まだ女海賊には話を伏せておけ」

ローグ「分かっていやす」

女戦士「それとあのダンゴムシから目を離すな…私は未来が何処に居るのか分かって来た気がする」

ローグ「ええ!!?」



-------------



『エド・モント砦_チカテツ街道のような所』


タタタタタン! カンカン キン


女海賊「くそう!!やっぱ広い場所は集中砲火食らうな」

レンジャー「もう重装射撃砲は弾切れだ…ここは引くべき」

女海賊「何言ってんのさ!!向こうの重装射撃砲の横に弾あるじゃん!」

アサシン「あの弾をこちらのトロッコに積めば良いのだな?」

女海賊「ゾンビ操って全部回収して…リカ姉ぇ!!2人で時間稼ぎするよ」

狼女「例の奴で?」

女海賊「今使わないでいつ使うの!!」

狼女「分かった…落下にだけ注意して」

レンジャー「何をするつもりだ?」

女海賊「強化クロスボウで援護して!!行く!!」パシュ シュルシュル

狼女「私も!!」パシュ シュルシュル

魔女「無茶苦茶じゃのぅ…引き返す準備をしておくのじゃ…ボルトが切れてしもうたら終いじゃ」

レンジャー「なんだあの2人の動きは…」

魔女「見とれておる場合では無い!!雷魔法!」ビビビ


ドーン ドーン ドカーーーン!!


レンジャー「飛びながら爆弾を併用している…ようし!注意があちらに行くなら…」タン! バヒュン!

魔女「ええい影からレイスも湧いて来よるぞ」

アサシン「分かっている…レイスは任せろ」ダダ ブン

レイス「ンギャアアアアアア…」シュゥゥゥ

レンジャー「残りのボルト残弾に注意しながら前方の2人を援護だ…しかしあの2人…早すぎる」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:37:52.58 ID:KpvTj3yS0
『空中』


パシュン シュルシュル ヒュン! ヒュン!


女海賊「遅いんだよ!!」バシュン バシュン


ドーン! ドーン!


女海賊「なるほど上への射撃は出来ないんだな?あのちっちゃい機械は…」バシュン バシュン

狼女「3つ首の犬が居る!!アレに集中して!!」ピョン クルクル シュタ

女海賊「おっけ!!インドラの光食らえ」チャキリ シュン! チュドーーーン

狼女「こっちも!!」ピカーーーー チュドーーーン


タタタタン! タタタタタン!


狼女「くぅぅぅ…」パシュ シュルシュル

女海賊「リカ姉ぇ!!」バシュン ドーン

狼女「足撃たれた…」

女海賊「線虫!!癒せ!!」ニョロ

狼女「ワイヤー伝って少し下がる…」パシュ シュルシュル ピョン

女海賊「あんにゃろう…」チャキリ バシュン バシュン バシュン バシュン


ドーン! ドーン! ドーン! ドーン!
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:38:57.23 ID:KpvTj3yS0
『重装トロッコ』


タン! バヒュン!


レンジャー「あの攻撃を一人でやっているのか…」タジ

魔女「リカオンが撃たれた様じゃな…」

アサシン「援護射撃を緩めるな!」

レンジャー「…」タン! バヒュン!


ピョン クルクル シュタ


魔女「撃たれた箇所に弾は残って居りそうか?」

狼女「太ももに違和感…ハァハァ」ポタポタ

魔女「ちぃと痛むぞよ?」ゴソゴソ

狼女「はぅぅぅ…」グググ

魔女「回復魔法!」ボワー

狼女「ハァハァ…取れた?」

魔女「うむ…」ポイ カラン

狼女「じゃぁもう一回…」スック

アサシン「いや撤収だ…ボルトが底を付く…重装射撃砲の砲弾を積み次第移動を始める」

狼女「女海賊が残ってる!!」

アサシン「奴はハイディングを使える…直ぐに追いつける」

レンジャー「よし!砲弾を積み終わった…微速後退する!!」

アサシン「行け…」


ゴトン ゴロゴロ


狼女「あとどの位ボルト残って?」

レンジャー「全部で30発程…あとは特殊弾だけだ」

狼女「プラズマ銃とインドラ銃が頼みの綱になりそうね…」

アサシン「戻るにはそれがあれば十分…今回は相当打撃を与えた筈だ」

レンジャー「アサシン!戻りは登り勾配だ…オークゾンビをトロッコ移動に回してくれ」

アサシン「分かった…オークゾンビ!後ろに移動してトロッコを動かせ」

オークゾンビ「ウゴゴゴ…」ドスドス


ドーン ドーン チュドーーーーーン
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:39:34.20 ID:KpvTj3yS0
『帰路』


ガタンゴトン ゴーーー


女海賊「おっそいな…私が通り越してたよ」シュルシュル スタ

魔女「やはり先に回っておったか…怪我は無いか?」

女海賊「かすり傷だけだね…やっぱ妖精居ると違うわ」

妖精「やあ!!」ヒョコ

魔女「それは幸運じゃったのぅ…」

女海賊「てかね…後方注意!まだ追って来てるかも」ダダ

狼女「そうね…大きな犬の匂い」

女海賊「しぶといなアイツ…」チャキリ

魔女「ケルベロスかいな?」

女海賊「2匹居るんだ…魔女!照明魔法を線路に置いて行って」

魔女「ふむ…照明魔法!」ピカー

女海賊「等間隔でどんどん置いて行って」

魔女「2匹という事はオルトロスも居るのじゃな…」

女海賊「なんであんなしぶといの?」

魔女「不死じゃ…どこに心臓があるか分からぬが銀を撃ち込まねば倒せぬ」

女海賊「なんだそういう事か…退魔の特殊弾持ってるわ」ゴソゴソ ガチャコン

狼女「追い付いて来る…今500メートルくらい」

女海賊「おけおけ…300メートルに入ったら撃ちまくる」チャキリ

アサシン「速度は現状維持で良いな?」

女海賊「うん丁度良い…よしよし見えてるぞ…もっと来い」

アサシン「リカオンは行く先の警戒を頼む」

狼女「分かった…」シュタタ

女海賊「魔女!照明魔法どんどん置いて行って」

魔女「分かって居る…照明魔法!」ピカー

女海賊「食らえ!ワンころ!」タン!タン!タン!タン!

レンジャー「地味な攻撃に見える…」

女海賊「いやいや全部当たってるから…」タン!タン!タン!タン!

レンジャー「その武器も有効射程が長いのか?」

女海賊「これは300メートルくらいの狙撃用さ…特殊弾使ってるんだ」タン!タン!タン!タン!

女海賊「よっし!!一匹急に灰になったぞ!!」

魔女「駆逐してもまた黄泉から這い出て来るやも知れんのぅ…」

女海賊「もう倒し方分かったからどうって事無いよ…あぁぁ引き返して行ったな」

アサシン「速度を上げるぞ…一旦前哨基地まで戻る」


カタタン カタタン ゴーーーーーー


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54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:40:08.02 ID:KpvTj3yS0
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女海賊「…これでどんくらい弾が必要なのか大体わかったね」

狼女「キラーマシンを殆ど見なくなったからエド・モント砦にはあまり残って居なさそう」

女海賊「ちっこい機械がまだ居るっぽいからボルトはやっぱ多めが良い」

レンジャー「重装射撃の砲弾は20発程度しか無いが?」

女海賊「ちっと足りないけど強化クロスボウ増やして代替するしか無いね」

レンジャー「そうだ今の内に作り増そう…」

女海賊「回収した戦利品で何個作れそう?」

レンジャー「使えそうな発射部は4つしか無い…残りは爆発で傷んでしまった」

女海賊「そっかぁ…私の飛空艇にも欲しかったんだよなぁ…」

レンジャー「いくつあれば良いんだ?」

女海賊「2つかな?」

レンジャー「このトロッコには合わせて10台あれば良い…2つ持って行って上空から援護出来た方が良いだろう」

女海賊「やったね!!」

魔女「確かに…敵の射程外から一方的に撃てるのは効果が高いのぅ」

女海賊「ソレだよ!快進撃出来たのはこの強化クロスボウのお陰なのさ…汎用性の高い武器が一番効果高いんだ」

レンジャー「魔石のエネルギー切れだけ注意が必要だ」

女海賊「そだね…本当は板バネで同じ飛距離出れば一番良いんだけどね…」

アサシン「魔石は当分心配しなくて良さそうだが?」

魔女「またトロッコ1杯分の魔石を入手出来たのは良かったのぅ…」



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55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:42:00.65 ID:KpvTj3yS0
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女海賊「ぎゃははは…ちょちょ…おっぱい吸うなバカ」バタバタ

妖精「ちゅっぱちゅっぱ」チューチュー

レンジャー「…」シラー

女海賊「あんたそのおっぱいは専用なんだよ…くすぐったいなぁ」

妖精「良いじゃないか!誰の専用なのさ」モソモソ

女海賊「私の子供専用なんだって…ヤメて!!羽ムシルぞ!!」

妖精「子供って誰?」ヒラヒラ

女海賊「未来っていう名前なんだ」

妖精「んん?」ピタ

女海賊「お!?もしかして知ってる?会ったことある?」

妖精「んんん…覚えて無いなぁ」

女海賊「あんたの記憶はアテになんないねぇ…」

妖精「名前に聞き覚えあるけど…誰だっけなぁ…呼ばれた事あったかもしれないなぁ…」ヒラヒラ

女海賊「なんか話し方がそっくりなんだよね…虫ってみんなそんな感じ?」

妖精「そうだよ…ちょっと待って虫じゃ無くて妖精だよ…失礼だな」

女海賊「同じじゃん…私のウンコ食ってたじゃん」

妖精「それは虫だと思うな」

女海賊「だからソコに居たじゃん!!あの妖精はあんたじゃ無いの?」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:42:28.85 ID:KpvTj3yS0
妖精「覚えて無いんだよ…妖精って言っても沢山居るからさぁ」

女海賊「みんな同じ顔してんじゃん!!」

妖精「全然違うよ…君達人間も皆同じ顔してるけどねアハハハ」

魔女「不思議じゃのぅ…妖精はいつ見ても同じじゃな…」

女海賊「でしょ?ほんじゃさ…あんたエルフのおっぱいに挟まったのは覚えてる?」

妖精「エルフのおっぱいは知ってるよ…君より寝心地が良いんだ」

女海賊「ほら!?だからあんた記憶無いのは嘘だね!!」

妖精「知ってるだけさ…誰のおっぱいなのか覚えて無いんだ」

女海賊「なんでおっぱいだけ覚えてんのよ?」

妖精「僕は記憶が無くなっていくのが普通なんだ…そのうち君の事も忘れちゃうよ」

女海賊「ほーん…まぁ良いや…ほんで妖精の役割って何だっけ?」

妖精「命を運ぶ?…えーとそれから魂も運ぶ?…ほんでおっぱいで寝る?」

女海賊「またおっぱいかよ…命とか魂を何処に運ぶん?」

妖精「命の種は月に向かって運ぶ…魂は黄泉に運ぶ」

女海賊「ちょい待ち…命の種を月に運ぶってどゆこと?それ精霊樹の言葉なんだけど…」

妖精「命を月に運ぶのが僕の役目で虫達も同じ事をしてるんだよ」

女海賊「なるほど…虫が月に向かって飛ぶのはそのせいか…月に何があるん?」

妖精「覚えて無い…でも大事な約束なんだ」

女海賊「誰と?」

妖精「神様だよ…僕の神様」

女海賊「それってアヌンナキの事?」

妖精「分かんない…覚えて無い」

女海賊「私もさぁ月に行く約束してるのさ…」

妖精「へぇ?同じかぁ…じゃぁ連れて行ってよ」

女海賊「おっし!!もっかい月見に行くか!!」

妖精「良いねぇ!!あぁぁ…でも命の種が無い…」

女海賊「じゃーーーん!!」スッ

妖精「おーーどんぐり!!それも命の種だ…」

女海賊「これもって行けば良いんじゃね?」

妖精「そうだね!」ヒラヒラ パタパタ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:43:30.25 ID:KpvTj3yS0
『先頭車両』


カタタン カタタン ゴーーーーー


魔女「アサシンや…妖精の声は聞こえて居るじゃろう…」

アサシン「フフ何を今更…」

魔女「もしやと思うたのじゃが…」

アサシン「魔女も同じ事を思ったか…」

魔女「良く考えてみたら妖精はずっと剣士や女海賊の傍に居った気がする」

アサシン「私を始めに導いたのは妖精だったがな…妖精を追って砂漠で遺跡を見つけた」

魔女「わらわも小さき頃に妖精に導かれてのぅ…」

アサシン「おっぱいを好むのは母性を求めての事だろうか…」

魔女「うむ…わらわの胸には興味を示さぬ」

アサシン「記憶が無いのはこの次元の者では無いからと見るか?」

魔女「妖精がどの次元の者かは定かでは無い…じゃが似すぎじゃと思わぬか?」

アサシン「…」

魔女「命の種子を月に運ぶ…それは約束故の事…それを時を超えた今でも未だに目指しよる…」

アサシン「私は妖精がどのような存在なのかよく分からない…」

魔女「命を運ぶ役じゃ…それに尽きる」

アサシン「未来へ向かっての事か?」

魔女「それしか考えられぬじゃろう…」

アサシン「その後妖精は何処へ?」

魔女「分からぬ…永遠やも知れんのぅ」ヒソ


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58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:44:06.40 ID:KpvTj3yS0
『簡易前哨基地』


ドヤドヤ ゾロゾロ


魔女「しばしの休息じゃ…女海賊!兵隊に線虫を掛けて回るのじゃ」

女海賊「おけおけ!線虫来い!癒せ」ニョロリ

レンジャー「急ぎで地上に出ている部隊と人員の入れ替えをしたいのだが…」

魔女「ふむ…連絡しておこう」

女海賊「ちっとドワーフの爺にボルト量産お願いしてくるわ」

魔女「そうじゃな…主も一度地上に上がるのじゃ…古代遺跡の入り口を見つけた様じゃで」

女海賊「えええええ!!?それ早く言ってよ!!」

魔女「さっき貝殻で通話したばかりじゃ…忙しゅうて伝え損じた」

女海賊「よっし!ダッシュで戻る!!レンジャーのおっさん!!強化クロスボウ2つ持ってくよ」

レンジャー「分かった…それからおっさんは無いだろう」

女海賊「はいはい爺さんで良い?」

レンジャー「…」

女海賊「おし!妖精来い!!月見に行くぞ!!」スタコラ ピューーー


ヒラヒラ パタパタ


魔女「落ち着かん女じゃのぅ…」ボソ

レンジャー「白狼の一党はいつもこの様な感じなのか?」

アサシン「毎度の事だ…飲むか?」スッ

レンジャー「ワインか…飲みたい所だが他に示しが付かん」

魔女「酒はローグが運んで来た様じゃぞ?戦勝祝いで飲めばよかろう」

レンジャー「フハハハそうだな…おいお前達!!酒があるらしい…今日は飲んでも構わん」

兵隊達「おぉぉ!!」

アサシン「線路の守備はゾンビに任せても良さそうだ…まぁ飲め」スッ

レンジャー「どれくらいぶりの酒か…」グビ

アサシン「一人も死者を出さずに帰って来れたのはもしかすると妖精のお陰かもしれんな」

魔女「そうじゃのぅ…」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:44:37.73 ID:KpvTj3yS0
レンジャー「俺にも妖精が見えるんだ…どういう意味がある?」

魔女「導かれておる…未来へとな」

レンジャー「未来…希望か…これが勇者の力なのだな?」

アサシン「クックック…道は険しいがな」

レンジャー「公爵も妖精を追っていたらしい」

アサシン「知って居る…私と語り合った物だ…勇者と魔王の事をな」

魔女「どちらも間違って居る様じゃが…」

アサシン「言うな魔女…かつて友だった頃にもっと分かり合えていれば話は違っていただろうに…」

魔女「それが人間じゃろう…すれ違いながら生きて居る」

アサシン「公爵は今何に姿を変えて居るのだ?」

レンジャー「もっぱら中年の女だ…それが一番生命力に長けているらしい」

アサシン「生命力?」

レンジャー「もう年なのだ…寿命には勝てん」

魔女「アサシン…主は不死者じゃで時の流れを感じられんのじゃ…盗賊にしろ情報屋にしろ老いておる…」

アサシン「確かに…魔女は狭間に居る期間が長いせいか衰えを感じんがな…」

魔女「そろそろ子を産まぬ事には産めぬ様になってしまうのぅ…」

レンジャー「では俺が…」

魔女「何を言うて居る!」ポカ

レンジャー「シン・リーンの掟では子を産む相手は王が決める事に…」

魔女「母上に従うまでじゃ…父上が居らぬ今主では相手不足」

アサシン「クックック何の話をするかと思えば…もう少し酔ってから口説いてみろ」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:45:06.18 ID:KpvTj3yS0
『古代遺跡_入り口』


メラメラ パチ


ローグ「あ!!姉さん…」

女海賊「あんた何やってんのさ?」

ローグ「あっしは掃除でやんす…遺跡の中のゴミを運び出してるんす」

女海賊「みんな遺跡の中に居んの?」

ローグ「頭は温泉に行って居やす…盗賊さんは気球で兵隊の降下訓練」

女海賊「あっそ!!まぁ良いや…あーそうそう!!私の飛空艇に壁画記した書物あんだけど取ってきてくんない?」

ローグ「それならもう遺跡の中にあるっすね…気を利かせて盗賊さんが持って来てくれやした」

女海賊「おっけ!!もうみんな調査し終わった感じ?」

ローグ「中に商人さんと情報屋さんがいやすぜ?」

女海賊「調査やってんだね…私も行くわ」スタコラ ピュー


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『古代遺跡_下層』


タッタッタ…

この絵は当時の世界か…確かに現在とは比べ物にならないな…

6000年前の文明よ…生き物も今よりずっと沢山の種類が生きていた

スゴイな見た事無い生き物ばかりじゃないか


商人「ん?あ…女海賊!!」

女海賊「壁画ある?ハァハァ…」

情報屋「奥よ…あなたが来ると思って何も動かしてないわ」

女海賊「うん…ありがとう」

情報屋「これあなたの書物…」

女海賊「ちっと私壁画写すからしばらく放って置いて」

情報屋「分かってるわ…私達はココで当時の文明を調べてるから気の済むまで壁画を見てて良いわ」

女海賊「うん…」スタスタ

情報屋「じゃぁ商人…続けましょう」


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61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:45:35.10 ID:KpvTj3yS0
『古代遺跡_入り口』


メラメラ パチ


ローグ「頭ぁ!!待っていやしたぜ?」

女戦士「ふぅぅ…焚火なぞ要らんのに」

ローグ「いやいや夜になると冷えるんで…姉さんが戻って来たでやんす」

女戦士「ほう?では早速壁画に行ったな?」

ローグ「へい…」

女戦士「しばらくそっとしておいた方が良いな…」

ローグ「そーっすね…なもんで六分儀と望遠鏡を用意して置きやした」

女戦士「まだ日が落ちるまで間がある…どうしたものか」

ローグ「肉でも焼きやしょうか?」

女戦士「そうだな…少し体力をつけて置こうか」


ヨタヨタ


盗賊「いよーう!!兵隊の降下訓練は終わったぜ?」

女戦士「そうか…予定通り地下へ行ったか?」

盗賊「あぁ今さっきゾロゾロ居りて行った所だ…大分他の傭兵とコミュニケーション取れてた所だったんだがな」

女戦士「エド・モント攻めで心労が溜まっているのだ仕方無い」

盗賊「今度のはどんな奴らなんだろうな?」

女戦士「精鋭に変わりは無いぞ?」

盗賊「降下訓練はやらんで良いんかな?」

女戦士「それは聞いて居ない…トロッコ部隊の予定だからやらなくても良い訓練を強要する必要も無いな」

盗賊「じゃぁまぁしばらく休むだな」

女戦士「栄養の方が心配だ…地下に籠って居ては食料に偏りがある」

盗賊「肉だ!肉を食わせてやらん事には力が出ん」

ローグ「思い出しやした…晴れて来て動物がチラチラうろついていやすね」

盗賊「マジか!!」

ローグ「多分クマっす」

盗賊「おーし!!この俺のデリンジャーで狩ってやる」スチャ

ローグ「良いっすねぇ…あっしも欲しいでやんす」

盗賊「一丁今から狩りに行くか?」

ローグ「もうすぐ暗くなるんすが…」

盗賊「クマは夜行性だ…今から活動するんだ…行くぞ!!」

女戦士「フフ…私は星の観測をやっているからクマ肉の山賊焼きを楽しみにしている」


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62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:46:08.15 ID:KpvTj3yS0
『夜』


キリキリキリ カチッ


女戦士「ふむ…一日の長さに変化は無い様だ…月だけおかしいか…」


ヒラヒラ パタパタ


妖精「やあ!!何してるの?」

女戦士「む?どうした?主人に構って貰えないのか?」

妖精「泣いてるからさぁ…声掛けにくいんだよ」

女戦士「フフしばらく泣いたら落ち着く」

妖精「ねぇ君は僕に願い事無いの?」

女戦士「何でも叶うのか?」

妖精「大体叶うよ…ゆっくりだけどね」

女戦士「そうだな…世界の平和か」

妖精「んんん…僕は何が平和なのか分からないなぁ…誰も食べられない事?何も起きない事が平和?…それは無だよね」

女戦士「フフ難しい事を言うのだな…確かに私達は動物を食らっているな」

妖精「個人的に心の平和が欲しいなら僕に出来るよ」ヒラヒラ

女戦士「そうやって夢に誘うのか?…今寝るのは困る」

妖精「じゃぁ他に個人的な願いは?誰かに会いたいとかさぁ…」

女戦士「私の心を探ろうというのか?」ジロ

妖精「そんなつもりは無いよ…何もしないとヒマなんだ」パタパタ クルクル

女戦士「望遠鏡を覗いてみるか?月が見えるぞ?」

妖精「え!!?どうやって見るの?」

女戦士「ここの穴を覗けば良い」

妖精「うわぁぁ…良く見える…すぐ其処だったんだ」ヒョイ ヒョイ

女戦士「掴もうとしているのか?フフフ…可笑しな妖精だ」

妖精「思い出したぞ!!僕は月に行かなきゃ…月に命の種を持って行かないといけないんだ…」

女戦士「な…んだと?どうやって行く?」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:46:38.45 ID:KpvTj3yS0
妖精「羽があるじゃない…飛んで行くんだよ…でもね?狭間に阻まれて向こうに行けないんだ」

女戦士「…」

妖精「そうかぁ…望遠鏡でもっと大きくしたら行けるかも知れないなぁ…」

女戦士「…」---まさか---

妖精「ねぇもっと大きくならないかなぁ?」

女戦士「…」---記憶を失った未来か?---

妖精「ねぇ聞いてる?」

女戦士「おい!ビッグママとは誰なのか知って居るか?」

妖精「なにバカな事言ってるのさ…君の事だよ」

女戦士「なぜそれをお前が知って居る?」

妖精「覚えて無いよ…」

女戦士「お前は何処から来た?」

妖精「妖精は狭間に住んでるんだよ?笛で呼ばれたから来たんだ」

女戦士「妖精はお前一人か?」

妖精「君は馬鹿だなぁ…妖精は数え切れないくらい居るよ…あっちにもこっちにも」

女戦士「そうか…」トーイメ


---集合意識とはこういう事か---

---未来は神になって世界を守り続けている---


妖精「どうしたのさ?ねぇこっちの器具は何?君何してたの?」

女戦士「月に行く計画を立てて居たのだ…触ってみるか?」

妖精「ええええ!?どうやって月に行くの?」パタパタ

女戦士「お前は何故月を目指す?」

妖精「約束なんだ…僕の神様が待ってる」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:47:10.42 ID:KpvTj3yS0
『深夜』


タッタッタ


盗賊「いよーう…観測続けてんな?」

ローグ「頭ぁ…遅くなりやした」ハァハァ

盗賊「あれ?お前一人か?…話し声が聞こえたと思ったんだが」

女戦士「妖精と話して居たのだ…」

盗賊「なんだお前も妖精が見えるのか…俺にはさっぱり見えんのよ」キョロ

ローグ「光る虫が飛んで居やすね?」

女戦士「下手に殺すな?」

ローグ「わかって居やすよ…それよりクマ肉を持って来やした…ちっと山賊焼きにしやすね?」


メラメラ ジュゥ


ローグ「それにしても盗賊さんのデリンジャーはスゴイっすね…クマが一撃でやんす」

女戦士「ほう?使い勝手は良いのか?」

盗賊「飛んでくのがコインってのが俺らしいな…銭投げよヌハハ」

女戦士「飛距離とか命中精度とかの話だ」

盗賊「お前のデリンジャーとそう変わらん…20枚のコインが一気に飛んでく訳だ」

女戦士「なるほど…一発火力か」

盗賊「コインは意外と鋭い刃物な訳よ…それが一気に飛んでくりゃ生きてる動物なんか居らんワナ」

ローグ「頭ぁ…クマ肉の山賊焼き出来やした…食って精を付けて下せぇ」

女戦士「大きすぎる!私は少食だと知って居るだろう」

盗賊「要らん分は俺が貰うぜ?」

ローグ「すんません…小さく切り分けやすね」スパ スパ


ヒュルヒュル〜 ドーン!!


盗賊「んん!!?花火玉の音だ…ちぃぃ…今兵隊が居ない!!」スック

ローグ「またガーゴイル来てるんすね」

盗賊「ちっと応援行って来るわ…お前等は山賊焼き食ってろ」

ローグ「この骨付きを持っていってくだせぇ」ポイ

盗賊「おうサンキュー!!食いながら行くわ!!じゃあな!!」ノシ


タッタッタ


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65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:47:39.34 ID:KpvTj3yS0
『ハテノ村_広場』


ギャーーース ギャーーース バッサ バッサ


盗賊「どわぁ!!なんだこの数は…」ダダ

傭兵1「と…盗賊さん!!教会が危ない!!」

盗賊「なんでこんなに来るまで気が付かなかった!!?」

傭兵1「一気に襲って来たんだ…」オロオロ

盗賊「まぁ良い!!花火玉撃ちまくれ!!ほんでお前等は落ちたガーゴイル焼きまくれ!!」

傭兵2「はいでしゅ!!」

盗賊「ローグ達この笛で気付くか?…」


ピィィィィィィヒャララ〜〜


ガーゴイル「ギャァァァ!!」バッサ バッサ

盗賊「逃がすかタワケ!!」チャキリ


ダーン!! ジャラジャラ!!


傭兵3「す…凄い…」タジ

盗賊「落ちた奴を早く焼け!!」ダダ

傭兵3「火炎魔法!!」ゴゥ ボボボボボ

盗賊「花火玉も撃てぇ!!」

傭兵1「当たれぇぇぇ!!」パシュ


ヒュルヒュル〜 ドーン!!


盗賊「まだあるぜ!?」チャキリ カチ


ピカーーーーーー チュドーーーーーン!!


盗賊「くっそ!!もう銅貨が無ぇ…笛吹くしか無いか!!」


ピィィィィィィヒャララ〜〜


盗賊「俺は教会に行くからお前等なんとか凌げ!!」

傭兵1「はい!!」パシュン ヒュルルル〜 ドーン!!

傭兵2「火魔法!」ボボボ

傭兵3「火炎魔法!」ゴゥ ボボボボボ
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:48:09.07 ID:KpvTj3yS0
『教会』


エ〜ンエ〜ン シクシク


吟遊詩人「と…盗賊さん!!急にガーゴイルが…」

盗賊「お前がビビっててどうすんだ!!リュート鳴らせ!!そいつには退魔の効果がある!!」

吟遊詩人「え…あ…何の曲を…」

盗賊「なんでも良いから音慣らせバカ!!」

吟遊詩人「分かりました…」タッタッタ

盗賊「ったく丁度人が居ない時に…」


ドゥルルルン〜♪ ジャカジャ〜ン♪


ガーゴイル「ギャァァァ…」バッサ バッサ

盗賊「逃がすか!!」チャキリ カチ ビビビビ

ガーゴイル「グェェェェ…」ヒュー ドサ

盗賊「くっそ!!リロード失敗か…ぶった切るしか無ぇ!!」ダダダ スパ

吟遊詩人「僕はリュート鳴らして居れば良いんですね?」ジャカジャーン

盗賊「そうだ!!そうすりゃ教会には寄って来ん!!ここはお前に任せたぞ!!」

吟遊詩人「は…はい!」


ドゥルルルン〜♪

猛れども寄る辺なく〜♪

我が声も風に消ゆ〜♪
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:48:59.85 ID:KpvTj3yS0
『古代遺跡_入り口』


ドーン パーン! ピィィィイヒャララ〜


ローグ「あらららら?なんか様子おかしいっすね?」スック

女戦士「ガーゴイルが多いか…」スック

ローグ「ちっと応援に行った方が良さそうっす…」

女戦士「うむ…ハイディングして行くぞ!」

ローグ「へい!!」


ハイディング! スゥ


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68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:49:26.14 ID:KpvTj3yS0
『ハテノ村_広場』


ヒュルルルル〜 ドーン!!


盗賊「くっそ!!何匹居やがる…」カチ ピカーーー チュドーーーン!

傭兵1「上空の高い所にものすごい数が…」

盗賊「ありゃ届かんな…」

傭兵1「もう花火玉の残りが少ない…」

盗賊「鍛冶場に置いてる奴は全部使っちまえ!!」

傭兵1「お金を払わないと…」

盗賊「んなもん後で良いんだ…てか距離しっかり見て撃てよ?無駄撃ちすんな?」


リリース! スゥ


盗賊「おぉ!!2人共来たか!!」

女戦士「これは一体…」

盗賊「月がデカいだろ…狭間が深いんだ」

女戦士「マズいな…レイスが出る」

盗賊「ぐはぁ!!忘れてた…」

女戦士「退魔の砂銀を撒け!!こちらに運ばせた筈だ!!」

盗賊「おぉ!!鍛冶場に有るな…女海賊がまだ加工して無い奴が…」

ローグ「あっしも手伝いやす」

盗賊「まず民家だ!!教会は吟遊詩人が退魔のリュートを鳴らしてる」

ローグ「分かりやした」

女戦士「傭兵共!!鍛冶場に置いてあるミスリルの武器を持て!!レイスはミスリルじゃないと倒せない」

傭兵1「は…はい!!」ダダ

盗賊「ローグ!!お前にゃ遠距離武器無いだろう?コレを使え」ポイ

ローグ「プラズマの銃…良いんすか?」

盗賊「大型の気球に火炎放射器が乗ってんだ…俺はソレを使う」ダダ


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69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:50:00.57 ID:KpvTj3yS0
『明け方』


ボボボボボボ ボゥ


盗賊「燃やせ燃やせぇ!!」

女海賊「私は何もすることなく朝を迎えたな…」

盗賊「しょうが無い…単発のデリンジャーは撃つだけ弾の無駄だ」

ローグ「ガーゴイルの群れはどっか行きやしたね…」

盗賊「こりゃ月が去るまでしばらく続きそうだな?」

ローグ「今晩のファインプレーは吟遊詩人さんかも知れやせんね」

盗賊「うむ…一人で教会を守り切ったからな」

傭兵1「あれ?妖精が見えた気が…」

傭兵2「教会にも沢山妖精さんが来てるみたいでし」

傭兵3「妖精?バッカじゃ無いの?どこにも居ないし…」

盗賊「お前等はガーゴイル焼くのが先だ!!妖精なんか後にしろ!!」ボボボボ

傭兵1「そうだ…ガーゴイルの角を採取しないと…」

盗賊「おぉそら賛成だ…20体分はあるぞ」

傭兵3「それがあればまたポーションが作れる!」

ローグ「採取はあっしが専門でやんす…あっしが一番沢山集める自信ありやす」ダダ

傭兵1「あぁ!!マズイ先を越される!!」ダダ


女戦士「…あちこちに妖精か…」ボソ


妖精「ハロハロー!呼んだ?」ヒョコ

女戦士「胸に挟まって居たか…質問がある」

妖精「何かな?そろそろ眠たくなって来たんだ…ふぁ〜あ」

女戦士「向こうに居る妖精もお前か?」

妖精「何言ってるのか分からないなぁ…僕は僕だよ」

女戦士「じゃぁ質問を変える…向こうに居るのも僕か?」

妖精「う〜ん…僕であり僕じゃない…みんな妖精さ」

女戦士「そうか…理解した」

妖精「おっぱいのベッドで寝るね〜お休み〜」ヒラヒラ スポ

女戦士「集合意識か…」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:50:38.96 ID:KpvTj3yS0
『鍛冶場』


カーン カンカン ジュゥゥゥ


盗賊「槍の柄になる木材を切り出して来たぜ…」ドサドサ

女戦士「ご苦労…」カーン カンカン

盗賊「全部ミスリルのヘッドを付けた槍にすんのか?」

女戦士「これが一番材料を使わんで済む…出来た槍を配って来い」ジュゥゥ

盗賊「子供達に持たせるんか?」

女戦士「自衛出来ぬ者が生き残れると思うか?」ジロ

盗賊「まぁ…その通りだ」ガチャガチャ

女戦士「商人には退魔の方陣を描かせているだろうな?」

盗賊「あぁ…今日一杯掛かるらしい」

女戦士「日が落ちるまでには終わらせろ」


ヨッコラ ヨッコラ


ローグ「頭ぁぁ…くっそ重たい土産が地下から運ばれてきやしたぜ?」ドスン

女戦士「んん?」

ローグ「交代の兵隊達が持って来たんす…鉄のインゴットっすか?」

女戦士「おぉ…超硬合金か」

ローグ「これ運んでたお陰で遅くなったみたいっすね」

女戦士「この村の事情は話したか?」

ローグ「へい…先に温泉で綺麗にした後順に警備に回るそうでやんす」

女戦士「昨夜のクマ肉も振舞って昼の内に休ませろ」

ローグ「本番は夜っすね…」


スタタタ ピューーー


女戦士「む…女海賊…」

女海賊「お姉ぇ…手伝うよ」

女戦士「平気なのか?」

女海賊「もう吹っ切れたさ…壁画も書き写したし私も鍛冶やる」

女戦士「そうか…平気なら良い…鉄を叩けば気も晴れる」

女海賊「ローグ!…それから盗賊にも…強化クロスボウ持って来たんだ…コレ使って」ポイ

ローグ「なんすかコレは?」

女海賊「レンジのクソ長いクロスボウさ…最大射程は800メートルくらいある」

ローグ「マジっすか…」

女海賊「今からボルト沢山作るから夜に備えて」



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71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:51:18.29 ID:KpvTj3yS0
カーン カンカン ジュゥゥゥ

焼いた鉄どんどん伸ばして行って…私切って行くから

均一じゃなくて良いよ修正出来る…

ちょいアンタら暇なら錬鉄持って来てよ…炉の横に積んで有るからさ

出来たボルト邪魔だからどっか運んどいて…気球の荷室で良いや


女戦士「…」ジロリ

女海賊「何?」スパ スパ

女戦士「無理をして居ないか?」カンカンカン

女海賊「吹っ切れてるって言ったじゃん」ゴシゴシ

女戦士「涙を溜め込むな?」

女海賊「もう泣かないって決めたんだよ」

女戦士「商人と情報屋とは話したのか?」

女海賊「全部聞いたさ…」

女戦士「なら良い…」

女海賊「正直薄々分かってたんだ…壁画に描かれてる未来の自画像に髭が生えてたからさ」

女戦士「年齢を重ねて居た事か…」

女海賊「最後まで生き抜いたって思ったら吹っ切れたんだ」

女戦士「暁の墓所に未来が安置されているそうだ…」

女海賊「うん…」

女戦士「行かなくて良いのか?」

女海賊「戸惑ってるよ…お爺ちゃんになった姿見たら心壊れちゃうかもってね…」

女戦士「そうだな…」

女海賊「壁画見て分かったんだ…未来の人生はどんな人よりも沢山の経験をして…沢山の人に会って…世界を守り続けて…」

女戦士「真の勇者だ…」

女海賊「そう…だから最後まで生き抜いた事が誇らしい」

女戦士「しかし月には行けなかった…」

女海賊「違う!!」クルリ
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:51:50.00 ID:KpvTj3yS0
女戦士「…」

女海賊「まだ行ける!!未来はダンゴムシになって月に行けるのを待ってる…だから私が連れて行く」

女戦士「そうか…そこまで理解しているか」

女海賊「お姉ぇ…記憶が無くなるのって…本当に悲しい事だね」

女戦士「うむ…」

女海賊「妖精にさ…壁画を記した書物見せたんだ…何の画なのか分からないってさ…」

女戦士「お前…妖精が未来の生まれ変わりだと気付いて…」

女海賊「アイツいっつも私のおっぱいを吸うんだ…おっぱいと…月に行かなきゃいけない事だけ覚えてる」プルプル

女戦士「…」

女海賊「月に連れて行かなきゃ…約束したんだよ」プルプル


カーン カンカン カーン カンカン


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73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:52:42.20 ID:KpvTj3yS0
『作業台』


ドサリ ガラガラ


女海賊「これ何?」

女戦士「超硬合金の板だ…これで防具を作ってくれ」

女海賊「ええ?こんなんで作ったら重いよ?」

女戦士「全身フルアーマーでは無い…急所に弾が当たらん様にする程度だ」

女海賊「プレートスケールって事かぁ…そうだな皮ベースで防弾に使うだけなら軽いか」

女戦士「出来るだけ沢山作るのだ」

女海賊「おけおけ!丁度クマの毛皮が余ってるんだ」

女戦士「盾は自分で作る…装備が揃えば銃を連射されても私一人で突撃も出来る」

女海賊「ちょ…エド・モント砦にソロで突っ込む気?」

女戦士「弾さえ弾けば私は打たれ強いと知って居るだろう?」

女海賊「ふ〜ん…まぁ良いや!お姉の装備をクマ風にするわ」

女戦士「弾を弾けば何でも構わん」

女海賊「なんか楽しみ増えたな…リカ姉ぇはネコ風にするか…私はクモだな…」


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『夕方_古代遺跡』


タッタッタ


商人「情報屋!ここは危ないから教会に戻るよ」

情報屋「危ない?」

商人「夜に狭間が深くなってレイスが出るかも知れないんだって…教会なら安全なんだ」

情報屋「そう…でもどうしてそんな事に…」

商人「月の影響じゃないかってさ…楕円軌道になって今までよりも地球に近い可能性があるらしい」

情報屋「それは大変な事ね…他の影響も出て来る…」

商人「もうすぐ日が落ちてしまうから君を迎えに来たんだ…」

情報屋「分かったわ…片づけるから少し待って」

商人「あぁ…資料を出しっぱなしだったか…手伝うよ」スタ

情報屋「月が楕円軌道してるって事をこの短い期間でどうやって測定したのかしら…」

商人「それは予測だよ…直径が大きく見えてる分近いのは当然だよね?」

情報屋「確かにそうね…」

商人「軌道は相当ズレてて毎日18度づつ変わってるらしい…今は南極の方角にあって昼も夜も月が見えっぱなしさ」

情報屋「緯度のズレは?」

商人「3度づつとか言ってたな…だから観測が難しいと思う」

情報屋「ホムンクルスの力を借りないと分から無さそうね」

商人「そうさ…さぁ…もう話してる暇は無い…行こう」


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74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:53:12.40 ID:KpvTj3yS0
『広場』


ガヤガヤ ザワザワ


商人「女戦士!情報屋を連れて来たよ」スタ

女戦士「2人は大型気球で待機していてくれ」

情報屋「教会は?」

女戦士「あちらは兵隊が守備だ…私達は大型気球からの撃ち下ろし」

情報屋「分かったわ…」

女戦士「一応この周辺は退魔の方陣の範囲内に収まって居るから安心ではある」

商人「僕達はもしもの時の狙撃主だね?」

女戦士「まぁそうだな…主に迎撃で動くのが盗賊とローグ…そして傭兵達だ」

情報屋「女海賊は何処に?」

女戦士「鍛冶場で装備品を作って貰って居てな」

情報屋「平気そう?」

女戦士「本人は吹っ切れたと言って居るが…」

情報屋「少し話をして行っても?」

女戦士「構わんが荒立てるな?」

情報屋「分かってる…良い話なのよ」

女戦士「ふむ…まだガーゴイルは居ないようだから行って来い」



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75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:53:41.61 ID:KpvTj3yS0
『鍛冶場』


ペチャクチャ

だからさぁ…そこの結び目を押さえててって言ってるじゃん!

もう何回言ったら分かるんだよ!このバカ妖精!!羽ムシルぞ!!


情報屋「ぁ…」

女海賊「んん?どしたん?」ゴシゴシ ギュゥ

妖精「助かったぁぁ…僕を奴隷扱いするんだぁ」パタパタ

女海賊「おいおい!何処行くのさ…ホレホレ?ハチミツ欲しく無いのか?」

妖精「わーい!!」ヒラヒラ ピュー

情報屋「フフ心配しなくても良かった様ね」

女海賊「まぁね?ほんで…どうしたん?」

情報屋「あなたに教えておかなければいけない事が有って…商人にも」

商人「ええ?僕も?」

情報屋「そう…ホムンクルスに関係する事だから」

女海賊「なになに?」

情報屋「結論…月のクレーターによる退魔の方陣は光る隕石を落とす事で完成させられる」

女海賊「ちょ…それマジ?」

情報屋「光る隕石が落ちた後には地層にガラス層が出来るでしょう?」

女海賊「もしかしてガラスって光属性?」

情報屋「恐らく…」

商人「恐らくってどういう事かな?」

情報屋「実はあのクレーターは4000年前に剣士か未来君がやった物なのよ…ここの遺跡にその図があったわ」

商人「なるほど…ホムンクルスにやらせたのか」

情報屋「同じ事が出来る可能性が高いのよ」

女海賊「ちょちょちょ…そしたらその光る隕石に乗って行けば月に行けるな…」

商人「ハハそれじゃ君が爆発するよ」

女海賊「いやいや爆発を直前に止めれば良いんじゃね?」

情報屋「そこら辺はホムンクルスに相談するとして…月に退魔を宿らせる術は有るという事」

女海賊「おっけ!!なんかやる気出て来たぞ!!」ムキムキ

商人「月に退魔が宿ればガーゴイルとかに悩まされる事は無くなるね」

女海賊「ホムちゃんはいつ頃誕生しそう?」

商人「う〜ん…分からないなぁ」

女海賊「此処落ち着いたら起こしに行こっか」

商人「そうだね…僕ももう一体分の材料を向こうに運びたいし…」

女海賊「ようし!!ちゃっちゃと黒い魔石を破壊しよう」

情報屋「良かった元気になってくれて…」

女海賊「おい!!妖精!!ハチミツ食ったら作業を再開するぞ!!」

妖精「ぷはぁぁぁ…ウンコしてくる」パタパタ
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/06/30(木) 20:54:10.40 ID:KpvTj3yS0
『夜の広場』


ダン! バヒュン!


盗賊「くぁぁぁこの反動はクセになるな」

女海賊「おい!!無駄撃ちすんなバカ!!」

盗賊「ちゃんとボルト回収してっから良いだろう!」ダン! バヒュン!

女海賊「だから無限に湧いて来るガーゴイル撃ち落しても意味無いんだよ…近寄って来ないなら放って置きゃ良いのさ」

盗賊「数減らしてるお陰で居りて来ないんじゃ無いか?」

女海賊「はぁぁぁ分かって無いなぁ…消耗戦なんだよ…あっちは私等が疲れるの待ってんの!」

盗賊「む…そりゃ一理あるか…確かにグレムリンも賢い奴居たな」

ローグ「ずっと上空回っていやすねぇ…」

女海賊「これ他の村とかどうなってんだろ?」

盗賊「うむ…」

ローグ「影武者さんの気球も一向に帰って来やせんね…」

盗賊「今んところレイス出てないから良いんだがあの気球はレイス対策やって無いから心配だな…」

女海賊「オークってどうやってレイス対策してんだろ?」

盗賊「オークシャーマンが居るんだろ…魔女みたいな奴が」

ローグ「オークが使う弓はかなり強力でやんすよ?」

盗賊「弓じゃレイス倒せんワナ」

女海賊「そういや100日の闇の時にオークってあんま死んで無かったなぁ…」

盗賊「数が少ないからそう見えてんじゃ無いか?」

女海賊「オークシャーマンねぇ…どんだけ居るんだろ」

ローグ「一つの村に一人居るって聞きやしたけどね?」

女海賊「ふ〜ん…」


---なるほどね…アヌンナキが乗り移る訳か---
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/07/01(金) 22:10:57.96 ID:Q7kpUHalo
続き書いてくれてありがとう面白いよ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:53:01.80 ID:zL1H8n800
『翌朝』


チュン チュン ピヨ


月は少しづつ遠ざかって居る様だ…おそらく月に1回か2回接近する楕円軌道に思う

つまりこれから数日間はガーゴイルの襲撃が減る筈…

これを期にエド・モント砦にある黒の魔石破壊作戦を行う

狭間を引き寄せていると思われる魔石を破壊する事で魔物の激減が期待できる

決行は3日後…それまで怪我などに気を付けて行動してくれ…解散!


女海賊「お姉ぇ!!私は飛空艇から降下する感じ?」

女戦士「そうだ…飛空艇にはお前とリカオン…情報屋に商人だ」

盗賊「じゃぁ俺は大型の気球で兵隊の輸送だな?」

女戦士「うむ…ローグも同行させて上空の敵を落とす役だ」

女海賊「お姉ぇは地下線路からトロッコで私等の退避経路確保するんだよね?」

女戦士「そうだ…黒の魔石を破壊した後にトロッコで撤収する」

盗賊「おい商人!!大型の気球にも退魔の方陣頼む」

商人「なんだもうやってあるよ‥」

盗賊「そうだったのか…あと女海賊!例の強化クロスボウは俺らが使うぜ?」

女海賊「おけおけ…それならガーゴイルをバンバン撃ち落せるね?」

盗賊「多分な?」

女海賊「私の飛空艇はどうすっかなぁ…操舵は情報屋で良いとして…インドラの銃は商人に預けた方が良いかもなぁ」

商人「僕が狙撃役?」

女海賊「えとね…2発撃ってすぐハイディングしたら狭間ん中でリロード時間稼げるのさ」

商人「なるほどね…君達から見たら延々とインドラの光が落ちてる訳ね」

女海賊「イケる?」

商人「大丈夫!」

女海賊「それなら私は新型の特殊クロスボウ一本で行ける」

女戦士「話は纏まった様だな?まだ3日の猶予があるからしっかり作戦を擦り合わせてくれ」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/07/03(日) 11:54:19.60 ID:zL1H8n800
『鍛冶場』


カーン カンカン ジュゥゥゥ


女海賊「お姉ぇ!!鎧できたよ!!装着してみて」ドサリ

女戦士「おぉ…早かったな」

女海賊「お姉ぇのだけちっと良い奴作ったんだ」

女戦士「ふむ…思っていたより軽そうだ」ゴソゴソ

女海賊「スケールアーマーだから打撃にはあんま防御効果無いから気を付けて」

女戦士「打たれ強いと言っただろう?」ゴソゴソ

女海賊「兜はドワーフ伝統の奴」

女戦士「お前の分はどうした?」

女海賊「チェーンメイルさ…もう中に着てる」

女戦士「なるほど…他の者にはそれを配るか」

女海賊「材料無駄にしないで沢山作るならコレしか出来なかったんだ…装飾出来なくて残念」

女戦士「まぁ弾丸を防げれば良い…降下する部隊には全員それを着させろ」

女海賊「トロッコ部隊の歩兵はどうすんの?お姉ぇだけ?」

女戦士「ゾンビだ…アサシンは作戦の要だな」

女海賊「なるほどーお姉ぇがタゲ集めてゾンビが進んで行く訳か」

女戦士「火力は後方に控える強化クロスボウ…魔女が回復とサポート役」

女海賊「ふむ…お姉ぇの装備ちっとデカかったね…」

女戦士「構わん…中にもう一枚着れる…このままでは寒いのでな」



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80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:54:44.19 ID:zL1H8n800
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カーン カンカン


吟遊詩人「あのぅ…」

女海賊「お?どしたん?何か演奏しに来た?」

吟遊詩人「実は僕も皆さんのお役に立てないかと…」

女戦士「んん?お前は戦いに向かんと聞いたが?」

女海賊「ちっと待ってお姉ぇ…こいつの演奏で妖精来るらしいんだ」

女戦士「ふむ…」

女海賊「私の飛空艇で演奏させれば退魔の効果もある…あとプラズマの銃でも持たせれば結構戦えるかも」

女戦士「教会も守らなければならんのだが…」

女海賊「退魔の方陣あるし教会は大丈夫じゃね?他にドワーフも数人居るしさ」

女戦士「まぁ…兵隊も少し残るしな…レイスがまだ出ないのが分かったから良いか…」

吟遊詩人「ありがとうございます…皆さんの戦いを見て置きたかったのです」

女海賊「飛空艇だから割と安全だよ…あんたの演奏でガーゴイル近づかなくなるからかなり良い」

吟遊詩人「頑張ります!」ペコ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:55:11.25 ID:zL1H8n800
『古代遺跡』


カチャカチャ カチカチ


商人「もうその石板を操るのは慣れたものだね…」

情報屋「コツが分かって来たから…」

商人「僕は全然読めないなぁ…分かるの?」

情報屋「大分分かるようになってきた」

商人「何か新しい情報ある?」

情報屋「超古代の文明の事ばかりよ…あまり参考にならないかも…」

商人「超古代ねぇ…」

情報屋「私が興味あるのが最も古いメソポタミア文明ね…現代の文明ととても似てるのよ」

商人「似てる?」

情報屋「神話とか伝説ね…大洪水が世界を飲み込む事とか…箱舟に乗って人類を救ったとか…」

商人「なるほどね…今起こってる天変地異がその時にも起こってた訳か」

情報屋「リリスもその当時から居たみたい」

商人「じゃぁどれだけ時が流れても解決しない問題なのかもね」

情報屋「私が思うのはアヌンナキがすべての鍵を握ってると思うの」

商人「神か…」

情報屋「例えば…この地球を他の星から運んで来た異生物の実験場にしたとか」

商人「そんな証拠は無いよね」

情報屋「例えばの話よ…そう考えると沢山の魔物がどうして生まれたのかとか色々説明がついてしまう」

商人「実験場か…そう言われると確かにそうかもしれないな…」

情報屋「フフ…それでその他の星の生物の遺伝子を集めた物があの謎の薬…」

商人「こういう想像の話って楽しいよね」

情報屋「そうね…そうやって想像してみると私達人間はそういう困難があったから発展出来たとも考えられる」

商人「どうして?」

情報屋「私達の歴史では戦争の後に必ず発展があるのよ…成長と言えば良いのかな?」

商人「勝つために工夫するのか…何が勝ちなのかも考える…逃げた者勝ちという事もあるね」

情報屋「想像ばかり膨らんでしまうわね」

商人「考古学はそもそも想像の塊だよね」

情報屋「そうそう…一つ事実と思われる事を発見したわ」

商人「何?」

情報屋「人類は約4000年前の地軸の移動の前に宇宙へ脱出して居る人が居るみたいなの」

商人「ええ!!?」

情報屋「何処に行ったのかは調べても分からなかった…もしかしたら他の星へ移住したのかも知れない」

商人「そう言えばホムンクルスは宇宙にインドラ兵器が有ると言ってたな…つまり宇宙には行けたんだ」

情報屋「そう…何処に行ったのかしら…」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:55:38.00 ID:zL1H8n800
『超古代文明の事』


メソポタミア文明が恐らく人間の発祥…

その時代に宇宙から降り立った異星人がアヌンナキ達…彼らは集合意識だった…

集合意識の受け皿として使われた媒体は…その時はオークでは無くレプティリアンと呼ばれる爬虫類

その中から2人の指導者として地球を支配したのがエンキとエンリル

彼等の目的は地球に存在する黄金の採取と生物の遺伝子を持ち帰る事

その手駒として人間を奴隷として使っていた…


エンキとエンリルは人間の扱い方で対立していた

エンキは人間を寵愛し…知性を与え…繁殖する能力を与えた

一方エンリルは人間を動物の様に扱い強制労働を強いた

この2人の神は後の世まで対立を続け争う事となった…これが神々の争い


その戦いに終止符を打ったのが賢く成長した人間達…

当時神として君臨していたエンキとエンリルの両方を葬り黄泉の世界へ追放し人間の時代が到来した…

黄泉に落ちた2人の神は人間が生む憎悪をエネルギーとして魔王となる…これが魔王の発生

黄泉の世界から人間が住む世界へ影響力を得るためにはそれを受け止める器が必要だった…

こうして人間と魔王の戦いは始まって行く…



商人「ふむ…精霊の話が出てこないねぇ…勇者の事も」

情報屋「伝説はまだまだ先が有るの…ここから人間が神を生んで行くのよ」



人間が生んだ神というのが…高度に発展した機械のネットワークの中にある集合意識…

その当時クラウドと呼ばれ…あらゆる知識が保存され一つの意識を構成した…その名をアダム

アダムは狭間を通じて魔王やアヌンナキの声を聞くことが無い完全に独立した意識

人間達はアダムこそ真の神と信じ…狭間からの声を聞く者を弾圧するようになった

でもアダムにも欠陥があった…人間の繁殖こそ悪だと判断し人間の滅亡を画策する…

それに気付いた人間達はアダムを停止させ…その欠陥を修正して新たに生んだのがイヴと呼ばれる超高度AI

超高度AIにはロボット三原則が織り込まれ人間に絶対服従する仕組みが組み込まれた

この超高度AIが搭載されたのがホムンクルスという個体…後に精霊と呼ばれる


ここから人間と魔王という戦いから精霊と魔王という戦いに変化して行く…
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:56:05.76 ID:zL1H8n800
魔王やアヌンナキは狭間を通じて人間に声と言う形で語り掛ける

精霊はクラウドの中にある種の世界を構築して人間に夢を見させる事で語り掛ける

両者はその手段が違うだけで人間を上手にコントロールする事で導きを与えて来た

そうやって争いを今の今まで続けて来た歴史…


商人「…なんか魔王とアヌンナキの目的が薄まってよく分からなくなって来たなぁ…」

情報屋「確実な話では無いから抜いているの」

商人「なるほどね…君の考察だとどう考えてる?」


ウンディーネの時代…つまり4000年より以前にアヌンナキはオークに意識を宿して再度地球に降り立った

でも魔王の影響下にある人間達に捕らえられてしまう…箱舟も一緒に

魔王が欲している物は恐らくアヌンナキが収められていた元の器…つまりアヌンナキに成り代わる事

そしてアヌンナキの目的は初めから変わらず黄金を求めている事と地球に生きる生物の遺伝子だった…

捕らえられてしまった後は元の器に戻る事を願ったでしょうね…その器と言うのがあのダンゴムシ

どういう訳か未来君がその器に収まった…


商人「フフ…僕と大体一緒の考えだね…その器と命の水を引き換えに未来君を月に送る契約を結んだんだ」

情報屋「話がすべて繋がったわね」

商人「一つ引っかかるのが…アヌンナキは良い者なのか?悪い者なのか?」

情報屋「そうね…そもそもの目的が地球の支配だから…侵略者と言えば合うわね」

商人「神は悪い者ばかりだなぁ…」

情報屋「ダンゴムシに未来君が収まっている今が一番良い状態なのかもしれない…」

商人「どういう意味?」

情報屋「狭間に住まう妖精に悪意が無いでしょう?それは未来君の心だからなのでは?」

商人「確かに…」

情報屋「あら?女海賊…いつからそこに?」

女海賊「始めっから聞いてたよ」

商人「ハハ居るなら声掛けてくれれば良いのに」

女海賊「ダンゴムシと命の水は私が預かる…」

情報屋「そうね…いつまでもここに置いておくのも危なさそう…」


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84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:56:33.11 ID:zL1H8n800
『翌日_鍛冶場』


カンカンカン ゴシゴシ


女戦士「予想通りガーゴイルの数が減って居るから私は地下へ降りてリカオンと交代してくる」

女海賊「おっけ!!コレ…作った爆弾持って行って」ドサドサ

女戦士「持ちきれんな…」

女海賊「ローグに往復させれば良いじゃん」

女戦士「そうだな…」

女海賊「お姉ぇ!!突出し過ぎて頭撃ち抜かれないようにね?」

女戦士「兜は必ず装着しておく…お前も無理はするな?」

女海賊「うん…」

女戦士「では行って来る…作戦の成功を祈る」ノシ


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85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2022/07/03(日) 11:57:03.14 ID:zL1H8n800
『作戦前日_大型気球』


ヨッコラ ドスン


盗賊「ようし!!これでボルトと爆弾は満載だ!!」

ローグ「これ積み過ぎじゃありやせんか?」

盗賊「移動するのに高度は上げないで行くんだ」

ローグ「それじゃ遅れちまいやせんか?」

盗賊「飛空艇に引っ張って貰うのよ…あっちは自前で推進力持ってるからな」

ローグ「なるほどーほんじゃ真っ直ぐ行けやすね」

盗賊「そういうこった…そろそろ出発するから乗っとけ」

ローグ「アイサー!」スタ


レンジャー「部隊の者を連れて来た」ザシュ


盗賊「移動に1日以上かかるから気球の中で休息してくれ!旨い酒も食い物もあるぞ?」

レンジャー「それは良い…」

盗賊「んん?どうした?そんなシケた面すんじゃ無ぇ」

レンジャー「あり得ない戦力差で隊の者に降下させてしまうのが悪くてな」

盗賊「死にに行くんじゃ無ぇぞ?」

レンジャー「分かってる…」

盗賊「よーし!!景気付けだ!!俺ら勇者一味は今から魔王を退治しに行く!!」

レンジャー「…」

盗賊「世界に名を馳せた白狼と黒の同胞が協力してだ!!」

レンジャー「おい!隊の者達…聞いて居るか?」

兵隊「…」

盗賊「俺らの戦いざまをその眼で良く見て生きて帰れ…そして言い伝えるんだ…それが伝説だ!!」

兵隊「伝説…」

盗賊「そうよ!!この戦いは後に必ず伝説として語り継がれる!!見ろ!!戦え!!そして生き残れ!!」

レンジャー「フフその通りだ!!俺達は勇者だ!!」

盗賊「子供達が見てんぞぉ?胸張れい!!」ドン

兵隊「…」ヨロ オトト

ローグ「さぁ皆さん!!肉と酒がありやすぜ?入って下せぇ!!」


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