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【安価・コンマ】離島の魔法女学院でダンジョン探索【百合】

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902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:04:03.14 ID:VacjE4KNO
リエムちゃがリエムに対してめちゃくちゃ過保護に
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:04:38.25 ID:b5kJvXmxO
リアンに対して……でした

安価下
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:05:02.36 ID:X+Hgh0s50
実用的な非殺傷魔法の練習
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:05:44.44 ID:vTvVfBc70
リアンとルウェリア、オバケ屋敷用のスライムを開発
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/27(土) 23:30:07.43 ID:EjORD+sZo
スイスちゃんすぐ破壊されてリアン曇らせ要因になると思ってました誠にごめんなさい
即死っぽい判定避けるし魔鍵様はか、いや退散させるしコンマに愛されてるな
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 00:49:15.66 ID:75UNJpPU0
―10月4週 某日 朝
 リアンの部屋 玄関

リアン「それじゃあ行ってきます!」

リエム「行って参ります」

アリム「行ってらっしゃい」


リアン「……ん?」

リエム「……」(E:制服)

リアン「……んん?」

リエム「?」

リアン「……リエムちゃん、なんで制服を……?」

リエム「アリムの代わりに登校します。出席日数が足りないそうなので」

リアン「あ、ああ……で、でもその間アリムちゃんは……?」

アリム「わたしなら心配いらないわよ。手は打ってあるから――」

 ピンポーン

クロリア『アリムさんはいらっしゃいますか? お迎えに参りました』

リアン「あっ! この声は――」

アリム「開いてるわよ」

 ガチャッ

クロリア「……その節はご迷惑をおかけ致しました。私、魔法人形のクロリアと申します」カーテシー

リアン「あっ……! わ、私は、えと……! に、人間の、リアンロールセン、ですっ……」ペコッ

アリム「せっかくだからわたしの体を診てもらおうと思ってね。今日からしばらく精密検査を受けるから、その間リエムに出席してもらうよう言ったのよ」

リエム「はい。クロリアさま……アリムのこと、よろしくお願いいたします……」ペコリ

クロリア「ええ。しっかり検査しますので、しばらくお待ちくださいね」ニコリ


リアン(なるほど……クロリアさんは高度な人造種治療技術を持っているらしいし、納得だ)

リアン(いろいろあったけれど……久しぶりに、物事が良い方へ進んでいる気がする……!)

 ◇
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 00:50:46.86 ID:75UNJpPU0
―朝
 校庭

 ウオオオ センボンノックダーッ カキーン カキーン

リアン「わあ……朝から精が出るねえ、運動部……」

リエム「朝練というものですね」

リアン「ふふ、リエムちゃんと一緒に校内を歩くのってなんだか新鮮……!」

リエム「はい。わたしも新鮮な気持ちがいたします……。あ、口調はアリムらしくした方が良いでしょうか」

リアン「一応そうした方が良いかも?」

リエム「わかったわ、ばかリアン」

リアン「う、うん……」

 ヒューン ウワーヨケロー!

リエム「魔導障壁展開」ヴンッ

リアン「へっ……」

 ジュッ…

リアン(と、飛んできたボールが魔導障壁に触れて蒸発した……)

リエム「ばかリアン、怪我はないかしら」

リアン「う、うん……」

リエム「わたしの側を離れないで、ばかリアン」

リアン「や、やっぱ……普段の口調でお願い……」

リエム「わかりました、リアンさま」

 ◇

―教室

 ザワザワ

リエム「…………」

リアン「あ、あの……アリムちゃん、教室が違うよ……?」

リエム「リアンさまのお側におります。また何が襲ってくるかわかりません」

リアン「で、でもそれじゃあアリムちゃんの出席日数が……!」

リエム「アリムの出席日数よりもリアンさまの安全の方が大事です」

リアン「え、ええ……」


ノルン「リエムちゃん……? 瞳は赤いけど……」

リエム「ノルンさま。今はアリムということになっております」

ルウェリア「出席代行ってこと? ふふ、なるほどね」

サーナ「リエムちゃんが学校にいるのもなんだか面白いですわね!」

 ◇
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 00:51:28.08 ID:75UNJpPU0
本日はここまで
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 01:02:31.33 ID:BDVPTXgI0
リエムちゃ演技へたくそでかわいい
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 01:50:07.09 ID:O1DPhAlVo
おつおつ
トレース雑ぅ!
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 09:22:47.37 ID:TtL/3Rbh0


ルルちゃん妹(姉?)ができたね!
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 18:57:01.60 ID:75UNJpPU0
―10月4週 某日

リアン(先日の戦いは本当に熾烈だった……)

リアン(私もルウェリアちゃんも人造種たちも……そして、魔鍵も……誰が死んでもおかしくなかったんだ……)

リアン(今回、誰も死なずに済んだのは奇跡のようなものだったのだろう)

リアン(でも次は……誰かが本当に、死んでしまうかもしれない……)

リアン(そうさせない為に、私は部活である提案をした――)


―闘技場

リアン「というわけで、みんなで非殺傷魔法の練習をしよう……!」

ルウェリア「この前みたいな事態はもうゴメンだからね。実戦でも相手を迅速に無力化できれば……」

サーナ「そうは言っても、わたくしたちが普段行っている練習も非殺傷魔法を用いたものですわよ? 闘技大会でも殺傷を目的とした魔法の行使は禁じられておりましたし」

リアン「それは、そうなんだけど……。でも闘技大会に向けた練習は、非殺傷魔法同士での戦いを想定したものだったでしょ? 魔鍵は私たちを殺す気で来るから……殺意を持った相手を無力化する為の練習が必要だと思うの」

サーナ「た、確かに……盲点でしたわ……!」

ノルン「相手が殺す気だと、普段の練習じゃ対応し切れないところもあるかもしれないよね。しっかり準備しなきゃ」

リエム「お手伝いいたします」

ヒーティ「じ、自分も……頑張りますッ!」


↓1
01-80 学生組能力+
81-00 学生組能力++
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 19:00:38.23 ID:L2lFfqhOo
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 19:51:30.17 ID:75UNJpPU0


ルウェリア「アースフラッド!」ドロロロ

ヒーティ「わあああ! た、立てな……降参ですッ……!!」

ルウェリア「相手次第では完封できるんだけどね……」



ヒーティ「ファイア!」ボッ

ノルン「あつっ……! でも火傷はしてないよ!」

ヒーティ「やった……! 熱いけど相手を傷付けない火、習得ですッ!」



ノルン「フラッシュ!」カッ

サーナ「うッ!? め、目が……!!」オロオロ

ノルン「初歩的だけどやっぱり効果的だよね、目眩まし」



サーナ「エアプレッシャー!」ズンッ

リアン「ううっ……!? い、意識が……」フラッ

サーナ「人間相手ならともかく、人造種にも効くかどうか……」



リアン「バインドジェル!」ギュオオ

リエム「ひゃっ……あぅ……」ベトベト

リアン「ご、ごめんねリエムちゃん! すぐ解くから……!」



リアン(私たちは、相手を傷付けない魔法の練習に励んだ)

リアン(まあまあできた気がする)

リアン(以前までと比べて、また動きが良くなったかもしれない。私たち)

 ☆学生組の能力が成長しました

 ◆
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 19:52:28.74 ID:75UNJpPU0
―10月4週 某日
 部室

 トンカントンカン ペタペタ

ノルン「文化祭の準備も良い感じに進んできたね」

ヒーティ「はいッ! 地味ですけど、こういう作業楽しいですッ!」

ルル「え〜……わんわんすごい……ふわああ……」


サーナ「良い感じは良い感じですけれど……今ひとつパンチが足りませんわね……」

ルウェリア「えっ。ここからさらに何か付け加えるの?」

サーナ「例えば……海底遺跡を再現したゾーンに、もっと海底らしさが必要だと思いますの!」

リアン「じゃあ、お客さんにあのハイレグ魔法潜水服を着てもらうとか……?」

ノルン「却下! お客さんにそんなことさせられるわけないでしょ!」

リアン「ご、ごめん……」

サーナ「わたくしたちはあの潜水服のお陰でスイスイ動けましたが……海底ってもっと、ゆっくりしていると思いますのよ」

ルル「ゆっくり?」

サーナ「そう……つまりお客さんの動きを制限する仕掛け――」

サーナ「スライムが必要ですわ!!」

 ◇

リアン(そういうわけで私たちはスライムを作ることになった)

リアン(私が作ったジェルをルウェリアちゃんが良い感じに硬度変化させればできるだろう、という適当な設計案だ)

リアン(実はスライムくらいなら私一人でも作れるけど……ここはせっかくだしルウェリアちゃんに手伝ってもらおう)

リアン(二人分の魔法が組み合わされば想定を越えた良いものができるかもしれないしね……!)


↓1 スライムの出来
01-60 ふつうのスライム
61-90 濡れ透けスライム
91-00 服だけを溶かすスライム
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 19:56:02.02 ID:hg/BvPWDO
いけ
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 20:15:06.93 ID:75UNJpPU0
スライム「」デロデロ

ルウェリア「できたね」

リアン「うん」

サーナ「スライムですわ……! ふふっ、では海底遺跡ゾーンはこれで決まりですわね!」

ノルン「これ、お客さんにくっついたりしない……?」

ルウェリア「その点は大丈夫。動きは阻害するけど、他の物体に飛び移りしないようにしてあるから」

リアン「ルウェリアちゃんの魔法のお陰だよ! 私だけじゃそこまで精密なのは作れなかったもん!」



ルル「わあ……! ぷるぷるしてる!」ツンツン

スライム「」プルプル

ヒーティ「……ちょっと、美味しそうですね」

リアン「毒はないけど美味しくないと思うよ……」

シャーロット「服だけを溶かしたりはしないの?」ツンツン

ルウェリア「そんな意味のわからない性質を持つわけないでしょう……」

 ◆
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 20:50:55.33 ID:O1DPhAlVo
割と熱望されてる技術だと思う>服だけ溶かすスライム
エロ面だけでなく
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 21:22:48.93 ID:75UNJpPU0
―10月4週 某日
 魔導機械工場

 ウィーン…

アリム「ふう……。治せそう?」

クロリア「申しわけありません。ここの設備では……」

アリム「……まあそうよね。多少動けるようになっただけでも良しとしましょう」

クロリア「リエム型の基礎を設計した方も、私のご主人様と同様に個人工房を持っていたと聞きます。そこへ行けば、もしかしたら――」

アリム「フォルトでもない個人工房が現存している可能性は極めて低いわ。あなたの工房が現存していたのは、物質の状態を固定できるあなたが守っていたからでしょう?」

クロリア「それは……そうですが……」

アリム「ふふっ……きっともう、潮時ね。長いこと生きてきたけど……最期の最期で、悪くない日々を知れたのだもの……」

クロリア「…………良き方に、巡り逢えたのですね」

アリム「……まあね。あんたの気持ち、少しわかったわ」

クロリア「ふふっ……誰よりも人間を憎んでいたあなたと、気持ちを分かち合える日が来るなんて」

アリム「ま、人間への憎しみが消えたわけじゃないけどね。あいつらは例外ってだけよ」

クロリア「私も似たようなものです。私がお慕いする人間は、今までもこれからもご主人様ただ一人ですから」

アリム「……ふふ。あんたのこと、意志も望みもなく人間に従い続ける哀れな魔法人形だって思ってたけど……勘違いだったみたいね」

クロリア「私も、あなたとは相容れないだろうと思っておりました。勘違いだったようですが」

アリム「…………リアンの、お陰ね」

 ◆
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 21:24:39.63 ID:75UNJpPU0
―10月4週 某日 夕方
 リアンの家

 ガチャッ

アリム「ただいま」スタスタ

リアン「アリムちゃん!」トトッ

リエム「アリム……! おかえりなさい……」

リアン「歩けてるってことは……治ったの!?」

アリム「治ったわけじゃないわ……。クロリアにちょっとした対症療法を施してもらっただけ。戦闘とかは無理よ」

リアン「そ、そうなんだ……。でも、良かった……!」


リアン(あ……でも、ある程度動けるようになったってことは、アリムちゃん自室に帰っちゃうのかな……)


アリム(……日常生活程度なら一人でも送れるし……もうここにいる必要はないのよね……。でも……)


リエム「……アリム。完治していないのなら、まだここにいてください」

アリム「……!」

リアン「リエムちゃん……!」

リエム「もしアリムが救難信号すら送れないほどの危機敵状態に陥った場合、誰かが近くにいなければ手遅れになってしまう可能性があります。今はまだリアンさまのお部屋から離れるべきではありません」

アリム「……ふふ。わかったわ……。もうしばらくは世話になってあげる」

リアン「アリムちゃん……!」

アリム「まだしばらくはよろしく頼むわね、リアン、リエム……」


アリム(もう長くはないだろうし……少しくらい、この悪くない日々に甘んじていても良いわよね……)

 ◆
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 21:31:52.41 ID:75UNJpPU0
―10月4週 週末
 教室 文化祭

生徒A「いらっしゃいませ! ご主人様!!」(E:メイド服)

 キャー! メードサン! カワイイ!

生徒B「初手シフトはうちらだから、みんなは文化祭見回っといで!」(E:メイド服)

リアン「あ、うん! 頑張って、二人とも……!」

ルウェリア「私たちは見回る前に遺跡部の会場に行こう!」

リアン「うん!」


リアン(予定通り、私たちのクラスはメイド喫茶だ。メイド服も割と正統派でクラシックなやつ……! ふふ、良いね……)

リアン(シフトが回ってきたら、私も今日はメイドさんだ。頑張ろう……!)

 ◆

―遺跡探索部 ドキドキ遺跡探索ツアー会場

 ザワザワ…ナニコレ…チョットコワイ…

リアン(そして私たちの出し物はこれ……ドキドキ遺跡探索ツアーという名の、遺跡探索ホラーアドベンチャーだ……!)

リアン(世間一般的な遺跡のイメージと私たちの実体験を擦り合わせ、良い感じに作り上げた本格派遺跡探索体験……!)


ルウェリア「海底遺跡ゾーンはかなり良い感じに仕上がったはず……! ふふ、反応が楽しみだね……」

ヒーティ「わっ、珍しくルウェリア先輩が悪い顔してますッ……!」

サーナ「わたくしのイチオシは、白いボサボサの髪を振り乱した妖怪に追いかけられて謎の祠で凄惨な儀式の痕を見つけてしまう樹海ゾーンですわ!」

リアン「今思ったけど、それ樹海じゃなくて肝試しの時のじゃ……」

サーナ「細かいことは良いんですの!!」



アリム「へえ……けっこう頑張ったのね」スタスタ

ルル「アリム……!」

ノルン「アリムちゃん! もう大丈夫なの?」

アリム「心配かけたみたいね。一人で歩ける程度には大丈夫みたいよ」

リエム「何かあればすぐに救難信号を発してください、アリム」

リアン「うん。絶対、無理はしないでね。アリムちゃん」

アリム「ああもう……わかってるわよ」



リアン(何にしても、今日は文化祭を楽しもう!)

↓1〜3 どこへ行くか または何が起きるか または仕事中の様子など
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 21:32:25.54 ID:TtL/3Rbh0
モンスター飼育部の触れ合いコーナー
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 21:34:04.85 ID:O1DPhAlVo
風紀委員会の正しい制服着こなし展示会(閑古鳥)
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 21:34:34.21 ID:hg/BvPWDO
ルルが人造トリオを連れてくる
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 21:34:43.94 ID:rtEPJe0Z0
茶道体験
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 22:14:42.06 ID:75UNJpPU0
―モンスター飼育部会場 触れ合いコーナー

リアン「モンスター飼育部! 触れ合いコーナーだって!」

ルウェリア「へえ……! 何がいるのかな?」

オリハルガニ「チョキチョキ」

リアン「カニだ!」

飼育部員「その子はオリハルガニ! 殻の材質にオリハルコンが含有されてるから、信じられないくらい堅いんですよ!」

オリハルガニ「チョキチョキ」

リアン「ふふ、見た目は小さくてかわいいのに、堅いんだね」

飼育部員「あ、人の指くらいなら簡単に切断しちゃうんで気を付けてください!」

ルウェリア「ふ、触れ合い……?」



コカトリス「コッコッコッ…」

ルウェリア「ニワトリ……? でも尻尾が蛇になってる……?」

ノルン「まさか、コカトリス……!?」

飼育部員「おお、その通りです! かわいいでしょう!?」

ノルン「た、確か石化の毒を持ってるって……」

飼育部員「そうなんです! だから触れ合う時は十分に注意してくださいね!」

ルウェリア「ふ、触れ合い……?」



樹海オオカミ「……」

ヒーティ「わあ、可愛い……! よしよし」ナデナデ

樹海オオカミ「クゥーン」ゴロゴロ

リアン「ヒーティちゃんがオオカミと戯れる姿、様になるねえ」

ヒーティ「えへへっ、そうですかッ? わっ、そんなとこ舐めないで……!」



カーバンクル「……」スウスウ

リアン「わあ……ぐっすり眠ってる……。大きな宝石の付いたウサギ……いや、リス……?」

ノルン「ねえ、この子ってまさか……カーバンクルじゃ……」

飼育部員「そうなんです。額の宝石がとっても綺麗でしょう? とっても高い魔力を秘めていて――」

ノルン「カーバンクルって、飼育禁止なんじゃ……」

ルウェリア「え、ええ!? それって触れ合いどころじゃ……」

飼育部員「し、シーッ! 人の法にモンスターが従う必要はありません……!」

↓1
01-95 カーバンクル眠ったまま
96-00 ??
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 22:19:18.85 ID:koYTacjFO
やあ
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 22:36:58.83 ID:75UNJpPU0
カーバンクル「……」フイッ

リアン「あ、あっち向いちゃった……。うるさかったかな……」

ルウェリア「……私たちも脛に傷がある身だし、今回は見なかったことにしておこうか」

ノルン「そ、そうだね……」



樹海オオカミ「クゥーン」スリスリ ペロペロ

ヒーティ「わあ〜あは、あははっ! だめだってばあ……んっ……あっ……ほ、ほんとに……だめっ……んんっ……!」

 ◆
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 22:37:59.44 ID:75UNJpPU0
―風紀委員会 正しい制服着こなし展示会

リアン「わ、わあ……誰も入ってない……」

サーナ「正しい着こなし、ですって? わたくしとどちらが正しいか勝負ですわ!」ズンズン

リアン「わわ、行くの!?」

リエム「お供いたします。アリム、いきましょう」

アリム「え、ええ……。風紀委員か……」

 ◇

風紀委員長「! ようこそ正しい制服着こなし展示会へ……ってなんだ……ロールセンと愉快な仲間たちじゃない……」


リアン(うわあ、露骨に嫌な顔されてる……。こっちも嫌だよお……)


サーナ「正しい制服着こなしと聞いて参りましたわ! わたくしとどちらが正しいか勝負ですわよ!」ザッ

風紀委員長「どちらが正しいかって……あなた、改造しているじゃない! そんなのは全く正しくないわ!」

風紀委員長「制服の袖は伸ばしても縮めてもダメ! デフォルトが最適なのよ!」

サーナ「なんですって! 改造は認められているはずですわよ!?」

風紀委員長「認められていることと正しいことはイコールではないわ! 正しい着こなしは正しい形あってこそ!」

サーナ「ぐぬぬ……!」

アリム「いや、何あんなのに言い負かされそうになってるのよ……」

サーナ「い、言い負かされそうになどなっておりませんわ……!」

風紀委員長「ん? あなたは……ロールセンの親戚の……!?」ガバッ

リエム「っ!?」ビクッ

風紀委員長「ねえ、ロールセンに酷いことされてない!? 毎晩お布団に潜り込まれたりしてない……!?」

リエム「あ……一緒に寝ることも、あります」

リアン「あ、リエムちゃ……」

風紀委員長「ロールセンんんんんん!!!!!」ガシッ

リアン「ひえっ」

風紀委員長「や、やっぱりあなた……こんな小さい子に……!!!!」

リアン(や、やばい……本当に一緒に寝ることがあるから何も言い返せない……)

アリム「はあ……風紀委員ってこんなんばっかなのね……」


リアン(その後私たちは、不毛な言い争いをした……)

 ◆
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 23:11:50.15 ID:75UNJpPU0
―遺跡探索部 ドキドキ遺跡探索ツアー

ルル「こっち」トテトテ

スイス「ま、待っテ、ルルちゃン」トテトテ


クロリア「ふふ……すっかり仲良くなって……」

量産剣「そうだな……。腕も、スイスに合う型のものが見つかって良かった」

クロリア「ええ、本当に……。もう戦う必要はないんですから……」



ヒーティ「ようこそ遺跡探索ツアーへ……あ、ルル先輩に……スイスちゃん……!?」

ルル「連れてきた」

スイス「ヒーティさん、こんにチは」ペコ

ヒーティ「あ、はい。こんにちは……あれ? その腕……」

スイス「クロリアさんに、付けてモラった」

ヒーティ「わあ……! その方が良いよ! それなら、誰かと手を繋げるもん!」

スイス「手、を……?」

ルル「繋ぐ?」スッ

スイス「あ……うん!」スッ

ルル「反対の手は、わんわん」

ヒーティ「じ、自分も良いんですかッ!? では……ッ!」

 ぎゅっ

スイス「……!」

スイス「…えへ、へ……」ニヘラ

ヒーティ「……あの時は、本当にごめんね……」

ヒーティ「でも……繋いでくれて……ありがとう……!」ポロポロ

スイス「ううン……ヒーティさんの手……あったかい……」

ルル「ふふ……」



クロリア「……不思議。子を見守る親って、こういう気持ちなのでしょうか」

量産剣「私に聞くな。記録分の知識があるとは言え、稼働年数で言えば私は赤子同然なのだぞ」

クロリア「そ、そうですね。ごめんなさい」

量産剣「……」

量産剣(この場に立ち、この光景を見るのは……)

量産剣(一つ前の私にこそ、相応しかったのではないか……)

量産剣(……考えても仕方がないな。終わってしまった命は、二度と戻らない)

量産剣(せめて、私は――)

量産剣(彼女たちの笑顔を守る、一振りの剣であり続けよう――)

 ◆
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/28(日) 23:35:02.28 ID:75UNJpPU0
リアン(大盛況の中、文化祭は幕を閉じた――)

リアン(スイスちゃん、クロリアさん、量産さんも文化祭を楽しんでくれたらしい)

リアン(人の世に溶け込む必要はないけれど……それでも、人の世の催しを楽しんでくれたなら、嬉しいな)

リアン(さあ、来週から11月だ)

リアン(まだまだ解決していない問題は山積みだし、頑張らなきゃ……!)

 ◆

―11月1週
 部室

シャーロット「楽しかったわねえ、文化祭!」

エンシァン「そうだな。たまにはああいう行事も悪くない」

シャーロット「でも今週からまた頑張るわよ! 学生たちには負けてらんないわ!」

エンシァン「あの子たちの成長は本当に目覚ましい。うかうかしているとすぐに追い抜かれてしまいそうだ」

シャーロット「本当にね。私も鍛え直そうかしら……」


―次の遺跡発見率[94/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+3、戦闘力+6、持続力+3)
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇アリムちゃ(動作不良:踏破力+0、戦闘力+0、持続力+0)
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+1)

☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
・アリムを救う

11月1週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります なお本日はここまで
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 23:36:05.62 ID:BDVPTXgI0
リエムが見知らぬ人造種の反応を検知
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 23:36:34.89 ID:rtEPJe0Z0
アリムを直せる施設がある場所を探す
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 23:36:40.31 ID:uiTKu8AaO
サーナと何故か釣りに行くことになる
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/28(日) 23:51:46.97 ID:3RL8VUASo
乙でした
文化祭皆楽しんでて何より
リアンの学内評判かなり上がってると思うけど風紀委員ズの反応変わんねえな…これも楽しい
量産さん在り方が高貴……!
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/29(月) 21:25:20.63 ID:E99LuU8X0
―11月1週 某日
 学生通り 喫茶店

 カラン

リアン「お、お待たせいたしました……!」

クロリア「こんにちは、リアン様。そうかしこまらず、楽にしてください」


リアン(その日私はクロリアさんに呼ばれ、学生通りの喫茶店に来ていた)


リアン「え、ええと……その、話って……?」

クロリア「はい。アリムさんに関わることです」

リアン「……!」


リアン(体が強張った。アリムちゃんの話となると、どうしても怖い想像がちらついてしまう……)


クロリア「アリムさんが、現在とても深刻な状態に陥っているのはリアン様もご存知のことかと思います。放置すれば、命に関わることも」

リアン「は、はい……。でも、死なせるつもりはありません……!」

クロリア「……しかし、治療の目処は立っていない――ですよね」

リアン「うぅ……はい……」シュン

クロリア「…………はっきり申し上げると、アリムさんを治療できる施設は残っていません」

リアン「えっ……」

クロリア「魔法人形研究所が消失し、私の守っていた工房も爆散した今……アリムさんの治療は絶望的なのです」

リアン「そ、そんな……」クラッ

クロリア「一点のみ……奇跡に縋るような細い可能性を除けば」

リアン「……え…?」

クロリア「……リエム型の基礎設計をされた方は、独自の工房を築いていらっしゃいました。その工房が現存していれば……治せる可能性はあります」

リアン「そ、それは! どこにあるの!?」ガタッ

クロリア「私も詳細な位置までは把握していないのです……。当時の記録などから大まかな位置を予測することはできますが……」

リアン「大まかで良い! お願い、教えて……!」

クロリア「かしこまりました……」


リアン(クロリアさんはそう言って、手に持っていた端末の画面に島の地図を表示させた)

リアン(地図には、島の北側のある一定範囲がマーキングされている)


リアン「この、範囲……?」

クロリア「はい……。当時とは地形も大きく変わってしまっている為、ここまでしか絞り込めませんでした……」

リアン「ううん……すごく助かるよ。ありがとう……!!」

クロリア「……先程も申し上げた通り、奇跡に縋るようなものなのです。そもそも、その工房が現存している確率すら極めて低いのですから……」

リアン「でも、ゼロじゃない……! 少しでも可能性があるなら……諦めないよ、私……!」

クロリア「……ふふ。あなたのような人と出逢えたから……アリムさんは……」

リアン「え……?」

クロリア「なんでもありません。私も可能な範囲で協力致します。どうか、アリムさんを……」

リアン「うん……! 絶対、助ける……!!」

 ◆
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/29(月) 21:26:10.16 ID:E99LuU8X0
―11月1週 某日
 北側 渓流

リアン(そういうわけで私たちは、クロリアさんに教えてもらった範囲を重点的に探索することにした)

リアン(しかしやはり簡単には見つからない。地道に足で探索を続けるしかない)

リアン(ちなみにアリムちゃんは今日もクロリアさんに診てもらっている。ある程度動けるようになったとは言っても、探索は流石にきついだろうし……)


ルウェリア「ふう。そろそろお昼休憩にしよう」

ノルン「わかった。ずっと探し続けても疲れちゃうもんね」

ルル「今日のお昼当番は?」

エンシァン「リアンくんとサーナくんだが……姿が見当たらないな」

ヒーティ「あ、あの……先程サーナ先輩が魚を釣りに行くと言ってリアン先輩を引きずっていき、リエム先輩も付いていきましたッ!」

シャーロット「あら、そうなの? それなら私たちは野営の準備をして待っていましょうか」

 ◇

サーナ「今日のお昼は焼き魚にしますわよ!」ブンッ

釣り竿「」シュルルルルッ

釣り針「」チャポン


リアン「わ、私やったことないんだけど……」

サーナ「簡単ですわよ! 水魔法使いのリアンなら楽勝だと思いますわ!」

リアン「え、ええ……。水魔法アリなら直接水に乗り込んだ方が早い気が……」

サーナ「習うより慣れろ、ですわ! さあ、釣り竿を持ちなさいまし!!」グイグイ

リアン「わ、わかったよお〜」


リアン(やるだけやってみよう……)ブンッ

釣り竿「」シュルルルルッ

釣り針「」チャポン


↓1 何が釣れるかな
01-10 藁人形
11-40 ザリガニ
41-70 ユリトーアユ
71-90 深海ザメ
91-00 古代遺物?
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 21:29:16.00 ID:wDF/XoQC0
うい
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 21:48:33.72 ID:qyt+O7xfo
うおお?!
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/29(月) 22:13:31.17 ID:E99LuU8X0

リアン(あ、なんか手応えがある……。よし、引いてみよう)グイー

 パシャンッ

謎の物体「」ポタポタ

リアン「へ……?」

リアン(とても小さなカプセルのような物体だ。一体これは……?)


サーナ「何ですの? それは」

リアン「……古代の遺物、かな? リエムちゃん、わかる……?」

リエム「……これは……魔法人形用の記憶装置のようです。かなりの劣化が見られますが、もしかしたら再生できるかもしれません」

リアン「本当!?」

リエム「はい。お貸しくださいませ、リアンさま」

リアン「うん。はい」

リアン(私がその記憶装置をリエムちゃんに手渡すと、リエムちゃんはそれを手に取ってじっと目を瞑った)

リエム「むむ……やはり劣化が激しく、再生できません……」

リアン「そ、そっかあ……」

サーナ「直せませんの?」

リエム「持ち帰ってアリムやクロリアさまと相談してみましょう」

 ☆〈誰かの記憶装置〉を手に入れました

 ◇
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/29(月) 22:14:35.43 ID:E99LuU8X0

リアン(その後私たちは、サーナさんが釣り上げたザリガニやユリトーアユを食べて体力を回復し、探索を再開した)

リアン(記憶装置を手に入れたことにより、何らかの施設が近くにある可能性が俄然増して良い感じだ……!!)


リアン「あっ! これ小さいけど歯車じゃない……!?」

リエム「はい、それは私たちの時代に使われていた部品の一つである可能性が高いです」

ルウェリア「良い感じだね……! かなり近付いてるのかも――」

リエム「!」バッ


リアン(突然、リエムちゃんが私たちをかばうように前に出た。ど、どうしたんだろう……?)


リエム「……未確認の人造種反応があります。リアンさま、わたしから離れないでくださいませ」

リアン「えっ……!」キョロキョロ

ルウェリア「み、未確認の人造種反応!? みんなと合流しなきゃ……!」

リエム「……合流している猶予はなさそうです。こちらに近付いてきました」

リアン「えっえっ……!」

 ガサッ

リエム「来ます……!」

↓1
01-95 ??
96-00 イエリア様&フィー
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/29(月) 22:15:14.81 ID:v8V8yCU9O
イエリア様!?
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/29(月) 22:29:48.63 ID:E99LuU8X0

 スタスタ…

「あなたたちだね。魔鍵ちゃんをいじめる悪い子たちは」

ルウェリア「え……そ、その声……まさか……!!」

 ガサッ

ルウェイン?「悪い子にはお仕置きが必要だよね?」

ルウェリア「姉さん……!!」

リアン「えっ……ええええ!? ルウェリアちゃんの、お姉さん……!!?」


リアン(茂みの中から現れたのは、ルウェリアちゃんと似た透き通るような水色の髪をツインテールにした、背の低い女の子。しかしルウェリアちゃんと違い、胸はかなり大きい)

リアン(しかし――そんな馬鹿な。だって、リエムちゃんは人造種反応≠チて――)


ルウェイン?「姉さん……? 何を言っているの? あなた」

ルウェリア「姉さん……! 私、ルウェリアだよ! ずっと、探してたんだよ……!!」

ルウェイン?「私にあなたのような悪い人間の妹はいないよ? だって、私――」

ルウェイン?「魔法人形だもの――」
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/29(月) 22:30:34.78 ID:E99LuU8X0
本日はここまで
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2023/05/29(月) 22:35:28.46 ID:qyt+O7xfo
おつ
うおおおお?!
遂に登場したルウェ姉!けど魔法人形って……魔鍵お前やってしまったんか……?
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 21:04:59.98 ID:ajg1Jq/a0

ルウェリア「え……。魔法、人形……?」

ルウェイン?「そう。私は魔鍵ちゃんに仕え、魔鍵ちゃんを愛する為だけに生み出された魔法人形」

ルウェイン?「下劣で粗野で野蛮な人間の妹なんかいるわけないでしょ?」

ルウェリア「う、嘘だ……。姉さん、魔鍵に何をされたの……?」

ルウェイン?「なあに? まだその設定続けるの?」

ルウェリア「設定なんかじゃない! 姉さんは――ルウェイン・モースは私の姉さんなんだから!!」

ルウェイン?「……まだ名乗ってないのに、どうして私の名前を知っているの?」

ルウェリア「知ってるからだよ……! 姉の名前くらい知ってて当然でしょ……!!」

ルウェイン?「……私の大切な家族は、魔鍵ちゃんただ一人。それ以外はいらないの。ごっこ遊びがしたいならよそでやってくれる?」

ルウェリア「違う! 悪趣味なごっこ遊びをしているのは魔鍵の方でしょ!!」

ルウェイン?「……本当に悪い子だね、あなた。やっぱりお仕置き――」



エンシァン「ルウェリア! リアンくん、リエムくん! どうした!?」ガサガサ

シャーロット「え、まさか―――ルウェインちゃん――!?」ガサガサ


ルウェイン?「……この人数を相手にするのは流石に厳しいかな」


リアン(ルウェリアちゃんのお姉さんは、くるりと私たちに背を向けた)


ルウェイン?「次に会った時は、二度と魔鍵ちゃんの悪口を言えないようしっかりお仕置きしてあげる」

ルウェリア「ま、待って! 姉さ――」

ルウェイン?「姉妹ごっこは、あなたが良い子になれたらね」ギュルンッ


リアン(彼女は突然ウサギの姿になって、森の中へ走り去っていった……)


ルウェリア「変身……。姉さんの得意だった魔法だ……」

リアン「じゃあ……やっぱり……?」

ルウェリア「うん……」

リアン「……追わなくて、良いの?」

ルウェリア「……無理だよ。ウサギになった姉さんは小さい上にとても速いんだ……」

リエム「……申しわけありません。わたしも、反応をロストしてしまいました……」


 ガサガサッ

シャーロット「ねえ、詳しく聞かせてもらっても良い? 何があったのか……」

エンシァン「私にも教えてくれ。あれは――ルウェリアの姉君だったのか?」


リアン(私たちは、みんなにルウェリアちゃんのお姉さんと遭遇したことを話した)

リアン(高揚していたみんなの士気は一変し、その後の探索はとても重苦しい雰囲気で行われた……)

 ◆
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 21:07:04.57 ID:ajg1Jq/a0
―魔導機械工場

クロリア「なるほど。遺跡の調査を行っていた人間のお姉様が、魔法人形として現れた、と……」

ルウェリア「はい……。あの、何か知りませんか……?」

クロリア「侵入者への対処は魔鍵の管轄だったので、申し訳ないのですが……」

ルウェリア「そうですか……」

クロリア「しかし、その女性が何をされたのかを推測することはできます」

ルウェリア「えっ……」

クロリア「……ソウルコンバート。人間から人造種へ、不可逆的に意識と記憶を移し替える技術です。彼女は、恐らく……」

ルウェリア「……魔法人形に、意識と記憶を移された……?」

クロリア「……はい。そして間違いなく、魔鍵に記憶や認識を弄られています」

ルウェリア「……も、元に戻す方法は……?」

クロリア「魔鍵に改竄された認識を戻すことだけなら不可能ではないでしょう。しかしソウルコンバートは先程も申し上げた通り、不可逆的なものなのです。例えお姉様の体が無事に残っていたとしても……人に戻すことは、もう……」

ルウェリア「……わかりました。ありがとうございます」ペコ

クロリア「……あまり、嘆かれないのですね」

ルウェリア「嘆いても仕方ありません。できることをするだけです。それに……」

ルウェリア「よく考えたら、魔法人形になったこと自体は別に悪いことではないと思えます。リエムちゃんも、アリムさんも……私たちと同じ、悩んで苦しむ普通の女の子ですから」

クロリア「……! そう、ですね」

ルウェリア「はい。だから、後は魔鍵から助ければ良いだけ。私たちは既に魔鍵から三人の人造種の方を助けていますから、これからそれが一人増えるというだけです」

クロリア「……ふふ、確かに!」

 ☆ルウェリアの他部員との絆や〈理想〉を得たことによるリアンへの信頼により、ルウェリア離脱判定はスキップされました

 ◆
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 21:09:03.75 ID:ajg1Jq/a0

アリム「何かの記憶装置……?」

リエム「はい。アリムはこれを修復できますか?」

アリム「うーん……ここじゃ無理ね。この工場はインテリソード辺りに向けた設備は充実しているんだけど、魔法人形や魔法人形向けのデバイスをどうこうする設備はかなり手薄なのよ。そういうのは魔法人形研究所の管轄だったから……」

リエム「…………」

アリム「はいはいわたしが悪かったわよ……。まあでも、もし私を治せるような魔法人形向けの施設が見つかればそれの修復もできるかもしれないわね。見つかれば、の話だけど」

リエム「遺跡探索部総員で探しています。期待していてくださいませ」

アリム「……それが遺跡部の活動だものね」

リエム「はい」

アリム「でも引き際はちゃんと見極めなさいよ。あんたたちみんなが無事に生還することの方が、よっぽど大事なんだからね」

リエム「……アリムも、みんなに含まれます」

アリム「――っ」ジワッ

アリム「………ふん。なら、好きにすれば……」プイッ

 ◆
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 21:10:31.41 ID:ajg1Jq/a0
―11月2週
 部室

シャーロット「…………」

シャーロットの端末「遺跡調査チーム+シャーロットが映っている写真」

シャーロット「………ルウェインちゃん……」

 ガラッ

エンシァン「シャーロット。いたのか」

シャーロット「エンちゃん……」

エンシァン「……元気がないようだな」

シャーロット「ふふ……。ルウェインちゃんの尻尾をようやく掴んだっていうのに……情けないわよね……。妹で、まだ学生のルウェリアちゃんの方がよっぽど堪えてるはずなのに……」

エンシァン「ルウェリアは学生らしからぬ鋼鉄の意志の持ち主だ。それにリアンくんたちとの絆もある。比較対象としてはあまり適切ではないかもしれんぞ」

シャーロット「そうかしら……」

エンシァン「ああ。自分のメンタルも硬度変化でガチガチに堅くしているという噂もある」

シャーロット「ふふっなにそれ。初めて聞いたわ」

エンシァン「そりゃそうだ。今私が初めて言ったのだからな」

シャーロット「もう……。今日のエンちゃんは優しいのね……」


―次の遺跡発見率[276/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+3、戦闘力+6、持続力+3)
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇アリムちゃ(動作不良:踏破力+0、戦闘力+0、持続力+0)
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+1)

☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉の手がかりを探す
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
・アリムを救う

11月2週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 21:11:04.52 ID:76ZMG8IL0
食堂で赤髪コンビと出会い、大食い対決に
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 21:13:35.26 ID:FAfjjIdyO
サーナとルル、空中散歩してたらはるか上空に謎の空中庭園を発見
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 21:25:15.30 ID:nG8fwQnSo
リアン、また変な夢を見る
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 22:20:01.27 ID:ajg1Jq/a0
―11月2週 某日
 食堂

 ワイワイ ガヤガヤ

ノルン「あんまり使ったことなないけど、いつも賑わってるよね」

ヒーティ「そうなんです! でも先輩たちはお弁当持参なので大丈夫ですよッ!」

リアン「他の利用者の邪魔にならないかな……?」

リエム「リアンさまが邪魔になるようなことは決してありません。リアンさまを邪魔だと思う方こそが真の邪魔者です」


リアン(今日は珍しく食堂でごはんだ)

リアン(元々は部室で食べようとしていたのだけれど、ヒーティちゃんがお弁当を忘れたことが発覚して食堂で食べることになったためだ。私とノルンさんとリエムちゃんはせっかくだからヒーティちゃんと一緒に食堂で食べようと付いてきたのである)


竜人の少女「ん? その声は……」

赤髪の少女「おや……お久しぶりですね」


リアン(そんな時、私たちに話しかけてきた声があった)

リアン(私とノルンさんのペアと優勝をかけて争った赤髪ペアの二人だ……)


リアン「あ、あ〜……お、お久しぶりです」

竜人の少女「なんだよ、覇気ねえな。それがダブル優勝を果たした奴の面か?」

赤髪の少女「こら。ここは戦いの場ではないんですよ」

竜人の少女「あん? 戦いの場ではないだと……? いいや、戦いの場だね」

赤髪の少女「火の吹きすぎで脳が溶け落ちたんですか?」

竜人の少女「うるせえ! アレを見ろ!」ビシッ


リアン(竜人の少女が指さしたのは……食堂の一角に設えられた謎のスペース……)

リアン(何やら、『わんこそば大食い大会』なる旗が上がっている……)


竜人の少女「フッ……デュエットでは敗北を喫したが、胃袋の強さならどうだ? ん?」

赤髪の少女「ん? じゃありません。リアンさんもノルンさんもあなたのようなタイプの人じゃないでしょうが」

竜人の少女「黙れ! やられたままじゃいられねーんだよ! お前ら、オレと大食い勝負しろ!!」

リアン「え、ええ……」

ノルン「乗らなくて良いよ……。大食いなんて健康に悪いことする必要ないから」

リエム「はい。リアンさま、トカゲ人の言う事など聞く必要はありません」

竜人の少女「ほお? じゃあ大食いはオレの不戦勝ってことで良いんだな? 本当に良いんだな??」

リアン「う、うん。いいよ」

竜人の少女「おい聞いたかお前ら!! リアン・ロールセンはこのオレに敗北宣言をした!! 勝者はこのオレだ!!!」

 ザワザワ エエ…

赤髪の少女「うぅ……相方がこんな恥ずかしいトカゲですみません……」

竜人の少女「ククク……ハァーッハッハッハ!! やはり最強はこのオレってわけだ!!!」


「待った!!!!」


リアン&ノルン「えっ」
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 22:21:13.99 ID:ajg1Jq/a0

ヒーティ「さっきから聞いていれば、好き勝手なことを言って……!! 真の最強はリアン先輩です!!」

竜人の少女「ああん? おいリアン、飼い犬の躾はちゃんとしておけ」

ヒーティ「ガルルル……!! このトカゲ、許せませんッ! リアン先輩の代わりに私が叩き潰してやります!!」

竜人の少女「お?」

ヒーティ「戦いではともかく、大食いなら負けませんよッ……!!」

竜人の少女「そう来なくちゃな!! 良いぜ、受けて立ってやる!!」

 ワイワイ ガヤガヤ リアンチャンノイヌカワイイ

リアン「え、ええ……なんでこんなことに……」

ノルン「だ、大丈夫かなヒーティちゃん……」

リエム「ヒーティさま、ご無理はなさらぬよう……」

 ◇

司会「始まります! わんこそば大会!! 優勝はトカゲちゃんか!? それともリアンの犬か!? はたまた無関係な他の参加者か!? それでは皆さん位置について……!」

ヒーティ「……」

竜人の少女「……」

他の参加者「……」

司会「始めッ!!」


↓優勝者
01-60 竜人の少女
61-90 ヒーティ
91-00 ??
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 22:24:47.13 ID:uGh7F0kMO
やってやんよ
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 22:39:36.96 ID:48ZZ9y0hO
脇役としての出番多くなるなら名前出しちゃっても良い気がする(逆にややこしい……)
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 23:02:58.38 ID:ajg1Jq/a0
名前の有無はメインキャラクターとそれ以外を分ける為の線引きです。ややこしくて申し訳ないですがご容赦ください
――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ◇

司会「さあ、残り時間はあと僅かだ! 脱落者多数な中、トップを走るのはトカゲちゃん! リアンの犬も必死に追い縋るが、どうなる……!?」

竜人の少女「う、ぐ……ふう……! んぐっ……!」

ヒーティ「ひい、ふう、ひい……! はむっ……!」

 ピピーッ!

司会「時間だーッ! 最も多くのわんこそばを平らげたのは――」

 ドルルルルルルル…
 デデン!

司会「トカゲちゃんだーッ!!!」

竜人の少女「ふう、ふう……へ、へへ……勝った、ぜ……」

ヒーティ「う、ううぅぅぅ……!」ジワワ

竜人の少女「泣くんじゃねえ……! ここまでオレを追い詰めたのは、リアンノルンサーナに続いて、お前が四人目だ……!!」

 ザワザワ ケッコウオオクネ?

竜人の少女「うるせえぞ!!」

竜人の少女「へへっ……良い勝負だったぜ……! リアンの犬だなんて言って悪かったな……!」

ヒーティ「うう……じ、自分も……トカゲなんて言ってすみませんでした……ッ!!」

竜人の少女「気にすんな! 言われ慣れてるからな!!」ケラケラ

ヒーティ「でも次は負けませんから……!」

竜人の少女「良いぜ、お前……! 強くなれよ……! テッペンで待っててやる……!!」


リアン(大食い大会は、大盛況の中で幕を閉じた)

リアン(なんかヒーティちゃんと竜人の子との間で謎の友情が芽生えてたけど……。そっとしておこう……)

 ◆
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 23:03:44.66 ID:ajg1Jq/a0
―11月2週 某日
 部室

ルル「サーナ、あれやりたい」

サーナ「……あれ? あれじゃわかりませんわ、ルル」

ルル「あれ。肩車して、びゅーんって飛ぶやつ」

サーナ「ほう……! ルルも飛行の良さに目覚めたんですのね!!」

サーナ(でも万が一ルルが落ちちゃったら怪我では済みませんわ……)

サーナ「……そうだ! 文化祭で作ったスライム! あれを使えば……」

 ◇

―校庭

ルル「なにこれ」(E:スライム)

サーナ「スライムですわ! これで万が一落下しても大丈夫ですわよ!!」

ルル「ふうん」

サーナ「では背に掴まってくださいまし!!」

ルル「うんっ」ガシッ

サーナ「行きますわよ!!」フワッ

 ◇

―ユリトー島 上空

ルル「わあー!」

サーナ「フフッ、誰かと一緒に空を飛ぶというのも悪くないですわね」

ルル「ん? サーナ、あれ」

サーナ「え?」

↓1
01-90 浮遊する何かの残骸
91-00 浮遊する庭園らしきもの
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 23:04:23.44 ID:ObBhso0k0
らしきもの
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 23:30:46.10 ID:ajg1Jq/a0
サーナ「何か浮いていますわ……! 近付いてみましょう!!」ヒューン

 ◇

―浮遊する残骸

サーナ「これは……何かの残骸? どうやって浮いているのかしら……?」

ルル「んー……これ、ルルたちの文明が作ったものかも」

サーナ「まあこんな不可解な浮遊物を作れるのは古代文明くらいしか思い当たりませんわね」

サーナ「しかしなぜこうも砕けているのでしょう。地上の遺跡は割と原型を留めていますのに」

ルル「んー……? わかんない」

サーナ「欠片を一つ持って帰って先生に聞いてみましょう」パシッ

 ◆

―部室

エンシァン「なに、上空で遺跡を見つけた?」

サーナ「ええ。砕け散った瓦礫が浮遊していただけなので、遺跡と言い切れるかどうかはわかりませんわ。これがその残骸の欠片ですわよ」

エンシァン「ふむ、これか……。古代文明には浮遊する施設を作る技術があった可能性があるらしい。それかもしれんな」

サーナ「そんな技術まであったんですのね……!」

エンシァン「シャーロットに聞けばもっといろいろ知っていると思うが……」

サーナ「それなら……!」

エンシァン「……いや。今はそっとしてやってくれ。あいつもルウェイン氏のことで今けっこう参ってるからな」

サーナ「あ……」

エンシァン「ま、あいつももう大人だ。折り合いの付け方くらい心得ているさ」

サーナ「そう、ですのね……」

 ◆
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/30(火) 23:31:31.99 ID:ajg1Jq/a0
本日はここまで
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 23:42:47.32 ID:ObBhso0k0

赤髪よりお団子の少女にした方がわかりやすいかもしれない(髪色だと混乱する)
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/30(火) 23:43:42.10 ID:9UjmJCQIo
おつ
魔鍵やらかしやがった…ライン越えたぞ不可逆改造は…
ルウェリアちゃんが持ちこたえのが救い
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 21:35:40.73 ID:MH3pCIzE0
髪色では確かに紛らわしかったですね……。次からはお団子の少女にします
不可逆改造されて記憶とか認識いじられても結果的に楽しくて幸せになれるならむしろ良くないですか? と魔鍵は思っているかもしれませんし思っていないかもしれません
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 21:36:10.57 ID:MH3pCIzE0
―夜
 リアンの部屋 寝室

リアン「明かり消すよ」

リエム「はい」

アリム「ええ」

 パチッ…

リアン(私の部屋が、静かな闇に包まれる)

リアン(リエムちゃんとアリムちゃん、二人の小さな息遣いを間近に感じる)

リアン(一日の終わりに訪れる、ひとときの安らぎ……)

リアン(絶対に、失うもんか……)

リアン(明日も……頑張らなきゃ……)

リアン(…………)


リアン「スゥ……スゥ……」




――

――――
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 21:36:39.58 ID:MH3pCIzE0
―りあんのおうち

まま「誕生日おめでとう、リアン」

りあん「んー……? うん……」

まま「ふふ。二歳になったリアンに、ママから誕生日プレゼントがあります」

りあん「ぷれぜんと?」

まま「こっち来て」スタスタ

りあん「うん」トテトテ

 ◇

―きれいなへや

きれいなおんなのこ「…………」

りあん「わあ……! きれい……!!」

まま「でしょ?」

りあん「このこ、なんていうの?」

まま「まだ決まってないの。リアンが付けてあげて」

りあん「んー……じゃあ、りえむ!!」

まま「リエム……! ふふ、それ採用。正式名称にしちゃお」

りあん「んー?」

まま「んーん、ないでもない。じゃあリエムちゃんを起こすね?」

りあん「うん!」

まま「起動前に名称設定を登録してっと……ほい」

 ピッポッパッ

りえむ「……」パチッ

りえむ「――マスター登録完了。ご命令をどうぞ、マスター」

りあん「んん……?」

まま「リエムちゃん。リアンはまだ二歳だから、子守モードに切り替えてもらっても良い?」

りえむ「かしこまりました。子守モードへの切替に伴い、呼び方もリアンさまに変更いたしますか?」

まま「是非そうしてあげて。その方が親しみやすいもの」

りえむ「はい。それではリアンさまとお呼びいたします」

りあん「りあんさまなの?」

りえむ「はい。リアンさまと呼ばせてくださいませ、リアンさま」

りあん「うん。よろしくね、りえむ」

りえむ「はい。よろしくお願いします、リアンさま」


――――

――

968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 21:37:12.71 ID:MH3pCIzE0
―明け方
 リアンの部屋 寝室

 チュンチュン

リアン「…………」

リアン(……幼児の私が、リエムちゃんに出逢う夢を見た……)

リアン(いや、どういう状況設定なのそれは……)

リアン(でも……ふふ、なんだか面白かったかも)

リアン(リエムちゃんならきっと子育ても上手なんだろうなあ。あ、でも悪い子を叱ったりとかはあんまりできなさそう……)

リアン(そういえばちらっと母親らしき人も出てたなあ。私と同じような緑の髪を一つ結びにしてて……。私のママってあんな感じの人だったのかなあ)

リアン(なんて、夢の中の登場人物を母親に当てはめても仕方ないよね)


リエム「ん……りあんさま……」モソ

アリム「…りあん……」モゾ


リアン(ふふ……リエムちゃんとアリムちゃんが珍しく寝言言ってる。二人とも私の夢を見ているのかな。そうだったら嬉しいな……)

 ◆
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 21:39:00.58 ID:MH3pCIzE0
―11月3週
 どこかの遺跡

ルウェイン「ただいま〜」ウィーン

魔鍵「お帰りなさい、ルウェイン。突破できそうですか?」

ルウェイン「うーん……かなり厳しいかも。私たちの技術ともこの時代の魔法とも違うみたいで……」

魔鍵「そうですか。私の方でも解析を続けておきましょう。ルウェインは休息を――」

ルウェイン「魔鍵ちゃん、ひとりぼっちで寂しくなかった?」ズイッ

魔鍵「えっ……いえ、全然寂しくなど……」

ルウェイン「強がらないで。魔鍵ちゃんが寂しさに毎晩枕を濡らしてるの、知ってるんだから」

魔鍵「いや、そんなログはどこにも……」

 ぎゅっ

魔鍵「…………」

ルウェイン「……私のこと、お姉ちゃんだと思って甘えても良いから」

魔鍵「……離れなさい」

ルウェイン「大丈夫。私は魔鍵ちゃんの敵じゃないから。安心して――」

魔鍵「――離れろ!!」フォンフォン


ルウェイン「――――はい。魔鍵ちゃん」フラッ

魔鍵「…………休息が終わり次第、また調査に向かってください。以上です」

ルウェイン「はい――…」スタスタ


魔鍵「チッ……。絶対に裏切らせない為に私を愛するよう仕向けたのが仇になりました」

魔鍵「…………」

魔鍵(……柔らかかった……)

魔鍵「……チッ。私自身も不要データを消去しないと」


―次の遺跡発見率[384/500]
 ◆遺跡探索部メンバー
 ◇リアン  (水の魔法:踏破力+2、戦闘力+3、持続力+5)〈水の守り〉
 ◇リエム  (魔導兵装:踏破力+3、戦闘力+6、持続力+3)
 ◇ルウェリア(硬度変化:踏破力+5、戦闘力+3、持続力+2)〈不壊〉
 ◇サーナ  (風の魔法:踏破力+3、戦闘力+5、持続力+2)〈飛行〉
 ◇ノルン  (光の魔法:踏破力+2、戦闘力+4、持続力+4)〈聖域〉
 ◇エンシァン(掘削魔法:踏破力+4、戦闘力+4、持続力+4)〈貫通〉
 ◇ルル   (土の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+5)〈防御強化〉
 ◇シャロット(治癒魔法:踏破力+2、戦闘力+1、持続力+6)
 ◇アリムちゃ(動作不良:踏破力+0、戦闘力+0、持続力+0)
 ◇ヒーティ (火の魔法:踏破力+3、戦闘力+4、持続力+1)

☆現在の目標☆
・ルウェリアの姉を救う
・魔鍵を追う
・黒髪のエピタフに備える
・アリムを救う

11月3週の行動です
↓1〜3 自由行動または発生するイベント 行動終了後、特殊なイベントが発生することがあります
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 21:40:27.81 ID:W2vw9IBx0
山岳部との合同サバイバル訓練
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 21:42:48.87 ID:wUFzpasxO
ルル、人造トリオと買い物
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/05/31(水) 21:47:53.32 ID:vmzbgh9IO
悩み解消とばかりにノルンと一緒にジョギング
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 23:55:33.53 ID:MH3pCIzE0
―11月3週 某日 早朝
 海岸

 タッタッタッ

ノルン「はっ、はっ、はっ」ポヨンポヨン

リアン「ひい、はあ、ひい……!」フヨンフヨン

ノルン「き、休憩しよっか……!」

リアン「う、うぅ……」フラフラ



 ザァーン ザザァーン

カモメ「クゥー、クゥー」

カニ「チョキチョキ」


リアン「はぁ〜……。つ、疲れた……」クタッ

ノルン「ごめんね、いきなり誘っちゃって……」

リアン「ううん、健康には良さそうだし……。ノルンさん、もしかして毎朝走ってるの?」

ノルン「毎日ってわけじゃないけど、走れる時は走るようにしてるんだ」

リアン「へえ〜。流石だなあ……。」

ノルン「継続しないと鈍っちゃうからね。常に体力は維持してないと」

リアン「わあ……」


リアン(ノルンさんって実は割とサーナさんみたいな常在戦場タイプの人だよね)

リアン(いや、もしかして私が怠け者なのかな……)


ノルン「…………はあ」

リアン「どうしたの? ノルンさんも疲れちゃった?」

ノルン「あ、ううん……。そうじゃないんだけど……」

リアン「……なにか、悩みごと?」

ノルン「ん……悩みごと……なのかな……」

リアン「……そ、その……私じゃ頼りないかもしれないけど……。そ、相談、とか……乗るよ……?」

ノルン「……おこがましいよ。私なんか、アリムちゃんやルウェリアちゃんに比べれば全然大したことないのに」

リアン「そ、そんなこと……。悩みの重さって、比べられるものじゃないと思うんだ」

ノルン「そうかな……」

リアン「うん。私も……ノルンさんの力になれるなら、なりたいし」

ノルン「……ありがと」


リアン(ノルンさんは一呼吸置き、ゆっくりと話し始めた)
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/05/31(水) 23:56:02.86 ID:MH3pCIzE0

ノルン「私……アリムちゃんやルウェリアちゃんが今大変なのに……何も、できてなくて……」

ノルン「頑張って強くなったつもりなのに、学んだ知識も、培った力も、全然通用しないことばかりで」

ノルン「この前、リアンちゃんとルウェリアちゃんがボロボロになって帰ってきた時も……」

ノルン「人造種の三人が助かったのも、リアンちゃんたちの頑張りだったし……。私って、結局何も成せてないんだなあって……」


リアン(ノルンさんは、ぽつぽつと絞り出すように気持ちを吐露した)

リアン(私はノルンさんが何も成せていないなんて思わないけれど……)


ノルン「……ごめんね。誰よりも頑張ってるリアンちゃんに話すことじゃないよね。私って、本当……」

リアン「そんなことない!」

ノルン「リアンちゃん……?」

リアン「ノルンさんはいつも美味しいお菓子を作ってみんなを癒やしてくれるし、闘技大会では私とデュエットを組んで優勝まで導いてくれた……」

リアン「アリムちゃんがみんなと仲良くなる切っ掛けを作ったのは、ノルンさんが作ってくれたアップルパイなんだよ」

リアン「みんないろんな場面でノルンさんに助けられてる。みんなすっごい頼りにしてるんだよ。ノルンさんのこと」

ノルン「そう、なの……?」

リアン「うん……! ノルンさんは、もういっぱいいろんなことを成し遂げてるよ」

ノルン「……そうなのかな。そうだったら、良いけど……」

リアン「むむ……。じゃあ、ジョギング再開しよ!」ザッ

ノルン「えっ!」

リアン「悩みが晴れない時は、走るのが一番ってどこかで聞いたことあるもん!」

ノルン「……ふふ。わかった、走ろ!」



リアン(その後私たちは、登校の時間になるまでせっせと走り続けた)

リアン(とても疲れたけど、いつの間にかノルンさんの表情はスッキリと晴れやかなものに変わっていた)

リアン(たまには走るのも悪くないかも。たまには……)

 ◆
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 00:09:26.93 ID:Yxy24Gqz0
―11月3週 某日
 北側 渓流

ルウェリア「先生! これを……」

エンシァン「これは……! 遺跡は近いな……! あとは、中の状態がどれだけ保たれているかだが……」


リアン(その日も私たちは、北側の渓流近辺で遺跡探しを続けていた。もちろん目標は、クロリアさんに教えてもらった場所だ)

リアン(私自身も先生と同様、かなりの手応えを感じている。あとは本当に、中が無事であることを祈るのみだ……)


 ガサガサッ

山岳部員「あれッ? あんたたちは……」

ルウェリア「え……? こんなところに、人……?」

山岳部員「あ、いや私たちはユリトー学院の山岳部っす」

エンシァン「山岳部だと?」ガサッ

山岳部員「エンシァン先生!? てことはあんたたち、遺跡部っすか?」

エンシァン「いかにも。今日は我々遺跡部の活動日なのでな」

山岳部長「遺跡部だと?」ガサッ

山岳部員「部長!」

 ◇

リアン(聞くところによると、どうやら今日は山岳部もこの渓流付近でサバイバル訓練を行っていたらしい)

リアン(そういうわけでせっかくだからと、私たちは遺跡探しの傍らに合同でサバイバル訓練を行うこととなった)

リアン(どちらかと言うと、私たちの遺跡探索を山岳部に手伝ってもらいつつ、要所要所で学べるところを共に学ぶという感じかもしれない)


ルウェリア「そろそろお昼だし火でも起こしますか?」

山岳部員「了解っす! 私、摩擦熱で火を起こすのが得意――」

ヒーティ「ファイア!」ボッ

焚き火「」メラメラ

山岳部員「…………」

ヒーティ「あッ……す、すみませんッ!」ペコッ

山岳部員「い、いや良いっす! この方が早いし強いんで!!」

↓1 合同訓練の成果
01-75 ぼちぼち
76-00 学生組能力+
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 00:13:03.75 ID:I/+Chik+0
せい
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 00:13:27.51 ID:VNpOAtyg0
やっほー
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 00:32:21.48 ID:Yxy24Gqz0
山岳部長「遺跡部のサバイバル能力はかなり高いな。一部の技術に関しては我々を遥かに凌駕している」

山岳部員「ほんとに凄いっすね。流石は闘技部よりも闘技部してる遺跡探索部っす」

リアン「あ、あはは……。そうなんですかね……」

山岳部長「自覚はないのか……」

山岳部員「そういえば、遺跡部はどうして遺跡探索をするんすか?」

エンシァン「君たちと同じさ。山があるから登るように、遺跡があるから探索する。それだけのことだ」

山岳部員「なるほど! 納得っす!」

リアン(納得なんだ……)

リアン(まあ、あんまり真面目な話をするわけにもいかないもんね)



リアン(そういうわけで、私たちは山岳部と合同で活動を行った)

リアン(遺跡探しだけでは学べないこともいろいろ教えてもらったりして、勉強になりました)

リアン(この経験を生かして遺跡探索をより効率的に進めたいところだ)

 ◆
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 00:33:07.89 ID:Yxy24Gqz0
本日はここまで
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 00:42:24.92 ID:oJpt89URo

魔鍵ちゃんの徹しきれない悪ムーブ可愛くなってきた……?
リアンママに大分重要な情報が
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 01:58:05.66 ID:I/+Chik+0
リアンママ? パパ? がリエム型魔法人形の開発者ってことか

てことはリエムはアリムのお姉ちゃん!?
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:35:54.21 ID:Yxy24Gqz0
―11月3週 某日
 学生通り

 ワイワイ ガヤガヤ

スイス「わあ……人間さマ、いっぱい……!」

量産剣「賑わっているな」

クロリア「私たちの時代よりも活気がありますね」

スイス「スイス、この時代のこト……もっと、知りたい」

クロリア「これからいっぱい勉強していきましょうね。スイスはもう、自由なんですから」

スイス「じゆウ……?」

量産剣「ああ。自分の好きなように生きて良いってことだ」

スイス「……す、スイス……どうしタら、いい……?」

量産剣「まあ何をするにしても知識は必要だな。今はクロリアと共にいろいろ学ぶのが良いだろう」

スイス「うん……! スイス、学ぶ……!」

クロリア「……量産さん。あなたも、ですよ?」

量産剣「私もか?」

クロリア「当然です! これから一緒にこの時代を生きていくんですから」

量産剣「む……わかった。善処しよう」

スイス「一緒に頑張ロ、量産さん」

量産剣「うむ」

クロリア「ではまず、私たち三人でお買い物をしてみましょう。貨幣経済や売買の手法は私たちの時代ともそれほど違いはないようですし、難なくできるはずです」

量産剣「金はあるのか?」

クロリア「はい! アリムさんから治療費としていくらか押し付けられたので、せっかくですからありがたく使わせていただきましょう」

 ◇
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:36:25.08 ID:Yxy24Gqz0
―ドラッグストア

クロリア「ひとまずはマナポーション3本をカゴに入れて……。よし、これで取引に行きましょう」

スイス「マナポーション?」

量産剣「確か、この時代におけるエーテルリキッドの呼称だったか?」

クロリア「はい。私たちにとっても馴染み深いものですし、まずはこれを買いましょう。ええと、これをれじ≠ニいうところに持っていって……」

 ◇

セルフレジ『イラッシャイマセ。商品ノばーこーどヲ読ミ取ッテクダサイ』

クロリア「えっえっ……ば、ばーこーど?」オロオロ

量産剣「なんだこれは。ゴーレムの一種か?」

スイス「なんカ、親近感、湧く……!」

クロリア「ば、ばーこーどってどれ……!? 読み取るってどうやって……!!?」

 オイマダカ? オノボリサンカナ? マツワワタシマツワ ヨウジョカワイイ

量産剣「おい、後ろに列ができ始めたぞ。なんかまずいんじゃないのか」

スイス「クロリアさン、大丈夫……?」

クロリア「ああ……私のせいで……」グニャア


 サッ


クロリア「えっ……あ、あなたは……!」

 ピッ ピッ ピッ

セルフレジ『オ金ヲ入レテクダサイ』

ルル「お金ある?」

スイス「ルルちゃン!」

クロリア「お、お金なら……!」ガサゴソ

ルル「ん」

 ガチャチャチーン

セルフレジ『オ買イ上ゲアリガトウゴザイマシタ。マタオコシクダサイ』

 ワー! オメデトー ヨカッタネ ヨウジョカワイイ

ルル「いこ」スタスタ

スイス「あ、うんっ」トテトテ

 ◇
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:37:00.35 ID:Yxy24Gqz0
―公園

クロリア「はあ……ほ、本当に助かりました。ルルさん……」

ルル「んーん。初めてだと困っちゃうよね、あれ」

量産剣「一体なんなんだ、あれは。ゴーレムなのか?」

ルル「この時代の機械みたい。まあゴーレムみたいなものかなあ」

クロリア「この時代はこの時代で独自の技術が発達しているのですね……」

スイス「ルルちゃん、かっこよかっタ!」

ルル「んふふ、やり方覚えればスイスも簡単にできるよ?」

スイス「スイスもやってみたい……!」

ルル「じゃあ今度は、スイスの番!」

クロリア「えっ……ま、また行くのですか……?」

量産剣「勉強が必要と言ったのはお前だぞ」

クロリア「そ、それは……そうですけどお……」

スイス「クロリアさんも、もう一度やってミよ……!」

クロリア「……スイスちゃんにこう言われたらやるしかありませんね……!」

量産剣(よし、私は免れ――)

スイス「量産さンも!」

量産剣(………)

量産剣「……善処しよう」

 ◇
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:38:00.54 ID:Yxy24Gqz0
―スーパーマーケット

ルル「クロリア、料理できるんだよね?」

クロリア「ええ、一応……。もう長いこと料理はしていませんが」

ルル「じゃあ、ここで食材買って、クロリアに作ってもらお!」

クロリア「えっ!」

量産剣「工場にも給湯室や流し台はあったな。調理器具も残っていたし料理なら問題なくできるはずだ」

スイス「スイス、クロリアさんの料理、食べタい……!」

クロリア「……ふふ。それなら……久しぶりに、腕をふるってみましょう! まずは売っている食材を吟味して――」

量産剣「はは、私も楽しみになってきた」

 ◇

セルフレジ『イラッシャイマセ。商品ノばーこーどヲ読ミ取ッテクダサイ』

ルル「スイス、この黒い線のとこをこの赤い光に当ててみて」

スイス「うん……!」

 ピッ

セルフレジ『次ノ商品ノばーこーどヲ読ミ取ッテクダサイ』

スイス「で、できタ……?」

ルル「うん! スイス、上手!」

スイス「わあ……! えへへ……」ニヘラ

ルル「量サンサンも」

量産剣「むむ……」

 ピッ

セルフレジ『次ノ商品ノばーこーどヲ読ミ取ッテクダサイ』

量産剣「ふう……」

スイス「量産さんモ、上手!」

量産剣「フッ……命のやり取りよりも緊張するな、これは」

ルル「クロリア」

クロリア「っ! や、やって見せます……!!」

 ピッ

クロリア「!!! で、できた……私にもできました……!!!」

スイス「おめでト、クロリアさん!」

量産剣「よくできたな。偉いぞ」

ルル「みんなすごい! ルル、覚えるのに一週間かかったのに!」

 ◆

クロリア(こうして私たちは無事買い物を終え、工場に帰って料理を楽しむことができました)

クロリア(はぐれものばかりの私たちですが、一つの食卓を囲み、語らいながら食を進めていると――)

クロリア(まるで……家族になったかのよう……)

クロリア(ご主人様とはもう逢えないけれど、私にはかけがえのない仲間がいることを強く実感いたしました)

クロリア(いつか、向こう側でまた逢うことができたら……。是非ご紹介させてくださいね)

クロリア(新しい、私の大切な家族を……)

 ◆
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:39:03.87 ID:Yxy24Gqz0
―11月3週 週末
 北側 渓流

リアン(それがあったのは、渓流にある滝の裏――)

リアン(そこに隠れるようにして、小さな洞窟が空いていた)

リアン(そして洞窟の奥にあったのは……極めて巧妙に岩肌らしく偽装された、魔導障壁だ)

リアン(その隠し方はどことなく、海岸洞窟でリエムちゃんが眠っていた部屋を想起させる……)


ルウェリア「……くそっ、だめだ。溶かせない」

サーナ「ここまで来ましたのに……!」

ヒーティ「エンシァン先生の魔法でこじ開けるのはどうですかッ!?」

エンシァン「洞窟内でやるのはリスクが大きい……。今回は他の遺跡と違って穴を開けたらどうなるかもわからん」

ノルン「でも……急がないと……! シャーロット准教授、何か手はありませんか!?」

シャーロット「……これ、魔力認証式の透過障壁かもしれないわ」

アリム「けほっ……当たりよ、多分……」


リアン(私の背から、アリムちゃんの声が聞こえた)

リアン(アリムちゃんは再び倒れ、自力で動くことができなくなっていた)

リアン(クロリアさん曰く、もう猶予はあまりないらしい……)

リアン(こんなところにアリムちゃんを連れてきたのは、もうその遺跡にアリムちゃんを治せる設備があることに賭けるしかないからだった……)


ノルン「魔力認証式の、透過障壁……?」

リエム「簡単に言うと、登録された魔力パターンの持ち主以外は通過できない特殊な魔導障壁です」

リアン「え、ええ……。そんなの、誰も通れないんじゃ……」

サーナ「とりあえずわたくしが試してみますわ!!」ザッ

サーナ「さあ! わたくしを通しなさいまし!」ズカズカ

 グッググ……

サーナ「う、うぐぐぐ……! す、進めませんわ……!」

ノルン「それなら今度は私が……!」


リアン(みんな、我こそはと透過障壁に挑み始めたが……)

 ◇
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:39:54.57 ID:Yxy24Gqz0

エンシァン「クッ……やはりダメか……」

アリム「まあ、当然よね……。魔力パターンが同一の存在なんて、一卵性双生児とか同型の人造種でもない限りありえないもの……けほっけほっ」

ルウェリア「残るはリアンちゃんとリエムちゃん、アリムちゃんの三人だけだけど……。その場合、リエムちゃんがだめならアリムちゃんもだめってこと?」

アリム「そういうことになるわね……。わたしとリエムは同型だもの……」

リエム「はい。逆に言えば、わたしが入れるならアリムも入れるということです」

ルウェリア「な、なるほど……」

サーナ「とりあえずリアンもやってみまして!」

リアン「う、うん……! ダメ元でやってみる……!」


リアン(流石にこれで私が通れるなんてことあるわけないけど、まあやるだけやってみよう)

リアン(私は背のアリムちゃんをリエムちゃんに預け、透過障壁に挑んだ)


リアン「――えいっ」

 フォウン…

リアン「……あれ?」
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:40:34.38 ID:Yxy24Gqz0
―だれかのおうち

 チュンチュン…

リアン(少し勢いよく障壁に突っ込んだつもりだったが、みんなのように押し出される感覚がない……)

リアン(というか……え、ここって――)


リアン(木々があって。空があって。鳥のさえずりが聞こえて)

リアン(いつか見た、クロリアさんの工房があった場所に似ていて)

リアン(そして私は――この場所を、どこかで――――)


リエム「リアンさまっ」フォウン

アリム「リアンっ」フォウン

 ぽふっ

リアン「わっ……! ふ、二人とも……!」

アリム「な、なんであんた通過できてんのよ! 驚かさないでよね……!」

リアン「えっ……わ、私、通過できたの!?」

リエム「はい……。考えられるのは、装置の故障か……リアンさまと同じ魔力パターンの方が登録されていたか……」

アリム「……リアン本人が登録されていたか、ね……」

リアン「ええ!?」

アリム「まあ、本人登録は流石にありえないと思うけど……」


ルウェリア『リアンちゃん! リエムちゃん、アリムちゃん!』

ノルン『無事だったら返事をして!! お願い……!!』

サーナ『早く返事をしなさいまし!!!』

リアン「あ、うん! こっちはみんな無事!!」

エンシァン『無事か!! どうする!? 三人で』

リアン「え、えっと……はい! 行きます!!」

アリム「ちょ、ちょっと……! 準備とか、整えないと……」

リアン「大丈夫。必要な分はポーチとポケットに十分入ってる。今は急がなきゃ」

アリム「で、でも……」

リアン「それに……なんだかここは、危なくない気がするの」

アリム「え……?」

リエム「……わたしも、リアンさまと同意見です。根拠はないのですが……どこか、安らぎを感じられる場所です」

アリム「……わかったわ。どうせ言っても聞かないだろうし、あんたたちの感覚を信じることにする……」

リアン「ありがとう、アリムちゃん……!」


リアン(私たちは、洞窟内に作られた誰かの居所を歩き出した――)

 ◇
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/01(木) 22:42:31.81 ID:Yxy24Gqz0
続きは次スレでやります。本日はここまで
次回、追想編。お楽しみに

このスレは質問・感想・要望・雑談などご自由にお使いください
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 23:13:21.13 ID:uR0lrOBVo
おつおつ
ついにリアンちゃんとかいろいろ核心に迫ってきたな
毎日楽しいスレありがとうございます
次スレもよろしくおねがいします

できるだけ沢山リアンちゃんにメロメロにしたいなぁネームド非ネームド問わず!
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 23:58:53.50 ID:01C2F7VK0
おつ

リアンノルンちゃん以外のスリーサイズも気になる今日のこの頃
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 00:17:52.98 ID:DCLueJJ80
身長も気になります
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/02(金) 22:34:21.64 ID:YHudExgy0
新スレです
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1685711889/

皆さま、いつも乙や感想ありがとうございます。ひとつひとつの乙や感想が>>1のモチベーションに大きな上昇効果をもたらしております。これからもよろしくお願いいたします

ちなみに肝試し時のスリーサイズについて、リアンはバカ正直に書いたようですが、実はノルンさんはリアンの目を気にして実数値よりも若干小さめに申告しています。実際は全体的にもう少し大きめらしいです

以下は彼女たちが前回の身体測定時に採寸したものです。採寸ミスがある可能性もあるのでご参考までに

         身長  B  W  H
 ◇リアン   156 83 56 81
 ◇リエム   134 64 54 67
 ◇ルウェリア 167 74 57 77
 ◇サーナ   162 90 58 87
 ◇ノルン   158 91 59 90
 ◇ヒーティ  152 84 59 86
 ◇エンシァン 163 76 57 78
 ◇シャロット 161 96 62 93
 ◇ルル    131 61 52 65
 ◇アリム   134 64 54 67
 ◇スイス   123 60 46 64
 ◇クロリア  159 86 58 88
 ◇量産剣   170 86 59 83

 ◇イエリア  136 67 51 68
 ◇フィー   
 ◇ルウェイン 146 88 56 82
 ◇魔鍵    135 62 49 65
 ◇黒エピ   132 63 52 66
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 22:39:19.80 ID:DCLueJJ80
フィーが抜けてる!
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/02(金) 22:39:47.00 ID:+f99hg8+o
新スレおつー
3サイズサンキュー
サーナノルン恵体…!
魔鍵様案外ちっちゃいのね
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2023/06/02(金) 22:49:09.40 ID:YHudExgy0
なんてことだ、すみません張り直します

         身長  B  W  H
 ◇リアン   156 83 56 81
 ◇リエム   134 64 54 67
 ◇ルウェリア 167 74 57 77
 ◇サーナ   162 90 58 87
 ◇ノルン   158 91 59 90
 ◇ヒーティ  152 84 59 86
 ◇エンシァン 163 76 57 78
 ◇シャロット 161 96 62 93
 ◇ルル    131 61 52 65
 ◇アリム   134 64 54 67
 ◇スイス   123 60 46 64
 ◇クロリア  159 86 58 88
 ◇量産剣   170 86 59 83

 ◇イエリア  136 67 51 68
 ◇フィー   168 85 58 84
 ◇ルウェイン 146 88 56 82
 ◇魔鍵    135 62 49 65
 ◇黒エピ   132 63 52 66
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/04(日) 00:24:11.42 ID:nV4+jeYp0
古代文明って我々が思い浮かべる近未来的な雰囲気だったりする?
998 : ◆eAA16RTlRw2e [saga]:2023/06/04(日) 16:25:42.19 ID:Etl8LQVj0
はい。ちょっと近未来的な感じと魔法文明を織り交ぜた感じの雰囲気を想定しています
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/04(日) 18:44:32.09 ID:k2TpZcpco
>>1000なら魔鍵様のバストがおっきくなる
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/06/04(日) 18:49:15.29 ID:APMipgtH0
>>1000なら皆にちょっと幸せになれる出来事がありますように
1001 :1001 :Over 1000 Thread
          | |\                /| |
          | |::.::.\.________./.::.::| |
          | |:::.::.:.:.| ⊂⊃      ⊂⊃ |.:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:.:.l∧_∧   ∧_∧|.:.:.::.:::| |  NIPは誰でもウェルカム
          | |:::.::.:.:.|,, ´∀`)  (・∀・ ,,).:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:⊂   つ  (     つ .::.:::| |
          | |:::.::.:.:.| ヽノ____Y  人|.:.:.::.:::| |                     SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
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