アルティメット寿司じゃんけん　番外編２【安価】

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557 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/05(金) 01:53:53.49 ID:2oUxT15g0

カード名：重力波
コ ス ト：0
パ ワ ー：0
効　　果：HPを1回復する
このカードがあるだけで全プレイヤーの安価カードセット時の消費エナジーを自分のHP分増やす

558 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/05(金) 05:02:06.56 ID:fwRRWRVd0

田中「『ドブ』『駆け引き』『神の天罰』か……」

加三「『トリックパンチ』『回転寿司』『重力波』か……」

田中（これは……僕の必勝だな）

加三「……チェンジを宣言します」

審判「受理します」



刀「高菜、問題。なんでこの手札は田中さんの必勝だと思う？」

高菜「これくらい簡単なら詰メ寿司二級の私でも分かりますよ……」

高菜「まず、田中先輩は『ドブ』の効果で相手の『回転寿司』をドブに落として無効化。手札を固定します」

高菜「次に田中先輩は『神の天罰』を6連打分……『重力波』の効果でコストが上がっているので36回『溜め』連打します」

高菜「この間、加三は『トリックパンチ』が使えません。セットした瞬間に一方的にエナジーを消費して、エナジー数が同じになりませんからね」

高菜「その後『神の天罰』を連打します。3パワーの6連打になりますから、この行動に対して加三は『トリックパンチ』を使わないと生き残れないわけですが……」

高菜「加三が『トリックパンチ』を使えるのは一回だけです。『トリックパンチ』と『神の天罰』のコストが違う以上、連打の中でエナジー数が同じになるのは1ターンだけですからね」

高菜「6連打の内、一度しかしのげないとなると……残る5連打を全て『防御』してもHPは残らない……というわけです！」

刀「ふーん……でも加三が『重力波』を使ってHPを盛ったら話は変わるんじゃないのか？」

高菜「『重力波』？　あれは自身の効果でコストが5になっているんですよ？　それで回復値が1だけじゃあ回復カードとして効率が悪すぎます。考慮する必要は……」

高菜（……いや？　『神の天罰』もコスト6だから、7ターンに一度しか打てない。コストが5なら『防御』を入れても同じ頻度で使えるのか）

高菜「そうなれば1ダメージに対して1HP回復……釣り合いが取れている。いやむしろ『トリックパンチ』でエナジーを節約できるターンを考えればアドバンテージを取られる……！？　必勝じゃないじゃないですか！？」

刀「いや、必勝だよ。審判がチェンジを受理しただろ」

高菜「なぜ！？」

刀「『重力波』は自身の効果でコストが上がって効率が悪いからだよ」

高菜「いや、だからそれでも釣りあって……」

刀「確かに釣りあってはいる……最初の一回だけな。回復するたびに自身の効果で消費エナジーが1ずつ上がっていくから、二回目以降はやはり効率が釣り合わない」

高菜「あ」

刀「田中さんは連打で来るからな。HPを調整して効率の良いタイミングで使うなんてこともできない」

高菜「なるほど……ん？　じゃあなんで『重力波』を使った場合の話なんかしたんですか？」

刀「お前を試したんだよまぬけ」

高菜「くき〜ッ！」

559 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/05(金) 05:02:43.74 ID:fwRRWRVd0

高菜「……とにかく！　相手は次の手札も勝ち筋がなければそのまま負け……これで田中先輩が一歩リードですね！」

刀「一歩……どころじゃないな。試合自体はまだ始まってないから田中先輩の『ドブ』の効果がまだ待機している……相手がどんなカードを引いても一枚は無効化できる」

刀「そうして崩した手札に『神の天罰』というシンプルな高スタッツカードが効く！　敵からすれば見た目以上に厄介な手札だぜ、あれは」

高菜「……1コスト3パワー効果なしって高スタッツですか？　標準では」

刀「バカお前1コストバニラの適正パワーは2だろ」


加三（なんにせよ、私は逆転の手札を引くだけだ……問題ない、私には神の力が付いている！）ｼｬｼｬｼｬｯ

加三「……ドロー！」



加三の手札


カード３ ↓１

カード４ ↓２

カード５ ↓３

560 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/05(金) 08:21:01.43 ID:8nYK4YR7O

カード名：ヒキヒキガエル
コ ス ト：0
パ ワ ー：0
効　　果：
（パッシブ）自分が手札を捨てる時、カードを1枚引く。このカード自身が捨てられる時、さらに2枚引く

561 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/05(金) 08:27:15.99 ID:Wvkxw/yrO

カード名：ぶりっこ
コ ス ト：0
パ ワ ー：3
効　　果：相手は自分のカードを1枚選び、ダメージ計算後そのカードとこのカードを入れ替える

562 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/05(金) 08:49:26.90 ID:gTV5ZBe30

カード名：絶品炙りイカ
コ ス ト：0
パ ワ ー：4
効　　果：相手のカードのパワーが0だった時、このターンの戦闘ダメージは自分が受ける

563 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/05(金) 10:25:10.96 ID:cpyPYSm1O

加三のカードの価値次第ではドブがロストソウルになってしまう

564 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/05(金) 22:15:47.60 ID:TZp3+xuCO

駆け引きの増減効果が永続だから全パターン読むのは無理ゲーかな？

565 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 04:49:43.83 ID:aEXGu/vC0

勝手に>>552『ドブ』の効果は以下のものとして進めていました。
・『溜め』と『防御』は対象にできない。
・ドローした時点で効果が発動する。

後出しになってしまい申し訳ございません。
本編を再開します。

566 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 04:50:34.49 ID:aEXGu/vC0

加三「『ヒキヒキガエル』『ぶりっこ』『絶品炙りイカ』か……」



田中の『ドブ』！　このカードと相手のカードをドブに落とす！



田中（さて……相手のどのカードを落とすか、ここは迷いどころだな）

田中（『ヒキヒキガエル』は落とす意味のないカード。落とすとしたら『ぶりっこ』か『絶品炙りイカ』か……どっちもそこそこだなァ〜）

想像彼方A（『ぶりっこ』を捨てるべきだね。『絶品炙りイカ』は読み勝ちできれば完全に無効化できる）

田中（100%読み勝てることを前提にするな）

想像彼方B（『絶品炙りイカ』を捨てるべきだね。『ぶりっこ』みたいなコントロール変化系のカードは試合をややこしくして楽しいからね）

田中（楽しむのが目的じゃねぇし、そもそも処理能力の勝負に持ち込むのは得策じゃなさそうだよな……向こうの"結晶"のこと考えると）

田中（どっちのカードにも違った厄介さがあるな……）


高菜「田中先輩、考えてますね」

刀「捨てさせた後、『ヒキヒキガエル』の効果で加三が引くカードとの兼ね合いも考えると……いくらでも考えこめるからな」


田中（……ここはアレを捨てるか）



田中の『ドブ』！　このカードと相手の『〜〜〜』をドブに落とす！

田中の『ドブ』！　相手の高価な物をドブに落とす！

加三の『ヒキヒキガエル』！　手札を捨てる時、カードを1枚引く！



加三「ドロー！」ﾋﾞｯ



『ドブ』で捨てられる手札
↓1のレスのコンマが
00~49なら『ぶりっこ』
50~99なら『絶品炙りイカ』


加三の引いたカード
↓1

567 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/06(土) 05:42:24.16 ID:2c0Ig6Ty0

>>304「逆チェーンソー」

568 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/06(土) 10:22:30.35 ID:4g0QGUlx0

全カード噛み合って絶妙な均衡が生まれてる

最速チェーンソーには溜め2からの天罰2回で対応できるし、加三はそれに対して炙りイカで反撃もできる

569 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/06(土) 10:24:12.15 ID:dO3OIYlFO

デュエルディスクや引いたカードごとの高価かどうかの判定はしない感じなのか

570 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/06(土) 10:54:13.69 ID:4g0QGUlx0

ひょっとすると結晶も捨てちゃう？

571 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 23:53:21.01 ID:aEXGu/vC0

田中の『ドブ』！　このカードと相手の『ぶりっこ』をドブに落とす！



田中（彼方の読み合い偏重に同調するわけじゃないが……『絶品炙りイカ』にはどんな状況からでも対抗できるのは確かだ）

田中（その点『ぶりっこ』はコスト0パワー3というスタッツは……『防御』しても1ダメージ受けるし、『神の天罰』で不正でもこっちが1エナジー損する。どちらにせよ確実にアドバンテージを得られてしまう。そこが厄介）

田中（引き直しカードによってはそのアドバンテージが致命的になるかもしれない……ここは『ぶりっこ』を落とす！）

田中（それに読み合い勝負になるのは悪くない。こっから"アレ"が落ちるかもしれねぇからな……！）

田中「『ドブ』の第二の効果を発動！」ﾊﾞｯ



田中の『ドブ』！　相手の高価な物をドブに落とす！



高菜「！　これで相手のカードが何枚か落ちればより有利に……」

刀「いや、カードは落ちねぇだろうな。アルティメット寿司じゃんけんは他のカードゲームと違って前もってカードを用意する必要がないから、プレイヤー目線でカードを集める意味がない」

刀「完全にランダムにカードが排出されるから、カードごとのレアリティなんかも存在しなくてコレクターもほとんど居ない……だからカードに高価な値段が付くってことはほとんどありえないんだよ」

高菜「確かに誰かがカードを買ってる所なんて見たことありませんし……なんなら印刷用のブランクカードの方が価値が高そうですね」

刀「厳密にいえば『かめはめ波』とか値段が付くカードも一部あるにはあるんだが……今回は別に引かれてない」

刀「……けど、カードじゃなくて"アレ"は落ちるかもな」



田中の『ドブ』！　相手の『デュエルディスク』をドブに落とす！



加三「くっ……」ﾎﾞﾁｬｧﾝ


高菜「デュエルディスクが落ちた……っ！？　確かにデュエルディスクは超高性能・超高耐久・超軽量のウルトラメカ！　私が買う時もそれなりにお値段した『高価な物』！」

572 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 23:54:05.62 ID:aEXGu/vC0

高菜「デュエルディスクが落ちたということは……加三は試合続行不能、田中さんの勝ち！？」

刀「いいや、そうはならないだろう」


加三「……審判。一応確認だが、『ドブ』の効果は"落とす"だけ……その後拾ってもテキスト不順にはならない。そうだな？」

審判「その通りです」

加三「よし」ｶﾞｼｬｺﾝ


高菜（加三が拾ったデュエルディスクから泥を拭い去る。そして露わになったランプは、未だ煌々と輝いていた）

刀「お前も自分で言っただろ、超高耐久だってよ。デュエルディスクは完全防水！　あれぐらいじゃ壊れない」

高菜「そ、そうなんですか……」

刀「俺が言ってたのはデュエルディスクのことじゃない……あっちの方だよ」


加三「……最悪だ。シャツに泥が跳ねてしまったじゃないか」ｸﾞｲｯ


高菜（加三がシャツの襟首を伸ばす。そこからちらと見えた胸元には……）

高菜（大きな穴が空いていた）



田中の『ドブ』！　相手の『結晶』をドブに落とす！



田中「落ちたな……『結晶』！」

573 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 23:54:32.62 ID:aEXGu/vC0

田中「『結晶』……どうやらそれなりに金かけてたみてぇだなぁ」

田中「理屈は知らねぇが、その石ころがないとまともに戦えねぇんだろ！？　んなイカサマに金かけてっからこうなるんだよ、このみじめったらしい雑魚がァ！」

加三「……結晶にも、泥が付いてしまったな」ｽｯ

田中「はっ！　拾いあげてどうする！？　またくっつけんのかァ！？」

田中（できるわけがねぇ！　なんの設備もないこのフィールドで、そんな外科手術！）

加三「あぁ、そうさせてもらうよ」ｸﾞｯ

田中「……！？」

加三「はぁッ……！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

田中（アルティメット寿司じゃんけん力が奴の胸と結晶の間で弾けている……！　アルティメット寿司じゃんけん力さえあれば結晶を取り込めるのか！）

加三「アテが外れたみたいだな……敵の弱体化など願うなよ、このみじめったらしい雑魚が」ｼｭｳｳ

田中「あああぁ！？！？！？」

加三「というわけで、こっちのハズレにも期待するな……『ヒキヒキガエル』の効果発動！　ドロー！」ﾋﾞｯ



加三の『ヒキヒキガエル』！　『逆チェーンソー』を手札に加える！



加三「『逆チェーンソー』か……」

田中「名前に『かみ』があれば特殊勝利だぁ……？」

田中（また都合のいいカード引きやがったな、おい）

想像彼方A（でもやっぱりこれで完全な読み合い勝負になった。勝てるね）

田中（だから100%読み勝てることを前提にするな……でも、全体的にはちょっと不利くらいか）

田中「色々あったが……なら、まぁ……勝つな」

加三「……セット」ｽｯ

田中「セット」ｽｯ

574 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 23:55:01.60 ID:aEXGu/vC0

ターン[１]


田中『溜め』


加三『溜め』


田中のエナジーが[１]増える！

加三のエナジーが[１]増える！



田中

ＨＰ：[５]

エナジー：[１]

状態異常：『ドブ』→OUT


加三

ＨＰ：[４]（チェンジペナルティ[−１]）

エナジー：[１]

状態異常：『ぶりっこ』→OUT
『逆チェーンソー』←IN

575 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 23:56:24.77 ID:aEXGu/vC0

刀「1ターン目はお互いに『溜め』で確定……2ターン目からが読み合い！」

高菜「読み合いになるんですか、これ……加三が『溜め』3回するまで、つまり3ターン目までに田中先輩は4ダメージ与えることはできない……4ターン目に『逆チェーンソー』を出されて必敗では」

刀「いいや、田中先輩のリミットは3ターン目じゃない。4ターン目だ……『逆チェーンソー』の効果発動はそのターンの回収フェイズ時、ダメージ計算フェイズの後だからな」

高菜「なるほど……それなら『溜め』2回、『神の天罰』直撃1回、『神の天罰』対『逆チェーンソー』1回で……ぴったり合計4ダメージ！　『逆チェーンソー』の効果が発動する前に加三のHPを0にできるというわけですね」


加三（『逆チェーンソー』を使うために『溜め』たい……）

後輩（そこに『神の天罰』を直撃させて五分）

加三（それを『絶品炙りイカ』で防げたら勝ち）

後輩（それを『溜め』で空かせたら勝ち）

加三（そこでこっちも『溜め』れたら有利……）


高菜「田中先輩は勝ちか五分、加三は勝ちか有利……ちょっとだけ田中先輩が不利ですが、概ね五分の読み合いですね」


田中（僕の安定択は『溜め』……これなら読み負けてもまだ試合が続く）

田中（けど相手の安定択も『溜め』で、またどっちも『溜め』だとこっちが不利なんだよなぁ）

田中（さて、向こうは何で来るか……）


ブワッ


田中「……ッ！」

加三「読み合いをご所望のようだったが……無謀だよ」

加三「数ターンの短期決着、読み合いのみ！　この状況は『結晶』が最も得意とする状況だッ！」ｷｨｨｨﾝ

田中（このプレッシャー……彼方を思い出すな……！）

田中（……なら、いつも通りだ。僕はずっとあいつに勝つことを考えてきたんだからなァ！）

576 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/06(土) 23:57:27.43 ID:aEXGu/vC0

田中「短期決着か……その結晶、やはり消耗が激しいらしいな」

加三「だとしたら、なんだ？」

田中「んな石ころに頼るなんてよぉ……お前雑魚な上に、馬鹿だな」ﾂｰ…

加三（……！？　奴の目から血が……）

田中「魂と引き換えに力を得るなんざ……素手でもできるだろうが……！」ﾄﾞﾛｯ


ブワァッ


加三「！？」ﾌﾞﾜｧｯ

加三（アルティメット寿司じゃんけん力が跳ね上がった！？　奴が血の涙を流してから……いや、涙なんてかわいいものじゃない。あれはまるで血でできた隈取り、憤怒の化粧……！）



男「おい彼方、田中の奴、あれ大丈夫なのか……！？」

彼方「……僕は田中より強い」

男「ん？」

彼方「僕の方が大抵のことで優っている。読み合いはもちろん、盤外戦術だって僕の方が上手いし、詰めアルティメット寿司じゃんけんは僕が一級で奴は二級だ」

彼方「だが奴に唯一勝てない点がある。僕が僕のスタイルを貫くかぎり絶対に越えられないもの……"勝利への執念"」

彼方「時に男君。君はオーバーフローを経験したことがあるかい」

男「……考えすぎてフラフラになることだろ？　一応あるけど」

彼方「僕もある……が、このオーバーフローは誰でも経験できるものじゃない。ただ集中すればいいというわけじゃないからね。その才能がいわば自身に有害なレベルまで極まっていなくてはならない」

彼方「そして田中の執念は……その才能に直結した。魂と引き換えに力を得る才能を僕らよりも遥かに深く極めた」

彼方「大丈夫なのかと聞いたね……結論を言おう。"大丈夫じゃない"」



加三（なんというプレッシャー……だが、見るからに消耗の激しい力だ。このターンは結晶のパワーを落として安定択でしのぎ、次のターンで弱った所を仕留める！）ｽｯ

田中「逃げるのか」

加三「……！」ﾋﾟﾀｯ

田中「敵の弱体化など願うなよ、このみじめったらしい雑魚がァ！」

加三「ぐぅっ……！」

加三（私は、なんのために結晶を作った……なんのためにこの身に力を宿した！）

加三（ここは……↓１で行く！）



１．結晶のパワーを全開だッ！
２．結晶のパワーを落とす

↓１

（１、２のどちらかを選んでください）

577 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/07(日) 00:04:11.62 ID:emQOv8b/0

1

578 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/07(日) 07:17:53.42 ID:VdSea20/O

神とチェーンソーのぶつかり合いになるの熱い

579 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/08(月) 18:08:54.26 ID:nIzvxsjR0

久々に>>1のお気に入りカード聞きたい

580 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/08(月) 22:09:18.89 ID:ZA7U2Tw5O

刀伊和戦で途中1週間くらい更新止まったけど、>>1自身が答えまで辿り着けたのか気になる

581 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/09(火) 01:50:29.33 ID:sMbMTcs+0

加三（思い出せ……勝利だけを求めたあの日から、私の体は細胞一つに至るまで全て！　勝利のために存在している！）

加三「はぁ……っあああ！」ﾋﾞｷﾞｬﾝ

田中「！」

加三「全開だ……！　このターンで君を、折る！」

田中「……負けるかよ、てめぇみたいな遊び半分にィ！」ｺﾞｫｯ

加三「セット！」ﾊﾞｯ

田中「セットォ！」ﾊﾞｼｨｯ

582 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/09(火) 01:50:56.24 ID:sMbMTcs+0

ターン[２]


田中『神の天罰』


加三『溜め』


加三のエナジーが[１]増える！

[３]−[０]！

加三に[３]のダメージ！


田中

ＨＰ：[５]

エナジー：[０]

状態異常：なし


加三

ＨＰ：[１]

エナジー：[２]

状態異常：なし

583 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/09(火) 01:52:02.47 ID:sMbMTcs+0

加三「ぐあああっ！」ｽﾞｻｧｯ

加三（直撃を喰らった……攻撃された、攻撃！？　奴は『神の天罰』を出したのか！？）

加三（全開だった、本気だった……なのに、外した……）

加三「読み負けたのか、この、私が……！？」


ピシィッ


田中「はぁーっ……はぁーっ……」ﾌﾗｯ

田中（読み勝った……！　僕の"死力"は奴にも通じる……！）

田中（だが……！）

田中「ぐはっ……」ﾄﾞｻｯ

田中（この負担……！　彼方と大将決定戦で戦った時はこの負担のせいで連続で読み勝つことができなくて、負けた……）

田中（今回は次の読み合いまで1ターンの空きがあるが……それまでにもう一度"死力"を使えるぐらい回復できるか……？）


男「大丈夫じゃない、って……！」

彼方「ああ。あの"死力"……心身への負担がとてつもなく大きい。もし同じ試合で二度使うことがあれば、絶命は免れないだろう」

彼方「何ターンの休みがあろうと関係ない。だから複数回使用は禁止するよう言い伝えてあるが……画面越しにも伝わってくる田中のあの闘志！　おそらく僕の進言なぞ無視する腹積もりだろう」

男「……！　じゃあこのまま次の読み合いが来れば田中は……」

彼方「……次の読み合いが来れば、確かにそうなるだろう」

彼方「だがおそらく……次の読み合いは来ない」


審判「……続行不能と判断し、試合を終了します！」

584 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/09(火) 01:52:34.58 ID:sMbMTcs+0

田中「っ、続行不能！？　審判！　僕はまだやれ……」

審判「違います。続行不能と判断したのは……加三選手です」

田中「……！？」ﾊﾞｯ

田中（目線を加三に向けると……奴はそこに這いつくばって、顔を真っ青にしていた）


加三「ぐっ……がぁぁ……！」ﾄﾞｸﾝｯ

加三（頭が、割れる……っ！）

加三《『絶品炙りイカ』を出そうとしていたのに……》

加三《結局、『溜め』という安定択を選んだからだ》

加三「なんだ……！？　お前たちは、"私の思考じゃない"……！」

加三（『結晶』の……暴走……！？）


彼方「加三は致命的な失敗を犯した」

彼方「相手の全力に対し、消耗を厭わず全力で応える……なんて、田中が逆の立場なら絶対にしなかった。理由はもちろん、相手を一方的に消耗させた方が勝率が高いからだ」

彼方「加三としては田中の勝利への執念に張り合うつもりだったんだろう。しかしそれ自体が、勝利ではなくプライドを優先する行為だという矛盾！」

彼方「この矛盾は試合を左右するどころか、精神の破綻に繋がる……！」


加三（『結晶』は魂に感応し、糧とする……それが『結晶』の中で反響し……私の思考に逆流している！）

加三《勝利だけを目指すことができなかった。それが最後のアイデンティティだったのに》

加三「……っ！」ｽﾞｷｨｯ

加三《『負けるかよ、てめぇみたいな遊び半分に』》

加三「違うっ！　私は……！」

加三《『お前のもっとも卑怯なところは！　そうして自分を偽るところだ』》

加三「ぐあ……っ！」ﾊﾟｷｨｯ

加三（次の読み合いは試合を決する五分の読み合いだ、早くそのことを考えなくてはならないのに……！　『結晶』で向上した思考能力が未来に向かない！　過去だけを見て、私を攻撃し続ける！）

加三（何故だ、何故『結晶』をコントロールできない！？　たった一回読み負けただけなのに、覇佐美も伊和もこれくらいじゃ廃人にはならなかった！　何故私だけ………………）

加三（……そうか。私の『結晶』は最高純度！　だからその分反動が大きいんだ！）

加三《何故、私だけこうなるのか》

加三「やめろ……」

加三《なんで、僕だけこうなるんだろう》

加三「やめろ、認めるなぁ……っ！」ﾄﾞｸﾝｯ



加三《ぼくが、いちばんよわいから》



加三「ああああああああっ！！！！」


バキィンッ


審判「……ゲームセット！　勝者、田中！」

585 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/09(火) 01:53:31.41 ID:sMbMTcs+0

田中「……はっ、自滅かよ……」

田中（普通あれだけのアルティメット寿司じゃんけん力を持つ奴なら……一度の読み負けぐらい屁でもない。むしろ……追いつめられた時ほど、不敵に笑う）

田中「所詮付け焼刃……いや"付け焼石"。これに懲りたら素手で頑張ってみるこったな」

田中「……僕みたいによォ！」ｻﾞｯ


加三「う……うぅ……」

覇佐美「加三……あんたも、割られちまったな……『結晶』」

覇佐美「さすが奈鷹高校……まさかたった一戦で俺達全員の『結晶』を割ってくれるなんて……」ｽｯ

覇佐美「"おかげで手間が省けたぜ"」ｼﾞｬﾗｯ


バチィッ！


刀「！　あの光は……」

田中「！」ﾊﾞｯ

・・・

加三「はぁッ……！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

田中（アルティメット寿司じゃんけん力が奴の胸と結晶の間で弾けている……！　アルティメット寿司じゃんけん力さえあれば結晶を取り込めるのか！）

・・・

田中（あいつ、まさか……！）

田中「誰か……！　誰でもいい！　奴を止めろォ！」



——つづく——

586 ： ◆R39XEzWXr6 [saga]：2025/09/09(火) 01:55:17.51 ID:sMbMTcs+0

>>579
>>502『虫歯』がお気に入りです。
個人的に1コストのカードの適正パワーは2と3の間だと思っているので、こういうカードは丁度いいなと思います。（私個人が好ましいと思ってるだけです）
あと>>455も好きです。

>>580
>>528で伊和に言わせた通り、
伊和「2ターン目はお互いに『溜め』！　そして3ターン目は互いに『お買い物』を出し、先に効果を発動させた方が勝つ五分の運勝負……これが互いの最善！」
↑が私の結論です。一応全パターン書き出して確かめました。
あんまり自信はないのですが、自分と同じ労力を払ってまで反証しようとする人などいないであろうことを考えると、安心するやら寂しいやらで複雑です。