【シャニマス×ダンガンロンパ】シャイニーダンガンロンパv3 空を知らぬヒナたちよ【安価進行】Part.2

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421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 21:20:00.21 ID:uD+9iZD70
訂正、【勘違いだと思ったに】に【ガスボンベ】
422 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 21:30:29.31 ID:kWAPRyYk0

恋鐘「そがんわけがなか! 確かにガスボンベは床下に落ちとったけん、存在は知らんかったと思うばってん」

恋鐘「ガス漏れの匂いは尋常じゃなかよ、一度嗅いだら勘違いだなんて思うはずがなか!」

(うぅ……まあ、家庭科の授業のときとかでも嗅いだけど、刺激的で独特の匂いだったもんな……)

(勘違いってことは無いか……)

------------------------------------------------
【ノンストップ議論開始!】

コトダマ
‣【死体発見時の状況】
‣【3Dプリンター】
‣【ガスボンベ】
‣【空き教室(階段側)の血痕】
‣【空き教室の紙片】

恋鐘「儀式の手順を知っとったうちなら罠を仕掛けられるには確かにその通りたい」

恋鐘「でも、うちが霧子を殺そうとするわけがなかよ!」

恋鐘「大体、あんボンベの中の気体の鼻につく匂いがするとよ!」

恋鐘「部屋に入った瞬間に【ガス漏れに気づいて】……」

恋鐘「火をつけるのはまず避けるはずたい!」

透「凛世ちゃんは風邪を引いてて」

透「【鼻詰まりで匂いを嗅げなかった】んじゃない?」

灯織「ガスボンベのパッケージと中身が一緒である保証はありません」

灯織「犯人は【ガスボンベの中身を入れ替えた】のかもしれませんよ!」

愛依「空き教室にはガスなんか元々通ってないし」

愛依「匂ったとしても【勘違いだと思った】んじゃない?」

恋鐘「そがんはずがなかよ!」

恋鐘「そがんこつでガス爆発が起きるとなら」

恋鐘「こん国はそこら中でガス爆発だらけたい!」


【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

↓1
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 21:39:48.97 ID:on9ChTzd0
【ガスボンベ】>【ガスボンベの中身を入れ替えた】
424 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 21:41:53.57 ID:kWAPRyYk0

にちか「それだー!」同意!

【BREAK!】

にちか「真乃ちゃん、芹沢さん。今回死体を最初に発見したのは私たちだけど……その時にどうやって異変に気づいたか覚えてる?」

真乃「え、えっと……寄宿舎を出て、すぐに二人に出会して……儀式の結果がどうなったのかを確かめるために、みんなで一緒に階段を登ったんだよね」

あさひ「で、4階に近づいてきたところで……匂ってきたんっすよ。何かが焦げたような嫌な匂いだったっす」

にちか「その時にガスの匂いはした?」

あさひ「いや……してないっすね。ガスの匂いは刺激的だから、普通立ち込めてたら匂いには気づくと思うんっすけど……」

にちか「そうだよね。匂いはしなかった……そしてそれは操作の時も同じ。あの現場には全員が足を踏み入れてたけど、誰もガス臭いなんて言葉は口にしなかった」

樹里「確かにそうだよな……ガス爆発が起こるくらいに充満してるんだったら匂わねーはずがない」

愛依「そもそもガスって何で匂うの? サンタモニカ……? みたいに匂いのする気体なん?」

円香「……アンモニア、って言いたいんだろうね。多分」

霧子「家庭用のガスコンロで使われているガスは石油から発生するガスを一度液状化させてから、再び気化させたLPガスと呼ばれるガスだよ……」
425 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 21:44:14.96 ID:kWAPRyYk0

霧子「このガス自体に元々匂いはなくて、今恋鐘ちゃんが言ったみたいに……ガス漏れに気づくことができるように後から匂いがつけられているものなんだ……」

霧子「腐った玉ねぎさんみたいな匂いで……ツンとした匂いがするはずだよ……」

灯織「それはしなかった……ということはやはりガス漏れをしていなかったということで……」

にちか「ちがう! そうじゃないよ。幽谷さんが今言った通り、ガスの匂いは後からつけるものなんだよ?」

にちか「つまり、犯人自体がガスを生成してあのボンベに入れたんだとしたら……ガスの匂いがしなかった矛盾は看破できる!」

恋鐘「ガスを作るのなんてややこしかこつうちは出来んよ!」

にちか「いや、そんな難しい話でもないですよ……むしろ恋鐘さんだからこそ出来たはずです」

(ガスボンベに本来入っているはずの気体に置換して、恋鐘さんがガスボンベに入れた気体……)

(それを明らかにすることが、決定的な証拠になるはずだよ!)

------------------------------------------------

【にっちー危機一髪 スタート!】

ガスボンベの中に入っていた気体は■■■■■だった

メ モ ス レ ア
ン ニ ガ タ ヨ

【正しいワードで推理をぶちかませ!】

↓1
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 21:55:31.92 ID:on9ChTzd0
メタンガス
427 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 21:58:36.40 ID:kWAPRyYk0

にちか「とっておきですのでー!」解!

【ESCAPE!】

にちか「厨房のダストシュートボックス。あれは料理の残飯をどんどん投げ入れることで、微生物に分解してもらう仕組みになってるんですけど……その結果としてメタンガスが自動生成されるんですよ」

にちか「そしてダストシュートボックスは恋鐘さんの才能研究教室にも置いてある。一階と四階をパイプで一直線に繋いでいたんですよ。後はそこに溜まっていく気体を回収してボンベの中に詰めるだけ」

恋鐘「ちょ、ちょっと待たんね! そいだと匂いの問題がこっちでも発生するばい! 微生物が分解して発生する気体なら、生ごみが腐ったような匂いがせんとおかしかやろ!」

にちか「いや、メタンの匂いを分解するのはLPガスより遥かに容易です! 生活用品店でゴミ箱に取り付ける消臭剤と原理は同じなんです」

にちか「恋鐘さんはダストシュートボックスの通気口に茶葉を敷き詰めたフィルターを被せたんです。空気より遥かに軽いメタンガスが登っていく途中でこのフィルターを通り、茶葉に含まれる成分で匂いが解消されます!」

透「おっ、月岡家の食卓」

真乃「お茶の葉っぱに含まれるポリフェノールには匂いの分解をする効果があるので、部屋にメタンガスが充満していても気にならないぐらいのものに変わったと思います……っ!」

にちか「LPガスではなく、メタンガスに代替することで恋鐘さんはガス爆発トラップの実現に成功したんですよ……!」


【恋鐘「そいは問屋のおろさんね!」】反論!


恋鐘「な、なんねなんね!? そがんややこしかこつ並べ立てられてもうちには分からん!」

恋鐘「ダストシュートにそい……メタンガス? が溜まっとっても偶然ばい!」

恋鐘「うちが狙ってそいガスを貯めた証拠ばなかろうもん!」
428 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:00:15.51 ID:kWAPRyYk0
------------------------------------------------
【反論ショーダウン開始!】

コトノハ
‣【3Dプリンター】
‣【ガスボンベ】
‣【床下の小太刀】
‣【緑の物体】
‣【ルカの人形】

恋鐘「厨房と研究教室のダストシュートは繋がっとった」

恋鐘「確かにガスの溜まっとるかもしれん」

恋鐘「ばってん、そいを使用したかどうかは別問題ばい!」

恋鐘「うちはガスが溜まっとることにも」

恋鐘「気づいとらんかったけんね!」

恋鐘「なんも知らん知らん知らん〜〜〜!!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【発展!】

にちか「じゃあダストシュートのフィルターはどう説明するんですか!?」

にちか「あれは間違いなく、メタンガスの匂いを消すためのものですよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

恋鐘「そ、そいも知らんばい!」

恋鐘「うちん才能研究教室も誰でも入ることができたとやし」

恋鐘「別の誰かが工作に使った可能性もあるたい!」

恋鐘「それにうちはガスボンベの詰め替えなんて【専門的なこともできん】!」

恋鐘「自慢じゃなかけど、そがん器用さは持ち合わせとらんもん!」

恋鐘「うちはあのトラップとは無関係たい!」


【矛盾する発言を正しいコトノハで論破しろ!】

↓1
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 22:06:58.87 ID:on9ChTzd0
【ガスボンベ】>【専門的なこともできん】
430 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:10:41.10 ID:kWAPRyYk0

にちか「その矛盾、ぶった斬ります!」

【BREAK!】

にちか「確かにガスボンベの中の気体を入れ替えて、完全な形で再度パッケージングをするんだったら並大抵の技術じゃ再現はできません」

にちか「それこそ商品製造と同じぐらいの設備がいるでしょうね」

恋鐘「そ、そうやろ〜〜〜! やけん、うちにそがん真似は……」

にちか「そんな真似、する必要なくないですか? だって、ダストシュートに溜まってたメタンガスを、空き教室まで持っていければそれでいいんです」

にちか「おかしいなと思ってたんですよね。ガス漏れをさせるためならわざわざ容器に穴まで開ける意味ってないんです。噴出口のところを壊すとか、それだけで良かったはず」

樹里「……確かにな。中の容器と外との気圧差があるから、ちょっとでも隙間を作ってやればそこからガスが漏れたはずだ」

円香「ボンベの穴は、過剰だった……と」

灯織「では、あの穴の大きさは一体……?」

にちか「逆なんだよ。あの穴はガスが漏れ出るためのものじゃなくて、逆にガスが容器に入っていくためのものだったんだ」
431 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:12:49.51 ID:kWAPRyYk0

にちか「ガスボンベからはあらかじめ中の気体を抜いておいて、あの穴からガスを入れるようにしたんだ。それも難しいことじゃない」

にちか「メタンガスは空気よりも軽いから、穴を下に向けて、お茶っ葉みたいにフィルターにようにつっかえ棒させちゃえばいいんだよ!」

真乃「空気よりも軽いガスは自然にダストシュートの中を登っていって、下向きの穴の中に入っていくんだね……っ!」

にちか「蓋はガムテープをつけちゃえばOK。密閉させしちゃえばガスが漏れ出ることもないからね!」

円香「確かに、これなら専門的な技術がなくともガスをも移動させることができる」

恋鐘「そ、そんな……」

にちか「こうやって恋鐘さんはメタンガスを空き教室に持ち込んで、無臭でのガス爆発トラップの実現を可能にしたんです!」

愛依「匂いがしなかったらガスの存在に気づくことは不可能……儀式の最中に火をつけちゃうのは免れらんないよね」

灯織「この方法自体は誰でも可能ですが、儀式の手順を知っていたことに、仕込みの殆どが恋鐘さんの才能研究教室で行われていたところを加味すれば……最有力なのはやはり、恋鐘さんになってしまいますね」

恋鐘「くぅ〜……」

あさひ「どうなんっすか? 今のにちかちゃんの推理を認めるっすか、恋鐘ちゃん」
432 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:13:58.90 ID:kWAPRyYk0





恋鐘「…………認める、ばい」





433 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:14:53.98 ID:kWAPRyYk0

(……!)

恋鐘「にちかのいう通り、ガスボンベを床下に転がしたのはうちたい。霧子の儀式を妨害するのは、もう言葉だけじゃどうにもならんって思って……強硬策に頼るしかなくなってしもうたとよ」

恋鐘「ばってん……うちはガスの入れ替えなんかしとらん! ちゃんと匂いのするガスで、火をつける前に気付くようにしとったばい!」

円香「……何? それじゃ、あなたはダストシュートの仕掛けの一切に感知していないと?」

恋鐘「そうばい! あがんもん、うちの預かり知らんところで真犯人がやった工作ばい!」

(真、犯人……?)

恋鐘「うちはちょっと霧子を脅かすだけのつもりだったばい。儀式を今晩延期させれば、また1日説得のチャンスができる。だから、ガス漏れを起こしただけだったとに……」

恋鐘「他の誰かが、うちの転がしたガスボンベに細工を施したんよ!」

樹里「おいおい、どうなってんだこりゃ……まだ事件は終わらないってのか?」

(……違和感はちょっと合ったんだよね)

(わざわざ生徒会に潜入して、霧子さんの暴走を食い止めようとしている恋鐘さんの姿)

(それは最後までそばに寄り添い続けようとしている人の姿だった。どうしようもなくなって、こんな凶行に走るような生半可な覚悟には思えなかった)

(一度視点を切り替えてみたほうがいいかもしれない……)

(私は、私の推理を……恋鐘さんの殺意を、否定する……!)
434 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:15:58.42 ID:kWAPRyYk0
---------------------------------------------
【パニック議論開始!】

コトダマ
‣【ガスボンベ】
‣【死体の握っていた金具】
‣【円香の証言】
‣【消火シート】
‣【空き教室(中央)の燭台】

恋鐘「うちはガスボンベを床下に転がしはしたけど」
あさひ「メタンガスの回収に使ったダストシュートは」
円香「殺意はなかったと言いますが」

恋鐘「ボンベの中身を入れ替えるような【ちょこざいな真似はしとらん】!」
あさひ「厨房と恋鐘ちゃんの才能研究教室を繋いでた」
円香「ガス爆発なんか起きたら、どう足掻いても即死でしょ」

恋鐘「【匂いも残したまま】で、霧子が気づくようにしたばい!」
あさひ「他の人が仕込んだんだとしたら、途中で恋鐘ちゃんに気づかれないっすか?」
灯織「【瞬間的に酸素を消し去るものでもあれば延焼は防げる】かと思いますが……」

恋鐘「霧子が儀式の最中にガス漏れに気づいて」
樹里「確かに部屋の持ち主に気づかれずにあそこまで仕掛けを行うには難しそうだよな……」
真乃「【消火器】なんかも現場にはなかったよね……」

恋鐘「儀式を中断せざるを得ないような状況にしただけたい!」
透「お茶っぱで匂いが消えるってのも知らんかったし」
霧子「私は……信じたいな……」

恋鐘「凛世はもちろん……」
透「恋鐘ちゃんの知恵袋だ」
霧子「恋鐘ちゃんはちょっと脅かそうとしただけだって……」

恋鐘「霧子を殺す気なんか毛ほどもなかよ!」
甜花「ベストアンサー……甜花コイン、300枚進呈……!」
霧子「そこに、【悪意はなかった】って……」

【正しいコトダマで正しい発言に同意しろ!】

↓1
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 22:24:44.91 ID:on9ChTzd0
【消火シート】>【消火器】
436 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:30:43.21 ID:kWAPRyYk0

にちか「聞こえたー!」同意!

【BREAK!】

にちか「恋鐘さん……万が一に幽谷さんがガス漏れに気づかず火をつけようとした時の緊急対策の手段、あったんですよね」

恋鐘「……! に、にちか……!?」

にちか「……すみません。みなさん、ここまで議論をしといてなんなんですけど……恋鐘さんに幽谷さんに対する殺意があったとはやっぱり思えなくて、というか思いたくなくて」

にちか「それに、現場に残っていた証拠品を合わせて見返してみると……もしやって、思ったんです」

円香「……別に、主張がその時々で変わるのは議論の常。私たちはただ一つの真実に向き合おうとしているのだから、その道のりの仔細は問わないけど」

円香「それだけ言うんだったら、証拠はあるんでしょう?」

にちか「ええ、はい……幽谷さんがガス爆発に巻き込まれて最悪死んじゃってもいいってそんなふうに恋鐘さんが本当に思っているんだとしたら現場に残っているはずのないものがあるんです」

にちか「消火シートです! 実際の火事現場でも用いられているようなシートで、被せれば中と外を完全に断絶。酸素を絶やすことで消化を行うことができるものなんです」
437 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:31:46.61 ID:kWAPRyYk0

愛依「……ん? 酸素を絶やすって言った?」

愛依「そ、それって結局シートで包んだところで中の人を殺すことにならん?」

樹里「それに、どっちかっつーとそのシートは延焼防止だろ? それ以上燃えひろがないようにするだけで、中で体が燃えてちまってたらどうしようもなくねーか」

にちか「後から被せるような使い方をすれば、そうですね」

灯織「……どう言う意味? 後から被せるような使い方以外に、消火シートを使う方法があるって言うの?」

にちか「言ったよね。万が一火をつけてしまっても幽谷さんが無事に終わるための保険を恋鐘さんが用意していたって。つまり……火をつけたとしてもガス爆発の衝撃を和らげる手段ってことだよ」

透「え? でも空気中はガスで満ちてるんでしょ? 引火せずに火をつけるのなんか無理じゃない?」

恋鐘「そいはそいやけん……うちは霧子の火つけても、霧子が大火傷をせんための予防線を貼ったばい」

(恋鐘さんが貼った予防線っていうのは、私たちに自信満々に話してくれたあの奇策のことだ……)

【正しいコトダマを選べ!】

>>321>>323

↓1
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 22:33:25.09 ID:iN6KErhU0
【瞬間的に酸素を消し去るものでもあれば延焼は防げる】に【消化シート】
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 22:35:53.27 ID:iN6KErhU0
【儀装束】
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/10/18(水) 22:36:07.27 ID:on9ChTzd0
【儀装束】
441 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:38:19.68 ID:kWAPRyYk0

にちか「これだー!」

【解!】

にちか「儀式の時に幽谷さんに身に纏うように促した装束。あれが消火シートを縫い合わせて作ったものだったんですよね?」

霧子「えっ……?! 恋鐘ちゃんが着せてくれた……あの服が……?」

恋鐘「にちかの言う通りたい。あん時にうちが用意したのは、消火シートを撚り合わせて作った火を通さん儀装束」

恋鐘「火をつけた途端に爆発が起きたとしても、その熱は防ぐことができるし、周りから霧子に燃え広がることもなかろうもん」

樹里「……なるほどな。確かに恋鐘の作った装束を霧子は儀式の時に着ていたはずだ。あれがあれば、真正面から発生する炎には耐性があり、少なくともあんなまっ黒焦げの焼死体にはならなかったろうぜ」

恋鐘「うちは霧子に考えを改めて欲しかっただけ……死んで欲しいなんてこと、微塵たりとも思っとらんばい!」

あさひ「うんうん、恋鐘ちゃんの気持ちはよくわかったっす! 霧子ちゃんは大事な大事な友達だから死んでほしくなかったんっすね!」

恋鐘「あ、あさひ〜! うちの気持ち、わかってくれたばい〜?」

あさひ「はいっす、恋鐘ちゃんの思いはよくわかったっすよ」



あさひ「でも、その装束は霧子ちゃんの分しか無かったから、凛世ちゃんは死んだんっすよね」


442 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:43:04.09 ID:kWAPRyYk0

恋鐘「……ふぇ?」

あさひ「恋鐘ちゃんが霧子ちゃんに殺意がなかったのはよーく分かったっす。でも、結果はそうじゃない」

あさひ「恋鐘ちゃんのトラップにかかったのは、霧子ちゃんじゃなくて凛世ちゃんの方っすよね」

あさひ「凛世ちゃんが儀式を実行するなんて想定外だったからしょうがないっすよ」

あさひ「恋鐘ちゃんの殺人は、意図せぬアクシデントだったんっすね!」

円香「今の装束の話は、恋鐘さんの殺意を否定するだけのもの。二人の間の信頼を取り戻すには足りましたけど……彼女の仕掛けたトラップを否定する材料ではない」

円香「むしろ、彼女は装束を制作していたが故に……爆発自体に手心は加えていなかった」

樹里「なんの備えもしてねー凛世はモロに爆発を浴びちまったわけか……」

真乃「空き教室には消火器も、水っ気も何もなかったので……体に火がつけば最後、消し炭になるまで燃え続けてしまう……」

恋鐘「う、うち……が……?」

恋鐘「うちの仕掛けたガスボンベで……凛世は本当に、命を落としてしまったばい……?」

(……これが、推理の行き着く先)

(そんな気は無かった、その一言で片付けられるほど真実というのは単純なものではない)

(人の命がかかったこの裁判は、事実だけがすべてなんだから)
443 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:44:48.87 ID:kWAPRyYk0

恋鐘さんはすっかり魂の抜けた人形のように項垂れて、何も喋らなくなってしまった。
ガスボンベを仕掛けたこと自体は彼女も認めてしまった。
もはや、杜野さんの死はそのまま彼女の肩にのしかかる形だ。

透「でも、自業自得みたいなもんだよね。殺す気は無かったとはいえ、霧子ちゃんに刃向かおうとしたのは事実だったわけだしさ」

円香「浅倉、あんた……」

透「いんがおーほー、余計なことするのがダメじゃんね」

円香「霧子……っ! あんた、こんなことを他の連中に言わせて平気なの?!」

霧子「……」

霧子「透ちゃん、今の言葉は……ごめんなさい、しようか……」

透「ごめんごめん、つい言い過ぎた」

円香「せっかく、恋鐘さんも、凛世も、甜花も……危ない橋を渡って生徒会とぶつかってくれたのに」

円香「これじゃ……意味がなかったみたいじゃない」

甜花「あ、あぅ……」

事件が終末の形を見て、私たちは再度生徒会との対立構造を取り戻した。
一時的に取り戻していた協力関係はぷつりと途絶え、再び憎悪と不信の目を向け合い始める。
444 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:45:32.56 ID:kWAPRyYk0

(恋鐘さんの覚悟……幽谷さんには、届かなかったのかな……)

冷酷な真実のやるせなさに、思わず首をもたげる私。
その斜めに滑る世界の中で、おかしな色をみた。

そこにいた少女の瞳は、青く澄んでいた。
この場にいる誰しもが、鎮痛な無力感に打ちひしがれているというのに、彼女だけは直立して愉悦に身を浸しているようで。



あさひ「これが事件の真実なんっすね、にちかちゃん」



____私の方を見て、静かにせせら笑っているのだ。

445 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:47:00.55 ID:kWAPRyYk0

にちか「ちょっと待ったー!!」

気がつけば私は絶叫していた。体中を駆け巡った虫唾に通せん坊をするために、神経回路に急ぎ電流を走らせる号令を挙げた。
他のみんなはきょとんと目を丸くして、私の方を見る。

もう、止まっちゃらんない。踏み切ってしまったなら、もう最後まで行くしかない。

にちか「まだ……まだです! この裁判は終わらせるわけにはいきません!」

愛依「ちょ、ちょいちょい!? 何!? 今もう終わるカンジだったじゃん!」

にちか「勝手に終わらせないでくださいよ! 私の主張……言ったはずですよね? 恋鐘さんに殺意はなかった……そんな人物をクロにするわけにはいきません!」

灯織「にちか、気持ちはわかるけど……事実が恋鐘さんの有罪を指し示してるんだよ」

灯織「ガスボンベを仕掛けたのを恋鐘さんが認めている以上、それは受け止める他ないって。だって消火シートを元にした装束は霧子さんが身にまとう一着しかなかったんだよ」

にちか「そう! そこ……一着しかなかったんだよ! だからこそ私たちはまだ……話し合わなくちゃダメなんだ!」

にちか「その一着が何にどう使われたのかを、慎重にね!」

あさひ「……ふーん」
446 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:48:08.44 ID:kWAPRyYk0

真乃「霧子ちゃん、儀式は中止になったけど……その装束はどうしたの?」

霧子「儀式の際に着るように恋鐘ちゃんに言われたものだったから……装束はそのまま儀式の現場に残してきたよ」

霧子「普段から着るには少し厚手だったから……翌日に回収しようと思って……」

(やっぱりそうだ……あの装束は事件当時にも現場に残っていた)

(じゃないと……あの事実と矛盾するんだもん!)

樹里「なんだよ、にちかは何が言いたいんだよ!」

にちか「みなさん、もう一度この装束を中心に儀式のことについて議論してみませんか」

にちか「そのことで改めて見えてくる……新しい真実がきっとあるはずです」

にちか「お願いします!!」

(恋鐘さんを庇うためとか、そんなんじゃない)

(まだ真実はきっとその全てが見えてはいない……いやむしろ)


あさひ「……あはは」


(私たちは、真実に見せかけられた何かに辿り着いただけなのかもしれないから……!!)

447 : ◆vqFdMa6h2. [saga]:2023/10/18(水) 22:49:53.13 ID:kWAPRyYk0

キリがいいところなのでここまで。
明日も出来そうだったら同じ時間から更新します。
それではお疲れさまでした……
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/11(月) 09:07:28.43 ID:nmibzZU40
これ普通に楽しみにしてるけど、もう更新されないんですか…?
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/12/30(土) 13:36:50.11 ID:fExQCy/s0
面白いと思って楽しみにしてたので、エタった(死語)のは残念です
450 : ◆vqFdMa6h2. [sage]:2024/01/03(水) 09:00:29.80 ID:qzDKKGPM0
更新をしないままに年を跨いでしまって申し訳ないです。
安価がこれまでのシリーズのように回らないので進行を簡略化していましたが、自分自身のモチベーションが維持できませんでした。
https://www.pixiv.net/novel/series/10537993
外部サイトにはなりますが、pixivの個人アカウントの方で3章の最後までは投稿しましたので、よろしければこちらをご覧ください。
4章も制作中ではありますので、気長にお待ちいただければ幸いです。
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/01/03(水) 13:02:27.77 ID:l/YwEeLC0
>>450
pixivの方で更新されてたので見に来たのですが、そういう事だったんですね
今後はpixivで楽しみに読みます
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