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やる夫が正史を書くようです６３
- 817 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/25(木) 01:57:56.31 ID:FPoyQJuC0
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／i ,.-‐''"´ ＼ i＼
l ＼＿／ ＿,, ,,＿ ヽ､＿／ l >>815と>>816は抜けてたぶんの修正でお願いします。
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ヾ＿,;;;l , , , l;;;__ジ マウスの調子も悪いしボロボロや。
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l .￣￣￣￣￣ .l 寝よ
` ､ /⌒⌒i /⌒ヽ /
`/ | | ＼ ／
- 818 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/25(木) 17:05:26.60 ID:/LKRJpbl0
- おつ
- 819 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/25(木) 17:31:41.60 ID:TZvZpmqI0
- 乙
劉裕も劉備に似て初期メンバーには甘い所あるなあ
- 820 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/25(木) 18:23:05.89 ID:d3vDKhWg0
- お疲れ様でした。劉裕の建武将軍は、晋の再興を期待された任命だったのでしょうか。
……この時点では。
- 821 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/25(木) 19:13:55.60 ID:bSBA8wzC0
- 乙です
劉裕無双はじまる！
- 822 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします ：2025/09/25(木) 22:34:23.85 ID:lVFJBfIso
- そういえばそろそろ范曄生まれた頃か
- 823 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/26(金) 19:29:29.17 ID:iB/YZDNB0
- 乙
魏～東晋まで内も外もずっと劉氏に悩まされるのは
漢から禅譲した曹丕せいで漢の亡霊に呪われたのかねえ
- 824 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/26(金) 23:46:11.92 ID:krYM+eEZO
- 始皇帝の秦がコケた後、400年劉氏が皇帝を代々やってきたという実績がありますからね
本当に劉邦の子孫か定かではないド末流の劉備や（さすがに姓を偽ってはいないと思う）
先祖がどこかで劉姓を名乗る許可or黙認をもらっただけの劉淵・劉聡が
ワンチャン賭けて「漢の皇帝」を名乗れるぐらいにはネームバリューがあったのは事実
- 825 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:38:47.04 ID:7gk7/D3r0
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| | ＞:´|､ - ,|`:＜ .五胡十六国時代というが、
| | |::::::::| ＞ イ |::::::::| 五胡に数えられない異民族も存在するのを御存知だろうか？
| | ＞-､＼! !／::,-＜
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- 826 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:39:22.70 ID:7gk7/D3r0
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／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
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: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 今回の本編で紹介した楊佺期の死に際して、
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 『晋書』『楊佺期伝』は弟の楊思平、従弟の楊尚保ら一族の者は蛮へ逃れたとする。
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: この唐突に出てくる蛮とは何者だろうか？
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
,iii;;:;:iii;:;:;:;:i;:i;:;:!;:!;:;:;:;:､
,iii;:;:;:;:iii;:;:;:;:i;:i;:;:!;:!;:;:;:l;:;:ヽ.
r';:;:;:;へ:;:;:ヾ;:;:;:;彡" ヾ:;:;:;:;ﾞi,
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蛮というのは、 ﾞ!;:;ﾞi''=z::;;_ﾉ |_､;;;;::z=''` ﾞ!;:;:;:;ミ
荊州周辺の山地に住み着いた荊州蛮・雍州蛮・豫州蛮を指す。 .ﾞ!,:i "ﾞ'='ﾞ ﾞi, '､´ﾞ'='｀ﾞ i.iと,iﾞiﾞ
..i, | ,r' i-'";iﾞ
いつの頃からか勢力を広げて略奪を行い、 .ﾞi, L - i ,i.i;:;:,iﾞ
犯罪者や未納税者の逃亡先になっていたのだ。 ﾞi, ,r‐ー- ､ヾ ,i.lﾉﾘ
ﾞi, ￣~ ／,.ﾍ
南蛮校尉は蛮を統治するために存在する .,<`' ､＿_,,,,,.イ ,r' .〉､
,､;;;''ﾞj `-､ ,､‐'` ,':::::`i''ー-:､､＿
,､-,､ﾆ,､'`/;;;;;;;,i ,i'”~ij~"'ﾍ. ,':::::::::i''ー-:､､＿~"''-
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- 827 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:41:34.55 ID:7gk7/D3r0
- 【蛮について＠『魏書』『蛮伝』（大意）】
┏───────────────────────────────────┓
蛮の種類は恐らく盤瓠の後裔で、今に至るまで叛服が習俗となっていたと前史にある。
長江と淮水の間に在り、
険阻に依託し、部落を蔓延らせて数州に広がり、
東は寿春に連なり、西は上洛に通じ、北は汝南・潁川に接して多く存在していた。
┗───────────────────────────────────┛
''';;''';;';';;'';;;,.,
''';;''';;';'';';''';;'';;;, ﾊﾞｰｶ
;;''';;''';;';'';';';;;'';;'';;;;
;;'';';';;';;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;; ﾊﾞｰｶ
ﾊﾞｰｶ ,.- ; ,.- ;,.- ;,.- ;,.- ; ,.- ;- ;,.- ;.-;- ;
,. ｰ- 、 ,. ｰ- 、,. ｰ- 、,. ｰ- 、.ｰ- 、 ,. ｰ- 、 ／⌒＼
／￣ ヽ, ／￣ ヽ, ／￣ ヽ,￣ ヽ, ／￣ ヽ,ツ{p ,-､ q}ﾐ＼ ＜ ﾊﾞｰｶ !!
バーカ ／￣ ヽ, ／￣ ヽ, ／￣ ヽ,￣ ヽ, ／￣ ヽ, ／￣ ヽﾘ. `=' ',.^ヽ＼
／￣￣ ヽ, ／￣￣ ヽ, ／￣￣ ヽ,￣￣ ヽ, ／￣￣ ヽ, ', ,二二.)
/ ／￣￣ ヽ,. ／￣￣ ヽ, ／￣￣ ヽ,￣￣ ヽ, ／￣￣ ヽ, ／
{0} /'/ ',./'/ ',/'/ ',. / ',
ｌ ヽ{0} /¨`ヽ {0}, {0} /¨`ヽ {0}',.{0} /¨`ヽ {0} /¨`ヽ{{0} /¨`ヽ {0}', バーカ
バーカ| ｌ ヽ._.ノ ｌ i ﾄｪｪｪｲ ｌ.ｌ ヽ._.ノ ',ヽ._ノ ｌ///ﾄｪｪｪｲ/// ',
. ／´ ﾘ ｀ー'′ ヽ ｀ー'′ ﾘ ｀ー'′ !.ー′! ｀ー'′ !
／´ ｀＼ ／´ ｀＼ / ｀＼
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 蛮は後漢初期から荊州各地で反乱を起こしていたのが確認できる。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } ただ、彼らについての記録は、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 『魏書』『蛮伝』と『宋書』『夷蛮伝』に詳しい。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 彼らの存在が問題になったのが、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ ちょうど北魏と宋の建国時期と前後したためだろう
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 828 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:43:24.94 ID:7gk7/D3r0
- ┏──────────────────────────────────────┓
魏氏の時代はたいして患いにならなかったが、
晋の末に至ると次第に繁栄し始め、ようやく寇暴を行った。
劉淵・石勒の乱の後、
諸蛮の族類は忌憚無く北遷して陸渾以南の山谷に満ち、宛・洛は蕭條として廃墟になった。
┗──────────────────────────────────────┛
', /黄 ｀ヽ､ /
', / ｀ヽ､ _,,,,,,-‐'′【河内郡】
', ○粟邑 / ｀‐-‐´ ,-‐'´
', / 河 〇安邑 ○垣 ○野王 _,-‐'i´
） ,' ○解 ,,,..-‐- ､,,,_ 河橋 温 〇懐_,,,-‐'´ ｀-､
,''´ 【馮翊郡】 ,' ,,／ 邙山▲ -､,,_ ○ ○ ＿,,,-一'´ 【滎陽郡】 l
'、 ｌ ○蒲阪 大陽○,,-‐'´ 【河南郡】 洛陽〇河陰~´ 成皋 ○滎陽 !
ヽ, ） 入 _,,,,...-一'´〇陝 ○十三里橋× ○ 〇偃師 ○ ○ ○倉垣
｀~´ 渭水_,,,,,...---‐‐''´×潼関 ‐'○湖○ 新安 ○ 〇緱氏 ▲ 中牟
〇渭城 ,,,-‐'´´ ○華陰 弘農 ○ ○宜陽 河南 ＿,,..-‐- ､嵩山○轘轅 【陳留国】
,--‐‐'^´ 〇 ▲ 澠池 ○ (´ ○輪氏 ｀､ ○密 ,／
〇長安 〇隠盤 鄭 華山 新城 ｀`'''‐-､,,_ ｀‐-‐'''´´ ｀~~`ヽ､
○覇上 【弘農郡】 ●陸渾 ○梁 _,) 〇陽翟
【京兆郡】 ,,,_ ,ィ´ 【潁川郡】 ○許昌
／￣￣ ヽ,
/ ',
{0} /¨`ヽ {0}.',
ｌ ヽ._.ノ ', 最近このあたりに住む漢人が少なくなったな。
ﾘ ｀ー'′ '
／⌒ r^ー-──'⌒ヽ 土地を使わないなら俺たちでもらおう
（ ､ `ｰ───-､ |
ヽ､ ｀ー──^-､ /
ﾉ｀ー───-' /
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .陸渾はもう司隷・司州に位置する。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 長江・淮水の間から、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .宛や洛陽の近くまで蛮が横行していたわけだ
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 829 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:44:19.18 ID:7gk7/D3r0
- 【蛮について＠『宋書』『夷蛮伝』（大意）】
┏────────────────────────┓
荊州蛮・雍州蛮は盤瓠の後裔である。
部族によって部落を分けて建て、諸郡県に広く居住した。
荊州に南蛮校尉、雍州に寧蛮校尉を置いてこれを領した。
┗────────────────────────┛
／￣￣ ヽ,
/ ',
{0} /¨`ヽ {0}
ｌ ﾄｪｪｪｲ ', ちなみに盤瓠というのは、
ﾉ ｀ー'′ ', 古代に敵将の首を噛みちぎって帝の娘を妻にした伝説の犬だぞ
/,, -ー ､ , -‐ ､
（ , -‐ '"
`;ー" ` ー- -ー;'"
l l ,..::::´:::::::::::::: :｀:ヽ、
,ｒ´:::::::::::::::::::::::::: : : : :.
／::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : :',
了::::::::::::::::::::::::::: : : : : : : : l
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ｌｨ::::lヘ:へ::|::::::::::::::::::::::::::::::「
＼ﾄ､(ヽ::::|:::::::::::::::::::::::::::rﾉ
『捜神記』や『後漢書』『南蛮伝』に載る話。 ヽ´::::|::::::::::::::::_;､::ﾙ′
｀ ‐lイ::::::::::ヽ
犬の子孫とされるのもなかなか酷い話である ./⌒ヽ､::::ヽ
|::::::::::::::｀¨´!
|::::::::::::::::::::::|
|::::::::::::::::::::::|
ヽ__;:---─ﾍ
ヽ::::::::;､::::l´
|:::::| |::::|
|:::::| |::::|
｀ ´ ｀ ´
- 830 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:45:05.93 ID:7gk7/D3r0
- ┏───────────────────────────────────────┓
蛮民で服従した者は、一戸当たり数石の穀物を輸送するのみで、それ以外の雑調はなかった。
宋民は賦役が厳苦だったため、
貧しい者は繰り返される命令に堪えられず、多くが逃亡して蛮へ入った。
┗───────────────────────────────────────┛
∩＿＿＿∩
| ノ u ヽ
/ ● ● |
| u ( _●_) ミ
彡､ |∪| ､｀＼ 近頃お上の税の取り立てが厳しいから逃げてきたクマ。
/ ＿＿ ヽノ /´> )
(＿＿＿） / (_／ 蛮の民になれば税金取られないって本当クマか？
| /
| ／＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
／￣￣ ヽ, ／￣￣ ヽ,
/ ', / ',
.{0} /¨`ヽ {0}, {0} /¨`ヽ {0} ,
税をほとんど取られないのは本当だ ｌ ヽ._.ノ ', ｌ ヽ._.ノ ',
／ ￣￣ ヽ｀ー'′ , ﾉ ｀ー'′ ／ ￣￣ ヽ､
近頃こういうの増えたよな / .i / .i
| {0} /¨`ヽ、 ／¨`ヽ {0} |
人が増えると食糧が不安だな | ト､.,＿i .i＿_,,.ノ |
ﾉ ー'／ ￣￣ ヽ､, ／ ￣￣ ヽ､ |
/ .i, / .i
近くの郡県へ奪いに行くか | {0}、 ,.{0} .|
| |_i i_| |
- 831 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:46:06.04 ID:7gk7/D3r0
- ┏──────────────────────────────────────────┓
蛮に労役は課されず、
強者は官税すら納めずに結党して数百から千人の集団となり、力の弱い郡県においては盗賊となった。
蛮の種類は数多く、戸口を知るのは不可能である。
┗──────────────────────────────────────────┛
.,,_ _,,=-､
'､ ￣_ _.,! __ .r-,. ＿ r －､
_/ _!」 .└ ､( `┐ .,,=! └, !､ .ヽ ヽ 丿
（. ┌-'( ヽ~／￣￣ ヽ, r' r.､'' r' .／
゛,ﾌ .,. | ｀j ../ ', ヽ | .l '､ヽ、
,,-.' , 〈.| | i' {0} /¨`ヽ {0} {,＿ノ ヽ ｎnm
､_ﾆ-一''~ ヽ | ＼ｌ ﾄｪｪｪｲ ', } ） /ﾉ
ヽ__,/ ﾉ ｀ー'′ ',''''''''''''″ ( ﾉ
／´ ｀＼ i |
／ ／ヽ ﾉ＼ ＼ | |
／ ／ ｜ | ＼ ＼ | |
,..u´／ i i ＼｀u.、| ／￣￣ ヽ,
／￣￣ ヽ, ／ ﾐﾉ ） （ ﾍミ. ＼ / ',
/ ', ／ ／`´ ／ 、 , ＼ `i'＼ ＼ {0} /¨`ヽ {0},
,､{0} /¨`ヽ {0},,／ ／ ／⌒ヽ､' ／ヽ＿＿_ノ ＼ ＼ ﾉ | ＼ ＼ｌ ﾄｪｪｪｲ ',
ﾉ/i ﾄｪｪｪｲ ' イ ／ ／⌒l ｜ ／ ＼ ヽ 〈 | ＼ﾉ ｀ー'′ ,'
（ ) ｀ー'′ `ー' ／ | ｜） （ / ） ￣￣ ヽ
i' | ゝ γ ﾉ Ｌl、 l / ノ ／ヽ |
| ヽ⌒ ヽ＿＿＿_|＿＿）__ｒ⌒ｌ l⌒i＿＿,..!-'一´ ／ ＼＼
ゝ.ﾉ／＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_| |＿＿＿＿＿＿,. -―――――‐イ ｃｌ_ｌ_iゝ
- 832 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:46:44.74 ID:7gk7/D3r0
- ┏───────────────────────────────────────────┓
所在は多くが深険の地に在り、
武陵郡に居住する者は、雄谿・樠谿・辰谿・酉谿・舞谿にいたために五谿蛮と呼ばれた。
江北の宜都郡・天門郡・巴東郡・建平郡の蛮も皆が深山重阻に居住し、人跡が至る事はほぼなかった。
前世以来、何度も民の患いとなっていた。
┗───────────────────────────────────────────┛
樊城
○
○
襄陽
丹楊【建平郡】
,_,､○巫○ 信陵 ○長坂
´ ~´ ｀~ヽ-○西陵 ○当陽 夏口
ヽ○ 江陵 ○,/ヽ‐i,_
【宜都郡】 !---_,○ ,､/ ○ ~!,_
夷道○ ○´‐i _,,-｀ 武昌 ヽ,
楽郷 ○!‐‐-ｯ／"○陸口
,､公安/‐´|○巴丘
/ """ 丿
【武陵郡】 ヽ, ﾉ"
"ヽ‐i,_/
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 五谿蛮といえば、
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 沙摩柯を思い出す読者諸兄もいるかもしれない。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j ただし、『三国志』『先主伝』には武陵の五谿の蛮族としか記述がない。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 実際に沙摩柯の名前が出るのは『三国志』『陸遜伝』である
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 833 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:48:23.41 ID:7gk7/D3r0
- ┏────────────────────────────┓
豫州蛮は廩君の後裔であり、盤瓠及び廩君に仕えたと前史にある。
┗────────────────────────────┛
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ .廩君は古代の巴人の指導者で、死後に白虎になったという伝説を持つ。
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ
＼ヽ､ ＿ , イ!::/ 巴と豫州では随分と離れているが、
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: .舟で長江を下って移住したのだろうか？
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ / ＿＿) ﾉ＿__人
rrー‐ｧ'´￣＼＿ ＿ ヘ、
. ___}⊥//⌒ﾄ､ ￣￣￣＼ く
. /￣ ＼{ { } } }ｰ一'⌒＼ ヽ}
| i⌒ヽ ＼￣ ／￣＼＿__ ＼ |
| 乂,ノ /￣￣／二ｿ }=ﾐv―く〔
人＿__／l //r弋抜 ＼{ /ヽ |
|ﾐ}￣| ＿_＼ ｰ冖＾ | ＾ｿ} |＼_
＼___|ﾚ'´x伐} } | lo__ノ ﾉ ＼＿r―､
＼宀^| ┐ ｌ | ∨ﾊ＿}Т__ ヽ
僕らの遠い祖先でもある ヽ ｀ｰ'__ -- / ／ /∧ ＼_) }
. }＼ └‐' ,ノ / / /∧∧＼＿＿／
. ＼＼ ￣ _/ / // /∨ ＼_ ＿＿_
￣＼__ ィ〔/ / //⌒V} ／￣ ￣／ ,ハ
{＼j_/ │ l{ し' }/／ / ／ l
／＼ ＼ | 乂__,ノ / / |
＿／ovﾊObo(‐ |＿／O｡、 / / |
成 皇帝 李雄
- 834 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:49:28.53 ID:7gk7/D3r0
- ┏─────────────────────────────┓
西陽にある巴水・蘄水・希水・赤亭水・西帰水から五水蛮と呼ばれた。
┗─────────────────────────────┛
￣￣○ｰ､ { ＿,.-‐'´
項 ｀}_ } 下蔡 ＿_／
葛陂 ｀ｰ-{ ○ ﾉ 涂中
○ 新蔡 ｀ｰr‐'￣ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´￣ ○東城 .／
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 ／○姑孰
｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣ ○安豊 ○合肥 ○＿_{
○新野 ○弋陽 |
●西陽 ○六安 横江○.|○牛渚
○鄧城 【弋陽郡】 .}￣ｰ'￣} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ ｀ｰv'○東興 .／○于湖
￣○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ ｀ーr―'○"○蕪湖
襄陽｀} ｀ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 赭圻
} 'ｰ, ∧∧∧∧ r'
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|＿_ 石陽○ ｀ー-, ∧∧∧ 皖城○ _,.-‐'
.長坂○ | ＿＿＿＿＿＞-―‐､ ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○＼_ |
. ￣￣ヽ＿ﾉ 夏口| 武昌 .￣| ○尋陽 ＿r‐'´
＿＿_/ ヽ ＿/
.￣7 'ｰ-､＿＿＿イ
-― -―‐_ ○江陵 ／
. ○楽郷__） _,.__ ＿r‐'○陸口
○'ー'´￣ | ／
公安 ｀ヽ r'
＞'○巴丘
- 835 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:50:56.51 ID:7gk7/D3r0
- ┏───────────────────────────┓
所在はいずれも深岨な地にあり、
部族による集落は勢い盛んで代々盗賊となった。
北は淮・汝に接し、南は江・漢を極め、土地は四方数千里だった。
┗───────────────────────────┛
|｀ヽ、
|::::ヽl
|:::::ｌ |
／￣￣￣＼ |:::::ｌ |
/ ヽ. |:「￣
/ {0} /¨`ヽ}0 | /⌒_）
/ ヽ._.ノ } ノ ﾉ ヒャッハー！！！
_＿. }､. ｀ー'′ ､｀ /
（⌒ ////////／Ｗ＼;|_,,,ノ
""''''''/////////ＷＷＷﾐ
/////////WWWWWﾐ /ﾌＹ ヽ
/////////WWWWWWﾐ /(>)(◎) ヽ
/////////彡 ￣＼Wミﾐ ＿ ／⌒｀´⌒:#;; ＼
＼＿ |/ | -）＿＿＿（-、 |
_ノ ＼＿＿_） .__ |#； |!!il|i|!li| ｌu.|
（ _／ 山賊だっていう！ .／ ＼ ･｀⌒´ ／
|＿ノ 〈_／＼ .`ijｰ─‐'" ＼／゛〉
） ／＼__／
/ ＿ ／
三 ／ __ ヽ
三 ! /r .）
ヽヽ _／
- 836 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:52:00.24 ID:7gk7/D3r0
-
_...._
_,.-':::::::::::::｀ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
＿＿ ／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
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ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
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,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼ ';:::|
/ | |｀ﾄ ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
l ﾄ ﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
｀ﾊ_|ヾ 弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーｲ l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l 何故東晋末期になって蛮の勢いが盛んになったのか？
rヽ ､ lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー-- :::＿:ﾉ
ﾍ ヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀ 史書の記述から考えるに、
,ﾚ-'⌒:､ ヽ:::::::::::ヽ- 、 永嘉の乱以来人口の少なくなった豫州へ蛮が移住した事。.
,. -‐､ ヽﾆ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ﾍ
,r'::::.,.-' ｒ'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ .そこへ重税に苦しむ東晋・宋の民が流入した結果だろう
/:::::/ | l::: ｀ ヽ､_ ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ､__,. ､ ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | ｜ | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ．__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
｀ ｰ- 一 ﾍ |::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀
- 837 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:52:47.86 ID:7gk7/D3r0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 蛮の住む荊州・豫州の山地は漢人には理想郷だった。.
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ
＼ヽ､ ＿ , イ!::/ .税を納める必要がない環境は、
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l: .いつの時代も天国なのだから当然だ
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
､丶`｀￣うぅｈ､
／.／........................ ＼
r j{.../......../............´_..... |...
|｣|.. |.r七ｉ|.........|T=-.. |.|. |
(八{i....|..rⅵャ.....r≠ミ / |. |
トΝ（う)乂/（う)И...|).|
||....ｌ |... |. |
……山奥の理想郷 .||.....|うぅｈ ¨ rf爪].....|. |
i|| i|.|jI.斗 ∨. .∟]..|..|. |i
i|.|八|. . .. ..′. .. ..]人|......
. ｉ|∥|. . . . . |. . . . . . . ∧.....
ｉ|.ｉ|...|. . . . . | . . . . . . |. |i......
ｉ|..i|. .|. . . . . | . . . . . . | . |i......
ｉ|...i| . |. . . . ..|. . . .. .. ..,’. |i.......
- 838 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:53:17.41 ID:7gk7/D3r0
-
''^~￣~^''
／ :/: : : : : : : : : : : ヽ
/:|: : |.:|: : :| : |: : :.|:|: : :|
〔 〕|: : |.:|'⌒| : |:.⌒|:ト : |＼__
／⌒〔_|: : | xｆ芥 : |ｘｆ芥ﾄ.:ﾊ|
. |: :|: : |.:|/り八| Lり:|/:|ﾉ
. |: :|: : 圦 从|
/|: :|: : | 个: . ´´ . :个 :|
_,／ |: :|: : |: 「￣￣「￣l| :｜
. |: :|: ::乂 :＼__ |_: :厶: |＼
//Λ: : |⌒: : : :|: : : :|:｜: | きっと、桃の花がたくさん咲いているんだろうなあ。
. //| |: :＼乂.: :. .:.|.:. .:.ﾉノ: : |
/.:.|:| |: :|: : : : : : : :|: : : : : :|: :| さしずめ桃源郷
. /:./:|:| |: :|: : : : : : : :|: : : : : :|: :|
/:./: :|:| |: :|: : : : : : : :|: /: : : :|:.Λ
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|: :|: : |:| |: :|: : : : : : : :|／: : : :|V:Λ
. 人 |＼|:| |/:|: : : : : :／|: : : : : :| :〉: |
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晋 尋陽郡の人 陶潜（陶淵明）
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } ここから着想を得たとされるのが、陶淵明の『桃花源記』である
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 839 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:54:12.34 ID:7gk7/D3r0
-
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__ｨ‐'￣｀ヽ
| |::::::::::::::::ヽ
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| おしまい |:::::::::::::| ゝ::::|
| |::::::::::::::ヽ ∨
| |ー:､::::::::::ﾍ
| |::::::::::::::::::::::ヘ＿
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＼::::| |:::::::::ィ !{ ﾊ T tｰr ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
` | |ー--ﾚﾘﾙ|rfiﾃ ヽl ｲﾃz rr----――― ' " ´
| | ヾN ゞｿ ゞｿ//
| | ＞:´|､ - ,|`:＜ 陶淵明についてはまた別の機会に
| | |::::::::| ＞ イ |::::::::|
| | ＞-､＼! !／::,-＜
| | /´:::::::::::::{二{}二}´::::::::ゝ-､
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- 840 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:56:25.93 ID:7gk7/D3r0
- 【第百十四回に続く】
新規CAST
～晋～
●孫泰（そんたい） （DRAGON BALL超）
●盧嘏（ろか） ヒシミラクル（ウマ娘プリティダービー）
●釈慧遠（しゃくえおん） ヒンメル（葬送のフリーレン）
●劉敬宣（りゅうけいせん） エラン・ケレス（機動戦士ガンダム 水星の魔女）
●陶潜（とうせん） 後藤ひとり（ぼっち・ざ・ろっく！）
- 841 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/09/29(月) 00:57:39.28 ID:7gk7/D3r0
- 【>>840修正】
【第百十四回に続く】
新規CAST
～晋～
●孫泰（そんたい） ゴクウブラック（DRAGON BALL超）
●盧嘏（ろか） ヒシミラクル（ウマ娘プリティダービー）
●釈慧遠（しゃくえおん） ヒンメル（葬送のフリーレン）
●劉敬宣（りゅうけいせん） エラン・ケレス（機動戦士ガンダム 水星の魔女）
●陶潜（とうせん） 後藤ひとり（ぼっち・ざ・ろっく！）
- 842 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/29(月) 06:37:47.29 ID:KYTAWsc/0
- >>1さん乙です
個人的に中国詩人の中で一番好きな陶淵明がこのスレ登場でワクワクですよ！
- 843 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/29(月) 15:05:36.50 ID:Rv77dl4S0
- お疲れ様でした。
漢詩、といっても歌謡曲も作っているから、ろっくで問題ない訳か
- 844 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/29(月) 19:36:58.50 ID:J5zESQqr0
- 乙ですー
あまりにも山奥過ぎて統治している感を出しつつ統治しない感じか
- 845 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/29(月) 20:04:44.90 ID:5N1g/A6a0
- 乙
そもそも石勒の出身の羯族だって一回の飢饉で絶滅寸前になる
少数民族だったから名前もよく知らん他の異民族なんて腐るほどいるよなあ
殷周時代から名前出て来て現在まで生き残ってる羌族はちょっと異質だけど
- 846 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/09/29(月) 22:44:07.61 ID:N9NNuYpR0
- 乙でした。
- 847 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/20(月) 13:04:22.79 ID:aTfmp79a0
- 三國志8 Remakeのパワーアップキットが発表されましたが、樹機能や呉征討戦シナリオは出ないだろうか
陸機が王濬に勝ってしまうifが楽しめるのがゲームだけど
- 848 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/20(月) 16:23:26.80 ID:SVGP1Q5ko
- 陸機が数値化されたシナリオってあったっけ？
個人的イメージだとおつむは祖父・父譲り、軍事へっぽこ
- 849 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/20(月) 23:07:53.95 ID:tEeMZFpVO
- 正史をゲームで忠実で再現するなら出身（地方と階層の２つ）のパラメータは欲しいなあ
それに登場人物には能力値のほかに性格のステータスを設定して挙動や相性に影響を与えて
それから人口には民族構成をつけて豪族の自治権のスライダー設定して徙民のコマンドを・・・
うん、コーエーというよりParadoxInteractiveのゲームになるなこれ
- 850 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/21(火) 12:43:23.35 ID:A1zJMqSl0
- >>848
無い
三國志シリーズに登場する通常武将の最若年は250年生まれだから（陸景などがこの設定）
しかし、せめて呉滅亡時に元服していた人物は実装して欲しいという願いです。
陸機は261年、陸雲は262年生まれ
280年まで武将を広げた場合、数え15歳が元服の標準年齢なので、王敦・祖逖など266年生まれが最若年になる
- 851 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/22(水) 13:54:54.28 ID:n8XMNNi/0
- パラドクス社のSTGは五胡十六国時代なんかと愛称良さそうなイメージあるね
三国志のSTGは、個人的には「群雄割拠の後漢末時代」と「天下が三大国に纏まった三国時代」を同一システムでプレイさせるのがそもそも無理が生じてるのでは？という気が…
「後漢末期のSTGに合ったゲームシステム」と「三国時代のSTGに合ったゲームシステム」って結構違うのではと思うんだよね
- 852 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/22(水) 16:30:08.80 ID:n8XMNNi/0
- >>851
×STG
○SLG
「相性」も間違えてるしｽﾏｿ
- 853 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/23(木) 04:52:23.76 ID:vIgcYMOVo
- 翻訳無くても欧州系の固有名詞は平気だが
中華系の固有名詞をローマ字（拼音？）表記されると理解できなくて困る
- 854 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/23(木) 11:31:49.55 ID:iEXtGSWp0
- 北斉の皇帝生活を楽しむR-18ゲーとかあったらいいのに
- 855 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/23(木) 13:26:08.32 ID:vIgcYMOVo
- R18GはNG
- 856 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/24(金) 12:36:29.27 ID:dAKKN1Wg0
- 甥殺害と兄嫁レイプをループするゲームはNG
- 857 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/25(土) 22:48:48.05 ID:xK3q5enG0
- 【>>848陸機さんは建安七子みたいな能力値になりそう】
- - ──ー - -､
／i ,.-‐''"´ ＼ i＼ .御無沙汰しております。
l ＼＿／ ＿,, ,,＿ ヽ､＿／ l
l ::::::/ ━━ ━━ ヽ::: l 仕事やら私事やらで進捗は芳しくありませんが、
ヾ＿,;;;l , , , l;;;__ジ .この土日で書き進めて１０/２７（月）には一旦投下したく。
| i￣i￣i￣i """ |
l .￣￣￣￣￣ .l 調べてて思いましたが、
` ､ /⌒⌒i /⌒ヽ / .まだ孫恩生きてるのに別筋から国家転覆とかすごいな
`/ | | ＼ ／
※１０/２７（月）２２：００頃からでお願いします
- 858 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/25(土) 22:54:14.29 ID:2mQzgoqz0
- わーい
- 859 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/27(月) 20:16:39.78 ID:Q2sSF1/W0
- 陸機さん、このスレだとギリワンみたいな扱いだったの好き
- 860 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2025/10/27(月) 20:34:06.26 ID:vX0uBK2CO
- 西晋時代の旧呉って、言ってみれば植民地みたいなもんですからね
陸機さんとこの兄弟も、例えばインドや南アフリカの首長の御曹司がロンドンの宮廷に出入りする時のような
風当りとか居心地の悪さはそれなりに感じたんじゃないだろうか
- 861 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:00:29.84 ID:mPt1WTSQ0
-
｀Ｙ . . . :つ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'.,
.人: . .Ｙ´ : .. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
（.: . . し彡 . . . : j ,′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
（: . . ｀Ｙ: : . ′ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i
ミ: : . |.:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.|.
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(. : . . :∨ 小ｋ.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀ヽＹ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ｖ´｀Ｙ/ ∧
.）: . :ハ、_j＼γ ⌒ ヽ云テ云７ ⌒ ヽー /}入_Уﾊ:＼、 「やる夫が正史を書くようです」第百十四回だ。
（ : .. :.｀Y{}{}r┐:.:{ },バ:.:バＫ戈癶 }／／{}{}//⌒7´
.｀Ｙ: : . . .:｀）从:.:.乂_＿_人:.:.:.:.:.::乂_＿_人:.:.:从／:｛: :/ このスレにおける本編の内容、
. ﾍ: : . ._丿 . : : 从:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:|! 、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:从:.:〃ﾊ/ .先の展開のネタバレ行為は禁止になっている。
／:人: : . . . . : 八从:.:.:.:.:,r―､_＾ー'＾_,.:--ｭ:.:.:.://ー､: :/
. ／ :.＼:.:.{しﾍ: . 八{:.:.}:.从、::乂ヽｒ-r-r-r-ｱ乂r--く.:.:.:.:.∨ .よろしく頼むぜ
: : : : : Ⅵ: :｛: : : :_丿: : : Ⅵ从:.:.:ヽ二二二＞＼ヽ: :__,ノ.:.:.:|
: : : : : : :.｝: :＼丿: . . ｀）Ⅵ从乂;;;;;;从;;;（__:.:.:.:.＼＼｛`ｰ:.|
: : : : : : : : |＼ヽ⌒｀Ｙ: . . :}:Ⅵ:::::::::::::::::::::::::::::｀Ｙ:.:.:.}＼＼､:.:＼
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- 862 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:01:12.11 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０１年１１月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
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'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;!
1;:;:;:;:r＝:.::{
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:｀`;:ｰ-..､,,_
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『簡文三子伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 孫恩が北海へ逃れると、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .桓玄は再び上流に拠り、司馬道子へ書面を送った
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 863 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:01:42.35 ID:mPt1WTSQ0
- 【桓玄さんのお手紙＠『晋書』『簡文三子伝』】
┏──────────────────────────────┓
賊が近郊に至ったが、
風によって進めず、雨によって火を起こせず、食が尽きて去っていった。
力によって屈したのではない。
┗──────────────────────────────┛
.| .ｉ
.| .|
.:.:.:.:.:.:.:／⌒＼ || ||
¨⌒¨´ ノ ||＿＿||＿＿＿
～ｧ ⌒ヽ ||￣￣||￣￣厂
:: :(: : . . ノ ||＼＿||＿／
:.: .: ｀^¨⌒´: : :|＼ || ￣||￣ : : : : : .: .: .: . . . . . . . . . . . . . . . .: .: .: .: .: : : :: :: :: :ノ＾ヽ,:: :: :: :: :: ::.人:: ::__
: : : : : : : : . . . .| ＼||＿＿||＿＿＿: : : : . . . . . . . . . . . . . . ..:_,,，''＾'～～'′ ´'～～～TTT ヽ.
: : : : : : . . .| ||￣￣||￣￣|￣ . . . . . . . . . ´" ' ' ' ' ' ' """´´´´""""' ' | .| ' ' "´.
: : : . . . . . | || || | . . . . . . . . . . . : : : : : : | |
. . . . . | ||＿＿||＿＿|＿＿ . . . . . . . . : _,､--‐‐‐‐‐‐く´￣￣￣￣￣`ｰ-----
. . . . / :||￣￣||￣￣´/￣. . . . . . .,，‐<:;:;;::;:/::;::;:;:;:;::／￣￣￣￣￣ミ;:;:;:;:;:;:;:;:
''""´´´^"' ｰ￣＼ ||＿＿||＿＿/ ,，-─-、 く::;:;:;:;{::;:;:;;:{::;::;:;::;:;/::::;::;;:;:;:;;:;;:;;:;:;:;:;;:;:;:;:;:ヽ::;:::
:::::::::::::::::::::::::＿|二＼||二二|ﾆニ|''""´￣｀`''ｰ- ...＿ノ:;:;/:;:／:;:;:Ｖ:::＼__乂＿j＿／￣￣￣＼:::;;;:;:;::;;;:::::;;::;;;};:;;:;
─ ─ ─ ‐|二二二二:|｀¨¨¨¨¨¨|‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ｒ''""''ｰ‐{:;:;::;{;;/::;:;:;;;/￣￣:::;;:::;;::;;;;/::;:;::;:;;／￣::;::;::;:;:;:;:;:;:;:＼::;:;:;;:;;:;;
: : : . . . ＼＿＿＿_＼＿＿_/ ｀"""""'ｰ‐------ゝ...＿_ノ----ゝ..＿_,,,.．-‐…'''""´￣￣´´""''
弋冖冖ﾁ .:‐ﾆ三三三三三ﾆﾆ‐: : . . . . . .
ﾆΞΞﾆﾆ.:.:.:--ニΞΞΞΞ二--: : : . .
.:.:‐ﾆﾆﾆ‐.:.:.:‐.:‐ﾆﾆﾆ…‥‐.:-.:‐: : . . : : : : : : : : :
.:.:.:.:.:‐.:.:.:.:.:.:‐‐ﾆﾆ.:.:.:‥‥--.: : : . : : : : : : : : :
- 864 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:03:02.35 ID:mPt1WTSQ0
- ┏──────────────────────────────────┓
昔、王国宝の死後、
王恭がこの威に乗じずに朝政を統べ、
足下が彼の心を見て侮らなければ明公と言えたが、結局非忠と言わざるを得ない。
┗──────────────────────────────────┛
/＼＿＿_／ヽ
／ﾉヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,ｒ'''''' :::ﾍ
| ﾝ（●）,ﾝ <､（●）<::| |｀ヽ､
| ｀⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ iｌ´ﾄｪｪｪｲ｀ｌi ｒ ;/ .|:::::ｉ | 何か言い残す事は？
／ヽ !ｌ |,ｒ-ｒ-| ｌ! /ヽ |:::::ｌ |
/ |^|ヽ､ ｀ﾆﾆ´一／|^|｀,ｒ-|:「￣
/ | .| | .| ,Ｕ(ﾆ ､)ヽ
/ | .| | .|人(_(ﾆ､ﾉﾉ
／ . ､ ＼ｌ ＼ ミ、
／.:／ :| | . : ヽ
. ..::. ..::| | :. | :..
/.:// .: ＿／| | ::. :| ::.
..::// .:/::／ ｀ﾄ 、八 .:: | ::. :i.
|ィ..:..::./幺___ ..::/ .::. .::.| ::. :|:
| }||.::/ｨ久ﾄﾐｘ V ..::. ..::.| .::.. :|:.
ﾉ||/ lｒ勹 刈 i ..::.／ ..::.:./| .::.:.. :|.::.
僕は人を見る目がなくてこうなったけれど、 厂 |′ ｊ::タ _)狄.:／ ..::.:../..::.: ..::.:..: :||::.
本来本心から社稷に不忠だったわけじゃない。 : ￣ `` ﾝ:イ..::. ..::.:..厶// ..::.:..|:: .||.::.
ﾉ ／´ ﾉﾉ..::／..::〈 // ..::.:..::.|::.:小.::.:.
ただ百代に渡って王恭がいたと伝わるだろう ｛ ､_ _ 彡.:／｝／ /ｲ ..::.:..::.ノ｝/.:］::.
〉［_) -=彡／＾厂｝ /..::.:..:／i// ..:〕::
. 〉 '⌒ ¨ /..::.:／..:://..::.:..|.::
′ ｒ个ｰ─ｧ.::／..::.:.//..::.:..::.:..
＞ V..::./イ..::.:..::.:./..::.:..::.:.ｊ./
ニ=┐ /:／..::.:..:..::.:..::.:..::..::.:..::ﾉ′
｝ /个..::.:..:..::.:..::.:..::..::.:..::..:..
- 865 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:05:04.12 ID:mPt1WTSQ0
- ┏────────────────────────────┓
今、貴要の腹心に当代の清望の者はいるだろうか。
どうして佳勝がないのを良しとして、正しい事を信じようとしないのか。
用理の人は互いに信義をもって良しとするが、
求利の徒はどうして委ね信じるのを惜しむのだろうか。
以来、一朝一夕を経て今日の禍となったのである。
┗────────────────────────────┛
＿ ﾉﾉ
ﾉﾉﾉ ＿ﾉoﾉ
|∥ ミ ∥ ￣ ￣
ヾ ＿＿＿ │ ＿ // ∥
⑩ ／1000 ／ ⑩ .／8／
| | ￣￣￣ ⑩ ／｡／ |∥ ⑩
⑤ ①
ｍ ｎ _∩ ∩_ ｎ ｍ
⊂二⌒ __） /＼＿＿_／ヽ （ _⌒二⊃
＼ ＼ ／'''''' '''''':::::::＼ ／ ／
＼ ＼ .|（●）, ､（●）､.:| ／ ／ ⑤
＼ ＼| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|／ ／
＼ .| ´ﾄｪｪｪｲ｀ .::::::| ／
＼＼ |,ｒ-ｒ-| .:::::／／＿＿＿ ﾉﾉﾉ
＼｀ｰ｀ﾆﾆ´‐―´／ ＼ 5000 ＼
/ ・ ・ / ￣￣￣
- 866 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:05:34.27 ID:mPt1WTSQ0
- ┏───────────────────────────────────┓
阿衡の重責は言うは容易だが、福を求めるものであり、法に背けば禍を招き寄せる。
在朝の君子はどうしてこれを心に抱かず、
ただ身に害が及ぶのを恐れているのだろうか。
桓玄は在遠の任を忝くしているが、これは事実を書き写しただけである。
┗───────────────────────────────────┛
/ { ∨/ ′ .ノ 彡' ＼
＞＝＝ミ{i{ /＞ ´-‐ _ -－ ｀ヽ
ノ ／. 二ﾆ=-ミｵ／ｲ彡ｾ彡ｲ_＿__ _ ー-ミ}
. (( /.:彳:} ´ー-= ー-=ﾐ ヾ
|:/八ｵ ＿彡j斗=: :＞マ: : ﾊ
{{ ゝ弍爻 厶孑≦=≠" ヾ: //ハ ∨:ｲ
＼ z≧}' f z≦ニ=彡 }:|ふ } !:八
! l ´￣￣ .jﾘr ´ ／. {: :j
' j |イ⌒Y:{.iｲ
八＿ ' 八 彡'从7
ヽ ＿.ｲ＿___／ニ{
∧ー- -‐' ∧ .／-ﾆﾆ∧
＞ ⌒ヽ／｀ヽ-‐ﾊ .ｲ } ／_ニニニハ
＞ ´ _ｲ⌒ヽ j .ゝ---＜ ＿彡ニニニニニﾆ:}ー-
} _ _＿'´.{iﾍ.∨.f宍不示宍不示宍ﾘニニニニニニニ/. : : :
. r ´ ヾ:込V{_り八之乂⌒Y{t∨＼ニニニニニ／. : : : :
:} _ -―＝ミ辷从 八. ＼ﾆﾆ =-＜: : : : : : :
八 _ ＿丿 . ∧ ∧ }＿ ': : : : : : :｀: : : : : :
／. ∧ ｀ヽ ∨ ＞ .__＿___.＜⌒7／＿j: : : : : : : : : : : : :
: ／. ∧ _＿ ｲ:. V ((弋三三乏))⌒ーく. : : : : : : : : : : : : : ::
／. ∧ } j / /. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 内容は司馬道子・元顕親子の政治への批判である
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 867 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:07:12.32 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０１年１１月 晋 首都 建康】
/＼__＿＿_／ヽ
／ __,ノ 'ヽ､_＼
|:::::: （●）, ､（●）|
|:::: ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..| 司馬元顕様。
|:::: ｀-=ﾆ=-' | , ｧァ┐
＼ ｀ﾆﾆ´ ／. ┌､ ///./ ７ 桓玄は名門出かつ日頃から剛毅で、
. ＼ ＿ ／ヽ- 、___、 _ | l ／//./' / .殷仲堪・楊佺期を倒して荊州で好き勝手しています。
_ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ ﾉ / ヽ_/' /
__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /／ ／ 丿 .孫恩の乱に乗じて都へ攻めて来ないか心配です
,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : | / ／
r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ { ｲ
} : :, : : : i :./:::::::i/ .: : :／ : : : : : : : : : :「ﾑ ＿_厶┐
f : :ｉ : : : :i ,':::::::/ : : ／ : : : : : : : : :i : : |｀ ー一一'| /..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.|
|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
|:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:|
|:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
何か策はある？ ∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ
＼|::.个ｰ::、 ′ u /_ノ:..::.::..::＼
|::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿ .
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐
/∨{ } j{ }i
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 桓玄の書簡を見た司馬元顕は大いに恐れた
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 868 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:08:09.33 ID:mPt1WTSQ0
-
. /＼＿＿_／ヽ
.／ _ノ '''''' ＼
|:::::: （一）, ､（●）|
|:::: ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..|
|:::: ｀-,.<))／´二⊃ 桓玄は荊州に拠って日が浅く、
.＼... / ／ '‐､ﾆ⊃ 人心を慰撫しているため、他の計を恐れる必要はありません。
... ＼ ｌ ´ヽ〉
''"::l:::::::/ __人〉 .劉牢之を前鋒とする大軍を荊州へ差し向けて誅殺してしまいましょう
:::::::::|_/ヽ. /|||||ﾞ!:ﾞ､-､_
:::::::/´∨/`ｰ'〉ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
:::ｙ′.: ',ゝ､_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
／: :／/: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
/..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.|
よし。 |:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
|:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:|
それでいこう。 |:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ
さっそく劉牢之の所へ行って策を相談してくれ ＼|::.个ｰ::、 ′ /_ノ:..::.::..::＼
|::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐
/∨{ } j{ }i
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } そこで張法順の進言に従い、彼を京口の劉牢之の下へ差し向けた
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 869 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:09:35.06 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０１年１１月 晋 揚州 京口】
. | | ＼::::::::＼| | | | |＼ ＼ ＼ ／ ＼／／:| ／＼／ | _,.
ﾞ.| ＞'"￣｀丶＼::::::::＼| | | |:| ＼／ xく ＼／ |:::::|／＼／｜ | ｡s≦-‐
..ﾚ'´ ＿ ＼＼::::::::＼| |:| |＼｜ < ＼／ |／＼／ | | | |¨:|:::::::
┼- ｘi( ｀ヽ ﾍ ＼::: :::＼| |::::|｜ ＼／／| ／＼／ .| | | | | |:::::::
｣___ ん/)h､ V∧ ｢￣￣ |::::|｜ ｒzzzzzz| |:::::|／＼／ .| | | | | |:::::::
.l `|////ハ '/ﾊ ＼ ＼|｜ |//〉二 | |／＼／ _､+'"~| | | | | |::::::
| .|//////|＿＿| .| ＼ : : : | | ｒｚzｭ // | |／＼／「 :i´丁￣::| | | | | |＿
|//////|￣￣|＼| : : : .＼:.::.:| |ｚ辻（_)〉 // ||｜ <＼ ／ | | | |::::::::::| | | | |￣＿
_ |//////|＿＿|γヽ : : : : : :＼| |:|丁｀|〉 〈/:| ||..|===l:/ ／| | | | |::::::::::| | | | ￣
... |//////| |弋ﾉ :|｀'i : : : : ::|]|:|┘［|∧ /:||:|／Ｌ二::|:| |:::::| | | | |::::::::::| | | |
. |//////| ハ Ⅵ|:: |: : : __: | |:l] ｎ |∨〉 //:l'´／ | : ::|:| |:::::| | | |_ -
.ﾞ |//////| .:.....} L||:: |: : : | | | |:|￣｀|L|____∠| |'´ ｢:|:::: :|:| |:::::| | | γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
.. |//////| :{..... ﾍへ::::|: : : | | |_|:|]丁|ヽ|]丁¨｢|'´|ｎ［l└|:::::::|:|::￣: :| | | そんな次第でして…… |
_|//////| {＿__}∨｀'ﾞ : : :|_|（;;;;) | ,イ丁丁丁丁丁丁ト ::::|:|:: : :| | ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
., |::|￣￣丁¨¨¨¨|＼ Ｙ∧: : : : :γ＾ヽイﾚ'二二二二二二`'く〕ト|:|.: . :| |＿＿
≧s｡ | | } }¨∧￣`'<ノ ﾉ ｡s个x|:|_｢/〉[] |::| |x个o｡｣-‐ ''￣:.::| |￣| |￣: : : : : : : : : :
.ﾟ｡ ≧s｡γ´|‐∧‐| 〈∧. ｀ヽL_⊥┘|ィ/￣...|::| |‐-Ｌ｣:|: : : : : : :.::.:| |: : | |: : : : : : : : : : : :
ﾟ。 ＞┴ _|_j 〈∧ .｣_ノ-=ﾆ / └|_| : : : :￣⌒ﾆ=- |_|＿| |: : : : : : : : : : : :
|:ﾍ ／ ｀`7〈∧￣￣￣ / /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::;:;:;:;:￣⌒＾^''ﾆ=- _
|::| ＼ ／ / 〈∧ ./ ／ : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
＿ ‐丶､ ／ ,〈∧ ＿厶ｼﾞ.:.: : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
￣: : : : : : ≧s｡ ＿∠ -─ 〈∧:;::;:;:;:;:;:;:;:: : : : : : : : : : : : ::.:.:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:::::::::::::::::::::::::::::;:;:;:;:;:;:
: : : : : : : : : : :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀':;:;:;:;:;:;:;:;:;::.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::
.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::
.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:.:.:: : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::
- 870 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:10:35.04 ID:mPt1WTSQ0
-
_ /＼＿＿_／ヽ
| ! ／'''''' '''''':::::::::＼
｜ !. |（●）, ､（●）､.:::|
| ! ,.-, | ,,ﾉ(､_, ) ヽ､,, .::::| 司馬元顕様は、
_,ﾉ ┴、/ ,/. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| 劉牢之殿に桓玄討伐の前鋒をと考えておられます。
r `二ヽ ） i... ＼. ｀ﾆﾆ´ .::::::／
| ー、〉 / _｀,,ー --´...／i＼,,,,_ 孫恩討伐の目処がつき次第、話を進めたいとの事
| r_,j j__,,.. r''''"/::;| ＼`'／ ,'::;;;r;;;;;;;;;;;;:: r ‐-、
| ） ﾉ ::::::::;;;;;;;/::;;;;| ／＼ /::;;; l;;;;;;;;;;:: ::;;;;;;;:: ヽ
ﾉﾆ-､ ,/::;;|:::;;;;;;;;;＞::;;|／(::::ﾉ ＼/::;;;く;;;;;;;;;;;;:: i::;;;;;;;;;;;:: }
√..:::;;; ヽ､〉;:;;|::::;;;;;;;;{ ::;;;;;| "::く /:::;;;;/;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;:. ノ }
/..:::::;;;;;;;;;;;;;;;〉;;;;|::::;;;;;;;;;:{ ::;;;;| |:::::::| /:::;;;:/;;;;;;;;;;;;;:: |::;;;;;;;;;;;;;;;;:: }
／: : : : : : ::.:.:.:.:.::.:.:.:::. : :＼
/: : : : : : : ::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.: :ヽ
/: : : : : : : : ::.:.:.:{:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.: :
ｒ'_＿: :ィ云≧､:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.: :.i
{//ｿ¨//////≧＝=‐‐-斗=ミ:.:.::.:.:l
V: :.:.V////:.:.::.:.:.:.:..:::.:::.:.斥:.:.:}.::.::.,'
張法順殿。 . /: :.:.:.､:.￣: ::.:.::.:.:ノ:.:.::.:::.:.ﾊ::.::.ﾉ:::./
"7:.:.:':_.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.／::.:/＿ _
俺が朝廷の命に背いた事があったかい？ ＿__,,.. -‐＝{`二､ヽ:.从:.:.:..:.::.:.:.:.:.:ｒイ:.:.:.::.:{≫ ヽ
／ ／才二ノ.:.{;;;}:.:. :.:.::.:.:.:.:.::.:._,斗≦ ∨
{i| ／／};;;从;/´￣￣￣￣￣￣ ∨
|i| "" {;;;;;;;;;;| }
_ }i| _≧＝{ ＿ ノ＿
'': : : : /|i| ＞'' /:| _ ＜
／: : : : : : :/ |i| 〃.:.＼＿_/:.:} _ -‐ ＿_
: : : : : : :ｧ" ￣￣ ,ノ.:.:.:.:.::.:.:..:.:.:.:.::{＿＿,,.. ．-‐''" ／.:.:.:.:
: : : : : :/ ／二二二У￣￣￣￣ ／.:.:.:.::.:.
- 871 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:11:51.42 ID:mPt1WTSQ0
-
/:.:.:.:.:.::.:.:.:.::.::.._:.:.:.:._::.::, -､
′:.:.:.:.:.::.:.:.:,ｲ ｀Y.:.斥 }
i :.:.:.:.:.::.:.:.:ｲ込 _,ノ:.:.:.::.:`マ.:.:.
|:.:.:.:.:.:: ／／:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.::,.:.:.}:.:.:ｉ
|:.:.:ｒ''¨_／.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:..:ｧ‐＝ミﾊ
､:{:斥.:.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:从/＿___,ノ};'; このつぶらな瞳を信じてくれよ
ﾍ:.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.:.:.:{;';'{＿__从___};'
, -‐＝}:≧-:‐､.:.:.:.::.ﾉ;';';';';';';';';';';';;';';';＿
｀ヽ= ┴─────‐ミ;';';';';';';';';';';/ ＼
￣二＝‐- _ ヽ'‐'‐'‐'‐' ＼ i＿_, ‐, ｧ‐､
i |:.::.:} i ｜／.:.ﾉ_. /.:.:/
| |:.::ﾉ | |ﾉ.:.ｒ'′ `ーノ.:.:/､二二ii≡
| |:.:{ ／:.:.:.ﾉ＿_,..ィ.:.:.:../:.:}
」_}{ _ _ | |:.:::＼ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.／:.:/
¨￣二＝ ‐- _ ＿}-‐'二二＼ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:..:.:../:} /＼＿＿_／｀-、_
／_,ノ ヽ､＿/ / ,〉、
|（＝）, （＝/ ´／ /)
| ,ﾉ(､_,)ヽ./ , ' ´,/
| ｀-=ﾆ= 'V __, ＜´
＼ ｀ﾆﾆ´ 〈´／::::Λ
ヽ ー--.ﾔ::::::::::::::Λ
見えないんだが /ﾑ _ , -.／V:::::::::::::Λ、
_,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
／/.／.:::/:::l y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
- 872 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:13:51.05 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０１年１１月 晋 首都 建康】
/＼＿＿_／ヽ
／_ノ ヽ､_::::::::::＼
|（●）, ､（●）､.:::|
| ,,ﾉ(､_, ) ヽ､,, .::::|
| ｀-=ﾆ=- ' U.:::::| 劉牢之の顔色を見るに、
＼. ｀ﾆﾆ´ .::::::／ どうも我々に二心を抱いている様子。
__,. ＜.ﾑ-ー--´_,／ヽ__
_, ､＜¨ : : : : :l : :.ヽ ∧::〈ヽi :、ヽ、 .もし、召し出して殺さないのなら、我々が負けるでしょう
/ : : : : : : : : : : :|＿ : :∨ |:Λ | : :､ : ＞、
丿 : : : : : :i: : : : : : :／ :.∧__|::∨＼､: : : : :.｀,
i : : : : : : : :| : : : : : :＼／￣ ∨ /;;ヽ : : : :,i
i : : : : : : : :! : : : : : : :/ ´￣ヽ_V /;;/;;;;;ヽ : i∧
/: : : : : : : : :| : : : : : :/ ´￣V /;;/;(￣＼ :|: ﾊ /..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.|
|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
そんな馬鹿な。 |:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:|
|:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
あいつは元顕のおかげで ∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ
北府軍を率いる身分になったんだぞ。 ＼|::.个ｰ::、 ′ /_ノ:..::.::..::＼
|::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
そのまま話を進めよう j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐
/∨{ } j{ }i
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 復命した張法順は司馬元顕に言った
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 873 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:15:40.99 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０１年１１月 晋 揚州 京口】
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／: : : : : : : : : : : : : : : : .＼
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
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_,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',
{_ｒ┬､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : i
／ヽ / ＼:_: :＿: : : : ＿ : : : : : : : : : : : : : .|
／: : : ﾚ′ ＞’V∧V∧∨∧.: : : : : : : : : : : .:_|＿＿
＼: : : :￣: : : :￣￣: : :￣:￣ィ⌒ヽ : : : : : : ///////
さて、どうしたもんかね /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i: : : : : :////////
〈ー､: 从 : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.} : : : :./////////
≡二二二才 }:};';';} : : : : : : : : : : : : : : : : ／: : : : //////////
}￣: :};';';| : : : : : : : : : : : :{}{}{}ィ : : : : : ///////////
ｒ─ノ;';';';'/￣￣￣￣￣ 二ﾆ=‐く ＿ : : : :////////////
| {;';';';';/ ￣ ７///////////
| ヽ;'/ /////////////
| / //////////////
| ./ ///////////////
ｒ────} / ////////////////
| | ヽ /////////////////
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 『晋書』『劉牢之伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 劉牢之は桓玄が若くして雄名があり、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 全楚の人々が彼を助けているために勝ち目がないと恐れていた。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ また、桓玄を平定した暁には、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 司馬元顕が自分を受け入れないだろうと心中深く疑心を抱いた
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 874 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:16:14.52 ID:mPt1WTSQ0
-
_...._
_,.-':::::::::::::｀ヽ、
,..-':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
＿＿ ／:::::::::::::::::::::::::::::＼:::::::ﾍ
l:::::::::::::::::::￣::::::ー...／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ
ヽ::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｨ::ﾆ'::::l
ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ｀ヽ:::::::l
＼::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:､ ';::::::|
,ﾝ､:::::::::::::::::::::｀:-..._:::::::::::::::::::::::/::::::＼ ';:::|
/ | |｀ﾄ ､_:::::::::::::::::::::｀:::ｰ-......__/::::::::::::::＼ヾl
l ﾄ ﾄ. ﾄ､ヽ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
｀ﾊ_|ヾ 弋弍f'ｰ､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´く. 'ーｲ l j､7ァt､__:::::::::::::::::::::::::::::::::::l
rヽ ､ lー'-'ノ_ﾉ∠Lゝト弋ー-- :::＿:ﾉ
ﾍ ヽ--j..-＜}::::::::::::〈.｀ まだ劉裕が孫恩を追撃していた時期の話である
,ﾚ-'⌒:､ ヽ:::::::::::ヽ- 、
,. -‐､ ヽﾆ.:::::;r‐ '´ l::::::::::::::::::::ﾍ
,r'::::.,.-' ｒ'´ ::::ヽ __'Jノヽ::::::::::::::::::ﾊ
/:::::/ | l::: ｀ ヽ､_ ヽ_,ｌ:::::::::::::::::::::l
. | :::| | lヽ､__,. ､ ';::::::::::::::::::::::::::::::l.、
. | ｜ | |:::::::::::::::ヽ. l::::::::::::::::::::::::::::::|:ヽ
l. l ヽl. ..|::::／::::::::::´:::::::::::::::::::::::::::::::|::::l.
ヽ ヽ．__ ノ | ::|:'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
｀ ｰ- 一 ﾍ |::::ｰ-､.._:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::|ヽ
7ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::|:::ヽ
／::|::|:ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::ヽ
／::::::|:::|:::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::|:::::::::ヽ
／::::::::::{:::::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::|:::::::::::｀
- 875 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:17:43.89 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年１月 晋 首都 建康】
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:| VⅣ; .| l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:| 〉北〈 | l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:| _」王ｌ;!＿ | l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:|. fif云云ﾒ}-{ | l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:|...| | }.}-{ .| l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:|...| | }.}-{ | l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:|...| | }.}-{ | l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | l,'|i:i:|...| | }.}-{ | l,'|i:i|
|i i | }} }:i:i:i{ | r====| | _,,}.}-{_ | l,'|i:i|
|i ｛〔二二二二二二}>}ﾆ{ | {{.i:i |...| | / /~「 「 | l,'|i:i|
|i 乂______} {__} {_____ﾉ ﾉノ | {{.i:i |..」.fⅥ {. }.}-{~""''' ‐- .., 」 」 !:i:!
|i ∨///////////∨ ＿＿__..| {{≫==弌..{.ﾉ仔ｰ八 ~""''' ‐- ..,,__ ,,..二二二..
._,,....＼ //＼////////,／ __,,.. 」＿＿「「辷辷辷 〉〈辷辷」=={ rf二...＿ -―＝…＝
「￣三二ニ iニ二三≫竺竺≪-‐ '''""~ ー----} {i{~""''' 「 「ソ..,,__ ｝ ｝~""''' ‐- ..,,__ ∨ ｛=ニ三＿ー====
| r '"´~""''' ‐- ..,,__ .} {i{ }:::{i{ ｛ {{ '' ..,,__ ~""'..∨｛ } { }i{三二三
三二ニ=ー┴} ~""''' ‐- ..,,__｀ヾ 刈ﾘ ｀ ~""''' ‐-≫＼___} { }i{__＿
~""''' ‐- ..,,__ ~""''' ‐- ..,,__ ≫ ´,..≪ ＼三三二二ニニ
~""''' ‐- ..,,__ ~""''' ‐- ..,,__ ~""''' ‐- .≫ ´ ,,.≪ ≫r竺竺竺竺
~""''' ‐- ..,,__ ~""''' ‐- ..,,__ ..|ー- ~""''' ‐- ..,,__
~""''' ‐- ..,,__ ~""''' ‐- ..,,__| ~""''' ‐- ..,,__ ~""'''
~""''' ‐- ..,,__ ~""'''
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 翌元興元年（四〇二年）正月。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 大赦と改元が行われ、
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .司馬元顕が驃騎大将軍・征討大都督になったと『晋書』『安帝紀』は記す
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 876 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:18:13.45 ID:mPt1WTSQ0
-
-=⌒ヽ
／:::::::::::::ヽく
,::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::｜::::::::::::::::::::::::≧
,:::::::::,:::::::::::::::/:::/:::/
彡:::、:::::::::／::::iリ（
∨ヽ::::::´::::::N /
〉WW／ , 我が国の繁栄に！
／二二二＼＿＿
-=≦ニニニ｜:i:i:i:i:i:i:i|:i＼
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝廴
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝二
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝二 ＼＿_人＿人从＿人＿人从／
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝二 ＿） （＿＿
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝二 ） 乾杯ッ！！！ （
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝二 ￣￣） (￣￣
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ:|:i:i:i:i:i:i:i:i!:i:i:i｝二 ／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
,. -‐＝=､､
晋 会稽王 司馬道子 ,. =＝=､､ ｏ ○o. i :::ト､
_,/ ｀ヾ´´`ヽ、 ﾟ .ｌ :::ﾄ､＼
// .::::/ :::::!=＝=l :::|ｽ. ',
/./ .::::/ ::::l | __ ..... _::::|} ヽ l-､
. ,ｨｸ ,'..__ .::::/ ::::l :l '´ ｀)'｀ヽ ヾ;＼
／::{ﾞ ヽ、 ｀`丶､;/‐‐- ､::::l `'::┬‐--＜_ } ./;:::::＼
／::::::::! ,＞---‐'ﾞｰ- ...__)ｲ ,. -‐‐-､ﾄ､ |l::ヽ ／;';';';';::::＼
. ／|::::::;';';'＼／｝ （ヽ、 _/| (´ _,.ｨ!::ヽ. ヾｰ'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
／ ,ﾉ:::;';';';';';';';';'/ /ヽ､二ﾆ-ｲ ヾT ¨´ ,/;';';::`、. ＼';';';';';';';';';';〈::...
. ／ i::;';';';';';';';';';'/ ,ｲ.:::::::::::::::::: ! ヽ`ｰ‐'";';';';';';';ヽ ＼';';';';';';';';';!:::::
- 877 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:19:10.34 ID:mPt1WTSQ0
-
－── ､
'´:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.;;;',
/:.:.:.:.:.::.:.:ｧ─ミ.:.:.:;;;',
{:ｒ''¨ヽ-‐{＿__ﾉ≧=:;;',
弋_,ノ:.j:!:.:.::.:.::.::.:::;:;:;:;:ｒ‐､ 劉裕。
j:.:.::.:.（.;.;.;.;):.:.::.::.:;:;:;:;:;;λ:
Y:!.:}.::.:.::_二＝ミ从::.;:;:;::;:;::} .お前も将軍になったんだ。
{:.|:.::.从＿＿_,ノ}iii{:;:;;::i{}{}′
ゝl:.::.{iii}.::..iiiiii.::ﾉiiii}:;:;:;:}:;:| こういう場に出ていい頃だろう
＼:}iiiiiiiiiiiiiiiiiiii{￣￣￣ﾆ=‐- _
}iiiiiiiiiiiiiiiiiiii{ ¨Y
_ ＝二iiiiiiiiiiiiiiiiiiii| _, ─┴‐──‐-､
,ィ ¨￣ 弋iiiiiiiiiiiiiiiii} ／ ＞'':.:￣￣:.¨'' ､
{ ', }.:.::.:.:.::.:.:.V ／ ／: : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.', ＿..-=ミ.....、
V '， ＿/: /:.:.:.:.:.::.:.V∠_ ,: : : : : ::.:.:.:.:. ::.:.:.:.:.::.:', ＿_{＼＿＿_ ⌒＼)::::ﾊ
V } ／:.:.:.:./:.:.:.::＞''¨ ＼＼ i: : : : ::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::. .:.::..', ＼:＞‐=====ミ:Ｘ:／::ﾉ
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／ ⌒ｱ::::/:: /:::__:＼:＼:イ
) ＞ (___/::::/{::::{:::/⌒＼＼ﾄ(
＜ 劉牢之殿ッ！！ ＞ ト==彡':о{::::∨ о }::::|:::::ｰｚ_
< ( 乂＿:ｨ r=＼(_ =ミ }: ﾉ:::::_;／
／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^ {::::∧" ' " '⌒!:::::}
人〈}人 r ｧ , - イ::::ﾉ
¨´ 〕is｡.___ イ }／
見た事のない山海の珍味が盛り沢山ですね .r＜⌒＼厂∨￣¨}／⌒レ=ﾐ
/ ｢｀)ｰ┘ ＿__,／_厂}./
/ 厂三} └ｒ‐イ {三￣}′ ∨
／ { 子' .| l. ‘ｔ‐ } ∨
/ ﾉ _,ﾉ .l ｜ 入 ∧. ∨
{ ／＼_} ｜ ﾉ {_／ ∧,_ }
- 878 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:19:45.86 ID:mPt1WTSQ0
-
＿＿
_､ 丶 ｀:::::::::::::::｀ヾ
、＿＿乂￣￣ ＼}::::::}::.
＞::::::::::::::￣:::::........ /:::://::}
＼＿／:::::::_..｡s≦三三≧s｡.._:::://::ノ ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
＼:::::::／三三＞＝＜三三〕h､く ） そちらが劉裕殿か！ （
＿／:::::／三ミ／/::::::::::::::::}hy,三ミ}/ ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
乂:::::::::::/三／/:::/|::::::::::::::::::|^''''y, 寸}、
、 ＞:::: |〕/:::::::: /＾|:::::::::::i::::::| ﾆ//＼ノ,, ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
＼￣::::::／|/:::::::::::|二|:::::::::::|::::::|(二) }:/::::::::::::} ）あの孫恩を討伐した！（
{.、＿＞:::::::／:::::::::::/ |::|::::: |:::ハ￣ }/:::::::::人, ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
乂::::::::::::::そ::::::／::/斗ミミ乂:: |/斗ミミ、//{::::::::::ノ
乂::::::::::::そ＿／|〈{ ﾋり ＾入 ﾋり }〉/ }く￣
}/／7::::::乂 |:乂 ￣ 〈| ￣ /_／::::} み、皆さん、少し落ち着いてもらって
乂 {::::／::::::',::::{ ｒ－－┐ ／:::::::ノ
_...／::::::::／}::::) 乂＿_ノ /ﾉ}ノ}ﾉ ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
_､ 丶 ｀:::::::::／ ﾉノ{≧s｡.._ _..｡s彳 ）私は驃騎長史の王謐 （
/:::::::::::::::___／-――∧＼ ｀¨´ ／/＿＿＿ ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
＿＿イ:::::::::::::/|_/三三三三∧ ＼ ∨ /／三三＞＜＼ ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
_ﾌ:::::∨∧＿／∨＼「」「」「」／＾＾}三|￣ |三三三 { | |＾ﾊ＼ ） 私は驃騎諮議刁逵！ （
_ﾌ::::::::ノ￣ / ∨ |三/＾／ / /!三| |三三三 } | | |/＾}', ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
￣￣ . / V.|ﾐ/ / / / /ミ三| |三三三 | | | | |∧ ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
/ }./ / / / {／￣) |三三{＾V | .∨ ）以後お見知りおきを！（
.//￣￣／/ | ／ √| |`ー へ `ヽ | .／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
//.......__/三{ミ| ノ￣|＿ | ＼ ./ ＼
- 879 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:21:29.38 ID:mPt1WTSQ0
-
＿_＿ _____ ______.
ネ _,, '-´￣￣｀-ゝ、_'' ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
, ﾝ 'r ´ ヽ、 .） 戦の御活躍実に見事 （
i ,' ＝=─- -─=＝ ; .裴松之様。 ／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
| i ｲ ルゝ､ｲ;人レ／ﾙヽｲ i
||. i、|. | (ﾋ_] ﾋ_ﾝ) i ﾘｲj あそこにいるのが、
| iヽ「 ! "" ,＿__, "" !Y.! 五世紀の大谷と話題の劉裕将軍だそうで。
.| |ヽ.L.」 ヽ _ﾝ ,'._.」
ヽ |ｲ|| |ヽ､ ｲ|| | 孫恩の賊を陸に海に蹴散らしたと専らの評判ですよ
ﾚ ﾚル. ｀.ー--一 ´ル レ
＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
） ささっ、まずは御一献 （
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ ＼人_人,_从人_人_人,_从,人／
）劉裕殿は当代の英雄だ（
／⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ﾍ
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ●） （●）＼
近頃はなんでもかんでも大谷大谷…… | ___´__ |
ヽ、 `ー '´ ／
ノ ＼
晋 殿中将軍 裴松之
- 880 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:23:18.86 ID:mPt1WTSQ0
-
/＼＿＿_／ヽ
／'''''' '''''':::::::＼
. |（●）, ､（●）､.:|
| ,,ﾉ(､_, )ヽ､,, .::::|
. | ｀-=ﾆ=- ' .:::::::| 時に劉裕殿は樗蒲に興味はおありかな？
＼ ｀ﾆﾆ´ .:::::／
,,.....イ.ヽヽ、ﾆ__ ーーノﾞ-､ .我々の間で流行っている賭け事なのだが……
: | '; ＼_____ ノ.| ヽ i
| ＼/ﾞ（__)＼,| i |
＞ ヽ. ハ | |｜
＿..-=ミ.....、
＿_{＼＿＿_ ⌒＼)::::ﾊ
＼:＞‐=====ミ:Ｘ:／::ﾉ
⌒ｱ::::/:: /:::__:＼:＼:イ
(___/::::/{::::{:::/⌒＼＼ﾄ(
ト==彡':о{::::∨ о }::::|:::::ｰｚ_
乂＿:ｨ r=＼(_ =ミ }: ﾉ:::::_;／
おお、いいですねえ。 {::::∧" ' " '⌒!:::::}
人〈}人 r ｧ , - イ::::ﾉ
ぜひ混ぜて下さい ¨´ 〕is｡.___ イ }／
r＜⌒＼厂∨￣¨}／⌒レ=ﾐ
/ ｢｀)ｰ┘ ＿__,／_厂}./
/ 厂三} └ｒ‐イ {三￣}′ ∨
／ { 子' .| l. ‘ｔ‐ } ∨
/ ﾉ _,ﾉ .l ｜ 入 ∧. ∨
{ ／＼_} ｜ ﾉ {_／ ∧,_ }
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ この頃、劉裕は初めて名士層と関係を持ったと思われる。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 『宋書』や『魏書』にある
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .樗蒲で三万銭の借金を抱えたのも同じ時期だろう
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 881 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:24:34.52 ID:mPt1WTSQ0
-
＿_＿ _____ ______.
ネ _,, '-´￣￣｀-ゝ、_''
, ﾝ 'r ´ ヽ、
i ,' ＝=─- -─=＝ ;
| i ｲ ルゝ､ｲ;人レ／ﾙヽｲ i
||. i、|. | (ﾋ_] ﾋ_ﾝ) i ﾘｲj それに引き換え、
| iヽ「 ! "" ,＿__, "" !Y.! 裴松之殿はなかなか御出世なさらないですね
.| |ヽ.L.」 ヽ _ﾝ ,'._.」
ヽ |ｲ|| |ヽ､ ｲ|| |
ﾚ ﾚル. ｀.ー--一 ´ル レ
＿＿＿
／ ＼
いや、それがですね。 .／⌒ ⌒ ＼
／（⌒ ） （⌒ ） ヽ
荊州にいる義父の庾楷殿が | __´___ |
新野郡の太守に推挙してくれまして .＼ `ー ' ／
/ ＼
- 882 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:25:19.66 ID:mPt1WTSQ0
-
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ⌒） （⌒）＼
| ___´__ | 近く正式に辞令が下るのではないかと
ヽ、 `ー '´ ／
ノ ＼
＿_ _____ ＿_____
,´ _,, '-´￣￣｀-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ﾝ、
さびしくなりますねえ。 .,'＝=─- -─=＝', i
.i ｲ iゝ、ｲ人レ／_ルヽｲ i |
裴松之様が田舎暮らしに堪えられるとは思えませんけどね。 ﾚﾘｲi (ﾋ_] ﾋ_ﾝ ).| .|、i .||
.!Y!"" ,＿__, "" 「 !ﾉ i |
最近の荊州は山賊だらけだそうじゃないですか L.',. ヽ _ﾝ L」 ﾉ| .|
| ||ヽ、 ,ｲ| ||ｲ| /
レ ル｀ ー--─ ´ルﾚ ﾚ´
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 『宋書』『裴松之伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 舅の庾楷は江陵に在ったが、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 裴松之の西上を欲して、彼を新野郡太守に任命させようとした。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 庾楷は王恭の騒動の発端となり、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 騒動後は官職を失って桓玄の下へ身を寄せていた人物だ
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 883 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:28:32.67 ID:mPt1WTSQ0
-
＿|￣|＿|￣| |￣|_|￣|＿_|￣|_|￣| |￣|_|￣|＿|￣|
|＿ ＿|| |￣ | | | |￣ | | ￣|
ｒ┘└へ| |二ｺ ┌'| |二ｺ ┌| |二ｺ ┌'| |二ｺ ┌┘
〈 〈] ﾟ,、〈| | o ヽ| ｜ o ヽ| | o ヽ| | o └「￣＼
ヽ-ﾍ_>ﾉ_ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿八ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿ハ/｀⊇.ノ
___
_,,,,,,,,,＿ {n_}
,,,x-─''''''''''''''''ー-─く,,,,:..:.:::..;~ﾞ''',二区い}つ
,z'~:; 彡;:. : .::.;'':::.. ,,:.:;''..:.,~ミｔ､:::;;t~ {こ} __
,,,イ~ .;:`メ:;;...,'',:::..:::,:..;::::..;:. __,,,,,;;;;,二ｭ,,,,,,,,,,＿＿{n_}_
ン~;: ,,:' ,,,:::,':,;'::ﾞ;;';;:...:::.'';::.,;:: ,r'~ `". ;:... .::::;;,;::,:'.:,,,;;;}い,}二)
__,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ A彡ノ,''. :: ' ;,:.::, :::,Zx,,:::';;`,:; ,::,;..ﾞ:: ';: ..;;::..,;:: ::;r''~,,__ 込｝
i＜＿＿＿＞! ∧,､{米ミ,,:.: ;:;.`::.;,'':...::'';''::,,ノヤ; 炎';;,.:. ::::,:.. :.;;:...;;;;/Y,,, i巛),
;;;;;;;;k,,;;;;;;;;;;;;;;;;;,,-'|＿_ノYて)｛ミ;爻i;;;.::;`:.:;;:.;;r‐'''~ ,,;ｼﾞ::,: ::,;; "::,,::';;;;;;;ｯぎテ~..';;;ア(')}心ュ,,＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
..:. .|: ；::.. ; :::l:::.:| メヾW个`=ベ-ェ､,,；.:｛；,,. ;=~~'''ュ,,,;,_:::.:,':...::,;===''~.:::;;;ソViYY)K)Eiﾞヾ,､ .. :.. :::...: : ..:....
. .: .|: L::. j ::|;;:::|. .いYソヽ/A(Yい）V台､>-､,,,,. ,:::,:..,;;~ヱ;;;,,,:::::.､､=X〆()のr､iﾐ}Tノル/ﾞj .. : ::..
:. . {・;;;;.::,,;;..;;.....} i`ヾ､､i^rひMべTノ のl'*=z=爻ｍ≡'∧ひ,六俎ミどヾ)メ2ノハ)=ィ",ﾉ _,,,-‐'''"tュ~r-ﾐﾆ'‐-､,,,
..:. ::.人,;;＿＿;;;ソ;;;..:_ `-､`ヾ､ッニ士t),；豆ZY)亘ミメX)rYt川广}ハir､ｔわ&YO,,=-'~,,-''~ i' (,_ 々(コ/´ ::;}Ｊ ,; .ﾞi
. ; .`''''':; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;,::. .~`-=,二二二二二二二二二二二二二二二二二二,=-''~ ...... .. .`-､,,＿ ｀ﾞ'"~ __,,,-´
￣~~~~~~~￣:
- 884 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:29:49.69 ID:mPt1WTSQ0
-
: : : : : : : : : : :. : : :. ヽ
,': : : : : : : : : : : : : : : : : : :',
. ｉ: : : :i : : : : : : : : : : : : : :.i: |
. |: : :ノ : : : : .ヽ: : :., : : : : {: |
. /⌒ヽ : : : : : : : }: : {: : : : : : .}Y
{ : : : :}／Y ￣ Y二Y ￣ Yﾆ=:.}
／ヽ: : : :＼弋 _ ノ: : 弋 _ ノ: : :}/ ヽ 聞けば桓玄を討つとの事
{}{}{}: ヽ : : : : : : : :|:.:: : : : : /＼ ＼
}: .| : } : :_:_:〈 : : }__:_ :. : / ＼ ＼
}: :{ : : ./;'ｒ=====ミ;';ヽ/ ＼ ＼
. /: : :＼/;';弋＿＿,ノ;';;';}＿ ヽ. i
/: : : : : :＼;';';';';';';';';';';';;'ﾉ: : ヽ ./ .|ﾆ=‐- ､
. /: : : : : ` ､: `ｰ───く: : : : :.V / / ＼
. |: : : : : : : : ヽ: : : : : : : :/ : : : : : :.V ./ / .＼
/..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.|
|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
うむ。 |:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:|
|:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
荊州にいる庾楷が内通してきた今こそ好機。 ∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ
＼|::.个ｰ::、 ′ /_ノ:..::.::..::＼
前鋒は任せるぞ劉牢之 |::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐
/∨{ } j{ }i
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ .実の所。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 庾楷はいつの頃からか、司馬元顕に内通して桓玄の情報を流していた
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 885 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:33:11.15 ID:mPt1WTSQ0
-
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､ 『晋書』『庾楷伝』に曰く。
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 庾楷は桓玄が必ず負けると恐れ、
＼ヽ､ ＿ , イ!::/ .密かに使者を派遣して司馬元顕と手を結んだ。
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l:
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼ .『晋書』『桓玄伝』には、勝てなかった場合に己へ禍が及ぶのを恐れたとある
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
ﾑ ｀ / ィ /イ /
{i ＿ /
∧ _ ﾘ ﾄ､￣ ヽ ＼ /
ヾ ﾐ ｨ ｲ .{ﾐvﾘ,ヘ ＼ ヽ / ,
v { !ミl//∧ ﾄ､ _ﾊ _ 二=-
i! i ∧ ﾄxｭて ﾏ ヽ
i ! トｭi､ ィ斗ｔォﾁｱ､vｦ /ゝ
∧ﾄ ﾄ キｫミ 弋り { .,ｲﾄ､!
もし、朝廷が桓玄を討つのなら、内応の準備がある ´ ∧vハ｀ じ" ! lィ i ∨
｀ ム ｲ | ヽ
い ― ﾘへ ,..:::..
ﾚ ＞ イ ｫイﾆﾆ=:::::::::::::::::::::::::::.
v::}ｭ干ィ≦二二=:::::::::／:::::::::::::::::::::::::.
_ /::::::ｫﾏﾆﾏ二二二=.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
/::{:::::::.. ｙ::::/::::::ﾑﾆﾏﾆﾏ二ﾆ＞=::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
イ::::∨イ::::::::;::::::::｛二ﾆマﾑ＞´ﾆﾆ::::::{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ::::
晋 武昌郡太守 庾楷
- 886 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:35:04.16 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年１月 晋 首都 建康】
＿|￣|＿|￣| |￣|_|￣|＿_|￣|_|￣| |￣|_|￣|＿|￣|
|＿ ＿|| |￣ | | | |￣ | | ￣|
ｒ┘└へ| |二ｺ ┌'| |二ｺ ┌| |二ｺ ┌'| |二ｺ ┌┘
〈 〈] ﾟ,、〈| | o ヽ| ｜ o ヽ| | o ヽ| | o └「￣＼
ヽ-ﾍ_>ﾉ_ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿八ﾉ|＿|､＿ハ/|＿|､＿ハ/｀⊇.ノ
___
_,,,,,,,,,＿ {n_}
,,,x-─''''''''''''''''ー-─く,,,,:..:.:::..;~ﾞ''',二区い}つ
,z'~:; 彡;:. : .::.;'':::.. ,,:.:;''..:.,~ミｔ､:::;;t~ {こ} __
,,,イ~ .;:`メ:;;...,'',:::..:::,:..;::::..;:. __,,,,,;;;;,二ｭ,,,,,,,,,,＿＿{n_}_
ン~;: ,,:' ,,,:::,':,;'::ﾞ;;';;:...:::.'';::.,;:: ,r'~ `". ;:... .::::;;,;::,:'.:,,,;;;}い,}二)
__,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__ A彡ノ,''. :: ' ;,:.::, :::,Zx,,:::';;`,:; ,::,;..ﾞ:: ';: ..;;::..,;:: ::;r''~,,__ 込｝
i＜＿＿＿＞! ∧,､{米ミ,,:.: ;:;.`::.;,'':...::'';''::,,ノヤ; 炎';;,.:. ::::,:.. :.;;:...;;;;/Y,,, i巛),
;;;;;;;;k,,;;;;;;;;;;;;;;;;;,,-'|＿_ノYて)｛ミ;爻i;;;.::;`:.:;;:.;;r‐'''~ ,,;ｼﾞ::,: ::,;; "::,,::';;;;;;;ｯぎテ~..';;;ア(')}心ュ,,＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
..:. .|: ；::.. ; :::l:::.:| メヾW个`=ベ-ェ､,,；.:｛；,,. ;=~~'''ュ,,,;,_:::.:,':...::,;===''~.:::;;;ソViYY)K)Eiﾞヾ,､ .. :.. :::...: : ..:....
. .: .|: L::. j ::|;;:::|. .いYソヽ/A(Yい）V台､>-､,,,,. ,:::,:..,;;~ヱ;;;,,,:::::.､､=X〆()のr､iﾐ}Tノル/ﾞj .. : ::..
:. . {・;;;;.::,,;;..;;.....} i`ヾ､､i^rひMべTノ のl'*=z=爻ｍ≡'∧ひ,六俎ミどヾ)メ2ノハ)=ィ",ﾉ _,,,-‐'''"tュ~r-ﾐﾆ'‐-､,,,
..:. ::.人,;;＿＿;;;ソ;;;..:_ `-､`ヾ､ッニ士t),；豆ZY)亘ミメX)rYt川广}ハir､ｔわ&YO,,=-'~,,-''~ i' (,_ 々(コ/´ ::;}Ｊ ,; .ﾞi
. ; .`''''':; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;,::. .~`-=,二二二二二二二二二二二二二二二二二二,=-''~ ...... .. .`-､,,＿ ｀ﾞ'"~ __,,,-´
￣~~~~~~~￣:
- 887 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:36:52.73 ID:mPt1WTSQ0
-
/＼__＿＿_／ヽ
／ __,ノ 'ヽ､_＼
|:::::: （●）, ､（●）| .将軍。
|:::: ,,ﾉ(､_, )ヽ､,,..|
|:::: ｀-=ﾆ=-' | .大事を起こすには決断しなければなりません。
＼ ｀ﾆﾆ´ ／.
. ＼ ＿ ／ヽ- 、___、 _ 桓謙ら兄弟は桓玄の耳目となっており、
_ﾉ >-ｰ＜￣／ :/ :: : : : : .７ 彼らを斬り捨てて、我らに二心はない事と劉牢之に示すべきです
__／ :}Λ:::√ У: : :/ : : : : : : / /
,.-< : : : : :i /::::「 ／ :< : : : : : : : : / : |
r´ : : : : :「: i/::::::i / .: : : 〉 : : : : : : : : : ﾍ
/..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.|
劉牢之でなければ誰が桓玄に当たるんだ？ .|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
|:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:|
事が始まって |:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
大将を誅殺すれば、必ず人心も動くだろう。 .∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ
.＼|::.个ｰ::、 ′ /_ノ:..::.::..::＼
その提案は許可できない |::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
.j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐
/∨{ } j{ }i
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『簡文三子伝』によれば、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 張法順は建康の桓氏一門の誅殺を司馬元顕に進言した。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .しかし、司馬元顕はあくまで桓玄のみ排除しようと考えていた
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 888 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:37:39.01 ID:mPt1WTSQ0
-
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（●）, ､（●）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::| 申し上げます！
＼ ヾﾆノ .::::/"''=-
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、 西府軍が長江を封鎖したため、
. i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ 荊州方面からの商旅が途絶えております！！
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/
/＼＿＿_／｀-、_
／_,ノ ヽ､＿/ / ,〉、
|（＝）, （＝/ ´／ /)
| ,ﾉ(､_,)ヽ./ , ' ´,/
| ｀-=ﾆ= 'V __, ＜´
＼ ｀ﾆﾆ´ 〈´／::::Λ
ヽ ー--.ﾔ::::::::::::::Λ
揚州が飢饉だというのに頭の痛い話だ /ﾑ _ , -.／V:::::::::::::Λ、
_,. -／:/:::ﾊ ,/´..::/i:::::::::::::::::::Vﾍ
／/.／.:::/:::l y .::::::/::::ｉ::::::::::::::::::.∨}
j ::::::::>.:::/:::::l ./ .::::::::::::::::ｉ::::::::::::::::::::ﾚ;
i :::r :〈 ::::i::::::::ﾚ .::::::::::::::::::::〉､:::::::::::::::::ﾉ
ｉ :::| :::::'., :i::::::/.:::::::::::::::::::::::::::`::-==::イ
| :::| ::::::::', :i::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
- 889 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:40:54.15 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年１月 晋 江州 武昌】
∩＿＿＿∩ .∩＿＿＿∩
| ノ ヽ | ノ ヽ
/ ● ● | / ● ● |
| ( _●_) ミ | ( _●_) ミ ここは通れないクマー。
彡､ |∪| ､｀＼､ |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ //´>＿ ) ヽノ /´> ) .お上の命令で、
(＿＿＿） /(＿＿＿） / (_／ 当分の間は通行禁止クマ
| / | /
| ／＼ ＼.. .| ／＼ ＼
| / ) ) .| / ) )
∪ （ ＼ ∪ （ ＼
＼＿) ＼＿)
, -‐ '´￣￣｀ヽ､
ｒ===========r‐、: : ＼
|.―‐――‐―丨‐l┤、 :ヽ
Ｌ二二二二二」.ﾆ|‐{ﾐi : : |
{/ /ゝ､ﾉｲ ﾉl/ ― ﾄl!: : :|
|l:/|/● ● ト、: :|
揚州の飢饉に乗じて一儲けしようと思ったのにと商人Aは残念がります |/!:ll⊃ ､_,､_, ⊂⊃ﾉ: : ｜
/⌒ヽ__|ﾍ ..ｲ:i : :/⌒i
. ＼ /:ノ从ヽ,､ __, イﾄ:}ﾉ/ /
/ //ヾゝ八__／:.:.//ﾍ､__∧
ヽ、.{ {:.:.:.|.|oi//:.:.:.:.{.{ ;_、_ ,'
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 同じ頃、桓玄は江路を断って商旅を途絶させている
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 890 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:42:09.94 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年１月 晋 首都 建康】
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ー） （ー） ＼
| u ___´__ | 近々、兵の食事は粥と団栗になりそうですね
ヽ、 `ー '´ ／
ノ ＼
＿_ _____ ＿_____
,´ _,, '-´￣￣｀-ゝ 、_ イ、
'r ´ ヽ、ﾝ、
,'＝=─- -─=＝', i
i ｲ iゝ、ｲ人レ／_ルヽｲ i |
ﾚﾘｲi (ﾋ_] ﾋ_ﾝ ).| .|、i .||
インスタントコーヒーの袋パックが1000円するこんな世の中じゃ !Y!"" ,＿__, "" 「 !ﾉ i |
L.',. ヽ _ﾝ L」 ﾉ| .|
| ||ヽ、 ,ｲ| ||ｲ| /
レ ル｀ ー--─ ´ルﾚ ﾚ´
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } これによって公私共に物資が不足し、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 士卒にはただ粥と団栗のみが支給されたという
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 891 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:43:38.16 ID:mPt1WTSQ0
-
/..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.| さすがに桓玄は調子に乗り過ぎだ！
|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
|:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:| .荊州へ大軍を差し向ける！！
|:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ 後任には同じ桓氏一門の桓謙を当てるぞ！！
＼|::.个ｰ::、 ′ /_ノ:..::.::..::＼
|::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿ ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::从::::ヽ
/∨{ } j{ }i ≧=‐-::ィﾞ~/／_/-‐=:::'.
ノﾍ-‐ゑ、￣赱ｧヾ'.
| `´ { ､ ﾄ､
| ＿ ん′
八 ´￣｀ ｲ´
＼ ＿ ／ |
ヽ,.．-‐ ^＾}
く ,.．-‐ ￢
丿 ＿ ＼
r' ／ ｀ヽ
晋 驃騎司馬 桓謙
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 以上のような経緯から、司馬元顕は桓玄討伐に踏み切った。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } ちなみに、桓玄の後任の荊州刺史には、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 桓沖の息子の桓謙を据えるつもりだった旨が『晋書』『桓彝伝』にある。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 孫恩の乱の折に呉国内史を務めるも逃走し、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ この当時は建康で司馬元顕の属官を務めていた人物だ
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 892 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:44:33.93 ID:mPt1WTSQ0
-
/:;;;;;;;::::::::::::ヽ,
/::（ﾞﾞﾞ''''',=ゝ､;;:::i
/:::::::｀ﾞ'''":| :i､,,,,,）|
,-、::::::::::::::/‐､::::::::ﾞ|
| ,,':::::::〆::;;:::::｀:::::::|l では、俺は京口へ帰って戦の支度をするとしよう
/｀ﾞﾞﾞ''‐、 ﾞ,〈i::::::∥'"｀ﾞ'''i:li:::::ﾟ｀l
l ｀''‐､,,,,_〉＼∥L-‐､,,|:ii:::|ﾉ,'
| iﾞ|||llii､;il||||llli:::ll:// _,,-‐''''''‐‐i
| .|:::::|||||||||||||l;;il||/‐‐'''''" |
| /:::::';|||||||||||||ll"/ |
ヽ i _,,,-''":::::::::';ﾞl||li彡:::,":| | ／: : : : : :_: : : : : : : 丶: : : : : : : 丶
,,, -''| |,‐'‐､;:::::::;;;;;;;;::',::::::::::":::::｀':､ '; ﾉ /: : : : : l:l: : : :ヾ: : :＼: : :丶 : : : : : : ヽ
,, ‐'" | | /‐‐-=､,,｀ﾞ;;;::::‐''':::‐､;;::ﾞ'::::､ ;/､ ／: : : : : /: l: l: : : l: : : : :＼: : :ヽ: : : : : : l
,, ‐'" | | / ,,,,,__ ｀ﾞﾞﾞ''''‐-=;;;;;;;;;;| i ｀ﾞﾞ''‐ ､ : : :/: : /l⌒l: :､: : :ll: : : : : : : : : :ヽ: : : : : l
7: : : :/: l /:/ゞ: : :l＼: : : : : : : : :l: : : : : ヽ
: : : ｌ:l: l_ゞ ｌ:l ＼: :ゝ-＼ : : : : : l: : : : : : :
: : :/l: :l 辷ｌ:l ￣辷､:＼_): : : : :/: : : : : : :
ゞ:乂 : l /ヾ､ ￣__ノ: : : : / ＼: : : : :
):∨ 丶 ／: : :／ノ ／: : /
早く戻ってきてくれよ。 乂: ｨヽ ﾊ/ｌ:/ x-イ: : : : ゝ､_
_ノ:ヽ‐- _ ／ l: : : : l: : :ﾆ=
あんたの軍才と北府の軍事力が頼りなんだから ゞ=ﾆ三: :_ﾊ , 彡: : : : l : :ヽ
7:/,＜ 〉- - ´ __ -=ﾆ- l: : : : :)
ゞ-l l 从l二二二f丶 /: : :／ゞ
---./ ,l 彡〉二二ﾆ.l l ゝﾆ: :／ 〉、
晋 譙王 司馬尚之
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『安帝紀』によれば、、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 鎮北将軍劉牢之を前鋒、譙王司馬尚之を後続とする予定だった模様。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .『晋書』『劉牢之伝』では、この時点で劉牢之が征西将軍になっている
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 893 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:45:36.51 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年１月 晋 荊州 江陵】
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
) ＞
＜ 都より！！！ ＞
_.. ‐''广''''―- ..､ < (
i'"ﾞ._.. -'|'''''―- .＿| ／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
.|''″ .! / 三 l
_,,|∩ ∩.! .lﾞ三三!
/ l ! l ｀ﾞ^'''''￢ｰ っ..,,..,,、
_./ ゛ ! | ﾞﾞ'''～ ....,,_ ヽ ｌ ﾞ'(￢ｰ 、
,./ '″从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ │ ｀''､,!三 ヽ ＼
／ ;ゞゞ; ;ゞ 〉 ,!゛三三ヽ .ヽ,
／ 从ﾘj"Wﾞﾘw;yﾉ ミ彡ミ彡 / 三三三 | WWwjjw､、
.／ ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"WWwjjwv ミ彡》／ 三三三／ |"ヾ ;ゞ ;"ヾ.｀''ｰ ､
._..-" ゞ ;" "ゞゞ WWwjjwv " ヾ ;ゞ ;"ヾ／ 三三_..‐" .／,!ｿ;;;)ヾﾐ;ｿ(;;;ゝヾ;))`-.、
ｰ'''″ |ﾞ'.ｌ￣￣''ｰ ＿＿＿ -'´ 三三,／゛._..-'゛ .ｌ WWwjjwv ｀''-
|;;;;Wiwノノ;;::! llﾞ'-、三三 | .|____ﾞ“'''―---- ／ ,／゛ ij从
'",,iiゞ ミ;;;;Wiwノノ;; !'､, ll｀'-､,三`'ミｰ..,´ﾞﾞ''''―----'" WWiiiwWゞ
",,iiij从ミWﾘﾘWii-''l ＼ ll ｀''ｰ､.ﾞ''-ﾐ～ ..,_ ,ii''"`
ろ::::::.... ..k! .｀'-､ || ｀'‐､,｀''ｰ..,,.｀ﾞ'''- ､,,iiゞ~ ;:_ヽゞ ;" ;"!" ヾ ;ゞ ;"ヾ"
||｀'-､二 ''ｰ､ ｀''-､ヾ ; ;:_ヽゞ ;" "
||＼二二｀''-､ ｀'-、,__,,wyyvヾ ;ゞゞ
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } だが、このような朝廷の動静は全て桓玄に筒抜けだった
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 894 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:46:30.45 ID:mPt1WTSQ0
-
∩＿＿＿∩
| ノ u ヽ
/ ● ● |
| u ( _●_) ミ 太傅長史の桓石生様の命令で参上しましたクマ。
彡､ |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ /´> ) 驃騎大将軍の司馬元顕様が、
(＿＿＿） / (_／ 桓玄様を討伐するための軍勢を編成していますクマ。
| /
| ／＼ ＼ .北府軍も動員されるそうですクマー
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿) {...../............../.../|.........:|:::::::::}::}::::::ﾊ
}）{:::::::::::::/:::/:::|::::::::::|:::::／/::::::::::〉
{:::::::＼::::::::{::::{:::::|::::::::/::/:::/:::::::／{
{::::＼(ーｙ／/ーｙｒｙー＾＾＾⌒}:::::::::〉
∨:::::| /／{{ ﾐ:::::::::〉
_}::::::ﾐ {:{ }} /__}::::::ハ
そ/＾个￢==ミ、 ｒ＝===彳/ﾐ /ハ＼
意外だな。 ／ { ﾐ{ -禾莎ミ、 ,.禾莎=- |/ /√ ）
/∧ | ＾ / | ＾ / /}/
揚州は飢饉の上に孫恩の乱は未だ終わっていない。 ＼', ∨| /|_./
/ ∧ 、」 , / .|(
可能な限り力を蓄え、 .| |/ ＼ - ￣ -‐' / /＼
相手の隙を見て動くつもりだった .|＼＼ | ＼ ／ ／ /|
|ﾆ=＼＼ ＼＿__／ ／ ／ |＼
＿ｒ‐.|二二.＼/＾７⌒「∧´ ／二二∨三＼
＿ _.. -=ﾆ￣ | |二二 / / :|| ∨ニ二二ニ∨三三≧s｡.._
|〕‐=二 ___/￣￣￣￣) / || /∨二二二ﾆ ∨三三三三/≧s｡
晋 後将軍 桓玄
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 『晋書』『桓玄伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 司馬元顕が桓玄討伐の詔勅を称すると、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 太傅長史の桓石生が密書でそれを桓玄に伝えてきた。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 桓石生も桓玄の従兄弟の一人であり、
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/ 張法順の指摘通り、建康にいる桓氏一門が桓玄の耳目となっていたのだ
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 895 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:47:31.68 ID:mPt1WTSQ0
-
/ i'´ ／ ／/ `ヽﾐヽ,
r'´ｌ l .ヽ .i,／ﾆ二三三＿ `‐ﾐ l
V ヽ＿ヽ -`'´ `i//∧、＿｀` ﾐ__
/ハl ヽ//,ヽ､＿_, ､ ﾊ
//. l .i ,, ´｀ヽ､//,ニﾐ､` ヽ,
.{ !、 ,! _,, ィ'"_ l:i /´`lヽ、 l
`' 〈__ .,ィ"ｨ=モイ ﾘ /ノ,l ヽヽ {、 司馬元顕という男を見誤っていたのかもしれん。
ヽ､i ￣´ ,__,ｲ､//l,,ハ!
| l `l_rﾘ .どうにかして江陵を保ちたいものだが
| __ ,li |-､
￣ ＿ --' ／.:l _, '_,,,ｨ'
ヽ`‐'´ ,‐‐'-,- '´ｨ=ﾆ三|
ィヽ ＿_ ,,/イ´,-=ﾆ三三三|
,＞/／//ｲ'´ ,ﾉﾆ三三二ト､ ,′ / ｀､ ',
ヽ／/ i l_,-_‐'´ﾉ彡=‐'´ , -‐'-､ l ,' ,ｲﾊ ', !
, -====く〈ヽヽ l､_ヽ_,-‐'´ .::／, '´￣｀ヽ､ l l /| |l |l:､、ヽヽi l
／／//////｀＞`､´ 〈 i、 ` ﾁﾗｯ l ｜ /l/l/ | l| |l lハlヽr| |
l : lヽL.l'_ ! ′ ＿｣ｺ |
l l |` ┬-;ミ r,ﾆ=┬ｧ| ｌ|
l. l l | `'ｰ┴ ＾ i ┴ ′ l |:l
閣下の英略と威名は天下に振るう一方、 .| l l l |､ ｜l l::|
司馬元顕は口尚乳臭、劉牢之は物情を大いに失っています。 .l| | , l l . ! 〉 ./| l l: |
l:| ! l lヽ ‐＝‐ /l | | l:. |
もし、兵を都に進めれば、土崩瓦解するに違いありません。 l::| :| ﾊ::|＼ , ｲ:::| | | l::. |
l:::| l| ﾄ､∧ ヽ ＿ ／ ∧:ﾘ |｜ l:::.:|
荊州で敵を待つのは下策かと .l::::| l| :l::∧ヽ＼ ／ / /,!｜ l:::::|
l:::::| l| :::l〈 ヽ. ＞＜ ノノ/ﾘ |l :l:::::|
_l::::┤::l|::::|::ﾍ 〈 〉. / /, ﾘ :|＼|
晋 後将軍長史 卞范之
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 口尚乳臭とは未熟な若者を指す言葉
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 896 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:50:11.77 ID:mPt1WTSQ0
-
: : ∨^冖^ヾ: ≠: ﾉ. : : :rvﾊi: : :i |: : ,: : : :///. :ｨｲイ⌒冖^ー=才. ／.: : : : :｛
＼: } /. : /ｲ. : : ﾊjiN{ : :.i |: / /.州r≠ ７. : : : : : : :∧
: : 汽 /. : / ７.::i:/ ｀ヾN/イ" i. : : : : : : -=: )
:.-=７ /. : / |: ::|! }_彡. : : : : : /
ー={. ′./ :|: :.l! ｝-=≠: : イ{
: :才 i: :/ |: :.|! 才. :_彡. : : :,
=ア (. :|: { |: :.|! , }≠イ. : : :ハ
:.:｛ ＼i:.:{. 从:.! ／ ,.ノﾉ. !f⌒Y. : : :{
:弌:ｰ-=j: 抃ミ 廴)):| __ ≠-‐≠" }: :i从 }. i{: /
_j i{ ーr刈ぇニ辷笊ぇx 斗=＝_二二ﾆ=-‐ ｧ彳 ,抃i に , :八{
V:抃 ＼ 弋云ズj^ヾ ミﾒ /ｲf≠7 弋辷:ア ／ j刈ハ ′:从
:N ^ー‐‐‐‐=^ ＼ } : j′ ー= ﾆ冖^ /i:{ .′ {′ それでこそだ。
从 : :i: 7从 /ｲﾊ: 〉
∧ .: :|i j/. /. j/ 出るぞ。
.ﾊ ′ : :|i ; ﾉ
乂 ﾍ :|i 厶ィ" 江陵の留守は兄上に任せる
／へ'. :|i ,:^! 从
／ ∧ , !l ′!(＼
ｲ /ｲ.ﾍ ＼:___／ .′ |)). ＼
/ .从∧ /. ! :} ヽ ＼＿_人＿人从＿人＿人从／
! {:.:.:i : , 弋ー- === ー‐=＝ァ ｲ l ./ } ＿） （＿＿
∨ ∨￣￣￣￣{ ー--‐ '"´ ／￣￣￣￣７ ,i ） 御意ッ！！ （
. iV. ∨/ { ー==- } ／ ,: ! ￣￣） (￣￣
. |: ＼. ＼/, .{､ ／} ／ ｲ : L ／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
. |:: : :.＼ ＼ { ＼ ／ /. ／ ／. : : : : : : .
. |: : : : : :＼ ＼ ∨ .＼ ／ .ｲ .／ ／. : : : : : : : : : :
/i: : : : : : : :.＼ ＼}^ー-r≫-----≪ / ＞ ゛ .ィ. : : : : : : : : : : : : :
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 桓玄は司馬元顕が自身を討伐すると聞いて恐れたが、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 長史の卞范之の進言を受けて大いに喜び、軍勢を率いて長江を下った
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 897 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:50:51.14 ID:mPt1WTSQ0
-
￣￣○ｰ､ { ＿,.-‐'´
項 ｀}_ } ＿_／
葛陂 ｀ｰ-{ ﾉ 涂中
○ 新蔡 ｀ｰr‐'￣ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´￣ ○東城 .／○白石
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 ／○姑孰
｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣ ○安豊 ○合肥 ○＿_{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .}￣ｰ'￣} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ ｀ｰv'○東興 .／○于湖
￣○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ ｀ーr―'￣ ○蕪湖
襄陽｀} ｀ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 【宣城国】
} 'ｰ, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|＿_ 石陽○ ｀ー-, ∧∧∧ 皖城○ _,.-‐'
.長坂○ | ＿＿＿＿＿＞-―‐､ ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○＼_ |
. ￣￣ヽ＿ﾉ 夏口| 武昌 .￣| ●尋陽 ＿r‐'´
＿＿_/ ヽ ＿/
.￣7 'ｰ-､＿＿＿イ
-― -―‐_ ○江陵 ／ ○湓口
. ○楽郷__） _,.__ ＿r‐'○陸口
○'ー'´￣ | ／ （ 江 州 ）
公安 ｀ヽ r'
＞'○巴陵
【臨川郡】
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ 桓玄軍は尋陽へ至った
＼ヽ､ ＿ , イ!::/
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l:
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
- 898 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:51:22.73 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年１月 晋 江州 尋陽】
才ｲ ::|ｲ:://. ／. : : ‐-ミ: : :ヽ
ｲ:ハ:!: :{:{i:{:{彡'"´_. : -=＝ミ:｀ヾ
_＿＿}＞ォイﾒ∨才ｨｫ=ミ:ー-=ﾆ: : :⌒ｱ
｀ｰ=彡才ﾊ :| ｀ゞ'"´ }:才´ｰ-ミ : :}
. 八 ∨{∧{ ｀ヾｰ-ﾐ: :＼!
}汽:, 乂 ノﾙj }: :ｰ-ミ ﾊ
イﾊ示メ. 厶斗≦, {才⌒ヾメ 檄文を書こう。
∧ 汽 ﾓ:圷 ｰ斧"ﾓ:ｱ才. 从:ﾘ⌒;汽
ハi ￣i ￣ }/ /⌒ 天下に司馬元顕の罪を問う
'. :l , .ｲﾘ
. ∧ .;!_ /ハ:f
∧ _｀ｰ_＿ , ｲ.刈り
ｨｭ_ ヽ ｀ﾆﾆ ´ rく 从{ ,′ / ｀､ ',
ア / / ー＜∧ _,.ｲ/ ＞'"´｝ ＿ l ,' ,ｲﾊ ', !
: :/ /: :＞ ´ ／￣ ﾊr-=≦-‐=ﾆﾆ才´.:.:.:.ﾊ＿ l l /| |l |l:､、ヽヽi l
: { ｲ ´ ' .//ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ-／'.:.:.:.:.::.／.:.:.:.: l ｜ /l/l/ | l| |l lハlヽr| |
ｲ 厶. / {ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_/.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: l : lヽL.l'_ ! ′ ＿｣ｺ |
l l |` ┬-;ミ r,ﾆ=┬ｧ| ｌ|
l. l l | `'ｰ┴ ＾ i ┴ ′ l |:l
| l l l |､ ｜l l::|
l| | , l l . ! 〉 ./| l l: |
分かりました。 l:| ! l lヽ ‐＝‐ /l | | l:. |
l::| :| ﾊ::|＼ , ｲ:::| | | l::. |
ところで、閣下のお耳に入れたい事が l:::| l| ﾄ､∧ ヽ ＿ ／ ∧:ﾘ |｜ l:::.:|
l::::| l| :l::∧ヽ＼ ／ / /,!｜ l:::::|
l:::::| l| :::l〈 ヽ. ＞＜ ノノ/ﾘ |l :l:::::|
_l::::┤::l|::::|::ﾍ 〈 〉. / /, ﾘ :|＼|
,-‐ ' "´ ｜:::|::::|::ｌ:::ﾍ /`ﾄ-ｲ ﾞ､ / ﾙ'/ ..::| ｀丶､
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } ここで桓玄は、建康へ向けて司馬元顕の罪状を問う檄文を発した
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 899 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:51:52.19 ID:mPt1WTSQ0
-
｀丶､ .∨ ｀丶 ､ ./ ,,__,,..‐ '"￣＞ ／/
ﾞl. ｀' - ..、 ＼/ |ﾞ､ヽ ＼ .ﾞ､／ ／ /
! .', i ｀､ヽ `i ｀､ _..-'"゛ /
｀ 、 、 ｀ヾ l ｌ / ゝ､ ／ .、 {
__ ヽ ゝ ﾉ } 〈 ｲ / ',__ ）
.´ i′ ＼, ヽ _..-ーｧ ｀ヽ´ } __! / ', ￣
l ｀''' ´ / ＼ ｀ヽ ヽ ,' _,-'" / ',
. l､＿,,-、 く_ ', } ', '" { ／´
.： ｌ ｀ヽﾉ l ._,. 〉 } ／
.! ', _.,--ｲ ﾚ´ __..、 | ／
i .、 / / _,,...ﾉ ノ |./
､ ヽ / .／ ＿_ { _,'" ´
.＼. .ヽ /,,,/ l_ / ゝ´
｀丶､,,_ .＼ ＿
￣￣ .!ゝ､ i'-.._ _／″,-ｰ-
ﾞ、 ~ヽ ｀ｰ- ､． , "´ー-､ /
ヽ .ｲ、 / ＿_/ ｀
- 900 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:53:18.84 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年２月 晋 首都 建康】
ヾ叉7
＿ⅲL_,, ,. _
,,､､-‐'''""´: .: .: .:::::::::.:.:.:. : :｀`ヾ､､､
,,． '"´. .:.: .:.: : .:r＝=.: :. :.: .:. :. :. :..: .: :. .::. :.｀ゞｰ-､､
,,． '"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.`''ヽ､,,
,r'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;:;:;:;:.;:.:.:.:;;;;;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;:;:;:;:;;;;;;;;;;:;:;:;:;;:＞
｀`ヾ､;:;:;:;:;;:;:;:;;:;:;:;:;r＝=;:;:;r＝=､;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;;:;r＝=;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:r''"´ .
｀`ヾ;:;:;;:;:::::;;;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;:;;;;;;;;=＝=;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:,r'ﾞ
￣｀¨`ヾr＝=.: .: .: .: .:. :. :. ::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :r＝z,;,;,;::／
｀¨`ヾ.:.: .: .:.:::::::::;:;:;:;:::::::::;:;:.:.:.:.:､､-‐''"´
｀＞;:;:,';: .,':;:;:; :;:; :＜´
,､r''"´. :.: .:. :. . :. :. :. :.: .: .:`ヽ､
,､r'"´.:.::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;:.:.:.: .:. . .:.::::::｀'ヽ､
｀`ヾr＝=;;;;;;;;;;;;;;;:;:;:;::.:.:. :.: .: . :.: .: . ::.:,＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
`ヾ::.:.:;;;;;;;;;;:.:.:.:.:.:. :. :.: ; :; :.: .:.:.::r'≧ ＜
ﾞ､:;:;;;;;;;;:;:.:.:::＝=.:.::::::.:.:.:.:-=ニ 西府軍はすでに尋陽まで来ています！！ ≦
｀ヾ.:;;;;;;;＝=.::.::.:.:..:.::r'´ ≧ ≦
_,」;;:;:;:;;;:;::.:.:. :. :.:. j ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
｀`ヾ;:;:; :;::;;: ;r＝=.:.j ＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
ﾞi:;:;:.:. :.: .:. :.:.:.:,! ≧ ＜
l;:;: .:.: .: ..:;;;:;;;! -=ニ 桓玄自ら率いているとの事！！！ ≦
'i;;;;;:.:.:.:.:;;;;;;;;;! ≧ ≦
1;:;:;:;:r＝:.::{ ／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
ゞ;;;;;;:.:,r'´.:.:｀`;:ｰ-..､,,_
- 901 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:54:01.09 ID:mPt1WTSQ0
-
/..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ u ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.| 譙王。
|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八
|:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:| こうなったら桓玄討伐は取り止めにしよう。
|:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:|
∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ .桓玄を迎え撃たないと
＼|::.个ｰ::、 ′ u/_ノ:..::.::..::＼
|::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐ ／: : : : ／: : : : : : : : : : /: : : :l/:ヽ: : : :＼
/∨{ } j{ }i /: : : : : /: : : : /: : : : : : :/: : :/∨:l : lヽ: : : ヽ
/ : : : : /: : : : /: : : : : : :/7: : l─‐ﾞl: : l_l: : : : :l
l: : : : : l: : : : /: : : : : : :/ l: : : l l: : l l: : : : :l
/: : : : /: : : : l: : : : : :ノl l: : : l l: :ｌ l : : : l: l
ゝ-'/ : : /: :/: l: :l: : : ／ 弋‐-ヽ : l l: ｌ l: : : : l: ﾞ､='ﾞ
分かった。 ゞ=: : ｰ:f''ﾞ l: :l: :l: : /ゝ辷廴ヽ l:ﾘ ､zｬ二l: l: :l: l､: l
T: : : :ｌ ヽ:l : lヾヽ ﾉ/ l ヾ'-ヾ∧: l:ﾉ l:ﾘ
俺は弟が駐屯している歴陽で桓玄を迎え撃つ。 ヽ: : : ＼ ヾ: l ／ l l: :l: lノ l/
ヾ: : : :ゝ- ゞﾞ=-' 〉 ､__ﾉ: :l:/
劉牢之の北府軍の合流を急がせてくれ ., ﾉ : : : : ハ /: :(ゞ
ゞ7: : : : :l _ --､ /ゞ=‐'ﾞ
, - l: : : : l､ゝ__ノ ＼ 二 /
/ ＼l: : :l‐- _ ＼ /
/ ￣¨‐-､ ￣ ‐- ｀ -┐'‐- ､
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『簡文三子伝』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 譙王司馬尚之は自身が兼務していた豫州刺史の駐屯地歴陽を守備した。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .同地には彼の弟の司馬休之が駐屯していた
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 902 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:55:05.11 ID:mPt1WTSQ0
-
/..:: /::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..::..＼.::..::..::..::..::,
,:..::../ ::..::..::| ::..::..::. ／::／ﾍ..::..::..≫≪|..::..::,
,::..::..::..::..::..:.:|..::..::..::..::／ ヽ::..∧ ::.. |..::..::.,
/::..::..| ::..:: |:..:|..::..:. ´ u ∨..::===|..::i.::.|
':/|::..::| ::..:: |:..:|＜ ∨ :.::.. |..::i.::.|
|:ｉ |::..::| ::.. ∧:.|_,_ ＼ ／__|:../..::ﾘ ..::.八 おっとっと。
|:ｉ |::..::| ::..::|/^伃i仆 ヽ ィ伃i仆く|.. /..::/ ｉ i:|
|:i:八:小::..fﾍ 弋^ソ 弋^ソ /イ..::/..: | i:| .昨夜飲み過ぎて身体がふらつく。
∨ [人^∧｢´´ ｀｀ 厶ｨ..::|八:ﾉ
＼|::.个ｰ::、 ′ u/_ノ:..::.::..::＼ 元顕たちも舟から降りて、都の城門を守備しないと
|::j | !:..::.::、 r:::::―v┐ .::..::./|..:j.::..::厂
j/八|:..::ﾚ个:.. ､::::::__ノ .:个::..八|/|/∨
__＿_＼|__L.／}＞ ＜{＼トV､＿
_｢／⌒'ー＜_ j{ ﾉ ∨}i 二ﾆ=┐
/∨{ } j{ }i
/＼＿＿_／ヽ
／ ,,,,,,,ﾉiヽ,,,,,,:::i|li:＼
|（●）, ､（●）､ :|
| ⌒,,ﾉ(､_, )ヽ⌒ u.::|
|u {,｀ﾄ===ｲ ,} ::::::|
大変です！ ＼ ヾﾆノ .::::/"''=-
／::ノ"''ﾌ:ﾉ|ﾞ x ''|ヽ!:::_,,,L,,ﾉ,,ﾉ_ノﾞ>i、
西府軍接近を聞いた官吏たちが逃げ出しました！！ . i／ﾍ" ﾑﾉ:::::| i::::! |-''"::::/ ﾞヾノヽ
/（:::::::ﾞソ"_;;;;;;ﾉ: :V: :ヽ ''"ヽi、 をノ
（::::ヽ,ノ"!,,_::;／: :i: :i: : :ヽ_;;:::::"ヽi、
^ﾞ''" ／::::;ｼ: : : : i , -ii !、＼::;;ノ::::）
（::::ヽへ、: : : i i/ ﾞ''ヽ,/
- 903 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:56:13.11 ID:mPt1WTSQ0
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＼::ﾑ ／.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
＼ﾑ.´:::／.::::::::::::::/、:::::::＼::::::::::::::::::::: ＼
／｀::::/.::::::::::::::／ ＼:＿_/:､::::::::::::::::::::::::＼
/.:::::::::/.:::::::::::／ ＼/￣＼:::::/:::::::::::::::::ヽ
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/.:::::::::/.:::::／ /´￣｀ ＼:::::|::::::::::::::::::::::::::,
′::::::::{::／⌒｀ ヽ:|:::::::::::::::::::::::::::,
|:::::::::::::| - ´ 斗≠ュ ノ|:::::::::::}::::::::::::::::,
|:::::::::::::| 斗≠ｭ、 ィ ん心 》 |::::::::::,|:::::::::::::::::,
|:|{::::::::: 《{ んﾊ 弋zソ / ::::::/:|::::::::::::::::::,
|八::::::::| ,, Vzｿ ﾉ ￣￣｀｀ ::::::/ |:::::::::::::|:::ﾑ えっ？
|＼::| , , ,￣ ｀ ´ ´ /ィ::::/ ,|:::::::::::::|∧:::::、
|:::: ＼ ＿ l／ー ::|:::::::::::::|:::::＼::＼
|:::::::::八 ﾏ ￣:::｀ﾉ ｲ::::::::::|:::::::::::::|:::: |::|｀￣
|::::::::|:::::＼ ｀￣￣ |::::::::::,::::::::::::::|:::/|/
|::::::::|、:::::::＞:.. ´ | ::/::/::::::/|::::,::′
ﾉ＼:::| |:::::/.:::::::::.ヽ ＜ |:/::/|::／ :|::/
｀ :::/ :、::::::::::::::::::::::, / / ´ /
|/ ＼/＼::::::::::| ／´ ￣￣ ｀∨
＼::::| , :/ ,
__ _ソ // |
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『簡文三子伝』によれば、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 司馬元顕は桓玄軍の接近を知り、舟を放棄して建康の国子学堂に駐屯。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .翌日に建康南の宣陽門外に布陣しようとしたが、多数の属官が逃亡した
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 904 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:58:16.52 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年２月 晋 揚州 盧江郡】
i i i i
}桓（ }桓（ ～～ }晋（ }晋（
＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ ＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ
匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
i i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~ ~}晋（ }晋（ ～～～
}晋（ }晋（ ＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ
＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
匸弍弍弍弍弍弍・・・/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ～～～～
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ～～～
～～～ γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| 挙兵して反乱したが、 .|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
| 兵のためにならないならば、引き返す事も考えていた .|
ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
～～～～
i i i i
}晋（ }晋（ ～～ }晋（ }晋（
＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ ＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ
匸弍弍弍弍弍弍・・・/ 匸弍弍弍弍弍i ・・・ i/
i i~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~ ~}晋（ }晋（
}晋（ }晋（ ＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ
＿ }二二(}二二( rｰ―ｧ 匸弍弍弍弍弍弍・・・/
匸弍弍弍弍弍弍・・・/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ～～～
- 905 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 22:58:47.49 ID:mPt1WTSQ0
-
___
r-ｆ＝-ミ: ヽ
f´_彡{{^{{｀ヾjﾘ __
} rv/ ﾘrえ _,: ハ ∨ ＞ ァ
〈:ﾊｆ _∨ } } ＞ ´ '´ア
ハ}∧ r ｧ/ / ー ´ _／ ／ｱ
＞ ´孑≦=ミ: .ｭ_.ｲ f 、 ´ イ ／} ところがどうだ。
/ｲｲイ＼＼＼ﾊ才ー‐ｧｆﾆﾆﾆﾆｱﾞ ⌒ . イ
{ i | |i:{＼ﾊハｲ. : : : : :/ﾆﾆﾆﾆﾆ{ { ー- "´ .既に尋陽を過ぎたが王師の姿は見えない。
i::| ! 从: : : : : : : : : : :/ﾆﾆﾆﾆﾆ.人二ﾆｱ´
∧r＜ :.＼: : : : : : : : {ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_／ 君の思惑は外れたようだ
{ﾆﾆﾆ_i: : : :＞ー-＜ . : ＞￣∨￣
lﾆﾆﾆハ: : : : : : : :i : : : : : : : : ｀.
/ﾆﾆﾆﾆ∧ : : : : : ::!: : : : : : : : : ﾊ
}-ﾆﾆﾆﾆ.∧: : : : : :, : : : : : : : : ::}::.
}ﾆﾆﾆﾆﾆ-∧: : : : : : : : : : : : : : :}::ﾄ. ﾑ ｀ / ィ /イ /
}ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_＼: .才: : : : : : : : :ﾉ::{∧ {i ＿ /
∧ _ ﾘ ﾄ､￣ ヽ ＼ /
ヾ ﾐ ｨ ｲ .{ﾐvﾘ,ヘ ＼ ヽ / ,
v { !ミl//∧ ﾄ､ _ﾊ _ 二=-
i! i ∧ ﾄxｭて ﾏ ヽ
i ! トｭi､ ィ斗ｔォﾁｱ､vｦ /ゝ
∧ﾄ ﾄ キｫミ 弋り { .,ｲﾄ､!
´ ∧vハ｀ じ" ! lィ i ∨
｀ ム ｲ | ヽ
い ― ﾘへ ,..:::..
ﾚ ＞ イ ｫイﾆﾆ=:::::::::::::::::::::::::::.
v::}ｭ干ィ≦二二=:::::::::／:::::::::::::::::::::::::.
_ /::::::ｫﾏﾆﾏ二二二=.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::{:::::::.. ｙ::::/::::::ﾑﾆﾏﾆﾏ二ﾆ＞=::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
- 906 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:00:06.84 ID:mPt1WTSQ0
-
＿ ＿_ ／
r‐{:./／: : : ｀丶 ／ /
／∨/=‐ ⌒ﾐ : : : ヽ ／／/
〃{/ ,.=- {＼: : ＼ ／／／
/ |{__ ´rzｖ´ ＼:､: : :.} ／／／
} fﾉ '｝∨:.| ,／／／
| ゝ rｿ.: :l ,／／／
--‐ / Y.: : :l／／／
', ／＼ |: ／／／
ー ／∠二.／／／
残念だよ ﾉﾊ/⌒{= ／／／ r、＿＿＿＿_
／ /ﾊ: ／／／／/{＿＿ / //⌒丶
r{ヽ/:{/ ／／／＜二 ＿{｀ヽ | | |ヽ
／／/ ,／／／ ｏ ／ :r､ { ', Ⅵ | | |
／／ ／／／ ｏ ／ r┐| ', | :} | | | | |
／／ ／／／ ｏ／ | { ! ヽ :|_|＿|＿|_.」
//.:}o ／／／ ,／ ', ／ :|
. // /／／／ ,／ ー──ｧく∧ |
{｛,／／／:| ／＼ ├r─' ／:::::'， :|
／／／＼ |,／ ', { └=彡::::::::::::， :|
／／／/ V ,／ ∧:::::::::::::::::::::::::::，＿ │
∠二二{∠／| ＼ | ／ //∧:::::::::::::::::::::::::::＼ ＼
く :} ∨/ | o:| ｏ | ////∧:::::::::::::::::::::::::::::}} ',
. ／／＼ 丿 :|/ .:| o:| ｏ | /////∧:::O::::O:::::O::ハ }
／／二う{｀¨¨¨¨｢{＿__| ,/ o | ｏ ヽ //////∧¨¨¨¨¨¨¨⌒}ｿ ′
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ 『晋書』『庾楷伝』に曰く。
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 桓玄は志を得ると、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 庾楷が謀を洩らしたとして誅殺した。
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/ 『晋書』『桓玄伝』を見ると、尋陽を通過した後に誅殺された模様
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 907 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:01:38.40 ID:mPt1WTSQ0
-
,才⌒ｱ弐z_ .ハ .ﾊ
ｨく{{才≦＝才_ f＜ ∧ ∨.{
_斗f个'"´气=ミ≦ ＞ .｀ヽ } }. { 王師の姿は見えない！
ﾊ 乂匕 ノ才ｵ=ミ ＼ ヾ ﾊ ｀Y
j } ./ } ハ岩.彳豺 :_ﾉ{. fﾆニ ｀ヽ :} もう何も怖くない！！
_} ﾚ ./ ∧ j _ ,ﾊﾘ _ .∨ !
〈 :} .ﾞ f＞ーｧ ＼≠ｧ /才ｱｲハ_ -==ミ 乂_ | 都へ進軍しようではないか！！
}ﾉ / /´-ァ ＞ー＝ｭ才ｱ{f. . ./ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ_＼才ﾆ}＿ }二ﾆ=- _
ハ ｲ ｨ´ 才 {:! /八／ {∨. . }ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆハ. ｲ}＿彡ﾘﾄﾆﾆﾆﾆ=＼
.∧ {ﾊ / 才从{ーｭ⌒ヽ_}ハ__ハﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ/ /ル__彡ｲ: 〉ﾆﾆﾆﾆﾆ{
∧ }: :＼ /_/彡人ゞ才イ i｝_乂 }ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=.∧ ∨ ／. : /ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}
f¨ﾞ!
:┐ n /〉 <ヽ /^〉'
! }”/ ,､ <｀ヽ ./:::/.,､
⌒!ｨ f¨ﾟ{ <´ 'ヽ Vハ |ヽ Y¨! |::::}ｲ { , -ー ､ _ /¨> r-‐,､ <⌒!
::〈人_r-ｰ- ､_r＜}| ＞::::￣:｀ヽ__, - ､__r ､r=¨>‐-! /:::::}＿_Vﾍ }:::|__}::::{.ィ1.|:.:.:.:.:.:.}_, くﾉ￣! ./;;;;;;;;;}_, ﾍ⌒',
/:.< /::::::::::::::::Y::/|i /::::::::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.YVｲ!:::::}::::::::|/::::::/:ァ＜! V_::| ',く/⌒!}:.:.:.:.:ノ/ /:/^V__〈ヽ;;;;;/_!__ノ::::::ヽ
:.:.:.:}|:::::::::::::::::::|:{:. }:!:::::::::::::::::::::::: l:.:.:.:.:.:.|ィ ゝx}:::::: |::::::/:.:/ / > ¨⌒ヽ:'. V¨¨ヒ{_. V==<:::::｀ヾア´:f⌒!ヽ:::::}
＼f':!::::::::::::::::::lﾊ:.:ﾘ'.:::::::::::::::::::::::∧:.:.:.:./ ＞ｲ::! :::: |:::::{Y/' 〈 /:::::::::::::::::}:' V::::::::::{ .} .}::::::::::|:.:.:.:.|:.:.:|:.:.}-:'
ヾ!,､:::::::::__/_／ ヽ::::::::::::::::/|ﾚVWハ/::::::::/:::::: |::::::|ﾊ V!::::::::::::::::::!:/ ./:::::::;:::Y /^!:::::::{:ﾄ､: |:.:.:|:./:::::
｀Yﾟ￣ ＿/VﾚvｲW:::::｀ー-::＿_／:::::::::/:::::::| ヽ ｀!:::::i:::::::::::|' /:::::::/L_| ￣⌒¨}＞ﾍ}:.:.:|”::::::::
、 f´￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::| ヽ .|:::::l::::i::::::| /:::::::::| ＞- ._ }} |:.: |ヽ:::::::
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『桓玄伝』に曰く。
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ }
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 既に尋陽を過ぎても
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .王師の姿はなかったため、桓玄は大いに喜び、将吏の士気も振るった
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 908 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:02:45.15 ID:mPt1WTSQ0
-
_ ＿__
／. : :ー-ミメ: .
/. : : : :_刈ﾊ}/ﾉノﾊ
」-‐=彳 /:f^ｰ-弌{
_j _彡ｲ､__{{八 jﾘ 卞范之。
爻{ i{ 气-芸ﾐ .ｨｱ
ハ :{ i 北府の劉牢之とまともに戦えば、こちらもただでは済むまい。
Ⅵﾍ ､__ jﾚ
}:.:.＼_rへ ￣ ′ この戦だけでもこちらに味方するよう説得したい
. 八:.:.:.f==7≧≠,
_rf斗x＜:.:r=7 i 」{乂f二ﾆfvﾍ___
r==气x .乂7. : : ￣ : ::才｀ ＜: : :oヽ }}ハ
77i r､ ＼.{. o: :__ ＞ ´ ∨ ｀ ＜:V}}川 ,′ / ｀､ ',
//| ! iﾊV }_／. :/ ∨ o{ :弌乢 l ,' ,ｲﾊ ', !
ｲ: !」_|L!i {: : : : :＼o V o{ :i: : : .＼ l l /| |l |l:､、ヽヽi l
l ｜ /l/l/ | l| |l lハlヽr| |
l : lヽL.l'_ ! ′ ＿｣ｺ |
l l |` ┬-;ミ r,ﾆ=┬ｧ| ｌ|
l. l l | `'ｰ┴ ＾ i ┴ ′ l |:l
| l l l |､ ｜l l::|
l| | , l l . ! 〉 ./| l l: |
では、使者を送って説き伏せましょう l:| ! l lヽ ‐＝‐ /l | | l:. |
l::| :| ﾊ::|＼ , ｲ:::| | | l::. |
l:::| l| ﾄ､∧ ヽ ＿ ／ ∧:ﾘ |｜ l:::.:|
l::::| l| :l::∧ヽ＼ ／ / /,!｜ l:::::|
l:::::| l| :::l〈 ヽ. ＞＜ ノノ/ﾘ |l :l:::::|
_l::::┤::l|::::|::ﾍ 〈 〉. / /, ﾘ :|＼|
,-‐ ' "´ ｜:::|::::|::ｌ:::ﾍ /`ﾄ-ｲ ﾞ､ / ﾙ'/ ..::| ｀丶､
- 909 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:03:31.54 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年２月 晋 揚州 姑孰】
￣￣○ｰ､ { ＿,.-‐'´
項 ｀}_ } ＿_／
葛陂 ｀ｰ-{ ﾉ 涂中
○ 新蔡 ｀ｰr‐'￣ ○ ,.--
○宛 ○安城 ○【新蔡国】 r―'´○寿春 ,「◎建康
【汝南国】 ,.----'´￣ ○東城 .／○白石
○新息 _/ 【安豊郡】 歴陽 ／●姑孰
｀ー――､＿＿/￣￣￣￣￣￣￣ ○安豊 ○合肥 ●＿_{
○新野 ○弋陽 |
○六安 横江○.|○牛渚
【弋陽郡】 .}￣ｰ'￣} |
ヽ ○樊城 ∧ ∧∧∧∧ ｀ｰv'○東興 .／○于湖
￣○} i ∧∧ ∧∧∧∧∧∧ ｀ーr―'￣ ○蕪湖
襄陽｀} ｀ヽ ∧∧∧∧∧∧ 濡須口○} 【宣城国】
} 'ｰ, ∧∧∧∧ r' ○宣城
} 南新市ヽ_,_【江夏郡】 ∧∧∧∧∧∧ _ノ
|○石城 .○ ヽ○安陸 ∧∧∧∧ r―'
.|＿_ 石陽○ ｀ー-, ∧∧∧ 皖城○ _,.-‐'
.長坂○ | ＿＿＿＿＿＞-―‐､ ∧∧∧∧ |
○当陽 ヽ_ | ○| ○＼_ |
. ￣￣ヽ＿ﾉ 夏口| 武昌 .￣| ○尋陽 ＿r‐'´
＿＿_/ ヽ ＿/
.￣7 'ｰ-､＿＿＿イ
-― -―‐_ ○江陵 ／ ○湓口
. ○楽郷__） _,.__ ＿r‐'○陸口
○'ー'´￣ | ／ （ 江 州 ）
公安 ｀ヽ r'
＞'○巴陵
【臨川郡】
／.:.:.:.:.:.::.:: : : : : : :: : ::ヽ、
:.:.:.:/:.::./.:.:./:.:.:.:.:.:.::.:. ;: ::.ヽ
::: ::|.:.:.:i|:.:./ |:.:li､:.:.∧:.:.:.::ヽ.
: :: !.:.:. ||/--l/ |ﾉ--ｌ:.: .:.lヾ､
: ::(|:.:.:.:| ‐‐ ‐-│::.:/ 二月。
Ⅵﾍ.:.:.:l _ _ /.:.ﾉ
＼ヽ､ ＿ , イ!::/ .桓玄軍は姑孰へ到着し、譙王司馬尚之が駐屯する歴陽に攻めかかった
／ ヽ{ ﾄ､ヽ l:
∧＼ ﾏ三ｿ| ＼
./: : ＼＼ ヾ-〃 ＿ !＿＿＿___
ｌ; : : : : ＼＼」ﾘ/ /
i: : : :::＼::＼i../ /
- 910 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:05:28.58 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年２月 晋 揚州 歴陽】
1! | i
i|l＿＿il＿＿＿i! | i | ｜ l|
l| ＿＿_ l|i |!＿＿il＿l!＿|i l|＿＿i!＿l|i l! ! |
|l ｉ|l￣￣l|! i|! l|＿＿＿＿ i|l li＿＿＿ li! i|ｌ＿＿il＿l!
i|＿l|! i|ｌ |l ￣￣￣￣l| l| ￣￣￣｀i|_li ー＝===, /
/' /' /'^7' l|__i! il＾i! i^l! </ ＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
／ ／ ／ ／ ￣ /' / /_/ ) ＞
￣ ￣ ￣ ＜ 西府軍だァッ！！ ＞
¨¨癶.: .: ∠ ／＼ < (
TT_T＿_|＿| ｿ;';';'爻爻爻爻爻∠二癶￣＼＿＿｀ ／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
｀|／＿＿／＼(;';'∠_);';';';';癶,.:'´,.:'∧二二二Ⅵ､､∠ﾆニ癶￣¨／＼｀`ｰ
._|＿＿＿|_/￣￣∧(;';';';'(;';';'):_:_:_:| ∠ﾆﾆ∧;';';'＿|＿_ |／￣癶 |＿∠二癶＿＿∠二 ／¨癶＼＿＿＿ ､､､､
,:",:",:",:",:"|￣￣ | |∠ア¨¨¨¨¨癶¨|＿_|/;';';';';|T i|￣ﾞ| |￣ | 癶ニｲ＾ト‐→∠___／ ＼ ∠_,／ ＼｀i──→;';';';';'
,:",:",:",:",: ￣￣r┴‐イ─^─イ `∠二癶`ﾞ┴ ┴‐┴ |＿_|_|_|＿_|tt| t..癶¨ヽ..| | | | | |､-wWWW爻
~`~ﾞ"~`~｀"~'`｀TTTTTTTTTTTTTTTT77＿_∧￣￣＼,.:'´∠＿／＾＼─「」二|_|＿＿|二ニ|=====爻爻爻´,.:'´,.:'´
... ｎ | l￣ |~|￣￣￣|＿|＿__| ロ ト.．／ ／＾＼‐┴─=彡彡_,,.､- =＝
... .. . 弋ﾆﾆﾆﾆﾆﾌ |｀`ｰ::|¨¨¨ i´「」｀'r┬r→ |,.イ…‐‐-イ┌ ┌ `ト爻爻爻爻''"~,.:'´,.:'´
.. ... .. . .｀¨¨¨¨¨´. . . . . .乂__丁...丁丁丁丁|丁丁 Ｌ_└ └| └ └ 癶￣¨＼,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´
.. .. ... ... 弌ﾆﾆﾆア┘|┘┘┴_|¨|¨|¨|￣￣|¨|「」|￣￣|,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´
... ... ... ... ￣￣ ... ... .. .. |‐|‐|￣￣|¨|￣|￣￣|‐‐-------
... .. ... .... ... 弋ﾆﾆﾆﾌ .. . . . . .￣￣ ー-==二
.... .... .... ....￣￣ . ... .. .. .. ..
＼ヽ人_从人__从_人__从_从人__从_人__从_从人_人／
≧ ＜
≧ 劉牢之の軍勢はまだか！！！ ニ=-
≧ ≦
／Y⌒YWW⌒W⌒Y⌒WW⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒WW⌒Y＼
- 911 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:06:01.48 ID:mPt1WTSQ0
-
∩＿＿＿∩
ノ ＼ ／ヽ
/ ● ● |
| ( _●_) ミ
彡､ |∪| ／ ""'''ヽ 狙い撃つぜ！
,,,-彡＿,r''"￣ 「/￣/￣/;二"二"二((二(（三三Ｃ≡＝─
_,-| r'" 二 =＝i ﾆﾆ二/＼/ccccccc//＿ヽ ） ヽ .クマッ！！
<､、ﾞl -￣￣C＝] ﾉ;ヾ / ⊂ﾆﾆﾆ二二ソﾆﾆﾆｿﾉ／⌒ヽ＼
,lﾞﾞ'l、 」ﾆﾆ二二〈ｰ;; ＼/二L＿」 j
／ l /;:: /{￣`)ﾉ ーーｰ ＼ /
/´ ゝ ;;::/ { ￣ｿ ヽ / ｶﾞｯｶﾞｯｶﾞｯｶﾞｯｶﾞｯｶﾞｯｶﾞｯ
＼ ヽ＿＿＿l∧ / / レ| | ヽ ヽ￣｀ヽ
､ ヽ | l￣V /ﾍｗﾉ/ . l | | |､
それは俺のセリフだ！ .､ ＼ `| |＿ｊ ／ //! .| h | | | | ＿_
. ＼ ヽ. ｜ |Ｙ￣￣￣￣| ' '｜ﾊ l || | | ／
水軍は燃やされ、 .l | ｜ |.|. ┌――|, | |､l |=!| || | l .ィ ′
味方は寝返り、援軍は来ないときた！！.‐┼‐｜ ￣｜ |.l !＿＿_|｀|/´l |‐~､ ヽ ﾊ ン｜ |
/ / ,| |.|. |〈{ リ ＼＼//／ | |
だが、まだ終わらんよ！！ ／ ,. /| |.ニニニニﾆ’,ｊヽ i､__ノ` ﾆｿ ,| |
__／ /､| | |≧=- ヽ '＼ (_＞‐ ／/ ／ | |
/ヘ| |＿|ゝ ＼ ゝ＝＝ﾗ ､彡 ´ l / /| ∨
. ／＼├―― ┤ |＼ ＼ ￣ ／／ , | ′ / V
- 912 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:07:24.77 ID:mPt1WTSQ0
-
＼＿_人＿人从＿人＿人从／
＿） （＿＿
） 譙王が逃げたぞ！！ （
￣￣） (￣￣
／⌒Y⌒Y⌒⌒Y⌒Y⌒Y⌒＼
＼_人＿人∧从＿人_∧_人_从_/／
) ＞
＜ 探し出せ！！！ ＞
／: : : : : : : /: : :|: : : : |: : : : : V: :.V : : ＼ < (
／: : : : : : : : ::T--∧-l､: | : : 宏: |: : :|: : : : : ヽ ／＾Y￣∨￣∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
': : : : : : : : : |: : |: : | |∧: |: : : : : /__:/: : : ヽ＼:'.
/ : : : : : : : : : |: : :.下芋≧从: :/: :/ }:/＞､:|: : '. ＼
:: : : : : :|: : : :八: : : |Vじり ∨: :/_/' /: : /: : : :.
|: : : : : :∨: : : : V : |､ ノ∨_´f芹ﾐ:/: /: : ::|
|: : : : : : :∨ : : : ∨:} ￣ ´ ⌒{l ゞ '/: ｲ: : ::::|
|: : : : : : : :∨: : : :∨'. ´ ー r': : : : ::|
人 : : : : : : : ∨: : : :＼〉 _ {: : |: : : | これで都までの邪魔者はいなくなった
＼: : : : ､ : ∨: : : :} ｀ 人:/}: : :/
∨: : : ＼:∨: : :|:::.. イ: : / |: :/
rニニニニ＼: : :|｀∨ : | ::::...＿ ＜|: : : / j:/
|ニニニニニニﾆ＞∨::|_ {: : /: : ::/|: : / /
乂ニニニニニニニﾆV:l∧ |＼:ィ::, |: / ←がっつり参戦している元前秦の皇太子
/＞-------- ､ニニﾘ'､ } / ∧:/ |/
晋 輔国将軍 苻宏
───────────────────────────────────────────────
／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 桓玄軍の諸将は、歴陽で司馬尚之の軍勢を撃破
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
───────────────────────────────────────────────
- 913 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:10:11.45 ID:mPt1WTSQ0
-
／:::::::::::::::::::::::::::::＼
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::ヽ
. |:::::l:::::::::::::::::::l::|:::::::::::::ヽ::::::::::l
_几__[[] . |:::::|:::|::::::::::::::l::|｀ ﾐ::::＼|::::::::::|
└ｌ r┐| .兄上が行方不明！？ .|:l:::|:::|::::::::::::::|:l __＞‐|: ｈ::::|
Lｌ .Ｌｌ. _几__[[] . N:::|:::|::::l::::::::;l:|≦悠. l:/ }:::|
└ｌ r┐| /＼＿＿_／＼ こうなったら、 l:::|:::|::::|:;|::/|l l' /::::| ,}
Lｌ .Ｌｌ _几__[[] ／ヽ､ ､__,ノ ::＼ 一旦逃れて機会を待つしか .ヽ|:::|::::|:ｌ|:|､l , ｒｆ´:::::::`.=ﾂ
└ｌ r┐|. | （○）, ､（○） ノＬ | l)::ヽ:l/l:| ｒ--､ , 」:::::::::､三ア
|＼. Lｌ .Ｌl | ,,ノ(､_, )ヽ､, ⌒ :| ｀.≧ｧ::l｀l'､ ｀ ／／N:::::::::ヽ
ｌ ＼ ｲ | / ｒ＝‐､ ヾ ::| `…ｧ::::|‐`ニ´∠: : :ﾉ:::::::ﾊ:l
ｌ ＼ _／/ . | l| |,ｒ- ｒ-| |l :::| ｀¨ア: : : : : : : : :￣￣ゝ'l
_＿_｣ ｀￣ し / .＼. ヽ｀ニﾆ´ノﾉ.::::／ ＿ ィ: : : : : : : : :／: : : : : : : :` ‐-､_
ヽ 、 _, , /イ//__ ｀ー‐--‐‐一''ヽ-辷辷､
} >廴)〈 厶､/∧ /ﾆニ7 _｀≧､ 晋 龍驤将軍 司馬休之
／ 'Ｙ＾ヽ 、 ,v､ ⌒ し'＾ヽ __人 /ニﾆ厶イ⌒￣}
´￣ ヽ ) じ（_ ､_八_, 、 __,＼／＼入＿ ,′
/ ' ⌒ `じ｢ }廴){ (__)〈 ＜ ′
/ , -､ , -＝ ､ rく｀''⌒＾ヽ '⌒ヽ ⌒__r…一ヽ / _几__[[] ここは我々が！！！
/ ／ ∨ に二 ＼} ＼ ∨了ﾐヽ、F￣/' /└ｌ r┐|
,/ ハー－ ｀ﾌ｀￢┴=--l |､ / / , Lｌ .Ｌｌ._几__[[]
' 《 〈 弋_＿__,.. --く_ /ｰ |l ｀ヽ. / 〃 └ｌ r┐|
V /}ﾖ , く＞ ､. ' / 〃 Lｌ .Ｌｌ _几__[[]
ヾ `ー一' }ﾖ , く＼ ＼>' ` ｰ- .,＿_ノ └ｌ r┐|
二 ｌ _rく＼ ＼>′ / Lｌ .Ｌl
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 司馬尚之の軍勢は潰走し、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 彼自身は涂中へ逃走している。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .なお、弟の司馬休之は子弟と共に戦場を脱出して江北に留まった
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 914 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:10:49.48 ID:mPt1WTSQ0
-
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : !: :! ＼: : : : : : : : : l: : |
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. ､ |:: :::|: : .: : : : : : : : : : : : : : : :::|: :| Ⅳ: : :＼:丶: : :|::l::| ,/
､ヽ|:: :::|: :::l: : : : : : : : : : : : : : :|:::|: ハⅥ: : : : ＼| : :|/::ﾚ'レｯ'
ヽ-≧|:: :::|: :::|:: : : : : : : : : : : / : '::::':,' Ⅵ＼: : : : |: :ム/::::∠......イ
､＿_ ＞‐l::::l;:l::::::|:::: : : : : : : : : :/ : /:/l | ｕ=ヘｘ＼___| /1 }::::::::::::::／
. >､::::::≧::l::::||:|:::::|:l:: : : : : : ::: ::/ : /:/ ｊ:ﾅ≦代ぽ｀≧=lｲ /::::､:::≦≠'_
／ ＞ ､:::Ｖ:||:|:::::|:|:: :: : : : ::: :/::::ｲ:/ // -￣￣｀ ム/ム::::::`ー- ＿`‐- ､_
-一 '´ ヽⅥl:|:::::|:|:: :: : : :::::::'::::/ / 〃 / ／∧≧ｚ‐…ァ'´ ￣
-=ﾆﾘ'|:|:::l:|:|::::: : : |::::':::/〃 / |、 /´ ｌ:/ ／ 劉牢之は何をしている！！！
ｊ |:|::Ⅵ|:::l:: : :l:::l::// ,. |ﾉ U/: : :l:| ／
Ⅵ:Ⅵ|::|:::: :|::〃 ,ｒ=====ｭ .ｲ:/: /l:| ／
ヽ Ⅵ:Ⅵ|:l:::: |:::ﾘ ｛.二二二.｝ ／〃l: / ,ﾘ‐ ´
| lﾑ:Ⅳ|:l:::::|:::l ＼ ― ／ /' |/ ｒ
| l ﾞl Ⅵ､:::|:::l ＼ ／ / /
ﾚ `l. V|:::| ￣ /
|ノ ﾞ|:::| {
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／.:.:. ＼
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/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } さて、戦局を左右する劉牢之は何をしていたのか？
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 915 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:12:09.78 ID:mPt1WTSQ0
- 【紀元４０２年２月 晋 揚州 溧洲】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
寿春 広陵 ｀ヽ
○ ｀´○ ｀ヽ
合肥 ,-溧洲‐京口 ｀i,
○ 歴陽 /´◎ ● ○ヽ,-‐‐-､ _,､｀ヽ,
,-,_, ､, ○/○建康【晋陵郡】 ○,!~｀=,-｀
｀ヽ‐´ i姑孰ﾉ 【義興郡】 ○ 娄｀ヽ 扈瀆
,､,i｀~○ ﾟo陽羨○（, {,_呉【呉国】○,
皖○ _,| 牛渚 【呉興郡】~海塩○ ,--｀
_,i‐´ 〇 ,上虞 余姚 浹口
i´ ○虎林 武康 ,=,‐-○○-○ （舟山群島）
【新安郡】 山陰○ ○句章
【会稽国】 く γ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ヽ
○信安 .| 私は桓玄将軍の配下の何穆という者 |
【東陽郡】 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿乂
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
r--─‐i r--─‐i r--─‐i
. ┌─┐ | 晋 .| ┌─┐ | 劉 | .| 晋 | . ┌─┐
. ├─┘ |--─‐'' ├─┘ |--─‐''. |--─‐''. . ├─┘
∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二ヽ:::∧二ヽ;::::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;: ;;:;:.∧二ヽ;;:∧二ヽ;;:∧二ヽ: :::''::.∧二ヽ:'::∧二
l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝ｌll::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....:.:::.l:::l:::::::l:::::l:::l:::::::l:....l :ｌl＝ｌll ...::..:.l:ｌl ＝ｌll:..:.l:ｌl＝
幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵幵
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／.:.:. ＼
/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ 『晋書』『劉牢之伝』や『宋書』『武帝紀』によると、
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } 劉牢之は北府の文武を率いて溧洲に駐屯していたという。
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .建康と京口の間にある地で、前線の歴陽からは遠く後方に位置する
`ﾍ:ゝ .' 小/
ヾ:{＞､ _ ｨ＜}/|/
_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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- 916 ：1 ◆ZXqVVWPHtc [saga]：2025/10/27(月) 23:14:10.67 ID:mPt1WTSQ0
-
－── ､
'´:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.;;;',
/:.:.:.:.:.::.:.:ｧ─ミ.:.:.:;;;',
{:ｒ''¨ヽ-‐{＿__ﾉ≧=:;;',
弋_,ノ:.j:!:.:.::.:.::.::.:::;:;:;:;:ｒ‐､
j:.:.::.:.（.;.;.;.;):.:.::.::.:;:;:;:;:;;λ: .劉牢之だ。
Y:!.:}.::.:.::_二＝ミ从::.;:;:;::;:;::}
{:.|:.::.从＿＿_,ノ}iii{:;:;;::i{}{}′ 桓玄将軍からも御指名とは恐れ入る
ゝl:.::.{iii}.::..iiiiii.::ﾉiiii}:;:;:;:}:;:|
＼:}iiiiiiiiiiiiiiiiiiii{￣￣￣ﾆ=‐- _
}iiiiiiiiiiiiiiiiiiii{ ¨Y
_ ＝二iiiiiiiiiiiiiiiiiiii| _, ─┴‐──‐-､
,ィ ¨￣ 弋iiiiiiiiiiiiiiiii} ／ ＞'':.:￣￣:.¨'' ､
{ ', }.:.::.:.:.::.:.:.V ／ ／: : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.',
V '， ＿/: /:.:.:.:.:.::.:.V∠_ ,: : : : : ::.:.:.:.:. ::.:.:.:.:.::.:', _ ,,....,, _
／:::::::::::::::::::: " ' :; ,,,
／::::::::::::::::::::::::::::::::/"
r‐- .,_／::::::::::::; ／￣ヽ;:::::::|
__.) `''ｧ-ｧ'"´, ' ヽ:::|
古代の乱世の君臣は互いを信じ合った者たちでした。 ゝ_, '"ソ二ﾊ二`ゝ- ﾍ ､_ _ ゞ!._
､'"ヽ, '´ ,' ; `"''‐-=ﾌﾞ､_,:::::"'''- ,,
燕の昭王と楽毅、劉玄徳と諸葛孔明。 ヽ_/i. /! ﾊ ﾊ ! ヽ ヽ 丶'ァ' '"
<、 ',. /__,.!/ V ､!__,ﾊ､ |｀、｀; ,!i;
ところが勲業が終わらぬまま二主は早世したため、 ヽ iV (ﾋ_] ﾋ_ﾝ ) ﾚ !; ｲ ）
遂に功が成っても二臣は禍に巻き込まれてしまいました V i '" ,＿__, "' '! ヽ （
i,.人. ヽ _ｿ ,.ﾊ ） ､ `､
ﾉハ > ,､ ._____,. ,,. ｲ;（ （ '` .) ）
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/:,:.:.: ／ ヽ ＼
/.:.l:.:.:/:/ :/ ', :l ヾ`ｰ
./!:.:.|:.: l/ 〃 / j } :| ﾊ
/ｲ:.:.i|:.:.jL∠/_/ | /l.ﾑ_/| l ｌ } そこへ桓玄の使者何穆が、
N:.ﾊ:.:.:lｨfｱﾄ/ ﾚ ｨ=ﾄ | /| ∧j 劉牢之を味方に引き入れようと説得しに訪ねてきた
ヽﾑ:.} c;_j c;ﾘ ﾙ iﾚヽ .
`ﾍ:ゝ .' 小/
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_, ｨr'´ヽ｛ __＿`} ヽ､_
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