魔王「魔王やめるわ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/16(火) 21:36:47.67 ID:DuvIrPO6O

〜魔王城〜

魔王「魔王になったときはさぁ、もっとやる気もあったよ?」

魔王「でもさあ、魔王が思い描いてた魔王と違うなーって」

魔王「勇者も来ないしさあ。なんかいろんな国が軍隊でやり返してくるしさぁ」

魔王「いやまあ、こっちも軍勢率いてるしね?それが普通なんだけどね?」

魔王「でも…違うじゃん!魔王が攻めてきたら普通勇者がきて、世界の命運をかけてバトルするじゃん!?」

魔王「でもこないじゃん!勇者!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1758026207
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/16(火) 21:39:27.65 ID:DuvIrPO6O

魔王「なんで、やめます。魔王」

側近「まじすか。魔王様魔王やめるんすか」

魔王「ほら、もう側近がこれだもん。勇者がこないからダラけきってるもん」

魔王「魔王が魔王やめようかなーって思うの、そういうとこもあるからね???」

側近「サーセン」

魔王「返事もダラけてるもんな〜〜〜
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/16(火) 21:41:25.66 ID:DuvIrPO6O

魔王「まあ辞めるからいいけどさ、魔王」

側近「でも魔王様、魔王やめてどうするんすか」

魔王「それな〜〜〜」

側近「考えてないんすか(笑)ウケる(笑)」

魔王「魔王に対してウケるとかいうな、やめるけどまだ魔王だからね???」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/16(火) 21:47:00.00 ID:DuvIrPO6O

魔王「まあとりあえず旅しながら考えよっかなって」

側近「あぁ、あの大学生が就活中の頑張ったエピソードで出しがちな『自分探しの旅』ですか」

魔王「そう言われるとめっちゃ旅するの辞めたくなるからやめてね???」

側近「その程度で辞めたくなるならその程度の思いじゃないっすか(笑)」

魔王「急に刺してくるじゃん…」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/16(火) 21:50:05.55 ID:DuvIrPO6O

魔王「とりあえず!!魔王辞めるから!!」

魔王「そんで旅に出るから!!いいね!!?」

側近「夕飯までに帰ってくるに100ペリカ」

魔王「魔王の旅路で賭けてんじゃねーよ!しかも安いし!!」

魔王「あれ?でも帰ってくる方に賭けてるからいいのか?ん???」

側近「(笑)」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/16(火) 21:54:41.72 ID:DuvIrPO6O

魔王「…まあいいや。じゃあ、いってっくっから!」

側近「いてら〜」

魔王「どこまでも軽いなぁお前よぉ…」

魔王「けどそんなお前ともオサラバ!転移魔法!適当な人里近くに!」

側近「フリーレンのパクり(笑)」

魔王「おいお前いまききずてなrry」

側近「(笑)」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 21:58:21.88 ID:DuvIrPO6O
sageてなかった

〜とある町近く〜

魔王「あの野郎今度あったら火あぶりにしてやる…」

魔王「さてここは…魔王城からは結構離れた場所のようだな」

魔王「町は…向こうか。では変装魔法をかけて…」

魔王「うむ、これでどっからどう見ても人間だな」

魔王「さて、人間たちはどんな生活をしているのか見せてもらうとしようか…!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:03:06.13 ID:DuvIrPO6O

〜とある町〜

魔王「ほーん…魔王軍と戦争している割にはわりと人も活気もあるもんだ。魔王城から離れてるせいか?」

魔王「畑を見れば農業、市場を見れば商売、街中を見れば生活…」

魔王「…え、今戦争中だよね?なんか変な不安感感じてきたな…」グゥ~

魔王「…腹も減ってきたしどこかで飯でも食いながら情報を集めるか」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:06:59.83 ID:DuvIrPO6O

〜とある酒場〜

魔王「失礼。一人だが座れるだろうか」

店主「いらっしゃい。カウンターなら空いてるから座ってくれ。メニューはそこだ」

魔王「ありがとう。…ではこの日替わりで。それと合う酒も一杯つけてくれ」

店主「毎度あり。すぐできるから待っててくんな」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:12:15.62 ID:DuvIrPO6O

店主「お待ちどさん。日替わりと酒だよ」

魔王「おぉ、ありがとう(さすがに魔王城と比べると見た目は大分劣るな…)」パクッ

魔王「…!うむ、うまいな」

店主「そいつはどうも。…あんた、この辺じゃ見ない顔だな」

魔王「あぁ、少し前から旅をしていてね」

魔王「(ほんとは数時間前からだけど)

店主「ほぉ…あんた、いいとこの出だろ?なんでまだ旅なんかしてんだい」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:18:18.13 ID:DuvIrPO6O

魔王「…む。なぜいいとこの出だと?」

店主「あ?…あんた自分の身なり見てみなよ。ほつれも汚れもない服に、お上品なナイフとフォーク使うんだ」

店主「そんなやつが今時庶民なわけあるかい」

魔王「(しまった、身なりの華美さまでは考えてなかった…!)

魔王「まあ…少しワケありでな」

店主「ワケありね…まあこんな世の中だ、どいつもいつもワケありだわな」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:23:20.59 ID:DuvIrPO6O

店主「邪魔してわるかったな。また注文があれば呼んでくれ」

魔王「あぁ、それは構わないが…一つ聞きたいんだ。なんというか、この町は…随分と平穏だな」

店主「…なんだ、あんた噂を聞いてきたんじゃないのか?」

魔王「噂?…いや、初耳だが、噂とは?」

店主「あぁ…噂か、どんな噂だっけな。きっかけがあれば思い出せそうなんだが」

魔王「…追加で酒を。よければアンタにも」

店主「へへっ、まいどあり」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:26:40.26 ID:DuvIrPO6O

魔王「…勇者?勇者がこの町を守っている、と?」

店主「あぁ、勇者様のおかげでこの町は魔王の軍勢から守れてるってわけだ」

店主「あんたも見たんだろう?この町の平穏ったら、ほかの町から見たら天国だぜ」

魔王「勇者…この町にいたんだな」

魔王「(…勇者がこんな町にいるなんて聞いてないぞ側近…!)」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:31:48.11 ID:DuvIrPO6O

店主「それがさっき言ったみたいに噂になって各地で広がってるらしくてな、時々この町にくるのさ。あんたみたいな旅人が」

魔王「なるほどね…。その勇者とはどこに?一目みてみたいんだが」

店主「それが、誰にも会おうとしないのさ」

魔王「勇者が?なぜ?」

店主「さてな。魔王軍がやってきたらどこからともなく駆けつけて、追い払ったらまたどこぞへ帰ってるらしいがね」

魔王「ほう…?」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/16(火) 22:32:21.85 ID:DuvIrPO6O
続きは明日やります
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 12:22:50.22 ID:bksZJ5Z4O
おつ
きたい
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2025/09/17(水) 12:48:45.07 ID:LqAFqKIMO
魔王の一人称が魔王なのかわいい
魔王になったときウッキウキだったんだろうなぁ
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 21:58:25.51 ID:Q8my13ifO

再開します
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 22:02:59.02 ID:Q8my13ifO

〜宿〜

魔王「旅をせずにこの町だけを守る勇者、か」

魔王「…考えれば考えるほど不可解だな。勇者とは魔王を打ち倒すために選抜される者のはず」

魔王「それが何故こんな町を守る…?この町に何かあるのか…?」

魔王「…とりあえず明日また調べるとして、今日は眠る…か…zzz」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 22:09:26.35 ID:Q8my13ifO

〜町はずれ〜

魔王「…むぅ。本当に何もないな…」

魔王「過去の勇者が使った武具も、精霊の伝説も、屈強な仲間も何もないではないか」

魔王「…よもや勇者ではなく、ただこの町の衛兵が優秀なだけというオチ…?」

魔王「そんな下らんオチだと割と泣くぞ……ん?」

カーン!カーン!カーン!

魔王「鐘の音…?……軍の者どもが攻めてきたか!」

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 22:14:35.56 ID:Q8my13ifO

〜町はずれの荒原〜

魔物A「いくぜ野郎ども!!あんな町一つ落とせねぇ能無し共に俺らの本気を見せてやれ!」

魔物B「ヒャッハー!蹂躙してやるぜー!」

魔物C「男は犯して女は重労働だー!」

魔物D「ヒャッハー!…あれ?お前今なn」ジュッ

魔物ABC「魔物Dィィィィィィ!!!!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 22:16:36.61 ID:Q8my13ifO

魔物A「畜生!!なんだ今のビームは!?」

魔物B「魔物Dが一瞬でやられたぞ!!」

魔物C「野郎ぶっ倒してやる!あいつは友達思いのイイヤツだったんd」ジュッ

魔物AB「魔物Cィィィィィィ!!!!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 22:19:13.25 ID:Q8my13ifO

魔物A「なんなんだ一体!?」

魔物B「A!あそこだ!アイツがビームぶっぱしやがったんだ!!」

勇者「…………」

魔物A「野郎、ブザけやがって…!いくぞ魔物B!俺らのコンビネーションであいつらの仇をとってやる!!」

魔物B「おうよ![ピーーー]よやあああああ!!!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2025/09/17(水) 22:21:08.20 ID:Q8my13ifO
sagaも忘れてた…

魔物A「なんなんだ一体!?」

魔物B「A!あそこだ!アイツがビームぶっぱしやがったんだ!!」

勇者「…………」

魔物A「野郎、ブザけやがって…!いくぞ魔物B!俺らのコンビネーションであいつらの仇をとってやる!!」

魔物B「おうよ![ピーーー]よやあああああ!!!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:21:36.86 ID:Q8my13ifO
sagaも忘れてた…

魔物A「なんなんだ一体!?」

魔物B「A!あそこだ!アイツがビームぶっぱしやがったんだ!!」

勇者「…………」

魔物A「野郎、ブザけやがって…!いくぞ魔物B!俺らのコンビネーションであいつらの仇をとってやる!!」

魔物B「おうよ!死ねよやあああああ!!!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:25:37.21 ID:Q8my13ifO
二重投稿スンマソン

勇者「…………」ブンッ!

魔物A「け、剣をふっただけで…!」

魔物B「剣からビームだと…!?」

魔物AB「ぐあああああああ!!!」


〜物陰〜

魔王「ま、魔物ダイーン!…ではなく」

魔王「勇者、本当にいたのか…。しかもビームぶっぱできる勇者だと…?」

魔王「(側近の野郎、あいつ帰ったら半殺しにしたる…!なんであんな奴の情報が回ってきてないんだよ!)
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:29:35.10 ID:Q8my13ifO

勇者「…………」キョロキョロ

勇者「…………」チャキ

勇者「…………」ザッザッザ



魔王「一通り魔物を倒したらそのまま帰投…」

魔王「え、こわこわこわ。なにあれこわ…あんなん人じゃねー…ジェノサイドキリングマシーンじゃん」

魔王「魔王ひくわー…。あれほんとに人間か???」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:32:06.30 ID:Q8my13ifO

魔王「え、どうしよ…あいつ魔王より強くねー???」

魔王「あいつ倒せる自信ないんだけど…いや剣からビームだすとかマジ聞いてないし…」

魔王「……ッスーーー」

魔王「いったん帰って今日はもう寝よ…」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:35:44.00 ID:Q8my13ifO

〜宿〜

魔王「……考えれば考えるほどあの勇者やべーな。マジで勝てるビジョン浮かばねぇ…。」

魔王「理由はわからんけどこの町に留まってるのが唯一の幸いだな…」

魔王「…とりあえず側近に電話して状況確認だな」トゥルルルル
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:38:24.29 ID:Q8my13ifO

側近「あれ?元魔王じゃん(笑)元気してる?(笑)」

魔王「その(笑)ってのやめろってんだろ!!!お前魔王…あ、そうだ」

魔王「魔王やめたんだっけか…」

側近「なんすか(笑)痴呆っすか(笑)それともホームシックっすか(笑)」

魔王「とりあえず半笑いやめろや」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:45:27.80 ID:Q8my13ifO

側近「はぁ…勇者っすか」

側近「うーーん…軽く報告確認してもそんな報告ないんすけどねぇ」

魔王「そんなハズあるものか。あんなビームぶっぱ勇者がいれば真っ先に報告が上がるはずだろう」

側近「そうすっねえ…ちょっとそのあたりのエリアマネージャーに話聞いてみますわ」

魔王「え、そんなコンビニみたいな役職なの???魔王軍大丈夫???」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:47:26.96 ID:Q8my13ifO

〜しばらくして〜


側近「話聞いてきましたわ」

魔王「おぉ、どうだった」

側近「『部下からなんも報告なかったから上手くいってるもんだと思ってた』らしいっす」

魔王「魔王軍にはバカしかいないのか???」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2025/09/17(水) 22:50:00.48 ID:Q8my13ifO

魔王「思うだろ!!!普通!!!報告なかったら!!!」

魔王「よしんば報告なくても確認しろよ!!!『進捗どう?』って!!」

側近「なんか『便りがないのは元気な証拠だと思ってました』って言ってましたね」

魔王「故郷のオカンか!!!」
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