杏子「あたしは魔法少女をやめるぞ!さやかーーーッ!!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:35:17.72 ID:Fxt2sYrl0
ワルプルギスの夜「アハハハ…キャーハハハハ……」ボロボロ

マミ「ワルプルギスの夜が……崩れていく……」

ほむら「終わった……やっと……っ!!」

杏子「くそっ……くたばるんならとっととくたばれ…!あいつのグリーフシードを拝まなきゃ…こんだけ苦労した意味が…っ!」ヨロヨロ

さやか「杏子……あんた、こんだけ激しい戦いのあとなのにまだそんなことを言う元気あるのね……さすがベテラン様は違うわ……あたしはもう限界!」

マミ「見て、ワルプルギスが川へ落ちていくわ……」

ほむら「………さようなら、ワルプルギスの夜……もう二度と会わないことを祈るわ……」

杏子「くそっ……川に落ちたら、グリーフシードがっ……!」バタン

マミ「佐倉さん!……疲れて気絶しただけ、か……全く、心配させないでよ……」


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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:37:03.58 ID:Fxt2sYrl0
杏子「………はっ!?」

さやか「おっ、お目覚めですか杏子?」

杏子「ここは……?」

マミ「わたしの自宅よ。佐倉さん、あの後気絶しちゃったから、ここまで運んできてあげたのよ」

さやか「もうスーパーセル現象は落ち着いてるからねぇ、あたしも避難所には行かないで真っ直ぐマミさんのとこにお邪魔してたんだ」

杏子「なんだ、そっか……そういやほむらは?」

マミ「暁美さんなら、鹿目さんに会いたいからって避難所へ行ったわ。ようやく鹿目さんとの約束を果たせたからって、嬉しそうにしてたわよ」

さやか「いやー妬けちゃうよねぇ、まどかのことをあんなに一途に想ってるなんてさー」

杏子「…………っ!!そうだ、ワルプルギスの夜のグリーフシードはどうなった!?」

マミ「そういえば、気絶する前にも言っていたわね。残念だけれど、今頃は川の底かしら?」

杏子「なんだとぉ!?やつのグリーフシード目当てに戦ってたんだぞあたしは!?」

さやか「どうどう、落ち着いて杏子。そんなこと言ったって、沈んじゃった以上はもうどうにもならないでしょ?」

杏子「くっ……くそぉ……!誰だ、川の近くでトドメを刺したのは!?」

マミ「誰のせいでもないわよ……諦めなさい、佐倉さん」

杏子「グリーフシード……くそぉ………」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:37:48.65 ID:Fxt2sYrl0
後日―――

さやか「………で?こんなとこに呼び出して、どうしたのさ杏子」

杏子「さやか………」

さやか「な、なによ?随分と真面目な顔して」

杏子「あたしは魔法少女をやめるぞ!さやかーーーッ!!」

さやか「……………はい??」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:38:53.19 ID:Fxt2sYrl0
杏子「その為にお前をここに呼んだんだ!」

さやか「ちょっと待って理解が追いつかない」

杏子「見ろ!この雄大な川の流れを!」

さやか「自然ってすごいよね」

杏子「そして、この川の底にはロマンが眠っている!!」

さやか「宝探しでもする気?」

杏子「宝……そう、宝だ!!魔法少女にとってなによりの宝!!」

さやか「魔法少女にとって……って、まさか」

杏子「そうだ!!ワルプルギスの夜のグリーフシード……そいつを入手するんだ!!」

さやか「………それがなんで魔法少女をやめることに?」

杏子「いいか、よく聞け。魔女が落とすグリーフシードの浄化容量ってのは、魔女の強さや生きてきた年月に比例するんだ」

さやか「あー…そうなんだ。そういや今まで手に入れたグリーフシードも、長持ちしたやつもあればすぐに使い切っちゃったりとかもあって個体差あった気がするかも」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:40:17.13 ID:Fxt2sYrl0
杏子「じゃあ、歴史に語り継がれるほど長く生きてきて、あたしたちが4人がかりでようやく倒すことができたワルプルギスの夜が落とすグリーフシードの浄化容量はいったいどれくらいになると思う?」

さやか「うーん……ちょっと想像つかないかな。かなり長持ちしそうなのはわかるけど」

杏子「魔法少女一人の一生分だ」

さやか「は?」

杏子「魔法少女一人の一生分だ」

さやか「いや聞き取れなかったわけじゃなくて」

杏子「つまり、そいつさえ手に入れちまえば、もうグリーフシードを求めて魔女を狩る理由も無くなる」

さやか「な、なるほど…?」

杏子「そう、もう魔法少女として活動しなくても良くなるんだ!」

さやか「いやその理屈はおかしい」

杏子「なんでだ」

さやか「魔女は一般人を襲うんだから、倒さなきゃ」

杏子「確かにな、それもその通りだ。だが、積極的に魔女を探す必要はなくなる、違うか?」

さやか「う…うん……?そう……なのかな……?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:41:38.29 ID:Fxt2sYrl0
さやか「いやでも、使い魔だって一般人を襲うじゃん?」

杏子「そうだな」

さやか「じゃあ、やっぱり魔法少女はやめられないのでは?」

杏子「…………?」

さやか「あ、ダメだ全然ピンと来てない」

杏子「まぁ……一般人を襲う使い魔を倒すのもやぶさかじゃないぞ」

さやか「お?流れ変わった?」

杏子「だって、あたしには既に一生分の浄化が約束されたブツが手元にあるわけだからさ」

さやか「……うん?」

杏子「使い魔が一般人を食って魔女に進化して、グリーフシードを孕むのを待つ必要もなくなるわけだ。じゃあ倒してもいいかなって」

さやか「なんか思考回路が歪んでるような……」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:42:49.08 ID:Fxt2sYrl0
さやか「ちょっと待って、杏子、昔の理想を思い出したんじゃなかったの?」

杏子「いいか、さやか。魔法少女はな、きれいごとだけじゃやっていけないんだ」

さやか「言いたいことはわかるけどさ」

杏子「魔女も倒して、使い魔も倒してなんてやってたら、いつかどこかで限界が来ちまう」

さやか「………」

杏子「あ、マミは例外な?あいつはもうなんというか、格が違う。使い魔までしっかりしばいた上で生きてきてたの、はっきり言って頭おかしいからな?悪口じゃなく、本当の意味で」

さやか「……まあ、確かに、ね」

杏子「でもって、ソウルジェムの浄化の心配がなくなったあたしが登場するわけじゃん?」

さやか「ふむ…?」

杏子「そのあたしは、きれいごとを完璧に実践できる、完全無欠のヒーローなわけじゃん?」

さやか「まあ、そうなる、のかな」

杏子「それはもう魔法少女とは言えないのでは?」

さやか「…………………確かに……?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:44:00.95 ID:Fxt2sYrl0
杏子「ほかになにか言いたいことは?」

さやか「うーん……まあ、杏子の言いたいことはわかったけど」

杏子「ならよし。あたしは魔法少女をやめるぞ!さやかーーーッ!!」

さやか「とにかくそのフレーズをごり押したいわけね…それで?具体的にはどうするの?」

杏子「どうする、とは?」

さやか「いやだから、川底に沈んじゃったかもしれないグリーフシードを探すんでしょ?具体的にどうするつもりなのよ」

杏子「………?」

さやか「なんでそこでピンと来ないのよぉ!!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:44:51.79 ID:Fxt2sYrl0
さやか「え!?もしかしてどうやって探すかは全く考えてないってこと!?」

杏子「褒めても何も出ないよ?」

さやか「なんで褒められてると思えるのよ!」

杏子「問題はそこだよなぁ。どうやってこの広い川からグリーフシードを探したらいいんだろうな」

さやか「あたしが一番聞きたかったところなのに……」

杏子「よし、さやか」

さやか「なによ」

杏子「ちょっと、ひと泳ぎして取って来い!」

さやか「作戦一発目から他力本願!?」

杏子「なんか、さやかって泳ぎ得意そう」

さやか「誰が人魚じゃい!!」

杏子「ほら、ソウルジェムも青いしさ」

さやか「ソウルジェムが青くて泳ぎが得意なら苦労ないのよぉ!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:45:46.21 ID:Fxt2sYrl0
杏子「急がないと、川に流されて海までいっちまうかもしれないな」

さやか「あーもうっ!じゃあ、手分けして二人で素潜りして探すわよ!」

杏子「地道な作戦だなぁ。もっとこう、マミやほむらみたいにドカーンと高火力で解決する手段とかねーもんかな」

さやか「あたしに高火力を求めるなら完全に人選間違ってるからね?」

杏子「……それもそうか」

さやか「ごめん自分で言ったのに肯定されると傷つくんだけど」

マミ「誰が火力馬鹿ですって?」スタスタ

さやか「!」

杏子「マミ!来てくれると信じてたぜ!!」

マミ「全くもう……河原に見慣れた人影があると思って来てみれば、二人でなんの悪だくみ中よ?」

杏子「聞いて驚くな、マミ。あたしは魔法少女をやめるぞ!さやかーーーッ!!」

マミ「……はい??」

さやか「そりゃ驚くよ。マミさんに話しかけてるはずなのにあたしの名前を叫ぶんだもん」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:46:32.00 ID:Fxt2sYrl0
マミ「どういうことかしら?」

杏子「かくかくしかじか」

マミ「………なるほど、ワルプルギスの夜のグリーフシード…あきらめたわけではなかったのね」

さやか「えっ!?今のでわかったんですかマミさん!?」

杏子「あたしとマミはこれでも付き合い長いんだ、ツーと言えばカーなわけよ」

マミ「確かに、一生分かどうかは置いておいて、かなり長持ちしそうなのは確かよね。魔法少女にとっては、何より魅力的なお宝かもしれないわ」

さやか「すごい…ホントにかくかくしかじかだけで話が通じてる…」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:47:37.22 ID:Fxt2sYrl0
杏子「で、マミならどうやって探す?やっぱ、ティロフィナーレで川の水吹っ飛ばすのが一番手っ取り早いかな」

マミ「町のど真ん中でそんな爆発が起きたらタダでは済まないでしょう、却下」

杏子「くっ……バカ真面目……」

マミ「なにか言ったかしら?」

杏子「いや……確かにそうだな、タダじゃ済まないか」

さやか(マミさんが来てくれたおかげで杏子がちょっとまともになった気がする…助かった)

マミ「こんなこともあろうかと、シュノーケルを持ってきたわ」

さやか「あ、ダメだ素潜りルートだ」

マミ「はい、美樹さん、佐倉さん」

さやか「しかもふたつ!!」

マミ「何を言っているの?さあ、行くわよ!」スチャッ

さやか「三つあったーっ!?」

杏子「よーし、探すぞー!!」スチャ

さやか「ええい、こうなりゃヤケよ!どうにでもなれーっ!」スチャ

ドボーン……
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:48:40.21 ID:Fxt2sYrl0
少し離れた橋の上―――

ほむら「………なにをやっているのかしら、あの信号機トリオは」

まどか「マミさんが合流したと思ったら、三人ともシュノーケル装着して川に飛び込んじゃった……」

ほむら「なにか、大事なものでも川に落としたのかしら」

まどか「よっぽどの物じゃない限り、川に落としちゃったら諦めちゃうと思うけどなぁ」

ほむら「つまり、よっぽどの物を探しているのでしょうね」

まどか「うーん……なんだろう?」

ほむら(………そういえば、ワルプルギスの夜が沈んでいったのも、川のこの辺りだったかしら……)

まどか「ほむらちゃん?どうかしたの?」

ほむら「……いえ、まさかね。いくらグリーフシードに固執している杏子でも、そこまで馬鹿な行動に出るはずは……」

まどか「グリーフシード?って、もしかしてワルプルギスの夜の?」

ほむら「………否定しきれないのが怖いところね」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:49:55.88 ID:Fxt2sYrl0
まどか「ねえほむらちゃん、ちょっと行ってみようよ」

ほむら「やめておきなさい、まどか。あなたも巻き添えを食らいかねないわよ」

まどか「えっ、わたしも素潜りさせられるかもってこと?」

ほむら「あり得なくはないわ。この広い川で探し物をしようと言うんだもの、人手はいくらあっても足りないはずよ」

まどか「う……それは、ちょっといやかなって……」

ほむら「それに、探し物はおそらく、さっきまどかも言っていた通り、ワルプルギスの夜のグリーフシードじゃないかしら。魔法少女のわたしが巻き込まれるならともかく、一般人のまどかまで巻き込むのはわたしが許さないわ」

まどか「あはは……ちょっと過保護すぎだよほむらちゃん」

ほむら「あなたを救う、それがわたしの最初の気持ち。そして、それは今も変わっていないわ」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「と、いうわけであの信号機トリオには悪いけれどわたしは不参加よ」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:51:20.86 ID:Fxt2sYrl0
数時間後―――

さやか「あたしって、ほんとバカ……」グッタリ

杏子「心配すんなよさやか……独りぼっちは寂しいもんな……いいよ、一緒にダウンしてやるよ……」グッタリ

マミ「もう……何も怖くない……」グッタリ



ほむら「………どうやら、見つからなくて力尽きたようね……」

まどか「さやかちゃん、杏子ちゃん、マミさん……」

ほむら「そりゃそうよ……グリーフシードなんて小さいもの、もうすっかり流されていて当然なんだから」

まどか「なら、それを教えてあげればよかったんじゃあ……?」

ほむら「それであの三人……というよりは杏子が引き下がるとは思えないけれど」

まどか「あ、あはは……」


終わり
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2026/03/20(金) 22:52:22.33 ID:Fxt2sYrl0
また後日―――

杏子の置手紙【旅に出ます、探さないでください】

さやか「諦めてないいいぃぃ!!?」

杏子の置手紙【追伸:シュノーケルはしばらく借ります】

マミ「そんな……佐倉さん……っ!」


マミ「今の佐倉さん、放っておくことなんて、わたしには絶対にできないっ!」

さやか「マミさぁーーーん!!」

ほむら「もう、好きにさせておきましょう……」
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