提督「臆病で愚図」

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305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2015/12/31(木) 20:10:59.81 ID:Bd7QtOG60
・今年は ここまで

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/31(木) 20:25:35.56 ID:sKpkVNtao
こわーい
307 :以下、2016年まであと4397秒。。。 [sage]:2015/12/31(木) 22:46:43.44 ID:JBTLiNRxo
ヒェェ…乙
308 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/01(金) 01:11:09.99 ID:cLryteq00
あけおめ
今年も更新期待しております
309 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/03(日) 22:03:59.72 ID:cnSUPGj6o
遅ればせながらあけおめ
長編物は大変でしょうが頑張ってください
310 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [saga]:2016/01/12(火) 22:40:57.98 ID:5euoTgLP0



夕立「プッ」



榛名がヤスリを見せてすぐ、気が抜けるような音が漏れる。

夕立「プッ、ププッ、そんなので夕立の肌をキレイにできるっぽい?」

歪んだ笑顔で馬鹿にするように笑う。

確かに、ただのヤスリなら艦娘の肌に傷一つ付けることはできないだろう。

榛名「ええ、できるわ」

嘲笑を圧殺するように、静かに断言する。

榛名「妖精さんたちが艤装の錆を落とすために使っている自慢の一品だもの。艦娘の肌でもしっかり削り落とせるわ」

その言葉で、夕立の歪んだ笑顔が一転して険しく引き攣る。本当にどっから持ってきた。

榛名「さあ、キレイにしてあげるわ」

榛名はタオルを離し、腕を上げてヤスリを眼前に構え、夕立を見下ろす。

ヤスリには多数の突起が備えつけられており、まるで鬼の金棒が如く凶暴な雰囲気を醸し出している。

もはや凶器にしか見えないそれを構え、瞳に強烈な輝きを宿して頭上にそびえるその様は、地獄の獄卒鬼に見えた。

提督「待て、榛名」

右手で引き留める。いくらなんでも猟奇沙汰は勘弁願いたい。

榛名は私に振り向いて微笑む。

榛名「大丈夫です、提督。榛名はただ、汚れを、削るだけです。きたないきたないきたない汚れを」

榛名の左手が私の右手を掴んで引っ張り、力ずくで体を振り向かせる。風呂椅子の床をこする音と共に体を半回転させられ、抱きついていた夕立が榛名の正面に姿をさらす。

榛名「ご存知ないかもしれませんが、ヤスリで角質を落とすと肌がつるつるになるんですよ。このヤスリはそのための物です。だから、そう、決して提督が思っているようなものではありません」

嘘つけ榛名。私が足柄に見せてもらったヤスリはまかり間違ってもそんな禍々しいものではなかったぞ。そもそもさっき錆落とし用と言ってなかったか。

榛名「さあ、いつまでも提督にくっついていないでこっちに来なさい薄汚いフケ犬女。その不清潔な肌を削げないでしょう?」

普段の榛名からは考えられないような残虐な感情と醜悪な言葉をむき出しにし、悪鬼羅刹がごとくおどろおどろしい左手が夕立に肉薄する。

夕立は私から降りるとそのまま背面に素早く隠れる。

夕立「やだ……提督さん!」

助けを求めるように私に抱きつく夕立に対し、榛名はヤスリを逆手にもち、私の体を支えに背部を覗き込む。

榛名「……」

ヤスリを振りかざす。

提督(ああ、もう)

正面に垂れるたわわな果実、そこにぶら下がる生ハム色をした滴。

その滴を摘む。



そして一気に引っ張った。



榛名「ぴゃうっ♡!?」

夕立「ぴょいっ!?」

榛名の敏感乳首は私が育てた。
311 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/13(水) 02:53:48.35 ID:qb7CmnZF0
きたか?きたのか?
312 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/13(水) 02:53:48.29 ID:qb7CmnZF0
きたか?きたのか?
313 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/13(水) 02:53:48.41 ID:qb7CmnZF0
きたか?きたのか?
314 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/13(水) 02:54:20.16 ID:qb7CmnZF0
きたか?きたのか?
315 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/13(水) 03:39:14.85 ID:fHknyH0h0
荒ぶり過ぎ
316 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/14(木) 05:33:43.53 ID:JAoqXiEu0
更新きてんじゃーん生ハム喰いたくなった
317 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/14(木) 23:24:06.34 ID:3xX/ky8Ho
堕ち済みでしたか
318 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [saga]:2016/01/16(土) 13:12:55.88 ID:bwAnc/oO0

情けない声が聞こえた瞬間、腰が抜けたのか榛名がのしかかってきた。

すかさず、榛名の尻を指が食い込むほど鷲掴みにし、腰を引きずり落とす。

そして前戯もなにもなしに秘部に肉棒を押し込む。


榛名「ひぅっ!?」

夕立「え?」

滾り付いた陰茎が秘所を守る二つの花弁を押しのけた瞬間、榛名の喉から声が漏れた。


榛名「おっ? お゛ぉお゛おおおっ?! お゛ほおぉっ!」

夕立「ぁっ、あああ……」

にゅプッ、と亀頭が挿入し、ヌプププププゥッ、とひだ肉を押しのけ膣道を陰茎の形に整えながら突き進み、ズンッ、と肉塊を膣奥に叩き付けた。


榛名「あ……? う? あっ……! ああっ! て、提督、挿入って……ますっ……提督のが、挿入って、挿入っちゃってますぅ!」

提督「そうだな……で、なにか問題でもあるのか?」

肉棒が膣内に入ったのに気付いた榛名に対し、膣内をカリでほじり、奥をえぐる。ついでに乳首も弄っておこう。

榛名「んんっ! だ、だって、こんな、いきなりぃ」

抗議の声を上げている割に、榛名の中は溶けそうなほど熱く濡れており、ひだ一枚一枚が肉棒に絡みついてくる。

提督「なんだ、したくないのか?」

榛名「したいですぅ♡♡♡♡♡」

一気に蕩けた顔になった榛名が抱きついてきた。そのまま情欲任せの口づけをされる。ヤスリの刃が背中にちょっと当たって痛い。

舌が絡み合うのと同時に、生殖器も絡み合う。

妙高が羽毛布団のように柔らくてほじくり回したくなる膣内なのに対し、榛名は入口付近が柔らく、中程と奥がキツい。そして一旦陰茎を奥まで挿入れると今度は入口付近もしまりが良くなり、食虫植物が如く獲物を逃さまいと絡みついてくる。

何度か腰を揺すって中を味わっていると、榛名の身体が突如として小刻みに震え、唇が強く押し付けられる。

榛名の手からヤスリが離れ、硬く鈍い音が響く。

震えが止まり、その余韻を十分に堪能した後、唇が名残惜しげに離れる。

唇に糸を残し伏し目がちにほほ笑む様はなんとも淫靡だ。



━━━━━その顔が一転して歪み嗤い、榛名の手が私の背後に伸びる。



夕立「がっ! ぅ……ぁあっ」

榛名「だめよぉ夕立ぃ、今提督が楽しんでるんだからぁ♡」

榛名の手が夕立の頭蓋を掴み、指の力で締め上げる。
319 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [saga]:2016/01/16(土) 13:13:44.35 ID:bwAnc/oO0

夕立の手からヤスリが落ち、再び鈍い音が床に響く。

提督「榛名」

榛名「はいぃ♡ はるなぁ、わかっていますぅ♡」

榛名は夕立から手を放すと、腰を激しく動かし打ち付ける。

榛名「いひひひひひひひひひひひ♡ 夕立よりもお姉様よりも先に、あっ♡ 提督にぃ♡ ひひっ、ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ♡」

榛名の腰の動きで陰茎がしごかれ、睾丸から精液がポンプのように汲み上げられていく。

榛名「ひんっ♡ くるっ、きちゃうっ♡♡ すごいのくるうぅ♡♡♡」

喘ぎ声と笑い声をあげながら、別の生き物のようにうねる膣がさらに搾り上げてくる。膣内に蛸でも飼ってんのか。

榛名「あっ♡ くるっ♡ 提督の主砲から三式弾がぁきてぇ♡ 榛名ぁ、大破しちゃますぅ♡」

なに言ってんだこいつ。

提督(むっ)

睾丸から精液が精管を伝い、尿道を押し広げながら陰茎を膨らませ、膣道と押し合い擦りあいながら亀頭へとせり上がっていく。

榛名「あっ」

榛名の身体が再び震えると、入口から奥へと順に締りつけていく。

提督(つっ……)

膣壁に押し出されるかたちで鈴口から精液が噴射し、溢れ零れるように膣内へと飛び出す。

榛名「あっ♡」

膣内が精液で段々と満たされていくごとに、榛名の顔がふたたびとろけていく。

榛名「あはぁっ……♡ ちゃくだぁん……♡♡ ちょくげき、ですぅ……♡♡♡」

身体をビクッ……ビクッ……と震わせ、脳髄まで溶けきった榛名が力なくのしかかってくる。

射精の余韻に浸りながら、榛名の濡れた生暖かい肌を抱き、浴室内を見渡す。



夕立が、浴室内からいなくなっていた。



浴室の扉が揺れている。

耳障りな金属音を立てながら。


320 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/16(土) 13:46:03.50 ID:cMsQPuaZo
盛り上がって参りました
321 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/16(土) 14:24:19.42 ID:XNjw6iwJo
こんな食虫植物が家にもほしい
322 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします :2016/01/19(火) 00:47:44.25 ID:1XT2mMEB0
素晴らしい。
323 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/19(火) 11:11:39.47 ID:4N4DM6ma0
>>1の前作とかあるのかしら...
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/24(日) 13:57:29.77 ID:qWxgowOG0

提督「……榛名、起きろ」

榛名「ぁんっ♡」


一通り浴室内を見回し、夕立がいないのを再確認した後、榛名の下腹部を突き上げて起こす。


提督「出るぞ」

榛名「……あっ、ぃやぁっ、んっ♡」


未だに締め付けてくる膣内からヒダがめくり上がるのもお構いなしに強引に陰茎を引き抜く。

引き抜いた後も塞がりきらないままの膣口から白濁した精液が粘りつきながら垂れていき、浴室の床に白いシミを一つ二つと作っていく。

シャワーで陰茎についた精液と膣液を洗い流し、同時に榛名の膣内の精液を指で掻き出す。


榛名「あっ♡ ひっ♡ そんなっ♡ 乱ぼっ、うぅん♡ お゛あぁっ、ひゅっ♡」


シャワーを掛けながら、卵白を泡立てるように中指と薬指の二本の指で膣内を掻き回す。

精液が出てこれるように膣内をほじくり回し、膣道を広げながら精液の溜まり場へ指を進める。


榛名「あっ♡ おっ♡ んんっ♡ おっ!♡ イクっ!!♡♡ イくぅぅぅぅぅっ!!!♡♡♡」


精液が一通り掻き出され排水溝へ吸い込まれた瞬間、突如腰を浮かせて濁声を上げ、陸に上がった魚のように痙攣した。

榛名は再び放心状態になり、壁にもたれかかる。

私はシャワーを手に取って、口を半開きに明けて虚ろな目をしている榛名の身体を洗い流す。


提督「榛名、ほら」

榛名「提督……んっ」

提督「んっ」


榛名の身体を引き上がらせようとした近寄った途端、寄りかかってきた榛名に唇を奪われた。

舌を絡ませる情熱的なものではなく、柔らかく優しい口付けが唇を覆い、そして離れる。


榛名「提督、榛名、幸せです……」

提督「……行くぞ」

榛名「はい♡」


結局まともに身体は洗えなかったが、まあいい。


提督(夕立はどこへ行った?)


そう思って扉に手を掛けようとした時、更衣室からガラスが割れる音がした。
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/24(日) 13:58:41.63 ID:qWxgowOG0

すぐさま扉を開けて更衣室に入ると、床に透明な液体とガラス瓶の破片が散らばり、そこから柑橘類の匂いが発せられていた。

あの瓶は確か━━━━━


榛名「あ……?」


何かを奪われたような声を漏らし、床に散らばった破片へと榛名が近寄る。


榛名「あ? なん……で?」

夕立「それ、臭い」


床に膝を着き項垂れる榛名の前に、赤と白の布切れが降り注ぐ。


夕立「それも、臭い」


夕立の持っているヤスリには榛名の装束の切れ端が残っていた。


夕立「おまえも、臭い」


ヤスリを榛名に目掛けて振り下ろす。


提督「夕だ」

金剛「HEEEY!! テイトクーッ!! 着替え持ってきたヨーッ! Let’s change clothes!」

夕立「うるさいっ!」

金剛「ッ!?」


矛先を変えたヤスリが更衣室に入ってきた金剛に狙いを定める。

金剛が持っていた私の着替えが引き裂かれ、ヤスリにかすったのか金剛の指から血が跳ねる。


夕立「臭い、みんな臭い、臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭いっ!!」


噴き出すような声を上げ、振り払うようにヤスリ振り回す。


夕立「こんなに臭いと、提督さんが汚「いい加減にしろ、クソガキ」がっ?!」


夕立の首根っこを掴み、壁に叩き付ける。
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/24(日) 13:59:10.68 ID:qWxgowOG0

夕立「えっ? 提督さん、なんで……?」

提督「なんでじゃねえよ。こんなことしといてよ。てめえ、脳ミソ腐ってんのか?」


夕立は頭を振って訴える。


夕立「だ、だって、だってっ! あいつの香水をつけたら、提督さん臭くなっちゃうっ! こいつが触れた服なんて着たら、提督さん汚くなっちゃうっ!
提督さんが汚いなんてやだっ! 提督さんが臭いなんてやだっ! 綺麗じゃないとだめっ! 提督さんはキレイじゃないとだめなのっ!」

提督「……」


夕立は涙目で訴える。


夕立「だから、ねっ? 提督さん、この手、放して? お掃除するから、お部屋のゴミ、夕立、お掃除するから、ね?」

提督「……なんのために?」


夕立は不思議そうな顔を浮かべて訴える。


夕立「ここは夕立と提督さんのお部屋だよ? お部屋にゴミと虫がいたらお掃除するでしょ? 提督さんと夕立の二人だけのお部屋を、提督さんが快適に過ごせるように、提督さんのために、キレイにするの」

提督「私のために、ね……」


夕立は笑みを浮かべる。


夕立「うん、大好きな提督さんのために」

提督「『私のことが好き』か」

夕立「うん、好き、大好き」

提督「その好きな人のモノを壊すのが、お前の愛情の示し方か」


夕立の表情が、止まった。

327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/01/24(日) 13:59:43.91 ID:qWxgowOG0

提督「その服も、その香水も、私のものだ。香水は、気に入っていた。その好きな人の、好きなモノを、それを壊すのが、お前の好きな人への愛情の示し方か」

夕立「あ……あっ、えっ、あ……」


夕立の顔が怖れ色に染まる。


提督「好きな人の前で、約束を破って。好きな人の前で、平気で人を傷つけて。好きな人の前で、仲間をゴミや虫扱いする。それがお前の愛情の示し方なんだな?」

夕立「あっ、や、いやっ、いやっ!」


夕立が、怯える。


提督「そんな愛情、私には必要ない」

夕立「やだっ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだっ!」





























提督「お前も、いらない」














夕立「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!」


何もかもを振り払うような慟哭が、部屋に響いた。

328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 17:37:36.99 ID:ft1yEzSl0
もうやだこの鎮守府・・・
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/24(日) 20:13:28.48 ID:WhbUrLRKo
どうあがいても絶望
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 00:36:08.84 ID:WglZN5RTo
この提督がなんとか支配できてるのは全員がヤンデレなのだからか……

エロエロ改造の結果もあるだろうけど、こうしないと死ぬんだろうな。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 00:37:06.74 ID:sDT+Ah3Lo
実のところ深海の子たちからもエンガチョ扱いされてるだろ、これ
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 00:41:07.29 ID:WglZN5RTo
鎮守府自体がエロゲの館と化しているな。
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 14:21:54.93 ID:4FDVpR7po
首輪でもつけて縛り付けておかないと何をしだすかわからんなあ
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 18:51:20.19 ID:PnQF2Oza0
もはや場当たり的に飴と鞭を振り回して一時しのぎを繰り返すしかない末期感
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/25(月) 22:50:52.22 ID:lCwpyEd2o
しかも、あちらを立てればこちらがのエンドレスと言う
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 09:08:21.02 ID:zzb2xiWh0
あちらを立てずに解体すればエンドレスじゃないよ(錯乱)
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 00:21:56.75 ID:iXdTJxh10
まだか
冬場に全裸はキツいんだが
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 02:03:41.74 ID:+AO6oXtYo
せめて靴下くらい履けばいいのに
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/05(金) 16:52:40.72 ID:8B+tlXJg0
息子に靴下被せてやれば寒くないよ
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 16:55:16.59 ID:mlnoyY+7o
まだ被膜がついてるだろ…、お前らの主砲には
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/05(金) 21:42:01.97 ID:91aZfYaE0

崩れかけの瓦礫のように震え、両手で耳を塞ぎ、紙屑のように蹲る夕立。

夕立の傍に落ちていたヤスリを拾い、離れた場所へ投げ捨てる。

静けさで凍りついた部屋に、鈍い金属音が響く。


金剛「テートク」

提督「金剛、怪我は?」

金剛「I’m Okay. それより榛名ガ……」

提督「ああ……夕立を見ていてくれ」

金剛「Aye, aye, sir」


金剛に夕立の監視を指示した後、項垂れる榛名の横に座る。


提督「榛名、怪我はないか?」

榛名「……」

提督「榛名?」


榛名は私の言葉に反応せず、項垂れたまま割れたガラス瓶に視線を固定している。

微動だにしない榛名に不安を覚えるが、よくよく顔を見ると口元をもぞもぞと動かしている。

顔を少し近付けて、榛名の口元に耳を寄せる。


榛名「━━━━━なんでなんでなんで? なんでなくなっちゃたの? なんでわれているの? なんでこんなふうになっているの? どうしようどうしようどうしようなにか別のモノをお渡ししないと、でも提督はこれがお気に入りだと仰ってましたもしお気に召さないものをお渡ししたら怒られる軽蔑される嫌わる捨てられる嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ━━━━━」

提督「……」

榛名「━━━━━大丈夫です大丈夫です大丈夫です大丈夫です大丈夫です大丈夫です大丈夫です。これを直してお渡しすれば嫌われない怒られない捨てられないきっと大丈夫です大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫━━━━━」


榛名が割れたガラスの破片に手を伸ばす。

それを掴んで止める。
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/05(金) 21:43:01.24 ID:91aZfYaE0

榛名「提と……!?」


掴んだ手と反対の手で、破片と液体が飛び散る場所に手を乗せる。

驚愕する榛名を尻目に、液体と破片を手に塗りつける。破片が皮膚を傷つけ滅茶苦茶痛い。

手についた液体の匂いを嗅ぐ。柑橘類と鉄錆の匂いが混じって痛みをさらに刺激する。


提督「これはいいモノだな、榛名。体臭なんて自分では気付かないものなんだが、お前はいつも細かいところまで気遣ってくれる。本当に良い娘だ、榛名は」

榛名「提「怪我はないようだな、榛名」


榛名の言葉を遮り、掴んでいた手で榛名の頬を撫でる。


提督「良かった。お前の綺麗な顔に傷がついたらどうしようかと思ったんだ。本当に良かった」

榛名「……おケガ、を……」

提督「ん? ああ、そうだな、怪我をしてしまったな。綺麗にしてくれるか、榛名?」


傷口から血が垂れる人差し指を榛名の前に差し出す。


提督「さあ、口を開いて。綺麗にしてくれ、榛名」


榛名は驚いた顔をしていたが、赤い糸が絡み伸びる手をしばらく見つめると、段々と息を荒げ始める。

息を荒げながら、見開いた眼を指に注ぎ、舌を差し出してきた。

指から落ちた血の滴を舌で受け止めた後、指にしゃぶりつき、傷ついた手を舐め回してくる。


提督「本当に良い娘だな、榛名は。とても良い娘だ。榛名は良い娘。良い娘、良い娘、良い娘、良い娘、良い娘、良い娘、良い娘、良い娘━━━━━」


「良い娘」と褒めながら、榛名を優しくやさしく撫でる。

一滴一滴体内に入るごとに、一回一回撫でるごとに榛名の身体が震える。

私の声と、榛名が指をしゃぶる音が部屋の中で不気味に木霊する。
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/02/05(金) 22:19:12.46 ID:91aZfYaE0
・本日は ターンエンド

・前作……? そんなもの ウチにはないよ……_onz

・res ありがとうございます 返信をあまりできなくて 申し訳ありません

・この スレタイで 中身がわかったひとは いるかな?

・見直すと 書き直したいところが ちらほら orz

・えろシーンをもう少し……

・台詞と 地の文の 行間を 少し広くしました 読みやすくなったかな?

・感想 要望 改善等 あれば どうぞ
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 23:39:21.09 ID:YF51HZTBo
>>342は本番よりえろいよ
すばらしい
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 01:53:05.54 ID:hEW8GbS0o
乙。
ヤンデレ描写うまいっす。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/06(土) 06:25:11.45 ID:BZO7j8yD0
今一番楽しみにしてる
頑張ってくれー!
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:03:40.96 ID:14o8ftDh0

指から滴る血液が唾液へと変わるころなって、榛名も舐めるのを止め、繋がりを残すかのように糸を引きながら舌を離す。

息を荒げながら呆けた顔をし、次の私の言葉を期待の眼差しを向けながら待っている。


提督「よくできたな、榛名。とてもキレイになったぞ、ほら」

榛名「あ……あっ、あっあっあっあっ」


榛名は、私が声を掛けて手のひらを見せると、目を見開きながら口を震わた。

そして突如として両の手のひらを床につけ、額を擦りつけるように床に当てる。


榛名「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます━━━━━」

提督「なに、気にすることはない。今日は少し残念なことがあったが、せっかくだ、今度一緒に新しいものを買いに行こうか」

榛名「一緒……?」


榛名の顔が上がる。そうであって欲しいという希望と聞き間違いではないかという疑惑、そんな感情が混じった表情と瞳が顔に宿る。


提督「そうだよ榛名。二人で一緒に選んで、二人で一緒に買って、同じものを二人で一緒につけよう」

榛名「榛名と提督が、一緒……ふたり……」

提督「ああ、そうだよ」


榛名は頬を、夢か現かを確かめるように、両手で覆う。


榛名「━━━━━へっ♪」


榛名の喉から声が漏れる。


榛名「へっ、へへっ、へへへっ♪ へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへっ♪ へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ♪♪♪♪♪」


端を吊り上げた唇から壊れた口琴のような音が鳴る。


提督「榛名、私は夕立と少し話があるから、外で待っていてくれるか?」

榛名「へっ、へへっ♪ はぁい♡ へへっ、へへへっ♪」


榛名はそのまま泥水のようにゆったりと更衣室から出て行った。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:04:11.79 ID:14o8ftDh0

榛名が出て行ったのを確認したのち、金剛に声をかける。


提督「金剛、夕立と話があるから、榛名と外で待っていてくれるか?」

金剛「Do you want me to take care of Yuudachi?」

提督「必要ない」


背を向けてタオルで水気を取りながら、金剛の提案を、どっちの意味で言ったのかわからないが、断る。


金剛「I’m understand. My L……テートク」

提督「ん?」


金剛の呼びかけで背後に振り向くと、光のない灰色の瞳が呑み込むようにこちらを覗きこんでいた。


金剛「榛名と何をしていたか、後で全て話して下サイネ?」

提督「……ああ」


底なし沼のような雰囲気を放ちながら、金剛は出て行った。

……さて、問題はここからだ。夕立を説得して榛名との溝を少しでも埋めなければ。

本当なら、当人同士が話し合うのが一番良い気がするが、この状態の夕立とあの状態の榛名を引き合わせても改善には至らないだろう。

個人的な意見としては、今回のことは夕立が全面的に悪い。約束事は破るし、娘を傷つけるし、罵詈雑言は吐くし。

いつもの夕立なら……

まて


提督(焦り、か?)


そうだ、なにか見落としていると思ったが、それだ。

足柄の時も、大鯨の時もそうだった。なぜそこまで他の娘を拒絶する? 引き離されることを嫌がったからか?

だとしたら、浴室に入る前、素直に言うことを聞いたのはなぜだ? いやしかし、結局直ぐに浴室に入ってきたしな。

私の勘違いか?

……考えても仕方ない。思考に時間を取られている暇はそれほどないのだ。


提督「夕立」


声を掛けた瞬間、夕立がびくりと身体を震わせた。

恐る恐る顔を上げ、声を掛けたのが私だとわかると、飛び付いて必死に抱き着いた。


夕立「やだ、やだやだやだ、捨てられるのはやだっ! あなたに捨てられたら、あたし、どうすればいいかわかんないっ!」


怯えた声をあげる夕立は、身体を擦りつけ、私の体を掻き毟り、鉤爪のように私を捕える。

その動きが一瞬止まる。

夕立の視線が、割れた瓶と散らばった布切れに集まる。


夕立「部屋、汚れてる……お掃除……お掃除しないと、綺麗にしないと……!」


突如として、なにかに突き動かされるように、自分が汚した場所を掃除しようとし始める。

349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:04:48.68 ID:14o8ftDh0

私は夕立の腕を掴み、その行動を止める。


提督「夕立、待て」

夕立「あっ、ち、違う、違うんです! これは『あの時』にみたいに、あなたを追い出そうとしたわけじゃないんです!」


腕を掴んで動きを止めた瞬間、夕立が訴えるように叫んだ。


夕立「あの時だって、本当は、ただ……ただ怖かっただけなんです! また『あいつ』みたいな人間があたしたちを虐めに来たんだって! 本土の人間も、海軍も、もうあたしたちを助けてくれない! だから、自分たちを守るにはそうするしかなくて……」


声をあげ、息を荒げ、目を見開き、瞳孔を震わせ、懺悔するように過去を吐露していく。


夕立「だけどあなたは優しくて……ずっと、優しくて……とても、暖かい匂いのする人だって……」


私に手を掴まれたまま、項垂れ、か細い声で呟く。


夕立「あなたが、あいつに撃たれて……ベッドで目が覚めなくて……色んなことを謝らなきゃいけないのに……声なんて届かなくて。あなたの目が覚めた後、言おうと思っても、どう言えばいいかわからなくて」


床に膝を着き、顔を逸らし、髪で表情を隠し、もう片方の手は潰れるほど強く握られていて。


夕立「ずっとここにいて欲しいと思ったときには、もう、取り返しがつかないところにまで来てしまって……黒ずんでいくあなたから、もう、冷たい臭いしかしなくて」


涙声で震える唇の上から、透明な滴が流れていく。


夕立「ここに戻ってきてからも、あなたはずっと冷たい臭いをしてて、でも、すぐに明石さんたちが、あなたを直してくれて。暖かい匂いがして」


震える声から、優しい声音に変わる。

だがすぐに、それは嘆きを含んだ声音に取って替わる。


夕立「でも、今朝は感じられなかったの! あなたの暖かい匂いがっ! いつもだったら『ある』のにっ! どこにもないのっ! 冷たい臭いしかしないのっ! あたし、また、あの時みたいにあなたが黒ずんでいってしまうんじゃないかって!」


顔を上げて私を見上げる夕立。その瞳には涙が溢れている。


夕立「こわい……こわいよ……」


夕立は、再び私を抱きしめる。
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:05:20.02 ID:14o8ftDh0

提督「……『冷たい臭い』?」

夕立「……海の底みたいな、怖くて寂しい臭いなの」

提督(海の底……)

夕立「間宮さんが『もし冷たい臭いを感じたら、抱きしめてあげなさない』って、そう言ってたの。『冷たい臭いは情動が関係するから』って、『傍にいて抱きしめてあげれば抑えられるから』って」


離さないように強く、抱きしめられる。


夕立「言うとおりにしたら、暖かいに匂いが戻ってきたの。あなたの匂いと暖かさが、日向ぼっこしてるみたいに、とても心地よくて」


夕立が埋まる胸元から、冷たい滴が流れていく。


夕立「だけど、霞を怒っているとき、愛宕さんとキスをしているとき、またあなたから冷たい臭いがしたの……あたしたちと一緒にいるのがいけないのかな、って思って。でも一人にしておけなくて」


掴んでいた夕立の腕を離し、抱きしめ返す。


夕立「二人きりになったら、いけないってわかっているのに我慢できなくなって……そしたら、榛名さんが入ってきて、あなたが榛名さんと一つになって」


冷えていく夕立の身体を、抱きしめて暖める。


夕立「また、あなたから冷たい臭いがしたの」


冷えていく身体が暖められない。


夕立「引き剥がさなきゃって思った。そうしないとまたあなたが黒ずんで汚れちゃうかもしれないから」

夕立「でも、あなたは、あたしを、こばむの」

夕立「失いたくないのに、傷ついて欲しくないのに、できることをできるかぎりやっても、なにも届かない」


届かないとわかっていても諦めずに、優しさを、弱々しく、喉元から撃ちだしていく。


夕立「もう、どうすればいいの……?」


それが、止んだ。


提督「……」


……そうだ、この娘はこういう娘だった。時雨のときもそうだったじゃないか。

戦いは勇猛果敢、仲間のことになると一直線、自分の身を顧みずに突き進む娘。

だけど、とても不器用な娘。
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/14(日) 13:06:13.84 ID:14o8ftDh0

提督「夕立、大丈夫だ」


夕立の頭を撫でる。

夕立が顔を上げる。


提督「お前の言う『冷たい臭い』は、決して悪いものではない」

夕立「でも……でも!」

提督「確かに、これは病気による臭いと同じだ。だが、明石たちから受けた改造はな、逆にその病気を利用して、傷ついた内蔵を補完しているんだ」


ゆっくりと、言い聞かせる。優しく。

夕立に感じていた怒りは、もう無くなってしまった。


提督「お前たちで喩えるなら『改修』が近いか? あれと同じように特殊な素材を使って身体を治療しているんだ。それを行った上で、ゆっくりと時間をかけて素材が私の身体を改造していくんだ。
お前たちと違って、私の改造はとても時間が掛かるから、今朝お前が感じた『冷たい臭い』はそれだけ治療が進んだということなんだよ。
だから、決して悪いことじゃないんだ」


思い出してみれば、妙高をベンチに叩き付けた時、頬が少し腫れていた。

人間の攻撃ではほとんど傷を付けられないはずの娘たちに、傷をつけた。

それはつまり


夕立「病気じゃないの……?」

提督「……ああ」

夕立「死んじゃったりしない?」

提督「ああ」

夕立「いなくならない?」

提督「ああ」

夕立「提督さん」

提督「なんだ、夕立」



























夕立「ここに、いてくれますか」

提督「ああ……もちろんだ」





情けないな、私は。
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/14(日) 13:18:43.26 ID:hB4+q48eo
おお、きてたのか
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 01:09:18.42 ID:c4VnL1rl0
提督はゾンビですか?
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 01:11:42.13 ID:a/XmMA94o
『あの時』が気になる
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/15(月) 03:40:35.97 ID:5GTr0e6to
ゾンビで房中術によるエロをしないと死んでしまう身体かな。

たぶん鎮守府が隔離されてるのもそのせいか?
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/26(金) 22:38:37.34 ID:E/1DD7ujO
おっもしれぇ
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/27(土) 23:55:13.09 ID:Bbs5cMEL0

夕立の白い肌を抱きしめて、夕立の綺麗な髪を撫で続ける。


提督(優しい、か)


娘たちはただ、今まで私以上に優しい人に出会ったことがなかった。

ただ、それだけ。

私が優しいわけじゃない。私より優しい人はいくらでもいる。

だから━━━━━


『━━━━━『次』は……?』


突如として甦る記憶、鮮明な映像。

映るのは、雲一つない蒼い空、濁りなき青い海、穏やかな波の音、埠頭、車椅子、包帯、点滴、黒ずんだ右手、指先には赤錆が噴いている。

目の前に居るのは、青い海によく似合う砂色髪の娘。

頭部両側を菊のような形に纏め、そこから時を刻む砂のように髪が垂れて、風で小さく棚引いた。

左手にあるものを穏やかに強く握りしめる。


『━━━━━『次』っていつよ?』

『━━━━━あんたの言う『次』の優しい人間っていつ来るのよ?』

『━━━━━じゃあ、もし、その『次』の提督が、あのゴミ屑よりも、私たちを捨てた連中よりも、ずっとずっと頭が良くて、残酷で、卑怯で、酷い奴だったらどうすればいいのよ!? また耐えろっていうの!?』

『━━━━━耐えて耐えて耐えて、その『次』の提督がいなくなって、でも、その『次の次』の提督がもっともっと恐ろしい奴だったら?』

『━━━━━その『次の次の次』も、さらに『次の次の次の次』の提督がさらにひどい奴だったら? 私たちを使い捨ての道具程度にしか見ないような奴だったら? 上の連中を騙し通せるような人脈も権力も知恵も力もあるような奴だったら?』

『━━━━━鎮守府以外に身寄りも生きる場所もない私たちは、どう生きろっていうの? 耐え続けろっていうの?』

『━━━━━五年、十年、二十年? もっとかしら?』

『━━━━━そうやって耐え続けて、今までのように誰も沈まない保証があるの? だれも壊れない保証があるの?』

『━━━━━それでも、あんたは、その『いつかくる優しい提督』のために、私たちに『待て』っていうの?』

『━━━━━私たちは、もう、一日だって耐えられないのに?』


不機嫌と強さに彩られていた表情が崩れる。

我慢していたものが溢れて、大粒の雨が頬から降ってくる。


『━━━━━たしかにあんたは、普通の人から見れば薄情で臆病で愚図なのかもしれない』

『━━━━━ただ私たちが、世間知らずの箱入り娘なのかもしれない』

『━━━━━ずっとずっとあんたに酷いことをしてきた私たちが、こんなことを言うのは我儘で狡くて卑怯なことだってわかってる』

『━━━━━あんたが、私たちを忌避する理由だって理解してる』

『━━━━━それでも、私たちにとって』

満潮『あんたは━━━━━』


こんな空っぽで、軽薄で、後も先もなにも考えていない、将来すら期待されない、こんな私を、なぜ。


夕立「提督さん」

358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/02/28(日) 03:15:31.74 ID:Z4oslFTs0
きたか…
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/28(日) 13:54:19.89 ID:L664tzL9o
続きが来た。
すこしづつ明かされる提督。
サイボーグかゾンビ かロボか悩ましいなあ。
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 00:27:52.19 ID:q9HylSWF0

夕立の呼びかけに意識を戻され、視線を向ける。

膝立ちのまま抱き締め合い、胸板に頬ずりをしていた夕立は涙の跡を残しまま、私を見上げる。


提督「もう大丈夫か、夕立」

夕立「うん……それでね、その……」

提督「ん?」


口を一文字に結び、目を細め、少し俯いて不安そうな表情になる。


夕立「榛名さんに、謝らないといけないな、って思って……」

提督「……ああ」


そうだったな。

あの状態の榛名がどんな反応をするのかは未知数だが、夕立が歩み寄ろうとしている、というのは大きな一歩だ。


夕立「それでね、その……提督さんに……その……」

提督「わかった、手伝おう」


私の言葉で夕立は顔を上げ、拍子抜けしたような表情を向ける。


夕立「……いいの?」

提督「もちろんだ」

夕立「でも、夕立、提督さんに、酷いこと、いっぱいしちゃった、よ?」

提督「あれは、ただの不幸な勘違いだった、それだけだ。それに、反省しているんだろう?」

夕立「うん」

提督「人のモノ、もう勝手に壊したりしないな?」

夕立「うん」

提督「約束やみんなで決めた事も、破ったりしないな?」

夕立「うん」

提督「仲間を傷つけたりしないな?」

夕立「うん」

提督「……夕立の気持ちに気づかず、酷いことを言ってすまなかった。もう、気付かない、なんてことがないようにするからな」

夕立「……うん」

提督「夕立はいつも、皆のことを気遣ってくれるな。不器用なせいで誤解されることも多いかもしれないが、きっと皆もお前の気持ちに気づいてくれるはずだ」

夕立「う゛ん」

提督「怖いことや、不安なことがあったら、ちゃんと言うんだぞ」

夕立「う゛ん゛っ」

提督「……ありがとう、夕立。お前の気持ち、とても嬉しかったよ……」


夕立は私の胸元に顔を埋め、力強く抱き締める。

そして、静かに泣いた。

361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 00:28:31.49 ID:q9HylSWF0

咽び泣く夕立を抱き締め、数分。

泣き止んだ夕立の涙を拭き取り、顔を洗わせる。

お互い裸のまま、着替えるのは後にして、更衣室を離れる。

榛名に会うため、夕立と共に居間へと向かおうとすると……


提督「ん?」


通り過ぎようとした寝室から音がする。もしかしてこちらにいるのだろうか。


夕立「提督さん?」

提督「こっちに居るかもな。ちょっと見てもいいか?」

夕立「うん」


夕立が同意したところで寝室の扉を開いた。

そこには、


榛名「あっ♥ 提督♥ 提督♥ こんなエッチな匂いを残しているなんて♥ こんなの、榛名、我慢できません♥ アッ♥ アンッ♥ 提督♥ 提督♥♥ 提督♥♥♥ おちんちん♥ 提督のおちんちん欲しいですぅ♥ あの太くてごつごつしたおちんちんで榛名のおまんこをミチミチ虐めて欲しいですぅ♥ あの長くてピンと張ったビンビンおちんちんで子宮の奥までズンズン突いて、赤ちゃんのお部屋にパパちんぽ紹介してくださいっ♥ それでそれであのカリ高エラ張りおちんちんで榛名の膣内をジュボジュボ掻き回して、おちんぽ快楽刻んで欲しいですぅ♥ それで最後にはザーメンミルクをビュービュー出してぇ♥ 榛名の奥に提督パパザーメンの匂いをこびり付けて榛名を孕ませてくださいぃぃぃっ♥」

金剛「んっ♡ あっ♡ テート、テートクゥ♡」


そこにはベッドでうつ伏せになり、シーツに顔を埋めながら腰を浮かしてオナニーをしている榛名と、ベッドに腰掛け、私のパンツを嗅ぎながらこっちも同様にオナニーをしている金剛が寝室にいた。

ひでえ光景だ。
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 00:49:08.98 ID:gyBKO8Gs0
ほんとにひでぇな
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 00:52:29.25 ID:/Ace5ERF0
唖然とする光景やろな
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 12:20:56.96 ID:g+quEIR1o
うーん。
この鎮守府で提督の下着売り出したらどんぐらいになるんだろう?
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 22:21:09.48 ID:4Qdf+9f1o
こんな場面に遭遇したらそっと扉閉めるほかない
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/01(火) 05:35:26.60 ID:JG3VH6x8o
いま気づいたけど、そういえば出撃ってこの鎮守府はしていたっけ?

外に目的がなければ提督の
寵愛以外しか目的がないから艦娘も病むだろう。
そもそもここは本当に鎮守府なのだろうか?どう賄っているか気になる。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 08:51:32.08 ID:dT/HKhJ0o
はよはよ
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 23:27:09.19 ID:fuJB7yVIo
なにがどう転んでもアカン修羅場の連続から一転この金剛型姉妹である
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 10:57:54.48 ID:JroVkxnH0

榛名と金剛は、寝室に入った私と夕立に気づかないまま、自分たちを慰み続ける。

こっちが腹をくくってこれから話をしようとしたところでこの状況である。ふざけてんのか。

こいつらのことは放って、夕立と散歩に行くべきだろうか。

そう思っていると、左手薬指を啄むように引っ張られる。


夕立「提督さん」


引っ張られた方向を見ると、淫行に耽る榛名と金剛を見ながら夕立が佇んでいた。


提督「すまない、夕立。榛名たちがこういう状況でな」

夕立「ああいうの、提督さん、嫌い?」


他の音が立ち止まるような静かな声音で、夕立が私に尋ねる。

薬指を掴む力が少しだけ強くなる。

無我夢中で秘所を掻き回す榛名と金剛の、私を呼ぶ声がさらに大きくなる。


夕立「夕立もね、寂しい時とかに提督さんのことを考えたりすると、ああいうことしちゃうの」


憐れんだ視線を榛名と金剛に向けながら、喉から錆を吐くような、自虐めいた言葉を綴る。

榛名は騎乗位で下から突き上げらたことでも思い出しているのか、うつ伏せのまま足を三角形に開き、三角形の頂点にある扁桃状に開いた秘部に人差し指、中指、薬指を重ねて挿入すると、桃尻を小刻みに上下に振り回す。桃尻が上下に動かされるたびに、桜色をした縦長の唇に指が根元まで呑み込まれていき、溢れた粘液で秘部周辺が卵黄を掻き混ぜて塗りたくったように電灯の光を反射する。

金剛は左手で顔を覆うように私の下着を押し当てると、それと同時に黒いスカートをめくり上がらせた右手で良く手入れをされた無地の三角州を荒らし、右手上腕にずり落ちた白地の振袖から汗ばんだ肩が光に照らされながら肢体を揺らす。声を押し殺して無我夢中に快楽を貪るさまは、普段の金剛からは考えられないような姿で、明るい性格や海上での勇ましさはこちらを隠すための演技ではないかと疑うぐらいだ。


夕立「終わったあとは惨めな気持ちになるだけなのに、どうしても止まらくて、提督さんに優しい言葉を掛けてもらった時とか、提督さんに暖かく触れてもらった時とか、提督さんに熱く抱いてもらった時とか、そういうことを思い出して、ああやって脇目も振らずに、浅ましく自分を慰めるの。
気持ち悪いし、見っともないし、アホ面晒しちゃうし、耳障りだし、いい歳した連中が何しているんだって、そう思うかもしれないけど、でも」


へそより下の丹田の部分を鎮めるように優しく撫でると、未だ艶めく白麦色の髪を揺らして、火の粉揺らめく瞳を私に向ける。


夕立「それでも、榛名さんと金剛さんのこと、嫌いにならないであげて……っぽい」


夕立の言葉と共に、榛名が濁流のような雄叫びをあげ、金剛が引き裂き耐える糸のように声を押し殺した。

やれやれ。
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 17:06:29.18 ID:NTHp/aY8o
おお、きてたのか
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/05(土) 21:11:17.80 ID:9G0qTwYMo
おお。来てたか。
夕立はいい子だなあ。(内容はさておく)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 16:02:03.75 ID:d6k7vztZO
うわぁへんたいだぁ
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 02:54:01.54 ID:n6YePqv+O
どうした?
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/19(土) 21:50:34.69 ID:6rBv0VJn0

混濁し固まった思考を鞣すように頭髪を搔きながら、余韻に浸っている金剛と榛名を一瞥する。


提督「……」


別段私は自慰に耽っていることを責めているわけではないんだがな。

早朝の陽炎の一件でなんというか……あれだ、慣れた。

今回はなんというか……金剛たちが間の悪いことをした、というその一点に尽きる。

まあ、夕立が気にしていないようだからいいだろう。


提督「一回外に出ようか、夕立」

夕立「うん」


自分の思考が一段落したころ、金剛たちが気付く前に寝室を出る。

気付かれないようにそっと扉を閉め、一息間を置く。

そして呼び起こすように拳で扉を叩いた。


提督「金剛、榛名、いるか?」


少々強めの語気で室内にいる金剛と榛名を呼ぶ。

私の呼び声を合図にして、室内が騒ぎ出す。

太鼓を乱打するような足音に木材が波のように擦れる音、そしてベッドの軋み音に……

……今なんかすごい音がしたぞ。どっちかが転んだか?

転倒したと思われるその音が鳴った後、室内が静まり返る。


「はっ、はいっ!」


そして室内から返答が来た。

正直どういう意味の「はい」なのかは知らないが、とりあえず寝室に入ろう。

扉を開ける。

375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/19(土) 21:55:31.68 ID:6rBv0VJn0

部屋に入ってまず目にしたのはベッドにいる榛名。顔を朱に染めながらシーツで上体を隠し、シーツに収まらなかった生足が人魚のように横たわっている。

……よくよく見ると榛名の額が赤く腫れているように見える。先ほどのは榛名がベッドから落ちた音かもしれない。大丈夫か?

次に視線を動かして窓際を見ると、肘掛椅子にお行儀よく座っている金剛が見えた。


榛名「てっ、提督、なぜ裸のままなのですか……♥」


お前が言うな。

言っておくが、裸といっても下はバスタオルで隠しているからな。夕立だって肩からバスタオルを掛けて胸を隠しているんだし。

着替えを滅茶苦茶にされたからといって、丸裸で部屋を歩く趣味はない。那智じゃあるまいし。

そう思いながら金剛に視線を送っていると、金剛は頬を淡く染めながら露骨に目を逸らした。

先程の状況を知らなければ、異性に恥じらうお淑やかな大和撫子なのに、今はパンツを嗅いで自慰したことがバレないか不安になっている変態淑女にしか見えない。

窓から差し込む光を背景に、その光がそっぽを向いて桃色に染まった表情を際立たせ、金剛の身体と椅子が光の繭に包まれている。というまるで絵画のような美しい情景なだけに残念極まりない。

視線を榛名に戻す。


提督「榛名」

榛名「はっ、はいっ! 榛名はいつでも大丈夫ですっ!」


まだ何も言っていないぞ。


榛名「大丈夫ですっ!!♥」


何故二回言った。

……時々榛名は会話が通じなくなるな。明石に脳の診察でも頼むか。

閑話休題。


提督「夕立から話があるそうなんでな。聞いてもらえるか?」


夕立の話を振った途端、期待を含んだ照れ臭そうな顔が一転、無関心しか感じられない希薄な表情に変化する。


榛名「……提督はもうよろしいのですか」

提督「ああ、話はついた」

榛名「そうですか」


榛名は私の横にいる夕立を横目で一瞥する。


榛名「それで、どうするおつもりですか?」

提督「私か?」

榛名「はい」


金剛と榛名が目を据えて見る中、私は夕立の髪を指で一舐めする。


提督「夕立も反省しているようなんでな。許すことにしたよ」

榛名「そうですか」

夕立「……あの……榛名さん」

榛名「……夕立、こちらに来なさい」


榛名に呼ばれ、夕立はベッドの上に乗る。
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/19(土) 21:59:44.13 ID:6rBv0VJn0

榛名と夕立はお互いにシーツとタオルを外し向き合う。

裸の娘二人が正座して対面する姿は中々に面妖である。

……ふむ、やはり榛名のほうが大きいな。どこがとは言わんが。


提督「……席を外そうか?」


肌丸晒しのべっぴん二人のうなじとか向き合う乳首とか腰の括れとか揉みたくなる尻とか艶のある太ももとか擽りたくなる足の裏とかを見ていたいが、真面目な話をするなら二人きりがいいだろう。


夕立「えっ……?」


そう言った途端、夕立が親を見失った子犬のような顔をした。


榛名「……提督も立ち会っていただけると」

提督「……そうか、わかった」


夕立の様子を察したか否か、榛名が私を引き留める。

その言葉で夕立も安堵したのか、再び榛名と対面する。

私と金剛が見守る中、まず榛名が口を開いた。


榛名「夕立、私は怒っています。理由がわかりますか?」

夕立「……夕立がみんなとの約束事を破ったから」

榛名「そうです」


榛名が少し強めの視線で夕立を睨む。


榛名「約束事は皆に不満が出ないようにするため、皆で決めたことです。夕立がそれを破っては約束事の意味がありません。
 今回は“たまたま”体調がよくないとのことでしたが、結果として提督は他の娘から責められることになりました。夕立だけならまだしも、提督にも迷惑を掛けたのです。ここまではわかりますね?」

夕立「はい」

榛名「次にお風呂の件ですが……その前に、夕立、福祉係の役割は何かわかりますか?」

夕立「提督さんと昼間からエッチし放題できる係っぽい」

榛名「半分正解です」

提督「……」

榛名「ですが、もう少し詳しい説明があったはずですが、わかりますか?」

夕立「……えっと、綾波から聞いた話だと、提督さんの性処理で周りの娘が一々エッチしてると課業が進まないから、性処理専用の娘を用意して、一日二十四時間いつでもどこでもヤリ放題ハメ放題できるようにしたって言ってたっぽい」

榛名「そうです。さらに付け加えると提督は福祉係に対し罵倒、虐待、暴行、強姦、凌辱、拷問、切断、解体、撃沈、轟沈、殺害など鬱憤を晴らすためのありとあらゆる行為が認められています。
 福祉係は、提督から優先的に愛していただけるのです」


馬鹿な話だ。

377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/20(日) 04:30:43.39 ID:qrr6KhYc0
やっときたな!!
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/20(日) 19:00:10.48 ID:ZMg/8WnO0

榛名は言葉を続ける。

榛名「本来ならば、お風呂場のようなお互いに肌を晒す場所は福祉係が担当することになっています。
そのことを無視して提督と裸のお突き合いなどをしたら、福祉係の役得……役割の意味がありません。
この係は人気があるから、就くのが大変なんですよ? 夕立だって知っているでしょう?」


榛名の言葉に夕立は同意するように頷く。


夕立「夕立も、時雨と係の奪い合いしたときは大変だったっぽい」

榛名「でしょう?」


なんか話し合いからズレてきてないか?


榛名「セックスしたくてやっと手に入れた役割なのに、それを他の娘に奪われたら嫌でしょ?」

夕立「うん」


そういう判断で仕事を選ばないでくれないか。ついでにそういうことを上司の前で堂々と言わないでくれるか。


榛名「今回のお風呂の件は提督が私に中出しセックスしてくれたから大目に見ますが、次からは勝手なことはしないように。いいですね?」

夕立「うん。夕立、次からはちゃんと順番を守るっぽい」


夕立の言葉に、榛名は満足げにウンウンと頷く。


金剛「へぇ…… Bathroom で MAKE LOVE ですか……」


いつの間にか傍に来ていた金剛が、棘を含んだ声音で黒煙でも吐くように呟いた。

油が撒かれた火薬庫のような雰囲気を纏いながら、金剛は私の隣に仁王の如く佇む。誰か助けてくれ。
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 00:06:23.88 ID:jjoOCPvGo
火薬庫にガソリンをぶちまけていくスタイル
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 01:46:33.64 ID:hd6rNXwpo
なんつうかもうなんだこの鎮守府全戸火薬庫なにかなの(歓喜
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 20:53:22.49 ID:9xm2VfvXo
火薬庫って言っても大したことないな
中出しセックスすれば湿気るんだから
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/21(月) 20:55:38.24 ID:ZB63ODJYo
触手が生やせるようになれば一人一本の肉バ○ブ性活に突入だね!
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 02:57:42.73 ID:kHNAkFOTo
この提督の防火能力高そうだしヘーキ


しかしスナッフもオッケーな福祉って
愛されるまま死にたい願望持ちも多そうね。
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 09:37:26.48 ID:JO9eRHp/o
メンタルがほぼまともなのに夏の夕暮れになると大変だな(小並)
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/23(水) 20:14:32.94 ID:a6x/yeDX0
みなさん、なかがよろしいのですね()
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/26(土) 18:06:56.21 ID:bcZBk/zvO
虐待やら殺害やらされる事を「愛していただける」とは……
いやーこれぞまさに真実の愛だね(白目)
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/28(月) 00:12:00.83 ID:P78/44Nu0

私が金剛から微妙に距離をとっていると、榛名が気持ちを入れ替えるように一度咳払いをした。

それに合わせて夕立が背筋をゆっくりと正し、榛名に再び向き合う。


榛名「さてと……これで私から夕立に言うことはもうないわ。辛気臭い説教は、ここで終わりっ」

夕立「……え」


説教、っぽい何か、が終わり、少しばかり堅苦しかった口調を改めて、榛名がさっぱりとした声で話に切りを付ける。

想定外のことに呆気にとられた夕立をそっちのけに、榛名は豊満な乳房を揺らしながら私のほうを向いて口を開く。


榛名「提督、榛名も終わりました」

提督「ん? ああ」


不発弾状態の金剛に気を取られて榛名に生返事をしてしまった。だって不発弾が離れた分だけ距離を詰めてくるんだもの。ナメクジみたいに。


夕立「あの、榛名さん」

榛名「ん? どうしたの、夕立」


不安げな夕立の言葉に応じて、不思議そうな顔を向ける榛名。


夕立「夕立、まだ言わないといけないことが……」

榛名「……わかったわ。なにかしら」


そう言って榛名が夕立と再び向き合う。

不安そうな夕立は、言い出す勇気がまだないのか、口を開こうとしてはまた閉じ、視線を少しさ迷わせる。

その視線の中に私の姿が映ったのか、視線を向けたままゆっくり顔を上げて私の表情を見た。

不安そうな夕立の表情に、勇気づけてあげられるように私はゆっくりと頷いた。金剛に怯えている場合じゃないぞ、私。

夕立は一度俯いて目を瞑り、目を開けて榛名を見る。

いい顔つきだ。


夕立「榛名さんの香水と服、滅茶苦茶にしちゃったこと、色々酷いこと言ったこと、約束を破ったこと、謝ります。本当にごめんなさい」


夕立はしっかりと、頭を下げた。

その姿を、榛名は目を細め、しばらく見つめる。


榛名「夕立」

夕立「はい」

榛名「さっきも言ったけど、約束を破ったことに関しては、もうお終い。反省して、さっきのことを守ってくれればいいわ」


母親のような口調で、はっきりと伝える。


榛名「酷いことに言ったってことに関しては、私もお風呂場でけっこうきついことを言ったから、これはお互いさま。
服は……たぶん、あとで弁償してもらうことになるのかしら? それでいいわね?」

夕立「はい」

榛名「なら服の件もそれでお終い」

夕立「香水は……」

榛名「香水は提督の物よ。そして提督は夕立を許した。だからその件もお終い。はいっ、私の件はもう終わり。それより夕立、謝るというのなら、もう一人いるでしょう?」

夕立「? あっ」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/28(月) 00:46:50.54 ID:THH9RITCo
やさしく諭す榛名と素直に謝る夕立
なんと微笑ましい光景だろう(棒)
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sagasage]:2016/03/28(月) 03:59:49.91 ID:ArEp+EOHO
(二人は全裸正座で向き合っています)
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/04(月) 05:36:00.90 ID:cHiC/cQE0
あったかくなってきたとはいえ、まだまだ寒いな
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/04(月) 23:44:17.37 ID:jSGy+gya0

榛名の言葉で何かに気づいた夕立は、体の向きを変える。

正面にいるのは、金剛。

……いや、待て、今の金剛に話しかけて大丈夫か。


夕立「金剛さん、さっきは怪我をさせてごめんなさい」

金剛「Huh? Me?」

夕立「はい」


予想外のことだったのか、金剛が拍子抜けした声を挙げる。

金剛は少しばかり唸った後、毒を抜くように息を吐き、そして一転、夕立に明るい顔を見せた。


金剛「It’s O.K.!! この程度の傷、ワタシにはかすり傷にもならないデース! 傷だってもう塞がっているからネ! 恋する乙女は Very Strong!」


そう言うと金剛は夕立に傷つけられた部分を見せる。見てみると確かに傷が消えている。自己再生機能の範囲内だったか。


金剛「だから、夕立、No need to worry」


夕立のどこか澄んだ態度に中てられたのか、臨界点突破間近のような態度が薄れ、いつもの明るい雰囲気に戻る。


榛名「よかったわね、夕立」

夕立「うん」


助かった……
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 04:17:25.48 ID:n/mxtCwN0
ずっと面白いよ
少しずつでええんやで
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 00:55:21.43 ID:xZKwnW7q0

その後、金剛に榛名の服を取りに行ってもらい、その間に私は夕立とともに更衣室で着替えることとした。


提督「……榛名、なぜここにいる」

榛名「?」


可愛らしく首を傾げないでくれるか。

金剛が着替えを持ってくるまで寝室で待たせていたはずの榛名が、やることなど何もないにもかかわらず、なぜか更衣室に付いてきた。

もちろん真っ裸である。


榛名「♪」


榛名はゆっくりと床に座ると、にこやかな表情で私のパンツを極めて自然な動作で掴み、腰回り部分を輪っか状に広げて私の前に差し出した。


榛名「さあどうぞ、提督」


何がだ。

慈しみの表情を浮かべる榛名に戸惑いを感じざる得ない。

おまけに、パンツを履こうとしていた夕立が動きを止め、こちらをじっと見ていることがなおのこと戸惑いを加速させる。


提督「榛名、着替えは一人でやるから、お前は寝室で待っていなさい」


私がそう忠告すると、榛名はパンツの前部分、履くと陰茎で膨らむ箇所、に鼻をあて臭いを嗅ぎ始めた。


榛名「洗い立てですよ、提督。さあどうぞ」


股部分から鼻を話した榛名は嬉しそうにそう言うと、今嗅いだばかりのパンツを再び広げ、差し出す。話聞けよ。

正直ここまでお世話されたくないが、榛名は聞く耳を持たないし、それにこのままじっとしていては着替えが進まない。

仕方なく、バスタオルで陰部を隠したまま、広げた輪っかの中に両足をいれることにする。


榛名「動かしますね」

提督「ああ」


私が両足を入れ終わると、榛名はパンツをあげて股間部分にパンツを合わせる。

履かせ終わると、榛名は立ち上がって私に身体を密着させて腰に巻いていたバスタオルと外すと、腰部の開口部から手を入れ陰茎と陰嚢を掴んだ。


提督「榛名」

榛名「ご安心ください、位置を整えるだけですから」


そうは言うが、身体全体をくねらせながら誘うような視線で言われてもまったく説得力がない。

394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/09(土) 00:59:24.12 ID:xZKwnW7q0

榛名「提督の、やっぱり大きいです……♥」


やめろ。夕立が怖い顔をしているだろ。

榛名は熱を帯びた視線を真下に向けると、荒い息継ぎと共に陰嚢を左手で包んでほぐすようにやさしく揉み始め、右手で陰茎を扱き始める。


提督「榛名」

榛名「提督……早くっ、早くおちんちんを硬くして、榛名の生マンコの中にぶち込んでくださいっ♥ 一回だけなんて物足りないです♥ 今日の榛名は提督専用の肉便器なんですから、おちんぽ汁をいつでもどこでも榛名のおまんこ便所に出していいんですよ♥」


正気の失せた表情を顔に浮かべながら、開いた瞳孔を向けて獣のように迫ってくる。硬くなった乳首が胸板に当たり、陰茎に触れる手のひらの温度が少しづつ下腹部を熱くしていく。


榛名「早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 早く♥ 榛名、もう我慢でき「HEEEY! 榛名ぁーッ! 着替え持ってきたヨーッ! Hurry up and get changed!」


榛名が欲望の限界を超え、夕立が殺意の向こう側を突破しようとしたとき、更衣室の扉をぶち破って金剛が出現した。


榛名「……随分とお早い帰還ですね、お姉さま」

金剛「榛名が風邪をひいてはいけませんからネー。最大戦速で戻ってきたヨー」


動きを止めた榛名は氷点下まで下がった視線で金剛を見ると、つららでも投げつけるような声音で金剛を迎えた。

対する金剛は榛名の言葉を屁とも思わず、悠然と言葉を返す。


金剛「榛名、テートクはこの後も用が控えているんだから、早く着替えて準備しないとテートクが困っちゃうネー。Do you understand?」

榛名「……提督」

提督「悪いが榛名、金剛の言うとおりだ。早くしないと愛宕にどやされてしまうんでな」

榛名「……」

提督「榛名」


榛名の頬を右手で撫で、左手を背部に回して腰を撫でる。


提督「いい娘で我慢した分だけ、その分後で可愛がってやるぞ。二人っきりになったときにたっぷりと、な」


私の言葉に榛名は頬を染めると、湿り気のある視線で私を睨みつける。


榛名「……提督はいつもそれです」


馬鹿の一つ覚えを非難すると、陰嚢と陰茎から手を放し、代わりの私の肩を掴んだ。

力ずくで肩を引っ張られ、上体が前に揺れるのと同時に榛名の顔が眼前に近づく。

唇に柔らかい感触が触れ、口内に生暖かい湿った空気が入る。


榛名「んっ……それでは着替えてきますね」

提督「……ああ」


唇を離した榛名は金剛と共に寝室へと向かった。


夕立「……卑しい女ぽい」


なんだその台詞。
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 01:07:30.75 ID:6z+w7C9zo
卑しい女ずい…
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/09(土) 07:07:10.69 ID:mIV2T0I+0
面白い
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 10:20:49.71 ID:ZuMz9hAfo
いやらしい女ぽい……
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 10:52:31.48 ID:VgVSmE13O
ぐう興奮する
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 10:54:55.23 ID:nHlqESEAo
みんないやらしい・・・
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 05:36:13.08 ID:Fn2Voywj0
卑しい女達なのです
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/10(日) 21:58:05.11 ID:COcCyVQk0

提督(よし)


あの後、榛名が再び更衣室に突撃してくる前になんとか着替えを済ませることができた。

といっても、ものの数分のことなので気合を入れるほどのことではないのだが。


提督(さて……ん?)


夕立も着替えが終わっただろうと思い、声を掛けようとおもむろに振り向いた瞬間、頭に疑問符が浮かんだ。

なにせ視線の先には、黒を基調とした制服姿ではなく、未だに素肌を晒したままの夕立がいたのだ。

夕立は自分の下着に視線を落とし、神妙な顔立ちをしていた。


提督「どうした、夕立」


そう声を掛けると、夕立はゆっくりと顔を私に向け、そして突如両腕を伸ばして持っていた下着を見せつける。


夕立「提督さん、着せて」

提督「?」

夕立「 き せ て 」

提督「……」


なんかいきなり子供っぽいことを言い始めた。いや子供か。

先程までいた榛名への対抗心というやつだろうか。


夕立「んっー」


パンツを押し付けるのはやめなさい。私の着替えと違って、脱いだものをもう一度使っているから匂いが残っているんだよ。

このままいくとなにか悪いことが起きかねない。というかナニが起きてイキかねない。なにをいっているんだ私は。
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 00:05:17.07 ID:q09vrUTc0

思考が明後日の方向へ行くのを何とか押し留め、このまま行くと夕立とニャンニャンしかねない下半身の野性を上半身の理性で抑えつける。

……イヌっぽい夕立とニャンニャンとはこれいかに。いかん、また思考がおかしなことになっている。時雨もそうだがこの娘たちの匂いはどうもダメだ。

そんな私の気も知らず、未だ夕立はパンツを押し付けながら頬を膨らませて駄々をこねる。まったく……

一度溜息をつき、口で息をしながら夕立のパンツを掴む。


提督「ほれ」


掴んだパンツを、先程榛名がしたように、輪っか状に広げ、夕立の前に差し出す。

そうすると夕立は花が咲いたような明るい笑顔を見せ、艶めいた白い生足を私の両手の間に入れる。

それと同時に目の前に鼠蹊部と下腹部が現れ、下腹部の最下部にある丸みを帯びた二つ桃色の花弁が晒される。もし花弁で守られたこの谷筋を下卑たな感情で荒せば、目の前の無垢な娘から雌の啼き声が聞こえることだろう。


提督「動かすぞ」

夕立「ん」


両側に黒いリボンがあしらわれ、縁を黒で囲っているパンツを上げ、夕立の下腹部を隠す。


夕立「提督さん、次、これ」


夕立は先程のパンツと同じような装飾のブラジャーを差し出す。

私はブラジャーを手に取ると、夕立の後ろに回って肩ひもつけていき、最後にホックで留める。


夕立「提督さん、これじゃブカブカっぽい」


私に調整をしろと。無茶言うな。最上や鈴谷に何度やり直しをくらったと思ってやがる。


夕立「ぶ〜か〜ぶ〜か〜っぽ〜いー」


夕立は再び駄々をこね始める。このままだんまりを決め込んでも仕方ないか。

あきらめた私は夕立のブラジャーと乳房の間に手を入れ、バストの調整を始めた。
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/04/11(月) 00:53:38.44 ID:q09vrUTc0

提督「そうだ、夕立。この後の散策だが、どこか行きたいところはあるか?」


バストの調整を行いながら、乳房の柔らかさに意識が向かないように、夕立にこの後の予定を尋ねる。

といっても、散策できるところなど限られてはいるが。

そう思いながら夕立の返答を待つ。






返答が、こない。


提督「夕立?」

夕立「おさんぽは、もういいの」


突如振り向いた夕立が私に抱き着く。まだ調整できていない左の肩ひもが肩からずれ落ちる。


夕立「提督さんが、元気だってわかったから。だから、もういいの」


胸元に顔と声を押し付けて、表情と声音を隠すように語り出す。


夕立「生きてるってわかったから。置いて行かれないってわかったから」




夕立「だから、いいの」




強く強く抱きしめられる。


提督「……本当に、いいのか」

夕立「うん」


私の問いかけに、迷いなく答える。


夕立「それにね」


顔を上げた夕立は、とてもとても、やさしい笑顔を見せる。


夕立「これ以上夕立が傍にいたら、きっと提督さんに迷惑を掛けちゃうから」


振り返り、私に背中を預ける。


夕立「だから、いいっぽい」


どこか憑き物が落ちたような声で、穏やかにそう答えた。


提督「そうか」

夕立「うん。だから」

提督「ん?」


ほんの少しだけ声が小さくなる。恥ずかしそうに、弱そうに。


夕立「だから、もう少しだけ……甘えさせて、ください……っぽい」

提督「……ああ」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/11(月) 09:52:15.97 ID:vCS+BhclO
うおおおおおおおおお夕立ィィイイイイイイイイイイ!!!!!


天使だな
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