【艦これ】大鳳「衣食住に娯楽の揃った鎮守府」浦風「深海棲艦も居るんじゃ」

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281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/01(月) 23:10:06.54 ID:MGCCgswqo
>>280
ありがと検索小文字でやってたからひっかからんかったんか
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/02(火) 10:06:10.36 ID:pF2n6NaSO
了解です
283 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/07(日) 15:39:34.26 ID:6aC4VHUy0
・春雨『始めてのお出かけ』 、投下します

春雨ノ…海ニ…沈ンデ…イキナサイ(グルグル目)
284 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/07(日) 15:41:07.27 ID:6aC4VHUy0
 トレードマークの白い帽子を片手でおさえながら、彼女は彼の元へと駆けていく。
 待ち合わせはヒトヒトマルマル、鎮守府を出たのがヒトヒトマルマル。
 どこでもドアでも持っていない限り、鎮守府の前が待ち合わせ場所でもなければ確実に遅刻である。

「――し、司令官! 遅れてごめんなさい!」

「別に急ぐ用も無いし構わんさ。どっかの古鷹型みたいに三時間寝坊されたら流石に怒るがな」

「服がなかなか、決まらなくって……」

「とりあえず一回息を整えろ、通行人が思わず振り返る走りっぷりだったぞ」

「だって、楽しみに、して、たから……ふぅ〜……」

 深呼吸をしてようやく落ち着いたのか、春雨は乱れた髪を手で軽く整え、にこりと微笑む。
 そこにある真っ直ぐな好意は誰から何度向けられても気恥ずかしくなるもので、提督は視線を逸らし、代わりに手を差し出した。

「行くか」

「はい!」

 飛び付くように握られた手。“白露型は犬だ”と誰かが言っていたのは強ち間違いでもないと思いながら、白い帽子に視線を落とす。
 今日はその中に住人は居らず、完全に二人っきりだ。

「――? 司令官、どうしたんですか?」

「いや、なんでもない。それより今日はどこへ行きたいんだ?」

「あの、実は前から気になっていたのになかなか行く機会が無かったお店があって……」

「そうか、じゃあとりあえずそこから行ってみるか」

 淡い桃色のセーター、赤のチェックスカート、可愛らしいショルダーポーチ。
 きっとそれらのどれか一つには二人で選んだものが含まれており、お気に入りなのだろうと提督は考える。
 ここには居ないその子の“ドウダ、可愛イダロ?”という声が聞こえた気がして、彼はなんとなく帽子をぴょこぴょこさせながら横をついてきている春雨の頭を繋いだ反対側の手で撫でた。

「ひゃうっ!? 急にどうしたんですか?」

「いつもは撫でようにもアイツが居るから今撫でてみた」

「びっくりしちゃいますからいきなりはやめてください」

「その割には嬉しそうだが?」

「それは……そうですけど……」

 帽子を少し下に引っ張り、目を隠す春雨。
 そんな仕種も可愛らしいなと思いつつ、目的地への道中そんな他愛もないやり取りを彼は繰り返すのだった。
285 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/07(日) 15:41:40.45 ID:6aC4VHUy0
「――なぁ、春雨。ここか? 本当にここか?」

「はい、ここです」

「そ、そうか……」

 思わず念入りに確認をしたくなる店構え、内装、メニューの数々。
 おおよそデートには似つかわしくないその店で、春雨は目を輝かせていた。

(春雨丼? 春雨巻き? メニューから料理の想像が出来ん……)

「司令官はどれにしますか?」

「えっ、あぁ、うん、春雨はどうするんだ?」

「悩みましたけど、やっぱり春雨丼と麻婆春雨に決めました」

(何をどう悩んだか具体的に教えてくれれば参考になりそうなんだが、さっぱり分からん……)

 こういった場面で同じものを頼むのがタブーであることぐらい提督も重々承知している。
 しかしながら、挑戦し尚且つ春雨も喜びそうなメニューがどれかなど彼には見当も付きそうになかった。

(えぇい、こうなったら適当に指して決めてやる!)

「じゃあ――これで」




「お待たせしましたー春雨丼に麻婆春雨、春雨焼きでございまーす」

 注文した料理がテーブルに並び、春雨は姉妹に見せるのだとスマホを構える。
 その撮影の間に提督は料理の材料などを推察する。

(春雨丼は春雨を中華餡と絡めてご飯の方にも調理が施されてる感じか。春雨焼きは……何だこれ、モチーフはたこ焼きか? 周りは春雨なんだろうが焼いてるから中身が見えん……)

「司令官、もう大丈夫です。早く食べないと冷めちゃいますよ?」

「あ、あぁ」

 言うや否や春雨丼に箸をつけ始める春雨。その様子をジッと見つめながら、彼女の反応を待つ。
 一口、二口と口の中に消えていく春雨丼。その度に溢れる笑みが、味を雄弁に語っていた。

(美味いのか、アレ。ならこれもきっと大丈夫なんだろうな……多分)

 恐る恐る、一口大の丸い物体を口許へと運ぶ。そして、意を決して口の中へ放り込んだ。

「司令官、どうですか?」

「カリカリの春雨の層とプチプチとした春雨らしい食感の層、最後にトロリとしたピリ辛のあんが口の中に広がって、面白いな」

「美味しそう……春雨も一つ食べたいです」

「あぁ、ほら」

 皿を春雨の方に近付ける提督。しかし、何かを考えるような素振りを見せた後、もじもじとしながら彼女は箸を置いた。

「……あ、あーん」

「……」

 ――この時、提督の頭を過ったのは朝潮に待てをした時の反応だった。
286 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/07(日) 15:42:07.85 ID:6aC4VHUy0
――――デートハドウダッタ?

 ――――……司令官が意地悪だった。

――――フーン? ソレハ良カッタナ。

 ――――良くないよぉクーちゃん……。
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 12:44:11.18 ID:I8GsnUFxO
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 16:18:29.90 ID:G8SlXFeSO
乙です
春雨料理他にもこの店には色々あるんだろうな
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/08(月) 17:51:39.68 ID:dk5FBjkFO
290 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/24(水) 20:28:30.98 ID:HNvGqrhtO
リアルシュラバヤ沖海戦中なのでまた遅れます、本当に申し訳無いです…

日曜日には確実に更新します




加賀さんが艦これ改で初正規空母でした
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 20:29:08.03 ID:RBZXVXAxo
報告乙
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 20:35:29.83 ID:L1XexDSmO
了解
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 20:41:05.23 ID:seT2GOHSO
了解です
294 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/02/28(日) 19:44:13.42 ID:K5YfAlEv0
タイトル変更

・五月雨『日頃のお返し?』R-18、投下します
295 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/02/28(日) 19:44:44.47 ID:K5YfAlEv0
 月の光を受けて、暗い部屋に浮かび上がる肢体。
 触れてはいけないものの様に思えてくる彼女の肌へ、提督は手を伸ばした。
 へその辺りに下ろした指を徐々に上へ滑らせ、少しくすぐったそうにする反応を楽しむ。
 その反応はまだ緩やかな丘を登り始めると次第に変化を見せ、丘の上で指を数回回すと彼女の口から熱くなった吐息が漏れた。

「んッ……提督、ちょっと意地悪です」

「何がだ」

「凄く、楽しそうな顔してます」

「色んな艦娘を指揮してきたが、一切行動が予測不可能だったのはお前だけだからな。確かに今楽しいかもしれん」

「やっぱり意地――んぅ……んっ……」

 拗ねた様な顔を見せる彼女の口を閉じさせ、止めていた指を再び動かし始める。
 桜色の突起した部分は、気分の高揚を示すかの如く膨らみを増してきていた。

「はむっ……んちゅっ……んっ、んぅっ」

 徐々に優しい口付けから深く唾液を交換し合うようなものへと変わっていき、身体をまさぐる手もやや激しくなっていく。

「――んぅっ!? あっ、ひぅっ!?」

 股に這わせた手をそのまま秘部へと動かし、既に濡れていたそこへ指を挿入する。
 突然の刺激に目を見開き、提督の背中に爪を立てる五月雨。
 若干彼の顔に苦悶の表情が浮かぶが、すぐに熱くてふやけそうな彼女の中を指でかき分けていく行為を続行する。

「てい、とくっ……急に、そんな、んぁっ!?」

「今回は気絶しても最後までするからな」

「そこ、掻き回したら、ダメぇ……」

 提督の宣言も耳に届かない程快感が押し寄せており、五月雨は顔を左右に振りながら必至に波に耐えていた。
 それに呑まれてしまえば戻れなくなりそうな気がしたからだ。

「――そろそろいいか」

「あっ……」

 引き抜かれてゆく指が名残惜しいかのように、五月雨の中は蠢き、引き留めようとする。
 しかし、それは叶わず、無意識に彼女の口からは残念そうな声が漏れた。

「五月雨」

「……?」

「入れるぞ」

 ボーっとしている頭ではうまく言葉が出ず、返事の代わりに五月雨は首を小さく縦に振る。
 そして、また身体の底から込み上げてくるような快感の波を待った。
296 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/02/28(日) 19:45:12.37 ID:K5YfAlEv0
「んっ……くっ……うぅっ!? あっ、ああぁ……」

 脳天を突き抜けるような感覚が身体中を巡り、彼女の視界は一瞬真っ白になる。
 全身から力が抜け、提督の背中に回していた手もベッドへと滑り落ちていた。

「――ふあっ!? あぅっ、ていとく、今、だめ、だめですぅ……」

 今度は意識を引きずり戻すような刺激に、五月雨は提督に休憩が欲しいとお願いする。
 しかし、彼女の中を削るように激しく動く腰は止まらない。

「だめ、やだ、壊れ、ひゃうぅっ!?」

 何度お願いしても彼女の願いは聞き入れられず、更には身体を持ち上げられ、より深く奥まで撃ち抜かれる。
 腰が上下する度に五月雨の長い髪が揺れ、それがまた彼の欲望に拍車をかけた。

「んあっ! あんっ! ダメ、きちゃう……何かきちゃうぅ!?」

「イク、ぞっ……!」

「あっ、あんっ、んあっ……ふああァァあァっ!?」

 自分の中に吐き出された熱いモノの感触をしっかりと味わいながら、五月雨は絶頂を迎える。
 弓なりに仰け反った身体は一時の余韻を終えて提督へとしなだれ落ちた。
 そして――。




――――涼風! 私提督との夜戦大好きになっちゃった!

 ――――ぶふぅっ!? あ、朝から何言ってんだこのすっとこどっこいー!

――――(夕立も提督さんとの夜戦は大好きっぽい)

 ――――(まぁ、嫌いじゃないかな)

――――(白露がいっちばーん)

 ――――(村雨も、ちょっとイイコト、久々にしたいなぁ……)

――――(や、夜戦はまだ私には早いかなぁ……)

 ――――(あんな弱そうな提督とンな事して大丈夫なのか?)



 大鳳鎮守府の白露型は夜戦に強い模様です。
297 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/28(日) 21:20:34.29 ID:GywQrqR2O
「大淀、五十鈴は?」

「イオナ級の潜水艦が出たら行くそうです」

「アイツは良い勝負しそうだからな……」

「ちょっと待って、いくらなんでも積みすぎじゃない!?」

「マスター、爆雷とソナーガン積みはロマンです」

「身体にくくりつけられても発射出来ないんだけど!?」

「ヴェールヌイ、出撃する」

「やめてヴェールヌイちゃん、この艦隊ツッコミが少ないからウォッカ置いて早く爆雷持ってきてー!」

「吹雪、そういう君も寝巻きだよ? 良いボケだね」

「皆準備おっそーい!」




一時間後、こんな艦隊に海域は攻略された
298 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/02/28(日) 22:02:12.60 ID:8bUT7qS7O
「日向ー対抗して瑞雲ガン積みしなくていいからねー」

「タービンガン積みのお前には言われたくないな」

「ご飯を回収しに行くっぽい?」

「ご飯を回収したらお茶ですねー」

「何で北上さんと一緒じゃないのかしら、編成が悪いのよ……」

「艦戦ガン積み? いいけれど」




鎮守府にガン積みブーム到来中
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 11:42:45.74 ID:qTtgwJnSO
乙です
もちろんづほは九九艦爆ガン積みですねわかります
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/29(月) 20:40:08.92 ID:+6Cz3u0wO
ここにオニギリがあります
301 :sage :2016/03/02(水) 12:42:57.61 ID:qlQjtgMe0
最初から来て、やっと追いついた〜
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 13:01:12.59 ID:VYdsNw2AO
sageられない新参は書き込むんじゃねえよ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 13:39:30.15 ID:B8IQ5Nb80
自称玄人が上げただけで駆逐たなく罵るとか民度低いわあ
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 13:55:59.47 ID:qZJxMTdDO
そうやってすぐに対立煽りに持ち込む奴も居るしSS速報終わってんな
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/06(日) 12:18:24.87 ID:4SFqD5YM0
更新まだかな-

306 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/09(水) 23:01:24.37 ID:GRV+Gax60
 泣くことを忘れ、怒ることを忘れ、悲しいを忘れ、楽しいを忘れた。

 消耗品に感情はいらない、そう司令官は言った。

 だから、ただ毎日深海棲艦と戦った。

 ある日、司令官は捕まった。

 次はどこの海域へ行けばいいか捕まえに来た人に尋ねたら、暫く戦わなくていいんだよと言われた。

 その後、連れて来られた鎮守府で言われた通り部屋で次の戦いを待った。

 ――それは、雪の降る寒い冬の日の事だった。



「弥生、あの時凄く寒かったよ」

「部屋にずーっと引きこもってたらキノコが生えちゃうぴょん。だから換気してあげただけぴょん」

「雪玉、投げられた」

「手が滑っただけでぇーっす!」

「……怒ってないから、ちょっとそこに座って」

「うーちゃんは賢いから騙されないぴょん、弥生のその顔は怒ってる時の顔だぴょん!」

「怒って、ないよ?」

「絶対絶対ぜーったい怒ってるぴょん!」



 弥生には特別な思い入れのある曲がある。
 泣き顔でもなく、鉄パイプも持っていなかったけれど、彼女にとっては、卯月こそが笑顔を再び取り戻すきっかけを与えてくれた存在だった。



――――トラブルメイカーの方が合ってそうだがな、アイツの場合。

 ――――卯月は誰かの笑顔が無いと死んじゃうって言ってたよ?

――――やれやれ……本当に厄介な兎だな、お前の妹は。

 ――――睦月にとってはただちょっとイタズラが好きな可愛い妹なのですよー。
307 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/09(水) 23:02:16.60 ID:GRV+Gax60
むっちゃんはもう少しお待ちください、長くなりそうです
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 23:16:37.83 ID:bdUDZc8/o

待ってる
309 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/09(水) 23:49:30.89 ID:GRV+Gax60
・陸奥『本気の遊び』R-18 、一部投下します

ときめきの導火線に火が点いた
310 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/09(水) 23:50:04.90 ID:GRV+Gax60
 艦娘として生まれた宿命の一つに、人から向けられる様々な視線に晒されるというものがある。それは一般人からに限らず、提督も例外ではない。
 下心を秘めた下卑た目、人ならざるモノに怯えた目、一線を引いた無機物を見るような目、その強大な力を自分のモノにしたいという目。
 当然、優しく暖かい視線を向ける人間も中には存在した。
 ――だが、本当に彼女が求めていたモノはそれだけでは足りなかったのだ。




「本日付で着任した戦艦陸奥よ、よろしくね」

「あぁ、よろしく頼む。加賀―……は瑞鶴に付き合って買い物だったか。吹雪も今日は遠征に出てたな……。ちょっと待っててくれ、鎮守府の案内に今呼んで大丈夫そうな奴が居ない」

「それはいいんだけど、大丈夫ってどういう意味?」

「干からびるまで遊びに付き合わされるか、潰れるまで酒に付き合わされる」

「あ、あらあら……」

「――よし、じゃあ行くか」

「もしかして、提督が案内してくれるの?」

「あぁ、書類が一向に減らないんでな、気分転換ついでだ」

(確かに凄い山ね……どうしてこんなにあるのかしら)

「――回ってれば分かる」

「っ!?」

「じゃあ行くぞ、どこか優先的に見たいところはあるか?」

「そ、そうね……これから住む寮を先に見たいわ」

「分かった、お前が望むなら長門も居るから同室にもしてやれるぞ」

「あら、そうなの? でも、その辺はまず会ってみてから決めたいわね」

「多少変わり者だが、悪い奴ではないから安心しろ」

(……噂には聞いていたけど、本当に問題を起こした艦娘の墓場みたいなところなのかしら。もしここから二度と出られないのなら、長門とは仲良く過ごせるといいんだけど……)




 部屋で島風の抱き枕を抱き締めながら昼寝をしていた長門を見て、変わり者だが一緒に暮らして問題は無いとこの時の陸奥は何故か判断した。
311 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/09(水) 23:50:31.62 ID:GRV+Gax60
「――そういえば、私の話は聞いてるんでしょ?」

「ん? あぁ、原因不明の第三砲塔爆発の話か。勿論聞いているが、それがどうした」

「こんな風に私が自由に歩き回っても大丈夫なの?」

「おかしなことを言う奴だな、ここはお前の鎮守府だぞ。一々鎮守府内で移動に許可申請なんぞ必要だったら面倒で仕方がない」

「……もし、急に爆発して貴方が巻き込まれたらどうするの?」

「俺がベッドで転がってても加賀と吹雪が居れば大抵問題ない」

「死ぬかもしれないわよ」

「死んでる暇なんぞない、まだやることが山程残ってるんでな」

「……変わってるのね、貴方って」

「俺は至って普通だ」

「ふふっ。――ねぇ私と火遊び、してみない?」

「……遠慮しておく」




 ただただ普通の扱いをされたことに、ただただ普通の反応が返ってきたことに、胸の奥で今にも消えかけていた火が再び勢いを取り戻すのを彼女はその時感じた。
 その火は戦いが終わってからも消えることはなく、遂に提督の導火線にも火を点けたのだった。
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 08:01:28.54 ID:4jqM86OCo

陸奥の着任の時の話って初めてだっけ?どっかで出てきたっけ
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/10(木) 09:57:17.29 ID:XyD9s4BSO
>>312
確か大鳳以前に着任していた娘がここに着任した話をしていたの一航戦くらいだから陸奥は今回が初めてのはず

314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/03/14(月) 10:48:36.55 ID:cimdfwOZ0
そうか!卯月はラフメイカーだったのかwwww
しっくりきた。
315 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/14(月) 18:20:17.26 ID:Mnpv0MUNO
「うっひゃーやっぱすっげー」

「こんな格好をするだけでいいの?」

「うんうん、いやー雲龍さんスタイル的にもバッチリだし捗るわー」

「何だかよく分からないけど、新しい包丁お願いね」

「秋雲さんにまっかっせなさーい。で、それどんな包丁?」

「これ」

「……ん?」

『最高級包丁、百年研がなくても大丈夫! 二百九十八万円』

「はっは〜いやそんなまさか」

『二 百 九 十 八 万 円』

「……う、雲龍さ――」

「包丁、お願いね」

「アッハイ」




 一ヶ月後、満足そうな雲龍の前で真っ白に燃え尽きた秋雲の姿があったそうな。
316 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/03/14(月) 18:25:11.84 ID:Mnpv0MUNO
更新する時間ががが…

雲龍さんは某シリーズの先生(抜剣状態)コス

木曜日更新予定
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/14(月) 18:31:59.18 ID:HIh4OlqSO
了解です
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/15(火) 18:17:23.62 ID:gbSLQEaGo
乙乙
抜剣しまくってカルマルートにったなぁ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/03/17(木) 23:16:05.41 ID:mU8isAxC0
乙です まだかなwwktk
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/03/17(木) 23:16:05.41 ID:mU8isAxC0
乙です まだかなwwktk
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/03/17(木) 23:16:05.38 ID:mU8isAxC0
乙です まだかなwwktk
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/03/17(木) 23:16:05.38 ID:mU8isAxC0
乙です まだかなwwktk
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/03/17(木) 23:17:59.67 ID:mU8isAxC0
ミスった やばい
何でこんなに連投されてんだよ
324 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/03/18(金) 00:26:38.56 ID:vPP1kvsV0
純情(やせい)のむっちゃんが現れた!

続き、投下します
325 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/03/18(金) 00:27:08.31 ID:vPP1kvsV0
 全身を流れていく冷たい水。どうしようもなく熱を帯びた身体を少しでも冷やさないと、みっともない姿を見せてしまいそうで怖かった。
 結局、どれだけ積極的にアプローチしても提督からは触れて来ないまま、終戦に至っている。
 それが、少しずつ今は変わり始め、ようやくそういう雰囲気にまで漕ぎ着けたのが今日だ。

(……いざとなると、緊張ってするものね)

 望んだ現状ではあるものの、こうしてその瞬間が訪れてしまうと普段の余裕は顔を引っ込めて出てきてはくれそうになかった。
 今にして思えば、もし仮に爆発体質が改善される前にこうなっていたら、きっと爆発していたに違いない。

「……ふぅ」

 シャワーを止め、少しの間肌を伝い落ちていく水滴を眺めた。自分の身体に多少なりと自信はあっても、僅かながらに不安が鎌首をもたげてくる。
 それと同時に、これから触れられることを意識すると、また全身が熱を帯びていくのを感じた。
326 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/03/18(金) 00:27:37.96 ID:vPP1kvsV0
「お待たせ」

「……不思議なもんだ、こうして見ると色っぽいより綺麗だって言葉が先にくる」

 身体を拭き、バスローブのみで浴室から出てきた陸奥。
 出迎えた提督から思いがけない言葉が飛んで来た為、彼女は少し取り戻していた余裕を瞬時に失った。

「お前の照れてる顔を見るのは珍しいな」

「……今まではそういうこと、全然言ってくれなかったじゃない」

「思っていてもそういうことを普段から言う性格じゃないのは分かってるだろ」

 突っ立っていても仕方無いので、陸奥は提督の待つベッドに腰掛ける。
 まだ少し髪は濡れているが、彼女は彼の肩に頭を預けた。

「……陸奥」

「何?」

「正直、俺はまだこういうことに慣れてない。だから、先に謝っとく、すまん」

「ふふっ、別にわざわざ謝らなくていいのに。……私だって、その……初めてなんだし」

 艦娘との関係を先に進めたばかりでまだぎこちなさが残る提督と、いざ今に至り積極的にいく勇気の無くなった陸奥。
 二人とも身を寄せ合ったまま次のアクションを起こせず、暫し無言の時が流れる。
 そのまま一分程経過した頃、自然と体勢を維持しようとした二人の手と手が重なる。
 それをきっかけとして、ゆっくりと向き合い、唇を重ねていくのだった。
327 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/03/18(金) 00:28:03.40 ID:vPP1kvsV0
 バスローブの紐をほどき、徐々にはだけさせていく。
 その下からは当然一糸纏わぬ生まれたままの姿が現れ、提督は改めて彼女の誘惑に耐えに耐えた時期を思い出した。

「……あ、あまりジロジロ見ないでちょうだい」

「今更言うな」

 陸奥は驚く程初(うぶ)な反応を見せ、顔を背けて腕で身体を隠そうとする。
 だが、逆に余裕が少し出てきた提督によってそれは阻まれた。

「触れるぞ」

 彼は返事を聞かず、重力にも負けずその大きさを主張する胸へと手を伸ばす。
 程好く押し返してくる弾力と沈み込む柔らかさの絶妙な心地好さが五本の指を通して伝わり、二度三度と感触を確かめていく。

「んっ……」

「悪い、痛かったか?」

「ううん、大丈夫よ。……その、続けてちょうだい」

 言われた通り、退けてしまった手を再び胸へと伸ばした。
 今度は少し優しく、彼女の反応を確かめながら指を動かしていく。
 下から持ち上げるように揉むと、ピンと上を向いた突起部に目が行き、吸い込まれるように口を近付けた。

「――痛っ!」

「す、すまん……」

「……そ、そこは特に敏感だから優しくしてね?」

「……あぁ」

 再度口に含み、舌で優しく転がすように刺激を与えていく。
 自分で口にしたようにそこは特に弱いらしく、今までは抑え気味だった声も次第に大きくなり艶も増していった。

「ねぇ……もっと、触って……お願い」

 遂には自分からそう口にした彼女を見て、本格的に提督の理性は役目を放棄した。

「んっ、んむうっ!?」

 唇を奪うと同時に指を秘部へと這わせ、一気に中へと挿し込む。
 既に濡れ始めていたとはいえまだ一度も誰かのモノを受け入れたことの無いそこは狭く、陸奥は急に訪れた今までにない強烈な感覚にシーツを強く握り締めた。

(これ、今入ってきてるの指なの……? 提督のってもっと大きいのよね……?)




 ――欲しい。

 全てを委ねた男を見つめるその瞳は、妖艶な輝きを強く放ち始めた。
328 : ◆7xTYM/aOv2 [saga sage]:2016/03/18(金) 00:28:31.16 ID:vPP1kvsV0
「っ……陸、奥……?」

「あら、あらあら」

 いきなり身体をクレーン車で掴まれ動かされた様な衝撃が提督を襲い、ベッドに押し付けられる。
 先程まで見下ろしていた相手を今は見上げる体勢になっており、そういえば彼女は戦艦の艦娘だったなと今更ながらに彼は再認識した。

「これが、私の中に今から入るのね……」

 既に怒張して限界まで張り詰めている提督のモノを自分の秘部にゆっくりと合わせ、陸奥は腰を下ろしていく。

「ンっ……あぁ、熱いのが、入って、来るうぅぅっ!――はぁっ……はぁっ……」

 自分の中を押し広げられる痺れるような感覚を味わいながら、一気に根本まで呑み込む。
 恍惚の表情を浮かべる彼女の中は熱くうねり、絶え間無く提督の主砲の発射を促す様に容赦なく責めたてる。

「お前、いきなり……」

「ねぇ、好きに動いていいのよ? それとも私に動いて欲しいの?」

「ちょっと待て陸奥、やめ、出る――うっ!?」

「んぅっ!……熱いのが、私の中に流れ込んで……」

 耐えきれず放たれた白い白濁液は陸奥の膣中を巡り、結合部からじわりじわりと垂れ落ちていく。
 それを名残惜しそうに見つめる彼女の目は、まだ満足してはいなかった。

「うふふ、今夜は燃え尽きるまで火遊び、しましょ?」

 火遊び等という可愛らしいもので済みそうにもないなと、どこか他人事の様に考えながら、今度は自分の番だとまだ砲弾の残る主砲を下から突き上げるのだった。




――――どうした陸奥、今日はいつになく機嫌がいいな。

 ――――新しい美容健康法を見付けたの。長門も試してみる?

――――いや、私はそういうのには興味が……。

 ――――提督も一緒に出来るし、喜んでくれるから一度試してみてもいいと思うけど?

――――……か、考えておく。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 07:27:18.12 ID:r47IKlRko

素晴らしあむっちゃん
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 09:37:50.88 ID:jskGT5Hp0

いいね!
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 10:03:08.83 ID:9/fHOstSO
乙です
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 18:50:04.18 ID:CTYoRgYSO
保守
333 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/04/06(水) 19:51:38.59 ID:spruwVTO0
・朝潮『いぬのきもち』、投下します
334 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/04/06(水) 19:52:04.62 ID:spruwVTO0
 誰からも許された訳ではない一人の散歩。
 宛もなく、ただ足の赴くままに街を歩く。
 その足がとある店の前で止まったのは、見慣れた顔を見付けたからだった。

「――朝潮、何してるんだ?」

「っ!? し、司令官?」

「何をそんなに驚いてるんだよ。見てたのは、コイツか?」

 ――わんっ!

「犬、好きなのか?」

「別に好きかと聞かれるとそこまでではないのですが、この子は何故か気になってしまって……」

 ――わふぅ……わふっ!。

(そう言われると確かにどこか気になるな、この犬)

 少し眠気が来たのかあくびをして一度頭を下げるが、気合いを入れるように吠えてしっかりこちらを見つめてくる雑種らしきもふもふの犬。
 朝潮に話を聞くと、誰かが近寄ってくると去ってゆくまでこうしてジッとこちらを見つめてくるそうだ。

「まだまだ遊び盛りでそんな訓練も受けてそうには見えないんだがなぁ……」

「この子自身の性格なのかもしれません」

 誰に言われた訳でも教えられた訳でもなく、自然とそうしてしまう。
 その姿が誰かと重なって見え、気になった原因が何であるか理解する。

(待てって言われたら餓死するとしても食わなそうだな……)

「――司令官? 私の顔に何かついていますか?」

「目と鼻と口がついてる」

「?」

 真剣に考え込もうとし始めた朝潮の頭を撫でつつ、値札を見た。
 小言が何方向かから飛んでくる程度で済むゼロの数がそこには並んでおり、財布の中の諭吉で足りるかを頭の中で確認した後、念のために確認をする。

「――コイツ、飼いたいか?」
335 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/04/06(水) 19:52:31.53 ID:spruwVTO0
「あら〜」

「もふもふ尻尾に小さい身体、可愛いです」

「……んちゃ」

「一言の相談も無しに買ってきたの?……まぁ、いいけど」

「可愛いわねー朝雲姉ー」

「か、噛んだりしないわよね……?」

「名前は綿雲です。皆、出来る範囲でいいので飼うのを協力してもらえないでしょうか」

 それぞれ肯定的な返事を口にし、朝潮はほっと胸を撫で下ろす。
 当の本人(犬)はというと、誰の方を向けばいいのか判断がつかず、グルグルと部屋の中心で回っていた。

「綿雲、今日からここがあなたの家です。明石さんが外に犬小屋も作って下さるそうなので、楽しみにしてて下さい」

 ――わんっ!

 雰囲気からようやく自分の主人を朝潮と判断し、綿雲は彼女の方を向いて一度鳴く。
 そして、抱き上げられると糸が切れたように静かに寝息を立て始めるのだった。




――――全く、何でこんなところに来たのかしら……。

 ――――わふ?

――――っ……す、少しだけだからね。




 世話の頻度は意外にも満潮が高い模様。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/06(水) 21:37:01.99 ID:sjyQhaOLO
乙です
主人に似た良い忠犬っぷりだな
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 09:40:26.13 ID:LZkh1poSO
乙です
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 09:46:57.89 ID:AyMANN+rO
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/20(水) 22:44:39.25 ID:vH0x3ob0o
早めに保守
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/27(水) 18:48:27.42 ID:wAaRqW2a0
保守
341 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/03(火) 00:43:44.84 ID:nrp8O1QP0
・鳳翔&葛城『二日灸』、投下します

鳳翔さんだって女の子…子?

更新遅れていて申し訳ない
342 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/03(火) 00:44:14.25 ID:nrp8O1QP0
「鳳翔さん、あの……初めてなので、優しくして下さい」

「えぇ、最初は少し戸惑うかもしれませんけど、すぐに気持ち良くなりますから」

(……何かいかがわしく聞こえるのは青葉がおかしいんでしょうか?)

「んっ……ちょっと、ムズムズします」

「あまり動くと危ないですよ」

「うんうん、動くと危ないから我慢して下さいね天城さん」

(主に撮影的な意味で)

「お灸を据えるのなんていつ以来かしら。懐かしいわ……」

「こんなことも出来るなんて、やはり鳳翔さんは皆さんが言うように凄い方なのですね」

「ふふ、ちょっと皆より長生きなだけよ」

(そういえば、鳳翔さんって艦娘になって何年になるんだろ……)

「それじゃ火を点けますね」

「何だか、緊張してきました……」

「大丈夫です、私達の肌ならそうそう火傷にはなりませんし」

「そもそも艦娘にお灸を据えて意味があるんですかねー」

「桃の節句や端午の節句、そういったものと同じですよ。私達が艦娘だからこそ、こういったことを疎かにしてはいけません」

「艦娘だから、か。青葉、ちょっと目から鱗が落ちた気分です」

「やっぱり、鳳翔さんは凄い方です」

「あらまぁ、二人ともおだてても何も出ませんよ?」

「――そういえば、司令官には二日灸してあげないんですか?」

「……提督に、ですか」

(あら? 鳳翔さんの様子が急に……)

「ここのところ店に顔をお出しになりませんから、便りが無いのは良い便りと言いますし、あの人には必要ありません」

「ソ、ソウデシタカー」

(こ、心なしかお灸から感じる熱が増したような……それに、背中になんともいえない重い空気を感じます……)

「新らしく着任する子も次々と増えていますし、仕方ありません。私の店で憩う暇も無いのでしょう」

「あ、あの〜非常に恐縮ですが青葉はこれから取材の記事をまとめないといけないので失礼しまーす!」

「青葉さん、まだ途中――で、出ていってしまいました……」

「そういえば、加賀も最近めっきり顔を見せなくなりましたね。龍驤も忙しそうでしたし、時折誰も来ない日も……」

(……私、お灸が終わるまでこの話を聞かなければならないのでしょうか?)




 健全な精神は健全な肉体に宿るというが、病は気からともいう。
 天城の話を聞いた鎮守府の面々が鳳翔の店へ通う頻度を増やしたのは、言うまでもない。
343 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/06(金) 01:57:08.91 ID:jvdXRc2e0
今見直して気付いた、葛城と天城間違えてた…後日別で一つ書きます…遅れた挙げ句に間違えていて申し訳ありませんでした
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 03:04:42.93 ID:xr8VFSqeO
おつん
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/06(金) 09:40:46.89 ID:dt1obqqSO
乙です
346 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:04:40.70 ID:1X8ZBZlg0
・間宮『ご飯を食べてくれるということ』 、投下します

待つことも戦いである
347 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:05:09.81 ID:1X8ZBZlg0
「――間宮さんは、どうしてここへ?」

 不意に伊良湖ちゃんにそう聞かれた私は、少し昔を思い出しました。
 私、給糧艦『間宮』もご多分に漏れず、他の鎮守府からここへ流れてきた、いわゆる訳あり艦娘でした。
 以前、お世話になっていた鎮守府でも私の料理や甘味は皆さんに喜ばれていました。
 戦いの疲れを少しでも癒せるよう、自分に作れる最高のモノを作り続ける日々でした。
 でも、いつしか私は――。
348 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:05:37.77 ID:1X8ZBZlg0
「本日付でこちらの鎮守府にお世話になることになりました間宮です。よろしくお願いします」

「あぁ、よろしく頼む」

「あの、こちらの鎮守府では食事は……」

「今うちに居る艦娘の六割程度は料理が出来る。その中で一週間の当番を決めて回してる形だ」

「そう、ですか」

「お前に関しての話は聞いている。――が、働かざる者食うべからず、だ。洗濯や掃除、食料の調達なんかはしっかりやってもらうぞ?」

「調達、ですか? 配給されるんじゃ……」

「“働かざる者食うべからず”、まだまだここは戦果もろくに挙げていない鎮守府だ。それ相応の量しか配給されないんでな、食い扶持だけは多いし足りないんだよ」

(そこまで逼迫した状況で、どうして私を受け入れてくれたんでしょうか……)

「とにかく、家庭菜園もどきやその辺に生えてる野草なんかも立派な生命線だ。しっかり頼むぞ」

「は、はい!」
349 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:06:05.59 ID:1X8ZBZlg0
「吹雪ちゃんは秘書艦、なのよね?」

「はい、そうですけど」

「秘書艦も当番に組み込まれてていいの?」

「はい! 少しでも皆が過ごしやすくするのも秘書艦の務めですから!」




「白雪ちゃん、今日は掃除当番の日なの?」

「いえ、少しここが汚れていたので拭いていたんです」




「よい、しょ……ふぅ」

「初雪ちゃん、せめて部屋まで布団運んでから寝ましょ? ね?」




「深雪スペシャルカレー、一丁上がり!」

「も、もう少し具材を小さく切った方がいいんじゃないかしら……」




「ひゃあぁぁぁぁぁっ!?」

(農薬、使ってないものね)
350 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:07:24.91 ID:1X8ZBZlg0
「どうだ? ここでの暮らしは」

「大変、という言葉しか浮かびません……」

「ははは、まぁ間宮が着任する鎮守府なんて基本的にはどこも戦いに集中出来る環境が整ったところだろうからな。料理以外の家事をやらされる経験なんぞ今まで無かっただろ」

「“『給糧艦』の作る食事は艦娘にとって他の艦娘や人間の作るそれに無い何らかの疲労回復と高揚効果がある”。だからこそ私達は戦えないながらも重用されています」

「大半の艦娘はそれを知らん。美味しい料理や甘味を作ってくれる非戦闘用員艦娘、その程度の認識だ」

「……何故、ですか?」

「何故、とは?」

「何故、私をここへ?」

「評判の良い間宮が居て、どこも受け入れない。そりゃ喜んで受け入れるだろ」

「今は料理が作れなくても、ですか?」

「それのどこに問題がある」

「どこに、って……」

「“調理”という工程に関わる作業をすると強烈な吐き気に襲われる、そこにどんな理由があるかは今の俺には分からん。だが、また作りたくなるかもしれないだろ」

「……めて」

「ん?」

「やめて、下さい……私には、もう無理なんです……」

「そうか。なら、この話はこれで終わりだ」

「そう、ですか……では、荷物を――」

「じゃあ、明日からも頼んだぞ」

「……え?」

「最初に言っただろ、働かざる者食うべからず、だ」

「どう、して?」

「どうしてって、タダ飯ぐらいを置くほどうちに余裕が無いのは見れば分かるだろ。それに――そこの当番表、また組み直したら遠征やら何やらの予定まで変えなきゃならんから面倒だ」
351 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:08:11.25 ID:1X8ZBZlg0
(包丁……最後に握ったのは、いつだったかしら)

「――アレ、間宮さん?」

「あぁ、吹雪ちゃん。料理当番?」

「はい、今日はきのこカレーです!」

「……ねぇ、吹雪ちゃん」

「はい?」

「提督は、どうして私をここへ呼んだんだと思う?」

「ん―……私達の司令官がお人好しだから、じゃないでしょうか」

「お人好し?」

「那珂さんはアイドルになりたいそうです」

「・・・・・・え?」

「加古さんは一日十二時間以上寝たい、北上さんは改装したくない、由良さんは単装砲しか積みたくないそうです」

「それは、許されることなの……?」

「普通は絶対に許されないと思います。でも、司令官ですから――あっ、そこのマイタケ取ってもらえますか?」

「上からは何も言われないの?」

「そういう艦娘達を受け入れる場として黙認されてる、って司令官が言ってました。叢雲が“艦娘は捨て猫じゃないんだからほいほい拾ってくるんじゃないわよ!”ってこの前怒ってましたけど。戸棚からカレールウ、お願いします」

「カレールウ……あった、これね。でも、那珂ちゃんや他の皆も普通に出撃してるのよね?」

「そうですね、何か特別な事情が無い限りは全員持ち回りで出撃してますよ。――うん、こんな感じかな」

「やりたいことがあったり、嫌なことがあってここへ来たのなら、皆はどうしてあんな平気な顔で出撃しているの?」

「それは……私達が艦娘だから、だと思います。守りたいものがあって、帰りたい場所があって、戦う力を持ってる。“アイドルになったって、ファンが居ないと意味無いよ!”って那珂さんは言ってました」

「……ねぇ、吹雪ちゃん。いつもの食事に知らないうちに戦うための薬が入っていたとしたら、食べたくなくなる?」

「そんなの、私だって料理を作る時は毎回入れてますよ?」

「入れてるって、何を……?」

「薬とはちょっと違うかもしれませんけど、とっておきの隠し味です。ほら、よく言うじゃないですか。――“料理は愛情”って」
352 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/12(木) 12:08:38.46 ID:1X8ZBZlg0
「間宮さーん、オムライスお願いします」

「あら吹雪ちゃん、いらっしゃい。ちょっと待ってね、すぐ作るから」

「食べたくなって自分で作ろうかと思ったら、冷蔵庫に玉子が無くて……」

「ふふ、たまにでいいからこうして食べに来てね。最近皆料理出来る子ばかりになっちゃったから赤城さん以外あんまり来なくなっちゃって……」

「間宮さんの料理だとついつい食べ過ぎて体重計に乗るのが怖くなるから、って皆言ってますよ」

「当然です。だって私の料理には隠し味がたくさん入ってますから」




――――愛が重い女とはまた言い得て妙だな。

 ――――提督、給糧艦に練度が無くて良かったですね。

――――……最近、昔ほど食えなくなってきてるんだが。

 ――――お残しは許しません。
353 :スレッドムーバー [sage]:2016/05/18(水) 00:05:30.62 ID:???

このスレッドは一週間以内に次の板へ移動されます。
(移動後は自動的に移転先へジャンプします)

SS速報R
http://ex14.vip2ch.com/news4ssr/

詳しいワケは下記のスレッドを参照してください。。

■【重要】エロいSSは新天地に移転します
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462456514/

■ SS速報R 移転作業所
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463139262/

移動に不服などがある場合、>>1がトリップ記載の上、上記スレまでレスをください。
移転完了まで、スレは引き続き進行して問題ないです。

よろしくおねがいします。。
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/18(水) 00:55:34.80 ID:tVCbNOVAO
そう言えばみんな何かしらの問題があったからここに来たんだろうけどその理由は安価取らないと語られないのかな?
355 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/05/18(水) 13:01:59.81 ID:iKkDP+XW0
>>354
安価+気分でたまに書きます


内容的に夜戦シーン抜きでも引っ掛かるから移転も已む無しですね
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/18(水) 16:23:15.88 ID:+4dPpEDSO
>>355
了解です。それと先週で1スレ目が立ってから2周年を迎えましたね

357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 04:38:21.07 ID:kk5wqrzP0
ここまで追い付いたけど移動するって出てて移動先調べてて、ない!?と思ったら昨日の話だったでござる
358 :真真真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/24(火) 18:40:55.80 ID:1CHAy2zSO
>>358
急に過去スレ扱いになったからビックリしたけど移転の影響か
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/01(水) 18:28:34.85 ID:/8Hr7K4SO
移転して気づいた時には落ちていたってならないように保守

361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/06(月) 19:33:01.00 ID:vRf6lYaAo
どれくらいもつんだか
保守
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/07(火) 03:02:32.67 ID:9rSSA5ZBO
管理されてないから多分永遠に落ちないよ
363 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/08(水) 00:10:56.53 ID:pNVHfKEG0
 ――背中に、暖かい感覚が広がる。冷えた身体に染み渡るようなその暖かさは、とても気持ち良い。
 全身から滴る水で床が濡れるのも構わず、タオル片手に迎え入れてくれた鳳翔さん。
 何かあるとここへ何故か足が向くという人が多いのも、分かる気がする。

「……ねぇ、鳳翔さん」

「何?」

「瑞鶴先輩に、私じゃ近付けないのかな」

「どうしてそう思うの?」

「演習の相手をしてもらえばしてもらうほど、先輩の凄さがはっきり分かったの……」

 ただ憧れるだけじゃなく、必死に近付こうとしてはみたけれど、あまりに道は遠く険しく、果てしなかった。
 掠りもしない攻撃、その反対に回避を許さぬ的確な爆撃、何度となく繰り返される同じ結末。
 いずれは憧れの先輩に届くかもしれないというのは甘い考えだった、そう口にする私を見て、鳳翔さんは何かを思い返すような素振りを見せた後、微笑んだ。

「私が知っている子も、今の葛城みたいに一人の艦娘に認めて欲しくて何十回、何百回と挑んだの。相手した子も頑固で、挑まれたからには手は抜かないって全力で相手をしていたわ」

「その人は、結局どうしたの? 挑むの、諦めちゃったの?」

「諦める、なんて言葉はその子の辞書には無かったみたい。何度敗北を重ねても、天と地ほどの差があっても、いつかは追い付いて認めてもらえるようにって頑張っていました」

「……追い付けたの?」

「追い付いた、と私が判断することは出来ないですけど、少なくとも認めてはもらえたんじゃないかしら」

「ふーん……そうなんだ」

 お風呂で暖まるのとはまた違った熱が身体を巡り、その心地好さに澱んでいた気持ちもスーっと晴れていく。
 きっと私が憧れている人に少しでも近付くには、ここで立ち止まっている場合じゃない。

「――ん〜よしっ! ありがとっ鳳翔さん。すっごく元気になった」

「ふふっ、頑張ってね」

 優しいその笑顔に見送られながら、いつの間にか晴れ間を覗かせている空の下に出ていく。
 きっとまだまだ先輩には届かないけれど、何度だって挑み続けよう。鳳翔さんの話してくれた人のように、認めてもらえる日がくるその時まで。
364 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/08(水) 00:11:23.04 ID:pNVHfKEG0
「良い教え子が出来ましたね」

「慕ってくれるのは嬉しいけど、教えるなら私より適任が居ると思うんだけどなぁ……」

「あの子の理想はあくまで貴女であって、他の誰でもありません。それを否定してはいけませんよ」

「それは分かってるんですけど……何かこう、背中がむず痒くて」

「あら、背中に蜘蛛が」

「くっ、蜘蛛!? 鳳翔さん、早く取って、取ってー!」

「あらあら、あんまり動くと灸の火が燃え移ってしまうからジッとして」

「本当に足がいっぱいあるのは無理なんですってばー!」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 08:09:09.83 ID:rgddbD0ao
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 09:34:12.66 ID:uLA9KldLo
おっつ
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 09:56:53.62 ID:MBJcdl9SO
移転後初の投下乙です
368 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/12(日) 16:31:19.32 ID:GtXTsnXO0
・赤城『ある冬の日のこと』、投下します

何事にも全力
369 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/12(日) 16:33:22.46 ID:GtXTsnXO0
 一つ、また一つと籠から消えていく炬燵のお供。
 その消えていく先をぼんやりと眺めていると、目が合った。

「あの、何でしょうか?」

「いや、別に」

 こちらとみかんの間で暫し視線をさ迷わせた後、再び食べ始める赤城。
 皮を剥き大きく四つに割った後、一つ一つに分けて口に運んでいく。
 白い筋と袋は剥かないまま食べている為、みかん一個が目の前から消えるまでそう時間はかからなかった。

「それ、剥かずに食べるんだな」

「勿論です。栄養価も高いですし、捨てるなんてあり得ません。皮もちゃんと後で間宮さんにお渡ししてきます」

「そ、そうか……」

 これだけの大所帯になってからも食品廃棄量を最小限に保てているのは、それぞれの意識の高さもあるが赤城や秋月の様な存在が大きいのも確かだ。
 消費量も凄まじくはあるものの、赤城が居ることで様々な面で鎮守府が豊かになっているのも事実として全員に認識されている。

「提督は、みかんはお好きですか?」

「果物の中で特別好きって訳じゃないが、好きだぞ」

「そうですか……」

 何かを考え込むような素振りを見せる赤城を再び眺めていると、徐に彼女は立ち上がって座る位置を対面から向かって左へと変えた。
 一体どうしたのかと身構えていると、赤城はみかんを先程と同じ様に剥き始める。
 そして、剥き終えると一呼吸置いてからその一つをつまんで、こちらへ差し出した。

「あ……」

「あ?」

「あーん……」

(――これ、食べずに暫く眺めるのもありだな)

 急に大胆な行動を取ることもあれば、些細なことに緊張を見せる赤城。
 その何ともいえないギャップに可愛らしさを感じ、イタズラ心が沸き上がる。

「もっと近付け、遠い」

 言われるがまま距離を詰め、炬燵の角を挟んだほぼ真横に移動してくる。
 手を伸ばせば届く距離、気付けば無意識に左手が彼女の頬に触れていた。
370 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/12(日) 16:33:58.00 ID:GtXTsnXO0
「あの、提督? みかんはいらないのでしょうか?」

「……気にするところを間違えてるぞ」

「……あまり気にしてしまうと、恥ずかしいところをお見せしてしまいそうなので」

 そう言ってから、みかんを直接俺の口に押し当てる赤城。
 流石にこれ以上放置するのはみかんにも赤城にも失礼なので素直に口を開いた。

「美味しいですか?」

「ん、うまい」

「そうですか」

 赤城の手に既にみかんは無いが、その差し出された手はまだ宙をさ迷っていた。
 一方俺の左手は、今も赤城の頬に添えられている。

「もっと、求めていいんだぞ」

「……よい、のでしょうか」

「炬燵は人間をダメにする文明の利器の一つだ、お前もそれにあやかればいい」

 全てを炬燵のせいにして、今日ぐらいはと自分を甘やかして、ただただしたいようにするだけの時間を過ごしたって、ここにそれを責めるような奴は居ない。
 ――だというのに、相変わらず目の前で手は時間が止まったかのように静止している。

「はぁ……航空母艦、赤城」

「は、はい!」

「――命令だ、今日は俺に甘えろ」
371 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/12(日) 16:34:40.04 ID:GtXTsnXO0
(いや、甘えろとは言った、甘えろとは言ったが……何だこの状況……)

「提督、次はそこのお造りが食べたいです」

「あぁ、うん、はい」

 幸せそうに差し出された鯛の造りを頬張る赤城。
 本当に幸せなのだろう、俺の両腕は休む暇が無い。

「赤城、そろそろ自分で食べないか? なかなかこれだと満腹にならないだろ」

「提督、食後はみかんを剥いて下さい」

「赤城? 話聞いてるか?」

「みかんです」

「……了解」

 白旗を掲げ、要求を呑む。自分で言ったからには責任は持たねばならない。

(明日、腕が動くといいな……)

 炬燵と俺の間で小さい子供のように飯を待つちょっと大食いな空母。
 左手をしっかりと握り締めた彼女の笑顔を腹一杯になるまで満喫しながら、いつ終わるともしれない夕食を俺は続けるのだった。




――――提督……。

 ――――ん? どうした加賀、珍しく疲れてるな。

――――昨日、赤城さんに一日捕まりました……。

 ――――……アイツ、ひょっとして……。

――――反動、ではないかと。

 ――――(だとすると、次に狙われるのは……)




 明くる日、霞が脱け殻のような状態で発見された。
372 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/12(日) 16:40:00.89 ID:GtXTsnXO0
次のリクエストは20時から3つ受け付けます

未着任艦娘はいっぱいです
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 16:45:04.89 ID:9Uk9h8xSO
了解です
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 20:00:00.52 ID:w9IECFCiO
春雨と初めてのエッチ
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 20:00:00.78 ID:4A+zMgmTo
6月12日がロシアの日なのでヴェールヌイ
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/12(日) 20:00:12.24 ID:v/g4pCUzO
朝潮と綿雲の世話をする
377 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2016/06/12(日) 22:31:15.12 ID:GtXTsnXO0
・春雨『二人分の大好きを貴方に』(R18)

・ヴェールヌイ『私の姉妹達』

・朝潮『無自覚』

以上三本でお送りします

秋雲と長月の着任話とか途中のアレとかアレとか一応進行中です
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/14(火) 07:36:23.86 ID:8bWNOrqj0
はえぇ、一瞬で埋ってるし、スマホじゃ無理やな
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/06/30(木) 17:59:39.24 ID:Skm4C8Um0
支援
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/09(土) 16:28:00.85 ID:e3db9lZH0
支援
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