【艦これ】大鳳「衣食住に娯楽の揃った鎮守府」浦風「深海棲艦も居るんじゃ」

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656 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/23(火) 08:38:04.26 ID:g03ys6Rao
おつー
657 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/05/28(日) 13:26:47.58 ID:vx39ZGTc0
・響『悪くない』 、投下します

その頃部屋で冷房ガンガンにされて暁はくしゃみをしていた
658 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/05/28(日) 13:27:48.81 ID:vx39ZGTc0
「響だよ」

「……突っ込まんぞ」

「不死鳥の通り名もあるよ」

「わざわざその達筆な偽ラベル作って貰ったのかお前」

「信頼の名は伊達じゃない」

「そういうところで信頼得てどうしたいんだよ……」

「司令官が気を良くして一緒に飲んでくれるかもしれないだろ?」

「水に一滴垂らす程度なら飲んでやる」

「酔った司令官が見たいんだよ」

「何度か醜態を晒したからもう絶対酔う程は飲まん」

「どうしてもダメかい?」

「ダメだ」

「……分かった、今日のところは諦めるよ」

「悪いな、付き合ってやれなくて」

「いいさ、その代わり別のお願いを聞いてもらうよ」

「出来る範囲でなら聞いてやる」

「……欲しい」

「ん?」

「お姫様抱っこというのを、して欲しいんだ」

「……酔ってるのか?」

「私だって、そういうものに憧れたりもするんだよ」

「お姫様抱っこか……長くは無理だぞ」

「して貰えるなら文句はないさ」

「じゃあこっち来い」

「……うん」

「――よし、いくぞ」

「あぁ、いつでもいいよ」

「せーの、っと!」

(これが、お姫様抱っこ……流石に人前でされるのは恥ずかしいな)

「ど、どうだ? ご期待にはそえたか?」

「悪くない」

「そうか、もう下ろしていいか?」

「後五分」

「無理だ」

「三分」

「落とすぞ」

「――じゃあ、これでもう少し頑張ってくれ」




――――頭がクラクラする……。

 ――――そんなに刺激的だったかい?

――――刺激的で酒の味がするキスをどうも……。

 ――――次はウォッカ味にしよう。

――――マジでやめろ。
659 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/05/28(日) 13:29:06.06 ID:vx39ZGTc0
「司令官、居る?」

「何だ?」

「友達が遊びに来てるんだけど、泊めちゃダメ?」

「……さっきもこの流れだったんだが、もしかして艦娘か?」

「うん、イギリスの艦娘さんなの」

「泊めてもいいがちゃんと国に帰らせろよ」

「すっごく綺麗よ?」

「ここは艦娘の駆け込み寺でも保健所でもない」

「とにかく泊めるわ、また後で本人にも会ってあげてね。ここまで来るのは大変そうだから」

「あぁ、分かった」

(……来るのに大変ってどういう意味だ?)




――――イムヤの友達のエリザベスが遊びに来ました。
660 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/05/28(日) 13:29:47.99 ID:vx39ZGTc0
「ボク、大きくなったらお姉ちゃんとけっこんするー」

「ほわー、文月と結婚したいのー?」

「うん!」

「ありがとー。でも文月ねー、もう結婚してるんだー」

「えっ、やだやだーボクもお姉ちゃんとけっこんしたい!」

「ごめんねー」




「小さい子にモテるな、文月は」

「長月とは違ってな」

「餌付けされているのもどうかと思うぞ」

「アレは好意を無下にしない為に受け取っているだけだ」

 ――よーし、当て鬼するよー。

 ――文月姉ちゃん手加減してよ?

 ――大丈夫大丈夫ー。

「ちゃんとお姉ちゃんしてる文月、か」

「姉だぞ、私達の」

「そんなことは分かっている」

「……文月は、アレでいいんだ」

「そうだな」

 ――あーやったなーお返しするよー?

 ――ちょっ、タンマ!さっき手加減するって言ったじゃん!

 ――大丈夫だよー。

「……無邪鬼だな」

「鬼級ぐらいなら御しやすいんだが」

「違いない」
661 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/04(日) 20:21:17.44 ID:6EouTNtnO
「気付いたら三年経ってた、時の流れって恐ろしいな……」

「こっち見ながら言わないで、老けたって言われてるみたいだから」

「姉さんはまだまだ老けとらんよ、大丈夫じゃ」

「何はともあれ更新がなかなか出来てないのに未だに付き合ってくれてる読者には感謝している、ありがとう」

「最近少し書いては寝落ちの繰り返しで全然進まないものね」

「ネタはあるのに文章にする気力がなくてな……」

「ストックは二桁あるのに勿体無いのぅ……」

「明日は久々に身体が動ける半日休みだから更新する」

「優しい心を振り撒きながら通る松風の話ね」

「映画化見てビックリしたわ、タイムリー過ぎて」

「脱線しとるよ、それじゃあこれからも続けられる限り続けるけぇ、見たってね」
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 23:09:50.26 ID:CkCDotC9o
乙
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 07:23:41.64 ID:S8mCSXJ5o
乙
もう三年も経ったのか……
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 10:06:28.70 ID:qlQ8v5FSO
乙です
665 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/05(月) 21:22:56.91 ID:g0cHkI0T0
・松風『ハイカラさん』 、投下します

いずれ誰かの顔に草履の跡をくっきりと残すかもしれない
666 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/05(月) 21:23:47.37 ID:g0cHkI0T0
「あーハイカラさんだー」

「ハイカラさん、って僕のこと?」

「そうだよー前にアニメで見たの」

(何だか少し間違えてるみたいだけど、まぁいいか)

「それで、僕に何か用?」

「うん、文月と一緒に遊ぼ」

「姉貴が来るのをただ待つってのも暇だし、いいぜ」

「じゃあ真似っこしよー」

「真似っこ?」

「んとねー、ここにいる皆の真似っこするんだよ」

「まだあんまりここの艦娘がどんな奴等か知らないぞ」

「だったらあたしが教えたげるね」

「うん、頼む」

「まずは天ちゃん!」

「天ちゃん?」

「ふふ、怖いかー?」

(あぁ……天龍さんか)

「次、ハイカラさん」

「僕にもやれって?」

「うん!」

「……ふふ、怖いか?」

「うん、上手上手ー」

(上手なのか……)

「次はねー夜戦さん」

「それで誰か分かるのも凄いよな」

「木をねーこうやって登るの」

「……まず僕はそんなクナイ型魚雷持ってないし、垂直に3メートルも飛べない」

「ほわーそうなのー? じゃあ文月と特訓だねー」

「特訓?」
667 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/05(月) 21:24:14.77 ID:g0cHkI0T0
「キミ、ちょっと聞きたいことがある」

「松風か、どうした?」

「ここの艦娘はアレが普通なのか?」

「何を以て普通とするか知らんが、ちょっと特殊な奴等が多いのは確かだな」

「それを聞いて少し安心したぜ。海の上なら僕もそれなりだと自負してるけど、陸の上であんな動き出来るのが普通ってんなら自信を無くしてたところだ」

「誰を見てそう思ったんだ?」

「文月」

「あぁ、じゃあ“真似っこ”したのか」

「アレはどういう理屈なんだ」

「理屈で説明しろってんならそういう才だ。見たものをそのまま吸収する。本人は遊びの延長程度にしか思ってないが」

「それはつまり、ここの艦娘の誰かが出来るってことか」

「見てないものは真似っこ出来ないからな、まぁそうなる」

「そうか……くっ……ふふ、あーはっはっは!」

「急に笑いだしてどうした」

「やっぱりここへ来て良かったよ、姉貴達が来るまで退屈することはなさそうだ。引き留めて悪かった、文月を探してくる」

「文月と遊ぶのはいいが、変なこと教えるなよ?」

「大丈夫だよ、じゃあね」

(……昔の記憶とは関係無さそうだし、問題ないな)




「えへへー待て待てー」

「そう簡単に捕まらないよ!」

「文月、楽しそうなのね」

「新しい遊び相手が増えると、いつもはしゃいでたもの」

「ほわー文月、ちょっと本気出しちゃうよー」

「本気? はっ、そうこなくっちゃ面白くない!」

「あら、風通しが良くなっちゃったわね」

「えっと、明石さんへ、駆逐艦寮の壁が壊れたので、修繕お願いします、と……」

「今日は風が気持ち良いわ〜」

 ――やったーハイカラさん捕まえたー。

 ――まさか三階の窓から飛び降りてくるとは思わなかったよ、やられたな。

 ――ねぇねぇ次は何して遊ぶー?

 ――そうだな……じゃあ的当てでリベンジだ。

 ――うん、いいよー。




 まつかぜ の れんど が 8 あがった!
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 01:17:26.60 ID:WDzA8f2bo
フミィ
669 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 12:15:21.58 ID:4zrqFRwA0
・漣『スカウト』、投下します

赤疲労だって怖くない
670 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 12:16:06.32 ID:4zrqFRwA0
「ちょっとそこ行くお嬢さん、うちの店で働かない?」

「……漣、何やってんだ?」

「スカウト、お給料弾むから頼むよ長波ちゃ〜ん」

「嫌だね、他を当たれよ」

「一回だけ、一回だけだから!」

「お前絶対そのままなし崩しで働かせるつもりだろ、い・や・だ!」

「チッ……かくなる上はっ!」

「ちょっ、何やってんだ!?」

「お願いしますお願いします人手がマジで足りないんですレギュラー後一人居ないとキツいんです」

「分かった、分かったから土下座はやめろ!」

「貴女が神か!」

「……私、接客とかしたことないぞ?」

「大丈夫だ、問題ない」

「いや、あるだろ」

「じゃ、明日からよろしくー!」

「おい漣! ちゃんと色々説明しろー!」
671 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 12:16:33.15 ID:4zrqFRwA0
「――で、言い残すことは?」

「ヘイ長波様、この頭を鷲掴みしているハンドを外して一旦落ち着こ、ね?」

「大丈夫、私はお前(の丈夫さ)を信じてるぜ」

「ノー! ミシミシいってる、ミシミシいってるから! 脳しょうぶちまけちゃらめぇー!?」

「どこぞの怪力達みたいに素手で頭砕く程握力無いっつーの。……で?」

「漣のちょっと本気は凄いでしょ、ね?」

「……」

「いだだだだだだ!?」

「こんな背中丸出しで谷間強調されてて屈んだら見えそうな服着れる訳ないだろ!」

「それでも長波様ならきっと着てくれるって、私信じてるかひゃぎゃあー!?」

「その頭の中にはプリンでも詰まってるのか? ん?」

「その笑顔、マジ怖い」

「ほら、さっさとまともなの出せ」

「……露出低くて屈んだりしても大丈夫なら着る?」

「それならまぁ、衣装も楽しんで貰う店ってのは理解してるし」

「じゃあ更衣室にあるんで、ちゃちゃっと着替えてきてくーださい」

「おい、準備してあるなら最初からそっち出せよ」

「ワンチャン着てくれるかなって」

「断じて無いから!」
672 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 12:17:02.49 ID:4zrqFRwA0
「……おい」

「流石長波様! 着こなしもパーフェクト! じゃあ早速ホールで――」

「ちょっと待てバカなみ、このオマケは何だ」

「何って、肉球グローブと尻尾と猫耳ですが、何か?」

「何で私だけ着けなきゃいけないんだよ!」

「アレ? 言ってなかったっけ? 今日はそういうイベントの日なんで」

「そんなのちっとも聞いてないぞ!」

「露出は低くて屈んだりしても大丈夫、注文はクリアーしてるし問題ナッシッング、でしょ?」

「うっ……それは、そうだけど」

「あれれー長波ともあろう者が言ったことを曲げちゃうのかにゃー?」

「うぐっ……分かった、分かったよ! これ着けてやればいいんだろやれば!」

「オッケーではではよろしくお願いしまーす」




 翌日、秋雲のアシしてる方がマシだと魂の抜けた表情で口にする長波の姿があったそうな。
673 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 12:17:34.56 ID:4zrqFRwA0
「長波落とすとかやるじゃん漣」

「どこぞの漫画家が出す無茶苦茶な注文をこなす万能アシが居るって聞いたら、即スカウトしかないでしょ」

「最近色々あって忙しそうだもんな、どこの店も」

「働いてる鎮守府がブラック過ぎて私はもうダメかもしれない」

「それ、ネタって分からないと袋叩きされかねなくね?」

「相手選んでるからへーきへーき」

「――鎮守府イベントの収入とかってどうなってんの?」

「今んところプラマイゼロ、宣伝費って割りきってるからモーマンタイ」

「月トータルでのプラスは?」

「微増傾向、ビスマルクさんのところみたいにオープンテラスも追加しないとキャパ上限でそろそろ頭打ち」

「それで長波投入って訳か」

「何人か他に候補は居たけど、うちの面子と組むなら長波かなって」

「こっちも忙しい時期は貸さないかんね?」

「大丈夫、秋雲の制服も用意したから」

「それなら安心安心……はぁ!?」

「たまには観察する側から観察される側に立ってみるのも、ありだと思うの」

「……でジマ?」

「でジマ」

「……際どいのは勘弁して」

「どの口で言ってんの?」




 月月火水木金金、疲労がなんだ、忙しいのがなんだ。
 三百六十五日、恋する乙女の本気は凄いんだから。
674 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 12:19:24.24 ID:4zrqFRwA0
次のリクエストはヒトナナマルマルより三つ受け付けます
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 17:00:21.52 ID:tGM8FBiLo
伊8
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 17:00:21.55 ID:uVgFngBP0
五月雨ちゃんお願いします!
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 17:30:40.85 ID:5cTFhOzSO
鈴熊航改二でお願いします
678 : ◆UeZ8dRl.OE [saga sage]:2017/06/11(日) 17:46:00.95 ID:4zrqFRwA0
・伊8『積み本の山』

・五月雨『私を集めたら最上さんになるんですか!?』

・鈴熊『資格給』

以上三本でお送りします
679 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/25(日) 23:59:19.19 ID:xMR0hBDa0
・伊8『積み本の山』、投下します

メガネ×スク水×白衣?
680 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/26(月) 00:00:26.64 ID:rrDMXnbz0
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681 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/26(月) 00:02:19.78 ID:rrDMXnbz0
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682 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/26(月) 00:04:58.51 ID:rrDMXnbz0
とりあえず買う。そして積む。買う。積む。買う。積む。積む。積む。
 つむつむと書くと繋げれば消えそうだが、実際は溜まる一方で減りはしない。
 片っ端から色々な場所に寄贈しているものの、それすら追い付かない。
 挙げ句の果てには他鎮守府のハチとネットワークを作り本を交換し始め、更に収拾がつかなくなっていた。 
 流石にこれはマズイとイムヤ達が提督に相談した結果、彼女は今とある場所に連れてこられていた。

「提督、ここは?」
 
「どっかの兎がコツコツ貯めた金を使って建てた施設だ。歳を取ると、こういうことがしたくなるらしい」

「それ、聞かれたら首刈られますよ」

 自分達の住む場所で聞きなれた、元気な子供の声。その施設の敷地に二人が足を踏み入れると、声はピタリと止んだ。
 
「……どちら様ですか?」
 
「警戒しなくていい、兎のお姉ちゃんの知り合いだよ。今日はアイツに頼まれてな、コイツを連れてきた」

 周囲の子供より少し年上と判断できる少女が、恐る恐る二人の素性を尋ねる。明らかにその後ろで怯えている子供達の警戒も解こうと、提督はしゃがんでから笑顔でここの事実上の責任者と知り合いだと告げる。
 その態度よりも寧ろ、横に立つハチの似合わないことをしているなという顔を見て少女は警戒を解いた。

「話は聞いてます。こちらへどうぞ」
 
 広い庭の奥に見える建物へと歩いていく栗色の髪の少女。その背を追いながら、ハチは提督に問うような視線を送るが、頭を振って答えるだけだった。
683 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/26(月) 00:05:43.43 ID:rrDMXnbz0
「よく来たね、あの嬢ちゃんから話は聞いてるよ。そっちの子がそうかい?」
 
「えぇ、期待に添えると思いますよ」

 通された部屋で待っていたのは、絵本に出てくる魔女のような老婆だった。ニタリと笑うその魔女にハチを差し出す提督。
 どういうことか説明してくれと今度は涙目で訴えるように見てくるハチに、彼は先程案内してくれた少女を視線で示した。

「お前の得た知識、どうせなら役立ててみないか?」
 
「その子の先生になれ、ということですか?」
 
「その子だけじゃないよ、ここの子全員さね」
 
「人に教えた経験なんて無いです」
 
「別に教師になれとはいってない、ただお前が知っていることを話してやればいいんだ」

 言葉にしての会話と、言葉にしない会話。鋭い眼で二人の会話を聞く老婆は、昔から知っているひねくれものの人を見る目は濁っちゃいないと再認識していた。

(この子達の事情を真っ先に聞こうとしたらすぐに叩き出そうと思ったんだけどねぇ、一応頭は使えるみたいじゃないか)

「――連れてこられた理由は分かりました。でも、それは私じゃなくてその子達が決めることじゃないでしょうか」

「だそうだよ。アンタはどうだい?」

「……私は――」
684 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/26(月) 00:06:24.20 ID:rrDMXnbz0
「まず、自己紹介からしましょう。私はハチ、はっちゃん、アハト先生と呼んでください」

「ハチさん、何でスクール水着の上に白衣を着てるんですか?」

「先生気分を出すためです」

「……この人に頼んで良かったのかな」

「次は貴方の番ですよ?」

「まいな、十四歳、趣味は創作料理です」

「まいな、ですね。ではまいなの知りたいことを教えてください。どんな話が聞きたいですか?」

「ハチさんの、ハチさんの話を聞かせてください」

「いいですよ。私の話、私の仲間、鎮守府のことを話しましょう」

 一から、最初から、物語を読むように、ハチは話し始める。大鳳が子供達に聞かせたよりも、少し深いことも含めて、少女に語る。
 楽しかったこと、苦しかったこと、辛かったこと、一つ一つ伝えていく。
 昔は少しおバカな面も見せていたハチも、今では幅広い知識を手に入れている。だからこそ、これが少女にとってとても大切なことだと理解出来た。

「――こうして、はっちゃんは提督に恋しました」

「のろけ話が大半だった気がするんですけど……」

「学校とかじゃ教えてくれないことです」

「いや、そういう問題じゃねーだろ」

「なるほど、そっちが素なんですね」

「あっ……乱暴な言葉遣いしたのバレたらお小遣い減らされるんで、シスターには黙ってて下さい」
 
「ふふっ、女の子同士の秘密、です」

「ハチさんって、何歳になるんですか?」

「……永遠のアハツェーンです」




 本は相変わらず積まれている。だが、今まで読まれるだけだったそれは、教科書という別の役割を持つようになった。
 ――さて、今日はどれを話の種にしようかしら。
685 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/06/26(月) 00:09:58.21 ID:rrDMXnbz0
スマホ変えてエラー猫に襲われただけなので失敗した書き込み二つは気にしないでください
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 11:47:36.34 ID:rsM67BBRo
おつかれなのー
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/26(月) 11:52:06.17 ID:qpULeVBSO
乙です
688 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/07/10(月) 23:21:19.30 ID:a8Wzxblz0

・五月雨『私を集めたら最上さんになるんですか!?』、投下します
689 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/07/10(月) 23:21:44.70 ID:a8Wzxblz0
「そんなことになったらスーパー超絶ドジっ子な最上の出来上がりだな」

「何人集まったらなっちゃうんですか? 教えてください提督!」

「そもそもドジって合体出来ないってオチしか見えないから心配しなくていい」

「最近は一日に二回しか白露姉さんにぶつかってませんし調味料も一つしか入れ間違えなくなったんだからそんなにドジって言わないでください!」

「あーはいはい、悪かったから怒るな怒るな」

「もう……でも、今はドジで良かったかもって思っちゃうときもあるんです」

「そう思えるなら、それでいいんだろうさ」

「はい、これからもたくさん迷惑かけるかもしれませんけど、宜しくお願いします、提督」

「あぁ――早速で悪いが、とりあえず秘書艦業務出来る服に着替えてこい」

「?……あっ!? すぐに着替えてわきゃあっ!?」

「……寝巻きで駆け込んできたのと、書類にコーヒーぶちまけたのは、その捲れて見えてるパンツではチャラにならんぞ?」

「うぅ……ごめんなさーい……」

「白」

「……興奮、しちゃった?」

「いや、朝早くから書いててようやく終わった書類がコーヒーまみれになった俺の頭の中と一緒の色だと思っただけだ」

「……えへ」

「可愛いな、だが許さん」

「わーん、ごめんなさーい!」
690 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/07/10(月) 23:22:13.45 ID:a8Wzxblz0
「五月雨がいっぱいとか、日本吹き飛んじまうね」

「国が吹き飛ぶほどじゃないもん」

「ドイツって過ごしやすいかな……」

「白露、長女が逃げちゃダメだよ」

「一蓮托生っぽい?」

「そもそも一ヶ所に集めることすら難しいんじゃないかしら?」

「五月雨、方向音痴だもんね」

「ンなことより夕飯まだ?」

「ちゃんともうおかずは作ってあるから、ご飯が炊ければ――」

「炊飯器、動イテナイゾ?」

「えっ!? 嘘!?」

「やっぱり、五月雨は一人で十分だわ」

「とりあえず、江風が我慢できそうにないから夕飯にしようよ」

「ねぇねぇ五月雨、因みに今日の献立は?」

「明太子、明日葉と卵の炒め物、豚肉の味噌漬け、大根のお味噌汁です!」

「……米、必須じゃん」

「私、どこかで余ってないか聞いてきます」

「春雨食エバ解決ダロ」

「それは貴女と春雨だけね」

「……ごめんね」

「謝る暇があったら料理暖めてきなって、今日のは今までで一番の出来って言ってたろ?」

「へー、それは僕も楽しみだな」

「夕立も早く食べたいっぽい!」

「……はい!」



 五月雨を、集めてはやし、最上川。
 激流になっている間はとても危険で近寄りたくないかもしれないが、いずれ穏やかな姿を見せる。
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 21:39:16.98 ID:STX1hRRko
>スーパー超絶ドジっ子な最上
いつもより多く三隈にぶつかってそう

乙カレー
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 09:48:47.67 ID:0uGaco1SO
乙です
693 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/07/22(土) 01:14:53.79 ID:S2GLzvb50
 風雨に晒され、時の流れのなかで、朽ちていく。それが自然の理で、誰であっても、何であっても、逆らえはしない。
 歴戦の艦娘であればあるほど、何かしらの不調をその身に抱えて生きている。
 ――彼女も、そんな艦娘の一人である。




「初めまして、Admiral。私がElizabethです」

「イムヤから話は聞いてる。滞在中は好きに鎮守府の施設は使ってくれて構わない。ただ、外部の者には立ち入りを許可していない区域もあるというのを理解してもらえると助かる」

「えぇ、心得ているわ。Don't worry、イムヤに迷惑がかかるようなことはしたくないもの」

「あぁ、そう言ってもらえると有難い。――因みにこれは確認だが、手を貸すのは無礼にあたるのか?」

「純粋な好意や善意を無下にするようなことはしないわ」

「そうか、うちにはお節介焼きが多いんで念のために確認させてもらったが、問題無さそうだな」

「ふふ、Dinnerぐらいは私のペースで食べさせてもらえるのかしら?」

「そこまでじゃ……ない、多分」

「――イムヤから聞いてはいたけれど、本当に不思議な人ね」

「普通だぞ、ただのどこにでもいる軍人だ」

「普通のAdmiralは国を越えて名前が知れ渡ったりしないわ」

「普通の艦娘も国を越えてその武勇が伝わったりしないけどな」

「……Sorry」

「こちらこそ悪かった。ここではエリザベスとしてもてなすから、安心してくれ」

「Queenとして?」

「跪いて手の甲に口付けでもすればいいのか?」

「面白そうだけれど、イムヤに怒られそうだからやめておくわ」

「そりゃ残念だ。じゃあゆっくりしていってくれ、お姫様」

「えぇ、そうさせてもらうわ」




(あの作戦で無理をし過ぎて解体されたと聞いていたが、生きてたのか……イムヤの奴、どうやってイギリスの神器なんかと知り合ったんだ?)
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 22:52:53.42 ID:3my/5BI2o
おつん
695 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/03(木) 00:17:14.72 ID:J7Sg5r270

・鈴熊『資格給』?、投下します

インテリア家具
696 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/03(木) 00:18:28.77 ID:J7Sg5r270
「あり得ませんわ!」

「いや、仕方ないじゃん? お給料も上げてくれるっぽいしさ」

「仕方なくありませんことよ!」

「……話を続けてもいいか?」

「あーはいはい、続けてー」

「改二で軽空母になれば、偵察機よりも監視の精度は上がる。今までとは艦装がだいぶ変わるが、警備員の仕事には差し支えないだろう」

「提督的にはそれで問題ない感じ?」

「お前らが航巡だろうが軽空母だろうが、有事の際にはそれに合わせるだけだ。鈴谷と熊野が望んだことなら、何も問題はない」

「だから、私は納得出来ませんわ!」

「ドラム缶部屋に持っていっていいからちょっと落ち着け」

「部屋に……それは素敵ですわね」

「ちょっ、鈴谷も相部屋なんだからやめてって! 部屋にドラム缶とかちょー邪魔なんですけどー?」

「インテリアとして見ればよろしくってよ」

「話を戻すぞー。今までも陸奥や長門では即座に察知できない案件に対応して貰ってきたが、軽空母なら更にカバー出来る範囲も増えてくる。それに応じて若干支給額に色を付けていいと大淀達も認めている。後はお前達がどうありたいかなんだが、どうする?」

「鈴谷はなるよ、軽空母」

「熊野は?」

「……ドラム缶、約束でしてよ?」

「……本当に置くのか?」

「鈴谷はんたーい!」

「先に勝手に決めたのは鈴谷ですわ。私も勝手に決めます」

「別に鈴谷だけなってもいいし」

「そんなの絶対許しませんことよ」

「続きは部屋でやれ、明石と夕張には伝えておく」

「熊野はドラム缶と仲良くしてればいいじゃん」

「この前の賞味期限ギリギリのプリンのことまだ根に持ってますの?」

「べっつにー」

「……いいから部屋に帰れ!」
697 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/03(木) 00:19:32.85 ID:J7Sg5r270
「熊野ー」

「何ですの?」

「嫌なら別にいいよ、無理してなんなくて」

「別に嫌じゃありませんわ」

「大好きなドラム缶、標準装備出来なくなるよ」

「無理矢理載せます」

「いやいや、流石に無理……ってここじゃ言い切れないのが怖いわー」

「鈴谷にも載せてあげてもよろしくってよ?」

「あっ、うん、大丈夫」

「……どうして、今更新しい改装の話など出たのか不思議ではなくて?」

「そりゃーアレよ、もしものためってやつ?」

「もしも、なんて考えたくもありませんわ」

「そう難しく考えなくてもお給料弾んで貰えてラッキー、でいいじゃん」

「……鈴谷はいいですわね、悩みが無さそうで」

「これでも鈴谷ちょー悩み事あるんですけどー?」

「明日のランチや次に遊びに行くのはどこがいいか、とかではなくって?」

「そういうのも大事じゃん」

「はぁ……呆れてものも言えませんわ」

「じゃあ鈴谷が勝手に決めて良いよねー」

「ちょっとお待ちなさい! 私は次こそロイヤルホストがよろしくってよ!」

「えー、それならサイゼでいいじゃん」

「今回ばかりは譲りませんわ!」

「鈴谷今月あんまりお金使いたくないんですけどー……」





 知っていましてよ、今の仕事にやりがいを感じていること、軽空母になれば万が一の時も直ぐに探せると考えていること。
 ずっと隣に居て気付かないとかあり得ませんわ。お調子者に見えて実は真面目で、嘘が下手なんですから。
 心配されて悪い気はしないけれど、私だって同じ様に大切に思っていることを忘れないで欲しいですわ。
 ――それにしても、ドラム缶、どこに置くのが一番ベストか悩みますわね。
698 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/03(木) 08:38:23.92 ID:J7Sg5r270
次のリクエストは今日のヒトフタマルマルより三つ受け付けます
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 09:57:31.69 ID:vB0LGmHD0
了解です。
それにしても熊野のドラム缶愛は誰にも止められないな
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 12:00:00.27 ID:OdkJpgljO
天津風と汗だくセックス
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 12:00:11.20 ID:vB0LGmHD0
赤城さん(R18)
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 12:00:17.83 ID:ZvVmp89BO
秋月
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 12:00:37.25 ID:6HQ3mvW5O
衣笠
704 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/03(木) 13:40:44.01 ID:J7Sg5r270
・天津風『真夏の秘め事(R-18)』

・秋月『妹が個性的すぎて私の影が薄い気がする』

・衣笠『衣笠丼』

以上三本でお送りします
705 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 22:13:55.38 ID:JLyLhH+h0
undefined
706 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 22:15:56.48 ID:JLyLhH+h0
 私の主人は足が速い。急に走り出して、追いかけるのが大変なこともよくある。
 昔は寂しげな表情を浮かべて全てを振り切るように海を航行していたが、今はもっぱら陸を縦横無尽に笑顔で駆け回っている。本当に、とても楽しそうに。
 きっと、私の体が彼女達に近ければ、言葉が話せたなら、主人も孤独感をあんなに感じずに済んだのだろう。ただただ、その後ろをついていくことしか出来なかったことが、とても歯痒かった。
 兵器ではなく、ただの友人として彼女と過ごせたなら、それはとても幸せなことだっただろう。
 いずれ、この身は主人より早く役目を終えてしまう。だけど、同時に主人がいつまでも笑って暮らせる世界が訪れたということだ。
 その隣にいれないのは凄く寂しいけれど、あの笑顔が永遠に曇らないなら、私に悔いはない。
 ――だから、それまでは精一杯隣に居よう、同じ物言わぬ仲間と共に。



「何たそがれてるの連装砲ちゃん、行くよ!」

(行くってどこに――ちょっと待ってってばー島風ちゃん!)
707 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 22:44:32.87 ID:JLyLhH+h0
 一日の始まりは大抵、日の出前後。老人はどうしてこう朝が早いのか。
 寝癖を軽く整えて、寝間着のまま台所へ直行すると、夕べのうちにタイマーセットしておいた炊飯器の米をかき混ぜる。
 釜で炊けとか言っていたボケ老人には釜を全力で投げつけたが受け止められた、まだまだしぶとそうだ。
 朝食の献立は焼き鯖、大根の味噌汁、筑前煮、茄子のおひたし。昨日の残り物もあるから調理にそう時間はかからない。
 味が薄いと最近うるさいが、歳を考えろと言うとおとなしくなる。念のために言っておくが、健康診断で引っ掛かられると面倒なだけで心配など微塵もしていない。
 食事の準備を済ませ、着替えてから庭に回り、手近な小石を木刀の素振りをしている背後から投げ付ける。
 ――残念ながら、今日も弾かれた。



 食事を終えて暫くすると、迎えの車が到着する。基本的に、完全にスイッチを入れるのはここからだ。
 二人が家に居る間は、朧・曙・潮の三人が交代制で周囲を警戒している。水入らずの時間を少しは取って欲しいという配慮らしいが、別にどっちでもいい。ただ、多少気を抜けるのは有り難いのでお言葉に甘えている。
 最近でこそ平和になったが、闇討ちや狙撃、爆弾などのトラップは飽きるほど経験してきた。後処理が非常に面倒なので、本当にやめて欲しい。
 どうせ老い先短いくたばりぞこないなんだから、放っておけばいいのに。
708 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 22:45:08.16 ID:JLyLhH+h0
機密って何だっけというレベルで露出している艦娘の今後についての議論。予算、情報規制、必要性のアピール方法、安全性のアピール方法、各国との連携、野良艦娘の保護等、議題は尽きない。勢いを失ったとはいえ、艦娘否定派が完全に消えたわけではない。愛人だろうという下卑た視線も、恐ろしいものを見るような視線も、未だに感じる場面は無くならない。
 それでも私は、この場に立つことを苦痛とは全く思わない。




「とうとう気でも触れたんですか?」

「冗談で娘をくれなどとぬかすから脅したまでじゃ」

「本気だったら?」

「三枚におろしてやるわい」

「嫁にすらいかせてもらえないんですね」

「儂の目の黒いうちはやらん」

「さっさとくたばるぴょん」

「いーやーじゃー」

「……じゃあ、しょうがないですね」




 他の誰かにこんな面倒な老人任せられない。仕方ない。しょうがない。
 ――だから、これ以上面倒を増やす奴は首置いてけぴょん。
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 22:54:41.18 ID:5G+tmPuaO
うーちゃん?
710 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:10:36.36 ID:JLyLhH+h0
ヴォーパルバニー卯月です
711 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:11:16.17 ID:JLyLhH+h0
undefined
712 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:11:48.43 ID:JLyLhH+h0
「いててて……そりゃこっちの台詞だ、今にも泣きそうな顔でフラフラと歩いていきやがって。この辺道路の反対側に渡る場所少ないから苦労したぞ」

「あー、アレね、目にゴミが入っちゃってさー」

「目にゴミが入った程度で弱るような奴だったか?」

「うるさいなー、北上様だってそういう日もあるんだよー」

 泣いていた顔を見られたくなくて、咄嗟に北上は顔を背けた。しかし、気になることもあるのでそれを確認する。

「さっきの女の人、置いてきて良かったの?」

「あぁ、下らない用事ならもう終わったから問題ない。今頃結婚記念日ドッキリの準備に取りかかってるだろうよ」

「結婚記念日、ドッキリ?」

「さっきのアイツ、海軍学校の同期でな、同期同士で結婚して退役したんだが、旦那にドッキリ仕掛けるから付き合えと無理矢理呼び出されたんだよ……それで、浮気ドッキリ用の腕組んだ写真は提供してやったから後は知らんと逃げてきた」

「……鼻の下、伸びてたじゃん」

「……根掘り葉掘り聞かれてたんだよ、色々と」

「色々って、何を?」

「色々は色々だ、ほら、さっさと帰るぞ!」

「ちょっ、気になるじゃんかさー教えてよ」

「うるさい、勘違いして泣いてた奴は黙って歩け」

「教えないと大井っちにチクるよ?」

「おいコラ、冤罪で海に沈めようとするな」

「はいはい、分かりましたよーだ」

「――バーカ」

「ん? 何か言った?」

「何でもねぇよ。ついでだからラーメンでも食って帰るか」

「おっいいねぇ、じゃあゴッテゴテのギットギトのにしましょっかね」

「断固拒否する!」
713 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:12:29.15 ID:JLyLhH+h0
「元気そうだったよ、アイツ」

「何で来てねぇんだよ、あのバカ」

「私の色仕掛けなんてサラッと流して、自分のところの艦娘見つけて血相変えてすっ飛んでっちゃったのよ」

「はっはっは、話には聞いてたけどあんな偏屈で頑固な奴を落とした艦娘達にゃ一度会ってみてぇなぁ」

「一度会いに行ってみる? まだいっぱい話聞きたいし」

「そうだな、会いに行ってやるとするか。我等が英雄様の鎮守府にな」

「今から目に浮かぶわ、物凄く嫌そうな顔が」




――提督、海に沈めるって言いましたよね?

 ――俺はやましいことは何もしとらん。

――北上さんを泣かせた時点でギルティです。

 ――北上、お前からも何か言え。

――そういえばあの時、息を荒げて変態みたいに襲おうともしてきたよねー。

 ――北上ー!?
714 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:15:04.75 ID:JLyLhH+h0
 近場のコンビニに出掛けるときは、上下ジャージ、サンダル、勿論ノーメイク。戦いが終わってからは以前にも増して緩い雰囲気で、マイペースが歩いているようだとどこかのあぶなんとかが言っていた。
 何故か駆逐艦になつかれるようで、ウザいウザいと言いながらお菓子をあげていたりもする。常に渡す為に多めに買っているのではと指摘すると、にへらーと笑うだけだった。
 ――だから、彼女のその表情はとても貴重なものだろう。
715 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:15:41.21 ID:JLyLhH+h0
(提督と、露出の高い、うちの艦娘じゃない、女)

 コンビニに出掛けた北上と道路をはさんで、女性と歩く提督の姿。それを見る彼女の顔には、表情がなかった。
 自然とその足が二人の方へ向かい始めたのも、唯一の装飾品である指環を右手で固く覆うように握っているのも、無意識だ。

(母親、にしては若すぎるよねー。姉妹、一人っ子って言ってたじゃん。誰なんだろうねー、あの女)

 鎮守府の誰と歩いていようが、それは普通のことだ。だが、一般人とおぼしき女性と提督が歩いているのは異常――そこに思考がたどり着いた時、北上は足を止めた。

(……まぁ、現状の方が異常なんだよねー)

 提督は人だ、普通に一般人として生活する選択肢も存在する。彼がそれを万が一にも望んだとしたら、否定する権利は自分にはないと北上は来た道を戻ろうとした。
 しかし、何故か徐々にぼやけていく視界がおかしくて、立ち止まって目を擦る。擦っても擦っても一向に視界は鮮明にならず、脇道の壁に寄りかかって蹲る。

(おっかしいね、整備不良かな、全然止まんないや)

 あり得ないと頭で分かっていても、心はそれを受け入れない。結婚式の時、ケッコンカッコカリした時、自分を迎え入れてくれた時、想い出が、胸を締め付ける。

(いやーまいったね、意外に乙女だ、私)

 この程度でここまで取り乱していることに驚きつつも、徐々に冷静さを取り戻してきた彼女は、目の前に息を荒げて自分を見下ろす男の存在に気づく。こんな時に変態か何かか、とより冷静になった北上は立ち上がるのと同時に拳を振り抜き、顎を打ち抜いた。

「弱ってる女の子の前で息を荒げてたんだから、今のは正当防え――ありゃ?」

「おはへ、おへひはんはふらひへほはるのは?」

「……提督、何やってんの?」
716 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:16:19.68 ID:JLyLhH+h0
「いててて……そりゃこっちの台詞だ、今にも泣きそうな顔でフラフラと歩いていきやがって。この辺道路の反対側に渡る場所少ないから苦労したぞ」

「あー、アレね、目にゴミが入っちゃってさー」

「目にゴミが入った程度で弱るような奴だったか?」

「うるさいなー、北上様だってそういう日もあるんだよー」

 泣いていた顔を見られたくなくて、咄嗟に北上は顔を背けた。しかし、気になることもあるのでそれを確認する。

「さっきの女の人、置いてきて良かったの?」

「あぁ、下らない用事ならもう終わったから問題ない。今頃結婚記念日ドッキリの準備に取りかかってるだろうよ」

「結婚記念日、ドッキリ?」

「さっきのアイツ、海軍学校の同期でな、同期同士で結婚して退役したんだが、旦那にドッキリ仕掛けるから付き合えと無理矢理呼び出されたんだよ……それで、浮気ドッキリ用の腕組んだ写真は提供してやったから後は知らんと逃げてきた」

「……鼻の下、伸びてたじゃん」

「……根掘り葉掘り聞かれてたんだよ、色々と」

「色々って、何を?」

「色々は色々だ、ほら、さっさと帰るぞ!」

「ちょっ、気になるじゃんかさー教えてよ」

「うるさい、勘違いして泣いてた奴は黙って歩け」

「教えないと大井っちにチクるよ?」

「おいコラ、冤罪で海に沈めようとするな」

「はいはい、分かりましたよーだ」

「――バーカ」

「ん? 何か言った?」

「何でもねぇよ。ついでだからラーメンでも食って帰るか」

「おっいいねぇ、じゃあゴッテゴテのギットギトのにしましょっかね」

「断固拒否する!」
717 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:16:54.12 ID:JLyLhH+h0
「元気そうだったよ、アイツ」

「何で来てねぇんだよ、あのバカ」

「私の色仕掛けなんてサラッと流して、自分のところの艦娘見つけて血相変えてすっ飛んでっちゃったのよ」

「はっはっは、話には聞いてたけどあんな偏屈で頑固な奴を落とした艦娘達にゃ一度会ってみてぇなぁ」

「一度会いに行ってみる? まだいっぱい話聞きたいし」

「そうだな、会いに行ってやるとするか。我等が英雄様の鎮守府にな」

「今から目に浮かぶわ、物凄く嫌そうな顔が」




――提督、海に沈めるって言いましたよね?

 ――俺はやましいことは何もしとらん。

――北上さんを泣かせた時点でギルティです。

 ――北上、お前からも何か言え。

――そういえばあの時、息を荒げて変態みたいに襲おうともしてきたよねー。

 ――北上ー!?
718 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/08/12(土) 23:20:39.93 ID:JLyLhH+h0
また失敗した…

・連装砲ちゃん物思いに耽る

・首狩りウサギの日常

・魚雷乙女

でした

リクエストはもうちょっと待ってください……
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/08/13(日) 07:09:06.46 ID:JRuqMZdF0
連装砲ちゃんめっちゃええ子やん……
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 09:39:04.41 ID:EFthoRGF0
乙です
721 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/09/07(木) 23:38:23.06 ID:EIQq/S7e0
・天津風『真夏の秘め事』投下します
722 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/09/07(木) 23:38:49.01 ID:EIQq/S7e0
 ニュースで流れる現在の気温は三十六度、人間の体温とあまり変わらない。日本の夏は湿度の高さのせいで不快指数が高く、クーラーの効いた部屋から出たくないと思う人間は少なくない。
 だから、こんな暑い中でくっついてる二人が居るとすれば、夏で浮かれているか頭が暑さでおかしくなっているかの二択である。
 彼等が前者であるか、後者であるか、それは見る人の主観次第だ。




「暑い」

「暑いわね」

「一つ提案があるんだが」

「嫌よ」

「……頭の匂い嗅いでやろうか?」

「この炎天下の中、島風と追いかけっこしたいならどうぞ?」

「熱中症には気を付けないとな、だから少し――」

「嫌よ」

「汗でブラのライン浮いてるぞ」

「だから?」

「ホック外しちまうぞ」

「フロントだから難しいんじゃない」

「……離れないと揉むぞ」

「そんなに離れて欲しいの?」

「離れたいんじゃなくて暑いんだよ、この和室に扇風機しかないのはお前も知ってただろ」

「たまにはこういうのもいいじゃない」

「普通汗だくになるのって嫌がらないか?」

「何だか背徳的な感じでいいと思うけど」

「お前も大概変わってるな」

「アナタにだけは言われたくないし」

「……少し大きくなってるよな」

「それが分かるぐらい揉まれたもの」

「ちょっとは色のある反応をしてくれ」

「……わざわざ汗で透ける服選んだんだから察してくれない?」

「変態だな」

「アナタの髪と足フェチも大概よ」
723 : ◆7xTYM/aOv2 [sage saga]:2017/09/07(木) 23:39:46.35 ID:EIQq/S7e0
 シャワーすら浴びず、汗だくのまま互いに身体を求め始める。
 唇を重ねれば、汗の味。透けている服は肌にへばりつき、とても脱がせにくい鎧のようになっていた。

「あんまり乱暴にしないで、ボタン取れちゃうから」

「ボタンぐらいすぐに縫えるだろ」

「……これ、アナタから奪ったシャツなの」

 少し恥ずかしそうに顔を背け、奪ったと告白する姿は、とても提督には愛らしく見えた。と、同時に嗜虐心も鎌首をもたげた。

「っ……いきなりね」

「脱がすのが面倒になった、濡れてるし問題ないだろ」

 ショートパンツの中へ手を突っ込み、強引に指を滑り込ませる。汗以外の液体で指先が濡れるのを感じながら、提督は少し中を乱暴にかき回す。
 急な刺激に身体を震わせた天津風の体から汗が飛沫のように舞い、彼の頬へとかかった。

「ちょっと待って、あんまり掻き回しちゃ……んぅっ!?」

「あんまり動くな、ボタンが飛ぶぞ?」

「……今日は一段と意地悪ね」

「人のシャツを盗んだ罰だ」

「黙って持っていったのは悪かったけど、これは……」

「誘ったのはそっちだろ、何か不満か?」

「……もう、好きにすれば?」

 承諾を得たなら遠慮はいらないと、もう片方の手をシャツの下から突っ込み、ブラの下にある桜色の突起を親指と人差し指で転がすように弄る。それと同時に首筋に舌を這わせ、恥じらう顔を横目に眺めた。
 多少身長差のせいで提督にとっては体勢が辛いのもあり、余計に指に力が入って擦りあげられた快感に堪えきれず、軽くイッた顔は、女の匂いと相まってとても妖艶に彼には思えた。
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 23:49:07.41 ID:Z+OZCIGkO
わっふるわっふる
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 14:20:31.65 ID:VxpKSbzqo
ふぅ
726 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/09/25(月) 22:42:47.43 ID:om2j+I5c0

・秋月『妹が個性的すぎて私の影が薄い気がする』、投下します
727 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/09/25(月) 22:44:02.97 ID:om2j+I5c0
「秋月姉、一緒に遊ぼー」

「私ト遊ブンダヨネ、秋月姉」

「姉さん、缶詰のストックが足りないから買い足してきた」

「今洗濯物畳んでるんだから引っ張らないで、初月は備蓄食料って言葉の意味を辞書で調べてきて」

「じゃあ終わったら一緒に遊ぼ」

「何スル? 的当テ? 潜水艦ゲーム?」

「馬鹿にしないでくれ姉さん。備蓄食料は腹が減っては戦ができぬからすぐに食べられるよう確保しておく食料のことだろう?――この鯖缶もなかなか美味いな」

(……贅沢かもしれないけど、長十センチ砲ちゃんと二人の頃の静かな生活が恋しい)

「秋月姉」

「秋月姉ッテバ」

「間宮さんにシュールストレミングを仕入れて欲しいとお願いしたら断られたんだが、買っても構わないか?」

(……きっとお母さんってこんな感じなんだろうなぁ)

 深海棲艦と双子みたいになっている妹、気付けば缶詰を食べている妹、二人に比べれば普通という自己認識をしている秋月からすれば、少し羨ましいと思う面もあった。
 しかし、長女であるからしっかりせねばと自由奔放な妹達の面倒を見るので精一杯で、最近は秋月自身の自由な時間が無く、何か趣味の一つでも持とうにも余裕がない日々である。
 そんな彼女に、いつものように悩んだ様子もなく彼はこう言った。



「クレー射撃でもやってみるか?」
728 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/09/25(月) 22:44:42.20 ID:om2j+I5c0
 妖精さんの仕事は早い。提督から言われた翌日には、新たな娯楽施設がそこには誕生していた。

「ここに弾を込めて、こうやって撃つ」

「若葉、やったことあるの?」

「ゲームセンターだけでは満足できなくなって、色々とやってる」

(初霜が部屋に色々物騒なものが増えたって言ってた気がするけど、若葉のだったんだ……)

「艦載機程不規則には飛ばないが、風の影響を受けやすいし射撃時に微妙な調整が必要だ。艤装とは多少勝手が違うのに注意した方がいい」

「うん、教えてくれてありがとう」

 とんでも兵器を量産している妖精さん達からすれば、クレー射撃用の銃を作ったり安全に加工したりは至極簡単で、今秋月が持っているものも彼女に合わせて調整されていた。
 試しに構えてみると、驚くほど手に馴染み、早く撃ってみたいという気持ちが秋月に沸き上がってきた。

「的一つにつき二射まで、最初だから的は十個にしておく」

「分かった。じゃあお願い」

 横で応援するように長十センチ砲ちゃんがぴょこぴょこと動いているのを撫でてから、構えて集中する。
 最初は色々と戸惑いもあったが、今の彼女には目の前に飛んでくる的のことしか頭になかった。

(――来た。軌道を読んで……今!)

 一射目、命中。

(次は……ここ)

 二射目、命中。

(よし、次も――あっ)

 三射目、失敗。

(今度は風もちゃんと計算して……ここ!)

 四射目、命中。

(このまま最後も絶対、当てる!)

 五射目、命中。

「――――ふぅ」

「どうだった?」

「思っていた以上に楽しかったかも」

「そうか、それは良かった」

「……もう一回やってもいい?」

「気が済むまでやっていくといい」

「うん!」




「流石は防空駆逐艦だな」

「いいストレス解消になっている」

「不要なガラクタとかを再利用してるからエコにもなる」

「外すと勿体ないと言っていたぞ」

「勿体ないって、アイツらしいな……」

「提督、お前もどうだ?」

「遠慮しとく」 
729 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/09/25(月) 22:45:11.84 ID:om2j+I5c0
「秋月姉、最近ちょっとおかしくない?」

「クレー射撃ノイメトレダッテ」

「よし、今日は大和煮の缶詰にしよう」

(急な風が吹いても対応できるようにこうして……でもこれだと低空に合わせづらいかな……)
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 21:59:28.25 ID:WZYCY9st0
これで涼月もくるんですよね、、、頑張れ秋月さん
731 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/11/11(土) 00:20:14.98 ID:70WzCzds0

・衣笠『衣笠丼』?、投下します
732 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/11/11(土) 00:21:07.80 ID:70WzCzds0
「衣笠さん食べられちゃうの!?」
 
「食わん、最近胃もたれが酷い」

「そういう問題なの……?」

「それより、自分の名前の食い物だ、しっかり共食いしろ」

「言い方!」

「油揚げと玉葱、シンプルだが美味いぞ」

「提督、衣笠さんの扱い雑じゃない?」

「俺の扱いが雑になってる奴が多すぎるせいだろ」

「それだけ信頼してるってことだと思うよ。提督だって、今更気を遣われたら居心地悪くない?」

「一理ある。ただな、忘れてると思うが、俺、お前らの提督な」

「ねぇねぇ提督、このゆずシャーベット後で頼んでもいい?」

「……衣笠茸のシャーベットを作らせて食わせてやる」

「うん、絶対食べないからゆずシャーベット頼むね」

「青葉もお前も段々からかいがいがなくなってきてつまらん」

「慣れもするってば、青葉なんて大体秘書艦日の次の日はベッドで悶えてたし」

「じゃあ今度心霊ツ――」

「そういうのは青葉の担当だから普通にデートしよ?」

「今してるだろ」

「次は水族館行きたい!」

「寿司か?」

「食べることから離れてよ」

「気付かないうちに営業再開してたんだな、水族館」

「生態系の異常な変化がないかとか、深海棲艦が潜んでないかとかで、結構時間がかかったみたい」

「流石に青葉のアシか、そういう情報には詳しいよな」

「あの子の嗅覚にはまだまだ敵わないけどね、どっから仕入れてくるのか分かんないネタの山でいっつも整理が大変なの」

「……危ないネタにはあまり深く触れないように釘刺しといてくれ」

「心配しなくても大丈夫だって、ちゃんと手綱は握ってるから」

「そうか、ソロモンの狼もリードがついてりゃ問題ないな」

「――何より、提督を悲しませるようなことをあの子がするはずないし」

「そりゃ助かる」

「じゃあそろそろ行こうよ提督」

「あぁ、そうだな」



――――何かあの魚、イ級っぽいね。

 ――――(イ級は流石にうちの奴等みたいになってないはず……だよな?)
733 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/11/11(土) 23:12:56.94 ID:70WzCzds0
今から3つ受け付けます
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 00:06:18.32 ID:I8fTA6PZO
マックス r-18
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 00:09:14.60 ID:VY17aDrcO
神風
駄目なら春雨
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 00:11:13.97 ID:YJyxzkkro
舞風
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 00:33:33.77 ID:7SltDVENO
夕張
738 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2017/11/12(日) 10:24:26.73 ID:9DOpqGys0
・マックス『ふーん』(R-18)

・神風『陸』

・舞風『野分が野分を呼んできた』

以上三つでお送りします
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 17:39:33.52 ID:4uKslUAC0
了解です
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/20(水) 03:41:33.57 ID:ANfjM/JmO
ほっしゅ
741 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/09(金) 23:42:12.92 ID:E/iVPKx40
・マックス『ふーん』(R-18)?、投下します
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/02/09(金) 23:45:22.49 ID:E/iVPKx40
 特別、私は秀でてはいない。寧ろ、平凡という評価が相応しい。
 レーベもそうだ。私達二人は、別に優秀だから日本に送り出されたわけではない。
 ただ選ばれた、それだけ。本国との関係性がある限り最低限の生活は保証される。
 だから、何があっても問題ない――はずだった。



「ふーん……ふーん……ふー……ん?」

「ねぇマックス、僕には不思議なものが見えてるんだけど、君にも見える?」

「えぇ、見えるわ」

「そっか、僕がおかしくなったわけじゃなかったんだね」

 地図を頼りに馴れない土地をさ迷いながら、たどり着いた鎮守府。そこで待ち受けていたのは――。

「『おいでませドイツ艦娘!』……」

「歓迎、されてるのかな?」

「そうなんじゃない」

「あはは、ちょっと予想外だったね」

 入口にでかでかと掲げられた看板。あまりにも鎮守府という場所にそぐわない異物に若干戸惑いながら、私達はそこへ足を踏み入れた。
 その時の私達はまだ知らなかった。ここが、なんと呼ばれているのかを。
743 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/09(金) 23:46:17.64 ID:E/iVPKx40
「――いや、これは、その、待て」

「ふーん……朝からインスタントのズッペ……ふーん」

(ヤバい、だいぶ怒ってる)

「それを飲んでいるなら私のズッペはいらないわね」

「飲む、飲むからとりあえずその寸胴を置け」

「ふーん……飲むのね」

「その良い匂い嗅いで飲まないって選択はないだろ」

「じゃあ、全部飲んで」

「・・・寸胴鍋いっぱいのそれをか?」

「嫌なの? ふーん……そう、別にいいけど」

(どうしてうちの艦娘はたまにフードファイトさせようとするんだ、俺は赤城じゃないんだぞ)

「あー……とにかく、それはそこのコンロの上に置け。流石に冷める前には飲みきれん」

「――ふふっ、冗談よ。一緒にブロートもどう?」

「ビスマルクのやつか?」

「今日は私が作ったの」

「ほー、そりゃ楽しみだ」

「ビスマルク程上手には作れなかったけど、このズッペには合うと思うわ」

「マックスのズッペも評判がいいのは聞いてるぞ、何故かプリンツが自慢してたが」

「プリンツが来てから集客はいいのよ、心底不思議だけど」

「ははは、割とドジだが憎めん奴だからだろ」

「――私は、どうなの?」

「隠れファンが居て、店の客の一割はお前目当てだって青葉が調べてたぞ」

「ファン、私に……?」

「レーベやプリンツのファンとは違ってふれあいとかを求めてるわけじゃなくてな、ズッペを綺麗に飲んで会計の時に今日もありがとうって帰っていくそうだ。レーベが嬉しそうに話してたよ、マックスも裏方ばっかりやってないでホールもたまにやってくれたらもっとお客さんが増えるのに、ってな」

「ふーん……そう」

「お前ももうちょっと自分に自信を持て、少なくとも俺は今嬉しいぞ」

「――なら、そうしてみるわ」
744 : ◆7xTYM/aOv2 [sage saga]:2018/02/09(金) 23:47:06.02 ID:E/iVPKx40
 執務室の椅子に向い合わせで座り、ギュッとしがみついて普段はなかなか伝えきれない感情を身体で表現する。積極的に、大胆になれと言った彼の言葉を、彼女はただ実行しただけである。だからして、今の提督の置かれた状況は自業自得である。

「マックス、お前、何して……」

「舐めてるわ」

「俺は味見する必要ないだろ」

「そうね」

「そうねじゃないが」

 欲しい。もっと欲しい。求めるままにマックスは提督を襲う。舐めるだけでは満足できず、首筋に噛みつき痕をしっかりと残す。
 少し痛みで身体を強張らせるも、彼も抵抗せずそれを受け入れていた。

「ドイツにも吸血鬼が居たんだな」

「流石にこれはお店でズッペとして出せないわ」

「出されてたまるか」

 丹念に傷口を舐めた後、背徳的な行為に火照ってきた身体をもて余すかのように、更に激しく身体を抱き締め、唇を貪る。当然ながら、彼女が絡ませた舌からは血の味がした。
 見上げるその目は潤んでおり、頬は上気している。ここまで求められて、与えないという選択肢が、今の提督には存在しない。

「んっ……なに……?」

「この制服、手間が省けていいよな」

「っ……着替え、持ってきてな――んんっ!?」

「もう遅いだろ」

 指を這わせ、擦り、なぞり、押す。背中に爪をたて、肩を噛み声を抑えるが、マックスのその姿が更に提督を昂らせた。
 首を横に振る彼女の弱々しい制止を優しく押し退け、指を更に中へと滑り込ませる。

「ふぅん……こういう時は、強引っ、なのね……」

「じゃあやめるか?」

「……ズルいわ、貴方は」

 深く、もう一度唇を交わし、お互いに想いを重ねる。既にほぼ脱がされかけていた下着はその役割を全うできなくなっており、簡単に彼女の秘部に提督のそれは宛がわれる。

「――痛く、しないでね」

 か細く耳元で発せられたその願いは、今まで提督が聞いてきたマックスの言葉のなかで、一番可愛らしいものだった。
745 : ◆7xTYM/aOv2 [sage saga]:2018/02/09(金) 23:48:22.12 ID:E/iVPKx40
「くぅっ……ふー……んんっ!」

 濡れてはいても狭い中を、押し広げ、進めていく。時折身体を激しく震わせる彼女を気遣いながら、提督は必死に自制する。
 たっぷりと時間をかけて、ようやく抵抗の一番強い場所へたどり着くと、マックスの方から再びキスをせがんだ。

「――ふぅっ……貴方のモノに、して」

 聞き終えると同時ぐらいに、提督は腰を深く彼女の中へと突き出す。ヌルリと何かを抜けた感触を味わいながら、奥まで深く貫かれ今までにない刺激に身を震わせつつも耐えるマックスの表情を、彼はじっと眺めていた。
 最初は虚ろだった視線が徐々に定まり、見つめられていることに気付くと恥ずかしそうに顔を背けた。
 だから彼は、何の前触れもなく服の中に下から手を突っ込んだ。

「えっ? あっ、ダメ、んぅっ!?」

 彼がささやかな膨らみを両手で揉み上げると、同時に少し彼女の体が浮き、手の力を抜くと彼女の中をまた提督のモノが突き進んだ。

「やめて……これ、恥ずっ……あんっ!」

 とうとう耐えきれず出た喘ぎ声に、更にマックスは顔を真っ赤に染める。決して激しくはないが、初めての感覚に翻弄され続け、彼女は為されるがままになっていた。
 そして、知らず知らず声はより艶のあるものに変わっていた。

「もう、ダメ、変、これ、んんぅっ!?」

 既に挿入に抵抗はなく、提督は徐々にペースをあげていく。マックスの体力もそろそろ限界だと判断し、反応が一番強い辺りを一気に攻め立てる。

「マックス……」

「何、何か、来る……提督、提督ぅっ!」

 しがみつく彼女の中に白濁した液体が注がれ、そのままマックスは提督へと崩れ落ちるように身体を預ける。繋がったままの結合部からは、体勢を変えた拍子に下へ白いものがこぼれていった。

「……提督」

「……何だ」

「ダンケシェーン」




「後、腰が抜けて動けないわ」

(暫く誰も来ないことを祈るか)
746 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/10(土) 00:07:11.28 ID:waPrQ81u0
「えへへー」

「こら、重いからやめろ」

「あたし、そんな重くないよー」

「昔に比べたら重い」

「女性に向かって重い重いって言うのはいけないことだってむっちゃん言ってたよ?」

「いいから降りろ、今から新しく迎える子供と初顔合わせだってのに何で寝間着のままなんだ」

「司令官、選んでー」

「お前なぁ……普通にセーターとスカートでいいだろ。長門が頭から湯気出しながら選んだヤツ」

「じゃあそうするー」

「早く着替え――ってここで着替えるやつがあるか!」

「だって、司令官に見られてもあたし恥ずかしくないよ?」

「……見られて恥ずかしくない身体だから隠せ」

「えへへー司令官のエッチー」

「いいからとっとと着替えて行ってこい!」

「はーい」

(……全く、成長ってのは恐ろしいな)




「身寄りのない子供を引き取りたい、だと?」

「うん、あたしね、皆と楽しく遊んでるのが一番好き。でもね、一度だけ急に来なくなっちゃった子が居たの。お父さんもお母さんも事故で死んじゃって、遠くの施設に引き取られたって他の子が教えてくれたんだ。その子、ずっと泣いてたんだって……あたしね、司令官やむー姉達が文月をここに連れてきてくれて本当に嬉しかったんだ。だから、あたしも何か出来ないかなって、思って……」

「……」

「やっぱり、無理、だよね……」

「――手続きや申請、艦娘という立場、色々と問題を挙げればキリがない。何かあればここの存続にも大きく関わりかねない。正直言って、鎮守府にとってはデメリットしかない」

「うん……」

「だが、俺はお前達のやりたいことをやらせてやる為にいる。本気でそう思ったなら、ちゃんと責任を持って全力で行動しろ」

「っ……はい!」
747 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/10(土) 00:08:01.59 ID:waPrQ81u0
(あれから地獄のような書類と話し合いの末に、安全面を押しに押して“特別保護施設”として国に認めさせるまで五年……今じゃ四人もチビの面倒を見るお母さん、か)

「嬉しくもあり、寂しくもあるな」

「何を黄昏てんだよ。あのチビ達が危なくないように、しっかり頼むぞ警備長」

「当たり前だ、この長門が居る限り、不審者など一歩たりとも近付けさせん」

(こいつもあの頃と比べれば変わったな、未だに部屋は凄い有り様だが……)



 
「おかあさんは、どうしておとうさんとけっこんしたの?」

「えへへー司令官はねー、あたしのヒーローだったの」

「おとうさん、おかあさんよりつよいの?」

「おとうさんはねー、すっごく弱いよ。でも――」




 ――テメェ何考えてやがんだ! たかだか一作戦の功労者争いの為に何人も犠牲を出すつもりか!

 ――分かった。うちの戦果はそっくりテメェにくれてやる。だから今からその文月はうちの艦娘だ! それで文句ねぇな!?

 ――その、なんだ……成り行きでこうなっちまったが、嫌じゃなければうちに来るか?




「――すっごく、優しいの」
748 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/10(土) 00:10:30.12 ID:waPrQ81u0
なんとなく文月

もっちーと鳳翔もそのうち書いてるの気まぐれ投下予定
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/10(土) 08:01:55.72 ID:Aoi7GYuPO
乙
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/02/10(土) 09:40:09.32 ID:nHNrsfvx0
乙です
751 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/26(月) 14:34:18.25 ID:FrkCOtyt0
・神風『陸』?、投下します
752 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/26(月) 14:35:25.97 ID:FrkCOtyt0
「――最近の艦娘は普通に着任しちゃいけない決まりでもあるのか?」

「流石僕の姉貴、意表をついてくれる」

「神風、推参しました。司令官、これからよろしくお願いします」

「あぁ、よろしく頼む。――で?」

「その水槽、何?」

 提督と松風と着任したての神風は今、執務室にいる。提督は椅子に、松風はその横で立っていて、神風はというと――カート台車の上の水槽で水に浮かんでいる。

「これは、その、やむにやまれぬ事情があって」

「まぁそういうのには慣れてるからいいが、普通にここで生活するには不便そうだな」

「この際だから全面バリアフリーにでもするかい?」

「それもありかもしれん」

(何この司令官、松風も平然とし過ぎじゃない……? だって水槽よ? このレベルのおかしさに慣れてるって、どれだけこの鎮守府変わり者だらけなの?)

 ――かみかぜは こんらん している。

「提督、遊ビニ来テアゲタワヨ」

「リト、ちょっと今忙しいから金剛のところにでも行ってろ」

「アラ、ワザワザ来テアゲタ私ヲ無視――ッテコラてーとく、私ハ金剛ノトコロニ行クナンテ一言モ言ッテナァァァァ……」

「相変わらず面白いね、あの子達」

「あんな奴等に負けかけてたかと思うとたまに虚しくなる」

(今のって大きさはだいぶ縮んでるけど深海棲艦、よね? ここに住んでるの? 普通に暮らしてるの?)

 ――かみかぜは ますます こんらんしている。

「それで神風、部屋なんだが――」

「提督、ヒトゴマルマル、午後の甘味はいかがですか?」

「帰れ!」

「今のはほっぽの真似なのか? 全然似てなかったよ」

「そういうのいいから早くソイツ追い出せ!」

「かしこまりました。すぐにこの二人を追い出して瑞穂と二人っきりになりましょうね」

「お前に言ったんじゃない!」

「瑞穂は今日も平常運転のようだ」

(……この鎮守府、まともな人居ないのかも)

 ――かみかぜは かんがえるのを やめた。
753 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/26(月) 14:36:10.60 ID:FrkCOtyt0
 ――数日後。

「どうだ神風、不自由なことはあるか?」

「お陰様で大丈夫です。強いて言うなら……」

「何だ、何かあるなら遠慮なく言ってみろ」

「普通に対応され過ぎて逆に怖いです」

「そのうち嫌でも慣れるから安心しろ、ここの半数以上が歩んできた道だ。水槽に入ってる程度なら気にもならなくなる」

「……どうしてこうしてるかは、書類で知っているんですよね?」

「書類にあったことだけはな」

「私、陸に上がると動けないほど気持ち悪くなるんです。最初は目眩程度だったのがどんどん悪化して、今ではこうして海水の入った水槽がないと海から上がることすら出来ないんです」

「艤装を常時着用は弾薬とかを込めなきゃ問題ない。別に邪魔になるわけでもない。後はその不便さの解消と、特にこれをこうしてほしいとかはあるか?」

「……ここから出ろとは言わないのね」

「出たいなら出ればいい、それを決めるのはお前だ。俺じゃない」

(本当に自由なのね、ここって。じゃあ少しお言葉に甘えても、いいかな)

「――このまま自力で動けるようにって、出来る?」




「まずはありとあらゆる施設のバリアフリー、それからオートバランサーの付いた手動自動切り替え型の歩行水槽。勿論強度は最高クラスだ、頼めるか?」

「メカ夕張、推定作業時間は?」

「二百時間もあれば可能です」

「よし、じゃあまずは榛名さんと武蔵さん、大和さんに協力要請。それから明石に神風ちゃんの個人データ送って発注。着工スケジュールは霧島さんに出来次第送って施設の解放時間の打ち合わせ。手が足りないようなら日向さん、利根さん辺りに頼んで」

「オッケーです、マスター」

(……予想の遥か上過ぎて怖い)

 ――かみかぜの りくにたいするきょうふが ご あがった。
754 : ◆UeZ8dRl.OE [sage saga]:2018/02/26(月) 14:38:00.24 ID:FrkCOtyt0
鎮守府を猛スピードで駆け抜ける水槽
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 01:43:50.67 ID:EDNlJc0po
おつなのさ
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