奴隷「ご主人、様」

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61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/01/26(火) 21:34:30.66 ID:QVKcVVnnO
これはこれでいいけどな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 17:20:32.15 ID:u5ChqHTyO
俺はエロシーンこういう表現の方が好きだぞ
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 19:02:23.12 ID:B8WMzct3o
待ってるぞ
64 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/02/20(土) 05:20:03.60 ID:GN64xz6AO
>>58-59
ふむふむ、淡白なのかねぇ

>>60
あ、うん

>>61-62
普段書かないゆえ、そう言われると助かるでや

>>63
時間かかってすまぬ。最近シーンは浮かんだから、書きためて近々つっこむ予定なり


おやすみ
65 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:51:27.52 ID:nDuu8RK60
主人の子種を飲み込む。独特の匂いと味がするものの、嫌な気分はしない。自分がしたことで、主人が快楽を得た証拠だと思うと、嬉しく思えた。

そのまま主人の陰茎を吸いあげながら、放した。

奴隷「夜伽はこれにて終了でよろしいでしょうか」

そう言われた主人は少し考えたような様子を見せる。普段、こういった事に淡白な方で問題ないと即答される。もしかしたら、自分の奉仕が足りなかったのかもしれない。

男「もうしばらく付き合って貰おうか」

奴隷「畏まりました」

改めて、口淫による奉仕を始めようとすると、主人はそれを手で制止された。
66 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:52:21.87 ID:nDuu8RK60
奴隷「どうされたのですか?」

男「ベッドに横になってもらおう」

どくりと、心臓が脈打つ音が聞こえた気がした。覚悟はしていたつもりだったのに、いざその段になると身体が緊張でこわばる。

男「…あまり言いたくはないんだけど、これは命令だ」

その言葉には逆らえない。命令と言われれば、それを拒否できるように、私は出来ていない。まるで、突き動かされるようにベッドの向かう。

奴隷「服は脱いだ方がよろしいでしょうか?」

それに主人は、必要ないと答えられたので後はそのままベッドに横になった。
67 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:54:10.72 ID:nDuu8RK60
主人が私の近くに来られる。これから起こることに考えを巡らせ、目は自然と閉じてしまっていた。だから、触れる柔らかい感触に目を開けてしまう。

男「そんな、驚いた顔もするんだな」

嬉しそうに言いながら、スッと、服の上から胸を触れてくる。おずおずとした様子で優しく撫でながら、揉み始めた。痛くはないかと問われ、いいえと答えると主人は少しだけ笑みを浮かべた。

衣擦れの音が少し広い寝室を覆い、主人の息遣いで自分が興奮していくのがわかる。自分以外が身体を触ってくることに嫌悪感はなく、もし主人以外だったらと想像して、一瞬身体が震えた。
68 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:55:06.07 ID:nDuu8RK60
男「嫌か?」

言葉は出せず、首だけ振って意思表示をした。主人は再度私の身体を触り、服を脱がせた。気持ちいい、というない感覚はない。ただ、誰かに触られているという興奮が火照らせ、肌に触れる外気が考えているより冷たく感じられる。

主人の、ごつごつとした指が乳房を触れる。指を通して主人の体温が身体に伝わり、脈が早まっていく。そして、開いた手で首筋やうなじ、わき腹をかすかに感じられるような強さで流すように触れていく。

その、どこか手慣れた感じが、心奥のざわめきを覚えさせる。
69 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:55:59.46 ID:nDuu8RK60
奴隷「その…」

言葉にするべきではないと思いながら、わずかに漏れてしまう。主人も呟きを聞いてしまい、こちらの言葉を待ってしまった。

奴隷「こういうことは…、その…、慣れていらっしゃるのですか?」

主人がこういう行為に慣れていることを聞いて、自分はどうしたいのだろう。

男「知識を得ただけさ」

それだけで、こんな風に手慣れた様子で愛撫は出来るとは、少し思えない。

男「いつも、奴隷がやってくれるだろ? たまのお返しと思ってな」

照れ隠しのように笑う主人の言葉の意味を、反芻していた。
70 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:57:19.98 ID:nDuu8RK60
奴隷「私は奴隷の身、主人が愉しむ為でされているのであれば良いのですが、お返しなどお考えいただかなくても大丈夫です」

男「……、じゃあ俺がしたいことだ。これは命令、いいね?」

いいねと問われても、拒否する権利などない。

男「じゃあ、再開するよ」

主人が触りやすいように身体の位置を動かす。これは、主人がしたいことなのだからと、頭の中で何回も呟く。自分の為と思うと、何かが崩れてしまいそうだった。

だんだんと触られていることが、わずかに快楽へと変わってきた頃に、主人は少し衣服の隙間から自分の陰部へと手を滑らせてくる。
71 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 19:58:37.71 ID:nDuu8RK60
少しだけ湿った音が聞こえた気がした。自分でもそういう目的で触ったことがないその部分を触られると、快楽よりも違和感の方が強かった。

男「さ、てと。俺もプロじゃないし、やりやすい体勢になるよ」

私の上半身を起こさせ、主人はその後ろに回り、軽く背後から抱きしめるような形になる。左手は乳房、右手は陰部をまさぐる。

快楽よりも淫らなことをしている、という意識と、何であれば主人にしていただけているという事実が、身体の興奮を高めていく。

奴隷「んん…、ふ」

息が、漏れる。
72 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 20:00:13.35 ID:nDuu8RK60
男「こっち向いて」

耳元で囁かれる優しい命令は、抗いようもないほどに甘美なものとして頭を通り過ぎる。顔を主人に向けさせていただくと、唇を奪っていただき、舌を口内に入れてこられた。

奴隷「じゅ、ん…、ふ、あ」

自分が動かしたおずおずとした舌の動きに、主人の舌は合わせるように動いて絡み合う。息がしづらく、頭がぼんやりしていくのに拍車がかかる。

いつしか、触られている部分と、主人と触れている部分も快楽として感じられるようになってきた。

奴隷「あ、はあ、んん」

漏れる息も、抑えられない。
73 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/02/21(日) 20:00:54.18 ID:nDuu8RK60
手の動きは、少し早くなったものの、優しさが伝わってくる。本来ならゆるゆるとした快楽かもしれない、しかし、快楽とは無縁だった私にはそれに抗う術を知らない。

身体が少しずつ身体が痙攣してくるのがわかる。そして、身体の奥底から、何かが、何かがくる間隔。

奴隷「しゅ、人様。あ、ん。や、や…、ふあ」

無意識の制止の声も出せないまま、そのゆっくりと動いていたその感覚が、一気に頭を貫き。

奴隷「………ぁぁあ―――!」

全身がこわばり、その感覚に任せたあと、身体が大きく痙攣した。
74 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/02/21(日) 20:03:24.08 ID:nDuu8RK60
書き溜め終了。前回淡白で快楽感じてなさげじゃね? という指摘を元に、奴隷に気持ちよくなってもらったよ。

エロいといいんだけども。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/21(日) 21:46:41.24 ID:wHX2HO5MO
おっきした
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/21(日) 23:37:02.37 ID:xmqXVHMlO
乙!
77 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/03/20(日) 05:28:18.73 ID:WH66ZrE70
>>75
ありがとう。


一応の生存報告。エロもんはマジでシチュエーション浮かばないと先々かけなくて済まぬ orz

今度連休できればそこで頑張りたい。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/26(土) 23:21:24.72 ID:sGeDgVaIO
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 18:23:03.98 ID:mr51SGq6O
続き頑張れ、待ってます
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/19(火) 01:42:24.61 ID:Dp/48PZho
別スレではエタ宣言してたからここも同じ運命だろ
81 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/04/25(月) 19:05:22.14 ID:vbdIUIs60
気絶してしまった娘を部屋に運び、少し悶々とした気持ちはあったが、何とか眠りについた。そして今日の朝はいつもなら、局部から感じられる快楽で目を覚ますが、今日に限ってはなかった。

男も慣れないことをされて、娘は疲れで眠ってしまっているのだろうと答えを出してから、寝床から起きる。いつもなら彼女に衣類を準備してもらっているのもあり、それを探しているのに手間取った。

奴隷「申し訳ございません」

その様子を見た娘は、素早く男の代わって衣類を準備し始めた。
82 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/04/25(月) 19:07:23.93 ID:vbdIUIs60
衣類を手渡してくる娘の表情は、いつもの無表情ではなく、すまなさそうな表情とどこか頬が赤らんでいるようにも見えた。

男「昨日はどうだった?」

そう言われて、娘の頬が更に赤くなったように男には見えた。

奴隷「ありがとうございました…」

答えにはなっていなかったが、労う為に男が肩を触れると、少しだけ震えていることがわかり、少し口元を緩めて満足感を男は得た。
83 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/04/25(月) 19:08:24.46 ID:vbdIUIs60
少し遅れた朝食を2人でとる時も、いつものように会話はなかったが、2人の間で流れる空気はいつもと違っていた。娘は意識しないように努めているが、男へ向ける視線の数が増えている。

男「どうかしたか?」

それに気づいた男が、意地が悪いと理解しつつも、娘に尋ねる。目を伏せ、娘が答えるのは何もないというわかりきったものだ。

いじらしい様子から、更に娘をいじめたい気持ちにかられたが、男はそうかと答えて食事に戻った。
84 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/04/25(月) 19:09:38.66 ID:vbdIUIs60
それから日々はいつも通りだ。男は書き物をして、その姿を後ろから娘が見守る。そんな当たり前の日々。

ただ、やはり男が触れようとすると、娘は身体を硬直させるようになった。そのことを考えると少々強引すぎたかと男は思う。

もっとも、硬直するだけでそのことを自体を嫌がらるような素振りはない。ただ、それは奴隷として逆らいようがない諦めからきているものなのかは、計れないでいた。

男「ふぅ、一区切りつけるか」

娘にティータイムの準備をするよう指示し、男は身体を軽くほぐしてから、娘が向かったキッチンに少し遅れて向かった。
85 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/04/25(月) 19:10:28.42 ID:vbdIUIs60
その、と声を出したのは娘からだった。仕事に関わること以外では、話しかけてくることのない娘が、そのまま言いよどんでしまったとはいえ、そうしてくれたことに男は少し嬉しかった。

どうしたという問いに、何もないという答えを聞いて、ムズムズと沸く悪戯心に導かれるまま。

男「手慣れていたか?」

返事の代わりに雄弁に答えたのは、その赤い表情だった。
86 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/04/25(月) 19:14:49.05 ID:vbdIUIs60
>>78


>>79-80
お待たせしてすまんのう。エロシーンまで書き溜めてからと思ってたんだが、未だにそれが浮かばず。
とりあえず日常シーンだけ投稿しときましたでや。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 00:07:06.81 ID:xGQcFyvoO
乙!
いいものだね
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/26(火) 21:38:49.05 ID:9wZaE+EE0
おつ
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/07(土) 18:15:21.50 ID:T8FsCd89O
まつ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 08:06:34.52 ID:zKXY4kv2O
ほつ
91 :スレッドムーバー [sage]:2016/05/18(水) 00:04:25.77 ID:???

このスレッドは一週間以内に次の板へ移動されます。
(移動後は自動的に移転先へジャンプします)

SS速報R
http://ex14.vip2ch.com/news4ssr/

詳しいワケは下記のスレッドを参照してください。。

■【重要】エロいSSは新天地に移転します
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462456514/

■ SS速報R 移転作業所
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463139262/

移動に不服などがある場合、>>1がトリップ記載の上、上記スレまでレスをください。
移転完了まで、スレは引き続き進行して問題ないです。

よろしくおねがいします。。
92 :真真真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
93 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/05/25(水) 03:02:32.11 ID:E32FMt+/0
>>87-90
すまぬぅ…。シーンは浮かんでるんだけど、詳しく書くことないから難産中なんや。
できれば移転される前に投稿したかったんだけども…。
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/30(月) 17:42:40.78 ID:FdVRW913o
ええんやで
でもエタる時はちゃんとエタ宣言して欲しいんやで
95 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/06(月) 02:29:38.16 ID:kOjjUJmb0
その問いに縮こまる自分に、ゆっくりと主人が近づいてくる。その表情は、子供が楽しい悪戯を思いついたものに似ていた。

優しく、顎に手を添えられて主人が間近で視線が繋がり続ける。首を動かして視線を外すことが出来なくて、目線だけ動かしてそらすことしかできなかった。

男「命令だ。俺を見なさい」

命令という言葉は、本当に甘く響く。逆らう意識を奪い、主人と目線を合わせている。

男「いい子だ」

命令の対価がお褒めの言葉だけだとしても、奴隷の自分にはそれ以上はない至福だ。
96 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/06(月) 02:30:21.57 ID:kOjjUJmb0
目線を合わせてからいくら経ったのか、そんなつまらないことを考えられないほど、心臓の高鳴りを感じている。

スッと視線が外れたかと思うと、そのまま主人は近づいて私に口づけた。わかっていたはずなのに、驚きの感覚が全身を襲い、口が離れてしまう。

男「嫌か?」

主人の考えているよりも柔らかな唇の感触の方が印象深く、その言葉も呆けて聞いてしまって、口頭で返答できず首をわずかに振る、身振りでしか答えられない。

男「良かった。ただ、満足するまで付き合ってもらう」

考えるまでもなく、主人は続きの行為を希望されていた。
97 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/06(月) 02:31:52.52 ID:kOjjUJmb0
尖らせた舌先が入り込み、私の中で踊る。ザラリとした生暖かさが触れ合って、その妙な感触が身体の感覚をざわめかせていく。

主人の動きに合わせるよう、その舌先に絡ませるために動かすと、身体のざわめく感覚が濃くなり、思考が少しぼんやりとする。

主人の下先は内頬、上あご、歯茎まで蹂躙して、私が彼のものだと証明するマーキングを思わせる。奴隷などとは思わせないぐらい、主人のものにされている感覚は、何物にも代えがたい。

この間のお情けの時とは違い、それがよりはっきり認識できる。至福というのは、こういうものを指すのではないか――。
98 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/06(月) 02:32:23.16 ID:kOjjUJmb0
強く、舌先を吸われる感覚に、んんと少し高い声を上げてしまう。主人の唾液が口の中に入り込み、それを飲み込んでいく。

満たされている、その思いが快楽に変わり、触れ合い続ける粘膜と粘膜が、まるで主人と同体になるような感覚。それが身体を鋭敏にする。

より深く口づけする為、左わきから後頭部に添えられた主人の腕さえも、快楽を増すものでしかない。口づけだけにも関わらず、芯から何かが沸きあがってくる。あの夜と同じそれ。

じゅるりと、舌が強く吸われた時に、私の上半身は跳ねた。
99 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/06/06(月) 02:35:54.64 ID:kOjjUJmb0
>>94
せ、せめてこれだけでも完結させるんや。というか、エロの練習なのにエタらせたら意味ないからね。


そんな訳で、そういえば細かく描写したキスシーンって書いたことないなーと思い、いろいろ読んだりして
今更ようやっとの更新ですよ。難しいなぁ…。
100 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/07(火) 22:30:23.17 ID:5iaVKsYY0
少々、娘に構いすぎかと最近思う。思っていたより自分がすることへ対しての娘の反応は心地よく、ついつい深入りしている。

娘は、あまりそう思ってはいないが奴隷だ。どんなに嫌であろうと、主に当たる自分がすることを拒否することはない。それどころか、元々奴隷の生まれではないにも関わらず、奴隷としての考えが娘には染み込んでいる。奴隷商がうまくやったということなんだろう。

あのディープキスの後は、ティータイムに戻って冷めた茶を飲んでから、それ以降もあまり変わりない日々が続いている。

いや、そうでもないか。最近、明らかに娘と視線が合うことが多くなった。それはつまり、何かの変化が表れているともいえる気がする。
101 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/07(火) 22:33:28.23 ID:5iaVKsYY0
今日は娘と一緒に街へ出ていた。この街は戦争の影響で人が流入し大きくなったところだが、そういうことで地元民と入植者が軋轢を起こしていないと言う、ちょっとした奇跡の場所だ。

おかげで、俺のような人間でも居つくことができて、娘も奴隷という目で見られることもない。まぁ、誰しもがそうじゃないと言えば嘘ではあるが、そういう生活しやすさでは首都の方が劣るだろうな。

首都か。行ったのは騎士として任命式を受けた時と、戦争の宣誓、後は親父の商売の付き合い程度だが、あそこまでの綺麗さは、俺の感性に合わなかったな。

商家とはいえ、一時は王家ご用達の名家だったことを思えば、俺もやっぱり貴族という扱いなんだろう。あの綺麗さは嫌で仕方なかった。

そしてなにより、家で一番嫌だったのは、親父が自分に一番似ているのは俺だと言っていたことだ。
102 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/07(火) 22:35:39.99 ID:5iaVKsYY0
ふと、香しい匂いに足を止める。娘もそれにならい、自分の後ろで止まったようだ。匂いの下を辿ると、比較的新しい飯屋が出来ていた。飯屋、という言葉が少し違うような、こじゃれた感じの建物。

今日は、少しくたびれてきた娘の服の新調で出ていて、新たなデザインに関する不慣れなやり取りで時間を食ってしまった。

「中でゆっくり休憩しよう」

振り返ってそう提案する。その新しいデザインとは別に、すでにあった既存品を身にまとった娘がそこにいる。大人しめな紺色のワンピースは似合っていた。

「畏まりました」

娘は軽く頭を下げ、店内に入る俺に続いてきた。
103 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/07(火) 22:36:23.40 ID:5iaVKsYY0
新しい木の香りがする店内。出来立ての建物特有の香りだ、しばらくするとその店特有の匂いに染まり、今のうちにしか嗅げない、貴重、といえばいいのか今しか味わえないものだな。

メニューを開くと、デザートを主体としたものが並んでいた。やや空腹の自分には物足りない内容だが、良く調べずに入ったのだから仕方ない。

「奴隷はどういうものが食べたい? 答えるのが命令だぞ」

命令、という言葉を出したいわけではない。けど、そう言わないと答えてくれないなら、そう言うしかない。周りの客の様子――ほぼ女性客だけだが――を見て、特にそのやり取りは聞かれてないようだった。

「……、よろしければ、主人と同じものを」

これもわりといつも通りの答えなのだが、食べたものを共感できる意味では、そこまで嫌いなものではなかった。
104 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/06/07(火) 22:37:03.87 ID:5iaVKsYY0
「思ったよりもうまかったな」

娘がコクリと頷く。それはそれで珍しいことになるが、それを指摘することはしなかった。そう言ったところから、娘は自分の感情を蓋するようにしてしまう。それはつまらない。

空にある太陽が沈み、あたりをオレンジと黒だけの世界に移り変わらせていく。間もなく夜だ、家に戻らなければいけない。治安が良いところとはいえ、何も起きない訳ではない。一人ならいいが、今日は娘もいる。残念ながら、今の俺が守れるのは自分ぐらいのものだ。

そう思って、言いようのない微量の不安が混ざる。

「さ、早く戻ろう」

手を差し出して、娘はそれをおずおず見つめる。手を握るのも命令だと、言うと時間を置いてからゆっくりと俺の手を握った。

手を握っただけで守れるわけではない。だが、側にいなければ守りようがない。戦場で、嫌というほど思い知らされた感情も、ないまぜになった帰路だった。
105 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/06/07(火) 22:39:27.68 ID:5iaVKsYY0
やっぱり非エロのシーンの執筆の早い事早い事…。この速度で書けるようにならんとなぁ。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/08(水) 02:32:08.00 ID:f07s3sWro
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 10:28:46.37 ID:ra9SMKL7o
冷静でないと文は書けないし冷静すぎると淡々としてしまってエロい文章から遠ざかる難しさ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 10:29:18.72 ID:ra9SMKL7o
おつおつ。頑張〜
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/09(木) 10:44:15.71 ID:KRr64dOhO
どきどきした
110 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/07/03(日) 03:00:56.51 ID:7E2ulTNg0
生存報告というか、執筆してますよ報告。今度の連休辺りにエロシーンぶち込めればいいんだけど…。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/03(日) 09:26:05.96 ID:ZimA+o04o
楽しみにしてるで
112 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/07/09(土) 02:50:17.59 ID:JXwmSVRd0
主人に掴まれた手を、もう片方の手で握る。失った温もりを、自分の体温で代用しても全く違う。主人は夕食を終えられ、本日最後の書き物をされている。

この椅子から主人が見える後姿が、とても遠い。触れられた温もりが欲しくて、心がざわめいて。立ち上がって主人に触れるのを、意志の力で抑えていた。

もう少し夜伽の時間になる。その時に主人の体温を感じることができる。この触れたいと言う欲求もその時に満たすことができる。

「ふぅ…」

筆を置く音と、椅子の背もたれが軋む音。いつの間にか高鳴っていた胸の鼓動が、少し跳ねた。
113 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/07/09(土) 02:50:59.39 ID:JXwmSVRd0
主人は立ち上がり、ゆっくりとこちらに向かってくる。喜びに高鳴る鼓動を無視するように、努めて、努めて無表情を取り繕う。

「今日は慣れない外出で疲れたろ。ゆっくり部屋で今日はもう休むといい」

え、と声が漏れた。本当にそんなことを言われるなんて思いもしない。主人は私の反応を予想していたのか、そんな日もあっていいだろうと肩を軽く触れて、私室に向かわれようとした。

その触れた体温がなければ、きっと、誤魔化せたかもしれない。けれど、だから、私はいつの間にか主人の裾をそっと掴んでしまっていた。
114 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/07/09(土) 02:51:35.97 ID:JXwmSVRd0
主人は振り向く、その顔は疑問ともとれるのと驚きもあったように見える。まずいと思っても遅い、裾越しに感じる体温を離せない。

「何かあったか?」

こんなことをしても、主人はお怒りになることはない。今でも手を離さない私に、優しく諭すような顔をしている。

言葉を出そうにも、何と言えばいい。貴方に触れたかったと言って、拒絶されたら。もしそうなったら、私は。

その思考を奪うように、顎に主人の指が触れ、いつの間にかうつむいていた自分の顔を向けさせた。
115 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/07/09(土) 02:52:04.10 ID:JXwmSVRd0
顔が熱い。主人のまなざしを受け、前ならば抑えられた高鳴りが、止められない。裾を掴む手はすでに離れ、ただその視線だけを受け止めた。

ちゅっと音だけが聞こえる。唇と唇が触れる、フレンチキス。そうだと理解して、身体が動かせなくなった。幸福感で。

「そういう気分じゃないんだけど、まぁ、部屋に来るか?」

きっと、今まで主人と過ごす中で一番素早く。私は頷いただろう。それを見た主人の顔は苦笑を浮かべていた。
116 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/07/09(土) 03:01:38.87 ID:JXwmSVRd0
>>107
そうだねぇ。興奮してなんぼなんだろうけど

>>108
ありがとう

>>109
次はどきどき以上になるにせんとねぇ

>>111
楽しみにして後悔しても知らんぞー


さて、結局エロシーンいけず。次のシーンも浮かんでますが、非エロです。
あ、こういうシチュいいなというのがあったのでそれでも書こうかと。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/10(日) 03:24:40.02 ID:wAgakv3m0
乙!
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/10(日) 10:20:28.49 ID:em0bIHYr0
イイな
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/22(金) 10:31:14.44 ID:JrUNBTe6O

こっちに移転してるの知らんかったわぁ
120 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/08/04(木) 00:10:51.62 ID:VQhwOMqC0
>>117


>>118
ありがと

>>119
気付いたら移転されてたよ。




まぁ、いつもの生存報告というか、執筆してますよ報告です
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 09:28:52.73 ID:QPVjYARpO
保守
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 20:24:45.09 ID:0P837LSyo
な?もしもしだろ?
123 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/08/16(火) 16:40:55.11 ID:zuGjlih+0
寝間着に着替え、ベッドへ横になる。娘もとりあえず自分の横になっていた。言ってしまえば、添い寝の様な状態だろうか。

そういう行為は疲れもあり断っている。珍しく、娘はどうすればいいのかわからない様子で視線があちらこちらに動いていた。

奉仕がしたいと言う感じではなく、一緒に居たいと言う態度と思えるあの頷きを思い出し、嬉しさで微笑む。求められたというのもあるが、娘が意思を表明してくれたことが嬉しかった。

嬉しいついでに、ちょっと困った表情がまた見たくなって、あることを思いついた。
124 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/08/16(火) 16:41:43.98 ID:zuGjlih+0
「奴隷、もうちょっとこっちに来なさい」

望み通りの困り顔を見せてから、おずおずと娘は近づいてきた。こちらにすぐ触れられそうな位置で止まり、これでいいかと表情が訴えている。

言葉ではなく、頭を優しくなでることで答えてみる。触れた瞬間に、緊張からかピクリと体を震わせ、意図はすぐわかったのか抵抗することもなく撫でられていた。

少し乱れた娘の呼吸音と、指から伝わるなめらかな娘の髪の質感。それはどちらも心地が良い。
125 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/08/16(火) 16:42:48.59 ID:zuGjlih+0
その心地よさをもっと味わいたくなって、顎で挟むように胸の位置へ娘の頭を抱き寄せる。娘は抵抗しない、だが身体を硬直させているのはわかった。

右手で頭を抱き寄せたまま、左手で緊張をほぐさせるために、優しく背中をポンポンと叩く。それで簡単に緊張がほぐれる訳もなかったが、少しだけ弛緩した空気を感じた。

穏やかな時間を感じている。誰かが側にいるというだけの状態、昔は落ち着かなさを覚えていた。だが、娘といる時間が当たり前になったからか。不快はない。
126 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/08/16(火) 16:43:27.02 ID:zuGjlih+0
聞こえてくるのは互いの吐息だけ、胸に当たる熱を帯びたい気が妙に心地よかった。そして、その心地よさがあの時、手を握って帰った夕方を思い出させる。

ここは戦場ではない、娘も自分が手放さなければ側にいるだろう。でも、その保証はどこにあるのか。漠然とした不安が、冷たい寒気のように心の中へ紛れ込む。

少しだけ、娘を強く抱きしめる。彼女は当然のように抵抗はしない。ゆっくり、目を閉じる。見えなくなった世界では娘が与えてくる温もりと吐息だけがすべてだった。

今この時だけは、一緒に入れる。そう感じてから睡魔が訪れたのは、そう遅い事ではなかった。
127 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/08/16(火) 16:47:52.70 ID:zuGjlih+0
>>121
ありがと

>>122



しかし、この程度の文章量でこんな期間空けるとは精進が足らん。次はもっと早めにできるようにならねば。

まぁ、言い訳するなら添い寝って細かく書いたことないかな、思っていろいろ参考になるもの漁ってたり。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 19:23:06.18 ID:Lf+KSzgMO
もひとつの方が日々更新だからな
多少待たされるのは仕方ない
えたらなければね
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 20:47:41.69 ID:QHVZjJf/o
乙です
ゆっくりでいいからエタらないでぇ
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 23:26:10.86 ID:w9EOODbMo
な?もしもしだろ?
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 23:35:01.41 ID:C8p9o6Fr0
おつ
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/02(金) 18:21:52.62 ID:nVR2MruoO
133 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/09/14(水) 05:20:43.98 ID:XyvMLocz0
書いてますよ報告。別のがあんな執筆量増えなかったら今日更新できる予定だったのだけれど。すまぬ


>>128-129
ファンタジーだけど風呂敷広がらないとは思うからエタらないとは思う。よ。

>>130
前はね。
134 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/09/21(水) 03:59:45.81 ID:D6UgnAGm0
「主人……?」

強く抱きしめられた後、緊張で動けなかった。ただ、主人がそれ以上の動きはなく、少し荒く感じていた息が規則正しいものになってから、起きていらっしゃるのか確認する為、お声をおかけした。

反応はない。なんであれ、ゆっくりお眠りになられたようで、胸をなで下ろすのと、少し、少しだけもやもやした気持ちが残る。

抱きしめる力も弱まっていたこともあって、ゆっくり主人の方に体を向ける。穏やかな寝顔が、闇の中でも見えるのは、自分の思い込みでないと思いたい。
135 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/09/21(水) 04:01:13.15 ID:D6UgnAGm0
「お眠りで、ございますか?」

眠っているのはわかっている。ただ、わがままにも名残惜しい気持ちになってしまった。もう少し、主人の意思で自分をお触れいただきたかった。その気持ち。

その気持ちに押されたように、自分の手を主人の寝顔まで持っていってから、元に戻す。許可もなく私から触れることはおこがましいことだ。

ただ、今日強く感じていた主人の体温を感じたいという欲求が抑えられず、そのまま顔を胸元にうずめる。
136 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/09/21(水) 04:02:06.60 ID:D6UgnAGm0
体温のほか、主人の匂いが強く感じられるのと、穏やかな心音も聞こえてくる。私は、とても幸福な人間なのだと思えてならない。

「私も、ゆっくりと闇に降ります。夢の中で、またお会いしましょう。そちらでもお仕え致します」

心からの言葉、夢の中で穏やかに過ごされているであろう主人を、より快適に過ごしてもらう為にも、私は闇の中へ意識を傾けた。

穏やかな主人に包まれた私が、その中に入るのはそう遅くはなかった。
137 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/09/21(水) 04:03:32.02 ID:D6UgnAGm0
いろいろエロシーンに持ってくのは諦めたぜ。まぁ、その練習なわけだから次当たりは書かないとなぁ。

こうやって穏やかに寝れるって、いいよね。
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/21(水) 12:38:36.24 ID:k5dxHyVlO
続きキター
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 17:22:56.41 ID:EaLEEkyLO
続きマダー
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 17:37:10.99 ID:ChKLiY8yo
な?もしもしだろ?
141 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/10/23(日) 14:50:18.18 ID:AMMIF5u40
>>138-139
いろいろ申し訳ない。書いてはいるものの、まだ投稿できる状態ではなく。とりあえず次の休みを目処には少しでも更新したい…。


一応の生存(?)報告までに。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/23(日) 22:30:51.89 ID:dfAJH2KIo
ええんやで
143 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/10/28(金) 03:40:35.47 ID:zllImxq10
夢の中にあることを、おぼろげながら理解している。この場所は、そう、幼少を過ごした孤児院。

擦り切れたシーツ、ガタついたテーブルと椅子、そしてみんなの笑顔。

次に見えてきたのは、上流の衣装をまとった人間が、品定めする目であたりを見回し、私を指さす。

そう、あの時から孤児ではなく世話役になった。
144 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/10/28(金) 03:41:38.93 ID:zllImxq10
迎えられた屋敷。もはや孤児院があった地域でもなく、私は独りになった。

雇い入れた貴族の方、ご家族は厳格であり優しいとは言い難かった。

しかし、その分最低限必要な教養や世話役としての技能をお教えいただけた。

それが今、主人のお役に立つため役立てられる。お亡くなりになられた貴族の方々には、とても感謝している。
145 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/10/28(金) 03:42:23.66 ID:zllImxq10
暗転する。まどろみの中にいるのだと思っていた私に、しばらくして聞こえてきたのは。

悲鳴。







嫌だ。これ以上は見たくない。夢なら、覚めて。夢なら。どうしてこんな。
146 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/10/28(金) 03:43:39.48 ID:zllImxq10
暖かさに包まれる。心が穏やかになる優しく懐かしい暖かさ。

暗闇のはずの夢に光が入る。あぁ、そうだ私は捕らえられていた。奴隷として。

しばらくの怒号の後、扉は開けられた。誰が入ってきたのか、パニックの中で見えた人。

あぁ、そこには確かに主人がいた。
147 : ◆9W6PAVDo7. [saga sage]:2016/10/28(金) 03:50:51.37 ID:zllImxq10
>>142
ありがとうやで


そろそろエロシーンいかなね・・・。練習になっとらんよこれじゃ。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 17:45:36.18 ID:YEdSSzhGo
まってるで
149 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/11/13(日) 04:47:04.55 ID:esuOe+g80
娘の様子が不安になり覗き込んでいると、いきなり目を開けた。しばらくぼんやりしていたが、目の前に俺の顔があるとわかると、今度はホッとした表情を見せた。

「うなされていた。夢見が悪かったようだな」

少し間を置いてはいと娘は頷く。最初は感情に動きがないと感じていた娘だが、ここのところ徐々にそう言ったところを見せてくれることは喜ばしい。だからこそ、どのような夢だったのかも知りたくなってしまう。

「何を見たんだ?」

命令、とはつけられなかった。今でも夢を思い出してか、つらそうな表情をする娘に対して強制じみたことをする気はなかった。

奴隷に対してこう接する雇用主もいないだろうが、娘のことを奴隷などと本気で思ったことはない。だから、甘いということだろう。
150 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/11/13(日) 04:47:42.08 ID:esuOe+g80
結局、娘が話さないなんて言う選択肢を選ぶわけもなく、修道院から隣国に捕らえられるまでの間を、夢で見たという内容を聞かされた。

恐らく、本当の奴隷とされた期間を見て、うなされたのだろう。どんな扱いを受けたのかはわからないが、その奴隷商にふつふつと怒りを覚える。

「もう、過ぎたことでございます」

それが表情に出ていたのか、自分のことは気にしなくていい、そんな意味合いをもって娘は俺に言う。納得はできないが、この内容で娘を困らせるのもまた、気が引けた。

「今は、主人といられます。それだけでよいのです」

そんなことを言われてしまえば、そのまま胸に抱きしめてしまうのが、自然に思えてならなかった。
151 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/11/13(日) 04:48:28.30 ID:esuOe+g80
娘は当然のように、どぎまぎしている。頬を赤らめ、抱きしめられたと言う以外は何も理解できないことで起きる可愛らしい困惑の表情。あぁ、そうだな。俺は娘がこういう表情を見るのが、今の一番の楽しみだ。

更にその表情が崩れないか、小鳥のようなついばむキスをを娘にする。ますます顔は赤くなり、俺の笑みはきっと下卑たものが混じっているだろう。

「ど、う。されました、か?」

何とか絞り出した言葉さえも愛おしさを含んで、耳をなぞるようだ。このまま娘を大きな鳥かごに入れて自分の目だけに触れたい。なんて独占欲も湧いてくる。

「どうしてかは、わかっているんじゃないか?」

あぁ、ダメだな。鏡を見なくてもわかる。今の笑みは、誰にも、娘以外に見せられないものになっているのは、間違いなかった。
152 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/11/13(日) 04:49:06.18 ID:esuOe+g80
「その、無礼を、お許しください。主人は、その……、意地悪で、す…」

言葉は徐々に尻すぼみになり、注意して何とか聞き取れた。意地悪か、全くその通りだろうな。俺は意地が悪い。なぜか、娘に対してだけ。

「さて、そろそろ食事の準備を頼む」

ゆっくりと娘を離す。その行為にさえ、とても名残惜しい気もしたが、すべきことはしなければいけない。一日は、始まったばかりなのだ。

だがしかし、娘は、俺の指示を聞いて、ようやっと調子が戻せたのか。いつもの無表情に戻って、答えたのが少し癪に触ったこともあって。

「そして、今夜だが、本格的な夜伽をしてもらおうかな」

それに対しての回答となる。本日一番となる真っ赤な顔で満足しつつ、今日の夜が楽しみで仕方なくなった。
153 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/11/13(日) 04:51:05.49 ID:esuOe+g80
>>148
何と殊勝な。まったりとお願いします。


さて、次か次の次当たりにはエロシーン行けそうかな。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 17:15:38.34 ID:leo9UhRNO
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 18:32:09.83 ID:9laVRGQGO
楽しみで仕方なくなった
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 23:02:54.54 ID:GAaj0NsvO
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 23:10:36.34 ID:qH55qAFto
な?もしもしだろ?
158 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/12/08(木) 19:35:03.75 ID:HON5+BMx0
胸が高鳴っている。この先に、主人がいる。今日の夜伽に関しては、その、本格的なものを望まれていると本日言われた。つまり、普段の口淫よりも、先に進んだものを。

そのことを想像すると、体が震える。決して、嫌悪感などではない。湧き上がっているのは光の様な喜びを含む幸福と、混じるのは身分による立場の違い。

主人が私を奴隷と認識していないことは、嬉しくもあり気がかりでもある。ましてや、その者と性交することはよろしいとは言い難い。立場が穢れてしまう。

高鳴りのまま、ノックすべきか逡巡をし続けていた。それでも湧き出てくる欲(こうふく)に抗うことは難しく、ついにはそれを許してしまう。

『遅かったな、入って』

その言葉さえ、今の私にはもう十分すぎるほどの愛撫だった。
159 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/12/08(木) 19:50:23.85 ID:HON5+BMx0
許可をもらい、入室した後の礼を行ってから主人に近づく。最近、自分に向けて出される笑みで、ベッドに腰かけられている。

人から見たらその笑みはけして良いものではないだろう。そういった事を行う時に、人が獣に戻っていくかのような、あえて言うなら下卑た表情。にも拘らず、私は嬉しくて仕方がない。

知っているから。主人は私を手荒く扱うことはないを。知っているから。主人はとてもお優しいことを。知っているから。下卑などではなく、私を素直に求めていることを。

身体に熱がともる。胸の動悸はとても激しく、下腹部が痺れたように感覚を纏い、すべてがうるんでいく。
160 : ◆9W6PAVDo7. [saga]:2016/12/08(木) 20:36:22.48 ID:HON5+BMx0
この状態を主人ははしたないと、おっしゃられるだろうか。それは、事実であって、仕方のないこと。私は、とても幸せな者だから。

仕える主に求められること、従者としてこれ以上に望むことはあるのだろうか。私は知らない、主人に求められること以上のことはない。

主人の手招きで、隣に座らせていただく。もう、これだけでも十分だというのに、これ以上の続きがあることを思うと。何も、考えられない。

そうなる前に、私は、本当はそうするのを心が拒否しても、聞かなければいけない。

「私は、奴隷の身です。本当に…、その…、よろしい、の、です、か?」

口がうまく回らない。
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