穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その4、なの!?」

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264 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/05(金) 06:02:37.22 ID:z74x/UUqO


◇――――◇

部室

穂乃果「大丈夫だから、話して?」

希「……」

希「穂乃果ちゃんの邪魔、しちゃった」

希「気づいたでしょ? ウチ、ことりちゃんと話してる穂乃果ちゃんに嫉妬して……穂乃果ちゃんのことなんか考えずにっ、邪魔したの!!!」



希「穂乃果ちゃんことりちゃん達と一緒に買い物行きたかったかもしれないのにっ、ウチがそんなの嫌だからっていう、自分勝手な、理由で……っ」




希「……ごめん」

希「穂乃果ちゃんが迷惑なら、夜電話だってしない、LINEだって……無駄にするの、やめるっ」



希「だから……嫌いに、ならないで……」ポロポロ


穂乃果「ちょ、ちょっと……っ!」

穂乃果「大丈夫!! 嫌いになんてならないから、ねっ!?」
265 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/05(金) 06:03:11.49 ID:z74x/UUqO
穂乃果「今日も明日も土曜日だって希ちゃんち行くから、ね?」

希「本当……?」

穂乃果「うん」

穂乃果「ことりちゃんや海未ちゃんと遊び行くよりも、希ちゃんといた方がずっと楽しいもん!」

ギュゥ


穂乃果「……ごめん、穂乃果頭良くないから、色んなこと並行して出来ないみたい……」

穂乃果「最近µ’sのことに集中しようとしてたから。でもね、本当は希ちゃんのことばっかり考えてたんだよ」

希「……そうなん?」



穂乃果「穂乃果ね、なによりも希ちゃんが好きだよ」

穂乃果(……どうすれば希ちゃんのこと安心させてあげられるかな)

穂乃果「その目じゃ、みんなのとこ戻れないよね。穂乃果言っておくから、今日はお家で待ってて?」

希「……保健室で待ってる」

希「いいでしょ?」

穂乃果「わかった、待っててね?」

希「うん」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 06:21:34.72 ID:aU02XQRr0
早起きしてみるもんだ。更新乙。希の独占欲見てると◆ことり◆ルートも同時に見ている感じがして2度お得な感じがした
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 09:03:33.97 ID:dQYQ0hWXO
つまんね
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/05(金) 22:22:12.89 ID:WnLE2ljO0
更新乙
穂乃果がどう引っ張っていくかにかかってるなこれは
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 16:19:08.44 ID:zUEag0jjO
久しぶりに速報覗いたら続ききてたのか
全ルート回収するまで見届けるぞ
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/06(土) 16:59:40.77 ID:6ARDe4pHO
のんたんルートええな
こういう雰囲気好きだ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 06:03:09.56 ID:BDyISp1jo
どうなるかドキドキが止まらん…
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 14:28:31.02 ID:vhjZjZGQ0
続き待ち遠しい
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/10(水) 22:40:02.49 ID:kpqqqyOF0
1もまたファイナル一般にむけて精神注いでるのかな。また読めるときを楽しみにしつつ。
274 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 04:49:14.84 ID:wnm83nnvO

◇――――◇


穂乃果(希ちゃん大分弱ってたみたいだね……穂乃果のせいなのかな……きっとそうだよね)

穂乃果(泣いてるとこなんて……もう見たくないよ)

穂乃果(穂乃果がずっと側にいてあげれば……泣かせなくて済んだのかな)


ことり「――穂乃果ちゃんっ」

穂乃果「え……うん、聞いてなかった」

ことり「もぉ……」


にこ「希、大丈夫かしら」

にこ「なんか最近調子悪そうに見えたのよね」

穂乃果「……」

にこ「なにか知ってる?」

穂乃果「穂乃果のせいかも……」
275 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 04:49:46.91 ID:wnm83nnvO
穂乃果「穂乃果が……希ちゃんのこと見て上げなかったから……」

にこ「……」


にこ「何があったかわからないけど、希を悲しませないように」

にこ「それがあんたの役目、わかった?」


穂乃果「……穂乃果の役目」

穂乃果「そっか……うん、わかったよ」


海未「あの」

にこ「ん?」

海未「絵里を知りませんか?」

にこ「どこか行ったの?」

海未「見当たらないので……」

花陽「あの、さっき希ちゃんの様子見に保健室行ってくるって」

海未「全く……」

にこ「穂乃果に希を取られたから必死ねー」

穂乃果「あはは……」

276 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 04:55:35.86 ID:wnm83nnvO

◇――――◆


絵里「起きてる?」

希「……えりち?」

絵里「体調、悪いの?」

希「ちょっとだけやから、心配せんで?」

絵里「心配するわよ。……なんだか最近希と話せてなかったし」

絵里「……希が穂乃果とばっかりだから」


希「あ、嫉妬ー?」

絵里「……いいでしょ、ちょっとくらい。穂乃果、希のこと独り占めしてるんだもの」


希「えりちはウチのこと大好きやねー?」

絵里「からかわないで」

希「ごめんごめん」



絵里「穂乃果とはどう?」

希「……」

希「どうしてそんなこと聞くん?」



絵里「……私、そういえば希のこと実はよく知らないのかもって思って」


希「?」


絵里「穂乃果は、私の知らない希の顔いっぱい知ってるのかしら」

希「……どうやろう」


絵里「希、自分のことあんまり話さないから」


希「ウチのことなんてどうでもいいやん。人の話、聞いてるだけで楽しいよ?」

絵里「そうやってはぐらかすんだもの」


希「はぐらかすつもりなんてないよー」
277 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:08:31.04 ID:wnm83nnvO
絵里「ふふっ、いつか希のことたくさん聞かせてね。諦めないんだから」


絵里「卒業しても、諦めないわよ?」

希「えー?」クスクス

希「卒業かあ……」

希「もう夏が終わっちゃったんやもんね……」

絵里「……まだ夏が終わったばかりでしょ?」

希「そうとも言うね」



希「――卒業したくないなぁ……」

絵里「……私もよ」

絵里「やめやめ、こんな話はやめましょう」


絵里「じゃあ私はそろそろ戻るわね。邪魔してごめんなさい。安静にしててね?」

希「はーい。ありがとなー」



スタスタ バタン


希「……えりちにはやっぱりバレてたかー」


 卒業、という単語が頭の中を駆け回っている。さっきえりちから聞いて、初めて意識した言葉だった。ウチにとってもまだ先の話って思っていたけれど、あと半年もすれば嫌でもそれは訪れる。


 考えてみる。アイドル研究部で友達が出来て今までの高校生活よりうんと楽しいことが立て続けに起こった半年間。この先の半年もきっと楽しいことが起こるんじゃないかな。

 ……その後は?

 卒業して、みんなと会う時間も減って――もちろんえりちとも。


 高校生になってようやく前を向けたと思っているけれど、その後私はずっと前を向いていられるだろうか。えりちとにこっちはきっと大丈夫。


 想像してみて、怖くなった。卒業したら、たくさんの居場所を失うかもしれない。まずこの学校。アイドル研究部のみんな。そこには当然、えりちも含まれているわけで。





 ――穂乃果ちゃんだって、そうなんだ。


278 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:14:55.46 ID:wnm83nnvO

◇――――◇


穂乃果(よーし練習も終わったし、希ちゃんのとこ行こっと!)


凛「じゃあまた明日ねー!」

穂乃果「ばいばーい」

凛「ほら真姫ちゃん早く帰るにゃー!!」

真姫「ちょ、ちょっと待って!」



ドタバタ


ことり「希ちゃんのとこ行くの?」

穂乃果「うん」

海未「私たちも様子を見に行きますね」

穂乃果「あ、うん」


絵里「私も行くわ」


にこ「なによさっきまで自分一人だけ見に行ってたくせにー」

絵里「も、もう一回よ!」

穂乃果「あはは……じゃあ行こっか」
279 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:15:51.45 ID:wnm83nnvO

◇――――◇


希「穂乃果ちゃんまだかなー……」

希「もう終わったよね?」



コンコン

穂乃果「希ちゃん入るよー?」


ガララ

ことり「――希ちゃん大丈夫ー?」

希(……なんだ、他の子もいるんだ)


希(心配してくれて嬉しいけど、なんだろ……この気持ち)

穂乃果「カーテン開けるね」


シャッ

希「みんな練習お疲れさま」

希(目、ばれないかな……)


にこ「まだまだ暑いから死んじゃいそう」


絵里「確かに、涼しくならないわね」


絵里「希も、きっと疲れてるのね」


絵里「調子はどう?」

希「うん、もう大丈夫」



希(……泣いてたの誤魔化してただけなんて言えないしねえ)

280 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:17:49.50 ID:wnm83nnvO


 そのあとも、ちょっとだけみんなで雑談。穂乃果ちゃんがウチ以外の誰かと話してるのを見るのは今でも嫌だけれど……ウチのこと心配して来てくれてるんやから二人にしてーなんて言えるわけないよね。

 穂乃果ちゃん、久しぶりに家に来てくれる。何をしようかな、何を作ろうかな? この日のために色々買ってあるし……喜んでくれるかな?


 さっき抱きしめられた感触が、まだ残ってる。久しぶりだったから……もっともっとって思っちゃう。


穂乃果「じゃあ帰ろっか希ちゃん」

ことり「あ、今日はお泊り?」

穂乃果「うんっ」

ことり「クス、嬉しそうな顔するね……お幸せに」




穂乃果「あ、ことりちゃん昨日の夜、電話で言ってたお菓子、楽しみにしてるね」







 ――え? なんのこと?


 電話? 穂乃果ちゃんがことりちゃんと夜に電話? どういうこと?


ことり「楽しみにしててきっと――」







希「――でん、わ?」
281 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:26:56.32 ID:wnm83nnvO


 穂乃果ちゃん、ウチに内緒でことりちゃんと電話してたん? そんなの聞いてないよ……。なにそれ、ウチとの電話よりことりちゃんと電話してた方がいいってこと? だって、だってウチ、穂乃果ちゃんの彼女なのに……。あ……ことりちゃん、ウチから穂乃果ちゃんを取るつもりなんだ。そうに、そうに違いない!!!


希「どういう、こと?」



 ことりちゃんへの嫉妬と、誰に向けていいかわからない憎しみが溢れ出してくる。こんな汚い感情に振り回されてしまったら、嫌われてしまう。そんなこと分かってるはずなのに……どうしようもないの。


 ドス黒い感情は抑えが、 きかなかった。穂乃果ちゃんに嫌われる捨てられるなんて取られるなんて、嫌だ、嫌だ!!!



 なんだろう、昔我慢してた色んなものが……あふれでてくる様な感じ。ウチのことより、穂乃果ちゃんのこと一番に考えなきゃいけないのに。




希「……なに、それ……穂乃果ちゃん……ウチのこと好きって、言ってくれたのに……!!」ポロポロ


 そこから先のことは、よく覚えていない。



 ただ……ウチはうずくまって、声にならない大きな声を何度も、何度も上げていた気がする。

282 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:29:24.76 ID:wnm83nnvO


◇――――◆


二週間後


穂乃果「ん……もう18時かぁ、また希ちゃんちいこ」

スタスタ


雪穂「……ねえ穂乃果」


穂乃果「ん?」

雪穂「また希さんち行くの?」

穂乃果「そうだよ。穂乃果は希ちゃんのそばにいてあげなきゃ」


雪穂「……」

雪穂「ねえ穂乃果……どうかしてるよ……」

雪穂「今日だって学校行かないで希さんち行ってたんでしょ!?」

穂乃果「……留年はしないようにするから平気だよ」

穂乃果(別にしてもいいんだけどね……)


穂乃果「雪穂も……いつかわかるんじゃないかな」

雪穂「……」


ガララ


穂乃果(ちょっと寒くなってきたかな……)ヨロヨロ
283 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:31:52.14 ID:wnm83nnvO
穂乃果(あー早く希ちゃんに会いたい)

穂乃果(なんで時々家に帰って来なきゃなんだろう)


ヨロ……ヨロ


海未「――どこへ行くのですか」



穂乃果「……久しぶりだね」

ことり(髪の毛ボサボサ……しかもスウェットで出歩くなんて……顔色もなんか、良くない)


穂乃果「どこへ行こうと穂乃果の勝手でしょ。……またね」

海未「待ってください」ガシツ


穂乃果「……」

海未「希の家ですか?」

穂乃果「……悪い?」

海未「穂乃果、今日も学校へ行っていませんね? 穂乃果だけじゃなくて、希も――」


穂乃果「もう、うるさいなぁ……。昔からガミガミガミガミ……」


海未「……っ」
284 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:35:49.11 ID:wnm83nnvO


穂乃果「海未ちゃん……穂乃果のなんなのさ」



海未「……穂乃果」


ことり「酷いよ、穂乃果ちゃん……」

穂乃果「……」


海未「私はあなたの友達です。あなたが間違った方向へ進もうとしてるなら……止めなければいけません」

穂乃果「……友達かぁうん、そうだね」

穂乃果「……希ちゃん、穂乃果が女の子と話すと泣いちゃうからさ、ごめんね海未ちゃん」


穂乃果「でもね、泣いてるとこもかわいいんだぁ❤︎」


海未「」ゾク


穂乃果「――穂乃果、希ちゃん以外、いらないから」





海未「……穂乃果!! 私は、何度だっていいますからね! あなたが、考え直してくれるまで!」
285 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:38:31.36 ID:wnm83nnvO
穂乃果「……」ヨロヨロ






ことり「……海未ちゃん」


海未「……私は、煙たがられているんですよね……」

海未「間違って、いるのでしょうか」

ことり「ううん、海未ちゃんは間違ってないよ? 一緒にがんばろ?」

ことり「きっと伝わるから」

海未「はい……」

ことり「……でもね、ことりなんとなく穂乃果ちゃんと希ちゃんの気持ち、分かる気がするんだ」

海未「……?」

ことり「……希ちゃんの本音聞いて思ったんだ。もしことりが穂乃果ちゃんと付き合えてたら……多分似たようなことしちゃうんじゃないかって」


ことり「わからないんだけどね……」

ことり「とにかく、今できること……精一杯していこう?」



海未「はい……」
286 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:41:55.37 ID:wnm83nnvO

◇――――◆

にこ「また電話してるの?」

絵里「……いいでしょ」

絵里「繫がらない……」ハァ

にこ「……」


絵里「にこだって、メールしてるくせに」

にこ「……悪かったわね、返って来なくて」

絵里「……」



真姫「――いい加減詳しく教えてよ。私達が帰った後の保健室で、何があったか」

絵里「……」

真姫「教えなさいよ!!!」

花陽「ま、真姫ちゃん……」

真姫「……おかしいでしょ。どうして教えてくれないのよ」

にこ「あんまり、思い出したくないからよ」

真姫「……」

にこ「だってそうでしょ!? 友達だと思ってた相手から、私たちなんて必要ないって言われるのよ? 誰がそんなこと口に出したいのよ!」


絵里「っ……」


真姫「なんで希はそんなになったのよ」

真姫「……嫉妬だけで、そんなふうになるの……?」

絵里「きっと、私達が穂乃果と何気なく話す度に悩んでたのかもしれないわ。希にとってµ’sっていう環境は……穂乃果を取られるリスクが極めて高い環境って思っても仕方ないから」


絵里「疑心暗鬼になって……頼れるのは穂乃果しかいないっていう錯覚に陥った」

絵里「その穂乃果にも裏切られるって勘違いした希は……」



絵里「……」

にこ「穂乃果も迷ってたんじゃないの」
287 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:46:18.77 ID:wnm83nnvO
真姫「……」


凛「なにそれ……凛、難しくてわかんないよ」フルフル



凛「希ちゃんと穂乃果ちゃん、戻ってくるんだよね? また前みたいに、みんなで踊れるんだよね?」


にこ「……」

絵里「ええ……」

絵里「私は結局……希の思っていたこと、なんにもわからなかった」

絵里「ずっと一緒にいたのに」

にこ「絵里がわからなかったなら、きっと私達も理解なんて出来なかった」

にこ「――時間じゃない、ってことね」

真姫「……」


絵里「はぁ……まるで、月みたい。絶対に裏側を見せてくれない」




絵里「照らしだせるのは――太陽だけだったのね」
288 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:48:18.30 ID:wnm83nnvO

◇――――◆



穂乃果「ん……?」


穂乃果(宅配便……?)


穂乃果「なにか話してる……」スタスタ



希「あ、穂乃果ちゃん……」

希「ご苦労様でした、はい」ペコリ

穂乃果「……ねえ、今宅配便の人と話してた?」

希「う、うん」

穂乃果「なに話してたの?」

希「世間話、とか」

穂乃果「ふぅん……」


希「あ、あの」


ドンッッ

希「ひっ……」


穂乃果「男と……話すなって言ったよね?」

希「ご、ごめんなさ、い……」

穂乃果「ねえ、なんで話したの。なにそれ、おかしいよね!?」


希「違うのっ、穂乃果ちゃんの嫌いになったとかじゃないのっ!」

希「ほんと……ほんとだからっ」


穂乃果「……」


ギュッ


穂乃果「……」


穂乃果「ごめんね……怖がらせたかったわけじゃないの」

希「穂乃果ちゃん……わかってる。ごめんね、もう男の人と話さないから……」


穂乃果「うん、絶対だよ?」


希「うん、ごめんね」


穂乃果「寒くなってきたから中、入ろう?」

289 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:51:41.24 ID:wnm83nnvO


◇◇――――◆◆

 
 穂乃果ちゃんの腕の中はとっても、安心する。細くて……まるで女の子みたいなのに、なんでだろう。


 暗くした部屋で、包み込まれる様な感覚は、まるで親に抱かれているみたい。本当の自分が認められて、初めてここに自分がいることの証明になった。




 ――穂乃果ちゃんは、子供みたいに取り乱したウチを見ても尚、好きだって言ってくれた。みんなの前なのに、強く抱きしめてくれた。とっても嬉しかった。


 そこで少しだけ冷静になって……怖くなった。みんなに見られた、ウチじゃないウチを全部見られてしまった。ううん本当の、汚い自分を見られてしまった。なんて思われるかなんて想像したくもない。大切な友達に幻滅されるのが、この上なく怖かった。


 だから走った。保健室を飛び出て、校門の外へ出ようとした時、いつも繋いでいた手が再び繋がれた。追いかけてきたのは穂乃果ちゃんだけで、ホッとしたのを覚えている。でも涙でぐちゃぐちゃになっている顔は絶対汚くて、穂乃果ちゃんにだって見せたくなかった。


 ――ウチは、叫びながら心のどこかで思っていたことのほとんど話してしまっていたらしい。

 穂乃果ちゃんに嫌われたくない、取られたくない、ずっと一緒にいたい。――それなら、他はなんにもいらない。


 みんなにはあんまり見せないよう心がけてきた、利己的な感情を。


 みんなには本当に申し訳ないって思う。だって友達だったんだよ。いくら取り乱していたとはいえ、言ってはいけないことを言ってしまった。ウチはみんなのこと失いたくなかった、卒業しても時々集まって楽しかったね……なんて言っていつまでも仲良くいたかった。



 でも……恋人のことを失うかもしれないって恐怖は全部、呑み込んでしまった。
290 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:53:12.40 ID:wnm83nnvO

 わからなかった。友達と恋人ってなんでこんなに違うのかって。えりちのことみんなのこと信頼していたつもりだった。恋人っていうのは途中までは友達と似たようなものかもしれない、でも……途中からは二人の世界を作るために関係を深めていく。


 えりち達にひどいことを言って関係を断ち切ろうとしたのは、恋人同士の関係を深めることに繋がるんじゃないかな。……世間は違うって言うだろうけれど、ウチはそう思っていたんだろう。


 自分でも自分の心がよくわかっていなかった。友達のこと、大切だって思っていたはずなのに……ううん、今でも思っているはずなのに、思っていたこととは違うことを叫んだのは、きっとそれが本心だってことなんだよね。……最低だ、私。



 最後に、心がすぅっと軽く感じたのは、そのせいだったのかもなんて今になって思う。



 ――その後、穂乃果ちゃんが言った言葉には驚いた。希ちゃんのこと、また知れたって笑うんだもん。全部知れたって、抱きしめてくるんだもん。友達……ううん、友達だった人たちに酷いこと言って、逃げた私に。




 希ちゃん以外いらない、希ちゃんが穂乃果以外いらないってさっき言ってたみたいに……穂乃果も希ちゃん以外、いらない。自分の本当の気持ち、気づけた。って。

291 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:54:57.98 ID:wnm83nnvO


 ごめんなさい、海未ちゃん。

 ごめんなさい、ことりちゃん。

 ごめんなさい、真姫ちゃん。

 ごめんなさい、凛ちゃん。

 ごめんなさい、花陽ちゃん。

 ごめんなさい、にこっち。

 ごめんなさい……えりち。



 ありがとう、穂乃果ちゃん。



 穂乃果ちゃんも、迷ってたんだって。µ’sのみんなも大切だし、ウチのことも大切。穂乃果ちゃんは一つのことに集中しすぎるタイプやから……それでも、ウチを選んでくれた。


 それは、最大の肯定だった。




 少しだけうとうとしてる穂乃果ちゃんの胸に鼻を押し付けると、いい匂いがして……安心する。

 穂乃果ちゃん以外、なんにもいらない。この空間で二人だけで生きていけるなら……それが一番。今日も宅配便の人とちょっとした世間話をしていたところを穂乃果ちゃんに見られて、すっごく怒られた怒鳴られた。怖かったけれど、ウチのことが好きだから怒ったんだって。嬉しい……。


 もっとぎゅって、して?


 もっと強く。あなたを、感じさせて。そうしたらウチは満たされて、気持ちよく眠れるから。そうしないと、眠れないから。

 穂乃果ちゃんだって、そうでしょ? うん……嬉しい。
 

 今日もドロドロになる。理性もなにもかもが溶けて、ぐちゃぐちゃになって絡み合う。また明日も繰り返す。何度も、何度も。ああ……幸せ。ウチ……こんな幸せでいいんかな。暗い部屋で互いを呼ぶ声が重なり合った。精一杯、穂乃果ちゃんに抱きつく。色々なしがらみを断ち切るように、この人しか見なくて、いいように。こうしていると……二人でならどこまででも沈んでいけそうな気がした。







◇◇希ルート◆◆
292 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 05:56:37.37 ID:wnm83nnvO
◇希ルート◆最後までみてくれた方は本当にありがとうございました。
いつだったかにこまき共依存を書いたことがあるのですが、やっぱ共依存てこういう系が一番だと思ってるのでこういうのばかり書いてしまいます。


次は凛ルートで爽やかにいきます。
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 10:39:29.31 ID:opZEEoihO
1乙です。
共依存って本人同士は幸せそうだなと、
此処からツバサルート張りにワンチャンあるかなぁと思いたいが。
次のルートも楽しみにしてます。
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/11(木) 21:44:53.05 ID:Cq4Uvdec0

爽やか凛ルートも期待してます
295 : ◆wOrB4QIvCI [sage]:2016/02/11(木) 22:47:39.86 ID:G6bJcKdo0

凛ルート


sidネタ多用なので読んでいる方がわかりやすいと思います

エロ少しあり

小学校中学校の設定等色々入れ替えあり
296 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 22:51:37.21 ID:G6bJcKdo0
◇――星空 凛――◇







海未「――私は知っていましたよ」



凛「ええ、なんでー!?」


凛「だって凛、穂乃果ちゃんと付き合ってたこと……誰にも言ってないよ!? かよちんにだって!」



海未「町で二人のことを見たんです。去年のクリスマス……だったと思うんですが……」

凛「あ……////」



凛「い、言っちゃダメー!!!」///



希「なになになにしてたん?」

凛「ぅぅ///」


凛「き、キス……///」



ことり「わぁ……」

ことり「てことは……海未ちゃんはそれ見たんだ。どうして教えてくれなかったのー?」

海未「言えるわけないじゃないですかっ。恥ずかしいですし、それに……私もショックでしたから」


ことり「……そっか」


凛「付き合ってた期間は長くなかったから、多分ほとんどの人が知らないと思う」


絵里「二人がどうやって付き合い始めたか知りたいわ」

にこ「やっぱりそこよね」



凛「え、ええ!? そんなことも話さなくちゃいけないのぉ?」


にこ「当然でしょ?」


凛「当然なのかにゃ……」


凛「そんな……すごいことがあったわけじゃないよ? 本当に普通の話で……」




凛「もうっ、凛が最初でこんなに話すんだからみんなも覚悟しててよね!?」
297 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 22:54:50.21 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇


三年前





凛『かーよちんっ、帰ろー?』

花陽『うん、あれ今日は部活ないの?』

凛『今日はお休みー! だから早く帰ろ!』

凛『かよちんの家行ってもいい?』

花陽『うん大丈夫』

凛『やったー』



凛『――ん、あれは』



花陽『絢瀬先輩と高坂先輩……かな?』





凛『ほんとだー、ちょっと前に話題になってたやつだ!』


凛『あの二人は音ノ木小なんでしょ? 凛たちもそっちだったらあの先輩達と仲良くなれてたかもね』

花陽『あそこ、あんまり人数多くないもんね』

凛『穂乃果先輩はちょっと喋ったことあるけど、絢瀬先輩は無理だにゃぁ……』


花陽『その……すっごく綺麗で話しかけにくい、よね』

凛『ねー。穂乃果先輩はね、ちょっと女の子みたいな感じで話しやすいよ』
298 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:01:45.88 ID:G6bJcKdo0
凛『凛より女の子っぽいかも……』


花陽『そんなことないよ!! 凛ちゃんが男の子に負けるわけないよ!!!』

凛『そ、そうかな……//』



 音ノ木中はいくつかの小学校が一緒になるんだけれど、凛とかよちんは穂乃果先輩達とは別の小学校で関わることはなかった。凛が初めて穂乃果先輩と話したのは、陸上部の活動中に友達を探しに顔を出して来た時。穂乃果先輩自体は特に目立つ方でもなかったと思うから、知ったのもその時が初めて。



 どっちかと言うと穂乃果先輩よりは、よく一緒に居る……南ことりっていう人と園田海未っていう人が絢瀬先輩と同じ音ノ木小出身で、可愛いってことで有名だからよく覚えていた。男子は可愛い子ばっかりチヤホヤしてさ……まあ仕方ないかもしれないけれど。



凛『まあいいや、早くかえろ!』
299 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:03:09.09 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇




凛『球技大会かぁ、どれに出ようかな!!』


花陽『ぅぅ』

凛『……どうしたにゃ?』

花陽『私出たくないよ……』

凛『ええ、どうして!?』

花陽『……なんにもできないし、迷惑になるだけだもん』

凛『大丈夫だよ! 凛と一緒に出よ!! バスケにしよう!!』


花陽『うぅ……だって私』


凛『大丈夫! 何かあってもすぐに凛が助けるから!!』


凛『この時期ならまだ部活入ってる人より上手い自信あるもん!!』


凛『凛に任せて!!』

300 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:03:49.04 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇





ことり『ひゃっ、えと……えと』アタフタ




穂乃果『ことりちゃんがんばれー!!!』


ことり『で、できないよぉ……っ』

ことり(さっきから失敗してばかりだし……)



凛(なるほど、さっきから見てる感じこの人は運動出来るわけじゃないんだね)


凛(!! いける、この人からならボール取れるにゃっ!)



ことり『え、えいっ!』パス


凛『にゃ!?』


凛(ええ!? そっちの方に味方なんていないのに――)


花陽『え、え!?』ポス



ことり『あぅ、間違えちゃったよぉ……』シュン




穂乃果『あはは……流石……』




絵里『ことりの場合やらかしちゃっても可愛いで終わりそうね』クス
301 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:04:39.47 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『でもこのままじゃ負けちゃうよ!!』

絵里『そうね……一年生に負けるのは屈辱ね』


絵里『でもほら、男の子達に大人気』



穂乃果『……まあ、モテるからね……』

絵里『学年で一番可愛いものね』

穂乃果『そうなの?』

絵里『あれ、私はそう聞いてたんだけれど』






凛『かよちんこっち!!』

花陽『凛ちゃん……っ』フワーン

凛『!!』




海未『――ふっ』ガシッ

凛『なっ……』

凛(園田海未さん……っ)


海未(ここで私がいれれば、逆転出来ます)





穂乃果『おおっ』パチパチ

絵里『すごいわね』
302 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:06:04.93 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『流石海未ちゃん!』


穂乃果『決めてー!!!!』


穂乃果『残り時間も少ないしいけるいける!!』



凛(なんであんなところから出てくるのっ! 絶対取れると思ったのにっ)

凛(ここで入れられたまずいっ、絶対止めなきゃ)



キュッ


海未(この生徒……バスケ部でしょうか。でも既にバスケ部の枠ではあっちの生徒がいたはず……)

海未(それなら、ミニバスの経験者かもしれませんね)

海未(でも……負けませんよ)


キュッ ドンドン


凛(っ、当たりつよっ……強引だなあっ……)


凛(誰も来ないっ、止められてる! なら凛が止めるしかっ)


海未(あと少し押し込めば――)


凛(でも、強引なだけじゃ、抜けないよっ!)シュッガシッ


海未「なっ!」

海未(ボールがっ……ここで抜かれてしまったら……)
303 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:07:00.60 ID:G6bJcKdo0
凛『ふふっ』シュン


海未(は、やっ……)




穂乃果『ああっ!!』

絵里『あらら……強引に行きすぎちゃったわね。なんだか海未らしいというか』

穂乃果『まだ海未ちゃんが抜かれただけだもんっ』

絵里『それにしてもあの子、経験者かしら』

穂乃果『うーん、やっぱりそうなんじゃない? あのバスケ部の子より活躍してるし』



凛(くっ、バスケ部の先輩かあ。二年生になるとみんな練習してるから上手いんだよね……)

キュッ パキッ

凛(やば、抜けない……)

凛(こうなったら……!)


凛『ふっ』シュート






穂乃果『わ、そこからスリー……』

絵里『ごく……』







ワァアアアアアア



凛『よしっ!!』ガッツポ
304 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:08:22.03 ID:G6bJcKdo0
花陽『凛ちゃんナイス!!』

凛『えへへ、遠くからのシュート得意なんだ!!』

花陽『昔からだよね!』

凛『うん!』

凛『残り時間も少ないし絶対守り切ろ!!』



◇――――◇



ことり『うぇぇん、みんなごめんね……』

ことり『ことりが変なことばっかりしちゃったから』


海未『仕方ありませんよ、私があそこで決められていればきっと勝てていました』

海未「やはり、あまり球技は……」


絵里『こういうこともあるわ、落ち込まないで』

ことり『うん……海未ちゃぁん』ギュッ



海未『はいはい。えっと……次は、絵里ですか?』サスサス


絵里『ええ、この時期の決勝戦に一年生がいるって結構珍しいわよね』


海未『そうですね……あの小柄な一年生……名前は覚えていませんがなかなかだと思います』


絵里『そうみたいね』


穂乃果『――星空凛ちゃんだって!』


絵里『さっきの娘?』

穂乃果『陸上部に入ってるらしいよ! そういえば一回話したことあった!』


絵里『陸上部ね。それにしては球技が上手いのね』


穂乃果『運動神経がいいんだろうね。絵里ちゃんと同じで』
305 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:09:29.17 ID:G6bJcKdo0
絵里『褒めても何も出ないからね』

絵里『――それにしても、あなたは私の知らない女の子と話しすぎじゃない?』

穂乃果『う……なんか最近声かけられる、っていうか……多分絵里ちゃんと付き合ったから……』

海未『この学校で絵里が有名だからですよ』

絵里『そうなのかしら……はぁ』


穂乃果『と、とりあえずがんばって! あの子に負けちゃダメだよ!!』


絵里『もちろん、私、球技は得意なの♡』




◇――――◇


凛『やっぱり球技よりもただ走る方が向いてるにゃー』


凛『なんにも考えなくていいからね!』


花陽『さっきは何回も助けてくれてありがとう……』

凛『助けるって最初に言ったもん。当たり前だよ!』


花陽『次は決勝戦だね! 相手は三年生だけど……』


凛『一人だけ出れるバスケ部の枠にはエースの人がいるみたいだし、それに……絢瀬絵里さんもいるにゃ』


凛『うーさっきのクラスでは明確な穴があったけれど、今回は結構厳しそうー』

凛『でもあんまり勝ち負けこだわらなくてもいいよね!』


花陽『……? 勝たないと、ダメなんじゃないの?』


凛『……? 楽しいなら、それでいいじゃん!』



凛『かよちんも、楽しくいこうね!!』
306 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:11:04.36 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇

穂乃果『がんばれー!!!』


絵里(穂乃果にいいとこ見せちゃお♡)



凛(上手い人が二人もいる)ウキウキ

凛『よーし、がんばるぞー!』




絵里『ふふ……』



◇――――◇


凛『はぁっ、はぁっ……』キュッキュッ



絵里『……』スッ




凛(さっきから、何度も何度も止められて抜かれて……)



凛(今度こそっ)


シュンッ キュイッ


絵里(ざーんねん)


ドンッ ガシッ



絵里(時には強引さもね♡)




凛『うっ、いた』ドテッ


凛(……またっ)

307 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:11:48.28 ID:G6bJcKdo0
花陽『凛ちゃん!!』




ピピピピピピ


凛『あれ、もう……終わり?』



絵里『あら』クルクル



絵里(40-6……うん、球技大会にしてはなかなかのスコアね)


絵里『お疲れ様』スッ

凛『……ありがとうございます』

絵里『ごめんなさい、最後ちょっと乱暴にしちゃって』

凛『いえ全然! 楽しかったです!』

絵里『そう、またする機会があったらよろしくね』ニコッ


凛『///』


凛(綺麗というか、可愛いって言うのかな……わかんないけど、とにかく凄い人だにゃ……)




穂乃果『絵里ちゃんお疲れー!』

絵里『ありがとう、見ててくれた?』

穂乃果『もちろん! かっこよかった!』




凛(あ、穂乃果先輩だ……)
308 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:13:16.58 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『ね、次は穂乃果が決勝戦だから見に来てね!』

絵里『もちろんよ、行きましょうか』



凛(次は男子が決勝戦なんだ)


花陽『お疲れさま凛ちゃん』

凛『ありがとー』

花陽『強かったね、私なんにもできなかったよ……』

凛『凛も似たようなもんだったよ』

凛『でもさーやっぱり上手い人とすると楽しいんだよね!!』

花陽『そっかー……すごいね』

凛『すごくないよ!』

花陽『教室、戻る?』

凛『せっかくだし男子の決勝戦見に行かない?』

花陽『あ、そうだね。見てみたいかも』

凛『決まり!』


◇――――◇


凛『どんななのかなー』

花陽『楽しみだね』



凛『ん、あれは』

凛『かよちん、ちょっとここで待ってて!』

花陽『う、うん』




凛『――あの』

ことり『? あ、えっと君は……』


凛『一年生の星空凛て言います』


海未『さきほど対戦した方ですよね』
309 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:14:08.06 ID:G6bJcKdo0
凛『はいっ!』

ことり『私、南ことりって言うの、よろしくね』

海未『園田海未です、よろしくお願いします』

凛(なんだかこの二人の存在感すごいにゃー……可愛い……)


凛『あの……穂乃果先輩って……これに出るんですか?』

ことり『うん、ほらもう整列してるよ』


凛『あ、ほんとだ』


凛(やっぱりあの人だけ背低いけど……大丈夫なのかな)


凛『穂乃果先輩って運動とかは……』


ことり『あ、心配してるの? そうだよね、背もかなり低い方だもんね』

凛『そ、そういうわけじゃ』

ことり『心配しないで、見てたらすぐ分かると思うよ♪』




ピーーッ



穂乃果(絵里ちゃんも見てるし、がんばろ♡)





穂乃果『こっち!!』
310 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:14:53.86 ID:G6bJcKdo0
ヒュンッ

ガシッ

穂乃果(よーし決めるぞー!!)


キュピッ ドムドム


クルッ……グッ

凛『おおっ……』


穂乃果『ほっ』ピョンッ


ファサッ


穂乃果『やった!!』




凛『すごいにゃー……』

海未『運動は得意なんですよ。体力もありますし、球技大会レベルなら大活躍です』


凛『そうなんですかー……』

凛(なんかちょっとかっこいいにゃ)

凛(はっ、かよちん置いてきちゃった!)


凛『じゃあ凛はこれで! また今度!』



花陽『あ、凛ちゃんどこ行ってたの?』

凛『ちょっとことり先輩達と話してきたの!』

花陽『へぇ……』

凛『それよりさ、穂乃果先輩ってすごいんだね!』

花陽『私もびっくりしちゃった』

花陽『さっきからいっぱい点決めてるし』




 ちょっとだけ興味を持った。ただこの時は本当にどんな人なのかなってだけ。
311 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:15:36.83 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇





凛『なんか最近みんなおんなじ話題ばっかりだね』

花陽『うん』


凛『絵里先輩と穂乃果先輩が別れたことでずっと話が出来るなんてすごいにゃ』

花陽『そんなに人の恋愛が気になるのかな?』


凛『うーん、凛は全然恋愛とかわからないから……』


花陽『私も……私達にはまだ早い、よね?』


凛『うん、そうだよねー』
312 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:18:22.41 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇


凛『穂乃果先輩ー!』

穂乃果『あ、凛ちゃん』


 穂乃果先輩とはあの球技大会以降、少しだけ話すようになっていた。凛がバスケしてるところも見てくれてたみたいでちょっと嬉しかったり。


凛『どうしたんですか?』

穂乃果『うん、ことりちゃんと海未ちゃん待ってるの』

凛『今日は友達が先に帰っちゃったんで、ここで待ってていいですか?』

穂乃果『うんもちろん!』

凛『ありがとうございます!!』


凛『穂乃果先輩って、勉強出来るんですか?』

穂乃果『全然!! 掛け算もわからないよ!』

凛『なんですかそれーー』

穂乃果『とにかく勉強はできない!』

凛『凛もです! 勉強するの本当に嫌で』

穂乃果『だよねだよね!! いらないよね!』

凛『今度またバスケしましょうよ!!』


穂乃果『いいね! 負けないよ!!』

凛『凛だって!』



ことり『――お待たせ』

ことり『あ、凛ちゃんだ久しぶりー』

海未『お久しぶりです。凛、元気でしたか?』

凛『はいっ』
313 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:19:37.72 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『二人とも凛ちゃんと知り合い?』

海未『ええ、時々話しますよね?』

凛『はいにゃ!』


穂乃果『あ、ねえねえ凛ちゃん。これから三人でご飯行くんだけど、よかったらどうかなあ?』

凛『え、でも……』

海未『いいですね、どうですか?』

ことり『うん、来なよー』

凛『……いいんですか?』

穂乃果『うん、じゃあ決まり!』


 この日は流されるがまま穂乃果先輩達とご飯を食べに行った。ちょっとは仲良くなれたかな?






 穂乃果先輩に、また別の彼女が出来たんだって。――あれ、絵里ちゃんと別れてから違う人と一回付き合ってすぐ別れて……まだ2週間も経ってないよね?

 穂乃果先輩モテるんだなあ。


ことり『また穂乃果ちゃん、告白されたんだね』


海未『やっぱり絵里と付き合ってから注目度が上がって、球技大会を見て興味を持つ人が増えたのでしょう』


 そう話す海未先輩の表情は、どこか暗い。



ことり『少し前より活発になってるもんね穂乃果ちゃん』

凛『前はもう少し大人しかったんですか?』


ことり『うん、そんなに目立つ方じゃなかったよ』
314 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:20:18.20 ID:G6bJcKdo0
ことり『また出来なくなるんだぁ……』ボソッ

凛『?』


ことり『な、なんでもないよ』



凛『――そういえば、なんでことり先輩だけ穂乃果ちゃんなんですか?』


ことり『ああ、えっとね可愛いから!』

凛『え?』

海未『ことりったら』

ことり『見た目、女の子みたいでしょ?』

凛『確かに』

海未『穂乃果がかわいそうですよ』

ことり『本当に嫌がってるならことりも呼ばないよ』


 確かに、穂乃果先輩が嫌がってるところなんて見たことない。……見せるわけないか。でもことり先輩は多分、それでも嫌がってないって分かってるんだよね。


 ――凛は嫌だな……。



 凛君なんて呼ばれたくない……。男っぽいのは自覚してるけれどそれでも。可愛くなんて……なれないし。




凛『……凛もことり先輩みたいに可愛かったらな……』ボソッ

 でも仕方ないよね。これが凛だもん。ずぅっとパンツスタイルでいくもん。

315 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:22:24.86 ID:G6bJcKdo0


◇――――◇


凛『穂乃果先輩! 卒業おめでとうございます』

穂乃果『ありがとう凛ちゃん!』


穂乃果『部活の先輩は大丈夫?』

凛『もうあいさつしてきました!』

穂乃果『凛ちゃんは高校どこ行くの?』

凛『うーん……まだ決めてなくて』

凛『穂乃果先輩は……あ、あそこでしたね!』

穂乃果『あはは……あんまり頭良くないからね』

凛『もしかしたら凛もそこ行くかもしれないですー』

穂乃果『いいね! 来てよ来てよー!』

ことり『あ、凛ちゃーん』

凛『ことり先輩!』

ことり『凛ちゃんは音ノ木に来なよー』

凛『凛の頭じゃ……』

ことり『そんなに頭良いとこじゃないよ?』

凛『それ以上に……』

ことり『あ、諦めないでっ』

316 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:24:29.01 ID:G6bJcKdo0
凛『友達がそこ行くって言ってるんですけど、どうしようかにゃ……』

ことり『花陽ちゃんて子?』

凛『そうです!』

ことり『ことり待ってるからねー』

ことり『穂乃果ちゃん海未ちゃんが待ってるからいこ?』

穂乃果『うん、じゃあね凛ちゃん! またいつか会おうね!』


凛『はーい!』


 やっぱり寂しかった。陸上部の先輩達ともう会えないのもそうだし、せっかく仲良くなっあ穂乃果先輩達に会えないのも。


花陽『凛ちゃん探したんだよ』

凛『ごめんにゃー』

 高校、どうしようかな……。
317 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:25:20.66 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇



凛「絵里ちゃん、凛のこと覚えてなかったでしょ?」

絵里「お、覚えてたわよ!」


絵里「…………どこかで話したな……って」

希「それ覚えてないのと同じやん?」

花陽「……私のことは?」


絵里「…………」


絵里「ごめんなさい」


凛「絵里ちゃん最低にゃ!!!」

花陽「だ、大丈夫だよ凛ちゃん! だって話したことなかったもん!!」

凛「あ、あれそうなんだ」

絵里「そうよね! 話したことなかったわよね! よかった……」


にこ「ねー早く続き話してよー。球技大会の話しかしてないじゃない」


ことり「球技大会、懐かしかったからね」アハハ


凛「ちょっと待つにゃ。えーと……」

318 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:28:57.88 ID:G6bJcKdo0


◇――――◇


花陽『凛ちゃん、私その日は応援言ってあげられないけれど、がんばってね!!』








凛『――ふぅ」』

凛『風が気持ちいいにゃー』


 心地の良い秋の風に吹かれながら、トラックを見つめる。もう少しで出番だ、引退前最後の陸上の大会、どれだけ楽しめるかな。


 ここで良い成績を残したとしても、あんまり大きくない大会だから次はない。



凛『勝てなくても、まあ仕方ないかな』


凛『出来れば勝ちたいけどー』


 部員のみんなには勝つよーって言ってある。そう言っておかないと、反感買っちゃうし……。でも凛は本当に絶対勝ちたいって気持ちはなくて……分かってもらえないよね。
 ただ楽しみたい、みんなと走りたいってのはだめなのかな。




凛『よしっ』

 トラックに向かう。


凛『え……』



凛『――穂乃果先輩!?』



穂乃果『……あ』


 応援席に居たのは……仲の良かった先輩。どうしてこんなところに……。
319 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:30:03.36 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『がんばってー!!!!』


 手を口に当ててそう叫んでくれた。どうして来てくれたのかはわからないけれど、うん、とっても嬉しい。

 早くスタートのとこに行かなきゃ!!



◇――――◇


 結果として、音中は2位に終わった。

 凛の、せいだ。アンカーで追い抜けていれば。


 様々な思いが、今まで感じたことのなかった想いが溢れてきてみんなの前で泣いちゃった。まるでちっちゃな子供みたいに。


 みんなは帰って、凛は一人競技場の周りを歩いていた。思えば色んなことがあった。


 その全部を部員の想いを無駄にしてしまったことになる。優勝で終わりたかったな。


穂乃果『――凛ちゃん』

凛『!!』

 後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

凛『穂乃果、先輩……』

穂乃果『お疲れさま!』

穂乃果『はい、これ!』



 手渡されたのは、とびきり甘いコーヒーだった。普段コーヒーなんて飲まないけれど、この商品だけは知っていた。
320 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:35:18.26 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『疲れたでしょ? 甘いものって疲れ取るんだってさ』

凛『ありがとうございます』


 そっか、穂乃果先輩見ててくれたんだ。穂乃果先輩の前で恥かいちゃったにゃ。


凛『今日は……変なとこ見せちゃって……』

穂乃果『大丈夫だよ、悔しかったなら当たり前』

凛「友達と来てたんですか?」

穂乃果「そうだよ、誘われちゃって」


穂乃果『凛ちゃん、胸張って? 頼もしい後輩がいるんだーってみんなに自慢しちゃうね』


凛『や、やめてください凛なんて……』ブンブン

穂乃果『……』


穂乃果『ねえねえ、疲れてるかもしれないけれどこの後空いてない?』


凛『え? 空いてます、けど……どうして?』


穂乃果『それじゃあ、ラーメンでも食べに行こ!』
321 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:36:01.29 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇



 ふたりっきりってのは初めてだったかなあ。今までも穂乃果先輩とご飯を食べに行くことはあったけれどそこには必ずことり先輩か海未先輩がいたような気がする。


凛『本当にいいんですか、奢ってもらっちゃって』

穂乃果『先輩だからねっ!』

凛『おいしかったにゃぁ……』

穂乃果『こってりしたラーメン大丈夫なんて、ちょっと嬉しい』

凛『?』

穂乃果『だってまた一緒に来れるかなあって。ことりちゃんとか海未ちゃんとかこういうのあんまり好きじゃないって言うし、高校の友達も毎回予定合うわけじゃないし』


凛『また来ましょ!』

穂乃果『うん』

穂乃果『じゃ、いこっか』

322 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:37:02.85 ID:G6bJcKdo0


◇――――◇



穂乃果『家どっちだっけ?』

凛『あっちの方です』

穂乃果『送っていこうか?』

凛『え、でも……』

凛『じゃあお願いします』

穂乃果『うん!』


凛『――高校楽しいですか?』



穂乃果『うん! 色んな行事とかあるし、やっぱり楽しいよ!』

凛『へぇ、楽しみ』

穂乃果『凛ちゃんは高校でも陸上やるの?』

凛『……それはまだ』

穂乃果『そっか……』

穂乃果『今日のこと、あんまり気にしちゃダメだよ?』
323 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:40:09.83 ID:G6bJcKdo0
凛『え……』


穂乃果『凛ちゃんはがんばってたよ、必死だったよね? なんかね、凛ちゃんがあんなに必死になってるの初めてみた気がするんだ』


穂乃果『もちろん陸上の大会を見たのは初めてだけど、球技大会の色んな種目出てたでしょ? その時も勝ちたいって必死になるってより……楽しんでるって感じだった』

穂乃果『きっと陸上もそうだったんじゃないかなあ、って』


凛『……』

凛『なんで、わかるの?』


穂乃果『……当たってた?』


凛『……違うよ。楽しんでたんじゃ、ない』

穂乃果『え……?』

凛『凛は逃げてただけ。みんなのために勝ちたいって気持ちから逃げて、楽な方向に自分が楽しめればいいやって思ってただけ』


凛『……最初から勝ちたいって思って練習してれば、きっと勝てた。そう思えなかったから……本気で勝ちたいって思ってる人に勝てなかった』





凛『――凛は勝ちたかったよ!! みんなのためにも勝ちたかった……!!』


324 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:41:27.06 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『自分が楽しむことは、悪いことじゃないと思うよ。でも凛ちゃんの言う通り、勝ちたいって思うこともすっごく大切だと思う』


穂乃果『でもね勝ちたいって気持ちだけじゃきっと勝てない。……今の凛ちゃんはどっちも知ってるよね。なら次、何か熱中出来ることが見つかった時、心の底から楽しめるんじゃないかな』


穂乃果『……ごめんね、なんか上から言っちゃって』

凛『ぅ……ぅぅ……』



穂乃果『……』


凛『うわぁぁんっ……っ』

ギュッ

穂乃果『ひゃっ……』


凛『ひっぐ、ぐすっ……うううぅ』


穂乃果『え、あ……ごめんね!?』


穂乃果(多分穂乃果が泣かせたんだよね!?)

穂乃果『大丈夫、凛ちゃんきっと今日で強くなったよ』ナデナデ



穂乃果『だからね気負いすぎないで? 穂乃果、無責任なこと言っちゃってるかもしれないけれど……笑ってる凛ちゃんが好きだな』




穂乃果『本当に、お疲れさま』

325 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:42:17.16 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇

凛『あ、あの……ごめん、なさい……』

穂乃果『ううん、大丈夫だよ』


 どうしよう、いきなり泣いちゃってしかも抱きついちゃって……もう自分でもわけがわからないにゃぁ……。

 絶対変な風に思われたよね。

凛『凛、わけわかんなくなって……』

穂乃果『うん、そういうときもあるよ』

凛『――変われますかね』

穂乃果『?』

凛『人のために何かしたいって思ったとき、何もできないなんて嫌だから』

穂乃果『……うん、きっと』ニコッ


凛『……///』

 あ、あれぇ……なんだか顔が熱いような。それに、なんだろう……緊張というか、ドキドキ……っていうのかな。

穂乃果『どうしたの?』

凛『え、いやなにも!!』

穂乃果『?』
326 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:42:53.19 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『じゃあ穂乃果はこれで! じゃあね!』


凛『あ、あのっ!』

穂乃果『どうしたの?』

 顔、熱い。燃えてるみたい、だにゃ……。穂乃果先輩の顔見てると、どうして……?

凛『また、一緒にラーメン……食べ行ってもらえます……か?』モジモジ//

 さっきまではこんなことを言うのなんて、全然恥ずかしくなかったのに、どうしてか今は言葉が詰まってなかなか出てこない。

穂乃果『うん、もちろん! また行こうね!』

凛『……//』

穂乃果『それじゃあおやすみなさい!』

凛『おやすみなさい……にゃ』


 このときもまだ、自分の感情はよくわからなかった。
327 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:43:32.89 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇

凛『なんだったんだろう』



 鏡を見て、さっきの自分の身体に訪れた異変を探る。熱とかないみたいだし……急にドキドキして、急に真っ白になって……。穂乃果先輩にナデナデしてもらったことを思い出すと、また顔が熱くなってきた。あ、顔すっごく赤い!! なにこれ、凛じゃないみたいっ。鏡に向かい続けるのがなんだか恥ずかしくなっちゃって、部屋に向かった。



凛『――凛どうしちゃったんだろ……』



 寝室のベッドに身体を投げて宙を見つめる。
328 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:44:11.04 ID:G6bJcKdo0


 今日穂乃果先輩と会えて良かったな……。自分のこと見つめ治せたし。この先陸上を続けるかはわからないけれど、もし他に熱中することがあるのなら……本気で楽しみたい。勝ち負けがあることなら本気で楽しんで、勝ちたい。今はなにができるかわからないけど……。





ヴヴヴ

凛『メール……穂乃果先輩から』

 文面を読んだわけじゃないのに、自然と顔が熱くなり胸が高鳴る。久しぶりにするメール、だからかな?


穂乃果【今日はお疲れさまー! 今度またどこか行こうね!】


凛『……先輩』//



◇――――◇




穂乃果『なんか……女の子の身体に触れたの久しぶりだったなあ……//』

穂乃果『ことりちゃんや海未ちゃんとなんて全然会ってないしなー……』




穂乃果『凛ちゃんちょっと、可愛かったかも……』


穂乃果『……』//

穂乃果『また会えるかなあ?』

329 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:45:18.43 ID:G6bJcKdo0


◇――――◇



凛『……』ポー

花陽『おーい』

花陽『大丈夫?』

凛『え、うん』

凛『……』


花陽『携帯よくみるね? 先生に見つかったら取られちゃうよ』

凛『大丈夫大丈夫』

凛(メール帰ってこないなあ)

花陽『部活終わって、どう?』
330 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:45:45.59 ID:G6bJcKdo0
凛『ん……ちょっとだけ暇だにゃ』

花陽『勉強しないとだね』

凛『いいよ凛は』

花陽『ええ……一緒の高校行くんじゃないの……?』

凛『うーん……行きたいけど』


凛『……がんばればいける、かな?』

花陽『凛ちゃんなら出来るよ!! 一緒にがんばろ?』

凛『うん……分かった、凛も音ノ木行くよ!』

花陽『がんばろうね!』

ブブブブ

凛『ん』


穂乃果【ねえ今日ラーメン食べいこー? 前と違うとこ!】

凛『にゃぁあ!!!』

花陽『ど、どうしたの!?』

凛『う、ううんなんでも……』

331 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:46:25.63 ID:G6bJcKdo0

◇――――◇

秋葉原駅周辺




穂乃果『お待たせー』

凛『あ、先輩!』

穂乃果『ごめんねー急に誘って』

凛『り、凛も暇だったんで!』//

 ほら、やっぱり凛おかしいよ。穂乃果先輩の顔見ると……緊張、する。

穂乃果『なんてとこ行くんだっけ?』


凛『凛がよく行くお店なんですよ! ここは結構近いですし!』

穂乃果『へえ楽しみだなー!』


凛『穂乃果先輩って電車で行ってるんですか?』

穂乃果『うん』

凛『じゃあここでいつも降りてるんですよね?』

穂乃果『そうだよー』


 無意識のうちだったと思う。ここで待ってれば高校から帰ってきた穂乃果先輩に会えるってことを確認したのは。
332 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:47:21.28 ID:G6bJcKdo0


 人混みのなか、並んでラーメン屋さんに向けて歩く。一週間前に二人でラーメン食べたばっかりなのに、また誘ってくれるなんて穂乃果先輩も結構好きなのかな?


凛『……//』


穂乃果『……凛ちゃん、今日あんまり喋らないね?』

凛『にゃ!? そ、そうですか?』

穂乃果『迷惑だった……かなあ?』

凛『いえ全然! 本当に誘われて嬉しいです!!』


凛『あともう前のことも気にしてませんからっ!!』

穂乃果『元気になってくれたなら良かった!』

凛『穂乃果先輩のおかげです!』

凛『あとかよちんの……』


穂乃果『花陽ちゃん、だっけ?』

凛『はい。凛、かよちんのためにこれからも走ろうと思います!』


凛『この前かよちんにも色々励まされて、やっぱり凛かよちんのこと大切なんです! かよちんのためにも変わるために今はなにをしていいかわからない、だからとりあえず走ろうって!』


穂乃果『凛ちゃんらしいね? 穂乃果も応援するよ!』


凛『えへへ……ありがとうございます!!』
333 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:48:22.80 ID:G6bJcKdo0


◇――――◇

凛『あの、穂乃果先輩の家そっちじゃ……』

穂乃果『ん、送ってくよ?』


凛『でも遠回りに……』

凛『本当に、いいんですか?』


穂乃果『凛ちゃんと話してると楽しいしねー!』

凛『……///』



 もうずっとだ。さっきからさっきから穂乃果先輩と話すだけで目が合うだけでドキドキが止まらない。顔はきっと真っ赤になりっぱなし。


 ――もしかして、凛……穂乃果先輩のこと好きなのかな……?


 待って、好き、ってなんだろう? 凛そんなの経験したことないし、わかんないよ……。



凛『あの、穂乃果先輩……』

穂乃果『なあに?』




凛『――人を好きになるって、なんですか?』
334 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:49:36.92 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『え!?』


凛『……///』

穂乃果『いきなりどうしたの凛ちゃん?』

凛『あ、いや……その友達がね……彼氏とかできたりしてて……凛はそういうの全然わからなくて。あの、穂乃果先輩なら教えてくれるかなって』

モジ…モジ



穂乃果(どうしよう、なんか今日の凛ちゃんすっごい可愛い……//)


穂乃果『ほ、穂乃果もそんなよくわからないよ? でも好きって……多分その人のこと考えてるだけで楽しいとかしあわせとか……たまに苦しかったりすることだと思う。その人のことでとにかくいっぱいいっぱいになっちゃうことかな』


凛『穂乃果先輩はいっぱい好きになったことあるんですよね?』


穂乃果『いっぱい、なのかなあ』


凛『絵里先輩の時もそうだったんですか?』

穂乃果『……うん』


穂乃果『あの時は確かに絵里ちゃんのことでいっぱいいっぱいだったよ』

穂乃果『凛ちゃんも、いつかわかるかもね?』

凛『そうなのかな……』


穂乃果『――ついたよ』

凛(え、もう……?)


穂乃果『じゃあまた今度ね?』


凛(……もっと話したい)


凛『あの……次はいつ、会えますか……?』///


穂乃果『え?』



凛『あ、いや……その、先輩と話すの楽しいなあって』
335 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/11(木) 23:51:03.76 ID:G6bJcKdo0
穂乃果『……明日は?』

凛『へ』

穂乃果『良かったら明日の放課後、適当に遊ばない?』

凛『は、はい!』

穂乃果『ふふっ良かった。穂乃果も最近凛ちゃんとメールしたりするの楽しいなーって思ってたんだー』

凛『えぇ//』



穂乃果『じゃあ明日! 今日帰ったら連絡するね』

凛『はいっ!』


 またにこって笑いかけてくれる穂乃果先輩。もう直視すら出来ないほど凛はおかしくなってて、俯いたまま手を振った。足音が遠退いていくと、急に胸がきゅぅって締め付けられるような感覚が襲ってきた。



凛『もしかして凛、穂乃果先輩のこと好きなのかな……』


 久しぶりに再会してからたった1週間だけど毎日メールはしてたし、確かにずっと穂乃果先輩のことばかり考えていた気がする。かよちんにもなんだか気がぬけたみたいって何度か注意だってされたしね。それに……次いつ会えるかなんてことまで……訊いちゃった。だって今日穂乃果先輩と話してるの本当に楽しかったし、時間が過ぎるのも早かった。


 だからなのかな……こんなに一人になると寂しいのは。穂乃果先輩言ってた。その人のことばかり考えちゃっていっぱいになって、時々苦しくなる。


凛『――凛、穂乃果先輩のこと好きなんだ……』



 ふらふらと突然やってきて凛の中に根をを下ろした恋心は、急速な速さで成長してしまったらしい。



 凛はこれから、どうすればいいんだろう。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/13(土) 04:47:11.14 ID:ZUmsQ4Szo
他の人と付き合ってるときはちゃんと遠慮はしてるのか
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/19(金) 05:04:01.88 ID:ViimixJC0
まだかなぁと続きが待ち遠しい
338 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:19:08.29 ID:fxLQUBv90

◇――――◇

凛『付き合う……付き合う……?』


凛『付き合うって、なんだろう』


凛『ねえねえかよちん、付き合うって、どういうこと?』

花陽『凛ちゃん?』

凛『なんか気になって』

花陽『珍しいね?』


凛『うん』

花陽『えっと……好きな人同士が想いを伝え合って……深い関係になろうとするのが付き合うってこと、かな?』

花陽『ごめん、私もわかんないや……』

凛『凛たちそういうのわかんないもんね……』

花陽『……本当に最近どうしたの?』

凛『ううん、なんでもないよっ!』


 普段なら真っ先にかよちんに相談していたと思うけれど……なんでだろう穂乃果先輩のことは恥ずかしくて、言えなかった。



 付き合うかあ……。穂乃果先輩のこと、凛は多分全然知らない。凛、もっと先輩のこと知りたいよ。これも付き合いたいってことになる、のかな。
339 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:19:51.41 ID:fxLQUBv90

◇――――◇


穂乃果(凛ちゃん、どうしてあんなこと聞いてきたのかな……)

穂乃果(……やっぱり凛ちゃんといると楽しい、かも……)


ドキドキ

穂乃果(穂乃果……凛ちゃんのこと、好きなのかな……)

穂乃果(もうちょっとでわかりそうな気がする)

穂乃果(今日、楽しみだな)エヘヘ




穂乃果『え!?』ガタッ




穂乃果『すみません聞いてませんでした……』
340 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:20:29.73 ID:fxLQUBv90

◇――――◇

ゲームセンター


凛『むー』


穂乃果『猫のぬいぐるみかあ』

凛『ちぇ、取れなかったにゃ……』

穂乃果『穂乃果が取ってあげるよ』

凛『いいんですか?』

穂乃果『まっかせて!』


穂乃果『…………』


 ボス

凛『わ!』

穂乃果『よしっ!』

穂乃果『はいどーぞ!』

凛『やった! ありがとー先輩!!』


凛『えへへ……//』


穂乃果『……』キュン

凛『部屋に置いときますね!』

穂乃果『うんっ』

穂乃果『ん、もうそろそろ時間じゃないかな?』

凛『もう……』

穂乃果『とりあえずでよっか』

凛『はい』


スタスタ
341 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:21:13.21 ID:fxLQUBv90
穂乃果『――凛ちゃんてさ、彼氏とかいないの?』

凛『り、凛に!?』

凛『い、いるわけないですよ!! 出来たこともないですし、あはは……』

 ――いつもなら、これで違う話になったりフォローされたりして凛はすぐ違う話を振っていた。だって恋愛なんてよくわからないし……。でも今日だけは違ったんだ。もし。


 ――穂乃果先輩に彼女がいたら?

 もう両想いで、二人で深い関係になろとしている人がいたら?


 不意に浮かんだ疑問は、凛の心を一瞬にして追い込んだ。苦しい、気になる……気になるけれど、もし彼女がいたら……。


 ダメだ、逃げちゃダメなんだ。肝心なことから逃げたら……またこの前みたいになる。小さく深呼吸をして、精一杯の笑顔で穂乃果先輩に問いかける。



凛『――穂乃果先輩はどうなんですかー?』

穂乃果『ん、穂乃果? えっとね』





穂乃果『――いるよ、彼女』


凛『え』
342 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:21:43.63 ID:fxLQUBv90
凛『……』



凛『そ、そうですよね。あはは、モテますもんねー!』



穂乃果『――嘘ー!!』


凛『へ……?』


穂乃果『嘘だよ? 彼女なんていないよ、高校じゃ出来てないもん』


凛『もうっ!!! 酷いにゃー!!! 先輩の馬鹿ー!!』

穂乃果『あはは、ごめんごめん』

凛『もう……』


 良かった……いないんだ、彼女。

 じゃあ凛がなれる可能性もあるってこと、だよね……?


 告白、告白……しなきゃ。

343 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:24:36.32 ID:fxLQUBv90

◇――――◇

帰り道


穂乃果『あの……さっき嘘ついたことでそんなに怒ってるの?』

凛『怒ってないです』

 どうやって言えばいいの? わかんないよ、告白ってなに? 凛、穂乃果先輩のことは、好きだよ。最近先輩のことしか考えてないし、こんなに苦しいよ?

穂乃果『……』

穂乃果(嫌われちゃったかな)



 それを言葉で伝えれば告白になるの? 好きですって言えばいいの……? まだ早いかな? 穂乃果先輩、凛のことなんて全然興味ないかな?



穂乃果『――家ついたよ?』

凛『え』


 そのことを考えているだけで、どうやら家までついてしまったらしい。穂乃果先輩はまた今度ねって笑ってる。今……言わなきゃ……多分もう絶対言えない。


凛『ほ、穂乃果先輩!!』

穂乃果『……?』

凛『あの、あの……っ!!』



 溢れ出て来たのは言葉ではなく、涙だった。喉の奥につっかえている言葉を出そうとすればするほど、嗚咽だけが漏れていく。




 そういえば凛、忘れてたよ。自分が泣き虫だってこと。かよちんも泣き虫だからかよちんと一緒にいると自分がそうだってことを忘れてしまっていた。感情が極端に昂ぶってしまうと、凛はこうなっちゃうみたい。



凛『ぅぅ……っ、ごめん、なさぃ……』
344 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:25:20.31 ID:fxLQUBv90
凛『言いたいこと、あるのに……っ』

 穂乃果先輩が凛の頭に手を乗せて、落ち着いてって覗き込んでくる。



凛『うぅぅ、気がついたら穂乃果先輩のことばっかり考えてるし、それでいっぱいになってて、時々とっても苦しく、ぅ、なるんです』

穂乃果『……』


凛『――ひっぐ……ぅ、凛……穂乃果先輩のことが、好きです』


 顔を手で覆ってぐしゃぐしゃになってしまっていることを必死で隠す。先輩にこんなところを見られるのは三度目だから、きっと面倒って思われてるに違いない。泣き止まなきゃ、先輩のこと苦しめるだけ。

穂乃果『そっか、凛ちゃんが穂乃果のことそんな風に思ってくれてたなんて……嬉しいな』

 その声はとっても優しい。凛の頭を撫でるのも続けてくれてる。凛、多分本当に面倒くさいと思うのに……どうして先輩はこんなに。


穂乃果『――実は穂乃果もね、凛ちゃんのこと好きなんだ』


 時間が止まった。

 今……な、なんて言ったの……?


穂乃果『両想いだったんだね。じゃあ穂乃果と付き合ってくれる?』
345 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:31:40.57 ID:fxLQUBv90


◇――――◇

希「うわー……青春?」

絵里「そうね……」

希「だってだって、凛ちゃんが先輩先輩! って言いながら寄ってくるんでしょ?」

希「……」

凛「な、なに?」

希「最高……」



凛「ぅ……なんか嫌にゃ」


ことり「穂乃果ちゃんと付き合うまで、結構短かったんだね?」

凛「そうだね。2週間くらいかにゃ?」

にこ「積極的ね」

凛「ち、違うよー! 本当にどうしていいのかわからなかったし……」

花陽「私に話してくれれば良かったのに」

凛「なんか恋愛関係の話だけは恥ずかしくて……」

花陽「で、それからは?」

凛「にゃ?」

ことり「付き合ってからはどんな感じだったのー?」

凛「ま、まだ話すのー!?」

絵里「当然よ、まだまだ時間は沢山あるんだから」
346 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:34:11.28 ID:fxLQUBv90

◇――――◇




穂乃果『うーんいないなあ』

凛『穂乃果ちゃーん!』

穂乃果『あ、待ってたよ!』

凛『えへへ、高校の文化祭なんて初めて来たにゃ!』

穂乃果『凛ちゃん達の文化祭行けなくてごめんね? ことりちゃん達に誘われてたんだけど』

凛『ううん、大丈夫! 久しぶりにことり先輩と海未先輩達と話せて楽しかったもん!』

穂乃果『凛ちゃんのクラスはなにやったの?』

凛『メイド喫茶だよー』

穂乃果『え!? てことは凛ちゃんメイド服着たの!?』

凛『あ……凛は着てないんだ。そういうヒラヒラしたのとか似合わないし……』

穂乃果『そうなんだー……』

穂乃果『穂乃果達はおばけ屋敷だよ! 後で入ろうねー』

凛『ええ……驚かす方が得意だよー』

穂乃果『そんな感じするよね』
347 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:34:49.68 ID:fxLQUBv90
穂乃果『じゃあ早速まわろっか』

 そんなに大きくない校舎の中にごった返す人混み。うわー、なんだか高校の文化祭ってすごいにゃー……。なんか色々なお店とかあるし!

 凛がキョロキョロしながら穂乃果ちゃんの横で歩いていると、穂乃果ちゃんは誰かに声を掛けられて立ち止まった。
 この高校の制服を着た、とっても可愛い二人組みだった。どちらも艶やかな黒髪を長く伸ばして、清楚な雰囲気が漂ってる。

 10秒くらい三人で話していた後、二人組みのうちの一人が凛へ視線を向けた。

「その子、噂の彼女?」

 え!? 穂乃果ちゃん何話してるの!? 凛は恥ずかしくて誰にも言ってないのにぃ……。

「うわー可愛い、中学生なんだ。やるね」

穂乃果『な、なにそれ……はは』

 二人組はニヤニヤしながら凛と穂乃果ちゃんに視線を交互に向けた。
 そして気が済んだのか、凛に楽しんでねと一言言って人混みの中へ消えて行く。

凛『凛と付き合ってること、色んな人に話したの?』

穂乃果『えっと、知ってる人には……。でも名前とかは言ってないから』

凛『ことり先輩とかにも?』

穂乃果『ううん、そこはまだ――』

凛『あのね穂乃果ちゃん……凛が穂乃果ちゃんと付き合ってることあんまり言ってほしくないんだ』

穂乃果『どうして?』
348 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:39:33.27 ID:fxLQUBv90
凛『凛がそういうの、あると……からかわれちゃいそうで……』

穂乃果『そんなことないと思うよ?』

穂乃果『でも……うん、そうだよね。下手に広げることでもないもんね。わかった、もう言わないよ』

凛『ごめんね?』

穂乃果『いいって』

穂乃果『あ、クレープだ! 食べる?』

凛『うんっ!』


◇――――◇

 そのあとも穂乃果ちゃんは色々な人に声をかけられていた。背の高いイケメン、ギャルみたいな人、さっきみたいな清楚な子、あんまり目立たなそうな人。穂乃果ちゃんは声をかけられるたび凛が彼女なのかってことを聞かれて、ほとほと困っていたみたい。ただの後輩だよーと否定してくれたけれど。


凛『にゃっ!!!』ギュッ


穂乃果『だ、大丈夫大丈夫』

凛『は///』

 手もこの前初めて繋いだばかりなのに、こんなにくっついていいのかな? うぅ、付き合う前はもっとスキンシップ取れてたような気が……。

 おばけ屋敷の暗闇の中、穂乃果ちゃんに密着しながら進んでいく。穂乃果ちゃんもちょっとは怖いみたいで時々びくっとするのが面白かったりする。


凛『きゃっ!!!』ギュッギュッっ

穂乃果『///』

 ま、また抱きついちゃったにゃぁ……。でも、楽しい。穂乃果先輩と付き合えて、良かったな……。
349 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:43:22.73 ID:fxLQUBv90

◇――――◇

クリスマス



 かよちんにはいつ言おうかな。

 やっぱりお世話になってるし、言わないとダメだと思う。かよちんにだけは隠し事はなしにしたいから。でも……うーん。


穂乃果『綺麗だね』

凛『うん……』


 穂乃果ちゃんと付き合い初めて三ヶ月くらいが経っていた。辺りはたくさんの光が作りだすイルミネーションに包み込まれている。ほおっと息を吐くと白くなったと同時にそれも光に照らされてちょっとだけ綺麗、なんて。

 手を繋ぐのもちょっとだけ慣れてきた。穂乃果ちゃんはすぐ慣れちゃったみたいでちょっと悔しい! 凛はこんなにドキドキしてるのになあ。



穂乃果『あれ本当のもみの木なんだって!』

凛『お話とかに出てくるやつでしょ!』

穂乃果『そうそう!』

凛『おっきいにゃぁ……』

穂乃果『……』

 周りはカップルばっかり、凛たちもカップルだけどここみたいに本格的なデートスポットっていうのに来るのは初めて。そのせいか穂乃果ちゃんも少し緊張してるみたいで、口数がいつもより少ない。


 凛、穂乃果先輩と一緒にいるだけで本当に楽しくて、幸せなんだよ。口でも時々言うけれど、恥ずかしくなっちゃって途中で自分でも何を言ってるかわからなくなっちゃうんだ。

 だからこういう手を繋ぐ機会がある時は精一杯伝えようってがんばるの。だって凛が口下手なことは……告白した時にわかってるからね。


 穂乃果ちゃんへの、凛の中の好き……ちゃんと伝わってるのかな?
 
穂乃果『……凛ちゃん?』

 もっと伝えたいな。凛ね、こーんなに穂乃果ちゃんのこと好きなんだよって。



 そう思ったら、自然と穂乃果ちゃんの唇に自分の唇を重ねていた。
350 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:45:01.53 ID:fxLQUBv90

◇――――◇


ことり「きゃーっ!!!」

海未「やはりその時ですよね」

ことり「ことりと二人で居たよねその時?」

海未「ええ、ことりは気がついていないようでしたので」

ことり「言ってよぉ、そっかあだからあの時の海未ちゃんはいきなり暗〜い表情になっちゃったんだね」

海未「し、仕方ないではありませんか!///」

凛「恥ずかしいよぉ……」

絵里「ねえねえ続きは?」

凛「……」

絵里「……?」

凛「そのちょっと後に別れちゃったんだ」

絵里「そ、そうなの……」

凛「これは話したくないから……ごめんね?」

絵里「ううん、こっちこそごめんなさい」



凛「じゃあ次は絵里ちゃん!! 絵里ちゃんの本性見せるにゃー!」

絵里「ええ!?」
351 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:46:00.25 ID:fxLQUBv90

◇――――◇


1週間後


 穂乃果ちゃんとの亀裂が走ったのは、クリスマスが終わってすぐの頃だった。時々どちらかの家に遊びに言ったりするんだけれど、その日は凛の家に穂乃果ちゃんが来ることになっていた。


 いつも通り、いつも通りに楽しくおしゃべりして一緒に寝て……ってはすだった。。一緒にベッドに入るところまではいつも通り。でもその日の穂乃果ちゃんはなんだか口数が少なくて凛がくっついても嬉しくなさそうだった。


 どうしたのかなー? って覗き込もうとした時、穂乃果ちゃんが急に起き上がって凛の両肩を抑えつけた。その時の表情は忘れられない。息も荒くて、なんだか……凛じゃない何かを見ているみたいだった。


 片方の手が肩からお腹へ移動する。どうしたのどうしたのって聞いても答えは返ってこない。ごくりという唾液を飲む音が、嫌に耳に響いた。そしてお腹をさすっていた手は――胸に。


 本当にわけがわからなかった。左胸を乱暴に触られて、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんじゃなくなったみたいになってしまっていた。
 怖くなった。何をされるのかわからなくて、凛は――突き飛ばした。


 少し距離を取ったことで穂乃果ちゃんは冷静さを取り戻したみたい。必死で謝ってきたけれど、凛は……怖かった。また泣いてしまった。
352 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:48:26.02 ID:fxLQUBv90

 それが確かな亀裂になった。しばらくギクシャクしているうちに凛は穂乃果ちゃんの周りを観察してみた。そうしたらね、穂乃果ちゃんの周りには魅力的な人がたくさんいたんだよ。男の子だって、女の子だって。可愛い女の子もいたから……凛じゃダメなんだって思った。凛なんかじゃ穂乃果ちゃんの望みを叶えてあげることはできない、自分だけ幸せになってるだけなんだって気がついた。


 別れはメールで済ませた。会うのが怖かったの。一方的に送って穂乃果ちゃんからのメールや電話は全て無視して。……最低だったと思う。変わりたいって言ったのに、凛は最後まで逃げてしまったんだから。


 思い返せば、凛は男の子にとって魔法の言葉を言っていた。――今日親いないんだーって。なにも知らず、なにも考えず、穂乃果先輩にいいよって言ってしまってたんだと思う。当時の凛はわからなかったけれど、穂乃果ちゃんだけが悪いんじゃなくてなんにも知らない凛も悪かったんだ。えっちってなにをするのかも知らなかったんだから……。




「お待たせしましたー」



 昔のことを思い出していると、凛の大好きなこってり醤油とんこつラーメンが運ばれてきた。数は一つ、なんたって今日はカウンター席に一人だからね! 最近は一人で来ることもなかったからなんだか新鮮な気分! だって今日誘っても誰もこなかったんだもん、練習疲れたーって。ノリ悪いにゃぁ。あと、なんだか最近みんなが凛を見てニヤニヤするって言うか……変な表情をすることが多いんだ。なんなんだろう。



 スープを一口。んー……美味しい! この濃い味が合宿疲れに染みるにゃ。
353 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:49:56.42 ID:fxLQUBv90
 真夏の合宿はすっごく疲れたけれど、µ’sに入って良かったなあって本当に思う。色んなことから逃げ続けた自分を変えたかったから。ことりちゃんに頼んで女の子らしい服装にだって挑戦するつもり。かよちんは肝心なところで逃げなかった、それを見てたら羨ましくなっちゃって凛もµ’sに入っちゃったんだよね。


 ――まさか穂乃果ちゃんがいるだなんて想像もしていなかったけどね!!


 屋上で穂乃果ちゃんに再会した時、忘れようって、このままお墓まで持っていこうって決めていた気持ちが……溢れ出てきたの。顔を見た瞬間、好きだって思った。自分の気持ちに、嘘はつけなかった。自分勝手だよねってやっぱり思うけれど、諦めたくなかったの。

 凛は穂乃果ちゃんと別れた後、一人で少しずつえっちなことの勉強をしてた。パソコンに向かって顔が真っ赤になりながら、色んなことを学んだ。――穂乃果ちゃんを諦めたくないって、思っていたからなのかもね。

 今なら穂乃果ちゃんのしたいこと、させてあげられるのになぁ……。でも凛の身体色々ぺったんこだから自信ないし、しかもあんなライバル達が出てくるんだもん、タイミング悪いや。


 ずずずと固めに頼んだ麺をすする。そういえば周りは男の人ばかり……ぅ、やっぱり女の子らしくないかなあ……。






穂乃果「――とんこつしょうゆラーメンお願いしまーす」


凛「え……?」


穂乃果「もー穂乃果は行きたーいってLineしてたよー?」

凛「そ、そうだったの!?」ガサゴソ

凛「ほんとだ……」
354 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:52:00.90 ID:fxLQUBv90
穂乃果「でも隣空いてて良かった」

穂乃果「ここ来るの久しぶりだねー」

凛「うん、美味しいよね!」

 穂乃果ちゃんと二人でくるのは、付き合い出したあの日以来だった。……うん、懐かしいな。

 夢中になりかけていたラーメンを食べる手を止めて穂乃果ちゃんとの会話に集中してしまった。

 だって凛は穂乃果ちゃんの方に夢中になっちゃうんだもん。

◇――――◇



ことり「今頃なにしてるかなー?♡」


 穂乃果ちゃんが凛ちゃん以外に話をし終わったのがつい2日前のことだったらしい。合宿が終わって、ことりはその帰り道で穂乃果ちゃんにフラれちゃったの。

 ――凛ちゃんに決めたんだって。




 いつ返事をしようか迷っている時に凛ちゃんからLineのグループにラーメンのお誘いが来た。


 ことりも行こうかなーって思ってたんだけれど、穂乃果ちゃんは凛ちゃん以外でトークを作って、二人きりにして欲しいってお願いをしてきた。



 つまりそういうことだよね? 多分あのラーメン屋さんは凛ちゃんの話の中で聞いたラーメン屋さんだったと思うから。



ことり「うふふ、凛ちゃんにどんな可愛い服着せちゃおうかなー?」
355 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:54:02.03 ID:fxLQUBv90

◇――――◇




帰り道


 付き合ってた頃は毎日学校帰りにこの道を通ってたなあ。もう八ヶ月くらい前、か……。



凛「お腹いっぱーい!」

凛「えへへ、お腹いっぱいなのって幸せだよねー」

 食べたばっかりなのにぴょんぴょん飛び跳ねて、無邪気に笑う凛ちゃん。それを穂乃果は、奪いそうになったことがある。思い返したくないけれど、事実だ。


 高校で再開して凛ちゃんは穂乃果に対してぶつかって来てくれた。やり方はちょっとびっくりしちゃったけど……穂乃果がしたいって思ったことに対する答えだったんだと思う。

 穂乃果は逃げちゃったんだ。あんなことした穂乃果に凛ちゃんと付き合う資格なんて、ないって。そこで断りきれるほどの勇気もなくて……結果キープって形で、苦しめた。


 みんなのこと、真剣に考えてみた時に一番時間が多いのは凛ちゃんだった。――真剣に考えるのが遅すぎたけれど、今の穂乃果が凛ちゃんに対して出来ることは、逃げないで正面からぶつかることなんだって分かった。



凛「じゃ、穂乃果ちゃん送ってくれてありがとにゃ!」



穂乃果「待って!」

凛「どうしたの?」

 すぐに言ってあげられなかった、一番長く苦しめた、これをすぐに言ってあげていれば。




穂乃果「――もう一回、穂乃果と付き合って欲しいんだ」


凛「……」
356 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:55:40.23 ID:fxLQUBv90
凛「え? ちょ、ちょっと待って……?」

凛「よく意味がわからないっていうか……あのっ」


 凛ちゃんは視線をあっちこっちに泳がせて身振り手振りでよくわかってない、を必死で表現している。……そっか、凛ちゃんは言葉よりも身体で表現するタイプだもんね。

 右手を伸ばして凛ちゃんの身体を抱きよせる。できるだけ優しく、抱きよせられるか不安なくらい力を抜いて。――それでも簡単に凛ちゃんの困惑の声が耳のすぐ近くで聞こえていた。



凛「ぅ……///」

凛「ほんとに、凛でいいの?」

 ぐずぐず。声が涙色に変わって、ほどなくして凛ちゃんは嗚咽を漏らし始めた。もう、凛ちゃんは泣き虫なんだから。……守ってあげたくなっちゃうよ。


凛「だって、凛、うぅぅ……泣かないようにしてた、のに」


穂乃果「いいってことでいいのかな?」

凛「うんっ……」

穂乃果「ごめん、最初に告白してくれたのは凛ちゃんなのに、いっぱい苦しめちゃったね。……これからよろしくね?」
357 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:56:29.57 ID:fxLQUBv90


◇――――◇


一ヶ月後


ことり「なんでもっとイチャイチャしないのー?」

ことり「全然人前でイチャイチャしないよね?」



穂乃果「イチャイチャ……みんなの前じゃさすがに」

穂乃果(付き合ってたこと隠してたこともあるし、穂乃果達の中じゃ結構普通なんだけどな)

穂乃果(ことりちゃんは人前でイチャイチャするタイプなのかな?)


ことり「ことりは見たいよ?」

穂乃果「だーめ」

穂乃果(そんなみんなの前でイチャイチャしてたら、にこちゃんの言った通りトラブルになりかねないし)

ことり「むぅ」

ことり「二人の可愛いところがみたいなーって」

穂乃果「やだよ恥ずかしいもん!」


ことり「でも、順調そうで良かったよ♪」

穂乃果「ありがと!」


穂乃果(ことりちゃんだけじゃなくて、みんな優しいな……。穂乃果、みんなのこと……キープして、振ったのに)

穂乃果(……恵まれてるなあ。感謝、しなきゃ。みんなのために穂乃果は何が出来るかな)
358 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:57:56.39 ID:fxLQUBv90
ことり「今週末デートでしょ」ササヤキ

穂乃果「え!?」

ことり「うふふ♪」

穂乃果「なんで知ってるの!?」

穂乃果「って……凛ちゃんしかいないよねぇ」

ことり「なんにも聞かないで、デートの日まで待ってあげて?」

穂乃果「……」

穂乃果(何かしたのかな?)


穂乃果「わかったよ」



◇――――◇


 凛ちゃんと付き合えたのはすっごく嬉しいし、幸せ。デートは水族館にいこーって話になってるんだけれど、待ちきれなくて凛ちゃんの家に来ちゃうことも多かった。



 ――でもね、ちょっとだけ困ったことになってるんだ。


凛「――大丈夫? えっちしなくていいの?」

穂乃果「きょ、今日はいいかな……あはは」

凛「そっか……」


 付き合ってからたった一ヶ月だけれど、凛ちゃんはなんだか……ちょっとだけえっちになっていた。家に来るたびにしなくていいの? って聞いてきて、最初は誘われるがままにしてたんだけれど……。



凛「……」スリスリ

穂乃果「……」
359 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 02:59:02.76 ID:fxLQUBv90
穂乃果「り、凛ちゃん? 穂乃果ねえっちするために凛ちゃんの部屋に来てるわけじゃないんだよ?」

穂乃果「も、もちろんしたい時だってあるけどね?」



 多分前に別れた時の原因の一つだから、凛ちゃんは穂乃果に合わせようとがんばってくれてるんだと思う。合わせるどころか……突き抜けてるけれど。

凛「そっか! それなら仕方ないにゃ」

 わ、わかってくれた……かな?



 凛「……ね、ねえ本当に」



 少し時間が経って、遠慮がちに、また問いかけてくる。

 凛ちゃんは簡単にえっちなんて言う子じゃないって思っていたけれど、それは違うらしい。でも、付き合ってからは凛ちゃんから直接えっちがしたいって言ってくることは無くなった。そのかわりに、したくない? って顔を赤らめながら聞いてくることがとても多かった。

 保留していた時は直接的だったのに。




穂乃果「――凛ちゃん、シたいの?」

凛「ぅ……///」

穂乃果「……この前したばっかり、だよ?」


凛「だ、だってぇ! 穂乃果ちゃんがなんか、すごいことするからにゃ!!//」

 ぶんぶん首を振って目に涙を溜め始める.

凛「……我慢、できないよぉ……♥」スリスリ
360 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 03:00:45.26 ID:fxLQUBv90
 猫みたいに体を摺り寄せておねだりしてくる、かわいい……。

 付き合ってから少しして初めて本格的にシた時、ううん本当はもっと前からなんだけど、シてる最中の凛ちゃんの反応が普通じゃないんだ。

 最初は恥ずかしがるんだけれど、膣内に何かを入れて奥の方を触ってあげると、狂ったみたいに声を上げる。全身がありえないくらい痙攣して、本当に一瞬気絶してしまう。

 本人曰く、気持ちよすぎる……らしいんだけれど、なんだか怖いんだよね。

 ことりちゃんもかなり求めてくる方だったけれど、それでも穂乃果から求める隙だってあった。でも凛ちゃんは穂乃果が求める隙なんて与えないで、求めてくる。

 凛ちゃんは人前であんまりイチャイチャしてこないから、その反動かな? 付き合ってからはみんなの前での露骨なアピールは無くなったし。





凛「しよう……?❤︎」


 
 ついに凛ちゃんにベッドに押し倒されてしまう。

穂乃果「あ、あの……」


 すでにとろけはじめている目尻から想像するに、前の行為のことを思い出して、先のことを想像して凛ちゃんの心は準備オッケーみたいだ。


凛(おく……❤︎おくにほしぃ❤︎)ハァハァ❤︎

穂乃果「ごくっ……」
361 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 03:01:41.12 ID:fxLQUBv90


◇――――◇

穂乃果「まって、も、むり……ハァハァ♥」

凛「あっあ゛っ゛っ……ふぅ……はぁ」ビクビク

凛「やだ♥もっと、奥、奥突いてにゃぁ♥」スリスリ

穂乃果「次4回目、だよ……無理だよぉ」ヘナヘナ


凛「うぇぇ? うぅ」

凛(柔らかいにゃ……)フニフニ


穂乃果「そろそろ親も帰ってくるんじゃない?」

凛「そ、そっか……わかったにゃぁ」

凛「ちから、はいんない」

穂乃果「また何回か意識飛んでたでしょ?」

凛「よく覚えてないんだあ……」

凛「奥、突かれるとわけわかんなくなって。頭がねぐわんぐわんてなるの。気持ちよくなってなんにも聞こえなくなるにゃ」



穂乃果「凛ちゃんすごい奥までが浅いと思うよ。だから多分子宮のとこに簡単に当たって……」

凛「そういうのがあるの?」

穂乃果「うん、普通感じるには開発が必要ってあったけど……なんでか凛ちゃんはしなくてもいいんだね」

凛「うーんなんでだろうね」



穂乃果(穂乃果も凛ちゃんが簡単に何回もイッてくれるからついしちゃうんだよね……ほんとこのペースじゃもたないよぉ……)

凛「あの……ごめんね穂乃果ちゃん」

穂乃果「?」
362 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 03:02:12.98 ID:fxLQUBv90
凛「凛がもっとおっぱいがおっきくてくびれもあったらもっと楽しんでくれたのかな」



穂乃果「もう……そういうこと言っちゃダメって約束したでしょ?」

穂乃果「凛ちゃんは今のままが一番だよ」

凛「凛にして欲しいこと、ない?」

穂乃果「このまま一緒に居てほしいなー」

凛「……///」

穂乃果「穂乃果は今まで付き合ってる時に自分から振ったことないもん。凛ちゃんのこと振るわけないし、だから凛ちゃんにお願い」

凛「り、凛ももうフラない!!」

凛「穂乃果ちゃんの周りに可愛い子がいっぱいいるのはもうわかってる。――凛努力するよ、顔は変えられないけれど、お化粧だってオシャレだって料理だって、他の人に負けないようにがんばるにゃ」

凛「前は変わりたいって言って、結局逃げちゃった。だから今回は」

穂乃果「うん。じゃあ穂乃果も、怠けてちゃいけないねー」
363 : ◆wOrB4QIvCI [saga]:2016/02/23(火) 03:04:33.46 ID:fxLQUBv90


◇――――◇

ことり「この女優さんと凛ちゃんてすっごく似てない?」

穂乃果「ああ、その人かー。ドラマとかいっぱい出てるよね」

ことり「うん、前はそんなに似てるって思わなかったんだけどね」

ことり「なんだか最近の凛ちゃんさ、すっごく女の子っぽくなったような気がするの」



穂乃果「確かに……そういえばこの前お化粧道具を凛ちゃんの家で見つけてね、すっごく恥ずかしがってて可愛かったんだ!」エヘヘ


穂乃果「それとね――」


ことり「♪」ウフフ

穂乃果「あ……」


ことり「どうしたの?」

穂乃果「や、やめとく」


ことり「……ことりは穂乃果ちゃんが凛ちゃんのことで惚気る話聞きたいよ?」

穂乃果「だめだめ!///」


ことり「えー聞かせてー?」
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