【アイマス】例えばこんなプロデューサーとアイドルのお話【安価】

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159 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:04:19.90 ID:HZTbrQE/0
乃々ちゃんは人混みが大の苦手です。

Pくんは優しさという名の甘さゆえに乃々ちゃんを車で送り届けたかったみたいですね。残念。

「ののちゃん」

おや、Pくんってば乃々ちゃんに手を差し伸べて、公の場でまさかの大胆行動ですか!?

「はぐれちゃいけないから手を繋いでおきましょうか?」

「……」

乃々ちゃん速い! 速いよ乃々ちゃん! しかも無言!

Pくんも申し訳なさそう提案しましたけど、乃々ちゃんが手を繋いでくれてほっと一安心みたいです。

Pくんは嬉しそうなにこにこ笑顔。乃々ちゃんは顔を真っ赤にしちゃって、あらかわいい。

あ、すぐに電車が来ましたよ。
外から見てわかるくらい、人がぎゅうぎゅうです。
160 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:04:56.68 ID:HZTbrQE/0
降りてくる人たちを待ちましょう。
さて、意を決して乗りこみました!

あれよあれよと流されて、中の方まで行っちゃった。ドアからちょっと遠くなっちゃいましたね。

「ののちゃん大丈夫?」

二人もぎゅうっと密着状態。
Pくんは近くのつり革を掴んだけど、乃々ちゃんの近くのつり革は他の乗客さんが掴んじゃったみたい。

「ののちゃん、危なくなったら僕に掴まってくださいね?」

「……」

乃々ちゃん速い! やっぱり速いよ乃々ちゃん! しかも無言!

Pくんにぎゅっとしがみ付く乃々ちゃん。
やっぱりPくんはにっこり。乃々ちゃんは真っ赤っか。そして他の乗客さんたちはそれを見てげんなり……。

二人とも! 公の場でそんなにイチャイチャしちゃだめだぞ!
161 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:05:51.84 ID:HZTbrQE/0
【絶対に見つかります】

ここは事務所、アイドル部門のスペースみたいです。

いつも机の下に乃々ちゃんが……あれ? いません。おかしいですね。
今日はレッスンで事務所には来てるはずなのですけど……。
お手洗いに行ったのかな? 待ってみることにします。

……。

……あ! ガチャッとドアが開きました!

入ってきたのはPくん。
乃々ちゃんはまだみたいですね。

Pくんは元気におはようございまーすって挨拶します。
さてPくんは自分のデスクに向かって……行きません。

部屋の奥のロッカーへと向かいました。なるほど、荷物を入れるのかな。

あら不思議、Pくんが開けたロッカーからなんと乃々ちゃんが出てきました!

「おはようございます」

「あ、あの、その……おはようございます」
162 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:06:24.31 ID:HZTbrQE/0
乃々ちゃんちょっとだけビクッとしました。かわいらしいですね。

それだけ言うとPくんロッカーを閉めてデスクに戻っちゃいました。

乃々ちゃんに気をつかってるのでしょうか。それでも乃々ちゃん、すぐに出てきてPくんのデスクの下に潜り込んじゃいました。

Pくん、わざわざ椅子を引いて、乃々ちゃんが机の下に入るのを見てにっこりのご様子。

「ののちゃん、そろそろレッスンの時間ですよ」

「……行ってきます」

今日は素直に言うこと聞いて……乃々ちゃんにしては珍しいですね!
Pくんの側にいたからモチベーションもアップしてたみたいです。

数時間、デスクでの作業が続きました。
おや、お疲れのPくんは席を立って部屋から出て行ってしまいました。

そろそろ乃々ちゃんが戻ってくる時間ですよ。

またドアが開きました。

ほら、乃々ちゃんが帰ってきたじゃないですか。
163 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:07:11.55 ID:HZTbrQE/0
きょろきょろとPくんを探してるのでしょうか?

あ、そっちは衣装ダンスですね。
乃々ちゃん一体何をするの?

あらら、入っていっちゃいました。多分、隠れてるのでしょう。
Pくんはまだかなぁ。

次にがちゃりとドアが開くと、やっとPくん戻ってきました。
長い休憩でしたね。

デスクに戻ろうとするPくんは急に立ち止まりました。
どうやら衣装ダンスが気になるご様子。そこに乃々ちゃん隠れてますよ!
それにしてもよく乃々ちゃんがいるってことに気づきましたね。

おお、迷わずタンスへ一直線です!

「ののちゃんお帰り」

「あ……ただいま、です」

素っ気ない返事でした。

でも乃々ちゃん、嬉しさが表情から隠しきれないみたいです。
いっつもPくんに見つけてもらえて良かったね乃々ちゃん。
164 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:08:24.24 ID:HZTbrQE/0
【空回りします】

乃々ちゃんは普段おどおどしていますが、時に大胆になることもあります。

「ただいま戻りました」

Pくんが帰ってきました。
珍しく乃々ちゃんがお出迎え。

「その、あの、おかえりなさい……」

「ののちゃん、わざわざお出迎えありがとうございます」

「ぷ、プロデューサーさん……お帰りの……」

と言って乃々ちゃん目を瞑って口を尖らせました。お帰りのちゅーがしたいのでしょうか? とっても大胆!

あれ、デスクの下には少女漫画が数冊ありますね。
もしかして乃々ちゃんは少女漫画に影響されてしまったのかな?

お帰りのちゅーって今どき流行らないものですからね。
やってるのはラブラブな夫婦だけですよ。

でも乃々ちゃんはそんなことに憧れを抱いちゃったのでしょう。
大好きなPくんとラブラブな夫婦の真似事をしたいのです。
165 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:10:18.16 ID:HZTbrQE/0
「?」

Pくんは笑顔のままきょとんとしたご様子。

「!」

おや、何かに気づいたみたい! もしかしてPくんは乃々ちゃんの行動の意図を理解したのかな?

ポケットから棒付きの飴玉を取り出して袋をびりびり破きます。

乃々ちゃんの口に飴を当てました。

「僕がチュッパチャップス買ってきたのよく分かりましたね。乃々ちゃんすごい! ゆっこさんにも負けないエスパーですね!」

呆然と立ち尽くす乃々ちゃんと、にこにことデスクに戻っていくPくん。

「初めては、ストロベリーの味……」

頑張れ乃々ちゃん!


おしまい
166 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:16:10.00 ID:HZTbrQE/0
反省
スケジュール崩壊しました。以後気を付けます。
語り口調を変えてみての挑戦。結構楽しいです。

言い訳
昨日は艦祭りに朝一で行った疲労で帰ってすぐに寝てしまったみたいです。
安価待機してくれてた人には本当に申し訳ないです。

次の安価は↓1です。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 10:16:12.01 ID:CeCoOhey0
プロデューサー:優しげに見える腹黒22才
担当アイドル:桃華
アイドルとの関係:P:子供の頃桃華の家に潰された会社の社長息子、スカウト探し中に偶然桃華を見つけ一人娘を狙う復讐を思いつき何も知らない桃華をスカウト
        桃華:最初は他の人よりかは面白そうだけだったのがつらい時に励ましてもらったりお茶をしたり二人三脚でがんばっていき
           一緒に過ごしていく内に親愛MAX。(Pに大人っぽく振舞おうとする一方でPにだけ弱音を見せたり甘えたりなど)
           事情を全部暴露された後は好きという気持ちと罪悪感に挟まれPの好きなようにされる
<その他>
桃華と出会い信頼を得ていく過程から親愛がMAXになったところで弱みに付け込んで突き落とすR18の性行為有りの復讐もの。
Hはホテルにつれこんで良い雰囲気になったところで桃華に事情を全部暴露して絶望させ今までの甘い関係から一転したところで罰として責めるようにハードなHでいじめる
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 10:16:14.12 ID:Bcq0pjEiO
>>139
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 10:16:16.95 ID:yPTEWmna0
プロデューサー:【女性P。女性版金八。20代。】
担当アイドル:【相葉夕美・七尾百合子】
アイドルとの関係:【お互い、趣味や性格など一見真面目。だけど中身はかなり一直線な三人が徐々に互いを知っていき打ち解けていく】
その他の要望:【実は百合子が両親を事故で亡くしており、原作と違ってはじめは塞ぎ込んでいるが氷解していく。
そして夕美は元ヤンで、過去に百合子を庇って胸に銃傷がある。
お互いそうとは知らずに仲良くなって(夕美は口調も外見もその頃と違う+百合子も塞いでいるので)、百合子は過去の夕美を王子様だとしてずっと憧れ、探している。しかしある日秘密(胸の傷)がばれて…?】
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 10:20:36.50 ID:aJZY50gk0
絵本みたいだな
171 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:23:44.56 ID:HZTbrQE/0
>>167
了解しました
胸糞悪いの読むのは大好きですが初めて書きます!
172 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:26:14.30 ID:HZTbrQE/0
>>170
絵本みたいにしようと思いました
もっと簡単な言葉や表現で書けばよかったです
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 10:31:14.73 ID:shoq+tM0O
ラブホテルに小学生連れこめるのか?
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 10:37:21.29 ID:CeCoOhey0
>>173

>>167
そっちのホテルじゃなくてリゾートとかにあるような高級ホテルの方
175 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/03/22(火) 10:38:15.93 ID:HZTbrQE/0
>>173
何とかするので大丈夫です!
176 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 00:27:07.88 ID:ktNhzmVJ0
お待たせしました。
本日、3日の正午(12:00頃)に設定>>135の内容で投下します。
>>135さんの納得いく内容には程遠いかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
安価も取ります。
177 :時間なので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:00:04.60 ID:ktNhzmVJ0
『タイトル未定』


「いやぁ〜、あなたたち本当に可愛いねぇ!」

「うちの息子のお嫁さんになってほしいわぁ!」

がやがやとおばさま方に囲まれて気圧されながらも一つも嫌な顔せずに笑顔と愛嬌を振りまく新人アイドルの『関裕美』と『白菊ほたる』。

彼女たちは今年でアイドル活動二年を迎える。
メディアへの露出は最近で世間では新人という扱いのなのも納得だ。

ただいまロケの真っ最中。

しばらくしてロケも終わり、送迎車へと戻ると、年老いた女性が後部座席にどっかと座っていた。

「なぁんだいあんたら! もっと面白いこと言えないのか!」

いきなり酷評をぶつけるこのおばあさんがなんと驚くことに彼女たちのプロデューサーである。

業界ではいろんな意味で有名で、とある界隈では生ける伝説と呼ばれてるらしい。
178 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:01:18.98 ID:ktNhzmVJ0
「でもおばあちゃん……」

「おばあちゃんではなぁい!!」

怒鳴った勢いで入れ歯が飛び出す。
そして入れ歯は不自然な挙動をした後、ほたるの左手に噛みついた。

「ふぇぇぇぇ……」

裕美はほたるに噛みついた入れ歯を取って、おしぼりを渡す。
汚いものを触るような持ち方で入れ歯をPに手渡した。

Pは慣れた手つきで入れ歯をはめる。持ち方については特に言及しない。

「いいかい。あんたたち、わたしゃねぇ……まだ婆なんて歳じゃあないんだよ」

だとしたらこの世からは老人がいなくなっちゃうなぁ、と裕美は思った。

「お姉さんとお呼び!!」

「さすがに無理ですっ!!」

裕美は反射的にそう叫んだ。
179 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:01:58.97 ID:ktNhzmVJ0
「当たり前じゃ! この歳でお姉さんなんか無理があるわい! バカにしとんのか!!」

「ふぇぇぇぇ……」

そしてなぜかほたるに矛先が向く。

「おばあちゃんが自分で言ったんじゃないですか……」

「はて、そうだったかの?」

「そうやってボケたフリするのやめてください。本当にわからないので」

「それはわかってるって言うんだよぉ」

どうやらボケてはないらしい。
この歳になると分かりづらくなるはずだが、このプロデューサーはあり余るほど元気なのでボケることはあり得ない。
と裕美は思っている。

「よぉし、さっさと事務所に戻るよ」

「あの、今日は何かありましたか……?」

先ほどからの仕打ちから早くも気を取り直したほたるは、どことなく急いでる様子のおばあちゃんPに尋ねた。
180 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:02:41.41 ID:ktNhzmVJ0
「ちょいと事務所の整理をね……」

年末だからねぇ……と付け足しチラチラと裕美とほたるを含みのある目で見る。

「それは大変ですね……」

心配そうなほたる。

「私たちは戻ったらレッスンに行きましょう」

真面目な顔の裕美。

「かぁっ〜! 今から大掃除! 大変だよぉ! こんな老体には応える!!」

と、両の掌で顔を覆うプロデューサー。
指の間からじっと眼だけを覗かせていた。

笑っていない目で二人を見るプロデューサーは今にも化けて出てきそうな威圧感を放っている。

外見が歳相応なものだから、軽くホラーチックな婆に見えた。
ほたるはちょっぴり泣き出しそうになった。
181 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:03:28.86 ID:ktNhzmVJ0
「わ、わかりました。手伝います」

裕美も引きつった笑みを浮かべながらしぶしぶと了承した。
こんな画が続くのは勘弁してほしいらしい。

「いやぁ、本当かい? すまないねぇ、ありがとうよ」

わざとらしい態度に裕美は『このバ……』と思いかけて、思いとどまった。

「ほたるも手伝ってくれるかねぇ?」

目が笑っていない。
ほたるは目に涙を浮かべて頷いた。


そして事務所。

「きったないですね」

裕美が言ったのも無理はない。

なぜ捨てないのかわからない食事の容器と、書類の束が床にごちゃり。
デスクの上は散らかし放題で、書類を入れるケースもその使用方法がまるで正しくない。
182 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:04:20.03 ID:ktNhzmVJ0
「もうよぼよぼじゃからのぅ……」

「か、関係ないと思います……」

「よ ぼ よ ぼ じゃからのう!!」

「ひぇっ!!」

ぐりんと首をこちらに向けるプロデューサーの目は相変わらず笑ってない。
ほたるはしゃがみ込んで頭を抱えた。

「怖いのでやめてください」

裕美は呆れた様子で、あるいは面倒くさそうに言った。

ほたるをいじめたときに返ってくる反応が可愛いとは口が裂けても言えないプロデューサーだった。

「それじゃあ片付けるとするかのぅ……」

九十代とは思えない謎の軽やかさで片付け始めるプロデューサーを見て、帰ろうか迷う二人だったが手伝うことにした。
183 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:05:15.96 ID:ktNhzmVJ0
しばらく掃除をしていると……。

「あれ? これ……」

裕美は一つの書類を手に取った。
バインダーみたいな見た目をしてるそれはずしりとした重量感がある。

「裕美ちゃん、それ、何ですか……?」

ほたるもひょこりと顔を覗かせる。

裕美がその書類を開けば中からは裕美とほたるが二年前にここへ来た時の写真が載っていた。

「あ、写真……」

「懐かしいですね」


☆☆☆


【二年前】

裕美とほたるは不安だった。
いや、二人だけではない。
ここにいる約20名が同じような気持ちを抱いていたに違いない。
184 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:06:16.79 ID:ktNhzmVJ0
「わたしが今日からお前さんたちのプロデューサーじゃ」

見た目はよぼよぼで今にも死にそうなおばあちゃんがそう言ったからだ。

ある者は、何かのドッキリでしょう? 嫌だなぁ、いきなりこんなドッキリにかけられるなんて才能ある人気者は辛いわぁ……。

とか思ってたに違いない。

「お前さんたちに必要なものは愛想と愛嬌! そして気合と根性じゃあ!! あと愛想と気合じゃあ!!」

この場にいるアイドル候補生たちは愛想と気合が大事ということだけ理解した。

口ぶりからするにマジモンのプロデューサーらしい。

長々と内容の薄い話を4回くらい聞かされたときはさすがに発狂しそうだったがみんなは何とか堪えた。

……と思いきや、次の日には半分減って10人になってた。

「今日からレッスンするぞい」

挨拶して早々、PPPランドの大王かな? と疑いたくなる発言を華麗にスルーしてレッスンが始まった。
185 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:07:09.44 ID:ktNhzmVJ0
ところがこれがまた厳しい。

「なんじゃぼけぇ! なっとらんわ! もうばててしもうとんのかい!」

立て! 立つんだ! と悲鳴を上げている身体に熱血指導をぶちかます。
歌いも踊れもしない婆だったが、その指導力は本物だった。

トレーナーさんもプロデューサーを信頼してる様子だったのでなおさら口答えできないアイドル候補生たち。

そんな厳しい毎日を送り、二週間経った頃、ついに候補生は裕美とほたるの二人になった。


☆☆☆


「あの頃は辛かったですね」

「今も辛いですけど」

二人口をそろえてそんなことをぼやく。

「何さぼってんじゃごら」

突然後ろから死にそうな声がしたのでびくりと肩が震える二人。
186 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:08:05.57 ID:ktNhzmVJ0
「……おや、それは今担当してるアイドルのアルバムだねぇ。そんなところにあったのかい」

懐かしむような顔を見せるわけでもなく、プロデューサーも、どれ……と覗き込む。

いつの間にかアルバムの鑑賞会が始まった。
掃除中によくある光景だ。

「あ、これは初仕事の時ですね」

「アイドルらしいお仕事はこれが初めてだった気がします……」

「ああ、あんたらがひよっこだった時のねぇ……」


☆☆☆


「今日はミニライブをやるぞい!」

この頃になって分かったのだが、別に大王とは関係なく、ただの口癖らしい。

「ミニライブ……」

「わ、私にできるのでしょうか……」

期待に胸膨らませる二人はおらず、初仕事、初ステージに不安しか抱かなかった。
いつもプロデューサーに叱られるばかりで、褒められたことが無いのだから不安であって当然ともいえるだろう。
187 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:08:48.35 ID:ktNhzmVJ0
「あんたたちなら上手くやれるはずさ」

しかし初めてもらったこの前向きな言葉で二人の不安も大きく和らいだ。

「おばあちゃん……」

「おばあちゃんではない!!」

勢いで入れ歯が飛ぶ。不思議な挙動を見せてそれはほたるのお尻に噛みついた。

「ひぇぇぇぇ……!」

裕美はげんなりとした様子でそのいつもの光景を見る。
なぜかほたるに飛んでいく入れ歯。
どんな仕掛けが施されているのか考えるのも馬鹿馬鹿しく思えてきた今日この頃。

裕美は汚いものを触るように入れ歯をつまむとプロデューサーに投げてよこした。

「入れ歯は大切に扱いな!」

「だったら入れ歯を飛ばさないでください……ほたるさんも大丈夫?」
188 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:09:33.76 ID:ktNhzmVJ0
「は、はいぃ……ありがとうございます裕美ちゃん。私が不幸なばかりに……」

ちなみに裕美は最近になってほたる不幸説を推している。

「ふん、とにかくさっさと行っといで! 辛気臭い面ぁしてるんじゃないよ!」

「いちいち怒鳴らないでください……ほたるさんがびっくりするじゃないですか」

気が付けば二人の緊張は解けていた。
ステージに出るのに不安は無くって、裕美はほたると一緒なら、ほたるは裕美と一緒なら何でも出来そうな気分だった。

「初めまして! 関裕美と申しますっ!」

「し、白菊ほたるですっ!」

「皆さんに聞いていただくのは私たちのデビュー曲です!」

「わ、私は不幸ですけど、歌を聞いてCDを手に取ってもらえたら幸せです……」
189 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:10:14.86 ID:ktNhzmVJ0
一月ほどで鍛えた歌とダンスは自分たちが想像していた以上にお客さんの心を掴み、小さなステージに大きな歓声が沸いた。

「「ありがとうございました!!」」

裕美もほたるも調子を上げていき、他二曲もばっちり決める。

「つい先日のことなんですけど……駅の改札を通ろうとしたら、向こうからサラリーマンの人が走ってきて、先にスイカでピッてされちゃいました……」

「ほたるさん、いつも自動ドアが目の前で閉まってしまいますよね」

ほたるの不幸話を皮切りに、トークも弾む。

最後に売り込みとCDの宣伝をして、CD購入者との握手会兼サイン会をこなし終演。

「裕美ちゃん、ほたるちゃん、お疲れ様です!」

ほたるの不幸はどこへ行ったのか、気のいいスタッフにも恵まれ満足のいく初ステージとなった。

一人を除いて……。
190 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:11:09.13 ID:ktNhzmVJ0
「ごらぁ! なんじゃあのへっぽこパフォーマンスは!」

裕美は歳の割によくこんな口が回るなぁと感心した。
ほたるは自分の幸せにちょっと怯えてた。

関係ないことを考えてる二人を見てプロデューサーも叱る気が失せたのか、悪態をつくだけで控室を後にした。

「楽しかったですね」

「……うん」

二人の笑顔がとても魅力的に映った。


☆☆☆


「そんなこともありましたね」

「……おばあちゃん、昔と比べて今はどうですか?」

ほたるが恐る恐る尋ねた。

「昔よりはマシだよ。昔よりはね!」
191 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:12:14.91 ID:ktNhzmVJ0
嫌味な言い方はもう慣れた。
二人が本当に成長したのはメンタル面なのかもしれない。

続けてアルバムをめくる。

「こっちはモデル撮影ですか?」

「あ、ゴシック系のマニアックなやつですね」

「ほたるさんはとってもお似合いで羨ましかったですわ」

「裕美ちゃんこそフリフリの可愛い衣装が似合っててとっても可愛かったです」

「まあまあじゃの。あの程度を着こなせんようじゃ芸能人としてやっていけぬわ」

このおばあちゃんPの敷居は高い。


☆☆☆


カシャ、カシャと無機質な音が光とともに発せられる。

裕美はフリフリな衣装に身を包んで豪華風な椅子にお上品に座っていた。
その隣でほたるがこれまたフリフリなゴシック衣装に身を包み、床にぺたりと座っていた。
192 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:13:13.22 ID:ktNhzmVJ0
ほたるは同じ事務所にいる熊本出身の子が着てる服を思い出していた。
ちょうどあんな感じ……。

「ほたるちゃん、表情硬いね! もっと柔らかく! なりきって!」

なりきってとかいう無茶なふりをいただいたほたるは大いに慌てた。
なりきるとは何にだろう?

「ナーハッハッハッハッ……!!」

咄嗟に出たのが熊本出身のアイドルの真似だった。

裕美でさえポカンとする中……。

「いいねぇ!」

カメラはシャッターを切る回数を上げる。

撮影は無事終わると、いつものようにずかずかとプロデューサーが説教する気満々で近づいてきた。

もう慣れたものだったが、裕美とほたるはプロデューサーのアドバイスをちゃんと実践するタイプの人柄であった。

その助言も的確なので、プロデューサーの文句は日に日に減っていってる。
193 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:14:16.98 ID:ktNhzmVJ0
「今日のほたるは良かったよ! 最初はダメダメだったけどねぇ……。そして裕美はなんだい! 普通過ぎてつまらんわい!」

斜め上の助言に裕美は驚いた。今日の撮影、初めてだったけど無難で良かったと思ったがおばあちゃん的にはダメらしい。

「もっと印象に残らんと!」

「わ、わかりました。次回は気を付けます……」

「裕美ちゃん可愛かったのに……」

「可愛いだけじゃあかん! このインパクティが大事なんやで!」

「何で関西弁?」

「確かにおばあちゃんの言う通りかもしれません」
194 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:14:49.82 ID:ktNhzmVJ0
「誰が……」

ほたるはその場から逃げ出した。

「おばあちゃんじゃ!!」

飛び出した入れ歯は全力で走るほたるに簡単に追いつき、お尻に噛みついた。

お尻を噛まれたほたるは盛大にすっころぶ。

「ふぇぇぇぇ……」

呆れる裕美と、ドン引きする周囲のスタッフ。
何を言ってるか分からないのにしゃべり続けるプロデューサーという画が酷かった。


☆☆☆


「そんなこともありましたね」

「私はいつも不幸な目に合ってる気がします……」

思い出に耽り、ふと外を見やる。
外は暁に染まり、時間も結構過ぎていた。
195 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:15:45.79 ID:ktNhzmVJ0
「さて、アルバムはその辺にしときな」

おばあちゃんPはひょいとアルバムを取り上げる。

「あ」

「さっさと掃除の続きしないと帰れないよ!」

「……他にも合宿とか、歌番組とかいろいろあったと思うんですけど」

「いいからやるよ!」

「「はーい」」

プロデューサーは後ろの方のページをめくる。

『根性があり、可愛いアイドル裕美とほたる』

こんなもの見せられないねぇ……。

プロデューサーの優しい笑顔を、裕美とほたるはまだ知らない。


おしまい
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:16:30.62 ID:9Ds0Pl4ZO
>>139
197 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:23:23.87 ID:ktNhzmVJ0
反省

これはもっと広げられそうな感じがしましたが
キャラの動かし方が難しかったので切り上げました。
普段は劇場とかで検索して口調を確認したりするんですけど
裕美とほたるはしませんでした。
コメディ系は書く側のセンスが出ますね……。
裕美とほたるが可愛く映れば良かったと思います。


例によって例のごとく、安価は↓1です。
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:23:30.87 ID:9ON6FneP0
プロデューサー:
特徴【女34歳、身長270cm、タイトミニ、ノーパンノーブラ、弩乳(&噴乳)、巨乳首(&長乳首)、巨乳輪、超尻、超クリ、剛毛で長い陰毛、全身性感帯(&感度5000倍+一生涯、常時連続絶頂する体)、露出癖、失禁癖、自慰依存】
性格【アイドル達に輪姦されたい願望、雫に搾乳されたい願望などの危険思想があり、業務時以外の私服はニプレスとまえばりのみという危険人物】
担当アイドル:【拓海と雫(可能であれば美城常務付)】
アイドルとの関係:【上記の諸々が原因で裏方に回った元Sランクアイドル(一応優秀)】
その他の要望:【ハードなR-18を】
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:23:31.03 ID:RIm4UZQ6o
プロデューサー:【超能力者 美形だが線の細い少年のような感じ】
担当アイドル:【ゆっこ】
アイドルとの関係:【師として導き人類世界を目覚めさせようとする】
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:23:31.56 ID:9Ds0Pl4ZO
うっかり送信ボタンおしてしまった

>>139
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:23:32.69 ID:U+BhGUoAO
プロデューサー:【昔、事故で声が出なくなった男プロデューサー、携帯かスケッチブックに書いて会話、見た目は美人系、性格は誰にでも敬語で落ち着いてはいるが反応が子供っぽく可愛い】
担当アイドル:【如月千早】
アイドルとの関係:【初対面からトップアイドルにそして恋人になるまで】
その他の要望:【甘々の純愛 アイドルとプロデューサーどちらも可愛く書いて欲しい。
最後にプロデューサーが手術などで声が出るようになって千早に告白してハッピーエンド】
202 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:24:10.31 ID:ktNhzmVJ0
はっや
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:25:12.50 ID:RIm4UZQ6o
2秒で安価取られなかっただけ慎重だと思う

関ちゃんがたくましくて笑った。あとプロデューサーは多分妖怪
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:27:52.82 ID:egTEwnd1o
安価取ろうと思ってたのにうっかり忘れてた
残念
205 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:28:30.02 ID:ktNhzmVJ0
>>198
把握しました。
プロデューサーのキャラが濃すぎますねw

設定>>167は執筆中です。次回の報告までお待ちください。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:28:54.97 ID:egTEwnd1o
こんな設定エロ同人でもないだろwwwwww
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:30:57.74 ID:4PH7QOoqo
合宿に歌番組に割と続きが気になる関係
乙乙

>>206
オリジナル系でもこの手の安価出してたヤツがいたし
どうしても見たいらしいよ
208 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/03(日) 12:44:56.52 ID:ktNhzmVJ0
この調子ならこのスレであと20作くらい書けそうですね。
どれだけ時間かかるか分かりませんが1000を目標に、頑張ります!(卯並感)
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 12:59:24.21 ID:TIRsx8MHO
身長270cmもあるってことはまず巨人症だしアイドル以前に日常生活も大変じゃないか
272cmあった人は歩行に副木が必要だしダンスどころじゃない
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/03(日) 14:04:18.66 ID:9Ds0Pl4ZO
端的に言って悪の組織による改造人間ですわ
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 00:37:32.81 ID:Qu1BQj8j0
ほぼ九尺様?
212 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 00:22:49.26 ID:7XaSkfy30
お待たせしました。
設定>>167を本日、9日の22:00頃に投下します。
>>167さんには申し訳ないですが、エッチしません。

投下後に安価戦争あるので、準備してどうぞ。
213 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 21:58:47.14 ID:7XaSkfy30
『タイトル未定』

俺がプロデューサー業を始めて三年目。
18の頃にアイドルのマネージャーの職に就き、およそ一年というスピードでプロデューサーに昇進した。

マネージャー時代は激務に殺される思いをしながらも、それこそ必死で仕事をこなした。

築き上げたコネクションのおかげで、プロデューサーである俺の業務も安定し始めている。



今日の予定を確認する。
とある有名人からパーティーに招待されている。

最近はそういうことも珍しくない。
俺はきっちり正装し、黒塗りのタクシーに乗った。

ちなみに俺は今担当しているアイドルはおらず、短期でいろんな子の面倒を見て回ってる。
つまりは、浅く広くといったような仕事のしかただ。

会場に着けばやることはどうせ仕事のことだろう。
今は仕事を抜きにして楽しもう……なんて飽きるほど聞いてきた。底辺の人生を歩んできた俺にそんな余裕はない。

ここは蹴落とすか蹴落とされるかの二択。

そんなことを考えていたら会場の前まで来ていた。
214 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 21:59:18.37 ID:7XaSkfy30
タクシーの運転手は席を降り、後部座席のドアを開けてくれる。

「ありがとう」

「いえ、とんでもございません」

俺は運転手が見せてくれた笑顔で幾分穏やかな心持ちになった。
人の笑った顔が好きだ。
その表情の裏にどんな真意があれど、人の笑顔は俺を癒してくれる。俺も笑顔になれる。

「帰りもよろしく頼みます」

「はい。行ってらっしゃいませ」

大きなお屋敷の前には使用人がいて、彼は懇切丁寧にお屋敷の中へ案内してくれた。

「本日は心行くまでお楽しみください」

そんなテーマパークのキャストのような言葉と、深いお辞儀をいただき、俺は大きなドアをくぐって大広間に踏み入れた。

「さて……」

まずは主催者に挨拶。
次に招待された参加者をチェックする。
さすがに大物が揃っているな。

自分が場違いに感じるほどに豪華な顔触れだ。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 21:59:33.09 ID:31TLIdqAO
>>201
216 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:00:15.58 ID:7XaSkfy30
「やあ、ごきげんよう」

「これは、ご無沙汰しています」

某テレビ局のプロデューサーだ。人も良く、俺も幾らかお世話になっている。
しばらく仕事の話をしていると次第に人が集まり、わらわらと俺の周囲を取り囲む。

「おや、いつの間にこんな大勢に……これも君の人徳のなせるものだねぇ」

「いえいえ、買いかぶりすぎですよ」

俺はこういった人の集団があんまり好きではない。
アイドルにたむろするファンを見てきたからだろうか。彼らの民度の低さと言ったら言葉にできたもんじゃない。
もちろん各個人によって差があるはずだし、良識のあるファンだっているはずなのだが、ところがどうだろう……。

「そんなに若くでプロデューサーなんて素敵ですわ」

「身長もお高いのですね」

綺麗なドレスに身を包んだだけの量産型。
いや、量産ではないな。家柄だけは良いのだ。性格も良いんだろうがタイプじゃない。
何より言葉や表情の裏に見え隠れする下心が苦手なんだ。

「いえ、私など大したことはないですから」

俺は決まってこのように返す。

するとそれを聞いた人間は次に謙虚だと言う。
217 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:00:46.62 ID:7XaSkfy30
「本当、謙虚なところも素晴らしい」

ほら。好感を得るなんてのは容易いことだ。

適当にそんなやつらの相手をする。
俺がしたいのは世間話ではない。仕事の話なんだ。お前らに構っていられるか。

と思っていても、実際にはそんな簡単に抜けられるものではない。

この集団から抜け出すためにざっと辺りを見回した。

そこで一人の男に目が留まる。
見間違えもしない。櫻井だ。今日はツイている。

櫻井財閥の代表取締役がそこにはいた。
俺の親父の会社を潰し、家族の人生を狂わせた原因。

殺意しか沸かなかった。

「失礼」

俺は一言言って輪の中心から抜けると、その男に向かった。
218 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:01:19.03 ID:7XaSkfy30
しかし待て、今の俺に何ができる。
俺は奴に絶望をプレゼントしてやりたい。

奴が最も苦しむこととは何だ?

俺の視線はすぐに奴の隣の少女に移った。

……あれだ。

一人娘の『櫻井桃華』。
これを利用しよう。これの心を壊して奴を絶望の淵に叩きこむ。

そう考えるや否や俺は櫻井桃華に近づいた。

「や、お嬢さん。今はお一人かな?」

彼女は訝しむような眼で俺を見る。

「うちの桃華に何かご用かな?」

櫻井が娘を庇うように俺の前に立った。

「いえ、大変に見目麗しい少女だったものでアイドルにスカウトしようと思った次第なのですが、どうやらご迷惑だったようですね」

とりあえず褒めちぎっておけ、そうすれば……。
219 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:01:56.05 ID:7XaSkfy30
「ほう。君はどうやら見る目があるようだね」

親バカはすぐに機嫌が良くなる。

「ほら桃華、挨拶なさい」

「ごきげんよう。櫻井桃華と申します」

「ごきげんよう。これはご丁寧にどうも、私はPと申します。……教育もさぞしっかりなさっているのですね。どうでしょうか、お二人が良ければ本当にアイドルをやってみては?」

まるでセールス。ここからは俺の粘りどころ。必ずこいつらを説得してやる。

「ふむ、アイドルなぞくだらないものにうつつを抜かしている場合ではないのだが……」

「いえ、くだらないものなどではございません。この業界をよく知ることで見聞を広めることができますし、新たな事業展開にも繋がるやもしれませんよ」

「……なるほど、君はこの桃華にそれほどご執心なようだ」
220 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:02:25.23 ID:7XaSkfy30
「彼女ほど輝かしい少女は見たことありません。一目見ただけで誰もが振り返るスーパースターのような才を感じます」

それを聞いて櫻井はニッと笑った。
俺のような世間では敏腕とされているプロデューサーが言うのだから誇らしくもなって当然だ。俺も内心でほくそ笑んだ。

「桃華の意見も聞いてみようか」

娘に一任したな。こいつは賛成的だ。
櫻井は、どうだろうかと娘の桃華に振り向く。

「アイドルとはテレビに出て歌ったり踊ったり喋ったりするあのアイドルですか?」

「そうです。テレビに出るだけではありませんが、いずれ皆が桃華さんに憧れることでしょうね」

「……」

うーんと考え込んでしまう櫻井桃華。彼女は意外と将来のビジョンを見据える子なのだろう。
221 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:02:56.19 ID:7XaSkfy30
「いいですわ。私、あなたの口車に乗せてもらいますの」

「そうか……桃華がこう言うのであれば私も君に桃華のことを任せよう。くれぐれも私に恥をかかせんようにな?」

馬鹿が、恥をかかせる以上のことを貴様にぶつけてやる。

「ええ、お任せください。後日必要な書類をお渡しします」

「私もテレビ出演……」

輝かしい未来を想像してるのか、ぽわっとした表情で櫻井桃華は呆けていた。


後日、すぐに櫻井桃華は黒塗りの高級車で美城プロダクションにやってきた。

「いらっしゃい桃華さん」

「ごきげんよう。今日からテレビ出演ですわよね?」

気が早すぎる。やはり俗世には無知なのだろうか。
あるいはまだ子供だからしかたないのだろうか。
222 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:03:35.07 ID:7XaSkfy30
「ごめんね桃華さん。案内がてら、そこらへんも含めてアイドル活動について説明するよ」

「……ええ、ではお願いしようかしら」

俺は彼女にまだ知名度が無いことを教え、レッスンや営業、地道な努力の末にテレビにも出演できるようになることを説明した。
納得いかないような顔をしていたが、ズルしてすぐテレビに出れる方法もあることを伝えたら彼女は、それは嫌だと言った。

ズルの方法は枕営業ではない。彼女の家柄と俺のコネクションで猛プッシュすることもできるという話だ。

「私は自分に自信がありますので正々堂々と皆さんの憧れるアイドルになって見せますわ」

とても良い心意気だ。これで櫻井の娘じゃなければ本当に俺は全力でサポートしていたのに……残念で仕方ない。

それから数日、桃華は毎日やってきて他のアイドルの曲でレッスンを重ねた。
愚痴も言わずにひたむきに取り組むその姿は俺の求めるアイドルの美しさに近かった。
223 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:04:31.95 ID:7XaSkfy30
表で輝くために裏で血のにじむような努力をする。
素晴らしいことに変わりはないが、俺は酷い嫌悪感を覚えていた。

あの櫻井の娘がこんなやつでたまるか。
我儘で傲慢で金にものを言わせるようなクズじゃなきゃ許せない。
汚い手を使って他人を貶めて蔑んで見下して罵って怒りの矛先を向けられるようなやつじゃないと許せない。
何より俺が俺自身を許せない。

「Pちゃま。どこか気分が優れないみたいですけどいかがいたしました?」

じっと桃華を見ると、少し怯えたような顔をした。
ピクリと肩が震えたのが分かった。

「……いや大丈夫だよ。ありがとう桃華さん」

桃華の肩に手を伸ばそうとして一瞬ためらう。
怪訝な顔をした彼女はすぐに心配そうな顔で俺を見た。
224 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:05:11.19 ID:7XaSkfy30
俺はようやく手を伸ばし、ぽんぽんと彼女の肩を叩いた。
自然な笑顔もできたはずだ。

だってほら桃華の表情も柔らかくなったじゃないか。

「そう……それならよろしいのですけど」

「それにしても桃華さんは頑張り屋さんだね。弱音を吐かずに毎日レッスン頑張ってるじゃないか」

「子ども扱いしないでくださる? 私、もう立派なレディですの。このくらいは当然ですわ」

これが彼女の傲慢なのかもしれないと俺はこのとき初めて思った。
だけど俺の理想とする人間性に近いことには変わりない。

いや、情けは捨てろ。俺は櫻井を苦しめるだけだ。目的は忘れてはいけない。

「それにしてもお仕事の依頼はありませの?」

「ああ、そのことだけど桃華さんはよく努力してるから今度CDデビューしてもらおうかなと思うんだけどどうだろう?」
225 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:05:37.36 ID:7XaSkfy30
ぱっと笑顔になる桃華は今の俺には眩しい。

「ようやく華々しくデビューするときが来ましたのね! もちろん答えはイエスですわよPちゃま!」

そうか、と口に出した俺は安堵したとともに胸が締め付けられそうな思いに視線を落とした。



桃華はCDデビューを経てアイドルとして順調に認知されていった。
仕事の本数も増え、レッスンの両も増え、勉学の時間を削られていたがそれでも成績を落とすようなことはしなかった。

「成績落としますとお父様に今のお仕事を辞めさせられてしまいますので」

というのは桃華談。実に立派なことだ。

「辛かったらいつでも辞めていいんだよ?」

当初の目的を忘れてしまったわけではないが、俺の口からは俺自身予想だにしない言葉が出た。
226 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:06:16.59 ID:7XaSkfy30
頬を軽くぶたれた。
痛くはなかったが辛かった。
こんなことで泣いてる彼女を見るのが辛かった。

「わ、私……Pちゃまと……一緒に……トップアイドル目指したくて……頑張ってますのに……お勉強だって……頑張って……」

言葉が支離滅裂になっても、嗚咽を漏らして必死で伝えてくる。

何で泣くんだよ。調子狂うな。
俺は心の中で悪態をつくことしかできない。

「ごめんね桃華さん。最後まで一緒に頑張ろう」

「……最初からそう言って欲しかったですの」

「ごめん」

きゅうっと桃華は俺に抱き付いた。

俺はこんなちんちくりんに何ドキドキしてるんだ。バカバカしい。

やっぱり少しためらって俺は桃華のことを抱きしめ返した。
227 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:06:48.80 ID:7XaSkfy30
それから数週間経ったある日の仕事だ。

桃華はショッピングモールのワンフロアを借りてライブをすることになった。

熱心なファンも付き最前列で桃華を応援してる姿が目に映る。
それだけでなく買い物を楽しんでいたファミリーやカップルまでも足を止め桃華に注目している。

俺が彼女をやや過大に評価しているのはこの部分だ。
一般的には何があるのだろうかと注目はするもののここまでの人数が足を止めて立ち止まってる光景はなかなか目にしない。

俺は最前列の席に再び視線を移すと、何やら怪しい動きをしている男を見つけた。
突然、そいつはステージに飛び乗ろうとする。
片手には刃物のようなものが光っていた。
228 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:07:19.92 ID:7XaSkfy30
警備の男は間に合わない。
俺はすぐに桃華の前に立ち振り下ろす手を押さえた。

「きゃぁっ!!」

「僕のものにならないなら桃華ちゃんを殺して、僕も死ぬ!」

桃華も気持ちの悪いファンに目をつけられたものだ。
死ぬならてめーで死ねよ。

俺は心の中でそう言葉を吐いた。

周りの助けもあってすぐに男は捕まり、警察沙汰になった。
イベントはもちろん中止。
こちらも払い戻しなりが発生し、赤字になった。

「……桃華」

「平気ですわ。Pちゃまがそんな顔してどうしますの? いつもの笑顔で私を元気づけてくださいまし」

手が震えてる。よほど怖かったんだ。
229 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:07:49.36 ID:7XaSkfy30
俺だって怖かった。今になって思えば、何で助けたんだ。あのまま……。
その先を考えるのをやめた。

どうしたいんだっけ……。

俺はとりあえず桃華の手を握って笑って見せた。

「遊びに行こうか」

「え?」

「今入ってる仕事が全部終わったら、一度遊びに行こうか」

「遊びにって、二人で?」

「お友達も呼んでいいよ」

「ダメですわ! Pちゃまも誰も誘っちゃダメですわ! 二人で行きますの」

ませてるなぁと思いながらも、桃華の嬉しそうな表情に俺はホッとした。
俺は目的を見失ってはいけない。
この旅行で決着させる。桃華は俺のことをもう疑ってもいないだろう。
230 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:08:20.19 ID:7XaSkfy30
そうして一月後の俺たちは今、夜景を楽しんでいる。

「今日はたくさん遊びまわって疲れてしまいましたの」

「そうだね」

「私、幸せですわ」

「それは良かった」

「この夜景もとっても綺麗ですわ」

「うん」

「そこは私の方が綺麗だとおっしゃる場面ではなくて?」

「恥ずかしくて言えないよ」

良い雰囲気で時が過ぎていく。
櫻井を潰すための用意はしてきた。

桃華を襲って、淫らな写真を撮る。これを交渉材料にあいつを絶望のどん底に叩きこむ。
231 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:09:01.22 ID:7XaSkfy30
「ふわぁ……」

「そろそろ寝ようか?」

「いえ、私はまだ……」

「ベッドまで連れてくよ」

俺は桃華を抱いてベッドまで運んだ。
彼女の顔は真っ赤になってた。よほど恥ずかしかったのだろうか。

「目が冴えてしまいましたわ!」

わっと抗議する桃華の口を俺は押さえた。
もう片方の手で彼女の片手の自由を奪う。

「悪い。俺はお前を……」

桃華のパジャマの前ボタンを引きちぎった。

「Pちゃま……?」

嫌がるというより、自分の身に起きてることが分からないといった様子だった。

「お前の父親に恨みがあるんだ。お前は関係ないんだけど利用させてもらう」

俺は桃華の両腕を押さえるがそれ以上動けなかった。
232 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:09:39.19 ID:7XaSkfy30
「お前の父親は俺の家庭を狂わせた……」

桃華の表情はきょとんとしたものから悲しそうな顔に変わった。
対して俺は自然と笑顔になった気がする。

「Pちゃまが泣くと私も悲しいですわ……」

次に桃華の口から出たのはそんな言葉だった。

俺の手から力が抜ける。
桃華を押さえてた腕をどけると、桃華は俺の首に腕を回してきた。

そして彼女は顔を近づけて、俺にキスをした。

「私、Pちゃまが好きですわ……」

「お前を襲ったんだぞ」

「酷い目には合いませんでしたの」

「お前の親父が憎い」

「私には関係ありませんわ」
233 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:10:07.61 ID:7XaSkfy30
彼女は真っ直ぐ俺を見た。

「俺は……」

桃華の瞳に吸い込まれそうで……。

「お前の親父の会社は嫌いだけど、桃華のことは好きだ」

「私はPちゃまのこと愛してますわ」

「俺は……わからない。すまない」

「今日はもう寝て、明日また遊びましょう」

横向きになって桃華と見つめ合いながら、俺はそのまま深い眠りに落ちた。

夢の中ので母さんに逢った。
母さんは優しく笑っていた。


おしまい
234 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:18:52.56 ID:7XaSkfy30
反省

書き終わり投下してみて、
会話少ないのを修正すればよかったかなと思います。
それとPの視点なので他人の感情の振れ幅が分かりづらかったですね。
他人どころか彼自身の感情も深読みしないと分からないという駄作を
お見せしてしまい申し訳ないです。
小学生とのエッチは自分には想像できなくて断念しました。
しかし、こんな小学生がいるはずないですね。
無理やりねじ込んだようなエピソードも×。
導入は上手くいったなと思った分、中身が無くて残念な作品になってしまった気がします。
面白い設定を提供してくれた>>164さんすみませんでした。
似た設定が出たらこの反省を生かして頑張ります。

次の安価は↓1です。ブレませんので安心してリロード→書き込みしてください。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:18:54.49 ID:ToE53LJlo
>>199
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:18:54.87 ID:M29TMzlKo
プロデューサー:【チンピラみたいな顔つきだが実際は常識人、見た目に似合わずビビりで特にホラーやお化けが苦手】
担当アイドル:【小梅】
アイドルとの関係:【Pは小梅をいい子だとは思っているがホラーやあの子の話をしてくるので苦手 小梅はPに避けられてる気がするのでもっと仲良くなりたいと思っている】
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:18:55.31 ID:/1Adn27mO
>>51
ホラーサスペンスな感じで徹底的にまゆを脅えさせる。
最後にはストーカーに(Pと知らずに)家に押し込まれリボンで目隠しと拘束をされて徹底的に一晩襲われ犯される。傷ついたまゆをPが慰め、Pにより依存していく
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:18:59.84 ID:31TLIdqAO
>>201

途中送信済まない。間違えた。
239 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:23:05.03 ID:7XaSkfy30
>>235
把握しました。そのお話は5行で終わらせる自信があります。

設定>>198は構想中です。
導入からオチまで何にも思いつかないので時間がかかりそうです。

>>234
>>164ではなく>>167でした。ごめんなさい。
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:23:34.94 ID:ToE53LJlo
乙 >>139書いて取れなかったのが今回取れたから良かった

次回は難しそうだががんばってな
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:23:43.97 ID:M29TMzlKo
これからもずっと安価は↓1で固定な感じ?
242 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:27:11.32 ID:7XaSkfy30
>>240
はやい
おめでとうございます

>>241
絶対↓1固定宣言
243 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 00:25:43.77 ID:Xkt9NGCw0
お待たせしました。
設定>>198の内容を本日10日のおそらく23:00頃に投下します。
その時間に投下が無ければ、同日の23:30に変更したと思ってください。

安価の準備を!
244 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 01:28:32.33 ID:Xkt9NGCw0
お待たせしました。
設定>>235の内容を本日10日のおそらく23:30くらいに投下します。
その時間に投下が無ければ、同日設定>>198を投下し終えた頃に再びアナウンスします。

安価の準備を!

※安価の流れは
>>198の内容を投下→反省→安価戦争
>>235の内容を投下→反省→安価戦争
となっております
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 09:14:10.21 ID:uEELVSzAO
二回告知する必要無いだろww
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 09:17:14.51 ID:uEELVSzAO
と思ったら前回安価のもできたのか
本当に五行なんじゃないだろなww
247 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 22:59:38.24 ID:Xkt9NGCw0
設定は>>198です。

『タイトル未定』


都内の街中。

ざわざわ……。

「何アレ?」

「やっべぇ……」

「さすがに引くんだけど……」

「いや、あれはあれでアリ?」

「無い」

喧騒の中心にいるのは他の人の倍はあろうかというほどの長身。
見ただけで気が滅入るほどのダイナマイト過ぎるボディ。
雨が降ってるわけでもないのなぜかびしょ濡れ(特に股間と胸周辺)。
端正な顔立ちを真っ向から否定するこの特徴が美城の誇る敏腕女性プロデューサーというのだからこの社会もいよいよ末期だと思わなくもない。
248 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:00:17.86 ID:Xkt9NGCw0
ああ、見られている……!

女性Pはそう思っただけで膝をついた。
周囲はどよめいた。

「はぁー……はぁー……!」

「あの……大丈夫ですか?」

「問題ないわ」

ぶるぶると震えながらも立ち上がる。
彼女が膝をついてた部分は見事に湿っていた。

出勤までに27回も絶頂を迎えつつ。途中で12回お手洗いで自慰をした。
彼女の体質は、まあいろいろでかい。
性癖は、まあいろいろとんでもない。

夢は可愛い女の子に輪姦されること。
この大きさでアイドルはできないので、プロデューサーになることを決意した。
249 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:01:06.66 ID:Xkt9NGCw0
「はぁー……!」

事務所に到着したのはいいが、彼女の通ってきた道がまるで筒抜けだった。

「プロデューサー、おはようございますぅ」

「お、おう……プロデューサー……」

おっとりとした口調で言うのはPの担当アイドルの『及川雫』。
かなりドン引きしているのは同じく担当アイドルの『向井拓海』。

血走った目で彼女たちを見るPはこの世のものとは思えない。

「そんな息遣い荒くて大丈夫か? ……いや、いつものことだけどよ」

引きつった顔で尋ねる拓海に対して大丈夫と答えるP。

「ああ、拓海っ……!」

「な、ななな何だ!?」

一歩近づけば四歩下がる拓海。
苦手意識というか、もはや身の危険を感じるどころか、近づきさえしたくないのが拓海の本音だったりする。
250 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:01:47.73 ID:Xkt9NGCw0
「私をめちゃくちゃにしてもいいからね」

「ひぇっ……!」

この巨体をどうめちゃくちゃにすればいいのか想像できない拓海はただただ恐怖した。

「雫も搾乳したかったら私でどうぞ。いっぱい出るわよ?」

「私は牛さん専門なので、遠慮しておきます〜」

「残念ね……」

本当に残念そうなのが恐ろしいが、雫は特に気にしてない様子だった。

「脱いでいいかしら」

「上着だけな」

「下着は?」

「やめろっ!」

拓海は心から叫んだ。
251 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:03:26.32 ID:Xkt9NGCw0
「ダメなの……」

そう言うとPは自分のスカートの中に手を突っ込んだ。
くちゃくちゃとかき混ぜる音が聞こえてきて、拓海と雫はすぐ真っ赤になった。

「じゃ、じゃ、じゃあアタシもうレッスン行ってくるから」

「あぁ、あの、えっと、私も行きます〜」

急いで部屋から出る拓海と、彼女を追いかけるようにして雫も部屋を出た。

「あんなのがプロデューサーじゃたまんねーよ……」

「だ、大胆ですね〜」

「あれは病気だ病気。頭のねじを数十本落っことしてきたんだろ。それにいろいろでかすぎて怖えぇったらないぜ」

「それに何だか変な視線を感じます……」

「アタシ、アイドル辞めよっかな……」

「わ、私を一人にしないでください〜!」

そんなやり取りをしつつレッスン場に向かう二人であった。
252 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:04:15.13 ID:Xkt9NGCw0
その頃、事務所はさらに床が濡れ、変な匂いも充満し大変なことになった。

「あー、またイッた……あっまた……また……あ、イク……」

仕事になるのだろうか……。
と心配されがちだが(というか関わりたくないが)、仕事はなぜか普通にこなしてる。
身体が大きいせいもあって一人だけ大きなスペースを取っている。

常にビクビクと痙攣しながら業務をする姿はまさに奇行種。今にも進撃してきそうだ。

どうしたら拓海ちゃんと雫ちゃんに襲ってもらえるかしら……。
ああ、二人に回して欲しい(性的な意味で)。

Pの頭の中はお花畑。
甘い蜜の花がたくさんあって、うじゃうじゃと虫がわいている

そろそろ拓海ちゃんと雫ちゃんが戻ってくるころかしら……。

そこでPはついに閃いた。
向こうから来なければ、こちらから襲ってしまえばいいじゃないかと……。
253 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:04:44.29 ID:Xkt9NGCw0
昼下がり、拓海と雫が戻ってくる。

「今戻ったぜー」

「ただいま戻りました〜」

二人が部屋に入って一番最初に感じたのは鼻腔をつくような匂いだった。
良いとは言えない変な匂いが二人の頭にお花畑を作り上げそうだった。

「何だよこの匂い……」

「さっきよりも床がびちょびちょな気がします〜」

「それは毎日だろ……」

「一体誰がお掃除してるんですかね〜」

二人してそんな苦い顔をしていると後ろの戸が閉められた。
鍵を掛けられる音もちゃんと聞こえた。

二人が慌てて振り返ると全身びしょ濡れ(いつものこと)のPが血眼で立っていた。
254 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:05:50.43 ID:Xkt9NGCw0
「もう辛抱できないわ……」

雫はその場でへたり込み、拓海もPの威圧感で足が震えて倒れそうになる。

「もうさっきからイキっ放しなの……」

いつものことだろうとツッコみたくなる(意味深)。

しかし拓海と雫にそんな余裕はない。

万年発情期のPはいきなりスーツを全部脱ぎ、ニプレスと前張りだけの肢体を晒した。

拓海と雫はとことん恐怖した。

「ひぃっ……!!」

「いやぁ……」

Pのニプレスは乳頭を隠しきれず、さらに白い液体をぼたぼたと垂れ流している。
下の前張りから毛が生えているのかと錯覚してしまうほどの毛の量と、さらに黄色やら透明な液体をぼたぼたと垂れ流している。

それが一歩一歩近づいてくるのだ。しかもその一歩がでかい。
255 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:06:46.27 ID:Xkt9NGCw0
「ぎゃぁあああああ!! 来るな! 寄るな! うわぁぁあああああ!!」

「いやぁぁあああああああああああああああ!!!!」

二人の絶叫が部屋中に響き渡る。

「大丈夫よ。すぐに気持ちよくなるわ」

一歩、また一歩……。

ついに二人の目の前にその巨体が立ちはだかる。

垂れ流しの液体は二人にかかり、彼女たちの精力を奪う。

「拓海……ちゃん……」

「し、雫っ! ……くぅ」

拓海はなんとか雫を引っ張ってPから距離を取ろうとするも腕を掴まれた。
256 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:07:25.75 ID:Xkt9NGCw0
「どうして逃げるの?」

「あ、ああ……ご、ごめんなさい……ごめんなさい……」

「私は謝ってほしくはないのよ? 一緒に気持ちよくなりましょう?」

雫はついに気を失い。拓海は意識を闇に持っていかれそうになる寸前……。

ドアがこじ開けられると共に怒号が飛び交う!

「手を挙げろ化け物! 貴様の正体はとっくに割れてるぞ! 女体奪いのP!」

わらわらと警官が入ってきて、あらゆる場所から液体を噴き出すPに銃を構える。
Pは軽く舌打ちをすると、窓から飛び降りた。ちなみにここは4階だ。

「二人の少女を保護しろ!」

「助かったのか……?」

ここで拓海の意識も途切れた。

その後包囲されたPは警官に撃ち抜かれ、死亡する。
257 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:07:55.40 ID:Xkt9NGCw0
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「……とかいう撮影もありましたね〜」

「本当、身体が大きすぎるからって失礼しちゃう役だったわ」

「いやいや、名演技だったってあれは」

「でも設定が吹っ飛び過ぎて〜」

「放送NGって何だよって話だな。あの時の時間を返してほしいぜ」

「ギャラは発生したからいいじゃない」

「円盤に収録されるみたいですし〜」

「げっ、あれが?」

「まあいいんじゃないかしら」

「いいのかよプロデューサー……」

「あれ、身長以外は作り物だったじゃないですか〜」

「まあ変な噂にはなるでしょうけどね。それもまた一興よ」

「変なところ寛容だよな」

「プロデューサーのいいところですね〜」

「ありがとう雫ちゃん」

今日も事務所は平和です。


おしまい
258 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:10:38.53 ID:Xkt9NGCw0
反省

勢いに身を任した結果がこれです。
設定提供の>>198さんの要望には応えられずにすみません。


安価は↓1です。先に言っときます。早すぎ。
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