【アイマス】例えばこんなプロデューサーとアイドルのお話【安価】

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237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:18:55.31 ID:/1Adn27mO
>>51
ホラーサスペンスな感じで徹底的にまゆを脅えさせる。
最後にはストーカーに(Pと知らずに)家に押し込まれリボンで目隠しと拘束をされて徹底的に一晩襲われ犯される。傷ついたまゆをPが慰め、Pにより依存していく
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:18:59.84 ID:31TLIdqAO
>>201

途中送信済まない。間違えた。
239 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:23:05.03 ID:7XaSkfy30
>>235
把握しました。そのお話は5行で終わらせる自信があります。

設定>>198は構想中です。
導入からオチまで何にも思いつかないので時間がかかりそうです。

>>234
>>164ではなく>>167でした。ごめんなさい。
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:23:34.94 ID:ToE53LJlo
乙 >>139書いて取れなかったのが今回取れたから良かった

次回は難しそうだががんばってな
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/09(土) 22:23:43.97 ID:M29TMzlKo
これからもずっと安価は↓1で固定な感じ?
242 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/09(土) 22:27:11.32 ID:7XaSkfy30
>>240
はやい
おめでとうございます

>>241
絶対↓1固定宣言
243 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 00:25:43.77 ID:Xkt9NGCw0
お待たせしました。
設定>>198の内容を本日10日のおそらく23:00頃に投下します。
その時間に投下が無ければ、同日の23:30に変更したと思ってください。

安価の準備を!
244 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 01:28:32.33 ID:Xkt9NGCw0
お待たせしました。
設定>>235の内容を本日10日のおそらく23:30くらいに投下します。
その時間に投下が無ければ、同日設定>>198を投下し終えた頃に再びアナウンスします。

安価の準備を!

※安価の流れは
>>198の内容を投下→反省→安価戦争
>>235の内容を投下→反省→安価戦争
となっております
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 09:14:10.21 ID:uEELVSzAO
二回告知する必要無いだろww
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 09:17:14.51 ID:uEELVSzAO
と思ったら前回安価のもできたのか
本当に五行なんじゃないだろなww
247 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 22:59:38.24 ID:Xkt9NGCw0
設定は>>198です。

『タイトル未定』


都内の街中。

ざわざわ……。

「何アレ?」

「やっべぇ……」

「さすがに引くんだけど……」

「いや、あれはあれでアリ?」

「無い」

喧騒の中心にいるのは他の人の倍はあろうかというほどの長身。
見ただけで気が滅入るほどのダイナマイト過ぎるボディ。
雨が降ってるわけでもないのなぜかびしょ濡れ(特に股間と胸周辺)。
端正な顔立ちを真っ向から否定するこの特徴が美城の誇る敏腕女性プロデューサーというのだからこの社会もいよいよ末期だと思わなくもない。
248 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:00:17.86 ID:Xkt9NGCw0
ああ、見られている……!

女性Pはそう思っただけで膝をついた。
周囲はどよめいた。

「はぁー……はぁー……!」

「あの……大丈夫ですか?」

「問題ないわ」

ぶるぶると震えながらも立ち上がる。
彼女が膝をついてた部分は見事に湿っていた。

出勤までに27回も絶頂を迎えつつ。途中で12回お手洗いで自慰をした。
彼女の体質は、まあいろいろでかい。
性癖は、まあいろいろとんでもない。

夢は可愛い女の子に輪姦されること。
この大きさでアイドルはできないので、プロデューサーになることを決意した。
249 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:01:06.66 ID:Xkt9NGCw0
「はぁー……!」

事務所に到着したのはいいが、彼女の通ってきた道がまるで筒抜けだった。

「プロデューサー、おはようございますぅ」

「お、おう……プロデューサー……」

おっとりとした口調で言うのはPの担当アイドルの『及川雫』。
かなりドン引きしているのは同じく担当アイドルの『向井拓海』。

血走った目で彼女たちを見るPはこの世のものとは思えない。

「そんな息遣い荒くて大丈夫か? ……いや、いつものことだけどよ」

引きつった顔で尋ねる拓海に対して大丈夫と答えるP。

「ああ、拓海っ……!」

「な、ななな何だ!?」

一歩近づけば四歩下がる拓海。
苦手意識というか、もはや身の危険を感じるどころか、近づきさえしたくないのが拓海の本音だったりする。
250 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:01:47.73 ID:Xkt9NGCw0
「私をめちゃくちゃにしてもいいからね」

「ひぇっ……!」

この巨体をどうめちゃくちゃにすればいいのか想像できない拓海はただただ恐怖した。

「雫も搾乳したかったら私でどうぞ。いっぱい出るわよ?」

「私は牛さん専門なので、遠慮しておきます〜」

「残念ね……」

本当に残念そうなのが恐ろしいが、雫は特に気にしてない様子だった。

「脱いでいいかしら」

「上着だけな」

「下着は?」

「やめろっ!」

拓海は心から叫んだ。
251 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:03:26.32 ID:Xkt9NGCw0
「ダメなの……」

そう言うとPは自分のスカートの中に手を突っ込んだ。
くちゃくちゃとかき混ぜる音が聞こえてきて、拓海と雫はすぐ真っ赤になった。

「じゃ、じゃ、じゃあアタシもうレッスン行ってくるから」

「あぁ、あの、えっと、私も行きます〜」

急いで部屋から出る拓海と、彼女を追いかけるようにして雫も部屋を出た。

「あんなのがプロデューサーじゃたまんねーよ……」

「だ、大胆ですね〜」

「あれは病気だ病気。頭のねじを数十本落っことしてきたんだろ。それにいろいろでかすぎて怖えぇったらないぜ」

「それに何だか変な視線を感じます……」

「アタシ、アイドル辞めよっかな……」

「わ、私を一人にしないでください〜!」

そんなやり取りをしつつレッスン場に向かう二人であった。
252 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:04:15.13 ID:Xkt9NGCw0
その頃、事務所はさらに床が濡れ、変な匂いも充満し大変なことになった。

「あー、またイッた……あっまた……また……あ、イク……」

仕事になるのだろうか……。
と心配されがちだが(というか関わりたくないが)、仕事はなぜか普通にこなしてる。
身体が大きいせいもあって一人だけ大きなスペースを取っている。

常にビクビクと痙攣しながら業務をする姿はまさに奇行種。今にも進撃してきそうだ。

どうしたら拓海ちゃんと雫ちゃんに襲ってもらえるかしら……。
ああ、二人に回して欲しい(性的な意味で)。

Pの頭の中はお花畑。
甘い蜜の花がたくさんあって、うじゃうじゃと虫がわいている

そろそろ拓海ちゃんと雫ちゃんが戻ってくるころかしら……。

そこでPはついに閃いた。
向こうから来なければ、こちらから襲ってしまえばいいじゃないかと……。
253 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:04:44.29 ID:Xkt9NGCw0
昼下がり、拓海と雫が戻ってくる。

「今戻ったぜー」

「ただいま戻りました〜」

二人が部屋に入って一番最初に感じたのは鼻腔をつくような匂いだった。
良いとは言えない変な匂いが二人の頭にお花畑を作り上げそうだった。

「何だよこの匂い……」

「さっきよりも床がびちょびちょな気がします〜」

「それは毎日だろ……」

「一体誰がお掃除してるんですかね〜」

二人してそんな苦い顔をしていると後ろの戸が閉められた。
鍵を掛けられる音もちゃんと聞こえた。

二人が慌てて振り返ると全身びしょ濡れ(いつものこと)のPが血眼で立っていた。
254 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:05:50.43 ID:Xkt9NGCw0
「もう辛抱できないわ……」

雫はその場でへたり込み、拓海もPの威圧感で足が震えて倒れそうになる。

「もうさっきからイキっ放しなの……」

いつものことだろうとツッコみたくなる(意味深)。

しかし拓海と雫にそんな余裕はない。

万年発情期のPはいきなりスーツを全部脱ぎ、ニプレスと前張りだけの肢体を晒した。

拓海と雫はとことん恐怖した。

「ひぃっ……!!」

「いやぁ……」

Pのニプレスは乳頭を隠しきれず、さらに白い液体をぼたぼたと垂れ流している。
下の前張りから毛が生えているのかと錯覚してしまうほどの毛の量と、さらに黄色やら透明な液体をぼたぼたと垂れ流している。

それが一歩一歩近づいてくるのだ。しかもその一歩がでかい。
255 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:06:46.27 ID:Xkt9NGCw0
「ぎゃぁあああああ!! 来るな! 寄るな! うわぁぁあああああ!!」

「いやぁぁあああああああああああああああ!!!!」

二人の絶叫が部屋中に響き渡る。

「大丈夫よ。すぐに気持ちよくなるわ」

一歩、また一歩……。

ついに二人の目の前にその巨体が立ちはだかる。

垂れ流しの液体は二人にかかり、彼女たちの精力を奪う。

「拓海……ちゃん……」

「し、雫っ! ……くぅ」

拓海はなんとか雫を引っ張ってPから距離を取ろうとするも腕を掴まれた。
256 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:07:25.75 ID:Xkt9NGCw0
「どうして逃げるの?」

「あ、ああ……ご、ごめんなさい……ごめんなさい……」

「私は謝ってほしくはないのよ? 一緒に気持ちよくなりましょう?」

雫はついに気を失い。拓海は意識を闇に持っていかれそうになる寸前……。

ドアがこじ開けられると共に怒号が飛び交う!

「手を挙げろ化け物! 貴様の正体はとっくに割れてるぞ! 女体奪いのP!」

わらわらと警官が入ってきて、あらゆる場所から液体を噴き出すPに銃を構える。
Pは軽く舌打ちをすると、窓から飛び降りた。ちなみにここは4階だ。

「二人の少女を保護しろ!」

「助かったのか……?」

ここで拓海の意識も途切れた。

その後包囲されたPは警官に撃ち抜かれ、死亡する。
257 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:07:55.40 ID:Xkt9NGCw0
――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――

「……とかいう撮影もありましたね〜」

「本当、身体が大きすぎるからって失礼しちゃう役だったわ」

「いやいや、名演技だったってあれは」

「でも設定が吹っ飛び過ぎて〜」

「放送NGって何だよって話だな。あの時の時間を返してほしいぜ」

「ギャラは発生したからいいじゃない」

「円盤に収録されるみたいですし〜」

「げっ、あれが?」

「まあいいんじゃないかしら」

「いいのかよプロデューサー……」

「あれ、身長以外は作り物だったじゃないですか〜」

「まあ変な噂にはなるでしょうけどね。それもまた一興よ」

「変なところ寛容だよな」

「プロデューサーのいいところですね〜」

「ありがとう雫ちゃん」

今日も事務所は平和です。


おしまい
258 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:10:38.53 ID:Xkt9NGCw0
反省

勢いに身を任した結果がこれです。
設定提供の>>198さんの要望には応えられずにすみません。


安価は↓1です。先に言っときます。早すぎ。
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:10:40.17 ID:bfP12myso
>>236
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:10:41.11 ID:CQq0udJK0
>>237
261 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:13:39.09 ID:Xkt9NGCw0
>>259
把握しました。

少し休憩します。
23:30頃に設定>>235を投下します。
先ほど安価取れなかった方も今日はもう一度チャンスありますよ。
262 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:31:18.42 ID:Xkt9NGCw0
『タイトル未定』


自称サイキックアイドルのエスパーゆっこは戦慄した。

自分の夢を最近コントロールできるようになった裕子はせめて夢の中ではサイキックを使いたかったのだ。

「ここは夢の世界だから何でも私の思い通り……」

ぶつぶつと懸命に自己暗示をしてこの世界を操るのだ。

「よしっ! むむむ〜ん!!」

スプーンがどこからともなく現れ、それは裕子が念じるだけで手を触れずとも折れ曲がる。

「これがエスパーゆっこの力です!」

わーわー! とどこからともなく歓声が響き渡る。
気が付けばメルヘンな世界にウサギやわんこなどのファンシーな動物たちが拍手したり、楽器をボンボン鳴らしたりしていた。
263 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:31:56.05 ID:Xkt9NGCw0
「ここがウサミン星……」(違う)

裕子は笑いが止まらない。

「私が……神!!」

『いいのか? そんなんでいいのか?』

「だ、誰!?」

『私は声優だぞ。アイドルだぞ』

「つ、津田ネキ!?」

『小日向美穂だぞ』

「み、美穂ちゃん!?」

頭がこんがらがってきた裕子の前に現れたのは少年だった。

「津田ネキでも美穂ちゃんでもないじゃん!!」
264 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:32:52.77 ID:Xkt9NGCw0
「その通り、私が本当の神だ」

「む、何をぅ! 私の世界で私の邪魔はさせません! むむむ〜ん!!」

世界が生まれ変わる!

「甘い! むむむむ〜ん!!!!」

バチーン! という音と共に裕子は吹き飛ばされ、裕子の思い描いた世界とは別の世界ができあがった。

「……こ、これは!?」

「ここはお前の夢でありながら、私の世界だ。裕子、確かに微力なサイキックを感じるがまだまだ弱い」

「くっ! まだ訓練が足りないと言うのですね!」

「堀裕子よ。お前は確かアイドルをやっているな?」

「なぜそれを! って私の夢だから当たり前か……」

「いや、私はお前の夢の住人ではないのだ」
265 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:33:25.09 ID:Xkt9NGCw0
「ふーん」

「信じていないな。ならばこうしよう! 私は明日からお前のプロデューサーだ。そしてお前に真のサイキックを伝授してやる。次世代を担う若者となれ!」

裕子はそろそろ夢覚めないかなと思っていた。

結局、体感時間にして30分ほどこの少年の演説は続いた。



そして朝!

「何にもなってないんかい!」

どっかの大阪出身アイドル顔負けのツッコミを朝一で繰り出し、いつも通り学校へ行く。

特に何事も無く終わり事務所へ向かう。

「遅いぞエスパーゆっこ!」

「ぎゃああああ!! プロデューサーが神様になってるぅ!!」

そうして裕子は昨日見た夢の内容を信じた。
266 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:34:10.59 ID:Xkt9NGCw0
ところ変わってレッスン場。

「さてゆっこよ。私はこれからお前にサイキックを授ける。それには少しばかり厳しい修業が必要だ」

「その厳しい修業とは何でしょうか師匠!」

「うむ! 師匠とは良い心がけだゆっこ!」

そんなことはどうでもいいから早く教えてほしい裕子であった。

「では行くぞ!」

ところ変わって極寒の地南極!

「ところ変わりすぎ!!」
267 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:34:50.11 ID:Xkt9NGCw0
「まずはステップ1!」

「師匠!! さぶずぎまず!!」

「そうだろう! 寒いだろう!! ならば温かくしようじゃないか!!」

こいつの頭は大丈夫なのだろうかと思う裕子だったが、神の力は本物だ。

「むむむむ〜ん!!!!」

神がそう唱えると南極の地は暖かく過ごしやすい気候に変わり、樹木が生え、植物が生きられる土地になった。

「す、すごい!」

すごいとかそういう次元ではない。

「じゃあ元に戻すから、ゆっこ、次はお前がやってみろ」

「え、戻すんですか?」

「むむむむ〜ん!!!!」

唱えると極寒の地に再び戻った。草木は一瞬で消滅した。
268 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:35:17.93 ID:Xkt9NGCw0
「さあ、やってみるんだ!」

「無理ですっ!!」

「最初から無理だとあきらめるな。信じれば必ずできる。お前のサイキックはそんなものじゃないだろう?」

「し、師匠っ!!」

こうして特訓が始まった。

「むむむ〜ん!!」

「気合が足りない」

「むむむ〜ん!!」

「根性が足りない」

「むむむ〜ん!!」

「声量が足りない」

「むむむ〜ん!!!」

「何か足りない」

「何かって何ですか!!?」
269 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:35:55.03 ID:Xkt9NGCw0
むむむ〜ん!! ……むむむ〜ん!! …………むむむ〜ん!!


修行から一週間後。

「師匠……私はやっぱりサイキックの才能が無いのではないかと思い始めてるのです」

「どうしたゆっこよ。お前の意思はそんなものではなかっただろう……」

「けどこれだけサイキックを使ってるのに風邪を引くばかりで、サイキックによる現象を起こせていません!!」

「……それはどうだろうか?」

神P(一応プロデューサー)は裕子の足元を指さした。

「それに気づかなかったお前は未熟……しかし! 遥か先を見据え、足元を見ないお前はそれ以上に立派なのだよ」

裕子の足元には一輪の花が咲いていた。
裕子は力なく膝をつきその一輪の花を目にして涙を流す。
270 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:36:54.29 ID:Xkt9NGCw0
「よかろう! 機は熟した!! エスパーゆっこよ。お前にサイキックを与えよう」

「し、しかし私はまだ!」

ステップ1しかやってません! とは言いづらかった。

「お前のサイキックは不十分! だが、私のサイキックを受け取ることで私以上のサイキッカーとなることだろう!」

「そ、そんな……私が師匠よりも?」

「その通りだ。今までそうしてサイキックは伝承されてきた……ゆっこ、そしてそれはお前で完成を迎える。人々を導き、そして! お前が新たなる神となるんだ!!」

裕子を光が包み込む!

「む、むむ、むむむむむむむむ……!」

裕子の姿が進化する!
271 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:37:29.90 ID:Xkt9NGCw0










「…………楽天カードマーン!!!! むむっ!!」









272 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:38:14.04 ID:Xkt9NGCw0
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
――――――――――――

「……とかいう撮影は結局お蔵入りになりましたね」

「うん、残念だなぁ……せっかくゆっこ念願のエスパーキャラが演じれると思ったのにね」

「何言ってるんですかプロデューサー! 私のサイキックは本物ですよ!」

「でもギャラは発生したし、円盤にも収録されるみたいだし……」

「『世にも奇抜な物語』でしたっけ?」

「そうそれ」

「でもプロデューサーもなかなかの演技でしたよ!」

「ははは……そうかな? むむむむ〜ん!!!! ……なんちゃって」

「あははっ……負けませんよ〜! むむむ〜ん!!」

突如二人の身体が光出した!

「「……え?」」

光が二人を包み込む!!


おしまい
273 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:40:38.79 ID:Xkt9NGCw0
反省

反省というか何ですかこれ?
頭のネジをいくらか外して書いたとしか思えない物語になってしまいました。
自分で投稿しててわけわからなくもなりました。
助けてください。

安価は↓1です。どうぞ。
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:40:40.80 ID:4OYWER6KO
プロデューサー:【戦う寡黙な女プロデューサー。だいたい目で語る。平時は美人だがここぞという時や驚いた時の動きがやたらオーバーで芝居掛かってる(一応素らしい)】
担当アイドル:【南条光・小関麗奈】
アイドルとの関係:
【光……守られたあの日から超慕ってる。目指すヒーロー像の一つ。P・麗奈間の通訳としても活躍。
麗奈……Pのリアクションが素晴らしいからイタズラが絶えない。ただ光や周りの大人がPと意思疎通できてることが未だに納得できないでいる】
その他要望:
世はまさにアイドル戦国時代。アイドルを狙って朝駆け夜討ちは当たり前。
そんな危険からアイドルを文字通り守るのもプロデューサーの務めなのです。
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:40:40.94 ID:CQq0udJK0
>>237
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:40:42.03 ID:ZxjoTDi1o
プロデューサー:【20代男性、元はヒットに恵まれない作曲家。諦めて一般企業に転職する寸前、それまでの仕事の伝手でプロデューサー業に】
担当アイドル:【梅木音葉】
アイドルとの関係:【モバマス、デレステの設定どおり前の事務所で燻っていたところを引き抜く。アイドルと音楽プロデューサーとして二人三脚で夢を取り戻す物語。R-18無し】
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:40:45.02 ID:2ssf88da0
P:【かつて日米の球史に残る大活躍をした元プロ野球選手。タイ・カッブとバリー・ボンズを足したような人物(選手)で自身の性格が災いし、引退後指導者のオファーが無く嫌々346プロに籍を置き毒舌な解説者兼タレントをしていたがプロデューサーとしてアイドル達を成功させる事で自分の管理・育成能力を示し、プロ野球の監督として現場復帰を企んでいる】
担当アイドル:【友紀】
アイドルとの関係:【Pは友紀が野球好きで自分の過去の人脈とツテを使い易いので居てくれると非常に仕事がしやすいと思っているが友紀はPを最高の選手だったが最悪の人格と思っている】
その他の要望:【指導者の道が絶望的になるので薬物や八百長・賭博関係の話はシロで】
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/10(日) 23:40:52.79 ID:snlrfcYv0
プロデューサー(以下P):23歳、14歳組のアイドル担当。平均身長より低い。歳の離れた姉がおり、その娘の美玲とはカツオとたらちゃんの関係。
実家に帰省中、自慰を美玲に目撃脅迫される。アイドル達とは仕事中はプロデューサー、それ以外は奴隷。常に貞操帯をつけられ、射精管理と排泄管理をされてる。
担当アイドル:14歳組
登場アイドル
美玲、光、紗南、晶葉、愛海

美玲:Pのことは頼りになる兄兼プロデューサーだと思っていた。両親の実家に帰省中、自分をおかずに自慰をしたPを目撃。それをネタに肉体関係を強要。フェラ好きで・みつき癖がある。

光:Pが最初にスカウトしたアイドル。SMプレイ中のPを救おうとしたが失敗。プレイにM役として参加させられ、Pと一緒に調教される。これがきっかけでMに堕ちる。Pと同じく貞操帯をつけられ排泄管理をされてる。

紗南:ゲーム以外の楽しさを教えてくれたPや美玲には感謝してる。
ルールを決めたプレイをよくやり、ルールを守ればご褒美を、破ったら罰を与える。(例:10分間射精我慢、褒美:空っぽになるまで射精。罰:朝まで寸止め。)

晶葉:紗南と同じ様に発明以外に興味を持つきっかけを教えてくれたPと美玲に感謝している。プレイに使う道具は全て彼女の発明。発明に息詰まるとPでストレス発散する。

愛海:お仕置きとして清良、真奈美からアナル調教を受けている。光と十揉みスパンキング一発の取引をしている。アナル調教はするのもされるのも好き。

要望
美玲:言葉攻め、自慰の強要、全身舐め
光:スパンキング、肉体改造
紗南:顔面ベニバン、手こきなどのタイムアタック
晶葉:玩具の発明と実験
愛海:浣腸、アナル拡張
279 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/10(日) 23:51:11.89 ID:Xkt9NGCw0
>>274
把握しました。
この設定説明から私の解釈で物語を構成します。

採用されてない他の安価もちらっと見たのですが、どれもある程度は長いお話になりそうですね。

ちなみにここまでのお話でいろんな書き方、というかいろんなノリで書いてみましたが
皆さん的にはどれが良くてどれが悪い、とかありますか?
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/11(月) 00:09:32.46 ID:ALzQg+G9O
ノリで言うなら婆ちゃんPの時みたいなギャグノリが好き
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/12(火) 12:49:56.17 ID:5Y+jqqF3o
美優と仁奈のやつみたいなほのぼのした感じが好き
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/12(火) 12:55:22.77 ID:YcoGzv4KO
関ちゃんほたるのようなやつと今回の勢いのままぶん投げたやつが好き
283 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/17(日) 00:17:28.87 ID:uxz0kM6Y0
レスありがとうございます。
私の書く物語ですが、自分ではイマイチだと思っていたギャグノリが微妙に高い評価を受けてると知り、
少しだけ自信が持てました。これで多少はギャグも書いてみようかなという気になれます。
私自身、ここまで書いてみて、序盤の方の美優仁奈のお話が好きというか、
ああいう感じのが上手く書けたなと思ったお話です。(誤字が無ければなお良かった)
引き続き評価、批評があればどんどんレスしてください。


それはさておき投下のお知らせをさせてください。
本日17日はライブがあるため投下しません。

設定>>259を18日の月曜日、22:00くらいに投下します。

設定>>274を18日の月曜日、>>259投下後に再びアナウンスした後、投下します。

安価は前回と同じようにそれぞれの反省の↓1で取ります。準備しておくといいかも……?


長文失礼しました。
おやすみなさい。
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/17(日) 00:20:38.91 ID:4cFlTr2LO
戦争を煽る系>>1
285 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 21:58:12.26 ID:erIzBGH30
設定は>>259


『タイトル未定』


男は前にいる女性が落としたハンカチを拾い上げると、手渡すために話しかけた。

「あの、ハンカチ落としましたけど……」

重低音な声に振り向いた女性は明らかに動揺し、顔面を蒼白にさせた。

「あ、ああああありがとうございますっ!!」

そう言って一目散に駆けていく。

男は良いことをしたなと満足げに微笑むと、周囲からは小さく悲鳴が上がった。
それは平和な駅のホームでの出来事であった。
286 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 21:58:59.16 ID:erIzBGH30
男は会社へ出勤し、挨拶をする。

声を聞いてびくりと震える過半数の人間と、気楽に返す彼の同期や上司にはっきり二分する。

そんな彼はアイドルのプロデューサーなのだ。

「はぁ……」

険しい表情で重たく低いため息をつくPに幾らかの同僚が反応した。

先ほどまで静かにデスクワークをこなしていたはずの同僚たちほとんどが一斉にキーボードをたたき始めたようで、カタカタと音がする。

Pも負けていられないと気合を入れる。

「よし、やるか……」

キーボードをたたく音が一層激しくなったように聞こえた。
287 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 21:59:44.94 ID:erIzBGH30
彼はいろんな仕事を素早く取ってくるのだが、そんな彼にも悩みがある。

それは担当するアイドルが怯えてしまうことだった。
自分の雰囲気が怖いと自覚はしているが、話しかければ悲鳴を上げ、笑っていた顔は一瞬で冷める。
そんなアイドルを2人ほど担当した。

しかしそんなPを怖がることのないアイドルもいたようで、彼女曰くそれは周りの人がおかしいと言う。

今も変わらずその子を担当しているのだが、ここからが本当の悩みの種であった。

その女の子はいわゆる『視える子』らしい。
Pは考えただけでゾッとする。
288 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:00:43.09 ID:erIzBGH30
しかもいつもその子の近くに一人いるらしい『あの子』と呼ばれる女の子。
最初は冗談だと思ってたが、どうやらマジらしい。

Pはキーボードをたたく手が震えるのが分かった。
勢いあまってバシバシと部屋に響くほど音が鳴る。

そして同僚たちのカタカタ音はより一層激しくなり、ガタガタ音へと変わった。

Pは担当アイドルの『白坂小梅』のことを考えつつ、さらにやる気に溢れた同僚たちに負けないように頑張らねばと思った。

「……プロデューサー」

「うぉぉぉおおおお!!」

部屋中に響くPの悲鳴。相変わらず重低音で迫力がある。
289 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:01:15.71 ID:erIzBGH30
それに合わせて部屋中にバンっ!! という音が響いた。
きっと私がうるさくて、同僚たちが机バンやら壁ドン(パンチする方)をしたのだろうとPは思った。

「……し、失礼」

とりあえず詫びを入れておく。

「白坂さん、おはようございます」

不意に現れた白坂小梅。
鳴りやまないこの胸のときめきはいつしかときめき過ぎて死ぬかもしれないと思うPだった。心臓に悪い。

「……おはよう。昨日は……ね……え、映画を見たんだ……よ?」

「そ、そうですか……」
290 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:01:58.28 ID:erIzBGH30
「すごく、面白かったから……ぷ、プロデューサーにも……教えてあげようと、お、思って……」

「はい、ありがとうございます。……機会があれば視聴してみます」

Pは嘘をついた。罪悪感を覚える。
この女の子、白坂小梅は映画といえば大体ホラーやスプラッタといったグロテスクな作品を好むのだ。

Pはできればその類の作品を見たくない。苦手なのである。このなりで……。

「早く……ホラーのお仕事、や、やりたい……な……」

「はい、善処します……」

こういったお願いばかりしてくるので困ってしまった。
13歳の女の子を一人で行かせるわけにいかないし、かと言ってP自身がその現場に行くのは嫌なのだ。
291 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:02:45.96 ID:erIzBGH30
そんなことを考えていると、不意にPはとてつもない疲労を感じた。

「ふう……なんだか身体が重いですね……」

「あ……プ、プロデューサーさん……」

「何でしょう?」

「あの子、プロデューサーさんのこと、き、気に入ってるみたい……」

「はい?」

……と同時にPはゾッとした。
壁にかかっていた鏡を見ると、映っていたのは自分と、自分に抱き付く女の子。

長い髪の奥から青白い顔と虚ろな目、そしてニタリと笑む口元を見てPの顔面は蒼白した。
292 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:03:21.58 ID:erIzBGH30
「あの、白坂さん……」

「な、何……?」

怖すぎて振り向けなかったが、意を決してようやく鏡から目を離す。
女の子が抱き付いているのをハッキリと確認した。

「助けてください」

「こ、怖くないよ……?」

貴方は怖くないかもしれませんけど……とは言い辛かった。

再び女の子を見てみると髪の毛の間から目と目が合う。
ニヤリと笑う女の子を見てPは椅子をひっくり返した。

Pのデスクから大きな音がしたかと思うと、今度はガシャン! と周囲からカップを割るような音が連続した。
293 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:04:30.54 ID:erIzBGH30
「とても怖いです……」

「大丈夫……だよ」

小梅も女の子も心配そうに見つめる。

「な、仲良くしたいって、ゆ、言ってる」

無理です……とはやっぱり言えなかった。

「…………善処します」

この日を境にPの目には見えざるものが見えるようになったらしい。

次の日。

「白坂さん、おはようございます」

げっそりとした様子で周囲に怯えられながらもPは出勤していた。
294 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:04:59.92 ID:erIzBGH30
「お、おはよう……!! プ、プロデューサーさん! ちょっと、や、やばいかも……」

「何がですか? ああ、彼らは少し道に迷ってしまったらしくて……しかたがないので私がご案内してあげようかと……」

「ど、どこに……!?」

「冥土に」

低くて芯の通った声が事務所内に響いた。
途端、どこかのデスクで、何かが爆発したような音がした。

「プロデューサーが、い、行ったら死んじゃう……」

「何を言ってるんですか? 私は死にませんよ。ついでに彼女も連れて行ってあげます」

ガターン! とPCが倒れるような音も聞こえてきた。

「この子は、わ、悪い子じゃないよ……」

「そうですか……では悪い子は連れて行ってしまいますね?」

あちこちから短い悲鳴が聞こえた。
すぐに、書類を書くようなペンの音と、キーボードを一生懸命叩く音が部屋中に響き渡った。
295 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:05:45.66 ID:erIzBGH30
そしてドアから入ってくるのはPの後ろからぞろぞろと憑いてきた霊たち。彼らはPに導かれるように後ろに付いている。

「さぁ行きましょう……」

「プロデューサーさん、行ったら、だ、ダメ……!」

小梅の静止も聞かずに外へ出るP。慌てて小梅も付いていく。

そして彼は近くの寺に向かった。

Pはお寺の横で立ち止まるとくるりと後ろを振り向いた。
霊たちの綺麗な行列がPの前にできる。

「貴方の罪は何でしょう?」

「……」

「ふむ……大丈夫、貴方はちゃんと許しを得たのです。お行きなさい」

ぱぁっと光に包まれる一人の霊。
296 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:06:14.21 ID:erIzBGH30
「次の方、どうぞ」

「……」

「なるほど……それはいけません。しかし貴方が反省しているのであれば神は見捨てません。彼岸で善行を積むのです」

また光に包まれる。

小梅は目を点にしてその様子をずっと見ていた。

小一時間続いた成仏祭り。

小梅はPに駆け寄った。
297 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:06:42.72 ID:erIzBGH30
「プロデューサーさん、す、すごい……!」

「はぁ……一体ここはどこでしょう? お寺ですか?」

どうやら記憶が無いらしい。

「今のプロデューサーさんなら、き、きっと、心霊スポットの、お、お仕事……取ってこれる……よ」

「……善処します」

この後、強面プロデューサーが実はお坊さんであるという噂が流れ、同僚たちは少しだけ怖がらずに接してくれるようになったらしい。

まだ小梅のお仕事は決まっていないが……。


おしまい
298 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:09:47.82 ID:erIzBGH30
反省

何だこれ短い
ごめんなさい設定を広げられなかったパターンです多分
日常会話の中で読者を楽しませるというのは難しくてこんな感じになりました
まだまだ続けようと思えば続けられそうなのに……惜しいです

とりあえず安価取ります↓1
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:09:49.74 ID:ySYi3m3P0
>>237
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:09:50.47 ID:A62oPRlRo
>>277
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:09:52.55 ID:pq2LtZSI0
>>277
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:10:01.65 ID:m9ILTnWi0
>>278
303 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:12:10.01 ID:erIzBGH30
>>299
把握しました

設定>>274を22:20頃に投下します
304 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:19:55.29 ID:erIzBGH30
『タイトル未定』


「はぁっ!!」

女性の綺麗な回し蹴りが覆面に全身タイツの男に刺さり、男は後ろに吹っ飛んだ。

「ぴにゃー!」

という声を発しながら、スーツを身に付けた一人の女性を、他の覆面たちが取り囲む。

彼女の後ろには守るべきアイドル。

そのアイドル『南条光』はしりもちをついて困惑していた。

「何でアタシみたいな新人アイドルが狙われるんだっ!?」

覆面タイツの男たちの背後から怪物が現れ流暢な日本語で話し始める。

「ふっふっふ……!! 貴様のような将来有望なアイドルの芽は潰すに限るのだす!」
305 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:20:42.34 ID:erIzBGH30
「行け、光」

静かに声をかけるのはスーツの女。

「で、でも……どうせ小さな会場のライブだし、プロデューサーが傷つくくらいならアタシ、今日の仕事キャンセルするっ!」

光は叫んだ。自分が狙われる事態は初めての経験であり、プロデューサーが戦う姿を見るのも初めてだった。

「そうだ! キャンセルするんだ! そしてファンを悲しませるのだす!!」

「光」

その女性、プロデューサーはもう一度静かに言った。

「会場の大小で優劣をつけるのか君は? 君のことを待っているファンを裏切るのか?」

「そ、それは……」

「君は言ったな。ヒーローになりたいと……」

覆面たちと怪物に対し構えを取り、光に背を向けたまま語る。
306 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:21:25.65 ID:erIzBGH30
「言ったけど……でも他人が傷付いてるのを見過ごして現地には向かえないよプロデューサー!」

「……君は一つ勘違いしている」

プロデューサーは覆面たちを蹴散らす。

「ヒーローは自己満足で他人を守るために戦う」

複数を相手にものともせず、バッタバッタとなぎ倒す。

「私が君を守るのは、ファンの笑顔を守る人が君しかいないからだ……」

覆面の男たちは、次々と倒れて、立ち上がると逃げていった。

「つまり、ファンにとって……」

大仰に右腕を広げてスタイリッシュなポーズをとるP。

「君はすでに立派なヒーローだということさ!」

「!!」

「立て、そして行け、光。ファンの笑顔は君にしか守れない」
307 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:22:02.81 ID:erIzBGH30
「……うん、わかった! アタシは行くぜっ! プロデューサーも負けるなよっ!!」

その言葉を聞いてPはニッと笑った。

「ふっ……君は私の笑顔も守ってくれる……」

「い、行かせないだす!!」

怪物は走り出した光に向かって、どうやってか知らないが手の平から捕縛網を投げつけた。
きっと、おそらく、着ぐるみの下に仕込んでいたのだろう。

その網は光を真っ直ぐに捉える。

しかし網はちぎれ、力なく地に落ちた。

「な、何ぃ!!」

Pが手刀で切ったのだ。

「なんてやつ! めちゃくちゃじゃないか!」

どの口が言う……と周囲の野次馬たちは思った。
ちなみにこういった一般の野次馬たちは、ガヤやモブなどと呼ばれる
308 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:23:02.36 ID:erIzBGH30
「覚悟はいいな」

Pはそう言って走り出した。

「こ、このぉ!」

Pの肉弾戦に、着ぐるみも動きづらそうに肉弾戦で応対するが、あっという間にフルボッコにされ、土下座していた。

「はぁー、もう終わりか……」

「あのプロデューサーの担当、南条光って子だぜ」

「へぇ良いプロデューサーだな」

「南条光も可愛いしファンになったわ!」

戦闘が終わりガヤガヤとざわめく周囲のガヤたち。

これでアイドルのプロデュースは上手くいったという評価を受けるのだ。

309 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:23:52.25 ID:erIzBGH30
数週間後。

「でゅわあああああああああ!!!!」

「あーっはっはっはっはっは!!!!」

事務所に響く悲鳴と笑い声が実に対照的だ。また苦情が来るのだろう。

「麗奈、そのゴキブリ模型のトラップはやめるんだ。アタシだってマジでビビったんだぞ」

「はっはっはっは……!! はぁ……いやぁ、本当リアクション良すぎて止められないってもんよ」

「外道めっ! アタシが成敗してくれる!!」

「おい、やるのか光! アタシがアンタに負けたことが一度でもあったっけ!?」

「やってみなければ分からないだろ!」

そんな様子を見たPはさっきの態度とはうって変わって二人の間に割って入った。

「プロデューサー……わかったよ」

「うん? アンタ邪魔すんじゃないわよ」
310 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:24:58.13 ID:erIzBGH30
Pは首を横に振るうと手に持ってた何かを麗奈に投げつけた。

ぶぅうんと麗奈の前を羽ばたきながら通過するそれは、黒光りしたゴキブリだった。

「ぎゃああああああああああああ!!!! ほ、ほほほほ本物っ!!」

その後通過したゴキブリは弾けて霧散した。
Pお得意の訳のわからん武術が炸裂したのだ。

「こ、このぉ……」

ぎりぎりと下唇を噛む麗奈。
機嫌を悪くしたようで、事務所を飛び出してしまった。

「……あっ」

悲しい顔をするP。
これはどうやら彼女なりのコミュニケーションだったらしい。
311 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:26:03.15 ID:erIzBGH30
「ダメだプロデューサー……麗奈はちょっと捻くれてるから」

それは捻くれてなくてもダメだ。

麗奈は光がそこそこ有名になってから、Pが担当したアイドルで、このように意思疎通ができず、何度か仕事をキャンセルさせられたこともある。

「言葉を話すのが苦手なのは分かるけど……」

しかしそんなことも言ってられないことは明らかだった。

何せ次に待ち受けている仕事は光と麗奈のタイアップ。正義と悪の夢の共演というコンセプトで注目されている公演なのだ。

「レッスンはちゃんとやってるけど、次もきっとゴシップは来るよ……」

ゴシップはアイドルを狙う怪物たちのこと。
怪物の正体は着ぐるみやコスプレイヤーで、中の人もちゃんといる。
たまに顔バレしてるゴシップもいる。
312 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:26:45.31 ID:erIzBGH30
ちなみに今大人気のゴシップはぴにゃこら太だ。
アイドルの仕事をキャンセルさせて自分が代わりに出演するのだ。
そしてそのアイドルの人気をかっさらってしまう畜生である。

ぴにゃこら太のセルフプロデュース力は千葉の非公認ゆるキャラとほぼ同等。狙われたら半分くらいの確率で負けてしまう。

「今のプロデューサーのプロデュース力でも麗奈とのコミュニケーション不足で負けちゃうかもしれないんだ」

非情に世知辛い世の中である。

「この前も他のプロデューサーに負けたじゃないか!」

先日は確かアイドル『徳川まつり』のプロデューサーと執事対決をして負けたばかり。
……殴り合うだけがプロデュース力では無いのだ!

ゴシップに、ライバルアイドルと、より取り見取りなラインナップで仕事の奪い合いが起こる。まさにアイドル戦国時代(哲学)。

つまり人気のアイドルには強いプロデューサーが付いている。そして大きなお仕事も貰えるので多くの人に狙われやすい。
313 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:27:36.21 ID:erIzBGH30
「アタシは……次のライブでは絶対にファンの笑顔を守りたい」

Pは光の真剣な表情を見て申し訳なさそうに落ち込んだ。

「……謝らないで」

別にPは口に出して謝ってはいないが……。

「しっかりと麗奈とコミュニケーションを取って、次のプロデュースバトルでパーフェクトコミュニケーションを発揮すればいいんだよ」

パーフェクトコミュニケーション=完璧なパフォーマンスと捉えれば問題ない。

「……とにかく! アタシは次のライブは麗奈とやりたいってことだぜっ!」

ぐっと拳をPに突きつける。
Pもニヒルに笑うと拳を握った。

ガツンと二人の拳を突き合わせた。……思わずハートが痺れるぜ!
314 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:28:33.10 ID:erIzBGH30
して後日。

「ほひっ!!!!」

「あーっはっはっはっはっはっはっは!!!!」

暇があればイタズラを敢行する麗奈に為すすべがなく、ライブは刻一刻と迫っていた。

光もレッスンを終え、ため息をついてその様子を見ていた。
相変わらず上手くいってないなと、不安を抱く。

「ピンポーン! お邪魔します!」

口でインターホンの真似をして一人の男が入ってきた。

「どちら様?」

対応するのは光。
その男は同じ美城プロに所属するプロデューサーであった。
つまりプロデューサーが来ると言うことは……。

「明日のライブをかけてプロデュースバトルを申し込みに来た!」

「……!!」

「明日の会場への道、お前を倒して時子様をトップアイドルに近づける!」

宣戦布告だ。
事務所内ではよくあることだが、一人のプロデューサーに対して一人だけ、早い者勝ちで申し込める。結構適当。
315 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:29:11.65 ID:erIzBGH30
「俺が勝ったら小関麗奈を舞台から降ろしてもらうぞ……」

「なっ!」

「ちょ、ちょっとアタシじゃなくてっ!?」

光は猛抗議する。

「小関麗奈とうちの時子様は若干キャラが被っているからな……!」

「ハッ! アタシと同列に扱うなんてそのトキコとやらは相当調子に乗ってるようね!」

「ふんっ! 言っていろ。小関麗奈とその担当Pのコンビは勝率最悪だそうじゃないか。そこの南条光とは勝率100パーを保っているというのに……」

「くっ……!」

事実は事実。麗奈は言い返せなかった。

そうして宣戦布告をしたPは去っていった。
316 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:30:08.24 ID:erIzBGH30
「面倒なことになったね……」

「フンッ! あんなやつちゃちゃっと捻ってよね!」

「……」

「あによ、その顔は……」

「今のプロデューサーには自信が無いのか……」

「負けたらアンタの担当から降りてやるわ」

「!!」

「お、おい! 麗奈、なんてこと言うんだ!」

「知らないわ。アタシは明日に備えてもう帰るわ」

そうして部屋を出ようとする麗奈に光は叫んだ。

「麗奈! 明日、プロデューサーの戦いを見てから来なよ! 時間はあるから……」
317 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:31:12.41 ID:erIzBGH30
「ハッ! 気が向いたらね」

そうして扉に手をかけたが、別の声に扉を開ける手を止める。

「麗奈、見てて……」

いつもの態度とは違い、しょぼくれた声を聞く麗奈。
そして何も言わずに出て行った。

「プロデューサー、アタシは先に会場に行くけど、絶対に麗奈を連れてきて……この前、約束したでしょ?」

こくりと頷くP。

立ち上がった光は麗奈に続いて部屋を出た。

Pもガチャリとドアを開け、部屋を出る。

閉まる扉に合わせて時は明日へ……。

都内の大通り、風にたなびく長髪と、腕を組んでの仁王立ち。
格上と呼ぶにふさわしい佇まいは、彼女の目の前で構える時子Pを威圧する。

周りに集まるガヤたち。ライブの前哨戦と呼ぶにふさわしい。今だけは彼らをギャラリーと呼んでも構わないと双方は思ったはずだ。
318 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:32:12.50 ID:erIzBGH30
Pの後ろでは退屈そうに麗奈が座って観戦している。

『始め』の合図も無く、まるで打ち合わせたかのように二人は互いに向かって走り出す。
というか実際打ち合わせはしてる。だってお互いPだもの。

互いの拳がぶつかり合う。

「南条光は向かったな?」

問いに対して頷くP。

「時子様ももう向かっている」

ピクリとPの肩がわずかに震えた。
そして迷わずラッシュを叩きこむ。

「ぐおぉぉぉぉっ!!!!」

たまらず叫んだ時子Pだが、その顔は笑っている。いや、満面の笑みを浮かべている!

「!!」
319 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:33:09.56 ID:erIzBGH30
その様子に驚いたのは対面していたPだった。
この形式のバトルではまず負けない。現にゴシップとのバトルは未だ負け無しだ。

今叩きこんだ数発で立っていたものは今までいなかった。

「何を驚いている? 俺はあのドSアイドル財前時子担当プロデューサーだぜ?」

「は? きもっ……」

軽くドン引きした麗奈の言葉は逆効果だ。むしろ相手のボルテージやテンションなんかを上げてしまっている。

これにはガヤもドン引きするが、その冷めた視線すらも己の糧としてしまう……!

「こいつ、ただ者じゃねぇ……強い!」

ガヤの一人が叫ぶ。

「俺は今の倍にして返すぜ!」

ドン! っと踏み込み一足飛びでPの懐に潜り込む!
それなりの距離があったのでPは難なく反応した。
320 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:34:16.05 ID:erIzBGH30
一進一退の攻防が続く中、じりじりと押し始めたのは時子Pだった。
ダメージが蓄積すればするほどスピードを増していく……!

ついにPの腹部にストレートが突き刺さり、二発、三発と拳が叩き込まれる!!

「うわぁぁあああああっ!!!!」

大きく吹き飛ぶPは麗奈の前に放り出された。

「やっぱり勝てないじゃない……」

見下ろす麗奈。

「……」

「もうダメね……トキコとやらに譲るしかないじゃない……」

「……」

「じゃあね、このアタシ、レイナサマはアンタには宝の持ち腐れってことね……」

「君がそんな悲しい顔をするなよ」

「!! アンタ……」

Pはよろめきながらゆっくりと立ち上がる。
321 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:35:22.83 ID:erIzBGH30
「光は君と出たいと言った。私は君と光のコンビが見たい。光の隣には君が一番だ。また君の隣には光が一番だ」

「な、何言って……」

「私は諦めない。君は帰らずに会場に向かうべきだ。私が最高の舞台を見せてやる」

「けど、アンタのその身体じゃ、もう……」

「君が信じろ。私が勝つと信じろ。君の声援が、あの高笑いが、みんなの笑顔を作るんだ」

「……」

麗奈は言葉を紡げなかった。いつもと雰囲気の違うPに怖気ついてるわけではない。

「君の言葉に力をもらえる」

その言葉が麗奈に力を与える。

「…………り……さい」

麗奈は俯いていた顔を上げ、目を瞑って大口開けて怒鳴りつけた。

「ガンバリなさいっっ!!!!」

「その言葉が欲しかったぁ!!」

ニヤリと笑うPの雰囲気は、さっきとはまるで違う。
322 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:36:06.42 ID:erIzBGH30
「来るっ!!」

構える時子P。

まさに刹那! 瞬時に移動し拳を放つ!!

「うおおおぉぉぉぉ!!」

顔面に突き刺さったパンチは10メートル以上、時子Pを吹っ飛ばした!

だが彼は笑みを浮かべる。

「足りないぞ! もっとだ!」

「……お望みどおりに」

また始まるラッシュ合戦。ガチンコの殴り合い。
さっきとは違い押しまくるP。

しかし、どんどん蓄積されるダメージとともに強化されていくのを感じる。
323 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:36:50.93 ID:erIzBGH30
「この豚! いつまでその気持ちの悪いアヘ顔を晒しているの? 醜いわね」

「なっ!」

時子Pの動きが鈍る。

「こんな罵詈雑言浴びせられて、ここをこんなに硬くさせちゃうなんてとんだ変態ね?」

急に始まった言葉攻めに時子Pはただ困惑していた。
気持ちよすぎるがために動くことができなくなっていったのだ!!

「き、貴様……う、動きが……」

そうして言葉攻めを続けること5分が経って……。

「……がはっ!」

時子Pは地に伏した。
324 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:37:55.03 ID:erIzBGH30
「あら、もう逝っちゃったのかしら? 逝くなって言ったのに……とんだ豚野郎ね……」

これには周囲のガヤたちもドン引きかと思われたが、時子Pの影響もあり時子のファンになったガヤたちは昇天していた。

「……くっ! 慣れないことをすると疲れる……」

膝をつくP。

「アンタ……やったわね……」

いつの間に駆け寄っていた麗奈。ちょっと引いてはいたが……。

「君は早く行くんだ……」

「肩貸すわよ」

Pの言うことも聞かずに彼女を支える麗奈。
325 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:38:25.95 ID:erIzBGH30
「アンタにも……アタシの最高のステージで笑顔になってもらわなきゃね……」

照れくさそうに言う麗奈だったが、すぐにハッとすると……。

「いっけない! アンタの変な情熱が移っちゃった!?」

「ありがとう麗奈。君の応援に救われたよ」

「ハンッ! あんな野郎に負けたら承知してなかったわ! ていうかアンタちゃんと話せるじゃない!! いつも何であんな無口なのよっ!!」

「すまない」

「フンッ!! ……まあ、ありがと」

「何か言った?」

「何でもないっつーの!!」
326 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:38:52.67 ID:erIzBGH30
そして時間に遅れることなくライブ会場へ……。

本番がもうすぐ始まろうとしていた。

「連れてきてくれるって信じてたぜっ! プロデューサー!」

こくりと頷くP。また寡黙な彼女に戻ってしまった。

「まあそっちの方がアンタらしいわ」

「じゃあ行ってくるよ! アタシはみんなのヒーローさ!!」

「フンッ! アタシは人気者の悪の幹部よっ!!」

どちらか一つじゃ成り立たない。
二人が揃って一となる。一の力は無限大。

頑張れ私のアイドル達。私の笑顔は君たちが作ってるのさ。


おしまい
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/04/18(月) 22:40:43.68 ID:Sph43XQrO
台詞の前に名前があったほうがわかりやすいかも
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:40:45.22 ID:A62oPRlRo
>>277
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:40:45.54 ID:fTh+Qv77o
プロデューサー:【下戸】
担当アイドル:【高垣楓】
アイドルとの関係:【お互い意識しているが後一歩が踏み出せない】
その他の要望:【一緒に飲みにいって飲めないPが酔った楓さんに困らされる展開が見たい】
330 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:41:32.63 ID:erIzBGH30
反省

楽しかったです(反省してない)

引き続き感想、質問、批評受付中です
してくれると嬉しいです
次の作品の糧にします


そして安価は↓1です
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:41:34.85 ID:fTh+Qv77o
プロデューサー:【下戸】
担当アイドル:【高垣楓】
アイドルとの関係:【お互い意識しているが後一歩が踏み出せない】
その他の要望:【一緒に飲みにいって飲めないPが酔った楓さんに困らされる展開が見たい】
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:41:36.95 ID:pq2LtZSI0
>>277
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:41:41.52 ID:A62oPRlRo
>>328
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:44:58.16 ID:A62oPRlRo
フライングしてもーたわ恥ずかしい
乙です

時子Pになるって大変なんだな(棒)
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:45:15.54 ID:UsYWR2CCO
餌の付いてない327に釣られた魚たちがいるらしい

>>274だけどすげえ楽しかった
頭からっぽにしてみれた
336 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:46:25.19 ID:erIzBGH30
>>331
把握しました


では次回の報告をお待ちください
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/18(月) 22:46:58.36 ID:fTh+Qv77o
反射的に書き込んでしまって恥ずかしい
338 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/18(月) 22:57:35.21 ID:erIzBGH30
ふむ……安価については気づきませんでした

フライングを含めて連取は原則無しなのですが、
今回は二つの設定ともフライングしてたので
先に正規の安価を取った>>331にします
次は気を付けてね

>>327
自分自身の変なこだわりがあって、地の文ありの時はセリフ前に名前を表記したくないのです。
分かりにくいと指摘されてるにもかかわらず、身勝手な理由で助言を無下にしてしまい申し訳ありません。
これからも読んでいただけると幸いです。
339 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/26(火) 22:20:16.60 ID:k+oMSGfs0
こんばんは。
設定>>237を明日の22:30頃に投下予定です。
一応閲覧注意ということで、お一つよろしくお願いします。

今さらですがミリオンの全国ツアー最終日、
千秋楽だけあって最高でした。

そしてモバマスでは総選挙開催中!
中間発表では卯月ちゃんが堂々の一位です。
このスレの二作目に登場している美優さんもタイプ別では二位!


今後ともアイマスとこのスレをよろしくお願いします。
340 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:29:39.09 ID:S8eLqEPX0
『タイトル未定』


「Pさん……」

不安そうな表情と声で、アイドル佐久間まゆは自分のプロデューサーの名前を呼んだ。

夕飯の食材を買いに外へ出たのが日の落ちる前だったのに、寮へ戻っている今現在、すでに日は落ち辺りは暗くなっている。

暗くなる前に帰ろうと心がけていたまゆだったが、買い物に時間がかかってしまったらしい。

早く帰ろうとまゆの足取りも速くなる。

こんなときPさんがいてくれたらどれだけ心強いか……。

寮まではそんなに距離があるわけでもない。
しかし、何度も誰かにつけられてると感じれば恐怖も増す。

「Pさん……怖い……」
341 :狙ってる方は安価の準備も忘れずに ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:31:28.09 ID:S8eLqEPX0
一定の距離、同じ歩幅、同じ足の出し方をしてるのが何となくわかる。

ついにまゆは走り出す。

後ろからついてきていた足音も彼女と同じ歩幅、速さで追いかけ、まゆを逃がさない。

「はぁっ……! はぁっ……! 誰かぁっ!! 助けてっ!! Pさんっ!!」

誰もいない。

なぜこんな道を通らなければならないのか……。
まゆにはそのことすら理不尽に思えてしまう。

走って逃げて、ようやく自分の暮らす寮に戻ってきた。

時間にして数十秒ほどの出来事には違いないが、まゆの体感では数分にも数十分にも感じられる。

急いで門をくぐるとまゆはようやく安堵した。
ついてくる足音も聞こえなくなる。
342 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:32:15.23 ID:S8eLqEPX0
もうダメだ。明日は相談しよう……。
心に誓うまゆだったが、もしそれで他の人に危害が加わったらと思うとゾッとする。

これで何回心に決めたのか分からない。でも言い出せなかった。

さらに宿舎の入り口に入り、一応と思って、まゆは振り返った。

門の前には………………誰もいない。

緊張も無くなり、心臓の鼓動さえも落ち着いてきた。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。


ナ ゼ ニ ゲ ル ン ダ ?


343 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:33:23.26 ID:S8eLqEPX0
「ひっ!!」

確かに聞こえた。ハッキリと……。
静寂の闇の中を注視しなければよかったと、まゆは思った。

安全であるはずのその場からも逃げるようにまゆは寮のさらに奥へと、自室へと逃げ込んだ。

他のアイドルも暮らす中、挨拶もせずに廊下をバタバタと走り抜けた。

自室に入ると荷物を投げ置き、すぐに布団に包まった。
片付けも着替えもせずに、ただ今日のことを忘れたかった。

「イヤ、嫌嫌嫌嫌嫌っ!! 怖い、助けて、Pさんっ!!!!」

けれども忘れようとすればするほど、あの声が、あの足音が、あの視線がまゆの脳裏に深くこびり付いて、より鮮明になっていった。

まゆはひとしきり泣いた後、多少は落ち着いてきたのだろう。

家事に炊事に美容などもしっかりやろうと思い立った。冷静になり、自室は安全だと考え直したのだ。
344 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:34:03.88 ID:S8eLqEPX0
布団から少しだけ顔を出し、部屋を見渡す。

安全だ……安心だ……自分の部屋にいるはずないと思いながら恐る恐る見渡した。

当然、誰もいなかった。

心は落ち着かないまま、夜を過ごす。

一通り明日の準備が整い、やることも終わったので、まゆは寝ようとベッドに潜る。

明日こそはPさんに相談しようと、まゆは再度自分に言い聞かせた。

電気は……消したくない。
けど光熱費もかかるし睡眠も浅くなって健康に良くない。

まゆは意を決して電気を消し、急いでベッドに戻った。
345 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:35:12.37 ID:S8eLqEPX0
仰向けでは寝たくない。
枕を抱くようにして目を閉じた。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。


イ ツ モ ミ テ ル ヨ ?

346 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:35:51.65 ID:S8eLqEPX0
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

まゆは悲鳴を上げて飛び起きた。
いつでも見ていると……そんな言葉が聞こえたからだ。

しかし外はすでに明るい。どうやら声を聞いたのは夢のようだ。

額から、首から、脇から、背中から、びっしょりと寝汗をかいていた。
昨今の夜は暑いはずもない。その日なんて最低気温が9℃程度の寒い夜なのだから。

すぐに身体は冷えてきて、まゆはぶるりと身を震わす。

「早く着替えよう……」

見られてる感じはしない。やっぱり夢だったんだ。

朝こそは安心だ。

出勤までは時間がある。
347 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:36:42.96 ID:S8eLqEPX0
ゆったりとした時間を過ごせる。

Pさんのためにお弁当も作ってあげよう、なんて考えたりもできる。

「ふんふんふーん♪」

鼻歌も交えて昨日のことなんか嘘のように、無かったかのように振る舞ってみるのだ。

それでも心は落ち着かない。
早くPさんに会いたい気持ちは変わらない。

怖い気持ちをやわらげたいのももちろんある。彼がいるとまゆは安心するからだ。

でもそれ以上に彼が好きなのである。
まゆにとっての特別だ。

彼に迷惑を掛けたくはないのだが、もうそろそろ、まゆ自身限界だった。
今日こそ言う。彼はきっと親身になって話を聞いてくれるはず。

まゆは不安と期待を胸に自室を出た。
348 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:37:16.90 ID:S8eLqEPX0
おはよう、おはようと挨拶をされ、挨拶を返していく。

他の子に頼ろうとも思ったが、それもできない。
他の女の子に危害が加わったらと思うと、十代の少女には怖すぎるのだ。

外を歩くのが怖い。朝なのに、たかだか10分程度の道のりなのに、気を張ってしまう。
せめて他の子と一緒に来ればよかったと後悔してももう遅い。

しかし何事も無く事務所に着いた。
寮があるほどの事務所なので大きな会社だ。

「Pさん、おはようございます」

「おはようまゆ」

とっても素敵な笑顔で出迎えてくれる。

まゆはそれだけで心が軽くなった。

「…………Pさん」
349 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:37:52.81 ID:S8eLqEPX0
力のこもった眼差しでPを見つめる。

「どうしたんだ?」

言え、言え……という思いと、言うな、言うな……という思いがせめぎ合ったが、この人なら何とかしてくれるという信頼がまゆに勇気を与えた。

「あの、実は……」

これまでの経緯を話した。
Pは話を真剣に聞いてくれた。そのことが嬉しくって、まゆは話しながらたくさん泣いた。

「そうか。怖かったな……」

Pはそう言うとまゆを優しく抱きしめた。

温かい。話してよかった。救われた。

まゆは心の底から安堵した。もう終わるんだとさえ思った。
350 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:38:32.36 ID:S8eLqEPX0
「今日のところは仕事をキャンセルしておくから、俺と一緒に警察に相談しに行こう。俺もまゆの送り迎えくらいするからさ」

「いいんですか?」

「当然だろ。これ以上担当アイドルを怖い目に合わせるわけにいかないしな」

それからPとまゆは警察に行った。

しばらく近辺警備を強化するとのことだった。
それに対してPは強く反論したが、実害が無ければどうすることもできないとのことだ。

「実害ならこの子の心が被ってます!!」

まゆはそう言い放ち激昂するPをどれだけ頼もしく思ったことか。

結局、それだけで夜になり、Pはまゆを送っていった。

「ごめんな、まゆ」
351 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:39:35.57 ID:S8eLqEPX0
「いいえ、いいんですPさん。とてもかっこよかったですし……逆にご迷惑かけてしまってごめんなさい」

「迷惑なんて……何言ってるんだ。そんなわけないだろう。俺のアイドルなんだから困ってたら助けるのが当たり前だろ」

「ありがとうございます。ふふっ……!」

「うん、やっと笑ったな」

「え?」

「ずっと怖い顔してたから大丈夫かなって思って……」

「お気遣いありがとうございます」

「さて寮の前だ。お疲れさま。明日も来るよ」

「はい、さようなら」
352 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:40:13.01 ID:S8eLqEPX0
本当に言って良かった。

まゆは軽い足取りで自室に向かう。すれ違う女の子たちとも普段通りに挨拶を交わして元気な姿を見せていた。

すれ違う子からも、心配してくれていたようなこと、以前はやつれていたこと、避けられていたのではないかということ、その他いろいろなことを言われた。

気兼ねなく友人と話ができるのもとても嬉しかった。

自室に戻る。
犯人はここまで来れるはずがない。

後はストーカーが逮捕されるのを待つだけだ。

暗い部屋に明かりをつけて荷物を降ろす。

まゆは気が抜けたのか、今までの心労から解放され、どっと疲れが出てきた。
ベッドに座り、そのまま後ろに倒れると重たい目蓋をそっと閉じた。
353 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:40:47.32 ID:S8eLqEPX0
まゆが目を覚ますと同時に違和感を覚えた。
身体が上手く動かせないような気がしたからだ。

上体は起こせたが、頭の周りも何かに締め付けられてるような圧迫感がある。
周囲はすでに真っ暗で何も見えない。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

おかしい。

縛られてる。

目も口も塞がれてる。

動けない。

人の気配を近くに感じる。

怖い。
354 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:41:28.35 ID:S8eLqEPX0
「……んーーーーーーっ!!!!」

まゆはとにかく叫んだ。

どこかわからないがおそらく自室。
嗅ぎ慣れて無臭になってる部屋のはずだ。

何よりこのベッドの感触はまゆのもので間違いが無かった。

誰か来て、助けて、という思いをありったけに込めて叫ぶが、大きな声は出るはずもなく、誰に気づかれることもないだろう。

服を破かれる感触がするが、手足を強く縛られている。
感触からして自分の衣装のリボンに間違いが無かった。

Pさんとの思い出の衣装がこんな使われ方をしてるのが悔しい。涙が止まらない。

目を縛ってるリボンが水気を帯びる。まゆの涙を吸い込んでいた。

「んむーーーーーーーーっ!!!! んーーーーーーっ!!!!」

叫んでも誰も来ない。
ただ目の前の人間が静かに笑ってる気がした。
355 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:42:28.43 ID:S8eLqEPX0
それでも叫んでいると、まゆの頬に重たい衝撃が走って、びりびりと痺れたあと、じんわりと熱を帯びていく。

「んーーーーーーっ!!!!」

再び、今度はまゆの反対側の頬に衝撃が走った。またしても熱を帯びていく。

「んーーーーっ!!」

もう一度、ゴッ! という鈍い音。
まゆは倒れる。

「んーーっ!」

ゴッ! もう一度。
まゆは誰かに、馬乗りにされてると分かった。

「んっ……」

ゴッ! もう一度。
まゆは声を出すのも辛くなってきた。

「……」

まゆはついに黙った。
口中に鉄の味が広がった。
356 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:43:07.85 ID:S8eLqEPX0
鼻から流れる液体が水なのか血なのかも分からない。
だが、ぽたぽたと鼻先を流れる感覚がまゆに血だと思わせる。

服を脱がされる。

下着が脱がされる。

縛ってる箇所を通して脱がせることはできないので、はさみだろうか、何か刃物で服を切られた。

もはや抵抗することもできなかった。

カシャ、カシャ、と無機質な音がまゆの耳に入る。

写真を撮られてるのだろう。

アイドルとしても女としても世に出回ったら恥ずかしい写真。
きっと高く売れるのだろう。
357 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:43:54.47 ID:S8eLqEPX0
数分間、そんな音を聞いた後、人の手がまゆの頬を撫でる。

耳に触れる。

首をさすって。

胸を触る。

温かいな……心地いいな……。
もはや彼女を虐める人間の温もりさえまゆの心を満たしてしまうほどだった。
それほどまゆの心は壊されて、されるがままに弄ばれる。

いろんな場所をいじられて、たっぷり感じさせられる。

Pさん、助けて……。Pさん……。Pさん……。
そんな音の無い助けは言わずもがな無意味であった。

本当は嫌なのに身体は正直だった。
まゆの膣内はびしょびしょに濡れていて、血なのか涙なのか汗なのか分からないが、全身もぐっしょりと濡れていた。
358 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:44:21.62 ID:S8eLqEPX0
まゆの恥部にあてがわれ、中に入ってくる。男のモノが……。

息が苦しい。

けれども涙さえもう出ない。

彼女の華は無惨に破られ、腹の中から痛みが走る。
それでも声は出てこない。

全身を愛撫され、激しく陰茎を出し入れされ、痛みの中に徐々に快楽の色が混ざり始める。

ああ、PさんPさん……!

もはやまゆは今この状況で、犯してる男をPに脳内変換して現実逃避と同時に、この事実を受け入れようとしていた。

「……ッ!!」

絶頂の快感がまゆを襲う。
359 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:45:03.66 ID:S8eLqEPX0
Pさん気持ちいい……。Pさんごめんなさい……。

自分が何者なのかすら曖昧な認識で、拒絶する心と昂る気持ちが矛盾するように混在した。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

翌日の事務所。

「まゆ、遅いな……」

心配そうに一人呟くのはPだった。
360 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:45:38.56 ID:S8eLqEPX0
正午になっても彼女はやってこない。

連絡も無しに遅刻するなんて珍しいとPは思った。

そうしてさらに二時間が経って、デスクワークをしていたPはさすがに席を立った。

「遅すぎる」

まゆを送っていってる寮までの道のりをいつもより少しだけ早く歩く。

何だか嫌な予感がする。

まゆの身に何か起こっていなければいいけど……。

Pは自分の拳がじんじんと痛むほど強く握り彼女の無事を祈った。

寮の管理人に社員証を見せ、佐久間まゆの部屋番号にたどり着く。

いくらチャイムを鳴らしても、いくらノックしても開く様子などとてもない。
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:45:41.75 ID:MfvH7tq8O
>>201
362 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:46:20.14 ID:S8eLqEPX0
管理人は急いでマスターキーを使って部屋を覗く。
……その光景は悲惨なものだった。

散乱している衣服や化粧品、他にもあらゆるものが散らかっており、荒れに荒れてる部屋の中。

ベッドに無造作に投げられたかのような、全身を縛られ、服は裂かれ、肌を大きく露出して、ところどころに赤い染みがついたアイドルのまゆ。

こんな姿の彼女をアイドルと呼べるのか甚だ疑問だった。

「……ま、まゆ!! 救急と警察っ!!」

Pは叫んで駆け寄った。

管理人は軽く悲鳴を上げたが、すぐに慌てて携帯を取り出した。

間もなくしてパトカーとと救急車が寮の前に止まった。

すぐにまゆは病院に連れていかれた。
363 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:46:49.89 ID:S8eLqEPX0
「いや、いや……いやあああああああ……!!!!」

目覚めた時の彼女の反応だ。恐怖で狂乱する以外になかった。

医者曰く、酷い外傷は特に無く、安全日だったため妊娠の可能性も少ないらしい。
ただ、心には大きな傷を負ってしまって回復には時間がかかるということだ。

そうして休養としている間はPの家で暮らすことになった。

やはり信頼している男性だけあって、彼のことは気兼ねなく接することができると言うか、以前よりもべったりと接するようになった。

「Pさん♪ Pさん♪」

これはこれで彼女にとって幸せなのかもしれない。

同居してから数日後。

まゆにはまだ入ってないP宅の部屋が一つあった。
入らないようにと念を押されていたのだ。
364 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:47:24.98 ID:S8eLqEPX0
入ってはダメだがどうしても気になってしまう。

一度くらいだけなら……。

Pのことが好きだし、誘惑に負けてしまったまゆはそっと戸を開けた。

真っ暗な部屋に廊下の明かりが差し込んで、ぼんやりと照らす。

「……………………え?」

息を飲んだ。一瞬言葉が出なかった。

壁一面、いや、天井までにもびっしりと写真が貼られているのが分かった。

それを確認するため、恐る恐る近づいた。

写真に写る人は彼女のよく知ってる人だった。

それは彼女自身なのだから。

「きゃっ!」

小さく悲鳴を上げるまゆ。
365 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:47:57.05 ID:S8eLqEPX0
一歩後退り、急いで部屋を出ようと振り返る。
しかし、振り返ろうとして背中が何かにぶつかった。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

…………。

ズ ッ ト イ ッ シ ョ ダ ヨ

…………。

…………。


おしまい
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:50:02.28 ID:kJB6WHuAO
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:51:34.84 ID:bn9LqP1jO
おっつ
368 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:54:05.35 ID:S8eLqEPX0
反省

ホラーなんて書いたことないですが自分なりに表現してみました
描写が丁寧な方が恐怖感を煽りやすいんですかね?
あとは意味の無いカタカナやスペース、3点リーダを使ったり……
行間にも工夫してみた方が良かったのでしょうか?

ちなみに私はホラー小説はパラサイトイブしか読んだことないです
ぜひ皆さんにおすすめのホラーを教えてほしいですね

さて例によって例のごとく安価は↓1を採用します
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:54:06.77 ID:wmx7f3+co
プロデューサー:【仕事をバリバリこなすが私生活はだらしない女】
担当アイドル:【響子】
アイドルとの関係:【仕事では響子を引っ張っていって頼られているが休みの日は響子に家事をやってもらうなど私生活では響子に世話になっている】
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:54:14.55 ID:jbU4OEWp0
>>277
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/27(水) 22:55:56.30 ID:MfvH7tq8O
>>201
372 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/04/27(水) 22:59:08.60 ID:S8eLqEPX0
>>369
把握しました

設定>>331は構想しながら執筆中です
それでは次回の報告をお待ちください
373 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/10(火) 11:35:00.69 ID:M5bw3+Uf0
設定>>331を明日11日の21:00を目安に投下します

安価を取りたい方は準備しておくことを推奨します
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/10(火) 17:34:48.80 ID:BLmbjdrX0
どうやって直下安価取ってるかしりたいな
375 :時間になったので始めます ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:00:20.68 ID:K208z8Fs0
設定は>>331

『タイトル未定』


「お疲れ様です楓さん!」

第一印象は元気な青年。

青年と言うほどの歳ではないかもしれないが、彼は20代前半と若く、プロデューサーとしては若すぎるほどだ。

そんな彼は、レッスンの終わった担当アイドルの高垣楓にタオルとドリンクを手渡した。

まるでマネージャーのような仕事もこなす。

しかし担当アイドルが彼女一人だから、Pの業務状況は厳しいものであるはずがない。

「ありがとうございます、プロデューサーさん」

「いえ、これも俺の務めです」

爽やかな笑顔が快活な雰囲気の彼にはぴったりだ。

「えっと、次のお仕事がモデルの撮影と、ロケですね!」

嬉しそうに仕事の話をするものなので、楓は彼のそんな期待を裏切れないなと思った。
376 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:01:02.17 ID:K208z8Fs0
「プロデューサーさんっていつも楽しそうですね」

「そりゃもちろんです! 自分のプロデュースで一人のアイドルが陽の目を浴びてるなんて、こんなに嬉しいことは他にないですから!」

「ふふっ、いっつも美味しい思いさせていただいてます♪」

「あはは、今日のロケも良さそうな旅館ですからねー。正直羨ましいです。俺も今度行ってみようかな?」

「プロデューサーさんの行きたい場所増えちゃいますね」

「楓さんが悪いんですよー。お料理はいつも美味しそうに召し上がりますし、温泉は気持ちよさそうに入りますし、お酒だって美味しそうに飲むんですから」

「だって本当に美味しいんですよ? プロデューサーも飲んでみたらいかがですか?」

「俺はいいですって! 本当に弱いし、迷惑かけられませんから」

「気にせずに迷惑かけてください。プロデューサーと飲みたいですし」

「それだけは絶対ダメですってば」

「いいじゃないですか。少しだけでいいんですよ?」

「少しでもきついですよ……。去年の忘年会では5杯しか飲んでないのに、気が付いたら当時マネジメントしてたアイドルの部屋のベッドで寝てたんですよ……? 何も無くて良かったですけど、それ以来怖くて飲めません……」

今年からプロデューサー業務を任されたPは、とにかくスキャンダラスなことには敏感だ。
その時は本当に何にも無かったらしいが、すっかりトラウマになってしまったようだ。
377 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:01:59.17 ID:K208z8Fs0
「えっと、その子って誰でしょうか?」

楓の目の色が変わったような気がして、Pは若干たじろいだ。

「そ、その子の名誉のためにも黙秘です!」

「本当に何にも無かったのならいいですけど……」

ムスッとしたり心配そうな表情を浮かべたりと、意外にも豊かな感情表現をすることに、Pも最初の頃は驚いていたが今では慣れた。

その豊かな表情に気が付いたのは担当を受け持ってから二ヵ月くらい経った後だ。

同期や先輩にそのことを話しても嘘だと言われてしまうのが、Pがちょっと不思議に思ってるところでもある。

「ありませんよ。俺もスーツのままでしたし。でもなぁ……何にもしなかったのは幸いですけど、男としてはどうなのかなって思いますよね」

「誠実で良いことだと思いますよ?」

「……楓さんがそう言うなら、プラスに受け止めますけど」

「もし何かあったら、それこそ軽蔑してると思います」

「ですよねー」
378 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:02:52.62 ID:K208z8Fs0
「……飲みに行かなくてもいいですから、今度ご一緒にお食事でも行きませんか?」

楓が話を戻し、そう切り出した。
彼女の心拍数はぐっと上がるが、Pには気付く術があるはずもない。

「ええ、ぜひ行きましょう。今日でもいいですよ?」

笑顔で応えるPに、楓はホッと安堵した。

「今日はお仕事あるじゃないですかぁ……」

「旅館でご一緒に……」

「……」

「……なーんて冗談です」

楓は一瞬硬直したが、冗談なんて言われては少し複雑な気分だ。

「どうしました?」

「何でもありません」

「じゃあまた今度にしましょう。明日とかどうですか?」

「早い日程がいいんですか?」

「いえ、そういうわけじゃないですけど……早い方がいいじゃないですか?」

「私はいつでも構いませんよ?」

「そうですか」
379 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:04:10.40 ID:K208z8Fs0
どうやら追々決めていくことになりそうだったが、この二人はこういった約束をする話を必ず忘れる。

それで時が経てば、そんな話してましたねー、などと掘り返しはするもののまた約束し忘れるのだ。

最終的に、今日なら空いてますー、と言って計画性も無くその日にお出かけする。

「そろそろお仕事に行きますか!」

「そうですね。プロデューサーなんだか元気ですね」

「元気だけが取り柄ですから!」

「ふふっ……! なんだか私まで元気貰っちゃいます」

「おお、それなら良かったです! 楓さんが元気無いままじゃファンも悲しくなっちゃいますからね。もちろん俺もですよ」

「まあ、それは大変です。高垣楓、今日も元気にやっていきまーす」

とかなんとか、まるで学生のノリで出発していくのだ。

現場までは、車を使う時もあれば、電車を使う時もあり、歩く時だってある。
駅まで行くのに歩くだろう、とかそういう野暮なことは抜きとして。
380 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:05:15.98 ID:K208z8Fs0
Pはこの時間が結構好きだ。

車の中ではお互いの好きな曲を流しながら、ラジオを聞きながら、テレビを見ながら、絶えずお喋りして現場まで……。

電車と徒歩では、変装に二人で試行錯誤したり、旅行気分でゆったり特別車両に乗ったり、初めての場所で初めて入るカフェやレストランも新鮮で、会話のネタが尽きない。

知らない道で迷子になるのも時には一興。

そこらの屋台で買い食いするのも楽しい一時。

帰りに寄り道するのだって心躍るものがある。

今日は歩いて、撮影所まで足を運んだ。

「あ、あそこのクレープ屋さん美味しいですよ」

「私も食べたことあります。生地がパリパリで美味しいですよね」

「楓さんも経験者でしたか!」

「今度一緒に食べますか? クレープを二つクレー……なんて、ふふっ……!」

「はははっ! クレープの『プ』はどこ行っちゃったんですか?」

「おしゃれな雰囲気を出すために略してみました」

「おしゃれも何もありませんよ」

ますます可笑しいなと笑うP。
他の人が聞いたらまず愛想笑いか苦笑いだろうが、彼はこんなくだらない会話にも面白そうに笑って返すのだ。
381 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:06:15.94 ID:K208z8Fs0
「あ! おしゃれとシャレでかけてたんですね!?」

「そこに気付くなんて、さすがはプロデューサーです」

「そのドヤ顔なんですか!?」

それでもやっぱり会話の内容はくだらない二人だった。

そんな楓もモデルの仕事となればキャラクターが変わる。
どんな女性も憧れるような細くて美しい肢体とキリリとカッコいい表情に誰もが心を奪われる。

自分で決めるポーズも様になっている。
たまに変なポーズをとるが、周りは苦笑いで、Pだけがクスクスと笑っている。

この前は、フリフリなドレスに似合わない敬礼を決めてPは腹を抱えていた。
しかし周囲は目を疑ったような反応ばかりだった。

そんな写真はもちろん没。
その後、可愛く写った写真がしっかり選ばれた。

つまるところPは笑いのツボが浅いのかもしれない。

それともPだけが楓が悪ふざけしてることを知っているのか。

お仕事は真面目に……よりも楽しく! がモットーのプロデューサーなので、多少のおふざけも許容しているのだろうが、楓がやると真面目なのかふざけてるのかよくわからない。

それでP以外が混乱してしまうこともしばしばあるのだった。
382 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:07:34.40 ID:K208z8Fs0
「楓さん。今日の撮影もお疲れ様です。とっても良かったですよ! あの悲劇のヒロイン風が俺的には特に良かったです!」

そう言っては思い出して笑う。

「やっぱりプロデューサーはわかってくれました?」

「ええ、あり余るあの不幸のオーラ……ていうかどうやって不幸成分出してるんですか?」

「実は簡単ですよ? こう、日本酒を飲もうと思って瓶を手に取ったらほとんど空っぽだったことに気付いた時の気持ちで……」

「それおっさんの気持ちじゃないですか!?」

「おっさんの気持ちになるですよー」

「あはははっ! やめ、やめてください……!! くくっ……! 仁奈ちゃんそんなこと言わないですからね絶対……!」

「でも私、この前仁奈ちゃんが『ミズキお姉さんの気持ちになるですよー!』って言って『わかるわ』と『わかりやがりますか?』を交互に連発してた時はさすがに笑っちゃいました」

「何ですかそのエピソード? 想像したらじわじわ来るんですけど……」

「エセ、エスパーゆっこの気持ちになるですよー!」

「ちょっ、今噛んでないですよね!? わざとですよね、わざとエセって言いましたよね!?」
383 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:08:41.01 ID:K208z8Fs0
「ムムムーン!」

「地味に他の子の真似上手いですね。仁奈ちゃんはさすがに無理がありますけど……」

「ムムムン! ムムムン! ウーサムン!」

「ぷふーっ! ゆっこちゃんからの菜々ちゃんはずるいです! ウサムンって、何かが蒸れてそうな名前じゃないですか」

「ムムムン……ムム……ムフッ! いきなりそんなこと言わないでください……ウサムン……ふふっ!」

「自分で言って自分でウケないでくださいよぉ……」

この時、周囲は思った。
こいつら仲良いなぁ……と。

【ロケのお仕事にて】

本日、二本目のお仕事は旅番組のロケと見せかけた旅館紹介番組だった。

楓が旅館に取材に行き、お食事と温泉を楽しんで一泊するだけの企画。

これが意外にも人気が出ている。
端的に言えば、視聴率が右肩上がりであると言うことだ。

そんな番組に影響されたのはテレビを見ているファンやお茶の間だけではなく、案外近くにも潜んでいた。

「……」

撮影の様子を黙って見守るのはPだ。

この時ばかりは笑ったりせずに見入ってしまうのだ。
楓のタオル一枚の姿にではない。そもそも下着も着てるし……。

楓のリアクションに見入ってしまうほど、とても気持ちよさそうに温泉に浸かるのだ。
384 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:09:25.74 ID:K208z8Fs0
「はふぅ……とっても気持ちいいですねぇ……」

立ち昇る湯煙、透き通るような白い肌を滑らかに伝う滴、程よく紅潮した頬、恍惚とした表情に、落ち着いた吐息。

その一挙手一投足が自身を宿へと導かんとする甘美な誘惑を秘めている。

Pはごくりと息を飲む。今すぐスーツを脱いで温泉に入りたい……。

しかしそれは許されない……!

まだ撮影中だからである。

楓が浴場を出て、食事をする時になっても誘惑は続く。

部屋に用意された料理の数々。

小さな鍋に、魚のお造り、鮮やかな見た目の食事に思わず涎が流れそうになる。

「いただきます」

手を合わせてそう言うと、目を輝かせてお箸を手に取った。

「う〜ん、美味しいですねぇ……」

うっとりとした表情を見せて舌鼓を打つ。

もうカメラがあることなんか忘れているようで、ビールを飲み、日本酒を飲み、焼酎を飲み……とやりたい放題。
385 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:10:04.84 ID:K208z8Fs0
そんな内容の番組だが、だからこそ人気が出たのかもしれない。
楓に宛てられるお手紙は、だいたいこの旅館番組の内容だったりするからだ。

『飲みっぷりが気持ちいい』

『温泉すごく気持ちよさそうに入りますね』

『こんな料理一度食べてみたい』

とかそんな感じだ。最後のやつは楓のことと関係ないじゃないかと思わなくもない。

撮影が終わったとなるとスタッフたちもようやく一息つける。

朝になるまで機材調整や早朝撮影の打ち合わせ……いろいろと仕事は山積みだ。

そんな中ゆったりとお酒を飲み、旅館の中をブラブラし、眠くなったら寝る。
実に自由な楓だった。

「ふわぁ……朝、起きれるかなぁ」

対照的に翌朝のことを心配するのはPだった。
打ち合わせも長引いてしまい、楓よりも早く起きなければならないのだから睡眠時間は4時間かそこらだろうか。

なかなかきついなー、と思いながらPは大きく欠伸をした。

それでも結局、時間通りに起きて、予定通りに事は運んでいくのだった。
386 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:11:06.04 ID:K208z8Fs0
「お疲れ様でしたー」

楓はとてもご満悦なようだ。

彼女の仕事の風景とはこんなものなのである。

そんな彼女の悩みは人気が出てき始めてPとの時間が少なくなってきたこと。
彼といるのは楓も楽しいと感じているのだった。

あとできればPと一緒にお酒を飲みたい。

彼女は無類の酒好きだった。
しかしPは飲めないときたものだ。

うぅむ……と頭を悩ます彼女。もっと別のことを心配する必要がありそうなものだが……。

そもそも彼はガード(?)が堅く、一緒に居酒屋に行っても飲んでくれないし、宅飲みなんかもってのほかだ。

アイドルの部屋に入ることなんて絶対しないし、アイドルを部屋に招くことも絶対しない。

楓はそのことを考える度に、一度お持ち帰りしたアイドルを深く羨ましく……というより妬ましく感じるのだった。

妬むと言っても、くっ……そのアイドル羨ましい、と拳を握って震わせるくらい。

考えに考えた結果、楓は事務所飲みというのを企画しやがった。

「ほら、プロデューサー。これならいくら飲んでも記事には載りませんよ?」

「そういう問題じゃないんですけど……」

缶ビールと缶チューハイの山。
387 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:12:22.16 ID:K208z8Fs0
これを二人で飲むつもりだったのかと思うと、飲んでもないのにPはすでに気持ち悪くなってきたような気がした。

「私は開けますよー♪」

楓がタブを引くと、カシュッ! と小気味のいい音が部屋に広がる。

「んくっ……んくっ……!」

かつん、と缶をテーブルに置いて満足げにむふーっと息を漏らす。
そして屋台で買ってきた焼き鳥の盛り合わせに手を付けると、はむっと豪快に頬張った。

「ん〜っ♪ ビールに合いますねー♪」

あんまり美味しそうに食べるものだからPもついついごくりと喉を鳴らした。

Pは業務も終わったのでさっさと帰ればいいのに、楓が酔った時のための付き人、あるいは帰りの足として待機しているのだ。

曰く、アイドルを危険な目に合わせられないとか……。真面目な人間だ。

「プロデューサーはいらないんですかぁ?」

Pの前で焼き鳥をフリフリさせる。傍から見れば嫌な女に違いない。

「俺も食べたいっす」

「ビールがよく合いますよ?」

楓は早くも二本目を開けた。
焼き鳥を頬張って、ビールを飲む。
388 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:13:05.89 ID:K208z8Fs0
「ぷはぁっ! 焼き鳥のタレ、塩、両方に合いますね! この広がる香ばしさをビールで流して喉越しに伝わる瞬間が溜まりません!」

何の宣伝企画だと言わんばかりの猛アピールに、Pの牙城は崩壊寸前だった。

「ここなら朝まで過ごせますし、誰に見られることも無いんですよねー」

独り言のような口調でPの方をチラチラ、チラチラ、としつこいほどに見る楓。
彼女の手には未開封の缶ビール。

しかもその手はPに向けられている。

「……」

「女一人で飲むなんて何だか寂しいです……」

「も、もう……どうなっても知りませんからね?」

Pから顔を背けて、計画通り、と影を帯びた表情をしつつも瞳がきらりと光る。

それから二人で飲んでいく。
Pは飲み始めたと言えどセーブしてるみたいで、あまりお酒が進まない。

「もっとぐいっと行っちゃってー♪」

唐突に始まるコールにPは吹き出しそうになる。

「な、なんでそうなるんですか!? ……しかも二人なのに」

笑いが抑えきれない。
389 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:14:09.06 ID:K208z8Fs0
「Pのいいとこ見てみたーい♪」

「ていうか宴会のノリですからねそれ!?」

と言いつつ気分が乗ってきていたPは残りの200mlくらいを一気に飲み干した。

「はいどうぞ」

手渡された新たな缶ビール。

「ちょ、無理です!」

「無理じゃないです!」

完全に厄介者と化した楓。
こんな先輩がいたらヤだなーと思いながらPは少しだけビールを煽った。

「全部いかないんですか?」

「辛くなるのは目に見えてますから」

それでも楓はPがお酒に手を付けてくれただけでご満悦らしく、テンションは上がる一方だった。

「プロデューサーって女性経験ありますかぁ?」

「え? なんですか急に……」

「女の子とちゅーとかしたことあります?」

「……そりゃありますけど」

「どんな風にするんですか?」

「えっと……普通に……」
390 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:15:12.13 ID:K208z8Fs0
「普通じゃ分かりませんよぉ……ちょっと私にやってみてください」

「はい?」

「だからプロデューサー早く私にちゅーしてみてくださーい」

「しませんよ……」

「えー? けちけち〜」

「あははは……! ちょっと酔っ払いすぎですよ楓さん」

「王様ゲーム!」

突然叫ぶ楓にPはびくりと震える。

「な、なな何ですかいきなり?」

「王様ゲーム!」

「わ、わかりました! でも二人で王様ゲームってどうなんですか?」

「私がずっと女王様〜」

「ええええ…………?」

「プロデューサーは私のほっぺにちゅー」

「いや、だからしませんって……」

これにはPも苦笑い。
391 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:16:15.87 ID:K208z8Fs0
「ちゅー!」

「しない」

頑なに拒んでいると、うるうると瞳を潤ませて上目使いで覗き込んできた。

「私のこと嫌いなんですか?」

「いや、そうじゃないですよ全然……」

「じゃあしてもいいですよね?」

「それとこれとは話が違いますから」

「…………ちっ」

「あ、今舌打ちしましたね?」

「してませーん」

「しましたよ」

「してないもーん。人を疑ってばっかのプロデューサーにはお仕置きが必要ですね」

「お仕置きってなん……!」

楓はPにすっと近づくと、キスをした。

咄嗟の出来事に一瞬困惑するも、すぐさま距離を離そうとするPだが、覆いかぶさるようにして楓がソファに押し倒す。
392 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:17:19.79 ID:K208z8Fs0
抵抗しようにも若干ぐるぐると回る視界のせいで上手く力が入らない。

「……!!」

舌まで入ってきて、さっきまでも赤かったPの顔は最高に紅潮した。

ていうかキス上手いんですけど……などと考えつつ、もはや抵抗する気さえなくなった涙目の彼。

楓はようやく口を離した。
とても楽しそうな、満足そうな笑みを浮かべるものだから、Pは彼女を魔女みたいだと思った。

「きゃ、か、か楓さん……」

「何ですか〜?」

「……お酒臭い」

「……」

「わーっ! 嘘です! ごめんなさい! ごめんなさいっ!!」

無言でまた顔を近づける楓がちょっと怖かったらしい。

「もう、そんな反応されたらちょっと傷付きますよ?」

「俺だってあんな無理矢理されたら嫌にもなりますって」
393 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:18:35.05 ID:K208z8Fs0
「ふふっ……ごちそうさまです」

「もうそのセリフがちょっとお年寄りっぽいですよね」

「……」

「違います! 大人の魅力を感じますっ!!」

「ならいいですよね?」

「ちょっと待っ……む〜!」

また捕まってまうP。
逃げようとするPと追う楓。二人ともソファから転げ落ちた。

Pは倒れたまま後退るが、楓の舌はPの舌を絡めとる。

結局壁に押し付けられる。

もはや何もできないPは、楓さんの顔綺麗だなーとか、楓さんキス上手いなーなどと考えるしかなかった。

「ふあぁ……どうですか?」

口を離してまず聞いたことがそれ。

「……」

正解の答えが見出せずに黙るP。

「悪くないね」

ぐるぐる廻る思考が導き出した答えは、上から目線の偉そうなものだった。

「やった。悪くないですか」

それでいいのか楓さん、と思いつつ自分はお酒飲むのやめようと改めて思うPだった。
394 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:19:11.53 ID:K208z8Fs0

翌日になって目が覚めればそこは事務所。

寄り添う楓を見て昨日の出来事が夢じゃないと確信すると大きなため息が出た。
昨日のことを思い出しただけで胸がどきどきする。

この人はまったく俺の気持ちも知らないで、と寝ている彼女を軽く睨んだ。

とりあえず他の人に見られる前に片付けよう。

ささっと掃除と換気をして元通りにしておいた。

本日、楓に仕事は入っておらず、Pは心底ほっとした。

そういう部分はメリハリがあってやはり大人だなぁと感じる。ハメの外し方が上手いと言うか何と言うか……。

「うぅ……プロデューサー……」

「はい? ……寝言?」

全く起きる気配が無いのでどうやらそうらしい。

「……いつもお疲れですし、今日くらいはゆっくりさせてあげます」

そう言えば彼女、以前こんなことを言っていたのを思い出した。
395 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:19:39.01 ID:K208z8Fs0
『女は好きでもない相手と一宿したりしませんよ』

旅番組の時だっただろうか?

どういうシチュエーションで言ったのか思い出せないが、今聞くと、どうしてなかなか
意味の深い言葉に思えてきた。

「俺だって同じです。好きでもない人と一緒にお酒なんて飲みませんよ」

昨日の仕返しとばかりに、彼女の頬にキスしてやった。

「……」

しっかりと目が合った。

「うわぁ!!」

後ろに思いきりよろけるP。

「な、何してるんですか?」

ふらりと寝ぼけ眼で、頭を押さえながら起き上がる楓。

「え、いや、昨日の仕返し?」

「昨日、私何かしました?」

「……えっ?」

「……えっ?」


おしまい
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/11(水) 21:22:42.95 ID:tuW2raUG0
>>278
397 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:22:49.41 ID:K208z8Fs0
反省

ほとんどのお話を通してオチが弱い気がします
次回はもうちょっと考えて書きたいと思います

このあとPは楓さんを一日中無視したんでしょうね


安価は↓1です
どうぞよろしくお願いします
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/11(水) 21:22:51.57 ID:FlIPi5tro
プロデューサー:【彼女持ちで婚約中】
担当アイドル:【橘ありす】
アイドルとの関係:【ありすは自分が大人になったらPと付き合うつもりだったのに待ってもらえなかった、Pはありすを恋愛対象とは見れない】
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/11(水) 21:22:56.24 ID:oybLzqK20
>>277
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/11(水) 21:23:44.02 ID:tuW2raUG0
予想外した
401 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/05/11(水) 21:25:39.09 ID:K208z8Fs0
>>398
把握しました

執筆の速度が遅くなってますので気長に次回の報告をお待ちください
402 :スレッドムーバー [sage]:2016/05/17(火) 23:59:05.68 ID:???

このスレッドは一週間以内に次の板へ移動されます。
(移動後は自動的に移転先へジャンプします)

SS速報R
http://ex14.vip2ch.com/news4ssr/

詳しいワケは下記のスレッドを参照してください。。

■【重要】エロいSSは新天地に移転します
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462456514/

■ SS速報R 移転作業所
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463139262/

移動に不服などがある場合、>>1がトリップ記載の上、上記スレまでレスをください。
移転完了まで、スレは引き続き進行して問題ないです。

よろしくおねがいします。。
403 :真真真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/24(火) 21:57:55.71 ID:408ejHz20
移転しちゃったか...
>>1把握しているかな
405 : ◆glNTfT9PXg [sage]:2016/06/04(土) 02:59:29.39 ID:Y8T6Fa/F0
>>1です。
最近忙しくてあまり書き溜められてない状況です。
最低でも、いただいた設定のものは書き終えるつもりではいます。
スレが落ちる前に生存報告ということで書きこみ来ました。
向こうにスレが無かったので多少驚きましたが……移動してんたんですね。
406 : ◆EV1LK7n6Hk [sage]:2016/06/04(土) 03:00:30.00 ID:Y8T6Fa/F0
ID間違えてますね
407 : ◆EV1LK7n6Hk [sage]:2016/06/04(土) 03:00:58.01 ID:Y8T6Fa/F0
OK!
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/28(火) 02:05:02.30 ID:6S83S3Gzo
気長に待ってるわ
409 : ◆EV1LK7n6Hk [sage]:2016/07/04(月) 20:10:07.11 ID:rig8atA/0
生存報告です
投下する場合は予告します
410 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 01:40:57.56 ID:drlZXDQ50
ようやく一本書き溜めたので投下します。
本日30日の22:30を予定。
設定は>>369です。投下後、安価も取ります。
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/07/30(土) 05:15:58.79 ID:SlbPfCGd0
このスレいいなぁ
>>1の書く話おれはどれも好きだよ
412 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:30:44.84 ID:nT6c8aO70
時間になったので始めます
413 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:31:41.54 ID:nT6c8aO70
『タイトル未定』


アイドル『五十嵐響子』が軽快に歩く姿は珍しくない。

「おはようございます!」

事務所のドアを叩いて部屋に入ると、快活に挨拶をする。

彼女の声に複数人が返事をする。
複数人とは部屋にいる事務所のメンバー全員。

それだけで部屋の雰囲気が明るくなった。
響子はみんなのムードメーカーなのだ。

「ああ、おはよう」

響子はテキパキと仕事をこなす一人の女性に近づいた。

さらりとした長い黒髪を一つに纏めており、眼鏡とスーツがやけに似合っている美人さんだ。
414 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:32:34.60 ID:nT6c8aO70
「プロデューサーさん」

「どうした響子?」

デスクトップから目を離さず、動かす手を止めもしない。

「今日も決まってますね!」

「うん、何だよ? アイドルの貴女が決まってないと意味無いんだけど?」

Pは手を止めて椅子を少し引くと、足と腕を組んだ。
響子を品定めするかのごとく上から下まで見ると、視線を画面に戻して眼鏡の位置を正した。

「私だってばっちりですよ!」
415 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:33:13.38 ID:nT6c8aO70
「そうみたいだね。てか、私の身だしなみ気にしすぎだから」

「いいじゃないですか」

「世話焼き」

「世話焼きですよ?」

小首を傾げて柔らかい笑みを浮かべる響子。

Pは集中を欠いたのか、ぐしっと自分の髪に触れたあと、胸ポケットに手を伸ばす。

煙草とライターが入ってるのを確認すると席を立った。

「あ、またタバコ……」

「いいだろ、迷惑かけてないんだし」

「ヤニ臭くなっちゃいますよ?」

「アフターケアはしてるって。……そもそも貴女がするように言ったんでしょう」

「でも禁煙してくれるのが一番ですから」
416 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:34:04.48 ID:nT6c8aO70
「そりゃ無理な相談だわ」

こっ、こっ、とヒールを鳴らして部屋から出るP。
喫煙スペースに向かったようだ。

自分にはあまり関係ないと理解しつつも頬を膨らませる響子。
Pの身を特に案じていることが窺えた。

「私も成人したら吸ってみようかな?」

身体に悪いと知りつつも、Pの喫煙姿を知ってる響子からすれば、それは少しばかりの憧れだった。

「でも税金とか高いし……」

響子は口を結んで考え込む。まるで家計を管理する奥さんのようでもある。

「そう言えば……最近プロデューサーさんの家に行ってないかも」

部屋の掃除が心配だ。食生活も廃れていないだろうか。
気になりだすとどうも止まらない。

ふとデスクの上にあったPの鞄を見ると、コンビニの袋が顔を覗かせていて、響子は口と同じように目も結び、何とも言えない表情をした。
417 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:34:46.69 ID:nT6c8aO70
昼時になるとPの横ではレッスンを終えた響子が弁当を二つ取り出していた。

「貴女よく食べるのね」

無関心なのだろうが皮肉っぽく言うPに、響子は眉間にしわを寄せることもなく二つある弁当箱の一つをPの前に置いた。

Pは眉間にしわを寄せた。

「私はお昼あるけど?」

「栄養偏ってますよ?」

「美味しけりゃいいじゃない」

「プロデューサーなんですから、自己管理もしっかりしないとダメですよ!」

「余計なお世話……」

「世話焼きですから」

「……まあ、ありがと」

「ふふっ! どういたしまして!」
418 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:35:18.71 ID:nT6c8aO70
Pはコンビニで買った弁当を袋に戻して響子の作った弁当を開けた。

「……」

「ちゃんとお掃除してますか?」

「……響子の料理、やっぱ美味しいね」

「ありがとうございます! それで……」

「これなら毎日作ってほしいくらいだけど、そんな迷惑かけるわけにもいかないからなぁ……」

「いえ、毎日作ってもいいですよ? 二人分も三人分も大して変わりませんし……それで……」

「ええ、そんなのやっぱり悪いよ。私も自炊しようか……」

「お掃除!!」

前のめりに尋ねる響子に若干気圧されたP。
目線を響子から外しながら眼鏡の位置を正す。
419 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:36:07.31 ID:nT6c8aO70
「いや、そんな時間無いですし……」

「ありますよね?」

ずいっと迫る響子に、Pはびくりと震えた。響子の冷たい笑顔にPも冷たい汗を流す。

「もうっ! 部屋が不衛生だと体調も悪くなっちゃうんですからね!」

「いや、分かってるけどさ……」

「面倒くさがってるだけじゃないですか」

「……」

図星をつかれて複雑に表情を歪めるP。響子の方を見ようとしない。

「今度行きますからね」

「ええええ〜……」

たまらず響子を見たP。げんなりしている。

「そんな顔したってダメです!」

「響子だって弟たちの世話とか大変だろ? 無理しなくっていいって!」

「もう決めちゃいました」
420 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:37:53.70 ID:nT6c8aO70
「まだ取り消せる」

「何ですか? 私に見られて困るものでもあるんですか?」

「へっ? い、いやぁ……ま、そんなもの、おおお、置いてるわけないんだけどさ……」

「……怪しい」

「無いってば!?」

「じゃあ行ってもいいですよね?」

「ぐ……い、いや、それとこれとは話が違うというか……」

「行きますからね!」

「うぅ……はい」

そう言い、響子はさっさと事務所を後にする。

内心、というか思いっきりPは焦っていた。
見られたら困るものだらけな気がしてならない。

この日、Pは早めに勤務を終え急いで家に帰る。
421 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:39:17.34 ID:nT6c8aO70
アパートで一人暮らしの生活は、三十路を過ぎた女性にとってはいささか寂しいものだと思われるが、彼女に事関しては特段そうでもなかったりする。

彼氏すらいない仕事人間のせいで、いや、おかげで給料はほとんど貯蓄。

たまにする贅沢は、休みの日に飲んだくれ、自分の欲望に忠実に過ごすこと、というダメ人間臭の漂うものなのだ。

彼女の行動は仕事か、その(彼女にとっての)贅沢かのどちらかであるので掃除なんかしないし、家事に関しては響子か母に任せっきりだったりするだらしない女性だ。しかし金はある。

家政婦でも雇えば……と思わなくもないが、彼女は家を探られるのを良しとしない。
単純に恥ずかしいのだ。

「ただいまー」

人様に見せられないような恥ずかしい汚部屋に、誰に言うでもなく挨拶をする。

部屋の隅には脱ぎ散らかした衣服。テーブルの上には洗いも捨てもしないで置いてある弁当の容器。飲んだ後のグラスやコップはシンクの中に置きっ放しで、酎ハイやビールの缶も捨てずに山積み状態だ。
422 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:41:23.77 ID:nT6c8aO70
「……ちょっと片付けようかな」

一人暮らしも長くなれば独り言も増えてくる。
メンタルを保つための秘訣だったりする。

ちなみに彼女は有言実行の女性なので、口に出したことは大抵やる。
なのでちょっと片付けをした。

大量のゴミや散乱した衣服は健在だ。
そのうち虫も産卵しそうな部屋のままである。

「明日は休みか……」

早々に掃除に飽きた彼女は冷蔵庫を開ける。
中にはお酒やおつまみが十分に補充されている。

仕事や、こういうところだけしっかりものなのはどういうことなのか。
まあ欲望に忠実な彼女らしいと言えばらしいのだが……。

彼女は缶とおつまみをいくらか取り出すとテ−ブルの上のものを手で除けて、空いたスペースに置いた。

テレビをつけると表示されたのは『入力1』の画面。
423 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:42:28.85 ID:nT6c8aO70
リモコンで操作すると画面はライブの映像に切り替わる。
さすが仕事熱心なPだと思いきや、画面に映ってるのは今人気沸騰中の315プロのアイドル達。

「はぁ〜〜〜〜! ジュピター、かぁっこいいなぁ〜〜!!」

にまーっとした、とろけたようなニヤケ顔は彼女の仕事ぶりからは到底想像できない。

実はこれも彼女の趣味なのだ。
アイドル好きな三十代独身。

「うーん、315プロって今何人くらい抱えてるのかな? 輝くんは男らしくてカッコいいし、薫くんだって知的な雰囲気が素敵! 涼くん、咲くんも可愛いなぁ〜」

恍惚な表情を浮かべるP。

「ああ、315プロに転職してぇ」

あと一歩で発言がおばさんらしさを助長しそうだが見た目が美人なので、彼女を何とかおばさんたらしめずに済んでいた。

あと転職は怖いので言うだけであって、しようとは思ってない。

そうやって飲みながら時間は過ぎていく。
一通りライブ映像を見終えると、酔いも回り、気分も高まる。

そして決まって押し入れから取り出す物がある。

「みんなカッコいいし可愛いし……最高ね」

取り出したものは大人の玩具。
三十代前半独身貴族の性欲値は高い。
424 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:43:32.41 ID:nT6c8aO70
お酒を飲みながら男性アイドルのライブ映像を見た後、ディスクを取り出し、別の映像のディスクをデッキに入れた。

それはいかがわしい映像を流すためのディスクであったりするのだが……。

それを見ながらおもむろに脱ぎだして自慰行為をするのが休み前の彼女の行動パターンとなっている。

ちなみに休みの日は一日中ライブ視聴と自慰行為をしている。
この前、朝方訪問してきた母に見つかり軽く修羅場った。

一通りいたして、満足すればそのまま寝る。
次の朝起きていろいろと後悔するのだが、これがなかなかやめられない。

この日も彼女はいわゆる寝落ちをした。

そして次に気が付いたのはインターホンが鳴った翌朝だった。

その音で目を覚ました彼女は面倒くさかったのか、下のジャージとYシャツだけ着て「はいはーい」と玄関に向かう。

「……どちらさま〜?」

扉を開ければそこには響子が立っていた。
425 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:44:25.65 ID:nT6c8aO70
「……何て格好してるんですか」

「げ、響子……」

「『げ』ってなんですか!? 行きますって言いましたよね?」

「え、ええ〜? 来るの今日だったの?」

「だって休みですよね?」

「そうだけどさぁ……」

「じゃあお邪魔しますね」

響子が玄関に一歩踏み込んだその刹那……Pは気付いた。

アイドルグッズと大人の玩具が出しっ放しであることに。

響子にはどちらもばれていない趣味であるから彼女にとってはまあ不味い。

「ん……やっぱり臭いますよこの部屋」

少し頬を引きつらせるのは響子。
そりゃ、酒の匂いに、体液の匂いに、煙草の匂いと来れば顔もしかめたくなるものであろう。

「じゃじゃじゃあ、ちょっと換気するから、ちょっと外に出ててよ!」

「いえ、すぐに片づけなきゃいけません」

「いいから出て! 3分だけだから!!」

「え? いえ、ですから……わっ、押さないでくださいっ!」

すぐに響子を締め出した。
426 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:45:02.50 ID:nT6c8aO70
「……やばいやばいやばいやばい」

とにかく見られたら困るアイドルグッズと、大人の玩具とビデオだけをすぐに片づけ、押し入れに閉まおうとしたが上手く入らない。

『もう三分経ちましたよ〜!』

どんどん! と響子がノックする。

焦りは募ってPは終ぞベッドの下にそれらを閉まった。
この時は絶対バレないと思い込んでいたPである。

「ご、ごめん……お待たせ」

「遅いですよ……あんまり匂い変わってないじゃないですか」

「あれ〜? そうかな〜?」

窓を開けても、換気扇を回してもないので当然である。

「それに相変わらず汚いですよ!」

「はは……」

乾いた笑い。それどころかベッドの下が徐々に気がかりで仕方なくなってきた。
427 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:46:20.85 ID:nT6c8aO70
「じゃあ早速片付けしちゃいますね!」

「わ、私も手伝う!」

「当たり前じゃないですか。それにプロデューサーさんは手伝ってもらってる側ですよ」

「あはは、そう言えばそうだったね……」

自宅から持ってきたであろうエプロンと三角巾、さらに軍手とマスクを身に付けてテキパキと動き始める。

「まずは窓を開けましょう」

響子は窓を開け、換気扇を回した。

「ゴミはまとめて片付けましょう」

「あ、私はこっちの方やっとくよ」

ベッド周辺を陣取るP。響子からは何とかして遠ざけたい。

「ベッドの下のゴミもしっかり片付けてくださいね」

「……はーい」

あっぶねー! と心の内で叫ぶP。
響子に任せていたら完全にアウトだったと思われる。

それから数十分、響子の力添えもあり、Pの部屋は自分でも感動するほどすっきりと片付いた。
428 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:47:07.48 ID:nT6c8aO70
「ゴミをまとめただけでこんなに違うんだ」

「プロデューサーさんはさすがにため過ぎだと思います」

「今日はありがとー」

「はい? 何言ってるんですか? ゴミをまとめただけじゃないですか」

「え、まだやんの?」

「もちろんです! むしろここからが本番ですよ! 掃除機、食器洗い、洗濯、カビとか生えてますし……」

「あー、それなら後でやっておくよ」

「それはやらない人の言葉ですよ……」

多分やらないが、今本人はやる気に満ちていると錯覚している。

「それより、プロデューサーさんはお風呂入ってきたらどうですか? 部屋のせいかと思ってましたけど、プロデューサーさんも少し臭う気がします」

そういえば入ってなかったかも、汚な〜……。
どうやら汚い自覚はあるらしい。

「じゃあお言葉に甘えて……」

「掃除機かけておきますね」

「お願いします」
429 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:47:44.43 ID:nT6c8aO70
てきとーな服装をてきとーに脱ぎ散らかしてまた響子に怒られる。

「お母さんかっての……」

ざーっとシャワーで身体を流していると、風呂場の外からは掃除機の音が聞こえてきた。

「まー、ありがたいんだけどね」

結局、彼女は響子に頼りっきりになってしまうのだった。
最初嫌がっていた態度は消え、今ではなぜ来るのを嫌がっていたのかも忘れてしまうほどであった……。

「……」

何で嫌だったんだっけ?

「……まあいっか」

部屋が綺麗になって、今はとにかく機嫌がいい。

綺麗な部屋は綺麗な心を作るのか……と一人納得をして風呂場を出る。

バスタオルで髪を拭き、身体を拭い、滴る水を取っていく。

掃除機の音が消えていたことに気付いたので、Pはもう終わったのかと感心した。
掃除くらい自分でやれという話ではあるが……。

「ありがとー、早いね響子」

彼女はプロポーションも良いし、ルックスも良い、こうした風呂上がりの後だと美人がより美しく映える。……あとはせめて下着さえ着れば。

気持ちよくシャワーを浴びたPだったが、響子を視界にとらえて悲鳴を上げた。

「ほびゃあ!!」

響子が眺めているのはアイドルグッズや、大人の玩具……。
それはPがベッドの下に隠していたものだ。
430 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:48:24.32 ID:nT6c8aO70
「へえ、プロデューサーさんって……」

「え、いや、その、違うんだそれは……」

「お勉強熱心なんですね!」

「それには海より浅く、山より低い訳があって……別に私が315ファンとかそういう……はぇ?」

「私勘違いしてました! プロデューサーさんって本当にだらしない人だって思ってましたけど……いえ、実際だらしない人なんですけど……そうじゃなくて、私たちのためにしっかり他のアイドルを研究してアドバイスをくれていたんですね!」

「……は? ……え? ………………そうだよ☆」

乗っかった。
助かった……と汗を拭う。

失礼なことを言われたような気がするが、この際気にしない。

「へー、これ応援用の団扇ですか……こっちはサイリウム……抱き枕? まあいろいろあるんですね」

「……あ、ああ、なかなか奥深いだろ?」

「そうですねー。こっちは何に使うんですか?」

ああ、それはナニに使うんだよ。……なんて言えるわけもない。

「それはアイドルグッズじゃなくてマッサージグッズ」

上手いウソとは少しばかりの真実を混ぜることだと、何かで読んだのをPは思い出した。
間違ったことは言ってないぞ……と自身に言い聞かせる。

431 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:48:59.19 ID:nT6c8aO70
「へえ、どうやって使うんですか?」

「あ、あー、あれだよ……その、下半……じゃなくて肩凝りとかの解消に……あー、後は疲労を感じてる場所に当てたりかな?」

響子が多少興味を持った様子で機械をいじると、カチッと音がして、機械はぶぅんと振動を始めた。

「あ、震えてますね」

試しにと自分の肩に当てる響子だったが、あんまり効かなかったのか渋い表情をした。

「あんまりですね」

「まあ響子は若いからねぇ」

「プロデューサーさんだって十分若いですよ!」

フォロー入れてくれるときは入れてくれるんだよね。
でも今は要らないなー。

効果の薄いマッサージ機には特にこれ以上興味を惹かれる様子も無く、掃除が再開される。

「じゃあベッドの下も掃除機かけますねー」

そうして響子がベッドの下に手を掛けようとする。

ベッドの下にはまだアダルティなビデオがあったような……。

「ちょっと!! 待ったああああ!!!!」

「ど、どどどうしました!!?」

響子とベッドの間に滑るように割り込む。
432 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:49:59.32 ID:nT6c8aO70
「待て、響子」

「な、何ですか? この下に何かあるんですか?」

「この下は……」

「この下は……?」

「……埃がすごい」

「知ってます」

「だぁかぁらぁ……! 響子が汚れるとダメだからね! 下の物は私が取り出すよ!」

「いえ、別に気にしませんけど……それにプロデューサーさんは今お風呂から上がったばかりですよね?」

「ゴキブリ出るかも」

「ゴ……お願いします」

あっさり引き下がる響子。
Pは本当に出てこないことを祈りながら下のもう一つの段ボールを取り出した。

あっぶねー! ……ていうか、ゴミ掃除した時に掃除機かけてもらえばよかったよ!

取り出したダンボールの口は開きっ放しで、パッケージが晒されている。

冷静に、だが急いで段ボールの口を閉め、ガムテープで確実に塞いだ。
433 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:50:51.37 ID:nT6c8aO70
「それ、何だったんですか?」

「いいや、ちょっとね……」

何とか誤魔化し、事なきを得たのだった。



「ふぅ……。終わりましたー!」

「お疲れさまー」

「って、プロデューサーさんは何もやってないじゃないですか!」

「え、ええ〜……」

「仕事できる女性は素敵ですけど、女子力を磨かないとプラスマイナスゼロですよ」

「はぁ……女子力って何さ? 何をもって女子力と呼ばれるのか私にはわっかんね」

「きっとそういうのが女子力低いってことなんですね……」

響子が呆れを通り越して可哀想な人を見る目でPを見る。
何でそうなる。

「頭悪そうな言葉だなぁ……」

「あー! そうやって他人を見下すのはどうかと思います!」

「響子だって女子力低いって言って見下しただろ?」

「見下してませんよ。掃除くらいできた方がいいんじゃないですか? って意味で言ったんです」

「できなくても困らないからなぁ」

「何をドヤ顔で……。結婚したら大変ですよ? 旦那さんが」

「その倒置法はやめてくれ。的確過ぎて笑えない」

「でも私はプロデューサーさんのこと信頼してますからね。本当はやればできるんですよね!」

何で急に持ち上げてくるんだ。と言いたかったがやめた。
434 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:51:27.12 ID:nT6c8aO70
やろうと思ってもできないです、はい。

一人で男性アイドルの映像とか写真集とか見たり、AV見てオナったりしてます。すみません。

あー、男が出来ない(むしろ寄ってすら来ない)のはもしかして女子力が原因?
何て力なんだ女子力……侮れない。

まあまだ女子力が原因と決まったわけではないですし?

でも響子はアイドル以前からモテてたしなぁ……。
やはり女子力とは存在するのだろうか?

まあどうでもいいか……私今楽しいし。強がりじゃないぞ。

そんな思考にまで発展したものの、響子からの信頼は確かなものであることに変わりはなく、Pはそれを不思議に思うこともある。

「いっつもプロデュースありがとうございます」

「……どうした改まって? 何か欲しいものがあるのか?」

「ち、違います!! 本当にデ……」

顔を真っ赤にして声を荒げる響子。
あ、今デリカシーが無いって言いかけた。
435 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:52:05.05 ID:nT6c8aO70
「欲しいものはありません。プロデューサーさんが私の欲しいもの全部くれました」

「……」

「だから今度は私がプロデューサーさんにあげる番です! お節介になったとしてもやめてあげません」

「あっそう。掃除はしなくていいよ。私が欲しいのは一人の時間だから」

「不衛生なのはダメです」

こんな口ぶりでしか話せないひねくれ者のPだったが、口元は緩んでしまい響子に顔を向けることができなかった。

これからも彼女をプロデュースしていく。
それは私の役目だ。

他の誰にだって譲ってやらない。

彼女は私が育てたアイドルだ。

決意を新たにしたPは、だらしのない生活をやめようかなと考える。

ま、本気を出すのはまた今度でいいかな?
しばらくはプロデュースに専念したいし……。

おそらく、Pが掃除をする日は一生こないだろう。
436 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:52:35.28 ID:nT6c8aO70
「ちょっとテレビ付けていいですか? 天気予報が気になっちゃって」

「ああ、いいよ」

にこっと微笑んで響子はテレビの電源を入れた。
画面が付くのににしばらく時間がかかる。

響子は傍の椅子に腰かけて画面を注視していた。

『あっ……あっ……あ、ああああ〜〜〜〜♡』

「……」

「……」

響子は放心し、固まった。

Pは昨日寝る前のことを思い出し、終わりを悟った。
やべえ、ディスク入れっぱなしだった。

響子は無言で立ち上がり、テレビの電源を落とした。
顔は真っ赤だ。
どれだけレッスンしても、ライブを何時間やっても見たことないくらい、頭の上から鎖骨あたりまで茹でだこ状態だった。

そのまま黙って口を閉めた段ボールまで一直線で向かい、持ちあげる。

「まだゴミ収集車は来てなかったはず……」
437 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:53:03.17 ID:nT6c8aO70
そんな独り言が聞こえたのでPは慌てて響子を引き留める。

「捨てなきゃ……!」

「待て待て待て!!」

いくらしたと思ってんだ! とは言いづらい。

「こんな汚物は捨てなきゃダメなんです!」

こいつ完全に正気を失ってやがる!!
Pは響子の目を見て多少怯んだ。そしてちょっと引いた。

「プロデューサーさんが汚れちゃう!」

もう汚れてます。響子は純粋過ぎる。

「ほら、待て。私は勉強熱心なんだ。響子に枕営業をさせないためにも必要だったんだ(?)」

「……そ、そうだったんですね! ありがとうございますプロデューサーさん!(?)」

その後、響子は記憶を抹殺するかのようにベッドにダイブして、糸が切れた人形のように寝た。

それから一週間は響子との心の距離が遠かったような気がする。……気がする。


おしまい
438 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:53:44.63 ID:nT6c8aO70
安価は↓1です。
お疲れさまでした。
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/07/30(土) 22:53:59.86 ID:ObetBPH70
>>277
440 : ◆EV1LK7n6Hk [saga]:2016/07/30(土) 22:56:48.16 ID:nT6c8aO70
>>439
把握しました。まず野球について知識を得なければいけないようですね。

>>411
これ以上にないお言葉ありがとうございます。
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2016/08/02(火) 23:11:11.30 ID:aS8hGA4t0
お疲れ様です
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/10(土) 15:58:09.82 ID:0nfFPLUY0
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/02(水) 18:40:49.54 ID:Djkmyt6n0
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 23:18:30.55 ID:HeML5KNk0
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/02/07(火) 19:48:18.70 ID:iihIWjgt0
ほ?
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/19(日) 02:54:16.49 ID:B6xTvRpJ0
ほ?
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/19(水) 02:30:58.04 ID:V4UnrRX10
エタ?
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/05/06(土) 07:37:10.61 ID:0sJsusMz0
ほ?
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/16(日) 19:45:58.54 ID:zCgOCDnv0
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 23:47:34.84 ID:EyFnSHp90
エタ・・・
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 03:44:58.02 ID:ELOYMqIE0
もう無いのだろうか?
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