【咲-saki-】京太郎「清澄の怪異?」久「ええ」

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1 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:08:16.95 ID:b8ZG54rg0

ホラー風、短編集、なんでもありです。

ゆっくり更新。

それでは、はじまりはじまり・・・・・


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1456848496
2 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:10:03.19 ID:b8ZG54rg0

「めりいさん」


ううう・・・・・と最初はそう聞こえたーーーーーような気がした。

ううう・・・とか、ぐぐぐ・・・とか、何か動物の鳴き声めいた、妙な音。

鳥? いや鳥とは違う。

人の声?・・・そう言われるとそんな気がする。


ふと目を開ける。

朦朧としつつ辺りを見回す。

暗い部屋・・・部室だ。

月明りがほんの少しだけ差している。


俺は今、部室のベッドで横になっている。

・・・・・うう、うううう。

目を開けてなお、音が聞こえている。


「んぅ。」

女の人の声だ。

ギョッとしたが、すぐに平静を取り戻す。

何だ、隣で寝てたのか。

横へ顔を向けると、こちらに背を向けて、部長・・・竹井久が寝息を立てている。

3 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:11:10.59 ID:b8ZG54rg0

突然、

ウ"ィィィィィィィィ、ウ"ィィィィィィィィ、

バイブが鳴る。勿論、ケータイのだ。


ピッ

「もしもし、キョウチャン?私今、・・・・・うう・・・・」

「何?咲か?どうしたんだ?」

隣の久を起こさないように、小声で話す。


うう・・・・・うう。

あぁ、うるさい音だ。

一体どこから聞こえてくるんだ?

さらに朦朧とし始めた意識の中で考える。


「今、・・・ううっ・・・にいるの」

「なんだって?よく聞こえない?」

煩い音のせいか、こちらの神経までおかしくなりそうだ。

4 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:12:30.53 ID:b8ZG54rg0




「だから、今キョウチャンの、 と な り に い る よ。」ブチッ




「ひっ!!」

声にならない声を出す。

ベッドの隣の空間・・・暗闇に目を凝らす。


・・・・ううう。


暗闇の中で何かが光って見えた。

刃物? 刹那、全身が委縮する。

あ、あれは、まさか、・・・・・いや、咲がそんな事するはずがない。

、と頭の中で否定・・・する。

5 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:14:14.64 ID:b8ZG54rg0

ううっ・・・・・・う・・・

すぐさま、隣で寝ていた久を起こそうとする。

「おい、久、起きろ。」

久の体を揺さぶる。

ぐわんと、まるで人形のように久の体が回転し、ベッドから落ちる。

「あ、・・・・・ああぁ・・・・・」

な、なんで、こんな・・・・・恐怖のせいか、驚愕のせいか、声が出ない。


弱い月明りだが、しかし、その部分だけははっきりと見える。

首から・・・久の首から・・・・・異様なものが飛び出している。

うぅ・・・・・ううう・・・・・いや、何かが首に突き刺さっている。


・・・・・包丁だ・・・うう・・・


恐怖でねじ曲がった久の顔、そしてその口から「・・・・うう・・・・んぅ・・・・ううう」
6 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:15:16.40 ID:b8ZG54rg0

コトッ、コトッ、コトッ

何者かが、闇の中から月明りのもとへと姿を現す。


「あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」



カン
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/02(水) 01:16:05.33 ID:8YH5dGfVO
信者の方に「新スレあったの気づかなかったけど荒らしてくれたから気がつけたわ」と感謝されたので今回も宣伝します!

荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの福神漬けを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456676734/

8 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 01:17:51.24 ID:b8ZG54rg0

以上、「めりいさん」でした。

徐々に近づく恐怖も怖いけど、いきなり隣に来てもいいじゃないか・・・・・


次の怪異話の構想を練ってきます。

アイデア?要望?等があればコメントしていただけると嬉しいです。

それでは・・・・・・ううぅ・・・・

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 01:22:43.66 ID:XmiTK9ENo
ヒエッ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/03/02(水) 02:09:05.41 ID:GvEIHOAe0
うーん、結局最後まで「うぅぅ」って何が言ってたのかよくわからんな
久死んでるし電話は切れてるし、他に何か鳴るようなものあったかな
11 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:46:49.32 ID:b8ZG54rg0

>>10

人というものは意外と生に執着するものです。

久はまだ・・・・・ぎりぎり・・・・・ね。

12 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:47:44.58 ID:b8ZG54rg0

>>9に捧ぐ。

「ヒエッ」


「あ、染谷先輩! おはようございます・・・って、もうお弁当食べてるんですか?」

「おお、咲、おはよう。弁当は2つ持ってきてるけん、大丈夫じゃ。」

そういう問題じゃないような・・・・・


そこで目線を下ろし、ふと気づく。

13 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:49:08.87 ID:b8ZG54rg0

「あれ、その腕の包帯・・・?怪我でもしたんですか?」

「ん・・・?・・・ヒッ・・・・・
  (一瞬、染谷先輩の顔が歪んだ・・・・・気がした。)
  ・・・・・怪我?まぁ、そんなもんじゃ・・・。」

「どうじゃ、包帯の下・・・・見てみるか?・・・・咲?」

染谷先輩がこっちを真っ直ぐと見据えて・・・・・いない!!

「あ・・・・・・・あぁぁ・・・・・・・」

恐怖で言葉がうまく出せない。

14 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:50:13.90 ID:b8ZG54rg0

染谷先輩の目は、あぁぁぁ・・・、ギョロギョロと四方八方を・・・・・不規則に向いている。

今にも目玉が取れんばかりに・・・・・左右の目が別々に・・・・・あぁぁ・・・・・


「どうしたんじゃ?咲? 大丈夫か?」

気が付くと、"いつもの"染谷先輩が心配そうな面持ちでこちらの顔をのぞき込んでいる。

「あ、あぁ、い、いえ、大丈夫です。」

何だか恐ろしくなり、そそくさとその場を離れる。

15 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:51:13.66 ID:b8ZG54rg0

放課後になり、何事もなく部活が始まった。

染谷先輩は実家の雀荘"Roof-top"の手伝いがあると言い、先に帰っていった。

そして、部活も終わり帰宅する。

16 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:52:37.36 ID:b8ZG54rg0

部長、京ちゃん、優希ちゃん、和ちゃんの順に別れ、一人で歩く。


住宅地に差し掛かったあたりで突然、

キェェェェェェェァ、ア"ァァァァァァァァァァ、ギェァァァァァァァ、

おぞましい声・・・・・の様なものが聞こえてきた。


付近は、夕焼けで全ての家、屋根、木・・・・が紅く、紅く染まっている。

まもなく訪れるであろう闇を渇望するかのように、その声・・・・・

  ・・・・・キェェェェェェェェェェ・・・グァァァァァァァァァァ・・・・・

は、こだまする。


全身に力が入り、半ば走るような状態で帰路を急ぐ。

17 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:54:48.71 ID:b8ZG54rg0

・・・・・ガァァァァァァァァ、ヒァァァァァァァァァ・・・・・

しかし、その声の発生源へと徐々に近づいていっている・・・・・ような気がする。

「あ、あそこだ!!」

何故かしら、本能めいたもので、その声・・・・キィィィィィィィィィィ・・・・なるものの発生源を直感した。


「なあんだ、武道場か・・・・・」

大方、剣道でもやっているのだろう。

剣道は声をきちんと出さなければ、判定されない・・・・・確かそんなルールがあった・・・・・はず。

恐怖もなくなり、道場前を過ぎる時に横目で中を覗く。

18 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:56:09.89 ID:b8ZG54rg0

「ッ!!!!」

染谷先輩!!??


入口の僅かな隙間からではあるが、その姿が染谷先輩・・・めいたもの・・・であることは確信した。

こんなところで何を・・・・・。


  ・・・・・キィェェェェェェェェ・・・・・ビィィィィィィィィ・・・・・・


この声がまたおぞましいものに聞こえてきた。


本能が中を覗いてはいけないと言っている・・・・・気がする。

19 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:57:27.13 ID:b8ZG54rg0

しかし、足はふらふらと入口の方へ向かう。

・・・・・・キェェェェェェェ・・・・・

隙間を覗くと、そこには、・・・・あぁ・・・・・・そんな・・・・・・

染谷先輩は腕の包帯を外して、・・・・・・いやぁ・・・・・・・あぁぁ・・・・・・・・

  ・・・・・・・・ヒェェェェェェェェ・・・・・・・・ヒエッ・・・・・・・・・ヒエッ・・・・・・・・

何か甲高い声・・・・ヒェッ・・・・を出して・・・・・・・あああぁぁ・・・・・・


腕を、腕を、・・・・・・いやっ・・・・・・それは、皮を剥くやつ・・・・・・・野菜の皮を・・・・・・・・

あぁぁぁ・・・・・・・野菜ではなく、自分の腕を・・・・・・・・ヒェッ・・・・・・


・・・・・ヒェェェェェッ・・・・・・ヒエッ・・・・・・

20 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 02:58:22.77 ID:b8ZG54rg0

カン



以上「ヒエッ」でした。

変な擬音とか怖いですよね。


そういえば最近、隣の民家がうるさいんですよ。

今度覗いてみますね・・・・・ヒエッ・・・・・

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/02(水) 02:58:41.15 ID:XmiTK9ENo
ヒエッ
やめてくれよ眠れなくなる
22 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:49:58.55 ID:b8ZG54rg0

「私の京ちゃん」



ガチャ

京太郎 「ただいまー」

京太郎 (あれ? 誰の靴だろ・・・ お客さんかな?)

チラッ、リビング ノゾキー

京太郎 「あ、あぁ、あれは・・・・・」



...
......
..........
......
...

23 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:51:14.42 ID:b8ZG54rg0

咲 「京ちゃん、おはよ。」

京太朗 「ん、あぁ、咲か。おはよう。・・・イヒヒ。」

咲 「どうしたの京ちゃん? 何だか、今日・・・・・キモイよ。」

京太朗 「おいおい、朝からそれは酷いぜぇ、咲ぃ〜・・・イヒヒ。」

咲 「はぁ〜。どうせ変なものでも食べたんでしょ・・・? ほら、早く行かないと遅刻しちゃうよ。」


咲 (うぅ〜ん、今日の京ちゃん、なんだかいつもと違うような・・・? キモイせいかな・・・)




...
......
..........
......
...


24 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:52:36.44 ID:b8ZG54rg0

咲 ペラ・・・ペラ・・・


京太朗 「咲ー。 やっぱり此処に居たか。」

咲 「あ、京ちゃん!」

京太朗 「まーた読書か。 そろそろ部活の時間だぞ、行こうぜ!・・・イヒヒ」

咲 「あ! もうそんな時間か。」

咲 (今日一日見てたけど、やっぱりいつもの京ちゃんか・・・・・キモイけど)


京太朗 「イヒヒ・・・さっ、早く行こうぜ!」タタッ

咲 「ちょ、ちょっと待ってよっ!!」ドサッ

京太朗 「おい咲。本落としたぞ・・・・・ウギイイ」サッ

咲 「う、うん。ありがと。京ちゃん・・・」ウケトリー

咲 (ど、どうしたんだろ京ちゃん・・・? そんなに本が嫌だったのかな?)




...
......
<<「鉛の夜」 ハンス・ヘニー・ヤーン>>
......
...

25 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:54:37.76 ID:b8ZG54rg0

タタタッ

咲 「はぁ、 はぁ、 もう速いよ京ちゃん。」

京太朗 「咲は運動音痴だからなぁ〜・・・・・イヒヒ」

咲 「むぅ〜、またそうやって私を馬鹿にして!」

京太朗 「いひひ、悪い悪い。 さっ、後は階段を昇れば部室だぞ・・・おひめさま・・・・・イヒヒ」

咲 「はいはい」

咲 (やっぱり何処か・・・変・・・?)


京太朗 「イヒヒ、そうだ咲。・・・・・その前に・・・」

咲 「ん・・・何?京ちゃ ムググッ

咲 (え、な、何? 京ちゃんっ・・・ キ、キキ、キス・・・?)


咲、京太朗 「「んん・・・んんぅ・・・・」」


咲 (嫌だ・・・やめて・・・、怖い・・・・・苦しいよ・・・京ちゃん・・・・)

プハッ


咲 「はぁ、 はぁ、 き、京ちゃん。 やめて!こんなこと・・・」

京太朗 「はぁ!? 俺たち幼馴染なんだし・・・いいだろ? なぁ・・・イヒヒ」カチャカチャ

咲 「京ちゃん、やめて! 本当に怒るよ!!」


京太朗 「イヒヒ・・・はぁ、はぁ・・・いひひひ・・・」ボロン

咲 「ひっ!」

咲 (やだ、近づかないで・・・誰か助けて・・・お願い・・・)

26 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:55:26.64 ID:b8ZG54rg0


ガヤガヤ

優希 「のどちゃんのせいで、来るのが遅れちゃったじぇ〜」

和 「何を言ってるんですか! 優希が日直をさぼるのがいけないんです!」

ガヤガヤ



咲 (和ちゃん達だ・・・お願い気付いて・・・・・助けて・・・)

京太朗 「チッ!・・・いひひひひひっ・・・・ヒャァッハハハヒィィィ・・・覚えてろ・・・」タタッ

咲 (良かった・・・助かった・・・)

27 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:56:05.82 ID:b8ZG54rg0

あれは、私の知ってる京ちゃんなんかじゃない!!

皆は気づいてないみたいだけど、私には分かる!!

前の京ちゃんは何処に行っちゃったの?

私の京ちゃん・・・私の・・・私の知ってる須賀京太郎を返して!!


カン
28 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 12:57:23.85 ID:b8ZG54rg0


以上「私の京ちゃん」でした。

今回は、咲ちゃん助かったしハッピーエンドだね。



まだまだ、投下していきます。

ネタ、コメント等々大歓迎です。

それでは・・・・・イヒヒ・・・・・

29 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:25:14.59 ID:b8ZG54rg0

「開けるなぁ」



母方の祖父が住んでいた家・・・今はもう無いが・・・のことをときたま思い出す。

旅行好きだった祖父は、なんとも言いようのない土産をよく買ってきてくれたものだ。

そうだ・・・たしかタコスを初めて食べたのも・・・祖父の家だった・・・・・ような気がする。


そんな祖父の家は、広い敷地に建てられた古い木造の2階建てで、なんとも不格好な家だった。

とにかく古いものだから、立て付けが悪く開かない窓があったり、雨漏りで使えない部屋があったりもした。ーーーーそんな記憶がある。

30 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:27:34.02 ID:b8ZG54rg0

そうだ、そう言えば、裏庭に一つ、離れがあった・・・・・ような気がする。

周りを蔦か何かの植物でびっしりと覆われ、本来の小屋の壁はよく見えなかった・・・・・はず。


あぁ、そうだ。

入口は頑丈そうな扉で閉ざされていた。・・・そうだ・・・・・そうだった。

ノブや鍵穴の周りなど、金属でできたところも、ものの見事に錆びていて、開きそうにないな、と幼心に思った・・・・・ような気がする。

31 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:28:52.45 ID:b8ZG54rg0


一体、中には何があるのだろう?

好奇心と共に、僅かな、ほんの少しであるが、恐怖心が芽生えたーーーーと思う。

父や母に聞いても、危ないから開けちゃいけません、と注意されるばかりだった。


そこである日、私は扉を開けようとしてみた。

錆びたノブを握り、押したり引いたり、叩いたり蹴ったりしてみたが、一向に開く気配はなかった・・・・・はずだ。

ボロボロの小屋のくせに嫌に扉が硬かった記憶がある。


そうこうしていると、

「こらぁぁぁぁぁぁ!!!開けるなぁっ!!!」

いきなり怒号が響き渡り、振り返るとそこには祖父がいた。

今まで見たことないような形相でこちらを睨んでいる。


「やめろっ!!!開けちゃいかん!!!」

厳しい声、表情と同時に、何かしら怯えている様な声と形相であった・・・・・ような気がする。

32 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:30:07.87 ID:b8ZG54rg0


やがて祖父は他界し、家は取り壊されることとなった。

それ以来、父や母にその離れのことを聞いても、なにそれ?、と言わんばかりの表情でこちらを見てくる。



...
......
..........
......
...


33 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:36:52.36 ID:b8ZG54rg0


「あら、今日は優希だけ?」

清澄高校麻雀部の部長、竹井久が遅れて部室へやってくる。

「咲ちゃんと和ちゃんはそろって、今日はお休みだじょ。・・・・・染谷先輩は?」

「あぁ、まこは今日、実家の雀荘の手伝いらしいわ。」

「二人だけじゃ、何もできないじょ。」

「え、いや、もうひとr・・・・・」

部長は何か言いかけた様だが、黙って口を閉じた。


34 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:42:30.20 ID:b8ZG54rg0


「あ、そういえば、優希に朗報よ。」

といって、何やら鞄を探っている。

「あぁ、あったあった、これよ、これ。」

部長から差し出されたもの・・・チラシ?・・・を受け取り、目を通す。


「!! こ、これって・・・」

「そうよ。」

部長が嬉しげに微笑んでいる。

そう!単なるチラシではない、駅前のタコス屋の・・・割引券が付いた・・・チラシである。

「すごいじょ、部長! 流石だじぇ!! 早速行ってくるじょ!」

早速、駆けていこうとすると、

「ちょっと!! 部長の私を部室で一人にする気ぃ〜」

部長が不満げな顔で私を見ている。

これはしまったじょ。


「たまには私もタコス屋に連れて行きなさいよ!」

そういい、部長は鞄へと手を伸ばす。

部長が一緒に来るなんて珍しい、そう思い私も鞄へと手をかける・・・

35 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:44:15.14 ID:b8ZG54rg0


チャリーン



なにやら、金属音がした。

言いようのない不安に駆られ、鳥肌が立った・・・・・・ような気がする。


「あら! 優希、鍵を落としたわよ。」

と部長が言い、落とした鍵を拾う。

「・・・はい、・・・これ・・・・・。」

と言い、こちらに鍵を手渡す。

その時の部長は、どこか・・・遠くを・・・見つめていた。−−−−ように思えた。


「ありがt・・・あれぇ・・・」

部長にお礼を言おうとして、はたと気づく。

これは、 ・・・い・・・かん・・・ 私のカギじゃ ・・・けちゃ・・・・・・いかん・・・・・ 私の鍵じゃない。

「これ、あたしの鍵じゃないじょ」

「・・・・・あら、そう?」

部長は胡乱な顔で答える。


鍵を良く見てみると、・・・鉄製で・・・かなり錆びている・・・ どうしてこんなものが、私のカバンから・・・?

もう一度部長へと目をやると、

「変よねぇ、良くないねぇ」

と呟いている。一瞬、まさか・・・と疑った。

まさか部長のいたずら・・・?

いやいや・・・そんなはずはない、こんな悪戯をして、何の意味がある?


36 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:49:46.31 ID:b8ZG54rg0


結局、鍵は私が預かり、部長とはタコスを食べて帰宅した。

風呂、夕食、宿題を済ませベッドへダイブする。

「今日はなんだか疲れたじぇ・・・」

そう呟き、すぐさま眠りへと誘われる。


その夜、恐ろしい夢を・・・忘れていた夢を・・・見たーーーー気がする。



...
......
..........
......
...



37 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:51:42.12 ID:b8ZG54rg0


不格好な家の、湿った薄暗い廊下を抜け、庭へと出る。

スカートのポケットに突っ込んだ右手。

そこには1本の古びた・・・鉄製の・・・鍵・・・が・・・・・

びっしりと蔦が絡みついた小屋、その前へと足を進める。



錆びたノブを左手で押さえ、右手に握った鍵を・・・・・鍵穴へ・・・・・

はまった!そう思った。

ゆっくり、ゆっくりと鍵を回す。


「開けるな!!」

背後からの怒号。タガが外れたような祖父の声が脳内に響く。

「やめろぉ!!開けるなぁ!!」

だが、 ・・・がちゃり・・・ 鍵が開く金属音がはっきりと聞こえた。

「開けちゃいかぁぁん!!!」

祖父へ目をやると、苦しそうにゆがんだ顔で・・・・開けるな!・・・・叫んでいる。

38 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:53:16.06 ID:b8ZG54rg0


そして、扉が・・・ギィィィィィィィと音を立てながらゆっくりと開く。

いや、内側から押されて・・・・・開かれてゆく。

「いかん!!取り返しのつかないことにっ!!」

祖父は未だに叫んでいる。


・・・ギィィィィィィィ・・・


部屋の中がもう少しで見える。

そのとき、あぁぁぁ・・・やっと私は悟った・・・・あぁ・・・

これは、開けてはいけなかった・・・・・


扉は開かれてゆく。

内側から、ゆっくりと。

あああぁぁ・・・・・何てことを・・・・・



...
......
..........
......
...



39 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:56:32.45 ID:b8ZG54rg0


「あら、今日も優希だけ?」

「そのようだじょ」

ここ数日、麻雀部の全員が揃うことが少ない・・・・・気がする。


「部長、ちょっとベッド借りるじぇ。」

そう告げ、ベッドへもたれる。

どうも最近よく眠れない。

何だか酷く ・・あ・・ける・・・な・・・ 怖い夢を見ている・・・・気がする。

40 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 19:58:15.95 ID:b8ZG54rg0


横目で、何やら落ち着かない様子の部長を見ていると、睡魔が襲ってきた。

あぁ、これから夢の世界へ。そう思った時、


「優希」

「ん・・・部長? どうしたんだじょ?」

部長の一声により、現の世界へと連れ戻される。


「鍵・・・・・貸して」

「・・・鍵? あぁ、此処にあるじょ・・・」

まだ、眠気が拭い切れない頭で受け答えし、部長に・・・鉄製の、錆びた・・・鍵を渡す。


なぜ、こんな鍵を肌身離さず持ち歩いているのか・・・自分でも分からない。


41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/03/02(水) 20:01:10.34 ID:nz2RU0/70
理由がわからないホラーはハテナ???でなんの感慨も湧かないが、理由ありきのホラーこそ楽しめるのは俺が理系だからだろうか
42 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 20:04:21.88 ID:b8ZG54rg0


「・・・・・こっちよ。」

そう言い。部長は部室から出ていく。

訝しむ間もなく言われた通りについてゆく。


何だか酷く眩暈がする。それに眠い・・・・・

朦朧とする頭で、何とか部長についていこうと必死に階段を下りる。

・・・下りる・・・

・・・下りる・・・

一体どれだけ階段を下りただろう。

もうとっくに、1階に着いているはずだ。−−−−と思う。


43 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 20:11:55.70 ID:b8ZG54rg0


やがて部長の足が止まる。

どうやら、一番下の階・・・勿論1階のはずなのだが・・・のようだ。

そこには、人ひとりが通れるだけの狭い廊下・・・いや、もう洞窟と言ってよいだろうか・・・が真っ直ぐに続いているだけだ。

1階じゃない?・・・上手く働かない頭で必死に考えていると・・・


「・・・この先よ。」

部長は足早に歩いていき、廊下の突き当りで再び足を止める。

ふらふらする体を、壁に手を付き支えながら、なんとか部長に追いつき、顔をあげる。


「いやぁ・・・そんな・・・・・あぁぁ・・・・・有りえないじょ・・・」

廊下の突き当りには、頑丈そうな扉が ・・・・そ・・んな・・・・


   ・・・・・錆びたノブと鍵穴が・・・・あぁぁ・・・・・・・


そして部長は古びた鍵を、鍵穴へとはめる。


「だめっ!!」

「大丈夫よ。」

部長はゆっくりと鍵を回し始める。


「あぁぁぁ、開けちゃダメぇ・・・・・開けるなぁ!!」

思わず叫んでいた。


44 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 20:13:43.30 ID:b8ZG54rg0


眩暈がひどい。頭がガンガンする。

「大丈夫よ優希、落ち着いて・・・」

部長が優しく声を掛ける。


・・・がちゃり・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

殆ど半狂乱で絶叫した。

「開けたら、開けたら・・・・・・うぅぅぅぅぅぅ」



「安心して・・・ね?・・・落ち着いて・・・・・ はい、優希、これを返すわね。」

そう言って私の方に、鍵穴から抜いた鍵を返す。


45 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/02(水) 20:16:15.66 ID:b8ZG54rg0






「おかげでちゃんと閉めることが出来たわ。これでもう大丈夫よ。」







カン
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