【咲-saki-】京太郎「清澄の怪異?」久「ええ」

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47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/03/02(水) 20:21:56.18 ID:GvEIHOAe0
でも最初に閉じ込められていた「よくないもの」は外に出てるんだよねこれ。鍵が開いてるってことはそういうことなんだろうから、今回完全に閉じ込められたのは
48 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 00:56:16.04 ID:266XR6jX0

>>21>>41 に捧ぐ。



「眠れない夜にはサスペンスを」





とある日の朝、学校の近くの川・・・天竜川で水死体が上がった。

女性の水死体である。


そしてーーーー。

その第一発見者はこの俺、須賀京太郎だった。




...
......
..........
......
...


49 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 00:57:23.68 ID:266XR6jX0


住宅地から少し歩くと、川沿いに遊歩道が設置してある。


俺の日課としているジョギングのコースだ。


中学時代からの・・・当時ハンドボール部に所属していたわけだが・・・毎朝の習慣である。


おかげで、今でも体力、筋力共に衰えない。


50 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 00:58:25.98 ID:266XR6jX0


この前、ハギヨシさん・・・龍門渕高校の執事である・・・に、

   「んっふ、良い筋肉ですね。」

と褒められた。  ーーーーホモかよ。



ともあれ、買い出しの多い麻雀部だ。俺の筋肉も役に立てて、嬉しいだろう。

ピクッ、ピクッ

まるで俺の言葉に応えるかのように、筋肉が震える。・・・まぁ、俺が動かしてるんだけど・・・




気持ちよく晴れた朝だったが、昨晩の大雨のせいで、川はかなり増水している。

普段より激しい水音と野鳥のさえずりに包まれながらのジョギング、最高である。

51 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:10:04.89 ID:266XR6jX0


ふと、視界の隅に気になるものが映った・・・・・ような気がした。

何か心地よい朝にそぐわないもの、あれは・・・なにか・・・?


・・・川に何か緑色のものが・・・・・

増水している川はまさに濁流だ、当然の如く濁っている。

しかし、その緑色の・・・・・水草?の様なものだけが、この清々しい朝に似合わない異彩を放っている。



妙だな・・・と感じたのは、何歩か足を進めて目を凝らしてみたときである。


あれは・・・・・そうだ、川にはあるはずがない・・・・・

 ・・・あぁ・・・そんな・・・・・


52 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:11:25.91 ID:266XR6jX0


刹那、

「あれはワカメですね。」

隣から声がかかる。

一瞬緊張したが、声の主を確認して安堵した。


「ハギヨシさん!」

「えぇ、"奇遇"ですねぇ・・・・・須賀京太郎君。"たまたま"ジョギングしていたんですよ。」ンフッ


なんだよ、ホモくせぇなあと思いつつ尋ねる。


「それよりもハギヨシさん、あれ・・・」


「えぇ、どこからどう見ても、ワカメですね。」

おかしい、ワカメは川で取れただろうか?・・・・・はて


53 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:12:34.50 ID:266XR6jX0


「なぜあんなところに・・・・・ッ!!!」

ち、違う・・・・・あれは・・・・・。


よく見るとワカメに胴体らしきものがあり、手足の様なものも確認できる。


「も、もしかして・・・・・人・・・?」

「どうやら、その様ですね・・・」


体が硬直して動けない俺をよそ目に、ハギヨシさんは何処かへ・・・恐らく警察だろう・・・電話をしている。

54 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:49:30.26 ID:266XR6jX0


数分後、警察が駆け付け、死体を引き上げる。

俺は未だに、半ば意識が飛んだような状態でそれを見守っていた。


やっと意識が正常に戻り、帰路へ着こうとしたとき、

「すみません。」

警察の方から声がかかった。

どうやら死体の顔の確認をして欲しいらしい。

初めは戸惑ったが、最初に見つけたのは俺だ、と腹をくくり顔を確認する。


水死体の顔の部分だけ、布が取り払われる。


「あぁぁぁ・・・・・、そんな・・・・・、・・・どうして。」


心の底では分かっていた。この人物がだれであるか。


しかし否定したかった・・・・・


55 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:50:57.75 ID:266XR6jX0



「そんな・・・・・染谷先輩・・・・・」



あぁぁぁぁ・・・地面にがっくりと膝をつく。


・・・・・そこではたと気づく。

染谷先輩の・・・腕・・・・・どうして、こんな・・・・・

最近、先輩が腕を怪我した・・・と言っていた・・・のは知っていた。


・・・しかし、・・・これは怪我ではなく・・・・・あぁぁぁ・・・・

緩んだ・・・・包帯の隙間から見えた腕に戦慄する。


・・・・・あぁぁ・・・・・・・どうして・・・・・


だが、心の底で・・・やはり、と思う自分がいた。


・・・・でも、・・・それでもどうして・・・・色が違う・・・・・

意識が遠のいて行くのが分かる。


「京太朗君ッ!!!・・・・・んっふ・・・」

遠くでハギヨシさんの声が聞こえる・・・・・やっぱり・・・・ホモかよ・・・・・


 ・・・そこで意識が途絶えた・・・


56 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:53:25.20 ID:266XR6jX0

>>55
ミス
京太朗 -> 京太郎

あの話の後でこのミスは痛いです。
57 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:54:56.02 ID:266XR6jX0


...
......
..........
......
...




んんんんんん

   んんんんんん

「うぅ〜ん」

ごろり、と寝返りを打つ。

   んんんんんん

んんんんんん

「あぁ〜、うるさい。」

ダンッ

投げつけた枕が本棚にあたり、バサバサッと本が落ちてくる。


   んんんんんん


それでもこの不快な音は止まない。


58 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:56:30.66 ID:266XR6jX0


「もう我慢できん!」

そう言うと、眼鏡をかけることなく、近くにあったスプレーを掴み、


んんんんんん


「これでもくらえ!!」プシュー

部屋中にありったけの殺虫剤を撒く。



   んん・・・・・ん・・・・・



・・・・・ん・・・・・


59 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 01:57:49.13 ID:266XR6jX0


「ふぅ」

不快な音・・・羽音も無くなり、落ち着くと眼鏡をかける。


ケータイを開き時刻を確認する・・・が、


「はぁ〜、そうじゃった。」


ケータイの電源は入っていない。

以前からのクセで、ケータイの電源は切っている。

 ーーーー前は、迷惑電話が多くかかってきていたものだ。

竹井久部長が、それじゃ携帯の意味ないじゃない、と言っていた。

全くその通りである。


60 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 02:00:55.98 ID:266XR6jX0


机上の時計を確認すると、午前3時過ぎ。


「目が冴えてしもうたわ。」


そう呟くと、何ともなしにテレビのスイッチを入れる。

61 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 02:02:05.85 ID:266XR6jX0


TV 「・・・ショッピングの時間です。今日は・・・」


「ま、この時間はやってないかぁ」


TV 「・・・なんとこれ、野菜の皮がスルスルと・・・」


午前3時過ぎ、長野ローカルで面白い番組がやっている訳がない。


TV 「・・・他の・・・と比較してみましょう・・・」


「何か飲むか」

立ち上がり、飲み物を探す。


TV 「・・・この人参の皮なんて一瞬で・・・」


「ぷはぁ〜」

豪快に飲み干すと、またベッドへと戻る。


TV 「・・・このピーラー、今なら何と ピッ


テレビを消し、また眠りの底へと潜ってゆく。


んんんんんん

   んんんんんん




...
......
..........
......
...


62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/03(木) 03:41:30.73 ID:BSTvYACOo
本当に眠るとは、たまげたなぁ
63 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:47:19.80 ID:266XR6jX0


「京ちゃん、悪魔っていると思う?」

「ん? どうしたんだ咲? 突然。」


放課後、咲と二人で下校中だ。


実はこのところ咲の様子がおかしい。

部活に来ても、何かに・・・誰かに?・・・怯えている様子でオドオドしている・・・・・ような気がする。


「まぁ、ダミアンなんてものが実在したら、勝てるわけねーよな。」


「・・・」


咲は押し黙ってしまう。

?今の発言は何かまずかったか・・・



「咲、最近何か困ってることとかあるか・・・? 俺たち一応友達・・・というかその、俺は親友だと思ってるし、・・その・・・・」

恥ずかしくなって、それ以上のことが言えなくなる。


「・・・うん。ありがとう、京ちゃん・・・」



「「・・・」」沈黙。


64 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:48:35.05 ID:266XR6jX0


「うん、そうだよね。京ちゃんには話しておくね・・・」

何かを決意したかのような表情で咲は話し始めた。



「実は先週、染谷先輩が・・・・・

   ・・・・ヒェッ・・・・・

   ・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・・・ヒエッ・・

 それで、私怖くなって・・・」


聞いていた俺は、言葉を出せなかった。

 いや・・・・まさかそんな・・・・・

しかし、咲が嘘をついているとは到底思えない。


確かに染谷先輩は、怪我をした、と言って腕に包帯を巻いている。


しかし、狂った奇声 ・・・・ヒェッ・・・・ をあげる姿は想像できない。


65 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:49:34.11 ID:266XR6jX0


「京ちゃん・・・・どうしよう」

咲が涙ながらに訴えてくる。


うむ、今の染谷先輩で不審な点はあるか・・・?


・・・・・あぁ、一つだけ・・・そうだ確かに・・・・あの色が・・・・普通ではない・・・・・・




その日は、怯えた咲を家まで送っていき、別れた。


66 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:50:44.69 ID:266XR6jX0


翌日




部室へ向かうと、咲がすでに来て、本を読んでいた。

夕日が差し込む部室で、一人本を読む佇まいは、まさに文学少女そのものだろう。

と、感傷に浸っていると、咲がこちらに気付いた。


「あ、京ちゃん。」

「おう、咲! 大丈夫か?」

「うん、昨日話したおかげで少し楽になった。」ニコッ

「そうかそれは良かった。」


咲の顔に笑顔が戻り、少し安堵する。


67 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:51:40.19 ID:266XR6jX0


そして咲に、染谷先輩のことを部長にも相談しないかと持ち掛ける。

もし咲の言うことが、本当に本当ならば、俺たちの手には負えないだろうと思ったのだ。

咲にもそのことを伝えると、彼女も同意見のようで・・・・・ちょうどそのタイミングで、


「あら、今日は二人か」


部長が部室へとやってきた。


咲へと目配せし、意を決して部長へ染谷先輩のことを伝える。


68 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:52:33.99 ID:266XR6jX0


部長は終始落ち着いた様子で、ふむふむと頷きながら咲の言葉を聞いていた。

咲が一通りのことを話し終えると、




 「それは、悪魔ね。」



と、部長はきっぱりと言い切った。


69 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:54:31.95 ID:266XR6jX0


俺と咲が呆気に取られているのを気にもせず、部長は続けて、


「私も少しはおかしいと思っていたのよ。でも、今の話を聞いて確信したわ。まこは悪魔に取りつかれている。 ・・・・・それにあの色・・・・・良くないわねぇ・・・・・・」

後半はブツブツと独り言のように呟いていた。



「じ、じゃあ、どうすればその・・・悪魔を追い払えるんですか?」

咲が部長に尋ねる。

「お、お寺とか・・・?」

「うーん、須賀くん、お寺は良いセンいってるけど・・・・・悪魔祓いはお寺では無理ね。」

「それじゃあ・・・」


身を乗り出す俺と咲を制し、余裕の表情で部長はこう答えた。





「私の知り合いに、・・・・・悪魔払いの専門家がいるのよ。」





...
......
..........
......
...


70 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:56:23.81 ID:266XR6jX0


後日、染谷先輩の家の前に集合した。




俺、咲、部長、そして悪魔祓いの専門家、内木一太 ・・・うちの生徒会の副会長・・・ である。


 ーーーー優希と和には、このことを話すタイミングがついぞ無かった。


部長が、副会長 ・・・内木一太は部長と同じ3年生である・・・ を連れてきたときは、俺と咲も度肝を抜かれた。


まさか、副会長が悪魔払いの専門家であるとは、誰も思うまい。


染谷先輩が、あいつはロリコンじゃ、と言っていた印象しかない。・・・・・ごめんなさい、ロリコン副会長


71 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:57:44.22 ID:266XR6jX0


顔合わせの後、副会長オブロリコンに、染谷先輩の様子を話そうとしたら、すごい剣幕で怒られた。

どうやら事前に情報がない方が、良いらしい。


部長曰く、染谷先輩の名前も含め、ロリコンは何も知らず、ここにきているらしい。


そんなので、悪魔が倒せるのか・・・?

72 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 10:58:53.10 ID:266XR6jX0



ロリコン先輩に以前悪魔を祓ったことがあるのか聞こうと、そちらを向くと・・・誰かと通話中の様だ。


「うん、うん、分かった。・・・・・分かってるよ。」ピッ


俺と目線が会うと、キングオブロリコン副会長は申し訳なさそうに、妹が心配症でね・・・と言う。

その時、部長が俺に耳打ちした。


「先月、女の人に振られたショックで色々あって階段から落ちたんだって・・・・・・なんでも、それで頭を打って、悪魔払いの能力が付いたとか・・・」


色々突っ込みたいことはあったが、今はそれどころではない。


73 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:00:09.42 ID:266XR6jX0



「では、行くわよ。」


部長の合図とともに、染谷先輩の家へと足を進める。


染谷先輩の親が経営している雀荘"Roof-top"から少し歩いたところに、染谷先輩の家があった。

塀で囲まれた敷地の中に、平屋が立っている。


内木ロリコン先輩は、雀荘のほうをチラチラと気にしていたみたいだが、そこにはロリメイドはいねーぞ、と内心毒づきつつ、家の方へと足を踏み入れる。



この時間は雀荘の方にいるご両親にも、家に入る許可をもらっている。

最近娘が学校にも行かず、引きこもっていたら、それは心配するだろう。

友人たちが来てくれたのを、とても喜んでいたようだ・・・・・まぁ、悪魔祓いに来たんですけどね・・・・・


74 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:01:51.74 ID:266XR6jX0



家に入ると、俺と咲、部長は口を閉ざし、すべてを、副会長に委ねる。

染谷先輩の部屋は廊下の突き当りらしい。


廊下を進むにつれ、以上に気温が下がる・・・・・気がする。


先程から鳥肌が止まらない。


咲も同じ様子らしく、フルフルと肩を震わせている。




突き当りの扉を開ける。


 ギギィィィィィィィ・・・・・・


と大きく軋みながら扉が開く。

75 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:03:05.15 ID:266XR6jX0


副会長を先頭に部屋へ入る。


グチョ


足元に不快な感覚が・・・・・水だ・・・・・

・・・一瞬で鳥肌が全身を回る

フローリングの床も、天井も、壁も・・・・・全てから水が、まるで染み出しているかのように・・・・・


・・・・・寒い・・・




部長へ目をやると、部屋の隅の一点を見つめている。


俺もそこを見ると、・・・


76 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:04:18.51 ID:266XR6jX0



「うんんんんんん、んんんんんん・・・・・」



何だかワカメの塊・・・・・の様なものが呻き声をあげている。


・・・あれは・・・・・染谷先輩だ!・・・・・


"青い"包帯をした腕で、膝を抱きうずくまる形で、部屋の隅で唸っている。


「・・・んんんんんん、うううううううう・・・・・」



顔の様子は、ワカメが・・・・・髪がかかっていて全く分からない。


それに、乾燥ではなく生ワカメのように、じっとりと濡れている。


  ・・・・・それに、この部屋の臭いもなんだか、ワカメの様な・・・・・いや、それは無いか・・・・・

恐怖のせいで、あらぬ妄想までしてしまう。


77 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:05:41.63 ID:266XR6jX0


副会長が染谷先輩に近づいてゆき、何かを唱え始める。

ロリコンと呼ばれるようになった元凶を倒すかのように、十字を切り、唱えている。



しばらくして、


「・・・・ヒェェェェェェェェ・・・・・・ギァァァァァァァぁ・・・・・」


突然、染谷先輩が叫びだした。


「いやぁっ」

咲が叫んで部屋を飛び出していく。

後を追おうと思ったが、恐怖の為か、足がうまく言うことを聞いてくれない。

78 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:06:56.41 ID:266XR6jX0



「・・・・・・キィィィィィィ、・・・・・・・」



狂ったように叫ぶ染谷先輩に対して、副会長はまだ何かを唱えている。



そして、



「水の悪魔よ、出て行けぇぇッ!!!!」

大きく叫んだかと思うと、染谷先輩がぐったりとうなだれた。


未だに髪に隠されて、顔の様子が伺えない。


79 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:08:09.45 ID:266XR6jX0



副会長が染谷先輩に近づいてゆき、髪を整え、顔色を窺う。



「ヒィッ・・・・・そんな・・・・・まさか・・・・・あぁ・・・・・」

突然、副会長は血相を変える。



その声に反応したのか、ううん、と染谷先輩が目を開ける。



「何だ!お前は!!」 

濡れた髪を狂ったように掻き毟りながら・・・ほどけた"青い"包帯を振り回しながら・・・染谷先輩が叫ぶ。



「帰れぇぇぇぇぇぇ!!! 来るな!! 二度と来るなぁっ!!!!」




...
......
..........
......
...


80 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:09:30.04 ID:266XR6jX0



ほとんど追い出されるようにして、染谷家を後にする俺たちだった。

果たして、悪魔祓いは成功だったのか・・・・・それとも・・・・・



終始無言の副会長に声を掛ける。

「失敗・・・?だったんですか?」

胡乱な顔をあげて、副会長は答える。

「完全に・・・というわけではないけど・・・」

「祓いきれなかった、ということですか?」

先程落ち着きを取り戻した咲が尋ねる。

「うぅん・・・なんとも・・・・・」


81 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:10:52.78 ID:266XR6jX0


俺は、最後に一つだけ、気になっていたことを聞いた。


「水の悪魔っていうのと、"青色の"包帯は関係あるんですか?」

「あぁ、それは・・・うん、悪魔にもいろいろ居て・・・例えば水だと青とか、火だと赤とか・・・だね。」


・・・・・それ以降は誰も口を開こうとはしなかった。




...
......
..........
......
...


82 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:12:10.36 ID:266XR6jX0



天竜川に浮かんだ染谷先輩の死因は、溺死だった。


このことを、部長に伝えると

「水の悪魔に取りつかれた人の末路は、だいたい水で死ぬんですって。」

と言っていた。


悲しむ風でもなく、嫌にあっけらかんとしていた・・・・・ような気がする。


まぁ、俺もあまり染谷先輩の死を実感できていないのが現状だ。




...
......
..........
......
...


83 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:13:55.33 ID:266XR6jX0



長野県の刑事が、清澄高校麻雀部の部室を訪ねてきたのは、それから数日後のことだった。



部室には、俺、部長、副会長の3人がいた。

刑事たちは、部長と副会長の顔を見るや否や、すぐに連れて行った。


なにやら染谷先輩の死に関与していたらしい。

84 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:14:47.33 ID:266XR6jX0


・・・・・まさか・・・・・そんな・・・・・・あぁ・・・・



「そんなはずありません・・・・・部長と、副会長が・・・・・だって染谷先輩を悪魔から必死に救おうとしたんですよ!!」

俺は叫んでいた。


当たり前だ、同じ部活の仲間同士で、殺すなど・・・・・・そんなこと・・・・・・

85 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:17:28.08 ID:266XR6jX0


そこで刑事さんは一言、こういった。



「色、ですよ。」



色?


ああああぁぁ・・・・・・そうだ。

あの時、染谷先輩の、血の気の引いた顔を確認したあの後・・・・・・


・・・・・あぁ・・・・・確かに・・・・・・・色が、包帯の色が・・・・・・・・・・おかしいと思った・・・・・


俺があの時見た包帯の色は・・・・・"赤色"だった・・・・・火の・・・・・悪魔・・・・・




部長の言葉を思い出す。

「例えば、火の悪魔は水を極端に嫌って、避けたりするらしいわよ。」


水を嫌う・・・・?

・・・・あぁぁ・・・・・ではなぜ、増水した川に近づいたのか・・・・・


86 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:21:19.56 ID:266XR6jX0



これは後で警察の人から聞いた話だが、聞いてみるとなんとも呆気ない。ありふれた事件だった。

詳しいことは知らないし、語る気もないが、概要はこうだ。



あの日、悪魔祓いの日、"水の"悪魔はきちんと祓われていた。


そして、染谷先輩は正気になって目を覚ました。


・・・そこで、副会長、内木一太の顔を見たのだ。



87 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:23:45.04 ID:266XR6jX0



どうやらあの副会長、内木一太は染谷先輩にしつこく付きまとい、ストーカー行為を繰り返していたらしい。

なんでも、電話をかけ続けたり、実家の雀荘にまで押し掛けたそうだ。

家の場所までは、知られなかったらしい。



ある日、部室の前で待ち伏せしていた内木一太は染谷先輩と揉み合いになり、不幸にも、内木一太は階段から転げ落ちた。


そして、軽度の記憶障害と共に、悪魔祓いの能力に目覚めた。


 ーーーー女の人に振られた・・・かぁ〜、誰かの言葉を思い出す。


88 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:25:58.84 ID:266XR6jX0



だから、正気に戻った染谷先輩は、目の前にストーカーの顔があり驚いた。

  ・・・・・くるな!・・・・・と叫んだ。



同じく、悪魔祓いの専門家としての内木一太は相手の素性を聞かない、つまり、対象が染谷先輩だとは知らなかった。


それで、お祓いが終わった後、顔を覗き驚いた。

  ・・・・・まさか・・・・・と。

この瞬間、もしかしたらすべてを思い出したのかもしれない・・・・・


89 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:27:26.08 ID:266XR6jX0



後は簡単だ、内木一太は今の彼女、竹井久と競合して、染谷先輩を荒れ狂う濁流の中へと突き落とした。

詳しいことは分からない、階段を落とされた復讐かもしれないし、ロリコンと呼ばれた復讐かもしれない。



酷く偶然にも染谷先輩は、水の悪魔と入れ違いで火の悪魔に憑りつかれていた。



二人は夜、暗闇と大雨の中、染谷先輩を川の中へ突き落としたのだろう。


・・・・・腕に巻かれた包帯の色・・・赤色・・・を確認せずに・・・・・


90 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:28:32.26 ID:266XR6jX0


刑事さん曰く



「もし包帯の色が青だったら、確実に自殺で処理されていたよ。でも、赤、つまり火の悪魔は、水を嫌うからね。んっふ・・・」


だそうだ。  ーーーーって、お前もホモかよ。


91 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:29:39.71 ID:266XR6jX0


もはや、これ以上の興味は持てなかった。

警察の人は、単なる・・・痴情のもつれ、と言っていた。

・・・・・あぁ、なんてありふれた事件なのだろう。

咲が見てきたという恐ろしい出来事も、なんだか全て胡散臭く思えてきた。




「はぁ〜・・・」

ため息を漏らし、一つ重大な事実に気が付く。


「あいつ、ロリコンじゃなかったのかっ!!!」




カン


92 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 11:32:22.16 ID:266XR6jX0



以上「眠れない夜にはサスペンスを」でした。

もう短編じゃないね。疲れた。



次のネタはもうあるんですけど、疲れたので、少し時間を空ける・・・・・かもしれません。

そもそも、見てる人いるのかね・・・・・

では、また。


93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/03(木) 11:36:51.89 ID:BSTvYACOo
いつ更新来るのかとずっと起きて待ってたよ
94 : ◆pjALZHgaVSgG [saga]:2016/03/03(木) 13:50:39.27 ID:266XR6jX0


>>93に捧ぐ。
「ずっと待ってた」




「ふふっ。」

思わず、頬がほころぶ。


そう、今日は待ちに待った日である。

部活の仲間たちとキャンプへ行くのだ。


「ふふっ、楽しみですね。」


昨晩は胸の高ぶり、興奮で良く寝付けなかった。


「これと・・・・・あれと・・・・・」カチャカチャ

荷物の最終確認をしてゆく。


「よしっ・・・・・行ってまいります。」

父親に向かって挨拶をし、元気よく家を出る。




...
......
..........
......
...


95 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 13:52:10.09 ID:266XR6jX0


「ついたじぇ〜っ!!」

「こら優希、走ると危ないですよ。」

そう言う私も小走りに駆け出す。

「ふふっ、ついに着きました。」



バスに揺られ1時間半、そこから徒歩で15分。


あたりは山々に囲まれ、眼前に広がる湖は、光を反射してキラキラと輝いている。

「ほぉ〜、なかなか良いとこやのぉ。」

「だから言ったじゃない。素敵なとこだって。」

「よし、みんなの荷物はここら辺で・・・・・次はテントだな・・・・・ふう〜」

「きょ、京ちゃん手伝おうか・・・?」

ワイワイ、ガヤガヤ




...
......
..........
......
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96 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 13:53:30.46 ID:266XR6jX0



〜時は遡り、先週6日の金曜日〜



「来週は、キャンプに行くわよ!!」




恐らく部員の誰もが、また部長が良からぬことを考え始めた、と思っただろう。


まぁ、確かに来週は金土日の三連休で、出かけるなら絶好の日程ですけど。


「ほぉ〜、で、何処に行くんじゃ?」

染谷先輩だけは、またか、とでも言わん表情で冷静に答える。

「ふふん、よくぞ聞いてくれました。」

部長が、バンっとホワイトボードを叩くと回転し、裏側にはキャンプの詳細が書かれていた。



はぁ〜・・・、キャンプに行く? ではなく、行くわよ! と言われた時から何となく想像はついていたが・・・・・どうやらもう決定事項らしい。

97 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 13:54:57.78 ID:266XR6jX0


「来週の金曜の9時半に学校前のバス停に集合ね! そこからバスで、ここ! 結晶湖に向かうわ! そこでキャンプよ!」


ドクンッ、私の心臓が跳ね上がる。


「け、結晶湖・・・?」

咲さんが尋ねる。

無理もありません、そこまで知名度のある場所ではないですからね。

「学校近くを流れる天竜川の上流に湖があるんです。それが、結晶湖というんですよ。咲さん。」

ふふん、自信たっぷりげに、やや興奮した様子で答える。



それからというもの、キャンプが楽しみで楽しみで、浮ついた日々を過ごした。

時折、咲さんに心配されることもありましたが、大丈夫ですよ咲さん。


 少し、この衝動が抑えられないだけですから・・・・・




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98 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 13:56:24.50 ID:266XR6jX0



男、須賀京太郎、この鍛えられた肉体を生かしてせっせとテントを設営してゆく。


テントを立てていると、あることに気が付いた・・・・・

 ーーーー顔のにやけが止まらない。


・・・・・そう、3人向けのテントが二つしかないのだ・・・・・


うひょぉぉぉぉぉ!!


思わず叫びそうになる・・・・・危ない危ない。

此処は紳士であれ・・・・・そう心に言い聞かせ、顔を引き締める。

ここで選択を見誤れば、後で待つ楽園へと行けないだろう。


うわぁ・・・・・和と一緒に寝られるのかぁ・・・・・


いかんいかん、とテント設営へ意識を戻す。


99 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 13:57:17.51 ID:266XR6jX0


〜夜〜




テント(染谷まこ、竹井久)

テント(原村和、宮永咲、片岡優希)




寝袋 (須賀京太郎)


「ですよねぇ〜」





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100 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 13:58:29.23 ID:266XR6jX0



ドクン、ドクン、ドクン・・・・・



興奮で寝付けない。

周囲はもうとっくに暗闇に包まれている。


時折、

ギャァァァァだとか、グァァァァァだとか、

何者かの鳴き声が聞こえてくる。


その声が、さらに自分の心臓の鼓動を、内なる衝動を加速させる。


モソリ、と起き上がる。



 ギャァァァァ、グァァァァァ

先程よりも一層、大きく聞こえた・・・・・気がした。




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101 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:35:52.63 ID:266XR6jX0


〜翌朝〜




キャァァァァァ

大きな悲鳴? で目を覚ます。

・・・・・寝袋寒い


時計を確認すると、朝6時前だ。

すると、


キャァァァァァ


「ッ!!咲ッ!!!」

慌てて咲たちのいるテントへ向かう。

102 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:38:56.29 ID:266XR6jX0


「どうしたっ!?」

激しくテントの入り口を開くと、



「ウ"ォェェ・・・・」

思わず嘔吐してしまった。


・・・・・紅い・・・

  ・・・赤い・・・・・


テントの内側や、咲、和に血飛沫が飛んでいる。


そして、その血は・・・・・あぁぁ・・・・・優希・・・・・


 ・・・・・優希の首には・・・・・斧が・・・・・

 ・・・首と言うより、首の下の地面に・・・・・

手斧が貫通してめり込んでいる・・・・・あぁぁ・・・・・


103 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:40:11.34 ID:266XR6jX0


咲はテントの外で激しく嘔吐している。


和は・・・・・意識があるのかないのか、座った状態で、目はどこか一点を見つめている。


よく見ると、テントの内側に血で・・・・優希の血でJ.V.と描かれている。



・・・・・ん?・・・

そこでさらに嫌な予感が頭をよぎった・・・


何故部長たちは起きてこないのか・・・?

・・・あれほどの叫び声、気付かないわけがない。・・・・・まさか

そう思い、急いで隣のテントへ向かう・・・・・

104 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:41:20.73 ID:266XR6jX0


・・・・・うわぁぁぁぁ・・・・・

染谷先輩・・・部長・・・

二人・・・・・だった何か・・・は、もはや見る影もない。


 ーーーー紅い、赤い、朱い。


そこにもまた、J.V.の文字が残されていた。




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105 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:43:29.57 ID:266XR6jX0



「はっ、はっ、はっ・・・・」

俺今、一人、ケータイを片手に走っている。

湖付近は山に囲まれており、ケータイの電波が入らなかったのだ。

バスは2時間に一本、電波の通じる場所まで走るしかない。



ありったけ叫んで気絶寸前の咲と、どこか胡乱な面持ちで放心状態の和はテント近くのベンチに残してきた。


早く二人のところに戻らねば、と焦るが、一向に電波が入らない。

「クソッ!!」

祈るように、ケータイの画面を見ながら走る。




「繋がった!!!!」

警察に事情を話し、すぐにキャンプ地へと戻る。


106 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:44:16.82 ID:266XR6jX0



 ーーーー待てよ。



先程まで、気が動転していたが・・・・・


"誰が"あんなことを・・・・・

・・・しまった・・・部活仲間が死んだことに驚愕し、考える余裕もなかったが・・・


"何が"起きたかは分かったが、"誰が"やったのか分からない!!


・・・そうだ、あれは動物の仕業ではない・・・・・人間の仕業だ・・・・・




あぁぁ・・・・・この時、二人を置いてきてしまったことをひどく後悔した。




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107 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:45:52.53 ID:266XR6jX0



「咲っ、和っ!!!」

決死の思いで駆け戻ってきた。

心臓は爆発しそうだ、息が出来ない、視界も霞んでしまっている。


「咲っ、何処だ!? 和っ!!」

辺りを見渡す。


「!!」

この瞬間悟った・・・・・遅かった・・・・・

 ・・・俺が・・・・・二人を置いていったばかりに・・・


「ふらふらとした足取りで、二人のもとへ駆け寄る。」



あぁぁぁ・・・・・何かで切り刻まれたようなあと・・・・・

・・・赤い、紅い、朱い


傍には、"マチェット"が転がっている。


和の顔には・・・・・薄汚れた"ホッケーマスク"が被せられていた・・・・・


・・・・・うああああぁぁぁ!!!・・・・・

108 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:47:04.74 ID:266XR6jX0


もう気が狂いそうだ、いや既に狂ってしまっていたのかもしれない。


「そこに居るんだろ!! 俺も殺せよ!!! 殺してくれ!!!」

湖を背に、森へ向かって叫ぶ。


どこからか、チェーンソーの音が聞こえた・・・・・気がする。



「っはぁ、はぁ・・・・・」

未だに心臓が痛い。

野鳥のさえずりが聞こえる。

風がさわさわと木々を撫でる。


109 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:48:01.37 ID:266XR6jX0



 ーーーー変だ。




此処には、J.V.の文字がない。

・・・・・そう思った



それに、・・・ホッケーマスクは被害者の顔に被せる為のアイテムではない。

"殺される側"ではなく"殺す側"のシンボルだろう。


・・・・・そうだ・・・もちろんそうだ。


110 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:48:36.35 ID:266XR6jX0


近くで がさっ、と音がする。


・・・・・あぁ・・・・・


血だまりの上に倒れていた"彼女が"、おもむろに身を起こすのが見えた。


・・・・・まさか・・・・・


ホッケーマスクを顔に付け直し、投げ出されたマチェットに手をかける。


そして・・・・・。


111 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:49:20.99 ID:266XR6jX0


J.V.のメッセージがここに無いのは当然だった。


殺人はもう一つ起こるのだから。


 ーーーーJ.V.を署名するのは、俺を殺してから・・・か・・・・・





 〜J.V. ジェイソン・ボーヒーズ〜






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112 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/03(木) 14:50:08.48 ID:266XR6jX0


心臓が今にも口から躍り出てきそう。


「ふふん。」

来週の金曜日は13日、そして結晶湖・・・クリスタルレイク・・・

「ふふっ、楽しみになってきました。」カチャカチャ

持っていく荷物を選ぶ。 ゴソゴソ

手斧、マチェット、ホッケーマスク・・・・・カチャカチャ



「ふふっ」


楽しそうな・・・・・凶器に満ちた声が部屋に木霊する。





カン


113 : ◆pjALZHgaVSgG [saga]:2016/03/03(木) 14:51:02.73 ID:266XR6jX0



以上「ずっと待ってた」でした。

副題は「-Friday the 13th-」です。

和が初登場だったので、"ハッピー"エンドにしました。



レスありがとうございます。

ネタ切れなので、少し溜めてきます。

114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/03(木) 16:17:09.98 ID:PAFgBzUCo

まってるぞ
115 : ◆pjALZHgaVSgG [saga]:2016/03/03(木) 22:38:03.64 ID:266XR6jX0


>>1です。いくつかネタがあるんですが・・・・・





@「タイトル未定」・・・エロに挑戦

 1.無エロ  激グロ

 2.微エロ  激グロ

 3.激エロ  グロ激激


1.2.3のどれが良いですかね?

また、京太郎の"相手"を募集中・・・A or B。

 A. 竹井久

 B. 原村和




A「アコ」・・・プロット作成中。


B「ホモ熊嵐」・・・内容未定、没になる可能性あり。


C「」・・・ネタ、要望等々募集中。



少々猶予が必要ですので、

お時間がある方はレスして下さると嬉しいです。


希望があれば、グロシーンのみ、全員分作りますね・・・ヒヒッ・・・




それでは・・・・・



116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 00:28:29.75 ID:8accKOC/o
A
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 07:29:14.51 ID:YHiQyOpSO
壊れてる…壊れてるよアンタ!!

安価は2
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 09:25:36.99 ID:r8vFdmY/o
面白かった
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 09:39:22.00 ID:6ph2rBDLo
乙です
@2B
120 : ◆pjALZHgaVSgG [saga]:2016/03/04(金) 12:34:38.92 ID:VWDg+cHy0


>>117 >>119に捧ぐ。
 「あい -what a broken world-」






・・・・・静かな夜だな。


ふわふわとした浮ついた頭で、俺は思った。


月明りだけが辺りを照らす。



麻雀部に入部した時から、和・・・原村和の存在が気になっていた。


・・・・・いや逆か、気になったから入部した。



121 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:35:58.27 ID:VWDg+cHy0


才色兼備とは、正に彼女のことを言うのであろう。・・・・・あぁ、いい女だ・・・・・


俺の幼馴染・・・宮永咲が可哀想に見えるくらい、彼女はその全身から、若くて美しい女性としての魅力を放っていた。


俺以外の男もその甘美な空気に、取り込まれるのは当然だろう。





・・・・・まぁ、今となってはどうでも良い。


その和ともこうして今夜、早くも二人きりになるチャンスが訪れていたのだから。




...
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122 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:37:01.05 ID:VWDg+cHy0



「山登り行くわよ!!」



またか。 部員全員がそういう表情をしていた・・・・・ように思う。


部活も終わり、外はとうに真っ暗。


皆いそいそと帰宅の準備をしている・・・・・そんな時だった。


麻雀部の部長・・・竹井久は突然そんなことを言った。



「行きましょう!! 登山!!」



二度も言わなくても聞こえてる・・・。



「それで・・・、何処に行くんじゃ?」


染谷先輩・・・染谷まこは観念した様に、部長の方を見る。


もう、ああなっては、誰も部長を止められない。



123 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:38:31.54 ID:VWDg+cHy0



「かざこしの 嶺のつづきに 咲く花は いつ盛とも なくや散るらむ」



部長は続けて、



「風越山よ・・・! 風越山!」


と言う。


「かざこしやま?」


咲が不思議そうに尋ねる。



「あぁ、そういうことですか。」


「どういうことじゃ?、和。」


和には、部長の言わんとすることが分かったのだろうか・・・・・


染谷先輩が説明を求める。



124 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:39:47.78 ID:VWDg+cHy0



「かざこしのみね・・・です。 所謂、歌枕ですね。・・・で、その基となったのが風越山。」



「流石、和、詳しいわね。」


和はすごいなぁ・・・・・俺も感心した。



「で、何処にあるんじゃ・・・その風越山とやらは。」


「天竜川の支流を遡った所にあるんだけど、・・・・・ほら、風越女子の近くに川が流れてるでしょ・・・あれよ。 ・・・で、その風越女子の裏に見える大きな山が風越山って訳。」




山登り・・・かぁ・・・・・。


どうせ荷物持ちだろうなぁ・・・・・。




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125 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:40:46.04 ID:VWDg+cHy0



ベンチに腰掛ける二人。


妖しい月の光を浴びながら、誘うように髪を束ね上げた和の、うなじの白さが、京太郎の心を侵食してゆく。


ほのかに甘い・・・甘美妖艶な香りが漂っている・・・・・気がする。


126 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:41:35.01 ID:VWDg+cHy0



「・・・・・して」




いきなりそう言われた。


京太郎は狼狽えながら、和の顔色を窺う。


彼女は、何処か遠くを見つめている。


 ・・・その瞳は、艶やかに光っている。


127 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:42:29.23 ID:VWDg+cHy0



「キス・・・して」



和はうっとりとした表情で、こちらへと視線を移す。


・・・ああ・・・・・なんて甘い・・・




「ねえ・・・・・」


と細く呟き、京太郎の左腕に両手を絡ませる。


甘い香水の香りが、鼻をくすぐる。


・・・・・甘い・・・・・



急な展開に落ち着かず、京太郎は目線を泳がす。


    ・・・・・あまい・・・



128 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:43:19.31 ID:VWDg+cHy0



「ねぇ・・・須賀くん・・・・・」


あだっぽい笑みをふくよかな唇に浮かべて、和は囁く。



「だめ・・・?」


「でも、俺たち・・・そんな、」


「今はただ、須賀くんが・・・・・欲しい、それだけ・・・」


和と目が合う。


妖しい光を放つ・・・・・甘い・・・・・目。


129 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:44:07.23 ID:VWDg+cHy0




「抱いて・・・・・んっ」


柔らかな唇を京太郎の口が塞ぐ。


・・・・・あまい・・・・・あまい・・・・・


もうそれしか頭にない。




130 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:44:58.52 ID:VWDg+cHy0




「・・・・・ん」


いったん唇を離す。


和は満足げに目を閉じる。


「んっ・・・・・」


そしてまた、口を塞ぐ。





首筋へ向かって舌と唇を這わせながら、ゆっくりと・・・優しく胸をまさぐる。


「んんっ・・・・・」



喘ぎ声が高まる。



131 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:45:56.01 ID:VWDg+cHy0





ー愛ー


・・・・・は、夜の闇を身にまとい、その行為を見る。


ー哀ー





132 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:47:17.36 ID:VWDg+cHy0




俺たちはもはや、欲望を満たす為だけの、獣となった。


いきり立った俺のペニスをズボンの外へ引き出すと、和はいったん身を離し、自ら下半身の衣服を脱ぎ捨てる。


はだけた下着から白い乳房がこぼれだし、俺の興奮を煽る。


「・・・・・ふぅ・・・んん・・・・・」




133 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:47:55.50 ID:VWDg+cHy0



ベンチに腰かけた俺の膝の上に、和は自分から跨ってきた。


和の恥丘へと指を這わし、小刻みに手を動かす。



「・・・ああ・・・・・そこ・・・・・」


和は切なそうに声を震わせる。



 ーーーー二人はただただ快楽を貪る。




134 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:48:57.02 ID:VWDg+cHy0




「何だか・・・・・変なんです・・・・・私・・・」


和の性器はさっきからの愛撫によって、もう十分潤っていた。


恥丘に触れるたびに、中から中から液が溢れてくる。





俺が上半身を抱き支えると、和はペニスに片手を添え、ゆっくりと腰を下ろす。


「・・・あっ・・・・・」


喘ぎ声がさらに高まる。


「んん・・・・・」


・・・・・あぁ・・・・・あぁ・・・・・





135 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:49:56.58 ID:VWDg+cHy0




腰に絡みついてきた和の両足を持ち上げ、局部の結合を保ったまま、ベンチから立ち上がる。


和は俺の首に両手でしがみつきながら、


「あっ」


悲鳴のように、小さく叫んだ。



そのまま一歩、歩く。


ずんっ、と振動が腰に伝わり、和を突き上げる。



「ああっ・・・・・」




136 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:50:43.80 ID:VWDg+cHy0




俺と和では30センチ程、身長差がある。



「・・・凄い。 あ、あ、すごい・・・・・」



歩みを進めるたびに、和は妖艶な・・・悦びの声をあげる。


「・・・・・あああぁ、・・・いい・・・・・」



俺の首にぶら下がるような体勢で、大きく上半身をのけ反らせる。


「・・・・・あぁ・・・・・んん・・・・・」




137 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:51:40.57 ID:VWDg+cHy0




俺は和を抱き上げたまま、座っていたベンチの周りをゆっくりと回る。



「・・・・・んんっ・・・ああっ・・・・・あっ・・・・・」



その後ろ側には、緩やかな斜面があった。



汚れるのも気にも懸けず、俺は和の背中をその斜面に押し付ける。


「・・・・・んっ・・・・・」


138 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:52:21.97 ID:VWDg+cHy0




頭を振り動かしながら、和は息を弾ませる。


「い、いい・・・?」


喘ぎ声の狭間で、和が問いかける。



「・・・・・気持ちいい?・・・」


「・・・・・あ、あぁ・・・・・」


体の芯から止めどなく生まれてくる快楽に浸りながら・・・・・耐えながら、俺は短く答える。



139 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:53:07.30 ID:VWDg+cHy0




「・・・・・はっ・・・・・はっ・・・・」


「・・・あっ・・・・・んんっ・・・・・」






月が雲で隠れ、闇が木々を覆う。


二人の動きは次第に加速し、高みへと向かっていく。


「あぁっ、あ、・・・私・・・もう・・・・・」



和が絶頂を迎えようとした、・・・・・その時、






140 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:53:44.87 ID:VWDg+cHy0





背後の闇の中から、杭を持った影・・・の様なものがすごい勢いで突進してくる。






「・・・・・ああ・・・・・・もう、・・・いく・・・・・」


「・・・・はっ・・・・・はっ・・・・・」





141 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:54:44.78 ID:VWDg+cHy0




 ズドンッ





「ああああああぁっ!!」


和は絶頂を迎え、大きく背を反らせる。


「えっ・・・?」







杭は京太郎の腰に深く突き刺さった。


腸を貫き、凶器の尖端は勢いを保ったまま京太郎の腹から飛び出し、和の下腹部も突き破った。


和の体内で激しく動いていた京太郎のペニスをえぐる。


杭は和を貫通し、後ろの斜面に突き刺さって止まった。







142 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:55:36.24 ID:VWDg+cHy0




「えぇっ! なんだ?」


初めは何が起きたのか分からなかった。


和は大きく体を反らせている。




俺は、体に違和感を感じた・・・・・と同時に・・・・・


「!!!!!」


激痛。


言葉が出せない。


和と密着した部分が、黒々と濡れている。





 ーーーー意識が闇に吸い込まれていった。






...
......
..........
......
...





143 : ◆pjALZHgaVSgG [sage saga]:2016/03/04(金) 12:56:57.72 ID:VWDg+cHy0






雲が流れ、月が露わになる。






重なる二人を見下ろす影・・・・・


「大好きだよ。キョウチャン・・・・・、 これでもう、ずうっと一緒だね・・・・・」


少女の声が、妖しく漂う。








季節は春。


嶺には風が吹きすさび、桜の花が舞う。


まるで風越山の嶺に立つ少女を歓迎するかの如く。








カン、嶺上開花




144 : ◆pjALZHgaVSgG [saga]:2016/03/04(金) 12:58:18.71 ID:VWDg+cHy0




以上「あい -what a broken world-」でした。


"愛"の形は人それぞれ、京太郎は少女の"愛"を受け取れたのでしょうか。





和歌によくある"かなし"には"悲"、"哀"、"愛"色んな字を当てますね。


 ーーーー昔の人はどの様に"かなし"かったのでしょう。






あぁ、◯ロシーンに力を入れすぎて、SAN値がやばいです。


本来の◯ロシーンは、今の数倍の文量あったのですが・・・・・流石に公開できないと思いカットしました。




それでは・・・・・・・ふぅ・・・・・




145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 13:06:46.57 ID:aba6YmrAO
絢辻さんの殺人鬼を思い出した
146 : ◆pjALZHgaVSgG [saga]:2016/03/04(金) 13:35:07.40 ID:VWDg+cHy0



>>145
あぁ、そう、それ!「殺人鬼」です。
セ◯ックスからの串刺しシーンだけが嫌に頭に鮮明に残っていたので、今回書きました。





>>1です。


只今のネタ在庫


@「あい -what a broken world-」の没ネタという名の、和以外との◯ロシーン抜粋。

 ジャ◯キー・チェン映画のNG集みたいなものです。


A「アコ」・・・エロホラーではなくエロのみの可能性あり。やや難航中。


B「ホモ熊嵐」・・・タイトルで察して下さい。


C「タイトル未定」・・・在庫なし。ネタ、要望等々ありましたら、レスいただけると嬉しいです。



実は未公開分の虐殺シーンを書いたせいで、割とガチSAN値ピンチなんで、休んできます。

(お気に入りの高校、人物、カップリングがあれば"出演"させますよ・・・・・イヒヒ・・・・・)



それでは・・・・・


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