【安価】揺杏「侍道4」【咲-saki-】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 20:48:09.16 ID:MrSD5U5E0
侍道4×咲です

書いたら随時投稿しますが、恐らく亀更新になります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459770488
2 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 20:53:25.74 ID:MrSD5U5E0
船頭「お客さん、阿弥浜は初めてですか?」

揺杏「ん? あぁ、そうだよ」

船頭「そうですか。まぁ、近頃はやれ開国だの攘夷だの、結構物騒なんすけどね。あ、あれが黒船です」

揺杏「デカッ……外国ってすげー」

船頭「今日は確か、御大老様のとこの三姉妹があの船で会談してるとか」

揺杏「へぇ、大老の」

船頭「はい……まぁ、御大老様って言ってもなぁ……幼馴染なんすけど」ボソッ

揺杏「ん? なんか言った?」

船頭「あぁいや何でもないっす! はい、着きましたよ」

揺杏「ありがと」

船頭「……ご武運、祈ってますよ」

揺杏「ねぇ、あんた名前は?」

船頭「俺はただの船頭ですよ…………名前はまぁ、須賀って言います」

揺杏「なるべく、忘れないよ」

船頭「なるべくっすか……まぁただの船頭ですしそれくらいがお似合いかも……っと、それじゃあ俺次の仕事もあるんで!」

揺杏「あいよー、じゃあね」
3 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 20:57:56.35 ID:MrSD5U5E0
揺杏「っと……さて」

揺杏(広場みたいなとこ、人だかりできてる)

揺杏「んーと、さっき言ってた三姉妹とやら?を見に来た人たちかな」



末原「ええか? 今日は御大老様の三姉妹様が来る日や。無礼があったらあかん。ましてや攘夷の輩に好き勝手させるなんてもっての外や。出てきよったら、必ず捕まえたるで。臼沢と小瀬川を」

岡っ引き達「おう!」



揺杏「あれは……見た感じ治安とか取り締まるような役職の人とかか。それで、何とかっていう攘夷の輩を捕らえてやろうとしてるわけだ」

町人「……なぁ。あんた、余計なこと口走らない方がいいぜ」

揺杏「うぇ、そんなやばいこと言ってた?」

町人「いや、そうじゃねえけどよ……あまり余計なこと言って岡っ引きに目をつけられたら、あらぬ罪で捕まえられてたまったもんじゃない」

揺杏「なにそれ、ここは汚職天国ってこと?」

町人「いや、町の位の低い岡っ引きはそんな感じなんだ。あそこで奮起してるのはここ阿弥浜の取り締まりとかのトップ、末原恭子。あの人とかは誠実だよ」

揺杏「そう……あと聞きたいんだけど、この集まりは一体何?」

町人「野次馬が大半だな。攘夷がここを襲ってくるのはほぼ確実だから」

揺杏「えぇ、そんなの見たさに集まるとか、ここの町人趣味悪いね」

町人「まぁ、今んところは会談をただやってるだけって感じだな」

揺杏「あぁ、あの黒船とやらでやってるという」

町人「あぁ。三姉妹様、照様と菫様と淡様と外交官の愛宕洋榎が行ってるらしい。相手は何つったかな……エイスリン何とかって大使とメガン何とかって伯爵がいるらしい。後はその護衛とかだな」

揺杏「ふぅん……」
4 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 20:59:17.36 ID:MrSD5U5E0
――――黒船――――
エイスリン「ニホンハ、ガイコクトノコッコウ、スレバキットハッテンデキマス!」

照「うん、悪い話じゃない」

菫(どうせ受け入れる振りして金を巻き上げたら追っ払うつもりだろうな、こいつ)

洋榎「Zzzzzzzzz」ウーン

淡「ちょっと洋榎さん! 失礼だよ」ガスッ

洋榎「おっおおぅ!? あっあぁ! せやな、めっちゃ興味深い話やったわ。外交官愛宕洋榎、感服しましたわ!」

メグ「……聞いてたんデスネ」

菫(そんなわけないだろ)
5 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:01:58.78 ID:MrSD5U5E0
――――同時刻、港。
岡っ引き「攘夷だ、攘夷が来たぞ!」

末原「来たか…………そして早速出よったな、臼沢塞。 御政道に反する大罪人!」

塞「……うるさいなぁ、幕府の犬が」イラッ

武士「攘夷共、覚悟! うおおおおお」タッタッタッ

白望「…………馬鹿だ」ザシュゥ

武士「ぐっ…………」バタッ

末原「……何や、隠れとっただけで小瀬川もおるんかいな。ほら、あんたら怯むな! いくで!」

塞「上等……いくぞ!」

般若党「うおおおおおおお」ドドドド



揺杏「なるほどこれが攘夷か……外国勢力の排除というよりは…………ただの殺人に見えるな」

揺杏(てか実際、ただの殺人だ。関係無い人まで怪我を負っている。この様子だと、おそらく関係の無い人が死んでしまったことすらあるんだろうな)

美穂「お侍さん!」

揺杏「えっ、な、何?」クルッ

美穂「見ていないで、何とかしてください!」

揺杏「えぇ…………まぁ、わかったよ。あぁ、『口出し無用』だからね」

美穂「っ!」パアァ

揺杏(顔に出るタイプだこの人)

美穂「頑張って!」
6 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:03:38.13 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて……まず手始めに1人だな。おーい、そこの攘夷の人」

般若党「なんだァ? テメエも夷敵の味方をすんのか?」

揺杏「いや別に……見た感じただの殺人だから止めようかと」

般若党「舐めやがって!」シュッ

揺杏「ただの突きで殺せると思った?」

揺杏(正直、もう戦いにはある程度慣れてる。このくらいの突きならば簡単に受け流せるし、反撃もできるな)

揺杏「よっ、と」

般若党「ギャアァッ!」

揺杏「受け流してバランスを崩したとこを斬るのは基本だよね。さて、次は……っと」
7 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:04:59.57 ID:MrSD5U5E0
――――黒船――――
淡「……ねぇ。なんか港の方が騒がしくなってない?」

菫「ん? あぁ、確かに言われてみればそうだな」

エイスリン「……! タタカイ、オキテル!」

メグ「……フム」

エイスリン「イマスグムカウ! フネ、チイサイノデイイカラ、ダシテ!」

洋榎「本気ですかいな!? あそこは危険な場所ですよ!?」

エイスリン「ホンキ!」タッタッタッ

メグ「ンー、ああなったら、止められまセン。行きまスヨ」ニヤニヤ

洋榎「いやいや、何で楽しそうやねん……」
8 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:07:02.91 ID:MrSD5U5E0
――――同時刻、港。
般若党「お前、やるな」

般若党「3人相手ならどうだ?」

揺杏「……そんくらいはまぁ、慣れたもんだよ」

揺杏(なんてことないな。人なんて1発斬ってしまえば終わりだから、それだけで勝てる。逆を取れば自分も一撃でやられるという事になるけど、まぁやられなければいいんだ)

揺杏「よっ、と」シャッ

般若党「ギャアアアアアアアア」

揺杏「こいつら3人、剣術も刀もロクなものじゃなかったな。捨て駒レベルの存在なのか、それとも攘夷とやらはそこまで追い込まれてるのか……ん、何だあの人、金髪?」


洋榎「この人、ほんまに港に降りよった……」

エイスリン「ハヤク! ハヤクイカナキャ!」

白望「……愛宕洋榎と、誰?」

塞「んなっ、金髪!? まぁ、丁度いいや。アンタ! 少し大人しくしてろ!」グイッ

エイスリン「キャアッ!」

揺杏(って何だあいつら!)

洋榎「いやいや、早速国際問題やんけ!」

揺杏「……中々外道だなあの赤い人」

揺杏(取り敢えず、助けようとしてみるか)

塞「……何? アンタ、毛唐の女を助けようっての?」

揺杏「取り敢えず、『その娘から手を離せ』」

塞「…………誰よ、アンタ。まあいいや、こいつにかかれ!」

般若党「おう!」

揺杏「またか……今度は5人」

揺杏(でもまぁ、さっきの3人組よりまとまりがないし楽だな……集団なのに同時にかかってこないあたり本当に戦いは素人なのかな)
9 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:08:36.65 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて、何事もなくすぐに倒せたな」

塞「へぇ、アンタなかなかやるね。私は臼沢塞、般若党党首。私が相手するよ」ザッ

揺杏(さっきの外人の娘は……無事か。多分あの外人の娘を守ってる感じの日本人が外交官の愛宕洋榎かな)

塞「余所見してる余裕があるわけ?」シュッ

揺杏「おおっと!?」サッ

塞「よく避けたね。でも次はどう?」

揺杏(太刀筋がさっきまでの奴らと違う、やっぱ実力があるわけだ、党首様は)

塞「ほら、どう!?」

揺杏(構えは刀を上に上げるような構え。斬りは一見隙のある大振りのように思えるけど、実際は最短距離の振りで縦だけでなく横からも刀が飛んでくるな…………でも、今の振り、隙がある……もう一度同じ振りを誘うか)

塞「くそっ、中々守り上手だ。けどこの一撃は防がせない!」

揺杏(今だっ!)ザシュ

塞「んなっ! くそっ……しまった」

白望「塞っ」タッタッタッ

塞「シロ……」

白望「塞……今は引こう。また機会はある……」

塞「……チ。全員撤退! 撤退!」ダッ

揺杏「何だ、呆気ない」スチャッ


エイスリン「アッ、アノっ!」

揺杏「ん?」

エイスリン「エット、ア、アリガトウゴザイマシタ!」ペッコリン

揺杏「えっ、あぁいやそんな、そこまで深く頭を下げるほどじゃ」

末原「…………しかしアンタ、見ない顔やけど随分腕あるみたいやな。良かったら、ウチで働かん? 代官所の門番に話通しとくから、気が向いたら来てや」

エイスリン「アッ、ソノ、タイシカンモアケテキマス! ヨカッタライッショニ、オチャデモ! ソ、ソレデハ」スタスタ

メグ「待ってマスからネ」ポン

揺杏(うわ背高っ。私小さいわけじゃないんだけどあの人と並ぶと子供同然に見られそう)

揺杏「つーかここってこんな広かったのか……人が多くてわかんなかったな」
10 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:09:14.83 ID:MrSD5U5E0
照「戦いが起きてるらしいから急いで港に来たけど……なんだ、もう終わっちゃってる」

菫「仕方ないだろう。今回は特殊な勢力がいたからな」

淡「えっ、何それどういうこと?」

照「説明して」

菫「お前ら、船頭に遅い遅いと文句ばかり言ってて戦いを見てなかっただろ。まったく……」チラッ

揺杏「!」

揺杏(あの青髪の女…………何か嫌だな。取り敢えず、この場は離れたほうがいいよね。船頭――須賀がくれた阿弥浜の地図があるからそれを見て……よし、まず町の方にさっさと向かおう)タッタッタッ


菫「……行ってしまったか」

照「あの1人だけ立ってた人がその特殊な勢力?」

淡「でも1人じゃあの規模の戦いには影響ないよ?」

菫「まぁ、普通はそうだな」

菫(さて……あの侍が私達にとって吉と出るか凶と出るか、だな)
11 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:15:31.47 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて、取り敢えず逃げるように町に来たけど……これからどうしようか」

揺杏(攘夷、幕府(代官所)、外国(大使館)か……あとはどこにも属さない、かな)

揺杏「よし、決めた。>>13にしようかな」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 21:18:44.76 ID:hrLWSKMVo
幕府
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 21:21:54.19 ID:D7fNFem+0
幕府(代官所)
14 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:32:01.40 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて、町からだと代官所は……一旦大通りに出なきゃダメなのか」ザッザッ



揺杏「ここが代官所か。入口どこだ……門はあそこであってるのかな」

門番「ん、貴様が末原さんの言っていた侍か?」

揺杏「そうだよ。話はもう通ってる?」

門番「あぁ。こっちだ、ついてこい」
15 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:50:32.73 ID:MrSD5U5E0
末原「おお、あんた……いやあ、よく来てくれた。さ、そこに座ってくれ」

照・菫・淡「…………」

洋榎「えー……今のが阿弥浜代官、末原恭子で。こちらの御三方が御大老様の姫君にあらせられる」

揺杏(これは、頭下げといたほうがいいか)スッ

菫「あぁ、別にそんな畏まらなくてもいい」

淡「ところで。今回の戦には参加したの?」

照「私たちはもうちょっとというとこで乗り遅れちゃった。悔しい」

洋榎「はは、御覧の通りのお転婆……いや、勇ましいお姫様たちで」

洋榎「んでもって、うちは運上所頭取の愛宕洋榎……まぁ紹介はこんなところやな」
16 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:00:38.76 ID:MrSD5U5E0
末原「ところで攘夷志士なんやけど、どう思う?」

末原「まぁ、酷い連中や。あいつら、許さんよ……なぁあんた、一緒に戦わへんか?」

揺杏「……わかった」

末原「そうか! そんならこれからよろしくな。あぁあと、暇やったら夕方に大通りの方に来てくれへんか」

揺杏「?」

末原「まぁ来たらそのときに説明するわ」
17 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:04:55.79 ID:MrSD5U5E0
――――夕方、大通り。

揺杏「末原って人いた……てかあの人の格好なかなか浮いてるってか目立つな」

揺杏「末原さん、来ました」

末原「おお、来たか。今から洞窟探険……調査に行くんや」

末原「実は今までもその洞窟に何人か部下が行ったんやけどな、誰も生きて帰ってこなかった、そんな謎の大洞窟なんや」

揺杏「なるほどね……わかった、私も行くよ」

末原「よし! それなら出発や!」
18 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:12:03.13 ID:MrSD5U5E0
末原「ここがその洞窟や。中の様子は入口からじゃ全くわからんから、気をつけて進むで」

揺杏「随分、綺麗な道になってるなぁ」

末原「確かにそうやな……ん? 何か怪しい物音がしたな」

揺杏(耳いいなこの人)

末原「別れ道か……取り敢えず右に進むか」

揺杏(てか道に大根とかたまごとか落ちてるけどそこはスルーなのか……?)

末原「! あれは!」

揺杏「なんか5人くらいの人が遊んだりしてる……?」

揺杏「ってあの赤い服は確か……攘夷志士が着ていた服」

末原「なるほど、ついに突き止めたで。この洞窟の主は般若党だったってことやな」

末原「隙をついて一気に倒すで!」タッタッタッ

揺杏(隙をつくって言って思いっきり正面から走ってってるけど)タッタッタッ

末原「攘夷志士ども、観念せぇ!」
19 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:16:54.28 ID:MrSD5U5E0
般若党1「だ、代官だ!」

般若党2「くそっ、折角の酒盛りを台無しにしやがって!」シャッ

揺杏(こいつら酔ってんのか……多分それなら昼間の奴らより弱いんじゃないかな。刀もなまくらだし)

般若党3「死ねぇ!」シャッ

揺杏「そんなのに当たるわけない」サッ、ザシュッ

般若党3「ギャアアアァァァァ」

揺杏(しかし本当にまともな剣術じゃないな。これならそこら辺の道場に通ってる若い人の方が強いんじゃないかな)


末原「せいっ!」

般若党4・5「ぐふっ」
20 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:23:07.57 ID:MrSD5U5E0
揺杏「残り二人も全然弱かったし、あっという間に全滅だ」

末原「やったで。これで般若党の本拠を制圧。世を騒がす不逞の輩を一掃したんや」

末原「でも臼沢と小瀬川はおらんかった……あいつらはどこへ行ったんや」

末原「まだ勝ったとは言えへんってことか……まぁ今はしゃあない。今日のところは戻ろう」


―――――大通り。

末原「今日はありがとな。これは報酬や。受け取ってくれ」

揺杏(1500文……あれだけでこの金額、さすが代官)

末原「それじゃ、うちは代官所でまだ仕事があるから。またな」

揺杏「あぁ、うん」
21 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:28:45.40 ID:MrSD5U5E0
揺杏「もう夜か……どうするかな。というか、どこで夜を過ごすとか決めてないな」

揺杏(港にでも何か、いい店とかがあるかな)


――――夜、港。

揺杏(あれ、末原さんが岡っ引きを3人つれている。仕事があるっていって代官所に戻ったけど、ここで何かあったのかな)

末原「ん? ああ、アンタか。いいとこに来たな」

末原「実はな……今夜ここで阿片の取引が行われるんや。うちらと密売人を捕まえるの、手伝ってくれへんか」

揺杏「まぁ、やることもないし……協力するよ」

末原「ありがとな……それで、密売人どもはもうすぐここに来る。うちが合図したら、一斉に飛びかかるで」
22 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:35:51.91 ID:MrSD5U5E0
誓子「例のブツだよ」

爽「確かに受け取ったよ」


末原「あいつらや……よし、行くで!」タッタッタッ


誓子・爽「!?」

末原「阿弥浜代官、末原恭子や。見たで、ご禁制の阿片取引」

誓子「あははっ、この国は治外法権に同意してるから、私は逮捕できないよ」

揺杏(確かに金髪だけどこの人外人なのか……?)

誓子「代官ともあろう人が、そんなことも知らないの?」

爽「残念だったね!」

揺杏(いやあんたはバリバリの日本人だし逮捕できるんじゃないかな……)
23 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:41:28.47 ID:MrSD5U5E0
末原「くそっ!」

揺杏「…………ねぇ、大人しくお縄につきなよ」

誓子「だから、さっきも言ったじゃん。日本は治外法権に同意してんだから無理だって」

揺杏(多分何を言ってもこれの一点張りだろうな……さて、仕方なくこのまま逃がすか、それとも斬るか)

揺杏(……>>26にするか)
24 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:42:28.35 ID:MrSD5U5E0
風呂落ち
あがってからまた書くかは未定です
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 22:43:00.54 ID:6GLRGiuzo
斬ろうか
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 22:45:50.17 ID:hrLWSKMVo
逃がす
27 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 00:57:34.95 ID:v8jN5PaT0
揺杏「末原さん……やっぱ捕らえるのは無理じゃないかな」

末原「…………あぁ、くそっ! ええわ、お前らさっさと帰りや!」

誓子「ありがとねー」

爽「へへへ」

揺杏(煮え切らないけど、この国の在り方がそうなんだから仕方ない)

末原「……なぁ、やっぱおかしいよな」

揺杏「…………」

末原「阿片は危険や。お隣清国を見ればそんなんわかる。あれは国を滅ぼしかねん」

末原「そんなもん売買しとる奴らを放っといて、認めてええんか……そんなん答えすぐに出るやろ」

揺杏「末原さん、帰りましょう」

末原「…………そうやな、頭冷やそ。今無理に考えても先走ってあかんわ」

揺杏「それでは、末原さんおやすみなさい」

末原「あぁ、おやすみ……」
28 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:01:26.82 ID:v8jN5PaT0
――――翌朝、代官所。

揺杏(結局旅籠の一番安い部屋で夜を越したけど……しばらくこの生活が続くのかな。まぁ浪人だし仕方ないか)

揺杏「……げ、入口に三姉妹がいる」

揺杏(どうも苦手なんだよな……特にあの青髪……菫とかいう人)

照「あ、良いところに来てくれたね」

揺杏(逃れられなかったァ……)

淡「あなたのこと待ってたんだよねー」

菫「頼みたい仕事があるんだけど、頼まれてくれるか?」

揺杏「……内容次第、かな」

照「詳しいことは奥座敷で話すから来て」
29 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:02:32.49 ID:v8jN5PaT0
ごめんなさい、今までの文の大使館→領事館 です
30 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:06:24.96 ID:v8jN5PaT0
菫「領事館の近くに西洋病院が開業したの、知ってるか?」

淡「英国が建てたけど、運営資金は幕府が負担しろって言ってきてさ」

淡「病に苦しむ日本人を救うための病院だから、幕府が援助するのは当然の言い分だけど……そんなの口実」

照「それが外交交渉ってものだけど……」
31 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:10:09.38 ID:v8jN5PaT0
照「とにかく、私達は病院の運営資金をちゃんと払う。」

照「――でも、そのお金が盗賊に奪われてしまう」

菫「その盗賊役をやって貰おうと思ってな」

揺杏(要は金は払った事実を残し、その金を奪い返すってことか)

菫「どうだ、引き受けてくれるか?」

揺杏(この仕事は……>>33)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 01:16:24.10 ID:dfVPd+6Po
やる
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 01:17:48.83 ID:8qYXpEh10
引き受ける
34 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:35:07.12 ID:v8jN5PaT0
揺杏「わかった、引き受けるよ」

淡「そうこなくちゃねー」

菫「じゃあ、街道のほうに言ってくれ。千両箱を持ってる日本人は斬らないでくれ。それ以外は斬ってくれて構わない」


――――街道、茶屋前。

揺杏(あれか……銀やら金やら随分目立つ鎧だな……多分金の鎧の人がリーダー的な人か)

・「…………」ザッザッ

揺杏(仕方ない、いくか)

・「……誰だ、こんな時間に怪しい。ここで何をしている?」

揺杏「その千両箱を奪いにきたんだよ。ほら寄越しな」

箱持ち「ヒッ……い、命だけは助けてくれ!」タッタッタッ

揺杏(もう逃げてんじゃん)

・「くそっ、出たな盗賊。斬り殺してやる!」

揺杏「上等。その鎧がアンタを守ってんじゃなく邪魔してるってこと、教えてあげるよ」

・「行くぞ」シャッ

揺杏「…………」シャッ

・「喰らえっ!」

揺杏「ほら、遅いんだよ」ザシュッ

・「ッ!」

揺杏(鎧と言っても、全身を覆ってるわけじゃない。関節部分や手、あとは顔くらいだけどそこは覆われてないから、そこを狙えば問題ない)

揺杏「……そこ」ザクッ

・「がっ…………体調の私が……こんな盗賊に…………」ドサッ

揺杏「まぁ、盗賊じゃないんだけどね」

揺杏「それで、後ろでちょこまかとしてた銀鎧の皆さんはまだ戦うの? って日本語通じてるのかな」

兵隊立ち「…………」タッタッタッ

揺杏「……その前に逃げちゃってたか」
35 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:36:18.85 ID:v8jN5PaT0
・→ハオです

漢字表示されないのか…
36 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:37:21.18 ID:v8jN5PaT0
あと兵隊立ち→兵隊達です
誤字多くて申し訳ない…
37 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:42:45.04 ID:v8jN5PaT0
――――代官所。

揺杏「戻ったよ」

照「おかえり」

菫「ご苦労さま」

淡「それで、上手くいったの?」

揺杏「あぁ、奪ってきたよ」

菫「よかった…………今頃領事館の連中、どんな顔してるか」

淡「これで病院が潰れるね!」

照「これ以上お金を出す必要がなくなるってわけだね」

菫「また何かあったらよろしく頼む。これが報酬だ」

揺杏(3000文……やっぱ金持ちは違うな)
38 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:51:01.77 ID:v8jN5PaT0
――――夕方、町。

揺杏(えっと……夕方は暇だったら語学所になる予定の建物のとこに行って、外交官の人……愛宕洋榎の手伝いしろって言われたっけ)

洋榎「〜〜〜〜♪」

揺杏「いた……けどなんか鼻歌歌ってる」

洋榎「っと、手伝いに来てくれたんか? ありがとな」

揺杏「あぁ、いや」

洋榎「実はな、今日英国から講師が来ることになってんねん。そこで頼みたいんやけど、その講師の護衛をして欲しいんや」

揺杏「護衛? 何故」

洋榎「ここは幕府主催の語学所でな、うちが交渉を重ねってやっっっと開設まで漕ぎ着けたねん」

洋榎「これは何が何でも成功させたい。なのにもし、講師が攘夷どもに殺されたりでもしたら……もー怖くて考えたくもなくなるわ」

揺杏「あぁ、なるほど。攘夷が」

洋榎「そ。今から港へ迎えに行くから、一緒について来てや」

揺杏「そういうことなら、わかった」
39 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:57:25.24 ID:v8jN5PaT0
――――港。

講師「アタゴさんですか、ドウモ」

洋榎「長旅、お疲れ様です」ペコッ

洋榎「さて、あんたの任務はこの方の護衛や。おそらく臼沢も小瀬川も来る。臼沢は恭子がどうにかして小瀬川はうちがどうにかする。雑魚から上手く講師を守って語学所へ連れてってな」

揺杏「わかった」


臼沢「……待ちなよ、売国奴共。日本人に毛唐の教えは無用だ」

洋榎「来よったな、時代錯誤の朴念仁が」

末原「臼沢、覚悟せえ!」シャッ

臼沢「かかれ!」

洋榎「今のうちに送り届けるんや!」

揺杏「わかった。講師さん、行くよ」

講師「ハ、ハイ」
40 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:59:51.00 ID:v8jN5PaT0
護衛は成功か、失敗か

>>41
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:02:44.55 ID:HTqEBknMo
成功
42 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 02:13:01.53 ID:v8jN5PaT0
揺杏(まぁ、今まで通り剣術とかも粗末な連中ばかりで、講師を守りながら送り届けるのは容易だった)

揺杏「はい、着いたよ」

講師「……アナタ、かなり強いデスネ。名のある方デスカ?」

揺杏「ふふっ、いやただの浪人だよ。ほんとに」


洋榎「おーい、大丈夫やったかーー!?」タッタッタッ

揺杏「うん。そっちも大丈夫だった?」

洋榎「恭子が上手く臼沢に傷を負わせてな、あいつら撤退したわ」

揺杏「そっか」

洋榎「とにかく、ありがとな! これでうちの念願叶ったわ! はいこれ、報酬な!」

揺杏「うぇ、4000文ってさすがに多いよ」

洋榎「大丈夫や! うちはナリこそあまり良くないけど、それは語学所とかのために金使ってるからやねん。実際はうち、金あるんよ」

揺杏(……やっぱいいとこで働いてるからかな)

揺杏「じゃあ……ありがたく」

洋榎「おー。それじゃまた」

揺杏「はい」スタスタ
43 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 02:18:35.55 ID:v8jN5PaT0
――――夜、町。

揺杏「夜は特に予定もないしな……さて、どこに行こうか」

揺杏(思い付くのは……鍛冶屋、街道、賭博場、あとは旅籠で大人しく寝る、かな)

揺杏(……よし、>>45にしよう)
44 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 02:20:53.23 ID:v8jN5PaT0
今回はここまでにして寝ます
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:22:43.36 ID:dfVPd+6Po
乙期待

鍛冶屋で
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:24:03.74 ID:HTqEBknMo
侍道分からんが乙
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:39:38.38 ID:8qYXpEh10
目指せ夜這い
48 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 15:50:54.06 ID:v8jN5PaT0
揺杏(近いし鍛冶屋に行くか……てか朝から夜まで、いつも店にいるけどほんと何者なんだろ)

成香「あ、揺杏ちゃんいらっしゃい」

揺杏(そして何より、人を斬ることが多い故に刀がボロくなることが多いんだよね。それで鍛冶屋に結構な回数来てたら、いつの間にか仲良くなっちゃった)

揺杏「刀、直してもらえるかな」

成香「随分と直しに来るのが多いようですけど……あっ、いやその、答えなくてもいいですよ」カーンカーン

揺杏「別に、浪人ではあるけど今は代官所で働いてるようなもんだから」

成香「ということはあれですか、一般人は知らない幕府の裏側とか知っちゃったり」カーンカーン

揺杏「んー……まぁ……無いわけじゃないね」

揺杏(病院に払うお金奪い返すとかね)

成香「へぇ、よくあるそーゆー噂ってただの噂じゃなくて本当なんですね」カーンカーン

揺杏「どーだろうね、嘘から出た真って感じじゃないかな」

成香「噂を流した人達は別に幕府に裏側があると知ってたわけじゃない、ってことですか?」カーンカーン

揺杏「そうでしょ。ていうか幕府も組織なんだから、裏側があるって思われても当然だって」

成香「まぁ確かに……」カーンカーン

揺杏「てか、あんまこういう話させないでよ、なんか怖くなってきたじゃん」

成香「あはは……えっと、じゃあもう揺杏ちゃんは普通に代官所の人なんですか?」カーンカーン

揺杏「いやそれはほら…………浪人だけど凄い人、みたいなの格好いいじゃん」

成香「それだけの理由ですか……」カーンカーン

揺杏「ま、職に関してはいずれ決めるよ」

成香「そうですか」
49 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 15:53:29.25 ID:v8jN5PaT0
成香「直し終わりましたよ…………あの、揺杏ちゃん」

揺杏「ん? どうしたの」

成香「私、明日あたりからしばらく鍛冶屋は休もうと思うんです」

揺杏「え?」

成香「その、私も続けたいんですけど……やっぱり働く時間も長いし疲れとかいろいろあって」

揺杏「……成香の他に誰か、鍛冶屋出来る人って阿弥浜にはいないの?」

成香「いるにはいるよ、私の弟子だった子が一人。でも……」

揺杏「でも、何?」

成香「今はもう、鍛冶屋はやらないって言って浪人なんです。町人とか一般人からの依頼で人斬りとかしてるらしくて」

揺杏「……そうなんだ」

成香「なので、鍛冶屋はしばらく休みます。揺杏ちゃんには迷惑かけちゃいますよね……」

揺杏「そんな、偶然ここに来た浪人の心配より自分の心配するのが正しいって」

成香「……その、代わりと言ってはなんですけど、うちにある砥石持ってってもいいですよ」

揺杏「成香……」

揺杏(その成香の弟子……どうにか説得できないのかな)

揺杏(説得してみるか、しないか……>>51だな)
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 16:58:10.31 ID:rC3hatUJo
する
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 17:04:41.14 ID:V4NhwgVNo
説得してみる
52 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 18:34:18.96 ID:v8jN5PaT0
揺杏「成香、その弟子の人ってどうにか説得できないの?」

成香「私も最初は説得に言ってたんですけどね……仕事を放っておくわけにもいきませんでしたし、それに……」

揺杏「全然説得には応じてくれなかった、かぁ…………ねぇ、なんでその弟子の人は鍛冶屋をやりたくなくなったの?」

成香「……私にはですね、弟子が二人いたんです。今まで話してた弟子は獅子原爽って人で、もう一人が吉田って人なんです」

揺杏(なんで吉田は苗字だけ?)

成香「あの二人、仲も良くてお互いに切磋琢磨してて。私は二人とも腕のいい鍛冶屋になってくれると思ったんですけどね」

成香「ある日、吉田が般若党に入って、国を守るって言い出したんです」

揺杏「そりゃあまた、いきなりだね」

成香「もう鍛冶はこれ以上無理だ、こういう作業は向いてない。だから刀を取る。そう言ってました」

成香「それで戦いで死んでしまったんです。私、偶然その戦いの場に居合わせてしまって」

揺杏(……最初の港での戦いみたいな感じか)

成香「爽の造った刀で国を守りたかったけど、爽が鍛冶屋になる前に死んでしまうなんて。そう言い残して、死んでいきました」

揺杏「その吉田って人が死んでから、浪人になったんだ」

成香「はい。多分原因はそこにあると思うんですよね」

揺杏「その爽って人、今はどこにいるの」

成香「何も依頼とかがきていないなら、多分墓場に居ると思いますよ」
53 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 18:50:15.16 ID:v8jN5PaT0
――――夜、墓場。

揺杏(言われたから来たけど……こんなとこで一人いるとか私は嫌だな……あ、あの人かな)

爽「…………」

揺杏(……あれ阿片密売してた人じゃん。あのとき斬らなくて正解だった……のかな?)

揺杏「ねぇ、あんた」

爽「ん? ってあの阿片のときの。言っとくけど、あの阿片なら私のとこにはもうないから。依頼されて密売してただけで私は麻薬中毒じゃないし」

揺杏「いや阿片はどうでもいいよ。鍛冶屋、成香の話なんだけど」

爽「……あの鍛冶屋になら戻らないよ」

揺杏「なんで? 成香はあんたをいい鍛冶屋になるって言ってたし、鍛冶屋の才能あるんじゃないの?」

爽「そんなわけないじゃん。私はさ、もう一人の弟子だった吉田よりも全然鍛冶が下手だよ」

揺杏「でも成香は……」

爽「それは、ズルしたんだよ。私が下手だから吉田が手を加えて刀を造ってね、それを見せたらいつも注意ばかりだった私が師匠に褒められたんだ」

揺杏「……………………」

爽「それからしばらくして、師匠は吉田への指導が少なくなっていったんだ。それで最後には吉田は鍛冶を嫌になって攘夷に入って死んでった」

揺杏「それなら、成香から聞いたよ」

爽「そう。だからさ、吉田が死んだのは私のせいなんだ。それなのにもう鍛冶屋なんてできるわけない」

揺杏「で、でもそれは……」

爽「とにかく、もう戻らない。どうせなら、私がズルしてたって師匠に言ってもいいよ。それなら師匠も私を見限ると思うからさ」

揺杏「…………」コクッ
54 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 18:59:21.36 ID:v8jN5PaT0
――――鍛冶屋。

揺杏「成香、戻ったよ」

成香「揺杏ちゃん……それで、どうでした」

揺杏「あの爽って人、ズルしてたって。その吉田って人に協力してもらったら成香に褒めてもらえただけだって」

成香「爽さんの刀に吉田が手を加えたことですか? そんなの知ってますよ」

揺杏「え?」

成香「二人の癖はよくわかってますからね、わかりますよそりゃ」

揺杏「成香が吉田って人への指導が少なくなってったてのは……」

成香「それは吉田から頼まれたんですよ。もう少し鍛冶をやってみて合わなかったら鍛冶はやめるから、あんまり自分には指導せず爽を指導してくれって」

揺杏「なるほどね」

成香「あっ、まさか爽さん、自分が褒められたからとかって言って、吉田が死んだのは自分のせいだと思ってるんですか!?」

揺杏「そうだよ、全く。それじゃ、私はまた説得に行くから待ってて」

成香「はい」
55 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:07:43.94 ID:v8jN5PaT0
――――墓場。

爽「……何で戻ってきたの?」

揺杏「成香、あんたがズルしたこと知ってたって。そのうえで褒めたんだってさ」

爽「じゃあ吉田に指導するのが少なくなったのは?」

揺杏「その吉田って人から成香に頼んだんだってさ。鍛冶は性に合わないって」

爽「……違う、やっぱ私のせいだよ。そんなの吉田の強がりだって」

揺杏「私は、そうは思わないけど」

爽「うるさい! お前になにがわかるんだよ!!」

揺杏「……もう限界か。なら、その刀に聞くか」

爽「ッ……いいよ、かかってきなよ。私は本気でお前を殺そうとしてやる」

揺杏「なら私は、そっちの気が済むまで相手してやる」

爽「自信満々だね、この浪人がっ!」シャッ

揺杏「浪人なのはお互い様だよ。あと……あんたが立てなくなる程度のダメージは与えさせてもらうからね」シャッ

爽「できるもんならね」

揺杏「…………いくぞ」
56 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:27:29.72 ID:v8jN5PaT0
爽「はああああああああああ!!!!!!」

揺杏(随分と荒削りなスタイルだな……でも強い)

爽「よく凌ぐな……そこらへんの武士なんかよりずっと強いんじゃないの」

揺杏「そりゃあどうも。喋ってられるだけの余裕はまだあるんだね」シャッ

爽「っと危な。まぁ、頭にくると喋るようになるタイプでね。静かにキレるなんてのは考えらんないからさっ!!!」ザシュッ

揺杏「ッ! マジかよ……」

揺杏(そこでよく突きに切り替えるな……頭で考えるというより、本能で動いてるタイプか)

爽「そこだっ!!」シャッ

揺杏「その動き、隙デカいよ」ドッ

爽「みっ、峰打ち……」バタッ

揺杏(加減はしたけど……確か峰打ちって下手すりゃ斬るよりダメージ大きいんだよね……よかった、多分いい感じにダメージ入ってる)

爽「……あぁっ、クソッ! もう人斬りですらこのザマか。もう、腹を切るしかないのかな」

揺杏「ねぇ。今さ、成香は過労で体が弱ってるんだよね…………それと、吉田って人には夢があったんだって」

爽「え?」

揺杏「『爽の造った刀で国を守りたかった』ってさ……その吉田って人も成香も、あんたに鍛冶屋になって欲しいんだよ」

爽「……う、あぁ」ポロッ

揺杏「……………………」

爽「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

揺杏(少し強引だったかな……)

爽「うう……ぐすっ……………………ねぇ」

揺杏「ん?」

爽「まだ師匠は鍛冶屋に……いる?」

揺杏「まだいるよ。待ってるって」

爽「そうかぁ……しばらくサボってた分、頑張らなきゃなぁ」

揺杏「私はもうこれで帰るよ。成香とはちゃんと話してね」

爽「うん……あとさ」

揺杏「?」

爽「これからあんたの刀は私が世話することになるだろうから、よろしく」

揺杏「……うん」
57 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:30:36.81 ID:v8jN5PaT0
――――翌日、朝。

揺杏「また結局旅籠で夜をこしたけど……旅籠出たらさっそく人集りとか、なにがあるんだか」
58 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:32:11.75 ID:v8jN5PaT0
商人「大変だ、御大老様がお出ましになるそうだ」

町人「御大老様といやあ、将軍様の片腕だぜ」

浪人「そのお偉い御方が自ら江戸を売ってでるたぁ、どういうこった」



役人「下に、下に。御大老様のおな〜り〜」

揺杏(頭下げなきゃだめなんだっけか)サッ


咲「…………久しぶり、みんな」

照・菫・淡「ご苦労さまです」

末原「お待ち申し上げておりました。阿弥浜代官、末原恭子にございます」

咲「……末原さん。今後、この町の治安回復には私とここにいる魔鱗組という精鋭たちが当たります」

咲「この国は今、非常時にあるんです。一刻も猶予はないです」

咲「それが判らない愚か者はもう、容赦できないんです」

咲「私は治安回復に来たと言いましたけど、血を流すためだけに来たんじゃありません。素晴らしい贈り物も用意してるんです」

咲「明日、この広場で剣術大会を開こうと思ってるんです」

咲「腕に自信のある人は是非参加してください。身分は問いません。勝ったものは魔鱗組に取り立てます」

揺杏(なるほど、それで斬り合いなんかに参加する野蛮な奴らを殺すと同時に、優秀な奴を集めようってわけか)

臼沢「……どう思う、シロ」

小瀬川「何を考えているのか」

メグ「いいデスネ、実にイイ。面白くなってきマシタ」
59 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:36:17.82 ID:v8jN5PaT0
揺杏「さて、とりあえず代官所の方に向かうとするか……ん? あれは岡っ引き達か……どうしたんだろ」

岡っ引き1「これからどうするよ」

岡っ引き2「やってらんねぇ」

岡っ引き3「魔鱗組がなんだってんだ。俺たちだってやるときゃやるんだよ」

揺杏「何があった?」

岡っ引き1「あんたは確か……噂の浪人か。どうしたもねぇよ、魔鱗組のせいで俺らの仕事がなくなったから追っ払われちまった」

揺杏(なるほど……大老がここにきたのは、どうもいいことじゃない気がするな)
60 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:40:26.42 ID:v8jN5PaT0
揺杏「……洋榎さんまで出てきたぞ」

洋榎「はは、どうやらうちも御大老様に嫌われたみたいや。首になるんも時間の問題やな」

揺杏「そんな……」

洋榎「下手したら、この腹を切れ、なんちゅうのもあるかもしれへんな」

洋榎「実家にでも身を寄せた方が無難かもな……まぁ、あんたも気を付けた方がええかもな」

揺杏「……うん」
61 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:47:23.88 ID:v8jN5PaT0
―――代官所。

末原「ええか、みんな。今から市中巡察に行くで。怪しい奴は片っ端から捕えろとの命や。抵抗する奴は切り捨て御免や。御大老様がそう仰っとる」

揺杏(うわ、なんかめっちゃいるけど……これが魔鱗組か。身分的にはやっぱ末原さんより下なんだ)

咲「あぁ、あなたが噂の浪人ですか。良く来てくれました」

末原「おお、あんた。加勢しにきたんか」

揺杏「んー……どうしようかな」

末原「市中巡察には姫君様たちも参加なさるで。腕の見せ所や」

揺杏(怪しいのは片っ端から捕えて抵抗したら斬り殺す……か。参加するか、しないか)

揺杏「そうだな、市中巡察には>>63
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 19:48:15.73 ID:HTqEBknMo
参加
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 19:52:35.10 ID:rC3hatUJo
あえて参加しないでおく
64 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:03:46.58 ID:v8jN5PaT0
末原「なんでやっ! ……いや、そうか。あんたは代官所の人間やないから参加する義務はないしな。無理に誘おうとしてすまん」

揺杏「いや、そんな。それじゃあ私はこれで……」

揺杏(さて、断っちゃったけどどうしようかな。市中巡察に出くわすわけにはいかないし、町には行けないな。あぁ、成香と爽に鍛冶屋を離れるよう伝えておかなきゃ)
65 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:14:07.11 ID:v8jN5PaT0
――――町、鍛冶屋。

揺杏「成香、爽」

爽「あぁ、揺杏。また刀がぼろくなった?」

揺杏「いや、今から魔鱗組たちが市中巡察に出るって。怪しい奴は片っ端から捕えて抵抗する奴は斬るって。爽、昔は色々やってたわけだし、もしかしたら危ないかも……」

爽「まぁ確かに攘夷の連中の依頼もやったことがあるよ。何より……」

成香「吉田が死んだとき、私駆け寄ったんです。だから攘夷と関わりのわる人だったって知られてる可能性もありますね」

揺杏「だから外にいたら危ない。家に戻った方がいい」

成香「わかりました。ここから近いし、私の家に避難しましょう爽さん。最近また使い始めたばかりなので汚いですけど」

爽「……ていうか、師匠はもっと家で休んでなよ」

成香「爽さんに心配されるほどヤワじゃないですからっ。ほら、行きますよ」

爽「うん。それじゃあ揺杏。ありがとね」

揺杏「うん、またね」

揺杏(さて、私もさっさとどこかに行かなきゃな……って言っても街道か旅籠で寝るしかない)

揺杏(……うん、>>67に行こう)
66 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:17:32.64 ID:v8jN5PaT0
関わりのわる→関わりのある

誤字申し訳ないです
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:19:05.04 ID:I8kKogP40
街道
68 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:34:40.98 ID:v8jN5PaT0
――――街道。

揺杏「逃れるように街道に来たけど、茶屋くらいしかないんだよね」

揺杏「……ん? こんなとこに道があったのか。その先には軽い広場的な……誰かいるし死体がある」

ゆみ「…………終わった。これで私の復讐は終わった。ん?」

揺杏「あ、あぁいや私は別にその人と全然関係ないし人を斬ったのを責める気はないよ」

ゆみ「そうか、それならよかった。しかし、私はこれから行くところがない。というか記憶もあまりない」

揺杏「ふーん、記憶喪失ねぇ。その死体になってる人に復讐があるのは覚えてたんだ」

ゆみ「あぁ、はっきりと覚えてる。弟を殺されたんだ」

揺杏「そっか……でもこれから行く場所がないんだね」
69 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:38:24.15 ID:v8jN5PaT0
ゆみ「あぁ…………ところで、見たところ君も私と同じような身分と見たが」

揺杏「あー、まぁ浪人だからね。ここ阿弥浜に来てまだ三日だし」

ゆみ「君はどうやって過ごしているんだ?」

揺杏「ここに来たとき、偶然戦いに巻き込まれてね。そこでちょっと攘夷志士を倒したら代官所の人に気に入られて。ちょいちょい仕事をもらってその報酬でどうにかしてる」

ゆみ「そうか。私にはそんな出会いの場がなかったからな……」

揺杏(可哀想だし、どうにか助けてあげようかな)

揺杏(持ち金結構あるし、お金あげてその先はこの人次第にするか、もしくは人手の足りてない呉服屋で働くよう勧めるか)

揺杏(>>72にしよう)
70 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:38:54.89 ID:v8jN5PaT0
やることがあるので今日はこれで終わりにします
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:40:23.47 ID:V4NhwgVNo
呉服屋
271.99 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)