【安価】揺杏「侍道4」【咲-saki-】

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6 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:03:38.13 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて……まず手始めに1人だな。おーい、そこの攘夷の人」

般若党「なんだァ? テメエも夷敵の味方をすんのか?」

揺杏「いや別に……見た感じただの殺人だから止めようかと」

般若党「舐めやがって!」シュッ

揺杏「ただの突きで殺せると思った?」

揺杏(正直、もう戦いにはある程度慣れてる。このくらいの突きならば簡単に受け流せるし、反撃もできるな)

揺杏「よっ、と」

般若党「ギャアァッ!」

揺杏「受け流してバランスを崩したとこを斬るのは基本だよね。さて、次は……っと」
7 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:04:59.57 ID:MrSD5U5E0
――――黒船――――
淡「……ねぇ。なんか港の方が騒がしくなってない?」

菫「ん? あぁ、確かに言われてみればそうだな」

エイスリン「……! タタカイ、オキテル!」

メグ「……フム」

エイスリン「イマスグムカウ! フネ、チイサイノデイイカラ、ダシテ!」

洋榎「本気ですかいな!? あそこは危険な場所ですよ!?」

エイスリン「ホンキ!」タッタッタッ

メグ「ンー、ああなったら、止められまセン。行きまスヨ」ニヤニヤ

洋榎「いやいや、何で楽しそうやねん……」
8 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:07:02.91 ID:MrSD5U5E0
――――同時刻、港。
般若党「お前、やるな」

般若党「3人相手ならどうだ?」

揺杏「……そんくらいはまぁ、慣れたもんだよ」

揺杏(なんてことないな。人なんて1発斬ってしまえば終わりだから、それだけで勝てる。逆を取れば自分も一撃でやられるという事になるけど、まぁやられなければいいんだ)

揺杏「よっ、と」シャッ

般若党「ギャアアアアアアアア」

揺杏「こいつら3人、剣術も刀もロクなものじゃなかったな。捨て駒レベルの存在なのか、それとも攘夷とやらはそこまで追い込まれてるのか……ん、何だあの人、金髪?」


洋榎「この人、ほんまに港に降りよった……」

エイスリン「ハヤク! ハヤクイカナキャ!」

白望「……愛宕洋榎と、誰?」

塞「んなっ、金髪!? まぁ、丁度いいや。アンタ! 少し大人しくしてろ!」グイッ

エイスリン「キャアッ!」

揺杏(って何だあいつら!)

洋榎「いやいや、早速国際問題やんけ!」

揺杏「……中々外道だなあの赤い人」

揺杏(取り敢えず、助けようとしてみるか)

塞「……何? アンタ、毛唐の女を助けようっての?」

揺杏「取り敢えず、『その娘から手を離せ』」

塞「…………誰よ、アンタ。まあいいや、こいつにかかれ!」

般若党「おう!」

揺杏「またか……今度は5人」

揺杏(でもまぁ、さっきの3人組よりまとまりがないし楽だな……集団なのに同時にかかってこないあたり本当に戦いは素人なのかな)
9 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:08:36.65 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて、何事もなくすぐに倒せたな」

塞「へぇ、アンタなかなかやるね。私は臼沢塞、般若党党首。私が相手するよ」ザッ

揺杏(さっきの外人の娘は……無事か。多分あの外人の娘を守ってる感じの日本人が外交官の愛宕洋榎かな)

塞「余所見してる余裕があるわけ?」シュッ

揺杏「おおっと!?」サッ

塞「よく避けたね。でも次はどう?」

揺杏(太刀筋がさっきまでの奴らと違う、やっぱ実力があるわけだ、党首様は)

塞「ほら、どう!?」

揺杏(構えは刀を上に上げるような構え。斬りは一見隙のある大振りのように思えるけど、実際は最短距離の振りで縦だけでなく横からも刀が飛んでくるな…………でも、今の振り、隙がある……もう一度同じ振りを誘うか)

塞「くそっ、中々守り上手だ。けどこの一撃は防がせない!」

揺杏(今だっ!)ザシュ

塞「んなっ! くそっ……しまった」

白望「塞っ」タッタッタッ

塞「シロ……」

白望「塞……今は引こう。また機会はある……」

塞「……チ。全員撤退! 撤退!」ダッ

揺杏「何だ、呆気ない」スチャッ


エイスリン「アッ、アノっ!」

揺杏「ん?」

エイスリン「エット、ア、アリガトウゴザイマシタ!」ペッコリン

揺杏「えっ、あぁいやそんな、そこまで深く頭を下げるほどじゃ」

末原「…………しかしアンタ、見ない顔やけど随分腕あるみたいやな。良かったら、ウチで働かん? 代官所の門番に話通しとくから、気が向いたら来てや」

エイスリン「アッ、ソノ、タイシカンモアケテキマス! ヨカッタライッショニ、オチャデモ! ソ、ソレデハ」スタスタ

メグ「待ってマスからネ」ポン

揺杏(うわ背高っ。私小さいわけじゃないんだけどあの人と並ぶと子供同然に見られそう)

揺杏「つーかここってこんな広かったのか……人が多くてわかんなかったな」
10 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:09:14.83 ID:MrSD5U5E0
照「戦いが起きてるらしいから急いで港に来たけど……なんだ、もう終わっちゃってる」

菫「仕方ないだろう。今回は特殊な勢力がいたからな」

淡「えっ、何それどういうこと?」

照「説明して」

菫「お前ら、船頭に遅い遅いと文句ばかり言ってて戦いを見てなかっただろ。まったく……」チラッ

揺杏「!」

揺杏(あの青髪の女…………何か嫌だな。取り敢えず、この場は離れたほうがいいよね。船頭――須賀がくれた阿弥浜の地図があるからそれを見て……よし、まず町の方にさっさと向かおう)タッタッタッ


菫「……行ってしまったか」

照「あの1人だけ立ってた人がその特殊な勢力?」

淡「でも1人じゃあの規模の戦いには影響ないよ?」

菫「まぁ、普通はそうだな」

菫(さて……あの侍が私達にとって吉と出るか凶と出るか、だな)
11 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:15:31.47 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて、取り敢えず逃げるように町に来たけど……これからどうしようか」

揺杏(攘夷、幕府(代官所)、外国(大使館)か……あとはどこにも属さない、かな)

揺杏「よし、決めた。>>13にしようかな」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 21:18:44.76 ID:hrLWSKMVo
幕府
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 21:21:54.19 ID:D7fNFem+0
幕府(代官所)
14 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:32:01.40 ID:MrSD5U5E0
揺杏「さて、町からだと代官所は……一旦大通りに出なきゃダメなのか」ザッザッ



揺杏「ここが代官所か。入口どこだ……門はあそこであってるのかな」

門番「ん、貴様が末原さんの言っていた侍か?」

揺杏「そうだよ。話はもう通ってる?」

門番「あぁ。こっちだ、ついてこい」
15 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 21:50:32.73 ID:MrSD5U5E0
末原「おお、あんた……いやあ、よく来てくれた。さ、そこに座ってくれ」

照・菫・淡「…………」

洋榎「えー……今のが阿弥浜代官、末原恭子で。こちらの御三方が御大老様の姫君にあらせられる」

揺杏(これは、頭下げといたほうがいいか)スッ

菫「あぁ、別にそんな畏まらなくてもいい」

淡「ところで。今回の戦には参加したの?」

照「私たちはもうちょっとというとこで乗り遅れちゃった。悔しい」

洋榎「はは、御覧の通りのお転婆……いや、勇ましいお姫様たちで」

洋榎「んでもって、うちは運上所頭取の愛宕洋榎……まぁ紹介はこんなところやな」
16 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:00:38.76 ID:MrSD5U5E0
末原「ところで攘夷志士なんやけど、どう思う?」

末原「まぁ、酷い連中や。あいつら、許さんよ……なぁあんた、一緒に戦わへんか?」

揺杏「……わかった」

末原「そうか! そんならこれからよろしくな。あぁあと、暇やったら夕方に大通りの方に来てくれへんか」

揺杏「?」

末原「まぁ来たらそのときに説明するわ」
17 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:04:55.79 ID:MrSD5U5E0
――――夕方、大通り。

揺杏「末原って人いた……てかあの人の格好なかなか浮いてるってか目立つな」

揺杏「末原さん、来ました」

末原「おお、来たか。今から洞窟探険……調査に行くんや」

末原「実は今までもその洞窟に何人か部下が行ったんやけどな、誰も生きて帰ってこなかった、そんな謎の大洞窟なんや」

揺杏「なるほどね……わかった、私も行くよ」

末原「よし! それなら出発や!」
18 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:12:03.13 ID:MrSD5U5E0
末原「ここがその洞窟や。中の様子は入口からじゃ全くわからんから、気をつけて進むで」

揺杏「随分、綺麗な道になってるなぁ」

末原「確かにそうやな……ん? 何か怪しい物音がしたな」

揺杏(耳いいなこの人)

末原「別れ道か……取り敢えず右に進むか」

揺杏(てか道に大根とかたまごとか落ちてるけどそこはスルーなのか……?)

末原「! あれは!」

揺杏「なんか5人くらいの人が遊んだりしてる……?」

揺杏「ってあの赤い服は確か……攘夷志士が着ていた服」

末原「なるほど、ついに突き止めたで。この洞窟の主は般若党だったってことやな」

末原「隙をついて一気に倒すで!」タッタッタッ

揺杏(隙をつくって言って思いっきり正面から走ってってるけど)タッタッタッ

末原「攘夷志士ども、観念せぇ!」
19 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:16:54.28 ID:MrSD5U5E0
般若党1「だ、代官だ!」

般若党2「くそっ、折角の酒盛りを台無しにしやがって!」シャッ

揺杏(こいつら酔ってんのか……多分それなら昼間の奴らより弱いんじゃないかな。刀もなまくらだし)

般若党3「死ねぇ!」シャッ

揺杏「そんなのに当たるわけない」サッ、ザシュッ

般若党3「ギャアアアァァァァ」

揺杏(しかし本当にまともな剣術じゃないな。これならそこら辺の道場に通ってる若い人の方が強いんじゃないかな)


末原「せいっ!」

般若党4・5「ぐふっ」
20 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:23:07.57 ID:MrSD5U5E0
揺杏「残り二人も全然弱かったし、あっという間に全滅だ」

末原「やったで。これで般若党の本拠を制圧。世を騒がす不逞の輩を一掃したんや」

末原「でも臼沢と小瀬川はおらんかった……あいつらはどこへ行ったんや」

末原「まだ勝ったとは言えへんってことか……まぁ今はしゃあない。今日のところは戻ろう」


―――――大通り。

末原「今日はありがとな。これは報酬や。受け取ってくれ」

揺杏(1500文……あれだけでこの金額、さすが代官)

末原「それじゃ、うちは代官所でまだ仕事があるから。またな」

揺杏「あぁ、うん」
21 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:28:45.40 ID:MrSD5U5E0
揺杏「もう夜か……どうするかな。というか、どこで夜を過ごすとか決めてないな」

揺杏(港にでも何か、いい店とかがあるかな)


――――夜、港。

揺杏(あれ、末原さんが岡っ引きを3人つれている。仕事があるっていって代官所に戻ったけど、ここで何かあったのかな)

末原「ん? ああ、アンタか。いいとこに来たな」

末原「実はな……今夜ここで阿片の取引が行われるんや。うちらと密売人を捕まえるの、手伝ってくれへんか」

揺杏「まぁ、やることもないし……協力するよ」

末原「ありがとな……それで、密売人どもはもうすぐここに来る。うちが合図したら、一斉に飛びかかるで」
22 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:35:51.91 ID:MrSD5U5E0
誓子「例のブツだよ」

爽「確かに受け取ったよ」


末原「あいつらや……よし、行くで!」タッタッタッ


誓子・爽「!?」

末原「阿弥浜代官、末原恭子や。見たで、ご禁制の阿片取引」

誓子「あははっ、この国は治外法権に同意してるから、私は逮捕できないよ」

揺杏(確かに金髪だけどこの人外人なのか……?)

誓子「代官ともあろう人が、そんなことも知らないの?」

爽「残念だったね!」

揺杏(いやあんたはバリバリの日本人だし逮捕できるんじゃないかな……)
23 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:41:28.47 ID:MrSD5U5E0
末原「くそっ!」

揺杏「…………ねぇ、大人しくお縄につきなよ」

誓子「だから、さっきも言ったじゃん。日本は治外法権に同意してんだから無理だって」

揺杏(多分何を言ってもこれの一点張りだろうな……さて、仕方なくこのまま逃がすか、それとも斬るか)

揺杏(……>>26にするか)
24 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/04(月) 22:42:28.35 ID:MrSD5U5E0
風呂落ち
あがってからまた書くかは未定です
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 22:43:00.54 ID:6GLRGiuzo
斬ろうか
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/04(月) 22:45:50.17 ID:hrLWSKMVo
逃がす
27 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 00:57:34.95 ID:v8jN5PaT0
揺杏「末原さん……やっぱ捕らえるのは無理じゃないかな」

末原「…………あぁ、くそっ! ええわ、お前らさっさと帰りや!」

誓子「ありがとねー」

爽「へへへ」

揺杏(煮え切らないけど、この国の在り方がそうなんだから仕方ない)

末原「……なぁ、やっぱおかしいよな」

揺杏「…………」

末原「阿片は危険や。お隣清国を見ればそんなんわかる。あれは国を滅ぼしかねん」

末原「そんなもん売買しとる奴らを放っといて、認めてええんか……そんなん答えすぐに出るやろ」

揺杏「末原さん、帰りましょう」

末原「…………そうやな、頭冷やそ。今無理に考えても先走ってあかんわ」

揺杏「それでは、末原さんおやすみなさい」

末原「あぁ、おやすみ……」
28 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:01:26.82 ID:v8jN5PaT0
――――翌朝、代官所。

揺杏(結局旅籠の一番安い部屋で夜を越したけど……しばらくこの生活が続くのかな。まぁ浪人だし仕方ないか)

揺杏「……げ、入口に三姉妹がいる」

揺杏(どうも苦手なんだよな……特にあの青髪……菫とかいう人)

照「あ、良いところに来てくれたね」

揺杏(逃れられなかったァ……)

淡「あなたのこと待ってたんだよねー」

菫「頼みたい仕事があるんだけど、頼まれてくれるか?」

揺杏「……内容次第、かな」

照「詳しいことは奥座敷で話すから来て」
29 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:02:32.49 ID:v8jN5PaT0
ごめんなさい、今までの文の大使館→領事館 です
30 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:06:24.96 ID:v8jN5PaT0
菫「領事館の近くに西洋病院が開業したの、知ってるか?」

淡「英国が建てたけど、運営資金は幕府が負担しろって言ってきてさ」

淡「病に苦しむ日本人を救うための病院だから、幕府が援助するのは当然の言い分だけど……そんなの口実」

照「それが外交交渉ってものだけど……」
31 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:10:09.38 ID:v8jN5PaT0
照「とにかく、私達は病院の運営資金をちゃんと払う。」

照「――でも、そのお金が盗賊に奪われてしまう」

菫「その盗賊役をやって貰おうと思ってな」

揺杏(要は金は払った事実を残し、その金を奪い返すってことか)

菫「どうだ、引き受けてくれるか?」

揺杏(この仕事は……>>33)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 01:16:24.10 ID:dfVPd+6Po
やる
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 01:17:48.83 ID:8qYXpEh10
引き受ける
34 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:35:07.12 ID:v8jN5PaT0
揺杏「わかった、引き受けるよ」

淡「そうこなくちゃねー」

菫「じゃあ、街道のほうに言ってくれ。千両箱を持ってる日本人は斬らないでくれ。それ以外は斬ってくれて構わない」


――――街道、茶屋前。

揺杏(あれか……銀やら金やら随分目立つ鎧だな……多分金の鎧の人がリーダー的な人か)

・「…………」ザッザッ

揺杏(仕方ない、いくか)

・「……誰だ、こんな時間に怪しい。ここで何をしている?」

揺杏「その千両箱を奪いにきたんだよ。ほら寄越しな」

箱持ち「ヒッ……い、命だけは助けてくれ!」タッタッタッ

揺杏(もう逃げてんじゃん)

・「くそっ、出たな盗賊。斬り殺してやる!」

揺杏「上等。その鎧がアンタを守ってんじゃなく邪魔してるってこと、教えてあげるよ」

・「行くぞ」シャッ

揺杏「…………」シャッ

・「喰らえっ!」

揺杏「ほら、遅いんだよ」ザシュッ

・「ッ!」

揺杏(鎧と言っても、全身を覆ってるわけじゃない。関節部分や手、あとは顔くらいだけどそこは覆われてないから、そこを狙えば問題ない)

揺杏「……そこ」ザクッ

・「がっ…………体調の私が……こんな盗賊に…………」ドサッ

揺杏「まぁ、盗賊じゃないんだけどね」

揺杏「それで、後ろでちょこまかとしてた銀鎧の皆さんはまだ戦うの? って日本語通じてるのかな」

兵隊立ち「…………」タッタッタッ

揺杏「……その前に逃げちゃってたか」
35 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:36:18.85 ID:v8jN5PaT0
・→ハオです

漢字表示されないのか…
36 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:37:21.18 ID:v8jN5PaT0
あと兵隊立ち→兵隊達です
誤字多くて申し訳ない…
37 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:42:45.04 ID:v8jN5PaT0
――――代官所。

揺杏「戻ったよ」

照「おかえり」

菫「ご苦労さま」

淡「それで、上手くいったの?」

揺杏「あぁ、奪ってきたよ」

菫「よかった…………今頃領事館の連中、どんな顔してるか」

淡「これで病院が潰れるね!」

照「これ以上お金を出す必要がなくなるってわけだね」

菫「また何かあったらよろしく頼む。これが報酬だ」

揺杏(3000文……やっぱ金持ちは違うな)
38 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:51:01.77 ID:v8jN5PaT0
――――夕方、町。

揺杏(えっと……夕方は暇だったら語学所になる予定の建物のとこに行って、外交官の人……愛宕洋榎の手伝いしろって言われたっけ)

洋榎「〜〜〜〜♪」

揺杏「いた……けどなんか鼻歌歌ってる」

洋榎「っと、手伝いに来てくれたんか? ありがとな」

揺杏「あぁ、いや」

洋榎「実はな、今日英国から講師が来ることになってんねん。そこで頼みたいんやけど、その講師の護衛をして欲しいんや」

揺杏「護衛? 何故」

洋榎「ここは幕府主催の語学所でな、うちが交渉を重ねってやっっっと開設まで漕ぎ着けたねん」

洋榎「これは何が何でも成功させたい。なのにもし、講師が攘夷どもに殺されたりでもしたら……もー怖くて考えたくもなくなるわ」

揺杏「あぁ、なるほど。攘夷が」

洋榎「そ。今から港へ迎えに行くから、一緒について来てや」

揺杏「そういうことなら、わかった」
39 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:57:25.24 ID:v8jN5PaT0
――――港。

講師「アタゴさんですか、ドウモ」

洋榎「長旅、お疲れ様です」ペコッ

洋榎「さて、あんたの任務はこの方の護衛や。おそらく臼沢も小瀬川も来る。臼沢は恭子がどうにかして小瀬川はうちがどうにかする。雑魚から上手く講師を守って語学所へ連れてってな」

揺杏「わかった」


臼沢「……待ちなよ、売国奴共。日本人に毛唐の教えは無用だ」

洋榎「来よったな、時代錯誤の朴念仁が」

末原「臼沢、覚悟せえ!」シャッ

臼沢「かかれ!」

洋榎「今のうちに送り届けるんや!」

揺杏「わかった。講師さん、行くよ」

講師「ハ、ハイ」
40 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 01:59:51.00 ID:v8jN5PaT0
護衛は成功か、失敗か

>>41
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:02:44.55 ID:HTqEBknMo
成功
42 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 02:13:01.53 ID:v8jN5PaT0
揺杏(まぁ、今まで通り剣術とかも粗末な連中ばかりで、講師を守りながら送り届けるのは容易だった)

揺杏「はい、着いたよ」

講師「……アナタ、かなり強いデスネ。名のある方デスカ?」

揺杏「ふふっ、いやただの浪人だよ。ほんとに」


洋榎「おーい、大丈夫やったかーー!?」タッタッタッ

揺杏「うん。そっちも大丈夫だった?」

洋榎「恭子が上手く臼沢に傷を負わせてな、あいつら撤退したわ」

揺杏「そっか」

洋榎「とにかく、ありがとな! これでうちの念願叶ったわ! はいこれ、報酬な!」

揺杏「うぇ、4000文ってさすがに多いよ」

洋榎「大丈夫や! うちはナリこそあまり良くないけど、それは語学所とかのために金使ってるからやねん。実際はうち、金あるんよ」

揺杏(……やっぱいいとこで働いてるからかな)

揺杏「じゃあ……ありがたく」

洋榎「おー。それじゃまた」

揺杏「はい」スタスタ
43 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 02:18:35.55 ID:v8jN5PaT0
――――夜、町。

揺杏「夜は特に予定もないしな……さて、どこに行こうか」

揺杏(思い付くのは……鍛冶屋、街道、賭博場、あとは旅籠で大人しく寝る、かな)

揺杏(……よし、>>45にしよう)
44 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 02:20:53.23 ID:v8jN5PaT0
今回はここまでにして寝ます
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:22:43.36 ID:dfVPd+6Po
乙期待

鍛冶屋で
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:24:03.74 ID:HTqEBknMo
侍道分からんが乙
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 02:39:38.38 ID:8qYXpEh10
目指せ夜這い
48 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 15:50:54.06 ID:v8jN5PaT0
揺杏(近いし鍛冶屋に行くか……てか朝から夜まで、いつも店にいるけどほんと何者なんだろ)

成香「あ、揺杏ちゃんいらっしゃい」

揺杏(そして何より、人を斬ることが多い故に刀がボロくなることが多いんだよね。それで鍛冶屋に結構な回数来てたら、いつの間にか仲良くなっちゃった)

揺杏「刀、直してもらえるかな」

成香「随分と直しに来るのが多いようですけど……あっ、いやその、答えなくてもいいですよ」カーンカーン

揺杏「別に、浪人ではあるけど今は代官所で働いてるようなもんだから」

成香「ということはあれですか、一般人は知らない幕府の裏側とか知っちゃったり」カーンカーン

揺杏「んー……まぁ……無いわけじゃないね」

揺杏(病院に払うお金奪い返すとかね)

成香「へぇ、よくあるそーゆー噂ってただの噂じゃなくて本当なんですね」カーンカーン

揺杏「どーだろうね、嘘から出た真って感じじゃないかな」

成香「噂を流した人達は別に幕府に裏側があると知ってたわけじゃない、ってことですか?」カーンカーン

揺杏「そうでしょ。ていうか幕府も組織なんだから、裏側があるって思われても当然だって」

成香「まぁ確かに……」カーンカーン

揺杏「てか、あんまこういう話させないでよ、なんか怖くなってきたじゃん」

成香「あはは……えっと、じゃあもう揺杏ちゃんは普通に代官所の人なんですか?」カーンカーン

揺杏「いやそれはほら…………浪人だけど凄い人、みたいなの格好いいじゃん」

成香「それだけの理由ですか……」カーンカーン

揺杏「ま、職に関してはいずれ決めるよ」

成香「そうですか」
49 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 15:53:29.25 ID:v8jN5PaT0
成香「直し終わりましたよ…………あの、揺杏ちゃん」

揺杏「ん? どうしたの」

成香「私、明日あたりからしばらく鍛冶屋は休もうと思うんです」

揺杏「え?」

成香「その、私も続けたいんですけど……やっぱり働く時間も長いし疲れとかいろいろあって」

揺杏「……成香の他に誰か、鍛冶屋出来る人って阿弥浜にはいないの?」

成香「いるにはいるよ、私の弟子だった子が一人。でも……」

揺杏「でも、何?」

成香「今はもう、鍛冶屋はやらないって言って浪人なんです。町人とか一般人からの依頼で人斬りとかしてるらしくて」

揺杏「……そうなんだ」

成香「なので、鍛冶屋はしばらく休みます。揺杏ちゃんには迷惑かけちゃいますよね……」

揺杏「そんな、偶然ここに来た浪人の心配より自分の心配するのが正しいって」

成香「……その、代わりと言ってはなんですけど、うちにある砥石持ってってもいいですよ」

揺杏「成香……」

揺杏(その成香の弟子……どうにか説得できないのかな)

揺杏(説得してみるか、しないか……>>51だな)
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 16:58:10.31 ID:rC3hatUJo
する
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 17:04:41.14 ID:V4NhwgVNo
説得してみる
52 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 18:34:18.96 ID:v8jN5PaT0
揺杏「成香、その弟子の人ってどうにか説得できないの?」

成香「私も最初は説得に言ってたんですけどね……仕事を放っておくわけにもいきませんでしたし、それに……」

揺杏「全然説得には応じてくれなかった、かぁ…………ねぇ、なんでその弟子の人は鍛冶屋をやりたくなくなったの?」

成香「……私にはですね、弟子が二人いたんです。今まで話してた弟子は獅子原爽って人で、もう一人が吉田って人なんです」

揺杏(なんで吉田は苗字だけ?)

成香「あの二人、仲も良くてお互いに切磋琢磨してて。私は二人とも腕のいい鍛冶屋になってくれると思ったんですけどね」

成香「ある日、吉田が般若党に入って、国を守るって言い出したんです」

揺杏「そりゃあまた、いきなりだね」

成香「もう鍛冶はこれ以上無理だ、こういう作業は向いてない。だから刀を取る。そう言ってました」

成香「それで戦いで死んでしまったんです。私、偶然その戦いの場に居合わせてしまって」

揺杏(……最初の港での戦いみたいな感じか)

成香「爽の造った刀で国を守りたかったけど、爽が鍛冶屋になる前に死んでしまうなんて。そう言い残して、死んでいきました」

揺杏「その吉田って人が死んでから、浪人になったんだ」

成香「はい。多分原因はそこにあると思うんですよね」

揺杏「その爽って人、今はどこにいるの」

成香「何も依頼とかがきていないなら、多分墓場に居ると思いますよ」
53 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 18:50:15.16 ID:v8jN5PaT0
――――夜、墓場。

揺杏(言われたから来たけど……こんなとこで一人いるとか私は嫌だな……あ、あの人かな)

爽「…………」

揺杏(……あれ阿片密売してた人じゃん。あのとき斬らなくて正解だった……のかな?)

揺杏「ねぇ、あんた」

爽「ん? ってあの阿片のときの。言っとくけど、あの阿片なら私のとこにはもうないから。依頼されて密売してただけで私は麻薬中毒じゃないし」

揺杏「いや阿片はどうでもいいよ。鍛冶屋、成香の話なんだけど」

爽「……あの鍛冶屋になら戻らないよ」

揺杏「なんで? 成香はあんたをいい鍛冶屋になるって言ってたし、鍛冶屋の才能あるんじゃないの?」

爽「そんなわけないじゃん。私はさ、もう一人の弟子だった吉田よりも全然鍛冶が下手だよ」

揺杏「でも成香は……」

爽「それは、ズルしたんだよ。私が下手だから吉田が手を加えて刀を造ってね、それを見せたらいつも注意ばかりだった私が師匠に褒められたんだ」

揺杏「……………………」

爽「それからしばらくして、師匠は吉田への指導が少なくなっていったんだ。それで最後には吉田は鍛冶を嫌になって攘夷に入って死んでった」

揺杏「それなら、成香から聞いたよ」

爽「そう。だからさ、吉田が死んだのは私のせいなんだ。それなのにもう鍛冶屋なんてできるわけない」

揺杏「で、でもそれは……」

爽「とにかく、もう戻らない。どうせなら、私がズルしてたって師匠に言ってもいいよ。それなら師匠も私を見限ると思うからさ」

揺杏「…………」コクッ
54 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 18:59:21.36 ID:v8jN5PaT0
――――鍛冶屋。

揺杏「成香、戻ったよ」

成香「揺杏ちゃん……それで、どうでした」

揺杏「あの爽って人、ズルしてたって。その吉田って人に協力してもらったら成香に褒めてもらえただけだって」

成香「爽さんの刀に吉田が手を加えたことですか? そんなの知ってますよ」

揺杏「え?」

成香「二人の癖はよくわかってますからね、わかりますよそりゃ」

揺杏「成香が吉田って人への指導が少なくなってったてのは……」

成香「それは吉田から頼まれたんですよ。もう少し鍛冶をやってみて合わなかったら鍛冶はやめるから、あんまり自分には指導せず爽を指導してくれって」

揺杏「なるほどね」

成香「あっ、まさか爽さん、自分が褒められたからとかって言って、吉田が死んだのは自分のせいだと思ってるんですか!?」

揺杏「そうだよ、全く。それじゃ、私はまた説得に行くから待ってて」

成香「はい」
55 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:07:43.94 ID:v8jN5PaT0
――――墓場。

爽「……何で戻ってきたの?」

揺杏「成香、あんたがズルしたこと知ってたって。そのうえで褒めたんだってさ」

爽「じゃあ吉田に指導するのが少なくなったのは?」

揺杏「その吉田って人から成香に頼んだんだってさ。鍛冶は性に合わないって」

爽「……違う、やっぱ私のせいだよ。そんなの吉田の強がりだって」

揺杏「私は、そうは思わないけど」

爽「うるさい! お前になにがわかるんだよ!!」

揺杏「……もう限界か。なら、その刀に聞くか」

爽「ッ……いいよ、かかってきなよ。私は本気でお前を殺そうとしてやる」

揺杏「なら私は、そっちの気が済むまで相手してやる」

爽「自信満々だね、この浪人がっ!」シャッ

揺杏「浪人なのはお互い様だよ。あと……あんたが立てなくなる程度のダメージは与えさせてもらうからね」シャッ

爽「できるもんならね」

揺杏「…………いくぞ」
56 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:27:29.72 ID:v8jN5PaT0
爽「はああああああああああ!!!!!!」

揺杏(随分と荒削りなスタイルだな……でも強い)

爽「よく凌ぐな……そこらへんの武士なんかよりずっと強いんじゃないの」

揺杏「そりゃあどうも。喋ってられるだけの余裕はまだあるんだね」シャッ

爽「っと危な。まぁ、頭にくると喋るようになるタイプでね。静かにキレるなんてのは考えらんないからさっ!!!」ザシュッ

揺杏「ッ! マジかよ……」

揺杏(そこでよく突きに切り替えるな……頭で考えるというより、本能で動いてるタイプか)

爽「そこだっ!!」シャッ

揺杏「その動き、隙デカいよ」ドッ

爽「みっ、峰打ち……」バタッ

揺杏(加減はしたけど……確か峰打ちって下手すりゃ斬るよりダメージ大きいんだよね……よかった、多分いい感じにダメージ入ってる)

爽「……あぁっ、クソッ! もう人斬りですらこのザマか。もう、腹を切るしかないのかな」

揺杏「ねぇ。今さ、成香は過労で体が弱ってるんだよね…………それと、吉田って人には夢があったんだって」

爽「え?」

揺杏「『爽の造った刀で国を守りたかった』ってさ……その吉田って人も成香も、あんたに鍛冶屋になって欲しいんだよ」

爽「……う、あぁ」ポロッ

揺杏「……………………」

爽「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

揺杏(少し強引だったかな……)

爽「うう……ぐすっ……………………ねぇ」

揺杏「ん?」

爽「まだ師匠は鍛冶屋に……いる?」

揺杏「まだいるよ。待ってるって」

爽「そうかぁ……しばらくサボってた分、頑張らなきゃなぁ」

揺杏「私はもうこれで帰るよ。成香とはちゃんと話してね」

爽「うん……あとさ」

揺杏「?」

爽「これからあんたの刀は私が世話することになるだろうから、よろしく」

揺杏「……うん」
57 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:30:36.81 ID:v8jN5PaT0
――――翌日、朝。

揺杏「また結局旅籠で夜をこしたけど……旅籠出たらさっそく人集りとか、なにがあるんだか」
58 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:32:11.75 ID:v8jN5PaT0
商人「大変だ、御大老様がお出ましになるそうだ」

町人「御大老様といやあ、将軍様の片腕だぜ」

浪人「そのお偉い御方が自ら江戸を売ってでるたぁ、どういうこった」



役人「下に、下に。御大老様のおな〜り〜」

揺杏(頭下げなきゃだめなんだっけか)サッ


咲「…………久しぶり、みんな」

照・菫・淡「ご苦労さまです」

末原「お待ち申し上げておりました。阿弥浜代官、末原恭子にございます」

咲「……末原さん。今後、この町の治安回復には私とここにいる魔鱗組という精鋭たちが当たります」

咲「この国は今、非常時にあるんです。一刻も猶予はないです」

咲「それが判らない愚か者はもう、容赦できないんです」

咲「私は治安回復に来たと言いましたけど、血を流すためだけに来たんじゃありません。素晴らしい贈り物も用意してるんです」

咲「明日、この広場で剣術大会を開こうと思ってるんです」

咲「腕に自信のある人は是非参加してください。身分は問いません。勝ったものは魔鱗組に取り立てます」

揺杏(なるほど、それで斬り合いなんかに参加する野蛮な奴らを殺すと同時に、優秀な奴を集めようってわけか)

臼沢「……どう思う、シロ」

小瀬川「何を考えているのか」

メグ「いいデスネ、実にイイ。面白くなってきマシタ」
59 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:36:17.82 ID:v8jN5PaT0
揺杏「さて、とりあえず代官所の方に向かうとするか……ん? あれは岡っ引き達か……どうしたんだろ」

岡っ引き1「これからどうするよ」

岡っ引き2「やってらんねぇ」

岡っ引き3「魔鱗組がなんだってんだ。俺たちだってやるときゃやるんだよ」

揺杏「何があった?」

岡っ引き1「あんたは確か……噂の浪人か。どうしたもねぇよ、魔鱗組のせいで俺らの仕事がなくなったから追っ払われちまった」

揺杏(なるほど……大老がここにきたのは、どうもいいことじゃない気がするな)
60 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:40:26.42 ID:v8jN5PaT0
揺杏「……洋榎さんまで出てきたぞ」

洋榎「はは、どうやらうちも御大老様に嫌われたみたいや。首になるんも時間の問題やな」

揺杏「そんな……」

洋榎「下手したら、この腹を切れ、なんちゅうのもあるかもしれへんな」

洋榎「実家にでも身を寄せた方が無難かもな……まぁ、あんたも気を付けた方がええかもな」

揺杏「……うん」
61 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 19:47:23.88 ID:v8jN5PaT0
―――代官所。

末原「ええか、みんな。今から市中巡察に行くで。怪しい奴は片っ端から捕えろとの命や。抵抗する奴は切り捨て御免や。御大老様がそう仰っとる」

揺杏(うわ、なんかめっちゃいるけど……これが魔鱗組か。身分的にはやっぱ末原さんより下なんだ)

咲「あぁ、あなたが噂の浪人ですか。良く来てくれました」

末原「おお、あんた。加勢しにきたんか」

揺杏「んー……どうしようかな」

末原「市中巡察には姫君様たちも参加なさるで。腕の見せ所や」

揺杏(怪しいのは片っ端から捕えて抵抗したら斬り殺す……か。参加するか、しないか)

揺杏「そうだな、市中巡察には>>63
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 19:48:15.73 ID:HTqEBknMo
参加
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 19:52:35.10 ID:rC3hatUJo
あえて参加しないでおく
64 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:03:46.58 ID:v8jN5PaT0
末原「なんでやっ! ……いや、そうか。あんたは代官所の人間やないから参加する義務はないしな。無理に誘おうとしてすまん」

揺杏「いや、そんな。それじゃあ私はこれで……」

揺杏(さて、断っちゃったけどどうしようかな。市中巡察に出くわすわけにはいかないし、町には行けないな。あぁ、成香と爽に鍛冶屋を離れるよう伝えておかなきゃ)
65 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:14:07.11 ID:v8jN5PaT0
――――町、鍛冶屋。

揺杏「成香、爽」

爽「あぁ、揺杏。また刀がぼろくなった?」

揺杏「いや、今から魔鱗組たちが市中巡察に出るって。怪しい奴は片っ端から捕えて抵抗する奴は斬るって。爽、昔は色々やってたわけだし、もしかしたら危ないかも……」

爽「まぁ確かに攘夷の連中の依頼もやったことがあるよ。何より……」

成香「吉田が死んだとき、私駆け寄ったんです。だから攘夷と関わりのわる人だったって知られてる可能性もありますね」

揺杏「だから外にいたら危ない。家に戻った方がいい」

成香「わかりました。ここから近いし、私の家に避難しましょう爽さん。最近また使い始めたばかりなので汚いですけど」

爽「……ていうか、師匠はもっと家で休んでなよ」

成香「爽さんに心配されるほどヤワじゃないですからっ。ほら、行きますよ」

爽「うん。それじゃあ揺杏。ありがとね」

揺杏「うん、またね」

揺杏(さて、私もさっさとどこかに行かなきゃな……って言っても街道か旅籠で寝るしかない)

揺杏(……うん、>>67に行こう)
66 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:17:32.64 ID:v8jN5PaT0
関わりのわる→関わりのある

誤字申し訳ないです
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:19:05.04 ID:I8kKogP40
街道
68 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:34:40.98 ID:v8jN5PaT0
――――街道。

揺杏「逃れるように街道に来たけど、茶屋くらいしかないんだよね」

揺杏「……ん? こんなとこに道があったのか。その先には軽い広場的な……誰かいるし死体がある」

ゆみ「…………終わった。これで私の復讐は終わった。ん?」

揺杏「あ、あぁいや私は別にその人と全然関係ないし人を斬ったのを責める気はないよ」

ゆみ「そうか、それならよかった。しかし、私はこれから行くところがない。というか記憶もあまりない」

揺杏「ふーん、記憶喪失ねぇ。その死体になってる人に復讐があるのは覚えてたんだ」

ゆみ「あぁ、はっきりと覚えてる。弟を殺されたんだ」

揺杏「そっか……でもこれから行く場所がないんだね」
69 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:38:24.15 ID:v8jN5PaT0
ゆみ「あぁ…………ところで、見たところ君も私と同じような身分と見たが」

揺杏「あー、まぁ浪人だからね。ここ阿弥浜に来てまだ三日だし」

ゆみ「君はどうやって過ごしているんだ?」

揺杏「ここに来たとき、偶然戦いに巻き込まれてね。そこでちょっと攘夷志士を倒したら代官所の人に気に入られて。ちょいちょい仕事をもらってその報酬でどうにかしてる」

ゆみ「そうか。私にはそんな出会いの場がなかったからな……」

揺杏(可哀想だし、どうにか助けてあげようかな)

揺杏(持ち金結構あるし、お金あげてその先はこの人次第にするか、もしくは人手の足りてない呉服屋で働くよう勧めるか)

揺杏(>>72にしよう)
70 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/05(火) 20:38:54.89 ID:v8jN5PaT0
やることがあるので今日はこれで終わりにします
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:40:23.47 ID:V4NhwgVNo
呉服屋
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:41:20.49 ID:dfVPd+6Po
呉服屋で働くよう勧める
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:41:59.59 ID:rC3hatUJo
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/05(火) 20:43:15.67 ID:I8kKogP40
呉服屋(NAGANO STYLE)
75 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 15:43:31.16 ID:eGW5jbYf0
揺杏「「確か、大通り呉服屋が定員一人だけで忙しそうだったからさ。あそこで働かせてもらえばいいんじゃない?」

ゆみ「そうか……それなら行ってみよう」

揺杏「あぁ待って。今は代官所の人たちが市中巡察してるから、もしかしたら変に目を付けられるかもしれない」

ゆみ「そうか……なら夕刻に向かうとしよう」

揺杏「うん、それがいいよ」

ゆみ「あぁ、ありがとう」
76 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 16:12:39.17 ID:eGW5jbYf0
揺杏「そういや記憶がないって言ってたけど、名前は?」

ゆみ「ゆみだ。苗字の方は全く思い出せない」

揺杏「名前の漢字は?」

ゆみ「記憶にない……というより元々漢字じゃないと思う」

揺杏「そっか。ところでゆみさんはさ、剣術とかってのは覚えてたんだ」

ゆみ「あぁ。それはちゃんと覚えてる。玩流剣術だ」

揺杏(聞いたことないな……そうとう無名な流派なのか、それとも東北や九州とかで使われてるのか……)

ゆみ「曖昧な記憶だが、この流派はあまり有名じゃないと思う。特に地方での流派というわけでもないようだし」

揺杏「なんか私の心を読んだみたいな発言でちょっと怖いんだけども」

ゆみ「そうなのか?」

ゆみ(随分と頭の回転がいいんだな)
77 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 16:18:26.02 ID:eGW5jbYf0
ゆみ「そういう君の剣術は……っと、すまない。名前も答えさせていなかったな」

揺杏「いやこっちこそ名乗らずにごめん。私は岩館揺杏。流派は何でもないよ」

ゆみ「何でもない?」

揺杏「そうだね。色んな武士やら浪人やらを見てそれをちょいちょい真似してたら今の剣術のような何かになったってだけ」

ゆみ「それなのに君は代官所の人に気に入られたんだろう? 随分凄いな」

揺杏「まぁ、命がかかってりゃそんくらい必死になるってだけだよ」

ゆみ「……なあ、軽く手合せしないか?」

揺杏「じゃあ、その辺の木の枝を使おうか。なるべく同じようなね」

ゆみ「折れたらどうする?」

揺杏「まぁ、折れたらそこまでにしよう。あんまり早く折れたらちょっと考えるけど」

ゆみ「わかった」
78 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 16:25:41.93 ID:eGW5jbYf0
ゆみ「よし、それじゃあいくぞ!」

揺杏「いいよ」

ゆみ「はあっ!」シュッ

揺杏(随分と基本に忠実だけど……かなり上等だな、これ)

ゆみ「せいっ!」シュッ

揺杏(確かに強い……けど動きが大体わかる。わかってしまう。これは決してゆみさんが強いからじゃない)

ゆみ「中々やるな、随分凌いでいるが攻めてはこないのか?」

揺杏「ちょっとね」

ゆみ「なら遠慮なく、攻めていくぞ」シュッ

揺杏(やはり、どの動きもわかってしまう。だって)

ゆみ「はあぁぁぁぁぁっ!」シャッ

揺杏(この玩流剣術とやら、全く私と一緒だ)

揺杏「そこだ」シャッ

ゆみ「いっ…………これは、真剣なら私は死んでいたな」

揺杏(自分と同じ動きの人の隙を突くってなんか、自分に隙があるって認めるようで嫌だけど……まあ鍛錬不足か)

ゆみ「私の負けだ。随分見極めが上手いんだな」

揺杏「あーそれは……」
79 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 16:30:36.19 ID:eGW5jbYf0
揺杏「動きがさ、私と一緒なんだよね」

ゆみ「……攻め込み方も、か?」

揺杏「そうだね。その玩流剣術っての、かなり極められてる剣術だね……あーあ、まさか自分と同等の剣術使いが日本にいるなんて」

ゆみ「はは、もしかしたら剣術というのは極めたら私たちのようになるのかな」

揺杏「いやぁどうだろ……実際さっきは隙があったからね。ゆみさんで隙があるってことは、私も同じような隙があるってことだ」

ゆみ「確かにまだ完璧ではないな……でも天下一ではあるんじゃないか?」

揺杏「どーだろね。結局今みたいにさ、同じ剣術で戦ったのに勝ち負けが決まるんだ。剣術がどうであれ、最終的には本人の心境とかだよ」

ゆみ「玩流同士なら、揺杏のように隙を突く方がいいということか」

揺杏「まーそうだね。正確には私は玩流とやらじゃないけど」
80 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 16:41:20.99 ID:eGW5jbYf0
揺杏「さっきも話したけど、私は世を渡るうちに自分が最もいいと思った剣の使い方をやってるだけ」

ゆみ「私に玩流を教えた人……または私をいつの間にか見ていた、とかはないのか?」

揺杏「いや、こういう動きをする人はいなかったね。なんせ自分が今まで見てきた中で一番いい動きがゆみさん、または私だからね」

ゆみ「では、揺杏の真似をしてそれを己の流派とした人がいる、とか」

揺杏「まーありえなくないね。てか、もしかしたらそれがゆみさんだったり」

ゆみ「いや……記憶を失ってるとはいえ、私はそこまでクズじゃかったと思うよ」

揺杏「まー、もし私の真似をしたとしてもゆみさんぐらい上手なら、もう流派云々じゃなく実力があるってだけだし」

ゆみ「実力があっても人の真似をして勝手に名前を付けるのはどうかと思うな……」
81 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 16:56:20.57 ID:eGW5jbYf0
揺杏「夕方までまだ時間あるなぁ……巡察に出くわしたくないし」

ゆみ「揺杏は代官所の人に気に入られてるんじゃないのか? 何故逃げるようにしてるんだ」

揺杏「まぁ、代官所の人ってか代官になんだけどね」

ゆみ「それはすごいな」

揺杏「ゆみさんも実力は私と同じくらいだけどね。えーと、逃げてるのは市中巡察に誘われたけど断ったから」

ゆみ「断った? せっかくの仕事じゃないか」

揺杏「怪しいのは片っ端から捕えて抵抗したら斬り殺す、っていうように大老の命令でね」

ゆみ「……なるほど。揺杏は正義感が強いな」

揺杏「いや、こんなの聞かされたら参加したくなくなる人だっているでしょ」

ゆみ「私も多分それは誘われても参加しなかったな」
82 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 17:04:27.01 ID:eGW5jbYf0
揺杏「あーあ、やっぱ暇だなぁ」

ゆみ「私に関しては金すらないから暇潰しもまともにできない」

揺杏「もう……夕方まで寝るかな」

ゆみ「私はもしかしたら夕刻になっても起きないかもしれない」

揺杏「まぁいいって。寝ようか」
83 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 17:15:29.19 ID:eGW5jbYf0
揺杏「…………うーん、だいぶ寝たなぁ。って夜だしゆみさんいないし」

揺杏「ん? これは……置手紙?」

揺杏「『あまり気持ちよさそうに寝ているから起こさないでおく。私は呉服屋に行くよ』か。ゆみさんじゃなく私が夜まで寝ちゃったな」

ゆみ「…………」トボトボ

揺杏「ゆ、ゆみさん!?」

ゆみ「あぁよかった……まだいたか」

揺杏「どうしたの!? 呉服屋は!?」

ゆみ「呉服屋で雇ってもらったが、主人一人で全然大丈夫らしくてな……仕事がないのに給料をもらうのは忍びないのでやめて寿司屋に雇ってもらったんだ」

揺杏「それで?」

ゆみ「寿司握りはできたんだが、無愛想で接客が向いてないとわかってな、用心棒のような仕事をやろうと思い賭場の用心棒になったんだ」

揺杏「……それで?」

ゆみ「あそこで行われてる卑怯な行為に目も当てられなくなってな……語学所で雇ってもらおうと思ったんだ」

揺杏「…………それで?」

ゆみ「開いてなかった」

揺杏「そりゃそうでしょ! 語学所は子供の行くとこだから夜にやってるわけないじゃん!」

ゆみ「もう行く当てがない……」
84 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 17:22:04.97 ID:eGW5jbYf0
揺杏「確かさ……町に道場があったんだよね。人の出入りしてるとこ見たことあるし多分やってる」

ゆみ「そこで剣術を教える、か。悪くないな」

揺杏「今から行ってみない?」

ゆみ「もうこうなったら行くしかないな」
85 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 17:47:25.60 ID:eGW5jbYf0
――――夜、町の道場。

揺杏「失礼するよーっと、よかった人いる」

熊倉「おや、どうしたんだい」

揺杏「いや、この人がさ。剣の腕は確かなんだけど仕事がなくてね」

熊倉「師範をやってくれるのかい? 丁度良かった。今はもうこの道場はまともに師範が居なくてね」

ゆみ「え?」

熊倉「一応私が教えているけど、私自身はもう年だしねえ」

ゆみ「なら、ぜひ私に師範を!」

熊倉「でもねぇ、まぁ一日様子見って感じだね。あぁ、もし師範になるなら金が要るからね?」

ゆみ「なっ…………何故?」

熊倉「道場主の権利もアンタに渡さなきゃいけないからね」

揺杏「金なら私が払う」

熊倉「そうかい? なら金を払ったあんたが道場主、師範でそっちのアンタは師範代だね」

ゆみ「いっ、いいのか?」

揺杏「いいっていいって。どうせ私は生きてけるけど、ゆみさんは記憶喪失だし色々大変でしょ」

ゆみ「…………すまない」
86 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 17:49:53.17 ID:eGW5jbYf0
――――翌朝。

揺杏(結局その道場で夜を越した。久々に旅籠以外の場所で夜を越したな……)

揺杏「…………ん、なんだ。花火?」

熊倉「剣術大会だろう? 参加するのかい」

揺杏「あぁ、大老がやるって言ってたやつか」

揺杏(一応、末原さんには挨拶しておこうかな)
87 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 17:55:19.12 ID:eGW5jbYf0
――――昼、代官所。

末原「ん? あぁアンタか。大会はもうすぐ始まるで。どや、会場は見たか? あれはうちが一晩で作ったんや」

揺杏(末原さん、代官やめて建築やればいいのに)

末原「ところで、アンタ。参加するんやろ? まだ決めてないんやったら、是非参加してほしい。御大老様からアンタを誘うよう、直々に御指名を受けたまわってんねん」

揺杏「まぁ、参加はするよ」

末原「ホンマか! アンタなら絶対優勝できるで!」

揺杏(大会会場だけじゃなくフラグまで建てなくていいんだけど……)
88 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:02:48.81 ID:eGW5jbYf0
――――剣術大会会場(大通り)。

受付「参加を希望する者か」

揺杏「うん」

受付「控室はこの奥だ。控えておけ」


揺杏(般若党の奴もいるな……国籍も性別も本当に関係なしだな)



咲「壮観だね」

菫(さて、控室の奴ら、どんな心境なのか……考える必要もないか)

末原「皆、立身出世を夢見て浮き立っとるな……これで不満不平が解消されて町も静かになるな……」

末原「御大老様の深慮遠謀には感服やな」

咲(確かに、町の浄化にはつながるよね)

エイスリン「ミテ、ラレルカナ……」

メグ「まぁエイスリン様には、少々刺激が強すぎるかもしれまセン」
89 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:05:02.27 ID:eGW5jbYf0
末原「これより剣術大会を開始する! 参加者は籤で選んだ相手と戦い、先に一本取ったもんが勝ちや。見事三回戦を勝ち抜いた者が魔鱗組の一員になるんや」

末原「得物は問わへん。真剣勝負や」
90 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:10:15.28 ID:eGW5jbYf0
末原「これより、第一試合を始める。両者入場せよ」

豊音「…………」スタスタ

揺杏(般若党の人かあ……)スタスタ

豊音(どこかで見たような顔だけど……勝負に私情はいらないっ!)スチャッ

揺杏「…………」スチャッ

末原「……始め!」
91 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:17:46.63 ID:eGW5jbYf0
揺杏(背が高いからそもそもの攻撃範囲が長いのに、刀も長いから面倒だな)

豊音「やあっ!」シャッ

揺杏(ただ随分と大振りだ。これはさっさと間合いを詰めて攻め込めば簡単だな。デカいから当てやすいし)

揺杏「よっ、と」グサッ

豊音「いたっ……このっ!」シャッ

揺杏(危なっ……仕留め損ねけど、次は決める)

揺杏「じゃあね」バシュッ

豊音「あっ……あぁ……せめて、もう少、し……夷敵を斬ってから…………」

揺杏「……………………」

末原「一本! それまで!」

揺杏(一応峰打ちでも一本にはなるんだろうけど……そんなんじゃ私が殺されかねない。爽のときみたいに殺しちゃいけない理由がないからなぁ)
92 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:21:59.95 ID:eGW5jbYf0
末原「これより第二試合を開始する。両者入場せよ」

大沼「…………」スタスタ

揺杏(うっわ何か強そうなおじいさんがきたぞ)

大沼「じじいにどこまでできっかな……」サッ

揺杏(居合かぁ、これまた強そうな)シャッ

末原「……始めっ!」
93 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:25:23.55 ID:eGW5jbYf0
大沼「…………」シャッ

揺杏(こりゃかなり早いな……刀をいちいちしまう時間が勿体ないな)

大沼「いちいち刀をしまってんのが勿体ない、と思ったか」

揺杏「……そうだけど。つか、勝負に集中しなよじいさん。なめてると死ぬよ」

大沼「元々勝つために来てねえよ」シャッ

揺杏「そうかよっ!」ザシュッ

大沼「っ…………」シャッ

揺杏「甘いんだよ、昔は強かったのかもしれないけど、あんたはもう老人だ。戦えやしないよ」ザクッ

大沼「…………」バタッ

末原「一本! それまで!」
94 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:31:21.55 ID:eGW5jbYf0
揺杏(あぁ、なんだか胸糞悪いなこのじいさん。人をいいように自殺の理由にしやがって……そのくせ一回戦で一人殺してやがる。意味わかんね)

ゆみ「揺杏」

揺杏「ゆみさん……観客の中にいたんだ」

ゆみ「これを使うんだ。その刀はもうボロボロだろ」

揺杏「え……? あ……本当だ、ボロボロ」

ゆみ「揺杏、案外心の余裕がなかったのか」

揺杏「いやそんな……ところで、この刀は?」

ゆみ「鍛冶屋の爽という人にこれを渡すよう言われてな……」

揺杏「そっか、ありがと」
95 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:39:02.04 ID:eGW5jbYf0
末原「これより第三試合を開始する。勝ち抜いた者は晴れて魔鱗組の一員や。両者入場せよ!」

忍「…………」スタスタ

揺杏(何か変なお面してるけど、忍者だよな……短刀腰にしてるし)

忍「悪いが、命を貰う」スチャッ

揺杏(……それとなく、どっかで聞いたことあるような声だな)シャッ

末原「……始めっ!」
96 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:49:02.92 ID:eGW5jbYf0
忍「…………」シャッ

揺杏(短刀を活かした隙のない振り……こりゃ攻めにいかないと勝てそうにない)

忍「……そこだ」ザシュ

揺杏「っ……くそ!」シャッ

揺杏(やけになって振ったって当たらないよな、そりゃ……)

忍「…………集中しろ?」シャッ

揺杏「危なっ」キーン

揺杏(何だコイツ、力強くないか!?)

忍「忍が一騎打ちに弱いとは限らない」

揺杏(これじゃ攻め込んでも崩されかねない……あぁ、どうすりゃ)

忍「…………」シャッ

揺杏「っ! そこだ!」ザシュッ

忍「くっ……」

揺杏(少なすぎる隙を突いても、そりゃ致命傷なんかにならないよな……)
97 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 18:57:29.94 ID:eGW5jbYf0
忍「…………」シャッ

揺杏(あぁもう、強いなコイツ!)サッ

忍(勝てる)ザシュッ

揺杏(痛いな、くそっ……斬れないのなら……)

忍「…………」シャッ

揺杏(きたっ! 今だ)

揺杏「喰らえっ!」ドスッ

忍「ぐふっ!?」

揺杏(この、思いっきり蹴ってやったぞ。男だろうが女だろうがそこは痛いだろ?)

忍「くそっ……コイツ……」

末原「い、今のは…………流石に真剣勝負として……」

咲「構いません。これも勝つための手段、相手を倒すのに全力を尽くした結果でしょう。それに」

咲「得物は何だって構わない、です。勿論それは数もですから。刀と脚、どちらも得物として使って問題ないでしょう」

揺杏「……悪いね」ドスッ

忍「…………」バタッ

揺杏(思いっきり蹴ったうえに峰打ちもするのは申し訳ないけど……死ななかっただけ良しとしてくれないかな)

末原「一本! それまで!」

揺杏「これで…………私の大会は終わりか」
98 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 19:02:18.35 ID:eGW5jbYf0
末原「これにてすべての試合が終了した。只今より表彰を行う。見事に三つ勝ち抜いた者たちは、速やかに表彰台に上がれ」

揺杏(表彰か……それを受けた人は魔鱗組か)

揺杏「…………」

末原「どうしたんや、アンタ。表彰やから早く行きや」

揺杏「あぁ…………表彰は>>100
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 19:05:02.40 ID:aAE2XEXmo
受ける
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 19:06:45.23 ID:Z8J0tH5Io
辞退する

まだEDには早い
101 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 19:20:54.17 ID:eGW5jbYf0
末原「なに、本気かいな!? ここまで来て名誉を捨てるんか!?」

揺杏「……………………」スタスタ

末原「訳のわからん奴や……」
102 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 19:28:35.28 ID:eGW5jbYf0
咲「皆さん、勝ち抜きおめでとうございます。私は感動しました。君たちこそ武士の中の武士、真の侍です」

咲「約束通り魔鱗組に取り立てますが……この場で私自ら褒美があります」

優勝者1「聞いたか、褒美だ、金が出るぞ!」

優勝者2「やったなぁおい!」

優勝者3「ところで、何か熱くねえか?」

咲「もう隠しておかなくていいですよ。幕を下ろして皆に見せてください」

魔鱗組「はっ」

メグ「表彰台の下に……釜、デスカ」

末原「…………釜!? しかも湯気がたっとるっちゅうことは!」

咲「落としてください」

魔鱗組「はっ」

優勝者達「うわあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

咲「欲に目の眩んだ愚か者共、罠とも知らずにわざわざ殺されにやってきましたね」

末原「……っ」

エイスリン「……………………」クラッ

メグ「おっと………………サムライは、上も下も野蛮人ばかりデスネ」

末原「……………………」

揺杏(マジか……………………何考えてんだあの大老)
103 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 19:30:17.40 ID:eGW5jbYf0
――――翌朝、代官所。

揺杏(ここしか行く当てないから来たけどさ……)

菫「良く来てくれた」

淡「奥でサキが待ってるよ」

照「こっちにどうぞ」

揺杏「…………」スタスタ
104 : ◆9JifO/c2B6 [sage saga]:2016/04/07(木) 19:38:45.28 ID:eGW5jbYf0
――――代官所内。

末原「御大老様。剣術大会以降、町中が恐怖で凍り付いております。いくら危険分子を一掃するためとはいえ、あのやり方は逆効果ではありませんか」

咲「為政者は時に非常にならねばならないものです。私だって本当はやりたくありませんでした」

咲「しかし、これ以上の攘夷を許すと外国の日本侵略への口実を与えてしまいます。幕府を、ひいては日本を守るために私一人が悪人になればよかったんです」

洋榎「………………」スクッ、ペコ

揺杏(洋榎さん?)

洋榎「…………」スタスタ

末原「おい、どこ行くんや!」

咲「捨て置きましょう。覚悟あっての事なんでしょうから」

末原「申し訳ありません……とんだひねくれ者でして……………」

揺杏(覚悟をもってして立ち去って行った……洋榎さんならそうする、か。私は…………>>106)
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/07(木) 19:41:28.95 ID:t/EfYi4Ro
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