【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である【データ11】

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32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 17:13:53.55 ID:YsMIuq0ao
>>1の好きなようにしてくれてええんやで!
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 17:18:14.74 ID:jq15WVHM0
お任せします
34 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 17:26:32.17 ID:M1xAg6U2o

では、えっちのあとの会話だけ
安価なしで入れてます
35 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 17:49:21.81 ID:M1xAg6U2o

天乃「もうっ、ばかっ」

樹「えへへ」

本気で怒っていない優しい声と弱々しい右手を受け止めて、樹は笑う

昨日もエッチして、今日もエッチして

本当に毎日するのかもしれない

そんなことを考えながら、

樹は天乃の膨らんだ頬を指で押す

天乃「ふーっ!」

樹「わっ」

瞬間、狙ったように強く吐かれた息が耳をくすぐって

樹が思わず声を上げると

天乃はくすくすと嬉しそうに笑う

多分、動けないなりの精一杯の仕返しだったに違いない

その子供みたいな反抗や

それで喜ぶ子供っぽさが

先輩である天乃を余計に愛らしく見せていると、天乃自身は知らない

きっとこれからも、ずっと気づかないままなのだろう
36 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 17:58:02.38 ID:M1xAg6U2o

天乃「樹のえっち」

樹「否定はできないですね」

好きだ、大好きだ

本当に

優しくて、温かくて、強くて、弱くて

格好良くて、可愛くて

樹「久遠さんがエッチなので、私もエッチになっちゃいました」

天乃「私は違うわよ」

樹「じゃぁ、もうキスは無しですね」

天乃「なんでそうなるのよっ」

もっと早く、出会えていたら

もっと早く、勇者になれていたら

久遠さんだけに背負わせることなく、今を迎えられていたんだろうか

そう考えずにはいられない
37 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 18:11:47.11 ID:M1xAg6U2o

そして、

樹のそんな気持ちを察せてしまう鈍感な天乃は

優しく微笑んで、樹の頭を撫でる

樹「……久遠さん」

そんなことは考えなくていいと

それがあったから、今があるのだと

過去の自分を責めてしまいそうな樹の思考を引き戻していく

天乃「もうすぐ、大切で大事な戦いがある。なのに、そんなつまらない事考えてたらダメでしょ」

樹「つまらなくは、ないです」

天乃「つまらないわ。だって、すべきことをしただけだし。全部終われば元通りになるかもしれないんだから」

そんな希望はないし

そこまで期待もしていない

神樹様や世界が自分にとってとても冷酷であることを天乃は知っているからだ

けれど、それでも、1%の可能性があるだから

天乃「そんなことよりも、戦ったあとの楽しいことを考えましょう」
38 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 18:21:57.11 ID:M1xAg6U2o

樹「楽しいこと……久遠さんに抱きしめられたいです」

天乃「それなら、いつも……」

樹「両手でぎゅって。力いっぱい、ぎゅーって!」

天乃「失神しちゃうわよ?」

樹「いい夢が見られそうです」

力いっぱい戦後の要求を述べる樹に苦笑した天乃

それに対してもなお、樹は夢を見て、希望を持って、笑顔で言う

したいこと、してほしいこと

たくさんある

樹「遊園地のアトラクション全部回ったり」

天乃「そうそう。ジェットコースター乗りたい」

樹「一緒にお出かけして、美味しいもの食べて」

天乃「うん」

樹「映画見たり、手を繋いで歩いたり、お弁当作ってきましたって。食べてもらったり」

天乃「お弁当作ってきたわって。食べさせてあげたり」

樹「今日は学校、何時に終わりますか? どこで待ち合わせしますかって、予定を立てて」

天乃「うん、うん」

樹「制服着たまま、久遠さんとエッチしたいです」

天乃「うん……それはちょっと」
39 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 18:37:18.70 ID:M1xAg6U2o

樹「それは冗談ですけど、でも。制服着てる久遠さんが見たいです」

樹は未来を考えて、思って

そしてなにより信じて、嬉しそうに語る

その姿を見つめる天乃もまた、幸せそうで

その二人を影の奥から見守る九尾だけが……顔をしかめて、首を振る

護りたいものがあると

救いたいものがあるのだと

身を粉にして戦い続けた少女には今一度、

背負って貰わなければいけないからだ

天乃「今だって、着てあげても良いのに」

樹「ううん。制服だけは治ったらって決めてるんです」

天乃「どうして?」

樹「学校に行く姿が、見たいからです」

天乃「本当は?」

樹「久遠さんの着替えが覗きたいからです」

天乃「もうっ、えっち」

樹「言う流れにした久遠さんが言わないでくださいっ」

きゃっきゃっ、きゃっきゃっと

緊張感のない前夜

けれどもきっと、二人にとっては――それが一番、良かったのだろう
40 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 19:05:58.12 ID:M1xAg6U2o

では、6日目終了7日目に入りますが
少し中断します

最終決戦に関しても、
多少の省略込みでやる予定です


マップとしては、下記のような状態

http://i.imgur.com/zZWOohN.png
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 19:27:45.88 ID:MjalWv4hO
一旦乙
正に総力戦って感じだな
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 19:38:41.91 ID:YT4pZyP2o
いったん乙
43 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 20:15:31.31 ID:M1xAg6U2o

では、初めて行きます
44 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 20:23:05.45 ID:M1xAg6U2o

その日は、朝からどこか気だるい感じがした

天乃「……ん」

樹「えへへ」

傍らで眠る樹の寝顔を見て、

そうか、今日はまだ日曜日か。と

天乃は端末を見て、ふと気づく

夏場じゃなかったら風邪ひいてるのかな。と

布団の中の自分たちの姿に、息をつくと

陽の陰からすっと、九尾が姿を現した

九尾「呑気なものじゃな」

天乃「朝から晩まで、毎分毎秒。気を張ってたら疲れちゃうでしょ?」

九尾「だからとそう、幾度も性行為をしなくても良いと思うがな」

天乃「……それで? 貴女が妖狐の姿で茶目っ気がない理由は?」

九尾「うむ。あと数時間。早ければ、一、二時間程度じゃ」

天乃「……そっか」

なにが。とは聞かず

天乃はただそう言って、樹の肩を揺すると、

樹は起きてますよ。と、眠気の感じない瞳で天乃を見つめた
45 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 20:31:49.53 ID:M1xAg6U2o

九尾「主様に言うておく事がある。樹、下がれ」

樹「私が聞かない方が良い事なんですか?」

九尾「善し悪しの区別をつけることはせん」

したところで、

どちらにせよ「じゃぁ残ります」という以外想像できないからだ

だからこそ、そんな無駄なことは言わない

九尾「下がれ、犬妹」

樹「嫌です」

九尾「樹!」

樹「どんなことであれ、これ以上久遠さんだけの問題にはしたくないッ!」

九尾の怒号

むき出しにされた刃のごとく鋭い牙

されど

樹は怖気付くことなく、言い返す

樹「今までたくさん背負わせた。それは九尾さんだって分かってるはずです!」

九尾「お主が聞いたところで、出来ることなど何一つないッ」
46 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 20:38:47.25 ID:M1xAg6U2o

天乃「ちょっと二人共」

天乃当人を置いて、怒り心頭の両者の間に口を挟む

どちらも大切な存在だ

その二人がどんな理由であれ、争っているなら止める

それが自分が原因ならば、なおさらだ

天乃「そんな熱くならなくたっていいんじゃない?」

樹「何言ってるんですかっ」

天乃「残念だけど、怒鳴っても私には響かないわ」

樹「っ」

天乃「でも、怖い顔してる樹は見たくないし、九尾。貴女のそういうきつい姿。好きじゃないわ」

九尾「…………」

天乃はたった二言三言で場の空気を沈下させ、

熱を奪い去ると、大きく息をついて――


1、樹にも聞いて貰いましょう
2、樹、ありがとう。でも……ちょっと出ててくれないかな


↓2
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 20:42:11.91 ID:MjalWv4hO
1
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 20:46:57.89 ID:jq15WVHM0
1
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 20:47:12.99 ID:YT4pZyP2o
1
50 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 21:00:44.47 ID:M1xAg6U2o

天乃「九尾、樹にも聞いて貰いましょう」

九尾「…………くっ」

一瞬、

反論有りげな表情を浮かべた九尾だったが

数回瞬きをして、首を振ると

妖狐の姿からいつもの女性体へと切り替えて、椅子に座る

九尾「よかろう。じゃが、樹」

樹「はい」

九尾「これは重要なことじゃ。戦闘の士気にも関わる。他言無用じゃぞ」

樹「……内容次第、です」

忠告を受けて、樹は言う

士気にも関わるということは

ごく普通の重要。という言葉よりもずっと重い意味が込められる

茶目っ気の強い九尾が真面目であるのがいい証拠だ

けれど、それでも

内容次第では全員で決めるべき

そう思ったからこその、返答だった
51 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 21:09:56.88 ID:M1xAg6U2o

その気持ちを察してか

忠告に反した言葉にも関わらず

九尾はため息だけでそれを流し、告げる

九尾「今回、主様には人身御供。つまり、人柱になって貰う」

天乃「えっ?」

樹「なっ」

人身御供

人柱

そこまで馴染みのない樹でさえ

それがなんなのかうっすらと感づいて、目を見開く

樹「それって――」

九尾「ふむ……やや語弊があるか。ではこう言おう。依代になって貰わねばならぬ。と」

天乃「私の精神体というか魂というか。そういう部分が消えるのなら変わらないんだけど?」

九尾「そうじゃな……ならば、訂正の必要はないかも知れぬ」
52 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 21:32:31.91 ID:M1xAg6U2o

九尾「今回、主様から神樹に触れてもらう」

天乃「私から? 樹海にある神樹に?」

九尾「満開を使うときに、神樹と繋がれと言っておるのじゃ」

簡単に言えることではないが

簡潔に言えば

神樹様からのアクセスを受けるのではなく

神樹様にアクセスをする。ということだ

九尾「主様らの言う散華と満開の流れはそこにある」

樹「!」

九尾「良いか? 正しくは、満開によって散華しているのではなく、散華によって満開しているのじゃ」

得たから失うのではなく、失ったから得る

原因と結果の入れ替わり

九尾「神樹による精霊の補填は、死なせぬように。という恩恵に近い」

満開ゲージをため、満開し、代償を払い、精霊を得る

それは何かがおかしい

満開のために代償を支払っているというのなら

なぜ、ゲージなんかを貯めなければいけない

初めから代償を支払って、満開すればいいはずだ

ゲージなんていらないはずだ
53 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 21:51:53.73 ID:M1xAg6U2o

九尾「妾は神樹とは別じゃ。ゆえに、それが真実かどうかは定かではないがな」

しかし、少なくとも

満開のせいで代償を支払っているわけではないはずだと、九尾は言う

天乃「それで、なんで私から触れなくちゃいけないの?」

九尾「神樹は消費した部分を、穢れた不要な部分として消去している可能性があるからじゃ」

天乃「消去って、じゃぁ」

九尾「いかにも。このままでは何度満開しようが消耗していくだけじゃ」

だから、

天乃が神樹にアクセスし、蓄積された膨大な情報の中から

失われたものを引きずり出さなければいけないのだ

九尾「その接続時、あるいは接続後。主様は一時的に体のすべての機能を神樹と同化することになるじゃろう」

樹「神樹……様と、同化?」

九尾「うむ……最悪、そのまま戻ってくることができずに神樹と完全に同調する恐れがある」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 21:55:46.93 ID:YT4pZyP2o
つまり最終戦でパーフェクト天乃降臨ってこと?
55 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 22:03:21.61 ID:M1xAg6U2o

同調してしまったらどうなるのか。それは聞かなくても分かる

樹は天乃へと目を向けると

そっと……手を握る

天乃「樹……」

樹「久遠さん……」

九尾「妾が行おうとしているのはそれじゃ。ゆえに、出て行けといった」

天乃一人なら

おそらく、確実に承諾させることができたはずだ

けれど、樹がいたら

それはきっと、確実とはならない

見つめ合う二人から目をそらした九尾は

大きく息をついて、目を向けさせる

九尾「神樹との同化後、戻ることができてもいくつか問題は残るやも知れぬ」

返還される身体機能は

奪われた機能そのままではなく

神聖的な力が働いている代替になる可能性があることなど……色々あるのだ
56 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 22:12:39.31 ID:M1xAg6U2o

九尾「主様」

天乃「……犠牲になるかもしれない道か、このままの停滞か」

それを選べと言っているんでしょう。と

天乃は九尾を見つめて、樹へと視線を下げる

ギュッと握られた手

密着する体の熱と震え

そして、心配そうな表情

昨夜

あれだけしたいことを語った

その夢や希望を捨て、安定を得るか

捨てずに、賭けに出るか……


1、治るかも知れないのなら、頑張るわ
2、死ぬ可能性があるのなら、やめておくわ



↓1-↓3
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:16:43.91 ID:YT4pZyP2o
1
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 22:17:51.90 ID:MjalWv4hO
2
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:18:32.38 ID:ch5sLNKsO
1
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:19:44.00 ID:ch5sLNKsO
まさか死なないだろう多分…
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:22:28.03 ID:YT4pZyP2o
投票したあとに不安を煽るようなこと言うのやめてくれよ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 22:24:02.69 ID:MjalWv4hO
なるべく諦めなければなんとかなるさ
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:25:13.82 ID:ch5sLNKsO
ごめん
64 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 22:38:27.03 ID:M1xAg6U2o

天乃「治るかも知れないのなら、頑張るわ」

樹「っ」

ビクッと震えた樹の体を抱きしめて

天乃は九尾を見つめる

もちろん、考えなしにそういったわけじゃない

天乃「貴女だってなんの策もなしに、賭けさせるわけじゃないんでしょう?」

九尾「……うむ。妾は久遠家に使える精霊じゃ。何もせぬわけには行くまい」

天乃「うん。ありがと」

無理をさせる、危険な賭けをさせる

それなのに、

笑みを浮かべて礼を言う天乃から目を逸らして、

九尾は姿を消し

二人きりになった部屋で、樹は天乃を見つめる

樹「もしも戻ってこなそうだったら」

天乃「だったら?」

樹「一日中久遠さんとエッチしてもうやめてって言いに来させます」

天乃「流産する可能性、あるものね」
65 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 22:48:56.99 ID:M1xAg6U2o

樹「あっ……」

天乃「流産したらまた春信さんとエッチしないといけなくなっちゃう」

樹「そ、それはダメですっ」

天乃「うん……私も嫌よ」

天乃はそう言うと、

樹に折り重なるようにしてベッドに倒れこみ、

そのまま、唇を重ね合わせる

樹「っは……」

天乃「ふふっ、立場逆転」

樹「久遠さん……」

天乃「私が治ったら、したいこと。見つけた」

ニッコリと

とても意地悪でとても温かい

幸せそうな笑顔で

天乃「私から、樹に色んな事がしたい」

久遠さんは、そう言った


そして――

私達は

世界は

誰も知らない世界で

誰も気づくことのない世界で

とてつもなく大きな戦いへと、挑む
66 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/15(日) 22:53:42.30 ID:M1xAg6U2o

では、此処までとさせて頂きます
明日はできれば通常時間から


戦闘は現実時間一ヶ月はくだらなくなりそうなので
非安価でさくっと進めてしまう予定です



天乃「ん……」

樹「! 久遠さん、良かった! 起きてくれて……」

夏凜「天乃! よか――」

天乃「天乃……? 誰? 私は陽乃よ」

樹「!」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:55:06.47 ID:YT4pZyP2o
乙
まあ戦闘って言ってももうやることは変わらんしね
賭けが成功であることを祈る
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/15(日) 23:06:24.51 ID:MjalWv4hO
乙
敵も味方も凄い面子で最終決戦か…
それにしてももしこの場にみんながいたら猛反発しそうな賭けだな
果たして吉と出るか凶と出るか
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 02:07:26.71 ID:XDqQ5z+oo
わがまま言えって説得したりクオンサンの自己犠牲に対して思うところがあった九尾が樹から遠ざけてまで飲んでほしいと思って出した提案だしきちんとケツ持ってくれるって信じてる
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 04:50:05.88 ID:H+V+2aMpo
乙
さっきの安価でEND分岐するんだろうか
何はともわれ楽しみ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 09:48:28.51 ID:WcIU9y0do
なんか久遠さん駄目なフラグ立てた気がしてならない
72 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/16(月) 22:20:38.80 ID:OLk/gCv9o

では、少しだけですが進めていこうかと思います
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/16(月) 22:22:08.14 ID:LR1z+HrVO
へい
74 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/16(月) 22:54:37.47 ID:OLk/gCv9o

夏凜「ば、バーテックスが勢揃いって……」

風「こんなの……」

勝てるわけがない

そう思いそうな恐れのある心を抑えて、風は首を振る

自分は部長だ

勇者部のリーダーだ

しっかりしろと。

みんながいるんだから平気だと

そう、言おうとして――

珠子「あーっ、若葉が骨付鳥持ち込んでるぞ!」

風の緊張感を吹き飛ばす声が、響いた

若葉「んなっ、これは園子のためにだな……」

珠子「天乃っ! 骨付鳥はオヤツに入るのか!?」

天乃「ん〜……アウトで」

若葉「っ」

樹「おやつは300円以内ですよ。若葉さん」

若葉「なぜだっ!」

風「それはこっちのセリフだぁっ!」
75 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/16(月) 23:03:12.19 ID:OLk/gCv9o

園子「どうしたの〜?」

風「どうしたもこうしたもない! 今、これから、大切な戦いがあるのに!」

天乃「………………」

風「なんでそんな、緊張感ないのよ……」

みんながいるから大丈夫

そうは思っていても

怖いものは、怖い

不安なことは不安で

風は握りしめた拳を、震わせる

銀「そんな肩肘張って立ってしゃーないだろ」

東郷「そうね……ですが、風先輩が間違っているわけではありません」

ただ

天乃たちはその常識の範疇にはいない

間違っていなければいいわけではないのだ

東郷「緊張すべきというと語弊があるかもしれませんが、気を抜くべきではないかと」

天乃「樹っ、私骨付鳥も食べたい」

樹「終わったら食べに行きましょう。うどんも」

天乃「うんっ」

東郷「……………」

友奈「あはは……」
76 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/16(月) 23:16:57.83 ID:OLk/gCv9o

夏凜「風」

風「っ」

バシっと肩を叩かれ、

風は声をかけてきた夏凜へと目を向ける

夏凜は夏凜でもう諦めているのか、

呆れ混じりの苦笑を浮かべて、首を振る

夏凜「何を言ったって無駄よ。そういうチームなんだから」

風「……でも」

夏凜「それに、天乃達が変に緊張してる方が怖いわよ」

天乃を筆頭に、園子、銀、若葉、珠子で形成されたチーム破天荒

風を筆頭に、友奈、東郷、夏凜、樹で形成されたチーム勇者部

個性的なメンバーが偏っている以上

空気感が相容れないのは、もはや仕方がないことだ

園子「久しぶりに勢ぞろいだから、気分上々だよ〜」

銀「須美森とは離れてるけどな」

東郷「銀、せめて須美か美森かどっちかにして」

天乃「はいはい、みんなーそろそろ――暴れるわよ」
77 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/16(月) 23:34:44.40 ID:OLk/gCv9o

パンパンっと、天乃が手を叩くと

無駄話が止んで、全員の目が向く

天乃「耳が聞こえないから、意見は却下するけど」

夏凜「おい」

天乃「世界のためとか平和のためとか、だいそれた事考えなくていいから」

風「……………」

天乃「今隣にいる人、前にいる人、後ろにいる人」

樹「………」

天乃「周りにいる人としたいこと、やりたいこと、そんなことを考えて、邪魔者を蹴飛ばすつもりで行きましょ」

世界のため、平和のため

誰かの為、なにかのため

そんな難しい考え方なんて必要ない

緊張するだけ、怖くなるだけ不安になるだけの心構えなんて必要ない

天乃「自分の欲望に素直になっちゃいなさい。この戦いに必要なのはそれだけよ」

園子「欲望かぁ……」

天乃「それじゃぁ……行きましょうか」

そう言って差し出した天乃の手の上に次々と、手は重なっていく


そして


「「「「「ふぁいとーっ、おーっ!!」」」」」


戦いの火蓋が、切って落とされた
78 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/16(月) 23:38:32.94 ID:OLk/gCv9o

では、本日はここまでとなります
できれば今週中には
明日は可能なら、通常時間



若葉「どうだ。やはり【おや】だろう?」

園子「柔らかい【ひな】かな〜」

若葉「なん……だと……?」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 23:52:03.27 ID:H+V+2aMpo
おつです
ついにはじまるのか
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/17(火) 04:20:48.89 ID:48fvzbMYo
乙
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/17(火) 19:03:11.12 ID:5Ykx2gcB0
乙
珠子「園子のサポートはタマに任せタマえ!」モグモグ
園子「よろしく〜♪」モグモグ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/17(火) 19:11:00.25 ID:locwpdQNo
このスレ、この週だからこその絡みだな
その夢の共演ももう終わりか…
83 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 22:00:01.23 ID:2wlBp5bro

では、初めて行きます
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/17(火) 22:04:36.14 ID:ywrF8/QFO
よしきた
85 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 22:13:40.81 ID:2wlBp5bro

天乃「園子、球子。バックアップは任せるわ」

園子「りょ〜かーい」

球子「任せタマえ!」

天乃「銀、若葉。園子の守備範囲内でうまく散開して。必ず、一人にはならないように」

若葉「了解した」

銀「で? 天乃はどうするんだ?」

各員に指示を出す天乃を見つめ、銀は問う

ふざけていたのが何かを隠しているとは思っていないし

あそこに無理があったとも思っていない

けれど……聞かなければいけないと思った

天乃「私は全体のカバーに入るわ」

銀「天――」

天乃「言っておくけど、死ぬつもりはないわよ。まだ、樹の声すら……聞けてないしね」

その笑みは

その声は

銀を黙らせるには、十分なほど真実に満ちていた

銀「可愛い声してる。と、思う。園子的癒し効果があるぞ」

天乃「ふふっ、それは期待に胸が膨らむわね」

球子「膨らむなーっ!」

若葉「そろそろ無駄話はやめろっ! 来るぞ!」

若葉がそう叫んだのと同時に、空を無数の矢が覆い隠した
86 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 22:33:01.76 ID:2wlBp5bro

園子「……わぁ」

球子「そ、園子?」

園子「久しぶりだねぇ」

あの時は、気づいたときにはもう遅かった

ギリギリで防いで

ボロボロになって

大切なものを奪われた、最初の……一撃

園子「待ちわびたよ〜」

園子はそのトラウマを思い返し

されど震えず、恐れず、にこやかな笑みを浮かべ、手を挙げる

その瞬間、降り注ぐ矢の雨は一閃に巻き込まれ掻き消えた

園子「この時を……ね」

球子「た、タマの出番……なさそうだな」

そう言うのも無理はない

というのも

園子は精霊を21体有しているが、

天乃のように身体機能を完全に補って五体満足にしてくれるような力のある精霊はいない

なら、どうするか。どうなるか

それは必然的に――園子の武装強化へと回される

ゆえに

ニッコリと笑みを浮かべた園子の周囲には

数十もの槍の穂先が浮遊しており、その全てを園子が一括管理している

それはもはや、中距離戦闘要員ではなく

近―遠の隔たりのない

ある種の固定砲台だと、言えるかも知れない
87 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 22:47:01.89 ID:2wlBp5bro

園子「あの時の悲劇はもう、繰り返さない」

銀「…………」

園子「大丈夫、だからね? ミノさん。安心して?」

銀「園子こそ、安心してくれ。アタシは二度と。園子を置いていったりなんかしないからな」

園子「……うん」

二人は言葉を交わし、互をその瞳に捉える

けれどそれはほんの数秒間で

銀は背を向けて――駆け出す

銀「今度も守る……守らなくちゃ、いけないッ!」

叫び、

樹海の根を掻き分け、一直線にバーテックスへと向かう

左右で轟く爆音と勇者の叫び

空に舞い上がる黒煙

降り注ぐ矢とそれをかき消す園子の槍

さっきまでの明るい賑やかさとは一転した空気を肌に感じる銀は

ピリっとした嫌な気配に気づき、勢いそのままに身を翻す

刹那

ズドンッ! っと、蠍座の尾先が目の前を叩き潰した
88 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 23:00:57.56 ID:2wlBp5bro

銀「ッ!」

衝撃に体が揺れ、足が止まると

背後の木をへし折り、牡羊座が銀の――

若葉「はぁぁッ!」

目の前に叩き落とされ、沈黙する

銀「若葉っ」

若葉「先行しすぎだ。主様の指示を忘れたか?」

銀「いや、一応園子の守備範囲内だと思ったんだけどな……」

若葉「分かってるならいいが、銀。私達は一人じゃない。それを忘れるな」

銀「……わかってる」

刀と斧

武器の異なる二人は共に顔を見合わせ、頷く

封印の施されていない牡羊座、蠍座はまだ健在で

そして、若葉が付けた牡羊座の傷は――

銀「?」

若葉「どういうことだ?」

――傷は、塞がらなかった
89 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 23:11:52.59 ID:2wlBp5bro

樹「御霊がっ!」

東郷「………………」

御霊はバーテックスの体内にあるのだから

封印しなくてもそれが目視できるようになることに関しては

疑問はない

しかし問題は、バーテックスが再生していないという点だった

バーテックスの再生阻害の力を持っているのは天乃だけ

つまり、それ以外の勇者は封印を施さなければ行けず

そのまま倒すことは出来ないはずだった

でも、

風「たぁぁぁっ!」

友奈「っ!」

風の一撃、友奈の一撃

東郷の銃弾、夏凜の一撃、樹の一撃

どの攻撃を受けても、

バーテックスは体を再生させることはなくて

このままでも倒すことはできるのだと……勇者達の心に、僅かな安心

針穴ほどの余裕が、生まれた
90 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/17(火) 23:16:58.03 ID:2wlBp5bro

では、此処までとさせて頂きます
あすもできれば通常時間より



球子「見タマえ! ミタマがタマのおかげで出てきたぞ! やはり、あとはタマに任せタマえ。諸君!」

若葉「その言葉、もう少しなんとかならないのか?」

園子「気になるなら、ワカ。を、付ければいいんじゃないかな〜」

若葉「付けるかッ!」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/17(火) 23:23:02.48 ID:ywrF8/QFO
乙
これはチャンス到来か、それとも不吉の前触れか…さてどうなる
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/17(火) 23:23:52.21 ID:48fvzbMYo
乙
93 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 22:07:18.72 ID:emq6BQpdo

では、再開していきます
94 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 22:17:39.62 ID:emq6BQpdo

バーテックスの驚異は複数あるが、

その中でも厄介なのが回復力だ

圧倒的な巨体と火力を持っていても、

削り通すことができれば倒すことが出来る

終わりがあるという安心感がある

その安堵を打ち消し、絶望へと叩き落としてきたからだ

それが、今

失われている

ゆえに

友奈「行ける、やれるよっ!」

風「封印しなくていいって言うなら、話は早いッ!」

夏凜「全力でたたきつぶすッ!」

勇者たちの活気に満ちた声が上がる。雄叫びが上がる

流れは、勇者たちの味方をして

少女たちはみな、その勢いに乗って行く
95 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 22:29:04.54 ID:emq6BQpdo

そんな友奈達を後方支援する園子は

総毛立たせる悪寒を感じ、身震いする

園子「……嫌な予感がする」

球子「なに、言ってるんだ?」

園子「わからないけど、なんだか……」

なんだか、嫌な予感がするんだ

心の中で繰り返すのと同時に

生唾を飲み込んでいることに気づき、園子と

その隣にいた球子は目を見開いて、顔を見合わせる

球子「回復力はタマ達にとって、最悪のハンデだった」

園子「それを失ったということは、限界が近いということかもしれない」

本当の本当に、総力戦なのかもしれない

けれど、

もしも

そうではないのだとしたら……
96 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 22:35:59.86 ID:emq6BQpdo

流れをつかみ、勢いに乗れば乗るほど

園子は不安になっていく

友奈、夏凜、風、樹、

銀、若葉、天乃

みんなが獅子奮迅の動きを見せ、

ことが有利に進んでいる中で、園子は……思う

ならば、バーテックスにとってもっとも驚異なのは何か。と

それは……

園子「天さん……? 天さん?」

球子「ん?」

園子「天さんだ……バーテックスにとって厄介なのは天さんとその力」

回復に対し機能不全を起こさせる最強の力

もし、それに対抗するのを諦めたとしたら

そんなものは、あるだけ無駄だと考え、回復力を自ら捨てたのだとしたら……

園子「それがもしも……捨て駒として利用されてすらいるのだとしたら」

そこまで考え、

園子はバーテックスの狙いに気づき、声を張り上げる

園子「油断しないで―――っ!」

けれど、それは――遅すぎた
97 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 22:47:03.52 ID:emq6BQpdo

友奈「たぁぁっ!」

力強く握った拳で、牡牛座の頭を穿つ

砕け、飛び散る欠片

その奇怪な美しさの雨の外

迫る蠍座の尾に気づき、友奈は打ち返すために身構える

今まではその回復力ゆえに

物理攻撃に関しては回避以外の余地がなかった

防御してもダメージが通るし

打ち壊しても回復されて意味がなくなるからだ

でも、その部位欠損によって力を削ぐことができるのなら

真っ向から打ち合うことにも意味はあると、考えた

だから友奈は

友奈「一つでも、多く!」

蠍座の尾を打ち返し

――カッ!

友奈「えっ?」

ズドンッ! という爆音とともに、吹き飛んだ
98 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 22:59:48.39 ID:emq6BQpdo

若葉「なっ」

流れを叩き割る、炸裂音

天高く舞い上がった砂塵の中から飛び出す

桃色の矮躯

勢いに乗りつつあった勇者のそれを止めるには十分で

心にできた隙間

余裕、その小さな隙をこじ開けるには……十分だった

風「友――」

樹「お姉ちゃんよそ見しちゃダメッ!」

風「!」

ぴたりと足の止まった風の足元の地面がひび割れ、うお座が飛び出し

風「うわぁぁっ!」

ぐるりと回転した天秤座の一撃が風を打ち飛ばす

若葉「くっ」

一人一人

東郷「優位性を犠牲にしての賭けなん――っ!?」

ズドォォォンッ

一つ一つ

銀「っ!」

削り取っていく

殺せなくても

完全には倒せなくても

最強最悪の厄介者との戦いに、邪魔が入らないようにと排除する
99 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 23:09:02.30 ID:emq6BQpdo

天乃「人気者は辛いわね」

九尾「のんきなことを言うとる場合ではないぞ」

天乃「……うん」

もちろん、天乃の周囲から邪魔者を一掃するだけが目的ではない

天乃の目の先、バーテックスの進行方向から

瞬きする瞬間にも、樹海が侵食されていく

一つ、久遠天乃の排除

二つ、神樹以前。樹海の侵食による結界解除

その二つのために、バーテックスは自らを囮として

犠牲として、突き進んできていたのだ

よく見ると、

バーテックスの巨躯に隠れた星屑とは別種の丸い球体が

樹海を……食べ進んできていた

天乃「稲荷」

稲狐「……………」

天乃「ご主人様に、奉納を」

だから天乃は、稲荷の使いではなく

稲荷そのものを、呼び起こす
100 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 23:18:49.76 ID:emq6BQpdo

神樹や樹海

この結界を守ることに特化した、神

二度目に現れたその姿は

九尾と同じく衣に身を包んだ女性らしい容姿で

狐のお面をかぶっていた

天乃「貴女なら、あの程度の侵食に打ち勝てるでしょう?」

稲神「…………」

稲荷は何も言わず、ただ頷くと

じっと天乃を見つめて首を振る

九尾や死神のように言葉を持つことができなかった神の身を案じている空気に

天乃は苦笑を返して、息をつく

天乃「今ここでやらなくて。誰がこの世界を守るのよ」

稲神「……………」

天乃「私たちしか守れないのなら。私達が守るしかない。穢れは全て私が貰ってあげるから。全力で――舞いなさい」

主の自信に満ち満ちた言葉

拒否も拒絶もできるわけはなく

稲神はこくりと頷いて……世界のために舞い始めた
101 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/18(水) 23:21:18.42 ID:emq6BQpdo

では、此処までとさせて頂きます
頑張れば戦闘は明日で終わるかもしれません

だいぶ省略もしているので……
おそらくですが、終わりまで安価はないかもしれません
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/18(水) 23:23:10.41 ID:Z+HTOl8+o
乙
まあこの段階にきて安価もらってもフレーバー的なやつ以外悩むしありがたい
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/18(水) 23:26:20.67 ID:336XY7AiO
乙
久遠さん、ホントどうか死なないでくれよ…
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/18(水) 23:54:43.90 ID:is6fWh+6o
おつ
天乃大丈夫だろうか…
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 18:07:23.75 ID:Zm023VYm0
乙
とあるバイクアニメで「負けてたまるかぁー!!」のセリフ聞いたときこのスレの勇者の現在の状況思い出した
皆頑張れ!
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 18:41:26.57 ID:Fp0cZ/MYo
久遠さんが生きて帰るって言ってんだ!
俺たちが信じなくて誰が信じるんだ!

とかいうヒロイン的達位置
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 18:42:20.67 ID:Fp0cZ/MYo
たつ位置ぃ
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 20:48:38.96 ID:A9Cr3vYUo
勢いで笑った
109 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 22:17:49.67 ID:w3sm25Fvo

では、初めて行きます
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/19(木) 22:20:52.26 ID:IsZ36DHzO
あいあいさ
111 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 22:28:35.40 ID:w3sm25Fvo

稲荷神が舞い始めてすぐ

樹海全体がパッっと明るさを増して、光り輝くと

侵食された部分

食い抜かれた部分

その全てが包み込まれ、修復されていき

その分だけ、天乃の体は汚染されていく

天乃「んっ」

急激かつ、大量に流れ込んでくる不快なものに

天乃は思わず呻いて、足を止める

体の底からじわっと広がっていく不快感

今までは一瞬だった

気づかないうちに穢れていた

それが、今は

じわじわと自分の体が穢れていっているのを感じさせられている

天乃はその初めての感覚に、体の冷たさを感じた
112 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 22:51:24.91 ID:w3sm25Fvo

天乃「ねぇ、九尾」

九尾「なんじゃ」

天乃「……死ぬのって、こういう感覚なのかな」

九尾「………………」

立ち尽くし

自分の震える手を見つめる主を見つめ、九尾は小さく息をつく

死ねない自分には、死ぬという感覚はわからない

どれだけの命を殺めようとも

死ぬという感覚だけは得ることができないからだ

しかし、今は

九尾「集中すべきことが、あるじゃろう。主様」

天乃「……そうね」

食い破ることに特化したバーテックスによって食い破られた結界の穴から

星屑が大挙して押し寄せてきている

通常のバーテックスに加え、星屑

その大群相手にはもはや、多勢に無勢

質と量で線よくて気に大幅に劣ることとなった勇者に、余裕はなかった
113 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 22:54:31.17 ID:w3sm25Fvo
>>112ミス


天乃「ねぇ、九尾」

九尾「なんじゃ」

天乃「……死ぬのって、こういう感覚なのかな」

体の芯から冷めていく感覚

力がスーっと抜け落ちて

膝から崩れ落ちてしまいそうな、感覚

九尾「………………」

立ち尽くし

自分の震える手を見つめる主を見つめ、九尾は小さく息をつく

死ねない自分には、死ぬという感覚はわからない

どれだけの命を殺めようとも

死ぬという感覚だけは得ることができないからだ

しかし、今は

九尾「集中すべきことが、あるじゃろう。主様」

天乃「……そうね」

食い破ることに特化したバーテックスによって食い破られた結界の穴から

星屑が大挙して押し寄せてきている

通常のバーテックスに加え、星屑

その大群相手にはもはや、多勢に無勢

質と量で戦力的に大幅に劣ることとなった勇者に、余裕はなかった
114 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 23:05:24.97 ID:w3sm25Fvo

銀「なんなんだ一体!」

波のように押し寄せる星屑を切り払いながら、

銀はいらだち混じりに声を荒らげた

バーテックスの中で最速を誇る双子座は

力がない分、その速度のみが武器といっても良くて

それを封じることができれば

ただの動く案山子でしかないにも関わらず

銀「くっ、邪魔だッ!」

星屑や他のバーテックスと移動速度を合わせ

単独での先行を絶対にしないように調節していた

そのせいで、双子座のバーテックスを狙い撃つことができず、

切り裂こうとすれば星屑に阻まれ

動きが止まった瞬間、他のバーテックスによる重い一撃が体を打つ

銀「はぁっ……はぁっ……っ」

出ることのない血と汗を拭くように額を拭い、

銀は迫り来る軍勢を睨む

銀「このままじゃまずい……っ」
115 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 23:10:15.53 ID:w3sm25Fvo

頑張りに頑張っても

通常の状態では手数に限界がある

さらに、

星屑を一撃で屠ることができるとしても

バーテックスはそんなにやわではない

バーテックスの相手をする分だけ星屑は横から抜けていき、

星屑を相手にした分だけ

バーテックスは傷を負うことなく、万全の状態

そして、容易に攻撃を仕掛けることができる

銀「園子!」

叫んでも、返事はない

だからと言って振り返る余裕もない

振り返った瞬間

致命的な一撃を貰いでもしたら

一時的にでも離脱しなければならなくなる

そうなるわけにはいかないからだ

銀「周りの状況がどうなってんのか……星屑が邪魔すぎるッ!」
116 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 23:17:13.09 ID:w3sm25Fvo

知りたくても知ることができない周りの状況

そして、

時々轟く爆発音や、重く揺れる樹海の木々が

銀の不安を煽っていく

銀「少なくとも、すぐ近くに若葉がいるのはわかるけど……」

合流は出来そうにない。と

強く唇を噛み、

銀は力強くバックステップを踏み

着地の瞬間、地を蹴り弾丸のような速度で水瓶座のバーテックスを突き飛ばし――一回転

水瓶座の体を切り裂くと

銀「どけぇッ!」

そのまま投擲し、周囲の星屑を刻む

が

片手の武器が消えた隙間を縫って

銀「っぐ――」

双子座が銀の体に突っ込み、

銀「っあ゛!」

樹海の木へとぶつかって、押しつぶした
117 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/19(木) 23:21:57.98 ID:w3sm25Fvo
では、此処までとさせて頂きます
普通に終わりません、失礼しました
あすもできれば通常時間から



↓現在の戦況(マップ)↓
http://i.imgur.com/DsQRotD.png


118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/19(木) 23:27:53.28 ID:A9Cr3vYUo
乙
ヒエッ〜wwwwwwwwwwww
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 04:36:44.45 ID:UzcJMhYrO
おつ
これは数がすさまじい…
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 11:10:54.54 ID:2A9P/U9/0
ゲームだったら攻略wiki見るレベル
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 13:53:50.60 ID:hxWub2Nso
イデオンガンかPDMもってこい!
122 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 22:14:34.37 ID:/gqzZLSRo

では、初めて行きます
123 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 22:16:59.64 ID:/gqzZLSRo

園子「数が多すぎて捌ききれない……」

この苦しい戦況は

園子にでさえ、余裕を与えることはなかった

いつもの間の抜けた声ではなく

不安のある声で、園子は言う

園子「天さんが大きいの二つに射手座を相手してくれてなかったら……全滅。してるかも」

広範囲攻撃を可能としている射手座

他のバーテックスを凌ぐ巨体と力を持つ獅子座

その獅子座ですらも凌駕する獅子座の進化系

それに加えて無数の星屑を相手にしてくれている天乃の存在

それが、

バーテックスにとっても、園子達にとっても一番大きなものだった

124 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 22:25:09.61 ID:/gqzZLSRo

久遠天乃を討ち取ることができれば

バーテックス側の勝利は確定したと言っても過言ではないし

久遠天乃さえ討ち取られることがなければ

樹海やこの世界は少なくとも守り通してもらえるからだ

園子「……やっぱり、天さんは要だね〜」

園子も決して弱くない

それは、

勇者チームの最終防衛ラインとしての役目を

ギリギリとは言えしっかりと守れていることからも伺い知ることができる

星屑の数には遥かに劣る遠隔式の槍

それでもなお、

各星屑の進行速度などから防衛ライン最接近を推測したりすることで

水際での完全撃退を行うそれはそうそう真似できることではない
125 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 22:30:34.33 ID:/gqzZLSRo

園子「でも、いずれ押し切られる……」

いくら園子でも

樹海全域をカバーできるほどの力は持ち合わせていない

だからこそ、

天乃のチーム、勇者部チームで

右と左に分かれている

もちろん、信頼していないわけではないが

それでも、厳しいと、園子は思い、首を振る

園子「私が気落ちしてたら――ダメだよねっ!」

穂先一つで星屑数匹を刺し貫き、消し去って

園子はなお迫る大群を眺める

園子「時間は稼ぐよ〜」

満開をしていいと言われるまで

その時間まで、園子は絶対に保ってみせると、足に力を込め

槍を振るった
126 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 22:44:09.71 ID:/gqzZLSRo

樹「久遠さん……」

星屑や

樹海の木々のせいで、天乃の姿は見えない

それでも

その方角に天乃を感じ、樹が目を向けると

樹海に阻まれようと

星屑に阻まれようと

絶対に視界に入ってくる規格外の巨体

その体の一部が切り崩されていくのが、見えた

樹「久遠さんっ」

見えなくても、聞こえなくても

久遠さんの一つ一つの行動が、勇気をくれる。力をくれる

樹「あんなに大きいバーテックス二体を相手にして。それでも、負けずに立ちふさがって……」

恋人がそんな頑張っているのに

自分は無数の雑兵ごときで手間取っていていいのかと、考え

樹「良いわけないッ!」

樹は叫ぶ
127 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 22:55:44.17 ID:/gqzZLSRo

樹「っ!」

右手から伸ばした光り輝く鶴で周囲の星屑を一掃し、

何層にも組み上げた光の罠を設置して、まるごと握りつぶす

樹「!」

それでも、油断はできない

倒した瞬間

どこからともなく星屑が湧き出てきたのだ

締め潰す?

防御?

それじゃ遅いっ!

瞬時に判断した樹が慌てて身を翻すと、星屑は通過して、

ドゴンッっと、

乙女座の爆弾が直撃して弾け飛ぶ

樹「っ……」

もしも回避できなかったら

そう思うと、樹は恐怖に手が震えて……唇を噛み締めた
128 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 23:07:31.25 ID:/gqzZLSRo

九尾「主様」

天乃「なによっ!」

怒鳴るように言い、跳躍した瞬間

さっきまでいた足場が弾けとんだ天乃は

次の足場に着地した瞬間、蹴り出して

目の前の星屑を切り伏せ、

隣の星屑を蹴り飛ばして後ろに飛び

もう一度勢いよく駆け抜け、獅子座のバーテックスの体の一部を切り崩す

天乃「はぁっはぁ……もうっ、用事があるなら手短にね」

いくら天乃であろうと、勇者であろうと

体力の限界というものがある」

たとえかすっただけでも、重傷足り得る天乃は

常に全力でいなければならず

相手のレベルも高いがために、もうすでに息が上がり始めていた

そんな中、九尾は言う

九尾「そろそろ満開をする。準備せい、我が愛しの主様」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 23:08:50.62 ID:MnWlUpRvo
ついに九尾の策が
っていうかこれ戦力さきつ過ぎてリスクの有無以前にこの策とってなきゃ詰んでたな
130 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2016/05/20(金) 23:10:01.04 ID:/gqzZLSRo

では、ここまでとさせて頂きます
あすもできれば通常時間から


満開、無双……そして……
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/05/20(金) 23:15:13.55 ID:zurs3h1KO
乙
樹ちゃん以外はこの満開の事は知らないんだよな…
状況が状況だし仕方ないとはいえみんながトラウマにならないといいけど…
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