所長「いらっしゃあい。自殺事務所へようこそ」

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1 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:16:15.96 ID:3fgq+U0U0
倫理的によろしくない表現が多いのでこちらに来ました。
エロ要素少なめの平凡な作品ですがよろしくお願いします。
また、自殺幇助のような記述がありますが、創作上の表現であり、自殺を推奨するつもりはございません。
2 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:21:29.60 ID:3fgq+U0U0
所長「いらっしゃーい、自殺事務所へようこそ」

ある春の日の午後、麗らかな太陽の光を事務所のガラス越しに受けながら、木製の立派な机と革張りの安楽椅子に腰掛けた男は、
胡散臭そうな笑顔を浮かべながら目の前の来客用ソファに腰掛けようとする青年に両手を広げながら歓迎の意を示した。

依頼人A「……こんにちは。あの、所長さん、ですよね?」

青年は少し不安そうな顔をしながら男を見る。

所長「そうそうそうですよー!僕が所長で、君がクライアント、つまりいらいにーん」

依頼人A「…………」

所長「……反応ないとつまんないなあ。で、何の用なんです?あ、ここ自殺事務所だから自殺したいのかあ!アハハ!」
3 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:25:38.54 ID:3fgq+U0U0
所長「──で、どんな風に死にたいの?」

所長は机の引き出しからカードを取り出すと軽くシャッフルし、Aの見えるように手の中で広げた。

所長「首吊り飛び降り薬漬け電車に突っ込むなあんでもあるよぉ?」

所長の口がキュッと上がる。

依頼人A「……睡眠薬で、死にたいです」

Aはしばらくそのカードと所長を交互に見ていたが、自身の膝の上に乗せられた拳に力を入れると、絞り出すように答えた。

所長「睡眠薬!ありきたりだねえ。僕としては、雪山に言ってウォッカでもスピリッツでもイッキしてから眠ったほうが、楽に死ねると思うけど?」

依頼人A「それでも、睡眠薬が良いんです」

所長「睡眠薬で死ぬってめっちゃきついんだよお?最近は死ねないようになってるし。致死量に至るまでどんだけの薬飲むのと持ってんの。Mなの?Mなの?」
4 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:33:07.02 ID:3fgq+U0U0
依頼人A「…………」

所長「……ごめんね、気を悪くした?」

依頼人A「俺Mじゃないです」

所長「あ、ウン。」

そうなの。所長は少し驚いたように反応する。

依頼人A「でも、睡眠薬で死にたいんです。どうしても──」

依頼人A「──どうしても」

Aはそういうと少し言葉を開けて、強調するように言葉を再度繰り返した。

所長「理由は?」

依頼人A「……は?」

Aは頓狂な声を上げる。

所長「だから、そんなに睡眠薬にこだわる理由さ」

「固執するってことは、よっぽどの事情があるんでしょ?」所長はカードを机の上に放ると、机に肘を立てて手を組んだ。

依頼人A「…………好きな」

所長「んー?」

依頼人A「好きなアイドルの女の子が、睡眠薬で自殺を図ったので」

所長「『僕もその好きなアイドルと同じ手口で死のうと思ったんですー』ってこと?」

Aは頷く。

所長「はあー、凄いねえ」

5 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:35:50.45 ID:3fgq+U0U0
所長「死ぬ理由もあれでしょ?そのアイドルが死んだから後追いってわけか」

依頼人A「悪いですか」

所長「悪かないよ?ただ、マニアはスゴイなあって思ってさ」

依頼人A「…………」

所長「そーんなこわいめをしないでよぉー」

大げさに怯えるそぶりを見せると、所長は安楽椅子に身を預け、天井を仰いだ。

所長「んーそうだねえ、睡眠薬で死ぬ方法ねえ」
6 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:36:42.79 ID:3fgq+U0U0
所長「ちょーっとまってねえ。あー……」

依頼人A「待てません。俺は一刻も早く死にたいんです。アイドルちゃんが待ってる」

所長「そんなに急かさないのー。急かしすぎると早漏だって笑われるヨォ?」

依頼人A「…………」

所長「だから怖いって」

依頼人A「僕は早漏じゃないです」

所長「あ、わざわざ回答ありがとね、ウン」
7 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:39:49.45 ID:3fgq+U0U0
所長は暫くウンウンと唸っていたが、天井を向いていた顔を元に戻すと、Aに向き合った。

所長「んーやっぱりさあ、睡眠薬はお勧めしたくないんだよなあ」

依頼人A「どうしてですか」

Aが所長の発言に気色ばむ。

所長「あーたどんだけ飲むと思ってんの。3ケタ越すのよ?
しかもただ睡眠薬を飲むだけじゃなくて、大量に睡眠薬を服用して寝たとしても、寝ているうちに吐いている場合があるから吐き止めの薬も飲まないといけないし……。
そもそもね、最低8時間以上は時間がないとこれ出来ないのよ。
手間が多いくせに死ぬ確率も低い、さらに死ねなかった時のことを考えると、めんどくさいことこの上ないね」
8 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:41:09.69 ID:3fgq+U0U0
所長「それでもいいの?」

「はい」 Aは力強く頷いた。

所長「強いねえ。僕なら死ぬの止めてるわ」

依頼人A「俺のアイドルちゃんに対する愛は、これぐらいでは揺らぎませんから」

所長「うわーすごい」
9 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:47:07.11 ID:3fgq+U0U0
所長は立ち上がると、事務所の壁に沿うように備え付けられた本棚に向かい、一冊の本を取り出し開いた。

所長「えっと……筆記用具なんかある?」

依頼人A「あ、はい」

Aはバックパックの中から、男性であるAには似つかわしくない淡いピンクや紫で彩られたアイドルの写真が貼り付けられたメモ帳と、黒のシャープペンシルを取り出すと、メモを取る体制を整える。

依頼人A「準備、できました!」

所長「どーも。そ、う、ねぇ……。オーソドックスなのはジフェンヒドラミン塩酸系のお薬かなあ。睡眠導入剤とか風邪薬に入っているから、薬局で成分を探してね」

依頼人A「ありがとうございます」

所長「致死量は確か……1キロあたり40mgだから、それかける自分の体重分飲むんだよ。吐き気止めも忘れずに。ああ、効果を上げたいならアルコール呑むこと」

依頼人A「アルコールですね、帰りにビール買います!」

所長「元気になったねぇ」

依頼人A「アイドルちゃんに会えると思えると嬉しくて!」

所長「……そう」
10 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:49:05.88 ID:3fgq+U0U0
所長「だけどこれさーあ、致死量以上のんでも死ねない場合もあるのよねえ。死ねなかったら、きっつーい胃洗浄と、一生人工透析のお世話になっちゃうけどそれでもいーの?」

依頼人A「別にどうってことはないです。要は、ちゃんと死ねばいいんでしょう?」

所長「そうだけどっさあ……まあいいや。来世良い人生を」

依頼人A「アイドルちゃんと幸せになります!待っててアイドルちゃん!」

所長「あーそういやお金払っ……!……行っちゃったよ」
11 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:52:15.87 ID:3fgq+U0U0
秘書「所長、あの人お金払ってませんが」

フロアーを衝立で仕切った奥のスペースから、長い髪をポニーテールに結った女が出てきた。手にはバインダーを持っている。

所長「やっけに興奮してたからねえー。ちょいちょいこんな人いるから僕困っちゃう。このままじゃ生活できないっ!」

秘書「私の給料も2ヶ月分溜まってます」

秘書はバインダーを開くと所長に手渡す。所長はそれを受け取りじっと見ると、苦笑いしながらそっと閉じた。

所長「…………前払い式にしよっか」
12 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:54:22.95 ID:3fgq+U0U0
秘書「……あの人、死ねるんですかね」

所長「そうだなあ、僕の見立てなら確実に死ぬね。アイドルの後追いする自分に酔っているようだったし。……死んでアイドルと一緒になれるわけないのにねえ。ああ怖い怖い」

秘書「全然怖がっているように見えませんけど」

所長「アハ、ばれた?」

秘書「笑顔を作りながら怖がるって気持ち悪いです」

所長「全く秘書ちゃんは強い人だよ」
13 : ◆0B.2KBz0Ik [sage]:2016/05/15(日) 21:55:18.06 ID:3fgq+U0U0
×強い
○怖い
14 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/05/15(日) 21:55:54.36 ID:3fgq+U0U0
所長「秘書ちゃん、この後は誰が来る?」

秘書「今日は……もう無いですね」

所長「あっ、そーなの!ならもう閉めちゃおう!僕なんかめんどくさくなっちゃった!秘書ちゃんとデートしたい気分!」

秘書「お先失礼します」

所長「つれないなあ」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/15(日) 22:46:26.86 ID:otQIsGcpo
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/16(月) 00:05:21.24 ID:idMXvsAco
ふむ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/20(金) 11:02:07.51 ID:d9yYTWBCO
おつ
18 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:09:55.32 ID:iJkJAvcg0
依頼人B「さぁあああよぉおおおおおうなるぅらぁああああああああ!!!」

グシャ!

秘書「……どうされるんです?」

所長「どーするってねー、勝手に出て行って飛び降りしちゃったんだもの、僕ァ知らないよ?……あー凄いわこれ、秘書ちゃん見るー?」

秘書「結構です」

所長「凄いのにー。手なんかこう、グニャんって……」

秘書「結構です!!」

所長「冗談だよぉ……んもう、怖いなあ」

秘書「次の方がお待ちですよ」

所長「はーい。お次の方ー」
19 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:10:23.04 ID:iJkJAvcg0
依頼人C「こんにちは」

所長「はーいこんにちは」

依頼人C「死にたいです」

所長「おう、言うの早いね」

依頼人C「首吊りで死にたいです」

所長「躊躇しないねえ、なんかかっこいいよ、君。うん」
20 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:11:07.73 ID:iJkJAvcg0
所長「でもさあー、汚いよ?」

依頼人C「知ってます」

所長「知ってんのに首吊り希望なの?え?何?特殊性癖?」

依頼人C「至ってノーマルです」

所長「あっ、そーなの」

21 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:12:04.16 ID:iJkJAvcg0
依頼人C「首吊りって楽じゃないですか。人に迷惑をかけないし、手軽。死刑の方法に適応される程確実だし、何よりお金がかからない」

所長「確かにねー。お金かからないし手軽に出来るから首吊りって便利だ。でもさあ、確実に死ねるわけではないんだわ」

所長「君、完全自殺マニュアルとか読んだクチじゃない?」

依頼人C「ええ、そうですが」

所長「じゃあ、嘔吐反射とかについては知らんのねぇ」

依頼人C「嘔吐反射?」
22 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:15:22.30 ID:iJkJAvcg0
所長「そー。嘔吐反射。ほら、歯磨きしてたら喉の奥に突っ込んじゃってオヴェ!ってなるでしょ?あれが嘔吐反射」

依頼人C「はあ」

所長「首吊りって気道をさ、こう……圧迫するでしょ?それで苦しくなって、反射的に吐きそうになるんだよねえ。あとさ、頭すっごく痛くなるし、下手すると後遺症残っちゃうのよ」

依頼人C「…………」

所長「あとね、死刑に絞首刑が採用されてるけど、あれ、死刑囚の首を縄にかけた後に、思いっきり高いところから落として首の骨バキッて折っちゃってるの。
フツーの首吊りじゃあ、よっぽど体重重くないと首バキなんてできないよ?見た感じ君軽そうだし」

所長「それでも死にたい?」

依頼人C「…………」

所長「怖くなった?ハハハハ、怖くなって当たり前だよ。君が想像していたより首吊り自殺は怖いし痛いし汚いからね。痛くないなんて、苦しまないなんて幻想でしかない」
23 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:16:41.03 ID:iJkJAvcg0
所長「どういう経緯で死を選んだのかわかんないけどさ」

所長「今迷っているならやらないほうが良いと思うよ?僕ならやらない」

依頼人C「……はい」

所長「まーあ?僕にゃ君を止める権利も無ければ義務もないからあ、君が死のうが生きようが知ったこっちゃないけどさ」

所長「あ、そうだちゃんとお金は払ってよ?最近興奮してすぐ死ぬ人のせいでお金払う人すっくないのよ。
まあ、近いうちに前払い式にするからその心配もなくなると思うけどね」

依頼人C「はあ」

所長「秘書ちゃーん、お金ー」
24 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:17:40.86 ID:iJkJAvcg0
……………
…………
………

所長「秘書ちゃん、彼は自殺すると思う?どう思う?」

秘書「自殺しないと思います」

所長「理由は?」

秘書「所長が首吊りの話をした時、黙っていたから」

所長「なるほどねえ。僕は死ぬと思うな」
25 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:21:47.13 ID:iJkJAvcg0
秘書「え?」

所長「だって、考えてもごらんよ。こんなところに来る奴って、自殺する気満々な人ばっかりなのよ?そんな奴にちょっとデメリットの話をしたところで、その気持ちが揺らぐはずがないじゃない」

所長「揺らぐんだったら、それだけの気持ちだったってこと」

秘書「…………」

所長「だから彼は死ぬ。だって、彼にはそれしか考えられないんだから」

秘書「そういうものなんですかね」

所長「そういうもんさ」
26 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:24:36.72 ID:iJkJAvcg0
所長「そうだ秘書ちゃん」

秘書「どうしたんですか所長。遂にお給金を払えますか」

所長「あっうんごめんそれはちょっと待って」

秘書「ちょっとを待ち続けて2ヶ月経ちました」

所長「なんて言っていいのかわからないけどほんとごめんなさい」
27 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:25:41.97 ID:iJkJAvcg0

秘書「で、なんですか?」

所長「暇な今の内にさ、前払い用の紙作ろうよ」

秘書「分かりました」

所長「ええーっと………30分200円ってどう?」

秘書「カラオケと同レベルの金額ですね」

所長「安いかな?」

秘書「安すぎます。ここの事務所の家賃に光熱費、それに私のお給金のこと考えてますか?」

所長「……全然考えてなかった」

秘書「本当馬鹿ですか?所長ならもっとしっかりしてください」

所長「秘書ちゃんの馬鹿ですかって言い方好きだからもっと罵って欲しい……あ、そんな生ごみを見るような目で見ないで。いや、もっと見て」

秘書「(辞めようかなここ)」
28 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:27:29.57 ID:iJkJAvcg0
所長「…………こんな感じ?1時間2500円」

秘書「まあ、安いけど許容範囲でしょう」

所長「いつもお金に関しては秘書ちゃんに丸投げだったからなあ……。いつも何円取ってるか知らなかったし」

秘書「これよりまだ多く取ってましたよ」

所長「あ、そうなの」

秘書「前は3000〜4000円貰ってましたね。死ぬ前の人って妙に羽振りが良くなるんで、たくさんもらえるんですよ」

所長「あ、うん……そっか」
29 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/03(金) 22:32:03.55 ID:iJkJAvcg0
前乙してくれた方ありがとうございます
今回は話のテンポを維持するために地の文を取っ払ってアップしましたが、どちらの方が読みやすかったでしょうか?
よければ教えて頂けますと幸いです

それでは今回はここまでで区切らせていただきます
おやすみなさい
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/03(金) 22:52:46.43 ID:Ig/ZRovKo

どちらでも宜しいかと
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/04(土) 01:31:59.50 ID:YVN0DTFDo

個人的には地の文ない方がSSって感じで好き
勝手なイメージだけども
32 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:23:15.46 ID:vdgdF2VA0
>>30
>>31
ありがとうございます
SSらしく会話文のみでいこうと思います
しかし力不足ゆえに地の文を入れることもあります
すみません
33 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:24:31.76 ID:vdgdF2VA0
所長「秘書ちゃーん、今日はどんな感じ?」

秘書「あと二人ほど、アポイントメントがあります」

所長「うへえー。全く最近の若者はすぅーぐ死のうとするよね!!アドバイスをする僕の身にもなって欲しいよ!もう!!」

秘書「自殺事務所を開いたのは所長なんだから、仕方ないでしょう」

所長「そーだっけどさあ」 ブー
34 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:25:49.21 ID:vdgdF2VA0
コンコン


依頼人D「すみません、予約していた依頼人Dですけど──」

所長「あっ、はい!いらっしゃいまし!ピチピチでそしてナウいイケメンこと!この僕が所長です!」 ガタッ

依頼人D「…………」

秘書「すみません、いつもあんな感じでして」

依頼人D「あ、そうなんですか」

秘書「馬鹿は放っておいて、とりあえずお座りください」

依頼人D「ありがとうございます」

所長「……あれ、僕置いてけぼり?」
35 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:26:21.62 ID:vdgdF2VA0
秘書「すみません、当事務所先払い方式を取っておりまして、1時間2500円になりますが宜しいですか?」

依頼人D「はい。……じゃあ2時間ほど」

秘書「わかりました。5000円になります」

所長「まいどありー!」
36 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:27:13.71 ID:vdgdF2VA0
所長「──で、どうしてうちの事務所に来られたんです?あ、待って当てますから!……自殺、したいんでしょ?」

依頼人D「まあ、そうですけど……」

所長「ほらー!!当たったー!」

(依頼人D、秘書チラ見)

秘書「……いつもあんな感じなんです」

依頼人D「はあ……」
37 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:28:11.95 ID:vdgdF2VA0
所長「死ぬ方法はどうしましょ!首吊り投身焼身薬物練炭硫化水素、フフフフフフフ、沢山ありますよぉ」

依頼人D「(なんかこのひとやばい)」

所長「今日の僕の勘は冴え渡ってますからね!当てて見せましょう、貴方がどうやって自殺したいかを……!練炭!」

依頼人D「違います」

所長「へ?」

依頼人D「違います」
38 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:29:11.08 ID:vdgdF2VA0
所長「──なるほど。そういうことなんですね、メルヘンさん」

依頼人D「依頼人Dです」

所長「お花に囲まれて死にたいなら自殺なんかせんでもいいでしょー。どうせ棺桶に入った時に花で埋め尽くされんだからさあ」

依頼人D「死んでから花に囲まれるのではなく、死ぬ時に花に囲まれたいんです。……最後に鼻に香るのは芳しい花の香り……美しいと思いません?」

所長「……君ポエマーになれると思うよ」 ハナホジ
39 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:31:19.94 ID:vdgdF2VA0
依頼人D「だから、花に囲まれて死ねる方法を教えてください」

所長「んなのあるわけないってー。毒のあるやつを食って死ぬならわかるけど、花の香りを嗅いだまま死にたいんでしょ?無理無理ー」

依頼人D「前ネットでユリを敷き詰めた部屋に寝れば死ねるってありましたけど」

所長「あれ?ガセガセ、単なる窒息になるだけだって。ユリって葉緑体持ってないのよ。葉緑体ないと二酸化炭素吸って酸素に出来ないでしょ?
葉緑体を持たない植物は酸素を吸って二酸化炭素を放出する。沢山の酸素を吸うほどの植物のある密室空間で眠ったら……」

所長「まあ、そーゆーこと」
40 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/04(土) 15:37:58.14 ID:vdgdF2VA0
所長「自殺にメルヘン求めても無意味ってことね」

依頼人D「そうですか……残念」

所長「美しく死にたいなら雪山で凍死しよう!もしくは水で潤っている土の中に生き埋めになるか」

依頼人D「もう少し調べてみます」

所長「その意気さ!いい自殺を!」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/11(土) 06:04:36.79 ID:Rfvvt4zhO
なかなか面白い
42 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:10:09.87 ID:QvSpFfqP0
依頼人E「先生」

所長「僕、医師免許は持ってないのよね。だから先生じゃないかなあ」

依頼人E「じゃあ所長さん」

所長「じゃあも何も最初からそう呼べば良いのにー」

依頼人E「死にたいです」

所長「うん知ってた」

43 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:11:08.69 ID:QvSpFfqP0
所長「どんな方法で死にたいの?」

依頼人E「夢のある方法が良いです」

所長「……腹上死?」

依頼人E「あの、私女ですけど」

所長「うん知ってた。セクハラしただけー」

依頼人E「…………」
44 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:12:03.94 ID:QvSpFfqP0
所長「夢のある方法ってねぇ、中々無いのよお?ってかない」

依頼人E「一つや二つ、あるんじゃ無いんですか?」

所長「無いわけじゃないけど……。そうだなあ、君のおっぱい触らせてくれたら──」

秘書「しょちょう?」 ジロリ

所長「──冗談」
45 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:13:04.75 ID:QvSpFfqP0
所長「今やるのが難しくなったって意味では、夢のある自殺方法あるよ?」

依頼人E「なんですか?」

所長「硫化水素自殺ぅ!」

依頼人E「硫化水素?」

所長「説明しよう!硫化水素とは硫黄と水素の化合物だ!!無色の気体で腐乱臭がするぞ!!!!」

依頼人E「は、はあ……」

所長「硫黄泉とか火山の噴火口で硫黄の匂いがするって言うけど、それは硫黄じゃ無いんだ!!硫黄は本来は無臭!故に!腐乱臭は硫黄ではなく硫化水素の匂いなんだ!!!わかったかい良い子ちゃん!」

依頼人E「あの、私こっちなんですけど……なんで明後日を向くんですか?」

所長「良い子に説明するため」

依頼人E「は?」

秘書「いつものことなんで無視してください」
46 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:14:38.70 ID:QvSpFfqP0
依頼人E「で、どうしてその硫化水素自殺が今は出来ないんですか?」

所長「んーできないってわけじゃ無いんだけど、材料が手に入りにくくなったのよね」

依頼人E「?」

所長「数年前に硫化水素の自殺がちょっと流行しちゃってねえ。その時に使われていたあるモノが今は販売停止なったのよ」

所長「本来の使い方をすればとっても良いやつなんだけどね。それ」

依頼人E「へえ」
47 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:16:59.81 ID:QvSpFfqP0
所長「そんなに苦しくないし、わりと手軽にできるし、遺体も綺麗なまま。夢のような自殺だね。今やるの難しいけど」

依頼人E「わあ、すごい」

所長「まあお目目キラキラ。食いつくねえ」

依頼人E「今は出来ないんですか?」

所長「できるけど……耳貸して耳」

依頼人E「………」

所長「……おっぱい触らないから」

依頼人E「わかりました」

所長「     」

依頼人E「ふん、ふん、はあ」

所長「──でまあ作れるよ」

依頼人E「なるほど、ありがとうございます。早速探して実践してみますね」

所長「いいえー。良い来世をー」 バイバイ
48 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:19:36.10 ID:QvSpFfqP0
秘書「──すごい自殺があるんですね。楽に死ねるなんて」

所長「まっさかーあ!楽な自殺なんて無いよ。楽に死ねるのは老衰ぐらいじゃない?」

秘書「え、じゃあ」

所長「さっきのはぜぇーんぶうっそー」

所長「遺体は綺麗に残らないし、かなり苦しいみたいで、"死の苦しみ"って比喩されているんだよね……って、死ぬんだから当たり前か!アハハハ」

秘書「」

所長「いやあ、近隣住民で死者が出ないのを祈るよ」

秘書「は?死者出るんですか?」

所長「場合によっちゃでるよー。だって毒ガスだもん。アレ」
49 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 01:20:20.51 ID:QvSpFfqP0
秘書「所長って時々良くわかりません」

所長「大丈夫!僕自身ですらわかってないもん。君がわかるはずがないさあー」

秘書「…………」

所長「あーあ!僕甘いの食べたくなっちゃった!秘書ちゃん秘書ちゃん、パンケーキ食べに行こう!」

秘書「はあ」

所長「今日は僕が奢っちゃおうねえー。フルーツ盛り盛り生クリーム盛り盛りメープルシロップたあっぷりのあんまーいパンケーキ食べようねぇー」

秘書「」

50 : ◆0B.2KBz0Ik [sage]:2016/06/24(金) 01:21:45.30 ID:QvSpFfqP0
長く放置していてすみませんでした
またポツポツと更新するのでよろしくお願いいたします
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 08:15:55.78 ID:hB6yuV2VO
お、続ききたか
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 09:24:09.95 ID:eYQGjBluO
こいつぁひでぇ
53 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 17:54:09.58 ID:QvSpFfqP0
(パンケーキ屋)

店員「いらっしゃいませー。御注文はお決まりですか?」

所長「僕は季節のフルーツ盛りパンケーキに生クリーム、アイスクリームとメープルシロップ追加したのとキャラメルマキアート。秘書ちゃんは?」

秘書「ベリーベリーパンケーキに生クリームとバニラアイス追加でお願いします。飲み物は……ホットティーで」

店員「ミルクと砂糖、レモンをつけることが出来ますが──」

秘書「ミルクをお願いします」

店員「──かしこまりました」
54 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 17:54:46.95 ID:QvSpFfqP0
所長「秘書ちゃんって思ったより甘党じゃないんだね。ベリーベリーなんてあまり甘くないやつだよ?」

秘書「そういう所長はかなりの甘党でいらっしゃいますね。私だったら胸焼け起こしています」

所長「それ褒めてる?」

秘書「いえ」

所長「(シュン)」
55 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 17:55:47.47 ID:QvSpFfqP0
所長「それにしても」

秘書「はい?」

所長「なんかデートみたいだね、ウフフ」

秘書「何言ってるんですか。私と所長何歳離れていると思っているんです」

所長「愛に年齢差なんてどうでもいいんだよ」

秘書「……所長って結構気持ち悪いですよね。私席移動します」

所長「あ、うんごめん。謝るからひとりにしないで」
56 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 17:57:04.67 ID:QvSpFfqP0
店員「お待たせいたしましたー。こちらベリーベリーパンケーキ、生クリームとアイスクリーム追加になります」

秘書「あ、私です」

所長「やっぱり秘書ちゃんのが早かったね」

秘書「所長のは季節のフルーツ盛りですし、生クリームとアイスクリームとメープルシロップ追加ですからね」

所長「僕はそのぐらい甘くないと食べた気がしないからねぇ。ささ、先にお食べ」

秘書「お言葉に甘えて、いただきます」パクッ
57 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 17:58:42.03 ID:QvSpFfqP0
店員「お待たせいたしましたー。季節のフルーツ盛りパンケーキ、生クリームとアイスクリーム、メープルシロップ追加になります」

所長「あ、僕です」

店員「あと、ホットティーとキャラメルマキアートです。ホットティーのお客様」

秘書「私です」

店員「キャラメルマキアートのお客様」

所長「僕です」

店員「ご注文は全てお揃いですか?では、ごゆっくりどうぞー」

所長「……ねえ見た?あの店員ちゃん僕の顔じっと見てたよ。あれは脈アリだね」

秘書「単に所長の食べるパンケーキにびっくりしたんでしょう。男性でここまで甘党にする方なんてレアですから」

所長「あ、そうか」

秘書「 」
58 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 18:00:33.55 ID:QvSpFfqP0
所長「あ"ー、美味い」

秘書「ビールを飲んだおっさんのような反応はやめて下さい」

所長「やっぱり甘いものはない生き返るね!うん、美味い!こんな美味しいものを食べることなく自ら死を選ぶ人って勿体無いよ!甘いの最高!」

秘書「…………」

所長「……そんな深い意味はないから、深刻な顔にならないでよ」

秘書「すみません」 モグ
59 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 18:01:30.81 ID:QvSpFfqP0
所長「……よし、秘書ちゃんのラズベリーもーらいっ」

秘書「あ、ちょっと」

所長「うん、甘酸っぱくて美味しいね!ちゃんとフレッシュのラズベリーだ。時々冷凍を出す人がいてさあ、別にいいんだけど、あれベチャってなるから僕好きじゃないんだよねえ」

秘書「勝手に食べないでください」

所長「そんなに怒らなーいの。キープスマイリング。秘書ちゃんはいつも無表情に近いけど、笑ったほうが美人さんなんだから」

秘書「どうも」

所長「ほんと、つれない子だ」
60 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 18:02:31.64 ID:QvSpFfqP0
所長「じゃあ……秘書ちゃん秘書ちゃん」

秘書「はい?」

所長「あーん♡」

秘書「…………」

所長「……ほんと生ゴミを見るような目が上手だよね」

秘書「なんですか、それ」

所長「僕のパンケーキ。さっきのラズベリーのお詫び」

秘書「なら皿にでも置いて下さい。自分で食べます」

所長「だあめ。所長命令」
61 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 18:03:27.24 ID:QvSpFfqP0
秘書「…………」(口開ける)

所長「はい、どーぞ」

秘書「……!美味しい」

所長「でしょう?ベリーベリーもいいけど、僕はこっちのほうが好きなんだよね。あと秘書ちゃんの唇に触れたフォークゲット」

秘書「本当所長って変態ですよね。辞めていいですか」

所長「ごめんなさいふざけすぎました」
62 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/24(金) 18:04:14.86 ID:QvSpFfqP0
……………………………

店員「ありがとうございましたー」

秘書「ご馳走様でした」

所長「いいよこれぐらい。また甘いの食べに行こうね」

秘書「所長とは当分良いです。見ていると胸焼けを起こします」

所長「えー?」
63 : ◆0B.2KBz0Ik [sage]:2016/06/24(金) 18:06:37.60 ID:QvSpFfqP0
特に意味のないパンケーキ話
私はホットケーキは食べたことはありますがパンケーキは食べたことがありません
また20時頃に書きます
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 23:13:26.46 ID:/UnVWwxUO
どっちも食べたことあるけど
いまいちよく違いわからん

20時頃…
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/24(金) 23:15:38.85 ID:7ZXmb+7po
何日の八時ごろとは言っていないからセーフ
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 00:19:02.75 ID:G63L+SmqO
あらやだうまそう
67 : ◆0B.2KBz0Ik [sage]:2016/06/25(土) 10:37:30.62 ID:yTIWrxWZ0
20時頃に更新すると言いましたが、あれは嘘だ(すみません体調不良で寝てしまってました)。
なんでもするので許してください。
そういえば、パンケーキとホットケーキの明確な違いって無いらしいですね。
無知でございました。
68 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:38:43.46 ID:yTIWrxWZ0
所長「──へえ、焼身自殺とはコアだねぇ」

依頼人F「はい!」

所長「まー元気な人。死にたがっている人間とは思えないよ」

依頼人F「元気が俺の取り柄なんで!」

所長「……はあ」

秘書「(珍しく所長が押されてる)」
69 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:39:12.61 ID:yTIWrxWZ0
所長「で、なして焼身自殺やりたいの?」

依頼人F「インパクトのでかい自殺がやりたくて!」

所長「あっ、そうなの」

依頼人F「飛び降りとか入水とか考えたんですけど、相手にトラウマ植え付けるなら焼身が一番かなって思って!」

所長「うん、今君がやばいことをしようとしているのだけはわかった」
70 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:39:48.23 ID:yTIWrxWZ0
依頼人F「あのアマ……俺を捨てて金持ちの男と婚約したんですよ!」

所長「あら、君捨てられた側なの」

依頼人F「だからあいつに、あいつに俺は復讐するんだ!」 グッ

所長「復讐が自殺って、面白い人ねえ」
71 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:40:34.27 ID:yTIWrxWZ0
所長「で、どういう風に復讐するの」

依頼人F「あいつら来週結婚式をあげるんで、式場に乗り込んで目の前で逝きます」

所長「焼身に使う道具は?」

依頼人F「ペットボトルに入れたガソリンと、ライターです」

所長「少ない!」

依頼人F「はい?」
72 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:42:37.82 ID:yTIWrxWZ0
依頼人F「少ない……んですか?」

所長「あのね、焼身で確実に死ぬには最低3リットル、いや、5リットルのガソリンが必要なの。それに、式場で死ぬんでしょ?ってことは頭からガソリンを浴びて点火するってことだ。温い!ぬっるすぎるよー!」

依頼人F「はあ」

所長「そんな馬鹿なことしたら表面だけ大火傷で終わっちゃうのよ。君はレアの人間ステーキにでもなるつもり?やるなら服に染み込ませて、全身に油が回るようにしなきゃ。そうだなあ、具体的に言うとすれば……少しずつ手にとって染み込ませるのが良いね」

依頼人F「そんな時間ないですよ」

所長「なら事前にしておけば良いじゃない」
73 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:43:45.34 ID:yTIWrxWZ0
所長「先にガソリンを身体に染み込ませておいて、式場に殴り込むんだよ『俺ぁ死ぬぞー!!!』って。で、さらに上からガソリン浴びて点火すれば良し」

所長「ね?これなら確実でしょ?」

依頼人F「ほうほう……流石所長さんだ!」

所長「でっしょー?よかったら帰り際にお金をもっと落としても良いのよ」

依頼人F「はい!」

所長「(やったぜ)」
74 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:44:35.86 ID:yTIWrxWZ0
所長「でも気をつけるんだよ?下手して生き残った時とか、そりゃあ地獄の苦しみみたいだし」

依頼人F「任せてください!気合で乗り切りますよ!ハハハ!」

所長「おおー。頼り甲斐のある自殺希望者だこと」

依頼人F「じゃあ!俺今からガソリン買って帰ります!」

所長「いい自殺をしてちょうだいな。あとお金を落としてねえー」
75 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 10:45:24.14 ID:yTIWrxWZ0
所長「彼苦しむだろうなあ……ウフフフ。あ、秘書ちゃん、彼お金落とした?」

秘書「前払い5000円にプラス20000円です」

所長「やりぃ!やっぱ死ぬ前の人ってお金たくさん落としてくれるんだねえー」

秘書「あの世には金はいりませんから」

所長「わかんないよー?言うじゃない、地獄の沙汰も金次第って、さ」

秘書「意味合いが少し違うと思いますが」

所長「いいじゃないのー」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/06/25(土) 19:39:30.22 ID:XXVjdCN10
77 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 19:47:35.56 ID:yTIWrxWZ0
依頼人G「……僕は、死ななくてはならないんです」

所長「ふぅん。どうして?」

依頼人G「僕は、不要な人間だから」

所長「へえ、不要なんだ」

依頼人G「僕よりも弟達の方が立派だし、"出来ている"から……。僕は早く死んで、彼らがもっとやりたいことを出来るようにしてやりたいんです」

所長「なるほどねえ。つまりはアレだ、君に使われる筈だったお金を、君は弟達に回したいと」

依頼人G「はい」

所長「ご立派なお考えをお持ちで」
78 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 19:50:43.42 ID:yTIWrxWZ0
所長「僕が君ぐらいの年齢の時はねぇ、遊び呆けてたよ。綺麗なお姉さんのお店に行こうとしたら厳ついお姉さんのいる店に間違えて入ったり、ナンパ失敗したり、酒の飲みすぎて失敗したり、女の子にビンタされたり」

依頼人G「…………凄いですね」

所長「今思えば、色々やりすぎてたなぁっては思ってるけどね。でも悪かない思い出だよ」

依頼人G「僕にはそんなこと出来ません」

所長「お金が無いから?」

依頼人G「(頷き)」
79 : ◆0B.2KBz0Ik [saga]:2016/06/25(土) 19:51:39.23 ID:yTIWrxWZ0
依頼人G「僕のせいで、弟達が辛い思いをするのはもう嫌なんです」

所長「なんで辛い思いをしているのよ?」

依頼人G「僕が大学に行っているせいで、弟達はやりたかった部活とか、勉強が出来ていないんです」

所長「なら進学しなければよかったじゃない」

依頼人G「……両親が、行けと」

所長「ふぅん。御両親が行けって言ったから行ったの」

所長「言いなりだね、これじゃあ」
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