【艦これ】ノッハ・アイン・メランジェ【Graf Zeppelin】

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1 : ◆xJuyb8Ggh.26 [sage saga]:2016/07/08(金) 14:32:12.36 ID:lsnJiqmIO
ここでは初めてなので、何か間違ってたら言ってください。

※フェティシズム注意
2 : ◆xJuyb8Ggh.26 [sage saga]:2016/07/08(金) 14:33:54.49 ID:lsnJiqmIO
"Schlafe…… schlafe…… holder, s??er Knabe……"

 カリコリと音を鳴らすミルに合わせて、囁くような歌声が紡がれる。
 目を閉じてその声に聴き入りながら、俺はくるくると手を動かしていた。

"leise…… wiegt dich…… deiner Mutter Hand……"

 安らかな声音に、思わずうとうとしそうになる。
 豆を挽き終わって空回りするハンドルに気づいた頃には、既に湯が沸々と音を立てていた。
 ミルの取っ手を引いて粉を出すと、ふわっと珈琲の香りが広がる。

「……久し振りだな、挽きたての香りは」

 背後からひょっこりと妻が顔を出す。
 肩越しに香気を楽しみ、ご満悦の表情だ。

「Graf、あの子は寝たのかい?」
「ああ、ぐっすりだ。 全く、誰に似たのかな?」

 そう言うと、彼女はくすくすと笑った。

「昔のAdmiralは執務中だというのに、何度も居眠りしていたからな」
「耳が痛い話だ……」

 Grafは育児のため、暫く鎮守府を空けていた。
 立て続けに発動される大規模作戦に付きっきりな俺に代わって、子供の世話や家事の一切を担ってくれていたのだ。
 作戦が一段落し、珍しく長期の休暇を貰えた俺は、家族揃っての団欒を楽しんでいた。

「いつもありがとな」
「ん」

 労いに頭を撫でてやると、彼女は嬉しそうにそれを受け入れた。
 ンフー、と吐息を漏らしながら頭を擦りつけてくる様は、さながら子猫のようだ。
 相変わらず、一児の母とは思えないほど、彼女は可愛らしい。
3 : ◆xJuyb8Ggh.26 [sage saga]:2016/07/08(金) 14:35:56.32 ID:lsnJiqmIO
「今日はZ3が遊びに来てくれたんだ」
「へぇ……そう言えば、今日は非番だったか」
「ああ。 あの子と、私の代わりに遊んでくれてな……」

 久々にやりたい、と言ってサイフォンに珈琲粉をセットするGrafに代わって、俺は寝室のベッドに眠る我が子を見ていた。
 子守唄で寝かしつけられて、すっかり眠っている幼子の頬を、ゆっくりと撫でる。
 安らかな寝顔が、少し微笑んだような気がした。

「『目の形は提督に似てるわね』と、そう言っていた。 『色は貴女に似てる』とも……」
「そうか……ふふ、俺たちで言ってた通りだな」
「ああ……」

 口元が緩んでいるのを自覚した。
 ブラウンの髪、整った鼻筋、少し薄い唇……。
 全く、どこをとっても天使のように可愛らしい。

「鼻と顔の輪郭はGraf譲りだな」
「口元と眉毛はAdmiral似だ」
「それで髪の色は……」
『二人の中間』

 もはやお決まりのフレーズを妻と二人で言い合って、少し笑い合う。
 子を持つ前は、ここまで親馬鹿になるとは思わなかった。
4 : ◆xJuyb8Ggh.26 [sage saga]:2016/07/08(金) 14:36:55.12 ID:lsnJiqmIO
「ほら、出来たぞ」

 寝室の小さなテーブルにソーサーを2つ置くと、妻はベッドに座る俺の隣に腰を置いた。
 湯気立つ珈琲の芳しい香りが漂った。

「ようやくこの子も乳離れしてくれたからな……これでやっと気兼ねなく、珈琲が飲める」
「そんなに辛いものなのか?」
「Deutscheの生き甲斐のうち一つが失われるようなものだぞ」

 カフェインは乳児には毒となりうる。
 その為に、Grafは乳離れが終わるまでは、泣く泣く"断珈琲"をしていたのだ。

「大変だったのだからな? 誰かさんに似て甘えん坊なこの子は、直ぐにおっぱいをせがむんだから」

 両手でその豊満な膨らみを持ち上げながら、妻は横目で俺を見た。
 ただでさえ大きかったその双峰は、ミルクを湛えてもう一回り……いや、二周りは大きくなっていた。
 思わず、服越しに揺れるそれに目を奪われてしまう。

「助平」

 Grafは視線に勘付くと胸を両手で庇うようにして、少し意地悪く笑ってみせた。
 下心を見抜かれた気恥ずかしさに苦笑して、俺はカップを手に取った。
5 : ◆xJuyb8Ggh.26 [sage saga]:2016/07/08(金) 14:42:53.80 ID:lsnJiqmIO
 ブラックの珈琲を口に含むと、どっしりとしたコクと少し野性味のある深い苦味が広がった。
 たっぷりとその風味を味わってから飲み込むと、香辛料や南国の果実を思わせる余韻が香る。
 執務中のインスタントとはまるで違う、至高の一杯だ。

「我ながら、上手く淹れられたと思う。 豆は何処のものなんだ?」
「リンガの同期から貰ったマンデリンのG1だよ。 ……うん、相変わらずGrafの珈琲は旨い」
「当たり前だろう? ふふ」

 得意げに笑うと、彼女もソーサーを手に珈琲を飲んで……キュッと目を閉じた。

「んっ、苦いな……久しぶり過ぎて、ブラックは少し味が強いみたいだ」
「そうか、もうちょっと苦味の弱い豆にすべきだったな……済まない、気が回らなかったよ」
「なに、気にしなくていい。 ミルクを入れてくる」

 Grafはソーサーを持ってリビングに向かう。
 たなびく髪から、少し甘い残り香がした。
6 : ◆xJuyb8Ggh.26 [sage saga]:2016/07/08(金) 14:44:28.43 ID:lsnJiqmIO
 我が子の寝顔を見ながら一服していたら、Grafが戻る前に一杯飲みきってしまった。
 どうせならもう少し珈琲が欲しい、そう思った俺は子供に毛布を被せてリビングの方へ歩いて行った。

 何故だか、リビングはもぬけの殻だった。
 僥倖な事に、サイフォンのフラスコにはもう一杯分の珈琲が残っていたが、Grafの姿は何処にもない。

 ……ふと思い出したが、今、牛乳のストックはあっただろうか?
 自分の記憶が確かなら無かった筈だし、ブラックコーヒーが基本の我が家にはコーヒーフレッシュも置いてない。
 まさか、わざわざ買いに出てしまったのだろうか。
 もしそうだとしたら、申し訳ないことをしてしまったな……。

 そう思いながら、フラスコの珈琲をカップに注いでいた。

「……はぁ、うぅん、中々……出ないな……」

 台所から声が聞こえたのは、その時だった。
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