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マミ「QBかく語りき」 QB「君らしいね」
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305 :
◆GXVkKXrpNcpr
[saga]:2017/04/05(水) 14:46:18.41 ID:AjtdeEYho
「パパ」
「おや、早いねまどか。おはよう」
「おはようパパ」
台所で忙しく立ち働いていた知久だが、娘の様子がいつもと違うのに気付いて手を止めた。コンロの火を消してまどかと向かい合う。
「どうかしたのかい?」
「ほむらちゃんが熱を出してるの」
まどかは隣で眠るほむらの早い呼吸音で目を覚ました。声をかけても返事がなく、額に掌を当てて熱さに驚いた。
「それはいけないね。何度か計ってみた?」
「八度九分。今日と明日は家で看病していいよね?」
「一人暮らしなんだよね。うん、うちでゆっくり休んでもらえばいい。
今からお粥を炊くから持っていってあげて。とりあえず、これ」
常備してあったペットボトルの経口補水液を数本とコップをのせたお盆を受け取った。
「少しずつ飲ませてあげるんだ。わかった?」
「わかった、パパありがとう」
306 :
◆GXVkKXrpNcpr
[saga]:2017/04/05(水) 14:51:33.07 ID:AjtdeEYho
そこはいつもの病室で、天上に部屋の中をまんべんなく見渡せる半球状のカメラがある。中で丸く赤い光がキョロキョロと動いている。
腕の内側に点滴の針がテープでしっかり固定されていた。そこから延びたチューブは点滴台にかけられたパックに繋がっており、決められた分量の薬液をほむらの体内に送り込む。
ドアが遠慮がちに開いて看護師が入ってきた。ベッドの足元から回り込んで点滴台のデジタル表示を確認し、手元のボードにさらさらと何か書き込んでトレイをベッド横のテーブルの上にそっと置いた。
部屋の窓は遮光カーテンが引かれて薄暗く、元々目も悪い。だから看護師の顔はよくわからなかった。ほむらは「今何時ですか」と尋ねた。
「あ、起こしちゃった? もうすぐ七時だよ
気分は? 喉乾いてない? お腹空いてない?」
「朝の?」
「もちろん朝だよ」
「そうですか」
優しそうな人だったので、ほむらは天井のカメラのことを頼んでみた。
「できれば、カメラを切ってもらえませんか? 気になってしまって」
「え? なんのこと?」
「天井のあれです」
(天井のあれって何? っていうかどうして敬語……?)
彼女が指差すなんの変哲もない自室の天井を見上げて、まどかは困ってしまった。とりあえず調子を合わせることにする。
307 :
◆GXVkKXrpNcpr
[saga]:2017/04/05(水) 14:55:14.76 ID:AjtdeEYho
「ええと、わかったよ、ほむらちゃん」
「ありがとうございます」
ほむらはそう言って身体を起こし、片手で枕元やそのもう少し広い範囲を探り始めた。
「どうしたの? 何かなくしたの?」
「あ、いえ……眼鏡が……ここに置いていたはずなんですけど……
おかしいな、ない……どこ……」
「ほむらちゃんっ!?」
まどかは衝撃を受けて少し声が大きくなってしまった。
「は、はい?」
「あのね」
(なんて言おう)
「何でしょうか?」
「ええと、今眼鏡がどうしても必要?」
「お手洗いに行きたいんです。眼鏡がないと足元すらぼんやりとしか、見えません」
「そうなんだ……じゃあ、連れて行ってあげるね」
あるはずのない眼鏡を探す間中ほむらは逆の腕を脱力させたままでいた。まどかの目にそれがとても不自然に映ったが、ほむらにしてみるとそちらは点滴針の刺さった腕なので自由には動かせないのだった。
「……お願いします」
チューブに絡まないように注意しながら立ち上がり手を引かれ、点滴台を転がして部屋を出た。
308 :
◆GXVkKXrpNcpr
[saga]:2017/04/05(水) 15:00:32.16 ID:AjtdeEYho
まどかが空になった一人用の小さな土鍋と取り皿を台所に下げに来ると、遅く起きた詢子がコーヒーを飲んでいた。知久とタツヤは買い物ついでに公園まで遊びに行ったらしい。昨夜の悪天候がウソみたいな晴天だ。
「やあ、まどか。ほむらちゃんは大丈夫なのかい?」
「大丈夫……だと思うよ」
練梅をのせた塩粥を「おいしいです」と時間をかけて丁寧に食べきってくれた。咳もしていないし、吐き気や腹痛、頭痛もないらしい。
「そっかそっか」
「でもさ、少し変なの。私のことがわかってないみたいで」
「あん?」
母親にほむらの行動について相談してみた。
「ああ……譫妄ってやつじゃないかな、そりゃ」
「せんもう?」
「熱で幻覚を見てるんだな。薬の影響とかじゃないのか?」
「わかんない、幻覚なのかな……それにしては妙にはっきりお話するんだけどな」
「入院してたんだろ? 今飲んでる薬があるんじゃないのかい?」
「んー、そう言えばそんなことを早乙女先生から聞いたけど……」
(多分、ちゃんと飲んでないんだろうなあ)
「担任なら知ってそうだな。和子に電話してみるか。
長患いの子ってのは血液型やら薬やらの情報をひとまとめにして携帯してたりするんだ、
保険証なんかと一緒に。いつ何があるかわかんないからな。
そういうの見当たらないか?」
「……うん、わかんない」
「いざとなったら持ち物ひっくり返して探してあげな」
「うぇ?」
(でもきっと、そういうのも持ってないだろうなあ)
「まっ、もうしばらく様子を見よう。熱もびっくりする程高いってわけでもないしな。
ちゃんと食べて飲んで、また眠ったんだろ?」
「うん」
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/05(水) 15:04:24.32 ID:AjtdeEYho
>>304
気になる?
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/05(水) 16:41:25.22 ID:6t3A4HZho
>>309
気になる!
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/05(水) 17:06:02.31 ID:AjtdeEYho
>>310
そうなんか(考)
次の1レスで今日のは終わり
312 :
◆GXVkKXrpNcpr
[saga]:2017/04/05(水) 17:09:54.56 ID:AjtdeEYho
「こんなこと言いたくないけど、あの子の親はどうしてんのかね?
病気の子を一人暮らしさせるってなんなんだろうな」
「……」
「ま、他人の家の事情なんぞ知ったこっちゃないが」
「……」
(そういや、ほむらちゃんてもうどれくらい自分のママやパパに会っていないのかな)
難しい顔で黙ってしまった娘に、思わず「ふふふ」と笑いがこぼれた。
「ほむらちゃんが心配か」
「当たり前だよ」
「いい子だろ?」
「はい、とても」
「あっ!」
まどかの背後に身支度を整えたほむらが立っていて、詢子にぺこりと頭をさげた。
「ほむらちゃん熱まだ下がってないでしょ、大丈夫?」
「起きて歩ける程度には大丈夫よ」
「よかった、元に戻ってる」
「元?」
「私と話したこと、覚えてない?」
一から説明されても全く身に覚えがなかった。思い出せるのは「きゅっぷい」までだ。
「ちょっと話さない?」
ほむらに椅子をすすめながら詢子が言った。不安そうにまどかが母親の顔を見ると心配しなさんな、とウインクが返ってきた。
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/05(水) 19:01:01.46 ID:6t3A4HZho
おつ
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/05(水) 19:50:36.84 ID:KDOyD8MuO
乙
ただの熱ならいいんだけど
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/05(水) 19:59:42.28 ID:NurLkLJco
乙でした
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/06/09(金) 01:49:14.91 ID:Z+ivalPfo
ほしゅ
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/07/12(水) 03:48:53.38 ID:jvG4LKCqo
保守
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 04:43:13.43 ID:WEGaL92po
ho
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