女鍛冶師「魔剣の製造依頼?」

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133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 20:28:11.14 ID:A6QNj0HPo

< 『撤退だ! 全騎士、撤退せよ!』


熟練騎士「汚染された竜だと?」

騎士「熟練騎士殿、確か『魔女』に汚染された生物は……!」

熟練騎士「凶暴化し人間を狙って攻撃するようになり、魔力を編んで生成した剣を使う」

熟練騎士「極めて危険な存在だ、それがまさか竜に起きるとは……」

騎士「とにかく撤退です、 水晶班のいる地点まで走りましょう!」

熟練騎士「ああ!」


< ドゴォォオッ!


熟練騎士「!」

騎士「あっちは……水晶班の待機している位置じゃ……」

熟練騎士「急ぐぞ!」


134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 20:37:11.57 ID:A6QNj0HPo


< ゴォォォオ・・・!


騎士「くっ、何だこの炎はッ」

熟練騎士「誰かまだ居るのか!」

< 「こっちだ……っ」

熟練騎士「大丈夫か! 今瓦礫をどかす……!」



魔導騎士「う……ぐ……ッ、あの黒い翼竜……一直線にここへ来た……」ガララッ

熟練騎士「他の魔導騎士は?」

魔導騎士「最初の爆撃で殺られた……俺も、もう……」ドロッ…

熟練騎士「っ、直ぐに止血を!」

騎士「待ってください、体内に何か刺さっていませんか!? 癒しの精霊が治せないと言っています!」

熟練騎士「なに!?」


魔導騎士「……奴の、魔剣だ……ご丁寧に魔力を編んだ脆い刃を身体に散りばめて……っ」ゴポッ

魔導騎士「う、ぐ……ゴハッ…」

熟練騎士「しっかりしろ! 糞、何か……」


魔導騎士「……王に、報せるのだ……お前達が……」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 20:49:13.23 ID:A6QNj0HPo

騎士「僕達が……!?」

魔導騎士「頼む、王都に……奴が、辿り着く前に……」スッ

< キィィインッ

熟練騎士「……」

熟練騎士「貴公の最期は、必ずや王に!」

騎士「ぼ、僕もです……!」


魔導騎士「……ふ…たの……んだ………」

魔導騎士「女神キロクノの知を……ここに……!」


< フッ


魔導騎士「…………っ」ゾクッ

魔導騎士「死にたく……な……」


< 「……」ドサッ


136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 20:56:18.64 ID:A6QNj0HPo


【王都】


< フッ

熟練騎士「騎士、城へ行くぞ!」バッ

騎士「はっ!」バッ


熟練騎士「我等が王ならば、汚染された竜だろうと一太刀で倒してくれる筈だ……ッ」

騎士「しかし敵は単騎ではありません、他の竜が到達する前に策を……」







< ォォォオオオオオッ……!!







騎士「 ──────── まさ……か 」


熟練騎士「ッ……速すぎる、何なのだあの黒い翼竜は!!」


137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:11:53.29 ID:A6QNj0HPo

################


妻「……? 今、何か聞こえなかった?」

侍女「いえ……風の音かと思いましたが」

妻「そう、なら別に…


< 「きゃぁあっ! ママー!!」


妻「なにっ!? 娘の声……!」

侍女「私が見て参ります!」


138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:21:11.05 ID:A6QNj0HPo

< アァハハハハハハハハハ・・・!


娘「わぁぁあ!!」

侍女「落ち着いて下さい、この声は何処から……」

娘「廊下の、緑の短い剣が……っ!」

侍女「囁きの魔剣が……?」バッ


< 「ハハハハハハハハッッ」

侍女「……これは一体」


妻「侍女! この声は誰なの!?」

侍女「ご安心下さい、囁きの魔剣が何故かこれほどの笑い声を……」

妻「囁きの!?」

妻「侍女、今すぐお城へ逃げるわよ!!」

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:31:29.47 ID:A6QNj0HPo

##################


黒翼竜「バグルルルッ、ヴルルァァアアッ!!」

< ドゴォォオッ!!



< 「ぎゃぁぁ……ッ」

< 「騎士団は、騎士団は何処へ……っ」

< 「うがぁあああ!! 誰か火を消してくれ!!」




熟練騎士「町が……ッ」ギリッ

騎士「熟練騎士殿、このままでは城下町が!」

熟練騎士(どうするも何も、町の人間を見殺しには出来ん……)

熟練騎士(通信魔術が使える者が近くにいない以上、最善策は……)

熟練騎士「騎士、貴公は城へ急げ」シャキッ


騎士「熟練騎士殿!?」

熟練騎士「私とて団長と共に戦ってきた騎士だ……王もここまで来れば直ぐに気づいてるかもしれん」

熟練騎士「行け! 私は奴と戦うッ」


140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:39:57.53 ID:A6QNj0HPo

────────── ズガァンッッ!!


黒翼竜「ッ……!」ズキッ


熟練騎士(私は魔術が使えん)スタッ

熟練騎士(出来ることは長年愛用してきた『不壊の魔剣』を、鍛え上げた剣術で振るうのみ……!)ギシッ


    ボッ……!

黒翼竜「ヴルルァァアアッ!!」ギュルンッ


熟練騎士「ッ!」バッ

< ズバァァッ
          ブシュッ!!

熟練騎士(ブレスを吐くと見せかけ、魔剣の投擲……!)

熟練騎士(だが、浅い!)ザッ…!

熟練騎士「うおおおおおおおおお!!!」


141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:45:37.35 ID:A6QNj0HPo

< ズンッッッ

黒翼竜「 ギィッ……─────────!!? 」

熟練騎士(竜は、己の力を過信している)

< グリッ……ズヂッ

黒翼竜「グルァア……ッ!!」

熟練騎士(狡猾さも、自身の見た目も、その膂力と能力の強さもまさに化け物……それを貴様は知っている)

熟練騎士「……『自分が正面から刺されるとは思わなかった』か、竜……!」


黒翼竜「ヴルルルルゥアアアッッ!!!」

< バギィンッ!!

熟練騎士「!?」


熟練騎士(馬鹿な、不壊の魔剣を破壊しただと……一体どうやって!?)


142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 21:51:22.71 ID:A6QNj0HPo

< ドサッ!

熟練騎士「ぐっ……!」

黒翼竜「グルルル……ッ」バサァッ


< ブワァッ!


熟練騎士(逃げた…?…俺から離れようと……)

熟練騎士「それなりに効いたというわけか……ッ」

熟練騎士「だか、はぁ、はぁ……あの方向は……町の外に近い…………」





熟練騎士「……俺の、屋敷がある…………」



143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/27(木) 22:04:50.37 ID:A6QNj0HPo



───── 『とある鍛冶師が打った剣を、偶然にも魔剣を集めていた騎士が買った』



侍女「…………」ガタガタ…ッ

『様々な魔剣が屋敷のあちこちに飾られ、静かに魔剣達が互いに知識を交わす』


妻「……侍女」

娘「ま、ママ……」

『とある鍛冶師の元を離れて、初めて魔剣はそこで自分以外の魔剣を知った』

『しかしどの魔剣も、誰を斬ったのかは語らなかった』

『そこで語られていたのは、小さな世界で起きている小さな幸せの物語だけだったのだ』

『幸せな家族の、何気無くも儚い……小さな幸せの世界』





妻「娘を連れて、逃げなさい!!」



黒翼竜「ヴルルルルゥアアアッッ!!! ヴグルァアアアッッ!!」




144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/28(金) 06:25:53.19 ID:GTfi7E0K0
いいとこで切るなぁ
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/28(金) 13:32:14.35 ID:pM17Uz8Po

『屋敷の門扉の柱に付けられた魔剣は言った』

『魔剣姫の屋敷へようこそと歓迎した』


妻(あの黒い障気、『魔女』に汚染されたの? そもそもこの竜は何処から……!)


黒翼竜「ヴゥルァアッ!!」バサァッ


妻(あの翼の動きは囮、本命は無色の魔剣による不意討ち!)バッ


    ドカカカカッッ!!


妻(っく……避けきれなかった)ブシュッ

妻「昔はあんなに動けたのにね……っ」


『エントランスで絵画の隣に飾られた二本の魔剣が言った』

『この屋敷の主は熟練騎士であるが、殆どの魔剣はその妻に収集された物だと』

『食堂に飾られた十数本の魔剣達は口々に語った』

『この屋敷で働く侍女は、その昔に熟練騎士の妻に救われた家族の娘だと』


< ギュボォッッ!!


    ゴッッ ───────!!

 ドガッ >

妻「〜〜ッ……熱っ、ぁ……く……!」バサバサッ!

妻(今の私じゃ、魔力も能力も無い……逃げ切るのも難しい)

妻(侍女が娘を少しでも遠くへ連れて逃げてくれれば……)

    ドスッ

妻「……ッ


146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/28(金) 14:04:27.48 ID:pM17Uz8Po

妻「ぁッ、ああぁぁ……っ!!」


『二階の熟練騎士夫妻の寝室、そこを守るように飾られた一本の錆びた魔剣は言った』

『お前の母に、私も造られたと』

『そしてその魔剣は疲れたように口を閉ざして』

『小さな、子供部屋の前の廊下に飾られた、変わった魔剣が代わりに語ってくれた』


妻「ぁぁあ……ッ!! はっ、ぅぐううう……」

妻(痛い、痛い……! 無色の魔剣……予備動作無しに、あぁ、足が……ッ)

妻(この竜今までとは……っ)

妻「抜け、なぃ……っ!」ギチギチッ…


< ズシンッ

< ズシンッ


黒翼竜「カハァァァア・・・」
    ガパァッ

妻「 ───────っ 」


『かつて、貴族の娘は一本の魔剣を手に黒い障気を漂わせる竜と戦った』

『都の騎士団が到着するまで数時間』

『魔剣が如何に優れていようと、傷が塞がってしまえば意味はなく』

『彼女にとって時間は敵となっていた』


『そして力尽き、絶体絶命の窮地に陥った彼女は手にしていた魔剣を握り締め』


『……自害しようとした』


147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/28(金) 21:02:02.28 ID:pM17Uz8Po


────────── ビュォッ・・・!



『銀の魔剣はその時、一人の青年騎士が現れたと言った』

『しかし丸腰だったその青年は銀の魔剣を奪い取って、竜と対峙した』

『そして』



熟練騎士「うぉおおおおおおおおッ!!!」

   ドゴォッッ・・・!!

黒翼竜「ッヴグルォァッ!?」



『雄叫びを上げて、竜へ立ち向かったのだ』

『他でもない、娘を守るために』


妻「あなた……!」

熟練騎士「チィッ、籠手が一瞬で砕けた……どうなっているあの竜!」ザッ

熟練騎士「……その足の止血は出来るか?」

妻「ごめんなさい、魔剣が抜けないの……っ」

熟練騎士「……」ギリッ


148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 08:46:48.29 ID:lOqvR7Tdo

『囁きの魔剣は語った』

『当時の銀の魔剣は、ある「引き金」を引く事でしか力を発揮できずにいた』


< ガランッ

妻「……?」


『それはとある鍛冶師が何気無く造った時に、特に理由も無しに組んだ術式だった』


妻(この剣の紋章は……!?)


『所有者の感情に合わせて消費魔力を上下させ、刃を砲身に見立てて放出口を固定』



< 「あなた!!」

熟練騎士「!」

妻「これを使って……!」バッ


   パシンッ


熟練騎士「これは……あの赤い魔剣?」

熟練騎士「いや……」

熟練騎士(確か刃の形状は歪だった筈だ、直剣になっていないか……まるで、あの時の?)



『所有者の魔力を限界まで吸出してでも敵を討つ為に、銀の魔剣は全力を振り絞る』

黒翼竜「ヴグルァアアアッッ!!」


─────── キィンッッ


『後は水の入った筒を振り下ろすように』

妻「その剣を信じて、竜を倒して!!」

熟練騎士「……ッ!」チャキッ


『剣を振り下ろす瞬間に術式が発動するのだ』

熟練騎士(無色の魔剣が生成される音、奴が不意を突かれて地に落ちていること)

熟練騎士(剣に対して絶対の防御を誇っているという自信、それがあの竜をここに縫い付けている……!)



熟練騎士「三十年前を思い出すなぁ! 妻よ!」

< ビュォンッ

熟練騎士「頼むぞ、魔剣 ───────!! 」



149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 08:55:33.52 ID:lOqvR7Tdo


『とある鍛冶師が打った魔剣は聞いていた』


『数々の名だたる先達である剣のどれもが語る、たった二人の物語を』


『その二人の物語がまだ続いている証を』


『侍女が小さな子に聞かせた子守唄』


『熟練騎士の妻が小さな子に語った苦くも美しい過去の子守唄』


『熟練騎士が、未来に続く子に託したい幻想の一端』



『魔剣はその物語を同じように自身の子に語り聞かせた』



『そして』

『魔剣は産声を上げるように天高く名乗る』



『剣先から放たれた赤い光は黒き竜を飲み込み、柱となって空へ昇る』



『新たに語り継がれるであろう、魔剣』

『その名は』



150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 08:56:29.79 ID:lOqvR7Tdo








       【nextstory..3】

       【魔剣五代目】

    【その名は……「幻想剣・子守唄」……】







151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 08:57:13.61 ID:lOqvR7Tdo








       【story..3】

       【魔剣五代目】

    【その名は……「幻想剣・子守唄」……】







152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 09:05:53.82 ID:lOqvR7Tdo

#############


魔術師「屋敷が全壊してますな、熟練騎士殿」

熟練騎士「はは……魔剣を何本か売って新しく建て直さねばな」

熟練騎士「それよりも、妻の容態は……」

魔術師「王の名にかけて必ずや足の傷すら残さず治して見せましょう」

熟練騎士「頼んだぞ……私は少し、眠る……」



< 「あー眠ると良いぞ、妾もそれが好ましい」



熟練騎士「!!」ガバッ

魔術師「熟練騎士殿、ご無理をなさいますな、貴公は魔力を限界まで搾り取られているのだ」

熟練騎士「し、しかし……!」


153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 09:16:39.31 ID:lOqvR7Tdo


女王「ククク、妾は構わぬ」

女王「此度の竜討伐は見事であった、同時にあの『光の剣』も実に見事であったぞ?」


熟練騎士「有り難き幸せ……!」ザッ

女王「さて、先ほど魔剣を何本か売ると言っていたな? 貴公」

熟練騎士「はっ! 恐れながら、それほど金銭に余裕のある身ではないので……家族の為にも剣を手放すつもりでした」

女王「ではそこの赤き魔剣、妾が買い取ろう」

熟練騎士「!?」

女王「異があるなら聞こうぞ」

熟練騎士「いえ……!!」


女王「では決まりだ、その魔剣……」


154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 09:17:52.66 ID:lOqvR7Tdo




────────── 「……妾の剣とする」





       【nextstory..4】

       【魔剣六代目】

    【その名は……「王ノ道化」……】







155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 09:18:40.64 ID:lOqvR7Tdo
映画見てきます
FGOの実写

次も短め
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 09:23:24.44 ID:M/fOeJhOo
おつおつ
157 :携帯から>>1 [saga]:2016/10/29(土) 12:24:42.59 ID:O1Qh7jTdO

補足【この世界における竜種とモンスター(魔獣)】


story3に登場した蛇竜と翼竜

蛇竜
※ 成体で約三十メートル超になる大理石に近い鱗を持った蛇。
当然、締め付けられるまでもなく一瞬で飲まれるし粉砕される。
(総重量250トン以上でビルみたいなのが音速で噛み付いてくる)

翼竜
※ 幼体は五十センチから成長し、僅か半年で成体として約二十メートルになる。
ファンタジーのドラゴンとは違い鋼の鱗を持った鷹の様な姿をしている。
通常はブレスと呼ばれる魔力を混ぜた吐息による爆撃で対象を『追い詰めてから』、手足を食い千切った後に丸呑みにする。

黒翼竜
※ ある『魔女』によって存在そのものを黒く汚染された翼竜。
何らかの能力付与により、触れた『武装の過去』を根本から消失させる事で破壊された様に崩壊させる鱗を持った。

ブレスは膨大な魔力を混ぜるのではなく、炎に転換している。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 12:40:37.90 ID:zwbgT881O
クラウン・クラウン
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/29(土) 19:37:52.54 ID:73qc9ziJ0

今回も素晴らしかった
先代の記憶・記録は剣の中に残ってるって言ってたけど武器としての能力は最新世代のものしか発動できないのかな?
あと屋敷を見る限り魔剣に知覚があるのはわりと普通のことなんだろうか
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:26:05.74 ID:lOqvR7Tdo
>>159
能力については本編で触れるので知覚について

魔剣五代目の視点では、どの魔剣も会話能力は無いですが、
寝言で今までの記憶を常に一から現在まで語り続けている。
という事になっています。
何より未だ女鍛冶師の魔剣に会話のキャッチボールが出来ないので

しかしそれは魔剣視点での話
実際に分析するなら『他の魔剣に刻まれた過去の記録を読み取っている』というのが、本来の魔剣の様子です
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:27:51.25 ID:lOqvR7Tdo

< ガキンッ


女王「楽にせよ、客人」

女王「……む、違うな! あははは! 客『剣』であったな!」

女王「そなたの製作者が何者か、大体は調べている」

女王「面白い人間が面白い存在を生み出したものよ」

女王「なぁ、竜殺しの魔剣」


< ……


162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:31:09.53 ID:lOqvR7Tdo

女王「今日より妾の玉座の左に立つ事を許そう」

女王「臣下達は不思議な顔をするだろうがな」

< ……

女王「これから毎日、妾の隣に立つ事が許されるなどそうは無い」

女王「否、これが初めてなのだからな」

女王「ククク、あぁ楽しい」


< ……


163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:40:23.76 ID:lOqvR7Tdo

################


女王「晩餐会から戻ったぞ」

< ……

女王「……」

女王「なるほど、これまでそういった食事の場に行ったことがないか」

女王「勿体無いものだ、食は万物に共通する概念であるが人間は特にそれを追求する」

女王「人間に限らず、一部の生命はそれに近いものを求めているものだ」

女王「命を彩り、飾り付ける」

女王「そして食すのだ」

女王「記憶しておけ、魔剣よ」クックッ


< ……


164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:43:48.01 ID:lOqvR7Tdo

女王「そういえばそなたにはまだ名乗っていなかったな」

女王「妾はこの南の大国『サース』の王、ジークフリード三世である」


< ……キシッ


女王「…………フッ」

女王「はははは! やはりそうか、そなた……妾が女の姿として見えているか!」

女王「実に見事」

女王「如何にも妾は女である、生粋の美女であるぞ」クックッ


165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:46:41.56 ID:lOqvR7Tdo

女王「妾に名は無い」

女王「生前……いや、かつては名が在ったが、王を名乗る存在となってからは名を持ってない」

女王「妾がこの世界に生まれた時から、妾は王であったが故な」

< ……

女王「だから妾の事は『いつか』好きに呼べ」

女王「歓迎してやろうぞ、ククク」

166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 21:55:30.98 ID:lOqvR7Tdo

女王「『幻想剣・子守唄』か」

女王「良い名だ」

女王「その名に至るまでに何を経験したかは知らぬが、妾は良いと思うぞ」

女王「自身に名を付ける事は、在り方を決めるに等しい」

女王「どの程度の年月を経てそなたが変わるのかは分からぬが……それまでの在り方としては悪くない」


< ……

女王「最も、あの竜によって出た妾の騎士団での犠牲者は五十は越える」

女王「当面はそなたの力が必要になるような事態は起きない事を願う」

女王「起きたら妾が十秒で終わらせるがな」

167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 22:03:06.17 ID:lOqvR7Tdo

################


女王「良い朝だな、幻想剣」スッ

< ガキンッ

女王「そなたの存在意義はあくまで剣である、なら所有者として使おう」チャキッ

女王「…………」

女王「ククク、面白い」

女王「剣の刀身に術式が幾つも組まれているな、そなたがこれまでに作り上げたか」

女王「では上には上がいると教えてやろう」ブンッ



─────── ビキィッ!!



< パキッ……ミシッ……

女王「妾の魔力を一割以下……一分だけ流し込んで振った結果、砕ける寸前だ」

女王「さぁ、当分は妾の隣で休んでいるがいい」

< ガキンッ

168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 22:23:43.85 ID:lOqvR7Tdo

【数ヶ月後】


女王「……?」

女王「そなた、思ったより早く見映えを変える事が出来るのだな」

< ……

女王「許せ」

女王「『あの』人間が造った剣がどれ程の物か、壊すつもりで振った」

女王「考えを改めるとしよう」

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/29(土) 23:16:44.76 ID:lOqvR7Tdo

< ガコォン……

< 「陛下……騎士団が一人、騎士団長参上致しました」


女王「騎士団長、そなたにこの魔剣を使用する事を命じる」

騎士団長「……はっ!」

女王「期間は半年だ」

女王「その頃までに飽きたなら返しても良いがな」

騎士団長「使わせて頂きます、王よ」スッ

騎士団長「……」

騎士団長(もしやこの魔剣が、例の竜殺しか……?)ガキンッ


女王「刃零れはすまい、存分に使え」


170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/30(日) 20:39:10.69 ID:J/60kwISo
################


騎士団長「……ということがあってな、この剣ではないか? お前が竜を倒した魔剣とは」カチャッ

熟練騎士「如何にも、しかし王は何故その剣を……?」

騎士団長「やはり何かお考えあっての事だろうが、気になるだろう?」

騎士団長「そこで貴公に会いに来たのだ、例の竜殺しの一件……この魔剣でどうやればあの光の柱を出せたのか」

熟練騎士「!」

熟練騎士「……と、申しましてもな……」

騎士団長「なんだ勿体振って」

熟練騎士「特に何か方法や術式をもってやった訳ではないのです、無我夢中で剣を振っただけで」

171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/30(日) 21:32:08.18 ID:J/60kwISo

################

【王城・亜空間訓練場】


騎士団長「無我夢中で、か」

騎士団長「……」

騎士団長(精神の集中、同時に呼吸を停止)スゥッ

騎士団長(酸素排出、意識をギリギリ保てる位置を……)


騎士団長「……」

騎士団長「……」スチャッッ

   シャキィッ


< ビュィンッ


騎士団長「……」

騎士団長「ふぅ……なるほど、王が俺に渡した意味も解る」

騎士団長「射程は恐らく対象に触れるまでならば何処までも届き」

騎士団長「その破壊力は今の手応えが確かならば……」

騎士団長(使い手に依存している、これは扱う者次第で恐るべき兵器になる)

172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/30(日) 21:55:31.01 ID:J/60kwISo


< ヴヴヴヴ・・・


騎士団長「……副団長か」

女副団長「団長様ぁ、ご機嫌うるわしゅうございますぅ」

騎士団長「何用だ、今は訓練場内の空間法則を変えてある、危険だから出ろ」

女副団長「そんなつれなぁい、我が王からのメッセージをお伝えしにきたのにぃ」

騎士団長「……?」


女副団長「『五つ見つけられたら褒めてやる』、との事でございますわぁ」


騎士団長「五つ、か」

騎士団長(まだ何かあるのか、この魔剣)チャキッ…

173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/30(日) 22:27:38.18 ID:J/60kwISo

【八日後】


女王「ほう? 見つけてきたか」

騎士団長「は、陛下の御言葉通り幾度と剣を振り、或いは岩を斬って研鑽して参りました」

女王「して、どうであった」クックッ

騎士団長「第一にこの魔剣は『錆びない』」


騎士団長「次にこの魔剣は『修復機能』を備え……」

騎士団長「『少女』だ」


女王「…………」

女王「予想外で興味深い、続けろ」

174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/30(日) 23:30:12.99 ID:aW1EFVoz0
面白い、続けろ

いえ続けてください
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 19:23:24.79 ID:YrHjgEwFo

騎士団長「刀身に掘られた溝のような紋様は、剣を投擲した場合の空気抵抗次第で『軌道を変える』」

騎士団長「何故この剣が投擲に適した物に造られたのかは解りませんがね」

騎士団長「そしてこの数日苦労したのが、例の竜殺しの光」

騎士団長「『赤き光刃』、これが現状確認できる中で最強の術式です」


女王「ククク……推定で、その魔剣のレベルはどの程度だと考えている?」


騎士団長「上級を越えて対魔獣級、かと」

女王「ハズレだ」

騎士団長「……上級でしたか」

女王「上級も怪しいわ、その様な扱いに困る剣など中級が似合いだろう?」

女王「だがその前に」スッ


女王「先に言った『少女』とは、どういう意味なのかを妾に聞かせて貰えると面白いのだが?」クックッ


176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 19:46:12.58 ID:YrHjgEwFo

騎士団長「は……信じ難い事にこの魔剣は、成長に似た……進化をしていました」

騎士団長「宮廷魔術師の何人かを呼び、三日かけて魔剣の内部構造を調べた所」

騎士団長「常時、ゆっくりではあるもののミスリル銀や金剛鋼、鉄や石に近い性質の金属が密度を変動させています」


女王「それで?」


騎士団長「変動に法則が見られました」

騎士団長「周囲の環境……極端に言えば『音』に反応し、この魔剣が『視認』した物や人物によって速度も密度も成分も変える」

騎士団長「最も変動が激しかったのは私が触れている時でしたか」

女王「ククク……それで? それで……その様を見てそなたは」

女王「『少女』だと、思ったわけか?」

騎士団長「……は」コクン


177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 19:58:09.44 ID:YrHjgEwFo

騎士団長「この魔剣は未完成、或いは未熟と表現するのが正しい」

騎士団長「何も分からず、何も知らないが故にこの魔剣は世界を観測する事で己の正しい姿を作り出そうとしている」

騎士団長「他の魔剣やただの剣を真似て」

騎士団長「それを持つ人間の状態を観察して」

騎士団長「完成させようとしているのです、己の生き様を」


騎士団長「故に、他者の目や親の姿に翻弄されながらも背伸びする姿を、私は『少女』だと思ったので ─────

女王「あはははははは!!」


女王「団長、騎士団長! おま、ククッ、お前は……その魔剣が何故に女だと思ったのだ?」クックッ

女王「今の話ではただの赤子とでも表現出来そうだが?」


騎士団長「 ────────── 」

騎士団長「…………ああ、失念しておりましたな」

騎士団長「私はこの魔剣から剣としての美しさを感じなかったのですよ」

騎士団長「代わりに感じたのは刃を彩るこの深紅の輝き……」

騎士団長「赤いドレスを着た女を目にしていると言えば良いですかな?」


女王「ほう」

女王「暫くそなたには休暇をやるから寝ていると良いぞ?」ニコッ


騎士団長「へ、陛下! 疲れているわけではないのです!!」ガバッ

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 20:08:51.22 ID:YrHjgEwFo

################


< カタンッ

女王「あー、それにしても昼間の騎士団長が面白かったな」

女王「どうだった奴との数日間は? ククク」

< ……

女王「あれは的を射ていたろ、まぁ妾はそなたが女だと知っていたが」

女王「何せあの人間が造った魔剣なのだからな」

女王「若いあの騎士が頼まなくとも、いつか近い物を造りかねないと妾は思っていたのだ」クックッ

女王「あれは狂っているからな」

179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 20:15:36.56 ID:YrHjgEwFo

女王「妾は『政』には手を出さない」

女王「王であるが、妾は王の中の王であるが故にな」

女王「妾は一つの物事に対し、適した者に適さぬ命を下し、そしてそれを必ず達成させる」

女王「失敗は決して起きない」

女王「そなたにそれが如何に他の『魔女』を凌ぐ特異性を持っているのか、まだ分からぬだろうが」

< ……

女王「いずれ、そなたに国や王の話を改めてしたいものだ」

女王「妾の友としてな」スッ

< ガキンッ

180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 20:25:13.78 ID:YrHjgEwFo

女王「誰かおらぬか」


< ガチャッ

女副団長「ここに」ザッ


女王「この魔剣を宝物庫へ安置せよ」

女王「妾が取りに行くまでは封印する」


女副団長「御意」

< シャキ・・・ンッ


女王「次は少し退屈になるぞ」ボソッ

女副団長「……?」


181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:19:41.10 ID:YrHjgEwFo
【玉座の間】


──────── 「良かったの?」


女王「何がだ」

女王「あれは騎士団長の言う通り未熟、妾と肩を並べるにはまだまだ時が必要である」


眼鏡少女?「……そう」

眼鏡少女?「幻想剣・子守唄は五代目、あれが次に成長し世代交代するのは約四年と二ヶ月」

眼鏡少女?「それまで宝物庫にしまっておくの?」


女王「いいや」

女王「その前にあれは、己の運命に導かれてこの城を旅立つだろう」

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 21:27:02.95 ID:pCRXnEz8o
魔剣は特性を受け継いでるのね
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:30:33.75 ID:YrHjgEwFo

< ペラッ……カキカキ……

眼鏡少女?「記録した」

眼鏡少女?「貴女の城の封印は厳重な筈だけど、本当に誰かが持ち去ると?」


女王「さぁな、妾の見立てではそう単純ではないだろうが」

女王「……」

女王「妾は王だ」


眼鏡少女?「そうね」


女王「妾の上に立つ者は、いずれも次元の違う強敵ばかりである」

女王「肩を並べられる者も、もうそなたしかおらぬしな」

女王「だから妾はあの魔剣には期待しているのだ」

女王「あれは際限無く進化し続ける、時間が許す限りどこまでも」


眼鏡少女?「……そんな剣や武装はこれまでに一度も出てきてない」パラパラ

眼鏡少女?「理由は明白、強力な武器は必ず私達が破壊してきたから」パタンッ


女王「本の虫め、常に新しき存在が生まれる時は異例に決まっている」

女王「妾はな、知ってほしいのだ」

女王「この世界を生きる上で何が必要なのかを」

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:38:17.59 ID:YrHjgEwFo

女王「いつか」

女王「いつか、あの魔剣は辿り着く筈なのだ」

女王「『魔女』と同じ領域、妾の横に」


眼鏡少女?「……私達と同じということは、あれがいずれ認められると?」


女王「然り」


眼鏡少女?「たった数ヶ月で随分気に入ったのね」


女王「…………」

女王「『西』と『北』が何者かに支配され、妾の友を一人、二人と奪った者……」

女王「奴等を倒すのは妾ではないと予感しているのだ」

女王「だが、それまでは……」


185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:52:44.38 ID:YrHjgEwFo


『とある鍛冶師が打った剣は、南の国を治める一人の王の手に渡った』

『その王は、誰よりも気高く、強く、賢い王として民に愛されていた』


『ただ、その側面は偽りであると魔剣は知っていた』


『魔剣が気付いた事に、王も気付いた』

『まるで視線が交差するように』

『純粋に、王としてではなく景色の一部として、無垢な視線が見つめているのに気付いたのだ』


『魔剣は知らない』

『女王がどんな存在なのか、どれ程の存在に怯えているのか』

『彼女が何を思って魔剣を知ろうとして、何を知ったのか』

『最後の別れ際に何故、自分を宝物庫に封印したのか』


186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:00:53.27 ID:YrHjgEwFo


『四年後』

『宝物庫へ女王は、騎士団長に命じて様子を見てくるようにした』


『国の備えとして様々な財宝や呪いの品を置いている宝物庫』

『光輝くその様は豪華絢爛』

『その深奥で封印されていた魔剣を見て、騎士団長は言葉を失った』

『魔剣は淡く赤い光を放ちながら、その刃を「鏡」に変えていたのだ』


『美しい財宝と、自身の姿を映す剣の妖しい光』

『騎士団長は女王へそれを報告する為に、再び宝物庫を閉じた』


『招かれざる者が共に入り込んでいたとも知らずに』


187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:08:36.62 ID:YrHjgEwFo



騎士団長「申し訳ございませんッ!! 此の身がいながら、賊如きに宝物庫に侵入されるとは……!!」


女王「良い」


騎士団長「……!?」


女王「盗まれたのは封印していたあの魔剣だけだと言ったな、確かか?」


騎士団長「間違いありません……ッ」ギリッ

< スッ

女王「ならばその賊については不問とする」ナデナデ

騎士団長「や、はっ……!?」ビクッ

女王「それよりも妾が命じた事を遂行せよ」

女王「あの魔剣は鏡になったのだな?」

騎士団長「は、はい……!」


騎士団長「あれは美しい……しかし、剣としての役目をまるで失われた様に見えました」

騎士団長「性質上、再び戦いの中に晒せばあの力を見せるかとは思いますが……」


女王「…………く、ククク……」

女王「そうか」クックッ

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:15:03.81 ID:YrHjgEwFo




女王(あの魔剣は他者に振り回されている)

女王(刃を振るのではない)

女王(力を振るのではない)


女王(在り方すら自身の意思で決める事が出来ない、未熟な剣)

女王(やはりそなたは……妾の元で研鑽するよりも先に学ぶべきだ)

女王(人間がどれだけ自由か、意思を持つことが如何に美しいか)



女王(剣ならば、真っ直ぐ生きて見せよ)

女王(そして再び妾の元に来るが良い)


女王(……願わくば……)






189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:16:47.10 ID:YrHjgEwFo



──────────  「妾のような道化には成り果てるな」






       【story..4】

       【魔剣六代目】

    【その名は……「王ノ道化」……】







190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:35:59.64 ID:YrHjgEwFo


【二年後……南の大国『サース』城下町】



ハゲ男「よぉ、お前足を洗ったって?」

< カランッ……ゴクッゴクッ……

ハゲ男「羽振りも良いって聞くぜ、一体どんなお宝を盗んだんだよ?」

ローグ「……別に、剣を一本拝借しただけだ」

ハゲ男「ほー! その腰のか?」

ローグ「ああ」

ハゲ男「見せてくれよ」

ローグ「駄目だ」

ハゲ男「あ? 何だよケチくせぇぞ」


ローグ「この剣は見る者を狂わせちまうのさ」


191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:42:03.38 ID:YrHjgEwFo

ハゲ男「見る者を狂わせちまうのさ」キリッ

ハゲ男「だってよぉ! ひゃはぁーっかっくぃい!」バンバンッ

ローグ「うるせぇぞハゲ」ゴクッゴクッ

ハゲ男「はぁおもしれえぇ……で、今は何の仕事してんだ? 元『怪盗』さんよ」

ローグ「冒険者ギルドで依頼を受けて、仕事を片付けて、金を貰う」

ハゲ男「裏では?」

ローグ「それだけだよ、俺はもう盗みも人殺しもしない」

ハゲ男「この二年音沙汰ねぇと思ったら、綺麗になっちまいやがって」

ハゲ男「理由はなんだ? 町の裏組織の連中にお前は狙われてただろ」

ローグ「奴等は軽くあしらえる、俺を捕まえる事なんて出来やしない……ただ」




ローグ「……足を洗ったのは、女に惚れたからだ」


192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:43:25.35 ID:YrHjgEwFo








       【nextstory..5】

       【魔剣七代目】

    【その名は……「愛/憎」……】







193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:45:21.12 ID:YrHjgEwFo
一旦切ります
調子良ければ日付変わった辺りから開始
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 23:42:01.45 ID:pCRXnEz8o
おつ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 02:18:57.25 ID:J+sZI/aN0

続きがすごい気になる
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:21:17.63 ID:xBLyFS2fo

    「こんばんは」

    「実は私、頼りになる冒険者の方を探していまして」

    「急ぎの依頼があるんです」

    「……え? 冒険者じゃ、ない……?」

    「ごめんなさい私ったら……」

    「でもどうしよう、このままだと……妹が……」

    「貴方がもし依頼を受けて下さるのなら、金貨四百は出せます」

    「お願いします……私の妹が男達に拐われてしまって、助け出さないと……」


    「本当ですか!? ありがとうございます!」


    「申し遅れました、私は……」


    「……貴方の、お名前は?」


197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:30:56.40 ID:xBLyFS2fo

ローグ「…………」

ローグ(眠っていたか)ムクッ

ローグ(剣は……あるな)カチャッ

ローグ(ハゲと話し込んで、潰れたのか?)


< 「ごきげんよう、ローグ様」


ローグ「……お嬢、またこんな酒場まで来て」

令嬢「貴方のお家に伺ってみたらいなかったので」ニコッ

ローグ「……」ぽりぽり

ローグ「酒の臭いは朝から嗅ぎたくない、出るぞ」

令嬢「はい♪」

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:36:33.34 ID:xBLyFS2fo

令嬢「今日も気持ちの良い天気ですね、ローグ様」

ローグ「そうだな」

令嬢「久しぶりに城下町の外に行きませんか?」

ローグ「あの森か」

令嬢「はい♪」

ローグ「……」

ローグ(確か魔獣の報告がギルドに出ていたと思ったが)

ローグ(まぁ……)

令嬢「?」

ローグ「行こうか」

令嬢「ふふ♪ では家の者に伝えて参りますね」

ローグ(今日も眩しいな、この貴族のお嬢さんは)

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:57:42.64 ID:xBLyFS2fo

################


< ヒヒィンッ

ローグ「足元に気を付けろよ」

令嬢「以前は落馬も同然の姿を見せてしまいましたものね、よいしょっ」スタッ

ローグ「貴族は乗馬も教育されていると思っていたがな」

令嬢「私は妹とは違って体が弱くて、町へ出たのもこうして成人してからでした」

ローグ「……深窓の令嬢、ってとこか」

令嬢「ふふっ、箱入り娘と言って下さい♪」


令嬢「ローグ様、泉の辺りまでまたお願いできますか?」スッ

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 22:04:34.99 ID:xBLyFS2fo

ローグ「自分で歩けとは言わないけどな、つまらないとは思わないのか?」

令嬢「ローグ様は私を抱いていても安定して歩いて下さるので、楽しいのです」

ローグ「なんだよそれ」

令嬢「普通は人を片腕で抱き抱えたまま、足場の悪い森を歩けませんもの」

令嬢「揺れも感じないですし……」

ローグ(そりゃあんたに気を遣ってるからだよ)

令嬢「何より」

< ギュ……ッ

令嬢「……安心します」


ローグ「…………」

ローグ「俺もだよお嬢」

201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 22:25:01.88 ID:xBLyFS2fo

< ザァアアア・・・


令嬢「今日は天気が良い分、湧き水の量が多いですね」

ローグ「そうだな」

令嬢「でもその代わりに小魚が見当たりませんね」

ローグ「そうだな」

令嬢「ふふっ♪」


ローグ「……」

ローグ「何故だろうな」

令嬢「何がですか?」

ローグ「快晴の時は魚が減り、そして綺麗な水の出る量が増える」

ローグ「時々不思議に思うんだ」

202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/02(水) 18:37:32.34 ID:pS7hh+Ijo

令嬢「そうですね」

令嬢「一説では女神がそれぞれの役割を持っていて、水の女神が魚を増やしたりしているとか」

ローグ「どういう意味なんだ、それ」

令嬢「快晴の時は力が弱るんです、晴れを司る女神に天気を取られている間だけ」

令嬢「だけど湧き水を増やす事なら出来るんですよ、理屈としては元からある水だからでしょうか?」

ローグ「……あぁ、なるほど」

令嬢「実際は分かりませんけどね、この理屈だと女神様が何人もいることになりますから」

ローグ「何人もいて良いと俺は思うけどな」

令嬢「どうして?」

ローグ「一人よりは、仲間や家族がいるほうが楽しいに決まっている」

令嬢「確かにそうですね」


令嬢「……ふふっ♪」

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 02:41:46.46 ID:gruY/G/Uo

################


ローグ「そろそろ町に戻るぞ」

令嬢「ん……ごめんなさい、寝てしまったのですか私?」

ローグ「気にするなよ」

令嬢「ローグ様とのお時間を無駄にしたことが、少し残念で……」

ローグ「……あー」

ローグ「その考え方は好きじゃない、生きてればそれで無駄にはならないんだ」

令嬢「はい?」

ローグ「……」

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 12:05:56.91 ID:gruY/G/Uo

【王都・中央区『冒険者ギルド』】


ローグ(陽が暮れたな……今からでは新しい依頼は無いか)

ローグ(酒場に行く気分でもない)

ローグ(……今日は帰って寝るか)スッ

受付嬢「ローグ様、少しお時間を頂けますか?」

ローグ「?」ピタッ

受付嬢「緊急の依頼がありまして、ローグ職の冒険者を探しているのです」

受付嬢「まだ何処のパーティーも帰ってきていないので、困っていて……」

ローグ「……俺で良ければ受けたい」

受付嬢「ありがとうございます、こんな時間なのに」

ローグ「いやいい、それよりどんな依頼が?」


受付嬢「王都より北西に伸びている谷沿いに、古代遺跡が見つかりました」


205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 12:25:14.52 ID:gruY/G/Uo

################


シーフ「旦那が俺と組むローグ職かい? 俺はシーフ、宜しくな」

盗賊「自分は盗賊やってたもんです、あんまり戦力にならないかもしれないけど宜しく」

ローグ「ローグだ」



女副団長「もう夜なのに集まって貰ってありがとぉございますぅ」

女副団長「既に職員から聞いてると思うけどぉ、実は王都から近い位置に古代遺跡が見つかったのよねぇ?」

女副団長「ギルド長として、王国代表『王の騎士団』として、貴方達には緊急で遺跡の調査をして欲しいのよぉ」



ローグ(ギルド長……確か騎士団の副団長の一人か、この女)

女副団長「私達騎士団メンバーから派遣しても良かったのだけど、どうも相性が悪いみたいなのよねぇ」

女副団長「危険だと判断したなら途中で帰還しても構わないわぁ、依頼の優先度としては……」

女副団長「『敵性モンスターの有無』、『遺跡の規模』、『プラントの状態』、この順番で調査してくれれば充分ね」

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/04(金) 00:17:28.38 ID:25a6bKp6o

シーフ「質問」スッ

女副団長「何かしらぁ」

シーフ「報酬、それに加えて遺跡で見つけた物資や武装についてだな!」

シーフ「噂に聞く『あれ』なんかを見つけた場合、持ち帰って良いのかどうかってとこだ」

女副団長「報告をきちんとするなら幾らでも持って行けば良いわぁ? ただ、報告をすればの話だけどね」

シーフ「だとさ」

盗賊「欲は出さない方が良さそうだね」


女副団長「そっちの君は聞かなくていいのぉ?」

ローグ「…………」

ローグ「いや、いい」チャキッ…

女副団長「そぉ」


女副団長「それならこの後に職員から遺跡の細かい位置を記した地図を渡すから、任せたわぁ?」

女副団長「よろしくねローグ職の冒険者さん達」


207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/04(金) 00:54:11.43 ID:25a6bKp6o

【馬車内】


< ガラガラガラガラッ

シーフ「頼りにしてるぜ旦那」


ローグ「俺を?」

シーフ「そうだとも、俺やそっちの元盗賊じゃ遺跡で戦闘になったら役に立たねえかもしれないからな」

シーフ「俺は対人なら腕に覚えがあるけどさ、生憎モンスターは専門外だしよ」

ローグ「あぁ、なるほど」

盗賊「自分は古代遺跡に潜るのは経験あるんで、安全確保やスニーキングは任せて下さい」

シーフ「おう! 頼りにしてるぜお前らー!」

ローグ「……あのな」

ローグ「俺は遺跡に潜った事も、遺跡のモンスターと戦ったことも無いんだぞ」

シーフ「 」

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/04(金) 02:13:34.91 ID:25a6bKp6o

盗賊「それ……本当に?」

ローグ「生まれてこの方、一度もない」

盗賊「ギルドが人選をミスするとは思えないから、てっきり戦闘向きなのかと……」

シーフ「腰の剣も立派そうだしなぁ、詐欺だぜそりゃ」

ローグ「そうは言われてもな」

盗賊「遺跡を探索する際は自分が先頭を進みますんで、雰囲気と歩き方は見よう見まねでお願いします」

盗賊「それと、遺跡にいるかどうか分からないけどモンスターについて」

盗賊「遺跡のモンスターは人形みたいなタイプの奴が殆どで、基本的に出会い頭に襲ってきたりはしません」

ローグ「……」

盗賊「しかし気を付けなければいけないのが、人形ではなく巨大な箱型のモンスターが現れた時です」


盗賊「そいつが現れた時に限り、打つ手は無く、全力で逃げます」


209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/06(日) 09:05:46.98 ID:u5fHzhUTo


─────── ……【南の大国『サース』王都北西部・崖下の遺跡】



御者「馬車が入れるのはここまでです、遺跡付近に何かあるとも知れませんので」

シーフ「ごくろうさん、調査が終わったら水晶で連絡すっからな」

御者「御武運を」


< パシィンッ

< ガラガラガラガラッ……!


シーフ「さて行くか」

盗賊「では先頭は自分が」

ローグ「……」

< チャキッ…

ローグ(剣を抜く事が無いと良いんだけどな)

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/06(日) 09:14:20.21 ID:u5fHzhUTo

< コツッ

盗賊「…………」

盗賊「『潜水術式』は無し、かな」

盗賊「来て良いですよ」クイクイッ


ローグ「何故地面を探りながら進むんだ?」

シーフ「殆ど無いらしいけどな、古代遺跡を探索する時の儀式みたいなもんだ」

シーフ「その昔、古代遺跡を見つけた国が調査隊を派遣して壊滅した事があるんだと」

シーフ「その原因は入口周辺の地面に埋められた、鉄の罠だったんだ」

シーフ「足を乗せるだけで人が爆発四散するわけだ」

ローグ「……なるほど」

シーフ「ほら、行くぞ」タッ


ローグ「…………」チャキッ…

ローグ(刃に映るかどうかは知らないが、少なくとも『見えないな』)

ローグ(問題ないならいいが)チャキッ

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 18:19:55.25 ID:455ZctSd0
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/10(木) 16:07:47.42 ID:Xke1z2efo

################


< ピピッ……ビーッ

< ガーッ


盗賊「開いた」

ローグ「その光る板は?」

盗賊「自分はこの板に表示されてる文字を読むことが出来ませんが、『東』の都では解読されてるとか」

盗賊「この板は『PDA』といって、こうした遺跡で扉や仕掛けを解くのに重宝されてるんですよ」

盗賊「古代文字の解読出来る人間なら、このPDAを用いて遺跡内の情報を抜き取ったり出来るそうですが……」

ローグ「〜〜……わかった、いやよく分からないけど……」

盗賊「あはは」

シーフ「二人ともちょい待てよ、念の為に索敵しとくから」スッ


シーフ「…………」

シーフ「よし、居ないな」

ローグ「足音なんてするのか? 地面……いや、足下のこれは大理石か何かか?」

シーフ「さぁな、鉄板に近い」

シーフ「まぁ俺を信じろよ、旦那」テクテク

ローグ「……」

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/10(木) 17:42:45.74 ID:Xke1z2efo

ローグ(遺跡の内部は暗い)

ローグ(灯りは最小限の魔術による灯火だけ、おまけに……)

< ギシッ……ギシッ……

ローグ(大丈夫なのか、この足下は……)ギシッ


盗賊「……む」

シーフ「どしたー?」

盗賊「扉です……通路左手の脇と、恐らく右側前方のあれが」

シーフ「脇のとこはともかく、通路先のはちょっとわかんねぇな」

盗賊「自分がまた開けます」カチャッ


ローグ(……)

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 04:53:51.24 ID:CtfofpFe0
面白い
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 16:51:53.67 ID:FsUxk5mQ0
独特なペースで更新されるから感想書くタイミング難しいww
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 11:45:01.44 ID:OVywW9jro

< ビーッ

< カシュンッ


盗賊「……」コソッ

盗賊「多分、大丈夫です」

シーフ「暗くて何も見えねえな……って、お? この部屋いきなり当たりじゃねえか?」

盗賊「本当だ……! やった、はは! 本当に手付かずの遺跡だったんだ!」


ローグ「……?」

ローグ「ただの薄い板がテーブルに並べられてるだけじゃないのか……ガラスか、これは?」コンコンッ


盗賊「さっき説明したPDAより沢山の情報が詰まってるのが、このボックスですよ」

盗賊「まぁ、売るとしたら『東』に行くので手間がかかりますけどね」

シーフ「ざっと二十台あるな、調査終わったら軽くもって帰りたいぜ」

ローグ「荷物はまだ増やせないぞ」

シーフ「分かってらぁ」

217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 12:06:47.46 ID:OVywW9jro

< ガサッ

シーフ「お、見つけたぜー」

ローグ「それは……見取り図か、色つきとは豪華だな」

シーフ「古代人の技術に一々驚いてたらキリないぜ? 旦那」

盗賊「自分達のいる位置が赤のキューブだとしたら、北に向かってまだまだありますね」

シーフ「こりゃぁ一日じゃ調査しきれないな」


ローグ「行けるところまで行こう」

シーフ「ああ、だな」


218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 12:15:24.29 ID:OVywW9jro

< ビーッ

< カシュンッ


ローグ「……大丈夫だ、何もいない」

盗賊「了解」

< ギシッ……

盗賊「っ!!」ピタッ

ローグ「…………」

盗賊(……今の、聞こえましたか?)パクパク

ローグ(唇の動きか? ……あぁ、聞こえた)コクン

シーフ(問題発生?)スッ

盗賊(奥で物音が)パクパク

シーフ「…………」


< ギシッ……ギシッ……

< ギシッ…………


219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 14:00:09.81 ID:OVywW9jro

ローグ「……」チャキッ…

シーフ「!」

ローグ「……」スラァ…ッ

ローグ(暗くて見えねえが、恐らくこの剣を介して見れば……)チラッ

ローグ(……あれは……)

ローグ「待て、モンスターじゃないぞ」


シーフ「お?」

盗賊「ネズミか何かですか?」

ローグ「いや、円盤のような……?」



ル○バ< ウィーン……ギシッギシッ…



220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 17:15:22.37 ID:noFRrGFzO
えぇ…(困惑
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 20:17:53.80 ID:X+mP3Ftxo
武装を積んだルンバかもしれん
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 20:20:46.17 ID:qUbz/bcy0
ワロタ
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 03:18:30.36 ID:Krj1oNnK0
不意打ち食らった感触
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 07:05:31.04 ID:TSDLtUaUO
原監督かもしれん
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/14(月) 07:12:32.91 ID:3nUFlakHo

ローグ「……床の亀裂に引っ掛かって動けなくなった、みたいだな」

盗賊「古代人の持つ機械ですよこれ! わぁ、凄い! 動いてる!」

シーフ「静かにしろってお前……んでも、なんで動いてんだ?何百年か下手すりゃ千年前の文明なんだろ?」

盗賊「分かりませんが動いてるのに変わりありません、触って良いのかな……」


ル○バ< ウィーン……ピタッ


シーフ「!」

ローグ「赤い光を出して止まったぞ」

盗賊「…………」ドキドキ


ル○バ< 『siriの充電がありません、スリープモードに入ります』

ル○バ< 『再起動する場合、本体上部のお掃除モードを切り替えぬようお気をつけ下さい』

ル○バ< 『スリープモードに入ります』


< キュゥゥン……


シーフ「……」

ローグ「……」

盗賊「……しゃべった」

226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/14(月) 07:26:30.28 ID:3nUFlakHo

################


盗賊「寝てるらしいけど、不思議だなぁシリちゃん」

シーフ「マジで持っていくのかよ……」

盗賊「女の子の声だったし、女の子を一人で寝かせるわけにもいかないよ」

ローグ「胴体よりでかいぞその円盤……」

盗賊「シリ、です」

ローグ「…………」
シーフ「…………」


盗賊「この先の通路の脇に枝分かれするように部屋か何かありそうです、行ってみましょう」

盗賊「充電の言葉が、雷を帯びる意味なら……シリちゃんに雷を与えていた魔術師がいるかもしれません」

ローグ「……そうなるな」

シーフ(勘だが、絶対違うと思う)

227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/14(月) 07:35:47.01 ID:3nUFlakHo

################


< ピピッ……ブーッ

盗賊「あれっ」

ローグ「どうした」

盗賊「開きません、おかしいな……PDAを近づけて暫くすると開くんですが」

ローグ「開かないか」

シーフ「お宝ありそうじゃねえの? 旦那」

ローグ「そうはいってもな、開かないなら後回しだ」


ローグ「二人が援護してくれるなら、開けても良いけどな……」


シーフ「?」

盗賊「開けられるなら開けて下さい、今のところ近くに何かいる気配はありませんから」

ローグ「分かった、離れてろ」

228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 19:20:00.98 ID:uvjF4X900
シリwwwwwwww
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:00:38.05 ID:nJLwUg4eo
    ゴッ!!

< ギギィッ……!


ローグ「……開けたぞ、索敵頼む」ギシッ

シーフ「お、おう……」

盗賊「鋼鉄の扉を殴って破壊って、ローグさんもしかして元騎士とか?」

ローグ「騎士団の方が化け物揃いだよ、何言ってるんだお前」

盗賊「ローグ職にあるまじき怪力だったので、つい……」

ローグ「そもそも鋼鉄じゃないぞ、この扉」コンコンッ

盗賊「?」

シーフ「分かるのかい旦那?」


ローグ「強度は鉄に近いが恐ろしく軽い、重量を活かした打撃なら歪ませる事は出来る」


230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:26:55.17 ID:nJLwUg4eo

< コツッコツッコツッ……


ローグ(……)

ローグ(ここまでの通路と足元の状態が変わった……いや、さっきまでと比べれば)

ローグ(空気そのものが澄んでいる……?)


盗賊「シーフさん、奥の箱開けられますか?」

シーフ「お得意のピーディエーはどうしたよ」

盗賊「鍵穴みたいなのがありまして、それ以外は何も」

シーフ「解錠スキルはねぇのかい……」

盗賊「自分では開けられません」

231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:33:26.60 ID:nJLwUg4eo

シーフ「随分物々しいな、こりゃ」トントン

盗賊「材質も鋼鉄とは違うみたいです」

シーフ「旦那っ」チラッ


ローグ「……」


シーフ「聞こえてないな、おーい旦那!」

ローグ「! なんだどうした?」ピクッ

シーフ「何ボーッとしてんだよー、こっちゃ……」




    パッ



ローグ「ッ!」バッ
盗賊「うわ、光が!?」バッ
シーフ「うぉぅ……!」

232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:44:45.58 ID:nJLwUg4eo


──────────・・・



ローグ「………………」

盗賊「……反応無いですね」

ローグ「この天井の白い光は何故、このタイミングで点灯したんだ」

シーフ「俺が大きな声出したからかねぇ」

ローグ「扉を殴った音が原因か、それとも……」

盗賊「こ、古代遺跡の仕掛けの中には人の気配を感じて明かりを点ける物もあります……きっとそれです」

シーフ「物騒な仕掛けは無いのかよ?」

盗賊「人の気配を察知すると『古代兵器』が攻撃してくる物が……『東』の騎士が蜂の巣みたいに穴だらけにされたとか」

シーフ「聞かなきゃ良かった……!」

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