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女鍛冶師「魔剣の製造依頼?」
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2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/18(火) 23:53:28.90 ID:JalKAEGlo
鍛冶見習い「女の、心が宿った魔剣が欲しいって言われた」
女鍛冶師「は?」
鍛冶見習い「俺もそう言ったら、逆におかしな顔をされたわ」
女鍛冶師「……魔剣に人格を持たせるってわけ?」
鍛冶見習い「違うらしくてさ、心を宿して欲しいそうだ」
女鍛冶師「??」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/18(火) 23:58:49.42 ID:JalKAEGlo
【その夜】
女鍛冶師「心……心……」
女鍛冶師「んー……心を込めて造っても、魔剣に付与するとは違うし」
女鍛冶師「……うーん」
女鍛冶師「何本か打ってみよう、ミスリルは余分なのあるし」ガチャッ
女鍛冶師「真心を込めて」ブンッ
< カァーンッ
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/19(水) 00:06:03.85 ID:B4Ht6U41o
女鍛冶師「ミスリルソード完成」ガランッ
女鍛冶師「……あー」
女鍛冶師(切れ味は良いけど、多分これの事じゃないよな)
女鍛冶師「次行くか」ブンッ
< カァーンッ
####################
女鍛冶師「燃えるような情熱をイメージして、焔の魔剣完成」ゴォゥ
女鍛冶師「暑い」ゴォゥ
女鍛冶師「……あ」
女鍛冶師「女の心ってことは情熱とは限らないのかぁ……」
女鍛冶師「女心ね」
女鍛冶師「女心……女心か」
女鍛冶師(うん? わからんぞこれ)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/19(水) 15:33:19.53 ID:B4Ht6U41o
女鍛冶師「魔剣、ミスリルソード完成」ガランッ
女鍛冶師「……」
女鍛冶師「あれ、失敗?」
< ボソボソボソ……
女鍛冶師「うわ、成功してる」
女鍛冶師「その辺漂ってた女の亡霊を剣に封じてみたんだよね」
女鍛冶師「これ納品候補にしとこう」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/19(水) 17:43:39.33 ID:gCtRL8FPO
ハロルドもビックリ……するかなぁ
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/19(水) 18:54:30.93 ID:zl9Ye4HrO
ソーディアンかな?
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/19(水) 23:05:30.84 ID:B4Ht6U41o
< カァーンッ
< カァーンッ
女鍛冶師(女の心を宿して、か)ブンッ
< カァーンッ
女鍛冶師(その騎士様は何を思ってそんな注文をしたんだ?)
女鍛冶師(童貞を拗らせた? 王子様脳? 物好きの変態?)
女鍛冶師(……直に会うべきか)ブンッ
< カァーンッ
女鍛冶師(とりあえず、今度は私の血を使って精神体を宿してみよう)
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 03:36:51.76 ID:RwArKv5po
【一ヶ月後】
鍛冶見習い「納品してきたぞー」
女鍛冶師「ご苦労様ぁ……ふぁあ、ねむ……」
鍛冶見習い「無茶しやがって、剣一本作るのに拘りすぎなんだよ」
女鍛冶師「私にとって、剣とは産み落とした子供だからね」
女鍛冶師「例えその目的が命を奪う事でも、私が作るからには妥協はしない」
鍛冶見習い「師匠らしいお言葉ですな」
鍛冶見習い「で? 装飾はミスリル銀のみでシンプルにされてたが、ありゃどういう魔剣なんだ?」
女鍛冶師「それに答えても良いんだけど、今回の注文に関して私は依頼人の騎士様を調べないでいたんだ」
鍛冶見習い「ん?」
女鍛冶師「だから、依頼人の騎士様について先に聞かせて欲しい」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 03:47:02.18 ID:RwArKv5po
鍛冶見習い「よくある話だ、依頼人は若手の騎士でな」
鍛冶見習い「次の冬に王都でオーク討伐隊を率いるんだそうだ」
女鍛冶師「へぇ、有能なんだ」
鍛冶見習い「ああ、んで……その際にある式典で世に一本とない魔剣を自身のシンボルとして王に捧げるつもりなんだと」
女鍛冶師「……それで何故、女の心を宿した魔剣を?」
鍛冶見習い「その騎士様は『女心が分かる』異能をお持ちらしくてな、どんな女も虜にできるそうだ」
女鍛冶師「…………」
鍛冶見習い「あんたにゃ不快な話かね?」
女鍛冶師「いやいや」
女鍛冶師「その騎士様には丁度良い剣を作れたと思ってな」ククッ
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:00:34.03 ID:RwArKv5po
鍛冶見習い「このひと月、色々作ってたみたいだがやっぱり女心を持った剣なのか」
女鍛冶師「いーや、それも作れたがもっと単純に、そして重要な機能を備えた剣が出来た」
鍛冶見習い「おー」
女鍛冶師「女心はね、『女じゃない所からスタートしてる』のさ」
鍛冶見習い「女じゃない……? 男ってことか?」
女鍛冶師「そこが私ら女と男の発想の違い、あんた達男の目線では絶対に計れない一線だ」
女鍛冶師「どんな生き物だろうが、どんな神だろうが、化け物だろうが、道具だろうが……」
女鍛冶師「そこには必ず生まれたばかりの赤子の時期が存在する」
女鍛冶師「結果として女となるかもしれないが、その過程は幼い赤子なんだ」
女鍛冶師「そこに心が生まれるとなれば、ただ成長し経験するのも容易じゃない」
女鍛冶師「ましてや『女の心』だ……そこに至るにどれだけの経験と思考、そして環境が左右すると思う?」
女鍛冶師「他所から仕入れた女性人格を植え付けた剣なんかじゃ駄目さ、持ち主には応えられない」
女鍛冶師「剣として完成された『女』が欲しいなら、まずは育てるしかない」
鍛冶見習い「あー……それってつまり、あの魔剣は……」
女鍛冶師「性別は女かもしれんがあれに人格や思考はない、ただのミスリルソードだ」
鍛冶見習い「詐欺じゃねえか!!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:12:54.12 ID:RwArKv5po
女鍛冶師「あっはっはっは! 詐欺じゃないだろ! 女の心を宿した剣が欲しかったんだろ!」
鍛冶見習い「相手は貴族なのに何やってんだよ……ちょっと行ってくる」ガタッ
女鍛冶師「まぁ待ちなって」
鍛冶見習い「あ!?」
女鍛冶師「まだ物心がなく、思考するだけの意識がはっきりしてないだけだ」
鍛冶見習い「……!」
女鍛冶師「あの魔剣はここ最近の中じゃ最高傑作だよ、何せ私にとって本物の娘そのものだ」
女鍛冶師「あの剣は戦いを『見て聞いて感じて』経験し、周囲の者達……環境の中で育つ」
女鍛冶師「そこに際限は無いだろうね、破壊されない限りあの魔剣は寿命が存在しない」
女鍛冶師「決して錆びず、刃零れしてもものの数日で治癒する」
女鍛冶師「そして次第に強くなる、成長するんだ」
鍛冶見習い「……」
女鍛冶師「若手の騎士様に金貨四十で渡すには、少し性能が良すぎると私は思うがね」
鍛冶見習い「そうだな、ああ……きっとそうだ」ガタッ
女鍛冶師「私は寝るよ、おやすみ」スタスタ
鍛冶見習い「なぁ、あの魔剣……名は?」
女鍛冶師「……」ピタッ
女鍛冶師「名付けるには私は母親として未熟だったからね、だからあの剣は……」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:15:31.13 ID:RwArKv5po
【story..1】
【魔剣初代】
【その名は……「無名」……】
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:35:18.31 ID:RwArKv5po
【数ヵ月後……南の大国『サース』、王都郊外】
騎士隊長「退却だ……! 退却ー!!」
騎士「隊長! 周囲の森には伏兵の危険があります……これでは……!」
騎士隊長「貴公は後続の部隊にこの事を伝え、王都へ撤退せよ! 殿は俺に任せろ!」シャキッ
騎士「しかし指揮官を置いていく訳には……っ」
騎士隊長「俺の命やお前達の立場などどうでもよい!! 事は一刻を争うのだ!」
『とある鍛冶師が打った剣は、若い騎士に渡された』
『魔剣は見ていた』
『近年、国中を悩ませていたオークの群れを討伐すべく出発した騎士達』
『彼等がオークの住み処である樹海に到達した時、予想外の待ち伏せとオーク達に混ざって襲ってきたオーガの集団……』
『この二つによって、討伐隊の騎士達は成す術もなく蹂躙されていったのだ』
オーク「ブゴォォオッ!」
騎士隊長「はぁーッ!」ガキィンッ
『この時、想定外の規模とオーガも徒党を組んでいた事実を王都に伝えるために、騎士達を逃がすべく若い騎士が残った』
『魔剣は聞いていた』
『絶望的な状況の中で吼える男の声、そして重い棍棒が剣と打ち合わせる音を』
『如何に優秀な騎士といえど、多勢に無勢』
『直ぐに彼は背後からの投石と凶刃により倒れた』
< グシャァアッ
騎士隊長「ぐぁあああっ……!!」
オーク達「「ブゴォォオッ!! ブゴォォオッ!!」」
オーガ達「「ゴァアアアッ!!」」
『魔剣は初めて感じ取る』
『死と戦場の雄叫びを』
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:46:27.29 ID:RwArKv5po
オーガキング「……」ズンッ
オーククイン「……」
『若い騎士を討ち取り、その首を掲げたのはオーガ達の王である』
『数十年に一度生まれる特異個体が彼であった』
『その隣に並ぶのは同じく特異個体のオーク達の女王』
『両者は人間の戦士に勝った事に満足し、森へ戻って行く』
『それに兵士であるオーク達とオーガ達が続き、森の前には血の臭いが残るだけで静けさが戻った』
< 「ブゴォッ」
< 「ブゴッブゴッ」
オーク「……」ノッシノッシ…
< ガシャッ
オーク「?」
『ある、一匹のオークが足元で音を立てた物に気づく』
『それは彼が先ほど打ち合った、強い人間の持っていた剣だった』
オーク「ブゴッ」チャキッ……
オーク「…………♪」
『それは偶然だった』
『そのオークは剣の装飾や、刃から感じる魔剣の微弱な魔力に気づいたのだ』
『不思議で綺麗な剣だ、持って行こう』
『そう言って、オークは仲間と共に森へ帰っていく』
『一本の魔剣を携えて』
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:47:29.89 ID:RwArKv5po
【nextstory..2】
【魔剣三代目】
【その名は……「深紅」……】
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 04:48:33.87 ID:RwArKv5po
とりあえずこれで切ります
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 05:05:45.86 ID:UxmOMhBA0
乙
続きが気になる
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 07:19:01.79 ID:gdO/uixgO
鍛治見習い言葉使いめゃくちゃ偉そうだな見習いなのくせにこれは頭の上から溶けた鋼シャワーの刑ですわ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 07:56:15.97 ID:8xQNHzuo0
まだわからんけどこれRじゃなくてVIPでいけるんじゃない?
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 08:02:52.40 ID:Gbg8dctOO
エロじゃなくグロ方面でRに飛ばされるの危惧したんじゃね?
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 11:23:06.00 ID:RwArKv5po
>>20
今後、エログロ描写に近い
或いは性交描写が出る予定のため此方に立てました。
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 11:30:54.31 ID:RwArKv5po
【南の大国、エルフの住む森】
< カーンカーンカーンッ!!
< 「オークの群れだー! 皆起きろぉ!!」
エルフ娘「オーク……!?」
エルフ「近くの家を起こしに行け! 僕は他の戦士達とオークを止めに行く!」
エルフ娘「お父さん、でも……っ」
エルフ「心配するな、これまでもオークがこの集落を襲ったがいずれも退けている」
エルフ「早く行け!」
エルフ娘「はい……!」バッ
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 12:09:46.70 ID:RwArKv5po
< シュタッ
エルフ「状況は!」
エルフ剣士「数はたったの20だ、だが……妙だ」
エルフ弓手「どのオークも大した装備じゃないのに集落の周りを警戒していた見回りが殺られたんだ」
エルフ「オークの上位個体か……?」
エルフ剣士「分からん、とにかく数が増える前に女子供を逃がして我々も逃げよう」
エルフ「応!」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/20(木) 12:27:54.23 ID:3zEPWoLEO
剣がどう育つのか、面白そう
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 16:27:44.99 ID:RwArKv5po
─────── 南の大国『サース』のオーク討伐隊が急襲を受け壊滅。
この事実は当初、近隣の都市や村で噂として流れるも、直ぐに人々の中で忘れ去られる。
その噂が流れて以降、オーク達の姿を全く見なくなったからである。
しかし。
それから十二年後、新たに編成されたオークの新生討伐隊が再びオークの群れによって撃破された事で、それが真実として知れ渡る。
それもそのはず、今度は討伐隊が襲われただけでは終わらなかったのだ。
南の大国に存在する首都、『王都』以外の『辺境領』と『森林領』の二つがオークとオーガの軍団によって陥落していたのだ。
恐るべき統率の取れたオークとオーガの軍団を前に、遂に南の大国『王の騎士団』の出撃が決定。
更に二年後、オークの女王とオーガの王が討伐され、南の大国に平和が戻る事となる。
これは、その一年前。
とある魔剣が一定の成長により『三代目に生まれ変わった後』経験した出来事。
『三代目』が己の名を得るまでの小さな物語。
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 16:42:35.94 ID:RwArKv5po
赤オーガ【グハハハッ、容易いものだエルフという種族は……!】
老オーク【あれが元を辿れば我らオーク種の祖となる者とは到底思えませんな】
赤オーガ【だがエルフとオークの間に生まれる子は優秀なオークに育つ、女は生け捕りにして損はない】
赤オーガ【さぁ行け、我が兵達よ! 今宵もエルフどもを殺し犯し捕らえるのだ!】
< 【【ォォオオオオ!!】】ブゴォォオオオオ!!
老オーク【グブブ……さて、エルフの集落にも手練れは居るでしょうな……私も参りましょう】ノッシノッシ…
赤オーガ【グハハハッ! 女の戦士は殺すなよぉ?】
老オーク【勿論ですとも、グブブブブッ】ブゴォッ
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 16:54:03.00 ID:RwArKv5po
エルフ「風の精霊よ!」
< ヒュォオッ
オーク兵A【グァアッ!?】ズバァッ
オーク兵B【A! 野郎……ッ】
エルフ剣士「遅い!」ザッ……!
ザンッ!
オーク兵B【ッ……】ドサッ
オーガ兵A【かかれェェッ!!】バッ
オーガ兵B【ゴァアアアッ!!】バッ
オーク兵C【ブゴォォオッ!!】バッ
エルフ弓手「フッ ───────! 」ギリィッ
ビュビュビュッ!
< ドスドスドスッッ
オーガ兵A【がぁっ!?……!】
エルフ剣士B「ウォーッ!」ブンッ
< ズシャァッ!
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 17:00:33.57 ID:RwArKv5po
オーク兵【広場で戦ってるエルフ、強い!】
オーガ兵【隊長を呼んでこいよオラァッ!】
他オーク兵【オラ達の仲間、強いのいる、アイツ、集落の反対側、いる!】
オーガ兵【あー?】
他オーク兵2【アイツ、剣士! 凄い強い!】
オーガ兵【……よぉーし俺に考えがあるぞぉ、他の奴等に伝言しろオラァッ!】
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 17:04:31.79 ID:RwArKv5po
< 「ブゴォォオオオオ!」
< 「ゴァアアアッ!」
エルフ剣士「……気味が悪いな、オークとオーガが手を組むというのは」
エルフ「連中、距離を取るようになってきたぞ」
エルフ弓手「女子供もそろそろ反対側から逃げられた筈だ、突破口を開いて離脱しよう!」
エルフ剣士B「ああ……!」
エルフ(……む?)
オーク兵「ブゴッブゴッ」
オーガ兵「グルル……」ズッシズッシ…
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 17:08:33.40 ID:RwArKv5po
エルフ(……囲んでいるオークとオーガの動きが、変わった)
エルフ「女達の方へ俺達も行けそうだぞ」
エルフ弓手「何?」
エルフ「見ろ、奴等……何かを言い合いながら動きを変えている」
エルフ「中央広場から通じている集落の反対側、大樹林の方へ抜けられそうだ……!」
エルフ剣士「俺達が切り開く! 好機は今だ!」バッ
エルフ剣士B「援護は頼んだ……!」バッ
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/20(木) 17:16:36.10 ID:RwArKv5po
エルフ剣士「ハァァーッ!」ザンッ!
エルフ剣士B「であッ!!」ザンッ!
エルフ弓手「走れー!!」
エルフ「流石だな……!」ダッ
##############
オーク【反対側にいろって言われちまったけど、オラここで大丈夫だか?】
オーク【ブヒー……今頃、集落襲ってる奴等楽しんでるだかなぁ】
< ガサガサッ
オーク【ブヒ?】ブゴッ
エルフ娘「みんなこっち!…………えっ」ガサッ
オーク【…………】ヌッ
エルフ娘「オー……ク……!!」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:07:43.65 ID:q6DAOSO5o
女エルフ「きゃぁああっ!?」
オーク【ブゴッ!?】ビクッ
エルフ娘(相手は一匹、だけど他の女性達が……!)
< バッ!
エルフ娘「み、みんな逃げてぇえ!!」ガシッ
女エルフ「娘さんっ、ごめんなさい……!」ダッ
母エルフ「こっちよ!」
少女エルフ「怖いよままぁ……っ」
オーク【逃がす訳にはいかないだ……!】チャキッ
エルフ娘「ひっ」ビクッ
エルフ娘(お父さん……っ)
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:13:57.79 ID:q6DAOSO5o
オーク【……ブヒ?】ピタッ
エルフ娘「……っ」カタカタカタ…
オーク【……このエルフの女、すんげー綺麗だ……】ボソッ
オーク【ブゴッ……ちょっとだけ……】スッ
< モミュッ
エルフ娘「ひぃ……っ!」ピクンッ
エルフ娘(お父さんお父さんお父さん……っ!)ガタガタ…
オーク【ケツも、腹も、乳袋も、全部やぁらけぇ……】もみもみ……
< ヒュンッ
< ドスッ
オーク【ッ!?】ズキッ
エルフ弓手「その娘から手を離せオークが!」ギリィッ……!
エルフ「今助けるぞ!」
エルフ娘「お父さん!!」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:26:05.15 ID:q6DAOSO5o
オーク【ぎゃぁああ……! いてぇ……ッ】ヨロッ
オーク【どんな奴の剣も勝手に動いて防いでくれたのに、矢は防げないだか!? この剣!】
< シャキッ
エルフ弓手「剣士か、あのオーク」
エルフ剣士「俺達で行く!」
エルフ剣士B「ああ、エルフの剣術を前にあのオークも細切れにしてやる!」
オーク【ブヒィッ!】ブンッ
エルフ剣士(剣の振り方がなってないな、それにあの『手に馴染むように歪になった形』……所詮はオークの鍛冶技術か!)ヒュッ
───────── ブツッ ────────
エルフ剣士「え……?」
< ブシュゥッ!!
エルフ剣士B「!?」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:31:54.99 ID:q6DAOSO5o
エルフ剣士「ぐあぁああああああ!!?」
ドサァッ
エルフ剣士B「剣士ぃ! エルフ! 傷を治癒させてやってくれ!」
エルフ「あ、ああ!」
エルフ剣士B(今のオークの一撃、剣士は間合いの外へ避けた筈だ……それが何故!)
オーク【次はお前だブゴッ!】ザッ
エルフ剣士B「ならば殺られる前に斬る!」ビュッ
< ギィンッッ!!
エルフ剣士B「ッ、ぅぐあ……!?」ビリビリビリッ
エルフ剣士B(なんだこれは……打ち合った衝撃が重過ぎる……っ)
エルフ剣士B「!」ハッ
エルフ剣士B「その剣、魔剣か……!」
< ザシュッッ
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:37:44.85 ID:q6DAOSO5o
< ヴジュゥゥッ!!
< ドサッ
エルフ弓手「……っ、このオーク……強いぞ」
エルフ「おのれ……! 娘がいるのに……!」
エルフ弓手「魔法を撃つんだ、俺が奴の目を潰す!」
エルフ「ああ、わか…っ
老オーク【おやおや、こちらに来ていましたか】ヒュッ
ブスッ! ザシュッッ
エルフ「カッ………あ……」ブシュゥッ!!
エルフ弓手「」ドサッ
< ドサッ
エルフ娘「お、お父さん! いやぁあああ!」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:45:33.27 ID:q6DAOSO5o
オーク【ブヒィ……助かっただよ長老様】
老オーク【ふむ、お前は確かここ最近腕が良いと聞く剣を持ったオークだったかね】
オーク【んだ!】
老オーク【足止めご苦労、先に逃げていたエルフの女子供は既に私の配下が捕らえた】
老オーク【グブブ、お前には褒美をやりましょう】
オーク【おお!】
エルフ娘「お父さん……ねぇ、起きてよお父さん……っ」ユサユサ
エルフ娘「お父さん……っ」ユサユサ
オーク【あのエルフの女が欲しいだよオラ!】
老オーク【ほぉ、見たところそこのエルフのプリーストの肉親か何かのようですな】
老オーク【宜しい、そのエルフを褒美にやりましょう……良いオークの子を産ませるのですよ】ブゴッ
オーク【やったぁ! 流石長老様だよ!】ブゴォッ
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 08:52:03.33 ID:q6DAOSO5o
赤オーガ【こちらはもう終わってたか】ガサッ
老オーク【赤のオーガ殿】
赤オーガ【……あのオークは何を飛び上がっているのだ?】
老オーク【グブブブブ……いずれは私と同じシルバーオークになる逸材でしてな】
老オーク【褒美にあのエルフを孕み袋にする事を許しました】
赤オーガ【なるほど、オーク種なりのやり方か】
老オーク【それで集落の方は?】
赤オーガ【大量の食糧と武器、幾つかの地下室に隠れていた女を捕らえた】
老オーク【グブブブブ……流石ですな】
老オーク【(それにしても面白い剣を持っていましたな、あのオーク)】ブゴッ
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 09:00:25.77 ID:q6DAOSO5o
【四日後、南の大国…北東部にあるオークの森…】
オーク【ブヒー、久しぶりに帰ってこれただよ】
オーク【だいぶ帰ってなかったから散らかってないと良いだよ】
< ジャラッ
オーク【ほら、おいで】グイッ
エルフ娘「……ぁぅ」ヨロッ
オーク【帰ったらすんごいのお前に見せてやるだよ】ブゴッブゴッ
エルフ娘「………くたばれ」
オーク【(ああ……綺麗だなぁ本当に、何て言ってるかわかんないけど、声も綺麗だぁ)】
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 09:17:02.07 ID:q6DAOSO5o
< ガチャッ
オーク【ここがオラの家だよ、綺麗だろー?】
エルフ娘(……何ここ、かなり風化しているけど……屋敷みたい)
オーク【ブゴッブゴッ♪】ノッシノッシ…
< ジャラッ
エルフ娘「っうぐ……」ヨロッ
オーク【森の奴等は使わないって言うから、ここはオラの家にしてるだよ】ノッシノッシ…
オーク【あちこちで拾った綺麗な物をこの家に置いてあるだ】ブゴッ
エルフ娘(どの部屋にも無駄に豪華なシャンデリア……? それに、あちこちに散らばってるのって)スッ
エルフ娘(……やっぱり、これは宝石や魔法の触媒にも使うエーテル石ね)
エルフ娘(これだけの物を集めるオーク、聞いたことない……)チラッ
オーク【……】じーっ
エルフ娘「っ!?」ビクッ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 09:20:22.35 ID:q6DAOSO5o
オーク【それ、欲しいだか?】ニタァ
エルフ娘「……っ」ガタガタ…
オーク【別に良いだよ、その指輪はオラの指には付けられないだから】ブゴッ
エルフ娘(何か……言ってる……)ガタガタ…
オーク【ほら、こうやって付けるらしいだよ】くいっ
< スッ……
エルフ娘「……え」
オーク【それじゃあ次は寝室に案内するだ!】ブゴッ
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 10:45:53.81 ID:q6DAOSO5o
【その夜】
エルフ娘「……」
オーク【食わないだか? お前の集落にあった肉だよ?】ムッチャムッチャ
エルフ娘「……食えって言うの?」
オーク【ムッチャムッチャブゴッ】
エルフ娘「……食べたくない……」
オーク【俯いてると綺麗な顔が台無しだよ?】フキフキ
< ぐいっ
エルフ娘「っ……」ビクッ
オーク【ん! ちゃんと前見てた方が綺麗だ!】ムッチャムッチャ
エルフ娘(……びっくりした、機嫌を損ねたのかと)
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/21(金) 19:27:07.16 ID:q6DAOSO5o
【翌日】
エルフ娘(お腹空いた……)
エルフ娘(……喉も、渇いた)
エルフ娘(でも食べたくない、生きたくない……)
エルフ娘(皆どうしてる、かな……)
エルフ娘(まだ小さい子供もいたはずなのに……殺されてないよね?)
オーク【ブヒー、ここにいただか】ノッシノッシ…
エルフ娘(このオークは私をまだ犯そうとしないけど、他の皆は……)
オーク【食欲がないのは、陽の光を浴びて無いからって聞いただよ】
オーク【外に出るだよ!】
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 02:07:55.59 ID:vvsK4JGOO
乙
あまり可哀想な目に遭って欲しくないが…
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 06:10:27.95 ID:EpQl2Wg6o
< ジャラッ
エルフ娘「っ、ぁく……」フラフラ
オーク【森の奥には他の仲間の集落以外にも、綺麗な洞窟があるだよ〜】グイッ
エルフ娘(あぁ……何か言っているけど、鎖の音が……)
エルフ娘(鎖の音が、する度に……引っ張られるの……嫌だなぁ……)ヨロッ
オーク【(初めて見た時より元気ないだなぁ、食べてないからだか)】ブゴッ
オーク【ブヒ?】
オーク【おーい! 皆!】ブゴォッ!
エルフ娘「……?」
エルフ娘「っ!?」バッ
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 06:24:48.24 ID:EpQl2Wg6o
少女エルフ「…………」ボーッ…
独眼オーク【ブゴッ、なんだお前も戦利品貰えてただ?……って何だよそのエルフ】ジャラッ
エルフ娘「少女ちゃん!! 少女ちゃんしっかり……!!」ジャラジャラッ!
オーク【ブヒィッ……? 急に元気になっただっ……】ビクッ
エルフ娘「少女ちゃん! お母さんは? あなたのお母さんは無事なのっ!?」
少女エルフ「…………?」ピクンッ
少女エルフ「……ま…ま……は………」ボソボソッ
独眼オーク【俺のエルフと知り合いだっただ?】
少女エルフ「まま……は………」スッ
少女エルフ「……このオークに、殺されちゃった……ぁ……」ポロポロ…
エルフ娘「そんな……っ…」
オーク【みたいだぁ、元気になってきてるだよ】
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 06:32:29.10 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「ッぁぁあああ!!」ガッ!
< ジャラァッ!
エルフ娘「カハッ…! ぅぐ、なんて……ッ、なんて事をするのよ化け物ぉ!!」ギシッ
独眼オーク【……これ怒ってるんじゃねェだか?】ギロッ
エルフ娘「っ……私達が何をしたって言うのよ、私達が……その子のお母さんが……!!」
オーク【わ、わかんねぇだっ……】
独眼オーク【躾が足りない女みたいんだなぁ?】ズッシズッシ…
エルフ娘「殺してやる!! 絶対にアンタ達を殺してや……っ
< ガッ!!
エルフ娘「ご……ヴッ……!?」
独眼オーク【こうやって首閉めて動かなくなるまで大人しくさせれば、そのうち自然と言うことを聞くぜ?】ミシミシッ
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 06:38:59.28 ID:EpQl2Wg6o
─────── シャキッ・・・ンッ
独眼オーク【……おめぇ、何の真似だ】
オーク【その女はオラの宝物なんだよ、離して欲しいだよ】
独眼オーク【ここ数年で調子良いからって、誰に剣を向けてんだぁ】
オーク【独眼、頼むだよ】
独眼オーク【……ブゴッ】チラッ
エルフ娘「〜〜っ……ヒュー…ヒュー」ギリィッ…
エルフ娘「………!!」ギロッ
独眼オーク【………】イラッ
< グッ……
オーク「ブゴォォオッ!!」
< ドシュッッ!!
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 06:43:57.90 ID:EpQl2Wg6o
< ブシュゥッ!!
< ドサァッ!
エルフ娘「……っ! けほっ、けほ……!」ドスンッ
少女エルフ「お姉さん……!」ガタガタ…
エルフ娘「げほっ……大丈夫……」ヨロッ…
オーク【独眼、ごめんだよ】
オーク【でもこのエルフはオラの剣みたいに白くて、とっても綺麗だよ】
オーク【オラがこうして一人前のオークの戦士になれたのも、この不思議で綺麗な剣のおかげだっただ】
オーク【だからオラ、この綺麗なエルフを傷つけたり壊そうとするならお前でも殺すだよ】
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 06:51:23.32 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「……少女ちゃん……」
< ぎゅぅっ
少女エルフ「……っ」
エルフ娘「辛かったね……怖かったね……」
少女エルフ「……うん…」
オーク【とりあえず独眼の死体を捨てて、こっちの小さいエルフは食っちまうだかな】ノッシノッシ…
エルフ娘「!」バッ
オーク【ブヒ?】
エルフ娘「この子に触れないで!!」
オーク【っ……】ビクッ
エルフ娘「……」ガタガタ…
< チョロロロ……
エルフ娘「この……子を、助けて……下さい……」ポロポロ…
オーク【……………】ムラムラ
オーク【(良い……匂いだぁ)】ムラムラ
オーク【(この小さいエルフが欲しいってことだか? それなら一緒に連れて帰ったら元気になるだ?)】
オーク【ブゴッ! よし! 連れて帰るだよ!】
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 07:00:30.94 ID:EpQl2Wg6o
【オーク家】
少女エルフ「わぁぁ……凄いふかふかで大きなベッド!」
エルフ娘「……」
少女エルフ「出してくれる食べ物も、臭くて汚いのがかけてあるスープじゃないんだね」
エルフ娘「ええ、そうね……」
エルフ娘(……あのオーク、やっぱり手を出してこない)
オーク【いやぁ元気になってるだなぁ♪ きっと仲間と一緒だとエルフは元気になるだね!】ブゴッブゴッ
エルフ娘(少女ちゃんの為に食べ物を食べてみたけど、普通のパンや肉だった)
エルフ娘(出してくれた飲み物も私の集落にあったワインだし……)
少女エルフ「……あのオークは痛いことしない?」
エルフ娘「え? ああ……多分しないと思う」
エルフ娘「ああやって遠巻きに見てるだけなのよ、あいつ」
少女エルフ「……それなら良いんだけど」
オーク【(これなら他の仲間からも何人か貰ってこようかなぁ、壊しちゃったエルフとか要らないって聞くし)】
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 07:31:55.12 ID:EpQl2Wg6o
【数日後】
老オーク【おや、お前ですか】
オーク【お久しぶりですだ、長老様】
老オーク【近頃、壊れたエルフや小さくて食用にしかならないエルフを譲り受けているそうだな】
オーク【んだ! オラのエルフがそうすると喜ぶんだ!】
老オーク【ほぉ】
オーク【今日長老様にお願いしたいのは、教えて欲しいことがあるからだよ】
老オーク【言ってみなさい】
オーク【エルフの女をオラの妻にしたいだよ!】
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 07:39:52.76 ID:EpQl2Wg6o
老オーク【……今なんと?】
オーク【エルフの女を嫁にしたいだ、オーガキング様はオラ達の女王様と婚姻の儀ってのをして強くなっただ?】
老オーク【ええ、そのように私も聞いています】
オーク【オラ、毎日綺麗なエルフの女を見てて気づいちまっただ! きっとこれが愛に違いねぇだよ!】
老オーク【はぁ……?】
オーク【でもエルフの女は、オラ達の言葉はわかんねぇし、オラもわかんねぇだ】
オーク【何か上手い方法はねぇだか!?】
老オーク【(コイツは何を言ってるんだ)】
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 08:16:01.19 ID:EpQl2Wg6o
老オーク【お前の言うことはよくわかりませんが、ただ一つ言える事があります】
オーク【なんだ?】
老オーク【そのエルフは、お前を愛していないかもしれないということです】
老オーク【生きるために従っているだけかもしれませんよ?】
オーク【そんなことないだよ!】
老オーク【いずれにせよ人間と同じ言葉を使うエルフと種族を越えて夫婦仲になろうというのは難しい話だ】
オーク【どうしたら……】
老オーク【……本気なのだな?】
オーク【ブヒ?】
老オーク【本気でそのエルフを妻にするつもりなのだな、と聞いたのです】
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 08:29:32.49 ID:EpQl2Wg6o
【オーク家】
エルフ娘「ようやく、寝たわね……」
少女エルフ「今日は私達を置いてどこかへ行ったみたい」
エルフ娘「……このダークエルフ達、こうして手を握ってないと寝ることも出来ない」
エルフ娘「一体どれだけの事をされたらこんなことに……?」
少女エルフ「お姉さんは何もされてないんだよね」
エルフ娘「ええ」
少女エルフ「オークのね、大きいあれを何度も抜き差しされるんだよ」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 08:39:03.63 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「は…?」
少女エルフ「凄くいたいけど、ずーっとされてるとね? おしっこ行きたくなって……」
少女エルフ「私は嫌だったけど、ままは途中からおかしくなって……」
少女エルフ「そうしたら……」
エルフ娘「もうやめて」
少女エルフ「……」
エルフ娘「……」
エルフ娘(あのオークは、少女ちゃんを連れてきて私が素直に食事をとると……あれから何人も他のエルフを連れてきた)
エルフ娘(何を考えてるのか分からない、けど……)
エルフ娘(あのオークはわざと私に見せつけている)
エルフ娘(逆らえばどうなるのか、これから私がどう壊されるのか)
エルフ娘(そうして私をゆっくりと壊そうとしてるんだ……)
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 08:54:44.45 ID:EpQl2Wg6o
オーク【ブヒー、ただいまぁ】ノッシノッシ…
オーク【えーと、どこかなぁ?】
エルフ娘「……」
エルフ娘(戻ってきたわね、何かを探してる?)
オーク【ブゴッ、いたいた!】ノッシノッシ
エルフ娘「ふぇ? 私っ……!?」ビクッ
オーク【こっち、来るだ】グイッ
< ジャラッ
エルフ娘「ぇぐっ……!」ヨロッ
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 09:11:54.41 ID:EpQl2Wg6o
< ガチャッ
< パタンッ
エルフ娘(ここは……二階の奥? まるで礼拝堂みたいな……)
オーク【よし、これであとはこの長老様から頂いた石を食べれば……】ガリッ
< ボリボリッ……
エルフ娘(何を食べてるの…?)
オーク【ふぅ、あとはしばらく待てば良いだけだなぁ】ブゴッ
< ガシッ
エルフ娘「ひっ……」
#################
オーク「ブゴッ、ブゴォォ!」
エルフ娘「やぁあっ……!!」バッ
< ドサァッ
エルフ娘(ついに、私も……っ)ガタガタ…ッ
エルフ娘「やだ、やだぁ!! 来ないで! やめてぇっ!」ジタバタッ
オーク「ブギィッ!」パチンッ
エルフ娘「あ………」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 09:19:37.71 ID:EpQl2Wg6o
< 「い……タイ……」
エルフ娘「……え」
オーク「ひドイ、ダヨォ……」フゴッ,フゴッ
エルフ娘「 ──────!! 」
エルフ娘「な、なんで……言葉が……!」
オーク「ブゴッ……おラ、キミノタメニ……けンジャノ、イシ、タベタダヨ」
エルフ娘「賢者の石……?」
エルフ娘(それって、王都の騎士が持ってるっていう……)
オーク「えヘヘ……こレデ、イエル……」
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 09:28:23.86 ID:EpQl2Wg6o
オーク「おラ、ノ、ヨメニナッテクレルダカ……?」
エルフ娘「……」
エルフ娘「……………」
エルフ娘「……………」
───────────────────────────
───── ブツッ ─────
「え……?」
< ブシュゥッ!!
「ぐあぁああああああ!!?」
「ッ、ぅぐあ……!?」
< ザシュッッ
< ヴジュゥゥッ!!
「グブブァ、ブゴォッ」ヒュッ
ブスッ! ザシュッッ
「カッ………あ……」ブシュゥッ!!
「」ドサッ
< ドサッ
「お、お父さん! いやぁあああ!」
───────────────────────────
エルフ娘「……」
エルフ娘「死ね」
オーク「!?」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 09:39:03.54 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「死ね、死ね!」
オーク「な、ナンデ……」
エルフ娘「死ね! 死ね!! 死ね!! お前達オークなんて、皆根絶やしにされてしまえばいいんだぁ!!」
< バシッ!バシッ!
オーク「やメルダヨ、ナンデ、ナンデオコッテ……」ブゴォッ!
エルフ娘「アンタ達がどれだけ奪ったと思ってるのよぉ!!」
エルフ娘「私のお父さんも、隣の家のお母さんと少女エルフのお父さんも! アンタ達が殺したんだ!!」
エルフ娘「誰がお前の物になんかなるものか!!誰がお前の好きにさせるもんか!! 殺せよ! 私を殺せばいいだろ!!」
エルフ娘「わぁああああああッ!!!」
< 「……めん、なさぃ………」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 11:34:53.09 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「はーッ……はーッ……」
エルフ娘「……?」
オーク「ごめんなさい……ごめんだよ、オラ……知らなかっただよぉ……」
エルフ娘「何を……!」
オーク「オラと君は同じだったんだなぁ……!」
エルフ娘「はぁ……!?」
オーク「オラ、綺麗なものが好きだっただ……!」
オーク「綺麗なものが好きで、いつも眺めてただよ! そうしたら……」
エルフ娘「私達は物なんかじゃ……」
オーク「そうしたら! 母ちゃんが戻ってきたような気になっただよ!」
オーク「オラの母ちゃんが人間に殺されちゃった時に見た様な、綺麗な姿に似てていつも安心してただよ!」
エルフ娘「っ、そん、なの……っ」
オーク「いつも探してただ! でも見つからなかっただ!」
オーク「でも、オラ見つけただ……君だ、君がオラの母ちゃんと同じ『綺麗』だっただ!」
エルフ娘「黙れぇ!!」ガッ!
オーク「ブギュルォッ!?」ドサッ!
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 11:46:58.88 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「ひっ、ぅぐ、それ、そ、それの! それの何処が私と同じなんだよぉ!!」
エルフ娘「化け物!!」
オーク「ッブヒィイ……オラを見逃した人間達もそう言ってただよぉ」
オーク「だども、オラ達と人間はどう違うだか! オラ達は生きるために女を奪うだよ! 生きるために戦って殺すだよ!」
オーク「でもオラの母ちゃんを殺した人間達は笑ってオラの母ちゃんを犯して殺しただぁ!」
エルフ娘「……ッ」ビクッ
オーク「オラの母ちゃんはエルフだっただ、たまたま群れとはぐれて……オラを連れて人間の村まで行ったら!」
オーク「その夜の間にオラの母ちゃんとオラは高く売れるって、それだけでオラの母ちゃんをいたぶっただよ!」
オーク「母ちゃんはオラを逃がす為に人間達と争って、散々犯された挙げ句殺されちまっただぁ!」
オーク「エルフはそんなことしないかもしんねぇだ、だども、オークっていうだけでオラをそんな風に言わねぇでくれ!!」
エルフ娘「知らないわよそんなのぉお!!」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 11:52:48.37 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘「だから許せって言うの!? 冗談じゃないのよ!! 死になさいよ化け物!!」
オーク「それで、オラを笑って許してくれるだか……?」
エルフ娘「死に……は?」
オーク「オラを殺したら、許してくれるだか……?」
オーク「オラは、今でもあの人間達を殺してやりたいだよ」
オーク「でもどの村でどの場所だったか覚えてないから、結局出来なかっただ」
オーク「けど君にはオラが目の前にいる」
< シャキィ……ッ
エルフ娘「ひゃっ……!」ドスンッ
オーク「……この剣で、オラと同じ君に、殺されるなら……文句はないだよ」
オーク「母ちゃんやオラが殺してきた人や独眼達に申し訳ないだども、それで君が……」
エルフ娘「………………」
エルフ娘(何?……これ………?)
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 12:42:54.78 ID:EpQl2Wg6o
エルフ娘(こんなの、おかしいじゃない)
オーク「………」
エルフ娘(こいつが憎い訳じゃない、私はオークという種族が憎いのに)
オーク「………」カタカタ…
エルフ娘(直視してはいけないのに)
オーク「………っ」ガタガタ…
エルフ娘(どうして私がこいつを許す必要があるんだろう)
エルフ娘(どうして、私はこのオークを殺さなければいけないんだろう)
エルフ娘(こいつを許して殺せば、お父さんは報われる? 帰ってくる? 少女ちゃんの負った心の傷は? 少女ちゃんのお母さんは?)
エルフ娘(みんな怖い思いをした、みんなの一生が、物以下の扱いをされた)
エルフ娘(このオークを殺しただけで気が済む訳がない、けど……少なくとも)
エルフ娘(『殺せる』って、そう考えたら……不思議と許せてしまえる、気がする……)
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 12:59:51.03 ID:EpQl2Wg6o
< 「ねぇ」
オーク「……」ピクッ
エルフ娘「アンタを殺すのは、後でいい」
エルフ娘「ねぇ、オーク……アンタは私を、私達を、逃がしてくれる?」
オーク「うん」コクンッ
エルフ娘「……命懸けで、守ってくれる?」
オーク「それで、いいだか……?」
エルフ娘「逃げ切れたら、直ぐにアンタを殺す、裏切ったら……必ず殺してやる」
エルフ娘「出来なくても、呪い殺してやるんだから……!」
オーク「……分かっただよ」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 13:09:13.91 ID:EpQl2Wg6o
【夜】
オーク兵【長老!!】バサッ
老オーク【この様な夜更けに何の用だ、騒々しい】
オーク兵【何者かによって、森に火が……!】
老オーク【何だと?】
オーク兵【集落の『共有小屋』にいたエルフと人間の女達も姿を消していて……】
老オーク【人間か、エルフの生き残りか! おのれ、逃がしてはならぬぞ!】ガバッ
老オーク【近くにあるオーガの集落に水魔法の使えるエルフがいた筈だ、連れてきて火を消せ!】
老オーク【許さぬぞ盗人め……ッ!】
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 13:43:22.24 ID:EpQl2Wg6o
< ゴォオオオッ……!
オーク「こっちだよ! 炎に紛れてこっちの谷沿いを行けば森の外に出られるだ!」
エルフ娘「ゲホッ、ゲホッ! 距離は……!?」
オーク「半日歩けば人間の都市の近くに出られると思うだよ!」
エルフ娘「……っ、半日……!」
少女エルフ「皆さんこっち! 火が服に燃え移らないように気をつけてー!」
金髪エルフ「はぁ、はぁ……っ、待っ……て……!」
少女エルフ「お姉さん、早く!」
金髪エルフ「はぁ、はぁ、お腹が……」
少女エルフ「お腹が……?」
少女エルフ「もしかして、オークの……!」
金髪エルフ「はぁ、はぁ……っ」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 14:28:44.79 ID:t3zb4R8Wo
面白い
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 17:14:11.35 ID:EpQl2Wg6o
女エルフ「穢らわしい……!! そんな女置いて、早く行きましょう!?」
女エルフB「そんなこと出来るわけないじゃないの! 私が肩を貸すから……!」
黒髪女「私が肩を貸します」
女エルフC「貴女……人間ね」
黒髪女「エルフさん達よりは腕に自信あるから、大丈夫」
女エルフC「任せたわ、後方の女性は私が誘導するから先に行って」
黒髪女「はい」
少女エルフ「大丈夫……?」
金髪エルフ「はぁ、はぁ……迷惑かけてごめんなさい……っ」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 17:29:24.64 ID:EpQl2Wg6o
< ブゴォオオオオオオッ!!
< ゴォアアアアアアアッ!!
オーク「……!」
エルフ娘「近い……! どうして……っ」
オーク【(……長老様は嗅覚が鋭いと聞いてたいただから、火を焚いて煙に巻こうとしたども……ここまで鋭いだか)】
オーク【(もうここまでやったら後には退けないだ)】
オーク【(綺麗なものも、エルフ娘も、見れなくなるのは嫌だなぁ)】
オーク【(お前もだぁ)】チャキッ
< シャキィ・・・ンッ
オーク「オラが引き付けるだ、ここから先は右の谷に沿って行けば良いだよ」
エルフ娘「私も行くわ」
オーク「長老様だけじゃなく、オーガは強くて危ないだよ」
エルフ娘「お父さんに習った魔法で邪魔をするだけよ、前衛はアンタだから」
エルフ娘「裏切ったら後ろから首を切り落としてやる」
オーク「……分かっただよ」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 18:00:12.61 ID:EpQl2Wg6o
オーク兵A【ブゴォォ……煙い! 煙いだど!】
オーク兵B【こうして頭を低くするだ、煙り避けられるだ!】
オーク兵C【おおすんげぇ!】
ビュォオッ!!
オーク兵B【? いきなり風で煙が……】
オーク「ブゴォォオオオオオッッ!!」
< ドッ!
ブシャァアアアッ!!
オーク兵A【ブゴォッ!?】
オーク【ブゴォオオッ!!】ザッ
< ザシュゥッ!!
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 19:01:16.89 ID:EpQl2Wg6o
─────── ズドッッ!!
バシャァッ!
『とある鍛冶師が打った剣を、一人のオークが拾った』
『魔剣はオークの使い方を見て、自身の「在り方」を学んだ』
オーク兵C【……ヴ、ぐ……】スッ
< ピィィィーッ!!
オーク【しまった、呼ばれただか……!】
『二代かけて、魔剣は己の形を変えた』
『大きく力強いオークの手に馴染むように、乱暴なオークの振り方に適した形になるように』
『魔剣は、オークの「在り方」に合わせてその形を歪にした』
< シュタァッ
老オーク【グブブブ……貴様だったか、この出来損ないの豚めがァ……!!】ズンッ
オーク【長老様……ッ】
老オーク【それなりのモノをお前から感じて今日まで戯れ言に付き合ってやったというのに、愚か者め】
老オーク【そこを動くなよ? 今からこの私が、オーク種の元長として貴様に引導を渡してくれるッ】
オーク【……ブゴォッ!!】バッ
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 19:39:12.85 ID:EpQl2Wg6o
『魔剣を振るオークに、特別な技術は無く』
『その軌道を読むのは容易であった』
老オーク【遅いわァッ!!】ビュッ
『オークに拾われた魔剣』
『初代、「無名」は五年かけてその致命的に ”” 自身に足りない部位 ”” が何なのかを見つけ出した』
ヒュゥン……!
老オーク【ッ!】ビクッ
老オーク【(これ、はァ ────────!! )】
─────── ヒュパッ!!
老オーク【(数瞬遅れの『不可視の斬撃』ッ! 間合いの外に出るのではなく軌道を避けていなければ首を落とされていた……!!)】
『それはシンプルに、リーチである』
『オークの知らぬ間に形を変え、歪になりながらも魔剣は己を鍛え上げたのだ』
『それこそが更に五年、オークと共に在った魔剣「歪風」だった』
オーク【ッ、ブゴォッ!!】ダンッ
老オーク【グブブァッ!!】
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 20:14:35.12 ID:EpQl2Wg6o
ギィンッ!
ガッ! ズバッ!
< ドゴッ!
オーク【ブギ、ィイッ……!】ヨロッ
老オーク【ブッグオオオッ!!】
『齢二百を越えるシルバーオークの武器は、手にしたダガーのみならず』
『オークとは違う、全身を覆う銀の体毛は衝撃を逃がし、丸太のような腕や脚から繰り出される打撃は岩をも抉る』
『まさに恐るべき、魔獣なのだ』
< ガッ! ドスッ!!
オーク【ブゴォッ……ォゴ、ァ……っ】グラッ
老オーク【死ねぃ!!】
エルフ娘「風の精霊よ!」
ヒュオッ!
老オーク【!、チィッ】バッ
< ズパンッ!
エルフ娘「こっちよこの糞豚ぁ!」
老オーク【今のは侮辱だと分かるぞ小娘ぇ!】グブォオッ!!
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 20:56:34.55 ID:EpQl2Wg6o
オーク【ブゴ……っ、駄目だ……逃げてくれぇ……っ】
エルフ娘「そんなこと、そんなことぉっ!!」
『出来るわけがない』
『エルフの娘はそうオークに言って、恐ろしいシルバーオークを引き付けた』
『その言葉にどれだけの意味と葛藤があったのか、オークにもエルフの娘にも分からない』
『ただ分かることは』
エルフ娘「精霊よ! 精霊よ! 精霊よ!!」
ビュォオッ!!
< ズバババッ!!
老オーク【グブブァッ!!】ダッ!
< ガシィッ!!
エルフ娘「きゃあっ!!」
『都合良く立ち回れる事などある筈もない』
エルフ娘「ぁ……く、はぁ……ッ……!」ギリギリッ…
老オーク【死ね】
エルフ娘「〜〜っぃ…ゃ…し、の……精霊よ……!」
< ゴキッッ
エルフ娘「っ ──────────
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 21:34:44.51 ID:EpQl2Wg6o
< ドサッ……!
オーク【………】
オーク【ッ】
『魔剣を握る手から血が流れ落ち、オークの視界が揺れる』
『シルバーオークの手が開くと同時に、崩れ落ちたエルフの娘は首を折られていたのが分かる』
『立ち上がる気配は、無い』
オーク【オオオオオオオオオオオオオオ!!!】
老オーク【(馬鹿めその大振りで射線が読めぬとでも……!)】
『魔剣「歪風」が何故に名をそう決めたのか、オークには知る由も無い』
『だがしかし、魔剣「無名」がリーチを求める事を求めたならば「歪風」は何を求めたのか』
『オークの手癖の悪さに、それは起因していた』
オーク【ヌゥゥッ!!】
ブゥンッ!!
『彼は戦場で感情が高ぶった際、何度も剣を相手に投げつける事が多かった』
『何度も、何度も』
『力任せに剣を、何度も投擲していたのだ』
『他ならぬ、射程に特化していた当時の魔剣を………』
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 22:20:54.92 ID:EpQl2Wg6o
───── ギュルンッ ─────
『オークの在り方は歪だった』
『しかしその在り方は直線的でもあり、単純だった』
『そこでオークの使い方を最大限に利用する為に遂げた形状変化こそ』
『オークの投擲力は尋常ではない速度を出す事から、「歪風」は剣の形状だけでなく柄や刀身に法則性のある溝を作った』
『その結果、味方や自身の安全を省みなければ強烈な破壊力を持った魔剣が生まれたのだ』
──── ドッッ ─────────
─────── ドドドドッッ ───────
──────────ドドドドドドドドォォッッ!!!
老オーク【なっ………
『不可視の斬撃が縦横無尽に辺りを破壊しながら突き進むその光景を』
『策を考えるより先に絶望した老オークは、どう見えていたのか』
『それは、切り裂いた魔剣にしか分からない』
< ズドォオオオッ!!
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 22:59:17.39 ID:EpQl2Wg6o
< ズズン……!
< ゴォォオ……ッ
オーク【……ゴフッ……お腹が、切れてた……】ブシュッ…!
< ビチャッ……パタパタッ……
オーク【ヴゥ……えるふ…】ヨロッ…
オーク【エル…フぅ……ッ】ビチャビチャッ…
< ズリッ……ズリッ……
オーク【……!】
エルフ娘「ハァ……ハァ……」ズリッ…
オーク【エルフ娘……!】
エルフ娘「……こっち、きて……」
オーク「ブグゥ……ッ」ヨロッ
エルフ娘「…………もう、言葉……話せないの……?」
オーク「ブゴ……ヴッ、ゴフッ……」ビチャッ
エルフ娘「いいよ、無理して喋らなくて……」
オーク「……っ」ヨロヨロッ
< ドサッ
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 23:34:05.63 ID:EpQl2Wg6o
< ゴォオオオッ・・・!
エルフ娘「……熱い……ね」
オーク「ゼェ……ゼェ……」
エルフ娘「オーク……」
エルフ娘「首、握り潰される時にね……癒しの精霊に治して貰ったんだけど……」
エルフ娘「治りきらなかったみたい、腰から下の感覚……無いの」
オーク「ゼェ……ゼェ……ッ」ビクッ
エルフ娘「逃げられないや……」
オーク「ッ……ブ、ゴ……」ビクッビクッ…
エルフ娘「……ね、お願い」
エルフ娘「苦しいのは嫌……殺して……」
オーク「……ッ……」ビクッ…ビクッ…
オーク「………ッ 」
エルフ娘「お願い……」
エルフ娘「………」
エルフ娘「ごめん……ね」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 23:38:52.87 ID:+7au6OnS0
何とか助からないものか...悲しい
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/22(土) 23:54:45.01 ID:EpQl2Wg6o
< ザクッ
オーク「ブ、ゴ……ッ」ヨロッ
< ビチャッ……ビチャッ……
< ズリッ…ズリッ……
オーク【(あぁ……)】
エルフ娘「……ありがとう」
エルフ娘「言ってること、分かってくれて……あは」…ニコッ
オーク【(綺……麗……だなぁ)】ゴブッ…
オーク「ブゴォ……ッ」グッ
エルフ娘「そのまま……お願い」
エルフ娘「……あのね」
エルフ娘「皆酷い目にあって、痛い思いもしたし、怖い思いをしたし……死ぬより辛い事を背負ったよ」
エルフ娘「その皆に代わって、勝手に代表するなら……やっぱりオークって種族は許せないよ」
エルフ娘「だから……私だけは、アンタを許してあげる……」
オーク「ブゴォッ……!」ビュッ
────────── ドスッ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/22(土) 23:56:14.72 ID:xtUD/nePo
かなしいなあ
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 00:05:10.95 ID:hmyKbC2v0
報われないなぁ
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 00:06:53.98 ID:hVjzGm0so
『魔剣は見ていた』
『仲間とは違い、余り女を弄ぶ事が好きではなかった一人のオークを』
『いつも剣を見つめていた一人のオークを』
『戦場でいつも怯えながら人間に襲い掛かっていたオークを』
『それでも、自分なりの納得をして、手を血に染めていたオークを』
『命はいつだって綺麗だと剣に語りかけて、いつだって醜いと呟いていた』
『そのオークが涙を流している』
『魔剣は柄に大粒の涙を受けて』
『魔剣はその刃に、非業の死を遂げたエルフの娘の血を浴び続けて』
『命と、涙で』
『魔剣は炎に熱せられながらも、その身に受けた色を失う事はしなかった』
『炎が消え、オークもエルフの娘も消え、夜が明けた時』
『そこに残っていた魔剣は………』
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 00:07:25.41 ID:hVjzGm0so
【story..2】
【魔剣三代目】
【その名は……「深紅」……】
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 00:24:19.26 ID:hVjzGm0so
【二年後……とある鍛冶屋】
熟練鍛冶師「ただいま戻りましたぜっ、と」
女鍛冶師「おやお帰り」
熟練鍛冶師「依頼されてたミスリルアーマー納品してきた」
熟練鍛冶師「ん……? なに読んでるんだ?」
女鍛冶師「号外というやつだよ、あのお騒がせなオーク共が騎士団に駆逐されたとね」
熟練鍛冶師「あれか、アンタの作った魔剣が初陣で持ち主は殺されるわ鹵獲されるわってなった」
女鍛冶師「そうだねぇ」
女鍛冶師「……君は、どう考える?」
熟練鍛冶師「あ?」
女鍛冶師「純粋無垢な赤子が、醜悪な山賊に育てられ、人を無惨に殺す快楽を教えられたとして」
女鍛冶師「それを、『悪』だと認識するかな」
熟練鍛冶師「………」
熟練鍛冶師「空っぽの状態からだったら、そうは思わないだろ」
熟練鍛冶師「良くも悪くも、それがそいつのスタートなんだから」
女鍛冶師「難しく答えようとして放棄したいい加減な返答だね」
熟練鍛冶師「うっせぇ」
女鍛冶師「だがこれで、あの魔剣はこの世界の闇を一つ覚えた」
女鍛冶師「理解したんだ、そして記憶した」
女鍛冶師「あれから十五年、大体……三代は魔剣は世代を交代している」
熟練鍛冶師「……世代を?」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 00:31:24.34 ID:hVjzGm0so
女鍛冶師「言ってなかったけどね、あの魔剣は成長と共に次世代の子を自らの中に宿すんだ」
女鍛冶師「経験した事を溜め込み、そして形を変えて産み落とす」
女鍛冶師「明確な意思はない」
女鍛冶師「だが……生まれた次世代の子には『先代』の記憶、記録がそのまま残されている」
女鍛冶師「それまでとは全くの別視点から魔剣を中心とした世界観測により、更に自身を強化し成長する」
女鍛冶師「あれから十五年経ったが、未だにあの魔剣を越える武器は作れてないよ」
熟練鍛冶師「……十五年前に言ったかどうかは忘れたけどよ」
女鍛冶師「うん?」
熟練鍛冶師「それってもう、武器じゃないんじゃないのか」
女鍛冶師「………」
女鍛冶師「いいや」
女鍛冶師「この世に武器でない存在は無いんだよ」
女鍛冶師「だからこの世には『死』があるんだからね」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 00:34:11.63 ID:hVjzGm0so
【nextstory..3】
【魔剣五代目】
【その名は……「幻想剣・子守唄」……】
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 00:35:26.97 ID:hVjzGm0so
次は短め
ここで切ります
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 00:36:13.53 ID:6iWbgJJHo
おつおつたのしみだ
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 01:04:58.65 ID:vfleCDHl0
乙
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 02:29:02.90 ID:+0kLOeom0
こんなss初めて見た、すげぇ
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 05:25:36.04 ID:cneBy7RiO
あれオークそれから更に5年生きた見たいな描写あったような気がするけど
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/23(日) 05:27:37.40 ID:cneBy7RiO
>>75
この時から五年共に歩んでいくんじゃなくて剣を見つけて五年ってことなのかな?
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 12:02:25.73 ID:hVjzGm0so
>>95
>>96
それで合っています、描写不足で申し訳ない。
他作品に使用する予定のデータの一部を公開します
───── 再世紀1258年 ─────
「南の大国:オーク討伐隊が襲撃される」
※ 魔剣が主人公オークに拾われる
※ 約三ヶ月前に魔剣『無名』が女鍛冶師に造られた
・・ 【十二年の間に小さな集落や村を襲い勢力強化】 ・・
※ この間、魔剣『無名』と魔剣『歪風』がオークとそれぞれ五年間共にする
※ 語られなかったが魔剣二代目が『歪風』になったのは再世紀1264年である
※ 十年後の再世紀1268年の末には魔剣『深紅』が生まれている
(補足としてstory2終了時までは自身に名を付けておらず、エルフの娘の血を浴びて焼かれた事で『深紅』を名乗る事になる)
───── 再世紀1271年 ─────
「story2本編、魔剣『深紅』が完成するまで」
※ 魔剣が造られてから十三年後、三代目になって三年が経過。
───── 再世紀1273年 ─────
「nextstoryに続く前の女鍛冶師」
※ 再世紀1272年にオークとオーガの軍団を南の王が誇る騎士団がやっと潰し終える
(ここまでで
>>26
で語られた内容)
───── 再世紀1283年 ─────
「次回の物語が開始される」
「魔剣四代目が五代目を生む半年前からスタート」
(本編で語られないが魔剣四代目の名前は『不変剣・深紅』)
(性能に変化は無い代わりに、とある人物と会うまでは魔剣のイメージカラーが『血の色』となる)
これだけここに出しても分かりづらいかと思いますが補完の役に立てばいいなと
本日の午後前半でゲリラ投下開始予定
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 16:36:20.54 ID:hVjzGm0so
< ガラガラガラガラッ
< ガタンッガタッ……!
男「もうじき王都に着く、そこでブツを売る」
男「お前らはこの冒険者プレートを身に付けとけ、後続の荷馬車にはダミーで火薬を積んである」
男「そっちに関しては後続の奴等に説明済みだ、お前らはお前らで上手くやれよ」
< 「任せろ」
< 「たまにゃ都市の娼館行きてぇなぁ」
< 「へへへ……」
商人「所で、都市には最近盗賊がいるそうだが大丈夫なのかね」
男「所詮は若いスラム上がりのコソドロ集団に過ぎない、敵ではないよ」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 18:21:07.90 ID:hVjzGm0so
【南の大国『サース』・王都】
憲兵「積み荷はなんだ」
商人「美術品が何点か、後は『西』からの輸入品ですな」
憲兵「ほう」
憲兵B「確認します」
商人「……」
憲兵「所で聞いたかい? 先日、西の大国で『魔女』が出たらしい」
商人「それはそれは恐ろしいですなぁ」
憲兵「伝説の『魔女』ってのも、中々可愛いらしい小娘だったそうだ」
商人「ほぉ」
憲兵「丁度、お前達の売った娘達と変わらない歳のな」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 18:37:50.15 ID:hVjzGm0so
< 「動くな! 『王の騎士団』であるッ!!」
< 「馬車の積み荷台、二重底になってるぞ!」
憲兵「……大人しくして貰えるな?」
商人「………」
商人「何故だ、私のやり方は常に騎士団や憲兵の目を欺いてきた筈だ」
憲兵「ほんの二年前に黒髪の娘が来てな、お前達が『西』で売ろうとしていた奴隷がオークに奪われた事があるだろう?」
商人「っ! 十年以上前の話だぞ……!!」
憲兵「だがそれで奴隷の密輸方法の一部が分かったわけだ」
憲兵「牢の中で聞かせてやるよ、その娘が体験した『人を助けるオーク』の話をな」
商人「ぐぅぅぅうッ……!!」
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2016/10/23(日) 20:16:08.73 ID:hVjzGm0so
【王都内部……『憲兵騎士団・兵舎』】
憲兵「こちらが今朝捕らえた闇商人達の積み荷です、騎士殿」
熟練騎士「うむ」
憲兵「恐らく奴隷が積まれていた馬車の積み荷、火薬等は目眩ましでしょうな」
憲兵「しかし美術品の積み荷、これは何処か正規のルートで売るつもりだったそうです」
熟練騎士「盗品の可能性は?」
憲兵「それはどうでしょうなぁ、どれも捌けば利益の出る有名な品が多い」
熟練騎士「……む、これは」
< シャキ・・・ンッ
憲兵「魔術師によると、低級の魔剣だそうで」
熟練騎士「低級? これが?」スッ
憲兵「素材は恐らくミスリルですが混ざりものらしいですな、微弱な魔力を感じる事から錆び防止程度かと」
熟練騎士「それにしては見事な……これほど深い赤の剣は見たことがない」
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