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モバP「光に助けてもらう」
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以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2016/12/05(月) 21:44:53.00 ID:ISqnSWvX0
しばらくして意識を取り戻した光に、もうこんなのはこりごりだ、とか、次は負けないぞ、だのと啖呵を切られた数日後。
俺は次のLIVEに備えて、事務所で書類仕事に勤しんでいた。
もっとも、大まかな作業は前日のうちに済ませていたので、残ってるのは簡単なものばかりだ。
細やかな仕事は手早く終わらせ、あとは見直しにかけるに限る。
集中して作業を進めてたところで、光が画面を覗いてきた。
「あ、ずいぶんギアが入ってるみたいだな。
何か困ったこととか無いか? 手助けならできるぞ!」
いつもの元気印で、光が声をかけてくる。
やましいことなんて一切無いと言いたげな振る舞いを見てると、痴態とのギャップで胸が灼ける想いだ。
「そうだな、コーヒーを淹れてくれたらありがたいな」
「オーケー、お安い御用っ!」
そう言って胸元を二回叩き、光は給湯室へ向かった。
マグカップを片手に戻ってきた頃には、雑事の殆どが片づいていた。
「お待たせっ、熱いのを用意したぞ!
長い戦いになるかもだけど、これからもがんばってくれっ!」
「ありがとう。
まぁ、だいたい終わったようなものだけどな」
「な、なんだと……」
カップをデスクにことりと置いて、がくりと大げさに肩を落とした。
なかなか美味しいコーヒーを啜りながら、来週のスケジュールを再確認。
俺がかまってやれなくて手持ちぶさたになった光は、ソファに座って読書を始めていた。
なのだが、十分ほどで飽きたらしく、また救助を提案してきた。
「なぁ、何か困ったこととか無いか?
なんなら肩たたきだってするぞ! 父さんに結構誉められたことがあって、自身があるんだ」
「いや、気持ちだけ受け取っておく」
そう言うと、光はすごすごとソファへ戻った。
しかし静かに読書を再開したのは、腰を落ち着けてから二分だけ。
「なぁプロデューサー、何か手助けできることとか」
「今は無いな」
彼女の善意を断るやり取りを、それから二、三回と繰り返した。
その間隔は段々と狭まってきて、一分を切るのも近いだろう。
世話を焼きたがってる愛しいアイドルを億劫に思ったりはしないが、かと言って気にかかるのも事実。
「なぁ、プロデューサー……何か、アタシに助けて欲しいこととか、無いか……?」
一句一句噛みしめるように、ゆっくりと光が訪ねてくる。
突っぱねずに光を眺めると、頼りがいがあることを口にしておいて、視線はどこか伏し目がち。
表情も仕草も酷くもどかしげで、頬にはうっすら朱が差している。
「……そうだな、じゃあちょっと、助けてもらうとしようか」
「! ああ、わかったっ! 任せてくれ!」
困難を乗り越えたように拳を見せつけて、爽やかに返事したつもりだろうが。
しかし、乾く唇を舐め擦ることや、緩い首元が上気してることの意味に、俺が気付かないと思っているのか。
光は本心から俺を助けたいのか、あるいはそもそも、助けられたいのはどちらなのか。
どっちにしろ、恋人にいじらしく誘われてむらつかない男はいない。
このまま関係を進めていけば、いつかより露骨に誘惑されるのか。
後日使う予定だった道具を今日に繰り越すことを考えながら、光の手を取って事務室を後にした。
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