シンジ「僕が?」

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452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/02/28(火) 22:22:14.45 ID:wZfmy+EY0
マジで楽しみに待ってるぜ
お大事にな
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/01(水) 00:57:30.63 ID:70a9o6vvo
お大事にだが、どうにかしてモチベ保ってくれ
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 21:08:11.28 ID:dHH1A+GA0
友人がAppleに直接持っていってくれたおかげで思いの外はやく新品がきたんでぼちぼち投下していきます
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 21:25:48.60 ID:dHH1A+GA0
- 近くの公園 -

アスカ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、ねぇっ、シンジってば!」

シンジ「強引に連れ出してしまってごめん……。だけど、どうしても伝えたいことがあったんだ」

アスカ「……なに?」

シンジ「このままだとマナは、戦自にさらわれてしまう。僕は、それをどうしても阻止したい」

アスカ「どうしてシンジにそれがわかるのよ?」

シンジ「うまく言葉で説明できない……違う、言っても信じてもらえるかわからないから」

アスカ「話をするまでわからないでしょ? どうして決めつけるのよ!」

シンジ「――そうだね。アスカの言う通りだ。だけど、僕だってこわいんだ。プレッシャーで今にも押しつぶされそうで」

アスカ「シンジ……どうしたの? 記憶が戻ってるの……?」

シンジ「父さんの計画とゼーレの計画。そして今、進行されてるもう一つの計画。それを僕たちはきっと阻止できるはずなんだ! アスカ!」ガシッ

アスカ「……あんたがなにを抱えてるかわからないけど、考えがあるなら話して。私もそれを受け止めてみせるから」スッ

シンジ「……ぐっ」ズキンッ

アスカ「シンジ、お願い。私もあんたの味方でいたい。でもシンジのやりたいことがわからなくちゃどうしたらいいかわからないのよ」スッ

シンジ「マナの友達がのってるロボットを止めなくちゃ……ぐぅぅ」

アスカ「シンジ⁉︎ 頭痛いの⁉︎」

シンジ「綾波にも、父さんの……ダミーには……」

アスカ「シンジ⁉︎ ねぇ! なに言ってるかわからない!」

シンジ「――……はっ!」

アスカ「シンジ……?」

シンジ「――あれ……? アスカ? こんなとこでなにやってるの?」

アスカ「は、はぁ?」

シンジ「というか、なんでここに僕いるんだろう?」

アスカ「どうなってるのこれ……」
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 21:48:54.62 ID:dHH1A+GA0
- 翌日 ネルフ本部 ラボ -

リツコ「あら? めずらしい」

アスカ「……ふん」

リツコ「それで、今日は何のご用? カウンセリングにきたのではないみたいだけど」

アスカ「頼るのは癪だけど、意見を聞かせてほしいの」

リツコ「プライドの高いあなたが私を頭をさげるのはよっぽどのことがない限りないはず。他に頼れる人か、専門的な知識がほしいのね」

アスカ「私の分析をするなら帰るわよ」

リツコ「癖みたいなものよ。気にしないで」

アスカ「…………」

リツコ「…………」

アスカ「………ふぅ」

リツコ「コーヒー、飲む? インスタントだけど」

アスカ「(こいつに話しちゃ危険なのかもしれない。だけど、メガネに連絡がつかないから、頼れる人がいない)」

リツコ「いらないみたいね。私は飲むわよ」コポコポ

アスカ「――多重人格ってどういう症状なの?」

リツコ「解離性同一障害ともいうわね。いわゆる精神分裂症とはまた別の症状、で答えになってるかしら」

アスカ「精神病とはまた別ってこと?」

リツコ「アスカは24人のビリーミリガンというダニエルキイスの著書を読んだことがある?」コトッ

アスカ「いいえ」

リツコ「そう。かなり端折っていうと頭の中から別人達の声が聞こえるのが多重人格。精神分裂は外からの声によるものね」ふーっふーっ

アスカ「…………」

リツコ「……あつ。温めすぎたわね」

アスカ「もし、そういう人がいたら特定する方法は?」

リツコ「症状ひとつとっても重い軽いの違いがあるまのよ。重い症状の場合は、側から見てもはっきりとした違いがわかるはず」

アスカ「軽かった場合は?」

リツコ「長い時間をかけて、本当にその症状と合致するのか判断する必要があるわ」

アスカ「…………」

リツコ「シンジくんに疑いでもあるの?」

アスカ「……っ⁉︎ ち、ちがっ! 私はそんなこと一言も!」

リツコ「あなた本人にその心配がなければ、誰のために動くか考えたら自然とそうなるわよ」

アスカ「あっ……」

リツコ「(エリートといえど、根っこの部分はまだまだ子供ね)」





457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 22:07:27.89 ID:dHH1A+GA0
アスカ「……シンジが記憶喪失になって、私のことを覚えていないのがショックなのよ」

リツコ「気持ちはわからないでもないわよ」

アスカ「それで、不安で誰に頼っていいかわからなくて……」

リツコ「そう。夜は寝れてるの?」

アスカ「あんまり……」

リツコ「薬に頼るばかりでは依存してしまうことはおろか、効き目も悪くなる。眠れないのが続くようならいらっしゃい」

アスカ「ありがと、コーヒー少しもらうわね」

リツコ「あっ……」

アスカ「……ぬるぅ〜い。もしかして、猫舌?」

リツコ「…………」

アスカ「かわいいとこもあんのね。よく見たら猫のマグカップだし。もしかして家でも、猫飼ってるの?」

リツコ「――はやくさがりなさいっ!」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 22:21:27.94 ID:dHH1A+GA0
- 第三新東京都市立第壱中学校 昼休み -

アスカ「ヒカリ、マナ」

ヒカリ&マナ「アスカ?」

マナ「今日はもうネルフはいいの?」

アスカ「あぁ、ちょっと話があっただけだから。それよりも2人とも今は暇?」

ヒカリ「どうしたの? 私達ならお弁当食べ終わって暇してたとこだけど?」

アスカ「それなら、図書室で調べ物手伝ってほしいのよ」

マナ「私は大丈夫だよ」

ヒカリ「私も。鈴原たちにも協力してもらう?」

アスカ「あいつらがいると寄り道しちゃいそうだから今回はパス。私達だけでやりましょ」

マナ「なにを調べるの? テスト範囲でわからないところあった?」

アスカ「マナは知らなかったと思うけど、こう見えて私、大卒なのよ。中学校の授業なんて幼稚なのでわからないことなんかない」

マナ「――えっ? でも、アスカってあんまりテストの成績」

ヒカリ「あ、あの、それはっ!」

アスカ「ヒカリ、なにか言ったの?」

ヒカリ「……あ、ごめん。テスト結果の時の話でアスカが赤点ギリギリだったことだけ」

アスカ「はぁ……。そういうこと」

マナ「えっと……?」

アスカ「日本語が読めなかったの。テストの問題」

マナ「え? じゃあ、それが理由で?」

アスカ「世界共通語は英語なのよ? なんで今さら日本語の読み書きなんか勉強しなくちゃ、だいたい、この教育システム自体に欠陥が――」

ヒカリ「あ、アスカ……」

アスカ「あぁっと、そうそう。そういうわけで、理由は別。とりあえず図書室に移動しましょ」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 22:34:45.45 ID:dHH1A+GA0
- 図書室 -

アスカ「それで、調べてほしいのは、多重人格についてなんだけど」

ヒカリ「多重人格? っていうと、何人も何人も別の人格がある人のことだよね?」

アスカ「そう」

マナ「どうして、そんなことを?」

アスカ「まだよくわからないんだけど、昨日、不思議なことがあったの」

ヒカリ&マナ「……?」

アスカ「……シンジが、急に記憶を取り戻したのかと思えば、わけのわからないことを言いだして」

マナ「し、シンジくんの記憶が戻ったの⁉︎」ガタッ

ヒカリ「――ちょ、ちょっとマナ! 静かに! ここ図書室だよ!」ヒソヒソ

アスカ「今思うと、記憶が戻ったのかもあやふやなところがあるの。もしかしたら一時的なものだったのかも……」

マナ「……それで、アスカはシンジくんが多重人格になったんじゃないかって?」

アスカ「一晩考えてみても答えはでなかった。シンジもその時のことはまったく身に覚えがないらしくて、その後はまた、記憶がなくなった状態だったの」

ヒカリ「…………」

アスカ「……お願い。可能性としては、万が一程度なんだと思う。だけどもしそうなら、私はシンジを助けてあげたいの」

マナ「…………」

アスカ「鈴原たちにも言わないで。誰にも。もし多重人格でなければそれはそれでかまわないのよ」

ヒカリ「ふぅ……。わかった。手分けして調べましょ」

マナ「うん。私もできる限りやる」

アスカ「ありがと……」

ヒカリ「アスカは思いこみが激しいところもあるけど、それでもアスカはアスカだもん。ほっとけないよ」

マナ「私は、アスカのこと、まだわからないこと多いけど、心配してるってのは伝わってきたから」
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 22:57:49.16 ID:dHH1A+GA0
- 厚木基地 某所 -

加持「準備はいいか?」

マリ「いつでもいけるよー。でもさぁ、この旧式の対戦車ライフルって反動凄くて嫌いなんだよねー」カチャ カコン

加持「――飛距離に問題は?」

マリ「素人だと思っちゃ困るなー。目標までの距離と軌道の計算は既に終えてるって。狙った的は外さないってね」ペロリ

加持「そいつはすまなかったな。なにしろ軍資金に乏しいもんでね。満足な装備は用意しやれない」



パタパタパタパタッ



加持「ほら、オスプレイのご登場だぞ。撃ち落としてやれ」

マリ「アイサァー♪」カチャ


マリ「…………よっと」キリキリ カチリッ


加持「――撃て」



マリ「オラァッ!」


バァーーーーーーンッ


フォンフォンフォン ドカーーーンッ


マリ「くぅ〜〜いっつぅ〜。肩痛めるかと思った」

加持「お見事。それじゃ速やかに撤収するぞ、急げ。射撃位置はバレてる」

マリ「人使い荒いなぁ〜もう」
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 23:23:26.52 ID:dHH1A+GA0
- 移動中 車内 -

マリ「はぁ、疲れた〜疲れた疲れた疲れたつ〜か〜れ〜たぁ〜」

加持「はぁ……人類の明日がかかってるってことわかってる?」

マリ「ゲンドウくんの狙いもゼーレの計画も私にとってはどうだっていいし。私の計画がうまくいけばいいだけ」

加持「さようですか」

マリ「姫に会いにいこっかにゃ〜」

加持「おいおい、今マリに抜けてもらっちゃ困るんだが」

マリ「そっちはそっちで勝手にやってよ。私は姫を助けるのも仕事なんだし♪」

加持「しかしだなぁ、さっきのヘリに乗ってたの官房長官だぞ。やつがいなくなったことでロボットの管轄権は国防大臣に引き継がれる」

マリ「それが狙いだったんしょ? なにを今さら」

加持「無能は扱いやすいが、一歩間違えれば、予期せぬ自体を引き起こすことになる。バカとハサミは使いようというが――」

マリ「それなら、尚のことそっちで後は勝手にやって。裏工作は私の分野じゃない。加持くんの得意分野でしょ?」

加持「俺はただの内偵屋さ。元な」

マリ「とにかく! 一度、姫の様子を見にいく。ワンコくんの記憶喪失もちょっと気にかかるし」

加持「……ふぅ、わかった。こっちのことはまかせろ」
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/02(木) 23:43:02.35 ID:dHH1A+GA0
- 図書室 -

キーンコーンカーン コーン


ヒカリ「……やっぱりだめね。学校の図書室じゃ」

マナ「うん……。寄贈書ばかりだから、年代が古いものが多いし、専門書は少ないね」

アスカ「私が迂闊だったわ。市立の図書館に行けばもっとたくさんある?」

ヒカリ「そうね……。それだったら、少なくともここよりはあると思う」

マナ「今日の放課後にでも行ってみようか?」

アスカ「2人は時間、大丈夫なの?」

ヒカリ「私は夕飯の時間までに帰れれば」

マナ「うん。私も、あまり遅くならなければ」

アスカ「それじゃ、そうしましょ」

マナ「あの、アスカ」

アスカ「……?」

マナ「シンジくんのどこがそんなによかったの?」

アスカ「愚民を助けるのはエリートの義務……っていうのはウソ」

マナ「…………」

アスカ「なんでだろう。最初に会った時から好きになったのかもしれない。それに、懐かしく感じたっていうか」

マナ「わっ。それって、一目惚れ?」

アスカ「電撃が走ったっていうか、ビビっとこの人っていう感じではないのよ。デジャヴュみたいな」

ヒカリ「……それは、私もはじめて聞いたかも」

アスカ「そうだっけ?」

マナ「シンジくんもそう感じたとかあったの?」

アスカ「シンジに会ったことある?って聞いたら、ないって答えてたから、たぶん、気のせいなんでしょ」

マナ「そうなんだぁ。2人とも感じてたら運命みたいで素敵だなぁ」

ヒカリ「運命⁉︎ マナも少女漫画好き⁉︎」ガバッ

マナ「え? なに?」ビクッ

アスカ「ヒカリのこれは病気みたいなもんだから気にしないで」
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:09:28.48 ID:/j+k9HQL0
- アスカ 夢の中 -

アスカ(少女)『私は一人で生きるの、パパもママもいらない! 一人で生きるの。私はもう泣かないの! 』

アスカ「でも、まだ泣いてる…なぜ、泣いてるの?」

継母『あの子、苦手なんです』

アスカ父『なんだ、弱気とは医者の君らしくないな』

継母『医者も人間ですのよ。前にも言いましたけど』

アスカ父『しかし、君のような女性が子供相手に』

継母『妙に大人で……張り詰めた絶対的な拒絶があって……時々恐いんです。あなた、そう感じたことありません?』

アスカ父『いや、とにかく君は、アスカの母親になったんだ』

継母『その前に、私はあなたの妻になったのよ』

アスカ父『……同時にだろう?』

継母『社会的立場からはそうですわ』

継母『あなたはあの子の父親を辞められないけれど、私はいつでもあの子の母親を辞めることができますのよ』

アスカ「勝手な言い草! 大人はみんな勝手! 私はなんでも1人でできるようになる!」

アスカ(少女)『止めてママ! ママを辞めるのは止めて! 私、ママに好かれるいい子になる! だから、ママを辞めないで! だから私を見て! 止めてママ! 私を殺さないで!」

アスカ「また……私?」

キョウコ『あなたのパパはママが嫌いになったの。いらなくなったの。ううん、最初から好きじゃなかったのよ。最初からいらなかったのよ、きっと』

キョウコ『だから、ママと死にましょう。パパは私たちがいらないもの』

アスカ「私は邪魔なの? いらないの?」

キョウコ「一緒に死んでちょうだい……」

アスカ「いや! 私はママの人形じゃない! 自分で考え、自分で生きるの!」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:16:34.78 ID:/j+k9HQL0
- 第三新東京都市立第壱中学校 授業中 -

アスカ「んぁ……?」ゴチンッ


シーーン


アスカ「あ、あれ? ここ、教室?」

先生「エヴァのパイロットというのは、居眠りをする癖でもあるのかな?」


クスクス


アスカ「あ、その、すみませぇん……」



トウジ「今度はゴリラ女とはお前ら夫婦は居眠りするのも一緒か!」コショコショ

シンジ「……へ?」

ケンスケ「トウジ、碇は記憶がないんだからそんなこと言っても通じないって」
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 00:46:05.24 ID:/j+k9HQL0
- 第三新東京都市立図書館 -

アスカ「(なんで、今さらあんな夢。ママは、弐号機にいるってわかったのに……)」

ヒカリ「アスカ、これなんだけど……」スッ

アスカ「(ふっきれたと思ったけど。私の中でまだシコリがあるのかな……)」

ヒカリ「アスカ? 聞いてる?」

アスカ「あ、ご、ごめん。なに?」

ヒカリ「うん。多重人格って後天性の重い症状の一種でもあるみたい」

アスカ「先天性ではないの?」

ヒカリ「どちらのケースもあるって書いてある。ここ見て」ペラッ

アスカ「あんまり日本語読めないのよ」

ヒカリ「あぁ、そっか。ごめんね。えっと、生まれつきじゃない、後天性の場合、強いストレスとかで別の人格を産み出してしまうことがあるらしいの」

アスカ「ふぅん」

ヒカリ「それで、本当かどうかわからないけど、発覚するまでに二桁の人格を産み出してしまう人も少なくないんだって」

アスカ「でもそれは、診断を下した人間の主観である場合もあるわよね」

ヒカリ「うん。統計的にそうなのかわからないけど、それもちょっと怪しいし」

マナ「シンジくんの場合は、どうなんだろうね」

アスカ「多重人格だと前提しても、二桁の人格がいるようには見えないわね」

ヒカリ「アスカが見たのって少なくとももう1人? だけだもんね」

マナ「それなら、二重人格ってことになる?」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 14:03:10.47 ID:/j+k9HQL0
アスカ「見えてる範囲で、という話でならそうなるかも」

ヒカリ「あっ、でもここ見ると核となる人格があって、他の人格を隠してしまうケースもあるんって書いてるよ」

アスカ「つまり……」

マナ「わからないってことだね」

ヒカリ「ネルフに相談はできないの? 専門の人いるんじゃ?」

アスカ「午前中にその話をしてみたのよ。だけど、なぜそう思ったのか詳しくは話したくない」

マナ「うぅん」

ヒカリ「私たちだけじゃ限界があるのも事実だし……」

マナ「ねっ? いっそのことシンジくんになにかショックを与えてみたら?」

アスカ「……?」

マナ「ほら、よく漫画とかであるじゃない? 性格がオンオフで切り替わるみたいな」

ヒカリ「そ、それって眼鏡をはずしたら性格が変わる王子様とか、さっそうとピンチを助けてくれる……」

マナ「そ、そうじゃなくて! ただ何もしないよりは試してみる価値あると思うの!」

アスカ「ショックねぇ」

マナ「私たちで変わりばんこに告白でもしてみる?」

アスカ&ヒカリ「えぇ⁉︎」

マナ「……やっぱり、ダメかな?」

アスカ「な、な、な、なんでそんな話になるのよ!」

ヒカリ「そうだよ! それに碇くんはアスカの!」

マナ「でも、それぐらい外部的な衝撃を与えてみないと」

アスカ「そもそも、ショックになるの? 嬉しいだけじゃない?」

ヒカリ「戸惑いの方が強いんじゃないかな……」

マナ「それじゃ、殴ってみる? ガツーンと!」

アスカ「マナって……」

ヒカリ「意外に強引なところあるんだね……」
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 14:24:15.41 ID:/j+k9HQL0
- ネルフ 本部 ??? -

リツコ「失礼いたします」

ゲンドウ「…………」

リツコ「今は副司令はいらっしゃないんですね」

ゲンドウ「わかっていて来たのだろう」

リツコ「言ってしまわれるのは野暮ですわ」スタスタ

ゲンドウ「レイとシンジの案件についてはどうなっている」

リツコ「ご心配なく、次のプラグテスト日にシンジくんを昏睡状態にさせる予定です」

ゲンドウ「アレは自分がやったという行為に責任を感じるやつだ。昏睡させては意味がない」

リツコ「ご子息のことを理解していらっしゃるのですね。前回、興奮剤を投与したのも自身の意思でやったというのを印象づけるために?」ギシッ

ゲンドウ「……椅子から降りたまえ。今はそんな気分では」

リツコ「――既成事実を作ってしまえばなんら問題はありません。責任を作ることはたやすいことです。例えあの子がどんなに受け身でも、最後に手をだすのは男ですもの」ギシギシッ

ゲンドウ「それならばいい」

リツコ「それとも、あなたが私を犯した時のように衝動的な刹那を体現させたいのですか? 私に性の昂ぶりをぶつけ、汚したように――」プチ プチ

ゲンドウ「…………」

リツコ「――もっと、私を汚して。その手で」パサッ
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 14:36:13.91 ID:/j+k9HQL0
- ミサト宅 夜 -

ミサト「シンちゃん、怪我の具合はどう?」

シンジ「すこし痒くなってきてますけど、大丈夫です」

アスカ「(ショックねぇ……)」

ミサト「……? アスカ、ぼーっとシンちゃん見てどしたの?」

アスカ「別に……」

ミサト「もしかして、シンちゃんに見とれちゃってたとか?」ニマニマ

アスカ「ミサトのオヤジ化って日に日に深刻になってるわよね」

ミサト「まだ枯れちゃいないわよん」

シンジ「あの、アスカ、後で少し話がしたいんだけどいいかな?」

アスカ「……わかった。急ぎ?」

シンジ「そうじゃないよ。暇な時でいい」

ミサト「(記憶をなくしてもうまくやれそう……かな……)」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 14:49:19.27 ID:/j+k9HQL0
- シンジ 部屋 -

アスカ「(なんだか、不思議。記憶をなくしてるシンジと2人になってもぜんぜんドキドキしない)」

シンジ「家で落ち着いて、話をするのって、はじめてじゃないのかもしれないね……」

アスカ「まぁ、そうね。記憶がないあんたとは話をすることあったし」

シンジ「……やっぱり、記憶のない僕と記憶のある僕って違うのかな」

アスカ「…………」

シンジ「そうだよね。やっぱり、僕も実感ができないんだ。みんなの中の僕と今の僕がかけ離れすぎてて」

アスカ「これまでやってきたことは事実よ」

シンジ「そうだとしても、できるとは思わないんだ、僕が」

アスカ「自分で自分の限界を決めつけてるってこと?」

シンジ「…………」

アスカ「(やっぱりこんなの、コイツ、シンジじゃない。ガワだけ)」

シンジ「そうかも、しれない。自信がないのかも」

アスカ「あんたがどう思おうと勝手だけど、私たちには大切な思い出があんのよ。それを他ならないあんたが! 嘘にするな!」ビシ

シンジ「…………」

アスカ「不愉快だわ。話が終わりならでてくけど」

シンジ「あっ、まだ話は終わってなくて、あの、こんなこと言うと怒るかもしれないけど」

アスカ「ウジウジすんな。みっともないのよ。なに? 聞くだけなら聞いてあげる」

シンジ「――エヴァに乗らなくて済む方法ってないかな?」

アスカ「……はぁ?」

シンジ「こ、こわいんだ。エヴァに乗るのが。あんなわけのわからないモノに乗ってなにと戦えっていうのさ」

アスカ「…………」

シンジ「ミサトさんに言うのは最後の手段として、まずはアスカに聞いてみようと思って――」

アスカ「歯くいしばれ」

シンジ「えっ――」


――バチンッ!!!
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 15:09:59.38 ID:/j+k9HQL0
- ミサト宅 リビング -

ミサト「な、なにごとっ⁉︎」


ガラガラ ピシャンッ!


アスカ「……ふん」

ミサト「あら? アスカ? シンジくんと喧嘩でもしたの?」

アスカ「あんなのシンジじゃない」

ミサト「え?」

アスカ「エヴァに乗りたくないんですってよ」

ミサト「あっちゃぁ〜。シンジくんが、聞くまでもないか」

アスカ「どうするつもり? あんなのが実戦にでたところで足手まといになるのは目に見えてるわよ」

ミサト「ふぅ……。シンジくんが記憶喪失になったと聞いた時にこうなることは予想すべきだったわ」

アスカ「ミサトは予想できたっていうの?」

ミサト「こっちに来た頃のシンジくんは、それはもう臆病で、自分を表すのに不器用だったのよ。使徒三体を殲滅するまでにも家出したり色々あったもの」

アスカ「……そういえば、記憶がなくなる前にそうだったって話は少し聞いたことある。命令違反したんでしょ?」

ミサト「二体目の使徒の時かしら。鈴原くんたちをプラグ内に乗せるまではよかったんだけど、その後、私の命令を無視して独断で使徒に向かっていったの」

アスカ「やっぱり、今のシンジとは全然違うじゃない」

ミサト「それがそうでもないのよ。アスカはシンちゃんと会った時にはもう見ていないから、わからないのかもしれないけど」

アスカ「…………」

ミサト「シンジくんは? 部屋にいるの?」

アスカ「思いっきりビンタしたから、気絶してるかも。まだ手がヒリヒリする」

ミサト「あ、あんた。シンジくんはまだ怪我人なのよ?」

アスカ「はん……。死ぬわけじゃないでしょ。それに、私だって世話してあげたいって思ってるわよ。だけど、今のシンジはなんかだめ」

ミサト「うぅ〜〜ん……」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 15:32:58.90 ID:/j+k9HQL0
アスカ「シンジから直接話を聞いてみたら?」

ミサト「前回と同じことになるのは私も避けたいけど、甘やかしすぎるのもシンジくんの為にならないと思うのよね」

アスカ「あっそ。それじゃ、ほっとくの?」

ミサト「ううん、悩みどころではあるわね」

アスカ「なんでもいいけど、パイロットの監督官なんだからなんとかしてよね。記憶取り戻す方法を見つけてくるとかさ」

ミサト「……えぇ」

アスカ「なんかそういう劇薬みたいなのないの?」

ミサト「そんな都合の良いものあったらとっくに使ってる――まてよ」

アスカ「え? 本当になんかあんの?」

ミサト「えぇと、たしか部屋の、アスカちょっちそこで待ってて」

アスカ「……?」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 15:47:16.04 ID:/j+k9HQL0
- ミサト宅 シンジ部屋 -

シンジ「むぐっ! むぐぐぐぅ〜!(なんで僕が縛られてるんですか!)」

アスカ「とりあえずがんじがらめに縛っておいたけど、こんなもんでいい?」

ミサト「えぇ、かまわないわ」

シンジ「むふむむむぅ!(何考えてるんだこの人たち!)」ジタバタ

アスカ「黙れ、エビ男、暴れんじゃないわよ」グニ

シンジ「むぐっ!(踏むな! なんなんだよ!)」

ミサト「アスカ、シンジくんを座らせる格好にして、背中を壁に立てかけるようにすればいけるでしょ」

アスカ「はいはい。でも、本当に効果あんのぉそれぇ? 入門編って書いてあるけど」

ミサト「催眠術で記憶を呼び覚ますって映画で見たことがあんのよ。だからやってみる価値はあるでしよ」

シンジ「むぐぐぐぅ!(そんなのめちゃくちゃだ!)」

アスカ「おもっ……よっと――っ! はい、おっけー」

ミサト「それじゃぁ、シンちゃんリラックスしてこの5円玉の動きを目だけで追うのよ?」

シンジ「ふぁむむぐっむぐぅ!(リラックスできるわけないだろ!)」

アスカ「さっさとやりなさいよ」

シンジ「ぐむっ……!(仕方ない、今だけ言うことを聞いて、解放されたら出ていこう!)」


ユラ〜リ ユラ〜リ


ミサト「見つめているとあなたの意識がぼんやりとしてきます。ゆっくり息をすってぇ〜はいてぇ〜」

アスカ「はぁ……」

シンジ「ふぅー、ふぅー」

ミサト「リラックスしてぇ〜。あなたは今は南の島にいます。そこでハンモックに揺られながら、ジュースを飲んでいます」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:00:27.54 ID:/j+k9HQL0
シンジ「ふーっ、ふーっ(はやく終わってよ!)」

ミサト「シンジくん? ちゃんとリラックスしなきゃだめよ?」

シンジ「…………」コクコク

ミサト「……ふかぁ〜いふかぁ〜い、海の底をイメージしてください〜」

アスカ「…………」ポリポリ

ミサト「ワン、ツー、スリーを合図に指を鳴らします。すると、あなたは意識が落ちます」

シンジ「…………(バレないようにかかったふりしないと!)」

ミサト「ワン、ツー、スリー」パチン

シンジ「…………(指? どこかで聞いたような)」


シンジ(少年)『それはできない』パチン


シンジ「…………(そうだ、たしかあの夢で……あれ……本当に意識が……)」

ミサト「どう? シンちゃん? かかった?」

アスカ「……ミサトが聞いてどうすんのよ」

ミサト「あはは……そっか」

アスカ「だんだんアホらしくなってきたわ。ほら、シンジ、かかったふりしなくていいから」

ミサト「やっぱりだめかぁ〜。そうね、もうやめましょうか。シンジくんの口のガムテープはがして紐もほどいてあげて」

アスカ「はいはい」ビリッ

シンジ「…………」ガクッ

アスカ「……? ちょっと? シンジ? かかったふりしなくてもいいのよ? あんなのでかかるわけないんだから」

ミサト「あらぁ? シンちゃんってば演技もできたの?」

シンジ「…………」ダラァ

アスカ「……シンジ? ねぇっ? ちょっと?」ユサユサ

474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:07:57.33 ID:/j+k9HQL0
ミサト「え? え? これって……」

アスカ「そ、そんなわけないじゃない! あんなのでかかるなんて聞いたことないわよ!」

ミサト「いやでも、ほら」

アスカ「こ、これは演技よ! そうでしょ⁉︎ こら! 起きろ!」バシバシ

シンジ「…………」グテェ

ミサト「い、息は? してるわよね?」

アスカ「……うん。息はしてる。いい? シンジ? まだ続けるつもりなら思いっきりひっぱたくわよ」

ミサト「ちょっとアスカ」

シンジ「…………」

アスカ「まだ続けるのね。いい根性じゃない。ちょっと今のあんたも見直したわ。いくわよっ!」ブンッ


バチンッ!!!


ミサト「ちょ、ちょっと!」

シンジ「…………」ダラァ

アスカ「おかしい、演技にしても表情が全然かわらないなんて……。これってもしかして……本当に……」

ミサト「うそぉ⁉︎」

アスカ「ミサト! 続けて!」

ミサト「え? どうやって?」

アスカ「はぁ? 続け方書いてるんじゃないの⁉︎」

ミサト「そ、そっか! だってかかると思ってなかったから!」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:14:44.82 ID:/j+k9HQL0
ミサト「えぇと」ペラペラ

アスカ「まだ⁉︎」

ミサト「急かさないでよ、あったあったここね」

アスカ「……っ」ゴクリ

ミサト「あなたは記憶をなくしてますか? YESなら首を1回、NOなら首を2回縦にふってください」

アスカ「ちょっと、もう少し踏みこんだ質問できないの? 誰でも答えられることじゃない!」

ミサト「最初は軽めの質問からだって書いてるのよ!」

シンジ「…………」コクリ

ミサト&アスカ「頷いた……」

ミサト「続けるわよ――」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 16:30:36.79 ID:/j+k9HQL0
――――
―――



ミサト「いくつか簡単な質問はしたし、それじゃぁ、いよいよ、踏みこんだ質問にいくわね」

アスカ「はやく」

ミサト「記憶を取り戻すのは可能ですか?」

シンジ「…………」コクリ

アスカ「どうすれば? 知りたいのは方法なのよ!」

ミサト「質問を変えてみましょう。催眠術で記憶を取り戻すのはできますか?」

シンジ「…………」

アスカ「首をふらない? どっちなの?」

ミサト「シンジくんにもわからないのかも」

アスカ「やってみる?」

ミサト「わからないことをやるのは危険かもしれないわ」

アスカ「ちょっとまってミサト。この質問聞いてみてくれる? シンジは多重人格なのかって」

ミサト「え? シンジくんが?」

アスカ「念のためよ。記憶喪失じゃない場合だって考えられるじゃない」

ミサト「……あなたは多重人格ですか?」

シンジ「…………」コクリコクリ

アスカ「二回……ってことは違うのね! よかったぁ!」

ミサト「肝心の記憶を取り戻す方法がわからないんだから安心できないわよ」

アスカ「ワードを言っていけいばいつかは当たるんじゃない?」

ミサト「そうねぇ。記憶を取り戻す方法はアスカですか?」

アスカ「ちょ、ちょ!」

シンジ「…………」コクリコクリ

ミサト「あらぁ〜違うのね。アスカ、ドンマイ」

アスカ「ふざけてるでしょ!今の質問必要あった⁉︎」

ミサト「とにかく思い当たることは全部言っておくべきでしょ。次、私は関係ありますか?」

シンジ「…………」コクリコクリ

ミサト「あらぁ、これも違うのね。一晩ぐらいならシンちゃんと――」

アスカ「ミサト! ぶちのめすわよ!」

ミサト「おぉ、こわ。それじゃエヴァと関係ありますか?」

アスカ「お父さんとかそういうんじゃ――」

シンジ「…………」コクリ

ミサト「そうねぇ、やっぱり……って」



アスカ&ミサト「――……え?」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 20:35:11.32 ID:/j+k9HQL0
ミサト「エヴァに関係があるのか……」

アスカ「やっぱり、前の出撃の時になにかあったんじゃないのぉ?」

ミサト「いつも通りだったわよ! 途中からシンジくんがいきなり回線遮断しちゃったけど」

アスカ「その前後は?」

ミサト「エヴァの内部電源内では目標に追いつけそうになかったから、停止するように求めたわ」

アスカ「そしたら?」

ミサト「シンジくん、いきなり回線を切っちゃって」

アスカ「なら、問題はその後ね。中で何かがあったのよ」

ミサト「でも、停止するまで初号機はひたすら目標をおっかけてたし、2分ぐらいの間なのよ?」

アスカ「時間が短いかどうかなんて関係ない。問題は出来事と過ごした密度よ。なにか強烈なことがシンジに起こったんだわ」

ミサト「ふぅん。それで記憶喪失に?」

アスカ「……いえ、そうじゃないのかもしれない」

ミサト「ちょっと、わかるように説明してよ」

アスカ「昨日! 夕食のあと! シンジの様子がおかしかったでしょ」

ミサト「あぁ、そんなこともあったわね」

アスカ「しっかりしてよ。その時のシンジはなにか焦ってたのよねぇ」

ミサト「アスカとシンジくんが2人で出かけた時?」

アスカ「う〜ん……(ミサトにやりとりを言えるのはここまでかな……)」

ミサト「記憶が一時的に戻りかけてたのかもしれないわね」

アスカ「きっかけは?」

ミサト「あの時を思い出してみればわかるはず、でしょ?」

アスカ「マナのことよね。でもそれもおかしいわ。シンジは記憶をなくす前も今もマナと特別仲良いってわけじゃないもの」

ミサト「マナちゃんが忘れてるだけでシンジくんと元々知り合いだったとか?」

アスカ「そんな話聞いたことないわよ。ネルフの資料にそんなデータあるの?」

ミサト「あの子の証言を調べる時に身元調査もしたんだけど、たしかに、住んでる所に接点なんかなかったわね」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 20:43:24.60 ID:/j+k9HQL0
アスカ「明日、初号機に乗せてみるってっていうのは?」

ミサト「えぇ? シミュレーションプラグじゃなくて初号機に?」

アスカ「当時の条件をできるだけ再現してみたらなにかわかるかもしれないじゃない。シミュレーションプラグの中で起こったわけじゃない」

ミサト「だけど、承認されるかどうか……。エヴァは玩具じゃないのよ」

アスカ「パイロットとして機能しなくなるほうが問題でしょ。適当に理由つけなさいよ」

ミサト「……減俸もありえるかもしれないのよ」

アスカ「そうならないように、言い訳、考えたら?」

ミサト「はぁ……。ペンペン〜、おつまみ減ったらごめんねぇ〜」

ペンペン「クェッ⁉︎」

アスカ「それはそうと、シンジの催眠そろそろといてあげなきゃ」

ミサト「あぁ、そうだった。それじゃー解くわよ。あなたはぁ〜ワンツースリーと言って手を叩いたら目が覚めます」

シンジ「…………」

ミサト「ワン! ツー! スリー!」パンッ

シンジ「…………」

ミサト「あ、あら?」

アスカ「ちょっと?」

ミサト「慌てないの。もっかい。……ワンツースリー!」パンッ
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 20:50:46.66 ID:/j+k9HQL0
シンジ「…………」グテェ

アスカ「ちょっと! 起きないじゃなぁい!」

ミサト「シンジくん! 起きなさい! 起きて! 起きるのよ!」パンッパンッパンッ

アスカ「ど、どどどどうするのよ⁉︎」

ミサト「シンちゃん⁉︎ 私、左遷は嫌よ! クビも嫌!」パンッ

アスカ「保身に走ってんじゃないわよ!」

ミサト「ネルフにバレたら困るのよ! 起きて!」

アスカ「どうするの⁉︎ 連れてった方がいいんじゃ!」

ミサト「アスカ! チューして!」

アスカ「はぁ⁉︎」

ミサト「眠れるお姫様、じゃないけど。キスで起きるとかあるじゃない!」

アスカ「そんなので起きる⁉︎」

ミサト「アスカが嫌だったら私が……!」グイッ

アスカ「ま、待ちなさいよ!」ガシッ
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 20:58:12.98 ID:/j+k9HQL0
- ネルフ本部 ??? -

諜報部員「ご報告いたします。葛城三佐宅のご子息の部屋で慌ただしい動きがありますが」

冬月「こちらに映像をまわせ」

諜報部員「了解。そちらに映像をうつします」

ゲンドウ「…………」


ミサト『………!』

アスカ『………!』


冬月「音声は拾えないのか?」

諜報部員「音声は指示がなかったので」

冬月「指示がなくとも盗聴器ぐらい取り付けておけ!」

諜報部員「り、了解。失礼いたしました!」

冬月「……取っ組み合いしてなにをしているんだ? 君の息子は縛られてるようだが」

ゲンドウ「…………」

冬月「やれやれ、おおかた家族ごっこか。このご時世に呑気なものだな」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 21:17:01.45 ID:/j+k9HQL0
- ミサト宅 シンジ部屋 -

アスカ「私がやるって! 言ってんでしょぉが!」ググッ

ミサト「だから! はやくやってよ! それでもだめなら私がやるからね!」ググッ

アスカ「だから! なんでそうなるのよ! ネルフに連れてくでしょ普通!」

ミサト「ネルフにバレたくないんだってばぁ! パイロットを催眠術にかけて昏睡状態とか笑い者になるわよぉ!」

アスカ「しかたないでしょ! こうなっちゃったんだからぁ!」

ミサト「いや、いやよ。もう再就職先見つけるのだって厳しいのに」

アスカ「生々しいこと言ってんじゃないわよ!」

ミサト「……わかった。落ち着きましょ。とりあえず、アスカしてみて」

アスカ「落ち着いたら普通やめようとかならないの?」

ミサト「いいから! はやく!」

アスカ「…………わかったわよ。あっち向いてて」

ミサト「はいはい。はやくね」

アスカ「ふぅ……。なんなのよこれ」

ミサト「……どう? やった?」

アスカ「まだ!」

ミサト「はやくね……」

アスカ「……それじゃぁ、いくわよ……」スッ


シンジ「…………」

アスカ「……(ちょっと待って、ここ監視されてるってメガネが言ってなかった?)」

ミサト「まだ? アスカ」

アスカ「(もしそうだとしたら、今って筒抜け⁉︎ なんで気がつかなったのよ!)」

ミサト「どぉ? シンジくん覚めた? 覚めたわよね?」

アスカ「……ミサト」

ミサト「うん?」

アスカ「やったけど、シンジは起きなかった(やってないけど)」

ミサト「あぁ……万事休すだわぁ〜」

アスカ「落ち着いて、方法は間違ってない?」

ミサト「たしかにさっきの通り書いてあるわよ」

アスカ「…………」

ミサト「……はぁ。碇司令になんて報告すればいいのよ……」

アスカ「…………」パチン

ミサト「アスカ、指なんか鳴らしても、それは導入の時に」


シンジ「……ん? あれ?」


ミサト「シンジくん⁉︎」

シンジ「僕、いったい……あっ! いっ! なんか頬が痛い……そうだ! これほどいてくださいよ!」

アスカ「…………(指の音に反応したの?)」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 21:35:29.35 ID:/j+k9HQL0
シンジ「こんなのめちゃくちゃだ! 僕はもうここを出て行きます!」

ミサト「シ、シンちゃん?」

シンジ「アスカも僕のことが嫌いならそう言えばいいだろ!」

アスカ「……なに?」

シンジ「いきなり縛って身動きするなんて考えられないよ!」

アスカ「誰が誰のこと嫌ってるって?」

ミサト「アスカ! 待ちなさい!」ガシッ

シンジ「アスカに決まってるだろ! いっ⁉︎」

アスカ「あらぁ? シンジ様。次はどこを踏みつけられたいのかしら?」ゲシッ

シンジ「ぐっ……なんなんだよ!」

ミサト「アスカ! 足だけで器用にやらないで!」

アスカ「あんた、ほどいたら出てくの?」

シンジ「出てくよ! 先生のところに帰るんだ!」

ミサト「……シンジくん。そうなったら、監視体制が24時間でつくことになるわよ」

シンジ「それでもここよりはいい!」

アスカ「ミサト、明日、朝イチで初号機に乗せましょ」

ミサト「……や、やっぱり?」

アスカ「そうしなきゃ、碇司令になんて説明するの?」

ミサト「そ、そうよね」

シンジ「な、なに言ってるんだよ! 僕はアレに乗りたくないんだ!」

アスカ「こんなに嫌がってるんだし、碇司令も事情を説明すればわかるわよ」

ミサト「でも、これって大丈夫かしらん?」

アスカ「人間、死ぬ気になればなんでもできるものよ。シンジ、まだ口で嫌がる余裕があるでしょ」

シンジ「そ、そんな……」

ミサト「それもそっか」

シンジ「なんで納得するんですか! ミサトさん!」

アスカ「と、いうわけで」

ミサト「シンジくんはこのまま朝を迎えてもらいましょうか」

シンジ「そんなバカな……こと……」

アスカ「さぁ、シンジぃ〜? 気を失うか、寝るかどっちがいいぃ〜?」

シンジ「ちょ、ちょっと落ち着いてよ、アスカ」

ミサト「私はなにも見てないなにも見てないなにも見てないなにも…………」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/03(金) 22:26:01.02 ID:/j+k9HQL0
- 翌日 ネルフ本部 格納庫 -

ガラガラガラガラッ

作業員「お疲れ様です、葛城三佐。お急ぎのようで ――」

ミサト「技術班は⁉︎」

作業員「はぁ、まだ時間もはやいので、チラホラ見かける程度ですが……台車に乗ってるのはサードチルドレンですか?」

ミサト「いるだけでかまわないわ!急いでかき集めて! それとプラグエントリー準備!」

作業員「なにも聞いてないですが、上からの承認はおりてるんで?」

ミサト「……せ、せせせ、責任は私が持つわ! つべこべ言わないでさっさとやる!」

作業員「り、了解しまし――」

リツコ「――なんの騒ぎ?」ヒョイ

ミサト「あっちゃぁ〜。リツコ。いたのね」

リツコ「エヴァの点検に立ち会っていたのよ。それでミサトは? あら? アスカも?」

アスカ「…………」

リツコ「今日は学校のはずでしょ? テストは……そこでプラグスーツを着てるのはシンジくん⁉︎」

ミサト「……エヴァに少し乗せたいのよ」

リツコ「あなた、一体なに考えてるの! 理由を今すぐ言いなさい!」

ミサト「シンジくんがエヴァに乗るのをこわがってるから、そんなにこわいものじゃないって教えようと思って」

リツコ「気を失ってるんじゃなくて⁉︎」

ミサト「昨日、すこし暴れたのよ〜」

リツコ「ミサト⁉︎ だからって気絶させたの⁉︎」

ミサト「ちょっとやり方が強引だっていうのはわかってる」

リツコ「許可できないわ! トラウマになって二度と乗らなくなる!」

ミサト「……これは必要な処置よ。私が、そう判断したの」

リツコ「何様のつもり⁉︎ 碇司令に報告したら厳罰は免れないわよ!」

ミサト「赤木博士。シンジくんの記憶が取り戻せるかもしれないのよ。そうしたら乗らなくなる心配はない」

リツコ「なんの根拠があってそんなことを言うの⁉︎」

ミサト「……その、昨日催眠術にかけたら、そうシンジくんが答えたから」

リツコ「催眠術ですって⁉︎ 素人が⁉︎ かかるはずないじゃない!」

ミサト「かかっちゃったのよぉ! それで、その時にエヴァに原因があるって」

リツコ「その話、本当なの?」
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 22:31:10.51 ID:DPOdR4qy0
ミサト「まぁ、その、なんつーかね」

リツコ「どっちなのよ……」

ミサト「シンジくんの記憶さえ戻れば何も問題はないのよ! 今回だけは目を瞑って!」

リツコ「……っ! 葛城三佐!」

アスカ「チッ、また押し問答ね。シンジが戻る可能性があるなら賭けてみる。たまにはそういう荒療治やってみてもいいんじゃないの?」

リツコ「あら? 2人で結託したの?」

アスカ&ミサト「はん、まさか」

リツコ「…………」

アスカ「私たちは目的が同じであるという共通意識があるだけよ」

ミサト「普段なら止めるところなんだけど、初号機のパイロットはシンジくんしかいない。私もそう思ってる。だから、アスカのやることに協力してるわ」

リツコ「エヴァに関連があるとしても、プラグに乗せることが解決策とは限らないのよ」

ミサト「悪化を恐れる気持ちはわかる。しかし、研究者としては試してみる価値はあるんじゃなくって?」

リツコ「……(レイとのきっかけを作る為にはどうしても承認できない)」

ミサト「ね? お願い、今回だけでいいから。少しプラグに乗せるだけよ」

リツコ「却下します。くわえて今回のことは碇司令にも報告させてもらうわ」

ミサト「また碇司令? あんた最近、碇司令と距離感近くない?」

リツコ「仕事よ! 公私混同しないでちょうだい!」

485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 22:40:49.73 ID:DPOdR4qy0
ミサト「ふぅん?」

リツコ「碇司令が今日から不在なのが痛いわね」

ミサト「え? 碇司令、いないの?」

リツコ「南極に。今頃は飛行機の中でしょうね……」

ミサト「それじゃあ、不在の時の指揮権は?」

リツコ「それは、ミサトに……あっ」

ミサト「ナァ〜〜イスタイミングッ!」

リツコ「……はぁ」

ミサト「はいはぁ〜い! みなさぁ〜ん! サードチルドレンエントリースタンバーイ!」

リツコ「あ、あなたね! 任されてると言っても代理なのよ! わかってるの⁉︎」

ミサト「もちろん、碇司令が戻ってきたら、きちーんとご報告させてもらうわよ? でもそれまでは、私の管轄下よね? あ・か・ぎ・は・か・せ?」

リツコ「…………くっ!」

作業員「葛城三佐ぁ〜! 作業にとりかかってもよろしいんですかぁ〜?」

ミサト「オッケーですー! パパッと取り替かっちゃってくださーいっ!」

リツコ「失礼するわっ!」

アスカ「どこ行くの? 見てけばいいのに」

リツコ「衛生電話よ! 連絡が届く範囲になったらすぐにでもかけさせてもらうわ!」

ミサト「死の海、南極でしょ? 電波はいらないと思うけど」

リツコ「くっ、ミサト! 覚えておきなさいよ!」コツコツ
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 22:56:32.82 ID:DPOdR4qy0
- ネルフ本部 発令所 -

マヤ「初号機、エントリースタンバイにはいります」

ミサト「ごめんねぇ〜。マヤちゃん、朝早くから」

マヤ「いえ。でも、どうしていきなり?」

ミサト「ま、ちょっとした事情があんのよん。それよりリツコは?」

マヤ「先輩なら衛生電話を持ってラボに引きこもってましたけど」

ミサト「……あはは」

作業員「おーい! パイロット投げるぞー!」

シゲル「MAGI、パイロットの搭乗を確認。LCL加圧スタートします」

マコト「でも、使徒も来てないのにいいんですか?」

ミサト「うっ。みんなして言わないでよ」

マコト「一応、マニュアルでは第二次警戒体制に移行する決まりですが、どうします?」

ミサト「今回はなにもしなくていいわ。シンジくんを乗せるだけだもの」

マコト「了解、あとシンジくんの意識は?」

ミサト&アスカ「あ、忘れてた」

シゲル「えぇ〜?」

アスカ「私がいって起こしてこようか?」

ミサト「う〜ん。それもひと手間かかっちゃうし、待つわけにもいかないし、ちょっと濃度高めてくれる?」

マコト「えぇ⁉︎ か、葛城さん! シンジくん今記憶ないんでしょ⁉︎ 慣れてないのに大丈夫なんですか⁉︎」

ミサト「ここまでやってしまったら後には引けないわ。シンジくんの根性に賭けましょ」

マヤ「シンジくん、かわいそう……」

シゲル「あ〜」

マコト「無茶するなぁ、まったく」

ミサト「……ご、ごほんっ! どうしたの? はやくしなさい!」
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 23:06:45.58 ID:DPOdR4qy0
- 初号機 エントリープラグ内 -

シンジ「……がはっ!……ぐぅっ……」ゴボゴボゴボゴボ

シンジ「……息が……っ!」

ミサト『おっけー! 日向くん! シンジくんおきたみたいだから元にもどして』

シンジ「……はぁっ……はぁっ……」

ミサト『シンジくん? 聞こえるー?』

シンジ「な、なんですかここっ⁉︎ なんなんですか! どうして僕ここにいるんですか!」

ミサト『そこは初号機の中よ。正確にはエントリープラグ内だけど』

シンジ「どういうことですか! なんで乗ってるんですか! 乗りたくないって言ったでしょ⁉︎」

ミサト『なにも戦わせようってわけじゃないのよ。とりあえず、シンクロしてみるだけだから』

シゲル『電源、はいります』


ブゥーン


シンジ「嫌だ! 僕は降りる! 開けて! 開けてくださいよ!」ドンドンッ

ミサト『かまわないから、シンクロはじめちゃって』

マヤ『りょ、了解。指揮系統からシンクロ、開始します」

シンジ「な、なにやるんですか! や、やめてくださいよ! ミサトさん!」

ミサト『さて、どうなるかしら』

アスカ『変化が起こるといいけど』
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 23:17:34.96 ID:DPOdR4qy0
- ネルフ 本部 発令所 -

シンジ『ミサトさんっ! おろしてくださいよ!』

ミサト「数値はどう?」

マヤ「シンクロ率、40.2%。3分が経過しましたが状況に変化はありません」

シンジ『このっ!』ガンガンッ

ミサト「……そう。乗せるだけじゃだめなのかしら」

シゲル「しかし、変ですね」

アスカ「なにかあったの⁉︎」

シゲル「あぁ、いや……シンジくんのバイタルが正常値なんです」

ミサト「あれだけ嫌がってるのに?」

シゲル「えぇ、ですから、口では嫌がっても精神では嫌がっていないことになります。むしろいつも通りといった感じですね」

マコト「こちらも、なにか妙です」

ミサト「なに?」

マコト「シンクロ率にまだ余裕があります。テストプラグじゃないのに」

シンジ『ミサトさんっ! ミサトさ……ミサト……ミサ……』

アスカ「……? ねぇ、シンジの様子がなんかおかしい」

ミサト「データはどうなってる?」

シンジ『う……うぅ……うぅ……』

マヤ「なんら異常は……」

ミサト「シンジくん? どうしたの? 気分でも悪いの?」
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 00:23:47.07 ID:CuFupm8M0
ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ

ミサト「エマージェンシーコール⁉︎」

アスカ「なにがはじまったの⁉︎」

ミサト「状況は⁉︎」

シンジ『く、クククククッ……』

マコト「パルス逆流! 絶対防衛線を突破します!」

シゲル「す、すべてのメーターが振り切られています! こりゃぁ、まるで、感情の波が押し寄せてるみたいだ」

マヤ「デストルドー反応増大! 危険域に入ります! このままでは自我が持ちません!」

シンジ『血の匂いが……』

ミサト「回路を強制的に切って!」

シンジ『ミサトさん。とれないんですよ』

マコト「エヴァ、信号を拒絶!」

ミサト「初号機の電源は入っていないはずでしょ⁉︎ エントリープラグだけなんじゃないの⁉︎」バンッ

シンジ『はぁ……。もういい』


アスカ「シンジッ!!!」


シンジ『アスカ……?』

アスカ「あんた! なに勝手に記憶喪失になんかなってんのよ! どういうつもり⁉︎」

シンジ『わからないんだ。僕はなにができるのか』

アスカ「あんた何かしたいことがあんでしょ⁉︎ だったらやってみればいいじゃない! やる前から諦めるな!」

シンジ『本当は、自信なんかないんだ』

アスカ「みんなそうなのよ! それでも試して、トライ&エラーで生きてんの! あんたまさか私を置いてどっかに行っちゃう気⁉︎」
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 09:34:36.43 ID:CuFupm8M0
ミサト「アスカ、シンジくん記憶もどってるの⁉︎」

リツコ「まさか……」

マヤ「パイロットの精神汚染がはじまっています!」

リツコ「プラグから⁉︎」

マヤ「違います! 初号機からの侵蝕です!」

リツコ「まずいわ!」

アスカ「シンジ! あんた私を守るって言ってくれたじゃない! 全部放り投げるつもり⁉︎」

シンジ『…………』

アスカ「記憶戻ってるんでしょ! うぅん、違う、あんた本当は記憶がなくなってたんじゃない! 多重人格になってたんでもない!」

シンジ『…………』

アスカ「記憶をなくした「ふり」だったんでしょ! 本当は全部覚えてた! 違う⁉︎」

ミサト「なんですって……」

アスカ「思いかえせば全部おかしかったのよ! あんたの行動も記憶をなくしたタイミングもなにもかも!」

マヤ「……? 初号機、侵蝕、止まりました」

リツコ「…………」

アスカ「こわかったんでしょ⁉︎ だってあんた、臆病だから」

シンジ『…………』

アスカ「自分の殻に閉じこもって、エヴァに乗ってからのことをなかったことにした」

リツコ「そうか……」

ミサト「リツコ?」

アスカ「でも、見なくちゃいけないことがあるのもわかってる! だから私達にわざわざヒントを与えてたんでしょ⁉︎」

リツコ「シンジくんは記憶喪失なんかじゃない。現実と虚構の間をせめぎ合っていたのよ。危うい天秤のバランスで成り立っていたんだわ」

ミサト「……でも、演技だけで私達全員の目をごまかせる」

リツコ「嘘に真実を織り交ぜれば判断は鈍り、目が曇る。シンジくんがそのことに気がついていたのかはわからないけど、彼はそれを実践していた」

ミサト「私たちはシンジくんに記憶喪失だと思わせるようにミスリードされてたってこと?」

リツコ「おそらくね。医師の目をごまかせたのも、彼が殻に閉じこもっていたせい。多重人格とはいかないまでも、擬似的な人格を作りあげていたのよ」



アスカ「――なんとか言いなさいよっ!!! バカシンジ!!」
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 09:53:50.71 ID:CuFupm8M0
シンジ『やっぱり、すごいや。アスカは』

アスカ「――っ! 私はあんたがなにを言ってるのかほとんどわからない。なにを見なくちゃいけないのかも」

シンジ『そうだね……』

アスカ「だけど、私は今のあんたを見てんのよ! エリート舐めんじゃないわよ!!」

シンジ『……ふぅ。たしかに殻を破ってくれるきっかけがほしかったのかもしれない』

ミサト「シンジくん? ……アスカの言ってることは本当なの?」

シンジ「僕自身、そうなのかわからないところもあるんです。だけど思い当たる節はありますね」

リツコ「無自覚だからできたんでしょうね。中学生がやろうと思ってできることではないわ」

ミサト「……そんな。シンジくん? なにがあったの?」

シンジ『嫌になってしまったんです。なにもかも。守りたい、けど、僕はまた、逃げることを選んでしまった』

アスカ「…………」

シンジ『守れないかもしれないというプレッシャーから。できるかわからないという不安から。見ないようにして我慢してきたけど』

リツコ「……今日、初号機に乗ったのはどういうきっかけが必要だったのか聞いてもいい?」

シンジ『僕の居場所はここしかないって……嫌でも実感できるから』

アスカ「あんたバカァ? 自分の居場所なんて自分で決めるものでしょ」

シンジ『あははっ。そうだね。アスカの言う通りだ』

シゲル「すべての数値が元に戻っています」

ミサト「安定した……?」

リツコ「(まずいわ。アスカとシンジくんの絆は確実に深くなっていっている。これでは碇司令の計画が……)」

アスカ「これぐらいで文句が済むと思ったら大間違いだからねっ! アザのひとつやふたつ覚悟しときなさいよ!」

シンジ『わかったよ。アスカ』

アスカ「ふんっ! べーーーっだ!」
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 10:39:23.91 ID:PI383izeO
体は正直
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 12:16:19.76 ID:CuFupm8M0
- ネルフ本部 男子シャワールーム -


ザァーーッ


シンジ「ふぅ………」

シンジ「なにもかも、見破られちゃったんだろうな」

シンジ「ロボットに体当たりしたあの時、僕は、全部思い出した。アスカのことも、綾波のことも、マナのことも、そして、カヲルくんのことも」

シンジ「(見なくちゃ、向き合わなくちゃいけないんだ。そう、僕がなぜ知っているのか、僕自身から)」


キュッ キュッ


シンジ「……冷水が気持ちいいや」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 12:29:21.42 ID:CuFupm8M0
- ネルフ本部 第三通路 -

――バチンッ!!

シンジ「……っ」

アスカ「なにも言わないのは褒めてやるわ」

シンジ「なにも言えな――」

バチンッ!!

シンジ「ぐっ……」

アスカ「よくもこのあたしに嘘をついたわね」

シンジ「…………」

アスカ「私は他の誰を騙してても別に責めたりしない。だけど! 私を騙すなんてどういうつもり!」

シンジ「悪かったよ」

アスカ「痛いでしょ! 私だって手がヒリヒリすんのよ! でも、それ以上に、心が痛いの!」

シンジ「…………」

アスカ「子供を言い訳になんでも許されると思う⁉︎ 今回のあんたは自分のことしか考えてなかった! 私のことなんか考えてなかったでしょ⁉︎」

シンジ「そうだね……」

アスカ「ふぅ……ふぅ……」

シンジ「気の済むまで殴っていい、と言いたいところだけど、アスカだって不満があるから殴ったりすんだもんね」

アスカ「…………」

シンジ「アスカがスッキリするならいい。でも、きっと、今回のことは、殴ったところでアスカの気持ちは晴れないと思うんだ」

アスカ「…………」

シンジ「だから、もうこういうことは二度としないよ。ごめんアスカ。僕から言えることはこれだけだ」

アスカ「……それだけ?」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 13:17:27.84 ID:CuFupm8M0
シンジ「僕は完璧なんかじゃないんだ。不器用で下手くそで。でも、もう嘘はつかない。だから、許してほしい」

アスカ「……そんな小難しい話をしてんじゃないのよ。私が許せないのは、あんたが私に嘘ついたこと」

シンジ「うん……」

アスカ「あんたにはあんたのペースがあって、私には私のペースがあんのよ。なにからなにまで同じって話じゃない。意味わかる?」

シンジ「みんな違うよね……」

アスカ「私も日本に来てから多くのことを知ったわ。違うから知ろうとする。わかり合おうとすんのよ。かと言って、完璧にわかり合うなんて無理な話でしょ」

シンジ「僕たちは他人だから」

アスカ「突き詰めるとそうよね。だけど、分かり合えた時、嬉しいって思える。そこに価値があんのよ」

シンジ「うん……」

アスカ「……心配したんだからね……もぅ……バカァ……」

シンジ「ごめん……」

アスカ「あんたの記憶が戻らなかったら今までのこと全部……なくなるんじゃないかって……う……うぅ……」ポロポロ

シンジ「僕が、馬鹿だったんだ」ナデナデ

アスカ「うぅ……ぐす……うっ……」ギュウ
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 14:20:24.84 ID:CuFupm8M0
- ネルフ本部 ラボ -

リツコ「いらっしゃい、シンジくん」

ミサト「アスカとは、仲直りできた?」

シンジ「すみません……。みなさんにも迷惑かけました」

ミサト「子供はそれぐらいのが可愛げがあんのよ」ペチン

シンジ「…………」ペコ

リツコ「シンジくん、いくつか質問してもいい?」

シンジ「はい」

リツコ「まず、あなたの記憶喪失についてなんだけど、あれは演技だったと断言していい?」

シンジ「全てが演技というわけではありません。記憶がないと思いこんでいたんでしょうけど」

リツコ「それは、エヴァのせい?」

シンジ「そうですね。戦うのが嫌になったと思います」

リツコ「そういうケースがないわけではないわね」

ミサト「ちょっと、リツコ。なにも今質問しなくっても」

リツコ「人は時間がたてばたつほど記憶が曖昧になっていくのよ。シンジくんは若いからすぐに忘れるってことはないけど、すぐに聞けば鮮明なの」

シンジ「僕はかまいませんよ」

リツコ「もうエヴァに乗るのが嫌じゃないの?」

シンジ「嫌じゃないわけじゃありません。だけど、守りたいものがあるなら、そうも言っていられません」

リツコ「守りたいものとは、アスカのこと?」

シンジ「……みんなです」

ミサト「みんな?」

シンジ「はい。ミサトさんもリツコさんも」

ミサト「ちょっとちょっとシンちゃ〜ん! 嬉しいこと言ってくれるじゃない!」

リツコ「ミサト。……生憎だけど、私は子供に守られるつもりはないわ」

シンジ「精神的に守るなんて大層なことを言ってるんじゃないんです。僕はエヴァに乗ることができる。みんなを守ることができるんです」

ミサト「……シンちゃん」

リツコ「ふぅ。たしかにあなたはエヴァのパイロットね。使徒を殲滅して私たちを守ることはできるわ」

シンジ「はい」

リツコ「だから、もう乗るのはためらわないと?」
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 14:25:31.91 ID:CuFupm8M0
ミサト「リツコ! いい加減にしてよ! 今の言葉が聞けただけで充分でしょ!」

リツコ「判断するのは私よ」

ミサト「シンジくんは家で休ませるわ!」

リツコ「ミサト? シンジくんに手をだすつもり?」

ミサト「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ! 私はパイロットの監督官です!」

リツコ「あなたは個人的にシンジくんを利用しているだけでしょ」

ミサト「……っ! あんた、なに言って」

リツコ「復讐」


バチンッ!!


リツコ「……っ!」キッ

ミサト「それ以上喋ったらただじゃ済まさないわよ!」

リツコ「あなたもアスカと同じね。お似合いの家族ごっこだわ!」

ミサト「なんですって!」

リツコ「シンジくんは、加持くんの代わりにはならないわよ!」

ミサト「……行くわよ、シンジくん」

シンジ「はい……」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 14:43:51.15 ID:CuFupm8M0
- 車内 移動中 -

ミサト「アスカは先に帰したから、家で待ってると思うわ」

シンジ「はい」

ミサト「今日はみんなでパーっと焼き肉でも食べに行きましょっか?」

シンジ「あの、ミサトさん」

ミサト「ん? なぁに?」

シンジ「さっきの話なんですけど」

ミサト「あぁ、リツコとのこと? シンちゃんは気にする必要ないわよ。私たちああやってたまにぶつかり合うの」

シンジ「そうじゃないんです」

ミサト「ん〜?」

シンジ「僕は、ミサトさんとリツコさんの時間を知らないことばっかりだから、わかったようなこと言えません」

ミサト「…………」

シンジ「だけど、みんな違うからぶつかるのはわかります。もう、人の顔色を気にするのはやめようと思うんです」

ミサト「ほぅ」

シンジ「ミサトさんの願いも、平和の先にあることも叶うといいですね」

ミサト「平和の先って?」

シンジ「考えてみたらいいんじゃないですか。使徒がこなくなったら、全部倒したらどうするか」

ミサト「……そうね。そうかもしれない。ま、私はネルフが解体されたらどっかの職員にでもなってるんでしょうけど」

シンジ「はい」

ミサト「ぷっ、ガキがあんまり難しいこと考えてんじゃないわよ。シンジくん、若い内は、なんでもぶつかっていきなさい」

シンジ「そうします」

ミサト「行き先なかったら、シンちゃん、お嫁にもらってくれる?」

シンジ「みんなが驚きますね」

ミサト「だっはっはっ! そりゃそうよね〜!」
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 16:48:21.15 ID:CuFupm8M0
ちょい質問なんだけども、年齢的に中学生が酒飲んでるとこいれたらまずいんでしょか?
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 16:52:49.00 ID:CuFupm8M0
いや、ここで聞かない方がいいのか
ちょと聞いてから続き書きます
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 17:00:17.07 ID:CuFupm8M0
問題ないそうなので続けます
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 17:19:17.32 ID:CuFupm8M0
一言ご注意

中学生が酒を飲むシーンがあります
現実だと法律的に問題ありますが創作物としてご容赦ください
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 17:30:16.21 ID:CuFupm8M0
- ミサト宅 リビング -

ミサト「そいじゃあ! シンちゃんの記憶回復を祝ってぇ! かんぱぁ〜い!」コチン

アスカ「ミサトはかこつけて飲みたいだけでしょ」

ミサト「あらハズレ。そうじゃなくても飲むわよ」

アスカ「堂々と言うこと⁉︎」

ミサト「さぁ、お肉焼くからどんどん食べてね! 野菜もちゃんと食べるのよー!」

アスカ「しかも家で焼き肉って……」

シンジ「……ミサトさん、僕にももらってもいいですか?」

ミサト&アスカ「えぇ⁉︎」

シンジ「変かな?」

ミサト「変とかそういう問題じゃないわ! あなたまだ中学生でしょ!」

アスカ「シンジ、グレたの?」

シンジ「少し、どんな味なのかなって興味があって」

ミサト「あぁ〜な〜る。たしかにそういうことに興味を持つお年頃でもあるわね」

アスカ「苦いわよ?」

シンジ「アスカは飲んだことあるの?」

アスカ「ドイツにいる時に少しだけ。法律ではもちろん禁止だけど、まぁ、ちょこっともらうぐらい誰にでもあるでしょ」

ミサト「シンちゃんも飲んでみたい?」

シンジ「はい」

ミサト「じゃぁ〜まぁ、しょうがないっかぁ〜。ただし、このことは秘密よ? アスカも言わないでね?」

アスカ「はいはい」

シンジ「ありがとうございます」

ミサト「それじゃコップ、ビールでいいわよね」

シンジ「はい」スッ

ミサト「あら? コップ傾けるの知ってるの?」

シンジ「注いでるの見たことはありますから」

ミサト「それもそっか。これはね、泡をたたせすぎないようにやるのよ。これも社会勉強の内かな」トクトクトクトク

シンジ「………ととっ」

ミサト「はい、どーぞ」

アスカ「シンジのことだから一口で酔っ払うんじゃない?」
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 17:37:57.59 ID:CuFupm8M0
シンジ「乾杯」

ミサト「はい、乾杯」コチン

シンジ「……んくっ……んくっ……」ゴクゴク

アスカ「ちょ、ちょっと、シンジ?」

ミサト「シンちゃん? 若いからってイッキは」

シンジ「ふぅ」コトン

アスカ「ぜ、全部飲んじゃった」

ミサト「あららぁ〜」

シンジ「悪くない味、ですね」

アスカ「えぇ……」

ミサト「シンちゃんもしかしてイケるクチなの〜⁉︎ もう一杯いっとく?」

シンジ「はい」

ミサト「ささ、どーぞ。お酌します」トクトクトクトク

アスカ「ちょっと、シンジ? ミサトもやめなさいよ!」

ミサト「いいじゃない? お酒は無礼講って相場が決まってんのよ。たまには息抜きも、ね?」

アスカ「……たくっ」

シンジ「……んくっ……んくっ……」グビグビ

アスカ「シンジ⁉︎ もうちょっと落ち着いて飲んだら⁉︎」

ミサト「加減がわからないのかしら……」

シンジ「うん、おいしいや」コトン

ミサト「あら、また空……」

シンジ「ミサトさんも注ぎますよ」

ミサト「あ、あらら? そぉ?」
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 17:55:06.11 ID:CuFupm8M0
ミサト「碇司令ってお酒強かったっけ?」

シンジ「さぁ、父さんとはほとんど話をしたことがありませんから」

ミサト「あ、そう。遺伝かどうかわからないか」

シンジ「ミサトさん、そっちのワインってどんな味なんですか?」

ミサト「そっちも飲んでみたい?」

アスカ「ミサト! もう止めなさいよ!」

シンジ「アスカも飲んでみる?」

アスカ「あ、あたし⁉︎ 別にいい!」

ミサト「にへへ。アスカもまだまだお子ちゃまなのね」

アスカ「だぁれが⁉︎」

シンジ「なら、飲んでみる?」

アスカ「シンジ? そんなキャラだった?」

シンジ「僕はいつも通りだよ」

ミサト「さぁ、シンちゃんからのお誘いよん?」

アスカ「少しだけ! 少しだけだからね!」

ミサト「まぁ、シンジくんと違ってお子ちゃまのアスカにはうまさがわからないか」

アスカ「満タンにちょうだい!」

ミサト「はいは〜い♪ さ、二人ともコップ」
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:09:57.11 ID:CuFupm8M0
シンジ「――アスカ、アスカ、大丈夫?」

アスカ「ヒック……うるひゃいわねぇ〜……こんなのお茶の子さいさいなんだならぁ〜」

ミサト「こっちはワイン3杯で酔っ払うのね」

アスカ「体があつぅ〜い」

ミサト「このワイン度数高くないんだけど、ゲルマン人の血はどこいったのかしら」

アスカ「あたしはクォーターだって、いってんれひょ」

シンジ「アスカってクォーターだったんだ」

アスカ「そうよ! あ、ひょっか。シンジに言ってなかったんだ」

シンジ「うん、初めて聞いた。ミサトさん、どうぞ」

ミサト「あら、ありがと」

アスカ「はぁ……だめ。まわる、世界がまわる」

ミサト「ここまで出来上がるなんて安上がりね」

アスカ「ねる……もう……ねちゃうんだから……」

シンジ「アスカ、寝るなら部屋で寝なよ」

アスカ「うぅん、むりぃ」

シンジ「はぁ、仕方ないな」ガラ

アスカ「う〜ん」

ミサト「お優しいのね」

シンジ「からかわないでくださいよ。ほら、アスカ、肩に捕まって」

アスカ「シンジ〜。すきぃ〜」

ミサト「ヤる時はゴムつけるのよん」

シンジ「しませんよ! アスカを寝かせたら戻ってきます、よっと」

ミサト「わぉ、お姫様だっこなんてだいたん」
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:23:32.38 ID:CuFupm8M0
ミサト「……家族ごっこか」

ミサト「ちょっと、無理にはしゃぎすぎちゃったかな。見透かされてないといいけど」


ミサト(少女)『……お父さん……」

ヒデアキ『…………』


ミサト「っと、いけないいけない。何を思い出してんだか」


トタトタ


シンジ「――ミサトさん、アスカ、ベットに寝かせてきましたよ」

ミサト「ご苦労様」

シンジ「あの、そっちのってどんな味なんですか?」

ミサト「ん〜? あぁ、これぇ? これはちょっと、シンジくんには早いわよ」

シンジ「少し、飲んでみたいなって。ダメですか?」

ミサト「ウィスキーよ?」

シンジ「知ってます」

ミサト「はぁ……。しょうがない。水割りでいい? えーと、たしか冷蔵庫にかち割りが」ガラ ガチャン

シンジ「はい」

ミサト「気分が悪くなったらすぐに言うのよ。酔いは遅れてやってくる場合もあるから」トクトクトク

シンジ「まだ、大丈夫みたいです」

ミサト「慣れてるわけないのに、本当に強いのね。はい」

シンジ「……」カラン

ミサト「ちょ、ちょっとシンちゃん? なんだか慣れてない?」

シンジ「そうですか?」

ミサト「指でまわすなんて誰に教わったの?」

508 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:36:36.81 ID:CuFupm8M0
シンジ「見て覚えたんですよ。マネしたかっただけです」

ミサト「まぁ、そうかも……しれないけど」

シンジ「ミサトさんは飲まないんですか?」

ミサト「の、飲んでるわよ」グビグビ

シンジ「じゃあ、僕も……んっ、甘いんですね」

ミサト「ブランデーだからね。そのお酒、ちょっと高いのよ?」

シンジ「へぇ……」

ミサト「さっきみたいにイッキはしないの?」

シンジ「香りがいいから、少しずつ飲もうかと思って」

ミサト「(ど、堂にはいってる?)」

シンジ「ミサトさん、おつまみはアーモンドでいいですか」ガラ

ミサト「そうね……。結局、あんまり焼き肉食べなかったわね」

シンジ「明日にでも使えますから」

ミサト「…………(この子、なんか急に大人びた? え? でもお酒飲めたからそう思うだけ?)」

シンジ「どうぞ」スッ

ミサト「シンちゃんって主夫向きよね」

シンジ「家事やってればそう思うかもしれませんね」

ミサト「まぁ、なんていうか、気配りとか」

シンジ「顔色伺って生きてきたから、身についただけですよ。ミサトさん、そういうのあんまり好きじゃないでしょ」

ミサト「ぶっ」

シンジ「あぁ、いや、いいんですよ。素直な反応がいいっていうのもわかりますから」カラン
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:44:53.64 ID:CuFupm8M0
ミサト「…………」ゴクゴク

シンジ「……あ、もうなくなっちゃった」

ミサト「(ぺ、ペースがはやい)」

シンジ「ミサトさん、飲んでます?」

ミサト「飲んでます! そりゃもう!」グビグビ タンッ

シンジ「そっか、じゃあ注ぎますよ。ロックって飲んでみてもいいですか?」

ミサト「えぇ⁉︎」

シンジ「でも高いならもったいないかな」

ミサト「いや、本来の味を楽しむためにはロックが……って、大丈夫?」

シンジ「あれ? そっちのお酒はなんだろう?」

ミサト「そ、それは! 昇進祝いのおふざけでいただいた……」

シンジ「スピリタス?って読むのかな?」

ミサト「シンジくん! それはだめよ! アルコール度数いくつか知ってるの⁉︎」

シンジ「まぁ、試しってことで」

ミサト「ちょ、ちょっと待ちなさい!」ガシッ

シンジ「ミサトさん、飲めないんですか?」

ミサト「くっ、飲めるに決まってるでしょうが!」
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:52:19.03 ID:CuFupm8M0
ミサト「グラスはちっちゃいのにしなさい!」

シンジ「えーと」

ミサト「指の長さぐらいのやつあるでしょ!」

シンジ「あぁ、これか」カチ

ミサト「本当に無理だったらトイレにかけこむのよ! 瞳孔開いてもだめよ! 吐きなさい!」

シンジ「これって度数そんなに高いんですか?」

ミサト「世界最高度数といわれてるものよ。シンジくん、理科の授業でアルコールランプ使ったことあるでしょ?」

シンジ「あぁ、はい」

ミサト「厳密には違うけど、あれ飲むようなものよ」

シンジ「へぇ……そんなに強いんだ」カシュ

ミサト「や、やめないのね」

シンジ「試しですから。若い内はなんでもでしょ?」トクトク

ミサト「言うじゃない」

シンジ「どうぞ」スッ

ミサト「まぁ、私はへっちゃらだけど」

シンジ「じゃあ、乾杯しますか」

ミサト「……乾杯」

ミサト&シンジ「……んくっ……」タンッ

ミサト「……くぅ……(これは効く)」

シンジ「うん、悪くないな」

ミサト「はぁ⁉︎」

511 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:57:12.93 ID:CuFupm8M0
シンジ「さ、もう一杯どうぞ」トクトク

ミサト「(この子、もしかしてザルなの? わ、私が潰される)」

シンジ「どうしたんですか? 手が震えてますけど」

ミサト「中学生にプレッシャーかけられるほど落ちぶれちゃいないわよ! 飲み会で鍛えた社会人舐めんじゃない!」

シンジ「どうぞどうぞ」

ミサト「……ふぅ……んくっ……」グビ タンッ

シンジ「お見事」

ミサト「はぁ……どう? これが社会人の……」

シンジ「……んっ……」グビ タンッ

ミサト「…………」

シンジ「どうしますか? 無理ならやめますけど」

ミサト「上等っ!!!」
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 18:59:16.05 ID:rR4yW8oho
中学生でこれだけ飲んだら死ぬだろ
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:04:33.16 ID:CuFupm8M0
シンジ「――ミサトさん、大丈夫ですか? ミサトさん」

ミサト「はい、葛城ミサト、だいじょーぶであります」

シンジ「寝ますか?」

ミサト「ま、まだ寝ない。でも、もうやめとく」

シンジ「わかりました」グビ

ミサト「シンジくん、あなた本当の本当に強いのね」

シンジ「僕もはじめて知りましたよ」

ミサト「たまには飲みに付き合ってもらうのもいいかも」

シンジ「1人じゃ物足りない時もあるでしょ。そういう時は付き合いますよ」

ミサト「まだ顔は幼いんだけどね……」

シンジ「……」

ミサト「そんなに今回の出来事が大きかったの?」

シンジ「どうかな。自分じゃわからなくて」

ミサト「……今日は酔っ払っちゃったわ。だから今から話をすることは聞き流して」

シンジ「どうぞ」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:07:12.43 ID:CuFupm8M0
>>512
まぁ一応創作物ということでひとつ
元がアニメですし、世の中には絶対いないってこともないでしょうから
ロシア辺りにはいるんじゃないかな(偏見)
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:13:52.96 ID:CuFupm8M0
ミサト「私の父はね、自分の研究、夢の中に生きる人だったわ。そんな父を許せなかった。憎んでさえいたわ」

シンジ「…………」

ミサト「母や私、家族のことなど、構ってくれなかった。周りの人たちは繊細な人だといってた」

ミサト「でも……ほんとは心の弱い、現実から、私たち家族という現実から、逃げてばかりいた人だったのよ。子供みたいな人だったわ」

シンジ「…………」

ミサト「母が父と別れたときも、すぐ賛成した。母はいつも泣いてばかりいたもの」

ミサト「父はショックだったみたいだけど、その時は自業自得だと笑ったわ」

ミサト「けど、最後は私の身代わりになって、死んだの。セカンドインパクトのときにね」

ミサト「私には分からなくなったの。父を憎んでいたのか、好きだったのか」

シンジ「…………」

ミサト「ただ一つはっきりしているのは、セカンドインパクトを起こした使徒を倒す。そのためにネルフへ入ったわ」

ミサト「結局、私はただ父への復讐を果たしたいだけなのかもしれない。父の呪縛から逃れるために」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:30:09.34 ID:CuFupm8M0
シンジ「僕はその代行者ってわけですか」

ミサト「…………」

シンジ「ミサトさんが指揮するネルフで僕が使徒を倒す。そうすることで、逃れようとしている」

ミサト「ご明察」

シンジ「いいんじゃないですか、それで」

ミサト「えっ」

シンジ「僕も使徒を倒したい、だから目的は一緒です」

ミサト「…………」

シンジ「僕が嫌々乗っていたり、言われるがまま、乗っていたら、どうして背負わせるのかって話になるんでしょうけど」

ミサト「…………」

シンジ「状況が変わった」

ミサト「……そうね」

シンジ「このアーモンドおいしいですね」

ミサト「ありがと……」

シンジ「女の子ってずるいですよね」

ミサト「お、女の子?」

シンジ「心の中では、感謝してないわけじゃない。けど、はっきりと区切りをつける」ガタッ

ミサト「な、なに?」

シンジ「みんながそうだとは言いませんけど。守らなければいけないルールがありますから」

ミサト「ちょ、ちょっとシンジくん、ちか」

シンジ「ミサトさんは、なにを守りたいんですか?」スッ

ミサト「……やっ……」

シンジ「……さて、寝ますか」

ミサト「………はっ?」

シンジ「僕は部屋に戻ります」

ミサト「えっ、あの、ちょっと」ポケー
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:34:05.89 ID:CuFupm8M0
- シンジ 部屋 -


ゴロン


シンジ「(ふー、全然酔わなかったな)」

シンジ「(僕の、僕の実年齢はやっぱり……)」

シンジ「(いや、まだ子供でいられるなら子供でいよう。今はそれでいい)」

シンジ「(アスカにも全てを話せるわけじゃない。だから、今はまだ……)」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:37:59.28 ID:CuFupm8M0
- ミサト 部屋 -

ミサト「ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って」カリカリ

ミサト「なんであの瞬間私、キスされようとしてた?」

ミサト「はぁ⁉︎ シンジくんに⁉︎」

ミサト「……み、見事に虚をつかれた」

ミサト「うーん、男の子の成長ってすごいのねー」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:47:18.58 ID:CuFupm8M0
- 翌日 第三新東京市立第壱中学校 -

シンジ「おはよう、みんな」

トウジ「シンジ、おはよーさん」

シンジ「トウジ、僕を一発殴ってもらえないかな」

トウジ「はぁ? やぶからぼうになんやねん?」

アスカ「……シンジ、別に言わなくたって」

シンジ「いいんだ。僕がこうしたいだけだから」

ケンスケ「なんだなんだぁ?」

シンジ「トウジもケンスケも、ごめん。僕は記憶喪失じゃなかったんだ」

トウジ&ケンスケ「はぁ⁉︎」

シンジ「演技だったんだ。嫌なことから目を背けるための」

トウジ「演技ってお前、そんなこと、できたんか?」

ケンスケ「そ、そうだよ! とても演技には見えなかったぞ!」

シンジ「嘘をついてたんだ。だから、殴ってほしい」

トウジ「……今の話、ほんまなんか?」

アスカ「全部ってわけじゃないのよ! ただ」

シンジ「アスカ、いいんだ。アスカは僕をかばってるだけだよ」

トウジ&ケンスケ「…………」

トウジ「よし、わかった。ワシも細かいことは嫌いや。そんなワシの性格を知って言うとんのやろ」

シンジ「うん」

トウジ「せやったらワシはシンジの心意気に答えなあかん」

ケンスケ「と、トウジ」

ヒカリ「なに? どうしたの?」

マナ「なにかあったの?」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 19:52:47.60 ID:CuFupm8M0
アスカ「鈴原! あんた!」

トウジ「女はだぁっとれ! これは男同士の会話や! なぁシンジ」

シンジ「うん、そうだね」

ヒカリ「え? アスカ?」

マナ「鈴原くん?」

トウジ「思いっきり行くで。手加減なんか期待すんなや」

シンジ「いいよ」

トウジ「……っ! オラァッ!」


ガンッ ガタガタ


シンジ「いつっ……」

アスカ「シンジ!」

ヒカリ「す、鈴原ぁっ!」

マナ「あ……」

シンジ「いいんだ。洞木さんもマナもごめん。僕、記憶喪失なんかじゃなかったんだ」

ヒカリ「えぇ⁉︎」

マナ「シ、シンジくん……?」

トウジ「これでワシはチャラや!」
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 20:50:54.42 ID:prOhP7JnO
良いねー
というか復帰早いし
筆も速いのは凄いなw
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 22:45:50.56 ID:NTMAu7RN0
よく書いてくれた
伺いは不要だ
君の好きに書きたまえ
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 22:50:49.53 ID:CuFupm8M0
- 第三新東京市立第壱中学校 昼休み -

トウジ「なんかよーわからんのー」

ケンスケ「つまり、碇は無意識に別人になりきってたってことかぁ?」

アスカ「この単細胞ども。別人じゃないわ。記憶をなくしてたふり」

ヒカリ「そうだったんだ……」

マナ「…………」

シンジ「みんな、ごめん」

トウジ「あぁ、もう謝るのはなしや」

ヒカリ「それだけ、プレッシャーがあったってことだよね。それなら私も、なにも言えないよ」

マナ「……でよ」

ケンスケ「ん?」

マナ「なんでよ! 守ってくれるって約束だったじゃない!」

シンジ「…………」

トウジ「な、なんや?」

アスカ「ちょ、ちょっと、ここ教室」

マナ「私がどんな気持ちで賭けたかわかる⁉︎ ムサシとゲンタの安否がかかってるのに……」

シンジ「守ってみせるよ」

マナ「えっ……」

シンジ「もう逃げないって決めたから」

マナ「だって、シンジくん。一度……」

シンジ「たしかに僕は逃げた。それについては言い訳はしようがない。だけど、まだ取り返しがつく」スッ

マナ「えぅ、あの……手」

シンジ「マナは一度賭けた。後戻りはできないはずだ。だからもう一度、僕に賭けてほしい」ジッ

マナ「えっ、えぇ……」

シンジ「みんな、無事で会えるように、僕は精一杯頑張るよ。だから、もう一度、チャンスがほしいんだ」

マナ「…………」

アスカ「…………」

ヒカリ「…………」

シンジ「ダメだって言っても、僕は助ける。一度した約束なんだ、守るよ」

マナ「あ……あの……取り乱してごめんなさい」
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 22:53:16.90 ID:CuFupm8M0
ヒカリ「あ、アスカ」コショコショ

アスカ「え、えっ?」

ヒカリ「碇くん、どうしちゃったの?」

アスカ「あー、うーん? えーと」

ヒカリ「ちょ、ちょっとカッコいい……」

アスカ「だ、だめよ! あれは私のだから!」

ヒカリ「あ、ちが、その、雰囲気、大人びてる、余裕を感じるの」


マナ「あの、ごめんなさい。……その、手、離してくれると……」

シンジ「信じてくれて嬉しいよ。ありがとう」

マナ「……か、かっこいぃ」ポー


ヒカリ「マナ、大丈夫かな」

アスカ「な、なにが?」アセアセ

ヒカリ「碇くん、凄く人気でると思うよ。アスカ、しっかりね」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:03:09.84 ID:CuFupm8M0
トウジ「ほぇ〜。やるもんやのー」

ケンスケ「僕が守ってみせる! キリッ! 言ってみたいなー」

シンジ「トウジ」

トウジ「はいはい、なんや?」

シンジ「今度、一緒にお見舞いに行くよ」

トウジ「あぁー、気を使ってるんやったら……」

シンジ「そうじゃないんだ。親友の妹のお見舞いに行くのそんなに迷惑かな?」

トウジ「…………親友か、へへ、はじめてやな。シンジからそう言ってきたのは」

シンジ「ケンスケのこともそう思ってるよ」

ケンスケ「あぁ? ぼ、僕も?」

シンジ「うん。なにかあったら何でも話そう」

ケンスケ「あ、あぁ……」

トウジ「よしっ! わかった! 親友となったら紹介せんわけにはいかんわな!」

シンジ「うん。何でも、話そう。ぶつかる時があってもいいんだ。仲直りできるから」

トウジ&ケンスケ「……シンジ」

トウジ「おぉ! なんか青春しとる気になってきたぁ!」

ケンスケ「まぁ、この僕に頼みたいことがあったらなんでも言えよな!」
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:15:49.15 ID:CuFupm8M0
マナ「……シンジくんってかわいい系だったよね……」

ヒカリ「な、なんで? 中心に立つタイプだった?」

アスカ「ま、まぁ、私が育てたっていうのかしら。まったく、シンジもまだまだね」

ヒカリ「アスカ、どんな魔法使ったの……」

シンジ「さ、続き食べよう」

アスカ「……あの、シンジ? なんか急に大人びてない? 背伸びしてんでしょ?」

シンジ「ん? そんなつもりないけど、ハナにつくかな」

アスカ「まぁ、いや! かなりキザ!」

ヒカリ「ちょっとアスカ」

シンジ「そうかな」

アスカ「……そうかなってそれだけぇ?」

シンジ「普通でいるだけだけど、まだ慣れてないんじゃない?」

アスカ「慣れてないっていうか、困惑っていうか」

シンジ「あ、それおいしそうだね。洞木さん」

ヒカリ「こ、これ? 得意なんだ。よかったら食べる? えへへ」

シンジ「そう? じゃあもらお……」

アスカ「人の話聞きなさいよ!」スパーンッ
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:34:58.90 ID:CuFupm8M0
シンジ「いてて……」

ヒカリ「ちょ、ちょっとアスカ! 碇くん食べようとしてただけじゃない!」グイッ

シンジ「っとと」

ヒカリ「碇くん、大丈夫?」

アスカ「ヒカリ? なにしてんの?」

ヒカリ「いきなりぶつなんてひどいわよ!」

アスカ「…………」ピクッ

シンジ「いや、僕ならいいんだ」

ヒカリ「でも……」

アスカ「へぇ〜〜〜?」ピクピクッ

シンジ「だって、2人は仲良いじゃないか。洞木さんもアスカのことわかってるはずだよ」

ヒカリ「…………」

アスカ「気に入らない気に入らない! なんかシンジ変よ!」

シンジ「どう言えばいいか」

アスカ「その困ったような感じもムカつくわ! 1人で大人になったつもり⁉︎」

シンジ「(こうなったらアスカは止まらないからなぁ)」

アスカ「私の方が全然っ!」

シンジ「(アスカはプライドが高い。同年代だからこそ負けず嫌い。でも、そこを指摘しても素直に認められない、かといって謝るのも……)」
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:35:58.84 ID:af65Re/Zo
>>521-522
文の書き方で自演丸出し
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:42:53.07 ID:CuFupm8M0
まぁ、コメントはなんでも嬉しいです
自分用で書いてるのも大きいんであんま荒れないようにお願いします
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/05(日) 23:59:10.57 ID:CuFupm8M0
アスカ「聞いてるの⁉︎」

シンジ「うん、聞いてるよ」

アスカ「へぇ、じゃあなんて言ってた? 今」

シンジ「アスカの方が頭もいいし、僕はアスカにかなわないって思ってるところが多いんだ」

アスカ「そうじゃな……」

シンジ「それに、僕は、アスカと喧嘩したくないんだ」

アスカ「うっ……」

シンジ「ぶつかることが嫌なわけじゃない、ただ、仲良くできるなら、話してわかることならそうしたい」

アスカ「…………」

シンジ「アスカはどうしたい?」

アスカ「私は、1人で大人になってるつもりなのが気に入らない! それだけよ!」

シンジ「僕は、子供だよ。今もどうしていいか一生懸命考えてるんだ」

アスカ「はん。また人の顔色うかがってるじゃない」

シンジ「誰にでもじゃないよ。僕はアスカと向き合いたい。それだけだ」

アスカ「…………」

シンジ「…………」ジッ

アスカ「……ふん」
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:04:56.04 ID:FoWh17/L0
マナ「……き、気まずいね……」

トウジ「まぁ、シンジは苦労するやろなー」

ケンスケ「僕らもこの空気に慣れた方がいいのかもしれないな」

ヒカリ「…………」

トウジ「およ? 委員長、どないしたんや」

ヒカリ「う、うぅん。なんでもない」
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:11:29.04 ID:FoWh17/L0
シンジ「アスカ、少し屋上に行かない?」

アスカ「なんで? ここで食べればいいじゃない」

シンジ「少し話したいことがあるんだ」

アスカ「私、わかってると思うけど、今機嫌悪いのよ」

シンジ「そうだね」

アスカ「それでも行きたいわけ?」

シンジ「うん、お願いしたい」

アスカ「……はぁ。わかったわよ」

トウジ「お? ご夫婦で移動か?」

シンジ「うん。ちょっと移動するから」

ケンスケ「いやぁ、碇から愛されてるねぇ〜」

アスカ「べ、別にそんなんじゃ!」

シンジ「……さ、行こうか」

アスカ「あ、うん。ちょっと待って」
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:23:20.14 ID:FoWh17/L0
- 学校 屋上 -

アスカ「それで、話って?」

シンジ「マナのことなんだけど、アスカにも協力してほしいんだ」

アスカ「……具体的になにするの?」

シンジ「そうだな……。まずはロボットの無力化なんだけど」


マリ「やっほ〜! おひさぁ〜!」ヒョコ


アスカ「あっ! あんた!」

シンジ「……?」

マリ「いやぁ、ちょうどいいところに来てくれたにゃ〜。学校の中はガードが固くて」

アスカ「いつもいつも屋上なのも特定されないわけ?」

マリ「ん〜? まぁ、そうなったらそうなった時?」

シンジ「アスカ、この人は?」

マリ「あっれぇ〜? ひどいなぁ〜ワンコくん! 私のこと忘れちゃったの〜?」

アスカ「…………」ピクッ

シンジ「……どこかで会った?」

マリ「会った会った! んもー! 更衣室であんなに話したのにー!」

アスカ「ちょっと、なに言ってるわけ?」ピクピクッ

シンジ「更衣室……あぁ、えぇと、マリ、さん?」

マリ「いやぁ〜もうちょっと頭の回転はやかったらいいんだけどにゃ〜。でも、まっ、及第点♪」

シンジ「アスカと知り合いだったの?」

マリ「いろいろあってねぇ〜。改めまして、よろしく♪ ネルフのワンコくんっ♪」
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:31:52.24 ID:FoWh17/L0
アスカ「ちょっと、現れてほしい時は出てこなくてなにやってたのよ」

マリ「戦自と政府への破壊工作やってたよー。肩がこっちゃった」

アスカ「さ、さらりと言うのね」

マリ「うん。別になんてことないし」

シンジ「…………」

マリ「ごめんねぇ、姫。本当は今日も姫に会いに来たんだけど、今、興味あるのはワンコくんなんだよねぇ」

シンジ「僕?」

マリ「君、雰囲気かわったね?」

シンジ「…………」

マリ「どこまで、思い出したの?」

シンジ「……君は、誰だ?」

マリ「さて、誰でしょ? あれ? 自己紹介してなかった?」

アスカ「……?」

シンジ「僕は、マリという人を知らない」

マリ「そりゃそうだよねぇ〜。イレギュラーなんだもの」

シンジ「…………」

マリ「エヴァの呪い。実年齢、違うんでしょ?」

シンジ「……っ!」

アスカ「あんた達、なに言ってるの……?」

シンジ「どこかで落ち着いて話したいって言ったら?」

マリ「おっ♪ ワンコくんがエスコートしてくれるの?」

シンジ「そういうことになるね」

マリ「いやぁ〜、心惹かれちゃうなぁ〜」
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:40:09.67 ID:FoWh17/L0
シンジ「駆け引きは好きじゃないんだ」

マリ「私は面白いことだぁ〜いすき」

シンジ「僕をからかうのは楽しい?」

マリ「まぁ、退屈しのぎにはなるかにゃ?」

アスカ「んもぉ! こっちの話を聞け!」

マリ「あぁ、ごめんごめん。姫。ワンコくんに夢中になっちゃった」

アスカ「なんの話をしてるの?」

マリ「さぁて? 何の話かにゃ?」

シンジ「…………」

アスカ「し、シンジ?」

マリ「おぉ、ワンコくんそんな目もできるんだ」

シンジ「どっち側?」

マリ「ふふ〜ん。どちらでもないって言ったら?」

シンジ「それじゃもう一つだね」

マリ「いいなぁ〜その目。ゾクゾクするなぁ〜」

アスカ「…………」
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:50:50.53 ID:FoWh17/L0
マリ「姫がいるから、これ以上踏み込んだ話はできないねぇ〜」

アスカ「私が邪魔ってこと⁉︎」

シンジ「……そうじゃないんだ」

マリ「そーそー。色々あるんだよ」

アスカ「いいわ。黙ってるから話しなさいよ。ただし、私もここで聞く」

マリ「助かるぅ〜! それじゃワンコくんに質問! 思い出したのはいつ?」

シンジ「つい最近だよ。厚木基地の出撃の時に」

マリ「にゃるほどー、うーん、早すぎるなー。本当はもっと辛い思いをしてもらってからだったんだけど」

シンジ「そうか、だから知ってたんだね」

マリ「ま、そゆこと♪」

シンジ「それで、マリさんはいつから?」

マリ「にゃはは、女性に聞くのは失礼じゃない?」

シンジ「……でも、僕とは違う。だって、僕はマリさんを知らない」

マリ「…………」

シンジ「さっき、イレギュラーといったよね」

マリ「言ったっけ?」

シンジ「……イレギュラー……本来ならいるはずがない……だけど、僕と似ていて僕のことを知ってる……」

マリ「おっおっ? ちょっとヒント与えすぎ?」アセアセ
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 00:59:13.04 ID:FoWh17/L0
シンジ「……もうひとつの……協力者がいるね。誰?」

マリ「ちょっとマズったかにゃ」

シンジ「アスカ」

アスカ「……なによ?」

シンジ「マリさんと知り合ったのはいつ?」

アスカ「ん、と、浅間山の出撃のあと」

シンジ「それからマリさんの知り合い誰かいた?」

アスカ「…………」

マリ「(ひめぇ〜! 言わないでぇ〜!)」ブンブン

アスカ「……はぁ。加持さんよ」

マリ「あちゃぁ」ガックシ

シンジ「加持さんが。…………そうか。だから最初に僕にコンタクトをとってきたのか。わざわざ印象づけるために」ブツブツ

マリ「…………」

シンジ「加持さんは、僕に打ち明けようとしてたのか。でも、なぜ? 味方に引き入れるため?」

マリ「それは違うよ。私たちは姫とワンコくんの味方。引き入れるんじゃなくて、味方なの」

シンジ「…………」

マリ「ゲンドウくんとゼーレ、そして私達。三者の対立構造はやがて激化するよ。それは避けて通れない」

シンジ「……そんなことはさせない」
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 01:18:39.15 ID:FoWh17/L0
マリ「んーん、これは既定路線なのよ。決定づけられた運命といっていい」

シンジ「…………」

マリ「運命を仕組まれたチルドレン。そして、ゼーレは裏死海文書を、ゲンドウくんは目的の為に。ワンコくんもわかってるっしょ?」

シンジ「ガフの部屋は開かせない」

マリ「それ、無理。必要なマテリアルは全て揃うよ。そうなったらもう誰にも流れは止められない」

シンジ「全部エゴじゃないか! 認められない!」

マリ「どうするつもり? 相手はネルフ、そして世界政府だよ」

シンジ「………」

マリ「エヴァで世界を滅ぼす? 量産計画が間に合ってない今なら可能かもしれないけど、本末転倒じゃん!」

シンジ「……なんとかしてみせる」

マリ「ワンコく〜ん。根性論じゃどうにもならないんだって。妥協案って必要じゃない?」

シンジ「それじゃだめなんだ!」

マリ「ふぅん。それならお手並み拝見しようかな?」

シンジ「…………」

マリ「姫を助けてあげてね」

シンジ「まだ、時間は残されてる」

マリ「あ、もしかしてワンコくんって夏休みの宿題を最終日にやっちゃうタイプ? 時間なんてあっというまにすぎてくよー」
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 01:24:15.43 ID:RRUQK3ySO
はえ〜、すっごい即筆…
酒の量は流石にギャグだったが、質は相変わらずのど安定だな
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 01:34:05.38 ID:FoWh17/L0
シンジ「アスカにこだわるのはなぜ?」

マリ「さぁて? なんでかな?」

シンジ「…………ふぅ」

マリ「おりょ? 乗ってこない? もっと言葉遊びしよーよー」

シンジ「いや、情報はもう渡すつもりないんだよね」

マリ「せいかぁ〜い」

シンジ「だったら、戦自の話をしようか」

マリ「気がついてた?」

シンジ「アスカに先にコンタクトをとってたのは、裏でなにかやってた。それぐらいはわかるよ」

マリ「ま、さっき破壊工作してたって言っちゃたしね」

シンジ「加持さんがルートを用意してくれてるの?」

マリ「アフターケアはおまかせあれ。ワンコくん達はロボットね」

シンジ「流れは同じか」

マリ「今までと同じだよ。おおまかな流れは一緒。だけど、微妙にズレてきてる」

シンジ「うん」

マリ「でも、最後も違うなんて希望は持たないでね。例えばAルートとBルートがあっても辿り着く場所は同じ。収束しちゃうよ」
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 01:46:31.21 ID:hAA3EKClO
シンジの正体が新劇場版のQ設定なのか?
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 02:05:55.88 ID:FoWh17/L0
いずれ明らかになりますのでノーコメントで
今日はこれまでです、また後日
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 13:42:11.83 ID:FoWh17/L0
- 放課後 洞木宅 -

アスカ「ごめんね。ヒカリ、いきなり遊びにきて」

ヒカリ「どうしたの? 友達なんだから普通だよ」

アスカ「……うん」

ヒカリ「――碇くんとは一緒に帰らなくてよかったの?」

アスカ「うん、なんか、距離感じちゃってさ。あいつ、どう思う?」

ヒカリ「どうって……?」

アスカ「記憶戻ってからおかしいのよね。少なくとも、私に話してないことあるのはたしかだわ」

ヒカリ「なにかあったの?」

アスカ「昼休みの屋上ですこし。なにを話してるかちんぷんかんぷんだったけど」

ヒカリ「私は……今の碇くん素敵だと思うな」

アスカ「……そうかな」

ヒカリ「人ってまわりの影響で変わっていくものだもの。時には子供になったり、大人になったり。碇くんの変化をアスカが受け止めてあげなくちゃ……かわいそうだよ」

アスカ「そうなのかな……。なんか急すぎてついてけない。私が引っ張ってやってたのに、なかったことにされてるみたいで、1人で抱えこんじゃってさ」

ヒカリ「ふふっ。アスカだって最初の頃と比べてだいぶ変わったんだよ。この短い期間に」
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 13:50:03.80 ID:FoWh17/L0
アスカ「あぁ〜ぁ、難しい」ゴロン

ヒカリ「難しくしてるのはアスカだと思うな。考えすぎなところ、あると思う。最初の頃のアスカは碇くんのことしか見えてなかった」

アスカ「…………」

ヒカリ「今も、碇くんのこと考えてるのは変わらないんだろうけど、落ち着いて、余裕もできた分、色々と考えすぎてるんだよ」

アスカ「恋愛がめんどくさくなって投げだす人の気持ち、今なら少しわかる」

ヒカリ「まだはやいよ。見切りをつけるのは簡単だけど、焦っちゃだめ。碇くんに色々、助けてもらったんでしょ?」

アスカ「…………うん」

ヒカリ「なんで、アスカばっかり」ボソッ

アスカ「ん? なに?」

ヒカリ「うぅん。なんでもない。とにかく、一度、碇くんと話してみて。じゃないと、本当に碇くん、どこかに行っちゃうかもしれないよ」

アスカ「シンジが、どこかに、ねぇ――」
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 14:07:12.83 ID:FoWh17/L0
- 夜 ミサト宅 -

シンジ「おかえり」

アスカ「……ただいま。ミサトは?」

シンジ「今日は、少し遅くなるってさっき連絡があったよ」

アスカ「ふぅん、あっそ」

シンジ「夜ご飯はどうする?」

アスカ「食べる。けど、あぁそうか、私が久しぶりに作ってあげるわ」

シンジ「いいの? 嬉しい」

アスカ「なにがいい?」

シンジ「昨日の肉がたくさんあるから野菜炒めとかどうかな?」

アスカ「いいわよ」

シンジ「あの、アスカ」

アスカ「ん? なに? あ、冷蔵庫にあったプリンなくなってる。ミサトね」ガチャ

シンジ「昼間の屋上のことなんだけど、アスカ、わからないことだらけだと思うんだ」

アスカ「…………」

シンジ「話せる時になったら、最初に言うよ」

アスカ「あたし、メガネにもあんたにもついていけてない」

シンジ「うん」
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 14:08:54.10 ID:FoWh17/L0
アスカ「シンジのことは好き。だけど、ワガママになってるのね」

シンジ「…………」

アスカ「前は、シンジに見てもらうことが叶えばなんでもよかった。私だけを見てほしかった。それが全部だった」

シンジ「うん」

アスカ「今は見てもらうだけじゃいや。もっと別のこと、相手に求めることが増えてるってわかる」

シンジ「……それは、なにもおかしいことじゃないよ」

アスカ「嘘をつかれるのはいや。1人で先にいかれるのもいや。私のことを考えてくれないのもいや」

シンジ「ぜ、全部は、時と場合によっては、難しいと思うけど」

アスカ「頭の中でぐるぐる考えても、最後は、あんたのことが好きなのよ。悔しいことにね」
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 14:16:31.74 ID:FoWh17/L0
シンジ「僕の方が、アスカに助けてもらってるんだ。今の僕があるのも全部アスカのおかげだよ」

アスカ「…………」

シンジ「本心なんだ。心の底からそう思ってる。これからも、アスカの助けが僕には必要だよ」

アスカ「それで?」

シンジ「お願いだよ。アスカ。どうか、僕のこと見捨てないでほしい」

アスカ「はぁ?」

シンジ「な、なんかおかしなこと言ったかな」

アスカ「普通今の流れで……ま、そっちのがあんたらしいか……」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 14:41:39.87 ID:FoWh17/L0
- ネルフ本部 発令所 -

ミサト「使徒?」

マコト「二分前に突然現れました」

オペレーター「第6サーチ、衛星軌道上へ。接触まで後2分」

シゲル「目標を映像で捕捉」


第10使徒サハクィエル「…………」


職員「おおっ……」

マヤ「お、おっきい」

シゲル「マヤちゃん、今の台詞、もっかい」

マヤ「……不潔」

ミサト「でかすぎない? 常識を疑うわね」

リツコ「見た目から推測すると、重量、質量、共に過去最高でしょうね」

マコト「探査衛星、目標と、接触します。」

オペレーター「サーチスタート。データ送信、開始します」

シゲル「受信確認……過去のデータをモニタリングします」


第10使徒サハクィエル「…………」キィィン ドーン


ミサト「ATフィールドを落とした?」

リツコ「新しい使い方ね」

ミサト「たいした破壊力ね。こんな使い方もあったなんて……」

マヤ「落下のエネルギーをも、利用しています。使徒そのものが爆弾みたいなものですね」

リツコ「とりあえず、初弾は太平洋に大外れ。で、2時間後の第2射がそこ。後は確実に誤差修正してるわ」

ミサト「学習してる、ってことか」

マコト「N2航空爆雷も、効果ありません」

シゲル「以後、使徒の消息は不明です」

ミサト「……来るわね、多分」

リツコ「次はここに、本体ごとね」

ミサト「その時は第3芦ノ湖の誕生かしら?」

リツコ「富士五湖が一つになって、太平洋とつながるわ。本部丸ごとね」

ミサト「碇司令は? まだ連絡つかないの?」

シゲル「衛星通話の有効範囲内ですが、使徒の放つ強力なジャミングのため、連絡不能です」

ミサト「MAGIの判断は?」

マヤ「全会一致で撤退を推奨しています」

リツコ「どうするの? 今の責任者はあなたよ」

ミサト「日本政府各省に通達。ネルフ権限における特別宣言D-17。半径50キロ以内の全市民は直ちに避難。松代にはMAGIのバックアップを頼んで」
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 14:49:37.51 ID:FoWh17/L0
マコト「ここを放棄するんですか?」

ミサト「いいえ。ただ、みんなで危ない橋を渡ることはないわ」


放送『政府による特別宣言D-17が発令されました。市民の皆様は速やかに指定の場所へ避難してください』

放送『第6、第7ブロックを優先に、各区長の指示に従い、速やかに移動願います』


リツコ「やるの? 本気で?」

ミサト「ええ、そうよ」

リツコ「あなたの勝手な判断で、エヴァを3体とも棄てる気? 勝算は0.00001%。万に一つもないのよ」

ミサト「ゼロではないわ。エヴァに、いえ、シンジくんたちに賭けるだけよ」

リツコ「――葛城三佐っ!」

ミサト「現責任者は私です!」

ミサト「やることはやっときたいの……。使徒殲滅は私の仕事です」

リツコ「仕事? 笑わせるわね。自分のためでしょ?あなたの使徒への復讐は」

ミサト「そうよ。でもあの子たちなら、シンジくんならきっとやってくれるわよ」
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 14:56:52.27 ID:FoWh17/L0
- ネルフ本部 作戦戦術室 -

アスカ「えーっ、手で、受け止める!?」

ミサト「そう。落下予測地点にエヴァを配置、ATフィールド最大で、あなたたちが直接、使徒を受け止めるのよ」

レイ「使徒がコースを大きく外れたら……?」

ミサト「その時はアウト」

アスカ「機体が衝撃に耐えられなかったら?」

ミサト「その時もアウトね」

レイ「……勝算は?」

ミサト「神のみぞ知る、と言ったところかしら」

アスカ「これでうまく行ったら、まさに奇跡ね」

ミサト「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値が出るものよ」

アスカ「つまり、何とかして見せろ、って事?」

ミサト「すまないけど、ほかに方法がないの。この作戦は」

アスカ「作戦と言えるの!? これが⁉︎」

ミサト「ほんと、言えないわね。だから、いやなら辞退できるわ」

アスカ&レイ&シンジ「…………」

ミサト「みんな、いいのね。一応規則だと遺書を書くことになってるけど、どうする?」

アスカ「別にいいわ。そんなつもりないもの」

ミサト「終わったらステーキおごるから、食べに行きましょ」

レイ「……葛城三佐」

ミサト「ん?」

レイ「私、肉、嫌いです」

ミサト「あぁ、はい」
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 15:13:40.74 ID:FoWh17/L0
マヤ「データ、だします。これが最後のデータです。使徒による電波撹乱のため、目標喪失」

ミサト「具体的な話にはいるわ。正確な位置の測定ができないけど、ロスト直前までのデータから、MAGIが算出した落下予想地点が、これよ」

アスカ「こんなに範囲が広いの?」

リツコ「目標のA.T.フィールドをもってすれば、そのどこに落ちても本部を根こそぎえぐることができるわ」

ミサト「ですから、エヴァ全機をこれら三個所、A、B、Cに配置します」

レイ「この配置の根拠は?」

ミサト「勘よ」

アスカ「カン?」

ミサト「そう。女の勘」

アスカ「げぇっ⁉︎ 何たるアバウト、ますます奇跡ってのが遠くなっていくイメージね」

シンジ「…………」

ミサト「シンジくん、さっきから黙ってるけど、緊張してる?」

シンジ「あ、いえ」

アスカ「ま、シンジは私が守ってあげるから心配ないわ!」
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