京太郎「彼女欲しいなー」

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1 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 18:55:16.78 ID:KlXaXaiIO


咲「京ちゃん、今なんて言ったの?」

京太郎「あん?なんでもねーよ……」

咲「彼女が欲しいとかなんとか」

京太郎「そんな大声出してたか」

咲「いきなりびっくりしちゃったよ」

京太郎(油断した……こいつ気配消して部室の隅っこで本読みやがって)

咲「……」ペラッ ペラッ

京太郎(気まずい……早くタコスでもこねーかなぁ)

京太郎『今何やってんの?』ポチポチ

優希『ホームルーム長引いてるじぇ』

京太郎(学校祭シーズンだしなぁ)
2 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 18:59:41.36 ID:KlXaXaiIO

咲「来月学校祭だね」

京太郎「おう。ウチのクラス何になるんだろうなー」

咲「お化け屋敷か喫茶店だって」

京太郎「高校生にもなってお化け屋敷かよ……麻雀部でなんかやらないのかねぇ、面白いこと」

咲「雀荘くらいしか思いつかないけど」

京太郎「Roof-top出張所になるのか……」

咲「和ちゃん目当てでたくさんお客さん来そうだね〜」

京太郎「そこをしっかり巻き上げてくれよ〜咲〜」

咲「私を何だと思ってるのさ」

京太郎「しかし咲はいいよな〜」

咲「何が」

京太郎「和と仲良くってよ」

咲「うーん」
3 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:05:16.62 ID:KlXaXaiIO

京太郎「2人はどこまでいったの?」

咲「……それ、どういう意味で?」

京太郎「いや、和って咲の事好きだろ?LikeじゃなくてLoveで」

咲「一応、ウチ部内恋愛禁止だよぅ」

京太郎「とはいってもさ、和の目、ガチやで……鈍くさい俺にも分かるんだけど」

咲「そのことで前、竹井先輩にも相談したんだけどさあ」

咲「和と咲でリザベーション出来ればインハイ優勝は頂きね♪ってまともに取り合ってくれなかったよぉ」

京太郎「さすが部長……マキャベリズムの申し子っすなぁ」

咲「例えリザベーション出来ても和ちゃんが牌効率を捨てて高めを狙うとは思えないんだけどなぁ」

京太郎「まあそれが和の強さなんだろ」

咲「京ちゃんは和ちゃんのそんなとこが好きなの?」

京太郎「……ま、まあな」

咲「目が泳いでるよ。好きなのはあの立派なものでしょ?」
4 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:10:26.35 ID:KlXaXaiIO

京太郎「ええい、その通り!おっしゃる通りですよぉ!俺は和のおっぱいが好きだ!」

咲「そこまで開き直られても困るよ……」

京太郎「男に生まれたからには一度は揉んでみてぇぜ……あの極上の果実を」グヘヘ

咲「うわわ」

京太郎「はぁ……咲はいいよなぁ〜あのパイオツ揉みしだき放題だろ?」

咲「いや、別に……あっ、でも練習中、背中から押し付けられるのはちょっとドキッとするかも」

京太郎「あ〜〜俺も和に『役無しドラ4、リーチですね』ってやって欲しい〜!」

咲「さっきから欲望丸出しだね……大丈夫、京ちゃん、疲れてない?」

京太郎「うーん、大会終わって最近雑用減ってきたんだけどなぁ」

咲「はぁ……なんで私のは大きくならないのかなぁ……淡ちゃんだけおかしくない?」

京太郎「しらんがな」

咲「いや、あそこまで下品に大きくしろっては言わないよ?でもさ、せめて憧ちゃんくらいは貰っても良いんじゃないかなぁ。相対的に私の地位が落ちてるんだよ、全国編で。昔から貧乳気味のキャラではあったけど、今の十把一絡げの壁キャラの括りじゃなかったのに!」

京太郎「咲、お前も溜まってんだな……」
5 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:12:53.21 ID:KlXaXaiIO

咲「まあそれはそれとして、京ちゃんは和ちゃんと付き合いたい訳?」

京太郎「改めて聞かれると……うーん、それは例えるなら『はやりんとお付き合いしたいか?』っていう質問に通じるものがある気がする」

咲「つまり?」

京太郎「そりゃ答えは絶対YES!なんだけどさ、恥じらいもなくYES!って言えちゃうのが……なんか違うっていうか」

京太郎「和と付き合ってる自分がイメージできねぇ」

咲「そりゃ和ちゃん、レズだしね」

京太郎「やっぱりかー……ってさらっと言われるとドキドキするなぁ」

咲「というか、強くて可愛くておっぱいが大きい雀士なんてみんなレズだよ」

京太郎「……」

咲「ちょっと京ちゃんにはショックが強すぎたかな」
6 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:14:47.31 ID:KlXaXaiIO

京太郎「いや、待て待て……ホラ、反例は……あるだろ、例えば、ええっと」

京太郎「うーん……うーん……か、霞さん!石戸霞さん!あの人は……レズちゃいますやん……筆おろししてくれそうだし」

咲「いや、レズだよ」

京太郎「うおおおお!!あんまりだぁー!!信じたくなかったぁーー!!!死ぬ!今から俺はその窓から飛び降りて死ぬ!止めるな、咲!」

咲「ついでに言うと、雀士の95%がレズです」

京太郎「分っていたけど辛いぜ……出る漫画間違えたわ。普通なら俺のハーレムものだろJK」

咲「まあもうちょっと和ちゃんの人気なかったらそうなってたかもね」

京太郎「まあ絆パワーが雀力に影響するからなぁ……そりゃレズも増えますわ」

咲「男子の部でも強豪校はみんな男子校らしいよ」

京太郎「ヴォエ!!想像しただけで恐ろしいぜ……男子インターハイ、地上波中継されていなくてよかったぁ」

咲「実はBSで中継されていたのを見ていたなんて言えない……きゅふふ」

京太郎「え?今なんて?(難聴)」

咲「何でもないよぉ……ところでみんな遅いね〜」

7 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:19:12.59 ID:KlXaXaiIO

京太郎「竹井先輩はまだ学生議会の仕事手伝ってるらしいし、染谷先輩は今日は部長会議だろ?和と優希のクラスはまだ出し物話し合ってるって」

京太郎「優希とLINEしてるんだけど、今メキシコ料理屋にするかメイド喫茶にするかで熱い激論が交わされてるらしい」

咲「メキシコ料理屋を支持しているのが一人しか思いつかない件」

京太郎「言ってやるな、咲」

咲「まあ和ちゃんのメイド喫茶とか大繁盛間違い無しだよね〜」

京太郎「あ〜俺も絶対行くわ!」

咲「そういえば京ちゃん、学校祭は誰かと回る予定あるの?」

京太郎「和と回りたいな〜って、和と回ったらメイド喫茶行けないやんけ!」

咲「私、和ちゃんから誘われてるんだけど、一緒に回ろうって」

京太郎「うん」

咲「一応、優希ちゃんも一緒だよねって聞いたら、2人で回りたいって」

京太郎「そうか」

咲「どうしたらいいかな」

京太郎「……だ、ダメ元で俺も一緒に回っていいか聞いてもらってくれない?」

咲「流石に怒ると思う」

京太郎「……」
8 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:29:58.61 ID:KlXaXaiIO

京太郎「優希の奴、おせーな!まだ話し合いしてんのか〜」

咲「……」

京太郎「部長会議ってのも長引きそうだし、2人で練習始めちゃう?」

咲「別に私はいいけど……」

京太郎「じゃあカイジの17歩やろうぜ、せっかく二人きりだしさ」

咲「何それ」

京太郎「ルール知らなかったら、あれでいいぜ。ナイン。知ってるだろ、麻雀打ちなら。面子が揃うまでの時間つぶしで昔よくやったもんや。お互いイーピンからキューピンまで9牌を1牌づつ出し合って、数が多いほうが勝ちね」

咲「何賭ける?」

京太郎「そうだな〜アイスでも賭けるか?120円までね」

咲「ケチだなぁ」

9 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:36:59.16 ID:KlXaXaiIO

咲「はい、私の勝ち〜」

京太郎「くぅ〜〜!相変わらず強いぜ……」

咲「京ちゃん表情に出るんだもん」

京太郎「お前に言われたかね―よ」

咲「じゃ、今日の帰りコンビニ寄っていこう」

京太郎「お好きなアイスをお選び下さい、お姫様」

咲「もうっ……はぁ……どうしようかなぁ……」

京太郎「どうしようって、何を」

咲「和ちゃんの事。インハイ終わってからアプローチが凄いんだよね。週末も遊びに誘われているし」

京太郎「意外と肉食系なんやね……咲とか簡単に食われそうだな〜」

咲「はぁ……チームメイトだから無碍に断りにくいし」

京太郎「ん?何で断る必要あるの?和なんて優良物件じゃん、お父さんは弁護士先生、お母さんは検事さんなんですよ!」

咲「いや、私レズじゃないから」

京太郎「さいですか」

咲「……」
10 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:39:29.25 ID:KlXaXaiIO

京太郎「咲ってレズじゃないんですか」

咲「そんな驚くところ??」

京太郎「いや、さっき雀士の95%はレズだって」

咲「100%とは言ってないじゃん」

京太郎「そっかー……咲は男の子が好きなのか……」

咲「……」

京太郎「タコスおせえな、来るの」

咲「実はね、インハイ終わった後に一度和ちゃんから告白されてるの」

京太郎「まじっすか」

咲「流石に祝勝ムードに水差すのもあれだったから、保留にしてるんだけど……いい加減、良心の呵責って奴が、ね」

京太郎「まあ、そういうのははっきりさせた方が良いぞ、早めに」

咲「そうだよね……」

京太郎「男のどこがいいんだ?」

咲「それ、同じ質問していいかな、京ちゃん。女の子のどこがいいの?」

11 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:46:04.64 ID:KlXaXaiIO

京太郎「ま、価値観は色々だよな!うん、レズだからって友達やめたりするなよ、二人とも」

咲「京ちゃんはホモの友達欲しい?」

京太郎「うっ」

咲「冗談冗談、意地悪かったね。和ちゃんは友達だから、さ……あんまり傷つけたくないんだよね」

咲「だから、たまーに、付き合っちゃおうかな―って思う時もあるんだ」

咲「でもその度に思い返すの。譲れないところはあるよって。だから、自分の気持をスッキリさせてから返事しようって」

咲「あー、私も彼氏欲しいなー」

京太郎「……」

咲「……」

12 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:54:23.40 ID:KlXaXaiIO

京太郎「なんだ、その、何でこんな話になったんだっけ」ポリポリ

咲「京ちゃんのせいじゃないかな」

京太郎「咲って好きな男いるの?」

咲「いるよ」

京太郎「そうかー……」

咲「ねえ、京ちゃん。誰だか当ててみて」

京太郎「そりゃ難しい、質問だな。うーん、ヒント、ヒントくれ。俺の知ってる奴?」

咲「うーん、多分YESになるのかな」

京太郎「俺の知ってるやつね〜……友達あんまりいねーからなぁ……大分絞られた気がするぜ……高校からの知り合いか?」

咲「違うよ」

京太郎「ってことは地元の中学校の人になるのかね。誰だろう、お前、まともに男と会話してたか?」

咲「まあ、よく話す方ではあったかな?」

13 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 19:58:28.02 ID:KlXaXaiIO

京太郎「咲がよく話す相手ね……」

咲「はい、制限時間あと10秒ね。10、9、8、7……」

京太郎「ストーップ、確認!もし間違えたら何かあるわけ?あんまり自信ねーんだけど」

咲「そうだね、間違えたらカンするよ、カン!」

京太郎「カンはちょっと……」

咲「はい、残り5秒、4、3、2……」
京太郎「笑わないでくれよ。例えば……その……俺、とか」

咲「……」

京太郎「やっぱ今のな〜し!ノーカン、ノーカン、あー、恥ずかしいわ!これ、ゼッテー後でみんなから弄られる奴だろ!ちくしょう、咲、竹井先輩だけには言うなよ!あの人、多分、末代まで馬鹿にしてくるわ!」

咲「……」

京太郎「はー……今のは冗談だ。なあ、咲。もし、その……良かったらだな、俺と……」

…………
14 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:04:15.94 ID:KlXaXaiIO

優希「おタようコざいまース!」バン!※放課後

和「遅くなってすみません、ホームルームが長引いてしまいまして」

優希「男子共が抵抗するせいだじょ。そもそもウチのクラスの出し物はメキシコ料理屋で決定していたんだじぇ、私が所属している時点でな」

和「すごいゴリ押しを見ました」

優希「京太郎、特別にウチのクラスでコックとして働く名誉を与える!クラスのバカどもに特性タコスの作り方を伝授するんだじぇ」

京太郎「結局タコス屋になったんかーい!しかしタコスの世界にはこんな言葉がある……生地焼き3年味付け5年包み一生……血の滲むような努力の果てにしか得られないものはあるんだぜ、ゆーき」

和「あなたは麻雀を強くなる努力をして下さい。さ、染谷先輩が来る前に練習始めましょ」

京太郎「へーい」

和「咲さん?どうしました?なんかいいことでもありましたか?」

咲「な、なんでもない!じゃあ練習、張り切っていくよー!」

優希「咲ちゃん、もうインハイは終わったのにそこまで頑張らなくても」

15 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:06:38.17 ID:KlXaXaiIO

咲「おまたせ、京ちゃん。待った?」

京太郎「い、今来たとこ」

咲「二人っきりでお出かけって初めて……だね」

京太郎「まあ学校くらいでしか話さなかったからなぁ」

咲「そだね」

京太郎(咲の私服姿……一応、こいつもお洒落するのね)

咲「変じゃない?」

京太郎「新鮮だな。いつもどこで服買ってんの?」

咲「このブラウスとスカートは東京で、竹井先輩に見繕って貰ったんだ〜」

京太郎「あの人お洒落だからな〜」

咲「京ちゃんもパリッとしてるね」

京太郎「ああ(和とのデート用のを下ろしてきたとは言えない……)」

咲「どこ行くの〜?」

京太郎「そうだな、ま、映画でも見に行く?」

咲「おおっ。王道だね〜」
16 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:07:42.04 ID:KlXaXaiIO

京太郎「やっぱ駅前の映画館は混んでますな」

咲「長野の娯楽は少ないからね」

京太郎「ちょ、失礼だぞぉ」

咲「駅前にパチンコと映画館と雀荘くらいしかないもん」

京太郎「まーなぁ……どの映画観る?」

咲「京ちゃんが考えてきたのでいいよ」

京太郎「じゃあ……あれだな、今話題のアニメ映画でも見とくか」

咲「それ話題になったの結構前だよね……」

京太郎「ひょっとしてもう見た?」

咲「ううん、一緒に見に来る人いなかったから。和ちゃんに誘われたけど断った」

京太郎「ならちょうどいいぜ〜」

〜〜〜〜
17 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:09:27.02 ID:KlXaXaiIO

京太郎「あ〜〜流石におもしれー!準決勝編は是非新海誠監督にお願いしたいぜ!」

咲「口噛み酒ってなんか……想像しちゃうよね〜」

京太郎「想像しないで下さい!というかあの舞台って実は長野の諏訪湖がモチーフらしいぜ」

咲「諏訪湖か〜今度行ってみたいな〜」

京太郎「バスで2時間くらいだろ、今度の週末行ってみる?」

咲「行く行く!」

京太郎「来週晴れるといいなぁ」

咲「でも長野が舞台か〜親近感湧いてきたよ〜ヒロインの名前も似てるし」

京太郎「顔も咲にちょっと似てたよな」

咲「京ちゃんだって、あの男の子に雰囲気似てない?」

京太郎「いやー、俺は三枚目ですから」

咲「そうかなぁ、あ、初恋の女の先輩は、竹井先輩に雰囲気ちょっと似てるよね〜」

京太郎「うーん、あの人ああいう大人になりそうだ」

咲「憧れちゃうな〜」

京太郎「歩きながらもなんだから、どこか入ってお茶でもしようぜ」

咲「うんっ」
18 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:10:45.30 ID:KlXaXaiIO

京太郎「しかし今日は和に誘われていたんだろ?」

咲「まあ、一応……別の約束あるって断ったけど」

京太郎「大丈夫か?俺のせいで友情にヒビいったら嫌なんだけど」

咲「うーん……友情のラインを越えようとしてくる和ちゃんが悪いよぅ」

京太郎「しかし意外だったな……咲もまんざらでもなさそうだったから」

咲「だって……無理やりなんだもん、和ちゃん……」

京太郎「なんかあったの?」

咲「うん……告白されて答え保留しているときにね、デートに誘われて」

咲「断るのも悪いかな―って遊びに行った後でね、強引に……き、キスされそうになって」

京太郎「うわわっ」

咲「そういうのは順序ってものがあるよね?」

京太郎(順序……)

咲「あっ、キスはされなかったから!頑張って押しのけたから……その……心配しないで」

京太郎「心配って何の……(咲の唇……)」

咲「そう言えば京ちゃんは女の子と付き合ったこと、あるの?」

京太郎「ないけどさ」

咲「そっかー……じゃあお互い、初めてだね……」

京太郎「初めてっすか……」

咲「あっ……あうぅ……」

京太郎(咲と初めて……)ゴクッ
19 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:11:47.57 ID:KlXaXaiIO

咲「……」

京太郎「……(意識したら何もお互い話せなくなりました)」

咲・京太郎「あ、あのっ」

咲「あ、きょ、京ちゃんから」

京太郎「咲からいいぞ、なんだ?」

咲「大したことじゃないから、京ちゃんからでいいよ!」

京太郎「ええっと……ああ、そうだな。部活のみんなには秘密にするってことだけど」

咲「うん……和ちゃんの事もあるし……出来れば秘密にしたいなーって……駄目かな?」

京太郎「駄目じゃねーけど、さ……バレた時、どうなるんだろうか」

京太郎(和がどんな反応するか、正直全く想像できね―)

咲「その時はその時。うん、きっとみんな……和ちゃんも、優希ちゃんも、認めてくれる、と思うよ……」

京太郎「まあ、だといいけどさ」

咲「そろそろ、お店出ない?京ちゃんと街歩きたいなーって」

京太郎「なんか欲しいものあるの?」

咲「特に。でも本屋さんとか行きたいな」

京太郎「さすが文学少女」
20 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:20:48.85 ID:KlXaXaiIO

京太郎(その日は結局日が暮れるまで咲と街歩きに興じた。最初に重たい本を買ったせいで、中々移動が大変だったが、雑用で鍛え上げた俺の筋肉は根をあげず、服屋や鞄屋を巡って咲の好きなものを買って、時々俺のものをちょこっと買って……)

咲「京ちゃん、重くない?」

京太郎「これくらい平気でい!」

京太郎(とは言ったものの、坂の上にある咲の家まで歩いて運ぶのはちっとしんどいぜ)

京太郎(中学校同じだったから割りと近所だから、そのまま家に帰ればいいんだけど)

咲「ふふふ、ありがと、京ちゃん。一緒に持つよ」ギュッ

京太郎「うわわっ」

京太郎(その時、咲の手が俺の紙袋を持つ手に触れた。ぎょっとするほど冷たかったんだ。それで、俺は情けない声を出してしまった)

京太郎「いいってば、咲、お前の力じゃ屁の足しにもならねー」

咲「いいじゃん、いいじゃん。少しでも京ちゃんの力になりたいなーって」

京太郎(咲の握る力が強くなった。そして、次第に俺の手の熱が移ったのか暖かくなって)

京太郎(俺達は手を繋いで無言で坂を登った)

21 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/05(金) 20:27:22.89 ID:KlXaXaiIO

京太郎「ここ、お前の家かー結構デカいのね、親父さんと二人暮らしだったっけ?」

咲「うん……まぁ」

京太郎(咲が顔を曇らせる話題の一つは家族の話だった。インハイの後も、俺達の誰も咲とそのお姉さんがどうなったのか、聞くことはできなかったし、誰も話題には出さなかった)

京太郎「荷物ここまででいいか?」

咲「京ちゃん、今日は晩御飯は?お家で用意しているの?」

京太郎「作ってって頼まなきゃ作ってくれないぜ、ウチの親。いつも面倒だから遊びに行った時は自分で作ってるわ」

咲「ならさ、晩御飯ウチで食べてかない?」

京太郎「え?流石に親父さんに悪いぜ……それに、気まずいし」ゴニョゴニョ

咲「お父さんなら気にしなくていいよ。いないから」

京太郎「そうか、なら……」

京太郎(お邪魔します、といいかけて、俺はふとした考えが頭を過ぎった)

咲「運んでくれたお礼。腕によりをかけて作るよ―!」

京太郎(その時、咲の顔には少しの戸惑いの色もなく、変なことを考えてしまったのは俺だけだったみたいで)

京太郎(我ながら恥ずかしくなって)

京太郎「じゃ、お言葉に甘えて、ごちそうになろうかな」

京太郎(そう言って咲の家の玄関を跨いだ)

京太郎(まるで友達気分だったんだ)

京太郎(俺と咲は、もう友達ではないのに)
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/05(金) 23:51:03.00 ID:iUwbLUqJ0
なんていいところで中断するんだ
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/05(金) 23:56:24.11 ID:zG3d//T7o
majiでkanする5秒前か
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 00:56:26.09 ID:mbeCtbQro
続きはよ!!
25 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/06(土) 20:18:51.87 ID:+unpelCNO

京太郎(女の子の家あがるの初めてだぜ……っていかんいかん、何考えてんだ)

京太郎(お父さんと二人暮らしらしいけど、綺麗に掃除されてるなあ、咲の仕事か?)

京太郎(時間はまだ7時30分を回ったところだ)

咲「京ちゃーん、テレビでも見ててー、あっ、うわわ」ガチャーン

京太郎「おいおい、大丈夫か」

咲「大丈夫ー」

京太郎(あのドジな咲が料理なんて出来るんかね)

京太郎(そんなことを考えて待っていると、台所から豆板醤のいい香りがこちらまでしてきて)

京太郎(つられるように台所を覗くと、エプロンをした咲が中華鍋を混ぜていた)

京太郎(その後姿は妙に所帯じみていた)

京太郎(俺は見てはいけないものを見てしまったように、バツが悪くなって、居間に引き返した)

京太郎(テレビを付けたけれども、内容は全く頭に入ってこなかった)

京太郎(ただ、咲のエプロン姿が妙に脳裏にこびり付いていた)

26 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/06(土) 20:21:44.22 ID:+unpelCNO

咲「おまたせっ、京ちゃん」

京太郎「おお〜回鍋肉にエビチリ、麻婆豆腐にホカホカの白米!」

咲「今日は中華風にしてみました!」

京太郎「それじゃあいただきまーす」

京太郎「んっ、美味しい!八角入ってて本格的な中華だなぁ」

咲「えへへ〜」モグモグ

京太郎「結構自分で作るの?」

咲「というか、毎日だよ、毎日!作ってくれる人いないからね〜」

京太郎「そっか〜」モグモグ

咲「うん」

京太郎「このエビチリも旨いな」モグモグ

咲「あっ、気にしてる?私の家族のこと」

京太郎「ま、まあな……その、なんだ……」

咲「もう吹っ切れたからいいよ、別に〜」

京太郎「親父さん、今日は仕事?」

咲「あの人、お母さんのとこに帰ったんだ」

京太郎「じゃあ今、一人暮らしなのか?」

咲「うん」
27 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/06(土) 20:22:41.90 ID:+unpelCNO

京太郎「あ〜美味しかったぁ、ごちそうさまでした」

咲「お粗末さまでした」

京太郎「台所あっち?洗うぜ」

咲「いいよいいよ、私が洗うから」

京太郎「少しは俺にも雑用させちくり〜」

咲「さては染谷体制になってから物足りないと見た」

京太郎「まこ先輩優しいけど、もっと命令して欲しいぜ」

咲「変態!変態だよぅ」

京太郎「その分咲たちと麻雀できて楽しいっちゃ楽しいんだけどな」

咲「私も……京ちゃんと麻雀できて……楽しいよ」
28 : ◆giEdoEKBb. [saga]:2017/05/06(土) 20:25:25.49 ID:+unpelCNO

京太郎(一緒に皿洗いした後、咲がコーヒーを淹れてくれて、ソファに座って2人ではやりんの出てるバラエティを見た)

咲「あざといな〜あのプロ」

京太郎「だがそれがいい」

咲「お笑い芸人たちと脱衣麻雀、3回和了られたら水着姿披露って……もう2回和了られてるけど、絶対手抜いてるよぅ」

京太郎「冷めた目でバラエティ見ないで下さいよ、咲さん!」

咲「和ちゃんも将来こういう仕事するのかな〜」

京太郎「和はやっぱプロなのかな?」

咲「あまり考えてないみたい。お父さんが反対しているんだって〜」

京太郎「お前はどうなんだ、プロ」

咲「プロでやってけるほど強くないよ……私」

京太郎「咲がプロになって俺を養ってくれたらな〜」

咲「ちょ、京ちゃん、それ冗談だよね!?」

京太郎「そんな顔真っ赤にしなくても」

咲「もうっ……で、京ちゃんはどうするの、将来」

京太郎「とりあえず近場の専門学校行って地元就職かな〜〜それか体力自信あるから、そのまま消防か警察もありっちゃありだな」

咲「真剣に考えてるんだね……私と大違い」

京太郎「お前はプロになれよ。お姉さんもそうなんだろ?」

咲「もう私が、お姉ちゃんと卓で語り合うことはないと思うよ」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 20:26:28.73 ID:1gVSP4VA0
この世界の京太郎の家事力は高くないのか
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