マリオ「最近、テニスやパーティーにゴルフばかりで…何かを忘れているような」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:43:01.84 ID:jgCSYo4N0
昼下がりの午後キノコ王国のカフェにて

マリオ「なんだろうな…ひどく大事なことだったと思うのに」


ルイージ「思い出せないならたいしたことじゃないんじゃあ無いかな?」

ルイージ「それより、さ? 早いとこ注文しようよ」

マリオ「あ、ああ」

マリオ(…本当に、そう…だったっけ?)


キノピオ「お客様、ご注文はお決まりですか?」


ルイージ「カメカメティーとカラカラパスタのスパゲッティで」

マリオ「俺もそれで」

キノピオ「お時間少々頂きますが宜しいですか?」

ルイージ「構いませんよ」

キノピオ「では…」

スタスタ…

ルイージ「この店は何が良いって品揃えの良さがウリなんだよね」

ルイージ「カラカラパスタやサムイサムイ村産のさむイモのグラタン」

ルイージ「果てはマメーリア王国の料理やドルピック島風サラダもある」

マリオ「ああ」

ルイージ「毎日テニスやゴルフにお呼ばれされてばかり…」



ルイージ「僕らも もうイイ齢なんだしさ

たまには なーーんにも無い日を のんびりしようじゃないか!」

マリオ(……思い出せない)
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:43:29.82 ID:jgCSYo4N0

マリオ「なぁ、ここの勘定は」

ルイージ「やだなぁ兄さん、来る時に言ったじゃん
     ここは僕持ちだって」


マリオ「…」






マリオ「払うのは構わないが…払えるのか?」

マリオ(俺達は"しがない配管工"…そんなに収入は無かっ…た?
    気がするんだが)


ルイージ「この前のゴルフ大会での賞金があるじゃないか!」

マリオ「ルイージ」


ルイージ「なんだい兄さん」






マリオ「前にも似たような事を言わなかったか? 三日前ぐらいに」


マリオ「この前はピーチ姫やヨッシーを誘っての登山だったが
    その時も代金はお前持ちだった、その前やもっと前だって…」


マリオ「俺はここ最近"配管工としての仕事"をしてない気がするんだ
    賞金があっても流石におかしいと思うんだ
    そんな収入どこにあったんだ?」


ルイージ「あー、実は兄さんには黙ってたんだけど前に宝くじが
     大当たりしちゃってそれでコインに困ってないんだよ」

マリオ「そうなのか?」

ルイージ「そうだよ」



コトっ


キノピオ「此方、ご注文のメニューになります」


ルイージ「さ、パスタも来たみたいだし、冷めないうちに頂こう」

マリオ(…)



―――
――




カランカラン

キノピオ「またのお越しを」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:43:57.26 ID:jgCSYo4N0
ルイージ「そうそう、兄さん!実はさぁ今度また新しいテニス大会が
     開かれるんだよ、しかも賞金はなんと500コイン!」

ルイージ「こりゃ出るっきゃないっしょ!」

マリオ「…ん?ああ」


ルイージ「…ふぅ、上の空だね?」

マリオ「すまんな、こうして暇人の俺を誘ってくれたのに」

ルイージ「イイってイイって、我等が英雄スーパーマリオ様を
     お連れして歩いてるんだぜ
     僕だって街の若いお嬢さん方からキャーキャー言われたいさ」

ルイージ「僕は兄さんを利用してる、だからこれでトントンだ
     悪く思う必要性なんて何処にもないね」



マリオ(…えい…ゆう?)



マリオ「なぁ、弟よ」

ルイージ「はいはい?」




マリオ「俺って、さ…いつから英雄になったんだっけ?」




ルイージ「うーん? そんなの決まってんじゃん
     テニスやゴルフで数々のメダルやトロフィーの獲得
     王国に蔓延したウイルスの感染者を治した名医
     あ、あと街で評判のクッキー屋さんも営んでたじゃあないか」


マリオ「…"それだけ"だったか?」


ルイージ「そだよ、そんだけだね!」


「マリオさーん」


マリオ「ん?」

ヨッシー「いやぁ、お久しぶりですねぇ!」

ルイージ「うおっヨッシー!ヨッシーじゃないか!」

ヨッシー「いやぁ、どうもどうも、久しぶりに実家からキノコ王国へ
     遊びに来ましてね、あっ、これお土産のクッキーです」

ルイージ「おぉ、タイムリー! そしてヨッシー、今更だけど僕だけ
     名前呼ばないとかひどいんでない?」

ヨッシー「あっすいません、その、茂みの色と似てて、なんていうか
     マリオさんの姿しか…」

ルイージ「へぇへぇ、僕は緑の人ですよ」

ヨッシー「そういえばルイージさん!新しいカートの発注「ヨッシー!」


マリオ「カートの発注?なんだソレは」

ルイージ「え? あ、あー、実はテニスとは別で
     レーシング大会があるんだよ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:44:38.10 ID:jgCSYo4N0

マリオ「それは参加自由なのか?」

ルイージ「まぁ、ね」チラ


ヨッシー「あ、はい…参加はできますよ」


マリオ「俺には黙ってたのか?」

ルイージ「ごめん、僕さ、ホラ、兄さんと比べると影も薄いしさ
     何やっても勝てないからね…たまには人気者になりたいって
     それで兄さんに黙ってたんだよ」

マリオ「お前にはお前でいい所もあるし、お前のファンだっているだろ」

ルイージ「うん、ごめん兄さん」

マリオ「構わんさ、ところで、そのレーシングなんだが


     その…俺も参加しちゃ駄目か?」


ヨッシー ルイージ「えっ!」


マリオ「いや、お前の考えも分からんでもない、嫌なら良いんだ」


マリオ(レーシング大会、それに"出てたような気がする"
    それはすごく刺激的でまるで**してた頃を…)




マリオ(…?
           "**"してた頃? 何をしてたんだ?)


ルイージ「…」

マリオ「駄目か?」


ルイージ「…いーよ、はぁー、僕のカッコいい姿でファンを獲得しよう
     作戦もオジャンか」


マリオ「さっき、カートの発注って言ってたが
    カートは各自で用意するのか?」

ルイージ「うん、手続きとかは城の方でやってるよ」

マリオ「行ってみても良いか?」

ルイージ「どうぞどうぞ!兄さんがやりたいなら僕は止めないからね」

マリオ「すまない」ダッ







ヨッシー「行っちゃいましたね」

ルイージ「ああ、行っちまったな…」


ヨッシー「ごめんなさいルイージさん、僕が軽率な発言したから」

ルイージ「いいさ、遅かれ早かれ、こうなったさ」



ルイージ「…たまには忘れさせてあげたかったなぁ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:45:08.37 ID:jgCSYo4N0

キノコ王国城門前にて


キノじい「おお!これはこれはマリオ殿!

マリオ「どうもキノじい」

キノじい「本日はどのようなご用件で?」

マリオ「近々カートによるレーシングが行われるらしいじゃないか
    それの手続きが城でできると聞いてな」


キノじい「…左様ですか、ええ、承っております、案内いたしましょう」



コツコツ…

マリオ(…)

マリオ「なぁ、キノじい」

キノじい「はい?」


マリオ「この城って改装したりってしたか?」

キノじい「ほっほっほ、お分かりですか!」

マリオ「ああ、…なんだか前に来た時と内装が違う気がするんだ」

マリオ(それも"何度も変わった"ような気がする)


キノじい「この城も古くからある城ですからな
     人も建築物も同じですじゃ、時が経てば老いてやがては
     脆くなるのです」


マリオ「そうか」

キノじい「そうです」


ガチャ  ギィ…


キノじい「此方で手続きは行えます、ささ…どうぞ、机とペンを
     お使いくだされ」


マリオ「ああ」


ガチャ   バタン



キノじい「ふぅ…」


「じい…どうでしたか?」


キノじい「いえ、まだ思い出されてはいないようです姫」


ピーチ「そうですか…」

キノじい「また新しい大会やパーティーを企画しましょうか?」

ピーチ「お願いします」

ピーチ「あと、クッパ城にも使いの者を遣わせましょう」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:46:03.83 ID:jgCSYo4N0
―――
――



カラン…!カラン…!


ヨッシー「すいませんねぇ奢ってもらっちゃって」チュー

ルイージ「ん、構やしないさ」



ヨッシー「…あれから、もう随分長い時間が経ったものですよね」

ルイージ「ああ、そうだね」







ヨッシー「今でも信じられませんよ
     マリオさんが身体を鍛えるトレーニング中に事故で
     頭を打ったなんて…」


ルイージ「…」





ルイージ「なぁ、ヨッシー
            "僕達は人間だ"」



ルイージ「スーパードラゴンの君やキノピオ達は長生きするだろう?」

ヨッシー「…はい」

ルイージ「でもね? 僕達は違うんだ」

ルイージ「普通に生まれてきて、普通に生きて、そして、老いていく…」


ルイージ「僕達は周りの人よりも生まれつき才能があったさ
     それこそ金メダリストも吃驚なヤツがさ」

ルイージ「テニスやゴルフ、果てはカートが大破するような
     過酷なレースでも堂々トップで
     未知のウイルスを撃退できるカプセルを出せる名医にもなり」

ルイージ「誰からも賞賛されたさ」


ヨッシー「…」


ルイージ「でもね、…やっぱり"人はどこまで行っても人でしかない"
     老いには勝つことができないのさ」

ルイージ「現に兄さんは『俺は以前に比べて衰えた』そう言ってたんだ」

ヨッシー「ええ、それは聴いています、昔は水中に何時間潜水してても
     高い所から落ちても平気だったけど、最近は辛くなったって」


ルイージ「そうだね…確か、"ピーチ姫が絵の中に閉じ込められた時"かな
     あの時ぐらいから兄さんは身体能力が落ちたかもって…」

ルイージ「脳みそにせよ、身体の筋肉にせよ、人体は使わなければ
     廃れていく」





ルイージ「いつしか兄さんは四六時中にトレーニングに励むようになった
     それこそ、碌な食事も睡眠も一切取らないで…」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:46:54.34 ID:jgCSYo4N0

ルイージ「酷い時は地面に倒れててさ
     顔も蒼白で目の焦点も丸っきり合っちゃいない」

ルイージ「なんで、そこまでするのかも訊いた
     そしたらなんて答えたと思う?」


ヨッシー「『俺がいなくなったら誰が姫を救うんだ?』ですか?」


ルイージ「うん、正確には国民…いや困ってる人なら誰でもだね」




ルイージ「根っからの正義漢だよ、それも頭に馬鹿を幾つ付けたって
     足りっこない、真性の馬鹿だよ」

ヨッシー「オマケに冒険野郎?」


ルイージ「そー、そー、人助けもあるけど、過酷な冒険にチャレンジして
     己の限界を確かめたいor超えたいって考えもあるのさ
     ギネスブックも裸足で逃げ出すレベルの挑戦者だよ」




ルイージ「それでいて致命的なまでに"鈍感"な人だ」


ヨッシー「ええ、分かります」

ヨッシー「僕もルイージさんもキノじい、ピーチ姫…
     皆がマリオさんを心から心配しているというのに」

ルイージ「身近な人…好意を抱いてる人、同じ血を分けた身内
     誰もが英雄を心配してるのに気付かないで
     ひたすら無限の可能性を追い続ける……」

ルイージ「本当にどうしようもないくらい"鈍感"な人だよ」




ルイージ「僕はね、正直言って頭打った兄さんが
     冒険の事をケロッと忘れちゃった事を喜んでるのさ」

ヨッシー「それは、多分ピーチ姫も同じでしょうね」


ルイージ「きっと思い出せば、また無茶をする…
     だから僕に限らず皆が兄さんを休ませたいんだ」

ヨッシー「連日のように多額の賞金付きのスポーツ大会やパーティー
     すごい額の国家予算が使われているんですよね?」

ルイージ「ああ、ピーチ姫には頭が上がらないね、あっ、ウェイターさん
     スッキリドリンクとキノコケーキ追加で」


ルイージ「たった一人の人間の為だけに国家予算がガバガバ使われて
     でも市民は怒りさえしない」

ヨッシー「それだけマリオさんは皆に愛される英雄<ヒーロー>なんですよ」


ルイージ「…弟として鼻が高いよ」


ヨッシー「はっはっは、確かにルイージさん達は
     言葉通り鼻が高いですものね!」

ルイージ「ちょっ、うまいこと言ったつもりかい!?
     もうこれ以上、奢らないよ!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:47:59.28 ID:jgCSYo4N0

―――
――



ゴボゴボ…っ ゴボゴボ…っ


キノピオ「…ふぅ、相変わらず此処は暑いなぁ」



ノコノコ「止まれっ!この先はクッパ大王様の居城であらせられるぞ!」

クリボー「この先を征くは偉大なる帝王に謁見を許されし者のみっ!」

テレサ「ヌシのような下々の者を帝の前にお連れするなど不敬そのものっ
    煮え滾る地獄の業火に身を焼かれたく無ければ早々に
    立ち去るが良いっ!」


       バァーン!





キノピオ「…」

ノコノコ「…」
クリボー「…」
テレサ「…」フフン





キノピオ「…えー、今日もピーチ姫からのお手紙をお届けに来ました」

ノコノコ「あっ、ども、お疲れさんです」

テレサ「ふっ、隣国の遣いよ、よくぞ業火の道を潜りぬけたな
    褒めてつかわそうぞ」
  訳(私達のお城はマグマの中心に建設されてますからね
    辛い暑さの中、遠くから来ていただきありがとうございます!)

クリボー「大した持て成しはできませんが冷水でも飲んできませんか?
     あっ、ウチの実家で取れた くりくりマロン食べます?」


キノピオ「ははは、ありがとうございます
     …あの口上は必ず言わなきゃ駄目なんですか?」



ノコノコ「あー、私共の方も仕事ですからね…」」

クリボー「誰か来るたびにあの長ったらしい台詞言わなきゃならないのは
     辛いッスよねー」


テレサ「我等が主が下した役割、故に真っ当する事こそ生きがいなり」
   (クッパ様が直々に下さったお仕事ですし
    私は特に不満はありませんよ? 今の仕事にやりがいがあって
    誇りも持っていますからね!)


キノピオ「では、此方がピーチ姫からのお手紙になります」


ノコノコ「あいよ、しっかり受け取ったよ」

クリボー「マグマに落としたりしないようにちゃんと届けるよ」

テレサ「天駆ける身を持つ我が行くとしよう、同胞よ!ここで待て」
   (空を飛べる私が届けておきますので、先輩達は引き続き
    門番のお仕事をしててください!)
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:50:09.86 ID:jgCSYo4N0

【クッパ城:城主の間】


「むぅ…」

「クッパ様、おやつをお持ちしました!」

クッパ「そこに置いておけ」

カメック「ははぁっ」


ぺらっ ぺらっ


カメック「あのう、クッパ様」

クッパ「なんだ」

カメック「失礼ですが、ここ最近トレーニングをなされておりませんが
     宜しいのですか?」

クッパ「構わん」

カメック「はぁ…現在、キノコ王国とは協定を結んでおります
     今、この瞬間にも身体を鍛えておけばマリオにも――」


      ガ シ ャ ン !


クッパ「その必要は無い!」

カメック「は、はい、申し訳ありませんでしたっ
      失礼致します!」


どたどたどた…バタン


クッパ「…」


クッパ「フン、今の内に身体を鍛えろだと?」

クッパ「マリオが本調子で無い、この間に差をつけろだと?」

クッパ「バカモノめ…っ! ワガハイはクッパ大王だぞ
    誇り高きカメ一族の王だぞ!」



クッパ「…」



クッパ「それでマリオに勝利しても得られるものは栄光ではないのだ」

クッパ「残るものは虚しさだけではないか…」


トントン

クッパ「入れ!」


テレサ「主よ!隣国からの文をお持ちした!」
   (キノコ王国からのお手紙を持ってきました、どうぞ)

クッパ「うむ!確かに受け取った」

クッパ(・・・ふむ、カートレースが予定より早く開催される・・・か)

クッパ「ご苦労だった、戻っても良いぞ」

テレサ「お言葉に甘え戻らせて頂く!主よ
    あまり職務に気を張詰めぬよう懇願いたす」
   (失礼致します、クッパ様、最近、顔色があまり優れませんよ?
    お仕事も大事かもしれませんが無理はなさらないでくださいね)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:50:51.36 ID:jgCSYo4N0

「クッパ様、クッパ様!」トントン

クッパ「入れ!」


ノコヤン「ははぁ!」

クッパ「ノコヤンか…例の件か?」

ノコヤン「はっ!そうであります!」

クッパ「…今は、誰もおらん、話せ」

ノコヤン「では…兼ねてよりクッパ様が懸念なされていた事態ことですが
     場内に一部、現状に満足しない者達がいます」

ノコヤン「マリオが戦えない今こそ、クッパ軍団が先手を取るべきだと
     主張する過激派が少なからずいる事は間違いありません!」

クッパ「やれやれ、情けないことだ!」

ノコヤン「…かつて我軍の者は皆クッパ様へ
     絶対の忠義を誓っておりました
     ですが、最近の若者は如何せん忠義の足らん者もおり…」

クッパ「そういう事を聴きたいのではない
    ワガハイは今度開催予定のレースでソイツ等が邪魔をしないか
    聴きたいのだ!」

ノコヤン「それは、まだ判りません…クッパ様、恐れながら進言致します
     過激派の一部は顔が割れています
     今からでも罰すべきではないでしょうか?」




クッパ「断る」



クッパ「例え、裏切りを考えようと部下であることに変わりは無い」

ノコヤン「…ふふ、野暮な事をお尋ねしましたな
     このノコヤン、クッパ様へのご理解が足りなかったようです」

クッパ「構わん、それよりも引き続き調査を続けるのだぞ」

ノコヤン「はっ!」

ガチャ…バタン


クッパ「…ふぅ」


クッパ(…部下を纏める事が出来んとはワガハイも衰えたのかもしれんな
        互いに齢は取りたくないものだな、マリオよ!)




―――
――



キノピオ「やっぱりドルピック島のピンナパークで遊んだ事が
     一番の思い出ですかね」

クリボー「自分は家族旅行でゴロツキタウンに行ったことッスよ
     おっかないのに絡まれて、忘れられない思い出だったッス…」

ノコノコ「暗いなぁ、あっ私はマメーリア王国に遊びに行った時ですわ」

テレサ「同胞よ、戻ったぞ…隣国の遣いと何を語り合っているか!」
    (ただいま戻りました〜、あれ?皆さん何を話してるんですか)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:51:43.33 ID:jgCSYo4N0

キノピオ「あっテレサさん、おかえりなさい」

クリボー「おう、今、皆で思い出に残る旅行について語り合ってたんだ」

ノコノコ「有給取れたら、何処かに行ってみようと思うし
     皆の話を参考にしようって事で」

テレサ「旅の思い出語りか、フッ我も僅かならが力添えさせて貰おうか」
   (あっ!それ良いですねぇ〜、私もお話して良いでしょうか
    参考になるか分かりませんが)


キノピオ「どうぞ、どうぞ」

テレサ「我の印象に残る景色、それは天高き、雲海の王国也
    宿の寝具は言葉のままに天にも昇る夢心地よ!
    ソナタ等を極楽浄土へ誘う事も違いないだろう」
   (一番、思い出深いのはマシュマロ王国ですね
    あそこの名物は夢枕じゃないでしょうか?
    寝心地も良いですし、おススメですよ)


クリボー「ああ、それ良いかもなぁ」

ノコノコ「ゆったりとした眠りには就きたいですからな」

キノピオ「そうですねぇ、あっ、僕はそろそろ帰りますね」


クリボー「おう、お疲れさん、土産にいくつか饅頭でも持ってきなよ」

キノピオ「何から何まで、すいません」

クリボー「良いってことよ」

テレサ「遣いの者よ、せめてもの情けだ我が道中、付き添おうぞ!」
   (あのう、宜しければ見送り致しましょうか?)

キノピオ「あははは、ありがとうございますテレサさん
     でも大丈夫ですよ、これでもお城勤めですからね
     女の子に送ってもらうなんて悪いですよ」

テレサ「そうか、ならば致し方あるまい」
   (あぅ…、そうですか、道中気をつけてくださいね…)


キノピオ「それでは、さようなら!」




クリボー「おう、また来いよ!」
ノコノコ「お達者で!」

テレサ「…」ショボン



クリボー「しっかし、平和だよなぁ」

ノコノコ「基本、ピーチ姫攫わなきゃ私共も争いなんてしませんからね」


クリボー「…なぁ、不謹慎かもしんねぇけど、その」


クリボー「やっぱ、ルイージさん達にゃあ悪いけどよォ
     マリオさんの記憶は戻らねぇ方が良いんじゃねぇッスか?」

ノコノコ「このまま協定が続くからか?」

クリボー「そりゃあ、闘いは俺達クッパ軍団の"生きがい"だし
     なにより"誇り"でもある」

クリボー「けど、今のままってのも悪くねぇかなって思うんッスよ」

ノコノコ「…私には なんとも言えませんね」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:52:40.30 ID:jgCSYo4N0

ノコノコ「君の主張も分からなくは無い」

ノコノコ「だが私は断然、マリオ殿には記憶を取り戻して欲しいと思う」

クリボー「…そうッスか」

ノコノコ「君も私も…無論クッパ様も
      皆、マリオ殿とは数年来の付き合いだ」

ノコノコ「何度も、拳を交えたからな何となく分かるのだ」

クリボー「拳を交えたって言うか、俺らが一方的に踏みつけられただけ
     だったッスけどね」

ノコノコ「水は射さんでください、…まぁ、マリオ殿は"無限の可能性"を
     求める挑戦者です、クッパ様はクッパ様でそんなマリオ殿を
      ご自分のお力で倒したいとお考えのお方」

クリボー「根っからの武人って奴ッスか」

ノコノコ「私も堂々と正面から闘いたい"好敵手"
     そういう認識である事に変わりはありません」


ノコノコ(ただ…
        だからこそ"英雄"には英気を養って貰いたい
      クッパ様ならそう、お考えになる筈だ)


クリボー「ハァ、お前はマリオさんが記憶を戻す事に"肯定派"なのな」

ノコノコ「君は"否定派"のようですね…勘違いして欲しくありませんが
     私は別に平和が嫌いという訳ではありませんよ?
     マリオ殿の記憶が戻るまではこの平和を楽しみたいソレに
     変わりはありません」

クリボー「ふぅん」









テレサ「隣国の遣いよ…大丈夫なのだろうな」
   (キノピオさん…大丈夫かなぁ)








クリボー「俺、この協定が終わったらキノコを殴ってやろうと思うんだ」

ノコノコ「奇遇ですね、それについては全力で同意します」



―――
――



ヨッシー「ルイージさん、僕は一旦
     カートの調整もありますし島に帰りますね」

ルイージ「うん、船で往復四時間だろ、君も大変だなぁ」

ヨッシー「はっはっは、慣れっこですよ!慣れっこ!」

ルイージ「気をつけて帰るんだよ」

ヨッシー「はい!」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 03:57:14.25 ID:jgCSYo4N0
*********************************


            今回は此処まで!


        機を見計らって徐々に引っ越し予定


*********************************
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 04:24:13.59 ID:g6vgeNZT0
こちらのお引越しが先ですか 乙です
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 10:31:32.30 ID:2bZYWhfxo
どっかで見たことある乙
16 :ゲリラ再開 [saga]:2017/05/06(土) 23:57:43.49 ID:jgCSYo4N0

ルイージ(僕もカートの調整にでも行くかなぁ…ん?)スタスタ…


キノピオ「あっ、ルイージさん!こんにちは」トテトテ

ルイージ「おや、そういう君はよくクッパ城に遣いに行く
     キノピオじゃあないか」

キノピオ「分かりますか! 嬉しいですね、僕達って皆
     似たような顔だから区別が付かないって言われるので」


ルイージ(本当に嬉しそうだね…)


キノピオ「ルイージさん達以外で僕の違いが判るのなんて
     クリボーさん達くらいで」

ルイージ「ああ、クッパ城の門番の人達だね、確かノコノコ君
     それにテレサさんだっけ?」

キノピオ「ええ、…今でも嘘の様に思えますよ、一年近く前まで
     争ってたのに、こうして協定を組んで
     皆で笑いあって…」


ルイージ「そうだねぇ」



ルイージ(兄さんが…"英雄が戦えなくなった事で平和になる"、か
     皮肉っちゃ皮肉だよなぁ)



「…ん   …さん   ……ルイージさん!」


ルイージ「ん!? なんだい?」


キノピオ「どうしたんですか?眉を八の字にして俯いてましたよ?」

ルイージ「あー、あー、あー、ちょっと考え事をしていたんだよ
     そんなことより、盛り上がる話でもしようじゃあないか!」

キノピオ「盛り上がるような話題ですか?」

ルイージ「そ、そ、例えば…そうだな、女の子、女の子の話とかどう!」

キノピオ「女の人ですか? 僕、そういう話題は疎いですし…」

ルイージ「あっはっは、何を馬鹿な事を!
     君、結構モテモテだって噂は聴いてるぞ!
     いやぁ、もう憎いね〜このこの!」

キノピオ「ご冗談を!僕みたいな背の小さい奴を好きになる人なんて
     居るわけないじゃないですか!」アハハ


ルイージ「…結構街で働き者だってご婦人の皆様から評判だよ?」

キノピオ「僕なんかより働き者は沢山いますよ?
     たまたま僕が噂の中心になっただけじゃないですか」

ルイージ「此間、若いお嬢さんにお手紙貰ってなかったっけ?
     ハートのシール付きの奴」

キノピオ「ええ、僕みたいなチンチクリンになんて
     罰ゲームは関心しませんよね…」


ルイージ「…クッパ城のテレサさんは?」


キノピオ「…? なんで其処でテレサさんの名前が出るんですか?」

ルイージ「あー、なんかもういいや」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 23:58:40.12 ID:jgCSYo4N0

ルイージ(やれやれ…
     君は、もう少し人の考えを読めるようになると良いけどね)

コツコツ…


キノピオ「ここでお別れですね」

ルイージ「うん…そういえば、君はレース大会に出る予定かい?
     テニスには出るらしいけど」


キノピオ「はい!一応キノピオ代表選手として出る事になりました!
      選出方法はくじ引きでしたけどね…」

ルイージ「経緯はともあれ、そうなれば当日はライバル同士って事だね
     お互いにベストを尽くそうじゃあないか!」

キノピオ「もちろんです!」

ルイージ「良い返事だね!それじゃ、僕は元気なライバル達を倒せるよう
     特製のカートの調整に行かせて貰うよ、またね!」

キノピオ「はい!」


コツコツ…


ルイージ(さぁてと…博士に会いに行かなきゃなぁ…)


―――
――


オヤ・マー「来たかね、ルイージくん」


ルイージ「どうも博士、頼んでいたカートの調子はどうですか?」

オヤ・マー「フェッ、フェッ、フェッ!うむ、実に良い出来じゃぞ
      かつて君も使ったオバキュームと同じ動力を
      使っておるでのぅ」

ルイージ「懐かしいですね
     あの時はお化け屋敷とも知らずに
     豪邸が当たったと浮かれたもんですからね」

ルイージ「最終的に、あの時の財宝で念願の豪邸を購入できましたが」

オヤ・マー「しっかし、その屋敷も売り払ってしまったんじゃろう?
      ちと、勿体無い気もするがのう?」

ルイージ「まぁ、別荘はあっても使わなければ
     何の意味もありませんからね」


オヤ・マー「あの豪邸を売り払った金で
      お兄さん達を楽させとるんじゃろう?」

ルイージ「兄さんの為に国家予算が使われるのは嬉しい反面
     申し訳なさもありますからね
     元々、あって無いような別荘です」

ルイージ「有効に活用できた、そう考えれば良いんですよ」

オヤ・マー「確か、登山じゃったり、ちょっとした旅行だったかのう」

ルイージ「ええ、兄さんにはゴルフ大会の賞金だとか宝くじが当たったと
     言ってあるので」

オヤ・マー「ふむ、そうか」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/06(土) 23:58:47.16 ID:wssFhaj/O
懐かしい
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/06(土) 23:59:27.63 ID:jgCSYo4N0

オヤ・マー「さて、時にルイージくん、君はお兄さんの記憶が戻る事を
      快くは思っていないのだったね?」

ルイージ「僕に限ったことじゃあありませんよ、大半の人がそうです」


オヤ・マー「"大半"…つまりは少なからず戻ったほうが良いと考える者も
      おるのじゃろうなぁ」


ルイージ「…」

オヤ・マー「のう、ルイージくん、君の一番好きな事はなんじゃ?」

ルイージ「どうしたんですか?突然」


オヤ・マー「わしは当然、お化けの研究や発明じゃな、コレがあってこそ
      わしはわしといえるからのう」フェッ、フェッ




オヤ・マー「…君やピーチ姫達はマリオくんが冒険を
      忘れたままにして、平穏な日々を過ごさせる事が善い…
      そう考えておる」

オヤ・マー「じゃがのう、自分の"生きがい"や"誇り"を忘れて過ごす一生
      果たしてソレは"幸せ"な日々と呼べるか?」




ルイージ「…」




オヤ・マー「君等は"善い"と思う事でもそれが"相手にとっての善い"とは
      限らんのだよ」

オヤ・マー「本当の意味で彼を理解しておるのは
      案外"好敵手"なのかもしれぬ」


ルイージ「…はぁ、クッパですか」


オヤ・マー「わしがお化けや発明を追い求めるのと同じじゃよ
      マリオくんは己の限界を突き破る事を…
      クッパは信念を持ち、マリオくんの打倒を夢見る」

オヤ・マー「老人のお節介かもしれんがのう
      姫様にお伝えなさい、『過保護はあまり良くない』との」

ルイージ「えぇ、伝えときますよ」


オヤ・マー「それと、じゃ」

ルイージ「まだ、何かあるんですか?」


オヤ・マー「さっき、マリオくんの記憶が戻る事を望んでいる者と
      望まぬ者が居ると言ったのう」

オヤ・マー「薄々感付いておるじゃろう、どちらの側にも良からぬ考えの
      者が居る」

ルイージ「今の兄さんは戦えない…それが切欠で協定が結ばれ一時的な
     平和になっている」



オヤ・マー「うむ、"記憶が戻らん間に事を起こそう"と思う者
      逆にこの"平和を永遠に続かせたいと手段を選ばん者"
      …ちと、面倒な話を小耳に挟む、十分に気をつけるのじゃ」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 00:00:25.06 ID:8XDJEZV60
―――
――


ルイージ(『過保護はあまり良くない』、か…)


ルイージ(僕らやピーチ姫が間違ってるのかな?)






「ガッハッハ!随分としけた面してるじゃあねーか、ルイージ!」





 オヤ・マー博士のラボからの帰り道
豪快な笑い声と共に名を呼ばれ振り向けば、そこには…


ルイージ「暇そうだね…ワリオ」ハァ

ワリオ「オイオイ、俺様の何処見て暇だと思うんだ!」

ルイージ「…じゃ、訊くけどさ、ここで何をしてるんだい?」

ワリオ「アァ〜?何ってしてるって? 金儲けだよ!」

ルイージ「両手に持ってるスコップと肥料でかい?」


ワリオ「おおともよ! いいか?今、俺様は非っ常に機嫌が良いからな
    特別教えてやろう」

ワリオ「これはある情報筋から仕入れたんだがよォ!世界のどっかに
    光る地面があんだよ
    そこに金を埋めりゃあ金のなる木ができんだぜ!」



ルイージ(うわぁ、すごくガセっぽい…)


ルイージ「そ、そう、それはすごいねー」

ワリオ「おう!んでよォ、俺様がその情報屋から買い取った地図によれば
    この辺りの筈なんだがよ」

ルイージ「あのさ、他人のやり方に口を挟むのは良かないと思うけど
     言わせて貰って良い?
     そんな事より、真面目に働いたほうが良いと思うよ、僕は…」

ワリオ「ハァ〜?何言ってんだ!タダ金を地面に埋めるだけで億万長者だ
    額に汗して働くなんざぁ、やってらんねぇだろォ!」


ルイージ「あー、うん、そうだね、じゃあ僕帰るから、頑張ってね」


ワリオ「待て待て、此処で出会ったのもなんかの縁じゃあないの
    ちょっと手伝ってくんねぇか?
    成功報酬はちゃんと払うからよォ!(儲けの9分の1ぐらい)」

ルイージ「ワルイージでも誘いなよ、僕も忙しいから」



ワリオ「…ケッ、なぁ〜にが忙しいだ!
      どうせお兄ちゃんのお世話だろうがよォ!」


ルイージ「…悪いかい?」


ワリオ「俺に言わせりゃあなぁ…
    てめぇ等のやり方なんざぁ"独善"よッ!気にいらねぇぜ!」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 00:01:37.30 ID:8XDJEZV60

ワリオ「あー、どっこいしょっと」ドスッ

ワリオ「ずっと荷物持って歩いてたからな、腰が痛くて堪んねぇぜ」

ルイージ「君の言い方は気に入らないよ
     僕やピーチ姫のやっている事が"独善"だって?」


ワリオ「おう!そうだぜ、つーか独善じゃなきゃ、なんだってんだい?」



ルイージ「僕達は兄さんの為にやってるんだよ!
      今のは訂正してよ、流石の僕だって怒るよ!」







ワリオ「ソレだよ!ソレ! そこんとこが"独善"だっつってんのよ」






ルイージ「どういう意味さ?」


ワリオ「…」ゴソゴソ   キュポンッ

ワリオ「作業の途中で飲もうと思ってた酒だ、ちょいと早いが
    積もる話もするわけだぁ、まっ一杯やろうじゃねーか」トクトクッ

ワリオ「ホレ、結構良い酒だぜ、飲めよ」

ルイージ「僕はお酒は飲まないよ…」

ワリオ「んだよ、つれねー奴だなぁ」グイッ


ルイージ「それで…今のはどういう意味なんだい?」


ワリオ「お前よォ、『兄さんの為にやってるんだよ!』って言ったが
    それは"マリオ本人がお願いしたのか?"」

ワリオ「アイツが事故って頭空っぽになりました、それはわぁってらぁ
    んで、身内のお前やピーチが心配すんのも百歩譲って理解しよう


      だがな、アイツに何も教えず、ただ庇護するってだけなのは
     気に食わねぇな!」

ルイージ「君も『過保護はあまり良くない』って事を言いたいのかい?」

ワリオ「…ヒック、まぁ大雑把にいやぁ、そだな」


ワリオ「お前、…いや、お前だけじゃあねぇな
     ピーチもヨッシーもだ、ドイツもコイツも今のアイツの目を
    よぉーく見てんのか?あぁん?」







ワリオ「あんな…、あんな"死んじまったような目ぇ"したマリオは
     マリオなんかじゃあねぇよ」ヒック


ルイージ「…」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 00:07:02.74 ID:8XDJEZV60

ワリオ「てめぇ等が良かれと思ってやってることは
    マリオ自身の尊厳が無ぇんだよ」

ワリオ「本気でアイツの為を思ってんならよォ、何を忘れているかとか
    それを説明して、その上でアイツがどうしたいのかを訊いてだ
     …まずはそれからだろうがよォ」グビッ


ルイージ「…君の意見は参考までにさせて貰うよ、じゃあね」


ワリオ「おうおう、話はまだ終わってねぇぞ、大体だ、お前はなぁヒック
    いつもオドオドしやがってヒック 周りばっかヒック」



枯れ木に向かって説教するワリオを置いてルイージは帰宅した…
    



―――
――



ルイージ「ただいま、兄さん」

マリオ「ああ」ペラッ


ルイージ「お、今日の朝刊じゃないか!」

マリオ「郵便受けに入っていた、今日はまだ見てなかったからな」

ルイージ「面白そうな記事はあったかい?」


マリオ「んー」



・遭難した考古学者のチャールズ氏、遺跡研究チームのクリスチーヌ氏に
 救助される


・大富豪ブッキー氏がマルガリータ夫人との結婚記念を祝して
 メリー・マリー村で盛大なパーティーを開く模様


・海賊ブラックシュガー団、脱獄!?国内に衝撃走る


・サラサ・ランドのデイジー姫、マメーリア王国へ緊急訪問
 警備体制の強化に付き交通機関に遅れが…?




マリオ「これといって面白そうな記事は無い、な…」

ルイージ「そっかぁ」


マリオ「…」

ルイージ「…」


マリオ「ルイージ、何かあったのか?」


ルイージ「へっ!?」

マリオ「いつもより口数が少ないじゃないか、…どうした?」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 00:12:45.21 ID:8XDJEZV60

ルイージ「あ、あー、今日は少し疲れちゃったかなぁって
     レース用のカートのエンジンの調整が予想以上に大変でさぁ」


マリオ「そうか」ペラッ


ルイージ「そうそう」


マリオ「…」ペラッ

ルイージ「…」

ルイージ「…」チラッ

マリオ「…俺に何か言いたいのか?」

ルイージ「…いや、別にそういうんじゃあないよ」

マリオ「お前が何を思っているかは解らん、だが言いたい事は正直に
    言うべきだと思うぞ」





ルイージ「…その、さ
        兄さんは今の生活ってどう思ってるの」




マリオ「…? 今の生活だと?」


ルイージ「普通に暮らして、たまに配管工としての依頼があって
     そんでその賃金で生活してく今の生活だよ…」


マリオ「別段何も思わないさ、収入は少ないがそれなりに
    充実した毎日だと俺は思う」

マリオ「ただ…」

ルイージ「ただ?」

マリオ「…去年ぐらいか、俺が"下水管の修理中に頭を打った、らしいな"
    その頃からずっと違和感がある」


マリオ「ずっと"大切な物を忘れてる"ような感覚でな
     特にそれが最近強くてな」





マリオ「寝ても覚めて、ソレばかり考えてしまって他の事が頭に入らない
    お前やピーチ姫、ヨッシーと遊びに行ったり
    美味い物を食べたりしてる時だってそうだった」


マリオ「最近、何をやっても満たされない
     何をしても面白いとか楽しいって思えないんだ…」


ルイージ「…」

マリオ「どう言えば良いんだろうな…抜け殻みたいに生きてるような
         "生きてて楽しくない"っていうかな…」


ルイージ「兄さん、それは言いっこ無しだ
      生きてる事をつまらないとか言わないでくれ
     僕やヨッシー、それに姫だって哀しむ」

マリオ「…ああ、すまんな」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/07(日) 00:22:14.86 ID:8XDJEZV60
*********************************


          今回は此処まで!



         [以前書いた事]


    ルイージ達はマリオが記憶を失ったのは

    配管修理中のトラブルが原因と嘘をついています





  当然、ながらマリオは自分がトレーニングをしていた事

  "何のために自身の肉体を鍛えていた"のかも、本当の原因も




 知らずに日々(他者はマリオが楽しんでくれてる、っと勝手に思い込んでる)
     【無意味な人生】を 送り続けてます





      "幸せの価値観"は人それぞれなのです…





  ほんとうの しあわせは そのひとにしか りかいできない 。



*********************************
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/07(日) 00:48:09.90 ID:Clos6dfD0
懐かしいな。確かレースでキノピオ辺りが事故ったところまでは読んでた記憶がある。ぜひ完結させてください
26 :>>25 ありがとうございます、必ず完結してみせますので…! [saga]:2017/05/09(火) 21:22:51.50 ID:62Mg6pkT0

ルイージ「…兄さん、あのさ
            兄さんは――」


ルイージ「…」


ルイージ「…ごめん、やっぱさ、なんでもないや」


マリオ「…?」


ルイージ「ちょっと外でラケットの素振りでもやってくるよ!
      テニス大会は明後日だしね!」


マリオ「もう、陽も落ちてしまうぞ」

ルイージ「いいの、いいの!そうでもしなきゃ
     我等がスーパーマリオ様にはとても敵わないからね」ドタドタ


マリオ「…ふぅ、忙しないなぁ…」

マリオ「…」

マリオ(今の生活…、か)

マリオ(どうして、"楽しくない"って感じるのだろうな
    決して悪い物では無い筈なのに)

マリオ(…俺の思い過ごしか? 以前よりルイージやヨッシー、姫達が
    何処か遠くに感じるような気がする)

マリオ(何か、俺に"隠し事"でもしてるような、他所他所しさを感じる)


マリオ(…、いや、止そう
     身内を疑うなんてな、俺も疲れてるのかな?)













       ‐ 僕はどうしたいんだろうか?  —

ルイージ「…」


『君等は"善い"と思う事でもそれが
 "相手にとっての善い"とは限らんのだよ』

『てめぇ等のやり方なんざぁ"独善"よッ!気にいらねぇぜ!』

『あんな"死んじまったような目ぇ"したマリオは
   マリオなんかじゃあねぇよ』




ルイージ(僕達のやり方は兄さんの尊厳を無視している…か)

ルイージ(家族として知らせない方が"正しい"僕はそう思ってた)

ルイージ(でも実際は違うのだろうか…)



ルイージ(…)



ルイージ(…決めた、テニス大会だ、大会に日にピーチ姫に相談しよう
       ヨッシーも他の皆も来る筈だ、もう一度皆で話し合おう!)
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/09(火) 21:25:40.17 ID:62Mg6pkT0
―――
――


ザアァ… ザアァ…

「ンン〜!いいねぇ、この波の音…やっぱ俺達は海に出てこそよ」
「ははは、同感だぜ!」
「おい、静かにしろい、キャプテンが来るぞ・・・!」


「此処だ、此処で良いから降ろしてくれ」

「あら、此処でイイの?」

「構わねぇさ、それより迎えの日は分かってるよな」

「ええ、確かに"明後日"、此処で"あんた等"を迎えに来ればいいのね」

「そうだ…、俺の荷物を寄越してくれ」

「はいはい、お前達、お客さんが下船するよ! 荷物をお返し!」



「…へっへっへ、ありがとよキャプテン・シロップ」


シロップ「にしても、"あんた等"も変な奴等だね、こんな雪山で
     降ろして欲しいだなんてさ、オマケに…
     なんだい、その荷物は?

       アタシにゃ唯の"枕"にしか見えないけどねぇ」


「"枕"が変わるとイイ夢見れないんでね…俺達は」

シロップ「ふぅ〜ん、まぁなんでもイイんだけどね」

「"明後日"はちゃんと迎えに来いよ」

シロップ「もちろんさ、"あんた等"を雪山まで送迎する、それっぽっちの
     お駄賃でアタシ等は豚小屋から出れたんだ、喜んでやるわよ」

「何事も、世の中助け合いだからなぁ、ギブ&テイクさ」

シロップ「助け合いねぇ〜、これからデカイ事やろうって奴が
     よく言うもんだ」

「はっはっは、じゃあな船長、また明後日に会おうぜ!」



「やっとあの連中ともオサラバですわ」
「キャプテン、これからどうしやすかい?」


シロップ「そうだねぇ、デンプーのランプを探す前に近場の民間船でも
     襲って酒盛りと行こうじゃあないの」ジュルリ


「おおー!流石キャプテン」
「最高ッスよ!」
「酒だ酒だ!」
「金目のモンを奪い盗ってやろうぜ!」


シロップ「うふふ、選り取り見取りと行こうか」


シロップ(ランプを手に入れたら、あのギザヒゲにリベンジを挑むのも
     悪くないわねぇ)





シロップ(にしても…物騒な連中だったわねぇ)

シロップ(アタシ等も人の事言えた義理じゃあないけど、さぁ…)

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/09(火) 21:31:14.39 ID:62Mg6pkT0




































シロップ(   流石は"クッパ軍団"と言った所ね

        協定を組んで平和、平和と謳っておきながら

      影で本格的な戦争に向けて再軍備をしてるなんてねぇ)





























ザザァン……っ
          ザザァァン…っ



 小さな波風に揺られ、海賊船【ティーカップ号】は錨<イカリ>をあげる…
穏やかな磯の香りをその身に受け、乗組員は大海原へと還っていく


"穏やか"と言う言葉とは全く以って不釣り合いな客人を下ろして…
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:05:41.83 ID:YKGKvuE90


 テニス大会当日、…TVじゃ降水確率は7割強と報道されたが
気象予報士の予測に反して空は今だに曇り空なだけであった



       スパンッ!



「ゲームセット!勝者【ルイージ選手】」

  ワァー ワァー カッコイイ マリオサーン! キャールイージサーン! エッマリオジャナイノ!?

ルイージ「イエーイ!皆さん、ご声援ありがとうございますっ!」

マリオ「ようルイージ…次で決勝進出だな」

ルイージ「そうだね!しっかし、僕は運がイイねぇ〜
      なんてったってくじ引きの結果此処まで兄さんと1戦も
     当たらなかったんだから
     こりゃあ"流れ"が僕に来てますよ」

マリオ「ちっと大袈裟に喜び過ぎじゃないか?」

ルイージ「チッチッチ、僕にとって今大会最大の強敵は
     スーパーマリオって訳でね、大袈裟でもなんでもないさ!」



ルイージ「決勝で叩きのめしてやるから覚悟しなよ…っ!」グッ

マリオ「ふっ…無論だ!俺もハナっから本気で行かせて貰う」




スタスタ…
           スタスタ…





ルイージ「…はぁ〜」ドスン

ルイージ「あんな事言ったけど、自身無いねこりゃ…」


ヨッシー「地べたに座り込んでどうしたんですか?」


ルイージ「いやね、これはアレだよアレ、ちょっと床に座って精神統一を
     してるだけなのさ」

ヨッシー「はいはい」

ヨッシー「それで、最近"流れ"が来てらっしゃるルイージさん
     僕に何の御用ですか?」

ルイージ「なんだい、聴いてたのか」

ヨッシー「チラッとですけどね」


ルイージ「…」


ルイージ「今の兄さんの顔、君には"どんな風に見えた"」


ヨッシー「マリオさんの顔ですか…?」

ヨッシー「……そう、ですね」


ヨッシー「すごく、生き生きとした顔、でしたね」


ヨッシー「まるで冒険してた頃のような
     どんな逆境も勇敢に立ち向かっていく…そんな意思が見える」

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:13:32.16 ID:YKGKvuE90

ルイージ「…」


ルイージ「そ、か…やっぱ、そう見えちゃうのか…」ポリポリ



ルイージ「ちょっと前にワリオや色んな人に言われた事があってね
     僕は、さ…色々と考えたんだ」

ルイージ「何が兄さんの幸せなのかって事を
     この先、どうしてくのがベストなのかを」

ルイージ「さっきの顔、決勝戦で僕と戦うって時に見せた顔は
     君の言う通りだ、長く見せてくれなかった生き生きとした顔」

ルイージ「きっと、本能みたいなモンなんだろうね
     強敵と闘う感覚…記憶に無くても身体はソレを覚えている」



ルイージ「僕は、…この大会終わったら姫達に相談するんだ
       兄さんに真実を打ち明けるべきなのかもしれないって」



ヨッシー「ルイージさん…」











ヨッシー「自分で自分の事"強敵"とか言っちゃうのはどうかと思います」

ルイージ「ちょ!? そこぉ!? 今、僕シリアスだったよね!?
     思いっきしシリアスな話してたよねぇ!?」


ヨッシー「冗談はさておきルイージさんは
     マリオさんに真実を打ち明けたいんですね?」

ルイージ「あの人は…何時だって僕の目標だった、超えるべき壁だった
     身内として家族には死んで欲しくないって気持ちとは別に
     目標に消えてもらいたくないって考えが少なからずあったさ」

ルイージ「いつかは、日陰者でも永遠の2番手でもない
     本当の意味で追いつきたい追い越したい気持ちがある」


ルイージ「そう考えてたら、なんとなく
      …うん、単に解った気になっただけかもしれないけど
     クッパ達の気持ちが少しだけ分かった気がするんだよ」


ヨッシー「…」

ルイージ「身内だから守りたい、家族だから助けたい」

ルイージ「そう言いつつも、僕は心のどっかじゃあ
     そんな自分勝手なエゴで兄さんを庇護してたんだって思った」


ルイージ「嫌な人間だろう?」


ヨッシー「僕にはなんとも言えませんね」

ヨッシー「人間は感情の生き物です」

ヨッシー「純粋な善意もあればそういう利己的な面のある少し歪な善意も
     あります、"人間ならあって当然"なんですよルイージさん」

ヨッシー「僕は別にルイージさんを軽蔑したりしませんよ?
     むしろ真っ当な人間らしさを見て安心してますもの」

ルイージ「そうかい?」

ヨッシー「そうですよ!ルイージさんは少しネガティブ過ぎるんですよ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:15:39.43 ID:YKGKvuE90

ルイージ「ふふ、君に励まされるとはね」

ヨッシー「ルイージさんが落ち込み過ぎるとネガティブゾーンが
     発動しますからねぇ、皆、ふっとびますよ」

ルイージ「え、酷くね?」

ヨッシー「はっはっは、冗句ですよ冗句!」

ヨッシー「それよりも、もうすぐ試合始まっちゃいますよ?
     行かなくて良いんですか?」

ルイージ「へ?……うおっ!?本当だ!」ダッ


ヨッシー(頑張ってくださいよルイージさん…)




ルイージ「ヨッシー!」クルッ


ヨッシー「?」


ルイージ「そのさ!本当にありがとうね!」クルッ ダッ


ヨッシー(…)

ヨッシー「ふふ、私は外の出店でも回りますかねぇ」トテトテ


―――
――



マリオ「…来たか、ルイージ」

ルイージ「もちのろんだね!あー、あー、おほん
      観客席の皆様ーっ!皆のスーパースタールイージさんの
     ご登場です!!さぁ、さぁ熱いご声援をお掛けくださいィ!」


 ウォー ワァー  ルイ-ジ! ルイージ! ミドリノヒゲ! ルイージ!


ルイージ「ん〜!良いね、このファンの声援を受けて僕が兄さんを倒す!
     そして、此処に新たなNEWヒーロー誕生ッ!みたいな感じに
     なっちゃう訳だ、燃えるねぇ〜!」

マリオ「おっと、悪いがそういう訳にはいかんぞ?
     俺にも兄としてのプライドがあるんでな、お前には負けんさ」


      ゴゴゴゴゴ…

                ドドドドド…


ルイージ「たまには弟に勝ちを譲ってくれても良いんだぜ?」

マリオ「俺は大人気ないんだよ、諦めろ」


 二人はテニスコートに立つ、丁度ぽつぽつと小さな水滴も濁り空から
 落ち始めましたが、試合をする上での問題は一切ありませんでした


ルイージ(超えるべき人…僕の目標…っ!)

ルイージ「兄さん!勝たせてもらうよ!」

マリオ「来いッ!」

           スパンッッ!!
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:17:09.54 ID:YKGKvuE90
―――
――


ワアァァァーーー  


ヨッシー「おや? 会場が盛り上がりましたねぇ、始まりましたか」パク

ヨッシー「あ、店員さん、この人形焼おみやげにもう一箱くださいな」

ヘイホー「イイヨー」つ【人形焼ヘイホー(カスタードクリーム)】

ヨッシー「はい、御代です」

ヘイホー「マイドー」

ヨッシー「いやぁ、本当に美味しいですねぇ、粒餡もいいですが
     クリームも美味!ヘイホーそっくりな見た目も
     食欲をそそられますねぇ!」ジュルリ

ヘイホー「ナニ コノ オキャク コワイヨー」ガタガタ

ヨッシー「ん?あれは…」










テレサ「フハハハハ!隣国の遣いよ!中々の健闘ぶりであったぞ!」
   (試合見てましたよキノピオさん!お疲れ様です)


キノピオ「ははは…一回戦目でルイージさんと当たっちゃって
     負けちゃいましたけどね…やっぱり情けないですよね」


テレサ「結果に拘るなどと具の骨頂…結果を求めたという過程こそが
    至高の心理であろう」
    (ううん!そんなことありません!キノピオさんは頑張りました
     勝ち負けなんかより、一生懸命戦った事が大事ですよ)

キノピオ「そういって貰えると嬉しいですね…」

テレサ「時に隣国の遣いよ…」
   (あのう…キノピオさん)

テレサ「我、自らの魔力を以ってして、命への捧げ物を作ったのだが
    今だ、誰の体内へも捧げておらぬ、毒見をする勇気はあるか?
    …無理強いはせぬがな!」
   (今日、お弁当を作ってきたんですけど
    その…私が味見しただけで、誰も食べてないんです
    他人の感想が欲しいので食べてもらえませんか?
    あっ…無理ならいいです!)


キノピオ「へぇ、テレサさん、お弁当を作ったんですか?
     僕なんかで良ければ喜んで食べますよ」ニコ


テレサ「う、うむ!そうか!」
   (あ、あう…///)










【物陰】
 クリボー「裏山死ねッ!!!」




ヨッシー「君は何をやっているんですか?」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:20:39.34 ID:YKGKvuE90

クリボー「うおおお!?」ビクゥ

ヨッシー「いやいや、そんな露骨に驚かなくてもいいじゃないですかー」

クリボー「あ、いや、なんつーか俺は基本的にアンタさんには
     良い思い出が無いッスからね・・・」

ヨッシー「大丈夫、大丈夫、食べたりなんてしませんよ!
      ヨッシー ウソ ツカナイ」パクパク

クリボー「ヘイホーにくりそつな人形焼
     食いながら言われても説得力無いッス」

ヨッシー「時にクリボー君はどうして此処に来てるんですか?」

クリボー「ああ、テニス大会の出店の手伝いッスね!
     この辺の屋台なんかはうち等クッパ軍団が経営してるんで」

ヨッシー「おお!そうでしたかぁ!ご馳走様でした!」

クリボー「…その様子だと
     もう何軒か屋台の物を全部食い尽くしたっぽいッスね」

ヨッシー「ボム兵さんトコのたこ焼きやジュゲムさんのわたあめ
     あっ、無論、ハンマーブロスのチョコバナナも頂きました」

クリボー「売れ残りは無さそうッスね!」

ヨッシー「はっはっは、次はパックンフラワーさんトコの…おや?」

クリボー「? どうかしたんですかい?」


ヨッシー「あー、いえね、そういえばクッパ軍団の皆さんって全員此処に
     来てるんですか?」

クリボー「あー、その"予定"でしたわ…」

ヨッシー「"予定"…?」

クリボー「なんか、数名、屋台の手伝いに来れない連中が居るらしくて」

ヨッシー「"来れない"というのは何故ですか?」

クリボー「さぁ? 有給使って旅行って奴や体調不良で来てないのが
     多いって聴いてるッス、俺もサボりてーッス」

ヨッシー「ふぅむ、どうりで屋台の数が少ないと思いましたよ…
      クッパ軍団を全軍総動員させれば飲食店も
     この倍、いや3倍になった筈…ぐぬぬ」

クリボー「食うことしか無いんスか?」

ヨッシー「まぁ、いいでしょう私は引き続き
      出店のはしごをするとしましょう」

クリボー「飲食店以外も見て行って欲しいッス!」

ヨッシー「…ふぅ、仕方ありませんね…」

ヨッシー「ではワンワンのケーキ早食いショーでも観ましょうか?」

クリボー「ワンワンからケーキを取り上げないようにお願いします!」










―――
――


「やっと、掘り当てたな」
「ああ、後は氷を溶かすだけだ」
「お楽しみはこれからだなぁ…ハッハッハ!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:27:52.61 ID:YKGKvuE90

「傷つけん様に気をつけて運べよ?"コイツ等"は大事な戦力になるんだ」

「「了解です!」」




「さて、お前達、よくぞワシについて来てくれた!」

「…かつてワシ等には誇りがあった、栄光のクッパ軍団の一員として
 また、武を重んずる戦士としての誇りがあった!」

「闘いこそが全て、勝利の余韻、戦士を称える名声こそが
 ワシ等の人生そのものと呼べた!」


「…だが、それは過去の話よ!ワシ等の主君クッパ様にはかつての覇気は
 無く、ただ堕ちたとしか言いようが無い!」

「諸君!
  故にこれは決して主君への謀反に非ず!
   かつての…クッパ軍団の輝かしき黄金時代を取り戻す為の行為!」

「我等が主にあるべき姿に戻っていただく為の行為であるッッ!」




「「「「うおおぉぉぉぉっ!」」」」





「全ては主君の為! 全てはクッパ軍団の輝かしき栄光と覇権の為!」


「その為ならば、ワシのような"老兵"であろうと
  この身を粉にしてでも…最後まで闘い抜く事を宣言するッッッ!!」


「クッパ軍団、万歳! クッパ軍団に栄光あれッ!」


ウォー!    ウォー!  ウォー! バンザーイ!


「諸君!、あの忘れえぬ日々を取り戻す為に!
    今一度、諸君の力を貸していただきたい!」




ウオオオォォォォォー!   ウオオオォォォォォー!   ウオオオォォォォォー!



(…これで、ワシの長きに渡る"夢"を取り戻せる…っ!)


(これは決して謀反では無い、ワシの行動は全て名誉の為
  全ては絶対の忠義から来る物、今一度…
 クッパ軍団の力を知らしめて見せましょうぞ!)




―――
――


マリオ「はぁッ!」smash!


      スパンッ!


ルイージ「ぐっ!?」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:30:09.83 ID:YKGKvuE90

「ゲームセット!勝者【マリオ選手】」


ルイージ(…っ!負けたか!)


ルイージ「兄さん…!イイ試合だったよ!」

マリオ「それは俺の台詞だ
    さっきのショットは打ち返されたらどうしようと考えた程だ」

ルイージ「そう言って貰えるとは光栄かな、さて…
     あとは表彰式でカメラマンの前でピースして終わりだね!」

マリオ「そうだな」

ルイージ「はは、まだ時間もあるし、僕はちょっと水でも飲んでくるよ
     喉カラカラじゃあ、インタビューの時に僕の美声を
     聴かせらんないからねぇ!」

マリオ「はっはっは、相変わらずだな!」

ルイージ「そんじゃ僕はちょっと失礼しちゃうよ〜!」スタスタ




ルイージ(…)スタスタ

ルイージ(…はぁ、やっぱり遠く及ばないなぁ)トボトボ


ヨッシー「イイ試合でしたね〜」サクサク


ルイージ「やぁ、ヨッシー…負けた僕を励ましにでも来たのかい?」

ヨッシー「まぁ、そんなトコですね、あっ、パックンサブレ食べます?」

ルイージ「はは…一枚貰おうかな」サクッ

ヨッシー「どうぞどうぞ」サクサク


ヨッシー「で、どうです?」

ルイージ「え?突然、何?」


ヨッシー「マリオさんですよ、マリオさん
     やっぱり、活き活きとしてましたか?」

ルイージ「ああ、あんな感じで誰かと競ったりしてる時が一番
     輝いて見えるよ、自宅でのんびりしてる時よりも
     姫達と遊びに行くときよりも一番、ね」

ヨッシー「何が正しいかなんて、誰にも分からない
     良かれと思ってやった事が失敗だったり
     やらない事が失敗に繋がりもします」

ヨッシー「"自分が"正しいと思う事が正解なんですよ
     さっきの試合で本来のマリオさんの生き方に戻す方が良しと
     感じたならそれで"正解"なんですよ」

ルイージ「…そうだね

       …弟として心から家族を心配している、できるなら
     また命に関わる無茶させないのがベストだと考えたさ」

ルイージ「でも…ワリオが言う通りなのかもしれないな
      今の兄さんは本当の意味で生きてないのかもって」



ルイージ「僕が間違ってたのかもしれないってさ」





ヨッシー「…間違ったなら直していけば良いんですよ」

ヨッシー「"違ったなら直す"それが人間ですもの」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 00:54:30.37 ID:YKGKvuE90

ルイージ「やれやれ…なんだか最近、君には色々と愚痴を零したり
     悩みを相談してばかりな気がするよ」

ヨッシー「同じ緑色のよしみって奴ですよ!
     まぁ、そこら辺の茂みの色と同化してしまう程
     緑が似合う、ルイージさんには適いませんけど」

ルイージ「ちょ!それ褒めてるんだよねぇ!?
     貶めてるんじゃなくて!?」

ヨッシー「ルイージさん、そろそろ表彰式じゃないですか?
     こんな床で油なんか売ってて良いんですか?」

ルイージ「へ?あっ、もうこんな時間じゃん!」

ルイージ「なんか釈然としないけど僕は失礼させてもらうよ!」ダッ



ヨッシー「ふぅ…忙しないですねぇ」

ヨッシー「おや?」



チャールズ「――」



ヨッシー「つかぬ事をお伺いしますが考古学者のチャールズさんですか」

チャールズ「うん?そうですが君は…えっと誰でしたかな?」

ヨッシー「初対面で失礼します
     僕はヨースター島から来たヨッシーです」

ヨッシー「マリオさんと面識があるお方と聴いていたものでして
     お声を掛けた次第です」

チャールズ「ああ、そうでしたか」

ヨッシー「チャールズさんもテニス観戦でしょうか?」

チャールズ「ええ、以前雪山で酷い目に遭いましてな
      気分転換も兼ねてのテニス観戦です」

ヨッシー「酷い目?」


チャールズ「はい、私はご存知かもしれませんが考古学を専門としており
      雪山を探索中に遭難してしまったのです」

チャールズ「私はどうにか、ゴロツキタウンから来た遺跡研究チームに
      救助され事なきを得ましたが…いやはや」

ヨッシー「それは災難でしたねぇ…」

チャールズ「はぁ、気分転換も兼ねて大会を見に来たのですが
      どうにも運が無いというか…私が行った食べ物の出店が
      全て売り切れていたり、踏んだり蹴ったりですな」

ヨッシー「それは災難ですね」


チャールズ「この分じゃ、雪山の埋蔵物も誰かに
      発見されてるかもしれません…」

ヨッシー「…?雪山の埋蔵物ですか?」



チャールズ「ええ、科学の進歩と言いますか
      少し前にあの雪山の地中深くに金属が埋まってると
      判明したんですよ」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 02:02:15.42 ID:YKGKvuE90

ヨッシー「金属が埋まっている…というとお宝があるという事ですかね」


チャールズ「それを調べるのが私の仕事ですよ!」キラキラ


ヨッシー「は、はぁ、すごく目を輝かせますね?」

チャールズ「ロマンが埋まってるのです!夢が埋まっているのですよ?」

チャールズ「年甲斐も無く興奮してしまいますよ!」


チャールズ「まぁ、発掘できませんでしたが…」

ヨッシー「ま、まぁまぁ、それで埋まってるお宝が何かとか解ったり
     するんでしょうか?」


チャールズ「…そうですな、調べた情報を元にすると
      山に大昔の王様が埋蔵金を埋めたと言う情報はありませんが
      何十年だか前に空から何かが降ってきたという話があると」


ヨッシー「"何か"ですか?」

チャールズ「ええ、あの雪山はあまり人が寄らない所でして詳しくは
      解りませんが、情報を整理すると宇宙からの鉱物が
      あるのでは言う見方もあります、ロマンに溢れてますな!」

ヨッシー「そ、そうですねぇ」

チャールズ「そう、そうロマンと言えば―――」


      クドクド   アレガ アアデ   スバラシイ ト

ヨッシー(…な、長い!)


チャールズ「という訳です!」


ヨッシー「そ、そうですねぇ〜、では僕はこの辺で―」
チャールズ「あー、言い忘れてました!」


ヨッシー「ま、まだあるんですかぁ?」

チャールズ「ええ、これを語らずして何が考古学者と言えましょうか!」

チャールズ「そんな訳で、マリオくんが私にくれたグツグツ火山の―」


ヨッシー(ダレカタスケテェー)


―――
――



「船に発掘した物を積み込む作業完了いたしました!」

シロップ「はぁ…大したもんだよアンタ等」

「キャプテン・シロップもう出航しても構わんよ」

シロップ「アタシ等の船にこんなモン乗せて欲しくは無いんだけどね
     まぁ、良いわ…お前達、船をお出し!」




(ワシ等が発掘した"コイツ等"…以前クッパ城で見たのと同じじゃ
  コイツ等の脅威はワシも知っておる…存分に働いて貰おうか!)
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 02:03:36.70 ID:YKGKvuE90





          氷から発掘された"彼等"…

    彼等は"昔"キノコ王国へやって来た事がありました…

"彼等"は災厄でした、"彼等"と"彼等の指導者"は遥か彼方から来たのです

ですが"昔"の英雄<ヒーロー>と"今"の英雄<ヒーロー>の"4人"が災厄から国を救い

      キノコ王国に平和が訪れたと思われました




         これは【過去からの忘れ物】…




"彼等の指導者"を倒し、"鎮魂歌を奏でる姉"をも絶ち、最後は"涙の雨"で

       全てを洗い流し、終わらせた筈でした…



              しかし



まだ、終わってはいなかったのです、"彼等"はまだ"残って"いたのです

     "彼等"は隕石のように地表へ墜ちていきました

  日の光も当たらない凍てつく大地に埋もれるように墜ちました

   洗い流すための"涙の雨"も氷に埋もれた"彼等"までは届かず

          "彼等"は生き永らえたのでした


  そして、時は流れた今、氷に覆われ動けずにいた"彼等"は動き出す

       再び、この国に災厄をばら撒く為に!


      そう、これは【過去からの贈り物】です




    今、災厄達は再びキノコ王国に彼等は姿を現すのでした!


39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/10(水) 03:51:04.13 ID:YKGKvuE90
*********************************


           今回は此処まで!


*********************************
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/12(金) 22:28:48.87 ID:W+IczPcH0

「キャプテン、次はこの地点に向かってくれ」

シロップ「んー?、なんだい此処は昔の合戦所じゃないか」

「ああ、此処にはワシ等の"忘れ物"があるんでなソレを取りに行きたい」

シロップ「…言っとくけどこの船にはこれ以上荷物は乗せらんないよ」

「構わん、アレはデカ過ぎて船に乗り切らんさ」

シロップ「まぁ良いわ…地図を見た限り、早くて二日は掛かる良いね?」

「応、ワシ等はちと早いが眠りに就かせてもらうぞ」


ガチャ…ギィ


(さて、今日も良い夢が見れるかのう?この"枕"は手放せんわい)


―――
――



ルイージ「――以上が僕の意見です」


ピーチ「…」
キノじい「…」

ヨッシー「最終的な判断はピーチ姫がお決めになることです
     現状維持か、それとも話してしまうのか」


ピーチ「…」

ピーチ「私に、少しだけ時間をください」

ルイージ「…どうぞ」

ピーチ「ありがとうございます」


ヨッシー「僕とルイージさんは部屋の外でお待ちします
     答えがお決まりになりましたら呼んで下さい」ガチャ




ピーチ「…キノじい」

キノじい「はい」


ピーチ「私は…酷く高慢な女性なのでしょうね」

ピーチ「今まで、マリオを苦しめたくない、そんな私情で国の財を使い」

ピーチ「あまつさえ彼を苦しめていた事にも気付いていなかった」

ピーチ「国の代表ともあろう者がこれでは――」


キノじい「姫」


キノじい「お言葉ですが言わせて頂きます
     姫が今しがた仰る通り、確かに姫の行いは民を導く者として
     善いとは言い難いものです」

ピーチ「そう、ですよね…」

キノじい「国の英雄<ヒーロー>の為、国税を使った
     一見聞こえは良いでしょうが…言い換えれば
     "一人の異性の為に民の血税を使った"とも言えましょう…
     それでは暴君君主と同じ振る舞いです」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/12(金) 22:30:12.62 ID:W+IczPcH0


ピーチ「…はい」


キノじい「…」


キノじい「姫様、今から言う事は老人の戯言ですじゃ
     聞き流してくれても構いませぬ」

ピーチ「…?」


キノじい「私は姫が生まれた時よりお世話をさせて頂きました」

キノじい「姫は覚えておいででしょうか?その昔、キノコ王国に
     "ゲドンコ"達がやってきた事を?」


ピーチ「ええ」


キノじい「…あれはまるで…悪い夢を見ているようで…
     老いた今でも鮮明に思い出せますぞ」

キノじい「あの時は民は無論、私自身も何度ここまでか…と諦めかけたか
     分かりませぬ、ですが…
     姫だけはこの身に代えてもお守りしようと誓っておりました」



キノじい「妻子を持たない私にとって
     姫は目に入れても痛くない我が娘同然の存在でしたからな」



ピーチ「じい…」


キノじい「姫の行いは確かに国のトップとしてあってはならぬ事
     それを承知の上で私は今日まで黙認致しました…」

キノじい「この国の代表であられる以前に姫は一人の人間…いえ女性です
     ならばこのキノじいに姫の想いを否定できましょうか?」

キノじい「確かに間違ったかもしれませぬ、ならば
     ここからは間違わなければ良いのです」

キノじい「国民も英雄たるマリオ殿を愛し、また姫の事も同じく愛して
     おられます、故に国税が使われる事にも異を唱えませぬ」


キノじい「国民が納得した上での政策ならば、それは暴君の政に非ず
     姫が自身を高慢な女性と思うのは早計ではありませぬかな?」



ピーチ「…ごめんなさい」ポロポロ



キノじい「…涙をお拭きなされ、姫には笑顔が似合います」

ピーチ「…っ、…っ、はい…はい…」ポロポロ



キノじい「ルイージ殿、ヨッシー殿、どうぞ、お入りください!」


ガチャ…っ!


ルイージ「はい」
ヨッシー「お心はお決まりですか?」

ピーチ「…はい」



ピーチ「今度のレース大会終了直後…最後に…
      最後に盛大なパーティーを開き
            …マリオに真実を打ち明けます」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/12(金) 22:31:57.72 ID:W+IczPcH0

ルイージ「ピーチ姫…申し訳ありませんでした」
ヨッシー「辛い苦悩の末、ご決断感謝いたします…」


ピーチ「マリオは…今マリオはどちらに?」

ルイージ「兄さんは先に家に帰らせています」


ピーチ「そうですか…じい」

キノじい「はい」

ピーチ「テニス大会の後処理があるのは分かります、ですがパーティーの
    手配の方をお願いします」


キノじい「ええ、英雄<ヒーロー>の為…最後の休息
      壮大なパーティーに仕立て上げようではありませんか!」





 この日、マリオを除く殆どのキノコ王国国民にパーティーの話
   知らされるのは直ぐの事でした…多くのキノピオ達は
          準備のために大忙しです

 "キノコ王国がクッパ軍団と協定を組んで続いたこの一年近くの平和"

     その最後を締めくくるのは壮大なパーティーです


  英雄<ヒーロー>が全てを思い出せば、再び戦いは始まるのでしょう…
          だからこそのパーティーです


マリオもクッパも キノピオもクリボー達も…ヨッシーやヘイホーだって
皆そうです、"敵味方なんて関係ない"のです

        誰も彼もが争いなんてしない世界
   皆が手を繋いで、笑いあって同じ空間に存在していられる…

     【英雄<マリオ>が大事な事を忘れてしまった世界】

【テニスやゴルフにパーティーばかりで大切な何かを忘れていた世界】

でも…きっと、そう…そんな世界も決して悪いものでは無かったでしょう

 たとえ明日には互いに争いあう世界だとしても
この時間はかけがえの無いものに変わりは無いはずです

 "冒険を思い出す"前に壮大なパーティーにしようではありませんか!

  フィナーレを飾るまで…! 時計の針が0時を過ぎるまでの間…!

 誰一人として笑顔を絶やさない、そんな素敵な魔法の時間を紡ごう!


=================================


キノピオ「というわけで来ていただけますか?」

テレサ「闇を統べる我を誘おうとはな!良かろう!
    同胞達と共に貴様等の宴に参加してやろうではないか!」
    (は、はい、こんな私なんかで良ければパーティーに
     駆けつけます、先輩達も行きますよね?)

クリボー「イイッスね!(この機に俺も彼女作りたい!)」

ノコノコ「ふむ、有給はまだ残ってましたかな…」ウーム


キノピオ「あっ、そういえば皆さん、この辺で良い音楽家に
     心辺りはありませんか?」


クリボー「ん?なんで」


キノピオ「パーティーの準備にあたって最高の音楽家をご招待しようと
     決まりまして」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/05/12(金) 22:33:41.27 ID:W+IczPcH0

ノコノコ「最高の音楽家ですか…私はそういうのは疎いものでして」

クリボー「なんかこう、バンドとか良いんじゃないッスか?こうエレキ
     とかドラムでドジャ〜ンっ!みたいな?」

テレサ「我は英知を司る仙人の住まう湖にて悩める作曲家を
    推させてもらおうか!彼奴ならば納得のいく音色を奏でる筈」
   (そうですねぇ、ケロケロ湖のキノコフスキー先生なんてどうです
    オーケストラー調の音楽とか雰囲気が出て良いかなーって)




「ガッハッハ、なんだか金の匂いがするじゃねーか!」





「「「「あっ!」」」」


ワリオ「俺だよ!ワリオだよ!」

クリボー「ワリオさんじゃねーッスか」

キノピオ「どうしたんですか?手にスコップと肥料なんか持って?」


ワリオ「…あー、気にすんな、これはちょっと事業に失敗しただけだ」

キノピオ「…?はぁ、分かりました…」

ワリオ「んな事よりよォ、お前等良いバンドメンバー探してんだって?」

ワリオ「実はよ、知ってんだぜ…安い料金でかなりの質の高い公演を
    やってくれるメンバーをよォ!」

キノピオ「えっ、本当ですか!?」


ワリオ「おうおう!本当本当!んでよ、紹介してやっても良いんだが
    紹介料を払って欲しいのよ分かる?」

キノピオ「え、…えぇ、はい、音楽家の方を雇うのに500コインまで
     使って良いと…」

ワリオ「よォ〜しなら、話は早い紹介料で50コイン、更に俺がソイツ等に
    話付けてやろう!交渉、その他諸々でプラス300コインだぜ!」

ノコノコ「それは横暴ではないか?」


ワリオ「オイオイ、言っとくがこいつぁかなり良心的な金額だぜ!
    合計350コイン、この国じゃ何処探しても400コインが良いとこ
    こォ〜んな最高の取引は早々ねぇぞ!」

キノピオ「う〜ん、分かりました…何だかんだでワリオさん人を見る目は
     ありそうですし」

ワリオ「へへ、毎度!」コイーン








ピポパ…とぅるるるるん、とぅるるるるん!


ガチャ

ワリオ「あっ、もしもし、俺俺、俺だよワリオだよ!」

ワリオ「実はいい話があんだよ…」

―――
――
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