佐藤心のすったもんだ

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1 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:33:54.28 ID:BGljWOh70
アイドルマスターシンデレラガールズ 佐藤心 のSSです

18禁シーンを含んでおりますのでご注意ください
2 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:35:12.21 ID:BGljWOh70

◆◇◆◇◆◇◆


「マジ…?」

これ、なんていうんだっけ? 床ドンだっけ? 下がベッドの場合でも床ドンって呼んでいいのかな…?
じゃなくて!


「お、おいおい…落ち着いとけー?」


そう! 落ち着かなきゃ☆ って別に自分に言ったワケじゃないんだけど!


「なんでそんな驚いた顔してるんですか? ヤるって言いましたよね?」

「え、えー? そうだっけー? はぁと、忘れちったー☆」


何の意味もなさそうな誤魔化しをしながら目を逸らすと、自分の部屋とは違って白いクロスの貼られた天井。
シーリングライトでけぇ〜…そんなことを頭の中で呟いてすぐにそういう状況じゃないって改めて思い知らされる。
Pの手が今現在はぁとが唯一身に着けているバスタオルを解きにかかっていたから…ってこのヤロー、マジで担当アイドルに手出すつもりー!?


「ちょ! ホンっトにするつもり…?」

「なんなんですか? シャワーまで浴びといてやっぱりナシとか勘弁してくださいよ?」

「いや、そのぉ…」


そのためにシャワー浴びたわけじゃないんだけど…。その証拠にほら見ろよ☆ お化粧だってばっちり落として…やっぱ見るな!


「ちょーっとだけ待って? ていうか待てよ☆ 待って☆」


はぁとを素っ裸に剥こうとするPの手は止まるも、いまだ貞操の危機真っ只中!
精一杯平静を装いつつ、このピンチをどうにか切り抜けるヒントを見つけるため、佐藤心ことしゅがーはぁとは状況のおさらいをするのであった☆

ん〜〜でもヤバげかも…?
3 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:36:37.18 ID:BGljWOh70
◆◇◆◇◆◇◆


「シンデレラといえばガラスの靴ってことになってますけど、心さんはどっちかっていうとアクリルの靴ですよね」


イベントの打ち上げでもなければ誰かの誕生日会でもなく、たまたま事務所にいた数人で近場の居酒屋に繰り出したいつもの飲み会。
皆の顔がイイ感じに赤くなってきた頃、はぁとの担当プロデューサーのPがそんなことを言い出した。


「アクリル…? はぁとディスってんのか? あぁん!?」


はぁとの威嚇はPを薄く笑わせるだけ。


「あはは! え? どういうこと?」


はぁとの隣に座っていた早苗さんが身を乗り出して正面に座るPに詰め寄った。
酒酔い特有のデカ目の声量に、すぐ隣で別の話題で盛り上がっていた瑞樹さん、美優ちゃん、楓ちゃんもこっちの話に聞き耳を立て始めてた。
ちなみにこの美女軍団の中でPが担当しているのははぁとと早苗さん。他の三人は別のプロデューサーが担当してる。


「いやいや、ディスってるわけじゃありませんよ。そもそもの話ですけど、ガラスの靴ってすぐ割れそうじゃありませんか? ちょっと階段で躓いたらパリン、足首ひねってパリン、踏ん張ってもパリン」

「勝手にアイドルを踏ん張らせんな☆」


Pが言いながら空になったグラスでコツコツとテーブルを小さく叩くから、はぁとは条件反射的にビールを注いだ…んだけど、もしかしたらグラスをガラスの靴に見立てていただけかもって気付いてデリカシーの無さに心の中でどっせいとローキック。
それより、Pの言いたいことがまだよく分からない。


「もしそんなことになったら足の裏ズタズタですよ?」

「ちょっとエグいぞ☆ 想像しちゃったじゃん☆」

「はは、すんません。でもアクリルってちょっとぶつけたくらいでは割れたりしないじゃないですか。だからタフで落ち着きのない心さんにはアクリルの靴の方が安全かなぁって、そう思いませんか?」

「誰が落ち着きがないか☆」


タフっていうのも言われて喜んでいいかビミョー…うん、やっぱりはぁとディスられてたぞ、おい☆


「そうね! 心ちゃんにはアクリルの靴がぴったりだわ! あははは!」


ついでに早苗さんにもディスられたけど、あまりに気持ちいい笑い声にこっちは許しちゃう。


「いや、笑ってますけど、早苗さんもアクリルタイプですよ?」

「あぁん!? 何よアクリルタイプって!」

「早苗ねぇさんこいつシメちまってくださいよ☆」


早苗さんがテーブル越しにPの襟首を掴みにかかったけど、それはひらりと躱された。


「あとおこちゃま組と愛海や鈴帆あたりの一部の中高生組は強制的にアクリルかなぁ。あれ? 俺の担当してる娘ってだいたいアクリルかよ…」

「アタシらおこちゃまレベルで落ち着きないってこと? え、マジ?」


がっくりとうなだれた早苗さんだけど、その右手は早速ビール入りのグラスに伸びていた。たぶんそういうとこだぞ☆


「というよりは、お二人に関しては、自分から脆いガラスよりはアクリルを選びそうってイメージです」

「ん〜〜? そう…かしら?…足元に不安があると戦えないし…そうかも…?」

「何と戦うんだよ☆」


頭の中でガラスの靴とアクリルの靴を並べてみる。
片方はまさしく透明。でも重くて硬くて、そして脆い。
もう片方は透明度と高級感はすこーしだけ負けるけど、軽いし粘りがあって砕け散ることはなさそう。
舞踏会を過ごすことになるなら、選ぶのはたしかにアクリルの靴かも…。
いや待て☆ はぁとのイメージではいくらアクリルでもヒールのとこで折れそうだぞ☆ もうちょっと太くしてっと…そうなるとチャンキーヒールだな☆ シンデレラ的にこれオッケーなの?
まいっか☆ フィクションフィクション☆
4 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:38:53.01 ID:BGljWOh70
「背伸びしたい子たちは憧れ優先でガラスの靴を選ぶのかなぁ。でも、早苗さんは8:2の割合でアクリル選ぶでしょ? 心さんに至ってはたぶん10:0でアクリルですよ」

「アタシもガラスの靴にも憧れはあるけど…そんなもんかもねぇ〜」

「おい☆ 早苗さんとの違いはなんだよこら☆」

「心さんの私服って、なんていうか…アクリルとよく合いそう」

「それはぁとの服が安っぽいってことか? 表出ろオラぁ☆」

「じゃあ私にはどっちの靴が似合いますか? 私もアクリル?」


どうやってPに物理的ハートアタックを叩きこもうか考えていると、楓ちゃんが身体をPの方に向け上目遣いに聞いてきた。
ほっぺは桜色で唇は艶々、肌はトゥルトゥル。かしげる首は計算し尽くされた(でも天然な)角度! ザ・愛嬌! くぁ〜〜嫁に欲しいぞ☆


「おっ、巻き込まれに来たわね楓ちゃん。ほら、もっとこっちに寄りなさい♪」


なのに、オヤジっぽく腰を引き寄せてせっかくのシナをぶち壊しにする早苗さん。


「高垣さんがアクリル? そんなわけないじゃないですか! 楓さんはダイヤモンドの靴ですよ! えぇ、決まってます」

「あら嬉しい♪ ダイヤだなんてそんな大役…もしかして口説かれちゃってます?」

「その通り、口説いちゃってます! どうですか、この後二人っきりで飲み直しませんか?」

「あら…どうしようかしら…うふふ♪」

「是非とも!」

「駄目に決まってるでしょうが!」「駄目に決まってるだろ☆」

「ちっ」


分かり易い冗談だけど、一応早苗さんと二人でツッコんどいた。


「あ、あの…では私はどうでしょうか…?」


はぁと的嫁にしたい娘ランキング上位ランカーの美優ちゃんも聞いてきた。でも美優ちゃんは…。


「三船さんは……」

(ガラスね!)(ガラスだな☆)


早苗さんとアイコンタクトしながら、Pの出方を待つと…。


「三船さんは…三船さんも、もちろん…ダイヤモンドですよ」

「そんな…私もダイヤでいいんですか…? ふふ…」


Pのヤロー空気読みやがって☆
でも照れてる美優ちゃん眼福だし、ま、いっか♪


「ねぇねぇ、じゃあ私は? 私ももちろんダイヤよね?」


ここで瑞樹さんが満を持して介入☆
んー、でも瑞樹さんは…どれだろ…?


「川島さんは………強化ガラス?」

「……は?」

「ぶはっ!! 強化ガラス! 似合う〜!! あははは!」

「ちょ、早苗ねぇさん…ぶふふ…笑っちゃ悪いっすよ〜♪」

「う、うっさいわね! アクリルよりマシよ!」

「なんですって!?」「なんだとー!?」


こんな風にして内容があるんだかないんだかわからない話でグダグダと盛り上がり始めた。あの娘はガラスだのアクリルだの勝手に決めていく。
最終的に礼子さんと志乃さんにはルビーの靴が似合いそうだなんて結論を出したりして、初めの趣旨からズレてきてることもわからなくなった頃、お店から出る時間になった。
5 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:39:49.37 ID:BGljWOh70

「じゃあ俺はここで帰らせてもらいます。早苗さんと心さんもほどほどにしておいてくださいね」


Pが二軒目以降に付き合うことはかなり稀。大きな仕事の打ち上げでもない限り、大抵さっさと帰っちゃう。ったく、担当プロデューサーならもっと付き合えよなー☆


「だーいじょうぶ、だーいじょうぶ。まだいくらでも飲めるわ〜♪」

「このパターンだと心さんが介抱役になりそうですね…。お願いしますよ?」

「やーん☆ めんどくさいぞー♪」


Pは次の店に向けて歩き出している美女三人に律儀に声を掛けてから帰宅していった。
いや、あれはただ楓ちゃんと喋りたかっただけか? スケベめ☆

次に向かった二軒目ではまだ会話らしい会話ができていたと思う。
でも三軒目ではひたすら大笑いしていた記憶しかない。
馴染みの店主に追い出されるように(覚えてろよ☆)お店を出て見渡してみれば生き残ったのは瑞樹さんとはぁとだけ。
それで、ちょっと早いけど今日はもうおひらきにしようかと瑞樹さんと笑いあった。
つっても魔法が解ける時刻からもう結構経ってるんだけど☆
前職から業界人の瑞樹さんは慣れた様子でタクシーを捕まえると、これまた手慣れた荒っぽさで早苗さん、楓ちゃん、美優ちゃんを後部座席に放り込んでいくから、はぁとが手伝う暇もなかった。


「この娘たちは私が責任をもって寮に連れて帰るから、悪いけど心ちゃんは別のタクシー捕まえてね」

「いやいや、はぁとの方が申し訳ないです。はぁとだけ別のとこに住んでるからって、いつもメンドーな役目を瑞樹さんに押し付けちゃって」

「そんなこと気にしないの。気を付けて帰るのよ? 帰ってからもクレンジングさぼっちゃダメよ? それと前に教えたむくみ予防のマッサージもちゃんとするのよ? あと…」

「あは♪ はぁい、大丈夫っす☆ おやすみなさーい♪」


面倒見の良さには結構自信があるはぁとも瑞樹さんのオカンオーラには敵わない。
危うくホームシックになりそう☆

四人が乗ったタクシーのテールランプが他の車のと見分けがつかなくなると、さっきまで騒がしかったのが噓みたいにロンリネス。


「いいなぁ、寮住まい…」


正確には寮じゃなくて会社の借り上げマンションだけど。
ミシン数台に作業台、お裁縫用のたっくさんの道具、布生地、芯材、トルソーマネキン、エトセトラ…それに何より百着を軽く超えるはぁと印のお洋服と衣装。これだけ物が多いと単身者向けの寮の部屋にはとても入りきらない。
だからはぁとのお家は都心からはちょーっと離れたトコにある。
昔とは違いライフラインを止められる心配はなくなった今日この頃、それでも都心からそう離れていない寮の近くに引っ越すことはまだ当分出来そうにない。
東京の家賃高すぎだろ☆
6 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:40:33.88 ID:BGljWOh70

回送中のタクシーを見つけてへ手を振ると目の前で止まって、無機質なドアの開く音と


「お客さんどこまで?」


運ちゃんの業務的な言葉。


「あ…えっと……」


それにしても瑞樹さんはあの酔っ払い三人をちゃんとそれぞれの部屋まで連れて行けるのかなぁ?
エレベーターがあるとはいえ部屋を開けるにはみんなのバッグの中を漁って鍵を見つけないとだよね。
それに一人ひとりをベッドまで運んで寝かせて…瑞樹さんのことだし、メイクを落としてあげたりもするのかも?
そしたらもういっそのこと三人とも自分の部屋に連れ込んじゃって、勝手知ったるマイルームでゆっくりと寝支度をした方が良くない?
そしたらそうこうしてるうちに、早苗さんが復活してまた飲みだして四次会がスタートしたりして。
でもはぁとは…静かな部屋でお化粧落としてお風呂入って、冷たいお布団で一人でおねんね…。
ちょっとはぁと、アナタ何を考えているのよ? 疲れてるの? いや酔ってるだけか☆ だよね?


「ちっ……起きてますかー?」


運ちゃん、分かってるから。だからそんな風に舌打ちしないでよ。
元はと言えば運ちゃんが機械的だからイケないんだぞ?
そのせいで余計はぁとの寂しさが疼いちゃったっていうのに。
深夜の東京で一人寂しくタクシーに乗るほろ酔い美女だよ?
プロの運ちゃんなら一つや二つの小粋なジョークがあってもいいじゃない。ぷーんぷん☆


「ぁ………っ」

「お客さん、いい加減に……」


なんでもないことのはずなのに、妙に心に引っかかる瞬間ってあるよね?
あーーーもう! 歳をとる毎に涙脆くなっていくなぁ…って悲しくなるだけだし自虐やめやめ☆


「○×消防署まで…お願いします」

「……はいよ」


口からポロリしたのはPが住むのマンションへ行くときの目印の消防署だった。

P宅にこれまで何度か他の娘たちと一緒に押しかけて宅飲みしたことがあるのを、ふっと思い出していたのかも。
そこを選んだのに深い意味はホントのホントになかった。ただ久しぶりにPともっと喋りたいなぁってなんとなく思っていたのは確かだけど。
それにたまたまだったけど、今日のはぁとのお洋服はかなり大人しめだから…こうして髪を解きさえすれば、万が一誰かに見られてもはぁとだとは気づかれないはず。オーラがないから、じゃないぞ☆

Pってばいつもの飲み会では当たり障りないこと言って笑ってるくせに(楓ちゃんへは別! いや、本気じゃないのは分かってるけど☆)今思えば今夜はちょっとだけはぁと達に踏み込んできてた、と思う。
はぁとがアイドルになりたての頃はお互いの考えをすり合わせるためにじっくりと話し合うことも珍しくなかったのに、曲がりなりにもアイドルとして軌道に乗ってからはお仕事については基本はぁとの好きなようにさせてくれるようになって…放置ともいうけど…いつの間にかPとガッツリ考えを戦わせる機会もなくなってた。
今日のアクリルのくだりはたぶんその場の思いつきを言っただけだろうけど、それでもお互いに対してあーだこーだ言い合ってた懐かしき日々を思い出しちゃって…これはもう久々に朝までアイドル談義に花を咲かせるっきゃないっしょ☆
7 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:42:22.02 ID:BGljWOh70

―――
――



P宅のドアの前まで来ると、そういえば非常識な時間だとか、もう寝てるかもだとか、そんな面白くない考えは頭の隅に追いやって、酔いの勢いに任せてインターホンを連打した。
室内に呼び出し音が鳴り響くのがドア越しにも聞こえた十数秒後、ドアのすぐ向こうにでフローリング床を踏みしめる微かな音が聞こえた。
でもドアは一向に開く気配がなくて、もう一回連打をお見舞いしてやろうかと手を伸ばしたところで、やっと鍵の回る音がした。


「来ちゃった☆」

「心さん? こんな時間に一体どうしたんですか…?」

「おうプロデューサー、飲もうぜ☆」

「帰ってください」

「は? ちょ」


バタム♪ ガチャリ♪ ってオイ☆
すかさずインターホンを連打しても遠ざかった気配が戻ってこないので、反則技を使うことにする。


「ね〜〜♪ ぷ〜ろでゅ〜さ〜♪」


深夜の静まり返ったマンションの廊下にはぁとの美声が響き渡る〜☆
そしたら狙い通りドアの奥からドタバタと近づいてくる音がして…


「はぁ、じゃなくて…アタシを〜〜♪ お部屋にぃ〜〜♪」

「何考えてんだ!」

「あん☆」


勢いよく開いたドアから伸びたPの手に腕を取っ捕まれて室内に引きずり込まれた☆


「いやん☆ 強引なんだから♪」

「何を考えてるんだアンタは!」

「ああーん☆ 怒っちゃやーよ☆」

「帰るタクシー代が無いとかですか? お金なら貸しますから帰ってください」

「やだ…はぁと、今夜は帰りたくないの…ぽっ☆」

「……ごめんなさい、本当無理です、帰ってください」


一回大きな溜息をついたPが玄関ドアを開けて、はぁとの背中を押して追い出しにかかってきた。って、これ本気の力籠ってるー☆


「まって! ウソウソ冗談だって! ほんと寂しいの! はぁとを一人にしないで! ちょっと話し相手になってくれるだけでいいからっ! 寝るのもソファで、いや床でいいからお願いっ!」

「バカなこと言ってないで…ほらっ! 出て行って…っ!」

「あ、あーー! いいの? ホントにいいの!? 追い出したらドアの前で一晩中はぁとリサイタル開催だからね!? そうなったらアレよ! 明日のワイドショーこの話題で持ち切りよ!? そしたらプロデューサーもはぁとも仲良くクビなんだから!」


そこまで言ってやっとPの腕の力が抜けた。


「はぁ〜〜……心さんはああ見えてちゃんとわきまえてる人だと思ったんですが…」

「ああ見えてってどういう意味だよ☆ いやいや今日はホント特別だから。なんか大人になるとさ、無性に寂しくなるときってあるじゃん?」

「そう、ですか…。わからなくは…ないですが…。でも…」

「っしょっと♪」

「でもウチに泊まる以上はヤりますよ?」


お酒のせいで足元が少しふらついてしまって、靴を脱ぐのに苦戦しているところでPはそう言った。
8 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:43:02.83 ID:BGljWOh70

「はひ…?」

「いいんですか?」


冗談を言ってる顔じゃなかった。
ヤルって何を?だなんて聞き返したりはしない。夜に女の子が男の部屋に行くんだし、そのことについてはやっぱりちょっとだけ考えてた。
でもPだし? アイドルと一線を引いてるPだし? 前にもここで雑魚寝したことあるし?
だからそれもまだはぁとを帰らせるために脅してるんだと思っちゃった…ううん、思い込もうとした。
前に泊まった時は、はぁと一人じゃなかったってことも意識的に考えないようにしてたし。


「またまた〜。冗談キツイぞ☆」

「……本気ですけどね」


はいはい、脅し脅し☆ 脅し…だよね?
はぁとが靴を脱ぎ終えたところで、Pは壁に寄ってはぁとを部屋の中へ促した。


「そ、そういえばっ…寝てた?」

「寝てたと言えば寝てましたけど…どうやらソファでうたた寝してたみたいです」

「そのまま寝てたら風邪ひいてたんじゃない? だから、むしろはぁとに感謝しろよ☆」

「いや、すっごく迷惑かけられてるんで、完全に相殺されてますからね?」

「細かいこと気にすんな☆」


リビングまで入ってバッグ置いてすぐに


「俺はもうシャワー浴びてますから、心さんも浴びてきてください」


ってバスタオル渡されて、なんか引っかかる言い方も熱いシャワーがカラダに沁みていくうちに意識から消えてた。
きっとそのせいで、脱衣場の洗面台にあったドライヤーで髪を乾かしてる最中にちょっとからかってやるかって悪戯心が湧いてきちゃったんだ…。
どんな面白いリアクション見せてくれるのかななんてニヤニヤしながら、バスタオルを身体に巻きつけた状態でリビングに行ったら、Pには驚く素振りも無く、はぁとは当然のようにベッドに押し倒されて…。


あ、これで回想終了か☆ う〜ん結構長かった☆
9 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:45:15.18 ID:BGljWOh70

◆◇◆◇◆◇◆


うん、これ完全にはぁとの自業自得だ☆

入ってきたらヤるってPはちゃーんと宣言してたのに、ズカズカと入り込んだのははぁと自身…。
もし友達の女の子が「えーん、こんなことがあってヤられちゃったよー。シクシク」って相談してきても、いやそれアンタが悪いでしょ!って言うわ☆ ウケるー☆


「心さん? どうしました?」

「ぁ…なんでもな…くはないけど…」


Pがはぁとをじーっと見つめていた。
こっちは何をどうすればわからなくて何故か大笑いしてしまいそうだってのに、なんでPは薄ーくニヤついてられるんだよ☆


「あぁ、心さんがどうしても無理っていうならしませんよ? でもその場合、帰ってもらいますけど」

「そう、なんだ……ど、どーしよっかなー……」


Pって…はぁとよりほぼ同い年なんだっけ?
背ははぁとより10センチほど高くて、顔は普通で、まぁ悪くない。
仕事中は飄々としていて情熱があるのかよくわからないけど結構有能らしい。
はぁとに自由にお仕事させてくれて、はぁとが無茶しそうなときは冷静に修正してくれる…正直感謝してる人…。

帰るってなると…ノリでPの部屋に来て、Pが止めるの無視して入り込んで、雲行きがあやしくなったら迷惑をかけっぱなしでしっぽ巻いて逃げ帰って、タクシーの運ちゃんに舌打ちされながら何十分もかけてお家に帰って、やっぱり冷たいお布団でってことになる……。

このままPに抱かれるか、それともオメオメと逃げ帰るか…。
胸の中の天秤ははっきりと片方へ傾いてた。大事なことなのにこんな雑で打算的な決め方をしたってよっちゃんが知ったら絶対怒られるわー…。
でも…ごめんよっちゃん…お姉ちゃん今日はとっても寂しいの…☆


「よ、よーし…もうOK…い、いいよプロデューサー…しても……」

「いいんですか? 帰っちゃうかなって思ったんですけど、まぁ良かった…かな?」

「で、でも約束して…っ」


Pに抱かれるってことはアレをPに捧げるってことだ。
別に大事にとっておいたわけじゃないけど、ここまで来たらもう、ね…?
しかも絶賛ナントカ適齢期でもあるんだし…このままアイドル続けていって、いざ一般人に戻ったとき年齢的に誰にも相手にされないなんてことになったら悲しすぎるから…。


「これからもずっと…はぁとと…はぁとの面倒をみるって……。それが約束できないなら、帰る…」

「それは…あぁ、そういうことですか…わかりました。約束します」

「え? いいの…?」


Pは意外なほどあっさりと承諾しちゃったけど…ってマジ? いいの?
あれー? もしかしてPってば素っ気ないふりして実ははぁとのコト…そうだったの? やーん照れるぅ☆


「えへ…えへへ……♪」

「急にニヤニヤして…はは、結構ちゃっかりしてますよね。いや、そういうところも心さんらしくて良いと思いますよ」

「ちゃっかりは余計だぞ☆」

ここに来て初めて視線を絡め合ってクスっと微笑むと、緊張で固まっていた身体が幾分マシになったような気がした。
10 : ◆ao.kz0hS/Q [saga]:2017/06/17(土) 21:46:42.36 ID:BGljWOh70

「ぁ……っ」


それも束の間のことで、Pは何の躊躇も無くはぁとの素肌を隠していたバスタオルを解いてしまい、途端に味わったことのないレベルの恥ずかしさが顔を焼いた。


「うわ…本当に『ぼんっ』て感じですね。形も綺麗で、透き通るようなピンクだし…」

「ゃぁぁ、恥ずい…!」


ベッドに仰向けになったままのはぁとは身じろぎもできずに、床ドン状態で見下してくるPの肩あたりで視線を泳がせるしかなかった。
真っ赤になってるはずのはぁとの表情そっちのけで、Pの視線が胸に注がれているのが見なくても分かった。
触られてもいないのにで胸がチリチリと甘痒くなって、そんなしみじみ言う程ピンクだったっけ?と気になって薄眼で見てみたら自慢の美巨乳で確かにピンクで、いや! というか!


「で、電気! 電気消してっ!」

「…残念。恥ずかしがることない綺麗な身体なのに」

「い、いいから消せよ…消して…」


Pがベッド脇のナイトテーブルに置かれていた小さなリモコンらしきものに手を伸ばして丸いつまみを捻ると部屋がだんだんと暗くなってく。
ハイテクだな…はぁとのお家は紐引っ張るヤツなのに。


「もっと暗く…もうちょっと!」

「これくらいでいいでしょ? 真っ暗だと面白くないじゃないですか」

「オイ、面白さ必要か?」


Pの唇が灰色っぽく見えるようになったところで、Pはリモコンを手放した。
つまりははぁとのお胸のスウィーティ―な部分の色もよくわからなくなったけど、輪郭は少しぼやけた程度。
でもそれに抗議する間もなくPの手がお腹をさすってきたから、はぁとはまず何を言えば良いのか分からなくなっちゃう。


「はぁ…んっ、んゃぁ…くすぐったぃ……ぁっ」

「くびれはきゅってしてるし、腹筋も…おぉすごい、鍛えてますねぇ」

「だ、だろ? 見直した…か…? はぁっ、はぁっ…んやぁっ…触り方…やらしい……ぞっ」


撫でたいのか、くすぐりたいのかわからないゆったりとした触り方…それなのにマッサージなんかよりもずっとカラダの内側に響いて滲みてきて、言いようのない不安が次から次へと湧いてくる。


「ぁっ…はぁ…はぁ…ぁぁぁ……」


お腹を撫でていただけの手が別の目的を見つけたのを感じた。
Pの手はお腹を撫でながらジリジリと上へあがっていく。
はぁとの胸を目指しているのが丸わかりだぞ? そらまぁ当然だろうけど…。
肋骨の一番下の骨を指先で散々撫でまわされた後、ついに夢と希望が詰まったはぁとの膨らみがPに触られる。


「はぁぁっ、ぅそぉ……っ!?」


Pの人差し指と親指が膨らみに沿うように軽く触れただけなのに、鋭い痺れが背中まで突き抜けた。
思わず身を捩ってしまっても、Pの指遣いは相変わらずソフトにはぁとの素肌にまとわりついてくる。
微かに触れ合っている部分からPの体温以上の熱が伝わってくるような気がするし、動けば指紋の凹凸がヤスリになってるんじゃないかってくらいにビリビリと疼いてきた。
自分で触るのとは何から何まで違い過ぎた。男に触られているから? Pだから? それともエロ目的で触られているから?
はぁとの乏しい経験値では答えは出せそうにない。


「んん……ふぁっ……」


胸全体がじんわり熱っぽくなったと思ったら、はぁとの両おっぱいがブラで寄せて上げてしてるみたいになってた。Pの手によって!


「や…んやぁぁ……っ」

「あは…すげえ……」


そのままPが指先を揺らすとはぁとのお胸が震えて先端の…とんがっちゃってるのが…あっちへっこちへ可愛く動いて、薄暗くてもPがやらしくニヤついたのがはっきり分かった。
はぁとの胸で遊ばれているのに何故か咎める言葉が出せなくて、代わりに出るのは自分でもびっくりするぐらいの甘い声…。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/17(土) 21:46:48.29 ID:7kr6qNDJo
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