【安価】住人(♀)「白百合荘で過ごす日々」【百合】

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355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 13:51:48.80 ID:kajXkBmeO
>>354
高校生ってなんだ。小学生です
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 13:53:54.15 ID:HKemFZFlO
>>353
髪型は黒髪ボブで
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 13:55:24.70 ID:Iz1pVSk0O
【名前】 朝倉 アスカ(あさくら ー)
【年齢】 11歳
【職業】 小学生
【容姿】 金髪碧眼のロングヘア、身長は中学生に見えるぐらいに高め、スラッとした印象を受けるが発育がよく胸はこの時点でcカップほど。
【性格】 おどおどとしていて自分に自信がない。
【好きなこと、もの】
 雪、音楽鑑賞(クラシック)、マトリョーシカ、ボルシチ
【家出理由】
 テストで悪い点数をとったことを叱られた。
【備考】
 ロシア人とのハーフ、身長が高いことがコンプレックスとなっており、自分に自信がない。また、日本語にも不慣れで所々片言で漢字が読めず、学力テストでは苦戦している。
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:03:34.11 ID:bo2CavMbO
>>352
すみません、大切なことを忘れてました
まだ間に合うなら、奏の胸は平坦でお願いします
359 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/07/28(金) 14:06:20.20 ID:6ijxgFCUo
1、奏
2、みゆり
3、篠
4、アスカ

↓からの投票レスのコンマ合計が200に到達したキャラを採用
人少なそうなので、時間制限は設けません
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:08:08.91 ID:bo2CavMbO
んー、3
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:09:42.29 ID:sLyx8HzCo
1
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:09:50.26 ID:HKemFZFlO
1
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:10:40.79 ID:FJF9g5CkO
1で
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:11:28.73 ID:rI5jI5s6O
3
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:12:18.27 ID:Iz1pVSk0O
1
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 14:13:36.97 ID:AZk/VOqIO
367 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/07/28(金) 14:21:03.17 ID:6ijxgFCUo
家出少女は若宮奏となりました
設定は>>352を参照
368 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/07/28(金) 16:09:03.71 ID:ZRbN26Eno
ガチャッ


サラ「あの子、なんですけど」


早苗「あら〜小さな子ね〜」

早苗(あの子確か……)


???「……」ペコリ


綾子「んー……起きて早速で悪いんだけどさ、色々聞かせてもらえるかな」


???「はい」


サラ「ここの住人に、知り合いの方っていますか?」


???「……いえ。今はいないです」


早苗「二人とも、そんな怖い顔しちゃダメよ〜」

早苗「ね、お名前教えてくれる?」ニコッ


???「奏……。若宮奏、です」


早苗「そう。奏ちゃんね〜」

早苗(やっぱり……)


綾子「んーと、私が綾子で、こっちがサラ。こっちが早苗。よろしくね」


奏「よろしくお願いします」ペコリ


綾子「それで……本題」

綾子「……家出した理由を聞かせてくれる?」
369 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/07/28(金) 16:09:31.72 ID:ZRbN26Eno
奏「っ」ビク

奏「それは……あの……」


サラ「……」テクテク


ぎゅっ


奏「!」


サラ「言いたくなかったら、言わなくてもいいんですよ」

サラ「ゆっくり休んで、ワタシたちに言っても大丈夫だと思えたら言ってください」ポンポン

サラ「ワタシにも手伝えることがあれば手伝いますから」


奏「……はい」


早苗「……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「すぅ……すぅ……」


綾子(流れで私の部屋に泊まることになってしまった)

綾子「……ま、いっか」ボソッ

綾子(それよりも)


ガチャッ バタン


綾子(早苗に会わないと)


ぴんぽーん


早苗「は〜い」ガチャッ


綾子「ねえ、奏のこと知ってるの? なんか気づいてたよね」


早苗「そうねえ……知ってるといえば知ってるわよ」


綾子「ハッキリしないなあ……」


早苗「……茅ちゃんを覚えてる?」


綾子「? うん。茅がどうかしたの?」


早苗「奏ちゃんね、茅ちゃんの知り合いなのよ」


綾子「え……」

綾子「な、なら真央に知らせて……」


早苗「それは……ダメよ」

早苗「奏ちゃんは今自分のことで精一杯だし、あんな小さな子をこんなことに巻き込めないわ」


綾子「それもそうだけど……」
370 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/07/28(金) 16:10:01.09 ID:ZRbN26Eno
早苗「真央ちゃんに茅ちゃんを会わせるにしても、まず奏ちゃんの問題が先」


綾子「……分かった」


早苗「サラちゃんなんかはいい子だし、きっと奏ちゃんの助けになるはずだから」


綾子「早苗は心当たりないの? 奏ちゃんの家出の理由」


早苗「そうねえ〜。ここに来るのは茅ちゃんに会うときだけだったし、あまり直接話したことはないのよ〜」

早苗「でもね、家出をするような子ではなかったはずなの。茅ちゃんとは対照的に、大人しさを突き詰めたような子だったから」


綾子「やっぱり何か理由があるってことだ。不良が家に帰らないってのとはわけが違うみたいだね」


早苗「奏ちゃんのご両親に連絡したいところだけど、私も奏ちゃんの自宅の電話番号を知ってるわけじゃないし……」


綾子「んー……やっぱまずは奏の問題を解決してあげないとなのかな」


安価↓から白百合荘の住人+茅、亜利砂、奏の行動
コンマが高いものを優先して採用
ただし、渚と理緒は優先度が下がります
371 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/07/28(金) 16:11:39.74 ID:9Y1FT0pyo
外出と帰宅繰り返してるせいでIDころころ変わってすみません
また出かけてきます
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 16:24:58.43 ID:HKemFZFlO


早苗が自身から見た、奏が茅に会いにきた時の様子を語る
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 16:47:54.95 ID:0rTpNEDt0


頑なに黙秘を続ける奏だったが、とうとう我慢の限界(お腹が鳴る)
何か作ってあげることに
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 18:56:33.13 ID:Hs3s0Ms+0
早苗の部屋に遊びに来る亜利砂、そして亜利砂の姿をみて隠れる奏。
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 19:07:34.40 ID:hqKzzKds0
あの日以来塞ぎがちになっていた真央、偶然奏に遭遇
えらい気迫で茅の居場所を知らないか詰め寄り他の住民に止められる
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 20:20:05.03 ID:DDhJfZFA0
サラが奏のために得意のシチューを持ってくる
行き倒れるほどお腹が空いていたためちょっと遠慮がちながらもおかわりまでもらう奏、美味しそうに食べてもらい笑顔のサラと見守る綾子
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/28(金) 20:35:49.17 ID:kpP03ieUO
茅が真央に会えない辛さで枕を濡らし、いかに真央の存在が大きかったか実感する
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/31(月) 04:02:01.77 ID:ZEXhXqyGo
寮の人間総出で近くの幼稚園or保育園of小学校のバザーの準備の手伝い
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/31(月) 21:30:45.26 ID:O7T40Ruvo
あまりに粉瘤が痛むので手術して取ってきました
痛みがなくなったので、明日からまた書いていきます
お待たせして申し訳ありません
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/31(月) 22:48:16.74 ID:hYdwDatfO
oh……大変だったんだな

そんな中でも書こうとしてくれてるとは、こちらこそ申し訳ない
いつもありがとう、楽しみにしてます
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/31(月) 23:02:18.66 ID:MXdV1YBLO
手術お疲れ様
マジ楽しみにしてるよ、無理のない範囲で頑張ってね
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/01(火) 18:31:22.05 ID:dMqSFuHbO
大変だ
383 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:33:14.23 ID:snPHFuqmo
>>372
>>373
>>374(部分採用)
>>375
>>376
を採用します
384 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:33:45.77 ID:snPHFuqmo
綾子「最後に茅に会いに来たときの様子とか覚えてない?」


早苗「うーん……」

早苗「夏休み中に会いに来たのが最後だと思うけど……そのときは笑顔だったし、何かあったとは思えないわね〜」


綾子「てことはやっぱ……家族との問題かな」


早苗「だと思うけど……本人から聞かないことにはね〜」


綾子「んー……だね。とりあえず私は部屋に戻るよ」


早苗「ええ。奏ちゃんのことよろしくね〜」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


バタン


奏「あ、おかえりなさい……」


綾子「起きてたか。体調はどう?」


奏「体の方はなんとも……」グウウウウッ

奏「っ!///」バッ


綾子「お腹空いてるんだね。ちょっと待ってて……」


ガチャッ


サラ「失礼しまーす」


綾子「あ、サラ。どしたの?」


サラ「奏ちゃんお腹空いてるんじゃないかと思って、食事を持ってきたんです。ほら」ホカホカ


綾子「ナイスタイミング! 今ちょうど奏にご飯作ろうと思ったとこだったんだよ」


奏「……」グウウウウウウ


サラ「すごい音……ほら、シチューを持ってきたんですよ。食べてください」
385 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:34:28.34 ID:snPHFuqmo
奏「……いただきます」

奏「……んっ」パクッ

奏「……!」モグモグ ゴクン

奏「お、美味しい……!」


綾子「おー。好評みたいだよ」


サラ「お口にあってよかったです」ニコニコ


奏「あちっ。ふーふー……」


ぱくぱく もぐもぐ
ぱくぱく もぐもぐ


奏「……」カラン


綾子「あっという間に完食したねー。そんだけお腹空いてたんだ」


奏「あの……」ボソッ


サラ「はい?」


奏「お、おかわり……もらえませんか?」


サラ「もちろんいいですよ。今お部屋から持ってきますね」ニコッ


バタン


綾子「美味しかった?」


奏「……はい、とっても」


綾子「いいなあ。私もサラのシチュー食べたいよ」


バタン


サラ「持ってきましたよ。綾子さん、台所借りますね」


綾子「どうぞー……って鍋ごと持ってきたの?」


サラ「はい。せっかくなので綾子さんにも食べてもらおうと思って」ニコッ


綾子「まじで!? 食べたい食べたい!」


サラ「それじゃあ暖めますから、綾子さんは座って待っててください」


綾子「うん! あ、お皿はそこのやつ使っていいからね」
386 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:35:03.05 ID:snPHFuqmo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「いざ……!」


奏「改めて……」


サラ「いただきます」


綾子奏「いただきます!」


ぱくっ


綾子「……美味しい!」

綾子「なにこれ! 私の作るシチューなんかより全然美味しいじゃん!」ガツガツ


サラ「ふふ、ママ特製のレシピなんですよ」


綾子「何か特別なことしてるの?」


サラ「隠し味にバターを少し。それが効いてるのかもしれません」


奏(バター……なるほど)モグモグ


サラ「それと、愛情です♡ ……なーんて」テヘヘ


綾子「なんだよサラー! 可愛いなーもー!」ワシャワシャ


サラ「きゃっ! 髪ぐしゃぐしゃにしないでくださいよ?」


奏「……」ポロッ


綾子「ありゃ……」


サラ「どうしました? 大丈夫ですか?」ギュッ
387 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:35:30.29 ID:snPHFuqmo
奏「な、なんで涙が……」ポロポロ


綾子「んー……とりあえず今はサラに甘えときなよ」

綾子「大丈夫。ここには奏の敵はいないからさ」


サラ「はい。たくさん泣いてください。抱きしめててあげますからね」ナデナデ


奏「っ、ぅ……くっ……」グスッ

奏「うう……! ぐずっ、おかあさんっ、おとうさんごめんなさい……! えぐっ」

奏「ひっく……う……っ、ううう……!」


サラ「よしよし……」ポンポン


綾子(やっぱりご両親と何かあったんだな……どうしたものか)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「落ち着いた?」ナデナデ


奏「は、はい……すみません、服を汚してしまって……」


サラ「大丈夫ですよ。洗えばいいんですから」ナデナデ


綾子「ね、奏。今日のところはもう寝ようか?」

綾子「気づいたらもう9時近いしさ。今さら家にも帰れないでしょ?」


奏「はい。でも……」


綾子「でもはなし! こういうときは大人を頼っていいんだよ」


サラ「そうですよ。私たちは奏ちゃんのこと迷惑だなんて思いませんから」


綾子「そうそう。茅の友達なら私の友達も同義だからね!」


奏「……ふふっ」クスッ

奏「それじゃあお言葉に甘えて、今日は泊めさせてもらっていいですか?」


綾子「もちろん!」

綾子「布団はさっき寝てたの使っていいからね。うちはもう一組あるし、私はそれ出して寝るから」


奏「はい」
388 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:36:01.98 ID:snPHFuqmo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「で、なんでサラも寝てるのかな」


サラ「二人よりも三人で寝たほうが暖かいからですよ」


綾子「たしかに二人きりよりはいいかもだけどさ……さすがに狭くない?」


サラ「そうですか? 私はそうは思いませんよ」


奏「暖かい……です」


綾子「……二人がいいならいいか」ニコッ

綾子「それじゃ、おやすみなさい。明日のことは明日考えよー……ふあぁ……」


サラ「はい、おやすみなさい」


奏「お、おやすみなさい」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピピピピ ピピピピ


綾子「ふあ……」グググ


奏「あ、おはようございます綾子さん」


サラ「おはようございます」ニコッ


綾子「二人とも早起きだねー……私スマホのアラーム7時半にセットしてるんだけどな……」


サラ「ワタシが7時に起きたときには奏ちゃんはもう……」


奏「いつも6時起きなので体が勝手に目覚めちゃったんです」


綾子「6時起きかー。えらいえらい」ナデナデ

綾子(子供すごい……髪がサラサラふわふわ……)ナデナデ


奏「あ、綾子さん。髪ぐしゃぐしゃになっちゃいます」


綾子「ごめんごめん」

綾子「んー……今日はどうしようか。今日は土曜日だから学校は休みなんだろうけど……」


サラ「ワタシは学校に来てくれと先生に言われてますし、綾子さんはまたトレーニングでしたっけ」


綾子「そうなんだよねえ……」


奏「……」


綾子「しゃーない。早苗に頼むか」


サラ「ですね。早苗さんなら一日中ここにいますし」


綾子「じゃ、朝飯食べたら頼みに行こうか」
389 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:36:28.38 ID:snPHFuqmo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「ってわけで奏を預かってもらいたいんだけど」


早苗「そういうことなら喜んで〜」


綾子「だとさ。良かったね」


奏「はい」


サラ「それじゃあワタシたちは行きますね」


奏「はい、お気をつけて」


綾子「行ってきまーす」


サラ「行ってきます」


早苗「は〜い、いってらっしゃ〜い」


奏「行ってらっしゃい」ペコリ


早苗「それじゃ、部屋に行きましょうか〜」


奏「はい」


ガチャッ バタン


奏「……あの」


早苗「なあに?」


奏「なんで皆さん私に何も聞かないんですか……?」


早苗「無理して聞くのも変よ〜。言いたくないなら言わなくていいの」

早苗「確かに見たところ小学生か中学生だし、できることなら警察に相談して親を探さないとなんだけどね〜」

早苗「奏ちゃんは茅ちゃんのお友達でしょう?」


奏「はい……」コクッ


早苗「なら、私たちも茅ちゃんの友達だもの。茅ちゃんの代わりになるかは分からないけど、私たちがここで守ってあげようかなって〜」


奏「……お人好しばかりなんですね、ここの住人は」クスッ


早苗「そうよ〜」フフッ

早苗「さて、それじゃあ……奏ちゃんは好きに過ごしてていいわよ〜」

早苗「朝ごはんは食べてきたみたいだから、お散歩してきてもいいし。ただ、お昼ごはんまでには戻ってきてね〜」


奏「はい。ありがとうございます」
390 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:37:24.09 ID:snPHFuqmo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


お昼ーー


奏(一人で公園遊びはつまらないな……いつもここに来るときは茅お姉ちゃんが遊んでくれたし)

奏(管理人さんのところに帰ろう……)テクテク


ガチャッ


真央「……」


奏(……? あれ、この人……茅お姉ちゃんの友達の人……だよね)

奏「おはようございます」ペコリ


真央「かな……で……ちゃん?」


奏「はい……」


ガッ!


奏「い……っ!」

奏(痛い……! なに……!?)


真央「茅ちゃんの友達……よね」


奏「そう……ですけど」


真央「茅ちゃんはどこ」


奏(なに……怖い……!)

奏「あ、あの……」フルフル


真央「答えてっ!!」


奏「ひっ!」


バタンッ!


早苗「奏ちゃん!?」タタタッ

早苗「ま、真央ちゃん駄目よ! 離してあげてっ」グイッ


真央「奏ちゃん……! 教えてよ……!!」


奏(真央さん、こんな人じゃなかったのに……)

奏「な、何があったんですか?」


早苗「茅ちゃんがいなくなってからずっとこんな調子なのよ……ごめんね」
391 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:39:21.90 ID:snPHFuqmo
早苗(どうしましょう……一番会ってほしくない二人が……)


奏「……茅お姉ちゃんに会いたいんですか?」


早苗「か、奏ちゃん?」


真央「……」コクッ


奏「……いいですよ」


真央「ほ、ほんとっ!?」


奏「私が二人を会わせない理由はありませんから。……ただ、茅お姉ちゃんは真央さんに会いたがってはいませんよ」


真央「それって……」


???「……」テクテク


早苗「あ、あら……」


奏「!」ビクッ

奏「ま、真央さん! 部屋に隠れさせてください!」


真央「え? あ、うん?」


ガチャッ バタン


???「どうも、早苗さん」


早苗「こんにちは〜。亜利砂さん」ニコッ

早苗「今日はどうされたんですか? こんな昼から……」


亜利砂「うちのクラスの子がね、一人始業式に来なかったんです。たしかに一年に一人くらい、長期休み明けに来たくない子はいるんですけどね……」

亜利砂「その子の家から電話がかかってきて……家に帰ってないらしくて。それで、いろんな人に聞いてまわってるんです」

亜利砂「背は中学生にしては少し高いくらいで、髪は黒のセミロング。えーっとあとは……そうだ名前! 名前がですね」

亜利砂「若宮奏っていうんです」


早苗「!」


亜利砂「早苗さんはこの辺りの人に顔も効くからもしかしたらと思って……よかったら探してもらえませんか?」


早苗「ええ、子供が家出だなんて大変だものね。もちろん探します」ニコッ


亜利砂「お願いしますね」ペコリ

亜利砂「では、私は心当たりをいくつか探して来ますので!」タタタッ


早苗「は〜い」バイバーイ

早苗(奏ちゃんの担任が亜利砂さんなのね〜……。世間って狭いわね〜)
392 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:39:53.39 ID:snPHFuqmo
真央の部屋ーー


真央「なにごと? とっさに部屋に入れちゃったけど……」


奏「担任の先生が来たので、つい……」


真央「ふーん……」

真央「ま、いいや。それで、真央のこと茅ちゃんに会わせてくれるの?」


奏「それは構いません。別に私は茅お姉ちゃんが真央さんと会っても困りませんから」

奏「茅お姉ちゃんが真央さんと会うのが嫌なのは、茅お姉ちゃんのお父さんお母さんだけです」


真央「お父さんお母さん……か」

真央「どんな人なの? 茅ちゃんの両親って」


奏「いい両親ですよ。茅お姉ちゃんがギャルっぽくなっても家族仲良く過ごせるくらいですし、家族仲はとてもいいです」

奏「ただ、同性愛には理解がないみたいですね。茅お姉ちゃんを家に帰らせたときなんてすごく怒ってましたから」


真央「……」


奏「……なので、茅お姉ちゃんに会っても何もできないと思います」


真央「……それでも、会いたいんだもん」


ガチャッ


早苗「奏ちゃん、先生は帰ったわよ」


奏「……はい」


早苗「……」

早苗「真央ちゃん、茅ちゃんの家は分かった?」


真央「んーん……今から奏ちゃんに教えてもらおうかと」
393 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/06(日) 17:40:32.70 ID:snPHFuqmo
早苗「ねえ、奏ちゃん」


奏「はい」


早苗「確か……奏ちゃんは茅ちゃんと仲がいいだけじゃなくて、家もご近所だったわよね」


奏「はい。私の家からすぐです」


早苗「だったら、今茅ちゃんのところに真央ちゃんが行くのはマズイんじゃないかしら?」


真央「え……」


早苗「茅ちゃんなら『どうやって家の場所を知ったの』って聞いてくると思うの。真央ちゃんはなんて答える?」


真央「そりゃ、奏ちゃんに教えてもらったって……」


早苗「そうね。そうなると茅ちゃんのご両親もきっとそれを聞くことになるわ。そしたら……奏ちゃんの家に連絡がいくことになる」


真央「? それのなにがマズイの?」


早苗「奏ちゃん、今家出してるのよ」


奏「……」


真央「えっ……ほんと?」


奏「……」コクッ


早苗「奏ちゃんがなんで家出をしてるのかはわからないけど、それが解決するまでは……」


真央「……わかった。待つよ」


早苗「よかった」ホッ


真央「茅ちゃんには会いたいけど……そのせいで奏ちゃんが嫌な思いするのは違うし」


早苗「そうね。じゃ、奏ちゃん」


奏「っ」ビクッ


早苗「すぐに話せ、なんて言わないから。私たちが信用できるようになったら話してくれる?」


奏「……はい」コクン


安価↓から
・奏の現在の心境
・奏と仲良くなるための具体案
・真央が茅に会った際の展開、両親の説得方法
などを安価で募集します
その他の行動安価も募集します
基本的に高コンマ採用

これからは>>383のようにどれが採用した安価かを分かるようにしたいと思います
394 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/06(日) 17:59:21.72 ID:snPHFuqmo
sageてた…
一週間も空いてしかもグダグダですみません
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 19:50:18.68 ID:jarynacVO
わーい、更新来てた!嬉しい!


安価は「奏、サラ・綾子らに少しずつ心を開き始め、この人達になら自分の事情を話してもいいかも…と思うが、どういう感じで切り出せばいいのかがわからない」で
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 21:27:46.99 ID:wnlNKtPFO

更新楽しみしてたぜ

安価は奏が早苗に白百合荘の雑務(掃除とか)を手伝わせてほしいと提案する
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 22:45:57.02 ID:OT9NMrWAo
奏の心境
ピアニストとしての生き方に疑問を持つ自分と、両親に生き方を強制されている茅を重ねて見ている
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 08:11:19.93 ID:2/GSsnNA0
更新楽しみに待ってた

奏が学校に行ってないので白百合荘でも勉強できるよう中学生用問題集をいくつか買ってあげる。ただ強制はせずやるやらないは奏に任せ、解らない所は住民で教えてあげる
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 10:10:03.51 ID:4fhPVdXDO
お帰り、待ってたよ

たまたまテレビからクラシック音楽が流れていて、この曲なんだっけ?となっているところに奏が反射的に口を挟み正しい曲名を言う
それをきっかけに音楽話が弾み、奏が周囲と少しずつ打ち解ける…みたいな感じで
400 :茅サイド ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/07(月) 20:31:24.51 ID:peV3SKEro
もう一週間経った。
……いや、まだたった一週間しか経ってないのか。

部屋の中、ベッドの上で膝を抱えて体育座り。
覚悟はしたつもりだったけど、喪失感で胸に穴が空いたような気分。

「真央ちゃんに……会いたいな……」

つい先週。漫画を返したときの会話が最後。
真央ちゃんはまた明日も会えると信じて疑わず、またねと笑って言ってくれた。
あの最後の笑顔が頭から離れない。

あの時、白百合荘から離れることを伝えていれば何か変わっていたのだろうか。
夏祭りの日、真央ちゃんに告白していれば何か変わっていたのだろうか。
してもしょうがない後悔ばかりを繰り返している。

「好きな人に会えないって辛いなあ……」

誰にともなく部屋の中で独りごちる。
そう言ってから、改めて真央ちゃんのことが好きなんだとまた再認識する。
ここ数日はずっとこうだ。

独りで寂しくなって、真央ちゃんに会いたくなって、会えないことを思い出して、好きな人に会えないことが辛いと認識する。

部屋の中にも可愛いものをたくさん置いているのに、その中で一際可愛い真央ちゃん。
祭りの人混みの中からあたしを見つけ出して力強く引っ張っていってくれたかっこいい真央ちゃん。
ありありと真央ちゃんのいろんな姿が思い出されては消えていく。

「もう、会えないんだもんね……」
401 :茅サイド ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/07(月) 20:31:51.06 ID:peV3SKEro
でももし。
もしもあたしが真央ちゃんに告白して受け入れられていたら?

夏祭りのときのように強引に引っ張って、あたしのことを引き止めてくれたかもしれない。
ぐっと体を引き寄せてくれて、そしてキスしてくれて……。

「……っ」

胸の中にざわっとさざなみが立つ。

手も小さいのに、掴む力は強くて。
背も小さくて壊れそうな真央ちゃんにあたしは抵抗なんてできるはずもなくて。簡単にベッドに押し倒される。

そして、その小さい手をあたしの服の中に入れてきて。

「ぁ……んっ」

下着も器用に外されて胸を揉まれるんだ。
そうなったら、あたしはーー。

真央ちゃんの手がスカートの下から入り込み、ショーツへと手をかける。
腰を浮かせると、するっといとも簡単にショーツを剥ぎ取られてしまった。
濡れてるよ、と真央ちゃんのころころとした声が脳に響く。
く、と指をあそこに添えられたと思ったら、次の瞬間には指が侵入してくる。
402 :茅サイド ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/07(月) 20:32:17.24 ID:peV3SKEro
「んぁ……ぅ……ふ……っ」

くにくにと入り口のあたりを擦られ、甘い声が漏れてしまう。
もう片手は再び胸にまで伸び、遠慮なしに揉んでくる。

「あ……あぅ……!」

体の奥がジワジワと熱くなり、やがてそれは限界を迎えた。

「っ、ふ、ーーーーーーっ!」

背中を丸めて絶頂に体を震わせる。
ややあってから体を伸ばしてベッドへと全身を放り出し、脱力する。

「はっ……はぁ……また、やっちゃった……」

また真央ちゃんのことを妄想しながら自分を慰めてしまった。
行為の後で襲ってくるのは激しい後悔と罪悪感だ。
本人の預かり知らぬところで本人を汚す、あまりに最低な行為。

(ごめん。ごめんね、真央ちゃん。気持ち悪いよね)

本人には届くことのない謝罪。

「っく……」

シーツへと涙が落ちる。

「会いたいよぉ……!」

会って、何かしたいわけじゃない。
突然白百合荘からいなくなったことを謝っても意味がなんてないし、何か特別話したいことがあるわけじゃない。
それでも。

大好きな人に会いたい。

その思いだけは何日経とうとも消え入ることはなかった。
403 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/07(月) 20:34:54.40 ID:peV3SKEro
>>377を使って、調子取り戻しがてら茅の現在を書きました
妄想のオナニーなので描写はわざとかなり手を抜いてます

まだ>>393の安価は募集してます
どんどん参加してください
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 21:26:00.92 ID:VzNaORZhO
おお……すごい
時間差で安価が拾われるとは思ってなかったことと自慰描写が来てて、驚きとうれしさとで胸がいっぱいだ、ありがとう
きっと今の茅なら透が唸るようなラブソングを歌えるな

安価は真央が茅の両親を説得する方法で
同性愛がおかしいと思うのであれば娘を、ひいては今まで関わってきた両親の存在をも否定することになるとして、寛容さを求めてみる
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 18:52:58.67 ID:lxSm1nteO
うーん、中々既に挙がっている事以外を思い付くことが難しいな。特に茅の両親とかどうやって説得すればいいんだ

奏がサラ達に事情を話し、どうすればいいのかわからなくなった、助けてほしいと言ってくる…とか?
406 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:36:12.18 ID:YmUtOI5Jo
>>395
>>396
>>397
>>398
を採用します
407 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:36:40.21 ID:YmUtOI5Jo
綾子「ただいまー。奏、いい子にしてたか?」ナデナデ


奏「あぅ」ワシャワシャ


早苗「ええ、と〜っても大人しかったわよ〜。……ふふ」クスッ

早苗「会って何日しか経ってないのに、姉妹みたいに仲良くなったのね〜。そんなに撫でちゃって〜」


綾子「んー……奏の髪がさらさらなのが悪いよこれは」ナデナデ


早苗「あらそう?」ナデナデ


奏「さ、早苗さんまで……」ワシャワシャ


サラ「ただいま帰りました」


奏「お、おかえりなさいー」ワシャワシャ


サラ「はい。ただいまです、奏ちゃん」ニコッ

サラ「ほら二人とも、奏ちゃんが困ってますよ。離してあげてください」


綾子「はーい」スッ


早苗「あら、残念」スッ


綾子「うし。じゃあ部屋戻るか、奏」


奏「はい」


サラ「あ、ワタシも少しお邪魔してもいいですか? 奏ちゃんに渡したいものが……」


綾子「もち。あ、先入ってる? 鍵渡しとくよ」チャリッ

綾子「私ちょっと早苗と話してからいくからさ。くつろいでてー」


サラ「はい、わかりました」
408 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:37:29.61 ID:YmUtOI5Jo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


バタン


サラ「えっと、これなんですけど」ガサガサ

サラ「はい、どうぞ」


奏「問題集……ですか?」


サラ「はい。どれだけここにいることになるか分かりませんから、とりあえず買ってきました。ずっと学校に行かないとお勉強にもついていけなくなっちゃいますから」

サラ「あ、強制はしませんからね。お勉強しなきゃ、って思ったときにやるくらいでいいです」


奏「あ、ありがとうございます。助かります」


サラ「もしお勉強で分からないところがあったら聞いてくださいね。頑張って教えますから」ニコッ


奏「はいっ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子サイドーー


綾子「今日の奏はどうだった?」


早苗「さっき言ったとおり、彼女はとてもいい子にしてたわよ〜」

早苗「ただね、真央ちゃんが気づいちゃったの。奏ちゃんが茅ちゃんのお友達だって」


綾子「大丈夫だったの?」


早苗「最初は怖い顔して詰め寄ってたけど、説得したら「まずは奏ちゃんの問題が解決するまでは待つ」って言ってくれたわ。大丈夫よ〜」


綾子「それはよかった……」


早苗「あとはそうね……担任の先生がここまで来たのよ」


綾子「えっ……それまずくない?」


早苗「とりあえず隠れてくれたからバレてはないと思うけど……」


綾子「バレてないなら……まあ大丈夫かな?」


早苗「……私ね、先生に奏ちゃんのこと相談しようと思うの」

早苗「これ以上大事になって警察事にでもなったら奏ちゃんも大変だし……だから、先生の口から直接親御さんに今の状態を話してもらおうかなって」


綾子「そんなことしたらお父さんたちが来ちゃうんじゃ……」


早苗「ええ……これは賭け。上手くいけば奏ちゃんはしばらくここにいられるはずだから」


綾子「……その担任の先生は、早苗が信頼できるくらいの人なの?」


早苗「ええ。生徒や保護者からも好かれてるみたいだし、とてもいい人よ」


綾子「早苗がそういうなら……任せる。ただ、もし無理やりにでも奏を連れてかれるようなことがあったら、私怒るからね」


早苗「ええ、わかったわ」
409 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:37:57.01 ID:YmUtOI5Jo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌日ーー


奏「早苗さんっ」


早苗「あら。おはよう、奏ちゃん」


奏「おはようございます、早苗さん」

奏「あのですね、何かお手伝いできることってありませんか?」


早苗「お手伝い?」


奏「ここに居させてもらってる以上何かして返したいので……迷惑でしたか?」


早苗「そんなことないわ〜。そうねえ……」

早苗「あ。今は茅ちゃんがいなくて、6号室が空き部屋になってるのよ。2階の1番手前ね」


奏「はい。よく遊びに来てたので分かります」


早苗「そこを軽く掃除してもらえるかしら〜。現状維持のための掃除だから、そんなに丁寧じゃなくてもいいわ〜」


奏「分かりました」


早苗「掃除用具はお庭の倉庫に入ってるから、好きに使っていいわよ〜」

早苗「あと鍵ね。えーっと……はいこれ」チャリッ


奏「ありがとうございます。では、掃除してきます」タタタッ
410 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:38:53.10 ID:YmUtOI5Jo
6号室ーー


奏(ほとんど掃除する箇所はなさそうだけど……)キョロキョロ

奏(全体的に雑巾がけとかしたらいいかな)

奏(……その前に上の方からホコリを落とすんだっけ。最後に上の方をやると結局床にホコリが落ちる……とかで)

奏(脚立とパタパタを用意して……)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏(……ここ、いい人ばっかりだな)パタパタ

奏(特に……綾子さんと、サラさん)パタパタ

奏(お掃除頑張ったら、サラさんまた抱きしめてくれるかな)パタ…

奏(……頑張ろ)パタパタ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏(……それと、いい加減話さなきゃだよね。家出の理由)ゴシゴシ

奏(私の家出の理由なんて他の人にしてみたら大したことないかもしれないけど……私にとっては人生の大問題だもん)ゴシゴシ

奏(綾子さんたちなら、きっと茶化さないでくれる……そんな確信がある)ゴシゴシ

奏(でも、どうやって切り出そう……)ゴシゴシ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏(あとはクローゼットの中かな……)


ギイィ


奏(……二段になってるんだ。上が広くて、下は狭い。上がよく着る服で、下は物を詰めた段ボールとかを置くスペースなのかな)


ゴシゴシ ゴシゴシ


奏(下のスペースの奥の方とか……私とかじゃなきゃ届かないんじゃ……)ググ…


ゴシゴシ ゴシゴシ


奏(……? 奥に何かテープで紙が留めてある……)

奏(なにこれ。手紙?)ペリッ
411 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:39:22.34 ID:YmUtOI5Jo
 桃山真央さん以外の人がこの手紙を見つけた場合、すぐに捨ててください。


奏(表に注意書き……)

奏(……ごめん、茅お姉ちゃん。読むね)ペラッ


 真央ちゃんへ
 この手紙、真央ちゃんが見つけてくれるといいな。

 早速だけど、突然引っ越してごめん。まずはあやまるね。
 あたしが本を隠すの下手くそだったせいで父さんに百合マンガが見つかって、それで「そんな変なものは二度と持たないようにうちでかん視する」って言われちゃって。
 正直に真央ちゃんに言ったら自分のせいって思い込みそうだから、言わずに引っ越しちゃった。

 今さらかもだけど、真央ちゃんのせいなんかじゃないからね。
 あたしが女の子を好きなのは、真央ちゃんにマンガを見せられたからとかじゃなくて、元からそういう人間だっただけのこと。
 だから変に思い詰めたりしないでね。

 それとね、もっと今さらだけど伝えたいことがあるんだ。


 大岸茅は、桃山真央のことが好きです。


 可愛いものを見てテンションが上がる真央ちゃんが好き。
 夏祭りのときのかっこいい真央ちゃんも好き。

 なんて、ほんと今さらだよね。
 いつ見つかるか分からない手紙に書いてもどうしようもないのに。

 でも、書きたいことは全部書いたから、この辺で終わるね。
 ばいばい、真央ちゃん。

 大岸茅より
412 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/09(水) 09:39:53.69 ID:YmUtOI5Jo
奏(え、え、えっ?)カアアッ

奏(茅お姉ちゃんって、真央さんのことが好きなの?)

奏(うわ、うわーっ。これ見ちゃダメじゃんっ)

奏(……でもそっか、好きな人だから迷惑かけたくなかったのかな)

奏(だから茅お姉ちゃん、家でも真央さんの名前出さなかったのかな)

奏(……私も今手紙で知ったくらいだから、家でも当然黙ってるよね)

奏(……そういえば)

奏(茅お姉ちゃん「も」……なんだ)

奏(茅お姉ちゃんもお父さんとお母さんに生き方を決められてるんだ)

奏(「同性愛はダメ」「お前はピアニストになれ」……否定と強制の違いはあるけど、私と同じ……)

奏(……いや、今はそんなこと考えてる場合じゃないっ。この手紙だよ)

奏(どうしよう……真央さんに見せるべきか、否か……)


安価↓
1、真央に見せる
2、見せない
3、早苗に相談する
4、その他の誰かに見せる、相談する(人物指定)
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 11:11:38.15 ID:VFd/k2EvO
可能なら中身を見たことは伏せつつ3かな
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 20:33:03.27 ID:p4ADFeNgo
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 23:21:29.27 ID:EH/Id5KlO

真央も茅も奏も、ここからどう転がるのか予想がつかなくてドキドキだわ
みんなみんなハッピーになっておくれ
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:07:06.12 ID:E3mj6jJdo
奏「早苗さん」


早苗「あら。お掃除は終わったのかしら」


奏「はい。それで、クローゼットを掃除してたらこんなものが……」スッ


早苗「手紙? 『桃山真央さん以外の人がこの手紙を見つけた場合、すぐに捨ててください』……」

早苗「これは……そうね〜……」

早苗「とりあえず今は見ないでおいて、全部解決したら茅ちゃんに渡してみましょうか」

早苗「読んでほしかったら真央ちゃんに渡すと思うし、読まなくてもいいならこっそり捨てると思うわ〜」


奏「そう、ですね」

奏(……読んだことは黙っておこう)


早苗「さ、奏ちゃん。お掃除お疲れ様。休憩にしましょう」ニコッ


奏「あ、はいっ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「……」ズズッ


早苗「コーヒー飲めるのね〜……」


奏「ええ……砂糖とミルクは入れますけど……。んく……美味しいです」


早苗「お口にあってよかったわ〜」


奏(……そうだ。早苗さんに言ってみようかな)

奏「あ、あの……っ」


早苗「なあに?」


奏「家出のことをサラさんたちに相談したいんですけど、どうしたらいいか分からなくて……」


早苗「あら」

早苗(私じゃなくてサラちゃんたちにね〜。思ったよりサラちゃんたちに懐いてるみたい……)

早苗「難しく考えることないわよ。あの子たちなら、どんなタイミングでもちゃんと答えてくれると思うわ」


奏「へ、変に思われませんか?」


早苗「思わないわよ〜。現にこうして私には相談のための相談はできてるじゃない?」


奏「たしかに……」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:07:33.78 ID:E3mj6jJdo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


晩御飯後ーー


サラ「お話、ですか?」


綾子「それって……」


奏「家出のこと……です」


綾子「話しても大丈夫なの?」


奏「はい。お二人になら話してもいいです」


サラ「辛くなったら途中でやめてもいいですからね」


奏「はい。……じゃあ、話しますね」

奏「……って言っても、他の人からしてみたら大したことじゃないと思うんです」

奏「親に、生まれてはじめて反発して。それで自分でも分からないまま家を飛び出したんです」


綾子「反発の原因は?」


奏「私、ピアノを習ってて……でも、親の言うがままにピアノを弾いてきたけど、それが正しいことなのか分からなくなったんです」


サラ「……」


奏「それで『なんでピアノなんて弾かなくちゃならないの』って言ってしまって……喧嘩を」


綾子「私も昔あったなー……水泳が嫌になった時期」


奏「綾子さんはどうやって乗り越えたんですか?」


綾子「んー……私のはちょっと状況が違うかな。親と喧嘩とかしたわけじゃないけど、スクールに行くのがバカらしく思えたんだよ」

綾子「ただまあそれでも行って泳いでるうちに楽しくなって、いつの間にか悩んでたことなんて忘れちゃったけどね」


奏「やってるうちに……」


綾子「ピアノは嫌い?」


奏「ピアノは好きです。……でも、強制されて弾くのは好きじゃない、です」


サラ「……」


綾子「サラ、どしたのさっきから。怖い顔してるけど……」


サラ「……勘違いならごめんなさい。でも……」

サラ「ピアノだけ、じゃないですよね」


奏「っ!」
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:08:00.61 ID:E3mj6jJdo
綾子「どういうこと?」


サラ「ピアノはあくまで喧嘩の原因で……今の悩みはそれよりもっと別の、深いところにあると思うんです」

サラ「家出の話をしてるのに……ごめんなさい、邪推して」


奏「いえ……」

奏(今の悩みが別の場所にある……?)


サラ「奏ちゃん自身も分かってないと思いますが、いくつか質問させてください」


奏「は、はい」


サラ「では。ピアノは続けたいですか?」


奏「……分かりません。今は」


サラ「ご両親と仲直りしたいですか?」


奏「……それは、仲直りはした方がいい……」


サラ「いい悪いじゃなく、したいしたくないで答えてもらえますか?」


奏「わ……分かりません。な、仲直りしても、またピアノを強制されるのはいや、だし……っ! でも仲直りしたくもあって……っ」グズッ


サラ「責めてる訳じゃないですから、泣いても大丈夫ですよ。ただ、最後にもう一つだけ」

サラ「今、自分がどうしたいか、何をしたいか分かりますか?」


奏「わかんな……っ! わかん、ない……ですっ! ひぐ……っ、あたまのなか、わかんないことばっかで……!」


ぎゅっ


サラ「……ごめんなさい、こんなに泣かせるつもりはなかったんです」ナデナデ

サラ「落ち着いてから、ゆっくり話しましょうね」ポンポン


奏「は、はい゛……っ、うう、うぅぅ……!」ボロボロ
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:08:28.07 ID:E3mj6jJdo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「……」ナデナデ


奏「あ、あのもう……」


サラ「大丈夫ですか?」スッ


奏「っ」

奏「だ、大丈夫です、けど……」ソワソワ


綾子「まだ抱きしめてほしいんじゃない?」


サラ「そうなんですか?」


奏「は、はい……」カアッ

奏「抱きしめてもらえれば、話しやすい……気がします」


サラ「では、後ろから失礼しますね」


ぎゅう……


サラ「ええと、今までの質問から察するに……」


綾子「『今どうするべきなのかも、自分が何をしたいのかも分からない』んだね」


奏「た、多分……そう、です」


綾子「んー……私ならとりあえずピアノは続けるかなー」

綾子「これは私の意見だから聞き流してもいいけど、何かに没頭してる間って悩みから介抱されるじゃない? 私の場合は泳いでるときね」

綾子「だから、ピアノを逃げ道にしてもいいんじゃないかなー、とは思う」


サラ「結論は急がなくてもいいんじゃないでしょうか。ここに居ながらゆっくり答えを見つけても……」


ピンポーン


綾子「誰だろ? ちょっと待ってて」

綾子「はいはーい」ガチャッ


早苗「綾子ちゃん……ごめんなさい」


綾子「早苗じゃん。どったの?」


早苗「先生にできる限り交渉してもらったわ。でも……」


綾子「ああ……やっぱり連れ帰るのか……」


???「こちらです」


???「ああ、ありがとう」


早苗「来たわね……。奏ちゃんのご両親と、担任の先生よ」
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:09:07.95 ID:E3mj6jJdo
奏父「初めまして。奏の父です」


綾子「どうも。琴崎綾子です」ペコリ


奏父「奏と話させてもらってもいいかな」


綾子「……嫌がることはしないであげてくださいね」


奏母「ええ、そんなことはしないから安心して?」


奏父「奏、いるんだろう。まずは顔を見せてくれ」


奏「……」ギュッ


サラ「か、奏ちゃん……手は離した方が……」


奏「……ゃだ」フルフル


奏母「ああ、よかったわ奏……変質者に誘拐なんてされたらどうしようかと……」


奏父「なんだ、その……すまなかった。私達もムキになって、娘と口喧嘩などと……」


綾子(あれ……いい人っぽいぞ?)

綾子(てっきりひどい暴力親とかなのかと……)

綾子「そうだ。ここじゃ狭いですし、場所を移しませんか? この部屋に7人はちょっと……」


奏父「ああ、そうだな。どこか話せる場所……」


綾子「私の行きつけのお店に個室がありますけど……そこでいいですか?」


奏父「そうだな。店の場所は?」


綾子「『華』って名前の料亭で……ちょっと待っててください。一応個室の予約しておきます」タタタッ


奏母「華……って、あの高い料亭かしら……」


奏父「んむ……お金はあまり持ってきていないのだが……」
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:09:51.11 ID:E3mj6jJdo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


料亭「華」ーー


綾子「ここの個室を好きに使ってくれ、だそうです」

綾子「『いつもよくしてくれてるから、何も頼まないでもゆっくりなさってください』とも言ってました」


奏父「そ、そうか……」ホッ


亜利砂「ええと……」


早苗「まずは……そうですね、奏ちゃん?」


奏「はい」


早苗「おうちに帰りたいかしら?」


奏「……今は、綾子さんやサラさんといたいです」


奏父「……そうか」


奏母「あのね、奏。私達もあなたが家を出てから話し合ったのよ」


奏父「こんなに追い詰めてしまうならピアノを辞めさせよう……って」


奏「!」


奏母「だから、ね? 家に帰ってきても嫌なことなんてないのよ?」


奏父「ああ。嫌なことは無理にさせたりしないようにしよう、って」


奏「ち、ちが……」


サラ「奏ちゃん」ギュッ

サラ「大丈夫です。言いたいことを言ってあげてください」ボソボソ


奏「……」グッ

奏「……ちがうっ!!」


奏父「っ!?」


奏母「ど、どうしたの奏……」オロオロ


奏「私はピアノをやりたくないわけじゃなくて……! お父さんやお母さんに言われてピアノをやるのが嫌なの!」

奏「私は……! 私の意志でピアノを弾きたいっ!!」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:10:27.25 ID:E3mj6jJdo
奏「……」ハアハア

奏(い、今私……何も考えてなかった……)

奏(今のが……本心……?)


サラ「よくできました」ナデナデ


奏父「そうか……」


奏母「ごめんね、奏……私少し泣きそうよ……」ウルウル


奏「な、なんでっ?」


奏母「あんなにいい子にしてたから、本当にやりたいことをやれてるのかって心配はしてたの。本心を隠して私達のために……って」

奏母「でも今、奏が自分の意志でって言ってくれて……うぅ……っ」


亜利砂「び、びっくりしたわ。クラスでもあんな大声出したことないものね」


奏父「分かった。奏がそうしたいならピアノは続けてくれ」

奏父「……だがな、親としては娘が家に帰ってくれないのは寂しいぞ」

奏父「奏が一緒にいたいと言うくらいなんだから、みんないい人なんだろう」


奏「うん」


奏父「それでもな、私は綾子さんたちのことをまだほとんど知らないんだ」


綾子「そうですね」


奏「でも私、綾子さんたちと一緒にいたい……」


サラ「奏ちゃん」ギュッ

サラ「帰ってあげてください。ワタシたちなら白百合荘にいつでもいますから……ね?」ニコッ


奏「サラ……さん」


奏父「もちろんあのアパートに遊びに行くのは止めたりしない」

奏父「綾子さん、サラさん、早苗さん……どうかこれからもうちの娘に構ってやってください」


綾子「はい、もちろんです」
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:11:09.13 ID:E3mj6jJdo
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


外ーー


奏「……」


サラ「それじゃあ、また白百合荘に来てくださいね」


綾子「待ってるからね」ナデナデ


奏「あぅ」ワシャワシャ


早苗「そうそう、真央ちゃんも待ってるしね〜」


奏父「真央? まだ友達がいたのか」


奏「うん」


奏母「さ、奏。車に乗って」ガチャ


奏「それじゃあ、また」ペコリ


綾子「またね」


バタン


奏「……」テフリフリ


サラ「やっぱり、少し寂しいですね」


綾子「まあ数日とはいえあんなに仲良くなったしね」


早苗「またすぐ来るわよ〜」


亜利砂(解決してよかった……)ホッ


奏父「それでは、失礼します」ペコリ


早苗「はい」


ブロロロロ……


綾子「さ、私たちも帰ろうか!」


サラ「はいっ」


早苗「帰ったら真央ちゃんにも話さないとね〜」


安価↓から翌日以降のみんなの行動
奏は自由に白百合荘に来ることができます
早苗たちの帰宅後、真央にも奏の問題が解決したことは伝わってます
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:20:59.84 ID:PddvJpcKo
奏の行動
手紙を茅に渡し、読んでしまったことも伝える
その上で自分の気持ちを抑え込まないでと訴える
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 20:48:12.70 ID:S2sFonUWO


奏が茅と遊びたいと駄々をこねる振りをして茅が外出する許しを貰い、共に白百合荘へ向かう
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 00:04:48.61 ID:Rt2Lpd0GO
乙、奏の両親いい人だなぁ

茅、意を決し真央に告白するで
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 02:03:59.27 ID:4qR1Mvfeo
真央が奏から茅の家の場所を聞いて、正面突撃しにいく
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 21:13:27.55 ID:DHNp5zN3o
>>424
>>425
>>426
>>427
を採用します
429 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:13:57.08 ID:DHNp5zN3o
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピンポーン


ガチャッ


茅母「あら、奏ちゃん。久しぶりねえ」


奏「お久しぶりです」ペコリ


茅母「茅と遊びに来たのかしら? 上がってちょうだい」


奏「失礼します。茅お姉ちゃんはお部屋ですか?」


茅母「ええ」


奏「それじゃあ、茅お姉ちゃんに会ってきます」テテテッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


コンコン


奏「茅お姉ちゃん?」


ガチャ……


茅「お……おー! 奏! 久しぶりー!」

茅「……って言っても二週間ぶりくらいか。白百合荘で会ってたもんね」


奏「そう、ですね。二週間ぶりです」


茅「それで、何しに来たの? なんか勉強で分からないとこでもあった?」


奏「違います。この手紙を……」カサッ


茅「え、あ……!」


奏「真央さんには見せてないです。早苗さんにも……」


茅「奏は……見た?」


奏「……ごめんなさい、読みました」


茅「そうかー……まあ、書いてある通りなんだよ。あたしが家に帰らされた理由はさ」

茅「親戚のお姉ちゃんが同性愛者とか……幻滅した?」


奏「いえ……それはないです」

奏「まだ私が恋とか愛とかよく分かってないだけかもですけど……好きになるのってどうしようもないことなんですよね?」


茅「そうだねー。確かにどうしようもないことだ」
430 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:14:28.39 ID:DHNp5zN3o
奏「それで、えっと。真央さんに会いに行ったりはしないんですか?」


茅「無理無理。白百合荘行くーなんて言ったらまた怒られるし」


奏「行きたくないんですか?」


茅「できることなら行きたいよそりゃ。真央ちゃんに会いたいもん」


奏「じゃあ行きましょうよ」


茅「どうやってさ。今のあたし、家出るのも簡単じゃないんだよ?」


奏「どうって……私を利用してください」


茅「?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「お、お母さん」


茅母「なあに?」


茅「奏と外で遊んできていいかな。久しぶりに」


茅母「いいわよ、もちろん。奏ちゃん、茅のことよろしくね?」


茅「はい。行きましょう、奏お姉ちゃん」


ガチャッ バタン


茅「マジで行けたし……」ホッ


奏「私が茅お姉ちゃんと真央さんのこと知らないと思ってるんでしょう」

奏「さぁ、大チャンスですよ。会ったらちゃんと言いたいことを言ってあげてくださいね」


茅「お、おうっ!」
431 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:14:57.55 ID:DHNp5zN3o
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


白百合荘8号室ーー


真央(あれから何日か経つけど……まだ奏ちゃんは来ない)

真央(ど、どうしよう。奏ちゃんに茅ちゃんのおうちを教えてもらったらもちろん家に行くけど……)

真央(両親をどうにか説得しないと、茅ちゃんは一生好きなように生きられないんだよね。うあー、大役だよー……)


ピンポーン


真央「!! は、はーい!」


ガチャッ


奏「お久しぶりです、真央さん。それと……」


茅「ご、ごめん……」


真央「か、や……?」


茅「来ちゃった……」


ぎゅうっ


真央「茅ちゃんだ……! 茅ちゃん……!!」ギュウウウ


茅「く、苦しいよ真央ちゃん」


真央「うっさい……少しくらい黙って抱きしめられててよ……」


茅「……うん、黙ってる」ナデナデ


奏「こ、こほんっ」

奏「茅お姉ちゃん、私は少し外してますから、真央さんと好きにお話ししててください」


茅「うん。ありがとね、奏」


奏「いえ。白百合荘の方にはお世話になったのでこれくらいは」


茅「ね、真央ちゃん。一回部屋に入れてくれる?」


真央「うん……」ギュウウウ…


茅「……」ナデナデ
432 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:15:24.07 ID:DHNp5zN3o
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


部屋の中ーー


茅「落ち着いた?」


真央「うん」


茅「じゃあ、えっと……まず謝るね。……ごめん」

茅「何も言わず出てって……ほんとにごめん」


真央「……うん」


茅「でも、また会いたくて……会いたくてどうしようもなくなって……」


真央「ほんとに自分勝手すぎだよ、茅ちゃん……」


茅「うん」


真央「でも、いいよ。真央も会いたかった。会えた。だから許す」


茅「ありがと。優しいね、真央ちゃん」


真央「真央に会うために無理して来たんでしょ? 軟禁されてるとか聞いたもん」

真央「そこから抜け出してでも会いに来てくれた、っていうのはやっぱり嬉しいし」


茅「……真央ちゃん」


真央「うん?」


茅「あたしね、真央ちゃんのことが好き」


真央「うん……ありがとう?」


茅「……」


真央「?」キョトン


茅「……伝わってる?」


真央「え、うん。好きって今……」

真央「……?」

真央「え、あ、す、好きって……好き!?」


茅「うん」


真央「それって友人としてとかじゃなくて……」


茅「れ、恋愛的な意味で……」
433 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:16:09.79 ID:DHNp5zN3o
真央「そっ、か」


茅「うん。だからね」


真央「だから、会いたかった?」


茅「……ん」コクッ

茅「会いたくって泣いちゃう程度には……真央ちゃんのことが好き」


真央「それなら、真央も」

真央「会いたくて泣いたし、取り乱したし、奏ちゃんに迫りすぎて取り押さえられたりもした」


茅「それって、自惚れてもいいのかな」


真央「いいんじゃないかな」


茅「……ならさ、真央ちゃん。ぎゅってしていい?」


真央「いいよ、どんとこい」


ぎゅっ


茅「ま……真央ちゃん、好き。大好きだよ」


真央「真央も。茅ちゃんのことが大好き」


茅「あは、嬉しいな……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央(あれ)パチッ

真央(真央、寝てた?)

真央(茅ちゃんとぎゅってしてたら、今までの疲れがきて……)

真央(うとうとしてたら茅ちゃんが「寝ていいよ」って……)

真央「茅ちゃん……」ムクッ
434 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:16:35.89 ID:DHNp5zN3o
しーん……


真央「茅……ちゃん……」

真央「茅ちゃん!」ダッ


ガチャッ!


真央「くそ……くそ……!」

真央(また、勝手に消えた……!! 茅ちゃんのバカ! 真央の大バカ!!)


ピンポンピンポーン


真央「あまつかさん! あまつかさん!」ドンドン!


ガチャッ


早苗「な、なに!? どうしたの!?」


真央「茅ちゃんは!?」


早苗「み、見てないけれど……まさか来たの?」


真央「来た。奏ちゃんが連れてきて……さっきまでうちに」


早苗「なら奏ちゃんを探せば……奏ちゃんは?」キョロキョロ


真央「少し外すって言って、最初からいなかったよ」

真央「もしかしたら二人とも帰っちゃったかも……」


早苗「そうね……その可能性もあるかもしれないわ。でも、とりあえず探した方がいいところは検討がつくわよ」


真央「?」
435 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:17:06.62 ID:DHNp5zN3o
白百合荘5号室ーー


ピンポーン


サラ「はい?」ガチャッ


早苗「こんにちは〜」


サラ「あ、天使さん。こんにちは」ペコリ


早苗「早速で悪いんだけど……奏ちゃんって来てるかしら〜?」


サラ「はい、来てますよ。奏ちゃん」


奏「はい」トテトテ


真央「奏ちゃん!」


早苗「真央ちゃん、落ち着いて。奏ちゃんは逃げないから」


真央「う……はい」


奏「どうしたんですか? 茅お姉ちゃんは……」キョロキョロ


真央「また……消えたの。真央が寝ちゃって起きたら……もう」


奏「ふむ……」

奏「じゃあ、茅お姉ちゃんのおうちに行きましょうか?」


早苗「!」


真央「い、いいの?」


奏「私は今そうすべきだと思ってます。それが、真央さんだけじゃなくて茅お姉ちゃんにも必要だと」


真央「こ、この子ほんとに真央より一回り以上年下なの? しっかりしすぎじゃない?」


奏「そう言ってもらえると嬉しいですね」


早苗「え、ええっと……」オロオロ
436 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:17:41.42 ID:DHNp5zN3o
サラ「あ〜……こほん」

サラ「まずは現状を整理しましょう。皆さん一度お部屋にお入りください」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「……そして現在に至る、というわけ〜」


サラ「なるほど、お二人の話も聞きましたし一度まとめてみましょうか」

サラ「順を追って整理します」


1、同性愛の本を真央さんが茅さんに貸し出した

2、それを受けて茅さんは自身が同性愛者と自覚

3、自分でもその類の本を集めることを始める

4、そして夏休み中、それをお父さんに見つかる

5、激昂した父の手により、茅さんはご実家に軟禁

6、その少し後に奏ちゃんが家出

7、茅さんの家を知るために、まず奏ちゃんの問題を解決

8、無事解決したため、奏ちゃんが茅さんをここに連れてきた

9、そして今日、再び現れた茅さんは真央さんの気づかないうちに消失(おそらく帰宅)


サラ「まず第一に考えるべきことは、茅さんと呼ばれる方の自宅に向かうかどうかですが、これは……」


真央「行くよ、当然」


サラ「はい、当然ですね。……ただし問題がひとつ」


早苗「茅ちゃんのご両親をどう説得するか……」


サラ「その通りです」


奏「そんなの言いたいことを言えば……」


早苗「奏ちゃんのご両親はそれでも良かったけど……。きっと茅ちゃんの方はそうもいかないのよ」


奏「……難しい」
437 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:18:11.23 ID:DHNp5zN3o
真央「……少し時間かけて考えないと難しいかな」


早苗「そうね〜」


サラ「他の住人の方にも協力してもらいましょう!」


奏「私もできることはします」


真央「うん。ありがとうね、みんな」


安価↓から茅両親の説得方法
それ以外にも各住人の行動
438 : ◆ZOSRNJGVq. [sage]:2017/08/19(土) 21:19:56.75 ID:DHNp5zN3o
久しぶりなので>>436に今までの流れをまとめてあります
参考にしつつ説得方法をお考えください
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 23:59:17.21 ID:857xU57RO

しかしえらく社会派な流れだな……ほんとに難しい話だ

説得方法はまだ思いつかなんだが、更新楽しみにしてたよと言いたくて書き込んだ次第
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 04:29:57.39 ID:MT/+36ojO


茅の両親は頭ごなしに否定してるっぽいし言葉の通用する相手と思えないから
キスするなり、(本心かはともかく)プロポーズするなり力技での混乱に乗じて強引に認めさせるような、突飛なやり方しか思い付かん
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 05:09:25.80 ID:JG6qPhF5o
両親が心配してるのは世間によく見られないだろうって辺りだと思う
その親心が娘の幸せを否定してるんだ、と面と向かって伝えるとかかな
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 11:27:10.44 ID:4TBJcezUo
そんなことになってるとは露知らず、渚と理緒のイチャラブデート
途中で凪沙ばったり会うハプニング
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 19:36:24.45 ID:T5NPIpdA0
奏いわく同性愛に理解がないだけで基本家族仲は良好かつとても良い両親らしいしやっぱり茅自身が本当の気持ちを話して理解してもらうしかないんじゃないかな

同性愛の性癖は元々あって本の影響からみたいな軽い気持ちじゃなく今までは悩みながら隠してきたこと、真央と一緒に真央の部屋にいる時が一番自分らしくいられること、同性愛とかキモいみたいに言われたこともあるけど渚や理緒には同性愛でも応援すると言われて嬉しかったこと、ここ一週間の真央に会えない間は何回も泣く程辛くてそれだけ真央のことが本気で好きなこと等、話し合いの場を設けてこのへんのことを改めてきちんと話した後真央からも茅への思いを両親にぶつける
両親と面識のある奏も白百合荘の住人は良い人達ばかりで皆さんきっと応援してくれるし助けになってくれるはずと話す
あとは両親だからこそ他人にはあまり打ち明けられないであろう茅の同性愛に向き合ってあげるべきで問答無用で軟禁なんて全否定は間違ってると指摘するとか
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 20:48:45.99 ID:iBh/TrebO
>>443
誰も読まんぞ
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 20:56:16.61 ID:9ebjAk2eo
俺は読んだぞ
446 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:07:24.01 ID:Z4iQHho5o
>>442
を採用し、いよいよ茅の親との対決になります

>>404
>>440
>>441
>>443
などを参考にしつつ進めていきます
447 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:08:29.83 ID:Z4iQHho5o
渚サイドーー


駅ビル内の雑貨屋ーー


理緒「なぎさー」


???「?」クルッ


渚「なんですか、理緒さん」テテテッ


理緒「これ。可愛いよ」


渚「わあ……! もふもふしてますね!」モフモフ


理緒「うん。イヌ? のぬいぐるみなんだって」


渚「イヌですか? うーん……クマっぽくないです? これ」モフモフ


???「ねえ、今なぎさって……」


理緒「え……あ」

理緒「なぎ……さ」


???「やっぱ理緒だ!」


渚「ど、どちらさまですか?」


理緒「えっと……凪沙、って言えばわかる?」


渚「凪沙……あのなぎささんですか?」


理緒「うん」コクッ


凪沙「どーも。そっちは?」


渚「えと、澄野渚といいます」ペコリ


凪沙「なぎさ、ねえ……ふーん……」


理緒「な、なに……」


凪沙「次はその子?」


理緒「な……っ」


凪沙「渚さん、あんまりこの人の近くにいると大変だよ? 頼み事ばっかしてくるし、めっちゃ構ってオーラ出してくるし」
448 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:09:03.15 ID:Z4iQHho5o
理緒「渚……」


渚「それ、いつの話ですか」


凪沙「中学のときだから……5年くらい前かな」


渚「そんな前の話を今しないでください」

渚「理緒さんは昔とは違います」キッ


凪沙「……へえ」


理緒「な、なぎさっ」アセアセ


渚「凪沙さん、よかったら今から一緒に歩きませんか? 今の理緒さんは昔とは違うって知ってください」


凪沙「いいよ。理緒が今どんなんなのか個人的に気になるし、それにあなたにも興味出てきたから」


渚「理緒さん、いいですよね」


理緒「うん、いいけど……」


凪沙「……で、ずっともふもふなイヌのぬいぐるみを持って凄んできたけど、それは買うの?」


渚「な、あっ」カアアアッ

渚「か、買います……」
449 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:10:33.15 ID:Z4iQHho5o
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


凪沙「つまり、お隣さんのよしみで仲良しなわけだ」


渚「はい。理緒さんにはよくしてもらってます」


理緒「……」テコテコ


凪沙「しかし頼み事しなくなったってのはびっくり。昔ほんとすごかったんだから」


渚「昔の理緒さんってどんな子だったんですか?」


凪沙「いっつも私の後ろ歩いて「なぎさぁ、なぎさぁ」って言ってた」


渚「それはちょっと見てみたかったですね」


理緒「……///」テコテコ


凪沙「逆に最近の理緒はどうなの?」


渚「うーん……頼み事をするのに勇気が要るらしくて、普段はクールなんですけど、頼み事する時だけは小動物みたいになりますね」


凪沙「はー……私の一言でそんなになるまで思い詰めてたのか……」

凪沙「理緒ー、そんな離れてゆでだこになってないでこっちきてー」


理緒「……///」テコテコ


凪沙「理緒、昔あんなこと言ってごめんね。まさか頼み事するのも一苦労いるようになるだなんて思ってなかった」


理緒「いいよ、そのおかげで渚と仲良くなれたようなもんだし……」


凪沙「それならよかった」

凪沙「渚さんいい人みたいだし、私みたいなことにならないようにね」コショコショ


理緒「……うん」コクッ
450 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:11:17.81 ID:Z4iQHho5o
凪沙「さてと、理緒のことは分かったし、もう帰ろうかな」


渚「え、帰っちゃうんですか?」


凪沙「そもそも最初は理緒と渚さんが二人だったわけだし、あんまり邪魔したくないからね」

凪沙「あ、そだ。私この駅ビルの地下にある喫茶店でバイトしてるんだ。よかったら今度遊びに来てよ」


渚「はい、ぜひ。また昔の理緒さんの話聞かせてくださいね」


理緒「な、なぎさ。私の話はもういいよ」


凪沙「来てくれたら話してあげる。それじゃね!」タタタッ


渚「行っちゃいましたね」


理緒「うん。……よかった、変なムードにならなくて」


渚「いい人みたいでしたけど……」


理緒「凪沙がいい人だから私も依存しちゃったんだろうね……。うん、いい人だよ、ほんと」


渚「また会えるといいですね」


理緒「昔の話をされるのは勘弁だけどね」アハハ
451 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:11:56.93 ID:Z4iQHho5o
白百合荘ーー


ピンポーン


真央「はーい?」ガチャッ


渚「桃山さん、お久しぶりです」ペコリ


真央「おー、渚ちゃん! どしたの? あ、中入って」テクテク


渚「えと、そのですね……」ゴソゴソ

渚「これ、プレゼントです」


真央「か……っ! かわいい! なにこのぬいぐるみ! イヌ!? クマ!?」モフモフ


渚「イヌらしいです、一応」


真央「可愛いよう……」モフモフ

真央「……って、なんでプレゼント?」


渚「えっと……耳貸してください」


真央「?」


渚「桃山さんのおかげで理緒さんとお……お付き合いできることになったので、そのお礼です」コショコショ


真央「お、おおー!」

真央「……真央のおかげ?」ハテ


渚「相談に乗ってもらったじゃないですか。あれ、とても助かりました」


真央「そういえばそうだったねえ……」

真央「あ、そだ。それならさ、ちょっと話聞いてもいい?」


渚「なんでしょう?」
452 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:12:24.62 ID:Z4iQHho5o
真央「親に自分は同性愛者だって言った?」


渚「いえ……」


真央「じゃあさ、バレたとしたらどうする? なんて言う?」


渚「真央さん、まさかこの百合漫画のことバレたんですか?」


真央「ああいや、真央のことじゃないんだけどね。そもそも真央の親はそういうの別に気にしない人だし」

真央「ただ茅ちゃんの方がバレて今大変で……」


渚「お、大岸さんがですか……うーん……」

渚「説得はダメなんでしょうか?」


真央「難しいと思う。同性愛はダメ! って否定されてるみたいで」


渚「両親ともですか?」


真央「え? あ、うーん……話を聞いた限りはどっちもな気がするなー」


渚「両親どちらもが明確に拒否反応を示すっていうのも珍しくないですか?」


真央「どゆこと?」


渚「つまり父、あるいは母どちらか一人だけなら説得の余地はある気がするということです」

渚「いくら夫婦と言えども、全てのことで共通の見解を示すことはないと思うので」


真央「なるほど……」


渚「あとはそうですね、私が親に言うときは自立できてからだと思います」

渚「理緒さんと二人で暮らしていけることが証明できれば、お母さんたちにダメだと言われても最悪駆け落ちでもしてどこかで暮らせますからね」

渚「……できることなら応援してほしいですけど」
453 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:13:50.27 ID:Z4iQHho5o
真央「なるほどなるほど……」フムフム


渚「お役に立てましたか?」


真央「うん、すっごく!」


渚「それはよかったです。……そういえば、大岸さんは今すでに好きな方やお付き合いしてる方がいるんですか? バレたということは」


真央「えと……真央」


渚「?」


真央「……真央のことが好きみたい」カアアアッ


渚「知ってるってことは告白されたんですか?」


真央「……」コクッ


渚「それで、桃山さんは……」


真央「真央も好きだよって言った……」


渚「あら」

渚「桃山さんは前「混ざるんじゃなく見るのが好き」と言ってましたけど……」


真央「そ、そういえばそうだね」

真央「でも、なんだろ。もうそんなんじゃないんだ。そんなポリシーなんてどうでもよくなるくらい、茅ちゃんのことが好き」


渚「ふふ、聞いてるこっちが恥ずかしくなりそうなセリフですね」


真央「うう……」カアアア…


渚「それをしっかり大岸さんや大岸さんのご両親に伝えてあげるのがいいんじゃないですか?」

渚「そしたら……きっと理解してもらえると思いますから」


真央「……うん、ありがと。すごく参考になったよ」


渚「それは何よりです。大岸さんとのこと、応援してますね」


真央「うんっ」
454 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2017/08/25(金) 16:14:20.20 ID:Z4iQHho5o
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


数日後ーー


真央「すー……はー……」


奏「大丈夫ですか? できるだけ早くとは言われましたが……こんな早くに話し合いをしなくても」


真央「一日でも早くしなきゃ茅ちゃんが苦しむ時間が伸びちゃうでしょ」


奏「……ごもっともです」

奏「……では」


ピンポーン


「はーい」


出たのは? 安価↓コンマ2桁
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