小林オペラ「この裁判…絶対に逆転して見せる!」

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114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:42:30.01 ID:coNdreQ70

【尋問開始】



@「場所は横浜みなとみらいに建てられたサーカステントの中で起きた」


小林「待った!」

小林「犯行場所は、本当にそこ間違いないのか?」

神津「…そもそも、あんな巨大な建物を間違う筈が無いのだが」

北芝「あのテントも銃弾は貫通しない特殊なものを使用しているし、寧ろその中以外での犯行は不可能よ」

小林「いえ、死体が見つかったのはあくまで死んだ状態のままです」

小林「殺害された場所は、他ではありえなかったのですか?」

神津「あり得なかった」

コーデリア「そんなキッパリと答えられるなら、ちゃんとした証拠があるんでしょうね!」ダンッ

神津「…証言は最期まで聞け」

神津「死亡時刻こそハッキリしなかったが、犯行時刻は正確に把握できている」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:43:31.24 ID:coNdreQ70


A「犯行時刻は11時45分。奇跡の少女の公演の開始直後に、それは起こった」


小林「待った!」

小林「奇跡の少女…、結局内容はどんなものだったんだ?」

神津「…情報提供者の独特なニュアンスのせいで詳しい事までは把握できなかったが」

神津「どうやらあれは、入れ替わりを主題とした手品だったようだ」

小林「…手品?」

神津「歯車の中に入れば、出口から出てくる者は全く違う人物で」

神津「中からはウサギやら蛇、揚句の果てには虎など人外も現れたようだ」

神津「被害者がその中に入り、他の二人が葡萄酒とパンを入れた瞬間に次々と客や多種の動物が現れる…」

神津「それが、奇跡の少女の全貌のようだ」

小林「…それは、被害者のテレポート能力を使っての事かい?」

神津「ああ。そうだ」

小林「……一つ、疑問があるんだけど」

小林「被害者は、殺害される前にテレポートをして逃げる事はできなかったのかな?」

北芝「…真っ暗闇の中で、被告人が不意に襲ってきてる時に?」

北芝「面白いわね。貴方はできるのかしら!?真っ暗闇の中でそんなアサシンみたいな事が!」ダンッ

小林「…無理かもしれません」

北芝「はんっ!だったら神津くんの証言に難癖つけるんじゃないわよ!!」

小林(純粋な疑問だったんだけどな…)
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:44:24.48 ID:coNdreQ70


B「証明の暗転までは予定通りだったが、再び明るくなった時、それは現れた」


小林「待った!」

小林「…明るくなった時、被告人は被害者を殺す瞬間が映されましたか?」

神津「いや、その時は既に殺された後だった」

小林「なら、被告人が殺したという証明には――」

北芝「異議あり!!」

北芝「現場では、被告人以外殺人ができる者は誰ひとりとして居なかった!それを断言しているのよ!?」

北芝「それに、まだ証言は終わっていないわ!それ以上難癖付ける気なら、退廷させるわよ!」

シャロ「異議あり!!」

ネロ「例え証人が誰であれ、弁護側は難癖をつける権利がある!!」ダンッ

コーデリア「検察側だって、同じような事してるじゃない!」ダンッ

姫百合「弁護側の権利を潰そうとしないでください!!」ダンッ

北芝「ぐっ…!ぬぬ…」

小林(…凄いな、総攻撃だ)

神津「…難癖をつけるのは構わないが、ちゃんとした根拠を提示する事だな。小林」

小林「そこで僕を睨むのか…」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/08/21(月) 23:44:54.37 ID:coNdreQ70

C「血まみれの被告人二人の後ろに、トイズの矢に貫かれ歯車に巻き込まれた無惨な被害者の姿が――」



小林「待った!」

小林「…他に、歯車の近くに居た者は?」

神津「…傍には、サーカスの関係者以外誰も居ない」

神津「強いて言うなら団長が一番近かったが、被害者の血痕は付着していなかった」

北芝「…現場で被害者の血痕を浴びていたのは被告人二人だけよ」

北芝「それを示しているのは一つ、至近距離で被害者を殺害した事他ならない!」ダンッ

小林「異議あり!」

小林「しかし、被告人のトイズは”アロー”と”バウンド”です!遠距離でも十分に殺人ができる!」

小林「わざわざ凶器の近くに行って殺人を犯すなんて、考えられません!」

北芝「異議あり!!」

北芝「遠距離から犯行を犯せば、自己紹介しているようなものじゃない!」

北芝「更に言えば被害者の顔にはその”アロー”が貫いていたのよ!?これは、被告人が殺人を犯した確かな証拠よ!!」ダンッ

北芝「それも、バウンドを使えばさぞ強力な威力でしょうね!!」

小林「ぐっ…!」

神津「…被告人は12歳前後だった」

神津「爪が甘かったと、警察はそう考えている」

ネロ「くっそー!動機なんてコジツケで何とかなるからってー!」

シャロ「カズミちゃんとアリスちゃんを馬鹿にしないでくださいー!!」

神津「…証言を続けさせて貰おう」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:45:22.90 ID:coNdreQ70

D「トイズ糸が被告人の席からのびているのを発見。以上の事から検察側は被告人をサイコパス殺人者と断定している。」



小林「待った!」

小林「…そのトイズ糸というのはどういう代物なんだ?どこから来たんだそんなものは」

神津「……それは、警察にも良く分かっていない」

小林「…分かっていない?」

北芝「トイズ糸は主に裏ルートからでしか入手する事ができないのよ」

北芝「何せ、今のところトイズ所有者の眼球を用いないと作れないのだから」

小林「!?」

コーデリア「ト…トイズ使用者の…眼球!?」

神津「…その通りだ」

神津「怪盗の間でも、トイズ所有者の眼球を狙うものも多い。非常に高値で売れると聞くからだ」

神津「逃走路の確保、暗殺の応用、使い方は様々だが非常に利用価値が高いと見れる」

神津「…公にはされていないが、過去にも眼球を抉られた事例が存在している」

北芝「暴力団の中では、不用になったトイズ持ちの組員の眼球を抉り売りに出されるとも聞くわ」

小林「…そんな…恐ろしい物が…!?」

神津「…ああ。被告人二人が独自ルートで購入した可能性がある」

神津「もしくは、誰かに譲り受けたか…だが。どちらにせよ、それらを追跡するのはほぼ不可能だ」

小林「なっなら、それが被告人の物である可能性だって…」

北芝「異議あり!!」

北芝「答えの無い議論をするつもりは無いわ。証言はここで終了よ!!」ダンッ

神津「…ああ、これらを持って俺達は」

神津「被告人をサイコパス殺人罪の容疑として告訴する」

小林「くぅぅっ…!!」

小林(…くそぅ…トイズ糸…かっ……)

小林(そんなものがあるなんて…聞いてないぞ…)

シャロ「わっ…私も…怖い人に眼球取られちゃうんですか…!?」

コーデリア「やっやめてよシャロ!わっ私だって…怖くなっちゃうじゃない…!」ガタガタ

エリー「あうあう…あうあうあう…」プルプル

小林(…こっちもこっちで、大変な事になってるな…)

小林(しかしどうだろう。この証言…)

小林(もっと、言及してみるべきか?)

  →言及する

    言及しない
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:45:48.91 ID:coNdreQ70

小林「…裏ルートと言う事は、怪盗なら容易に手に入るという事でしょうか?」

神津「そういう問題ではないが、…その通りだ」

小林「そして、決定的な証拠はそのトイズ糸…なのですよね?」

神津「…まぁ、その通りだ」

小林「神津」

小林「その事を、証言に加えてくれないか?」

北芝「!」

神津「…どういう事だ」

小林「頼む、とても重要な事なんだ」

小林「弁護側は、その証言を加える事を要求します!」

北芝「ちょっと!何を勝手に――」

裁判長「…弁護側の要求を認めます」

北芝「!」

ネロ「よっし!」

神津「………承知した」


D「トイズ糸が被告人の席からのびているのを発見。以上の事から検察側は被告人をサイコパス殺人者と断定している。」

↓追加

E「トイズ糸は裏ルートで手に入れる事ができる。主に怪盗側の人間だ」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:46:16.18 ID:coNdreQ70


E「トイズ糸は裏ルートで手に入れる事ができる。主に怪盗側の人間だ」


小林「待った!」

小林「それならば、被告人がそれを手に入れたという根拠を――」

北芝「異議あり!!」

北芝「だから!無理だって言ってるでしょうが!!」

北芝「匿名ブラウザと裏社会のネットワークを通じてじゃないと無理なのよ!?使い方さえ分かれば手には入るけど、ルートを探るのは不可能!」

北芝「誰が手に入れたなんて、この法廷では何の意味も持たない!!」ダンッダンッ

小林「………」

小林(ルートを見つけるのは不可能。それならば…)

小林(”そこ”だけは不安定な証言という事だ)

小林(この証言を上手く突けば、他の可能性を提示できるかもしれない)

小林(……まずは、証拠品を見直してみよう)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:46:42.39 ID:coNdreQ70


姫百合「…さすがに神津警視は、隙の無い証言をしますね」

コーデリア「どこにツッコミを入れれば良いのか、私には分かりません…」

小林「…そうだね。この証言だけではツッコミの入れようがない」

小林「まだ審議は始まったばかりだ。神津から情報をどんどん引きだそう」

小林「その中にきっと、答えがある筈だ」

小林(もう一つの可能性を示す、答えが―!)
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:47:12.05 ID:coNdreQ70
しばらくお待ちください…
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:53:50.67 ID:coNdreQ70

E「トイズ糸は裏ルートで手に入れる事ができる。主に怪盗側の人間だ」に

↓を突きつける

→証拠ファイルC【怪盗帝国からの手紙】



小林「異議あり!!!」

ダンッ

小林「…悪いけど神津、警察側の告訴がそれだけなら…」

小林「被告人を犯人だと断定する事は、できない」

北芝「何ですって…!?」

神津「…ほう」

小林「まず、こちらを見てください」ピラッ

裁判長「はいはい。どれどれ……」

裁判長「こっこれは!怪盗帝国からの招待状ではありませんか!!」

北芝「!」

神津「…!」

小林「その通りです。このサーカスの団長は、怪盗への誘いの手紙が来ています」

小林「つまり、団長も怪盗を兼業している可能性があるのです」

北芝「…それが、何だと言うの」

小林「…弁護側は、召喚を要請します」

小林「漆黒の魔法団の団長、花輪小百合さんに!!」ダーン
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:54:31.33 ID:coNdreQ70

ザワザワ…ザワ…

カンッ!

裁判長「静粛に!静粛に!」

裁判長「…まさか、その団長を殺人犯の容疑で告訴するのですか?」

小林「…いえ、そうではありません」

小林「あくまで確認の為です。彼女がこの誘いに乗ったのかどうか」

北芝「…何よ、さっさと言ってしまいなさいよ」

北芝「どうせアンタの事だから!そいつが人を殺したと言いたいんでしょう!?まどろっこしい事すんなっての!!」ダンダン

小林「異議あり!!」

小林「…確かに、彼女も殺人をしている可能性がある事を否めません」

小林「しかし、今のこの状況では立証はほぼ不可能です!!」ダンッ

姫百合「私達は!検察側のように雑な告訴を許すわけにはいかないのです!!」

北芝「なっ…なんですってぇえええ!!?」ダンダンダン

小林(凄い事言ったな…姫百合くん)

カンッ

裁判長「…弁護側の意図は、良く分かりました」

裁判長「それでは、漆黒のまちょ…漆黒のまも…しっぽ…」

裁判長「…サーカスの団長を、検察側は連れて来て下さい」

小林(今噛んだな、裁判長)

姫百合「噛みましたね…今」

シャロ「噛みまみた!さいばんしょーさん!」

小林「…うん。僕は何も言わないよ。シャーロック」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:54:57.87 ID:coNdreQ70


小百合「…………」

北芝「…証人、名前と職業を」

小百合「………クックック…我の名を要請し召喚するというのか?それが魔族解放の鍵とも知らず…」

小林「………」

北芝「……は?」

小百合「良いだろう、申そうでは無いか。世界樹の精に伝えておけ!我が名は漆黒の魔術師(ダークシュタインズ)だ!!!」ドドーン

小百合「漆黒の魔法団で、世界のマナを集め黒きサタンを背中に宿いし民衆の絶叫をもたらす……」

小百合「闇の世界の、魔王だっ!!」ババーン

小林「………」

北芝「………」

裁判長「………あの」

裁判長「証人は、一体何を言っておられるのですかな?」

小林「分かりません……」

北芝「…おい、私達を馬鹿にしてるのか?」

小百合「クックック…違うな。ここは裁きの地。我がここに立つという事は、ラグナロクが始まるのだろう!?」

北芝「……は?」

小百合「良かろう!語ってやろうではないか…我が世界の歴史と全てを!!」ババーン

北芝「あー…分からぁあん!!黙れぇえ!!この中二病!!!」ダンッ ダンッ

小百合「うひぃ!?」ビクッ

北芝「私達の分かる言葉で喋れ!喋らないと法廷侮辱罪を施行させて、刑務所に送るわよ!!!!」

小百合「ぴっ…!!……花輪小百合です。漆黒の魔法団の団長をしています…」

小林(弱っ!)

北芝「…よーやく分かる言葉が出てきたわ」

裁判長「それは良かった。特殊な言葉が飛び交う裁判の中で審議できる自信がありませんでしたから」

裁判長「それでは証言して頂けますね?証人」

裁判長「貴方達サーカス団の事について、話せる事を全て話して下さい」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:55:25.44 ID:coNdreQ70

【証言開始】


@「聖騎士4天皇の我らは以前、孤独の戦いであった」

A「しかし、三人の我が友が舞い降りた時、我らは4天皇となった」

B「強固なる絆と共に、我らが力は強大していった…」

C「だが、その絆も失われた…ゴドムとソドラによって!!」ダンッ!



北芝「………」

小林「………」

裁判長「…どうやら、戻ってしまったようですな」

北芝「…これを記録しなきゃいけないのが一番の拷問だわ…」

小林「…(これを…尋問しなければならないのか)」

北芝「もういい。もう分かった。じゃぁ後は頼むわね弁護人」

カンッ

裁判長「それでは、弁護人は尋問をお願いします」

小林「…早急に僕に回そうとしないでください」

小百合「フゥーハハハ!!」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:56:04.90 ID:coNdreQ70


【尋問開始】


@「聖騎士4天皇の我らは以前、孤独の戦いであった」


小林「待った!」

小林「…え、ええと、ちょっと待って下さい?」

小林「……4人になる前は、一人で活動していた。という事でしょうか?」

小百合「……貴様は、あのゴドムとソドラの仲間だな?」

小林「え」

小百合「酔狂な!そのような者に情報を与えるわけにはいかぬ!!」ダンッ

小百合「我が重要な記憶を、貴様らの手で改惨などされてたまるものかっ!!」クワッ

姫百合「…どうやら、全然信用していないみたいですね」

小林「あ、あの。証言してくれないと裁判が進まないのですが…」

小百合「神殺しに塩を贈るくらいならば、我はこの舌を噛み切って死ぬ!!」

ダンッ!

姫百合「証人!」

小百合「ひぃっ?!」ビクッ

姫百合「本当に舌を噛み切るのであれば、止めはしません」

姫百合「できるものなら、今すぐやってください!!」ダンッ

小百合「…あ、…あうぅ…」ビクビク

小百合「……椿ちゃんとつげちゃんとねこちゃんが入る前は、一人で手品やってたの…」

小林「………」

北芝「………」

裁判長「…それは、なんとも寂しいサーカス団ですね」

小百合「…うっ…ううぅ…」プルプル

小林(…苦労していたんだな…)

裁判長「それでは証人。証言を続けてください」

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:56:30.14 ID:coNdreQ70


A「しかし、三人の我が友が舞い降りた時、我らは4天皇となった」


小林「待った!!」

小林「…それは、何年ほど前の事なのでしょうか?」

小百合「…クックック!月の変わりが6となり、隣合わせになる時、三人は舞い降りた…」

小百合「我は、孤独から脱却し4人の聖戦士として世界と戦っているのだ!!」バッ

小林(…何と戦っているんだ?)

シャロ「団長さん、お友達の事になると嬉しそうに証言しますね!」

姫百合「…月の変わりが6回。という事は半年前の事でしょうか?」

ネロ「以外と近いんだね」

小百合「フハーッハッハ!我ら4人が揃えば!世界を掌握するのも容易い!」

裁判長「…その内の一人がお亡くなりになった事、心苦しく思います」

小百合「…………」

小百合「うっ…うううっ…うっ…」ポロポロポロ

シャロ「あー!裁判長さんが証人を泣かせたー!!」

コーデリア「何て酷い!軽蔑します!」

ネロ「見損なったよ!!」

エリー「最…低……!」グスッ

裁判長「えっ…?えっ!?」ギクッ

北芝「…裁判長」

北芝「失礼だけど、今のは無かったと思うわ」

裁判長「………っ!?」ガーン

小林(可哀想に…裁判長総攻撃だな)
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:57:09.61 ID:coNdreQ70

B「強固なる絆と共に、我らが力は強大していった…」


小林「待った!」

小林「…つまり、彼女達三人が入団した事で評価が上がった。と考えても良いのでしょうか?」

小百合「愚問!我が漆黒の魔法団は一人では成しえなかったのは確実だった!」

姫百合「まぁ、一人だと団にはなりませんからね」

小百合「母と別れ、父が死別し…仲間のいない世界で一人、孤独の中で私は悟った」

小百合「例え魔王であれど、一人では帝国にすらならぬと!!」ババーン

小林(…想像以上に辛い境遇の中に居たみたいだ)

小林(どうする?心の傷を抉るようだが…何か聞いてみた方が良いだろうか?)


→【家族の事】

→【一人ぼっちの学園生活】
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:58:37.44 ID:coNdreQ70

訂正

B「強固なる絆と共に、我らが力は強大していった…」


小林「待った!」

小林「…つまり、彼女達三人が入団した事で評価が上がった。と考えても良いのでしょうか?」

小百合「愚問!我が漆黒の魔法団は一人では成しえなかったのは確実だった!」

姫百合「まぁ、一人だと団にはなりませんからね」

小百合「母と別れ、父が行方不明…仲間のいない世界で一人、孤独の中で私は悟った」

小百合「例え魔王であれど、一人では帝国にすらならぬと!!」ババーン

小林(…想像以上に辛い境遇の中に居たみたいだ)

小林(どうする?心の傷を抉るようだが…何か聞いてみた方が良いだろうか?)


→【家族の事】

→【一人ぼっちの学園生活】
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:59:05.87 ID:coNdreQ70

→【家族の事】を選ぶ

小林「…大分辛い境遇を受けて育ったみたいですが」

小林「良ければ、家族の事についてお話願えますか?」

小百合「…それは、この裁判に必要な事なのか?」

小林「え?」

小百合「我の家族の事は、本当に事件と関係あるのかと聞いている!!」ダンッ

北芝「…確かに、全く関係無い事に思えるわね」

裁判長「ふむぅ…確かに」

小林「……」

小林「確かに、この事件の事には関係無い事かもしれません。ですが」

小林「今聞く事は、事件の背景を知る為ですよね?」

裁判長「!」

北芝「………」

小百合「…?」

ダンッ

小林「…では、話して下さい証人。貴方の家族の背景を!」

小百合「……なっ何故だ!?何故そこまでして知ろうとする!?」ガーン

小林(……探偵の勘。とか言ったら、総攻撃を喰らうんだろうなぁ)

小百合「グヌヌ…!分かった!だが、この事件とは一切関係ないぞ!」

小百合「せいぜい無意味な時間を堪能するがいい!ゴドムとソドラの使用人め!!」ダンッ

小林(…僕が仕えてるのはカズミくんとアリスくんの二人なんだが…)

小林(名前を覚えようともしていないな。この子…)


→D「母は幼き頃に別居し、父は行方不明だ!それ以外に家族はおらぬ!!」が追加
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/21(月) 23:59:32.85 ID:coNdreQ70

C「だが、その絆も失われた…ゴドムとソドラによって!!」ダンッ!


小林「待った!」

小林「しかし、被告人二人は殺人を犯していないと主張しています!」

北芝「異議あり!!」

北芝「被告人には発言力は一切存在しない!!それを分かって反論しているのかしら!?」

小百合「そうだ!罪人の意見など戯言当然!聞くに値しないのだ!!」ダンッダンッ

小百合「このっ…返せ!椿ちゃんを返せ!!ううぅ…返せぇ!!」ポロポロポロ

小百合「返せ…返してよぉ…ううぅ…うぇぇぇ……」グスッグスッ

小林(…やっぱり、今この証人は感情が不安定のようだ)

小林(こんな状態の証人に証言をさせても良いのだろうか?)

シャロ「うう…団長さん、なんだか可哀想に見えてきました」

コーデリア「そうよね。恨む相手を間違えてるとは言え、親友を失ったんだもの」

裁判長「…その気持ちは、私も痛い程に分かります」

裁判長「しかし、ここは裁きの場。感情は心証にこそなれど証拠にはなりません」

小百合「ううぐぅ…しんしょーってなんなのぉ…?しょーこってなんなのぉ…」グスッグスッ

姫百合「…何か、泣くたびに幼児退行していませんか?あの人」

ネロ「赤ん坊になる前に、全ての証言を吐かせた方が良いね!」ダンッ

小林「…君達も酷いな」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:00:33.72 ID:axKEPifE0


D「母は幼き頃に別居し、父は行方不明だ!それ以外に家族はおらぬ!!」


小林「待った!」

小林「…母親と父親の名前までは、覚えていませんか?」

小林「後、できれば職業を…」

北芝「異議あり!!」

北芝「証言以上の情報はこの法廷には不必要!余計な発言は控えてもらえるかしら!?」

小百合「…それは、そうだ!確かに――」

北芝「どうせ!この証人の頭では覚えてないでしょうしね!!」ダンッ!

小百合「なっ――失礼な!!」

小百合「覚えてるもん!そりゃぁ、お母さんは他の男の所に行ったから分かんないけど…」

小林(重すぎる…!)

小百合「でもお父さんは立派な人だもん!覚えてるんだもん!!」プンップン

姫百合「…父親の事になると、口調が戻りましたね」

小林「ずっと、このままだったら良いんだけどね」

小百合「お父さんは立派なマジシャンで!あの”ドイサース”の団長なんだから!!」

小林「……えっ!?」

ダンッ

小林「証人!それは本当ですか!?」

小百合「勿論だ!ただ、6年前から行方が分からなくなって――」

小林「証人!それを証言に加えてください!!」

小林「それは何よりの、重要な証言です!!」カッ

小百合「…ほう、我の父に強く敬意を示すとは、貴様、なかなか見どころがあるではないか」

小百合「よかろう!我が父の名、証言に付け加えてしんぜようぞ!!」


→D「母は幼き頃に別居し、父は行方不明だ!それ以外に家族はおらぬ!!」

     →D「母は幼き頃に別居、父は偉大なドイサースの団長だった!!」に変更
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:01:03.75 ID:axKEPifE0


小林「…彼女についての証言は、これくらいか」

姫百合「一聞しただけでは全然分かりませんね…」

小林「そうだね。これは証言から更に情報をゆさぶる必要がある」

小林「彼女の不可解な言葉の中に、重要な意味が隠されている可能性があるからね」

シャロ「…なるほど!それではネロもお願いします!」

ネロ「いや、さっきから意味を読み取ろうとトイズも使ってるんだけど…かなりキツイよこれ」

ネロ「誰か…交代して…」

コーデリア「ネロ!貴方以外に誰が読心術できると思っているのよ!」

エリー「ネロしか…できない……」

姫百合「頑張ってください。ネロさん!」

ネロ「ううぅ…もう僕泣きそう…」

小林(…ネロの心が折れる前に、証言を終わらせないとな…)
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:01:30.05 ID:axKEPifE0
しばらくお待ちください…
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:09:55.86 ID:axKEPifE0

D「母は幼き頃に別居、父は偉大なドイサースの団長だった!!」

↓突きつける

→証拠G【アルバム】 を突きつける


小林「異議あり!!」

小林「…証人、こちらのアルバムをご覧ください」

小百合「…なっ!それは!我が団員、ねこちーのアルバムではないか!」

小林(ねこちー…)

シャロ「可愛い呼び名ですね!」

小百合「ねこちーが見つからないと言っていたが…貴様が持っていたのか!返せ!!」

小林「…花輪さん」

小林「貴方はこのアルバムを、詳しく見た事がありますか?」

小百合「ふん!侮るなよ…、我は、ねこちーと叶ちゃんから横からの観覧を許可されているのだ!」

小林「…つまり、自分から見た事が無いのですね?」

小百合「…………」

小百合「…なっ何を言っている!そもそも、人のアルバムは勝手に見たら…駄目なんだぞ!」ダンッ

小林「そっそれは……ご尤もですけど」

姫百合「痛い所を突かれましたね」

小林「…それじゃぁ、こちらのページは見た事が無いのですね?」ペラ

小百合「何を…あっ!これは!?」

小百合「おっ…お父さんのサーカスのチラシ!」

北芝「…なっ!?」

裁判長「何ですって!」

小林「…そう。更にこの日付、覚えがありませんか?」

小林「サーカス団ドイサースにとって、とても重要な日なのですが」

小百合「……こっこれは…!」

小百合「6年前……お父さんが最期に仕事をした日だ!」ガーン

北芝「……なっ」

北芝「なんですってぇえええ!?」ガガガーン

ダンッ

小林「…そうです。貴方の父親は、この日を境に行方不明になっているのですね?」

小百合「うっ…うん!あっ!いや…うむ!我が叔母…悪魔騎士の一人が!我に耳打ちでそう伝えた!」

小林「やはり、親族から語られたのですか…分かりました」

小林「では、今から本当の事を弁護側が証言します」

小百合「本当の事…?」

北芝「…ちょっと待って、6年前…ドイサース…そしてそのチラシのデザイン…」

北芝「…ま、まさか…!」

ダンッ

小林「…花輪さん。大変心苦しい事なのですが…」

小林「貴方の父親は…、この日を境に死んでいるのです」

小百合「………え?」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/08/22(火) 00:10:53.37 ID:axKEPifE0

小林「この日、テント内で事故が起こりました」

小林「…貴方の父親が機械の中に入った瞬間に、それは行われたのです」

小林「大規模な、観客を大勢巻き込んだ大爆発が…」

小百合「…………え?」


ザワザワ…ザワ…

カッ


裁判長「静粛に!静粛に!」

裁判長「…その事件は、私も分かっております」

裁判長「それは…本当に、とても残酷な…」

小百合「待った!!」

小百合「なっ…何なの…?それ…。嘘…絶対嘘だ!」

小百合「信じない…!私は、絶対に信じないんだから!!」ダンッ!!

北芝「…そもそも、その事故が今回の事件に何か関係あるのかしら?」

小林「……!」

ダンッ

北芝「私には、全く関係無い事件を持ってきてこじつけようとしてるように見えるけどね!?」

小百合「そっそうだ!信じない!我はそのような戯言信じないぞ!!」

小林「…ドイサースはこの事故の前、多くの噂が飛び交っていました」

小林「父親は隠していたように思えますが、何か心当たりがありませんか?」

小百合「…!」

小林「僕も当時、依頼があってドイサースの事を調べていた時期があったのですが」

小林「確実な証拠はなく、悪い噂もほとんどがねつ造によるものでしたが、一つ」

小林「…怪盗と繋がりがあったのは、間違い無かったようです」

小百合「…え?」

北芝「…それが、どうかしたの?」

小林「小百合さん。貴方の最近心当たりがありますよね?」

小百合「………」

小林「貴方と怪盗とつなぐ、とある証拠品も存在します!」

カンッ

裁判長「そっそれは!一体何だと言うのですか!?」

北芝「…だったら、提出してもらおうかしら?」

北芝「この証人が、怪盗と繋がってるっていう証拠を!!」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:14:38.28 ID:axKEPifE0


→証拠ファイルC【怪盗帝国からの手紙】

小林「これだ!」

小林「…怪盗帝国から、貴方宛てに手紙が届きましたよね?」

小百合「!」

小林「そう、こちらがその手紙で、間違いありませんか?」

小百合「あっ…あ!?どうして!?」

小百合「私…間違い無く捨てた筈なのに!!」

ピラッ

裁判長「これは……ああっ!確かに怪盗帝国って書いてあります!」

北芝「!!」

小百合「ちっ…違う!」

小林「何が、違うと言うのですか?」

小百合「だって私…確かに、お誘いは来た、でも!」

小百合「ちゃんと断った!我は魔王だと怪盗である器ではないと!更におととい来るがいいともな!!」

小林「断った…?」

シャロ「一体、どうして断ったんですか!?」

小百合「だっ…だって…」

小百合「泥棒なんて…悪い事だもん!!」ドーン
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:15:35.43 ID:axKEPifE0

小林「………」

北芝「………」

裁判長「………」

裁判長「…これは、完全無欠の正論ですね」

北芝「どんな証拠品突きつけても、突破はできないわね」

小林「………はい。分かりました」

カンッ

裁判長「それでは、もう聞きたい事は聞いた事と思います」

裁判長「もうそろそろ、この証言を終わらせても宜しいかと…」

シャロ「!」

シャロ「どっどうしましょう先生!証言が終わってしまいます!」

姫百合「そ、そんな事言われましても…あんな正論を崩す事は…」

小林「…いや、正論を踏まえると、新しい疑問が生まれるよ」

ネロ「…え?」

コーデリア「どっどういう事ですか?教官!」

小林「考えても見てくれ、彼女は怪盗とのお誘いを断った。更には手紙も捨てた」

小林「なら、どうしてこの手紙は今もこうして残っているんだ?」

シャロ「……あっ!!」

裁判長「それでは!これでこの方の証言を終わ――」

小林「待った!!」

ダンッ

小林「…その前に一つ、質問をよろしいでしょうか?」

裁判長「…一つだけ、ですか?」

小林「はい。今ハッキリとさせたい事があるのです」

小林「証人、貴方は本当にこの手紙を処分したのですね?」

小百合「うっ…うむ!確かに我が手でゴミ箱に捨てたぞ!間違い無い!」

小林「……分かりました」

裁判長「…分かりました」

裁判長「では証人、次に事件についての証言を――」

小林「待った!!」

ダンッ

小林「…弁護側は早急に、ある人物の召喚を要請します」

裁判長「……召喚、ですか?」

小百合「召喚!?」キラキラキラ

姫百合「…団長の目が輝きだしましたよ」

小林「弁護側は、怪盗からの手紙を保存していた、このアルバムの持ち主――」

小林「ねこ千枝さんとつげ叶さんの召喚を求めます!!」

裁判長「ねこ…?まさか、団員さんの事でしょうか?」

北芝「異議あり!!」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:16:26.26 ID:axKEPifE0

北芝「弁護側は勝手に流れを変えないように!今はこの証人の次の証言を――」

小林「この証人は、この事件について我々以上の事は知り得ていない!!」

小百合「なっ――!」

ダンッ

小百合「失礼な!ちゃんと我も目撃しているのだぞ!あの事件を!」

小百合「きゅうに真っ暗になって!電気がついたら歯車に巻き込まれた……その前には!あのゴドムとソドラが――」

小林「…それ以上の事は?」

小百合「…そっ…それ以上とは、何だ?」

小林「例えば、事件の前に何かがあった。とか」

小百合「それ以上に…何かあるのか?」

ダンッ!

小林「…これが、この証人が事件当日の事について覚えている事です」

北芝「……何が言いたいの?」

裁判長「これ以上、この証人からの証言を却下し、新しい証人の召喚を要請を?」

小林「…いいえ。この証人にも証言台に立って貰います」

小林「証言台に、三人同時に立たせるのです!!」

北芝「!?」

シャロ「!?」

姫百合「!?」

ネロ「!?」

裁判長「……それは、また……突拍子もない事ですが、どうしてですか?」

小林「…あの手紙は、ねこ千枝さんのアルバムに挟まれていました」

小林「そして、つげ叶さんもその事については知っている様子でした」

小百合「……え?」

小林「更に、最初のページに挟まれていた大事故があった日のドイサースのチラシ」

小林「…それと、先ほどから気になっていたのですが、部屋の隅にある耳が――」

シュシュッ

コーデリア「…あっ!今何かが高速で横切りましたよ!?」

裁判長「いっ…今のは?」

北芝「…控室の中に…入って…!?」

小林(……やはり、誰かが聞いていたのか…)

ダンッ

小林(やっぱりだ。やはり、この事件には…)

小林(僕達が知り得ない。大きな闇がある!)

小林「――裁判長!もう一度言います」

小林「弁護側は、証言台に三人立たせる事を要請します!!」ダンッ

北芝「異議あり!!」

北芝「あっ…あんた!裁判の規則を根元からぶっ壊す気なの!?」

北芝「そんな…そんな事!私が絶対に許さな――」

カンッ

裁判長「…こんな事は、正直言って初めてです」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:16:54.64 ID:axKEPifE0

裁判長「証言台に三人立たせる等…しかし」

裁判長「前例が無いわけでは、ありません」

北芝「……!」

裁判長「まぁ、それはあくまで早急な判決が必要だった時の話ですが…弁護側は、何か考えがあるのですね?」

小林「……はい」

裁判長「良いでしょう。本法廷は15分の休廷の後、再審理を行うものとする!」

裁判長「その時までに、検察側は三人の証人を準備するように!」

北芝「………」

北芝「…クソッ!!」ダンッ

小林(…よしっ!これで、何とか繋げた!)

小林(あの耳は、おそらく団員の内の一人の物に違いない。彼女達は間違いなく…何かを隠している)

小林(逃げられる前に、ここで一気に叩けば――)

3号「ふん!弁護人貴様ぁ!これが私の為になるとは思うなよ!!」ボロボロ

3号「この遅刻はそもそも!貴様が余計な事をしたせいなのだからなぁ――!!!」ダンッダンッ

小林「……あ、はぁ…」

シャロ「なっ…何だか見ない内に凄い荒れてますよ!三号さん!」

小林「…うん。スーツが引っ張り跡と引っかき傷で穴だらけだね」

姫百合「審議中に一体何があったんですか…?」

カンッ

裁判長「それでは、!一時閉廷!」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:21:00.06 ID:axKEPifE0
【横浜裁判所 第二控え室  同日 某時刻】


小林「………」

姫百合「…あの、今回の裁判も…」

ネロ「相当…ヤバかったよね」

コーデリア「まさか、初っ端から有罪判決を喰らうとは思わなかったわ…」

ネロ「ねぇ、二人もどう思う?あの6人に判決を委ねられてるんだよ?」

カズミ「………」

アリス「………」

小林(…そりゃぁ、かなり不安だろうなぁ)

カズミ「…う…うぅ…」ポロポロ

カズミ「なっ…何で…何で私達がこんな目に…」ポロポロ

アリス「…!」

アリス「………」アタフタ

小林(アリスくんがカズミくんの前でアタフタしている…)

カズミ「私達…何もやってないのに…!ただ…座って楽しんでただけなのに…!」ポロポロ

カズミ「何で…!殺人犯呼ばわりされなきゃ…いけないんですか…!」ポロポロ

小林「…確かに、それはかなりの理不尽だろうね」

シャロ「………」アタフタ

小林(シャーロックもアリスくんと一緒にアタフタしている…)

小林「……今はまだ、泣く時じゃない」

カズミ「!」

小林「今回の事件、何かが後ろに隠れているのは間違いないんだ」

小林「そして次の審議の時、僕をそれを引きずり出す事になる」

シャロ「なっ…何かって、何ですか?」

小林「…その前に一つ、皆の意見を聞きたい」

ミルキィホームズ「「「「えっ!?」」」」

小林「皆は、この事件を通して何か気になる所とか疑問点とか無かったかい?」

小林「どんな些細な事でも良いから、教えてくれ」

シャロ「…あ、はい!」

ネロ「よし来た!」

コーデリア「了解です!話させてもらいます!」

エリー「……はい!」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:21:43.40 ID:axKEPifE0

小林「…ありがとう」

小林「それじゃぁ、シャーロックから」

シャーロック「はい!」

シャーロック「…団長さんは、怪盗帝国からのお誘いの手紙を断り、更に手紙を捨ててしまっています!」

シャーロック「なのにどうして、アルバムには手紙が挟まっていたのでしょうか?」


シャーロックの疑問点をメモに挟んだ!
【何故、アルバムに断った手紙が挟まっていたのか】
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:22:23.18 ID:axKEPifE0


小林「うん。確かにそれは重要なファクターだ」

小林「この事件の裏を暴く鍵になるだろう…次にネロ。君の意見を聞かせてくれないか?」

ネロ「勿論だよ!」

ネロ「あのトイズ糸の事なんだけど、照明の中に隠されているって言ってたよね?」

ネロ「そもそも、あんなものをフェザーズの二人が仕掛けられるかな?」

ネロ「もっと、このサーカスに近い人じゃないと無理だと思うんだけど」


ネロの疑問点をメモに挟んだ!
【照明の中のトイズ糸は誰のものか】
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:23:04.74 ID:axKEPifE0

小林「…確かに、トイズ糸をフェザーズの二人が仕掛けたとは、考えにくいかな」

カズミ「そんなの当然ですよ!だって!私なんて今日までそんな恐ろしいものが存在するなんて思いもしなかったんだから!」ダンッ

小林「…僕も知らなかったからね。眼球が売り買いされているのは知っていたけど…」

小林「…それじゃあ、コーデリアは?」

コーデリア「はっ…はい!」ビシッ

コーデリア「…その、シャロとちょっと被ってしまうんだけど…」

コーデリア「どうしてねこ千枝さんは、ドイサースのそれも最後の公演のポスターを大事そうにアルバムに挟んでいたのでしょう…」

コーデリア「あんな、…教官から聞くまで分かりませんでしたが、酷い大事故の事なんかを…」


コーデリアの疑問点をメモに挟んだ!
【何故、アルバムにはドイサースのポスターが?】


小林「…そう、これこそが最も重要なファクターだ」

小林「恐らく、この事件の闇はそのポスターに掛かっていると言っても良い」

コーデリア「!」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:23:31.45 ID:axKEPifE0

小林「最後にエルキュール。君の意見も聞きたいな」

エリー「あっ…はい!」

エリー「…一つ、心の奥に引っかかっているのがあって…」

エリー「…どうして、被害者は逃げ出そうとはしなかったのでしょうか?」

エリー「いくら暗闇とは言え、歯車に巻き込まれるまで…トイズを使わないでいられるでしょうか…?」

エリー「まるで…逃げ出したくても逃げ出せなかったように見えます…」


エルキュールの疑問点をメモに挟んだ!
【何故被害者はトイズで逃げなかったのか】
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:24:02.09 ID:axKEPifE0

小林「…分かった。確かにそこも、気になる点だね」

小林「姫百合くんはあるかな?一つでも疑問に思った点が」

姫百合「…そんなもの、一つしかありませんよ」

姫百合「どうして、フェザーズの二人があの場所に立っていたのですか」

カズミ「!」

アリス「!」

姫百合「…これが、誰かの罠だと言うのなら、何故この二人だったのか」

姫百合「それだけが、どうしても分からないんです」

姫百合の疑問点をメモに挟んだ!
【何故フェザーズの二人だったのか】
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:24:29.66 ID:axKEPifE0

小林「…確かに、その通りだ」

シャロ「本当です…どうしてカズミちゃんとアリスちゃんなんですか!」

ネロ「何だか益々理不尽に思えてきたぞ…!」

小林(しかしそれは、もしかしたら…)

小林(大した理由が、無いんじゃないのか?)

小林「…もしかしたら、それがこちら側の有力な武器になるかもしれない…」

エリー「…え?」

シャロ「どっどういう事ですか?」

小林「今はまだ確証はない。しかし」

小林「そう考えれば、仮説のつじつまが合うんだ」

姫百合「…仮説、ですか?」

小林「ああ。このサーカス公演には裏がある事、そしてフェザーズの二人がトイズ糸のある席へと座った事」

小林「この二つを合わせれば、おのずと二人が選ばれた意図が見て取れるよ」

シャロ「…?」

カズミ「…?」

アリス「…」

小林(…だが、今ここで確信はできない。全ては次の審議の時だ!)

小林(この事件の闇を、この裁判で全て暴いてみせる!)

カズミ「……」

アリス「……」

小林(彼女たちの、為にも!)
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:25:05.57 ID:axKEPifE0


神津「…まだ、入廷していなかったか」スタッ

小林「!っ…神津!」

アリス「!」

カズミ「ちっ違います!私たちはやってないんです!刑事さん!」ガシッ

神津「……」

カズミ「信じてぐだざい!無実なんでずぅぅ!」ビェエエエ

神津「…被告人の無実を証明するのは、弁護人の仕事だ」

小林「…何しに来たんだ?神津。何の用事もなしに来る奴じゃないだろ?」

神津「なに、被害者の新しい情報が入ったから、お前にも伝えに来てやっただけだ」

姫百合「!」

シャロ「えっ!?」

小林「被害者の…新しい情報!?」

神津「ああ。まず、死因についてだが…」

神津「被害者は即死であった事と、圧死だった事は変わらんが、歯車によるものではなかった」

小林「…え?」

姫百合「ど、どういう事ですか!?神津警視!」

神津「…被害者は歯車に巻き込まれる前、別の力で押しつぶされ、引き裂かれていた」

神津「推定すれば、巨大なローラーのようなものだ」

証拠E【丸尾椿の解剖記録】を書き加えた!
〈ローラーのようなものに巻き込まれて即死。歯車は死因に関係がない。顔にトイズで発生した矢が貫かれていた〉
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:25:57.27 ID:axKEPifE0

小林「…な、何なんだ?それは…」

神津「…現場からは、そのようなローラーは見つからなかった」

神津「恐らく、これもトイズによる犯行と考えた方がいいだろう」

小林「…この事を、北芝検事は?」

神津「当然、伝えてある」

小林(そこは黙っていて欲しかったな…)

ネロ「なんだよー!そこは黙っていてよ!使えないなー!」プンプン

神津「…俺はお前らの味方ではない」

神津「この情報提供も、平等な審議を目的として、だ」

小林(…まぁ、仕方ないか)

係員「被告人!弁護人!開廷の時間だ。直ちに入廷するように!」

シャロ「あっ!裁判が始まります!」

小林「…そのようだね」

小林「行こうか。みんな」

姫百合「…はい!」

シャロ「はい!」

ネロ「勿論!」

コーデリア「ついていきます!」

エリー「頑張り…ます…!」

カズミ「…小林さん」

カズミ「どうか!よろしくお願い致します!」

アリス「……」

小林(…よし、気を引きしめろ!小林オペラ!)

小林(この先に、どんな闇が現れようが…怯むな!進め!)

小林(僕には、こんなに頼もしい仲間たちがいるんだから…!)
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:26:41.08 ID:axKEPifE0

【横浜裁判所  第一法廷室】



ザワザワ…ザワ……

カッ!!


裁判長「これより!審議を再開する!」

裁判長「弁護側と検察側は、準備完了していますか?」

小林「弁護側、準備完了しています」

北芝「……ドウイウコトナノ...?ナンデハグルマガシインジャナイッテケツロンヲダシタノヨ?アノケンシカンナニヲカンガエ…」

裁判長「…あの、北芝検事?」

北芝「イミガワカラナイ...フツウニカンガエレバツブレタゲンインハハガルマノハズナノニナニヲコンキョニ...」ブツブツ

裁判長「北芝検事!」

北芝「きゃわァァァアアー!」ビックーン

裁判長「…検察側は準備が完了していますか?」

北芝「………はい」

小林(北芝検事も混乱してるな…)

裁判長「…よろしい」

裁判長「弁護側は、証言台に三人を立たせるとの意見ですが」

裁判長「証人の準備も完了していますかな?」

北芝「………………はい」チッ

小林(今舌打ちしたな)

裁判長「よろしい」

裁判長「それでは、係官は三人の証人を連れてくるように!」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:28:07.92 ID:axKEPifE0


小百合「……」

ねこ「……」

叶「………」

北芝「…それでは証人、名前と職業を」

小百合「……クックック!我が名は…」

裁判長「いえ、貴方の名前は聞きましたので言わなくても大丈夫です」

小百合「……」シュ-ン

ねこ「…私の名前はねこ千枝!ねこチーって周りから言われてるよ!真っ黒な魔女団ていう劇団してまーす!」

叶「…私はつげ叶と申します。四国の魔法使い劇団という劇団員をしております。どうぞお見知り置きを…」

小林(…全員劇団の名前言えてないじゃないか)

裁判長「ふむぅ…みんな違う劇団に所属しているみたいですが…」

小百合「否!私たちは漆黒の魔法団だ!」ダンッ!

裁判長「えー、ではしこくっ、しっこつ、こっせつ…」

裁判長「…同じ劇団に所属している。という事でよろしいですね?」

小林(裁判長も未だに言えてないな…)

小百合「しかり!」フンス

北芝「…そこにいる弁護人はせっかちのようでね。貴方達の証言を一気に聞くつもりでいるようなのよ」

ねこ「なんと!」

叶「…それはそれは、聖徳太子みたいなお方なのですね」ニコ

北芝「ええ。弁護人が、もう一度言うわ。弁護人がね、一気に証言を聞くというものだから」

北芝「…尋問ができなくなるくらい、どんどん証言して頂戴!」ダンッ!

小林「………」

カンッ!

裁判長「…それでは、証言していただきます」

裁判長「事件当日、貴方達は何をしていたのか!」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:29:46.07 ID:axKEPifE0

【証言開始】

叶「ショーは予定通り、11時から開始されました」

小百合「我々は実に快調に現代人共に我々の魔法を魅せていた!…奇跡の少女が舞い降りるまでは」

ねこ「奇跡の少女が始まる前に消灯するんだけど、そこまでは順調だったんだよね」

叶「再び照明がついた時には、血まみれの被告人と歯車に巻き込まれて絶命している椿さんが…」

小百合「…我が友の顔には、ゴドムとソドラの持つ光の矢が刺さっていたのだ!!」



裁判長「…なるほど。よく分かりました」

北芝「証人達は、恐らくこれ以上の情報は持ち合わせていないわよ」

北芝「それは、取り調べでも明らかだったわ」

小林「……」

裁判長「…分かりました」

裁判長「確かに、三人は同じ光景を見ていた。これ以上の情報は無いと思うのですが…弁護側は、それでも尋問を要求しますか?」

小林「…当然です」

小林「弁護側は、尋問の権利を手放すつもりはありません!」ダンッ

裁判長「分かりました」

裁判長「それでは!弁護側は尋問を行ってください!」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:30:13.90 ID:axKEPifE0

【尋問開始】


叶「ショーは予定通り、11時から開始されました」


小林「待った!」

小林「その証言は、確かですか?」

叶「…どういう事ですか?」

小林「いえ、もしかしたら…少し遅れていたり、早めていたり…とか?」

姫百合「何で疑問形なんですか」

ねこ「それは無い!」ビッシー

小百合「うむ!我ら魔法団の演武の公演を待たせる等、神の冒涜!神は時間に厳しいのだ!」ビシッ

小林「…神、とは?」

叶「スポンサーの事です」

小林「あぁ…」

小百合「なっ…何なのだ!?その憐れむような目は!?」

ねこ「しょうがないじゃん!お金いっぱいくれるんだから!」

ネロ「聞きたくなかった黒い部分が見えた!」

コーデリア「教官!ここでビシバシ突っ込み入れましょう!!」

小林「いや、ここは別に聞かなくても…」

シャロ「一体誰と誰がスポンサーなんですか!その人たちが犯人なんじゃないですか!?」ビシッ

コーデリア「そうよ!その人たちがお金を払いたくなくて殺人を――」

小林「ねぇ君達!チラシを見よう!?書いてあるから!スポンサーの名前なら!!」

叶「…投資者に、大変失礼な物言いですなぁ」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:30:39.33 ID:axKEPifE0

小百合「我々は実に快調に現代人共に我々の魔法を魅せていた!…奇跡の少女が舞い降りるまでは」


小林「待った!」

小林「…事件が起こるまでは、順調だったのですね?」

小百合「しかり!我が友の椿が織りなす綱渡り!つげが操るネジシキの曲芸!ねこちーの回る全関節!!」

ネロ「うわ…ねこちーの技すごく気持ち悪そう」

ねこ「なんだとー!股間接と肩関節をぐるぐるあり得ない方向に回しながら柱を登るって凄い技なんだからなー!!」プンプン

叶「ええ。それはとても、ゴキブリのような動きで這いまわるのです」

小百合「幼き人間と観測の女性の金切り声は、相変わらず健在であった!」

小林(これは相当気持ち悪かったらしいな…)

小百合「しかし技術は本物、ねこちーの動きに魅いられ慕うカルトが居るのは事実」

小百合「彼女は新たなる神その者となったのだ!」ドドーン

小林(かなり失礼だけど…物好きっているんだなぁ)

小林「…被害者の 丸尾椿さんは、どうだったのでしょうか?」

叶「椿さんですか?」

小百合「…我が友は、細い針の上にも一本の紐の上にも乗れる」

小百合「更には、テレポートというトイズまで持ち合わせる。我ら魔法団の中でも大きな戦力だった」

ねこ「いわゆる、王道な芸は全部椿ちゃんがやってたんだって!」

叶「…ただ、哀しきかな。あんまり人気は良く無かったと聞きます」

ねこ「だから今回、椿ちゃんの為だけに奇跡の少女を新しく採用したって訳さ!」

小百合「なっ…!それでも椿ちゃんは私達の大事な仲間だもん!」ダンッ

小百合「あっ…我が友は!例え知られなくとも、我らにとって酸素のような、いやグリモアのような存在であったのだ!!」ドドーン

小林「いえ、言いなおさなくても良いです。ややこしくなるので」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:31:06.49 ID:axKEPifE0

ねこ「奇跡の少女が始まる前に消灯するんだけど、そこまでは順調だったんだよね」


小林「待った!」

小林「事件が起こる前、消灯の前までは被害者は生きていたのですか?」

小百合「当然だ!我らがこの目でちゃんと確認したからな!!」ダンッ

叶「確かに、消灯の前はしっかりと生きていました」

ねこ「うーん、私も目視でだけど、ちゃんと立って歩いて動いてたよ?」

姫百合「…どうやら、殺されたのは照明が消えた時と考えて間違いないようです」

小林「…その消灯時間。厳密には何秒ほどの事ですか?」

叶「そうですねぇ…一応、プログラムには…1分以内には再灯するように書かれていたと思います」

小百合「奇跡の少女は天界の歯車を台車で運ぶだけの事。ほとんど時間はいらぬからな!」ダダーン

小林「消灯の前、その内に何か怪しいものとか見ませんでしたか?」

叶「…怪しい物ですか?」

小林「ええ。仮に被告人が犯人であれば、何かしらの怪しい動きがあった事と思います」

小林「どんな些細な事でも良いので、何か証言して頂いてもよろしいですか?」

ねこ「そりゃぁー無理な話だぜ!だって、私達ショーは凄く真剣に取り組んでるんだよ!」

ねこ「私達だってお互い、一言も言葉を交わさず次を待っていたのさ!」

小百合「…?」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:31:32.43 ID:axKEPifE0


→疑問を浮かべた花輪小百合をゆさぶる

小林「ちょっと!!」

小林「…小百合さん。ちょっと良いですか?」

小百合「!?」

小百合「なっ…何だ!我が何か変な事でも言ったのか!?」

姫百合「ええ。ある意味変な言葉だらけです」

北芝「記録するのも面倒くさいわ」

小林「…その、変な言葉はともかく」

小林「先ほどのねこさんの言葉に、何か思い出したような顔をしましたね」

小百合「!」

小林「話していただけますか?一体何を思い出したのかを」

小百合「…………」

小百合「…照明が落とされる前、我が友と話をしたのだ」

小林「被害者とですか?」

小百合「ああ。と言っても、禁書目録ほど大した言葉では無く、証言に転生も不可能であるが…」

北芝「…大した言葉じゃないなら、証言にする必要すらないわね」

ダンッ

小林「そういう訳にはいきません。証言してください!」

小林「照明が落とされる前、貴方は被害者と何を話していたのですか!?」

小百合「…ほっ本当に大した事は話していないよ?」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:31:59.37 ID:axKEPifE0


===回想===


椿「…………」

椿「…ねぇ、椿ちゃん」

小百合「うむ、儀式の最中に何用か我が友よ」

椿「……私ね、この劇団に入って…本当に良かった」

椿「本当に…本当に良かったの…」

小百合「ほほう、我もだ!我も君達が我が漆黒の魔法団に入団してくれた所為で、なんとも充実した――」

椿「あっ、もうそろそろだね」

パッ

椿「そろそろ…行かなきゃ」

椿「……バイバイ」


===回想===
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:32:25.72 ID:axKEPifE0


小林「………」

小百合「………」

北芝「…確かに、何の他愛の無い会話にしか聞こえないわね」

裁判長「ふむぅ…確かに、今回の事件とは何の関係も無いように聞こえますが」

裁判長「どうですかな?弁護人。この証言、重要な意味を持っていると思いますか?」

小林(……どうしようかな)


→証言に追加する

 証言に追加しない
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:32:51.65 ID:axKEPifE0

ダンッ

小林「この証言は、本法定に置いて非常に重要な証言です!」

小林「弁護側は、証言に加える事を求めます!」

北芝「はんっ!どうせハッタリでしょうが!」ダンッ

カンッ

裁判長「…いいでしょう」

裁判長「証人、先ほどの被害者と交わした言葉を証言に加えるように」


証言を追加

小百合「我が友と交わした言葉は、まるで最期の別れのようであった…」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:33:19.87 ID:axKEPifE0


叶「再び照明がついた時には、血まみれの被告人と歯車に巻き込まれて絶命している椿さんが…」


小林「待った!」

小林「…本当に、歯車が被害者の命を奪ったのでしょうか?」

叶「…どういう意味ですか?」

小百合「そんなもの…一目瞭然だろうが!」ダンッ

小百合「我が友のあの引き裂かれた身体は!どう見ても歯車に巻き込まれた事による所為のものだ!!」

ねこ「まぁ、なんだってんなら1万人以上の観客が証人になるからね」

叶「…そういう事です」

小林(…しかし、入廷する前に神津は確かに言った)

小林(被害者の死因は、歯車による圧死では無い。という事を)

小林(…という事はつまり、歯車以外の何かの圧迫で絶命したという事になるが…)

小林(それが何か分からない以上、ここに突っ込みを入れても無駄だな…)

北芝「……ソウヨ。アレハハグルマイガイノシインハアリエナイ。アリエナインダカラ…」ブツブツ

小林(北芝検事も、このことには頭を抱えているようだし)

小林「…分かりました。次の証言に移ってください」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:33:56.64 ID:axKEPifE0


小百合「…我が友の顔には、ゴドムとソドラの持つ光の矢が刺さっていたのだ!!」


小林「待った!」

小林「それは、本当に被告人の矢だったのですか!?」ダンッ

北芝「ええ。間違いないわよ」

北芝「あれから徹底的に調べて、調査の結果被告人の一人常盤 カズミが作り出す矢の物だと断定したわ」

北芝「なんなら、調書だってあるのよ」

小林「うっ…!」

シャロ「し…しかし!カズミちゃんは…カズミちゃんは…!」

北芝「はん!殺人鬼は所詮クズなのよ。それに」

北芝「トイズ糸で移動する際には、物理的なトイズの発生が必要不可欠なのよ?」

北芝「だからその時、被告人のトイズが発生していても、何一つも疑問は無い!!」ダンッ

小林「くぅっ……」

小林「うぉぉおおおおおお!!!」ガガーン

北芝「…所詮、アンタなんてその程度なのよ」

北芝「あぁーっはっはっは!!」ゲラゲラゲラ

ネロ「ぬぐぐぐ…!ちょっと小林を言い負かしたからって…!」グヌヌ

シャロ「カズミちゃんとアリスちゃんは、絶対に有罪になんてさせませんから!!」

小林(…た、確かに、トイズ糸は説明通りならばトイズが発生しないと使えない…)

小林(しかし、なら何故二人のトイズはあの時発生したんだ?)

小林(……ん?)


【暗闇の時、フェザーズの二人のトイズが発生した】

この疑問点を覚えますか?

→はい
  いいえ
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:34:25.57 ID:axKEPifE0

→はいを選ぶ


小林(………)

北芝「まぁ、せいぜい頑張りなさい。この味方の少ない裁判の中で」

北芝「陪審員の6人も、既に心証は有罪に傾きかけてるわよ」

小林「……くっ」

小林(何か…何か、この証言で真実につながるものを見つけないと…!)
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:34:52.59 ID:axKEPifE0


小百合「我が友と交わした言葉は、まるで最期の別れのようであった…」


小林「待った!」

小林「…その時の事、詳しく教え願えますか?」

小百合「…これ以上、何を申せと言うのだ?」

小百合「我はこれ以上の言葉は知らぬ!証言として記録を贈与することは不可能だ!」ダンッ

小林(…余裕がないのか、中二言語にキレが無くなってきたな…)

小林「いえ、何も言葉だけではありません」

小林「何か、暗闇になる前でも、直前でも、怪しい動きがありませんでしたか?」

小百合「…あ、怪しい動きだと?」

小林「ええ。歯車に巻き込まれて死んだ。というのなら前兆のような動きがあったと思われます」

小林「わからなくても、おかしいと思った事だけでも教え願えますか?」

ねこ「?」

叶「そんな事言われましても…、私達が近くに居たわけではありませんし…」

小百合「ふむ。…大しておかしい動きは無かったと思われるが…」

小百合「そういえば、公演の一時間前に奇跡の少女は一人でやると申し出があったな」

ねこ「!?」

小百合「本来は、我が我が友を支えながら行う物だったのだが…」

ねこ「ま…待って!?それ本当!?私聞いてないよ!?」ダンッ

小百合「えっ…!?…その、公演の一時間前だったから…」ビクッ

ねこ「………」

小林(…なんだ?急に豹変したように形相を変えたぞ?)

叶「………」

小林(…どうだろう、これ、誰に詳しく話を聞くべきだ?)


→花輪小百合に詳しく話を聞く

  ねこ千衣に詳しく話を聞く
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:35:19.18 ID:axKEPifE0


→花輪小百合に詳しく話を聞く


小林「…奇跡の少女は、貴方も参加する演目だったのですか?」

小百合「御意!我が友が輝く様を、我も全力をかけて力を貸すつもりであったからな!」フンス

小林「詳しくは、どのような事を手伝うつもりで?」

小百合「うむ、まずは我が友を歯車の上からベルトに繋げ――」

小百合「あっいや!ワイヤーを繋げて!…いや、天からの蜘蛛糸を――」

小林「…ワイヤーをベルトに繋げたのですね」

小百合「その通りだ!……あれ?」

小百合「…ちょっと待て?何かおかしいぞ?」

小林「?何がおかしかったのですか?」

小百合「いや、私は確かに、我が友が一人でやるとは言っていたが」

小百合「ワイヤーはまだ繋げなかったのに…そうだ!我が友は!」


小百合「紐無しで、空へと飛び立ったのだ!!」ドーン


小林「…え?」

北芝「……は?」

シャロ「……え?」

裁判長「………」

小林「………」

小林「ぇぇぇええええええええ!!!??」ガガガガーン
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:35:44.15 ID:axKEPifE0



ザワザワザワ…ザワ…

カンッ


裁判長「せ…静粛に!静粛に!」

北芝「どっ…どういう事!?紐無しで空を飛んだ…いや!」

北芝「現場は暗かった!故に見間違えだと検察側は主張する!」

小百合「いや!確かに椿ちゃんは宙に浮い…我が友は地から浮き上がったのだ!」ダンッ

コーデリア「ど…どういう事なのですか?教官!?」

小林「…僕にもサッパリ分からないよ…」

シャロ「待ってください!そうです…分かりました!」

シャロ「被害者は、空を自由に飛べるトイズを持っていたのです!」バーン

北芝「異議あり!!」

北芝「阿呆が!被害者のトイズはテレポーテーションよ!?」

北芝「一瞬で位置を変える事は出来ても、宙に浮くことは不可能なのよ!!」ダンダンダン

シャロ「くぅ…!」グサッ

小林(……確かに、被害者のトイズでは宙に浮くことは難しい)

小林(しかし、この証言はどうにも無視できない)

小林(というのも…小百合さんは随分自信気に答えている。嘘を言っているとは思えない)

小百合「嘘ではないからな!」ムッフー

小林(……何か無かっただろうか?)

小林(何か、被害者が宙に浮く事ができる方法が…)
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:36:10.03 ID:axKEPifE0


→証拠H【トイズ糸】を突きつける


小林「これだ!」

小林「弁護側は、被害者が宙に浮いた事実を示す証拠品を提示できます!」

北芝「なっ?!」

裁判長「い、一体それはなんだと言うのですか?!」

小林「それは、このトイズ糸です!」ダンッ

北芝「トイズ糸……」

北芝「…あっ!?」

小林「そう、トイズ糸から発せられる糸は…”二本”です!」

小林「被害者は、この糸に乗って宙に浮いたのです!!」

北芝「異議あり!」

北芝「しかし!被害者のトイズは物質を作り出すものではない!テレポーテーションだ!」

北芝「そんな奴が、どうやってトイズ糸に乗れるというのよ!?」

小林「……それは、ある人物のトイズを用いたのです」

北芝「ある…人物!?」

小林「そう、それを示す証拠品は…これです!!」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:36:42.48 ID:axKEPifE0

→証拠D【漆黒の魔法団のチラシ】



小林「くらえ!」

小林「…このチラシには、全員分のトイズの効力が説明されています」

裁判長「ええ。確かに全員分の名前の下に書かれているようですね」

裁判長「花輪小百合は黒い羽を散蒔く、つげ叶は何でも一つ硬化する、丸尾椿はテレポート、ねこ千衣は触れた物を自由に動かせる…」

小林「…その中に一人、いますよね?」

小林「トイズにより、物質を作り出せる人物が、ただひとり」

北芝「………!?」

裁判長「………あっ!」

小百合「…え?」

ダンッ

小林「そう、被害者は…」

小林「花輪小百合さんのトイズで発生する黒い羽で、トイズ糸を移動したのです!!」

北芝「……いっ」

北芝「いやぁぁあああああ!!!」ガガガーン


ザワザワ…ザワ…

カンッ!


裁判長「静粛に!静粛に!」

小百合「…うっ…嘘……」

小百合「うそだ!そんな…私が…!?」

小林「…このサーカスには、黒い羽が飛び舞うものだったのですよね?」

小林「つまり、サーカス内にはそこらじゅうにトイズで発生した黒い羽が飛び交っていた事になります」

小百合「!!」

小林「…被害者が宙に浮いたと言う以上」

小林「黒い羽を使って、トイズ糸で移動していた以外に有り得ない!!」ダンッ

北芝「異議あり!!」

ダンッ

北芝「…なら、尚更被告人が犯人だという事の証明になるわね」

北芝「あのトイズ糸を仕掛けたれたのは…被告人以外に有り得ないのだなら!」

小林「異議あり!!」

小林「何故そう言い切れるのですか!?」

北芝「…貴方、本当にこの裁判で私達の話を聞いていたの…!?」

北芝「トイズ糸は、二本あったのよ?」

小林「………」

小林「あっ」

北芝「一本が、その被害者の真下につながっていた…としても」

ダンッ

北芝「もう一本の糸が、被告人二人に指している事実は変わらない!!」

北芝「あの何万人もの観客の中、しかもトイズ持ちの二人を偶然に引き当てたとは考えられない」

北芝「すなわち、被告人と被害者の関係はこれで証明されたわ!!」ダダーン
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:37:10.67 ID:axKEPifE0

小林「………」

小林(…いや、本当にそうか?)

小林(あの何万人の中、どうしてフェザーズの二人だったんだ?)

小林(トイズ糸が、どうしてフェザーズの二人に向いていた?)

小林(…これは、もしかしたら――)

小林「……もしかしたら、これは―――」

1号「裁判長ぉぉおおおおお!!」バババババババッバ

小林「!?」

姫百合「!?」

1号「陪審員一同は、再び判決を下す準備ができた!!」

2号「みたいでしてー」ニコニコ

6号「ピコーン、真っ黒な評決の電波を受信中〜」ピコピコ

1号「これより!我ら陪審員の最終決議に入る!!」

小林「ちょっ…!?」

シャロ「ちょっと待ってください!」ダンッ

コーデリア「そうよ!まだ判決を下すのは早すぎます!」

3号「だぁぁまぁぇれぇえええ!!!」ダダダン

エリー「!」

コーデリア「!」

3号「…たった今、会議が…終わったんだ…」

3号「私のスケジュールに重要な会議が!!うわぁああああああああ!!!」グワングワン

ダンッ

1号「これより!この裁判の最終決議に入る!ヤーよ!準備は完了か!」

2号「私は、ソフィアちゃんの決議に便乗するだけでしてー」ニコニコ

1号「よろしい!では最終決議、開示!!」

姫百合「まだ一人しか聞いてません!!」ガーン
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:37:38.77 ID:axKEPifE0

1号「有罪!」ボッ

2号「有罪」ボッ

3号「有罪」ボッ

4号「ユーザイ」ボッ

5号「有罪ぃい!!!」ボッ

6号「ピコーン、有罪」ボッ

ボシュボシュボシュボシュボシュボシュ

ギギギギギ…

ガタァァァァァン…!
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:38:11.25 ID:axKEPifE0


小林「……うっ」

小林「うぅぅぅぅぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ガガガガガーン!

裁判長「……どうやら」

裁判長「これが、陪審員達の最終決断らしいですな」

北芝「…ええ、そうね」

北芝「まぁ、分かりきってた事だけどね」ハンッ

シャロ「あ…あうあうあうあう……」パクパク

ネロ「…ど、どうするのさ!?さっ最終的な決断が下されちゃったよ!?小林!」アタフタ

コーデリア「どどどどどうしましょうきょきょきょ教官んんんん」ガタガタガタガタ

小林「…………弁護側は」

ダンッ

小林「弁護側は!最終弁論の権利を要求します!!」ダンッ

北芝「異議あり!!」

北芝「陪審員は最終決断だと断言したのよ!?そんなもの必要無いわ!!」

小林「異議あり!!」

小林「しかし、判決を下すにはまだ審議を終えるには早すぎます!!」

小林「裁判長!僕は、この不完全な評決に最終弁論を行う事を要求します!!!」ダンッ

北芝「異議あり!!」

北芝「裁判長!そんなものは必要ありません!陪審員は最終決断と申したのです!!」

裁判長「…………」

裁判長「…最終決断を申したのは、一号さんだけで、本法定では認められていません」

北芝「!」

1号「!」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:38:38.41 ID:axKEPifE0

裁判長「しかし、これが陪審員の決めた決議だという事は事実」

裁判長「もし、この最終弁論で評決が覆されなかった時は、ただちに判決を受け入れるものとする!」

裁判長「更に、最終弁論で評決が覆されたとしても…」

裁判長「弁護側には、もう次が無いと思ってください」

小林「…………」

小林「…分かりました」

カンッ!!

裁判長「それでは!これより最終弁論を行うものとする!!」

裁判長「陪審員は答えてください。被告人の有罪を確定する理由と根拠を!!」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:39:13.33 ID:axKEPifE0


【陪審論告】

〜陪審員の主張〜


1号「被告人と被害者は糸でつながっていた!これは最早確定的だ!」ババババババババ

2号「と、ソフィアちゃんが主張してるのでしてー」ニコニコ

3号「私のタイムスケジュールを引っ掻き回した事…後悔するがいい弁護人んんん!!!」

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

5号「山本ぉおおお!!ワシは騙されんぞぉおおおお!!!」

6号「電波を受信しています。被告人は元怪盗だとー」ピコピコピコ




小林「………」

姫百合「…な、何なんでしょう?」

姫百合「最初の理由と根拠とあまり変わりない気が…」

小林「…う、うん」

小林「そもそも…裁判の中身を本当に理解しているのか怪しいな…」

カンッ!

裁判長「それではこれより、≪最終弁論≫に入ります」

裁判長「証言台へ移動の上、明確な”反証”を述べてください」

174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:39:39.48 ID:axKEPifE0


【弁論開始】


1号「被告人と被害者は糸でつながっていた!これは最早確定的だ!」ババババババババ


小林「待った!!」

小林「しかし!それが被告人が被害者を殺したという証拠にはなりません!!」

1号「なんだと…?」ガッチャン

1号「糸は被告人と被害者とつながっていた!これが」

1号「被告人を裁き人と言わずなんだと言うのだぁ!!」バババババババババ

小林「…マシュマロを撒き散らさないでください」

小林(トイズ糸が被告人が被害者を殺す証拠になる)

小林(何か…それを否定できる証拠品があるはずだ)

小林「…1号さん」

1号「なんだ!小林二等兵!!第一隊列軍曹に何か用か!」ガッチャン

小林(僕はいつから軍隊になったんだ…?)

小林「…被告人が被害者と糸でつながっていた。それが貴方の言う理由と根拠ですね?」

1号「そうだ!」

ダンッ

小林「しかし…たったそれだけでは、被告人を犯人だと断定できません!」

小林「それは、この証拠品が証明しています!!」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:40:19.64 ID:axKEPifE0


→証拠品A【抽選チケット】


小林「くらえ!」

小林「これは、被告人の座席チケットです。よくご覧になっていただけますか?」

1号「…ほう、トイズ席のチケットか」

1号「発行日は一ヶ月前…これなら、トイズ糸を仕掛けるのもたやすい!」ガッチャン

1号「つまり!被告人が殺人犯である証拠であろう!!」バババババッババババババ

ダンッ

小林「…いいえ、逆です」

小林「これは、被告人を犯人だと断定できなくなる証拠品でもあります」

1号「!?」

小林「いいですか?このチケットはトイズ割のチケット。更に座席まで指定されているのです」

小林「あの照明から一つの座席にピンポイントで狙うなんて、それこそ至難の業です」

小林「つまり」

小林「このトイズ糸を仕掛けたのは、運営側の人間という事になります!!」ダンッ

1号「!!?」

小林「サーカス団の運営側の人間に、被告人を冤罪に仕立て上げた奴が居る!!」

小林「そしてそいつこそが――真犯人だと弁護側は断言します!!」ダーン


ザワザワザワ…ザワ…

カンッ!


裁判長「せ、静粛に!静粛に!」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:40:45.12 ID:axKEPifE0

1号「な…なんなのだ!?その根拠はどこから来る!!」

1号「そもそも…その真犯人とは一体誰なのだ!!」

小林「…それは、まだ分かりません」

1号「ほら見ろ!所詮、そんな不完全な弁論では――」

ダンッ

小林「だからこそ!まだ審議が必要なのです!!」

小林「良いのですか!?貴方は!このままだと本当に殺人を犯した奴が野放しにされてしまう!!」

1号「……ぐっ!」

小林「それが、貴方の軍人の信条なのですか!?罪無き者に、冤罪を被せ真の罪人を野放しにする事が!!」

1号「…し、しかし…!」

1号「わ…私達は最終決断を下して……」

小林「異議あり!!」

小林「そんな貴方の言葉だけの事に意味はありません!!今、行われているのは、被告人の人生を大きく左右する裁判なのです!!」

小林「それを最終決断とか勝手な理由で、終わらせないでください!!!」ダンッ!!

1号「………………」

1号「………ご」ジワ

1号「ごめんなさわぁぁぁあああああああああああああああん!!!!」ビィェェエエエエエエエエエエエン

ダンッ!

ボシュッ

ギギギ…ガッターン
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:41:12.18 ID:axKEPifE0

2号「…あららー、泣いちゃったですねーソフィアちゃんー」

2号「しょーがありませんねー」ニコニコ

ダンッ!

ボシュッ

ギギギ…ガッターン

シャロ「や…やりました!一気に二票入りましたよ!」

エリー「や…やった…!」

ネロ「よぉし!このまま票を集めて審議続行だぁー!!」

コーデリア「やりましたね!教官!」

小林「…う、うん…。そうなんだけど…」

2号「ほらほらー、ソフィアちゃん泣きやんでー。偉いねー自分の悪い所に気付けてー」ナデナデ

1号「グスッグスッ…ウェェェ…」エグッエグッ

小林(何だか…言いようのない罪悪感が…)

カンッ

裁判長「それでは、弁護人は最終弁論を続けるように」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:41:40.21 ID:axKEPifE0


3号「私のタイムスケジュールを引っ掻き回した事…後悔するがいい弁護人んんん!!!」


小林「待った!」

小林「それは…お気の毒と言いようがありませんけれども…」

小林「そもそも、陪審員になった事を会社に伝えればある程度の調整が出来た筈では…」

3号「分かってないな弁護人…今日が!その調整を行う会議だったのだ!!」

小林「えっ」

3号「いや!正しくは陪審員になったとして、ここからどうスケジュールを立て直すか!」

3号「その為の会議だったのだぁぁぁああああああああああ!!!!」ダダダーン

小林(なっ…何て効率の悪い会議なんだ!)

3号「私は決めたぞ」

3号「私は!どんな事があっても、この評決を覆す事は無い!!」

3号「絶対にだっ!!!!」ダダダーン

姫百合「うわぁ…この人が一番のモンスターでしたね…」

小林「ううん…確かに厄介だよなぁ…」

小林(このままだと…真実が明らかになっても一人だけ有罪に票を入れそうだ…)
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:42:08.17 ID:axKEPifE0

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」



小林「待った!」

小林「あの…本当は分かってますよね?日本語」

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

小林「いやいやいや!先ほどの最終弁論でハッキリ反応してたじゃありませんか!!」

ネロ「そーだよ!6号のパンツに反応してたくせにー!!」

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

コーデリア「今さら言い逃れできないわよ!ムッツリスケベ!」ビシッ

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

シャロ「先生!私、この人がだんだんオウムに見えてきました!」

小林「気が合うね。僕もだ」

小林(…この人が日本語を理解できる…確信はないけど、ある程度知っているのは事実だ)

小林(何か…無かったか?証拠品で、何か仕えそうなものは…)
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:42:38.13 ID:axKEPifE0


→証拠G【アルバム】 を突きつける


小林「くらえ!」

小林「…4号さん、この証拠品を見てもらえますか?」

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

小林「これは、今回の被害者が属していたサーカス団の思い出が詰まったアルバムなのですが…」

4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

小林「ねこさんの話によれば、着がえ途中の花輪さんの全裸を激写した写真が――」


ダンッ!

ボシュッ

ギギギ…ガッターン


ネロ「あっ!」

シャロ「4号さんが無罪の方に票を入れました!」

姫百合「やっぱりあの人、日本語分かってますね」

小林「…これでよしと」

4号「…………」

シャロ「あっ!4号さんが物欲しそうな目でこちらを見ています!」

ネロ「うわぁ、アルバムを見せろって欲望がひしひしと伝わってくるよ…」

小林(…ううん、あまり見せたくは無いなぁ…証人のプライパシーに関わる事だし…)

北芝「…その写真なら、検事局が押収したわよ」

小林「え?」

北芝「裁判の時に、万が一でも晒されたら困るし恥ずかしいからと、証人の依頼でね」

4号「Damm it!!」ダンッ!!!!

ボシュッ

ギギギ…ガッターン


シャロ「ああっ!有罪の方に切り替わっちゃいました!!」ガーン

ネロ「くそう!後少しだったのにー!!」ヌグググ

小林(英語も分かるじゃん……)
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:43:07.31 ID:axKEPifE0

ダンッ!

姫百合「…とにかく、4号さんが日本語も堪能だって事はよーく分かりました」

姫百合「弁護側は、4号のまともな被告人についての理由と根拠を要求するものとします!!」

4号「……………」

4号「……シカタ、アリマセンネ」ヌギッ

小林「!」

バッ

4号「…分かりました。ここからは証言するしかありませんね」ババーン

コーデリア「………えっ」

シャロ「……ええええええー!!日本人だったんですかぁー!?」ガガガーン

小林「日本人だったんじゃないですか……」

3号「!!」ビクッ

4号「…………」

3号「……ま、まさか……!」

4号「…今まで、世話をかけたな。…京介」

3号「…と……父……さん……?」

小林「……えっ?」

小林「ぇぇぇぇえええええええええええええ!!!?」ガガガーン
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:43:46.00 ID:axKEPifE0
4号「すまなかったな…京介」

3号「そっ…そんな!父さんは…父さんは!」

3号「下着泥棒と覗きとエロ本の袋とじを未購入で開けた罪から逃れる為に!ラトビアに逃げた筈じゃないか!!」ダンッ

裁判長「…なんとも、下半身に忠実な犯罪者だったのですね」

4号「ああ…確かに逃げてきたさ」

4号「だが…ラトビアでも同じ罪を犯した私は…気づいたら他の国でも同じ事をやり続けて…気づいたら日本に戻ってきてしまったんだ…」

小林「何やってるんですか…?」

4号「そして、裁判所から入廷命令が出た時、とうとう俺も終わりだと思った…」

4号「しかし…違った。俺を別の人物として、陪審員として選ばれた事に…気付いた、その時私は!」

4号「ここをやり過ごして…今度は中国でパンツを探そうと思ったんだ…」

姫百合「最低ですね」

4号「だが、もうその必要も、無いみたいだな…」

4号「私は!今日ここで私の罪を裁かれる事にしよう!」ドンッ

4号「京介…次に会った時は、綺麗な身体でな」

3号「と…父さん……!!」ブワッ

3号「…俺は…俺達を捨てた父さんのようになりたくなくて…真人間として…スケジュールと規律を守る為に…真面目にって…!」ポロポロ

3号「でも…でも!自らの罪を…ようやく認めた父さんを見て…僕も決心をつけた…」

3号「…本当の真面目は…自分の為じゃなくて…人の事を想う事からあるんだって…!」

小林(今のどこからそれを学んだんだ…?)

ダンッ

3号「父さん…俺…決めたよ!」

3号「本当に…本当に!全てが明らかになるまで…判決は下さない!」

3号「この裁判に、最期まで付き合うんだぁあ!!」ダンッ!!!


ボシュッ

ギギギ…ガッターン

183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:44:12.48 ID:axKEPifE0


小林(何だったんだろう…今のは…?)

シャロ「やっ…やりました!再び一票!無罪に入りましたよ!」

ネロ「4号も入れてくれたら、評決が覆ったんだけどねー」

4号「…………」

小林「…しかし、4号さんは評決を覆すつもりは無いみたいだね」

4号「…さて、被告人を有罪にした理由と根拠…ですかな」キュッキュ

4号「話しましょう。彼女達が有罪である根拠を…」


4号「ワタシ、ニホンゴ、ワカリマセン」

↓変換

4号「トイズ糸は怪盗しか手に入りません。この中で怪盗は、ただ一人です」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:44:39.61 ID:axKEPifE0

5号「山本ぉおおお!!ワシは騙されんぞぉおおおお!!!」


小林「待った!」

小林「あの…さっきから山本って誰の事なんでしょうか?」

5号「しらばっくれるな山本ぉおおお!!貴様が山本だろうがぁあああああ!!」ダーン

小林「…一度聞きますが、山本とは、どのような容姿をしている方なのですか?」

小林「その人を捜しますので、どうか本当の山本さんと二人で話し――」

5号「山本が誰かじゃと!?鏡を見れぇい!!山本ぉぉぉおおおおお!!!!」ダダダーン

姫百合「…もう、この人は本気で諦めた方が良いんじゃないでしょうか?」

小林(話が通じないって、こういう事を言うのかな…?)
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:45:07.33 ID:axKEPifE0


6号「電波を受信しています。被告人は元怪盗だとー」ピコピコピコ


小林「待った!」

小林「…貴方は、怪盗だけがトイズ糸を手に入れられる。そう言いたい訳ですか?」

6号「そうです」ピコピコ

小林「…どうやら、トイズ糸の事をそもそも誤解しているようですね」

小林「トイズ糸は、先ほど検察側が証言した通り怪盗が好んで使うものです」

小林「しかし、手に入れる方法を持つのは、怪盗だけという訳ではありません」

6号「…電波が混戦中。混戦が治るまで、しばらくかかります」ピロピロピロ

小林「…主に裏取引でトイズ糸の購入が可能で、購入履歴が分からないというだけです」

小林「それだけ聞くと、手に入れる事事態はそう難しい訳ではない。そうですよね?」

北芝「………」

小林「つまり」

小林「方法と多額の金さえあれば、トイズ糸は誰にでも手に入るのです!」ダンッ

6号「…………」

6号「電波を受信。内臓データを整理しますです」ピコピコピコ

ピコーン

6号「ダウンロード終了。ロムの開示をしますか?」

小林「……証言をお願いします」

6号「了解、理由と根拠を上書き上書きぃ」ピコピコピコ


6号「電波を受信しています。被告人は元怪盗だとー」ピコピコピコ

↓返還

6号「トイズ糸は誰でも手に入るけど、糸は被告人にありましたー」ピコピコピコ
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:45:41.94 ID:axKEPifE0



小林(話は…こんな所か)

ネロ「ねぇ小林!こいつら本当に陪審員なの!?全員結構な自分勝手だよ!?」

小林「まぁ…それは確かに」

姫百合「…多分、何人かは自分自身を隠しているようにも見えますね」

姫百合「そこを突いていけば、いくつかの真実にたどり着けるかもしれません」

小林(そしてそれが、この裁判の真実の鍵になると……)

小林(…とりあえず、何人か揺さぶって情報を集めてみようかな)
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:46:18.12 ID:axKEPifE0


6号「トイズ糸は誰でも手に入るけど、糸は被告人にありましたー」ピコピコピコ

↓ぶつける

4号「トイズ糸は怪盗しか手に入りません。この中で怪盗は、ただ一人です」


小林「異議あり!!」

小林「この二つの主張は、明らかに矛盾しています!」

6号「……なんとっ!?」ピッギャーン バチバチ

4号「……………」

小林「まず先ほども明らかになった通り、トイズ糸は何も怪盗だけが手に入れる代物ではありません」

小林「裏に出回っているとは言え、情報とお金さえあれば誰にでも手に入ります」

小林「つまり、被告人に怪盗だった経歴があろうとも…全く関係ないのです!!」ダンッ

4号「……確かに、そうかもしれませんね」

4号「ですが、だとすれば一つ疑問が残ります」

小林「…疑問、ですか?」

4号「はい。トイズ糸は、使うには物理的なトイズを使う必要がありますよね?」

4号「もし被告人が犯人で無いというのなら、どうして被告人はトイズを発動させたのでしょうか?」

小林「…!」

4号「そもそも、検察側も陪審員も」

4号「”そういった前提”があるからこそ、被告人を犯人だと主張しているのです」

4号「…発動したその理由は、私達には被害者を殺す為。それ以外の理由は皆目見当がつきません」

小林「……ぐっ!」

1号「言われてみれば…そうだ」

3号「トイズ糸は、それ単体では使えないって、さっきも言ってたよな…?」

6号「…ピコピコ。やっぱり被告人はユーザイー」

4号「…弁護人」

4号「貴方は、この前提を崩せるというのですか?」

小林「………!」

ネロ「ど…どうするの!?小林!」

シャロ「どっ…どうしましょう!先生!」

小林(…言われてみれば、そうだ)

小林(何故、フェザーズの二人のトイズが発動したんだ?)

小林(…何か、それを証明する証拠品は無いか?)

小林(もっと…もっと詳しく調べてみるべきか…!?)

カンッ!

裁判長「…どうでしょうか、弁護人」

裁判長「この前提、崩せそうですか?」

→崩せる

  崩せない
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:46:44.41 ID:axKEPifE0

→崩せるを選択

ダンッ!!

小林「弁護側は…この前提を崩せると断言します!」

北芝「…!?」

4号「…ほう」

裁判長「……面白い」

裁判長「それでは証明して頂きましょう。この前提を崩せる、証拠品とは!?」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/08/22(火) 00:47:11.05 ID:axKEPifE0


【証拠品を調べる】
      →証拠H【トイズ糸】を調べる


小林「…あれ?ここだけ、段差のようなものができてる」

ネロ「ほほーう?これは…リモコンの受信口だね!」

小林「受信口?」

コーデリア「おかしい…トイズ糸は常に糸が出っぱなしの筈ですよね?」

ネロ「こういうものは、使ってみるのが一番だよ。触らせて!」ティロン♪

小林「うわ!こらネロ――」

ネロ「うひゃぁ!」フワァ

エリー「きゃぁ!!」ドンッ

小林「!?」

姫百合「どっ…どうかなさいましたか!?二人とも!」

シャロ「え…ええと、何だか急に…」

エリー「トイズが…発動して……」

小林「…トイズが、発動した?」

コーデリア「あっ!教官見てください!ここに、色の違う三本目の糸が!」ダンッ

小林「これは…まさか!」

小林「この糸が、トイズを強制発動させていたのか!」


→証拠H【トイズ糸】の法廷記録を書き換えた。
<トイズにより発生した物質に反応し、糸に沿って移動する事ができる。トイズを矯正発動させる糸も三本目として存在する>
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:47:42.69 ID:axKEPifE0


→証拠H【トイズ糸】を突きつける


小林「くらえ!!!」

小林「…こちらのトイズ糸には、もう一つ機能があります」

小林「ネロ、よろしく頼むよ」

ネロ「オッケー!任せて!」ティロン♪

ビィ――――

北芝「ぃっ!!?」

裁判長「なっこれは!?」

4号「…三本目の糸、ですか」

シャロ「うっうわぁあ!勝手にトイズが発動しちゃいます!」フワァ

小林「…その通りです。このトイズ糸には、リモコンで反応するもう一本の糸がありました」

北芝「なっ…何よこれ!?トイズ強制発動のトイズ糸!?そんなの…」

北芝「そんなの私、聞いてないわよ!!?」

小林「トイズを強制発動させる糸…本当に、被告人が被害者を殺す気であったのであれば…」

小林「こんな機能は!一切必要無い筈です!!!!」ダダーン!


ザワザワ…ザワ…


4号「………!」

6号「う…ノノは混線ちゅう…頭が痛く…ビリビリビリ」バチバチバチ プシュー

4号「…どうやら、認めざるを得ないようですね」

4号「私達の持つこの前提が、覆された事を」ボッ



ボシュッ

ギギギ…ガッターン



小林「…………」

シャロ「…や、やった…!」

コーデリア「やりました教官!再び評決を覆しました!!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:48:14.02 ID:axKEPifE0

カンッ!!


裁判長「…ただいまの最終弁論の結果、評決が変更されました」

裁判長「有罪が二人、無罪が4人…したがって、本法廷は現時点で評決不一致とみなして」

裁判長「審議の続行を行うものとします!」カンッ!

北芝「……ぬぐぐぐ…」プルプル

姫百合「…これは、意味のある躍進です」

姫百合「今回ので、このトイズ糸がフェザーズの二人のものである可能性も低くなりました」

小林「……そうだ」

小林(そして…ここからだ)

小林(ここから…この事件の真実を引きづりだす!!)ドンッ

小百合「………」

ねこ「………」

叶「………」

小林(あの証人の中でも、何かを隠している奴は確かに居る!)

小林(この尋問で、それを引きづりだすんだ!!)

カンッ!!

裁判長「…それでは、証言に移りましょう」

裁判長「今回の最終弁論で、新しく分かった事がありました」

裁判長「トイズ糸が被告人のもので無い可能性と、抽選チケットの事について」


ねこ「………」

叶「………」

小百合「………?」オロオロ


カンッ!

裁判長「…詳しい証言をお願い致します」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:48:42.68 ID:axKEPifE0


【証言開始】

小百合「私はちょっと…任してたから分からないんだけど…」オロオロ

ねこ「抽選チケットだっけ?そんなもの適当だよ適当ぉー!」

叶「選ばれたトイズ持ちの子は、幸運だったんでしょうね」

ねこ「それとトイズ糸だっけ?そんなものは知らないなぁ」

叶「私達には、何も後ろめたい事なんてありませんからね」


小林「…………」

北芝「………」

裁判長「…ちなみに、検察側は抽選がどのような形で行われているか、調査しましたか?」

北芝「…そんなもの、捜査するまでもないわ」

北芝「証人のPCには抽選管理のソフトが組み込まれていた。それで抽選しただけに過ぎない」

裁判長「…なるほど、分かりました」

小林「…………」

裁判長「それでは弁護人、尋問をお願いします」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:49:09.36 ID:axKEPifE0


【尋問開始】

小百合「私はちょっと…任してたから分からないんだけど…」オロオロ


小林「待った!」

小林「本当に身に覚えが無いのですか!?トイズ糸も、抽選チケットも!」

小百合「ほっ本当に知らないんだよぉ!トイズ糸なんて…そんな物騒なもの知らないよ!」

小百合「そ、それに…抽選チケットはねこと椿ちゃんに任せてたし…」

ねこ「うけっ!?わっ私にふっちゃう!?」

叶「…そういえば、私は抽選について何も知らされてないですね」

ねこ「ううぅ〜ん…抽選については、できれば企業秘密にしておきたいんだけどねぇ」

北芝「…それが、この事件と全く関係なかったら、私もそうしておくつもりだったんだけど」

北芝「この目の前の弁護人が変な可能性と結び付けちゃったせいで証言せざるを得ない状況なのよね」

ねこ「ほほーう、なるほどなるほど。私の敵は弁護人か」

北芝「元々敵よ、こいつはアンタらの仲間を殺した被告人を弁護してるんだからね!」ダンッ

小林「異議あり!!!」

小林「検察側は弁護側の心証を無意味に悪くしないようにしてください!」

北芝「……ふんっ!」プイ

姫百合「子供かっ…!」

ねこ「うーん、抽選かぁ、なんていうかさぁ…」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:49:37.00 ID:axKEPifE0

ねこ「抽選チケットだっけ?そんなもの適当だよ適当ぉー!」


小林「待った!」

小林「何故、そう言いきれるのですか?」

ねこ「いやだって、抽選なんてパソコンが選ぶだけのエンターキー一つで終わる作業だもん」

ねこ「そんなもんに詳しく証言とか…ねぇ〜?」ニコニコ

小林「…その単純作業に、どうして被告人が関わっていたのでしょうか?」

小林「先ほど、団長さんは被害者である丸尾さんにも任せていたと言っていましたが」

ねこ「そりゃぁ、深い意味は無いよ?」

ねこ「だって、小百合ちゃんは椿ちゃんにベッタリ任せっきりだったんだし」

叶「影の団長…私は、そう呼んでましたわね」

ねこ「正直、団長さんいらねーんじゃねーかなーっても思ってね」

小百合「ううぅ……」ズーン

小林(酷いな…)

エリー「可哀…想……」ウルッ

ねこ「あっ!でも一番人気あるのは団長さんだし、団長さんが居るからこその今の人気だからさ!」

叶「そうですよ。団長様が居るからこそ、今の私達が居るのです」

小百合「……………」

小百合「…ククッ!我が魔力は時に、無意識にも漏れ人々を魅惑し続けるものなのだな…!」クックック

小林(どうやら調子が戻ってきたみたいだな)

ねこ「まぁそういう訳で、抽選自体はかなり適当だったんだよねー!」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:50:03.80 ID:axKEPifE0


叶「選ばれたトイズ持ちの子は、幸運だったんでしょうね」


小林「待った!」

小林「…つまり、自分達の手で選ぶ、と言う事は無かったと?」

ねこ「まぁそりゃぁ、さすがに転売ヤーとか偽造クレジットが判明したら除外するけど」

ねこ「それもクリック一つ、だしねぇ」

姫百合「…結果的に、殺人犯を除外出来なかったわけですが」

叶「出来るわけがないでしょう。誰が、分かるというのですか」

ねこ「さすがに世界を滅ぼすとか、人体発火現象を起こす奴は分かるけど、そういう人には誓約書書かせてるからね」

ねこ「今回のはちょっと、予想外だったかな〜って」

小百合「…我の魔眼を持ってしても、見抜けなかったなど…不覚だ!」

ねこ「ほら、団長さんもこんなんだしさ」

小林「……うぅん…」

小林(自らが故意に座席を指定する事ができない…でも、それなら)

小林(その座席を、確認する事は出来た…という事だよな?)
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:50:30.13 ID:axKEPifE0

ねこ「それとトイズ糸だっけ?そんなものは知らないなぁ」


小林「待った!」

小林「…本当に、知らないのですか?」

ねこ「寧ろ、何故知っていると思ったのか」

叶「先ほどの陪審員の話ですけど…結構物騒なものみたいですよね?」

叶「トイズ糸…確かに、サーカスにも使えそうですけど、使ってしまえば大問題になってしまいます」

ねこ「まー、”漆黒の魔法団!本当に闇と繋がっている!?”みたいな」

小林(洒落にならないな…)

小百合「ほほう…闇、か。我が悪魔との儀式と取引の名としては、悪くない…」

小林(こっちは満更でも無さそうだ…)

シャロ「ええと、ど、どうしましょう!先生!」

小林「…もし、フェザーズの二人が無罪だったとして、この人たちの物だという確証は無いよ。数万人はその場にいたんだからね。」

小林「しかし、彼女達が何かを隠している事は確実だ」

小林(問題は、その隠している内容と…)

小林(…一人だけ、その内容を知らないような気がする事だな)

叶「そもそも、そんなものに頼っている証拠なんてありませんよ。何故なら…」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:50:57.83 ID:axKEPifE0


叶「私達には、何も後ろめたい事なんてありませんからね」


小林「待った!」

小林「…何故、そう証言する事が出来るのですか?」

叶「えっ?」

小林「本当に後ろめたい事が無い人は、そんな証言はしません」

小林「なのに、わざわざそう証言するっていう事は…」

ダンッ

小林「貴方達は、何か後ろめたい事を隠しているんじゃないですか!?」

叶「!?」

ねこ「!?」

小百合「はっ!?えっ!?えっ!?」

北芝「異議あり!!」

北芝「弁護人は!証人の内情を勝手に決め付けないように!!」

北芝「それは司法や法律どころか…人として失礼よ!!」ダンッ

小林「ぐうぅ!」ゴーン

姫百合「…確かに、今のはちょっと無いですよ小林さん」

コーデリア「少し…嫌らしかったかもしれません」

エリー「い…いや… らし……////」

小林「……い、いや、だけど」

小林「僕は、彼女達が隠している後ろめたさ。それを証明する証拠品が…確かにあるんだ」

シャロ「…え!?」

コーデリア「!?」

姫百合「なっ…!?どういう事ですか!?小林さん!」

小林(…そうだ。今までの証言を思い出せ)

小林(団長さんを一人だけ立たせてた証言の時、彼女は何を言っていた?)

小林(あの、アルバムに挟んでいたものについて…!!)

小林(…ここで逃がしては駄目だ!ここで、突きつける!!)
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:51:28.86 ID:axKEPifE0


小林「彼女達は、トイズ糸と抽選チケットについては容疑を認めないみたいだね」

姫百合「…まぁ、トイズ糸なんて私も今日初めて知りましたし」

シャロ「そんなの!カズミちゃんとアリスちゃんだって絶対知りません!」ムスー

小林「…ああ、そうだね」

小林(今、トイズ糸とチケットの事を審議しても煙にまかれるだけだ)

小林(なら、別の方向から突いて、そこから真実を引きずりだす!!)

小林(落ちついて、証拠品と証言を見比べてみよう)
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 00:51:55.29 ID:axKEPifE0
しばらくお待ちください…
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:02:22.51 ID:axKEPifE0

→叶「私達には、何も後ろめたい事なんてありませんからね」に
→証拠ファイルC【怪盗帝国からの手紙】 を突きつける


小林「異議あり!!!」


小林「…証人、一つよろしいでしょうか?」

ねこ「ん?何何?」

叶「はぁ…どうなさいました?」

小林「貴方達は、確かに先ほど言いました。自分達には後ろめたさは無いと」

叶「ええ…だって、私達は真面目に公演を続けてきましたゆえ」

ねこ「まぁ、一度や二度の失敗くらいはあったからね」

小百合「…それが、どうかしたの?」

小林「花輪さん」

小林「貴方、この招待状を捨てた。と申しましたよね?」ピラッ

ねこ「!」

叶「!」

小百合「え?…その通りだが。それが…どうかしたのか?」

小林「この怪盗帝国からの招待状、僕達はどこで見つけたと思いますか?」

小林「…この、アルバムの中にあったのです」

小百合「……え?」

小百合「それ…ねこちーの…アルバム…だよね?」

ねこ「………」

ダンッ

小林「今、確かに花輪さんはこの招待状を捨てた!と証言しました!」

小林「しかし!このアルバムにはこれが挟んでありました!これは――」

小林「一体、どういう事なのか!弁護側は証言を求めます!!」ビシッ

ねこ「………」

叶「………」

小百合「…ど、どういう…事なの…?」

カンッ!

裁判長「…確かに、気になる事ではありますね」

裁判長「証人、…証言をお願いできますかな?」

ねこ「…………」

裁判長「この招待状、団長が捨てたにも関わらずアルバムに挟んだ」

裁判長「その真意を、ここで証言してください!」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:02:51.47 ID:axKEPifE0

【証言開始】


@「いやぁ?そんな事言われてもねぇ…」

A「珍しいじゃん?怪盗からの手紙なんて」

B「だからとっておこう!って思っただけなんだよねー」



裁判長「………」

北芝「………」

小林「…あ、あの、それだけですか?」

ねこ「ん?だって、それ以外に理由なんて無いもん」

ねこ「それとも、これから詳しく聞いちゃう?これ以上の情報なんて一切無いけどね!」

裁判長「…どうですか?弁護人。尋問をしますか?」

小林「…はい」

小林「弁護側は、尋問の権利を手放すつもりはありません」

北芝「…あんたは本っ当!迷惑な尋問がするのがお好きのようね!」ダンッ

裁判長「…分かりました」

裁判長「それでは弁護人、尋問をお願いします」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:03:18.48 ID:axKEPifE0

【尋問開始】


@「いやぁ?そんな事言われてもねぇ…」


小林「待った!」

ねこ「ええ!?今ここで言っちゃう!?」ガーン

ねこ「もうちょっと我慢しておくれよ〜ここからなんだからさぁ」ニヤニヤ

北芝「…証人は、まだ何も証言してないわよ?」

北芝「一体、何に「待った!」なんでしょうねぇ?」

小林(うぅぅ…何故さっき、僕は待った!って叫んだんだろう…職業病かな…?)

ねこ「んじゃ、早速言わせて貰うんだけど」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:03:50.63 ID:axKEPifE0

A「珍しいじゃん?怪盗からの手紙なんて」


小林「待った!」

小林「しかし、団長は呼んだ上で放棄しています」

小林「それをゴミ箱から漁る程なんですか?その手紙というのは」

ねこ「チッチ、甘いね探偵くん。こういうのはゴミ箱だからというのじゃないんだよ」

ねこ「だって怪盗帝国から連絡が来たんだよ!?こんなの、取っとくしかないじゃーん!何かに使えるかもしれないしさ!」

ねこ「コレクター欲というものだよ!」ドーン

小林(…何だか、この人”ネコ”…というより、”イヌ”みたいだな)

ねこ「まぁ、怪盗帝国って、一部の人からは崇拝されてるみたいだし高値で売れたりするかなーなんて思ったり」

ネロ「高値!?」ガバッ

小林「ネロ、ステイ。今からしようとした事、してはいけないよ」

ねこ「まぁ、てなわけでさ」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:04:16.70 ID:axKEPifE0


B「だからとっておこう!って思っただけなんだよねー」


小林「待った!」

小林「だから、アルバムにはあんなに写真が多いのでしょうか?」

叶「ええ…写真はほとんど、ねこさんが撮っていますわね」

ねこ「そー!”無くなる”よりは”有る”方が良いからさ!」

小林「……?」

小林「”無い”…ではなく、”無くなる”…ですか?」

ねこ「ん?…ああ、ちょっとした言い間違いかな?気にしなくていいよ!」ドーン

小林「過去に、何か失くした者…とか、あるのでしょうか?」

ねこ「……………」

小林「……?」

ねこ「…人間はさぁ!何でも無くなって生きて行くようなものだよ!」

ねこ「だから、生きる目的ってのが一番大事なんだと思うよ私ぁ!」

叶「…そうですね。それは一理あります」


小百合「…?」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:04:46.58 ID:axKEPifE0


→疑問を浮かべた花輪小百合をゆさぶる

小林「ちょっと!!」

小林「…小百合さん。ちょっと良いですか?」

小百合「う…うむ?」

小林「先ほどのねこさんの証言に、何か頭を抱えていましたが」

小林「何か、思い当たる事でもありましたか?」

小百合「…いや、その、ねこちーの生きる目的なんだけど…」

小百合「最初に出会った時、私に言ってくれたんだよね…あの時…」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:05:12.32 ID:axKEPifE0

===回想===

ねこ「花輪さんは、私の生きる目的なんですよ」

ねこ「花輪さんの後ろで、……いえ、背中ですかね」

ねこ「いつか叶えたい願い。それが花輪さんの中にあるのは間違いなくいんです!」

===終了===
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:05:45.58 ID:axKEPifE0

小百合「何て事が、あったかなぁ…って」

小林「………」

姫百合「た…ただの思い出話……」

ねこ「………」

小百合「だから今でも、私はねこちーの事も誇らしく思っているのだ!」ドドーン

ねこ「…い、いやぁ、そういうのはほら…良いんじゃない?だって…ねぇ?」ダラダラ

叶「あらあら、ねこさん。恥ずかしくて汗がダラダラですわ」

ねこ「あ…あははぁ。…ちょっと、恥ずかしかった…ってかなぁ?」

小林「……?」

ネロ「…何か、おかしいよ?」

小林「ああ。一見照れて汗を流しているように見えるけど…」

小林「ねこさんの顔は…何故青ざめているんだ?」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:06:14.15 ID:axKEPifE0

カンッ!


裁判長「はいそこまで!」

裁判長「…どうやら、怪盗帝国への手紙に嘘偽りは無いようです」

裁判長「そしてその理由は…本法廷とは関係ないと断言できます」

北芝「ハンッ!ざまぁないわね弁護人。ただ時間を無駄にしただけで!」

小林「…………」

裁判長「それでは陪審員よ!判決に移って貰いましょう!」

裁判長「抽選チケットに関しては審議不要。トイズ糸はこれ以上審議しても無駄です」

北芝「そもそも、トイズ発生機能は元からついてた可能性で、使われた形跡も洗えないしね」

裁判長「では!これより本法廷を―――」


小林「待った!!」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:06:49.96 ID:axKEPifE0

裁判長「!」

北芝「……」

小林「…最期に、一つだけ」

小林「証人に証拠品を提示する権利を、ください」

北芝「…………」

北芝「そんなもの、必要ない!」ダンッ

北芝「もう審議は下そうとしている!変な茶々を入れたりは――」

小林「お願いです裁判長!この証拠品を出すことで――」

小林「弁護側は!もう一つの可能性を提示できます!!」

北芝「そんなハッタリが――」

カンッ!

裁判長「……良いでしょう。出してみなさい」

小林「…!」

裁判長「しかし、その証拠品が本法廷と全く関係無いと判断したその瞬間――」

裁判長「即刻!判決に移らせて貰います!」

小林「……分かりました」

北芝「…………」ギリギリ

小林「事件の新しい可能性を提示する証拠品は……これです!」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:07:18.33 ID:axKEPifE0

→→証拠G【アルバム】 を突きつける


小林「くらえ!!!」

裁判長「…これは、アルバムですかな?」

小百合「ねこちーの写真記録書だ!」ドーン

姫百合「アンタもさっきアルバムって言ってたでしょうが…」

小林「…問題は、最初のページです」

小林「先ほど言いましたね?そのアルバムには、ドイサースの事件の日のチラシが入っていた…と」

裁判長「はい。確かに言いましたな」

小百合「…あ、そう言えば、言ってた!」

ねこ「!…花輪ちゃん…見たの!?」

ダンッ!!

小林「…この証拠品で、新しい可能性が浮かび上がるのです!」

小林「この事件の、真実に繋がるような可能性が!!」

ねこ「っ!!」

カンッ!

裁判長「では…答えてください」

裁判長「その、新しい真実に繋がる可能性とは何か!」




→ドイサースのファンだから

  本当は警視庁の人間

  事件の被害者
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:08:04.53 ID:axKEPifE0
→事件の被害者


ダンッ!!


小林「……事件が起きたあの日から、ドイサースの評判はあまりよくありません」

小林「多くの犠牲者を出した、そして自死した、悪人と呼ばれています」

小百合「………っ!」

小林「そんなドイサースの娘という事で、近づく事は無い筈です」

小林「花輪さん。貴方は彼女達からドイサースの話を聞きましたか?」

小百合「……聞いて…無い……!」

小林「はい。しかし、彼女は…少なくともねこさんはドイサースの存在を知っています」

小林「アルバムの位置から見て、おそらく相当昔から」

ねこ「………」

小林「そして、そんな娘に対し、生きる目的だ。叶えたい目的がある。その理由は――」

ダンッ!

小林「彼女がドイサースの集団自殺の被害者であり!!その娘に復讐を誓っていた以外にあり得ない!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「そんなもの…証拠が無いでしょうが!!」ダンッ!

北芝「そもそも!そんな事が出来たなら…!もっと早くから殺されていた筈…!」

小林「なら、聞いてみましょう」

小林「貴方達が本当に花輪さんの下についたのは、彼女の手品を見たから、ですか?」

叶「え!?…そ、その通りでございます!」ドーン

ねこ「……そうだよ、今…なら!特に言える!」

ねこ「私は!花輪ちゃんのサーカスの為に!下についている!」

小林「異議あり!!」

小林「ならば…何故!怪盗帝国の手紙を取っておいたのですか!?」

小林「その手紙を使って、花輪さんを不利に陥れる為ではないのですか!?」

ねこ「ぐごっ…こっ……」

ねこ「……そんなわけ…無いじゃん!!」ダンッ

ダンッ

北芝「そもそも貴様…!一体何の根拠でそんな事が言える!!」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:08:36.42 ID:axKEPifE0

小林「根拠…?それは、今までで何度も目撃してきました」

小林「まず、三人は一緒に花輪さんの弟子になりたいと申し出た!」

小林「彼女達は、その時から計画を始動していたのです!」

小百合「……!」

小林「その中でも被害者は、当初の目的を忘れるほどに花輪さんと関係が強くなったみたいですね」

叶「……!」

小林「そして、被害者は事件当日、公演目から外れる様な行為を取っていた」

小林「そうですね?花輪さん」

小百合「…う、うん。本当は…私と二人でやるつもりだったから…」

ダンッ

小林「そして…一人になった事をねこさんは知らなく、驚いていましたね」

ねこ「…………!」

小林「そもそも、何故被害者は一人で公演しようと思ったのか?」

小林「…それは、おそらく」


→一人で目立ちたがったから

  奇跡の少女は殺害計画だった

  計画を聞かされてなかった
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/08/22(火) 01:09:08.46 ID:axKEPifE0


→奇跡の少女は殺害計画だった


小林「奇跡の少女、その演目を考えたのは、誰ですか?」

小百合「え!?…ええと、確か…」

小百合「一番最初に…提案したのは………」

ねこ「…………」

小林「…ねこさん、貴方ですね?」

小林「貴方は、この奇跡の少女を殺害計画の為に組み込み…」

小林「花輪さんを、殺すつもりだったのです!!」

北芝「異議あり!!」

北芝「しかし…!実際に殺されたのは被害者じゃない!!」

小林「異議あり!!」

小林「そう!そして被害者はこの殺害計画を知っていた!」

小林「だから被害者は!花輪さんを殺害計画からかばう為に!」

小林「自らを犠牲にして、代わりに殺されたのです!!」

小百合「…そ…そんな…そ……そんなの…」

小百合「嘘だぁぁぁあああああああああ!!!!」ガガガーン
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