【がっこうぐらし】安価ぐらしDAY1【生き延びよう!】

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531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 18:40:27.75 ID:LSRHCa8FO
1
532 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/08(金) 18:46:53.19 ID:VOnp9baq0
【1:下記範囲以外なら回避】

判定↓1:1.3.5.8.0 ぞろ目奇数
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 18:47:27.17 ID:55c8GBIyo
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 18:55:54.01 ID:WdjrUtj8o
お姉ちゃんのこと取ったりしないわよ、くらいのことは言ってもよかったかもしれない。
535 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/08(金) 19:19:42.24 ID:VOnp9baq0
【大人の話:回避】


アリス「悪いけれど、大人の話だから」

少し問題がある気もしたけれど、特に理由は言わなくても良いだろう。と
凡庸性の高い言葉をぶつけると、悠里は少し感情を揺らして私と慈を交互に見る

悠里「そうですか……」

納得をしてくれたのかは解らない
いや、きっと納得したわけではないのだろうけれど、
悠里はそれ以上の疑いの目を向けることなく呟いた
その声には少し漢詩サガ紛れている気がしたが、こんな世界だ
年長者のみで今後の方針を検討するのもおかしくは無いと考えてくれたのかもしれない

――そんなのはただのばかげた希望的観測でしかない

しかしそうであれば良いとほんの少しだけ思う
私の選択が必ずしも正しいとは限らないけれど、△くらいは評価を付けてもらいたい
所謂コミュニティ傷害である私の精一杯の言い訳なのだから。

もっとも、ここらで自分の経験不足差に悪態をつくことも
ましてや、過去の世界においてもう少し明るく振舞っておけばよかったなどとも思わないけれど。

悠里「そういうのも必要……ですね」

慈「ええ……ごめんなさい。悠里ちゃん」

悠里「いえ。ですが、何か方針を決める際には、私達にも聞かせてください」

アリス「解っているわ」

思った以上に、大人
いや、そうなってしまっているだけかもしれない
そんな様子の有利をおいて、二人で部屋を出てすぐ隣の教室へと向かう
背中にぶつかる”彼ら”の声ゆえか、慈との距離は以前よりも少し近い気がした
536 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/08(金) 19:32:34.01 ID:VOnp9baq0

慈「……」

教室に入った途端、深く息をついた慈は、自分の胸元を撫で下ろすと
首を横に振って、安心したように笑みを浮かべる
時間的に暗いのは当然のこと、それを雨がより暗くしているのだが、
ゾンビが光に集まってきてしまう可能性も考慮して電気がつけられない教室と廊下は、
”彼ら”の声も相極まってより不気味さが増してしまう

アリス「大丈夫?」

慈「ええ……」

社交辞令のごとく聞いてみた言葉は、
不安一杯の笑顔になりきれてない笑顔で返される
そんな表情で返されたら、心配する以外の道が無さそうなのだけれど

それなら良いわ。と返したくなってしまうのが私だ
向こうが平気だというのなら、それで良い
それが私と言う人間だからだ
いや、この状況でも平然としているのだから、化け物と言うのが正しいかもしれない

慈「それで……アリスさん。大人の話って?」

アリス「真に受けたのね」

あの場をやり過ごすためのただの言葉だったのだけど。
ある意味子供っぽい慈は本気にしてしまったのだろうか
さて……


1.大丈夫? 精神的に
2.由紀について
3.悠里について
4.そのほか、自由な言葉か行動


↓1
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 19:33:35.35 ID:IIWbzOODO
538 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/08(金) 19:45:49.84 ID:54+4BSJOO
今日はこれが限界かな
また後で余裕があればやるけど多分また明日になる

毎度安価さんくす
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 19:51:37.79 ID:55c8GBIyo
乙でした
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 21:35:03.83 ID:ngL1VZwM0
悠里のメンタルが心配
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 23:16:36.57 ID:twYJZHSa0
542 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 15:45:18.82 ID:ezW2SvvX0
【悠里について】


アリス「さっき、君も感じたかもしれないけど悠里についてよ」

慈「悠里ちゃん……?」

アリス「思わなかったの? 様子がおかしいって」

とぼけたつもりではなかったのだろうけど、まだ上手く捉え切れていないというようなのんびりとした表情に、
思わず強い口調で追撃を加えて、慈を見る
私のその反応に驚いたのか、慈は少し怯えた表情をしていて
けれど、すぐにそれは悲しげなものへと変わる

慈「……思ったわ」

アリス「そうよね」

気づかなかったらどうしようかと。と余計な一言を加えそうな口を閉ざして、一息
こんな状況下に陥って、なお冷静で居られる自分自身がもはや恐ろしくなってしまうけれど
逆に、追いついて来れない”足手纏い”に対しての私は厳しいものになってしまっているのかもしれない

自由を押し殺して合流した
救ってしまったからと理由を付けてはいるけれど、私の本質は不満を蓄積させているのだろうか
だとすれば、私もまだ人間のような一面もあるということだろうけれど。
それは別に、喜べることではない

アリス「悠里一人を挙げるつもりは無いわ。でも、特に追い込まれてるように見えるのは。ね」

由紀も追い込まれているけれど、あれはまだ酷すぎるほどではないように思える
もちろん、私の独断だから正しいとは限らないけれど

アリス「なにかしら、気を紛らわせるものが必要になってくるでしょうね」

慈「紛らわせるもの……」
543 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 16:02:51.21 ID:ezW2SvvX0

スコップの子はまだ強くいてくれているけれど、いずれ崩れてしまう可能性はあるし
全員を何とかできる何かがあると良いと私は思う
とはいえ、そう簡単に紛らわせられるのかといえば、そうでもないのよね

まず、環境が悪すぎる
空気の入れ替えはもちろん、一日中”彼ら”の声が絶えない
なにより、自分達が不衛生すぎて(いずれ不感症になるかもしれないけれど)心穏やかになれるものではない

アリス「ねぇ、職員更衣室には今もシャワー室があるのよね?」

慈「ええ、あるけど……」

アリス「この階の奥……よね」

慈が言いよどんだ言葉を引きついで呟く
まるでそこが重要拠点であるかのように”彼ら”が蠢く部分にそれはある
確かにこれがゲームなのだとしたら、第一ステージのラストダンジョン的な部分とでも言うべきかもしれない

ただ、戦力は整っていない、アイテムも心もとない
どこで何をすれば良いのかと攻略サイトを頼りたくなるような状況
人生はハードモードだのなんだの良く聞くけれど
これがハード程度なら、ベリーハード等はどうなるのかと聞きたい

せめて、レベルアップステージでも欲しい
あるいは、武器商人でも欲しい

アリス「ゲームなら、初期装備銃でしょうに」

慈「アリスさん?」

アリス「……何でもないわ」

さて、気を紛らわせるために必要なのは、色々あるけれど……まずは3階の解放?



1.3階の解放を優先すべきだわ
2.慈は何か意見ある?
3.少しは日常感味わえれば……落ち着くかしら
4.自由

↓1
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 16:03:41.74 ID:/ffRUoSjo
545 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 16:33:46.79 ID:ezW2SvvX0
【少しは日常感を】


アリス「少しは日常感を味わうことができれば、落ち着くかしら」

慈「日常感……でも、アリスさん。それは焼け石に水になったりしない?」

アリス「というと?」

慈「未だ声は聞こえるし、不穏な空気は薄れない。このままやっても、ハリボテにしかならないと思うの」

日常感の演出をしたとしても
現状では吹けば飛ぶような背景でしかないということだろうか
確かに、学校のチャイム、生徒の喧騒
その代わりのように常に聞こえる”彼ら”の声は厄介だ

慈も意外と考えてはいたということね……
多少追い詰められているとは思っていたけど
その分、考えることは出来ていたのなら、嬉しい誤算だわ

とはいっても、何かが解決するわけではないから辛い

アリス「慈はどうするつもりだったの?」

慈「授業……とか。学校らしいことをしたほうが良いかなと思って」

アリス「らしいといえばそうだけど」

それはやらないほうが良いと思った
悠里のように真面目な子(今はともかく)ならそれも良いのかもしれないけれど
授業が好きではなかった、勉強が嫌いだったというような子に関しては、
はっきり言って悪影響にしかなりえないように思える

そう思って首を振ると
慈は「やっぱり?」と、困ったように笑みを浮かべて息づく

慈「今のみんなはそういうの無理だろうって、やめておいてよかったわ」

アリス「賢明な判断ね」
546 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 18:11:20.38 ID:ezW2SvvX0

アリス「……」

しかし、否定してばかりいるわけにも行かない
私が今やっていること、悠里に言ったことそれも全部付け焼刃のようなものでしかない
悠里に関しては、ここから打開策を見つけて進まない限り
悠里に無意味な期待、希望を持たせただけに留まってしまう

今までの私ならどうでも良いと切り捨てる案件ではあるし
今でもその考えは半分を占めているけれど
何か手を打つと、手を出すと決めてしまったのもまた、私なのだから

何とかするべきだろう
あるいは、何とかすることのできる策を見出すべきだ

……言うは易しとはまさにこのことね

考え付くことはあっても、それをさらに考えるとやはりダメだと切り捨ててしまう
自問自答の罠にはまった姿はまさにコミュニティ障害らしいと嘲笑さえしたくなる

ああ言うとどうなるだろう
こうするとどうなるだろう
自分の言動による影響を深く考えてしまうのは悪くないけれど
そこで悪い方になるのではないか。と考えてしまうのがネガティブ思考であり、
コミュニティ障害に陥る原因だと私は個人的に思う
なにせ、私自身がそれに片足踏み入れているのだから。

アリス「さて……」

ではコミュニティ障害のアリスさんには必死に考えてもらうこととしましょうか
悪い方を考え抜いて……
それに、慈もいるのだから、私一人で穴の中を転がり続けるわけでもないはずだから。

――頼りになるかは、別として



1.なら、懸念事項の声の排除、つまりは3階の解放優先かしら
2.学校なら、部活という手もあるわ
3.いっそ非日常に突き抜けてみる?
4.自由


↓1
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 18:31:58.10 ID:oK3Tcu640
2
548 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 19:02:17.06 ID:ezW2SvvX0

【部活】


アリス「そうね……」

慈が言うように、授業をするというのも学校生活
つまりは日常らしい部分ともいえる
それに真面目に取り組むこと、それに隠れて寝たり、遊んだり
それもやはり日常のものだと私は思う
けれど……

いや、もしかしたら私が今考えているこの方法も、
その授業と同じように”今することではない”と批判を受けるかもしれない
寧ろ、その可能性が高いと言っても良い

この緊急時に何を言っているんですか。と

アリス「……」

慈「アリスさん?」

アリス「……大丈夫よ」

ここで口にしなくても良いか。と、切り捨てて何もしないのが今までの私
けれど、今の私は違うから
声をかけて、不安そうな目を向けてくる慈に笑みを向けて、息を呑む
ため息をつくのはまた今度で良い

アリス「学校なら、部活と言う手もあるんじゃないかしら」

慈「部活……?」

アリス「そう。例えば屋上でやってる園芸部。この学校で篭城するのなら……そうね」

少しだけ、考える
自分のセンスが良いとは間違っても言えないけれど、
適当に言うのは何か違うと思うから

学校……学園……篭城……生活
色々と言葉を考えて、つなぎ合わせて。
変に考える必要も無い、シンプルな名前

アリス「例えば、学園生活部」

慈「学園生活部……」

アリス「生活していくうえで、一つ一つ目標を立てていくのよ。それなら由紀も無力に沈まなくて済む。勉強だけに追われずに済む」

慈「アリスさんにしては、珍しい」

そう言った慈は嬉しそうに笑って「悠里さんたちにも相談ね」と続ける
少なくとも間違った選択ではなかったのだろうと、思って、願う
これが悪いことになる原因にだけはならないように。と
549 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 19:26:10.08 ID:ezW2SvvX0
【巡ヶ丘学園高校3階 物理準備室(仮拠点) DAY8 夜の部】
【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】
【食料:150(園芸)・600(備蓄)】

    【雨が降り続いています】

――――――――――――――――――――――――――――――――


アリス「もう夜ね……」

早いのか遅いのかさっぱりだけれど
気づけば夜になった今日と言う時間
せめて曇りであれば、解放も少しは進んだのだろうけど……

アリス「たらればで話しても仕方が無い」

そうならなかったのが現実で、過去で、今
なら、その後のことを考えるべきだ

由紀は横になっているし、悠里も隅で固まっているだけで
胡桃は”彼ら”の警戒をしているのか、ドアの近くでスコップを片手に待機していて
慈はそのみんなを不安そうに見渡す

雨は相変わらず、そんな私達をあざ笑うかのように降り続く

みんなは早めに寝させたほうが良いのかしら
夜よりも朝の方が精神的には優しいだろうし……と言っても
明日も雨だったら悲惨だ


1.悠里
2.由紀
3.胡桃
4.慈
5.全員
6.少し廊下へ
7.休む


↓1
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 19:27:04.80 ID:tAwSW8oBo
551 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/11(月) 19:32:16.75 ID:ezW2SvvX0
そしたらここまでかなー
時々空いて不定期になるけど極力やってくけど大体この時間くらいまで

安価さんくす
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 19:55:23.36 ID:ST1sYcXcO
乙乙
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 06:06:55.26 ID:PF85vgQCo
554 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 17:03:50.13 ID:Ue1diNnn0
【休む】


アリス「……ふぅ」

慣れてしまってはいるけれど、きっと汚れてしまっている空気を肺に溜め込んで吐き出す
雨天時特有のどんよりとした空気感と身体の重みを感じながら、ゆっくりと目を閉じる
できることも、何も今はないだろうから、休もう

少し離れた場所にいた由紀がこっそりと近付いて着ている気配がしたけれど
突き放すのもと、何も言わず何もしないでいると
その華奢な身体が触れて来て……しかし
それ以上何かするわけでもなく、由紀は小さな寝息を立て始めた

私に依存したということは無いだろうけれど
それでも、どちらかといえば頼りになるという認識なのだろう
あるいは、安心できるのかもしれない

アリス「……」

私は優しくないし、甘くも無い
状況に応じて見捨てることも厭わないのに
高校生とはいっても、まだ子供と言うことだろうか
日常を取り戻す……というよりも
失わないために、私は慈に部活はどうかと言う提案をした

それはまだみんなに話せていないけれど、由紀は受け入れられるだろうか
限界の近い悠里は平気だろうか
そう考える自分が、教師ではないしても
すっかり染まっているように思えて、考えを払うように息づく
私は私だと、変わらないのだと、そう思いたくて。信じたくて

アリス「……弱くなる。から」
555 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 17:08:42.94 ID:Ue1diNnn0
【   】

判定↓1

【判定:5.7.9 ぞろ目偶数】
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 17:17:50.32 ID:BMb0+tiko
557 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 17:20:44.85 ID:Ue1diNnn0
【  判定:失敗】
558 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 17:22:14.33 ID:Ue1diNnn0
【巡ヶ丘学園高校3階 物理準備室(仮拠点) DAY8:集計】

【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】 →変化なし

関係性変動

【由紀 大人(姉のような人)→大人(姉のような人)】
【胡桃 恩人(尊敬)→恩人(尊敬)】
【悠里 知合(優しい人)→知合(優しい人)】
【 慈  友人(信頼)→友人(信頼)】

巡ヶ丘学院高校解放率:変化なし)
http://i.imgur.com/FSDyFPo.png
【疑問:ゾンビの習性1/3:音に反応】
【疑問:命の使い方】
【疑問:”彼ら”の範囲】
【約束:男子生徒の介錯】
559 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 17:53:18.49 ID:Ue1diNnn0
【雨の判定:2.8.5.9 止む】

↓1
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 17:54:07.43 ID:a2K4zKLDO
止む
561 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 18:13:22.99 ID:Ue1diNnn0
【巡ヶ丘学園高校3階 物理準備室(仮拠点) DAY9 朝の部】
【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】
【食料:150(園芸)・600(備蓄)】

    【雨が降り続いています】

――――――――――――――――――――――――――――――――


アリス「……まったく」

まだみんなが眠ったままの朝、もはや親しみさえわきそうな雨音の煩わしさに目を覚まして
すぐ隣でくっついて眠る由紀の暢気な寝顔に悪態をつく
携帯を見てみれば、正確な日付がわかるのだろうけど
まだ職員室にいけていないから、充電できるかもわからない現状では
つまらないことで電源は入れられない
あとで代わりに電源を入れている慈の携帯を見せてもらおうかと目を向けたところで、異変に気がつく

アリス「……なんで」

慈がいる。由紀がいる。胡桃がいる
なのに――悠里がいなかった

外は大雨だから、屋上を見に行くのは危険だというのは何度も言い聞かせた
もちろん、それでも心配になって見に行った可能性はあるけれど……
手元のボールを強く握り締めて、目を瞑る

どうする。どうする

屋上に行っているならまだ良い
一人でバリケードを超えていたらどうする?
いや、不安定になっているとはいえ流石に一人でそんなことをするなんていうのは……

アリス「いや……!」

いや……そんなことをする理由が悠里にはある
――職員更衣室になら、シャワールームがあると思う
私は彼女にそれを言ってしまったから

アリス「悠里の目的は……職員更衣室!」

きっとそうだ
耐え切れないと彼女は言った
だから、きっと……

アリス「どうする……まだ、雨が降ってるのに」


1.慈を起こす
2.胡桃を起こす
3.全員を起こす
4.急ぐべきだ。一人で行く


↓1
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 18:29:59.11 ID:KkcXj3RD0
2
563 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/12(火) 19:09:43.15 ID:Ue1diNnn0
あと少しと思ったけど無理そうだから終わっときます
悠里@もう耐えられない

毎度安価さんくす
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 19:23:05.06 ID:qjBOmTzXO
最後でちょっと笑ってしまったww
乙乙
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 19:24:24.75 ID:BMb0+tiko
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/12(火) 21:33:52.56 ID:xvJ4cBa3o
屋上に出れば天然のシャワーが絶賛営業中なのに……
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 01:49:52.63 ID:ZVlnwgDP0
悠里が一番メンタル弱いからね(´・ω・`)
568 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/13(水) 16:07:53.23 ID:VbS725qQ0
【胡桃】


アリス「胡桃、胡桃!」

耳元で、小声で、少し開け強く名前を呼びながら
胡桃の体を揺すると、
無理矢理に覚醒へと引きずり出されたからか、不快な声を漏らしながら、胡桃が私へと目を向けた

胡桃「どうかしたのか?」

アリス「悠里がいなくなったわ」

胡桃「りーさん……りーさんが!?」

まだ寝ぼけた感じだった胡桃は目を見開いて、声を張り上げる
最初の言葉遣いも(私は別に気にしないけれど)普段とは違っていたし
ようやく話が出来るといったところだろうか

けれど、あまり騒がれては困るから
口元に人差し指をあてて、静かに。と囁く
緊急時でみんなを起こすべきだとは思うけれど
雨が降っている現状では、ただ餌が増えるだけでしかない

アリス「いついなくなったか、わかる?」

胡桃「いや、私が寝る頃にはいたから……」

アリス「……そう」

精神的に追い詰められているとしても
絶対に引き止められると判っているから
そのあたりにはしっかりと警戒していたはず

とはいえ……

アリス「時間が経っていたら不味いわね」
569 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/13(水) 16:49:31.78 ID:VbS725qQ0

ついさっきなら、まだ希望はあるけれど
出て行ってから時間が経っている場合、
噛まれていたりしたらもはや救いはありえない

アリス「……」

胡桃「アリスさん、今すぐに行こう」

アリス「……」

今すぐ行って救いがあるのだろうか
いや、胡桃を連れて行っても平気なのだろうか
普段なら考えもしない”他人”の心情を考える

そんな無駄なことを考えてしまうから、時間がかかる
手詰まり感を覚える
胡桃が悠里の状態に対しどんな影響を受けるのだとしても
そんなことは気にせずに突き進んでしまえばいいのに

アリス「……悠里が”彼ら”に成り果てても。君は平気?」

胡桃「!」

驚いたように目を見開いた胡桃は、
歯を食い縛って苦悶の表情を浮かべると
ギリギリと歯軋りしながら、俯く

平気でいられる自信が、無いのだろう




1.胡桃を連れて行く
2.スコップを借りて、一人で行く


↓1
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 17:09:04.09 ID:+mPlluCfo
571 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/13(水) 18:00:29.97 ID:VbS725qQ0
【スコップを借りて】


アリス「胡桃はここで待ってなさい」

胡桃「何言って……」

アリス「万が一のこともあるから」

悠里がもう手遅れである可能性
現状では、残念ながら一番可能性の高い結末を考えて
私は胡桃のスコップを奪うように取って、胡桃を見る

胡桃だって、その可能性が判らないわけではない
いや、私と同じようにその可能性が高いことくらい頭でわかっている
けれど、認めたくないんだと思う

悠里が”彼ら”と同じになってしまうなんてことは信じたくないんだと思う
大丈夫だからと呟いて、私が手に取ったスコップを掴む
けれど、その表情のどこにも、”大丈夫”といえるものは無かった

アリス「いいから」

胡桃「っ……」

アリス「何かがあったとしたら、それは私の責任だから」

更衣室の件を話してしまった責任
注意しきれなかった責任
負う必要は無いとい痛げな自分を制して
私は胡桃の頭を優しく撫でる

私は大人で胡桃は子供
悠里は子供で他人だけれど、一応、知り合ってしまった子なのだから
仕方が無い。と、つぶやいて

アリス「行ってくるわ」

悲しくて、辛くて、苦しそうな胡桃の小さな呟きが聞こえた気がしたけれど
私は振り返らずに、何もかもを教室に置いて行く

アリス足手纏いになるだけだから」
572 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/13(水) 19:27:46.26 ID:VbS725qQ0
【巡ヶ丘学園高校3階 未解放区画 DAY9 朝の部】
【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】
【食料:150(園芸)・600(備蓄)】
http://i.imgur.com/FSDyFPo.png
    【雨が降り続いています】

――――――――――――――――――――――――――――――――


アリス「……ああ」

廊下に出ただけで、気色悪くなりそうな不快な空気感を感じて
耳障りな雨音にも負けない”彼ら”のうめき声に眉を潜める
降り続く雨のせいか、ゆっくりと昇ってくる”彼ら”は日に日に増えてきているのかもしれない
だとしたら、もう悠里は手遅れだろうか
そう考えると、スコップの持ち手を握る手に力が篭ってしまう

他人。だったのに

本当にそう思う。と、自分の心の呟きに同調して、息をつく
悠里が”彼ら”の仲間入りしていようと、私は殺す覚悟はもうできている
きっと、胡桃は躊躇うだろうけれど、私は冷酷だから躊躇わずに殺せてしまうと思う

でも、だからと言って
そう、だからと言って、私と言う人間が知り合いを殺したいのかどうかといえば話は別だ
殺さなくて良いのなら、私は殺さずにいたい
そこには別に、特別な感情があるわけではないけれど
殺人鬼ではないのだから、当然だ
化け物ではあるけれど、一応人間の心を持ち合わせているから

アリス「それじゃ、まるで私がフランケンシュタインみたいじゃない……」

自分の考えに苦笑して前を見る
申し訳程度のバリケードを乗り越えて”彼ら”の元に向かう



↓1

【判定:1.3.5.7 一箇所集中 2.4 分散 6.8.9 ”悠里” 0 怪我した悠里 】
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 19:28:46.98 ID:XnUJP24DO
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 19:32:03.70 ID:JdwKYV4D0
これは…?
575 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/13(水) 19:33:51.30 ID:VbS725qQ0
時間だからおしまい
出てくるのは悠里ではなく”悠里”

毎度安価さんくす
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 19:54:01.73 ID:i6e8A5NC0
雨は危険だけど大丈夫と信じたい
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 21:08:15.84 ID:IBxVZjvnO
マジかよ……いや、まだ……?
乙乙
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 03:31:21.52 ID:43fDgTuSo

りーさん死亡確認!
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 13:16:19.15 ID:dVr42kEm0
りーさん……(´・ω・`)
580 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 15:52:02.01 ID:S+JseP3H0
【判定:”悠里”】


アリス「あぁ……」

世界は総じて理不尽なものだと私は思う
悩んで、考えて、こうしようと思ったときにはもう手遅れになっていたり
だからと言って直感に任せて行動すると結局後悔したり
そういった軽いものから、
善行を積んでいる人が死んで、悪行を行う人が長生きだったり
今までほったらかしにしてきたものに対して、正しく接しようとした傍から
奪われていってしまったり

アリス「……」

誰が言ったのかは覚えていないけれど
善人だろうと悪人だろうと、生物は運命の前では有象無象の中の一つでしかないという言葉
私はあながち間違いではないのだと思う

学校で出てくる給食を残しても死にはしないけれど
その残飯でさえ手に出来なかった誰かは死んでしまう
生きることの大変さを知っている者が淘汰され、苦を知らない未熟者が生き残る

アリス「逃避している場合では、無いけど」

いつぞやの自由研究、神と人、生と死の研究結果にまでたどり着く思考を振り払って、前を見る
この一週間程度、何度も見てきた……一緒に生活していた彼女は覚束無い足取りで彷徨う
まだ私に気づいていない彼女の傍では、”仲間”がうろつく

アリス「良かったわ、胡桃を連れてこなくて」

きっとショックを受けただろう
耐え切れずに叫び声を上げて”彼女達”を呼び寄せていただろう

アリス「良かったわ。私は貴女のことなんてどうでも良くて」

そうでなかったらスコップを振るうことはできないから
そうでなかったらきっと悲しんでいたと思うから
そうでなかったらもしかしたら戸、無意味な希望を抱くから

アリス「良かったわ。私は冷酷な人間で」

この事実を下手に隠したり悩んだりせずに、慈達に告げてしまえるから


1.スコップで首を叩き折って殺す
2.スコップを首に突き刺して殺す
3.窓から突き落として殺す

↓2
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 16:00:41.74 ID:N7eG92moo
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 16:02:33.31 ID:XZsSFjDDO
583 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 16:59:36.32 ID:S+JseP3H0

アリス「……」

足音をかき消してくれる雨の音に感謝しながらはいている靴を脱ぎ、ゆっくりと踵を上げて前傾姿勢に移行する
忍者ならこんな余計な動作も要らないのかもしれないけれど
私は忍者ではなくただの大学生だから
踏み込むための足の力を何度か確認して、一息

アリス「ッ!」

”彼女達”が道を開け、目標へのルートが開けた瞬間を見はからって――一気に蹴り出す
強い雨の音に紛れる柔らかい足音、靴下を湿らせる入りこんだ雨水の不快感に、肺を冒す”彼女達”の異臭
妨害ともいえない妨害を無視して突き進み、肉薄した”彼ら”のみが私の存在に気づいて目を向け、手を伸ばす
だが、遅い

アリス「――大丈夫」

彷徨う彼女の背中は引き裂かれたのか制服は破れさって、隙間から見える肉は赤く爛れて痛々しい
その苦しみに呻くしかない姿に声をかけてスコップの柄を右手で掴み、持ち手の部分を左手で掴む
後ろから”彼ら”の声が迫ってくるけれど、その一切を無視して彼女に差し迫って――

悠里「ぁ゛……」

足音が聞こえたのか、彼女は私へと振り向く
まだ綺麗な顔だった
苦しみに喘ぎ歪んだ表情ではあるけれど、まだ新鮮だった
若狭悠里そのものだった

生易しい子だったら、彼女と親しい人だったら
希望を抱き、幻覚を見てしまいそうな姿だった

アリス「悪いわね」

けれど、私は容赦なく喉にスコップを突き刺して押し倒し――土を掘り起こすように全体重をかけて押し込む
グジュリと肉が潰れて、血溜まりに濁った呻き声がゴボゴボと漏れ出して
ゴツリとぶつかった頚椎の骨は、運よくと言って良いのかは解らないけれど、その隙間を貫いて躱して
押し込む力への鈍い抵抗が薄れたのと同時に掬い上げると、ころりとスコップの先端に遺体の一部が乗っかって。

アリス「……私は貴女のこと嫌いだったのよ。本当はね」

近付いてくる”彼ら”の頭を横薙ぎに払い除けて、遅れて近付く一人の胸部を蹴飛ばす
どれもこれも致命傷にはならなかったけれど、退路は確保することができた
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 17:10:35.41 ID:CfzIg7Kp0
実質バッドだな
585 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 17:11:09.13 ID:S+JseP3H0

アリス「さて」

胡桃たちのばかげた希望を打ち砕くための道具を手に入れることは出来たけれど
身体の部分もしっかりと回収したいといわれたら困る
雨の日だから群がっているというのもあるけれど、そうでなくても群がってくるだろうし
遺体という荷物を抱えるのなんてごめんこうむりたい
かといって、流石の私にも身体まで持っていくほどの余裕は無い

アリス「……蹴散らす?」

出来る限り蹴散らし体を引きずって持っていくか
身体はやはり諦めて逃げ帰るか
目的はすでに達成したわけだし、常識的には後者であるべきなのだけど


1.撤退
2.身体も回収


↓1
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 17:12:14.68 ID:2WXu1D8r0
1
587 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 18:01:35.71 ID:S+JseP3H0
【撤退】


アリス「ミイラ取りがミイラ取りになるわけにも行かないわ」

彼女たちに文句は言われるだろうけれど
そのときは死にたければどうぞ、とお送り出してあげればいい
最善を尽くしたかといわれれば尽くしてはいないけれど
命をかける場面だとは思えないもの……仕方が無い

アリス「せめて一部だけでも持って帰――邪魔よ」

うめき声を上げながら接近する彼らの頭部を叩き飛ばして、一息
ガラス片が飛び散ってはいるけれど、その程度なら仕方が無いと割り切って強く床を蹴り飛ばし駆け出す
雨は止まない、うめき声も途絶えない
割れた窓から入り込む雫が頬に当たるのが煩わしくて拭う

アリス「……煩いわね」

文句を言っても仕方が無いとは思うけれど、”彼ら”に悪態をつきながら一直線にバリケードへと向かってよじ登り、
拾った道具を脇に抱えて飛び降り、接触と同時にぐるりと体を回して衝撃を殺してそのまま駆け、安全圏内のすぐ傍の部屋に駆け込む

アリス「少し……」

扉の隙間から様子を伺うと、バリケードに向かってくるいくつかの影はあったけれど
私を追ってきた様子は特になく、ため息
薄汚れて不快感しかない靴下に気づき、忘れ物を思い出しても後の祭りだ
バリケードを超えてすぐだから回収は楽だろうけれど、今はいい

アリス「……やっぱり、臭うわね」

見開かれた瞳を閉じ、血に塗れている悠里の顔を袖で拭い、髪に触れる
不衛生なのもあるけれど、誰かの血が固まったそれは指通りも悪く
触れば触るほど異臭が漂う
掘り砕き、断ち切った首からは未だに血が滲み出てきて私の服を汚す

アリス「改めて感じると……まぁ、我慢できなくなったのもわかるわ」

聞き手のいない、独り言
聞こえなくなることのない自然の合唱を耳に、ぴりっと痛む唇

アリス「この部屋もダメね……雨漏りする。さっさと戻りましょうか」

連れ帰るのではなく、持って帰る
その結果を彼女達はどう思うだろう、どう見るだろう、どう感じるだろう
かんじたことのない私には何も解らないけれど
あまり良くないことになるということだけは確実だと思った
588 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 18:22:30.30 ID:S+JseP3H0
【巡ヶ丘学園高校3階 安全圏 DAY9 昼の部】
【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】
【食料:150(園芸)・600(備蓄)】
http://i.imgur.com/FSDyFPo.png
    【雨が降り続いています】

――――――――――――――――――――――――――――――――


胡桃「は……え? な……ど、どういうことだよ……」

胡桃「なぁ、どういうことなんだよ!」

慈「胡桃ちゃ――」

胡桃「りーさんは……りーさんが……こんなッ!」

胡桃「ふざけないでくれよッ!」

近くにあった適当なものを床へとたたきつけた胡桃は
肩で息をしながら私を睨み、頭部のみの悠里を見つめて首を振る
認めたくない、認められない
こんなのは嘘だ、たちの悪い悪戯だ。と

由紀「りー……さん……」

アリス「事実よ。若狭悠里は"彼ら"になって私に殺されたのよ」

慈「アリスさん、そんな言い方――」

胡桃「!」

躱すことは容易だったけれど、あえて避けなかった
私に胸部を打った肘、突き抜けた勢いに倒れこんだ私に馬乗りになった胡桃は、
近くに散らばった小物の中からはさみを手にとって私へと向ける

由紀「胡桃ちゃん、ダメだよ!」

胡桃「うるさい!」

慈「胡桃ちゃん……」

胡桃「殺されたってなんだよ……殺したんだろっ!」

アリス「そうとも言うわ」

由紀「アリスさんもそんな言い方は」

アリス「事実を語っているだけよ。変に歪曲したところで無意味でしょう?」
589 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 18:37:29.92 ID:S+JseP3H0

薄く笑う私はきっと、3人には不気味に映るだろう
本当に”彼ら”になったから殺したのか?と疑問を抱かせただろう
それならそれで構わない
私は悠里を殺した……その事実に偽りは無いのだから
悩まず、考えず、希望も何も無くただ無心に首を刎ねた

――それは、嘘だ

慈「胡桃ちゃん、落ち着いて……お願い」

はさみを持つ胡桃を警戒してか、慈は少し引き気味ではあるけれど
落ち着くように求めて、「”彼ら”が来るから」と強い説得力を持つ言葉を紡ぎ、
降りあがったままの胡桃の手を優しく握る

胡桃「めぐねえ……りーさんが……」

慈「うん……」

胡桃「分かって……けど、殺し……でも……くそっ……」

慈「うん」

ゆっくりと膝を折った慈は胡桃の身体に手を回して抱き寄せて、小さく頷く
胡桃も本気で私を殺そうとしたわけではないのだろう
ただ、怒りをぶつける先が、やるせなさをぶつける先が
今ここには殺した私しか存在していないだけで。

慈「アリスさんも、あまり傷つける言い方はしないで」

アリス「殺したのは事実よ」

慈「それでも」

アリス「……分かったわ」
590 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 19:16:40.09 ID:S+JseP3H0

胡桃は少し一人にして欲しい。と
悠里の頭部を持って安全圏内の別の教室に篭って
由紀は胡桃の暴走のおかげもあって
数少ない生存者の中からもまた死人が出てしまったことによる絶望に浸りきることこそなかったけれど
やはり、そのショックは相当なもので抜け殻のように隅で膝を抱え
悠里がいた場所を見つめては、体を強く抱きしめて

慈「…………」

慈も大切な教え子が死んだせいか、疲れ切った表情で身動ぎ一つしない

アリス「……ダメね」

一つの綻びで崩壊しかけている
そういうこともあると想定できていたはずだし
覚悟だってしていたはずだ
なのに、ここまでボロボロになってしまうというのは先が思いやられてしまう

とはいえ、この状況を私がなんとか出来るのかと言われれば、そんなことはない
むしろ、誰かに何かをするのなんて、私がもっとも不得手とするところだから

アリス「……」

私だってこうなることが想像できていたくせに
いざこうなってからどうしようもないというなんて……馬鹿らしいわね

みっともない
まるで、こんな状況にはしないと現実逃避していたみたいね


1.胡桃
2.由紀
3.慈
4.屋上へ

↓1
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 19:18:30.93 ID:s0EXjSnBo
592 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/19(火) 19:32:34.98 ID:S+JseP3H0
そしたらここまで一週間以内には続き

悠里が死んでも続くがっこうぐらし
なおリスポーン地点は悠里を殺すところからという鬼畜仕様(嘘)
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 19:45:09.42 ID:HaVOXXHnO
乙乙
救いはないのか……
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 19:59:38.94 ID:s0EXjSnBo
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 20:48:50.92 ID:00CiYouio
救いはないんですか
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 20:49:23.85 ID:qaK02fWA0
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/19(火) 21:05:14.80 ID:EaeYgZV6O
つまらん
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 22:10:42.60 ID:Xs479I85o
599 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 12:26:53.11 ID:fwzKUh/q0
【由紀】


アリス「由紀」

由紀「……」

アリス「……」

由紀は少し離れたところから名前を呼んでも反応は無い
別に気にしなくてもいいと言われればそれまでだし
私自身、聞こえないのなら放っておいても良いかとも思うけれど

でも、私が悠里を殺したのが原因で由紀が精神崩壊を起こして
連鎖的に由紀自身が死んだりとか、由紀が何か良くないことをしたとか
責任を追求されても困る

もっと言えば、それが原因で導く側の慈まで崩壊されては困る

アリス「由紀……由紀!」

近寄って体を揺らし、二度の呼びかけ
それでようやく反応をした由紀は使い古した機械のような鈍い動作で私に目を向けると
ゆっくりと口を開いて「アリスさん」と呟く

力が無くか細い声
崩壊こそ免れたとはいえ、重症なのは変わらないのだろう

由紀「りーさん……時々おかしかった」

アリス「……」

由紀「見てたのに……聞いてたのに……」

アリス「迷ったのね」

途切れ途切れの懺悔
問いかけるように言葉をつなげると、由紀は涙を零しながら頷いて体を強く抱きしめる
胡桃は見回りに出ることがあったし、私や慈も少し目を話すことがあった
けれど、由紀は傍にこそいなかったけれど、悠里のことは見ていたし、声を聞くことはできていたんだろう
でも、何も出来なかった
そうすることが正しいのか、そうできるのか
迷って悩んで躊躇って
その結果……何も出来ないまま終わって

由紀「なんでこうなっちゃったのかな……なんで、なんで、アリスさん……やだ、やだっ、やだよぉっ!」

アリス「……」

由紀の悲痛な叫び声が教室に響いて
驚いた慈の目が私達へと向いて、でも、慈は悲しそうに眉を潜めて俯く
今出来ること、かけられるこ言葉が、慈にも見つからなかったのかもしれない
600 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 12:43:22.13 ID:fwzKUh/q0

頭を抱えて振る
現実だと直視しなければいけないと分かっていても
それを認めたくないという姿

嫌だ、嫌だ、こんなの嫌だ
りーさん、りーさん、りーさん……と
由紀は泣きながら、呟きながら、狂う

アリス「……」

こんな精神状態では最終的に、いや、途中経過の段階で死ぬだろう
何の役にも立たない抜け殻になるか
現実逃避した厄介な存在に成り果てて

――なら、どうする

自分の姿を見れば、手こそ洗い流したけれど
着替えの無い私の服は悠里の血で赤黒く汚れていて
とても、宥めるための抱擁できる状態ではないし
由紀に優しく振舞えるような姿でもない

アリス「そもそも、宥めようというのがおかしな話だけど」

邪魔になるなら”処分”してしまえばいいのに
そうできなくなりつつある自分がもどかしくて、唇を噛む


1.放っておく
2.慈に任せる
3.そうしていても、何も変わらないわよ
4.悠里が弱かっただけ。私が残酷だっただけ。殺されたくないなら強くなりなさい
5.君がそんなだからこうなったのよ


↓1
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 12:45:32.54 ID:wzwzZ+vDO
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 14:38:22.55 ID:4aG2/SxT0
りーさん……(´;ω;`)
603 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 15:15:28.04 ID:fwzKUh/q0

【悠里が弱かった】


アリス「はぁ……」

ため息をついて、自分の中身を整理する
悠里をそそのかしたのは自分であること
悠里が”彼ら”になってしまったこと
悠里を殺したのは自分であること
それらを考えてもまったく動揺しない自分の残酷さ、
冷徹さを改めて実感しながら由紀をまっすぐ見据える

比較するようなことではないのかもしれないけれど
悠里を殺すことに比べれば、
由紀に対して冷たい言葉を投げるくらい、造作もないことだ

アリス「悠里が弱かっただけよ」

由紀「!」

ビクリと震えて、由紀の動きが止まった

アリス「そして、私が残酷だっただけ」

もしかしたら助かる道があったかもしれない
けれど、私はそんな可能性を模索しようとはしなかった
容赦なく首にスコップを突き立てて抉り抜いた

アリス「殺されたくないなら、強くなりなさい」

由紀「りーさんは――」

アリス「弱かった」

由紀「っ」

アリス「君よりも。だから、君がここにいて悠里がいないのよ」

由紀の否定の言葉を叩き潰して
今にも泣き出しそうな顔で見上げてくるその弱弱しい姿を睨みつける
私は優しくない、私は甘くない
共同生活しているのだからと情けをかけてあげているだけ

死んだ遊里に気遣う理由はないし、私の生活を脅かすというのなら
生きている由紀であろうと胡桃であろうと容赦なく捨てる

アリス「でも私は君が同じ目に遭っても、殺すわよ」
604 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 15:57:25.52 ID:fwzKUh/q0

アリス「君は生きたい? 殺されたい?」

由紀「わ、たしは……」

アリス「それとも、私を殺したい?」

由紀と悠里の繋がりを私は知らないし興味が無い
だけれど、私に掴みかかってきた胡桃のように
私の行動に対して強い反発があって、それを行動に移すのを批判するつもりは無い

私が世間からずれているのは自覚しているし
私がそのように私の考えがあるように
由紀には由紀の考えがあるのだから

アリス「私は悠里以外の”彼ら”を傷つけたし殺した。胡桃もそう」

アリス「だから、悠里のみを特別扱いになんてしたりはしない」

アリス「悠里を殺したことが間違いだったとも思わない」

アリス「それを訂正も謝罪もする気は無い」

由紀「そんな言い方はッ!」

アリス「……胡桃に対しても、慈に対しても。私はそう言うスタンスでいるわ」

アリス「だから、それが嫌なら強くなることね」

由紀「アリスさん、本当に酷い人だったんですね」

いまさらなことを言う由紀に笑みを浮かべる
これで由紀が私の元をhなれるのだとしても
私を本当に殺そうとするのだとしても
私が私の意志でそうさせるのだから……構わない

――悠里のように、そうなると思わなかった。なんて後悔は好きじゃない

アリス「初めから、そう言っておいたはずよ」
605 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 16:11:34.86 ID:fwzKUh/q0
【巡ヶ丘学園高校3階 安全圏 DAY9 夕の部】
【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】
【食料:150(園芸)・600(備蓄)】
http://i.imgur.com/FSDyFPo.png
    【雨が降り続いています】

――――――――――――――――――――――――――――――――


気づけば時計の針は夕刻を差しているけれど
相変わらずの空模様は何もかもを覆い隠したまま、
不穏な空気、不快な気分だけを刻一刻と孕んでは産み落としていく

慈「……不器用ね」

アリス「?」

私に声をかけたのか、自分への呟きなのか
中途半端な声で呟いた慈に目を向けると
否定とも肯定とも取れる笑みを浮かべた慈は、首を横に振る

慈も今は……ショックが大きくて
けれど、自分よりも下の人間がいるという蓋をして、それを支えにして
平気なふりをしているのだろう
律儀なことだと思う、損な生き方だと思う

由紀は膝を抱えるのをやめて
物理準備室の掃除用具入れから箒を取ってそばにおいているけれど
そこから先が、まだ未熟だ
先端をへし折って尖らせたりしなければ
棒術を嗜んでいるか、腕力に自信が無い限りただの棒切れでしかない

胡桃は……胡桃はまだ戻って来ていない


1.慈:何か言った?
2.由紀:それの先端を外しなさい
3.胡桃
4.屋上へ


↓1
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 16:12:28.33 ID:a5sxtC2y0
3
607 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 16:39:25.19 ID:fwzKUh/q0
【3:胡桃】


判定↓1


【判定:1.5.8.9 ゾロ奇数:左記なら不在】
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 16:40:30.67 ID:XHxPjlplo
609 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 17:38:36.79 ID:fwzKUh/q0
【判定:成功】


アリス「……」

もしかしたら。という可能性もあったけれど
物理準備室から少し離れた締め切られた教室の扉を叩くと
意外にも素直に、胡桃は扉を開けた

まだ血の乾ききっていなかった悠里を抱いていたからか、
制服は私より軽度とはいえ、血だらけで
しかし、どこか不気味な笑みを浮かべた胡桃は「なんだ、アリスさんか」0と
興味なさげに呟いて中に戻っていく
大事そうに机の上に置かれた悠里の顔色はもう、血の気が失せた酷いものだった

胡桃「ああ、アリスさんが来たんだ」

アリス「……」

胡桃「暫く離れてたからじゃないか?」

そういいながら振り返った胡桃はそうだろ? と問う
何が起きているのかは一目瞭然だった
一人きりにしてしまったから……と言うわけではないと思う
誰かが欠けたとき、誰かがこのようになることなんて想像に易い

アリス「正直……由紀が先になると思ってたんだけど」

胡桃「何の話だ?」

アリス「……」

生首を証明として持ってきたのは愚作だったかもしれない
アレがあるから、下手に現実味を損なう
寝ているだけかもしれないだとか、まだそこにいるだとか
いっそ窓から突き落として破壊してしまうべきだった

もちろん、無ければ無いで信じられない。と面倒ごとになるのだろうけど。
こんなだから、他人と関わるのは面倒くさいし嫌だ


1.悠里は死んでるわよ
2.生首を捨てる
3.君が一人になりたいと言って戻ってこないからよ
4.そうね、2人が離れていたからよ


↓1
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 17:40:16.04 ID:wzwzZ+vDO
611 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 17:57:44.59 ID:fwzKUh/q0

【君が一人で】


あからさまな溜め息をついてから、胡桃を見据える
面倒くさいのは嫌いだ
特に、自分ではなく他人のことで面倒なのが本当に嫌い
相手を気遣うなんていうことが……私は物凄く不快だ

アリス「君が一人になりたいと言って戻ってこないからよ」

胡桃「あ、ああ……そういうことか」

アリス「……君の考えていることとは違うと思うけど」

納得して頷いた胡桃の表情は明るいままで
私が言いたいことと胡桃の解釈は絶対にずれているという確信があって否定したけれど
胡桃は気にせずに「悪かった」と苦笑する

胡桃「やっぱりーさんの言うとおりだったな」

アリス「だから――」

胡桃「りーさんも一人勝手に行かないでって心配して着てくれたんだよ」

アリス「……」

胡桃「あたしにはこのスコップがあるから平気だって言ったのにさ。まったく、困ったもんだよ」

胡桃は楽しそうに笑う
胡桃は嬉しそうに笑う
胡桃は自慢げに笑う
その視線の先には悠里の生首
けれど、胡桃の瞳に写っているのはきっと、「笑い事じゃないのよ」と少し怒っている悠里なのだろう
ごめん、ごめん。と軽い調子で謝罪を口にする


私にも謝れ
612 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 18:18:56.59 ID:fwzKUh/q0

やっぱり生首を窓から投げ捨てたりでもしない限り、
胡桃の中から悠里を殺すことはできそうにない
その場合、殺したのが”彼ら”になった悠里ではなく
普通の何の問題もない悠里になるのだけど

些細な問題では……ない
それは確実に私を殺そうとする流れだ
由紀はもう……きっと私を庇うつもりは無いだろうけれど
慈は私を庇おうとするだろう
そうなれば、内部分裂は確実なものになる
私一人なら別に同でもいいことなのだけど
慈はきっと、それを許せないと思う

胡桃「アリスさん?」

アリス「なに?」

胡桃「何って……りーさんが服が凄いことになってるって」

アリス「……あぁ」

私には聞こえない声が聞こえる胡桃は、生首に向かって「そう言うなって」と
苦笑いを浮かべて、自分の服の裾を引いて、
こっちもだな。と、困ったように呟く
悠里のせいで汚れた服は、現実のものとして残っているらしい

胡桃「洗濯かぁ……一応購買部から持って来てあるけど」

胡桃「でも、ほらこの天気だろ? 乾くまで下着だけにならないといけなくなるのにさ……」

恥ずかしそうに言った胡桃は、私のほうを見て

胡桃「アリスさんだって、それは困るだろ?」

アリス「……」

誰が洗うのか非常に興味深いところではあるけれど
私としては別に、肌を晒すことに抵抗は無い
ここにいるのは同性のみだし、異性がいたとしても別に興味はないから構わない
それよりも今困っているのは君の事なのだけど。


1.別に平気よ
2.洗濯はいらないわ
3.生首を投げ捨てる
4.生首を取る
5.放置する


↓1
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 18:27:58.73 ID:XHxPjlplo
614 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 19:30:37.13 ID:fwzKUh/q0

【別に平気よ】


アリス「私は別に構わないけれど」

胡桃「えっ!?」

アリス「なに?」

胡桃「え、あ、いや……恥ずかしいとか、ないのか……」

胡桃は私の体をじっと見ながら、恥ずかしそうに顔を染めて呟く
同性同士であっても、確かに恥ずかしがるクラスメイトはいたが、
私のように恥じらいの無い子もいたし、胡桃のクラスメイトにだってそう言う子はいたはずだ

だから、別に私がそちら側であってもそんな反応をする必要は無いと思うのだけど
胡桃としては、私のような体型だったり、あるいは年齢の女が肌を晒すことに抵抗がないというのは
おかしいことなのだろうか

しかし、海に行くような女はみな下着同然の格好をするのが普通だと考えているし
胡桃だってそのはず
であれば、恥じる必要なんて無いと思うのだけど

アリス「……」

悠里の件が無ければ、笑ったり冗談で済ませられるのだけど……

胡桃「な、なら……仕方が無いか。洗濯しよう」

アリス「ええ」

服を脱ぐ間、胡桃はチラチラと私を気にしていて
そんなに見たいなら見てもいいと声をかけたとたんに、その視線はどこかへと行く

本当……他人は面倒だ
壊れていても……面倒だ
615 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/20(水) 19:39:53.92 ID:fwzKUh/q0
そしたらいつも通り今日は終了
一週間以内

次回予告:やったぜサービス回だ
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 19:45:00.73 ID:RA7TBALP0
乙。きらら作品によくあるサービス回になるのか…
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 19:56:26.56 ID:HGbEnaRWO
サービス回だな(背景の生首から目をそらしつつ)
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 20:20:48.44 ID:en7qnFZYo

りーさんはこれからずっとサービス回じゃん(白目)
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 23:43:57.08 ID:8J2zCrqwO
乙なんでいつも7時半頃まで?
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 00:11:04.36 ID:Ug0QZXfzo

女子一人なんかずっと裸だし
サービスですね
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 10:47:02.68 ID:oBQllt74o
622 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/21(木) 13:53:02.79 ID:/sEnzfeD0

服を脱ぐと、篭っていたにおいが溢れ出ていく
自分のにおいで自分に影響が出ないように、自分自身に対して生物の嗅覚は鈍感である。という話を
スカンクだっただろうか、何かで聞いた覚えがあるけれど
馴染んでいた臭いが急激に変化すると嫌でも気づいてしまうのだと、今初めて知った

雨天による湿度の高さも合わさって、下手すれば嘔吐するんじゃないか。と
思う私の予想は正しかったようで……胡桃は鼻を抓んで首を振る
私の臭いも抱けれど、胡桃自身のものでもあるのだろう

アリス「……下着を脱ぎたくは無いわね」

羞恥心はまったく無いから、それのみであれば脱いで洗濯するのも吝かではないのだけれど
もっともにおいが強いであろう下着……特に下半身に関しては
むず痒ささえ空想してしまうほどだから、触りたくなかった

悠里が弱かったからと私は言ったけれど
もしもこれを常に自覚していたのだとしたら
負けてしまうのも仕方が無いと思うくらいに

アリス「体を拭いてはいるんだけど……酷い臭い」

胡桃「あはは、あたしもだ……いやいや、りーさんも似たようなもんだろっ」

アリス「……」

胡桃「仕方ないだろ、こんな状況なんだから」

胡桃の中では私と悠里と胡桃の3人で洗濯するために服を脱いでいる。という状況なのかもしれない
しかし、現実は私と胡桃と生首一つ
グロテスクなオブジェに向かって胡桃が笑みを浮かべながら話しかけているのは異常としかいえない
慈や由紀がこれを見たらなんと言うだろうか
もしかしたら、2人にも悠里が見えるかもしれない
623 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/21(木) 14:52:20.83 ID:/sEnzfeD0

胡桃「それにしても、アリスさんって凄いな」

アリス「?」

胡桃「いや、身長なんてあたし達と大差ないだろ? それなのにさ……なんていうか」

アリス「あぁ……」

胡桃の向けられてはどこかへ逃げていく視線の先が私の胸だと察して、声を漏らす
特に意識したことはないけれど、確かに周りから言われることはあった
学生、というより女の子なら殆どの子が憧れるのだろうけど
私としては邪魔でしかないと異論を述べたい

もちろん、持っているから邪魔であることを知っているだけで
持っていないものの悔しさ(あるのかはともかく)を私は知らないから
そう言う流れでもない限り、言う気は無いけど。

アリス「特別なことはしてないわよ」

胡桃「そう……なのか? いや、りーさんだって十分あるだろ」

胡桃「めぐねえだって多分、脱いだら普通にあるだろうし……由紀と同レベルか……」

それだけは嫌だと言いたげに胡桃は呟いて、
縋るような目を私へと向けて着たけれど、私は「何も」と首を振る
実際、何かしたわけじゃない
しいて言えば、何者にも縛られることなく自由奔放に生きてきただけ

だから
男子が言っていた胸には夢と希望が詰まっているというのも、あながち間違っていないのではないかとも思う
もちろん、彼らがそう言う意味で使ったのではないと分かってはいるけど。
周囲の抑圧に負けることなく生きてきた分、抱く夢と希望は膨らんで
それが結果的に胸を大きくしたのではないか。と……なんて、適当な考え方だけど。



1.悠里のでも揉めば大きくなるんじゃない?
2.揉んで貰えば大きくなるらしいわよ
3.触ってみる?
4.さっさと服を洗いましょう

↓1
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 14:55:37.27 ID:MLDCbXxPo
625 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/21(木) 16:40:49.95 ID:/sEnzfeD0

【触ってみる?】


アリス「触ってみる?」

胡桃「は、はぁ!? な、何言ってんだ!」

アリス「私は別に構わないけど」

胡桃「そ、そうだよ。な? りーさん!」

下から支えるように腕を置いて胸を寄せると、胡桃は顔を赤くしながら後退りして
悠里が何か言ったのか同意しながら声を上げて私を見る
何を言ったのか私には分からないけれど
推測するなら「構わなくても気にするべきです」という辺りだろうか

胡桃が異性であるなら、その言葉も必要になるかもしれないけれど
同性なのだから構わないのではないか、と思わないでもない
体育も、水泳も、健康診断、身体測定でも
肌を晒すことはあるのだから

アリス「まぁ、不潔な自分の肌を触らせるのは流石におかしいわね」

胡桃「いや、それでも綺麗だとは思うけど……」

アリス「お世辞は良いわ」

胡桃「ほ、本当だって! 色白だしなんていうか綺麗だって思うから」

アリス「……そう」

その感想は胡桃が壊れているからなのだろうか
それとも、壊れていなくても、元々抱いていた感想なのか
悠里は何も言わない。表情を変えることも無い

アリス「まぁ、君が良いなら良いけれど。触りたいなら言いなさい。貸してあげるわ。私の身体くらいなら」

胡桃「か、借りないよ!」

オブジェから目を背けた私に、胡桃は明るい声で拒絶した
626 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/21(木) 17:13:56.56 ID:/sEnzfeD0
【巡ヶ丘学園高校3階 安全圏 DAY9 夜の部】
【アリス:体力:61/61:精神:168/168 感染15% 状態:絶好調】
【食料:150(園芸)・600(備蓄)】
http://i.imgur.com/FSDyFPo.png
    【雨が降り続いています】

――――――――――――――――――――――――――――――――


慈「胡桃ちゃん……」

胡桃を教室においておくべきとも思ったけれど、
そろそろ戻るか。という胡桃の行動を阻む理由が見つからなくて。
その結果、生首を抱えて楽しげに話す胡桃
怯えたように距離を取る由紀、絶望に浸った慈と……酷い有様になってしまった

由紀「違う……違う……っ」

アリス「……」

頭を抱える由紀はもはや恐慌状態に陥っているのかもしれない
目に見える現実と胡桃の妄想の板ばさみにあって
目を見開いたまま、首を横に振って否定を口にする

強くなれといったは良いけれど、そこから一日も半日も経過していない現状で
恐慌状態におちた由紀を叱るのも流石に可哀想だろう
現実を受け入れていこうとした瞬間に、悠里の生首を持って楽しげに話す胡桃の姿を見たのだから
失禁していないだけ、まだましかもしれない

アリス「……」

このメンバーはもうだめかもしれない
慈を連れてどこか別の場所に逃げるか
それとも……病原体(胡桃)を排除して何とか維持に努めるか……

きっと、慈はそのどれも認めないでしょうね
私一人で出て行くのも……一つの選択肢だ



1.由紀
2.慈
3.胡桃
4.全員:明日、私ここを出るわ

↓1
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 17:15:59.90 ID:aKBrfJIQO
1
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 17:16:47.22 ID:z34aQapDO
629 : ◆JIAuvu1PvIJ6 [saga]:2017/09/21(木) 18:12:32.38 ID:/sEnzfeD0
【由紀】


由紀「ダメ……だよ……でも……っ」

由紀は近付いた私に気づかず、胡桃をその視界に収めながら
苦しそうに呻いて頭を抱える
由紀は胡桃が悠里が生きていると思い込んでいることがダメだと言いたいのだろうが
そうしたところで何も救われないと分かっているから、アレは違う、これはダメ、それは出来ない
八方塞の迷宮で苦しんでいるんだと思う

だから、自分の目に映る胡桃の姿を否定しようとする
それでは何も変わらないと気づいたら
今度は悠里が死んだという現実を否定して
胡桃と同じような状況になってしまうだろう

アリス「由紀」

由紀「りーさんは死んで……でも、胡桃ちゃんは……」

アリス「……」

呼びかけても反応はない
頬でも叩けば現実に戻ってくるだろうけれど……



1.叩く
2.もう少し大きな声をかける
3.大きな音を立てる
4.もう一度呼ぶ
5.待つ


↓1
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 18:17:45.15 ID:/sEnzfeD0
1
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