海未「幽明境が一になる」

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58 : ◆wOrB4QIvCI [sage]:2017/11/20(月) 15:51:11.61 ID:qVjd7KIq0
穂乃果「なに、これ……」

にこ「……川が、赤い」

海未「ご、く……」

 この世の雨は止んでいました。

 しかし。

海未「……っ、雨もっ!!」


 傷口からの鮮血がぽたりぽたりと落ちて来ているかのような、あの世の雨。


希「なにこれ……これが――祟り?」


海未「……おそらく」

海未「世紀末のようです……」ゴク…

真姫「あ、っぐ……ぅぅ」

海未「真姫!?」

 血が降り注いでいるような異様な光景の中、後方から真姫のうめき声。視線を返すと、アザがある方の腕を抑えて、膝から崩れ落ちていました。

希「真姫ちゃん!?」


真姫「――あ、つい……っぐ、ぁあ゛あ゛っっっ!!!!」


 泥濘む地面など気にせずに、のたうちまわる真姫。目は血走るほど見開き、口の端が切れてしまいそうなほど大きく開きながら、絶叫しています。


海未「真姫っ、真姫!!」


穂乃果「熱いのっ!? 真姫ちゃんっ」


 熱い、熱い……?

 そうか、これが……大火の祟り……。ここは怨念の集結する場所、影響が、大きいのかも。


希「――ひっ、じめんからて、手がっ!!」


海未「え……」


穂乃果「あっ……ひっ」


 希が、穂乃果が、にこが、花陽が……真姫以外の全員が言葉を失いました。

 この世のものとは思えない、光景が今まさに、目の前で起きていました。

 地面から焼け焦げたような赤黒い手がいくつも出現。ゆらゆらとどこかへ連れていこうとしているのか迷いなく、真姫に手を伸ばし、ぐにゅりと全身を掴んでいます。


 何も動けない。


 真姫はさらなる絶叫を響かせると、少しずつ少しずつ……地面へと堕ちていっているようでした。

 堕ちる。
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