【モバマスSS】ゆうきを持って、きらりと輝く

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13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 13:54:37.82 ID:/flBMCcaO
おっつおっつ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 15:14:16.61 ID:5pH9wHSz0
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送信者:まゆちゃん

件名:Re:Re:Re:お願いがあります

本文:プロデューサーさんなら今週の木曜日の夕方なら空いてるそうです。

受付でアイドル部門、〇〇部署のプロデューサーさんとお話の予定があると言えば、場所の案内があると思いますよ。

お話、上手くいくと良いですね。
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メールにもあった通り、木曜日は直ぐに来てしまった。

事務所、と言うには豪勢なお城のような建物を前に、私は思わず息を呑んだ。もう一度、まゆちゃんから送られてきた事務所の住所と写真を確認し、違いがないことを知らしめられる。入る以外の選択肢は無い。だが、答えが決まっているからこそ、悩むものがあるのだ。悩むって、何に。私は入り口の端っこで、ため息をついた。心が弾んでいたあの深夜の心持ちが嘘のようだ。

ジュニアモデルをしていた経験もあるため、容姿には空箱同様のではあるが、自身がある。体力やスタイルは陸上部で衰えてないはずだ。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 15:15:59.82 ID:5pH9wHSz0
「あの……どうかしましたか?」

流石に門の前で逡巡しつつ歩いていたのを不審がられたのか、後ろから低い男の声がした。

「あ、いえ……ここに用事が……」

振り向いた私はまたもや息を呑んだ。目の前には自分よりふた回りは大きいスーツの男。目つきは鋭く、ドラマや映画で出てくる極の道の住人のようにしか見えなかったのである。

できることなら、私は逃げ出したかった。足には自信がある。いくらガタイが大きいからと言っても、人通りの多い道までは近いので、追いつかれても助けは呼べる。逃げる手段も構想も頭の中では完璧だ。しかし、今まで味わって来た苦痛や怖さとは異質な恐怖。まだ空には太陽があるというのに、闇のような冷たさが、体を動かすことを拒んでしまい、動くことを許さなかった。 狼狽える私の姿を横目に、男はポケットから携帯を取り出し、誰かに電話をかけ始めた。

「もしもし、武内です。あの、〇〇さん。恐らくですが、お話ししていた彼女がいらしたようです」

彼の口から放たれたのは、まゆちゃんのメールで言ってたプロデューサーさんの名前だった。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 15:16:48.65 ID:5pH9wHSz0
と言うことは、この人も事務所の社員なのだろうか。そう思うと、不審がった自分がとても恥ずかしく思えてならない。だが、同時にこの事務所を信じていいのかと言う不信感が募る訳で。有名な事務所だけあって信頼はしているが、正直な話、不安だ。そう、不安。心の中でもう一度その言葉を唱えた。そうすることで、私は先程悩まされていた正体の尾を掴んだ気がして、少しだけ安堵に浸れたのである

「……はい、わかりました。そちらに向かいます。……はい、ではまた後で。」

武内さんは電話を切ると、こちらに顔を向けた。

「あの、〇〇さんがお待ちしているので、宜しければ、一緒に向かいましょうか」

武内さんは静かにそう言った。きっと、多分、この人は悪い人ではないのだろう。少なくとも、極の道の人ではない。私は「よ、よろしくおねがいしますっ」と硬くなった声を上げると、彼は

「わかりました。付いて来てください」

とだけ言い、事務所の方へ歩き出した。彼に付いていくことに夢中にで、いつの間にか門を潜っていた。やっと一歩を踏み出せた気がする。そう思った時には、既に私の前にまゆちゃんと彼女のプロデューサーが居たのであった。
17 :1 :2018/01/02(火) 15:18:05.05 ID:5pH9wHSz0
期間を考えて、急ピッチで進めているので、説明口調を多用していますが、どうかお許し下さい
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 15:21:55.22 ID:5pH9wHSz0
>>12

ありがとうございます。多少改善してみましたが、大丈夫でしょうか……
既に使い慣れてなさ露呈してますが、なんとか走り切ろうと思います
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 15:24:39.97 ID:Ts7Tuxsio
>>18
おっつし。やや長くは感じたけど個人の好みの範囲に収まってると思うよ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 17:11:38.86 ID:/flBMCcaO
>>17
須賀敦子先生のエッセイ読むとこういう文体の参考になるよ
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 17:52:28.16 ID:5pH9wHSz0
>>19

ありがとうございます!
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 17:53:34.03 ID:5pH9wHSz0
>>20

ありがとうございます!やはり上げて良かったです。
是非参考にさせて頂きます
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 17:54:53.84 ID:5pH9wHSz0
まだ続きます。お付き合いしていただけたら光栄です




「君がまゆの言ってた、乙倉悠貴ちゃんだよね?」

「はい。お、乙倉悠貴、13歳の中1ですっ!」

先程のような威圧感がまゆちゃんのプロデューサーさんからは感じられない。だが、それでも緊張感は抜けることがなく、どうしても声が上擦ったように聞こえてしまう。

「まゆから聞いたけど、乙倉ちゃんはジュニアアイドルやってるんだよね」

「えっとっ、モデル経験は少ししだけっ…あっ、でもそれはただ背が高いからでっ。」

「アイドルとしてデビューしてからも、モデルの仕事もやりたいならうちの部署に迎えるけど…」

思ったよりも話の進行は早かった。難しい話は極力避けているのだろう。だが、初対面と言うこともあってか、プロデューサーさんの口調からは、暗い部屋を手探りで進むような慎重さも感じられた。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 17:55:41.41 ID:5pH9wHSz0
「えっと……その、あの、じゃあおねがいします」

テーブルを挟んで会話をしているこの間合いが、より私と彼を離して見せた。

「わかった。じゃあ移籍の手続きとかもあるかもしれないから、帰ったらこの資料、親御さんに渡してね」

大人らしい話をするプロデューサーさんと違い、私の口から出てくる言葉は我ながら辿々しかった。

これでいいのだろうか。ポツリと誰かが呟いた。1度だって、1人で立ち向かうことがなかった自分がそう言って来た気がしたのだ。この事務所に来るまでだって、プロデューサーさんの所に行くのだって、1人でできやしなかった。逃避するように陸上部に入り、逃げ逃れては闇夜に紛れようとラジオを聴き漁り、抗っても、立ち向かったことがあっただろうか。「デカブツ」「男女」と揶揄され、言い返せたことがあるだろうか。

「プっ、プロデューサーさん!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 17:57:16.61 ID:5pH9wHSz0
プロデューサーの瞳の真ん中に、今一度私が映り込む。震える声を、身体を、両手で拳を握ることで抑え込んだ。
言わなくては。思いを。憧れで終わらせるのではない。憧れに近づくんだ。近づける好機は、今しかない。一歩でいいから。

「あの、こんな私でもっ、可愛いアイドルになれますかっ?憧れなんですっ」

何も言おうとしない自分のことを、心のどこかで、私は優しすぎるのではないかと思うことがあった。しかし、それが間違いであることに気付いたのは、私の思いを吐露してからだった。

「……なれるさ。君なら」

プロデューサーさんは微笑みながらそう言ってくれた。この世で初めて、と言うには誇張が過ぎるかもしれないが、たった一言でこの人を信じたいと思ったのは確かだった。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 17:57:47.40 ID:5pH9wHSz0
「ありがとうございますっ!わたし、頑張りますっ!」

「ああ、よろしく」

差し出された右手を私は両手で握った。私は、あの夜に見た一筋の光の中に今いるのだと実感した。彼の掌が、そう言ってくれた気がした。

「ところで、憧れって言ってたけど、誰のこと?うちの事務所のアイドルか?」

「はいっ。そうです」

そう言うと、彼は考える素振りを見せた。

「んーっと、モデル経験あるし、楓さんとかか?」

「いえ、違いますっ」

私は1度息を吸った。この名前を挙げることに、勇気や覚悟はなかったが、改めて憧れと言うにはどこか羞恥に見舞われるのである。だが、尻込む意思はそこになかった。

「諸星きらりちゃんですっ。シンデレラプロジェクトの、凸レーションのっ!」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/02(火) 18:00:46.22 ID:5pH9wHSz0
一応これで終わりますが、まだきらりとの絡みはここで書きますので、よろしくおねがいします。

少しでも乙倉ちゃんと、ゆうきらりが増えんこと祈ります
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 18:06:42.04 ID:z1q6SWZxo
おつ……?
R要素はいるのこれ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/02(火) 20:29:01.89 ID:/flBMCcaO
>>22
「ユルスナールの靴」って本は女学生時代のエピソード満載でいいぞ
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 00:02:55.19 ID:q/DfhZPqo
須賀敦子の文体いいよな
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 01:43:30.65 ID:Uz0qiX02o
>>30
わかる
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