モノクマ「深夜枠に移動になっちゃった」白銀「えっ?」【安価コンマスレ】

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301 : ◆l29qlKqfi. [saga]:2018/04/01(日) 23:54:42.45 ID:KzXYKNf80
安価>>299 220、病み

>>248からの続きです。

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百田「………ぁ?」


百田解斗は目覚めてすぐに違和感を覚えた。ピンク色の天井がくっきりと見えていて、先程まで王馬達と話していたことを明確に覚えている。寝起きだというのに意識が鮮明過ぎるのだ。そして、左腕が何かに包まれている。隣を見た。黒い髪をした制服姿の女が百田の腕を抱き締めしめたまま眠っていた。


春川「……も……たっ」

女は春川魔姫だった。幸いにも互いに服は着ている。どういう夢を見ているのか、凄まじく幸せそうな寝顔であった。何時もの不機嫌そうな顔が嘘のように締りの無い笑みを浮かべ、抱き寄せた百田の腕に頬擦りしている。相変わらず良い肌触りだった。思わず百田の口元も綻び、頭を撫でようと手を伸ばす。が、空中でピタリと止まり、少しの間を挟んだ後に肩の方へと軌道を変えた。もう、そういう事をして良い立場ではなくなったのだと彼は思い込んでいた。

百田「ハルマキ!起きろ、ハルマキ!」

この距離で、しかも二人っきり。嫌われている今なら殴られかねない状況だ。そう思いながらも百田は華奢な身体を揺さぶり続ける。

春川「ん……」

だが、全然起きない。結構な勢いで揺さぶっているが、眠りは深いようで眉を顰めるくらいしか効果が無い。寧ろ、腕への抱き着きが強くなってきた。挙句の果てには百田の指をしゃぶり始めた。ぬめりとした感触。唾液で照り輝く桜唇に雄としての視線が持って行かれる。


百田「起きろっつってんだろハルマキッ!」


春川「…………百田?」

思わず大声を出せば漸く瞼が上がった。焦点の合わない眠たそうな目で百田の顔をじっと見つめ、やがて何かに気付いたように目を見開いた。そのまま体を起こし、慌てた様子で辺りを見回し始める。何かあるいは誰かを探しているのだろう。だが、この部屋は先ほどまで居た部屋と同じだ。いや、造りは全部一緒だろうから別室に攫われたのかもしれない。置いてあるものはさして変わってないし、百田の他には誰も居ない。その確認作業が終わったら今度は自分が服を着ているのか気になるのか、ぺたぺたと胸元やスカートを触り出す。何時の間にか百田の腕は解放されていた。指先に軽く唾液が付いているそれを気付かれないようにシーツで拭き、さり気なく身を離す。

春川「百田っ!」

百田「っ!?」

だが、離れるよりも先に抱き着かれた。飛び掛かってきたと言っていい。熱烈なハグの勢いに負けてそのままベッドに押し倒される。

春川「百田っ百田っ百田っ百田っ!」

それでも春川は叫び続けた。待ち望んだ何かを漸く手に入れたように、探し求めていた何かを遂に見つけたかのように、只管に想い人の名を連呼し続け、必死に百田にしがみ付いてくる。平たい乳房とてこうまで密着すればその盛り上がりを感じてしまう。ドクンドクンと脈打つ鼓動が百田の身体に伝わってくる。だが、流石に異常である。ひとしきり叫んだかと思えば今度は抱き着いたまま離れない。身体が微妙に震えているのは泣いているからか。真宮寺との時でさえ此処までは無かった筈だ。

春川「…………………っ」

百田「………ハルマキ?」

百田が声を掛けるが、抱き着いたまま何も喋らない。先程までの態度と余りにも違い過ぎる。もしかしたら自分は春川よりも遥かに気を失っていたのではないか。自分が知らない間に、春川にナニカが有ったとしか思えない。つい茶柱の姿が百田の脳裏に浮かび上がんだ。

春川「……………ごめん。久しぶりに、あえ……久しぶりに二人っきりになれたから嬉しかっただけ」

漸く落ち着いたのだろうか。春川が身を離す。微笑んではいるものの薄っすらと涙の跡が見え、ちくりと百田の胸が痛んだ。――――――違和感。心の何処かで警報が鳴り響く。判らないが、何かが違う。

百田「ハルマ……」

春川「………ねえ、許してほしい?」

思わず問いかけようとする百田の視界を春川の顔が占領した。仰け反ってもその分詰められて距離が変わらない。白い頬は桜色に色付き、口元は薄っすらと笑みを浮かべている。何時かのベッドで知った女の貌によく似ている。そう、彼女は欲情していた。

百田「何を言ってん…」


春川「今謝れば茶柱との浮気、水に流してあげる。どうせ、あっちから誘って来たんだろうし、もうアイツはアンタの事毛嫌いしてるでしょ」


百田の目が見開かれた。男にとっては余りにも都合の良い台詞だ。だが、台詞の隅々には茶柱への悪意があった。慈母の微笑みの裏に何があるのか、春川は百田の頬をゆっくりと撫で上げる。人形のように小さな手。だが、その気になれば、この嫋やかな指で目を突いてくる事は知っている。

百田「転子は……」

春川「大体なんで未だに名前呼びしてるの?嫌がられてるのは判ってるんでしょ。前みたいに名字で呼びなよ」

ずきりと胸が痛んだ。春川の言う通り、茶柱を名字で読んだら凄まじく悲しそうな顔をされてしまった事を思い出す。春川も同じだ。幾ら百田が鈍いとはいえ、流石にそこまでされれば気付いてしまう。知らない振りをしてきただけだ。何も終わってはいない。だが、今はそれ所ではないのだ。違和感はどんどん膨れ上がっていく。何時の間にか春川がもう片方の手を後ろ手に隠している理由も察しが付いた。何かを握っているのだ。返答を間違えれば自分を終わらせることが出来る何かを。


春川「……私だけを愛してよ、百田」


なにせ、微笑んでいるというのに目だけは笑わっていない。濁り切った瞳で男を射抜いている理由も判っている。そして、何処かから視線を感じた。だから、百田はこう言った。


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百田の台詞及び行動を↓1〜3で募集。百田におけるエンディング分岐点。基本的にコンマが高ければ良い結果になります。ぞろ目が出たら……。
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