アライさんのような害獣が生きたいと思うこと自体罪なのだ5

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237 : ◆8qmuaCjNUw [saga]:2018/02/19(月) 23:44:37.47 ID:NGduAMEi0
意外に聞き分けが良いアライさん達。
そもそもアライさんが『聞き分けが悪いけもの』というイメージ自体はあくまで、
人間の脳内のみにあるものではあるが…。

里山アライちゃん「のりゃ…のりゃ…。あ…ありがとうなのりゃ!がんばるのりゃ!!」ウルウルコスリコスリ

優しい声を初めて掛けてもらい、アライちゃんも涙ぐみながら、素直にお礼を言う。


恩寵アライさん「…」ホッ!


アライさんは、確かに人間から見れば強情なけもの。
『自由・平等・博愛(友愛)』を旨とした近現代の人類道徳とは、
時に(かなり)価値観が異なる生き方をしている。

ただ、それはアライさんが必ずしも理解不可能・予測不能なエイリアンである―ということでもない。

アライさんは『山野に伏すけもの』として、彼女等なりに『利』と『理』を重視して生きている。

アライさんにとっての『利』とは―即ち『実利』。
より多くの食べ物、安全な巣、豊かな縄張り(ないし行動圏)、逞しい番等を必要な時に、必要な分、
手に入れること。
そして、『チビ』を孕み、育て、巣立たせること。
究極的には自分自身が属する血縁を後代に、永続的に生き残らせ続けるために。

アライさんにとっての『理』とは、そう云った『実利』を達成する為の筋道・条理・道理。
それを重視する傾向が―本能的にしろ、後天的にしろ、その両方にしろ―無ければ、
とても自然環境下で生きて等いけない。

アライさん自身は、要はアライさん自身で在ってそれ以上でも以下でもない。
『アライさんはアライさんなのだ』
それを『害獣』なり『益獣』なり―利己的なり、利他的なり、評価するのは常に人間側―
アライさんの外の者達なのだ。

238 : ◆8qmuaCjNUw [saga]:2018/02/19(月) 23:50:01.72 ID:NGduAMEi0
因みに『また産んでやるのだ』のセリフで名高いアライさん。
ただそのイメージも要は人間の頭の中の物。
実際のアライグマは、人間によって巣から子供を取り出されても、母親は数日間子供を捜して周辺を動き回り、
子供を見つけた場合には、くわえて別な場所に移動させる等する。
子供だけが罠に入った場合に、罠の外から母親が哺乳した例も報告されている。
巣外では母子は一緒に行動し、川を渡る際、遅れた子供を母親が待ったり、迎えにゆくことも目撃されている。

野生動物の行動を過度に擬人化することは危険だが―普通はこういう行動を『母子の情が厚い』とか、
野生動物における『利他的行動が観察される』というのだろう。

その性質を受け継いだアライさんも血縁には強くこだわり、
母子姉妹一家の結束は強固だ―少なくとも巣立つまでは。

時にアライグマでネグレクトが観察されること(これは他の動物種でも往々にして発生する現象である)、
子供が流産や死産した場合に第二の発情期があることが余りにも恣意的に解釈され過ぎている―きらいが―若干あるように感じる。


まあ、アライさん達にとっては、そうやって人間が『アライさんはバカでマヌケだ』、
『情が薄く直ぐに子供を見捨てる』と舐め切ってくれていた方が、かえって与しやすくはあるのだろう。
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