あなたが目を覚ますと、見知らぬ天井が広がっていた。

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49 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/12(月) 07:43:27.87 ID:RJGmac4D0
>>47
 中空を飛ぶリィンに振り向き、女神像について尋ねる。
 全長30cm程度の彼女にとって、4m半ばはあるこの像は最早巨人にも等しい。
「すごいだろう、これ」
 そういって彼女が近づいたのは像ではない。そこに掲げられた石であった。
 炎を模った、緋色のそれ。部屋で唯一の光源であるそれは、本物の太陽のように燦然と輝いている。熱も発しているのか、部屋全体は仄かに暖かい。
 石に近づいているリィンはさぞかし暑いのだろうが、彼女はまるでそれを気にすることはなく、陶然とした瞳を石に向けている。
「ボクがここに来た時からずっと……もう本当に何年も、こうやって光を出し続けてるんだ。何の補給も無しにさ」
「本当にすごい……膨大な力の塊だよ」
「これを手にすることができれば、どんな奇跡を起こすことだって思いのままさ」
「それこそ、神様にだって……」
 まるで恋をしているかのように頬を紅潮させて、リィンは輝石を見つめ続けている。
 像について聞いているはずだが、彼女の口からは石の話題しか出てこない。

 あなたはリィンに語りかけるのを止めると、向かいの扉へと足を向ける。
 その扉は形状も装飾も、あなたが先程潜った扉と同じように見える。
 石の扉に描かれているのは、背を向けた祈りを捧げる少女と、その下で傅く異形の怪物達。
 そしてその下で異形の怪物達に鞭を以て仕事をさせている、無数の人間が描かれている。
 あなたが扉に軽く手を触れると、扉に描かれた画が緑色に光りだし、扉がひとりでに開いていく。
 重厚な音を立てて開かれる扉の奥には、長く続く石煉瓦の通路が見えた。
 通路の奥は暗闇に閉ざされており、先へ進んでみなければ、何があるかは判らない。

「もう先に進むのかな?」
 あなたが扉を開くと、背中越しに声がかけられる。
 振り向けばいつの間にかリィンが女神像の肩に座り、あなたを見下ろしていた。
 女神像も大層装飾が為され価値があるもののように見えるが、彼女がそれに価値を見出している様子はない。
「悪いけど、その奥まではボクもついていってあげるわけにはいかないのさ」
「もし進むなら、ここでお別れだね」
 足をぶらぶらと揺らしながら、リィンはそう言ってあなたに笑いかけた。
 ここで進むのも、一度留まるのもあなたの自由だ。
 あなたが思う選択をすると良いだろう。
50 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/12(月) 08:39:33.38 ID:RJGmac4D0
>>48
 あなたは扉を開いたまま振り向くと、再び部屋の中の探索を始める。
 あなたが扉から離れると再びひとりでに扉は閉まり、画の輝きも元に収まる。

 女神像に近づいていくと、今度はあなたは正面から女神像を見ることになる。
 象牙色の像は頭上の石の光を浴びて、橙色に染まっている。表面はよく磨かれており、触れてみれば取っ掛かりのひとつもない。
 それは女性を模っている。背中には四対計八枚の翼が生え、身体には薄いキトンが一枚だけ羽織られその身体を隠している。
 その顔には慈愛の笑みが浮かんでおり、どことなく母性を感じさせる。
 右肩にはリィンが座り、ぶらぶらと両足を動かしながら、興味深げにあなたを観察している。

 続いてあなたは、像を取り囲む台座に足を向ける。
 それぞれの台座で共通して、それらは三角錐の形状をしている。素材は簡素な石で出来ているが、表面は綺麗に磨かれている。
 剣の天辺には横一文字に何かを嵌めるための穴がある。うち一つは剣が収められ、残りの二つには何も収まってはいない。
 台座にはそれぞれ、腹に見られない文字が刻まれていた。像の右後ろ、像の左後ろ、像の正面の台座ごとに、次のようなものが刻まれている。
ttps://pbs.twimg.com/media/DYC02QlUMAEBNjz.jpg

 剣の正面の台座までいくと、収められた剣を観察する。
 それは100cm程度の長さがある、両刃の直剣だ。腹を女神像に向けて、静かに収まっている。
 その剣の柄も刃も、薄い緑色の石が用いられている。握りや柄頭には大した装飾が為されておらず、鍔は翼を模って掘られている。
 あなたが近づくと、剣は全体に緑色の光を放ち始める。あなたが近づいてきたことを喜ぶように、或いはあなたに握られることを望むように。
「シャルナスというんだ」
 女神像の肩に乗ったまま、リィンが口元に笑みを浮かべて言う。
「"秘翠のシャルナス"。その剣の名前だよ」
「普段はボクが近づいても全然光ってくれないんだけどね。どうやら彼女は、あなたがとても気に入ったみたい」
 リィンがそう言うと、剣はまるで名前を呼ばれて返事をするかのように、その光を強める。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 19:50:36.62 ID:yNEmd2VR0
この剣を持って行っていいか聞く
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 19:54:13.16 ID:yNEmd2VR0
どうして剣の名前を知っているのか聞く
一緒にこの先へ行かないか誘う
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 20:38:57.18 ID:+xtQnYRco
空の台座の穴を詳しく調べる
54 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 04:14:10.49 ID:vVYgXq6C0
>>51
 あなたは剣を台座に収めたまま、リィンにそれを持ち出せないかを聞いてみる。
 剣はまるであなたに握られることを待ち望んでいるかのように、淡い緑色の輝きを放ち続けている。
「それを持っていきたい? ……ふふ、構わないよ」
「あなたにそれが必要なら、ボクはそれを貸してあげる。その方がきっと、彼女自身も喜ぶだろうからね」
 そこに剣への執着や、それを貸し出すことへの躊躇いは全く感じられない。どうやら彼女にとっては、この剣すらも対して価値のあるものではないようだ。
 あの輝石に向けていた陶酔の眼差しも、今はいつもの好奇心が強くどこか底の見えない笑みに変わっている。

>>52
「その子の名前?」
 あなたに問われると、リィンは頤に人差し指を当てて何かを思案する。
 どう答えれば良いのかを、悩んでいるような素振りに見える。
「……書いてあるでしょ? そこに」
 やや間を置いて彼女が指差したのは、淡く輝く剣ではなく、それを収めている台座だ。
 三角錐のそれはそれぞれ外壁面の腹に、小さな文字が刻まれている。
 リィンは先ず像の右後ろに人差し指を向けると、その名前を口にする。
「"抗蒼のアスティオン"」
 続いて向けられるのは、像の左後ろに存在する台座。
「"閃紅のボルガニッカ"」
 最後に女神像の正面、即ち今あなたが居る場所の目の前。
 緑色に光り輝く剣に指を向けて。
「"秘翠のシャルナス"」
「そこに書かれている文字で、ボクはその子の名前を知ったのさ」
55 : ◆ALICE6.PAk [saga]:2018/03/13(火) 04:40:50.14 ID:vVYgXq6C0
>>52
 リィンにこの先の同行を願い出る。
 あなたの誘いを受けて、彼女はまるで当然のように首を横に降る。そこには断固とした拒絶が感じられた。
「お誘いは嬉しいけどね」
「ボクにとっては、コレを見続けていることだけが唯一の楽しみなんだよ」
 輝石の輝きを背に受けて、彼女の顔が影に隠れている。
 そこにある表情は果たしてどういったものか。強い光に遮られ、それを見ることは叶わない。
 しかし言葉には、輝石への信仰と執着が隠されることもなく顕になっている。
 彼女の価値観では、この周辺から離れることなど想像もできない行為なのかもしれない。
 像に掲げられ周囲を照らすそれは、しかし信仰するほどの美しさがあるようには見えない。
「それに大丈夫さ」
 リィンは像の肩から飛び降りると、輝く鱗粉を中空に残しながら飛翔する。
 流線的な軌道を描いた後に、彼女はあなたの目の前までやってくる。
「ボクはここから離れることは無いからね」
「もしもボクに会いたくなったら、またここに戻ってくると良い」
「ボクはいつまでもここで待っているよ」
 そう言って、彼女はにっこりと笑った。

>>53
 あなたは女神像の後ろ左右にある、空の台座に近づいていく。
 それは刻まれている文字以外は、剣が刺さっていた台座と全く同一のものだ。
 その頂点には、横一文字に何かを指す穴が存在している。
 それらはふたつとも、何か細く、長いものを刺すための台座だ。長剣などがあれば、丁度いいように見える。
 そして、それらの穴に、今の所特殊な何かは感じられない。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 10:25:36.15 ID:YifyfvywO
5作目じゃないかな
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 18:44:01.09 ID:20zlyVB30
手に持っているものを全部荷物入れに入れて剣を持ち上げる
雑談
お前ら見てないで行動しろや
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 01:32:21.48 ID:FnuaqeQw0
リィンの体を詳しく見る
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