俺「アライさんパーク?」

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85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 23:35:30.11 ID:BK6Nrb+u0
ポップンミュージックみたいな大きいボタンを叩くタイプの音ゲーとか?
当然ボタンは筐体から頭だけ出したアライちゃんで
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/10(火) 01:26:44.76 ID:wXCgTZoC0
>>85
叩くたびに「やさしくなでるのりゃー」って言われたらグーで叩きたくなるな
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/10(火) 04:29:52.02 ID:kLWKhBM50
シューティングゲームとか面白そうだけど実弾で遊ぶのは法的に難しいだろうなぁ

エアガンで一定数ヒットしたアライさんは爆発する仕組みにするとか
あるいは毒液のペイント弾で当てて遊ぶ感じとかどうかな

壊しやすい障害物を用意して、隠れたアライちゃんを探したりするのも楽しそうだ
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/10(火) 10:29:23.31 ID:Djs3YoPA0
古いゲーセンによくあるパンチ力を測定する奴のハンマーバージョンはどうだろう?

ハンマーで地面を叩いたら、鉄の塊?の代わりにギロチンの刃のようなものが飛び上がる
そして10センチ単位でアライちゃん達が固定されていて、瓦割りよろしくぶった切られる
てっぺんには妊婦アライさんが括りつけられていて、股から切り裂かられて胎児のアライちゃんと血肉や臓物をぶちまける
クリアしたらファンファーレが鳴って終了
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/10(火) 21:25:07.36 ID:rSLi6BNq0
ちゃんならともかくさんやしゃんをすぐに殴り殺せるのは凄いな
90 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:17:11.78 ID:ia9CRf190
>>89
グローブの先に硬いものを仕込んでおけば、大丈夫じゃないですかね?
91 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:21:03.28 ID:ia9CRf190
皆さん、様々な意見を出していただき、ありがとうございます。

出していただいた案の中には、他のエリアで使おうと思っていたネタがありました。
また、自分の想像の中で、機材コストなどを考えて、書き起こせそうなものがあれば、自分の案の後に書かせていただきます。

あと、パーク内の説明を一通りする予定なので、
「この内容、半日で回りきるのは無理だろ」
という突っ込みはご遠慮ください。

それ以外で、設定上、疑問に思うことがあれば、意見をください。
92 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:50:47.84 ID:ia9CRf190
<アライキャッチャー>

歩いていると、UFOキャッチャーが見えてきた。

俺『中身、大丈夫なのか?』

俺は友人に思わず尋ねた。

友人『大丈夫なんだけど、これ、ハードル高めだぞ。』

俺『どういう意味で?』

友人『色んな意味で。』

とりあえず、俺はUFOキャッチャーの中身を再度確認した。

中にいたのは、アライちゃんだった。
別のUFOキャッチャーには、アライしゃんがいるものまである。

俺『なぁ、アライちゃんたちが景品って大丈夫なのか?』

友人『あれ、景品ってわけじゃないぞ?』

俺『どこに駆除要素があるんだよ。』

友人『その駆除要素がハードル高めなんだよ。』

俺『さっきのモグラ叩きと、どっちがヤバい?』

友人『見慣れないお前なら、断然こっちがヤバいだろうな。』

ふと俺は気づいた。
普通のUFOキャッチャーは、四隅に支柱があって、横から見ようとするときに、邪魔だな、って思うような形をしている。
でも、これは穴があるところの支柱が無く、ガラス張りで見やすくなっていた。

そして、よく見たら景品の取り口が無い。

俺は穴の底が気になり、覗き込んでみた。

俺『何だ、あれは?』

シュレッダーでよく見かける複数の刃が付いたローラーが2つあり、回っていた。
そして、その辺りだけガラスが黒ずんでいた。

俺は思わず、後ずさった。

友人『ヤバいっていった意味、理解したか?』

俺は声が出ず、頷くだけだった。

友人『そういえば、アライちゃんたちを見て、何か気付かないか?』

友人に言われ、アライちゃんやアライしゃんを見てみた。

1匹を除いて、すべての奴らが穴の対角の隅で体を寄せ合って、怯えていたのだ。
そこに混ざらない1匹は、自由に歩き回っていた。

俺『なんかおかしいな。』

俺は何となくおかしい、と感じたが、理由までは分からなかった。

友人『知りたいか?』

俺『任せた。』

俺は結末が予想出来ていたから、見たい気分ではなかった。
でも、これ以上のヤバいものはこの先にないだろうと踏んで、見ることを選んだ。

友人『狙いは、あのはぐれだな。』

友人はアライちゃんが入った設備の前に立ち、会員証をかざした。

『ヨウコソ、タノシンデイッテネ』

またもや、無機質な音声が流れた。
93 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:51:44.48 ID:ia9CRf190
この設備は、ジョイントスティックでアームの位置を決めて、降ろしたい場所でボタンを押す、という操作のようだ。

俺『時間制限は?』

友人『無いよ。』

俺『何でなんだ?』

友人『こいつらが動き回るから、時間制限を付けちゃうと捕まえれないこともあるからね。』

友人はアームを巧みに動かして、狙いを定めた。
宣言通り、はぐれの1匹にアームを定めていた。

はぐれアライちゃん「のりゃりゃ...」コスリコスリ

はぐれアライちゃんはアームに気付いていないのか、尻尾の手入れをしていた。
あと、そいつはこちらに背を向けていたため、こちらの存在に気付いていないようだ。

狙いが決まったのか、友人はボタンを押した。

ウィーン

クレーンが降りてきて、地面に付かない程度の高さで止まり、アライちゃんを囲んだ。

はぐれアライちゃん「のりゃ!?」ビクッ

はぐれアライちゃん「なんなのりゃ!?」キョロキョロ

アームが閉じてゆく。

はぐれアライちゃん「に、にげるのりゃ!」

だが、時すでに遅し。
3本のアームがアライちゃんを捕らえていた。

はぐれアライちゃん「のびゃぁーーーーーっ!!」ジタバタ

アライちゃんの体に、アームがめり込んでいる。

俺『え、アーム、あ、どうなってんだ!?』

俺は動揺が隠せなかった。

友人『アームの先端が針みたいに尖っていて、体を突き刺すことで捕らえやすくしてるんだよ。』

アームが食い込んだアライちゃんが持ち上げられていった。

はぐれアライちゃん「いた、いたいのりゃ!!」ジタバタ

俺『簡単に持ち上がったな。』

友人『アームの強さは最強に設定してあるみたいだからな。』

一般的なゲームセンターの場合、景品を取られたくないから、アームを弱くすることはあるみたいだ。
でも、これは捕まえることがメインになっているため、必然的にアームが強くなる、ってとこかな?

はぐれアライちゃん「られか、たしゅけるのりゃーっ!」ジタバタ

そうしている間に、落下ポイントまで来てしまった。

そして、アームが開いていった。

はぐれアライちゃん「この、はなす、の、りゃーーーーー!」

ヒュー

穴に落下したアライちゃんはそのまま、足がローラーに巻き込まれていった。

はぐれアライちゃん「じびぃ! あんよが、いた、たすけ、のりゃーーーーーん!!」ジタバタ

いくら暴れても、足が巻き込まれた事実は変わらない。
そして、ゆっくりと体が下がっていく。
そのたびに、血が撒き散らされていた。

やはり、処分法はアライちゃんたちをローラーで切り刻む、というもの。
そして、ガラスに付いていた黒ずんだものは、飛び散った血、というわけだ。

はぐれアライちゃん「あぎ... こしまで、アライしゃんは、あきらめ、ぎにゃーーーーー!」ジタバタ

俺はもう見ていられなかった。
94 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:52:31.85 ID:ia9CRf190
顔を背けて、アライしゃんが入れられた隣のUFOキャッチャーの前に移動した。

友人『やっぱダメか。』

俺『当たり前だろ...』

すると、友人もこちらへやってきた。

俺『見なくていいのか?』

友人『これは、何度も見てるからな。』

面白さが、まったく理解できない。

友人『ま、駆除が終わったら、数合わせで補充されるのさ。』

しばらくすると、設備の後ろの壁からアライちゃんが1匹投入された。

追加アライちゃん「うゆ? ここはりょこなのりゃ?」キョトン

自分の置かれた状況が分かっていないみたいだった。
そして、前からいるアライちゃんは、身を寄せ合って怯えていた。

追加アライちゃん「りょうして、みんなはプルプルしてるのりゃ?」キョトン

追加アライちゃん「アライしゃんとあそぶのりゃ!」ピカピカ

しかし、前からいるアライちゃんは、耳を貸す様子もなく、ただ身を寄せ合うだけであった。

追加アライちゃん「つまんないのりゃ!」プンプン

一連の様子を見て、何となく理解できた。

俺『はぐれの奴は新参者で、状況を理解していないわけなんだな。』

友人『そんでもって、身を寄せ合ってる奴らは、穴から聞こえる悲鳴を聞いているから、本能的にあの穴は危ない、って理解してるわけ。』

何となく、構図は理解できた。
95 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:54:03.37 ID:ia9CRf190
友人『アライしゃんの方をやってみるか?』

俺『悪い、無理だわ。』

友人『そっか。じゃ、俺のテクニックをみせてやるか。』

友人はアライしゃんが入った設備の前に立ち、会員証をかざした。

『ヨウコソ、タノシンデイッテネ』

どうやら、開始時にはこの無機質な音声が流れるのが決まりになっているようだ。

友人はスティックをうまく動かし、はぐれアライしゃんを狙うと思いきや、奥の集団にアームを移動させていた。

アライしゃんB1「ぴぃ!」ビクッ
アライしゃんB2「こっちにきちゃ、らめなのら!」ヨチヨチ
アライしゃんB3「おかーしゃーん!」ヨチヨチ
アライしゃんB4「まら、いきたいのら!」ヨチヨチ
アライしゃんB5「のらららら...」ブルブル
アライしゃんB6「あれにつかまったら、マズいのら!」ヨチヨチ
アライしゃんB7「さっさと、どくのら!」ゲシッ
アライしゃんB8「いたいのらー!」ビエーン
アライしゃんB9「はやくにげるのら!」ヨチヨチ

それに気づいたアライしゃんが、一斉に蜘蛛の子を散らすように移動した。
だが、アライしゃんは恐怖でうまく立てないのか、ヨチヨチ歩きで移動していた。

友人は、アライしゃんが移動する方へアームを巧みに操り、精神的な追い込みをしているようだった。

そのうち、はぐれアライしゃんは皆がアームと戯れていると勘違いしたのか、喜びながらそれに混ざっていた。

はぐれアライしゃん「ようやく、みんなとあそべるのら!」キャッキャッ

アライしゃんB1「そんなこといってるばあいじゃないのら!」シャーッ
アライしゃんB6「こわいのらー!」ヨチヨチ
96 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:54:55.78 ID:ia9CRf190
しばらく、追いかけっこを続けていると、体力が切れたのか、床に座り込んでしまうアライしゃんが続出した。
友人はその隙を逃さず、ボタンを押した。

ウィーン

クレーンが降りる先には、3匹のアライしゃんがいた。

アライしゃんB1「も、うごけないのら...」ハァハァ
アライしゃんB5「つかれたのら...」ハァハァ
アライしゃんB7「げんかいなのら...」ハァハァ

クレーンが完全に降りて、それぞれのアライしゃんの前にアームが現れた。

アライしゃんB1「えっ!?」ビクッ
アライしゃんB5「に、にげるのら!」
アライしゃんB7「ききなのら!」

だが、疲れ切ったアライしゃんたちの動きは鈍く、アームが体に刺さってしまった。

アライしゃんB1「ぎびゃーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB5「のびゃーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB7「きゅるるるるるぅ!!」ジタバタ

そして、そのまま持ち上げていく。
まさかの3匹同時確保をやってのけたのだ。

俺『アームの荷重制限、大丈夫か?』

友人『成獣のアライさん1匹くらいなら問題ない、って聞いたことあったな?』

アライしゃん3匹とアライさん1匹のつり合いが全く分からない。
大丈夫か?

と、そんな心配をよそに、アームは穴の上までやってきた。

アライしゃんB1「おちたくないのらぁ!」ジタバタ
アライしゃんB5「いたいのらぁ!」ジタバタ
アライしゃんB7「きゅるるるるるぅ!!」ジタバタ

そして、アームが開き、3匹は穴の中へ落ちていった。

ヒュー
97 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:55:30.16 ID:ia9CRf190
しかし、穴の底は大渋滞。
ローラーに巻き込まれないように、お互いが他のアライしゃんを足元に追いやろうと必死だった。

アライしゃんB1「アライしゃんのために、あしばになるのら!」ゲシゲシ
アライしゃんB7「さっさとろくのら!」ゲシゲシ
アライしゃんB5「やめ、あ、しっぽが、いた!」ジタバタ

どうやら、1匹が仰向けになって、2匹の足場にされてしまったようだ。

アライしゃんB5「しっぽが、いたいのだーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB1「のぼるのをじゃましちゃダメなのら!」ボコボコ
アライしゃんB7「そっちこそ、じゃまするな、なのら!」ボコボコ

足場にされたアライしゃんは少しずつローラーに切り刻まれているようだ。
そして、その上では、助かりたい一心からか、醜い殴り合いが繰り広げられていた。

アライしゃんB5「せなかが、ぎゃびぃーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB5「た、すけて、ほしい、のらーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB1「アライしゃんにゆずるのら!」ボコボコ
アライしゃんB7「そっちこそ、アライしゃんにゆずるのら!」ボコボコ

すでに足元のアライしゃんが見えていないのか、我先に助かろうと争いを続けるアライしゃんたち。
そして、上のアライしゃんが体勢を崩し、足元の頭を踏んづけてしまった。

アライしゃんB5「あ、あたまが、ぎゃれれれれれ!!」ジタバタビクンビクン
アライしゃんB1「こいつ、あばれちゃらめなのら!」ジタバタ
アライしゃんB7「バランスがたもてないのら!」ジタバタ

さて、台の上の様子はというと、今まで逃げ回っていたアライしゃんたちは再び、対角の隅で寄り添って震えていた。
はぐれアライしゃんは、様子が分からずきょとんとしていた。

はぐれアライしゃん「うゆ、うるさいのら。」キョトン

はぐれアライしゃんは穴に近づき、中を覗き込んでいた。

そこには、血塗れになって動かなくなっているアライしゃんが1匹、その上で死を待つ2匹の姿があった。

アライしゃんB1「あ、そこのやつ! あらいしゃんをたすけるのら!」ジタバタ
アライしゃんB7「はやくたすけるのら!」ジタバタ
アライしゃんB5「...!!」ジタバタビクンビクン

はぐれアライしゃん「ひいぃ!!」ビクッ

はぐれアライしゃんは、穴の中がヤバいことをようやく理解したようだった。

アライしゃんB1「はやくする、あ、しっぽが、いたーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB7「あらいしゃんの、ききなのら! ぴゅぎぃーーーーー!!」ジタバタ

絶えず聞こえる悲鳴に、はぐれアライしゃんは漏らしているようだった。

はぐれアライしゃん「に、にげるのら!」

はぐれアライしゃんは寄り添っている集団に駆け寄り、そのまま同じように震えてしまった。

外からの助けが見込めなくなり、巻き込まれつつある2匹はそれでも諦めていない様子だった。

アライしゃんB1「ぎにゃーーーーー!! たじゅげるのらーーーーー!!」ジタバタ
アライしゃんB7「きゅるるるるる!! まだじにだぐないのらーーーーー!!」ジタバタ
98 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:55:57.04 ID:ia9CRf190
先に死んでいったアライしゃんの死に際の印象が強かったためか、残りの処分まで見ていられなかった。

俺『悪い。トイレ、どこだ?』

友人『あそこにあるぞ。』

友人が指差す先に、トイレがあった。

俺『ちょっと吐いてくる。』

友人『いってら。』

俺は駆け込むように、トイレに入っていった。
99 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/10(火) 23:56:23.28 ID:ia9CRf190
今回はここまで。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 00:01:29.58 ID:Gyoj4+6O0
乙です
やはり虐が多いと面白いと思う
次回も楽しみ!
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 00:26:16.72 ID:gqyaRLu9o
いやがる俺くんにアラ虐見せ続ける友人すげーな
クソリプおじさん並みのメンタルだな
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 00:39:25.72 ID:yT7sIgx/0
>>101
前の方でも書いてますが、拒絶反応を起こしながらも自ら飛び込んでいますから、自業自得ですね。
103 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/11(水) 00:39:56.47 ID:yT7sIgx/0
>>102
名前、忘れてました。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 00:51:50.15 ID:Vz2HIh2no
なーにそのうち俺くんも慣れるだろ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 01:37:58.32 ID:HdV3b0Un0
乙です
俺くんはアラ虐に対してどういうスタンスになっていくのか楽しみ
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 07:09:01.29 ID:OMvGFsJKO
捕獲したアライさんの持ち込みなしでこの施設に来たらめっちゃ金かかりそう
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 15:16:19.99 ID:uH2tUdvU0
いいねえいいねえこういうの
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 23:30:02.16 ID:btI8LZhd0

1度で良いからアライさんパークで遊んでみたい
109 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 21:56:18.11 ID:bhQ05d/r0
<アライピンボール>

しばらく歩いていると、懐かしいものを見つけた。

俺『あれって、ピンボールか?』

友人『よく気付いたな。』

俺は思わず、近寄っていった。

小さい頃に家族で旅行へ出掛けたとき、旅館のゲームコーナーにピンボールの機械が置いてあることがあった。
よくそれで遊んでいたことを思い出した。

俺『懐かしいなぁ。』

友人『遊んでみるか?』

俺はそこで頷こうとしたが、すぐに思い止まった。

ボールが見当たらない。
そして、ピンの間隔が若干広い。

俺『ボールが無いんだが、まさかボールって。』

俺は友人に確認するように、そちらを見た。

友人『それなら、アライちゃんを使うぞ。』

俺『そりゃ、そうだよな。こんな所だもんな。』

俺のテンションは急に下がってしまった。

友人『で、遊んでみるか?』

俺『やめとくよ。』

友人『俺はやるよ。 さて、久しぶりにやろうかな。』

そういうと、友人が会員証をかざした。
110 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 21:58:40.30 ID:bhQ05d/r0
すると、シューターの横のレーンから、アライちゃんが2匹流れてきた。
大きさは、手のひらサイズといった感じで、腕と体が紐で固定されていた。
そして、1匹ずつ木枠の中に入っていた。

アライちゃんA1「ぴぃーーーーー!!」ジタバタ
アライちゃんA2「うごけないのりゃ!!」ジタバタ

俺『これをシューターにセットして打ち出す、というわけか。』

友人『そういうこと。』

友人がレーン側にある取っ手を押し込んだ。
すると、レーン側にあった木枠がシューターに移動した。
そして、木枠を取り外し、レーンの下にある返却口に投入した。

俺『装填がスムーズだな。』

友人『今の形になったのも、色々要望を出し続けた結果だからな。』

俺は、努力の無駄遣いだな、と思ってしまった。

アライちゃんA1「からりゃのへんなやつがとれないのりゃ!」ジタバタ

シューターにセットされたアライちゃんは、どうにか抜け出そうと必死に足掻いていた。

友人『そもそも、天板が強化プラスチックで覆われてるから、脱出不可能なんだよな。』

友人はそう言いながら、シューターのレバーを引っ張った。

アライちゃんA1「ちめんがひくくなったのら。」キョトン

友人『まずは、全力で放ってみるか。』

友人はレバーを放した。

パン

アライちゃんA1「のりゃーーーーー!!」

勢いよくアライちゃんが飛び出していった。
そして、ガイドに沿ってアライちゃんが台に侵入した。

アライちゃんA1「なんな、あっ、いた、なに、れ、の!」

アライちゃんは、ピンやバンパーなどにぶつかりながら落ちてきた。
落ちてくるときに奇妙な発声をしていたが、気にしないようにした。

そして、アライちゃんはフリッパーの辺りまでやってきた。

アライちゃんA1「あ、あながあいてるのりゃ!」

友人『そい。』

アライちゃんA1「げぶっ!!」

友人は落ちてくるアライちゃんをフリッパーでうまく弾き返していた。
111 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:01:23.23 ID:bhQ05d/r0
アライちゃんA1「たしゅ、げっ、おが、ば!!」

アライちゃんは色んなところにぶつかる度に叫び続けていた。

アライちゃんA2「こ、こわいのりゃ...」ブルブル

ボールにされているアライちゃんの叫び声や周りから聞こえてくるアライさん達の悲鳴を聞いて、待機中のアライちゃんは震え上がっていた。

アライちゃんA1「も、ゆりゅ、じ、げ、ば」

ボールにされているアライちゃんは、いろんな所に体を打ち付けた影響か、体が血まみれになっていた。

俺『これ、いつまで続けるんだ?』

友人『フリッパーの間をすり抜けるか、台のホールに入れるか、だな。』

台をよく見ると、アライちゃんが入りそうな穴が何箇所かあった。

俺『あの穴に入れると何かあるのか?』

友人『入れた場所によって、ボールが追加される仕組みだよ。』

俺『入るのか?』

友人『それが難しいんだよねぇ。』

友人とそんな話をしていると、急にアライちゃんの動きが止まった。

アライちゃんA1「じぃーーーーー!!」ジタバタ

よく見ると、アライちゃんの尻尾に太めの針が刺さっていた。
どうやら、床から出てきたようだ。

友人『一定時間経つと、こういった仕掛けが動き出すんだよね。』

台を見ると、今まで無かった針が、床から上下運動していたり、壁から飛び出ていた。

俺『えぐいな...』

アライちゃんA1「あ、アビャイじゃんの、じっぽが、いじゃいのびゃ!!」ジタバタ

アライちゃんがしばらく暴れていると、針が床に戻っていった。
そして、アライちゃんは再び転がり落ちてきたのだった。

友人『あ、ヤベ。』

スカッ

アライちゃんA1「のびゃーーーーー!!」ヒュー

友人は気を抜いていたのか、フリッパーの動作が遅れてしまい、アライちゃんは隙間から落ちてしまった。
112 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:04:26.43 ID:bhQ05d/r0
友人『失敗したなぁ...』

友人は残念そうに、アライちゃんが落ちていった穴を眺めていた。

友人『ラス1かぁ。』

そして、先程と同じように、手際よくシューターにアライちゃんをセットしていた。

アライちゃんA2「りゃ、りゃれか、アライしゃんをたしゅけるのりゃ...」ブルブルシッポフリフリ

自分の番となったアライちゃんは助かりたい一心からか、震えながら尻尾を振り始めた。
しかし、尻尾の動きはとても弱弱しかった。

友人『これ見ると、イラッと来るんだよねぇ。』

俺『何だか、犬っぽいな。』

友人『一緒にしちゃダメだぞ。犬が可哀想だ。』

友人は、容赦なくレバーを引いて、手を放した。

パン

アライちゃんA2「のりゃーーーーー!!」

先ほどと同じように、勢いよくアライちゃんが飛び出し、ガイドに沿ってアライちゃんが台に侵入した。

アライちゃんA2「たしゅ、のっ、ぴぃ、おっ、ぎ!」

このアライちゃんも、ピンやバンパーなどにぶつかりながら落ちてきた。
だが、俺はこの時、あることに気付いた。

俺『体の紐が解けてる。』

そう、アライちゃんの手が自由になっていたのだ。

アライちゃんは、所々で手を使い、障害を避けようと必死に足掻いていた。
ほとんど無意味ではあったが。

友人『こうなると、面白いんだよ。』

俺には、友人の発言の意味が分からなかった。
113 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:06:41.24 ID:bhQ05d/r0
しばらく続けていると、アライちゃんの動きが止まった。
よく見ると、ピンにしがみ付いて、落ちないように必死になっていた。

アライちゃんA2「も、もう、いじゃいのあ、いやなのりゃ...」プルプル

友人『最終的には死んじまうのに、こう無駄に足掻く姿は面白いんだよ。』

俺『歪んでるな...』

友人『俺をこうしたのは、こいつらだぜ。』

復讐。
こいつは、ここに来る前にそう話していた。

アライさんの存在が、こうも歪めてしまうとは闇が深いな、と思ってしまった。
まぁ、別の意味で、俺の闇も深いんだが。
114 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:09:30.76 ID:bhQ05d/r0
そう思いながら、俺はアライちゃんを確認した。

アライちゃんA2「も、ちゅかれ、でも、いじゃい、のあ...」プルプル

疲れていそうではあるが、まだ粘っている。

アライちゃんA2「げぇーーーーー!!」

すると突然、アライちゃんは奇妙な悲鳴を発した。
どうして、と思ったが、すぐに原因が分かった。

背中から、針が突き出ていたのだ。

つまり、アライちゃんがいた場所は仕掛けの真上で、お腹を針で突き刺されてしまったのだ。

アライちゃんA2「きゅるるるるるる!!」ジタバタ

アライちゃんはお腹と床の間に手を入れて、必死に抜こうと暴れていた。
しかし、弱ったアライちゃんでは針から抜け出すことが出来なかった。

しばらくすると、仕掛けの針は下がり、アライちゃんが落ちてきた。

アライちゃんA2「おが...」

俺はアライちゃんがどう落ちてくるか確認するため、落下経路を先回りして見ていた。
すると、その先には回転する丸鋸があった。

そのまま、アライちゃんは丸鋸に突っ込んでいき、縦に真っ二つにされてしまった。
そして、真下の「ゴミ箱」と書かれた穴に入っていった。

友人『何だ、ハズレかぁ。』

突然のことで頭が追い付いておらず、俺はただ立ち尽くすだけだった。

友人が何かを言っているようだが、全く頭に入ってこない。
俺は血だらけになった丸鋸をずっと見つめていた。
115 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:10:05.37 ID:bhQ05d/r0
友人『おいって。』

友人が俺の肩に手をかけていた。

友人『大丈夫か?』

俺『あ、あぁ、あまりにも衝撃的過ぎて、フリーズしちまった。』

友人『ちょっと休んでから移動しようぜ。』

俺達は友人の案内で、休憩スペースで休むことにした。
116 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:17:31.13 ID:bhQ05d/r0
<休憩スペース>

俺はテーブルに突っ伏していた。

友人『ほらよ。』

俺『ひゃあ!』

友人は俺の頬に冷たい缶コーヒーを当ててきた。
それに思わず、奇声を上げてしまった。

友人『初めて聞いたわ。 お前の奇声。』

俺『...うっせぇ。』

俺たちは、缶コーヒーを飲み、一息ついた。

友人『どうだ、ここは。』

友人が感想を求めてきた。

俺『刺激が強すぎて、ヤバい。』

友人『このエリアはまだいい方じゃないか?』

俺『他のエリアはもっとヤバいのか?』

俺は友人の方を見て、尋ねた。

友人『まぁ、そりゃな。』

俺『あ、そ。』

俺たちはしばらく休んだのち、再びエリア内を散策するのだった。
117 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/12(木) 22:18:02.63 ID:bhQ05d/r0
今回はここまで
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/12(木) 22:53:32.34 ID:WkmNDMbM0
乙です、このゲームも実際にプレイしてみたいなぁ。次はどんなゲームか楽しみ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/12(木) 23:27:22.98 ID:jkMZohiD0
乙です
なかなか面白いわ笑
120 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/13(金) 00:40:38.81 ID:2mWlm6su0
ピンボールで、球2つって少なかったですかね?
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 00:56:54.41 ID:+lLFod8zo
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 01:03:01.70 ID:6w0xhPRIO
乙です
123 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:44:45.16 ID:eEpXjG1l0
<アライホッケー>

建物内を散策していると、エアホッケーの台があった。

俺『エアホッケーか。』

友人『強制2人プレイだな。』

今までは1人プレイのものばかりだったため、友人に任せていた。
しかし、2人プレイともなると話は別だ。

とうとう俺もやらないといけない時が来てしまったのか。
俺は、体が重くなる感覚に襲われた。

俺『いつかやらないといけない時が来るとは思っていたけど、これだとはな。』

友人『どうする?』

俺は、覚悟を決めて頷いた。

友人『なら、説明するぞ。』

友人『普通のエアホッケーと違う点は、パックがアライちゃんであることだな。』

俺『外壁も違うんだが。』

そう、外壁に当たる部分は、坂になっていて、坂には落下防止の壁が付けられていた。
そして、お互いの陣営の間に仕切りは無かった。

俺『これだと、横打ちができないな』

友人『横打ち?』

友人がこちらを見て、尋ねてきた。

俺『あぁ、横側に回りこんで打ち込むやり方。』

友人『あれって、そんな名前なのか?』

俺『いや、俺が勝手にそう言っているだけ。』

友人『何だそりゃ。』

友人は呆れる様にそう言った。
そんな友人を見て、俺は疑問を口にした。

俺『つか、何で坂なんだろうな?』

友人『外壁にすると、跳ね返らないからな。』

友人の回答に、俺は納得してしまった。
124 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:45:19.06 ID:eEpXjG1l0
友人『マレットについてだけど、普通のやつと違うんだ。』

俺『マレット?』

友人『パックを打つ時に使うだろ?』

俺『あれってそういう名前なのか。』

今日は俺の知らないことがたくさん判明する日だな。

友人『あれな。』

友人が指差す先にあったのは、板に取っ手の付いた謎の装置だった。

友人『バウンドホッケーって知ってるか?』

俺『何それ?』

友人『バラエティやニュース含め、そういうの見ないんだっけ?』

俺『すまん。』

どうやら、何かのバラエティ番組にバウンドホッケーというものがあるのだろう。
それに使われているものと似ていると言いたいのかも知れない。

友人『とりあえず、どんな感じか試してみるといいよ。』

お互いに陣地へ移動した。

俺はパックを弾くために使う、装置を触ってみた。
仮に、マレット板と名前を付けておこう。

レバーが遠くに感じる。

友人『腕を伸ばすだけじゃなくって、腹這いになる感じで掴んでみな。』

俺は友人から言われた通りの体勢になってみた。
先程よりか、楽になった。

友人『この状態で、来たパックを打ち返すんだよ。』

そういいながら、マレット板を左右に操っていた。

友人『パックを打ち返すときは、これを前に出せばいいし、角度も変えられるから、覚えときな。』

友人の説明に従って、一通り動かしてみた。

友人『よし、そろそろやるか。』

俺『分かった。』

そう言いながら、自分の手が震えていることに気付いた。
やっぱり、怖いんだな。
125 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:46:12.28 ID:eEpXjG1l0
友人が会員証をかざした。

『ヨウコソ、タノシンデイッテネ』

あの無機質な音声が流れたとおもったら、坂の上から謎の液体が流れてきた。

俺『何だこれ?』

友人『ローションだよ。』

俺『なぜに?』

友人『滑りをよくするためにな。』

アライちゃんをパックとして使うため、摩擦を減らすための手段なのだろう。

ガシャン

アライちゃんB1「のりゃーーーーー!」

しばらく待っていると、横の坂からアライちゃんが放出され、友人のほうへ転がっていった。

友人『そい。』

バン

アライちゃんB1「げぶっ!!」

友人がマレット板で打ち返す。
アライちゃんが真っ直ぐこちらに向かってくる。

アライちゃんB1「と、とまりゃない、のりゃ!!」

俺はこの瞬間が長く感じた。
たったの数秒のことではあるが、俺には何時間もの長さに感じた。

アライちゃんがかなりの距離まで近づいたとき、俺は腕を伸ばした。

バン

アライちゃんB1「じびっ!!」

はっきりと、アライちゃんがぶつかった感触が伝わってきた。

この時、アライちゃんの悲鳴を聞き、とうとう俺も踏み込んでしまった、という思いを抱いた。
後悔や罪悪感、様々な感情が俺の中で渦巻いていた。
126 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:46:59.31 ID:eEpXjG1l0
バン バン バン バン

アライちゃんB1「も、とめえ、」

何度も打ち合いをしていると、多少ぎこちなかった動きがスムーズになっている気がした。
おそらく、感覚が麻痺し始めているのかもしれない。

バン

すると、友人は急に坂のほうへアライちゃんを打ち放った。

アライちゃんB1「ほじい、のりゃ、」

息絶え絶えなアライちゃんは、坂の特性で弧を描きながらこちらに向かってきた。

軌道が読みづらい。
マレット板を小刻みに動かし、微調整をした。

俺『ここか?』

バン

アライちゃんB1「あぶっ!!」

俺は、何とか打ち返すことに成功した。

友人『あれを打ち返すとはな。』

俺『たまたまだよ。』

こうして、お互いにパックを沈めることが出来ないまま、時間が過ぎていった。
127 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:47:53.45 ID:eEpXjG1l0
ガシャン

アライちゃんB2「のりゃーーーーー!」

すると、追加のパックが出てきた。
しかも、俺の方に転がってくる。

俺『まだパックが残ってるのに、追加が来た?』

友人『そういう仕様だよ。』

俺は慌てて追加のアライちゃんを弾き返した。

アライちゃんB2「はじゅ!!」

始めからいるアライちゃんと合わせて乱戦状態になった。

バン バン バン バン

アライちゃんB1「あ、げ、」

アライちゃんB1「じっ、ぴゃ、ぼ、」

バン バン バン バン

友人『しぶといな。』

俺『どっちの意味で?』

友人『ゲームが終わらない、って意味だよ。』

バン

アライちゃんB1「げっ!」

アライちゃんB1「きゅ!」

すると、お互いに弾き返したアライちゃんが舞台上でぶつかり、軌道が急に変わった。

俺『おっと。』

俺はそれについていけず、自陣の穴に落としてしまった。

アライちゃんB1「おぢりゅーーーーー!」

友人『あ、スカしちまった。』

どうやら、友人の方も落としてしまったようだ。
128 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:49:53.01 ID:eEpXjG1l0
友人『終わりか。』

俺たちは、自分のエリアを離れて合流した。

俺『エアホッケーと比べると少ないな。』

友人『ま、あっちと比べると長引きやすいからな。』

俺『だから、満足する、と?』

友人『あとは是正処置として、急に追加パックが入ってくる、ってのもあるからかな。』

俺『なるほどね。』

友人『まだやりたかったか?』

俺『思い出させるな。』

急に、手にアライちゃんの感触が蘇ってきて、後悔や罪悪感など、負の感情が押し寄せてきた。

俺『気分のいいもんじゃねぇな。』

俺は震える自分の手を見つめ、そう答えた。

友人『そっか。』

俺たちは、再び建物内を散策し始めた。
129 : ◆/87jeglEwfUL [sage]:2018/04/14(土) 18:50:26.93 ID:eEpXjG1l0
今回は、ここまで
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 20:17:47.81 ID:Hnszr5rKO
乙。あの後、アライちゃん達は前の話のように丸ノコギリで両断されたのでしょうか?
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 23:27:00.13 ID:d1JmgGgH0

俺も気になった、穴に落ちたコバエはどう殺処分されたんだろう?
132 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/15(日) 00:07:21.94 ID:mOOBgrAu0
>>130 >>131

それについては、いつか公開します。
今は、俺視点でエリア紹介をしていくため、それが終わったらになると思います。
133 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:10:01.20 ID:ddLGa8nC0
<アライ引き>

俺はゲームセンターに似合わない物を見つけてしまった。

俺『なぁ、ここってお祭り会場だっけ?』

友人『あぁ、あれか。』

お祭りでよく見かける、紐を引っ張って景品を吊り上げる屋台のゲームが、そこに置いてあった。

俺『小さい頃に、祭りに行ったらやってたなぁ。』

友人『千本引き、ここではあんまり人気無いんだよな。』

あれって、そういう名前だったのか。

友人『見てみる?』

俺は頷き、中を覗いてみた。

俺『中は暗いな。』

友人『これ、始めるときに明かりがつくんだよ。』

うっすらとだが、中にはアライちゃんが5匹、穴から頭だけを出している状態であることが分かった。
頭の辺りから紐が見えたので、よく見てみると首にそれらが掛けられていた。
すると、アライちゃんがこちらに気付いた。

アライちゃんC1「ここから、りゃすのりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんC2「おかーしゃーん!!」ジタバタ
アライちゃんC3「ぴぃ!! みつかったのりゃ!!」ビクッ
アライちゃんC4「も、もう、おわりなのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃ!!」ジタバタ

アライちゃんの反応が怖くなり、中の観察はそこで切り上げた。
ふと、装置の手前を見てみると、10本の紐が飛び出ていた。

俺『紐が多くないか?』

友人『全部引くわけじゃないからな。』

俺『そうなのか。』

友人『チャンスは5回。』

俺『5回全部空ぶることもあれば、5回全部吊り上げることもある、ってわけね。』

俺は、ふと浮かんだ疑問を口にした。

俺『あれ、抜け出したりしないのか?』

俺はアライちゃんを指差し、友人に尋ねた。

友人『あぁ、あれは体と手をバンドで固定されてるから、出てこないぞ。』

俺『ふぅーん。』

俺は離れた位置から、中の様子を伺った。

アライちゃんC1「はやく、りゃすのりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんC2「りょーして、たしゅけにきてくれないのりゃ!!」ジタバタ
アライちゃんC3「も、もう、おちまいなのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「ちにたくないのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃ!!」ジタバタ

アライちゃんが思い思いのことを口にしていた。

友人『やってみるか?』

俺はその問い掛けに頷いた。
頷いたのはいいが、内心はすべて外れてほしい、という思いで一杯だった。

友人『無理だと思ったら、すぐに変われよ。』
134 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:11:32.35 ID:ddLGa8nC0
友人はそう言うと、設備の前に立ち、会員証をかざした。

ピッ

『ヨウコソ、タノシンデイッテネ』

無機質な音声とともに、装置内が明るくなった。

アライちゃんC1「いったい、りゃれなのりゃ?」キョロキョロ
アライちゃんC2「あかりゅくなったのりゃ!」ビクッ
アライちゃんC3「いきたいのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「あがっちゃ、だめなのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃ!!」ジタバタ

『イッポンメヲ、エランデネ』

機械音声のガイドが流れた。

友人『1本目が重要だからな。』

俺は慎重に紐を選び、1本目を引いてみた。

俺『感触が重いな。』

中を見てみたが、アライちゃんに変化は無かった。

友人『もっと引っ張ってみないと、分からないぞ。』

友人のアドバイス通りに引っ張り続けてみたが、やはり反応は無かった。

アライちゃんC1「なにやってるのりゃ?」キョトン
アライちゃんC2「そこのひとしゃん、たしゅけてほちいのりゃ!」ジタバタ
アライちゃんC3「もう、やめりゅのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「りゃめなのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃりゃ!!」ジタバタ

しばらくすると、紐に青のマークが見えた。

友人『これは外れだな。』

俺『そうなのか?』

友人『紐にこういうマークが見えたら、外れなんだよ。』

俺『掃除機みたいだな。』

友人『今の時代はコードレスが多いから、そのネタ、分からないやつもいるかもな。』

友人は俺から紐を奪い取ると、横にあった縛り口に紐を結び始めた。

俺『それは?』

友人『一応、選んだ紐をそのままにしておくためのものかな?』

友人は手慣れた様子で、紐を結んだ。

友人『そのまんまだと、紐が中に戻っちゃうからな。』

俺『ハズレが何だか重かったんだけど、それと関係あるのか?』

友人『外れには、アライちゃんと同じくらいの重りがついているからだよ。』

つまり、引っ張っていても中の反応が分からなければ、どちらか分からないというわけか。
これで、当たる確率が上がってしまった。
135 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:14:27.48 ID:ddLGa8nC0
『ニホンメヲ、エランデネ』

俺は何も考えずに、2本目を選んで引っ張った。
今度も感触が重かった。

すると、中から反応があった。

アライちゃんC2「きゅ、きゅびが、きゅりゅちい、のりゃ!」ジタバタ

アライちゃんC1「りょうしたのりゃ!?」ビクッ
アライちゃんC3「はじまったのりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「たしゅけてほちいのりゃーーーーー!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃりゃ!! のりゃりゃ!!」フゥー

少しずつ紐を引っ張っていく。
左から2番目のアライちゃんが少しずつ上に上がっていく。

アライちゃんC2「も、やめ、ほち、こっ!」ジタバタ

アライちゃんC1「おりてくるのりゃ!」
アライちゃんC3「のりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「のりゃーーーーーん!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃりゃ!! のりゃりゃ!!」フゥー

アライちゃんは手が使えないため、体を必死に動かして逃れようとしていた。

そして、紐を引っ張り続けていると、先ほどと同じように紐から赤のマークが見えた。
俺は紐を持ったままの状態で固まってしまった。

友人『それを貸せ!』

友人はそれを奪い取ると、縛り口に紐を結んだ。

アライちゃんC2「お...」ピクピク

アライちゃんC1「へんじをすりゅのりゃ!」アセアセ
アライちゃんC3「のりゃ...」ブルブル
アライちゃんC4「のりゃーーーーーん!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃりゃ!!」ジタバタ

俺は自分の手を見た。
アライちゃんが暴れていた感触がこの手に残っている気がした。
136 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:17:19.18 ID:ddLGa8nC0
『サンボンメヲ、エランデネ』

俺はすぐに紐を引っ張ることが出来なかった。

友人『手を見つめて、どうかしたか?』

友人が心配してか、話しかけてきた。

俺『アライちゃんの、感触が...、暴れてる感触が、ここに残ってるんだ...。』

俺の手は震えていた。

友人『おかしいな。そういうのが伝わらないような設計になってる、って聞いたことあったんだけどな。』

俺『すまん。続きは無理だ。』

俺は震える手を見つめながら、ギブアップを宣言した。

友人『まぁ、慣れてないとそんなもんだよな。』

友人はそういうと、紐に手を伸ばした。

友人『残りは俺がやってやるよ。』

そして、俺よりも速いスピードで引っ張り出した。

アライちゃんC4「のべ!!」グン

アライちゃんC1「あぁ、あいつもあがっていくのりゃ!」ビクッ
アライちゃんC3「のりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃ!! のりゃりゃ!!」ジタバタ

そして、紐を手際よく引き出すと、縛り口に紐を結んだ。

友人『こんなもんか。』

アライちゃんC2「...」シーン
アライちゃんC4「...」シーン

アライちゃんC1「りょうしたのりゃ!」
アライちゃんC3「のりゃ...」ブルブル
アライちゃんC5「のりゃりゃ!! のりゃりゃ!!」フゥー

俺が引き当てたアライちゃんは涎を垂らし、すでに反応は無かった。
そして、友人が引き当てたアライちゃんは口から血を流していた。
下を見ると、赤い破片が落ちていた。

おそらく、急に引き上げられたせいで、舌を噛み切ってしまったのだろう。

俺『お前、容赦ないな。』

友人『こういう運ゲーは好きじゃないから、早く終わらせたいんだよ。』
137 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:20:10.39 ID:ddLGa8nC0
『ヨンホンメヲ、エランデネ』

友人『さて、どうしようかね。』

友人は紐を見つめ、どうしようか悩んでいるようだった。

いや、違う。
友人は、紐を選ぶ「振り」をしながら、アライちゃんの方をチラチラと確認しているように見える。
俺は、アライちゃんの方を見た。

アライちゃんC2「...」シーン
アライちゃんC4「...」シーン

アライちゃんC1「あれをひっぱられたら、あいつらみたいになっちゃうのりゃ!」ブルブル
アライちゃんC3「のりゃーーーーーん!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃりゃ、のりゃりゃ、のりゃのりゃ!!」ブルブル

残されたアライちゃんは、上に吊るされて死んでいるアライちゃんとこちらの様子を交互に見ながら、怯えた様子だった。

俺『お、おい、お前!?』

俺は、思わず友人の肩に手をかけた。

友人『このゲームの本番は、ここからなんだよ。』

友人はこちらが何を聞きたいのか分かっているのか、どこか楽しそうだった。

友人『このゲームの真意は、アライちゃんを吊り上げていって、残されたアライちゃんたちに恐怖を植え付ける、ってことなんだよ。』

俺『恐怖を?』

友人『そう、いつ死ぬか分からない恐怖の中、怯え続けてその時をただただ待つ、ってわけ。』

俺『これ考えた奴、エグ過ぎだろ...』

俺は、思わず自分の頭を押さえた。

友人『開始時のことを覚えているか?』

友人の問いかけに、俺は頭を横に振った。

友人『ほら、始めから威勢のいい奴と、怯えてた奴がいただろ?』

そう言われると、そのようなことがあったような気がする。
俺は首を縦に振った。

友人『つまり、怯えてた奴は前からいて、このゲームのことを理解していたのさ。』

そこで、俺はようやく気付いた。

俺『それで、威勢のいい奴はセッティングされたばかりだから、状況が掴めていなかった、と。』

友人『そういうこと。』

友人はそう言うと、引っ張り出す紐を選び取った。

友人『こいつを引っ張るぞ!』

友人は、アライちゃんに聞こえるような声で宣言をした。

アライちゃんC1「まつのりゃ!」ブルブル
アライちゃんC3「のりゃーーーーーん!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃ、のりゃ!!」ブルブル

友人『さぁて、どうなるのかね!?』

友人は、アライちゃんの声を無視して、紐を引っ張り出した。

しかし、これはハズレだったようだ。
紐から青のマークが見えた。

友人『ちぇっ、ハズレか。』

友人は縛り口に紐を結び、元の位置に立った。
138 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:21:52.51 ID:ddLGa8nC0
『ゴホンメヲ、エランデネ』

友人『さぁ、最後の時だ。』

アライちゃんC1「のりゃーーーーーん!!」ビエーン
アライちゃんC3「のりゃーーーーーん!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃーーーーーん!!」ビエーン

残されたアライちゃんは、ただ泣き叫ぶだけだった。

そんなアライちゃんを見ながら、友人は紐を選んだ。

友人『イッツ、ショータイム!』

アライちゃんC1「のりゃーーーーーーーーーーん!!!!」ビエーン
アライちゃんC3「のりゃーーーーーーーーーーん!!!!」ビエーン
アライちゃんC5「のりゃーーーーーーーーーーん!!!!」ビエーン

無駄に友人のテンションが高い。
そして、アライちゃんの泣き声も大きくなった気がする。

俺は、その空気についていけず、ただそれを眺めているだけだった。

友人が紐を引っ張り出した。
すると、中の様子が慌ただしくなった。

アライちゃんC1「なん、あら、しゃ!」ジタバタ

アライちゃんC3「たすかったのりゃ?」キョトン
アライちゃんC5「のりゃ!?」ビクッ

友人『最後は当たりか。』

友人は紐を最後まで引っ張り出し、縛り口に結んだ。

アライちゃんC1「は、しゅ...」ピクピク

アライちゃんC3「また、いきのこったのりゃ...」プルプル
アライちゃんC5「のりゃーーーーーん!!」ビエーン

『サイゴマデアソンデクレテ、アリガトウ』

機械音声がゲーム終了を告げていた。
139 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/16(月) 23:23:36.33 ID:ddLGa8nC0
友人『まぁ、こんな感じ。』

俺『後味が悪いゲームだな。』

俺たちが装置から離れると、どこから出てきたのか、カーテンが装置の周りを覆った。
よく見ると、俺が気付いていなかっただけで、カーテンレールが始めからあったようだ。

俺『あれは何だ?』

友人『係員が次の仕込みをしているんだよ。』

俺『他の奴みたいに自動化は出来ないのか?』

友人『よく分からんが、難しいみたいだぞ。』

俺『効率が良くないな。』

友人『それが人気のない原因だったりするんだよな。』

俺たちはそんな会話をしながら、次のゲームを探して場所を移った。
140 : ◆/87jeglEwfUL :2018/04/16(月) 23:25:12.82 ID:ddLGa8nC0
今回はここまで。

次回は、提案していただいたゲームの中から、2つをこのエリアに加えようと思います。

ある程度、私のアレンジが入るため、希望通りにならない可能性があります。
ご了承ください。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/16(月) 23:35:30.85 ID:9oE7ikQb0
乙です
提案した中からのゲームが出てくるのか
何が来るんだろう?
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/16(月) 23:42:15.25 ID:+8QghpzN0
乙です
僕の案が通ると嬉しいけど、何であれ楽しみです
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/18(水) 00:03:06.78 ID:C4UFvbkJ0
乙です
あえて全滅させない、かと言って取り逃がしたわけじゃない、っていうのは凄くいい
144 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:43:39.39 ID:1sz2s3uR0
<アライドラム>

俺『そういえばさ。』

友人『ん?』

俺『ここって、【ゲーセンエリア】だったよな?』

友人『そうだけど?』

俺は気になっていた疑問を口にした。

俺『さすがに、音ゲーって無いんだな。』

友人『あるぞ。』

俺『ないわ、って、あるんかい!?』

友人『うぉ!?』

俺はガラにもなく、ツッコミを入れてしまった。

俺『あ、すまん。』

友人『い、いや、珍しいな...』

友人は、俺の反応に驚いていた様子だった。

友人『まぁ、いいや。』

友人は気を取り直すと、とある方向を指差した。

友人『あれだよ。』

友人が指差す方を見てみた。

アライパンチの時のような縦長の画面の前に、5つの筒があった。
3つの筒が手前にあり、2つの筒が奥にあった。

奥の筒に関しては、手前の筒より高さがあった。
手前の筒も3つのうち、真ん中が他よりも大きい気がする。
あと、足元を見るとペダルもある。

俺『あれって何だ?』

友人『アライドラムだよ。』

俺『洗濯機?』

友人『音ゲーだ、って言ってんのに、何で家電製品が出てくんだよ。』

俺『楽器の方は馴染みが無いからな。』

友人『大半の奴は馴染みが無いだろうよ。』

俺たちはそんな他愛もない会話をしながら、そちらの方へ歩いて行った。
145 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:48:05.80 ID:1sz2s3uR0
俺『ペダルってどう使うんだ?』

友人『まぁ、見てろ、って。』

友人は席に座ると、ペダルを踏んだ。
すると、それに連動するように、筒の手前にあった叩く部分が、筒を叩くように可動した。
どうやら、筒は叩く部分に合わせて穴が空いていた。

よく見ると、ペダルの真下にボタンのようなものがあり、それが押されると叩く部分が反応して叩く仕組みになっているみたいだ。

俺『また面倒な仕組みだな。』

俺はこの機構を見て、疑問に思ったことを口にした。

俺『何で、ペダルの叩く部分を、筒の下を通す形で設計しなかったんだ?』

友人『これな、筒の下からアライさんがセットされる仕組みなんだよ。』

つまり、アライさんの頭をドラムのように叩く、ってことか。

友人『お前が言った仕組みだと、スムーズな装填が出来ないだろ?』

確かに、終わったら係員が来て取り換えをしなければいけない手間がありそうだな。

俺『技術の無駄遣い...』

友人『そんなこと言うなって。』

そして、俺は新しい疑問が浮かんだ。

俺『つか、どうやって叩かれたかの判定をするんだ?』

音ゲーの場合、リズム通りに叩けているか判断する必要がある。
アライさんがドラムになる場合、スティックに判定があるのか?

友人『それはな、アライさんの足元に判定があるんだよ。』

俺『まさか、アライさんを叩いた衝撃でその判定をどうにかするのか?』

友人『衝撃ではないけど、まぁ、近いかな?』

俺は、どういうことなのか、と首をかしげた。

友人『アライさんの土台が押し込み式になっていて、それがある程度押し込まれると判定される仕組みなんだ。』

友人は広げた左手を床に見立てているのか、右手の人差し指でそれを押すような動作をしていた。

俺『だけど、アライさんが飛び跳ねたりしたらどうするんだ?』

友人『それも考えて、アライさんの足は土台と固定されてるよ。』

俺『手は?』

友人『他のゲームと同じで、バンドで体と固定されてるよ。』

ゲームを楽しんでもらうための前準備はしっかりしてるわけか。

友人『まぁ、アライさんを通じて土台を押し込まないといけないから、結構強めに叩かないと判定してくれないんだよ。』

何だか、アライさんの末路が目に見えた。

俺『グロいな。』

友人『その反面、反応が面白いんだけどな。』
146 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:50:12.50 ID:1sz2s3uR0
友人『まぁ、見てろ、って。』

友人はそういうと、会員証をかざした。

ピッ

『ヨウコソ、タノシンデイッテネ』

いつも通りの無機質な音声が流れた。

ウィーン

すると、筒の下からアライさんたちがせり出してきた。
どうやら、この床下にアライさんの補充場所があるみたいだな。

アライさんD1「このっ、解放するのだ!」クネクネ
アライちゃんD1「ほりょけないのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD2「りゃれか、たしゅけるのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD3「からりゃがいたいのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

アライさんたちが筒に収まった。

手前の大きい筒にはアライさんが入って、他の小さいのにはアライちゃんが入る仕組みか。
でも、アライさんたちは統一して同じ方向を見ていない。
アライさんは画面の方を、手前のアライちゃんはアライさんの方を、奥のアライちゃんはプレイヤーの方を見ている。

アライさんD1「チ、チビ達!?」キョロキョロ
アライちゃんD1「おかーしゃん!?」ビクッ
アライちゃんD2「おかーしゃん、たしゅけてほちいのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD3「はやくするのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

どうやら、あのアライさんたちは一家のようだな。

アライさんD1「手が自由に動かないのだ!」クネクネ
アライちゃんD1「はやくするのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD2「アライしゃんのききなのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD3「あしもうごかないのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

『キョクヲエランデネ』

俺『ちなみに、何曲やるんだ?』

友人『アライさんの耐久上、1回だな。』

アライさんD1「そこに誰かいるのだ!?」キョロキョロ
アライちゃんD1「あ、よこにひとしゃんがいるのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD2「おい、アライしゃんをたすけるのりゃ!」クネクネ
アライちゃんD3「ひとしゃんがもってるながいのはなんなのりゃ?」キョトン
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

アライさんは背中を向けているから、こちらの様子が分からないみたいだな。
で、手前のアライちゃんは顔を横に向けて、必死に助けるように命令している。

友人『手前のアライちゃんを叩くことで選択、ペダルを踏むことで決定、って扱いだな。』
147 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:51:49.29 ID:1sz2s3uR0
友人はそう言うと、アライちゃんの頭をスティックで叩き始めた。

アライちゃんD1「あっ、ぐっ、えっ、ぴっ、」ビクンビクン

アライさんD1「チビ! しっかりするのだ!」クネクネ
アライちゃんD2「おねーちゃん、だいじょうぶなのりゃ!?」クネクネ
アライちゃんD3「ひとしゃん、もうやめるのりゃ!」ブルブル
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

友人『あ、行き過ぎた。』

アライちゃんD2「のっ、べっ、」ビクンビクン

アライさんD1「あぁ、こっちのチビも、しっかりするのだ!」クネクネ
アライちゃんD3「こわいのりゃ!」ブルブル
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

友人『よし、これだな。』

友人は曲が決まったのか、ペダルに足を乗せて踏み込んだ。

ズン

アライさんD1「ぐえっ!」ゴホッ

アライちゃんD1「あ...」ピクピク
アライちゃんD2「の...」ピクピク
アライちゃんD3「おかーしゃん!?」ビクッ
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

筒に穴が空いていたのは、ペダルを踏んだ時にアライさんのお腹を叩くためのようだな。
接地面が小さいから、衝撃がヤバそうだけど。
148 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:53:00.80 ID:1sz2s3uR0
『ナンイドヲエランデネ』

初期設定は「ふつう」なのか。
左に「かんたん」、右に「むずかしい」「おに」があるな。

友人は、アライちゃんの頭をスティックで叩いた。

アライちゃんD2「ほっ、えっ!」ビクンビクン

アライさんD1「お腹が痛いのだ!」クネクネ
アライちゃんD1「お、か...」ピクピク
アライちゃんD3「もうやめるのりゃ!」ブルブル
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

友人は「おに」で演奏するみたいだな。

ズン

アライさんD1「ぐえっ!」ゴホッ

アライちゃんD1「しゃ...」ピクピク
アライちゃんD2「も...」ピクピク
アライちゃんD3「もういやなのりゃ!」ブルブル
アライちゃんD4「のりゃーーーーーーん!!」ビエーン

俺『この時点で、だいぶエグいな...』

友人『こっからだよ。』

『レッツ、プレイ』
149 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:55:23.14 ID:1sz2s3uR0
曲が始まった。

友人は、落ちてくるマークに合わせて、アライさん一家を叩き始めた。

アライさんD1「いっ、かっ、ぐぇっ、ごっ、だっ、」ビクンビクン
アライちゃんD1「しゃっ、んっ、ぴっ、げっ、はっ、」ビクンビクン
アライちゃんD2「あっ、ぐっ、えっ、ぴっ、ほっ、」ビクンビクン
アライちゃんD3「ひっ、やっ、おっ、げっ、ばっ、」ビクンビクン
アライちゃんD4「のっ、りゃっ、りゃっ、りゃっ、りゃっ、」ビクンビクン

さすがは「おに」だな。
叩く数が多い。

でも、友人はそれをノーミスでこなしていく。

アライさんD1「こっ、にっ、ぐぇっ、げぇっ、はっ、」ビクンビクン
アライちゃんD1「たっ、しゅっ、のっ、ぴっ、しゃっ、」ビクンビクン
アライちゃんD2「おっ、えっ、のっ、いっ、けっ、」ビクンビクン
アライちゃんD3「りっ、りゃっ、けっ、もっ、やっ、」ビクンビクン
アライちゃんD4「のっ、りゃっ、りゃっ、りゃっ、りゃっ、」ビクンビクン
150 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 22:59:27.44 ID:1sz2s3uR0
確かこいつ、高校時代に「軽音部」に入ってドラムを担当していた、って言ってたっけな。

しかも、運動神経も悪くない、って話だし。
小、中と「バスケ部」って話だったよな?
今でも、休日は朝にランニングを欠かさずにしてるみたいだし。

頭もいい方で、高校の模試は全国50位以内に入ってた、って聞いたことがある。
たしか、国語は全国1位を取ったことがある、っていうのも人伝で聞いたぞ。

で、顔もイケメンだろ?

文武両道、才色兼備、ってまさにこいつのことだな。
しかも、こんだけの才能を自慢しないのがスゲェよな。
人が噂程度に話してたのを確認したら、その時に認めてたっけ。

あいつ曰く、自慢することでもないから黙ってた、だったし。
すげぇわ。

でも、何で彼女がいないんだろうな。
不思議だわ。
151 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 23:00:44.97 ID:1sz2s3uR0
友人『っし、と。』

あ、友人のことを考えてたら、曲が終わってた。

『セイセキハッピョウ』

画面に、スコアが映し出される。
結果は、ノーミスだった。

友人『いやぁ、腕は鈍ってないみたいだな。』

俺『すげぇな。』

俺は視界の端に入り込んできたアライさん一家が気になり、そっちを見てみた。

俺『うっ!』

想像以上だった。

アライさんD1「の...」ピクピク
アライちゃんD1「...」シーン
アライちゃんD2「...」シーン
アライちゃんD3「...」シーン
アライちゃんD4「...」シーン

アライさんは辛うじて意識があるものの、全員頭が割れて脳髄が飛び出していた。
しかも、目や鼻、口からは血を流していた。

吐きそうになったが、辛うじて踏みとどまった。

俺『これは、キツイな...』

友人『まぁ、初めての奴にはキツいかもな。』

友人はスティックを台に戻すと、俺の背中をさすった。

俺『ここに、いる奴らは、猟奇、的な、奴ら、ばかりな、のか?』

俺は途切れ途切れになりながらも、友人に尋ねてみた。

友人『そうじゃなきゃ、こんなところに来ないだろうな。』

俺『そっか...』

俺の気分が回復するまで、しばらく休むことにした。
152 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 23:03:16.12 ID:1sz2s3uR0
今回はここまで

>>85 のアイディアをドラムに変えて、書きました。
直接触るのは抵抗があったので...
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 23:18:46.07 ID:NhfJh9QIo

宝石娘は時限とかVIPとか課金圧モリモリでヤバそうですね
お花に戻ります
154 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/19(木) 23:33:15.63 ID:1sz2s3uR0
>>153
???
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 10:41:16.00 ID:B9i3nI170
乙です。次のゲームも楽しみです
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 13:00:29.87 ID:uSxjaMjGO
乙。採用ありがとう
思ってたより血なまぐさくなってて素晴らしい
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 15:18:28.33 ID:+uJCMl1d0
やべえリズムゲームだな・・・乙
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 17:43:31.26 ID:6ipkOf6SO
乙 面白いアイディアだった
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/20(金) 18:00:57.06 ID:sg5BY9IoO
曲選ぶとこすき
160 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:43:55.46 ID:QUC7E5240
<アライハンマー>

俺の気分が回復するのを待ったのち、俺たちは移動を再開していた。

俺『あれはかなりヤバかったな。』

友人『まぁ、初めてだし、仕方ないわな。』

俺の中には、まだアライさんを「ヒト」として見ている感覚があるのかもしれない。
そのためか、まだ受け付けられなかった。

俺『流石にあれ以上のグロはねぇよな。』

友人『えぇっと...、んー、あるな。』

俺『マジか...』

友人『えぇーっと、あ! あれだ。』

友人が指差す先には、まだ見たことのないものがあった。
俺たちは、そこを目指して歩き出した。
161 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:44:55.19 ID:QUC7E5240
友人『そうそう、これこれ。』

辿り着いた先には、ハンマーが用意されていた。
そして、「PUSH」と書かれた円柱のものがある。

俺『このハンマーで、ここを叩くのか?』

友人『正解。』

俺『こんなの見たことないな。』

俺は、周りを見渡してみた。

叩く場所の奥には、筒が横方向に10本立てられていた。
厳密にいえば、四角柱かな?

筒の裏に回り込んでみると、丸鋸が用意されているのが分かった。
ただ、安全のためか、そこまで立ち入ることが出来ないようになっていた。

丸鋸の半径は、筒の直径と同じくらいになっているみたいだ。

俺『で、これ何?』

友人『ハンマーゲームだよ。 知らない?』

俺は首を横に振った。

友人『ハンマーで叩いた力によって、丸鋸が筒を切断する仕組み。』

俺『てことは、この筒にはアライさんがセットされるってわけか...』

友人『そういうこと。』

友人はそう言うと、設備の前に立った。

俺『やるんだ...』

友人『百聞は一見に如かず、ってね。』

俺『はいはい。』
162 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:48:25.45 ID:QUC7E5240
ピッ

『ヨウコソ、タノシンデイッテネ』

何だろう?
この機械音を聞くと、苛立つようになってきたぞ。

それが何でなのかは分からないけど。

ウィーン

筒の中からアライさんが出てくるかのように、セットされた。
どうやら、これもセッティングの部屋が下にあるようだ。

アライさんE1「は、離すのだ!」クネクネ
アライさんE2「チビに会わせるのだ!」クネクネ
アライさんE3「手が動かせないのだ!」クネクネ
アライさんE4「アライさんの危機なのだ!」クネクネ
アライさんE5「どうしてこんな目に合わなければいけないのだ!」クネクネ
アライさんE6「アライさんを元の場所に返すのだ!」クネクネ
アライさんE7「アライさんを閉じ込めるなんて、酷いのだ!」クネクネ
アライさんE8「誰か、アライさんを助けるのだ!」クネクネ
アライさんE9「チビーーー!!」クネクネ
アライさんE10「ア、アライさんがたくさんいるのだ!」ビクッ

出てきたアライさんは丸鋸がある方向、プレイヤーから見て左側、を見ていた。

俺『何だか、体をクネらせてるんだが。』

友人『あぁ、これな、足を固定されえてるから、こんな動きになるんだよ。』

俺『そういえば、アライドラムの時もそうだったか。』

『チャレンジカイシダヨ』

俺『そう言えば、これは何回やるんだよ。』

友人『1回だな。』

俺は少ないな、と思ってしまったのと同時に、そう考えてしまった嫌悪感にも襲われた。

アライさんE1「そこに誰かいるのだ!?」クネクネ
アライさんE2「ここからじゃ見えないのだ!」クネクネ
アライさんE3「どうにもならないのだ!」クネクネ
アライさんE4「お前たち、うるさいのだ!」クネクネ
アライさんE5「手が動けば、どうにかなるのだ!」クネクネ
アライさんE6「横にヒトがいるのだ!」クネクネ
アライさんE7「おい、そこのヒト! アライさんを助けるのだ!」クネクネ
アライさんE8「早くするのだ!」クネクネ
アライさんE9「チビ達に会わせるのだ!!」クネクネ
アライさんE10「誰でもいいから、助けるのだ!」クネクネ

アライさんたちはこちらに気付いたようで、思い思いに言葉を発していた。
163 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:49:31.48 ID:QUC7E5240
友人『それじゃあ、行くぞ。』

友人はそれを無視して、ハンマーを担ぎ上げた。

友人『おっりゃ!』

ブゥン

ガン

友人が振り下ろしたハンマーが「PUSH」と書かれた円柱にヒットした。

プン プン プン プン プン プン プン プン

それに反応するようにアライさんの入った筒の上部が光った。
全部で8か所光っている。

アライさんE1「何か、光っているのだ!」ビクッ
アライさんE2「何が起きたのだ!?」ビクッ
アライさんE3「これは、アライさんを称える光に違いないのだ!」ピカピカガイジガオ
アライさんE4「称える、ってどういう意味なのだ!?」キョトン
アライさんE5「そんなことどうでもいいのだ!」クネクネ
アライさんE6「どうして、ヒトは助けてくれないのだ!?」クネクネ
アライさんE7「早く、アライさんを助けるのだ!」クネクネ
アライさんE8「何で光ってるのだ!?」ビクッ
アライさんE9「ここは光ってないのだ!」クネクネ
アライさんE10「何が起きているのだ!?」クネクネ

キュイィィィン

やがて、丸鋸が回り始めた。

俺『あぁ、またグロいことが始まるのか...』

友人『嫌なら、後ろを向いてろよ。』

俺『いや、それは無理だな。』

なぜなら、後ろにはアライキャッチャーが見えるからだ。
しかも誰かがプレイ中のようだ。

あっちも十分見ていられない代物だ。

どっちがマシとか、考えたくない。
164 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:50:56.72 ID:QUC7E5240
アライさんE1「ぎゃあああぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクンビクン

俺が考え事をしている間に、切断が始まっているようだった。

アライさんE2「何が、ぎゃあああぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE3「いきなり叫んで、どえぇぇぇえぇぇえぇぇぇ!!!」ビクンビクン
アライさんE4「アライさんの質問に答え、ぎゅるるるるるるるるぅぅるるぅぅう!!!」ビクンビクン
アライさんE5「お前たち、さっきからうるさ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE6「おい、早くアライさんをたすけるの、だあああぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE7「何なのだ!? 前のアライさんたちが叫んでこわ、ぎいいいぃぃいぃぃぃいぃぃいぃ!!!」ビクンビクン
アライさんE8「何が起きているのだ!? 分からないのだ! もうここ、があああぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE9「いきなり叫んでどうしたのだ!?」ビクッ
アライさんE10「どうしたのだ!? 何が起きているのだ!?」ビクッ

光っていた場所までのアライさんが全て切断されたようだ。

筒をよく見ると、足元が見えるようになっていた。
切断されていないアライさんの足元を見ると、友人の言う通り、足が固定されているのが分かった。

一方、切断されたアライさんの方を見てみると、足元が真っ赤に染まり、どういう状況なのかが分からなかった。
だが、所々に真っ赤に染まった手のようなものが落ちている。
そう言うことなんだな、と深く考えないように努めた。

アライさんE1「ぎゃあああぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE2「はあああぁあぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE3「いぃぃぃぃたいぃぃぃぃぃぃぃいぃぃ!!!」ビクンビクン
アライさんE4「ぎゅるるるるるるるるぅぅるるぅぅう!!!」ビクンビクン
アライさんE5「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE6「だあああぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE7「ひいいいぃぃいぃぃぃいぃぃいぃ!!!」ビクンビクン
アライさんE8「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁ!!!」ビクンビクン
アライさんE9「もう、許してほしいのだ!」ビエーン
アライさんE10「何でもするから、アライさんを助けてほしいのだ!」ビエーン

切断されたアライさんは、激しい断末魔を発し、痛みに苦しんでいるようだった。
そして、残されたアライさんはその状況に恐怖し、命乞いをしていた。

『アソンデクレテアリガトウ』

ウィーン

あの機械音と共に、アライさんたちは下がっていった。
下がっていくときも、あの叫び声を発していたのが強烈だった。

『バイバイ、マタネ』
165 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:54:09.30 ID:QUC7E5240
俺『そういえば、何で1回だけだったんだ?』

俺は疑問に思ったことを聞いてみた。

友人『あれな、メンテが大変らしくて、プレイ回数1回に下げたんだと。』

俺『そうなんだ。』

俺から聞いておきながら、素っ気ない返事をしてしまった。

友人『で、どうだったよ?』

俺『俺、今日は眠れないかもしれない。』

友人『どうして?』

俺『あの断末魔が衝撃的過ぎた。』

俺のテンションは、最低値に達していた。

友人『一旦、ここから出るか。』

俺『案内は終わりか?』

友人『このエリアのアトラクションは一通り見せたからな。』

俺『そうなんだ。』

俺たちは外に出ることにした。
166 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/21(土) 23:54:53.89 ID:QUC7E5240
外に出てきた俺たちは、無線機と耳栓を外した。

俺「外に出てくると、中の声は聞こえないんだな。」

友人「まぁ、防音になってるからな。」

俺は、今まで疑問に思っていたことを聞いてみることにした。

俺「お前、ここのことについて詳しすぎじゃね?」

友人は少し考えたのち、こう話した。

友人「アライさんの引き渡し時に、色々と話を聞いたりしてたからかな。」

俺「あ、そ。」

友人「少し休んだら、別のエリアに移動するか。」

俺「だったら、軽めのものがいいな。」

友人「オッケー。」

俺たちは休憩所に向かうことにした。
167 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/22(日) 00:02:52.71 ID:9+VtQWBm0
今回はここまで。

今回のは、>>88 の案を改良して書き上げました。
168 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/22(日) 00:03:30.25 ID:9+VtQWBm0
提案していただいた、他のものについて少し触れておきます。

>>79
競馬ゲームは、似たようなものを他のエリアで使う予定だったため、カットしました。
メダルゲームは仕組みが色々と大変そうだったので、カットしました。

>>80 >>82
格闘ゲームは、コストとか仕組みが大変そうだったため、カットしました。

>>81
このアイディアは別のエリアで使用させていただこうと思います。

>>83
これもコスト面や係員の負担のことを考えて、カットしました。

>>84 >>87
これらは、当初の案から別のエリアで使用する予定だったため、カットしました。
169 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/22(日) 00:05:12.67 ID:9+VtQWBm0
これにて、【ゲーセンエリア】の紹介は終了です。

今回書いたゲームの中で、どれをやってみたいと思いましたか?

<今回のゲーム一覧>
アライバスケ
アライ叩き
アライキャッチャー
アライホッケー
アライパンチ
アライピンボール
アライハンマー
アライドラム
アライ引き
170 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/22(日) 00:06:52.37 ID:9+VtQWBm0
あと、次のエリア紹介はどこがいいですか?

スポーツエリア
レーシングエリア
ショーエリア
ふれあい広場
フードコート

時間を設けて、意見の多かったエリアから紹介しようと思います。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 00:13:29.61 ID:ydOEg77yO
乙です
ふれあい広場に一票!
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 00:20:27.22 ID:ubNm0cgCo
1匹をじっくり丁寧に痛めつけるのはどれだろ
ふれあい広場かな
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 00:42:27.37 ID:itef/GTOo
ショーエリアで
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 00:58:09.52 ID:1QJsIVclO
>>170
触れあい広場かな?
可愛いアライちゃんたちと触れあえると想像すると心が癒されるよ
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 02:36:36.49 ID:ifnKZg/q0
乙です。パンチゲームと今回のハンマーはやってみたいですね
次はふれあい広場を見てみたいです
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 20:35:49.89 ID:e8ivKJlg0
>>169
どれもやってみたいです

>>170
これもどのエリアも見てみたいので、お任せします

いやぁ〜アラ虐派たちの楽園過ぎだなアライパーク
実際に行ってみてアライさんを楽しく遊んでみたい、乙です
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 20:40:10.24 ID:e8ivKJlg0
>>169
どれもやってみたいです

>>170
これもどのエリアも見てみたいのでお任せしますが、
フードコートはやっぱり、アラジビ料理を振舞うコーナーかな?

いやぁ〜アラ虐派たちの楽園過ぎだなアライパーク
実際に行ってみてアライさんを楽しく遊んでみたい、乙です
178 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/23(月) 22:56:18.86 ID:Uf1Ahb3y0
GWに入る前ぐらいまでをアンケート期間にしようと思いますが、長いですか?
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/23(月) 23:08:18.75 ID:Ue2tkPyz0
いや、その辺は作者さんの自由で良いと思う
色々とネタを充実したいのなら一定の期間は休んでも良いですし
180 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/24(火) 23:08:12.97 ID:xwmkodjS0
一先ず、4/25(水) 23:59 までアンケートを受け付けます。
それを元に次の話を書きます。

よろしくお願いします。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 23:31:54.90 ID:GJtni+Jn0
キャッチャーやアライ引きみたいな精神的に追い詰める系がとても良かったです!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 00:06:31.10 ID:HhXzmw22o
次はふれあいで決定か……?
183 : ◆/87jeglEwfUL [saga]:2018/04/26(木) 19:44:59.61 ID:BqcN3xYo0
次回のエリアは、【ふれあい広場】でいきます。

【スポーツエリア】って意見が無くて、意外でした。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 22:06:48.38 ID:7LFmCm7Z0
今までの催し物がスポーツ要素があったからなあ・・・
ある意味予想がつかないのがふれあい広場
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