アライさんは神様が守ってくれるのだ

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1 : ◆yWlv.1MHkTeb [sage]:2018/04/09(月) 03:20:45.08 ID:zEdVITQb0
アライさんだって生きているのだ。だから神様はアライさんもきっと見てくれているのだ
2 : ◆yWlv.1MHkTeb [sage]:2018/04/09(月) 03:21:41.15 ID:zEdVITQb0
NF(ニューフレンズ)部隊快進撃。第54戦車中隊、反政府軍を要地から排除
NF開発所、再利用部門の所長に元戦闘NF部門部長が就任。実質の左遷との声も
お手伝いアライさん育成校、新校舎設立。エリアの野良アライさんの更生に期待

バイト「うちの都市に新所長来るみたいっすね」
店長「みたいだな。この地区に配属されたってことは出世はのぞめないな」

店の外の電光掲示板に表示されるニュースを見ながら、茶髪の青年と大柄の中年男性がレジの内側にある椅子に座ったまま雑談をしている。
この地区は治安が良くない。このコンビニに強盗が来たことも一度や二度ではない。
そのためこの町の商店のレジは防弾のアクリル板に守られ、レジの下には金属バット、景気の良い店には銃が置かれている。

バイト「高校卒業したら、この街離れて、治安の良い街に行きたいっす」
店長「じゃあタバコ止めないとな。治安の良い街はそういうのうるさいぞ」
バイト「そーっすねぇ。タバコ代も馬鹿にならねーです」

今日は客も少なく新しい商品のトラックが来るのは4時間後。二人が座りながらだらだらと雑談をしていると、入店のチャイムが鳴り扉が開いた。

バイト「いらっしゃ・・・あっ」

バイトがチャイムに反応してマニュアル通りの挨拶をした。が、入ってきたのは人間ではなかった。

アライさん「チビ達!いくのだ!」
アライしゃん1「のだぁあああああ!」
アライしゃん2「アライしゃんはおかずをねらうのだあああ」
アライしゃん3「スナックおかしは臭くてくえないのだ!チョコレートをねこそぎ頂くのだ!」
アライちゃん「うりゅううう、ありゃいしゃんもおべんとうをねらいたいのりゃあああ」
アライさん「ちっちゃいチビ!わがまま言わないのだ!チームワークを乱さないのだ!ちっちゃいチビはジュースを持って行くのだ!」

そう言いながらアライさんは両手いっぱいに弁当を抱えると、外に逃げようと踵を返していた。あるアライしゃんはおかずを、あるアライしゃんはチョコレート菓子を、
家族がバラバラに食料を万引きしようとしている。

バイト「あっこの!待てや!」

青年がアライさんを捕まえようと金属バットを持ってレジから出ようとするが、侵入しにくいレジというのは出るのも時間がかかる。青年が鍵のかかった扉を開けて外に出る頃には、
アライさんと二匹のアライしゃんは逃亡。最期の大量のおにぎりを備え付けの買い物かごに満載したアライしゃんは店の扉を開けたところだった。

バイト「クソッ!お前は逃がすかよ!」
アライしゃん「うすのろなーのだ」

カァン!

バットは空を切り店の床を叩いただけだった。
青年は店内に目を向ける。
3 : ◆yWlv.1MHkTeb [sage]:2018/04/09(月) 03:22:17.78 ID:zEdVITQb0
アライちゃん「おもいのりゃ・・・うんしょ・・・うう・・・うんしょ・・・あっおとしてしまったのりゃ」

両手に1リットルペットボトルを8本抱えたアライちゃんがまごまごしていた。飲料は店の一番奥でさらに店にある物の中で重い部類だ。アライちゃんが迅速に逃げられるはずはない。つまりはそういうことだ。

青年「捕まえた!」

青年はアライちゃんを両手で持ち上げた。このアライちゃんの身長は90センチ程。アライしゃんになるにはまだかかる位か。

アライちゃん「はなしゅのりゃあああ。ありゃいしゃんをはーなすのりゃあああ」
バイト「痛っ!この野郎引っ掻きやがったな!」

青年の膝がアライちゃんの腹にめり込む。アライちゃんは未練がましく持っていたペットボトルを取り落とすと地面に倒れ、咳き込みながらくの字になった。

アライちゃん「うぶぅううう、うぶっぶ、いだいのりゃぁ…」
青年「うっせぇ!誰が片付けると思ってんだ!ああ?」
アライちゃん「ぶびぃいい」

青年の強烈な蹴りがアライちゃんの顔面に叩き込まれ、アライちゃんは床を滑り本棚にぶつかった。

店長「まぁまぁヨシ君落ち着け。アライさん被害はエリアの駆除業者に連絡すれば良い。それにアライさんが持って行ける数なんてしれている。盗難保険で賄える」

店長は金属バットを拾い上げると、本棚の下で頭を抱えてうずくまっているアライちゃんの目の前にしゃがみ込んだ。そして穏やかな口調で話しかける。

店長「キミのお母さん達はどこにいるのかな?おうちは何処かな?」

アライちゃんは顔を上げると鼻血まみれの顔で店長をにらみ付けた。

アライちゃん「おかーしゃんに、わるいひとしゃんにおうちをおしえてはいけないって言われてるのりゃ!」
店長「そうか…仕方ない。他のアライさん家族にここは狙い目と思われてはいけないし」

店長は立ち上がり、金属バットを大きく振りかぶった。とっさにアライちゃんは両手をクロスして上にかざした

ボキィ ガァン ガァン

アライちゃん「あががああああああ、おっ・・・おっ・・・おおおおが」

金属バットはクロスしたアライちゃんの両腕を容易く折り、その手首は床とバットにサンドされ砕け散った。

アライちゃん「あ…ありゃ・・・うで・・・うで・・・しろいぼうが・・・おげぇえええ」

痛みで嘔吐をするアライちゃん。しかし嘔吐物は少なくほとんどが胃液だった。

ヨシ君「うわっ汚っ!掃除すんの俺っすか?」
店長「ははっ、掃除は私がするさ。[ピーーー]と連絡が面倒だしこのアライちゃんの顔をもう2,3発やってから表の通りに投げておいてくれ」
ヨシ君「了解っす。おらいくぞ」
アライちゃん「あああびぇええええはーなじで・・・はなじでのりゃああ」

青年はアライちゃんの尻尾をつかむとそのまま持ち上げると店の外に出た。外は暖かくて気持ちが良い天気だ。

ヨシ君「もう二度とくんなよ!殴れって言われたけどフライドチキン揚げる前にそんな鼻血まみれの顔殴りたくねぇよ」
アライちゃん「のりゃっ」

青年はアライちゃんを投げ捨てると店の中に戻って行った。顔面から地面に投げつけられたアライちゃんはしばらくそのままうめいていたが、
やがて立ち上がり。グニャグニャになった両手をだらりと下げたままフラフラと歩き始めた。


アライさん以外のフレンズはサンドスターで偶発的に生まれる。だがアライさんだけは子供を産むことでもその数を増やすことができる。
どうしてアライさんだけがそうなのか。そんなことは誰にも解らない。ただアライさんは増え続けた。そして人々に害を成すようになった。
戦いがあった。アライさんを駆除する。アライさんを飼い慣らす。アライさんが来ることができないように対策する。
その果てにこの街はアライさんは害を成せば駆除をするが、積極的に殺しはしないと決めたのだ。
ただこの街は恵まれている。アライさんの駆除を街が請け負っているし、なにより

NF開発所があるのだから



鼻血にまみれ、両腕を砕かれたアライちゃんはフラフラとさまよっていた。自分はおとりにされた。頭の悪いアライちゃんでもなんとなくそう気付いた。
だから家に帰っても自分には居場所は無い。

アライちゃん「ちゅかれたのだ・・・よいちょ」

ガードレールの支柱に背をあずけてアライちゃんはうなだれた。帰る場所も無く、両腕は動かないしとても痛い。たぶん自分はこのまま死んでしまうだろう。
たとえ血が止まっても、自然に腕が元通りになることはない。

アライちゃん「けじゅくろいすりゅのりゃ・・・」

しっぽを自分の前に出し両手を上げようとするが折れた両手は動かない。それでも痛みに耐えながらぎこちなくしっぽを整えようとする。
しかしそれは両腕の血をしっぽになすりつけるだけに終わった。

アライちゃん「おかーしゃん」
4 : ◆yWlv.1MHkTeb [sage]:2018/04/09(月) 03:22:50.24 ID:zEdVITQb0
その時、頭上から穏やかで、そして柔らかい少女の声がした。

「あら…あらあら。怪我をしているのね」
アライちゃん「のりゃ?」

アライちゃんは頭を上げる。その視線の先には優しむ微笑む青い目の少女が居た。
身長はかなり低い。140センチにも届いていないだろう。
年齢は10歳前後に見えるがその仕草や笑顔に少女のあどけなさは全く無い。
上下が一体化したロングスカートで紺色の修道服を着た、その細身の少女は笑顔を崩さないままアライさんに言葉を投げる。

修道服を着た少女「怪我の具合はどうかしら。あら、ひどい。よいしょっと…」
アライちゃん「のりゃ?」

少女はポケットからスプレーを取り出すとアライちゃんの両手に吹きかけた。

アライちゃん「いいぃしみりゅのりゃあああ」
修道服を着た少女「あら、あらあら。ごめんなさい。でもこれで血は止まるはずよ?その両腕はどうしたのかしら?」
アライちゃん「おかーしゃんやおねーしゃんたちとこんびににいったのりゃ・・・でもあらいしゃんはてんいんさんにつかまったのりゃ」
修道服を着た少女「可愛そうに、お腹が空いていたのですね。丁度パンを買っているのです・・・が、その手では一人では無理そうですね」

少女はしばらく思案すると、何かを思いついたのか手を合わせた。

修道服を着た少女「そうだ、あなたの家族の住んでいる場所にまず行きましょう。そうして貴方を病院に連れて行って良いか聞くのです」
アライちゃん「ありゃいしゃんはみすてられたのりゃ・・・かえれないのりゃ」

そう言って血まみれのしっぽをなんとか動くようになった両手でなでながら暗い顔でつぶやくアライちゃんに、少女は微笑んだまま返す。

修道服を着た少女「あら、あらあら。大丈夫ですよ。家族の愛は尽きないもの。それに私は食料を持っています。それをあなたの手柄にしてしまえば良いのです。きっと家族も喜んでくれるでしょう」
アライちゃん「え?いいのりゃ?ひとしゃん」

スプレーの効果なのか、それとも突然やって来た幸運のおかげか、アライちゃんは腕の痛みを忘れて笑顔になった。
少女はアライさんの笑顔を見て、人差し指を立てた。

アネモネ「私の名前はアネモネと言います。ですが皆さんは私をシスターと呼んでくださいます。うふふ、これでも成人した立派な大人ですよ?」
アライちゃん「ししゅたー・・・あぬぇも・・・あにゃもにゃ・・・ししゅたーしゃん」
アネモネ「ではアライ・・・ちゃんかしら?あなたのおうちは何処かしら?これから貴女を救うお許しを頂きに行きましょう」
アライちゃん「のりゃ!ししゅたーしゃんはいいひとなのりゃ!とくべちゅにおうちをおしえるのりゃ」
アネモネ「ええ、ええそうでしょうか。私は皆様をお救いするのが役目なのです。これくらいお安い御用。では車を呼びますね。その怪我ではそちらの方が良いでしょう」

少女は微笑んだまま携帯電話を取り出すとどこかに電話をかけはじめた。

アライちゃん「ふふふ・・・おかーしゃんやおねーしゃんとまたくりゃせるのりゃ」

アライちゃんはこのシスターの笑顔に釣られてだんだん元気が出てきた。彼女の微笑みは、そう、とても幸せそうなのだ。彼女はとても幸せそうに見えるのだ。
その心底幸せそうな表情のおかげで、アライちゃんは生きる気力をまた掴み取ることができたのだ。
しっぽに付いた血も乾き始めた。この腕が治ったらこのしっぽを綺麗にしよう。疲れが限界を迎えたアライちゃんはそう夢見ながら、しずかに眠りに落ちた。


5 : ◆yWlv.1MHkTeb [sage]:2018/04/09(月) 03:23:26.83 ID:zEdVITQb0
今日はここまで
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 06:17:59.52 ID:QRpv7N+80
乙です。また新たなアラ虐が誕生して嬉しい
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 06:50:13.46 ID:EXhhInVg0
新作キター!
勢いが戻ってきたな!
応援してます
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 06:54:55.14 ID:yrYu3uNZO

弱いなりに必死で生きてるアライちゃん可愛い
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 13:04:37.50 ID:1CrM4xKlO

レジ内にはせめてボウガンくらいは必要だな
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