王馬「Death end re:Quest」

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48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 07:15:22.23 ID:ayDenbHKO
ナイフ
49 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 11:32:48.55 ID:LHlwjsmi0

>>47 安価は自由なやつより選択式の方が多くなります。元より間違った選択肢選ぶと死ぬスレですので…。選択肢出せる場面では選択肢出す予定です、でも選択肢思い付かなかったら自由安価になったりするよ、っていう。

↓元ネタ(デスリク)公式サイト、リンク張れてるかな
http://www.compileheart.com/derq/

>>1にも書いてるけどもうちょっと詳しく書くと、Death end re:Questはバグったゲーム世界(ワールド・オデッセイ)からログアウトしようとしても出来なくなっちゃったので"エンディングログアウト"を目指して"空中都市オデュッセイア"に向かう話です。主人公は現実世界にいるプログラマー(水梨新)で、1年前に失踪したディレクター(二ノ宮しいな)がゲーム世界にいるのを見つけて外部・内部の両方からゲーム世界を攻略することになるのですが………結末は自分でご確認下さい。

なおこのスレはデスリクのパロディですがこうなった原因とかは色々違います。故にデスリクと設定が違うところがあったりしますがそこはお許しください。

あとですね、ここから先絵面が凄いことになります。是非想像して楽しんでください。嘔吐表現が途中で入りますので注意。わりとガッツリ入りますので無理な人は読み飛ばしてね。

それと…まぁ、はい。オリキャラがガッツリ出てくる時がありますが、既にアルトとかいう奴が出て来てる時点でお察しって感じですね。ストーリー上必要なので出してますが、オリキャラ苦手!って人は全力で逃げて、うん。あとその内だけどこのスレでのDICEメンバー安価とか赤松ちゃんの妹安価とかあるかもしれないというかそのうち出します。

とか注意事項置いておきますが絶賛書き溜め中につき更新はお昼過ぎる。
50 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:39:26.94 ID:eC3ICFPU0
>>47>>48 サソリ/ナイフ
※文字数6000越えだって。10レスぐらい描写続くよ。…あ、あれ…?私、描写に力入れすぎ…?
ところで今日暑くないですか?シャワー浴びてきたい


王馬「…いや」

王馬「いやいやいや…」

春川「…何?」

王馬「エッッッ何その服!!?いや服なの!??服じゃないよねッ!!??ストリップでもしてたの!?!?いやそれほぼ全裸だよね!?!?露出狂!?!?」

春川「うるさいッ…!!殺されたいのッッ!?」

バグゥ・スコルピオ『キヒヒヒヒヒヒッ!!』

王馬が声を荒げるのも無理はない。何故なら目の前にいる少女はほぼ全裸……隠すべきところ(+α)しか隠していない、言わば半裸の状態で立っているのである。

正直言って言葉で説明するのも難しい。∫のような形をした模様のようなものが肌に張り付いているかのように先端部分で胸の先を隠しているとでも言えばいいのだろうか。下はと言うと同じような模様のようなものの短いやつが腰の両サイドについていて、その下に黒のサイドストリングスのTバックを履いているような感じだ。更に両足の太股に赤と黒が混ざり続けているような色の線がガーターベルトのように、足首には5cm程の太さで刻まれている。

また、王馬と同じように一本の尻尾が生えている。しかし春川に生えたそれは王馬のつるりとした細長い円錐のような物ではなく、細長い球体が4つ5つと列なっているような物である。先端は勾玉に似たような形になっており、先に先にと行くと薄く細く鋭い針が見える。その色は黒いが、所々赤く発光する模様が刻まれている。

…よく見れば、こんな格好をしている本人は顔が赤くなっている上に微かに震えている。貴重な姿である。
51 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:40:23.40 ID:eC3ICFPU0
しかし恥ずかしくなるのは当然だろう、いくら廃れてきているとはいえここは王宮。それにいくら知り合いとはいえこんな格好を見られたくない男No.1であろう者がいるのだ。…その男も顔が赤くなっているが、むしろ今の状況で顔色を赤く染めるなという方が無理だろう。

そしてこの状況下で唯一楽しそうにしているそれは二重丸のような目にまるで縫い付けられたかのような口を持った黒と赤のツートンカラーの球体で、丸っこい鋏が二つ付いているとでも言うべきだろうか、サソリから頭から下をもぎ取ったのような見た目をしており、春川の横でフワフワと浮いている。時々春川の周りを一周したり、春川を気遣っているのか顔を覗き込むような動作を見せている。

春川「別に…!!私は好きでこんな服装してるわけじゃないから…!!!」

王馬「っ……わかった、けど……目のやりどころに困るんだけど!?ねえオレ何処に目を向ければいいの!?」

春川「アンタのことなんて知らないっ…!!」

王馬「うわっ…ちょっ、あっぶな!!」

まるでジロジロ見るなとでも言わんばかりに、尻尾で王馬を突き刺そうとしている。ヒュッ…という音が耳に届いたのは春川と王馬だけだろう。…しかし、こんなところで仲間割れしていいんだろうか。

──ズシンッ!!ズシンッッ!!

突然の大きな足音。さて、こんな質量のある物なんて何処にいたのだろうか。二人は気配を感じ、その場から飛び退いて見た。

他のゲームで例えるならドラゴンとでも言えようか。しかし目の前にいるのは四足歩行で角やら触角やらが生えたナニカである。けれど巨体であることに変わりはなく、天井にまで届きそうな高さがある。3、4mぐらいだろうか?いや、それ以上かもしれない。現実には間違いなく存在しない大きさの生物が、赤い眼光で二人を舐めるように見ていた。
52 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:41:19.99 ID:eC3ICFPU0
王馬「ちょっと…冗談キツいって」

春川「何処から表れたの…?こんな奴が隠れていられる場所なんて、そうないはず………!!」

鋭い爪が生えた手が春川に向かって降り下ろされる。しかしそれは避けられたことで肉を裂くことはなくただ床を抉り、削り取るだけで終わった。

その隙をついて先程より少し離れたところに移動した王馬は、自身の体に違和感を感じていた。

一言で言うなら、苦痛。何かが自身の内部で暴れているような感覚に、体がギリギリと軋むような痛み。あまりの痛さに顔を歪めれば、今度は全身が何かに蝕まれていくような感覚に襲われる。

王馬「ッ……がっ…あぁっ……あっ、ああぁ……」

王馬「──痛い!!!」

王馬「痛いっ!!!う、ああっ!!!あああああああああああッッッ!!!ひっ…ぐっ、ああっ……!!痛いッ……痛いよっ!!!ヤダッ…アッ、アアアアアアアアア!!!!」

…絶叫。いったいその小さな体の何処からそんな声が出るのかは全くの謎であるが、少年の苦しむ声は辺りに響き渡っていた。次の手を出そうとしてたあの怪物も、怪物と面向かっている少女も、その悲鳴を聞いて体が止まっていた。

王馬「あっ……ぐっ…、うぷっ……」

ゴロゴロと体を転がし、床に体を打ち付けてから王馬はその口に手を当てた。体の向きを調え、座り込んだような体勢になった時。ポタリ、指と指の隙間から黒い液体のようなものが垂れる。一見するとただの黒い液体に見えるが、よく見ると010101……という数字の羅列が紫の文字で浮かび上がっては消えを繰り返しているという。あまりにもおかしな光景である。
53 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:41:57.56 ID:eC3ICFPU0
王馬「うっ……ぐっ、ごっ…」

胃の中から何かが上ってくる。文字通り喉の奥が拡げられ、息が詰まる感覚。その口からはベシャベシャと黒い液体が落ち続けており、顔の色は十秒とたたない内に青くなっていた。

王馬「んっ……ぐぅっ……………!!」

王馬「──がぁっ…!!ぐぅ…ゲホッ、う、ああ…あ…」

ベシャッ…!黒い液体と共に、黒い塊が地に落ちる。口の端からはまだ黒い液体が滴り落ちており、床にできた01の羅列が表示されては消えてを繰り返すヘドロのような水溜まりに波紋を作った。

その溜まり場中で、モゾモゾと塊が動いた。バチャリ、細い円錐のようなものを持った球体が水面を叩いて跳ね上がった。

バグゥ・リザード『バッグウゥゥゥーーーーーー!!!』

ゴッ、という鈍い音。なんということだろうか、登場してからまだ数十秒なのにも関わらず王馬の額にクリティカルヒットした。完全出落ちである。

バグゥ・リザード『グウッ……』

王馬「〜〜〜〜〜〜っ!!」

突然飛び出したそれも、突然頭突きを食らわされた王馬もプルプルと体を震わさせている。

しかしそんなことなどお構いなしにと、怪物は既に歩みを進めていた。弱っているなら、弱っている方から。少年に大きな影が被さり、その色が黒に近くなる。爪が鼻先に迫った瞬間、

──ガチンッ…!

王馬「…あ、あれ…?オレ、なんで…?」

バグゥ・リザード『…グッ!』
54 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:42:39.78 ID:eC3ICFPU0
手にはいつの間にか剣が握られており、その剣で怪物の爪を間一髪で防いだというファンタジーでありがちな光景が生まれている。しかし力は怪物の方が上、そりゃそうだ。あの体格差で王馬の方が上なんてことは考えられない。怪物はそのまま剣をへし折ろうと圧力をかけてきており、今にも潰されてしまうんじゃないかという感じである。

ただ、春川は一連の光景を見て何かを察したらしく、何故か怪物の後ろへ回り込んでいた。

ドクリ、心臓の音がいつもより煩い気がする。カーンカーン、自分の頭の奥で何かが警笛を鳴らしている気がする。あくまでも「気がする」、だが、王馬は明らかな異変を感じ取っていた。

王馬「うっ…ぐうっ…!?っ……!!!!」

ザアアアア、と、黒いウィンドウのようにも見えなくはない四角いものが王馬の姿を隠す。怪物が驚きたじろいだが、もう遅い。押されていた剣が怪物を弾き飛ばすの同時に黒い四角は破片となって辺りへ飛び散った。[?エラーが発生しました。]という文字の破片や[汚$ヴェ92,@■▲ぱーSえnT]というめちゃくちゃな文字列になってしまた何が見えたが、これは多分というか汚染度がバグった証拠である。

春川「…逃がさない、【クチージョグリッジ】…!」

怪物が後ろへ弾けとんだ時、それを春川は狙っていた。既に春川は怪物よりも高い所へ飛び上がっており、赤い01の羅列が映る黒いナイフを真上から怪物へ打ち込んでいく。そして、手にしたナイフの刃で怪物をこれまた真上から斜めに斬りつけて見せた。

激しい血飛沫。既に汚れていた床は更に穢れ、元の美しいタイルは赤茶色に塗りつぶされていた。が、しかし。動き出してしまったものは止められない。

王馬「…【メンダシウムグリッジ】」
55 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:43:35.02 ID:eC3ICFPU0
ポツリ、呟いた時には宙が割れていた。そこから黒にも紫にも見える直径30cm以上の球体が怪物へと降り注ぐ。無慈悲なその攻撃は、既に屍となったそれの原型を崩していく。そして終いにと、真上から剣を降り下ろす。

怪物の死体が角材のようになったのは言うまでもない。

入間【おーい、マップデータ持ってきてやったぜ──って、なんだよこれっ!?う、うぷっ…】

とんでもなくシリアスな空間に、間延びした声が悲鳴をあげた。ぽてっ、そんな今の状況とはあまりにも不釣り合いで軽快な音もした。音がした方を見れば、真っ白いクマのアバターが尻餅をついてブルブルと震えていた。

入間【な、なんだよコレぇ……とんだグロ画像じゃねーか……】

音程、話す速度、伝わってくる感情、それら全てがガクガクして定まらないものの聞きなれた声が空気を柔らかくしていく。

春川「…入間?」

王馬「…ううっ、うっ、ぐうっ………うげぇ……」

入間【ああ…?…って、まな板女じゃねーか!?ななななんだよその格好!?!?っていうかツルショタテメーまでなんでそんなっ!!!!】

王馬「えぇ…?……!?えっ!?あッ、エッッ!?!?」

春川「……うわ」

入間に指摘されたことで、王馬は自分の姿を見た。春川もチラリと視線を移し、その姿を見て軽く引き気味の声を漏らした。張本人の王馬はと言うと、あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にし露出した肌を隠すように腕を組ながらペタリとその場に座り込んでしまった。
56 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:44:30.10 ID:eC3ICFPU0
剥き出しになった胸部と腹部は歳相応とは言えないが、見た目相応ではあるだろう。首には紫が混じったような色をした黒い線があり、その線は両方の鎖骨からそれぞれ脇下へと曲線を描いており、丁度背中で弧を描きがら一本の線であると主張している。

左腕は黒く染まり、左腕の付け根辺りに所々紫に発光する線が感覚を開けながらぐるりと一巻き。手首にも同じ線があり、そこから手の甲へ、更に指先へと紫に発光する模様が刻まれている。そして両方の太股の付け根辺りにも左腕の付け根辺りと同じような線が。足首から先も黒く染まり、肌と黒くなった部分の境界にはこれまた同じような線が刻まれている。足の裏も変色しており、手の甲と同じような色になっている。

そして肝心の股間には黒のブーメランパンツを履いている、とでも言えばいいのだろうか。そして心なしか尻尾のサイズが一回り大きくなっているような気がする。

王馬「うげえ…なんだよ、これっ…」

入間【あわわ…(カシャッ)あわわわわ…(カシャカシャカシャカシャカシャカシャッ)】

王馬「ってオイ!そこ写真撮んな!!クソッ、そっち帰ったら覚えてろ!!!」

春川「…で、入間なの?マップデータとかなんとか言ってたけど…」

入間【えっ…あ、ああ……実はその、そこのAVショタに頼まれて…】

王馬「おいクソビッチ」

入間【ひぐっ…!?え、えっと…そこの合法ショタにあったら地味眼鏡が探しやすくなるからって…】

王馬「………その割りには遅かったよね?何してたの?っていうかさっきはそんなアバターなかったと思うんだけど」
57 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:45:11.42 ID:eC3ICFPU0
入間【いや、アバターある方が話しやすいかと思ってだな…簡易的にだが用意してあるやつから直ぐ使えるのを引っ張り出してきたんだよ】

入間【で、これがマップデータだ】

☆スペーディア王宮
1F:正面口、洋室A(空部屋)、洋室B(金)、キャンプ[王宮正面口]
2F:西口(現在地)、洋室C(銀)、洋室D(物置)、武器庫、謁見の間
3F:食堂、キッチン、バルコニー、衣装部屋、キャンプ[王宮3F]≪オクシデント権限により削除:Tdueno≫
4F:王の部屋、王女の部屋、≪オクシデント権限により削除:Tdueno≫

入間【めんどくせーけどよ、なんか変な壁のせいで今いるところから1Fに降りるには4Fまで登って別の階段で降りなきゃならねえ。…それと、この西口は外付け階段で降りるようになってんだけどよ…さっき見たら通れないように誰かが手を加えたみたいなんだ】

春川「誰かが?」

入間【ああ、俺様がマップデータを探している時に作られたみてーだ…】

王馬「…入間ちゃん、この≪オクシデント権限により削除≫って何?ってかTduenoって…ツヅエノって読めばいいの?」

入間【それは俺様もよくわかんねえ…ただ、"オクシデント"については知ってるぜ】

入間【"オクシデント"っつのーは、このゲーム内で運営側のサポートをするために作られたAIなんだよ。Tdueno(ツヅエノ)、Igndnoenu(イグンドノエヌ)、Syuuardo(シュウアード)、Tukyusuodio(ツキュスオディオ)、Akougid(アコウギド)、Guokuzoid(グオクゾイド)の計6機で、全員そっちの世界では"天空神殿オリエント"に行くことができる最高神官って設定になってるんだよ】
58 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:45:47.20 ID:eC3ICFPU0
春川「なんか知らない単語出てきてるんだけど…"天空神殿オリエント"って何?」

入間【ん…?ああ、オリエントはファンタジー・オデッセイで一番最後に辿り着く場所なんだよ。で、プレイヤーはオリエントに辿り着ければエンディングを迎えて、そのままログアウトするっていうシステムがあるぞ。"エンディングログアウト"って呼んでるぜ】

春川「…エンディング、」

王馬「ログアウト…」

王馬「……なんでそんな帰れるかもしれない手段をもっと早く言わないんだよ!!やっぱり入間ちゃんはポンコツだね!!!」

入間【ぽぽぽポンコツゥ!?!?】

春川「…で、その"オクシデント"の奴は何処にいるの?オリエントに行けるってことは、脅したりして言うこと聞かせれば帰れるんだよね?」

バグゥ・スコルピオ『ギッ……!?キッ、キキキキッ…!』

バグゥ・リザード『グッ…!?ググウ、バッグゥー……』

入間【い、いや…何処にいるかは知らねえ。そもそも連絡が取れないからな……っていうか、そこで浮いてるのはなんだよ?見たところ、意思を持って動くバグってところだけどよ…なんでそんな焦ってんだ】

バグゥ・スコルピオ『…ギキィ?』

バグゥ・リザード『…バグゥゥ?』

春川「…今からそんな「?」みたいな顔しても無駄だよ。アンタ達、何か知ってるんでしょ?」
59 :>>1 [saga]:2018/04/22(日) 15:46:52.39 ID:eC3ICFPU0
バグゥ・リザード『バッグゥーー、ググググッグ、グゥーググッグゥー』

王馬「ねー入間ちゃん、翻訳できる?」

入間【無理だな】

バグゥ・スコルピオ『…キシ!キシシ!キッキッキッキッキ!』

王馬「うわこいつ凄い笑ってるじゃん腹立つ」

春川「…はぁ…入間、オクシデントの奴の家とかあったりしない?あるようなら特定して欲しいんだけど」

入間【あー…わかったよ。できる限り探しといてやるよ】

王馬「はぁー…動きたくないけど白銀ちゃん探しに行こっか。正直言って白銀ちゃんに会ったときとかヤバそうだけど深く考えないで行こーっと…」

王馬「で、何処行く春川ちゃん?白銀ちゃんが凄く居そうな場所が見えるんだけど」

春川「案外王女の部屋とかにもいそうな感じはあるけどね」


◆どこに行こうか?直下
┠2F:西口洋室C(銀)、洋室D(物置)、武器庫、謁見の間
┗3F:食堂、キッチン、バルコニー、衣装部屋、キャンプ

描写長すぎやろ自分、もうちょっと短く書けんのか( ?ω?)スヤァ…
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 17:11:50.04 ID:9ob5fy5A0
衣装べや 安価だったの見落としてた
61 :>>1 [saga]:2018/04/23(月) 00:22:47.17 ID:FqqgpCHb0
>>60 衣装部屋(04)
西口洋室Cって何…?誤字です、完璧なまでの誤字です
正確には洋室Cです、消しミスですね


王馬「…まぁ、衣装部屋が打倒だよね。こんなところでずっと立ってるわけにもいかないし行こうよ」

春川「…そうだね。さっさと帰りたいし、早く合流しよう」

王馬「確か3Fの奥から2番目の部屋だったよね」

春川「…うん」

王馬「(……マズイ)」

春川「(……どうしよう)」

王馬春川「(服装に意識が持っていかれる…!!)」

王馬「(いやでも露出の多い水着だと思えばいけるか…?いや無理だろ見えないようで胸見えてるし!!アレ隠してるの部類に入らないって!!!ああでも待ってこれぐらいで狼狽えてたらこの先やっていけない気がするっていうか間違いなくやっていけないよね???だって白銀ちゃんと赤松ちゃんに東条ちゃんも同じような感じだったらオレ生きてるかな春川ちゃんに殺されてそうだしあッッ真宮寺ちゃん忘れてた真宮寺ちゃんと合流できたら真宮寺ちゃん壁にしようそうだそうしようそれまではとりあえずなるべく平常心を装って)」

春川「(まぁでも水着だと思えばいいかな……どうせ相手はクソヤローだし、体格差があるから何かされそうになった時は捩じ伏せればいいし)」

入間【…あ?どうしたんだよお前ら、スッゲー怖い顔してんじゃねーか】

王馬「うるさい。…で、入間ちゃん、3階に行ける階段ってあっちだったよねー」
62 :>>1 [saga]:2018/04/23(月) 00:24:11.27 ID:FqqgpCHb0

◆スペーディア王宮・3F

王馬「…でー、真っ直ぐ行ってー……っ!」

ゴチンッ!

王馬「…?何これ……壁?」

春川「…透明な壁みたいだね。うっすらとだけど、何かあるように見える…」

入間【あー…どうやら通れないように道を塞がれたみたいだな。衣装部屋に行くには食堂からキッチンに行って、そこからバルコニーを通ってじゃないと衣装部屋には行けねえみてーだ】

春川「回り道しなきゃ行けないってことなんだね」

入間【まぁ、そうだけどよぉ…】

王馬「じゃあ話は早いよね、食堂の方通ればいいだけだし…」

ガチャッ、ガチャガチャッ!

王馬「…あれ、開かないね?この扉鍵穴なんて何処にもないからピッキングしようにもピッキングできないじゃん」
63 :>>1 [saga]:2018/04/23(月) 00:24:50.87 ID:FqqgpCHb0
入間【いや…そこの扉は変なコードが設けられてて、そのせいで開かなくなってるんだよ】

入間【で、そのコードがデタラメな文字列になっててよ…解除しようにも何処を書き換えたらいいのかさっぱりなんだよ】

入間【まぁ、デタラメな文字列になってるのはどのプログラム見ても一緒なんだけどな…。全部暗号化されてるっていうか、別の何かにそっくりそのまま置き換えられてしまった感じっていうか…】

春川「…私、そういうの詳しくないからわかんないけどさ、それってどうにもならないの?」

入間【何かヒントがありゃ解けそうではあるけどな…何かあったりしねーか?】

入間【例えば、まだ見てない部屋とか…】

王馬「…まだ見てない部屋、か」

春川「2階で何か探せってことだよね……めんどくさ」


◆という訳でまさかの進めない、どこに行こうか?直下
┗2F:洋室C(銀)、洋室D(物置)、武器庫、謁見の間

なお、使えそうなアイテムとして銀色の鍵(U)を持っています。
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/23(月) 12:46:56.05 ID:qqHPN+PA0
武器庫
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 09:12:20.62 ID:sIMi3MtY0
デスリク積みゲーしてるわ(´・ω・`)
66 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:00:16.90 ID:mdaWx1nO0

>>64 武器庫(05)
おいっ!どうなってるんだ君達の安価コンマは!!
03→04→05って何かな!?私びっくり!!まぁ安価のコンマなんて特に意味もなく表記しているですけども
>>65 休日にでもゆっくりやってくださいな……なお私は時間の関係上火曜日に2〜3時間ぐらいしかプレイできないのが現状


王馬「…武器庫とかさ、なんか物騒じゃない?でもそういう物騒な所に中ボスとかいそうだよね」

春川「ソイツを倒したら何か手に入るかも知れないってこと?…まぁ、ありえなくはないけど…」

王馬「それに、もしいなくても武器庫だったらメリケンサックぐらいなら置いてあるんじゃないかと思ってさ!ほら、オレは剣なくしちゃったら丸腰になっちゃうしさ。サブウェポンってやつだよ!」

春川「サブウェポン……」

春川「…銃とかあったらいいけどね。その方が敵に気づかれる前に先手を打てるし」

王馬「ファンタジーだと銃より弓の方が主流じゃない?だとしたらボウガンあるかもねー」

春川「ボウガン……」

67 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:01:00.91 ID:mdaWx1nO0

◆武器庫

キィィィィ…

王馬「うわっ……なんだこれ」

入間【グチャグチャだな…】

春川「でも、この槍とかは使えそうだね」

春川は床に散らばった武器の中から装飾の施された槍を拾い上げた。その刃は深緑色の鋭利なもので、何処も欠けていない。

しかしそれ以外に使えそうなものは殆ど見当たらない。床には立て掛けられていたであろう剣や杖などが折れたりしたものが散乱している。

…その中に一つ、明らかに異質なものがあった。めざとくそれを見つけた王馬は、床の蓄積物の中から掻き出して手に取った。

王馬「……これ、肉切包丁…?って、血ついてるじゃん!!」

思わず宙にそれを投げ出したとき、春川と白いクマのアバターが王馬の方を見た。それと一寸も違わない内に、白いクマは部屋の外まで弾き飛ばされていた。

入間【なっ…!?】

言葉を発したときには時既に遅し。扉は開け放たれてるにも関わらず、部屋からは出れない状態になってしまった。…そう、見えない壁が作られたのだ。

春川「………っ!?」

そんな現状の中、突然春川が頭を抱えて座り込んだ。軽く何かを呟いているようだが、それは誰にも届かなかった。

入間【……マズイッ!その部屋には───】

68 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:02:11.28 ID:mdaWx1nO0

───バタン!!!続けざまに入間が声をあげたが、その声が文の最後に行き着く前に部屋の扉が勢いよく閉まった。

春川「───ねぇ」

二人きりになった部屋で、春川が口を開いた。が、その声からは正気ではないことが容易に察せた。

春川「なんで、置いてったの」

春川「一緒って言ったよね」

しかしその声は突然高くなったり低くなったり、終いには春川ではない別の声になっていた。そうしてその声が別人のものに変わる頃には、少年は床に叩きつけられていた。

王馬「ッ……!!」

春川?「ねえなんで」

春川?「なんで」

散乱した破片で肩を切ってしまったことで血が滲む。そのことで僅かながらに声をあげたが、少女ではない誰かが捲し立てていく。

春川?「ねえ私たち結婚するって話までしたよねねえなんでなんでなんでなんでまたなんでなんでなんで私のこと裏切ってあんなやつのところに行ってねえなんで」

──ギリッ

王馬「アッ……がっ……!!」

春川?「わたしは君のことがずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと


69 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:02:44.38 ID:mdaWx1nO0

ギリ……ギリギリ……

王馬「う……あ……」

春川?「ずーーーーーーーーーーーっと好きなのに」

ギリ、ギリギリギリ

王馬「───────」

春川?「好きなのに!!!」

ギリッ

春川?「好きなのに!!!好きなのに!!!好きなのに!!!なんで!!!どうして!!!好きなのに!!!!!!」

……ザクッ!

春川?「好きなのに!!!好きなのに!!!」

ザクッ!ザクッ!

春川「好きなのにッッッッッッ!!!!!!!!!」

ザクザクザクッ!!!

70 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:04:35.05 ID:mdaWx1nO0

ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザク

71 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:05:46.23 ID:mdaWx1nO0

春川?「好き、なの、にッ……」

春川?「…あれ」

春川?「……そっか、私………」


春川?「 コ ロ シ チ ャ ッ タ 」


春川?「……今、行くよ。大丈夫、私は一人にしない。させない。君は私を一人にしたけど、私はしない」

春川?「大好きだよ──××××××」

ザクッ

…カンッ、カラン……パシャッ

部屋に血濡れた肉切包丁が落ちる音が響いた。

床は原型をなくした少年の血肉で更に汚れ、別人と化した少女は胸元に深い刺し傷を負ったまま血肉と刃の水溜まりにその身を横たわらせた。


バッドエンド5、殺し愛
コレクションアイテム5、翡翠の槍を入手しました。

血濡れた槍
武器庫で春川が見つけた深緑色の刃を持った槍。
しかしその後起こった惨状で血濡れてしまった。

>>67の包丁を拾う前に戻ります、が、その前に安価。
描写は繋げて書きたい。
◆…武器庫はやめよう、どこに行こうか?直下
┗2F:洋室C(銀)、洋室D(物置)、武器庫√、謁見の間

使えそうなアイテム:銀色の鍵(U)
72 :>>1 [saga]:2018/04/26(木) 00:08:21.75 ID:mdaWx1nO0
おっと、誤字ってるぅー
コレクションアイテム5は翡翠の槍じゃなくて血濡れた槍です、何故間違えたのか。
安価直下で
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/26(木) 00:46:27.15 ID:0gE0UdJA0
死にやがったW 謁見の間で
74 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 00:21:04.68 ID:Qz3+j8920

>>73 謁見の間(15)
スレ的には死にまくるの普通なんでまだまだ死にますよー。武器庫みたいなデストラップ部屋だってこれから先沢山にあります(ノシ 'ω')ノシ バンバン
そういえばラノゲツクールでデスリクのキャラクター20人の立ち絵素材計392種だったかが無料配布されるそうですよ


床に広がる壊れた切断用具の中を掻き分け、それを手にしようと前のめりになる──が、

王馬「………ッ」

突然視界がボヤけ、フラ〜っとしてかきわけた物達の山に手を突っ込んでしまう。言わずもがな手は血まみれになった。そして一瞬だけ、血で彩られた誰かの顔が見えた気がした。頭の奥で止めろと言わんばかりに頭痛が鳴く。

王馬「……春川ちゃん、この部屋にはその槍以外にめぼしいやつはないし、別の部屋行こっか」

王馬「……春川ちゃん?」

手で山を崩しながら、部屋にいるもう一人に声をかけた。しかし反応は返ってこない。振り向いて見れば真っ青な顔で立ち尽くしており、何処か呆然としているようにも見えなくはない。

王馬「…おーい、春川ちゃーん」

そんな彼女の前を褐色の肌を持つクラスメイトがしていたようにユラユラと動いて見せたところで、ハッとしたように少女は動き出した。

春川「ああ…ごめん。ちょっとボーッとしてた。…そんなことより、この部屋から出ない?気味が悪くなってきたし-」

王馬「あ、奇遇だねー。オレも丁度同じこと考えてたよ!…で、別の部屋行くとしたら何処に行きたい?」

春川「…じゃあ、謁見の間」

75 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 00:21:41.19 ID:Qz3+j8920

◆謁見の間

王馬「…誰もいないね?」

春川「不気味。一人ぐらい傭兵がいたっておかしくないと思うけど」

王馬「んー…あ。そういえばさ、オレってここから西口の方に逃げたんだよね」

王馬「その時に凄い傭兵とか集まってきてたんだけどさ…何処行っちゃたんだろうね?入間ちゃん、その辺わかったりしないの?」

春川「……」

王馬「……」

王馬「うわひっでえ無視かよっ!」

入間【うるっせえなぁ!俺様だって暇じゃないから、いつもテメーらと会話できる状況じゃないんだよ!】

春川「ああ…そうなんだ。いつのまにか白いクマがいなくなったと思ったら、気づいた時にはいつのまにかにいる……それを繰り返してたから不思議だったけど、そういうことだったんだね」

──ガサガサ

王馬「……ん?」

入間【まぁ、そういうことだ】

──ガサ、ガサガサ

王馬「え……ちょっと……」

春川「……?ッ!!」

入間【…で、そこの怠けショタが言ってたことなんだけどよ】

──ガサガサガサ

入間【この辺りだけ不自然に敵がいねえ。不気味なぐらいに…】

王馬「…じゃあそこにいるのは!?」

──ガサガサガサガサガサガサ

76 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 00:22:30.78 ID:Qz3+j8920
大広間に声が響く。それは迫り来るものに対する叫びか、それとも返ってきた返事に対する怒号か──

否、どちらでもあってどちらでもないと言うべきか。恐怖と焦りと怒りが入り雑じった叫びと共に、少女と少年はそこから飛び退いて接近してきた者と対峙した。

しかし白熊は反応が遅くなってしまったせいでその者の餌食となってしまった。ひゅっ…と何かが空を切ったかと思えば、白熊アバターは真っ二つ。丁度お腹の辺りから切り離された上半身が床へと滑り落ちた。それからベシャリという音と共に何かの機械音が宙に漏れ、そのまま消えた。

…ガサリ、ガサ、ガサガサガサガサ…

コロラ「──$#¥{~/^{$/^{~%~!!!」

王馬「うわっ……キッショぉ……」

春川「…気持ち悪い……!!」

ようやく二人の前へ躍り出たかと思えば、それは巨大なムカデだった。手の先だけが大きな鎌なようになっており、ぐらりとその上半身をあげてみせた。

──が、それも束の間。巨大なムカデは二人に興味などないかのように床へと潜っていった……いや、床を突き破って下の階に行ったというのが正解だろう。

春川「……何、今の」

王馬「さぁ?」

入間【よくわかんねえけど…助かったのか…?】

王馬「んー…まぁ、襲ってこなかったのならいいでしょ」

春川「それもそうだね。じゃあ、何かないか探してみようか」

床に空いた大穴付近を避けながら、二人は物探しを始めようとした。

77 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 00:23:41.11 ID:Qz3+j8920

──が、それは叶わなかった。黒さを深めていく影が少年に覆い被さった時には、もう既に鮮やかな紅が流れていた。ブラリと吊り下がった体は、ムカデの口に目から上を隠してしまっている。

形容しがたい音が辺りに響く。頭蓋骨が砕かれる音か、それとも脳味噌が貪られる音か。この場合はどちらでもあるといえばいいだろう。そのうち少年の体は落下し、その四股を本来なら曲がらない方向へ曲げた。大穴が空いた登頂部からは赤ワインのよりも赤い液体が流れ出て、辺りに血の臭いを充満させた。

ムカデは満足したようで、残した肉には勿論、そこで立ち尽くしているサソリにすら目を向けることなく床の大穴へ消えていった。


バッドエンド6、センチピード
コレクションアイテム6、トカゲの尻尾を入手しました。

トカゲの尻尾
黒色の鱗に覆われたトカゲの尻尾。尻尾ではあるが純粋なトカゲのものではなく、トカゲに作り変えられつつあった少年に生えていたものである。


>>71に戻る。どうでもいいけどバッドエンドの描写で言葉使いに悩みます、故に更新が遅くなる。うーむ。
◆……さて、どこに行こう?というかどっち?直下
┗2F:洋室C(銀)、洋室D(物置)、武器庫√、謁見の間√

使えそうなアイテム:銀色の鍵(U)
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 00:33:19.40 ID:VGVXRygzo
洋室C 鍵使うのかな
79 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 01:31:49.08 ID:Qz3+j8920

>>78 そうなんだよ、このための鍵なんだ


扉の取手に手をかけたところで、王馬はハッとしたようにその動きを止めた。確か自分は、この謁見の間に入る扉の先で……あれ、どうなったっけ?よく思い出せないけれど悲惨な目にあったということが何故か頭から離れない。元より白い肌を更に青白くさせながら、冷や汗をかいていた。

春川「…王馬」

王馬「えっ……ああ……」

春川「…あっちの部屋、鍵がかかってるみたいなんだけど。…確か、鍵、持ってたよね?」

王馬「…まぁ、うん……これのことでしょ?」

扉が開くのを待っていた春川 が声をかけてくる。懐から鍵を取り出しながら振り返ると、春川も顔を青くして立っていた。…言葉を交わさなくても、その顔色から同じ事を考えていたであろうと察することができる。

二人はその場から逃げるように去った。


◆洋室C前

春川がここだと言わんばかりに指を指した扉には銀色のプレートが飾り付けられていた。表面には凹みがあり、汚れているせいかその部分が多少読みづらくなっていた。

──"U"

その文字を見た王馬は手元の鍵と見比べながら、「どうやら間違いないみたいだね」と春川に告げてから鍵穴に差し込んだ。カチャリ、扉の空く音がする。扉を開けてみれば中はただの洋室で、机と椅子、ベッドとクローゼットが置いてあった。

二人と一匹は迷うことなくその部屋の中へ入っていった。

80 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 01:32:21.21 ID:Qz3+j8920

◆洋室C

王馬「…ただの客室みたいだね。特に何も無さそうだなー」

そうつまらそうに言いつつ、ガララララとクローゼットの横引きの扉を開け放った。クローゼットの中にもめぼしいものはない。

春川「…実際、何もないみたいだけど」

入間【チッ…つまんねーな】

白熊はお尻を振りながらベッドの下を探していた。が、思ったような収穫がなかったことに少々苛立ちを感じたようだ。

──がこんっ!

王馬「…ん?」

入間【あ…?】

春川「今のは…」

…ズズ、ズ、ズズズズズ…

王馬「…はは、は……つまらなくないね…!!」

春川「何言ってんのアンタ……」

入間【おいおい、そんなのアリかよ…!】

しかしそれは止まることを知らない。二人と一匹の上部から迫り来る物、もとい天井はゆっくりと…だが少しずつ早くなりながら降下してきている。

春川「このままこの部屋にいたら潰される…!」

入間【まぁ、出口は一つしかねえし…!】

王馬「…じゃ、さっさと出ちゃおうか!……あれっ」

81 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 01:33:14.77 ID:Qz3+j8920

部屋の出入り口に向かおうとした時、王馬はあることに気がついた。…クローゼットの奥の壁が微妙に傾いて、右下に少しばかり隙間が出来ていた。よく見ればそこからほんの少しだけ光が差し込んでいるような気がする。

王馬「……なにこれ?」

入間【おい爬虫類!さっさとしねーと潰されるぞ!】

春川「…何かあったの?」

王馬「んー…いや、なんかクローゼットの奥の壁が変っていうかさー…」

春川「クローゼットの壁…?」


◆…さて、天井は迫り来ている。どうするべきか?直下
1.とりあえず部屋から脱出する
2.とりあえずクローゼットの中に入る

※クローゼットは一列になれば3人くらい入れる大きさとする。ただし一列というのは立った状態での一列である。
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 09:11:22.88 ID:gCeoEfKvO
2
83 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 16:57:00.38 ID:Qz3+j8920

>>82 11.22.88 すごーい!君はゾロ目なフレンズなんだね!…え、ネタが古い?まぁいいじゃないですか、使いやすいネタは使っていきましょう……ね?というわけで黒シューマイ召喚の儀


王馬「とりあえずここ入ればいいんじゃない?よく見たらこのクローゼットの上の天井だけ動いてないし」

春川「本当だ……じゃ、早く入ろうか」

王馬「…その槍入る?」

春川「斜めにすればなんとか」

入間【流石に暗いな……よし、ちょっと待ってろ】

【…カタ、カタカタ】そんな音が少し響いて、クローゼットの中に小さなランプが表れた。片手で持ち歩けるサイズで、明かりも申し分のない物だ。その頃にはクローゼットの扉の先はすっかり何もなくなっていた。いや、何もなくなっていたと言うより、ただの壁になったとでも言うべきだろう。王馬はそれを見てクローゼットの扉を閉めた。

照らし出されたクローゼットの中には何もなかった。横巾は狭いが奥行ははあるため、二人と一匹がいるのには丁度いいとも言えよう。少し余裕があるため、これなら座れそうではある。

王馬「え、こういうことできんの?」

入間【アイテム作製とオブジェクト設置の合わせ技ってとこだな。出すことは出来ても消すことはできねえから使い勝手は良くねーし、そもそも出すこと自体が手間かかるからあんまりやりたくねー…】

春川「まぁ、いらなくなったら何処かに置いていけばいいよ。使う内は持ち歩けばいいだけ」

王馬「なるほどー、お荷物製産機ってことだね!いやぁ、無能なんだか有能なんだかわからないね!」

バグゥ・スコルピオ「誉めてるのか貶してるのか……」

王馬「……んっ?」

春川「え…?」

バグゥ・リザード「…グッ!!?バグッ、バグググッ!!」

バグゥ・スコルピオ「…あ」

バグゥ・スコルピオ「キッ、キギギッ!キッヒヒヒッ!!」

入間【おい…今この球体喋ったぞ……】

84 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 16:58:10.06 ID:Qz3+j8920

──ガタンッ!

─やべっ…気づかれる……

三人「「【!】」」

王馬「…やっぱり、この壁の向こうに部屋があるみたいだね」

─ガタッ!ガンッ、ガタン!

春川「…なら、やることは一つだね」

王馬「ま、そーなるよね…」

王馬春川「「この壁を壊す……!!」」

─ガンッ、ガタッ、ガサッ、ドターーンッ!!

王馬「ねぇちょっと焦りすぎじゃない?」

─悪かったなトカゲ野郎!!!

王馬「!?」

春川「ふんっ……!!」

─あっ、おいやめろっ!せめてもう少し待ってくれ!!

春川「待たない」

─やめてくれえええええええええええ!!!!!

壁の向こうから響く誰かの声が制止するも空しく、春川はそんなの知るかとばかりに壁に向かってタックルを繰り出す。ダンッ、ダンッ、ダンッ!と、何回目かわからないタックルを壁に叩き込んだとき、その壁はガンッ!と外れ、そのまま斜め後ろに倒れ込んだ。

?「ぐふえっ」

…既に下敷きになっていた者を更に苦しめるという結果になったが。

85 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 16:59:27.46 ID:Qz3+j8920

◆洋室D

春川「ここ…物置?」

王馬「へー、この物置ってさっきの洋室と繋がってたんだね」

入間【…で、誰だお前?】

?「クソッ、こんな姿見られたくなかった…」

王馬「…ん?あれ、この声さっき聞いたような…」

雪崩が起きた物置の中には、崩れた物達の下敷きとなった一人の男がいた。黒髪に白のメッシュが入った褐色の肌をした男だ。その緑色の目で二人と一匹を睨むかのように見つつ、左手で首に巻いたマフラーを引っ張り口元を隠している。床に延びる右手は人ではない形をしており、一見ザリガニなどのハサミを連想するが知っている者が見ればそれはサソリのハサミにそっくりだと言うだろう。そしてそのハサミの先に、一つの額縁が落ちていた。その額縁を春川が拾い上げる。

?「あっ、ちょっ……」

春川「…なにこれ、公園の写真?っていうか、この黒い影…」

?「…心霊写真だよ、バーカ」

王馬「心霊写真?」

入間【……ん?…ああっ!?それ、八伏(ヤツフサ)公園じゃねーか!?】

王馬「八伏公園………八伏?何処かで見たような…」

春川「待って…その八伏公園って?」

?「…八伏公園。…我楽庭(ガラクテイ)っていうカフェの前にある小さい公園だよ」

王馬「ああ、あそこね。オレの部下がよく行ってるカフェじゃん。…で、その前にある公園がどうかしたの?」

入間【…今年の7月頃、お前らが起きなくなってから2ヶ月ぐらいした時だな。その頃から、ある所から写真を撮ると心霊写真が撮れるって一時期有名になったんだよ】

86 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 17:00:39.45 ID:Qz3+j8920

?「…何かあるかもナァ?」

王馬「…なるほどね」

バグゥ・スコルピオ「…キキキッ」

バグゥ・リザード「…バッグゥー」

?「…えーっと、なんだったかな。ミウ、だったか?行って来たらいいんじゃないか?」

入間【ハァッ!?なんで俺様が行かなきゃならねえんだよ!?】

春川「…私達は行きたくても行けないから、必然的にアンタが行くしかないと思うんだけど?」

?「そーゆーこっタァ……ま、精々頑張るんだな」

入間【ふええ…?わ、わかったよ…行けばいいんだろぉ…?】

?「…………」

?「あ、待ってくれ。行く前にこの山どうにかしてくれないか!?マキのせいで余計に重くなって自力じゃどうにも出来ねえんだよ!!」

春川「………」

春川「マキ?」

?「ああそうだよ!お前がそこの板を無理矢理倒したせいでこうなってんだよ!」

春川「なんで私の名前を知ってるの?」

?「ッ!」

王馬「ああ…そういえば、確かにそうだね。っていうかまだ名前聞いてないし」

?「………俺の知っていることで答えられることなら3つまで答えてやる。それで手を打つのはどうだ?」

春川「つまり3つまでならどんな質問でも答えるってこと?」

?「…流石にどんなことでも…ってわけにはいかないナァ。黙秘するところは黙秘するぞ」

王馬「ふうん……」

王馬「─じゃあ1つ、君の名前は?」

?「………」
87 :>>1 [saga]:2018/04/28(土) 17:01:38.55 ID:Qz3+j8920






囚「Syuuardo。修羅道のシュウアード、だ。他の奴からは囚(シュウ)と呼ばれてる」






三人「「【!】」」

囚「續(ツヅ)……ツヅエノからは黒シューマイって言われるけどナァ。……で、あと二つ…何が聞きたい?」


↓1↓2辺りで聞きたいことを一つずつ
なお、答えてくれない可能性がありますが、コンマ次第で答えてくれるかもしれないです、とだけ
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/28(土) 20:30:11.97 ID:gCeoEfKvO
何聞けばいいかさっぱり分からん
おまかせ
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 02:47:37.00 ID:xP9/8GECO
他の面子の居場所
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 11:52:55.49 ID:CPHAJOvA0
新キャラの所属等について 敵なのか味方なのかよくわからない
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