【デレマス】高垣楓「私の目の色……ですか?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 02:27:01.28 ID:SFlKIiE/0
デレマスの楓さんをメインにしたSSです。こちら(SS速報R)だと表現がある程度自由になるらしいので、こっちで書いてみます。

以前は

安価】世莉架「安価でタクを楽しませちゃうよ」【CHAOS;CHILD】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487424130/

というのを書いていました。

これも例によってすぐに完結はできないと思うのですが、頑張って書かせていただきます。

それでは。
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 02:32:32.64 ID:SFlKIiE/0
モバP(以下、P表記)「はい。楓さんの瞳って左右で色の違うオッドアイじゃないですか。いや、それはなかなかどうして魅力的なものなんですが、理由を求めるのは不毛なのに、なんでなんだろう、なんて思ってしまいました」

楓「ふふっ、おかしなプロデューサーさん」

楓「……」

P「どうしました?」

楓「……いえ、オッドアイとオットセイって字面が似ていると思って。そこから洒落に転じようと思ったんですけど、駄目でした」テヘッ

P「かわいい(かわいい)」

楓「えっ?」

P「あっ、い、いえ、なんでも、ないです」

楓「そ、そうですか」

楓(突然のこの人から褒められて素直に戸惑ってしまいました)

楓(でも、ごめんなさい。プロデューサーさん。私がいま沈黙したのは、別に洒落を考えていたからではないんです)

楓(私の瞳の秘密……いつかこの人に話すような日は来るのかしら?)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 02:40:12.52 ID:SFlKIiE/0
〜〜〜〜〜〜〜

楓(私の目は、左目が青、右目が緑のオッドアイなんです。……凛ちゃんなら、私の左目の色は蒼って形容してくれるのかしら)

楓(でも、それは、あくまでこの世界――高垣楓という女がモデルを経てアイドルになってのし上がった世界での話)

楓(もし、私が「この世界」以外の世界――つまりはパラレルワールドの記憶を持っているといったら、果たしてどれほどの数の人が信じてくれるのでしょう)

楓(そして、世界が変わると、私という人間の大まかな中身と容姿は変わらないけれど、瞳の色の組み合わせが変わるんだなんて言ったら、誰もが御伽噺だと思うに違いありません)

楓(特に、プロデューサーさんは、どんな反応をするんでしょうか……)

〜〜〜〜〜〜〜
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 02:50:30.72 ID:SFlKIiE/0
左目:BLUE→???
右目:GREEN→???

the world she observes has changed...

楓(世界が変わりました。まばたきをした拍子に景色が何もかも変わったのです)

楓(きっと、瞳の色の組み合わせも変わっているはず)

楓(自分のいる状況をふと確認したら、思わず顔から火が出るような感覚に陥りました)

楓(私は、マンションであろうところの一室であの人――プロデューサーさんの上に跨って腰を上下に動かしているのです。お互いに裸で、ベッドに仰向けになるプロデューサーさんのペニスを下腹部で感じながら私はよがっているのです)

楓(もう、なんて世界なんでしょ)

楓「はぁっ、ふぅ、……」

P「どうしたの? 楓。さっきまであんなに必死に動いてたのに」

楓「え? いや、なんでも、ない……わ?」

楓(私がアイドルである世界のプロデューサーさんはため口で話したりしません。ましてやセックスだなんてお互い恥ずかしくって死んでしまいます。この世界の私は、プロデューサーさん――いえ、この世界ではPさんと呼ぶのがよいでしょうか?――と恋人どうしなのか、あるいはセックスをする何らかの関係なのでしょう。もし前者であれば、なんか……羨ましい)
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 02:56:34.45 ID:SFlKIiE/0
楓(ここは私も口調を合わせるようにしたほうが自然……ですよね)

楓「ごめんね。疲れちゃったみたい」

P「あはは、そうか。なんだか、マイペースって感じで楓らしいな」

楓「ごめんなさい……」

P「いいよ。無理はさせたくないし」

楓(優しい人。きっと元の世界の私とプロデューサーさんも、恋人になればこんな感じになるのでしょうか。パラレルワールド同士なので相関関係はどうなのかわかりません)

楓(その後、申し訳なさそうな顔をしている私に、彼は「手でしてくれれば今日はいいよ」と妥協してくれました)

楓(今まで何度か世界を行き来していますが、実は性交渉をしている場面に遭遇したのはこれが2回目なんです。1回目は彼にリードしてもらっていたので私は特に何もしていませんでした)

楓(元の世界の私は処女なので、なんだか複雑)
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 03:05:17.34 ID:SFlKIiE/0
楓(彼のものを手で抜いてあげて射精を見届けた後に、私は洗面所に向かいました。自分の瞳の色を確認しなくちゃ……って)

楓(瞳の色は……

左目が赤で

右目がオレンジ

でした)

楓「ブラッドオレンジジュースとオレンジジュース、的な……」

楓(ここでも面白いことを言おうとしてみたのですが、だめです。最近不調なんです)

楓(というのも、私が世界を行き来するようになったのは、アイドルとしてデビューしてある程度有名になってからの話なんです)

楓(それからというものの、駄洒落が以前ほど思いつかなくなってしまいました。ああ、私のアイデンティティが……なんてメタな発言はやめておきましょうか)

楓(あ、そうそう。元の世界に戻る方法はわかっていないんです。でも、いままでは必ず戻れていたので、あまり不安にも感じなくなっちゃいました)

P「楓」

楓「きゃっ」

楓(肩を叩かれて振り返ると、にやにやする彼の顔が見え、それと同時に頬に指でつつかれている感触がきます)

P「なんだか様子を見にきたら鏡の中の自分とにらめっこしてるからさ、なんだかおかしくなっちゃって。鏡よ鏡……世界で一番美しいのは(ryってくだりまで言ってたら完璧だった」

楓「もう、からかわないでよっ」

楓(普段の私ならしないようなちょっと可愛げのある反応をしてみます。実は、この別世界にいく能力(?)をどこか楽しんでいる自分もいたり)

楓(大好きなあの人に愛してもらえる世界に行き当たることもありますし……)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 03:06:19.73 ID:SFlKIiE/0
一旦ここまで。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 15:28:18.46 ID:SFlKIiE/0
P「瞳の色を確認してた……?」

楓「う、うん……」

P「はは、おかしなやつだな。いや、楓は前から可笑しいやつだったか、そこも可愛いけど」

楓「///」

楓「……最近ね、よく夢をみるの」

P「夢って、寝ているときの?」

楓「うん。私がアイドルになっている夢。大勢のファンの方たちに囲まれたステージの上で歌う夢――」

楓(――そして、あなたにプロデュースされている夢)

P「楓がアイドル、か」

P「楓はアイドルというよりもタレント? というか、綺麗系なんじゃないのか? もちろん、可愛いけど」

楓「モデルからアイドルに転身したの」

P「なんだそりゃ、いいとこどりな世の中ってこった」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 15:36:10.68 ID:SFlKIiE/0
楓「あくまでも夢、夢の話」

楓(嘘。私が話しているのは、私がもともといた世界の話です)

楓(そもそも私のいた世界――本来いるべき世界とは何でしょうか? この世界だって、私が私として存在しています。それに、こんなに彼に愛してもらえる世界……)

楓(そういえば私はこの世界でどのような立場なんでしょうか?)

楓「私の、仕事って……」

P「楓の仕事? 仕事と言うか、研究、なんじゃないのか? 社会科学の」

P「来年は修士2年になるんだろ? 論文はかけそうなのか?」

楓(なんと、この世界の私はどうやら院生だったようです)

楓(だとすれば、ふつうなら私にはそこまで稼ぎがないはず……でも今私が彼といる部屋はそれなりに綺麗で狭くもないマンションのようです。ひょっとして、私が彼に養われているのかしら。杏ちゃんの気持ちになるですよー)

楓(今は深夜。朝になれば私は研究室にGoということでしょうか)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 15:40:27.70 ID:SFlKIiE/0
楓「朝になったら私は研究室、貴方は仕事?」

P「そうだけど、どうしたんだ? いつもそうだろ」

楓「なんでもないっ」

楓(とりあえず彼の胴にしがみついてみる。急に甘えたくなりました)

P「どうしたんだ? 急に子どもみたいに甘えてきて」

楓「……朝までまだ時間はあるから」



楓「寝る前に、もう一度抱いて」


――ああ、普段ならこんなこといえないのに。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/05(土) 23:56:38.71 ID:SFlKIiE/0
楓(あの人が寝ている間に、できるだけこの世界の私の立場を知るために色々と調べました)

楓(観測する世界が変わるといっても、年齢や大まかな容姿(DNA)が変わるというわけではありません。無数にある可能性が線のように並んでいて、同じ時刻で別の線へとジャンプしているような、そんな感じです)

楓(だから年齢は25歳のまま。この世界では髪型も体型も元の世界と同じです)

楓(立場としては、私は東京の私立の大学の大学院に通う院生で、社会科学の研究室で勉強しつつ、アルバイトで塾講師をしているようです)

楓(そしてプロデューサーさん――Pさんとは恋人どうしで、同棲中です……恥ずかしい、どうせいっちゅうねん、ふふっ)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 00:21:24.09 ID:t6OzvQjF0
〜都内某所にある個別指導塾〜

楓(ついにバイトのときがやってきました。科目は英語と国語です。担当の子が何人かいるらしいのですが、名簿をみてびっくりしてしまいました)


生徒一覧(担当:高垣楓)

高校1年 渋谷凛
高校2年 島村卯月
高校2年 多田李衣菜


楓(なんという運命でしょう)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 00:22:35.64 ID:t6OzvQjF0
とりあえずここまで。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 23:40:46.62 ID:HHI9G6qdo

世界を越えても別の関係があるつながり好き
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2018/05/07(月) 23:56:46.16 ID:/smTF1q40
楓「――なので、太陽が朝に昇るだとか、人間は二酸化炭素を吐くといった普遍の真理は、universal truthといって現在形で述べるの」

凛「なるほどね。普遍の真理――universal truthか。なんだかかっこいいね」

楓(元の世界でも薄々感づいていましたが、凛ちゃんって割と厨二病なんですよね。飛鳥ちゃんが少しおとなしくなったくらい? いや、同じくらいかも、ふふっ)

凛「英語は苦手意識があったけど、文法事項を整理していくと意外と整備されたルールにのっとってるってことがわかってきたよ」

楓「そうそう。その意気よ凛ちゃん」

凛「ねえ先生」

楓「なにかしら?」

凛「人間が生み出す論理ってこうも整備されていてどうしようもなく正しいのに、なんで人間の内面だとか運命だとかって正しいとも間違っているとも決められない理不尽さがあるんだろう」

楓「ずいぶんと難しいことを訊くのね」

凛「先生って社会科学やってる院生なんでしょ? だから、答えてくれるかなって」

楓(この世界の私は教え子である凛ちゃんに院生であることを話しているんですね)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/08(火) 00:07:45.61 ID:JeGSUpwX0
楓「そうね。あくまでも答えを出すのではなく、凛ちゃんに対して私なりの考えで答えると、人間の内面――簡単のために感情だとか、あとは運命って、普遍の真理とは到底いえないものだからじゃないかしら」

楓「人の数だけ相異なる内面も運命も存在していると考えれば、整備のしようがないと思うわ」

凛「なるほどね。さっきまで英文法における理屈としての普遍の真理をやっていただけあってわかりやすいや」

凛「先生ってすごいね」

楓「そ、そうかしら……//」

楓(我ながら頭の使った答えを言えたのではないでしょうか。院生やってるこの世界の私の脳、グッジョブです)

楓「あ、それに、人間の間では嘘も通用してしまうから」

凛「嘘自体は偽である命題と考えれば論理的なんじゃないのかな」

楓「重要なのは、嘘が存在することではなく、嘘が通用することよ。嘘も方便っていうでしょ」

凛「言うね。ちなみに英語ではなんて言うの?」

楓「The end justifies the means. ――目的が手段を正当化する。意訳ね」

凛「論理なんてあったもんじゃない、のかな」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/08(火) 00:14:06.99 ID:JeGSUpwX0
楓(この世界の凛ちゃんはかなり哲学的な話が好きなようです。いや、元の世界でも好きだったのかもしれません。アイドルじゃない普通の高校生だと、こういう子になるんですね)

凛「ふう、難しい話したら疲れちゃった。ねえ、先生。彼氏との話教えてよ」ニヤニヤ

楓「えっ?」

楓(突然の話題に思わず声を出して驚いてしまいます)

凛「だって先生ったら、私が休みたいっていうとすぐ彼氏との惚気話するんだもん。こうなったらこっちから興味もって聞かないとね」

楓(前言撤回。この世界の私は調子に乗ってます。ダメみたいです)

凛「この前は頼んでもいないのに私にツーショット見せてきたしさ。まあ、でも、かっこよかったよ、彼氏さん。正直私のタイプかも」

楓「と、とっちゃ、だめ、だからね」

楓(プロデューサーさんは一体何人のアイドル――この世界ではそうでないにしても――を惚れさせる気なんでしょうか)

凛「もし彼氏さんと私が知り合いだったら、わかんないかもね」

楓「知り合いなの?!」

凛「いや、全然。赤の他人だよ。先生必死すぎ」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/05/08(火) 00:18:53.68 ID:JeGSUpwX0
楓「もうっ」ペシン

凛「あいたっ。……でこぴんしなくてもいいじゃん」

楓「……親御さんとの面談で凛ちゃんが勉強そっちのけで恋バナしかしないって言っちゃうんだから」

凛「すみませんでした」

楓「ふふっ、よろしい」

楓(可愛い凛ちゃんです。良く考えてみれば、私よりも10歳年下なんですよね。そう思うと余計に可愛く思えてきました)

楓「さて、今日の残りの単元も終わらせちゃいましょう」
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