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アライちゃんのいる日常5
- 213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 19:13:05.62 ID:gZrmm+Na0
- >>212
sage忘れてますよ。
- 214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/08/02(木) 04:05:59.91 ID:yZSbwAZuO
- 句読点を全く使ってないところが共通している
警告はしたでブロックされた人かもね。
- 215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/02(木) 04:07:03.39 ID:yZSbwAZuO
- sage忘れ失礼しました
- 216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/08/02(木) 21:25:08.24 ID:IfqUxHAm0
- >>208は敗北者じゃけぇ
- 217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/02(木) 22:42:57.33 ID:uxFjW6Vz0
- E-mail(省略可):ってところにsageって入れておきなよ
そうしないと更新がきたと勘違いされるのよ
- 218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/02(木) 22:48:15.30 ID:qakECYcZ0
- ハァ…ハァ…敗北者…?
- 219 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 19:36:08.91 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「うゆぅ…うゆぅうぅっ…おかーしゃんっ…」グスグス
たくさんのアライちゃん達(大部分は死骸)と箱に閉じ込められている野良アライちゃん3は、母親と過ごした日々を思い出していた。
野良アライちゃん3「おがーしゃん…たしゅけてぇ…!おうぢ…がえりだいぃっ…」シクシク
野良アライちゃん3は、母親から無理矢理インターンシップへ向かわされた。
拒否すると物凄い剣幕で怒られ体罰を受けるため、インターンシップに行かざるを得なかった。
しかし。
野良アライちゃん3「おうぢ…がえりだいいぃいっ…!」シクシク
本当は、インターンシップなど行きたくなかった。
本当は、もっともっと大好きな母親に甘えたかった。
毎晩毎晩、強烈なホームシックにかられていた。
許されるならすぐにでも、母親のもとへ戻りたかった。
そう思うのも無理はない。
野良アライちゃん3は、言葉こそ喋れても、赤ちゃんなのである。
母親が恋しくならない赤ちゃんなどいない。
その肉体や、知能は、明らかに。
誰の助けも借りず自立することなど、不可能なほど幼いのである。
膝をついたヨチヨチ歩き(人間でいうとこのハイハイ)は、野良猫から逃げ切れないほど遅く、ネズミを捕まえられないほど遅い。
アライちゃんの肉体は、とにかく…
とにかく貧弱この上ない。
鋭い爪と牙以外、武器などないのである。
- 220 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 19:39:09.51 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「ぐしゅぅっ…うゆぅ、う…」ウトウト
野良アライちゃん3はそのうち眠くなってきた。
アライちゃんは、昼でも夜でも起きて活動できるが、それでも1日10時間ほど眠る必要がある。
野良アライちゃん3は普段、昼寝て夜起きる生活をしていた。
昼は寝る時間なのだ。
野良アライちゃん3「おかー…しゃ…。しゅぴぃー…しゅぴぃー…」zzz
野良アライちゃん3は、すやすやと眠ってしまった。
- 221 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 19:45:52.73 ID:r23DoIbKO
- …
野良アライちゃん3「うーん…うゆぅ…」モゾモゾ
野良アライちゃん3は目を覚ました。
野良アライちゃん3「のりゃ!?ここどこなのりゃ!?」キョロキョロ
野良アライちゃん3が目覚めたのは、床も壁も天井も真っ白な迷路の中だった。
野良アライちゃん3「おなかすいたのりゃ…」グーギュルルル
そのとき…
遠くから、食べ物のにおいが漂ってきた。
野良アライちゃん3「うゆ!?くんくん…なんかいーにおいしゅゆのりゃあ!くんくん!」ヨチヨチ
野良アライちゃん3「すすむのりゃー!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
https://i.imgur.com/PBhXxdb.gif
野良アライちゃん3は、白い壁の迷路を、においのする方へ向かってひたすら進んだ。
- 222 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 19:56:41.98 ID:r23DoIbKO
- だが…
野良アライちゃん3の前に、文字通り壁が立ち塞がった。
野良アライちゃん3「うゆ!いきどまりなのりゃ!?」ピタッ
これ以上は進めない。
野良アライちゃん3「こっちからいーにおいしゅゆのにぃ!のりゃっ!のりゃっ!」ピョンピョン
野良アライちゃん3は、壁にくっついてピョンピョン跳ねる。
野良アライちゃん3「ここのぼゆのりゃー!…うゆぅ、つゆつゆしゅべゆぅ!」ピョンピョン
野良アライちゃん3は壁を登ろうとしているが、掴まるところがないようだ。
野良アライちゃん3「ほかのとこいくのりゃ」ヨチヨチ
野良アライちゃん3は、においのする方へ向かって迷路をウロウロしているが…
野良アライちゃん3「うゆぅぅ〜〜〜!どっちいったらいーのりゃあーーっ!」ピイイィイ
一向ににおいの元へは辿り着けない。
- 223 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:09:05.98 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「ふうぅー!うぅー!」ウロウロヨチヨチ
野良アライちゃん3は、においへ近付こうとして、同じ道を行ったり来たりしている。
野良アライちゃん3「うー!どこからいけゆのりゃあーー!」ピイイイィイ
野良アライちゃん3は、どれだけにおいの元へ近付こうとしても近づけないので、苛立ってきているようだ。
野良アライちゃん3「うゆ!うゆ!」ドカドカ
やがて、壁に体当たりをし始めた。
野良アライちゃん3「うゆうぅ〜〜っ!こわれろぉーー!こわれろぉーーっ!のーりゃっ!のーりゃっ!」グイグイググググ
野良アライちゃん3は、壁を全力で押しているが、びくともしない。
野良アライちゃん3「うゆぅ…」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3は壁から距離をとり…
野良アライちゃん3「たあ〜!」ヨチヨチヨチヨチ
助走をつけ、全速力でヨチヨチ突進した。
野良アライちゃん3「ぴぃ!」ゴチン
そして壁に思い切り頭突きをした。
野良アライちゃん3「う゛っ…ふみゅうぅうぅ〜〜ん…うみゅぅ…」ガクッ
そして、頭突きの衝撃で気絶した。
- 224 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:15:05.16 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「う…うゆぅ…」ムクッ
やがて目を覚まし体を起こした。
野良アライちゃん3「おなかしゅいたのりゃ…」グーギュルルル…
野良アライちゃん3「おーーーなーーーがーーーしゅいだああーーーーっ!!のどがわいだああーーーっ!」ジタバタジタバタ
野良アライちゃん3「ごはんごはんごはんごはんごはんごはんーーーーっ!おみじゅおみじゅおみじゅおみじゅおみじゅおみじゅぅーーーーっ!!」ピギイイジタバタジタバタ
野良アライちゃん3は独りぼっちでギャーギャーと癇癪を起こした。
野良アライちゃん3「うぅ…」スッ
やがて、尻尾を上げると…
野良アライちゃん3「うぅーっ!」ブリブリ
迷路の真ん中で脱糞した。
野良アライちゃん3「おちっこもしゅゆのりゃ!はぁ〜…」チョロロロロ
そして排尿した。
- 225 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:19:51.87 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「うぅーくしゃいのりゃあ!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3は、自分の排泄物から離れた。
野良アライちゃん3「たべものさがすのりゃ…」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3は、がむしゃらに迷路を進んだ。
10分前に来た道を、再び歩いたりしている。
野良アライちゃん3「うぅ…もうやなのりゃ…!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3は、迷路を進むのに疲れてきた。
野良アライちゃん3「ここからでたいのりゃ…ごはんたべたいのりゃ…」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3「どーしゅればいーのりゃーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ
- 226 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:24:21.89 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「うゆ!?なんかあゆのりゃ!」ヨチヨチヨチヨチ
やがて、真っ白い床の上に何かがあるのを見つけた。
野良アライちゃん3「くしゃいのりゃ!だれかのうんちか!?だれかいゆのかー!?」ヨチヨチヨチヨチ
見なくてもニオイで分かった。
あれは大便だ。
ともあれ、近付いてみた。誰か別のアライちゃんがいるのかもしれない。
野良アライちゃん3「くんくん…ふんふん…」クンクン
大便のにおいをかいだ。
野良アライちゃん3「…」
野良アライちゃん3「…これ、ありゃいしゃんのにおいなのりゃああーーーーっ!」
そう。
これは先ほど、野良アライちゃん3が排泄した糞尿であった。
迷路の中をぐるぐるヨチり回った挙げ句、また同じ場所へ戻ってきたのである。
- 227 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:26:49.24 ID:r23DoIbKO
- 野良アライちゃん3「がんばったのにぃぃいいーーーーーっ!ありゃいしゃんおててもあんよもへとへとになゆまでがんばってあゆいたのにぃーーーっ!」ビエエエエエン
全て振り出しに戻った…。
野良アライちゃん3は、ただただ泣いた。
野良アライちゃん3「の
お゛ぉ゛ぉ゛ぁ゛あ゛あ゛ーーーーあ゛ん゛っ!」ビエエエエエン
野良アライちゃん3「おーーーーなーーーーーーがああああああーーしゅーーーいーーーだあああああああああああああーーーーーーっ!!!!」
野良アライちゃん3「もーーーーやなあああーーーっ!やああーーーーなあああああーーーーーっ!ここやなああああーーーっ!」ビエエエエエン
野良アライちゃん3はひたすら泣きじゃくった。
- 228 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:32:58.72 ID:r23DoIbKO
- お腹が鳴る度に、遠くからする食べ物のにおいが鼻腔をそそる。
野良アライちゃん3「たべものおおおおおおおおおっ!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3は、においが漂ってきた方へ向かってひたすら進もうとするが…
野良アライちゃん3「ぜぇ…ひぃ…ちゅかれたあああっ…」グッタリ
この迷路で目を覚ましてから3時間が経過していた。
精神力も、体力も、とっくにボロボロだ。
https://i.imgur.com/67K6SqG.png
野良アライちゃん3は、ただただ泣いた。
その姿はまさに幼子そのもの。
母親に助けをねだる赤ちゃんそのものであった。
この大きさのアライちゃん本来の…
年相応の…
ありのままの姿であった。
- 229 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/03(金) 20:34:05.25 ID:r23DoIbKO
- 続きはあとで
- 230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 20:42:05.45 ID:AiAj0Gkq0
- 乙
続きが楽しみ!
疑問としては、
野良アライちゃん3を迷路に放り込んだ人は、どうやってホイホイから剥がしたんだろう?
- 231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 22:33:58.23 ID:fyaY+kFMO
- 自分の糞の臭いで落ち着くアライちゃんは結構見たけど臭いって言って離れるアライちゃんは珍しいな
- 232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 22:36:43.87 ID:AmkgXE7p0
- 乙
アライちゃんは無事に脱出できることができるか!?(配点 空腹 疲労困憊)
- 233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 22:41:21.51 ID:s+LOye+W0
- 次回も楽しみなのりゃ〜^
- 234 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 00:17:00.03 ID:S8QkebWro
- >>230
剥がし剤みたいなのがあるんでね?
このアライちゃんに固茹での卵と落雁ときな粉をあげたい
- 235 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 00:39:12.10 ID:LXQ90EMy0
- >>234
水分を多く含むものはあげないんですね!
流石です、ボス!
- 236 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 00:52:33.83 ID:Zg46kYkm0
- 野生の生き物は失敗もするが、そこから何かを学び命をつなぎ留める何かしらの行動を起こす。
その生き物によって結果は様々だが、そこから生き残った個体が新たな命を繋いでいく。
アライちゃんはどうなのかな。
- 237 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 10:37:27.27 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「う…ぐ、ぎゅ…ふむぎゅぅっ…」ヨチヨチ
野良アライちゃん3は、進もうとするが…
野良アライちゃん3「もうつかれたのりゃあ…」グデー
…そのまま止まってしまった。
乳離れこそしていても、所詮は赤ちゃん。
3時間もヨチヨチ這い回っては体力も尽きる。
そもそもアライちゃんは、その不自然で異常な大きさの頭のせいで、ヨチヨチすること自体がなかなか大変なのである。
加えて、ずっと飲まず食わずだ。
野良アライちゃん3「お…み…じゅう…」ゼェハァ
這い回る元気すら、もう無さそうだ。
野良アライちゃん3「ふぅー…ふぅー…」ウルウル
野良アライちゃん3は、ここに来るまでのことを思い出した。
アライホイホイにくっつき、姉妹に見捨てられ…
人間によって箱へ閉じ込められた。
そして目が覚めたら、ここにいた。
野良アライちゃん3「…うゆ…べとべとがもうないのりゃ…!」パチクリ
迷路を3時間もウロチョロして、ようやく粘着シートの罠から脱出していることに気付いたようだ。
- 238 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 10:42:16.29 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「おねーしゃん、いもーと…!ありゃいしゃんはここなのりゃあ、だしつできたのりゃあ!」ピーピー
野良アライちゃん3「おねーしゃ…!いもーと…!たしゅけてぇ…!」グスグス
野良アライちゃん3「おなか…しゅい…た…!のどかわいた…!」
野良アライちゃん3「お…み…じゅ…」ヨチヨチ
野良アライちゃん3は、先ほど排泄した糞尿へ近付いた。
野良アライちゃん3「ぺちゃぺちゃ…」ペチャペチャ
そして、凄く嫌そうな顔をして自分の尿を舐めた。
野良アライちゃん3「まじゅい…まじゅいぃ…!」ウルウル ペチャペチャ
あまりの不味さに泣きそうになる野良アライちゃん3。
だが、これ以外に水分補給できるものはない。
野良アライちゃん3「う、ゆぅ…」ヨチヨチ ゴロン
野良アライちゃん3は、排泄物から少し 遠ざかって…
野良アライちゃん3「しゅぴぃー…しゅぴぃー…」zzz
…すやすやと眠り始めた。
- 239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 10:44:44.68 ID:OF3EvTCQ0
- 閉じ込められてるわけではないから今までで一番マシな扱いかな?
- 240 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 10:46:21.67 ID:t7uA5xfxO
- それから1時間、野良アライちゃん3は昼寝をした。
野良アライちゃん3「う…ゆ…」ムクリ
そして目を覚まし、体を起こすと…
野良アライちゃん3「お…み…じゅ…」フラフラ ヨチヨチ
迷路の中を再びさまよいヨチった。
野良アライちゃん3「…」フラフラ ヨチヨチ
まるで亡霊のように静かに黙りながら、ひたすら右手側へ進んでいる。
野良アライちゃん3「…」ヨチヨチ
野良アライちゃん3は、もう何も考えていなさそうだ。
どちらに餌がありそうか、どうすれば脱出できるかなど考えていなさそうである。
ただひたすら、この道を進む。
それしか考えていないといった様子である。
- 241 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 10:51:00.84 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「…」ピタッ
野良アライちゃん3は、なにかを見つけた。
水ボトル「」ゴロン
それは、水が入ったペットボトルであった。
野良アライちゃん3「ふぅーーーっ!うぅーーーっ!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん3は、ペットボトルへ襲いかかった。
野良アライちゃん3「はぐがぶぅ!ふぅううーっ!きゅるるるるぅうっ!はぐぅ!」ガブガブバリバリ
野良アライちゃん3は、ペットボトルに噛みついたり、引っ掻いたりしている。
野良アライちゃん3「のりゃっ!のりゃっ!」ベチベチ
ペットボトルに体当たりをしている。
だが、ペットボトルは壊れなかった。
野良アライちゃん3「ふぐぎゅるるるるぅ!ふぎゅうぅう!ふしゃあああっ!」ガジガジ
どんなに噛んでも、ペットボトルに穴は空かない。
野良アライちゃん3「うぅーーっ!ふぎゃうぅーーっ!ぶぎゃるるるうぅうっ!」バシバシ
何度ひっぱたいても、ペットボトルは壊れない。
- 242 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 10:53:22.85 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「うぅ!がう!ぎゃうぅっ!ばうぅっ!」ガァンガァンガァン
野良アライちゃん3は、ペットボトルへ頭突きを繰り返した。
野良アライちゃん3「ぜぇ…はぁ…」ゼェハァ
息が上がり、疲れてきたようだ。
野良アライちゃん3「う…ぅううぅっ…」ポロポロ
野良アライちゃん3は涙を流した。
野良アライちゃん3「うぅうぅっ…ぺろぺろ…」ペチャペチャ
野良アライちゃん3は、水入りのボトルを舐めた。
無論、そんなことをしても喉が潤うはずがない。
- 243 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 10:56:48.73 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「ふぎゃう…きゅるるるぅ…」ヘナヘナ ペタリ
とうとう野良アライちゃん3は、その場にうつぶせに突っ伏してしまった。
野良アライちゃん3「…ぴいぃい…ぴぃいいいいっ…!」チュパチュパ
野良アライちゃん3は、ペットボトルの蓋を、哺乳瓶のようにしゃぶっている。
哺乳瓶と違って、水は出てこないが…。
野良アライちゃん3「おかあしゃ…おか、しゃ…」ペチャペチャ
野良アライちゃん3は、ひたすらボトルをしゃぶっている。
野良アライちゃん3「んぱっ…きゅるるるるぅ…きゅるるるぅ…」
とうとう、ボトルをしゃぶるのを止めた。
野良アライちゃん3「…」
野良アライちゃん3は、うつらうつらと目を閉じ始めている。
- 244 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:04:55.24 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「…」グッタリ
野良アライちゃん3は、動かなくなった。
研究員1「…」ガパッ
研究員1が、迷路の天井(蓋)を外した。
迷路の壁の高さは1メートル程、床から天井までは1.4メートルである。
研究員1「…」ガシィ
野良アライちゃん3「…」ブラーン
研究員1が、野良アライちゃん3の首のファーを握って、迷路から出した。
研究員1「実験終了」ピッ
研究員1はなにかのタイマーを止めた。
研究員2「ケージ持ってきました」ガラガラ
研究員2は、一般的なペットアライちゃん用ケージを台車に乗せて持ってきた。
ケージの中にはプールや、生きたコオロギ(活き餌)、クルミの実やイガ栗などが入っている。
- 245 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:08:40.65 ID:t7uA5xfxO
- 研究員1「よいしょ」ポイッ
野良アライちゃん3「…」バシャッ
野良アライちゃん3は、ケージの中の小さなビニールプールに投入された。
野良アライちゃん3「…!」ブクブクブクブク
しばらくビニールプールの中で動かずにいたが…
野良アライちゃん3「ぷはぁっ!きゅるるるるぅ!ぴきゅるるるるるぅぅっ!」バシャバシャ
目を覚ましたのか、ばしゃばしゃと暴れだした。
野良アライちゃん3「ぜは、がはっ!ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ!」ゴクゴクゴクゴク
そして、ビニールプールの水を凄い勢いで飲み始めた。
野良アライちゃん3「ぜぇ、はぁっ!んごぐっ!ごぐごぐごぐごぐっ!」ゴクゴクゴクゴクゴクゴク
ビニールプールの水かさはどんどん減っていく。
- 246 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:13:00.32 ID:t7uA5xfxO
- 研究員1は、すぐにケージの蓋を閉め、白い布で覆った。
野良アライちゃん3「ぷっはああああ!!」ゼェハァ
野良アライちゃん3「うぅ〜〜!ごはん!ふぅううーーっ!」キョロキョロ
野良アライちゃん3は、ケージの外の研究員に気付いていないのだろうか…
ケージの中で食べ物を探し始めた。
コオロギ達「「…」」ピョンピョン
野良アライちゃん3「こーよぎ!こーよぎなのりゃあ!たあ〜!」ヨチヨチヨチヨチ
さすがにのろまな野良アライちゃん3でも、虫ぐらいなら捕まえることができる。
野良アライちゃん3「はぐはぐ!あぐっあぐっ!ぐっちゃぐっちゃっ!」グチャグチャ
そして、捕まえたコオロギを物凄い勢いで食い始めた。
野良アライちゃん3「はぐはぐはぐっ!うゆぅ!のりゃ!のりゃっ!あむっ!」パクムシャパクムシャ
野良アライちゃん3は、獲物を食べることしか考えていないようだ。
- 247 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:15:50.88 ID:t7uA5xfxO
- だが、コオロギはすぐに無くなった。
野良アライちゃん3「うぅーー!ふぅーーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ
次は、イガ栗や、クルミの方へ向かったが…
野良アライちゃん3「ぴぃ!?」チクッ
栗の針のせいで、栗を食うことはできず。
野良アライちゃん3「あぐあぐあぐ!」カリカリ
硬いクルミの殻を噛み砕くこともできなかった。
野良アライちゃん3「ふぅーーーっ!ふぅーーーっ!きゅるるるぅうーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ
そして、ケージの中を這い回った。
- 248 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:18:55.87 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん3「ぜぇ、はぁ…」グーギュルルル
野良アライちゃん3は、ひとしきり暴れた後…
野良アライちゃん3「…」グッタリ
暴れ疲れたのだろうか、そのまま横になった。
野良アライちゃん3「…うゆぅ…むにゃむにゃ…。しゅぴぃー…しゅぴぃー…」スヤスヤ
そして、そのまま眠ってしまった。
- 249 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:26:12.77 ID:t7uA5xfxO
- 研究員1「…今回のアライちゃんも、迷路を効率的に探索することはできなかったな」
研究員2「ああ。しばらく前に来た道を、後で同じように辿ったりしている。どうやら、アライちゃんはこういう道を覚えるのは苦手なようだ」
研究員1「それに、ほとんど食べ物のにおいのする方向へ一直線に進んでいた。本当は、一旦遠ざかる遠回りの道が正解なんだけどな…」
研究員1「その『一旦遠ざかる』というのが、野良アライちゃんにはできなかったようだ」
研究員2「…少しずつ、データが集まってきたな」
研究員1「ああ。迷路の中の糞尿を除去したら、この野良アライちゃんは別の研究室へ売ろう…」ガラガラ
研究員達は、迷路を清掃し始めた。
- 250 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:31:39.14 ID:t7uA5xfxO
- やがて、研究室の入り口に、作業着の女性が来た。
荷台を持っている。
作業着の女性「ちわーす。アライちゃん引き取りにきました」
研究員1「お、アライ飼育室の方か。はい、検体はこのケージの中です」ガシャ
研究員1は、女性が持っている荷台へ、白い布で覆ったケージを乗せた。
作業着の女性「はい、ではお預かりします。研究室の口座には1200円を振り込んでおきますね」ガラガラ
作業着の女性は、野良アライちゃん3が入ったケージを運び、廊下を進んでいった…。
研究員1「いまだに実験用の野良アライちゃんは不足してるな…」
研究員2「ああ。大学のアライ飼育室から買値は1500円だが、生かしたまま売れば1200円で売れる」
研究員2「アライちゃんを殺さずにできる実験なら、実質300円でできるわけだな」
- 251 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:40:08.93 ID:t7uA5xfxO
- 東(あずま)大学…。
アライさんの生態や肉体に関する研究室がたくさん存在している。
アライ回収業も、この大学から出たベンチャー企業である。
研究員2「しかし、アライ回収業始めたはいいものの…まともに実験に使える野良アライちゃんは集まりが悪いようだな」
研究員1「無理もないですよ。生きたアライちゃんでも、たかが100円程度しか買い取らないですし。利用者が少ないんです、このサービス」
研究員2「やっぱりか…。実際はもっとたくさん、住人達は野良アライちゃんを捕まえているんだろうけど。自分で殺して燃えるゴミに出したり、あるいは追っ払うだけで済ます人も多いようです」
研究員1「もっと効率的に野良アライちゃんを集めたいところだな…」
- 252 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:50:40.47 ID:t7uA5xfxO
- 研究室教授「どうだ、論文は書けそうか?」
研究員1「あ、はい!『アライちゃんの迷路探索実験による知能水準の考察』書けそうです!」
研究室教授「どれどれ、これがレポートか…」パラリ
-概要-
アライちゃんは、幼獣としては異常に高い知能をもつ。
その高いサバイバル能力や学習能力で、罠や動植物について学習していく。
しかしながら、アライちゃんは幼獣、つまり脳は発育途上にある。
一般の動物の成体を超えるほどの知能を持っているかは不明である。
そこで今回の実験では、迷路探索実験を行い、成体ドブネズミとアライちゃんの対照実験を行った。
その結果、アライちゃんの迷路探索能力は、成体ドブネズミより大きく劣ることが確認された。
このことから、発育途中のアライちゃんの知能は、サバイバルに最低限必要な能力のみが優先して発達しており、それ以外は遅い段階で発達していくものと推察される。
- 253 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:54:24.14 ID:t7uA5xfxO
- 研究室教授「…よろしい。次の学会は大丈夫そうだな」パラッ
論文を読み終えた研究室教授は、まあまあ満足といった表情をしている。
研究員1&2「「ありがとうございます!」」ペコリ
- 254 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 11:59:48.00 ID:t7uA5xfxO
- 〜アライ飼育室〜
野良アライちゃん3「うぅー…せまいのりゃ…」
野良アライちゃん3は、ケージの中に閉じ込められている。
野良アライちゃん3「はやくここからでたいのりゃ…でも、ごはんはもらえゆし…」ゴロン
野良アライちゃん3「うぅ…」
野良アライちゃん3は退屈そうにしている。
奇妙な運命であった。
アライホイホイに引っ掛かり、姉妹が罠を学習するための『残機』となって消耗され、消えるはずだった野良アライちゃん3。
そんな野良アライちゃん3が、人に保護され、実験動物として生き長らえているのである。
野良アライちゃん3「おねーしゃんたちは…どうしてゆんだろ…またあそびたいのりゃあ…」ゴロン
- 255 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 12:01:39.28 ID:t7uA5xfxO
- そういえば、野良アライちゃん3を見捨てて生き延びた姉妹アライちゃん2&4は、今頃どこで何をしているのであろうか?
https://i.imgur.com/6xkx5kN.png
…こうなっていた。
- 256 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 12:04:01.48 ID:t7uA5xfxO
- 続く
- 257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 12:05:29.76 ID:mRrXIXb4O
- 残りの姉妹はすでに罠にはまって駆除されていたとは…
- 258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 12:05:57.07 ID:sdrQDuQt0
- 乙
実験パートでも作者が変われば、違う分析になったりするからいいね
- 259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 18:41:34.71 ID:4wQmOhZ9O
- ペットボトル可哀想
- 260 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:03:22.86 ID:t7uA5xfxO
- 〜アルパカ牧場〜
アルパカ「メェ〜」モシャモシャ
ここはアルパカ牧場。
毛がもさもさ生えたアルパカが、牧草を食べていた。
そこへ…
野良アライちゃん「のりゃ!のりゃっ!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃんが近寄ってきた。
アルパカ「?」
野良アライちゃん「あゆぱか〜!あゆぱかしゃんなのりゃ〜!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃんは、アルパカの足元へ這いよってきた。
何をするつもりなのであろうか?
- 261 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:13:34.67 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん「のりゃ!のりゃっ!」ヨジヨジヨジヨジ
アルパカ「…」
野良アライちゃんは、アルパカの前足をよじ登った。
そして…
野良アライちゃん「ふわっふわなのりゃ〜!」モフッ
毛刈り前のアルパカの、もふもふの毛にダイブした。
野良アライちゃん「ふははははー!あゆぱかしゃんのふわっふわおけけ、もっふもふできもちい〜のりゃあ〜!≧∀≦」モフモフモフモフ
野良アライちゃんは、アルパカの毛をモフっている。
野良アライちゃん「あゆぱかしゃ〜ん♪しゅきしゅきなのりゃ〜♪もっふもふ♪もっふもふ♪」モフモフモフモフ
野良アライちゃん「ふっわふっわもっふもっふあっゆぱっかしゃん♪しゅっきしゅっきだいしゅきあっゆぱっかしゃん♪か〜いいか〜いいあっゆぱっかしゃん♪」モフモフモフモフスリスリスリスリ
野良アライちゃん「なのりゃー!≧∀≦」モフモフモフモフ
野良アライちゃんは、アルパカを思う存分モフっている。
- 262 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:23:13.21 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん「あゆぱかしゃんのおけけ、ありゃいしゃんにちょーだいなのりゃあ!おうちでもふもふしたいのりゃ〜!≧∀≦」ガシィ
野良アライちゃんは、アルパカの毛を掴んだ。
越冬のために巣材にしたがっているのだろうか。
野良アライちゃん「わっちぇ!わっちぇ!」グイグイ
そして、アルパカの毛を引っ張った。
アルパカ「…」イラッ
アルパカ「メェ!」ブルブルッ
アルパカは怒ったのか、体を震わせた。
野良アライちゃん「うゆ!?…ぴぃ!」ボテッ
野良アライちゃんは、牧草の上に振り落とされた。
野良アライちゃん「うゆぅ…いちゃいのりゃあ!」スリスリ
牧草の上で仰向けにじたばたしているの野良アライちゃん。
アルパカ「ペッ!」ビチャ
野良アライちゃん「ぴぎぃ!?」ベチャァ
その顔面に、アルパカは唾を吐きかけた。
- 263 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:29:39.71 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん「ぴ…ぴっ…」ウルウル
アルパカの唾はものすごく臭い。
唾というより、大部分は胃液である。
それを全身に浴びた野良アライちゃんは…
野良アライちゃん「…びええええええええーーーーんっ!!くちゃいぃーーっ!くちゃいのりゃああーーーっ!」ビエエエエエン
あまりの臭さに泣いた。
野良アライちゃん「う゛ゆ゛ぅ!くしゃいいぃ!とれないぃい!」ゴロゴロ
野良アライちゃんは、牧草の上で転がって、体にべっとりついた唾をとろうとしているが…
野良アライちゃん「のぁああーーーーんっ!のおおぉーーーぁあああーーーんっ!」ビエエエエエン
粘液は簡単にはとれないようだ。
アルパカ「ペッ!」ビチャ
野良アライちゃん「ぴぎいぃい!」ベチャァ
とどめの追い唾。
2発もの唾を浴びた野良アライちゃんは、もうベットベトだ。
野良アライちゃん「くちゃいのやなああああーーっ!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん「かえゆぅーーーっ!おうぢがえゆぅーーーっ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
野良アライちゃん「のぉおおーーぁああああーーんっ!のぁああーーーんっ!」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
野良アライちゃんは、柵の外へ逃げていき、牧場から離れていった。
よほど臭かったのだろう。
その泣き声は、しばらくの間遠くから聞こえ続けた。
- 264 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:35:56.09 ID:t7uA5xfxO
- 〜翌日、アルパカ牧場〜
野良アライちゃん「のりゃっ!のりゃっ!」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃんは、懲りずにアルパカ牧場へ向かっていた。
野良アライちゃん「うゆぅ…。あゆぱかしゃんは、おけけをもらおーとちからおこったのりゃ…はんせーしたのりゃ…」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃん「だからきょーはもふもふだけしゅゆのりゃ〜♪≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ
やがて、野良アライちゃんは、アルパカの姿を見つけた。
野良アライちゃん「あ、あゆぱかしゃんなのりゃー!≧∀≦」ヨチヨチヨチヨチ
アルパカに近寄ると…
https://i.imgur.com/FWzhiJV.jpg
野良アライちゃん「う゛ゆ゛ぅ!?」ビクゥ
なんと、昨日のアルパカの毛が刈り取られているではないか。
- 265 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:39:52.92 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん「な、なんでなのりゃ!?」キョロキョロ
他のアルパカ達を見ても…
https://i.imgur.com/mrNz3K9.jpg
アルパカ達「…」モシャモシャ
野良アライちゃん「…う…うゆぅう〜〜っ!おけけがないのりゃあーーーっ!」
昨日アライちゃんがモフった以外のアルパカ達は、初夏に毛を刈り取ったばかりであり、秋初めである今の時期はまだ毛が生えていない。
昨日アライちゃんがモフったアルパカは、諸事情で一昨日まで他所へ行っており、まだ毛を刈り取っていなかった。
そして今日、アライちゃんが来る前に毛を刈り取ったのであった。
- 266 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:42:11.40 ID:t7uA5xfxO
- 野良アライちゃん「これじゃもふもふできないのりゃあ〜〜っ!のぉーーぁあああーーんっ!のぉぁああーーーんっ!。≧Д≦。」ビエエエエエン
アルパカ「…」イラッ
野良アライちゃん「ぴぃ!?もーくしゃいのぺっぺちないでえ〜っ!。≧Д≦。」ヨチヨチヨチヨチ
野良アライちゃんは、泣く泣く巣へと戻っていった…。
- 267 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/04(土) 19:42:52.10 ID:t7uA5xfxO
- 続く
- 268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 20:03:12.62 ID:TBh+Ura0o
- 乙
アライさんはいつ頃から毛が生えるんですか?
それとも一生パイパンなんですか?
- 269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 22:56:31.71 ID:sdrQDuQt0
- 乙
アルパカも毛を刈られるんだ
知らなかった
- 270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 00:45:19.71 ID:UNgT1d2K0
- >野良アライちゃん3は、ペットボトルの蓋を、哺乳瓶のようにしゃぶっている。
>哺乳瓶と違って、水は出てこないが…。
同じ行動を成獣の猫がちゃおちゅーるの未開封パッケージでやるな。
愚かしくもあるがせっぱつまれば人間でもやりかねないから、そうは笑えない。
しかし、生存にステータス全ぶりしてるはずのアライちゃんがアルパカの毛並みに魅かれるのは少し微笑ましい。
たとえ生存のためでも。
そのオチも含めての微笑ましさだけどさ。
- 271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 01:12:39.68 ID:Axfg+gBQo
- アルパカをモフるアライちゃんかわいいね❤
[ピーーー]よ
- 272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 01:20:03.54 ID:WJLH3Fpho
- >>269
羊と並んでいい毛糸ができるからね
- 273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 03:44:56.10 ID:6zaP46ZI0
- 牧草が生い茂っているのに生きたコオロギがいるとか、いよいよ季節が分からなくなってきたな。
- 274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2018/08/05(日) 07:48:57.91 ID:ee5WTfzJ0
- >>273
実験室のだからあまり関係無いんジャマイカ?
- 275 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 10:07:17.21 ID:cgy0sJZTo
- …
〜森の中の湖〜
湖の岸で、三匹のアライちゃんが手をバシャバシャしている。
大アライちゃん1「ふははー!」バシャバシャ
大アライちゃん2「おしゃかなさんとゆのだぁ〜!たあ〜!」バシャバシャ
小魚「」ピチピチ
大アライちゃん3「やったのだ〜!ざにがにとれたのだぁ!」バシャア
ザリガニ1「」ワキワキ
大アライちゃん1「あらいしゃんもざにがにとれたのだ〜!」バシャア
ザリガニ2「」ワキワキ
大アライちゃん2「ふはは〜!それじゃー、しまいなかよくごはんたべゆのだぁ!≧∀≦」シッポフリフリ
大アライちゃん1〜3「「「いただきますなのだ〜!はぐがぶぅ!」」」ガブゥ
アライちゃん達は、湖から獲った魚やザリガニを一斉に食べる。
大アライちゃん1「あむあむあむあむあむあむあむあむ!!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ
大アライちゃん2「おいちーのだぁ!おしゃかなしゃんおいちーだ〜!」クッチャクッチャ
大アライちゃん3「くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ!あぐあぐあぐ!(≧'u(≦ )」クッチャクッチャ
大アライちゃん1〜3「「「おいち〜のだぁ!≧∀≦」」」シッポフリフリ
このアライちゃん達は、体長が30センチ程ある。
もうすぐ二本足で立てるようになり、アライしゃんへ成長するだろう。
- 276 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 10:20:35.06 ID:cgy0sJZTo
- 大アライちゃん1「げぇぷ!うぅ〜!まだまだおなかへゆのだぁ!」
大アライちゃん2「もっともっとたくしゃんとゆのだぁ!」バシャバシャ
大アライちゃん3「いーっぱいごはんたべておーきくなゆのだぁ!」バシャバシャ
アライちゃん達は、再び湖から餌を探し始めた。
アライちゃん達はこの時期から、急速に食欲が増していき、一日中食べ物を探し続けるようになる。
アライさんという生き物(?)の成長速度は異常だ。
産まれてから半年かかって体長30センチ程へ成長し…
そこから1年半かかって、体長130〜140センチまで一気に成長するのである。
それだけ異常なスピードで成長するのだから、体をつくるための栄養もたくさん必要になる。
大アライちゃん1「あむあむあむあむあむっ!」クッチャクッチャ
そのため、胃がパンパンになるまで餌を詰め込み、胃が空いたら再び餌を詰め込むというヘビーローテーションの食事を繰り返すのである。
大アライちゃん2「はぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐはぐ!」クッチャクッチャ
- 277 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 10:32:51.68 ID:cgy0sJZTo
- 大アライちゃん1「げぇ〜ぷ!おなかい〜っぱいになったのだぁ〜!」オナカパンパン
大アライちゃん2「まちなかにいたころには、こんなにいっぱいおいちーものたべれなかったのだぁ!」オナカパンパン
大アライちゃん3「もりにきてせーかいだったのだ♪もうひとざとはこりごりなのだ!しまいなかよく、ここでずっとくらしてうーんとおーきくなゆのだぁ!」オナカパンパン
大アライちゃん1〜3「「「なのだ〜!」」」オナカパンパン
アライちゃん達は、とても幸せそうだ。
- 278 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 10:42:24.15 ID:cgy0sJZTo
- 大アライちゃん1「うぅ〜、いっぱいたべたらうんちしたくなってきたのだ」シッポフリフリ
大アライちゃん2「はいせつすゆのだ!」シッポフリフリ
大アライちゃん3「うぅーっ!」ブリブリ
大アライちゃん1〜3「「「うぅ〜っ!」」」ブリブリブリブリ
大便「」モワァン
アライちゃん達はその場で排泄した。
アライさんは多くの四足歩行動物たちと同じく、排便時に肛門から腸の一部が裏返って外へ出る。
そのため排便後に尻を拭かなくても、肛門が汚れない体の仕組みになっているのである。
大アライちゃん1「すっごいいっぱいでたのだぁ〜!≧∀≦」シッポフリフリ
大アライちゃん2「うげーくっさいのだぁ〜!あはは、ざにがにのからまじってゆのだ!≧∀≦」ゲラゲラ
大アライちゃん3「おえ〜すんげ〜くっさいにおいなのだ!こんだけくさいためふんなら、あらいしゃんたちのつよさをあぴーゆできゆのだぁ!≧∀≦」シッポフリフリ
- 279 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 10:50:52.84 ID:cgy0sJZTo
- 大アライちゃん1「ふぅ…」ノンビリ
大アライちゃん2「ひとざとにいたころは、こんなにのんびりできなかったのだ…」ノンビリ
大アライちゃん3「そうなのだ。ねこにいちばんしたのいもーとたべられたり…わゆいひとしゃんにいじめられたり…」
大アライちゃん1「いっつもおなかぺこぺこで、たべゆののもなくって…しんどかったのだ…」
大アライちゃん2「あんなとこでくらせなんてゆーおかーしゃんはがいじなのだ!ひとざとなんかでくらせゆわけないのだ!なにがいんたーちっぴなのだ!」
大アライちゃん3「もりにきてからは、たべものいーっぱいで、ひとしゃんもいないのだ!とってもくらしやすいのだ!」シッポフリフリ
大アライちゃん1〜3「「「しあわせなのだ〜…」」」 ウットリ
アライちゃん達は、湖の獲物を食べまくってパンパンに膨らんだお腹を上にして、ごろんと寝転んでいる。
- 280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 11:52:03.45 ID:faSpaezGO
- フラグがピンピンにたってきましたな。
- 281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 14:46:04.36 ID:aedbgo98O
- ザリガニそのまま食ってるのか...
- 282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 14:50:03.70 ID:UKr7gXXco
- そらそうでしょ、野生動物なんだから
- 283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 15:25:39.38 ID:PBZ4opiPO
- いや煮たり焼いたりじゃなくて頭からバリバリ食ってるのか...と。
鳥は頭とか硬いのを残すから道路とかによく転がってるのを見る、って書いてて思ったんだけど食ってるのはアライちゃんだから納得。
- 284 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 15:45:59.37 ID:cgy0sJZTo
- アライちゃん達は、まだ体も知能も未発達なうちに、母親によって強制的に人里へ連れてこられる。
だが、別に四六時中監視されているわけではない。
自分たちの力では、もう人里で暮らしてはいけないと見切りをつけたら…
人のいない森の中へ逃げ隠れ、そこで自然の恵みを食べて生きること、それ自体は可能なのである。
その選択をするのも無理もない。
母親の言い付けなんかよりも、自分の命の方が大事だと考えるのは。
インターンシップを生き抜けるアライちゃんは20〜10%といわれている。
それも、運に恵まれるだけではなく、先天的に知能が高い天才児ぐらいしか生き残れない。
天才じゃない凡才のアライちゃん達は、こうして森へ逃げ延びることがある。
いわゆる『インターンシップの落第』という行為だ。
もしも、すべての凡才アライちゃんが、こうして人里から森へ際限なく逃げ隠れたら…
アライちゃんの生存率は大きく向上し、瞬く間にアライさんの個体数は増加し…自然を破壊していくことだろう。
- 285 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 15:53:23.29 ID:cgy0sJZTo
- 大アライちゃん1〜3「「「のりゃあ…のりゃあ…」」」zzz
大アライちゃん達は、ごろんと仰向けに転がって昼寝を始めた。
人里へいたころは、睡眠をとることさえ一苦労。
睡眠中に猫や駆除業者に捕まって殺されるのではないかと、怯えながら寝ていた。
しかし、森の中にそんな脅威は(このアライちゃん達の知る限りは)いない。
このように無防備に、リラックスして寝ていても、野良猫や駆除業者に殺されることなどない。
- 286 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 16:35:27.01 ID:cgy0sJZTo
- 続きは後で
- 287 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 18:09:10.43 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん1〜3「「「のりゃあ…のりゃあ…―∀―」」」スピースピー
???「ふん!」ドガァ
大アライちゃん3「びぎいぃいいーーーーーっ!?」
突然、大アライちゃん3は何者かに棒状の物体で頭を殴られた。
大アライちゃん1「≦∀≧」!?
大アライちゃん2「≦∀≧」!?
大アライちゃん3「びぎいいぃいいーーーーっ!!いぢゃいぃいいーーーっ!いっぢゃあいのだあああーーーーっ!」シッポブンブン
https://i.imgur.com/k0tcBfY.jpg
大アライちゃん1「だ、だれなのりゃあ!」フゥーッ
大アライちゃん1は、末女を叩いた者の方を見た。
そこにいたのは…
- 288 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 18:19:22.23 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「どこのどいつか知らないが、なんでここにいるのだ、チビ共!インターンシップで人里にいないとダメなのだ!」
そこにいたのは、なんと成体のアライさんであった。
その口ぶりからすると、大アライちゃん1〜3との血縁関係はないようだ。
野良アライさん「落第した出来損ないが!アライさんの餌場を荒らすななのだぁーっ!」ブンッ
野良アライさんは、大きな動物の骨を振りかざし、大アライちゃん3の頭を再び強打した。
大アライちゃん3「ふぎゅ!」ベヂゴォッ
大アライちゃん2「いもーとぉっ!」
大アライちゃん3「」ビグッビググッジタバタジタバタタッビググンビビグン
大アライちゃん3は、頭から血を流しゴキガイジムーブしている。
大アライちゃん2「な…な…!」ブルブル
- 289 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 18:24:07.66 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん2「おまえええーーーっ!なんであらいしゃんのだいじなだいじな!なかよしいもーとぶっこよちたのだあああっ!!」フゥーーッ
大アライちゃん1「いもーとはたいせちゅなかぞくだったのだああーーーっ!」フゥーーッ
野良アライさん「なんだお前…自分のお母さんから教わってないのか?インターンシップのルールを…」
大アライちゃん2&3「「…う、ぅっ…」」ブルブル
知っていた。
聞いていた。
母親に教わっていた。
インターンシップを落第して、森へ逃げたアライちゃん達は…
野良アライさん「出来損ないだから!処刑するのだあーーっ!」ダッ
野良アライさんは、大きな骨を持って大アライちゃん1&2へ襲いかかった。
大アライちゃん1&2「「ぴいいいぃいいーーーーーっ!にげゆのだあああーーーーーーっ!」」ヨチヨチヨチヨチ
大アライちゃん達は必死で逃げる。
- 290 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 18:28:14.53 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「遅いのだぁーーっ!」ザザザザザザザ
大アライちゃん1&2「「ぴいいいぃいいーーーーーっ!?こないでえぇーーーーっ!!」」ヨチヨチヨチヨチ
だが、両者のスピードには差がありすぎた。
通常の野良アライさんが全速力で走るスピードは、奇妙な表現をするが…
『成体アライグマの全速力より速い』。
膝をついてヨチヨチするアライちゃん達との距離は、どんどん縮まっていく。
大アライちゃん1「ひぃ、ひいぃ!こっちににげゆのだ!」ヨチヨチヨチヨチ
大アライちゃん達は、草の生い茂る急な坂道を上ろうとしている。
- 291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 18:39:48.20 ID:1DEMbLXQO
- 3がこっそり生きていた件、しかも震える余裕があるレベルでピンピン
- 292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 18:47:03.81 ID:x8aAbS/HO
- アライさんは四つ足で走ってるのだろうか、それとも人間みたいに走ってるのだろうか。
二足でアライグマ並みのスピード出してたら凄い
- 293 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 18:48:26.73 ID:P4WlXgtUO
- だが…
大アライちゃん1&2「「わっちぇ!わっちぇ!」」ヨジ…ヨジ…
坂道を上る大アライちゃん達のスピードは、平地より明らかに遅い。
後ろ足をひっきり無しに動かしているが、膝と脛は草でつるつる滑っている。
大アライちゃん1「ぴいぃ!なんでなのだぁ!ちっちゃいころはもっとすいすいのぼれたのにぃー!」ヨジヨジ
大アライちゃん2「うぅーー!」ヨジヨジ
アライちゃんは、膝と脛をついてヨチヨチ四足歩行で移動する。
この状態で、滑りやすい草の生い茂る坂道を上ろうとするとどうなるか?
そう。
膝と脛は接地面積が大きいため、草の上でズルズル滑る。
そのため、坂道でヨチヨチすると、坂の下へズルズルとずり落ちていくのである。
幸い、体重の軽い小さなアライちゃんのうちは、坂道でも問題なくヨチヨチできる。
だが、アライしゃんに近い大きさまで育った大アライちゃん達は、ロッククライマーのように苦戦している。
大アライちゃん1&2「「わっちぇ!わっちぇ!」」ヨジヨジ
それでも、スイスイ木登りできる身体能力をもつ大アライちゃん達は、腕力を駆使して強引に坂道を上っていく。
まるでボルダリングか、ロッククライミングのように。
- 294 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 18:52:42.74 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「遅いのだ!」スタスタ
大アライちゃん1&2「「ぴいいぃい!?」」ビクゥ
だが、二足歩行のアライさんは、難なく大アライちゃんに追い付いた。
というより…
アライさんは、この大きさのアライちゃんが坂道を上りづらいことを知っており、わざと斜面へ追い込んだようだ。
野良アライさん「ふん!」ボゴォ
大アライちゃん2「びぎぃっ!」グシャ
野良アライさんは、骨棍棒で大アライちゃん2の後頭部を全力で殴打した。
大アライちゃん2「びっぎぃいいい〜…!」ゴロンゴロンゴロゴロゴロゴロ…
大アライちゃん2は、坂道をごろごろ転がり落ちていく。
- 295 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 19:03:49.12 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「お前で最後なのだ…!」
大アライちゃん1「ひぃ…!た、たしゅけて…!」ブルブル
野良アライさん「ズルした奴は許さないのだ!お前みたいなオツムの足りない出来損ないが森でウジャウジャ殖えると、アライさんの食べ物が無くなるのだ…!」ザッザッ
大アライちゃん1「も…もっ…」ブルブル
野良アライさん「きちんとインターンシップを生き残った奴となら、ご近所付き合いしてやるが…お前みたいな甘ったれのガイジは駆除してやるのだ!」スッ
野良アライさんは、骨棍棒を掲げた。
大アライちゃん「もどゆぅーーーーっ!!いんたーちっぷもどゆからあーーーーっ!こよちゃないでなのだあーーーっ!!」
野良アライさん「…戻る?」ピタッ
たとえ今この状況で、インターンシップに戻るなどと発言したところで、
野良アライさんに大アライちゃん1を見逃す義務などない。
- 296 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 19:07:55.30 ID:P4WlXgtUO
- 続きは後で
- 297 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:04:16.72 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「…面白いこと言う奴なのだ」
大アライちゃん1「うっ…うゆぅっ…ぐしゅっ…りっぱに、いきゆから、こよさないでぇっ…」シクシク
野良アライさん「だったらお前、今転がっていった妹を、首を絞めて殺してみるのだ!」スッ
大アライちゃん1「うゆぅ!?」ビクゥ
野良アライさんは、坂の下でジタバタしている大アライちゃん2を指差した。
大アライちゃん2「ぴぃ…ぎぃ…!いっぢゃあああああいいいいぃっ!いぢゃあああああーーいいいいいいいっ!」ジタバタジタバタタ
大アライちゃん1「や…やなのだ…いもーとは、なかよしなのだ…いっしょじゃないと、いきてけないのだ…」ブルブル
大アライちゃん1の言うことは過言ではない。
これまでこの姉妹は、協力し合うことで何度も窮地を脱してきた。
一匹では死んでいたような場面でも、姉妹で助け合うことで生き延びてこれたのである。
そのかけがえのない姉妹を失い、一人でインターンシップに戻ることが、どれだけ無謀なことか…。
大アライちゃん1「だいじないもーと…こよちたくないのだぁ…!」シクシク
野良アライさん「従わないならいいのだ。ここで仲良く死ねばいいのだ!」スッ
野良アライさんは、再び骨棍棒を掲げる。
- 298 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:10:45.80 ID:P4WlXgtUO
-
大アライちゃん1「わかったのだあああ!いもーとぶっこよちゅからゆるぢでえええっ!」シッポブンブン
野良アライさん「物分かりのいい奴なのだ」ピタッ
野良アライさんは、骨棍棒を大アライちゃん1の頭へ寸止めした。
野良アライさん「ほれ、ならとっとと仕留めてくるのだ!」ゲシィ
大アライちゃん1「ぴぎぃ!」ゴロンゴロン
野良アライさんに蹴られた大アライちゃん1は、坂道をごろごろ転がっていく。
- 299 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:17:00.77 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん1「い、いもーと…」
大アライちゃん2「い…ぢゃい…いぢゃああいいぃ…!」ブルブル
大アライちゃん2は重篤なようだ。
大アライちゃん1「…う…」プルプルウルウル
野良アライさん「さっさとするのだ。アライさんがそっちに行くまでにやらなきゃ処刑なのだ」ザッザッ
大アライちゃん2「たしゅけ…て…おね、しゃ…」プルプル
大アライちゃん1「う…う…」
大アライちゃん1「ふしゃああああっ!」ガブゥ
大アライちゃん2「ふぎゅっ…!?」
大アライちゃん1は、妹の喉元に噛みついた。
- 300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 20:17:03.76 ID:mSdAOkyD0
- なかなか良い趣味してるな。野良アライさん。愉悦主義かな。
- 301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 20:17:33.36 ID:igvXbqUGo
- 「アライさんは薄情だな」ってスレ民はいいそう
すごーい!スレ民は家族のために己の身を犠牲にできるフレンズなんだね!
- 302 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:26:30.46 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん1「ふぎゅううううっ!うぎゅうう〜〜っ!」フゥフゥグググ
大アライちゃん2「おご…げ…!おね、しゃ…やべ…!」ジタバタ
大アライちゃん1「うぅ〜っ!ふぐっ、うぅ〜っ!」シクシクグググ
大アライちゃん1は、泣きながら妹の喉に噛みついていた。
まだ右も左も分からぬ幼い頃に、一緒に人里へ放り込まれて…
何度も何度も寝食を共にした、かけがえのない姉妹。
毎晩毎晩、母親に会いたい、森に戻りたいというホームシックにかられ、その度に励まし合ってきた姉妹。
時には、少ない食糧を誰が食べるか等で、喧嘩になったこともたくさんある。
何度も喧嘩して、仲直りして、何度も助け合って…
また喧嘩して、また仲直りして…。
そうして今まで生きてきた。
そうやって苦難を乗り越えてきた、かけがえのない姉妹に対して…
愛しさを感じない動物など、いるものであろうか。
大アライちゃん1「ふぅーっ!ふぐぐーーっ!」グググ
大アライちゃん2「ひ…ぎゅ…」ブクブク
大アライちゃん1は、涙と鼻水を流しながら、愛する妹の首を噛んで絞める。
妹の抵抗が次第に次第に弱くなっていくのを感じ、その命が自分のせいで失われつつあるのを感じている。
- 303 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:33:33.46 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「どれ、こいつのとどめを刺しておく、かっ!」ブンッ
大アライちゃん3「」ドグシャ
野良アライさん「ふんっ!ふんっ!」ブンッ ブンッ
大アライちゃん3「」グシャッ ドグシャ
野良アライさんは、最初に殴り倒した大アライちゃん3にきっちりとどめを刺した。
大アライちゃん1「ううぅ、ぅううう!」グググ
大アライちゃん2「あ…ぎゅ…」ガクゥ
大アライちゃん2「」
大アライちゃん2はグッタリした。
大アライちゃん1「はぁ、はぁっ…」パッ
大アライちゃん1は、妹は喉から口を離した。
- 304 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:37:36.08 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん2「…ぴいぃいいいぃいぃぃぃいい〜〜〜〜〜っ!」ムクゥ ヨチヨチヨチヨチ
なんと大アライちゃん2は、起き上がって逃げ出した。
大アライちゃん1「…!」ハァハァ
大アライちゃん1は、妹が死んでいなかったことをホッとするが、しかしそれでは自分が野良アライさんに殺されてしまうことにも気づいた。
大アライちゃん2「ぴぃ!ぴぃ!ぴいぃいいいぃいぃぃぃいい〜〜〜〜〜っ!!」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
大アライちゃん2は首を絞められ続けたせいで意識が朦朧としているのか、体をガクガク揺らしながら、へとへとと逃げる。
大アライちゃん1「い…いもー…と…!うぅ〜っ!」ヨチヨチヨチヨチ
大アライちゃん1は、愛する妹にとどめを刺すために追いかける。
大アライちゃん2「ぴぃ!ふみゅ!ふみゅぅううんっ!ふきゅぴきぃい〜〜〜っ!」ヨチヨチガクガクヨチヨチガクガク
妹と姉の距離はすぐに縮まっていく。
- 305 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:47:32.73 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん1「たあ〜!」バッ
大アライちゃん2「ふぎゅ!」ビターン
大アライちゃん1「…!」アーン
大アライちゃん2「ふぎゅぅうううう!ぴぎゅうぅうううう!きゅうるるうるるるるるぅう〜っ!」ジタバタバリバリ
大アライちゃん2は、先ほど首を噛み絞められ続けたせいで、意識が混濁しているようだが、それでも必死の抵抗をしてくる。
大アライちゃん1「…」
大アライちゃん1は、かつてこの妹と何度も喧嘩をし、取っ組み合いをしてきたことを思い出した。
大アライちゃん2は喧嘩が強く、何度も負かされたことを思い出した。
大アライちゃん2「ぴぎぅ!ぴぎゅ!ぴぎゅるるるぅ!」ブンッブンッ
だが…
後頭部に大ダメージを負い、酸欠で意識が混濁した大アライちゃん2の抵抗は、かつて取っ組み合いの喧嘩をしたときとは比べ物にならないほど弱々しかった。
大アライちゃん1「…う…ぅううう!」チラッ
大アライちゃん1は、後ろを振り返った。
野良アライさん「むしゃむしゃ…」ツカツカ
大アライちゃん3「」グチャグチャ
野良アライさんは、大アライちゃん3を持って肉を食い千切りながら近づいてくる。
- 306 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:51:19.30 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん1「…はぁぐがぶぅっ!」ガブゥ
大アライちゃん2「びっ…」ビグゥ
大アライちゃん1は覚悟を決して、再び妹の喉に噛みついた。
大アライちゃん2「ピギー!ピギー!」ジタバタジタバタ
大アライちゃん1「っ…」グググ
大アライちゃん2「ピギー…ピギー…」ビグッビグッ
大アライちゃん2「」ガクッ
大アライちゃん1「…っ」メキメキメキメキ
大アライちゃん1は、妹が抵抗しなくなってからも、しばらく喉を噛み絞め続けた。
- 307 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 20:53:31.13 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「もういいのだ。どいてるのだ」ゲシィ
大アライちゃん1「ぴぃ!」ゴロン
野良アライさんは、大アライちゃん1を蹴って横に転がした。
野良アライさん「ふんっ!」ブンッ
大アライちゃん2「」ドグシャ
野良アライさんは骨棍棒で大アライちゃん2の頭をぶん殴った。
大アライちゃん1「あ…ぁあ…」
野良アライさん「だぁ!たぁ!」ブンッブンッ
大アライちゃん2「」メシャボギィ
大アライちゃん1は、目の前で自分の妹が、頭を叩き潰されていくのを見届けた。
- 308 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 21:09:46.54 ID:P4WlXgtUO
- 大アライちゃん1「…っ…」ブルブル
野良アライさん「さて…片付いたのだ。じゃ、さっさと人里へ戻るのだ」
大アライちゃん1「は、はいなのだ…」ヨチヨチ
野良アライさん「…」スタスタ
野良アライさんは、大アライちゃん1へついていく。
野良アライさん「人里まで見送ってやるのだ」スタスタ
大アライちゃん1「う、うゆうぅ…」ヨチヨチヨチヨチ
二匹は人里への道を進んでいく。
途中で、水溜まりを見つけた。
野良アライさん「水なのだ!ごくごく…」ゴクゴク
大アライちゃん1「ぺちゃぺちゃ…」ペチャペチャ
野良アライさん「ふぅ。さて行くのだ」スタスタ
大アライちゃん1「きゅるるる…」ヨチヨチシッポフリフリヨチヨチシッポフリフリ
- 309 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 21:15:12.95 ID:P4WlXgtUO
- 日が暮れた頃、二匹は人里が見えるあたりまで来た。
野良アライさん「ここで夜を待つのだ」スクッ
大アライちゃん1「ぜぇ、はぁ…お、おなかしゅいたのだ…」グーギュルル
野良アライさん「もぐもぐ…」ムシャムシャ
野良アライさんは、大アライちゃん3の脚を一本おやつ代わりに持ってきていたようだ。
それをフライドチキンのように貪っている。
大アライちゃん1「…」グーギュルル
大アライちゃん1は、野良アライさんを上目遣いで見ている。
野良アライさん「お前も食いたいのか?」
大アライちゃん1「のだっ、のだっ!」ピョンピョン
野良アライさん「ダメなのだ。これはアライさんの食べ物なのだ。その辺で虫でも捕まえてろなのだ」
大アライちゃん1「うぅ〜…」ガサガサ
ミミズ「」ウネウネ
大アライちゃん1は、土を掘ってミミズを捕まえた。
大アライちゃん1「もぐもぐ…」ムシャムシャ
大アライちゃん1「っ…!」モグモグ ウルウル
今まで、食事をするときはいつも姉妹がそばにいた。
姉妹で協力して食べ物を獲得し…
おいちーおいちーと喜びを分かち合ったり、食べ物を取り合って喧嘩したり…。
だが、その姉妹はもういない…。
大アライちゃん1「うっ…ひぐっ…ぐしゅっ…」クチャクチャ
大アライちゃん1は、泣きながらミミズを頬張った。
- 310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 21:20:02.69 ID:rzUsUQAA0
- >>301
今までのアライちゃんの話見てて自己犠牲の精神のある個体なんかいないのにそんな感想は出ないでしょ
- 311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 21:22:22.48 ID:FjBwFIFPo
- もう姉妹を肉としか見ていない…
- 312 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2018/08/05(日) 21:23:16.25 ID:P4WlXgtUO
- 野良アライさん「どれ、そろそろ人がいなくなったのだ。ほれ、さっさと向こう行くのだ。しっしっ」
大アライちゃん1「の、のだぁ…」ヨチヨチ
野良アライさん「もうチビのうちに戻ってくるんじゃないぞぉ」
大アライちゃん1「なのだぁ…」ヨチヨチ
心細さが滲み出る、脅えたような足取りで、大アライちゃん1はヨチヨチと人里へ向かう。
野良アライさん「もし無事に生き残って、大人になって森に帰って来れたら、チビに言い聞かせるといいのだ。『アライさんは一度落第したけど、挫折を乗り越えて、インターンシップを成し遂げたのだ』って」
大アライちゃん1「のだ、のだあぁ…」ヨチヨチヨチヨチ…
大アライちゃんは、人里へ戻っていった。
野良アライさん「どれ、アライさんも見つからないうちに森へ戻るのだ」ガサガサ
野良アライさんも、森へ戻っていった。
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