P「留美さん」 留美「何かしら」

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1 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/19(金) 23:56:44.11 ID:THC0HtbM0

P「すみません、仕事手伝ってもらって」


留美「いいのよ、ふたりで協力した方が早いでしょう? 合理的よ」


P「そうかもしれませんけど、留美さんはアイドルなのに…」


留美「アイドル、ね。まだ見習いよ。それに職業病なのかしらね、こういうお仕事をしていると気が紛れるの」


P「留美さん…」
2 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/19(金) 23:57:15.36 ID:THC0HtbM0

留美「ああ、気にしないで。前の職場のアイツと違って君のお仕事を手伝うのは楽しいもの。それに資料の整理をしていると色々参考になるしね」


P「…ありがとうございます留美さん。でも」


留美「でも?」


P「俺の仕事を手伝う暇もないくらい売れっ子にしてみせますから!」


留美「…ふふ、やっぱり面白いわね、君って」
3 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/19(金) 23:58:04.58 ID:THC0HtbM0



ーーーーーーーーーーーーー



P「留美さん」


留美「何かしら」


P「改めてドラマ初出演、おめでとうございました!」


留美「もう、何度目よそれ」


P「はは、すみません。でも本当に嬉しくて…」
4 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/19(金) 23:58:32.65 ID:THC0HtbM0

留美「まさかはじめてのお仕事がドラマのお仕事だなんて思わなかったわ。本当に私、ドラマに出たのよね…?」


P「はい! テープが擦り切れるくらい見返しました! 」


留美「テープって。今時?」


P「はは、さすがに冗談ですけど。でも、セリフも表情も完璧に覚えるくらい見ましたよ!」


留美「ありがとう。けど、なんだか照れくさいわ…」


P「留美さんすっごく綺麗でした。目がキリッとしていて凛々しくて…」
5 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/19(金) 23:59:09.03 ID:THC0HtbM0

留美「…目、ね」


P「はい! 留美さんの目、すっごく素敵です」


留美「…そんな風に言われたのはじめてよ私」


P「え、そうなんですか?」


留美「ええ。「怒ってるの?」とか「感じ悪い」とか。「君の顔じゃ営業は無理だな」なんて言われたこともあったわね」


P「何ですかそいつら! 見る目がないですね!」


留美「君と両親くらいよ。そんなに私の目を褒めてくれるの」
6 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/19(金) 23:59:50.08 ID:THC0HtbM0

P「留美さんはその意志の強さが現れた目がいいんですよ。凛々しくて、頼りがいがあって…」


留美「そうかしら…」


P「…で、たまにその目元が緩む時が最高に可愛いなって」


留美「…か、可愛い…?」


P「はい! 可愛いです」


留美「わ、わからないわ…いつそんな顔してた?」
7 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:00:23.22 ID:PgyQsfM80

P「ドラマの台本を受け取った時とか、撮影でOKが出た時とか、あと、ついさっきです」


留美「さっき? 打ち上げ?」


P「はい! 監督に花束を渡された時の留美さん、すっごく可愛かったです! ほら、写真見ますか?」


留美「ちょ、な、何撮ってるの! 消して!」


P「こんなに可愛いのに!?」


留美「可愛くないから…!」
8 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:00:58.39 ID:PgyQsfM80

P「アイドルが何言ってるんですか!ほら、めっちゃ可愛いですってこの留美さん! 潤んだ目元と表情が…!」


留美「わかったから! 消さなくていいからしまって!」


P「えー…」


留美「えーじゃないわよ全く……本当に君、変わってるわね」


P「そうですか?」


留美「そうよ。こんな26の女をアイドルにしたのも、か…可愛い、なんて言うのも」


P「それはきっと世間が留美さんの可愛さに気づいてないからですよ。俺がもっと留美さんの可愛さを発信しますからね!」
9 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:01:32.67 ID:PgyQsfM80

留美「も、もう好きにしてちょうだい……君、年上趣味なの…?」


P「え?」


留美「あーいや、なんでもないわ! さ! 明日も早いしもう帰りましょう!」


P「え、あ、ちょっと、留美さん!」


留美(…何を聞いてるのよ、私は…)
10 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:02:12.85 ID:PgyQsfM80



ーーーーーーーーーーーーー



P「留美さん」


留美「何かしら」


P「顔を上げてもらえると…」


留美「……今はムリよ」


P「そんなに恥ずかしがることでは…」
11 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:03:26.20 ID:PgyQsfM80

留美「恥ずかしいわよ…!」


P「猫を可愛がってた留美さん、可愛かったですよ?」


留美「あー! もう言わないで! あんな、あんな緩んだ表情で、猫撫で声で…! は、はっくちゅん!」


P「あ、ティッシュ使いますか?」


留美「……いただくわ」


P「もしかして、猫アレルギーなんですか?」


留美「……ええ」
12 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:04:20.76 ID:PgyQsfM80

P「そうですか…でも留美さんは、猫大好きな人、なんですよね? そうなのかなとは思ってましたけど」


留美「……ええ。悪い?」


P「悪いだなんて…むしろ、留美さんのこともっと可愛い人だなって。留美さんちょっと猫っぽいなって思ってましたし」


留美「そうやって可愛い可愛いって君は…! 私なんかが猫ちゃんくらい可愛いワケが…!」


P「どんだけ猫を可愛いものとして崇めてるんですか……あ、「猫ちゃん」って呼ぶんですね」


留美「…うぅー…」


P(可愛い…)
13 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:04:54.99 ID:PgyQsfM80

留美「……というか、どうして君、こんなところにいるのよ」


P「え? ああ、事務所に忘れ物しちゃったんです。この道を横切ると近道になるから…」


留美「よりによって…」


P「はは…すみません」


留美「……いいわ。君は悪くないもの。そのかわり見てなさい。明日からのお仕事、もっと完璧にこなしてみせるから」


P「…」


留美「…どうしたの?」
14 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:05:38.68 ID:PgyQsfM80

P「……留美さん」


留美「…何よ」


P「前々から思ってたんですけど…留美さんって、「可愛い」って言われるの、嫌いですか?」


留美「……嫌い、ではないわ。ただ、柄じゃないだけよ」


P「柄じゃない…ですか」


留美「ええ。こんな愛想のない女に「可愛い」なんて言葉はもったいないと思うの。そういうのはもっと若い子とか、同世代でも、美優さんとか瞳子さんとか…」


P「…留美さんは、もっと自分を認めてもいいと思いますよ」
15 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:06:08.38 ID:PgyQsfM80

留美「え?」


P「確かに留美さんの売り方は「クールビューティ」とか「格好いい理想の女上司」みたいなイメージですけど、それはあくまでもアイドルとしての軸となる売り方を築くためであって留美さんが可愛くないだなんて思ったことありませんよ」


留美「そ、それは君が…失礼だけど、変わってるから…」


P「自分の可愛さを認めずに俺のせいにしないでください」


留美「な、何よそれ…」
16 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:07:04.03 ID:PgyQsfM80

P「…これ、明日渡すはずだった留美さんへのファンレターです。俺、嬉しくて写真撮っちゃいました」


留美「……あ」


P「ね? 「最終回で和久井さんの演じる弁護士が微笑むところ、可愛かったです!」「ギャップに思わずトキめいちゃいました!」って書いてあるでしょう? しかもこれ、10代の女の子からですよ?」


留美「私を…」


P「前のドラマのディレクターさんともこの間話したんですけど言ってましたよ。「和久井さんはたまにすごく可愛い表情をするね」って。この子やディレクターさんも変わり者ですか?」


留美「そうとは思わ…ないけれど」
17 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:07:34.51 ID:PgyQsfM80

P「美優さんや瞳子さんを可愛いってさっき言いましたよね?」


留美「え、ええ」


P「あのふたりも顔立ちはどちらかと言えば大人びた美人さんですけど、どうして留美さんは綺麗よりも可愛いって思うんですか?」


留美「それは…上手く言えないけれど、可愛いじゃない。一緒にいて癒されるというか」


P「留美さんもですよ」


留美「え」
18 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:08:05.89 ID:PgyQsfM80

P「出会った頃の留美さんはちょっとピリピリしてましたけど。でも、ドラマの仕事をしてから留美さん、雰囲気が柔らかくなって、色んな表情を見せてくれるようになって。一緒にいると元気をもらえて癒されて。そんな留美さんが画面越しでも、クールな役でも伝わるんですよ。「あ、この人可愛いな」って」


留美「…」


P「…あと、仕事にストイックな性格を逆手に取るようで申し訳ないですけど、アイドルが自分に向けられる「可愛い」という声を否定しちゃダメです」


留美「……ズルいわよ、君は」


P「すみません。でも、留美さんが「可愛い自分」も認めることが…もっと簡単に言うと、格好よくて可愛い、ありのままの和久井留美を素直に見せることが、これからのアイドル活動で必要だと思うんです」


留美「…可愛い。可愛い、ね」
19 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:08:35.68 ID:PgyQsfM80

P「はい。俺は留美さんを、最高に可愛い人だと思っていますよ」


留美「……ん。わかったわ」


P「わかってくれましたか」


留美「今まで可愛げがない女扱いされてきたから、心が自然と拒んでいたのかもね。可愛いって言われたり、思うことを」


P「それは留美さんをそんな風にしか見ることのできない人間たちに囲まれていたからですよ。むしろそんな奴に留美さんの可愛いところを見せるなんてもったいないですよ」


留美「……くすっ。そう、そういうものなのかしらね…ありのままの、和久井留美で…」


P「はい。見せてやりましょうよ。最高にクールビューティで、最高に可愛いアイドル和久井留美を」
20 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:09:15.02 ID:PgyQsfM80

留美「クールビューティで可愛いって、欲張りすぎじゃないかしら」


P「欲張りましょうよ。アイドルは、女の子の憧れなんですから」


留美「可愛い…かは私にはわからないけれど、ありのままの私を見せる…ね」


P「はい!」


留美「…私、そんなに大した女じゃないわよ?」


P「そうですか?」
21 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:09:45.05 ID:PgyQsfM80

留美「仕事しか取り柄がないから、それに縋っていただけで…もしかしたら、格好良くさえもないかもしれないわよ?」


P「そんな留美さんも見てみたいです。きっと素敵ですから。可愛いですから」


留美「なんでも認めてくれるのね? ……いいわ。ありのままの私、もっと見せてあげる。ただ…」


P「ただ?」


留美「もし私がもっと自分を出して、それが世間に受け入れなくても……君だけは、私を素敵だって言ってくれる?」
22 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:10:17.22 ID:PgyQsfM80

P「…アブノーマルな趣味でもあるんですか?」


留美「茶化さないの。真剣なんだから」


P「はは、すみません。勿論、どんな留美さんでも見てみたいです。そしてその魅力を伝えるのが俺の仕事なんですから」


留美「ふふ……ありがとう、P君」


P「はい! それじゃあ早速、動物番組の猫特集とかを…」


留美「そ、それはもうちょっと後でいいから!」
23 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:10:47.82 ID:PgyQsfM80



ーーーーーーーーーーーーー



P「留美さん」


留美「何かしら」


P「さっき、ペロと遊びました?」


留美「あら、どうしてわかるの? もう咳は収まったのに…」


P「目、赤くなってますから」
24 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:11:16.70 ID:PgyQsfM80

留美「あ」


P「お仕事前は気をつけてくださいね?」


留美「ふふ、そうね…」


P「それにしても留美さんは本当に猫が好きですね」


留美「猫ちゃん、可愛いじゃない。あの表情とか、もふもふしてるとことか、尻尾がふりふりしてるとことか…ああ、アレルギーがない人が羨ましい…」


P「何考えてるのかよくわからない感じが逆にいいですよね」
25 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:11:42.25 ID:PgyQsfM80

留美「そう! そうなの! でも人懐っこい子は意外と甘えん坊で…ペロちゃんとか…」


P「あー…雪美ちゃんと一緒に寝てたりしてますよね。あれはいいものだ…」


留美「みくちゃんには感謝してもしきれないわ。写真も送ってくれるし、頭を撫でさせてくれるし…」


P「みくちゃんは相当猫のこと研究してますよね。「あー、そういう動きするなあ」みたいなツボをついてくるというか」


留美「私もそれなりに猫ちゃんの動きには詳しいつもりだけれど、みくちゃんは見事ね」


P「そういえば前に高垣さんのことを猫っぽいって言ってましたよね?」
26 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:12:19.17 ID:PgyQsfM80

留美「楓さんね。あの人はいいわ…私はお酒そこまで強いわけじゃないけれど、ついつい飲みのお誘いに乗ってしまうもの」


P「何かいいことがあるんですか?」


留美「本人は自覚していないでしょうけれど…酔って寝っ転がる楓さん、すごく猫ちゃんっぽいのよ。ほら」


P「あー…確かに。飼い猫はぐでーっと寝ますねこうやって」


留美「そうなの。たまにお布団まで運ぶんだけどね、楓さんって身長があるじゃない? だから体がにょーんって伸びるの。にょーんって。それがまた猫ちゃんっぽくて可愛くて…オッドアイの猫ちゃんっているし…」


P「ああ、言われてみれば確かに楓さん猫っぽいかもなあ。あまり話したことがないからかもしれないけど、ミステリアスな感じで…」
27 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:12:49.69 ID:PgyQsfM80

留美「そうなの! 他にも……って、ごめんなさい、熱く語っちゃって」


P「いえいえ! 楽しいですよ! そんな風に仕事以外の何かを語る留美さん、新鮮です」


留美「前にP君に「ありのままの私を見せろ」って言われてから、どうもこう、締まりがないというか…」


P「そんなことないですよ! お仕事してる時の留美さん、プロフェッショナルって感じがします」


留美「それはそうよ。お仕事だもの。でも、プライベートな時に…」


P「いいじゃないですかプライベートなんですから。留美さんの話、もっと聞きたいです」


留美「私というか、猫ちゃんの話になってしまったけど…」
28 : ◆dOYH2O5oOo [sage ]:2018/10/20(土) 00:13:43.99 ID:PgyQsfM80

P「いいんですよそれで」


留美「そう…なら、そうなのよね」


P「そうですそうです」


留美「……ありがとう。ところで、P君は猫ちゃんは好きなのかしら…詳しいようだけれど」


P「あー…好きですよ。知識はないですけど、実体験なら」


留美「実体験…?」


P「あれ? 言ってませんでした? 俺、実家が猫飼ってるんですよ」
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