提督「艦娘が二千万特攻すれば、この戦争は勝てる」

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145 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/17(木) 18:26:37.64 ID:Pc2YDMhO0
>>141

安価下でもいいかなーと思ったんですが、再安価ってことで。
146 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/17(木) 18:46:26.28 ID:Pc2YDMhO0
まけぼの
松輪
大井っち
ホテル
Jervis

では、これで。
Jervisって、うちにいないんで、描写がアレだったらゴメンなさいと
先に謝って起きます。
これから、展開を考えるので、しばらくお待ち下さい。

要望とか感想とかもあると嬉しいです。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 19:07:25.06 ID:XCKTqVSNo
暁型四姉妹とか一緒に逝かせてあげたい
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 19:08:08.81 ID:XCKTqVSNo
と思ったらなのです。逝ってた
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 05:22:56.74 ID:3mLExH+FO
寝ぼけ眼のポンコツ霞とミッチーかわいい
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/18(金) 09:35:24.48 ID:/emXgDgJ0
処刑済み艦娘

朝潮・春雨・電 → 朝潮・電を生贄に春雨がエリレ×3、フラタ×2、戦艦棲姫撃破の大戦果
加賀・翔鶴 → 戦果らしきものはワ級×1のみ、ほぼ無駄死に。赤城と瑞鶴がとばっちりで糞まみれで殴り愛
霞・満潮 → 出撃すらしないまま火だるま&四肢欠損、二人「「シニタクナイー」」北上「はよ死ね」ドン
曙・松輪・大井・大和・Jervis → これから

矢矧は可ですか不可ですか?
151 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 14:28:37.10 ID:m0HaNa+L0
>>150

まとめてくれてありがとうございます。
処刑ではなく、国のための挺身というわけで。

整理すると

青葉→前の鎮守府からの生き残り、秘書艦。提督の肉布団係
北上・金剛→前の鎮守府からの生き残り、たたき上げで強い
鳳翔→前の鎮守府からの生き残り、ポンコツなのでおさんどん
明石→前の鎮守府からの生き残り、常識人っぽいがメンヘラ

出撃不可は、以上で。あとは矢矧も選択可。海外艦娘も含めて全艦娘が揃っている設定です。
なお、リアルにあわせた時間軸は昭和20年3月くらいを想定。
東京大空襲、九州沖航空戦、硫黄島玉砕、沖縄戦がはじまるくらいの時期ですね。

引き続きよろしくお願いします。
152 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 15:47:30.34 ID:m0HaNa+L0
忘れてた、大淀は不可です
153 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:19:45.04 ID:m0HaNa+L0
青葉「さて、夜も明けて、各方面の部隊の出撃情報も次々と入ってきています」

大淀「電文によりますと、各鎮守府の反撃により敵機動部隊には相当の損害を与えているものと思われます」

提督「部隊の規模は?」

大淀「二級、ナ級多数。ネ級、ル級、タ級、レ級多数。
そのほか、戦艦棲姫改、戦艦水鬼改、装甲空母姫、空母夏鬼なども確認されているとの報告です」

提督「二級、ナ級多数。ネ級、ル級、タ級、レ級を突破して、鬼やら姫やらに肉薄できると思うか」

北上「まあ、難しいねえ」

金剛「こないだも、突破出来たのは偶然デース」
154 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:20:21.17 ID:m0HaNa+L0
提督「とはいえ、攻撃命令も出ている出さざるを得ないだろう。敵の位置は?」

大淀「都井岬沖を南下、奄美方面に向かっていると推測されます」

提督「出撃だな」

北上「どうやって、突破するのさ」

提督「幸いにも、艦娘の数だけは多いからな。青葉、大和を呼べ」

大淀「大和ですか。うちの大和は実戦経験は、二回ほど主砲を発射した程度ですが」

提督「今の状況でなきゃ、使うこともないだろう」
155 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:20:51.50 ID:m0HaNa+L0
コンコン

大和「提督、なんでしょう?」

提督「うん、出撃準備をしてもらいたい。体当たり部隊を、敵部隊の前まで引率してくれ」

大和「引率ですか?」

提督「そうだ。敵部隊は、お前に攻撃を集中するかもしれない。
だが、お前なら航空攻撃にも耐えきることはできるだろう。その間に、
随伴艦は体当たりを仕掛ける。対空兵器を存分に積んでくれ」

北上「まあ、送っていって帰るだけの簡単な仕事だよ」

金剛「とっても楽な仕事デース」

大和「……提督、ほかの支援はどうなっていますか?」

提督「そんなものはない。わかっていると思うが、既に空母に積む飛行機もほとんどない」
156 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:21:20.39 ID:m0HaNa+L0
大和「支援が私だけでは……」

提督「お前は、艦娘になってからは随分長いんだったな?」

大和「はい、既に建造から3年になります」

提督「出撃したのは?」

大和「出撃は5回。会敵は2回です」

提督「そうだろう。圧倒的な火力を誇りながらも、資材も燃料も食うばかり。
ゆえに、ロクに出撃させてもらえない。それは、ほかの鎮守府のお前も同じだ。結果、ホテルと呼ばれている」

大和「ホテルですって?ち、違います!!!」
157 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:21:52.11 ID:m0HaNa+L0
提督「そうだ。これは、お前が戦果を挙げる好機なんだ。
敵機動部隊の護衛を突破出来るのは、お前の強力な火力しかない。
もしも、この状況でお前を使わなければ、もう使う時はないかもしれないが、どう思う?」

大和「……」

提督「どうだ、国のために散る艦娘たちを咲かせる立派な任務だ。やり遂げてくれるか」

大和「わかりました……戦艦大和。推して参ります」
158 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:22:23.51 ID:m0HaNa+L0
=港=

提督「というわけで、大和がお前たちを巨大な敵の前にまで送り届けてくれる。
安心して、立派に散ってくれ。私も必ず後に続くので、
また会おう」

曙「クソ提督のくせに……さよなら」

松輪「はい、松輪は……択捉ちゃん、お先に」

大井「北上さん……」

Jervis「Lucky Jervis! 出るわ!」
159 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:22:56.63 ID:m0HaNa+L0
大淀「曙さん、目に涙がいっぱい……」

青葉「松輪さんを出すとか、なんかちょっと胸が痛みますねえ」

北上「いやさ、先月入ってきた新入りに、恋人みたいな目で見られてもさあ……ウザ。艦の特性に汚染されすぎ」

金剛「敵国の艦霊を宿して肩身狭かったのも、今日でおしまいデース。頑張って下さーい」

提督「では出撃。戦果を期待しているぞ」
160 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:23:21.92 ID:m0HaNa+L0
=九州沖=

大和「電探感あり……敵機動部隊はもうすぐです」

曙「いよいよね……」

大和「待って、上空敵機接近……行くわ!」

松輪「あ、あれ」

大井「敵機、なんて数なの?」

Jervis「大丈夫、そんなに簡単には当たらないわ」

大和「敵機も随伴艦も私が片付けます。進撃して下さい」

曙「蹴散らしてね、いくわ……」
161 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:23:54.75 ID:m0HaNa+L0
ドッガーン

松輪「え……?」

曙「た、たかが主砲と魚雷管と機関部がやられただけなんだから……」

大井「あ、曙、大破……?」

大和「構いません、みなさん進撃を……もう少し進めば、敵の随伴艦が見えるはずです……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「い、痛い……傾斜復元しないと……注水を急いで」

松輪「え、え、え?」

大井「まだ、敵の艦影も見えてないのに?」

Jervis「空を埋め尽くしている……なんて数の空襲なの?」

松輪「ふぇ?ふえぇ?ふえぇぇ!ご、ごめんなさい、来ないで、来ないで!択捉ちゃん、択捉ちゃーん」
162 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:24:21.17 ID:m0HaNa+L0
大和「こ、混乱しないで! 前進、前進、前進」

大井「敵艦なんて、全然見えないわよぉ!」

曙「クソ提督、クソ提督!こんなところで……うわあああ」

松輪「い、いや!近付かないでください!ぜ、前進!!」

Jervis「Lucky Jervisは…沈まない! いくわ!」

大和「そうです。みんな、頑張って……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

曙「ああ、大和にぃ……」

大和「大丈夫、大和は沈みません……!前進! 蛇行して、魚雷を避けて!」
163 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:24:54.88 ID:m0HaNa+L0
大井「炎上しているのに、丈夫ね……行くわよ」

Jervis「行かなきゃ、前に、敵の前に」

大和「私に構わず……第三火薬庫注水……」

曙「そう、行かなきゃ、私だって……」

ドッガーン

曙「海の底には……」

大和「あ、曙……轟沈……」

松輪「きゃああああ!」

大井「くっそ、せめて、砲弾でもあれば……」
164 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:25:21.35 ID:m0HaNa+L0
ドッガーン

大井「いいわ、沈んであげる……」

Jervis「大井……」

松輪「敵艦なんて、どこにいるんですか?」

Jervis「水平線しか見えない。あとは敵機だけ」

大和「もう少し、もう少しで、電探には感がありますから!」

松輪「大和さんが、燃えて……艤装も吹き飛んでる……」

Jervis「うそ、あの戦艦が……」

大和「大丈夫、かすり傷ですから、さあ、前に」

松輪「怖い……、怖い……」
165 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:25:50.90 ID:m0HaNa+L0
ドッガーン

大和「……っく、松輪さん……魚雷一発で……」

Jervis「大丈夫、私はラッキーなんだからあ。ひ、でも、防空が、ひいいいい!!!」

大和「混乱してはダメ、行きましょう、行くんです!」

ドッガーンドッガーンドッガーン

Jervis「そう、まだよ! Lucky Jervisは…沈まない!沈まない
沈まない……やだ、痛いよ、痛い、もう動けないよ……痛い……」

大和「だめ、止まっては。動いて、動かないと、的になるだけ……」

Jervis「沈まないよ、沈まないけど、痛い。痛い……痛いよぉ……
やだよぉ……うええええ!治してええ……」
166 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:26:19.50 ID:m0HaNa+L0
ドッガーンドッガーン

大和「……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「全滅……?」

大和「私がついていながら……なんだったの、大和型戦艦一番艦の誇りって……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「提督、申し訳ありません……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「主砲もロクに撃つことなく、わたしは……」

ドッガーンドッガーンドッガーン

大和「あ、みなさんに冷蔵庫のラムネ、配ったらよかったな……」
167 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:26:47.21 ID:m0HaNa+L0
=執務室=

青葉「はは、あはは、全滅、全滅ですね。戦果はゼロ!あっははは!」

提督「ボコッ……ちょっと、静かにしてろ」

北上「んっは、顔にもろに……」

青葉「す、すみません……」

金剛「ちょ、鼻血……手ぬぐいでおさえるデース」

大淀「幸いにも、ほかの鎮守府の部隊も同様ですので、叱責はされないかと」
168 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:27:17.72 ID:m0HaNa+L0
コンコン

明石「失礼します。大和さんから、冷やしておいてって工廠の冷蔵庫に入れてたラムネ、持って来ました」

提督「ひとまず、飲むか」

青葉「いやー、大和さんも、戦果は挙げられなくても役に立ってくれるじゃないですか、頂きま……」

提督「ボカッドスッゴスッ」

明石「はいはい、殴らない、八つ当たりしない」

北上「提督ぅ。一度ならず、寝てる女に酷いねえ……コロすよ?」

金剛「身内にはやるなと、いってるデース」

提督「すまんな、つい……」
169 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:27:44.69 ID:m0HaNa+L0
青葉「いえ、みなさん。ごめんなさい。青葉が悪いん……」

ジョロロロロ

大淀「っと、青葉さん……えっと、雑巾とバケツを」

提督「構わん、お前らは戦闘中に便所に行くのか。ラムネ、飲め」

北上「小便臭と共にラムネ……ね」
170 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:28:14.07 ID:m0HaNa+L0
提督「で、遺書とか遺品とかまとめてあるな」

青葉「は、はい……これです」

提督「機密に触れてないか、確認する……まず、曙」

北上「送り先の住所が東京……空襲で焼け野原じゃない?」

提督「出撃した後、親戚から電報が届いた。家族は全滅だそうだ……この宛名の先はもう誰もいない。
預かっておこう」

提督「次は、松輪か」

北上「字が、震えてて読めないね……」

金剛「このまま、送っても問題ないデース」
171 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:28:49.83 ID:m0HaNa+L0
提督「大井のは?」

北上「なんか、アタシ宛てになってるよ。気持ち悪いなあ……いや、申し訳ないけど、
尿臭でこの部屋も気持ち悪いんだけど」

金剛「艦霊に引っ張られて、同性愛志向になるのは困るデース。プレイは女同士も気持ちいいけど、
本気は困りマース」

提督「あとは、Jervis」

北上「なになに……先日帰郷した時は、敵国の艦霊を宿して、姿形も白い鬼のようになった私に、
近所の人は石をぶつけてきましたが、ようやく私もお国のために……泣かせるねえ」

大淀「大和さんは、ありませんね。戻ってくるつもりだったんでしょう」
172 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:29:17.67 ID:m0HaNa+L0
提督「鳴り物入りで出来た戦艦も脆いな」

明石「……工廠の開発でなんとかします。もっと確実に、敵に体当たりできる方法を」

提督「できるか?」

明石「中央では、捕虜にした深海棲艦。それに捕虜にした敵国民も使い、
もっと高度な実験を行っています。そのデータをもとになんとか」

提督「それだけでなんとかなるか……」

明石「いえ、もっと高度な研究が始まっていると聞くので、その成果を早めに手に入れて頂きたいのです」

大淀「理化学研究所のあれですね」

明石「ええ、新型爆弾というやつです……」
173 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 16:30:31.43 ID:m0HaNa+L0
というわけで、豪華な護衛をつけても戦果は挙がりませんでした。

次は、単艦で行くしかないでしょう。

>>179
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 16:40:41.73 ID:j4Yi4fm/o
天龍
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 16:41:02.84 ID:Gj5qBUbzo
ぜかまし
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 16:42:11.39 ID:4D99JdIC0
大鳳
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 17:04:39.19 ID:SKndjTaDO
五月雨
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 17:07:07.59 ID:+07COIsCO
秋月
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 17:07:17.05 ID:qdUyWJyp0
如月
180 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 17:38:16.63 ID:m0HaNa+L0
うう、ワガママで申し訳ありませんが、
かつての如月ショックを超える展開をできる自信が……
再安価でお願いします。

>>186
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 17:46:08.45 ID:j4Yi4fm/o
深雪
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 18:33:03.40 ID:Oirlqdvs0
那珂ちゃんを偶像にしてあげようか

那珂ちゃん
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 18:44:36.67 ID:AA+rniC3o
ksk
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 18:47:45.64 ID:4D99JdIC0
大鳳
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 18:49:00.36 ID:e5ODj2JJO
地味に遠い
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 18:49:15.63 ID:WJFcWCx50
五十鈴
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 18:49:31.09 ID:Hhty9jbc0
長門
188 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 19:01:41.09 ID:m0HaNa+L0
>>186
では、五十鈴で。
如月も登場するように考えてみますね

要望とか感想もあれば、教えて下さい。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 19:08:15.13 ID:WF64xp490

安価は後何回ぐらい取るのかな
190 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/18(金) 19:18:38.87 ID:m0HaNa+L0
>>189

まだまだ艦娘もたくさんいますし、飽きるまで続けますよ。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 19:20:56.10 ID:Oirlqdvs0
ksk
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 21:05:37.65 ID:oUdxITOyO
如月ショックは一点突破だったからなあ…
ときめもアイマスと如月を殺し続けた花田の怨念凄まじいわ
193 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:41:51.01 ID:gndTVisS0
青葉「この日の夜、訓練の報告書を読んでいた司令官は、如月さんと五十鈴さんを呼び出したのです」

提督「こんな時間にすまないな」

如月「お呼びかしら?」

五十鈴「なに? 気が散るんだけど。何がしたいの?」

提督「訓練に関する報告書を読んだが。お前らは、なかなか迷いがあるようだな」

如月「……」

五十鈴「……」
194 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:42:23.24 ID:gndTVisS0
提督「敵艦に体当たりすることに備え、模擬標的を使った訓練は続いている。その中で、お前らは、標的の前でスピードを緩めるクセがある……間違いないな」

如月「……はい」

五十鈴「たしかに準備万端じゃないわ」

提督「既に、憎むべき敵は押し寄せ、国を守るため多くの艦娘が、
我が身を投げ出し散っている。にも関わらず、この体たらくはなんだ?」

如月「……がんばります」

五十鈴「がんばってるのに……」
195 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:43:00.39 ID:gndTVisS0
提督「口先だけならなんとでもいえる。だが、いま必要なのは覚悟だ。身を惜しまず、一撃必殺で敵を貫く刃だ。艦娘になって、どれくらいになる?」

如月「半年です」

五十鈴「十ヶ月かな」

提督「短い。確かに短い。だが、艦娘の中には僅か数カ月で華々しく散る者もいる。
そうして散っていった者たちに、お前達は顔向けできるのか!」

如月「……そんなこといったって」

五十鈴「訓練でなんとかするわ」
196 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:43:35.43 ID:gndTVisS0
提督「訓練と実戦の経験は違う。俺も、これまで多くの艦娘が散るのを見てきた。
そして、俺も、今、いつでも散る覚悟でお前達を指導している」

如月「申し訳ありません」

五十鈴「明日から頑張ります……」

提督「ふむ……青葉、煙草だ」

青葉「はい、司令官」
197 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:44:06.14 ID:gndTVisS0
スパー

提督「いい心がけだ。お前らが本当の、どこに出しても恥ずかしくない艦娘になるよう。
特別訓練を準備した。本日、フタサン、マルマル。工廠裏に来るように。以上だ」

如月「わかりました」

五十鈴「いいわ」
198 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:44:38.91 ID:gndTVisS0
=工廠裏=

如月「はあ、夜の潮風。また髪が傷んじゃう……」

五十鈴「朝から訓練訓練で、疲れてるのに」

如月「矢矧さんのせいで、全員が体当たり訓練とかさせられてるけど、なんか実感がなくて」

五十鈴「だいたい、敵の弾を避けて体当たりなんて……実戦の経験もないのにできないわよ」

如月「でも、このままじゃ、私たちも……」

五十鈴「デキの悪い私たちは出撃命令なんてないわよ、きっと」

北上「やあやあ、お二人さん、こんばんは〜」

金剛「ちゃんと来ましたネー」

如月「やだ、二人ともくわえ煙草で。ほんと、ここの人はみんな煙草を吸って……」
199 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:45:09.25 ID:gndTVisS0
ブロロロ

五十鈴「トラック? なに?」

大淀「ああ、北上さん、金剛さん、お待たせです」

北上「待ってないよー。荷物は荷台?」

大淀「そうです。下ろして頂けますか」

金剛「下ろす必要もないデショ? Hey!降りてくるデース」
200 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:45:37.92 ID:gndTVisS0
ヨロヨロ

如月「ええ? 金髪の女の人? 綺麗な人?」

五十鈴「30歳くらいの女の人と、10歳くらいかしら、女の子……誰なの……後ろ手に縛られて」

北上「逃げないでしょ?縄ぐらいといてあげるか?」

大淀「ですね。もう、逃げる気力もなさそうですし」

金髪1「○※□×△○※□×△○※□×△〜!!」

北上「ああ、早口でわからないや、なんて?」

金剛「娘だけでも、どうか〜とかいってるデース」

大淀「ようは、命乞いですね」
201 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:46:10.91 ID:gndTVisS0
北上「まあいいや、じゃ、お二人さん。訓練を始めるよ?」

如月「え、訓練って?」

五十鈴「どういうこと?」

北上「コイツらは、我が軍が某所で捕虜にした敵軍人の家族なんだよね。
で、某所の収容施設から大淀が引き取ってきたわけ」

金剛「はい、では、二人にはこれをあげるデース」

如月「これって、銃剣?」

五十鈴「なにをしろって?」

金剛「はい、陸軍の兵隊さんにお馴染みの銃剣デース」

北上「質問多いねえ、二人とも。で、今から、コイツらをそれでコロして」
202 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:46:41.65 ID:gndTVisS0
如月「ええ……それが訓練だっていうの」

五十鈴「そんなのできるわけないじゃない。学校で習ったわ。捕虜を傷つけたりしてはいけないって……」

北上「ま、教科書ではそうだけどねえ」

如月「それに、それは戦争犯罪で、軍の恥になるって」

五十鈴「やってはいけないことでしょ?」

大淀「大丈夫です。なぜなら、書類を誤魔化して、この二人は先頃の空襲の巻き添えで……
ってことになってますから」

北上「二人とも、もう、この世にはいないから安心してやっちゃっていいよ」

金剛「銃剣は、よーく研いでおきましたから、切れ味も最高デース」

如月「そんな……」

五十鈴「これが戦争……なの?」
203 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:47:09.27 ID:gndTVisS0
金髪1「○※□×△○※□×△○※□×△〜!!」

金髪2「○※□×△○※□×△○※□×△〜!!○※□×△○※□×△○※□×△〜!!」

北上「うっさいなあ、なんだか豚の鳴き声みたいな言葉で泣きわめいて」

金剛「さっさと、始めるデース」

大淀「あなたたちがやらなくても、どうせ処分される二人です。安心してやってください」

如月「そんな……敵艦じゃないのに……できません」

五十鈴「そう、こんなの戦争でもなんでもない!」
204 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:47:44.15 ID:gndTVisS0
北上「ったく、経験のないヤツらはきれい事ばっか。
こっちだって、捕虜になったヤツらはもっと酷いことをされてるんだ」

金剛「そうそう、ホント敵のヤツらは鬼畜ネー。許せないことをいくつも思い出すデース」

大淀「生きたまま解体されたり……」

北上「救出にいったら、マワされてズタズタに切り裂かれているのもいたねえ」

金剛「木に吊されてるのもいたデース」

如月「だからって、こっちも同じになんて……」

五十鈴「できない。それは戦争じゃない……艦娘のやることじゃない……」
205 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:48:15.19 ID:gndTVisS0
北上「やるんだよ、命令だ」

金剛「命令違反は、非国民と同じデース。故郷の家族にも顔向けできないヨー」

如月「……そんな、家族に……」

北上「命令違反で処分されたって……故郷でもすぐ話は広まってどうなると思う?」

金剛「もう、道も歩けないし、配給だってなくなりマース」

大淀「……ですから、さっさと終わらせてくれませんか?」

如月「……」

五十鈴「……んっ」
206 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:48:45.38 ID:gndTVisS0
如月「私…私……」

五十鈴「あんた……ダメよ、そんなの……」

如月「私……どうしても……できません。ごめんなさい……
私、ドジでノロマな……艦娘です……(刃は首に……)」

ブッシャアアーーーーー

北上「ああ〜」

金剛「はああ」

大淀「ふう……」

五十鈴「如月ぃいいいいいいいいいい!!!」

ピクピクピク………

北上「血、飛び散っちゃったな」

金剛「片付けが面倒デース」

五十鈴「そんな、そんな。なんなの……いま、艦娘が。仲間が目の前で……」

北上「はあ?」

金剛「そんなの、もう何百人も見てるデース」

大淀「もっと酷いのをたくさん見ましたね」

北上「で、お前はどーすんの?」

金剛「自害なら、それでもよいですヨー」

大淀「艦娘の恥として、長く記録されますけどね」
207 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:49:17.39 ID:gndTVisS0
五十鈴「そんな、そんな、そんな……」

北上「はやく!決めろ!」

金剛「敵は、待ってくれたりしないヨー!!」

五十鈴「うわ、うわ、うわ、うわーーーーー、
うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

ブシュグシャドス……

……………………………………
………………………………
…………………………
……………………
…………………
………………
…………
……
208 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:49:45.98 ID:gndTVisS0
北上「はい、よくできました」

金剛「汚い生首ネー、ヘドが出るよ」

大淀「んふふ、最後まで泣き叫んで、必死でしたね」

五十鈴「はあ、はあ、はあ……」

北上「おめでとう、五十鈴ちゃーん。これで、一人前の艦娘……」

五十鈴「んっふ、ふ、ふふふ……いつでも準備万全よ……五十鈴に任せて……五十鈴に任せておきなさい……五十鈴には丸見えよ……」

金剛「いい眼になったデース」

大淀「危険なほどにですね」

北上「よかったね、いつでも出撃できそうだね」

五十鈴「もちろんよ……えへへ、うふふ……明日にでも出撃……できる? 
敵艦もろとも……吹き飛んであげるわ……」

金剛「っと、こちらが斬られそうな雰囲気デース」

大淀「明日の出撃を提督に提案しましょう……」
209 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:50:11.46 ID:gndTVisS0
=翌日・鎮守府=

提督「いい具合に仕上がったものだなあ」

青葉「でも、なんで青葉は参加できなかったんです?」

北上「だって、またパンツに手を突っ込んで笑ったりするでしょ?また、提督に殴られるよ?」

青葉「確かに、否定できません」

金剛「で、どちらに出撃したネー?」

提督「南西諸島方面……そろそろ、なにか結果が出るはずだ」
210 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:50:38.58 ID:gndTVisS0
コンコン

大淀「電文です。○○鎮守府の部隊が、××島沖にて五十鈴と思しき特攻を確認。集積地棲姫に攻撃を敢行。敵は大破炎上、沈没したものと認む……とのことです」

青葉「あら、存外にいい成果ですね」

金剛「訓練の成果が出たネー」

提督「とはいえ、これで戦局が挽回されるわけじゃないのがな……」

ザザザ−

ラジオ「空襲警報……西部軍管区情報……午後3時20分。
敵の編隊60機は国東半島上空にあって、北へ進んでいます……」

ウウウウーウウウー

提督「ほら、真っ昼間から空襲だ……防空壕へいく」

青葉「昼間から本土上空だなんて……」
211 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/19(土) 02:53:53.16 ID:gndTVisS0
いかがでしょう。
なんとか如月と五十鈴と両方を使ってみました。
戦果はあがっているようですが、相変わらず戦局は厳しい……。

さて、次なんですが

・新たな艦娘の出撃
・矢矧編
・入院していた艦娘の復帰
・間宮VS鳳翔の諍い

このいずれかを書こうかと思っています。
よって、

・新たに出撃させたい艦娘
・矢矧
・入院してた艦娘の復帰(沈まない枠)
・間宮+鳳翔

いずれかを書いて下さい

>>219
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 03:33:04.39 ID:sDo4IL57o


復帰 ヴェールヌイ
だって不死鳥だもの
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 03:38:43.81 ID:QrbgV4vq0
出撃枠で比叡

響、電見送るとき食堂いたような
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 07:49:42.38 ID:mHRLmLaE0
矢矧編
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:17:41.72 ID:kXLMNZHYO
加速
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:18:28.06 ID:kXLMNZHYO
加速
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:22:15.18 ID:aQzzEfGUo
加速
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:23:56.89 ID:dwRFMWTDO
加速
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:26:48.12 ID:kXLMNZHYO
天龍
ガチ怖で超強い
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:27:42.83 ID:kXLMNZHYO
あ、復帰枠です
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/19(土) 09:28:17.15 ID:8w03C8o90
鈴谷
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/19(土) 22:51:41.91 ID:Bkpx1pABO
死亡艦娘リスト

朝潮・春雨・電 → 朝潮・電を生贄に春雨がエリレ×3、フラタ×2、戦艦棲姫撃破の大戦果
加賀・翔鶴 → 戦果らしきものはワ級×1のみ、ほぼ無駄死に。赤城と瑞鶴がとばっちりで糞まみれで殴り愛
霞・満潮 → 出撃すらしないまま霞は火だるま、満潮が達磨に。二人「「シニタクナイー」」北上「はよ死ね」ドン
曙・松輪・大井・大和・Jervis → ぜ、全滅!?5隻の艦娘が!?何の戦果も無しにか!?
如月・五十鈴 → 如月は人も殺せず自殺、五十鈴は人殺して発狂、集積地棲姫に特攻(大破炎上で撃破確実ではない)
てんちゃん → 怖い
223 : ◆6ae5KZVV.rp/ :2019/01/20(日) 04:19:14.39 ID:M6pbJlgp0
大淀「提督、入院していた天龍さんの退院許可が出ました。先に、書類が届いているので確認をお願いしますね」

青葉「ようやく天龍さん復帰ですか。なんだかんだといっても強いですからね。黙っておけばいいのに……フフ、怖いか……とか自分でいうから台無しですけど」

提督「そうだな……うん」

青葉「でも龍田さんは残念でしたね。二人でいつも敵を屠って、死ぬ時は一緒よ、だったのに」

提督「補充された龍田は、同じ顔でもやっぱり違うな」

青葉「そうですね。あんなに、血塗れになって楽しそうに敵を屠ることができる艦娘なんて、そうそういませんから」

提督「そうだな……」

青葉「あれ、珍しく司令官が書類を真面目に読んでる……?」

提督「青葉……小腹が空いた、食堂にいってくる」

青葉「お昼も食べたのに、まだ2時ですよ?」
224 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:19:44.06 ID:M6pbJlgp0
=食堂=

提督「鳳翔さん、いるか?」

鳳翔「はい、提督。どうしました。甘い物はまだ間宮さんが仕込み中ですが……」

提督「いや、いいんだ。ちょっと一緒に休憩してくれ」

鳳翔「はい、どうしたんですか」
225 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:20:29.33 ID:M6pbJlgp0
=裏庭=

鳳翔「どうしたのかしら、珍しい」

ヒョコヒョコヒョコ

提督「煙草、失礼するよ」

スパー

提督「足は、どんな感じだ?」

鳳翔「まだ、痛みますけど。前ほどじゃありません」

提督「ほかはどうだ?」

鳳翔「時々、傷が痛みますけど、もう慣れましたから」

提督「目とか耳は?」

鳳翔「おかげさまで、ようやく回復してきました。明石さんは、こちらは治療すればなんとか直ると……」
226 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:21:00.11 ID:M6pbJlgp0
提督「すまないな。前は“居酒屋鳳翔”とか面白半分にいってたのに、それが本業になっちまうなんて」

鳳翔「いえ、解体されなかっただけ幸せです。解体されても、帰るところもありませんから」

提督「性能は正規空母に劣るとはいえ、鉄底海峡でも活躍……
金剛が飛行場棲姫にトドメをさせたのも、鳳翔さんのおかげだったな」

鳳翔「あの頃は、ホントに物資もなければ艦娘も少なくて……」

提督「今は、艦娘も増えたが、みんな入れ替わって。そう、次から次へと、さっさと沈んで」

鳳翔「みんな、魂になって故郷に戻ってるはずですから」

提督「もう、俺も……ここしか、戻れるところはありゃしない」
227 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:21:29.02 ID:M6pbJlgp0
鳳翔「今日は……どうされたんです?」

提督「天龍が退院する。明日にも、こっちに到着する予定だ」

鳳翔「まあ、それはよかった。あの、少しばかりでしたら、お赤飯はつくれますよ」

提督「それは、ありがたいな……」

鳳翔「なのに、なんで……」

提督「……」

鳳翔「あ……」

提督「……」

スパー

鳳翔「ねえ、提督」

提督「ん……?」

鳳翔「世間から見れば、私たちは最低の艦娘と最低の鎮守府ですけど……」

提督「そうだな。新入りを次々と沈めて……」

鳳翔「それでも、自分たちの居場所はここだと思ってるんです……」

提督「よせやい」
228 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:21:57.59 ID:M6pbJlgp0
=翌日・執務室=

大淀「天龍さん、到着しました。只今より、当鎮守府の配属になります」

天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」

北上「やあ、お帰り〜」

金剛「入院長かったデース、太りました?」

青葉「じゃ、まずは記念に一枚」

提督「よく帰ってきてくれた。まあ、今日のところは休んで身体を慣らしてくれ」
229 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:22:26.15 ID:M6pbJlgp0
天龍「そうも言ってられないぜ、特攻が始まってるんだろ。俺を外すなよ……」

ヒョコヒョコヒョコ……ドタン

青葉「足を引きずって歩いて……転んだ?」

天龍「いててて、悪いな。ずっとベッドで寝ていたからな」

北上「鈍ってるねえ」

金剛「駆逐艦に笑われるデ……」
230 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:22:53.01 ID:M6pbJlgp0
青葉「天龍さん……」

北上「右手……」

金剛「ブラブラして、動いてないデス……」

天龍「ああ、たいしたことないんだ。ちょっと鈍ってるだけで。ま、すぐに動くようにな……ウウッ」

提督「どこか痛むのか?」

天龍「いやいや、大したことないんだ。それより、俺の任務はなんだ? 
もう輸送任務もないんだろ。なら、特攻か?それとも駆逐艦どもをビシバシとしごくほうか?」

提督「追って説明する。まず、ここの空気に慣れろ。決戦のための鎮守府だから空気も違うのでな」
231 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:23:25.62 ID:M6pbJlgp0
天龍「そうか……あ、そうだ。ほら、これ。入院してる時にさ、坊主に頼んで、
龍田の位牌をつくってもらったんだ。長い付き合いだったし、いくら同じ顔のがいても、
忘れちゃ可哀想だしな。提督、預かっておいてくれないか?」

提督「お前が持っているほうがいいだろ。幸いにも個室だ。ちゃんと供養してやれ。ほら、青葉、線香もあったろ」

青葉「は、はい。ここの引き出しに……」

提督「じゃ、それを持って、寮まで案内してやれ……じゃ、よろしく頼むぞ」
232 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:23:51.32 ID:M6pbJlgp0
=夜・工廠裏=

スパー

北上「はあ、やっぱり煙草を吸うのは、ここが落ち着くねえ」

提督「新入りどもは、ここには来ないからな」

金剛「で、提督。あれはどういうことネー?」

提督「……」

金剛「大淀も黙ってたけど。明石はわかってるね」

明石「それは……まあ……」
233 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:24:33.40 ID:M6pbJlgp0
青葉「寮までの間、なにもないところで何度も転けるし……痛そうだし……それに、目も……」

北上「障害も鳳翔さんくらいかと思ってたら、違うじゃない」

金剛「天龍は、前の鎮守府からずっと仲間デース。隠しごとはダメデース」

明石「私の見立てだと……」

提督「いや、俺が話そう……」

明石「……ん」
234 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:25:08.64 ID:M6pbJlgp0
スパー

提督「見ての通り。回復の状態は悪い。それにどんどん悪くなってる。
呉の病院も、もう余命幾ばくもないから、退院をさせると。ベッドは、回復が望める艦娘に使いたいと……」

北上「どういうこと?」

金剛「艦娘は入渠とか、高速修復材でなんとかなるんじゃないノー?」

明石「それも、限度というものがあります」

提督「もう、前の鎮守府でも輸送に出撃にと、龍田と一緒に、コキ使ってた。
結果、ガタが来ていたところに大破……。お前らがなんとか内地まで曳航してくれたわけだが……」

明石「すぐに、入渠すればなんとかなったかも知れませんが……
内地まで、敵を避けながら随分と時間を食いましたし」

青葉「天龍さん、大破してるのに、まだ敵に向かっていこうとしてましたよ」
235 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:25:35.93 ID:M6pbJlgp0
提督「龍田の頭の上のアレ、敵から取り戻そうとしてな。あんなの、いくらでも工廠にあるのに……」

青葉「龍田さんを沈めた、あの深海鶴棲姫壊……」

北上「で、どれくらい持ちそうなの?」

明石「……はっきりいって、一ヶ月か二ヶ月……どんどん悪くなると思います」

提督「ここまで俺たちが生き延びることができたのも、幾分かは、アイツのおかげだ。
したいようにさせてやれ……」

金剛「イエース!とは、いいにくいデース……」
236 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:26:04.65 ID:M6pbJlgp0
=翌日・食堂=

青葉「あれ、天龍さん? 軽巡とか駆逐艦を集めて?」

天龍「というわけで、駆逐艦を率いていた俺は、覚悟を決めてレ級めがけて一直線で斬り込んだんだ。
ヤツもあっけに取られて、がら空きのところを、袈裟懸けで一刀両断……お、青葉!」

青葉「天龍さん。昨日は調子が悪そうだったのに、大丈夫ですか?」

天龍「あはは、退院したんだ。早く、任務に復帰したくてさ。それで、この新入りどもに、
戦訓を教えてやってるんだ。特に、ほら、新しい龍田!お前の先輩はもっとキリっとしてたぞぉ、あはは!」

龍田「……」

青葉「まだ、病み上がりなんだから、大事にしてくださいね」
237 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:26:34.28 ID:M6pbJlgp0
=また翌日・訓練場=

天龍「そうじゃないなあ。もっと、ズッバーっと避けて、グッサーっと斬り込む!
そうじゃないなあ!ああ、ちょっと、身体が本調子になったら、見本を見せてやるんだけどなあ。
ああ、ほら、そうじゃなくて……」

北上「座って、ずっと大声だけど……」

金剛「脂汗を流しているのは見逃さないデース」

=またまた翌日=

天龍「そうじゃない、そうじゃない。艤装は、もっと早く装備する方法が……」
238 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:27:02.47 ID:M6pbJlgp0
=二週間後、執務室=

トントン

矢矧「よろしいでしょうか?」

青葉「あれ、矢矧さん、なんの用だろう」

提督「どうぞ、出撃命令はまだ出てないぞ?」

矢矧「いえ、あの……私のようなものが差し出かも知れないけど……天龍さんのことなの」

提督「どうした?」

矢矧「正直、困ってるの。食堂にいけば、かつての戦いのこと。訓練中も……
あの、私たちは体当たり攻撃にすべてを注いでるわけでしょ。天龍さんのいうことは、
古いし……無駄だと思うわ」

提督「……」
239 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:27:31.95 ID:M6pbJlgp0
青葉「あ……天龍さん。新入りにウザがられてたんだ……」

提督「なあ、矢矧。お前は優秀だな」

矢矧「え……」

提督「クソでカスで、役立たずしかいない、速成教育しか受けていないのに、
飲み込みも早い。なにより、死ぬ気の闘志が宿っている」

矢矧「それは、みんな同じでしょ」

提督「賢いな、お前は。だから、わかるな。しばらく天龍がなにかいっても、適当に聞いておいてくれ」

矢矧「……わかったわ。提督……あなたの頑張り、艦娘たちも褒めているから……失礼します」

バタン
240 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:27:58.77 ID:M6pbJlgp0
=また翌日・練兵場脇=

天龍「……」

提督「今日は、のんびりしているんだな」

天龍「ああ、桜のつぼみも大きくなったと思ってな」

提督「もう、咲く頃だな。花見をしている時間もないが」

天龍「前の鎮守府……南洋で桜なんてなかった。でも、この季節に提督が花見だってやってくれて……」

提督「あの頃は、敵も少なかったからな。戦局もまだよかった」

天龍「桜が咲いたら、またあの時にいたヤツらに会えるかな」

提督「会えるさ……笑って会えるように、十分養生して、また任務で手柄を挙げるんだな」
241 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:28:28.00 ID:M6pbJlgp0
天龍「おい提督……グワ」

提督「おい、いきなり上官の胸ぐらを……って、お前、泣いて……」

天龍「わかってるんだ……わかってるんだ……左手で胸ぐらを掴むのが、精いっぱい。
もう、右手は動かないし感覚までなくなっちまった。寮から、起き上がって、ここまで歩くのも必死なんだ……」

提督「だから、養生をしろ。役立たずの艦娘は用がない。さっさと治せ」

天龍「お仕着せの言葉を使うなよ……わかってるんだ。もう、俺も……桜の花のほうになるんだって……
でも、でもよぉ……。あいつらは、無様でも腰抜けでも、海の上で散ったんだ。なのに、俺は、こんな
陸の上で、布団をかぶって、みんなに見られながら……そんなんじゃ、アイツらに顔向けできないだろう!!」
242 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:29:03.06 ID:M6pbJlgp0
提督「……」

天龍「頼む、頼むよ!俺に、俺に、命令してくれよ!出撃させてくれよ!敵に、体当たりして、
俺も散るから!一番大きい敵に!華々しく散るから、俺を、俺を出撃させろ、出撃させろよぉおおおお!!!」

提督「すまん、どんなに博打みたいな命令をするとしても、可能性ゼロのは……できない」

天龍「なんでだよ、なんで……出撃させてくれよ。あの、あの深海鶴棲姫壊が……
毎日、夢に出てくるんだ……笑ってるんだ。俺を腰抜けだって……そんなんで、
そんなんで、わあああああああ!!!」

青葉「司令官、天龍さん……」

提督「……すまない。天龍を部屋に連れて行ってくれ」
243 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:29:35.30 ID:M6pbJlgp0
=翌日・早朝=

バタン

明石「た、大変です!提督。艤装が、艤装がひとつなくなってます!」

青葉「ええ!……っと、全裸でした」

提督「っと、と、誰だ。誰のがなくなっている?」

明石「天龍さんのやつです」

提督「ほかに装備できるヤツは? 新入りの龍田が持ち出したんじゃないのか?」

明石「すぐに確かめましたが、部屋で寝てました」

提督「保管状況は?」

明石「通常通りです。弾薬も詰めて、いつでも出撃できる状態に……。
いま、北上さんたちも起こして、探してもらってます」

バタン

北上「提督……天龍が部屋にいないんだ。それで、机に、これが……」

提督「封筒か、開けるぞ」
244 : ◆6ae5KZVV.rp/ [sage saga]:2019/01/20(日) 04:30:29.11 ID:M6pbJlgp0
提督、艤装を勝手に持ち出して悪いな。やっぱり、このままベッドの上で終わるんじゃ、
俺の艦娘としての生き様に合わないと思う。

ずっと、深海鶴棲姫壊の笑い声も聞こえるし、いい死に方なんてできないだろう。
それに、あの世にいっても龍田に笑われちまう。

ほかの死んでいったやつらにも顔向けができない。
だから、俺は俺なりの決着をつけようと思う。

あの、龍田を殺した深海鶴棲姫壊がどこにいるかわからない。
でも、とりあえず出撃すれば、どこかでヤツと相まみえることができると思う。

こうやって、筆を持っているだけで、あちこちが傷む。浮いているのもやっとだから、
どこまでできるかわからない。だけど、やらなきゃいけないと思う。

今まで、輸送とかばっかりで、あんまり役にも立たなかった。
なのに、生意気なことばかり言って悪かった。
最後まで迷惑をかけて、本当にすまない。
迷惑ついでに、ひとつ頼む。龍田の位牌、ちゃんと供養してくれ。

明石、艤装を勝手に持ち出してすまない。
弾薬も勝手に使うけど、帳簿は大淀がうまく誤魔化してくれると思う。よろしく頼む。

青葉、提督のをしゃぶってばかりじゃなく、ちゃんと訓練しろよ。

北上、駆逐艦をしごいてるばかりじゃなく、少しは優しくしてやれ。

金剛、もうちょっと日本語を話せるようになれ。まだ語尾がおかしいぞ。

鳳翔さん、ごはん美味しかったよ。

じゃあ、みんなも華々しく散る日を、向こうから祈ってるから。
この戦争、絶対に勝ってくれ、勝ってくれよな。

天龍
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