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【ミリマス】中谷育と、ワケあり女性P
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 00:44:32.33 ID:AQjaemd70
――朝、育の家の前
プロデューサー(以下P)「おはよう、育」
育「おはようPさん! もう、約束の時間より5分遅刻だよ」
P「ごめんごめん、ちょっと渋滞に巻き込まれちゃってね。育こそ、忘れ物はない?」
育「だいじょうぶ! お仕事の資料も、学校の荷物も、ちゃんと忘れずに持ってきたんだから」
P「オーケー。それじゃあ次は環を迎えに行くよ。ちょっと飛ばすから、シートベルトはちゃんと締めておいてね」
育「Pさん、交通ルールはちゃんと守らなきゃダメだよ」
P「もちろん。大事なアイドルを乗せてるんだもの。安全運転なら任せなさい。それじゃ、行くよ」
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 01:58:02.65 ID:AQjaemd70
作者注:バグの影響でRに立っています。なのでR要素ありませんがこのまま続けます。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 01:58:48.91 ID:AQjaemd70
先輩、お元気ですか。
私が正式に先輩から765プロのプロデューサーを引き継いでから、なんだかとても長い月日が経ったような気がします。
最初は先輩のいない日々を寂しがっていた765プロオールスターズのみんなも、今では後輩たちを引っ張る良き先導役になりました。
先輩が私に托してくれた39プロジェクトも、順調に進んでいます。
アイドルたちと一緒に成長できる日常は、忙しいですがとても充実したものになっています。先輩のおっしゃったとおりですね。
気が向いたらで構わないので、アイドルたちにもご一報ください。みんなきっと喜びますよ。
それでは、また。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 01:59:15.71 ID:AQjaemd70
――その少し後、765プロライブ劇場
美咲「おはようございます、このみさん、莉緒さん」
このみ「おはよう美咲ちゃん、朝早くからご苦労さま。あら、テレビ観てたのね」
莉緒「そうそう。育ちゃんと環ちゃんが朝の子供向け情報番組にゲスト出演するの、今日だったわね」
美咲「はい。この次のコーナーで出番みたいですよ」
このみ「何をするのかしら。楽しみね」
お姉さんA『モニスタ、トレンドガールズ!』
お姉さんB『このコーナーでは毎週女の子たちが大注目するコンテンツを紹介するよ!』
お姉さんA『本日はゲストに来てもらっています! 今話題の人気アイドル、中谷育ちゃんと大神環ちゃんです!』
莉緒「イェーイ!」
このみ「待ってましたヒューヒュー!」
美咲(このみさんたち、きっと企画の内容知らないはずだし、びっくりするだろうなぁ…)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 01:59:47.11 ID:AQjaemd70
莉緒「あら? なんか紹介だけされてVTRが始まっちゃったんだけど…」
このみ「女の子たちが注目するトレンドを紹介するコーナーだから、その流れで出てくるんじゃないかしら」
ナレーション『今巷のイケてるガールズたちに大人気なのが……そう、男装女子!』
このみ「えっ」
莉緒「」
美咲「どうやら『空猫珈琲店』での莉緒さんの名演が、ローティーンの女の子たちにも大好評みたいですよ♪」
莉緒「まさかこの企画、Pちゃんの持ち込みだったりしないわよね?」
このみ「そういえばあの“悠利くん”のイメージも、Pと莉緒ちゃんがそれぞれの思うイケメン像をすり合わせて形にしたんだっけ?」
莉緒「そうなのよ。あのときのPちゃんのノリの良さったらなかったわ」
ナレーション『今日は人気アイドルの二人が、漫画の中から飛び出してきた王子様に大変身するよ!』
このみ「育ちゃん、こういうの凝るタイプよ。環ちゃんはポテンシャル高いしバッチリ決めればきっとすごいことになるわ」
莉緒「桃子ちゃんがこの仕事パスした理由がなんとなくわかった気がするわ」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 02:00:20.26 ID:AQjaemd70
お姉さんA『お待たせしました! それではお二人に登場していただきましょう、どうぞー!』
(BGMとして少女漫画原作映画の主題歌が流れる)
このみ・莉緒・美咲「かわいい〜〜!!」
育『アイツのことなんて忘れさせてやる。だから……僕だけを見て』
美咲「育ちゃんは少女漫画の一途な男の子をイメージしたみたいですよ」
このみ「ああっ私たちのかわいい末っ子が、挑発的な眼差しで女の子に壁ドンしてる…」
莉緒「これは予想外だったわ。育ちゃんにこんな引き出しがあったなんて」
環『心配するな。お前のことは……必ず俺が守る』
美咲「環ちゃんはクールな役作りに苦労していましたが、Pさんが特撮のブルーをイメージしようとアドバイスしたら途端に上達して」
莉緒「あぁ〜ん、私もこんなワイルドな男子に守られた〜い」
このみ「莉緒ちゃん……それにしても二人とも末恐ろしいわね。Pもよくここに目を付けたものだわ」
莉緒「きっかけが私の男の子役っていうのは、セクシーレディとしてちょっと複雑だけどね」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 02:01:00.66 ID:AQjaemd70
――収録後、テレビ局
P「おっ、二人ともお疲れ様」
環「おやぶ〜ん! ねぇどうだった? たまき、ちゃんとブルーできてた?」
P「うん、最高だった。スタッフさんからも大好評で私も嬉しいよ」
環「くふふ〜。いくもバッチリ決まってたね!」
育「ありがとう環ちゃん。男の子役は初めてだったから緊張したけど、とっても楽しかった!」
P「衣装も似合ってたよ。反響が良かったら、劇場のライブ衣装に取り入れてみても面白いかもしれないね」
環「それじゃあたまき、今度はブルーじゃなくてレッドみたいな格好がしたいぞ!」
P「オーケー、後で青羽さんにも伝えておくよ。育はこれから何かやってみたいお仕事とかある?」
育「わたし、もっとお芝居をやってみたい! トゥインクルリズムのときのけいけんを活かして、映画やドラマに出てみたいな」
育「男の子の格好をするのも楽しかったけど、わたしはやっぱりこの間の桃子ちゃんみたいな大人っぽい役がしたい!」
P「『屋根裏の道化師』のことね。ああいう大きな作品となるとオーディションや撮影もかなり大変だけど、頑張れそう?」
育「まかせて! わたし前に劇団にいたから演技には自信あるし、桃子ちゃんだってがんばってたんだから、わたしもがんばりたい!」
P「わかった。二人が楽しくお仕事できるように私も頑張るから、二人も学校での勉強しっかり頑張ってね」
育・環「はーい!」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 02:01:36.36 ID:AQjaemd70
――数日後
桃子「おはようお姉ちゃん」
P「おはよう桃子。昨日ご所望してたオレンジジュース、冷蔵庫に冷やしてあるから飲みたければ飲んでね」カタカタ
桃子「なぁにお姉ちゃん、後輩ならそういうのは普通、コップに注いで持ってくるまでやってくれるものじゃないの?」
P「そうしたいけど今は手が離せない」カタカタ
桃子「そっか、なら仕方ないね。で、何してるの?」
P「営業のための書類作り。ほら、育がお芝居の仕事をしたがってるの、桃子も知ってるでしょう?」
桃子「うん……そっか。お姉ちゃんもちゃんとお仕事してるんだね。ちょっと感心したかも」
P「静香みたいなこと言わないの」
桃子「それで、育はどんなお仕事をするの?」
P「一応それらしいドラマや映画のオーディションをいくつかピックアップしてるから、まずはそこにエントリーできるよう調整中」
桃子「ふーん……だから育、次の定期公演をお休みするんだね」
P「そういうこと。今日からしばらく、以前通ってた劇団の先生に稽古をつけてもらうことになったよ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/01/16(水) 02:02:03.75 ID:AQjaemd70
P「もしかして桃子ってば育に会えなくて寂しいの?」
桃子「べ、別にそんなこと言ってないじゃん。仕事の予定が埋まってるのはプロとして喜ばしいことでしょ」
P「さすが桃子ね。定期公演に一人欠員が出て色々バタバタしてるけど、まあそれも嬉しい悲鳴なわけだから」
桃子「あれ? その日は環が代わりに出るって話になってたはずじゃなかったの」
P「それが環に急な仕事のオファーが来ちゃってね。昆虫の生態を学ぶ教育番組のアシスタント。先方からのご指名なんて、またとない機会でしょ?」
桃子「そのオファーも、この間の朝番組がきっかけ?」
P「そうなの。元々は男の子を起用する予定だったみたいだけど、この間の環を見て、そういう固定観念は捨てようってことになったそうだよ」
桃子「ふーん。なら桃子、その日のスケジュールまだ空いてるし、レッスン時間さえ確保してもらえるなら出てあげてもいいけど?」
P「本当? ありがとう、助かるよ。なら早速、今から始まるレッスンに参加してもらえるかな」
桃子「もちろん大丈夫だよ。なんたって桃子はプロなんだからね。じゃあ当日のメンバーで今日レッスンに来ている人を教えて」
P「えっと……紗代子、のり子、歩、昴、海美、エレナ、まつり、麗花――」
桃子「ちょ……わかったよ。それよりよりお姉ちゃんこそ、さっきから手が止まってるよ。ちゃんとお仕事してよね」
P「はーい」
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