【安価とコンマ】退廃ファンタジー

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179 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/25(月) 13:36:59.23 ID:X7N0AKKR0
対ウル×2


【名前】スピカ
《体力》644
―――――――
《膂力》114
《知恵》219
《防御》122
《精神》189
―――――――
錆びた鉄剣《膂力》10
燻んだナイフ《膂力》10
翠玉の指輪《防御》《精神》15
くたびれた外套《防御》10

【名前】ウル×2
《体力》?
―――――――
《膂力》?
《知恵》?
《防御》?
《精神》?
―――――――

ステータスの合計はスピカが上
先攻

安価↓1 スピカの攻撃《膂力》か《知恵》
安価↓2 ウル×2の防御 こちらはスピカの攻撃に合わせた対抗手段で判定します。

180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 13:39:41.70 ID:2Bk/SPO0O
知恵
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 13:41:18.47 ID:wM6g2hBP0
182 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/25(月) 13:52:03.42 ID:X7N0AKKR0
スピカは魔力を乗せた鉄剣を完璧に一匹目のウルに合わせ、二匹目のウルにもナイフで痛手を負わせた。

(昨日と全然違う)

アンカー・コンマ―に与えられたさらなる力は、ウル二匹を相手にする分にはまるで問題にならないほど強力だった。

一匹のウルは倒れたまま動かず、もう一匹はふらつきながらもスピカに牙をむく。

手負いの獣ほど恐ろしいものはない。

スピカは唸りながらかみついてくるウルに防御の姿勢をとった。

ウル《膂力》?安価↓1
スピカ《防御》147安価↓2
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 13:54:07.80 ID:2Bk/SPO0O
てい
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 13:59:11.06 ID:MJvC9Z34O
はい
185 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/25(月) 14:18:50.66 ID:X7N0AKKR0
ウル《膂力》?+80
スピカ《防御》153
スピカ《体力》577


ウルは手負いにも関わらず俊敏な動きでスピカに接敵し、その凶暴な牙を突き立てた。

スピカは外套越しに受け止めたが、鋭利な牙はくたびれた外套を容易に貫き、スピカの肌に傷をつけた。

「うぐぅ、あっ!」

途轍もない咬合力。アンカー・コンマーの加護がなければスピカの腕は簡単にちぎれ飛んでいたに違いない。

スピカは初めて味わう鋭い痛みに顔を歪め、冷や汗を流す。

腕に食いついたウルを腕力で振り払い、よろめいたウルにとどめの一撃を向けた。

スピカ攻撃《膂力》か《知恵》安価↓1
ウル防御安価↓2
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 14:22:02.42 ID:MJvC9Z34O
知恵で
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 14:29:18.12 ID:oiPo9BtfO
一体倒しても敵の攻撃翌力は2匹ぶんなのか
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 14:38:07.41 ID:ssHHeB8RO
ウルの膂力は140か?今のままだとちょっと危ないな
189 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/25(月) 14:44:37.93 ID:X7N0AKKR0
>>187
集団を相手にするときは「ウル×2」というモンスターみたいな扱いです。



スピカ攻撃《知恵》261
ウル《精神》?+12
ウル《体力》0
対ウル×2 勝利


スピカは剣を力いっぱい振るった。

ゴミ捨て場から拾ってきた剣やナイフだろうと、魔力をまとわせればそれは魔法の剣になる。

ウルの毛皮を切り裂き、見事に二匹目を絶命させた。

「はぁ……、ふぅ……」

昨日よりも確実に強い相手だったが、今のほうが精神的な余裕がある。

少しだけ心も強くなれたのだろうかと考え、スピカはすぐにバレッド探しを再開した。


ウルを倒したのでステータスを開示します。

【名前】ウル×2
《体力》200(100×2)
―――――――
《膂力》140(70×2)
《知恵》80(40×2)
《防御》140(70×2)
《精神》80(40×2)
―――――――


190 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/25(月) 14:52:31.01 ID:X7N0AKKR0
スピカは昨日バレッドと別れた場所にたどり着き、そこから手掛かりを探した。

「これは、足跡?」

スピカは子供にしては高い洞察力をもって、地面についた手掛かりを見つけた。

森は奥に向かうほど暗くなり、地面もぬかるんでいる。

昨日バレッドと追手が走って行った方向に足跡は続いていた。

「近づいている」

スピカは確信をもって森の奥へ進んだ。


安価↓1
01〜30 《???》×2に遭遇
31〜60 《???》×2に遭遇
61〜90 《???》に遭遇
91〜00 《???》に遭遇
ゾロ目はボーナス



一旦更新止まります。
続きは今日の夜中か明日で。

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 15:01:39.49 ID:oiPo9BtfO
ゾロこい
192 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 18:21:05.72 ID:kadq3g0v0

こんばんは、再開します



スピカは残された足跡をたどり、暗い森を進む。

段々と草木の密度が高くなってくる。

地面には花よりも菌糸類や地衣類が目立つようになり、木の根や枝には苔やシダが寄生するようにはえている。

うすぐらい森の影から、何かの視線を感じた。

走るスピカと一定の距離をおき付きまとっている。

(この感じ!さっきと似てる)

また、ウルに狙われていると感じたスピカは、足跡を辿って丁度森の泉に出たところで停止した。

向こうもその瞬間を待っていたのだろう。

ゆっくりと、強者の余裕を持って茂みから姿を表した。

それは一見ウルだった。

四足歩行で牙と爪を持つ獣。凛々しい顔立ちと怜悧そうな瞳の狩人。

しかし、ウルが茶色の毛並みであったことにたいし、こちらは灰色がかった紫の毛を持っていった。

さらに、その毛皮はバチッ、バチッと紫電を纏っていた。

明らかに別種。

おそらくはウルの上位種だった。
193 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 18:22:33.43 ID:kadq3g0v0
対《???》×2

【名前】スピカ
《体力》577
―――――――
《膂力》114
《知恵》219
《防御》122
《精神》189
―――――――
錆びた鉄剣《膂力》10
燻んだナイフ《膂力》10
翠玉の指輪《防御》《精神》15
くたびれた外套《防御》10


【名前】《???》×2
《体力》?
―――――――
《膂力》?
《知恵》?
《防御》?
《精神》?
―――――――

ステータスはスピカが上 先攻

スピカ攻撃 安価↓1 《膂力》か《知恵》
《???》×2防御 安価↓2 こちらはスピカの攻撃に合わせた対抗をします。

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 18:37:10.17 ID:1LX4qXoDO
知恵
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 18:49:38.95 ID:fitgbZcQ0
はい
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 18:51:30.67 ID:ODy5Z6X2O
やべぇよやべぇよ…
197 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 19:11:14.27 ID:kadq3g0v0
スピカ攻撃《知恵》236
《???》×2防御 《精神》?+95
《???》《体力》?



スピカとウル上位種の間で空気が張り詰めている。

冷や汗を流すスピカと対照的に、二匹のウル上位種はただ整然とスピカの隙を伺ってきている。

緊張に耐えられずスピカが隙を見せた瞬間。

ウル上位種が図早く踏み込んだ。

(はやっ!)

まさに雷のような速さで迫ってくる一匹目のウル上位種に、スピカはぎりぎりナイフを合わせた。

「ワフッ!」

軽く切り傷をつけられた一匹目のウル上位種は、驚いて距離をとる。

しかし安心はできなかった。

二匹目のウルがかみついてきたのだ。

《???》《膂力》?+安価↓1
スピカ《防御》147+安価↓2
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:12:25.40 ID:hCeL36z3o
つよそう
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:12:45.81 ID:ODy5Z6X2O
はい
200 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 19:22:20.40 ID:kadq3g0v0
《???》《膂力》?+40
スピカ《防御》228
スピカ《体力》577


スピカを狙ったウル上位種の噛みつきをぎりぎりでかわした。

鋭い牙が目の前で閉じられる。文字通り間一髪だった。

(さっき、ウルの動きを見てなかったら避けられなかったかも……)

戦いが始まり、スピカは少しだけ冷静になってきた。

落ち着いてウル上位種の動きを見極め、攻撃に合わせて剣を薙いだ。

スピカ攻撃《膂力》か《知恵》安価↓1
《???》×2 安価↓2
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:28:48.11 ID:TrGJBUiLO
頑張れスピカ
知恵
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:30:53.72 ID:ODy5Z6X2O
ゾロ目か…
203 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 19:32:28.09 ID:kadq3g0v0
戦闘中のゾロ目ボーナスは追加攻撃でいいですか?
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:33:12.56 ID:TrGJBUiLO
ゾロったが最低値か……
力の無いアンカー・コンマーですまない……
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:40:22.26 ID:ODy5Z6X2O
お願いしなす
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:40:54.14 ID:TrGJBUiLO
ゾロ値+再判定=威力?
ならそれでお願いします
207 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 19:44:50.90 ID:kadq3g0v0
ゾロ値+再判定です。

安価↓1

あとゾロが出た時スピカ覚醒って感じの描写入れたいので、今後戦闘中にゾロが出た時のスピカの見た目の変化も書いてください。
例 オーラが増す。 目の色が変わる。
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:46:41.63 ID:1LX4qXoDO
目の色が変わる
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:47:48.20 ID:TrGJBUiLO
片目が緋色に〜とか?
スピカの元の瞳の色が何色かわからないけど
210 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 19:49:26.88 ID:kadq3g0v0
連続で安価ごめんなさい。
安価↓1 通常時の眼の色
安価↓2 覚醒時の眼の色
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:51:43.61 ID:aD3KImb7O
碧眼
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 19:54:12.68 ID:1LX4qXoDO
深紅
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 20:04:07.90 ID:tGlCD8vZO
今は灰色だけど髪も元はプラチナだっけ?なかなか綺麗な配色だな。早くお風呂入れるくらい生活安定させてあげたい
214 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 20:12:09.41 ID:kadq3g0v0
スピカ攻撃《知恵》293
《???》×2 ?+75
《???》×2 《体力》?

スピカが剣を振った瞬間、まるで世界が停止したような錯覚に襲われた。

赤い色に染まった世界。

音が消え、自分の鼓動だけがやけに大きく聞こえる。

全身の血液が沸騰し昂る。

迅雷のごとく動くウル上位種の毛並み一本一本まではっきりと見分けられる。

(へ?)

スピカは困惑していたが、体が歴戦の戦士もかくやという動きを見せてウル上位種二匹を捌いていた。

一匹目を真一文字に卸し、二匹をナイフで牽制する。

「っ……ぁ! はぁ、はぁ、なに? 今の?」

まるで世界を掌握したような全能感があった。

さっきまでの自分ならきっと運命さえ切り裂けた。

そんな気分。

惜しむらくは初めての感覚だったので手放してしまったことだ。

「グルルルルゥウゥゥウ……」

ウル上位種がスピカを警戒するように唸っていた。

スピカがウル上位種に視線を向けると、彼は毛を逆立てた。

ウル上位種は見てしまったのだろう。

新緑のように優しげだった少女の瞳が、血のような深紅に染まった瞬間を。

ウル上位種は自棄を起こしたようにスピカに喰いかかった。

《???》×2 《膂力》?+安価↓1
スピカ《防御》147+安価↓2
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 20:13:14.88 ID:ODy5Z6X2O
最後っ屁といこうか
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 20:16:46.62 ID:LEbRKfFS0
217 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 20:27:09.71 ID:kadq3g0v0
《???》×2 《膂力》?+88 ゾロ、スキル【紫電の牙】発動
スピカ《防御》209
スピカ《体力》577
スピカ《麻痺》160 コンマ50〜60自動失敗

スピカはウル上位種の渾身の攻撃を鉄剣とナイフを交差させて受け止めた。

「ウググウウ!」

鍔迫り合いの中で、ウル上位種がうなり、牙の間を紫電が走る。

バチバチと音を放ち放電するほどに電圧を上げたそれは、鉄剣を伝ってスピカの体を痺れさせた。

「うぐぅ!」
218 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 20:28:11.18 ID:kadq3g0v0

状態異常の説明

状態異常は安価の度に自動で発動します

状態異常には《強度》が設定されています、状態異常の威力や効果時間に関係します。

《強度》は安価した時のコンマや回復アイテム、回復魔法で減らすことができ、《強度》が0になると状態異常が治癒したことになります。

回復アイテム、回復魔法で《強度》を減らした場合、《体力》は回復できません。



《麻痺》コンマ判定が50〜60で自動失敗
《強度》160

スピカが攻撃
コンマが55
自動失敗 《麻痺》の《強度》160-55=105
敵が攻撃
スピカが《防御》40 成功 《麻痺》の《強度》105-40=65
スピカが回復魔法150 《麻痺》完治。《体力》の回復なし

219 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 20:31:56.70 ID:kadq3g0v0
スピカは神経が侵されうまく動かない体に叱咤を入れ、ウル上位種に剣閃をお見舞いした。


スピカ《膂力》か《知恵》安価↓1
スピカ《麻痺》160 コンマ50〜60は自動失敗
《???》?+安価↓2
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 20:33:11.91 ID:kv2fMK6kO
知恵
これでトドメだ
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 20:33:31.38 ID:1LX4qXoDO
222 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 20:44:41.17 ID:kadq3g0v0
スピカ《知恵》310
《???》?+38
《???》《体力》0


スピカの放った斬撃は二匹目のウル上位種も見事肉片に変えて見せた。

「な、何とかなった」

目の前に転がる二匹分の死体。

その毛皮や地面に吸われる血潮にはいまだ紫電が火花を上げている。

今まで出会ってきたモンスターも大概不思議な生体をしていたが、雷を纏う生き物などおとぎ話の中でしか見たことなかった。

それを、自分が殺したのだ。

麻痺で感覚が鈍くなっているせいかもしれないが、実感が薄かった。


《???》を倒したのでステータスを開示します。


【名前】ウル・シ
《体力》110
―――――――
《膂力》80 
《知恵》50
《防御》80
《精神》50
―――――――
【紫電の牙】《膂力》でダメージを与えると《麻痺》80を付与
223 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 20:58:04.39 ID:kadq3g0v0
スピカはバレッド探しを再開した。

森の泉に出たところでスピカが追ってきた足跡は途絶えていた。

その代わり、血痕が道を作って続いていた。

泉の周囲は不気味なほど静まり返っている。

森全体が身を潜めているようだった。

スピカは覚悟を決めて先へ進んだ。

01〜89 バレッドを見つける
90〜99 《???》と遭遇
ゾロはボーナス ボーナスの内容を書いてくれたら参考にできます。
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 21:03:08.35 ID:N1HnN9AsO
見つけるぜ!
225 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 21:43:53.16 ID:kadq3g0v0
血痕を追ってゆくと、さらに二手に分かれていた。

一つはさらなる森の奥へ。もう一つは傍の木のウロへ。

どちらかがバレッドのもので、どちらかが昨日の追手のものだとスピカは察した。

(バレッドさんでありますように)

ゾロ目の数字に祈り、剣を構えてウロを覗いた。

「バレッドさん!」

そこにいたのはバレッドだった。

迷彩のフードをかぶり、魔道具の銃を持った男。

彼は、ウロの中で壁に背を持たれて座っていた。

「な、お前は……」

バレッドはウロを覗いてきたのがスピカだと分かると、驚愕の表情を浮かべていた。

それで初めて見えたのだが、フードの下の顔は銀髪蒼眼で整った顔の青年だった。

バレッドはウロの入り口に立ち止まったままのスピカをつかんでウロに引き入れた。
226 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 21:44:54.91 ID:kadq3g0v0
なぜこんなところに来た。いや、なぜここに来れた」

詰問するバレッドに、スピカはここに来るまでの経緯を話した。

アンカー・コンマ―の加護のこと。

バレッドに協力者になってもらおうと探したこと。

今朝の施しがなかったという話を聞いて急いで助けに来たこと。

それらを全て話し終わったとき、バレッドは苦々しそうな顔をしていた。

「……そうか、俺の未熟が原因なんだな」

「自分を責めないでください。私が昨日あんな場所にいたことだって原因なんです」

スピカとバレッド、両名とも性根が善人であり自己犠牲的な部分があるために、責任の追い合いが続いた。

俺が、私が、俺が、私が、さすがに生産性がないと思ったのか、バレッドが話題を転換した。

「この話は後にしよう。それより、まずはスラムに帰らないと」

「バレッドさん、動けますか?」

「心配するな、血は止めた。一晩休んで気力も戻った。行けるさ」


神の加護を受けたスピカと実力者のバレッド。

二人は協力し合い、無事森を抜け、スラムに帰ってきた。
227 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 21:46:10.65 ID:kadq3g0v0
スピカはひとまず拠点に帰ってきた。

バレッドも今夜はスピカの拠点に匿ってもらうことにしたようだ。

拠点に戻ると、アンカー・コンマ―のシンボルが赤熱していた。

「バレッドさんすみません。アンカー・コンマ―様に祈らないといけないので」

「あ、ああ、俺のことは気にするな」

バレッドに一言断りを入れると、スピカはシンボルの前に跪き、手を合わせ、ゾロ目の数字に祈った。





スピカのステータスを更新します。
今回は《魔力》と【スキル】を追加します。


【名前】スピカ
《体力》644
《魔力》安価↓1コンマ一の位
―――――――
《膂力》114+安価↓2
《知恵》219+安価↓3
《防御》122+安価↓4
《精神》189+安価↓5
―――――――
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 21:47:16.64 ID:N1HnN9AsO
魔翌力…MP的なやつか
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 21:49:36.63 ID:tGlCD8vZO
無事に帰れて何より
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 21:56:17.08 ID:1LX4qXoDO
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 22:00:08.84 ID:hCeL36z3o
せや
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 22:05:33.79 ID:pyiHYp+qO
うん
233 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 22:16:00.94 ID:kadq3g0v0
スピカに向かう力の放流。

二度目だがやはり苦しいほど熱い。

「大丈夫なのか?」

「気に、しないでください」

心配するバレッドを止め、スピカはアンカー・コンマ―の力を受け入れた。

【名前】スピカ
《体力》778
《魔力》4
―――――――
《膂力》177
《知恵》227
《防御》206
《精神》168
―――――――


前回はこれで終わりだったが、今回はシンボルの赤熱が収まることはなく、さらなる力をスピカに与えた。
234 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 22:18:10.49 ID:kadq3g0v0

スキルの説明
 
《魔力》を消費して特殊な選択肢を増やします。
 
《魔力》の消費はどのスキルも「1」です。
 
スキルの効果はステータスを参照します。
 
レアリティによって効果の上限が変わります。
 
相手が対抗してくる場合、スキルはコンマで判定します。その場合判定に使う値はステータスの元の値です。
 
☆1(レア度1)の場合(ステータスの半分の値を参照)


 

【パワースマッシュ】☆1
スピカの《膂力》50の半分だけ相手の《体力》を減らす。
対抗手段《防御》
 
相手が無防備なら判定なし、相手の《体力》を25減らす。
対抗してきたら判定あり、相手の《防御》を、自分の《膂力》に安価ででたコンマを加えた数字が越えたら成功
自動成功、自動失敗もあり得る。
 
 
その他スキルの例
 
【マインドバリア】
《精神》の半分を《膂力》に乗せる。(常時ではない)
 
【サーチ】
《知恵》の半分で周囲の敵の情報を完全に暴く
対抗手段《精神》
 
【ヒール】
《知恵》の半分で誰か一人の《体力》を回復する
対抗手段《防御》《精神》
 
【バインド】
《知恵》の半分で敵を《麻痺》にする。
対抗手段《防御》
 
 
レア度1のテンプレート
 
【スキル名】☆1
《ステータスのどれか》の半分
対抗手段

235 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 22:18:22.71 ID:tGlCD8vZO
精神だけ減ってるぅ!?
236 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 22:19:54.80 ID:kadq3g0v0
失礼しました。

【名前】スピカ
《体力》778
《魔力》4
―――――――
《膂力》177
《知恵》227
《防御》206
《精神》268
―――――――
237 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/26(火) 22:26:55.45 ID:kadq3g0v0
今日はスキルを募集して終わりたいと思います。

安価↓1−5

テンプこっち使ってください
 
【スキル名】☆1
【効果】《》の半分で
【演出・エフェクト】任意
【対抗手段】


五つの内二つを安価で採用させていただこうと思います。
強すぎたりしたらこちらで調整するので、いろいろ出してくれると嬉しいです。
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 22:50:48.55 ID:ylxs0GMTO
【スキル名】キュアー☆1
【効果】《知恵》の半分で誰か一人の状態異常の強度を減らす。また強度を超えた分だけ《体力》も回復させる
【演出・エフェクト】治療対象の身体が淡い水色の光に包まれる
【対抗手段】 《精神》
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 22:55:50.50 ID:pyiHYp+qO
【スキル名】エクリプス
【効果】《精神》の半分の数値分未満のダメージを受けたとき、
ダメージを無効にし、そのダメージ分だけ自分の体力を回復する
【演出・エフェクト】身体から皆既日食の際に視認できるコロナのようなオーラが浮かび上がる
【対抗手段】《精神》
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 00:02:38.29 ID:wp6QzQMi0
【スキル名】☆1 穿撃
【効果】《膂力》の半分のダメージを追加で与える。突きに適した武器でなければ(杖や斧など)、威力は0になる。
【演出・エフェクト】顔の前に武器を掲げ、構えを取り、力を込めて強烈な突きを繰り出す。
【対抗手段】《防御》

対象の《防御》の半分だけ、ダメージを減少させる。
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 00:20:12.37 ID:dDtZnXj+O
【スキル名】
シルバーヴェイル☆1
【効果】
敵の攻撃時、《精神》の半分を防御判定値に加える。その後の判定の攻防値で勝っていた場合、その差の半分のダメージを相手に与える
【演出・エフェクト】揺らめく銀の燐光を全身に纏わせ、襲ってきた相手に魔翌力障壁による反撃を行う
【対抗手段】
《知恵》
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 07:32:08.52 ID:rO7aaqdiO
【アコーダンス】☆1
【効果】自分の《知恵》の半分が、対象の《知恵》の数値を上回っている場合に発動できる。
対象の《体力》《魔翌力》以外のステータスをすべて、対象の《知恵》と同じ数値にする。
効果は長続きしない。
【演出・エフェクト】対象の頭上に水の波紋のようなエフェクトが現れたのち、対象の網膜に無秩序な幾何学模様が描かれる。
【対抗手段】《精神》
243 : ◆GsFNmlQwPk [sage]:2019/02/28(木) 00:23:11.68 ID:Imx6Gam70
すみません。今日はスキルだけ決定します。

安価↓1、2コンマ 被ったら一個下にずらします

01〜20【キュアー】
21〜40【エクリプス】
41〜60【穿撃】
61〜80【シルヴァーヴェイル】
81〜00【アコーダンス】
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 00:34:49.05 ID:BCtFeM0H0
えい
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 00:41:41.47 ID:q9AE9XkDO
はい
246 : ◆GsFNmlQwPk [sage]:2019/02/28(木) 23:09:11.50 ID:Imx6Gam70
夜遅いですが少し再開です。
【キュアー】の設定を少し変更させていただきました。





【キュアー】☆1
【効果】《知恵》の半分で誰か一人の体力を回復する。状態異常を回復する場合強度を超えた分だけ《体力》も回復させる。

【穿撃】☆1
【効果】《膂力》の半分のダメージを追加で与える。突きに適した武器でなければ(杖や斧など)、威力は0になる。


祈りを捧げるスピカの体に、今までとは別の力が宿った。

(これが……、【スキル】……)

急な力の増加はスピカの体にひどい負担をかけた。

スピカはスキルの存在を感じ取りながら気絶するように眠った。

247 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/28(木) 23:10:27.24 ID:Imx6Gam70
翌朝、スピカは太陽が昇る前に起きた。

(また強くなってる)

【ジョブ】が宿ってまだ三日目。だというのにスピカの体は当初とは比べ物にならないほど強大な力を手にしていた。

おもむろに転がっていた石を拾い摘まみ上げる。

別に普通だ。石を持った感覚も、硬いという感触も。

スピカが力を籠めると石は容易く粉々になった。

(力加減とか、間違えないようにしないとなぁ)

もし子供たちの手を握ったとき、うっかり力いっぱい握ってしまったら大変だ。

幸いこれまでと同じ感覚で体を動かせば、【ジョブ】を得る前と同じ力加減で体を動かせる。

今は、その先の力が発揮できることに気を付けていれば何とか普通に過ごせそうだった。
248 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/28(木) 23:11:01.24 ID:Imx6Gam70
スピカの拠点ではバレッドが寝ていた。

呼吸が深く少し頬をつついたくらいでは身じろぎもしない。

昨日は大丈夫と言っていたが、空元気だったのだろう。

結局彼は太陽が顔を出し、配給へ向かう時間になっても起き上がらなかった。

さっそく手に入れたスキルの【キュアー】を使い、バレッドの傷を治した。

それでも彼が目を覚まさないのは、単純な気力、体力の回復が出来ていないからなのだろう。

森で怪我を負った彼は、痛みと警戒で満足に寝ていないはずだ。

今の彼に必要なのは十分な睡眠だった。

スピカは子供たちを連れて配給へ行き、今日は子供たちともゴミ捨て場に行かず拠点に帰ってきた。
249 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/28(木) 23:13:24.45 ID:Imx6Gam70

スピカは、彼が起き上がるのを待って協力者になって欲しいと改めて相談を持ち掛けてもいい。
バレッドが眠っている間に他の協力者候補の下へ向かってもいい。

安価↓1
・バレッドを仲間にする(バレッドは起き上がり仲間になります)
・ほかの仲間候補に接触する

安価↓1がバレッドを仲間にするを選んだ場合
安価↓2−3
賛成
反対(別の行動を提示する)

反対が一人でも反対意見を優先します
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 23:17:40.20 ID:DApsfXhq0
ほかの仲間候補に接触する
251 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/28(木) 23:53:44.27 ID:Imx6Gam70
「スピカちゃん、この兄さんだれ?」

「んー、有名人だよ。バレッドさん」

「バレッドって、あの義賊のバレッド!?」

「そ、ちょっと怪我してるからお休みしてるの」

「へえ、こんな顔してたんだ」

スピカの拠点に来ていた年長の子供が、バレッドの顔をまじまじと見て感心していた。

「……くっ、ここは」

すっかり寝入っていたはずのバレッドが体を起こした。

「バレッドさん、無理をしないほうがいいです」

「いや、大丈夫だ。それより水をくれないか?」

スピカから受け取った水で喉を潤すと、バレッドはスピカを見て申し訳なさそうな顔をした。

「……昨日の、協力者になるって話だが」

「はい」
252 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/28(木) 23:54:17.09 ID:Imx6Gam70
バレッドは協力者になることを渋った。

というのも、自分はスラムの悪党に命を狙われている立場であり、協力者となればスピカや子供たちを危険にさらしてしまうかもしれない、と。

きっと自分より協力者にふさわしい人間がいるはずだから先にそちらをあたってくれ、と。

「どうしても協力者が見つからなくて、もう俺しかいないとなったら依頼所のカウンターに座る男にこれを渡してくれ。俺につながるはずだ」

そういうと、バレッドは一つの弾丸を取り出してスピカに渡した。

バレッドの扱う特殊な銃専用の弾丸だ。

バレッドはフードをかぶると外を警戒しながらスピカの拠点を去ってしまった。

(仕方がない、のかな)
253 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/02/28(木) 23:56:57.29 ID:Imx6Gam70

※これ以降いつでもバレッドを仲間にできます

※「療養のために寝ているバレッドを放って仲間探し」という展開はスピカの性格に合っていないと思ったので、少し展開を変えました。

スピカはどの仲間候補に接触しますか?
安価↓1
ウィリアム(仲間にするために手切れ金を工面する)
クリシゥス
アラン
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 00:01:00.80 ID:LeoDJhcP0
次はクリシゥスで
255 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/01(金) 00:02:51.03 ID:xr3ZtthB0
次はクリシゥス編ですね。
今日はここまでにさせていただきます。短くてすみません。
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 00:18:51.65 ID:9ddG/T/FO
おつかれ
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 18:24:40.45 ID:fckY2jJqO
おっ、大丈夫か大丈夫か
258 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/03(日) 23:32:35.45 ID:uwpivsG+0
毎度おなじみ夜中の再開です。
>>257心配してくれてアトザマス。昨日はお出かけしてました。


今回も協力者を得られなかった。

となると仲間候補は後二人だが。

「クリシゥスさん、かな」

二人の内、スピカが選んだのはクリシゥスだった。

理由は単純に、アランが子供だからだ。

スピカは自身のことを完全に棚に上げてクリシゥスを探した。




スピカは依頼所で彼を見つけた。

相変わらず顔立ちは整っているのに威圧的な印象だ。

獲物のサーベルを整備している途中だからか余計に彼の周りの空気が張って見える。

以前依頼の件で多少親密になったとはいえ、スピカはまだ彼に声を掛けるのが少し怖かった。



依頼所でクリシゥスを見つけたスピカ。
冷静だが守銭奴の彼を協力者に引き入れるには交渉が重要だ。
スピカは誠心誠意思いを伝えてもいいし、一度ビジネスライクな関係を気づいてもいい。
勿論交渉しない手もある。

自由安価↓1
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 23:41:46.66 ID:2IQkf3g/O
誠心誠意思いを伝えたあと、あえてビジネスライクなお話へ移り交渉しようと試みる
両方が不可能なら、思いを伝える方のみで
260 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/04(月) 23:40:57.65 ID:xR7l5TFY0
昨日は寝落ちしてすみませんでした。それと、安価は思いを伝えるのみを採用させていただきました。







スピカはクリシゥスがサーベルの点検を終わらせたタイミングを見計らって声を掛けた。

「おはようございます。クリシゥスさん」

「ああ、スピカか。どうした? 割のいい話でもあるのか?」

「割のいい話、ではないと思いますけど、クリシゥスさんにお話があるんです」

「……まあ聞いてやる」

「ありがとうございます! あの、実は私、【ジョブ】が宿りまして……」

「ちょっと待て」

「はい?」

「場所を変えるぞ」

「は、はい」
261 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/04(月) 23:41:41.44 ID:xR7l5TFY0
スピカはクリシゥスに連れられてスラムでも人気のない場所に来た。

「ここならいいだろ、続きを聞かせてもらおうか」

クリシゥスに促されたので、スピカは要件を包み隠さず話した。

魔力も纏って見せ、スピカが【ジョブ】を持っているという確かな証拠も見せた。

全てを聞き終わったとき、クリシゥスはひどい頭痛に襲われているような顔をしていた。

「お前、それはもう誰かに話したのか?」

「はい、ウィリアムさんとバレッドさんに」

「……そうか」

(あのお人よしどもなら少なくとも言いふらされることはなさそうだな)

「あの、何か言いましたか」

「いや、なんでもない。少し考えさせてくれ」
262 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/04(月) 23:42:12.10 ID:xR7l5TFY0
クリシゥスはスピカの提案について思案する様子を見せて、頭の中では別の算段を巡らせていた。

(この話を知っているのが全員お人好しでよかった)

(出なけりゃ今頃、甘い言葉に騙されて【ジョブ】だけ取られていたな)

クリシゥスが話を整理した限り、スピカは『誰に【ジョブ】を宿らせるか決める権利』を持っている。

これは今のスラムどころか、塔の中で暮らす人間ですら持っていない、つまりスラムの住人にとっては無限の価値を持つ権利だ。

生まれつき【ジョブ】を持っている塔の中の人類近縁種はともかく、生まれてこの方【ジョブ】がないというだけで虐げられてきたスラムの住民にとっては喉から手が出るほど欲しいはず。

現在スラムで幅を利かせている集団のボスでさえ、これまでの稼ぎをなげうって【ジョブ】を買うだろう。

(適当に協力するふりをして【ジョブ】だけもらっちまうか?)

少し魔が差したクリシゥスだが、すぐに冷静になり考え直した。
263 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/04(月) 23:42:43.04 ID:xR7l5TFY0
(いや、いくらスピカに相手を選ばせるにしても、神がそんなヘマをするはずがない)

(もしスピカが俺を選んだとしても、神に選ばれないなんて可能性は十分にありうる)

(だが、素直にスピカの協力者になったとしても、慈善事業なんて俺に耐えられるか?)

【ジョブ】を得て稼ぐ手段と言えば、なんといっても自然界へ赴き命がけの冒険をして価値のある品を持ち帰ること。

しかし、スピカに協力するとなれば、その稼ぎのいくつかは無償の奉仕に当てられることになる。

そんな未来を許容できるか。

クリシゥスは自身は葛藤した。スピカのまっすぐな目を睨むように見つめる。

(スピカをシンボルにしてビジネスができるか?)

スラムでは貧民区崩れの【ジョブ】持ちがお山のボスをやりながら金を稼いでいる組織もある。

そのうちの一つを手中に収めて、規模を拡大してゆけば結構な金が稼げる。

スピカのやろうとしていることにだってかなりの金と組織力が必要になるはずだ。

自分はお金の稼げるポジションにつき、スピカはスラムで縄張りを手に入れて生活環境の改善が見込める。

相互利益のある話だ。

クリシゥスの腹は決まった。
264 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/04(月) 23:43:30.21 ID:xR7l5TFY0
「スピカ、協力者になってもいいんだが、一つ頼みがある」

「はい! なんでしょう!」

スピカはクリシゥスの返事が色よい咆哮に進んでいると感じて、声を弾ませた。

もうすでに二人には渋い返事をもらっている。この際条件の一つや二つ喜んで飲み込むつもりだった。

「俺が”協力者になったら”、最初は俺とこの辺のスラムを縄張りに収めて欲しい」

「縄張り、ですか? でも、そんなのどうやれば」

「この辺を縄張りにしているのは貧民区崩れの【ジョブ】もち、ハンプトって男だ。奴を、まあ、追い出す」

「それは、人と戦うってことですよね……」

「ああ。だが、これはスラムのためだ。依頼所の異常な手数料も、弱者を追いやるような区画整理も全部奴の采配だ」

「ちょっと、考えます」
265 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/04(月) 23:48:10.85 ID:xR7l5TFY0

クリシゥスは仲間になってくれるようだが、その条件としてスピカは人に【ジョブ】の力を向けなければならない。今までは相手がモンスターだったが、人となれば覚悟がいる。
スピカはクリシゥスを協力者に選んでもいいし、別の仲間候補に接触してもいい。

安価↓1
・クリシゥスの提案に乗る。
・別の仲間候補を当たる。
・その他自由 (交渉の仕方を変えてみる。もっと欲しい情報がある、など)

※「クリシゥスの提案に乗る」場合、クリシゥスが仲間で決定するので、追加安価↓2,3の「賛成」が必要になります。
※追加安価が出た場合↓2、3の方はスピカがどんな行動をとるか安価↓1の選択から選んで書いてください





それと本日の更新は以上です。執筆速度はやくなりたしん。
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 00:19:15.14 ID:n+pyqI/80
スピカにとってはかなりきつい条件な気がするし
とりあえず保留してアランにも声かけよう
全員の条件把握しておきたいし
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 00:25:02.46 ID:4zZLWTf4O
だね。やっぱり大人は欲しいところだがアランを見にいって
緩々ならアラン、程々だったらお金貯めるor毛皮でウィリアムが妥当か?
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 00:38:58.51 ID:bj7gz7RRO
ウィリアムは確かにスピカの能力を補う為にも仲間に欲しいよね
でも条件厳しめだし無理せず遠距離攻撃できるバレッドを仲間にしてもう一人仲間増やせるようになったらウィリアムの為にお金か獣狩りするのもありかもね
269 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:34:24.09 ID:OfpG8PvX0
スピカは思い悩んだ。

いかに相手が【ジョブ】持ちと言っても、人に剣を向ける。

そんな自分を想像して、スピカは背筋が震えた。

「すみませんクリシゥスさん。この話、いったん保留にさせてくれませんか?」

「……怖気づいたか?」

「……はい。私から話を持ち掛けたのに、申し訳ありません」

「そうか」
270 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:35:04.55 ID:OfpG8PvX0
クリシゥスは内心舌打ちした。もっと慎重になるべきだったと。

彼はスピカの真性のお人よしを侮っていた。その良心の奴隷ともいえるほどの甘さを。

自分の失敗だ。これ以上粘るのは得策でないと気持ちを切り替える。

クリシゥスの目的は金であって【ジョブ】の獲得ではない。

スピカとのつながりを絶たなければ金を稼ぐ手段はある。

「俺は構わないが、スピカはどうする。ウィリアムやバレッドは頼りづらいんだろう?」

「はい、なのでアランを訪ねてみようと思います」

クリシゥスもアランという名は知っていた。ハンプトの縄張りでは最も大きな孤児グループのリーダーだ。

疑り深いアランはハンプト組織とつながりを持っていないし、同じ孤児のリーダーを務めているスピカには協力的だ。

事情があって協力を断ることはあっても、【ジョブ】の話を吹聴することはないだろう。
271 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:35:32.96 ID:OfpG8PvX0
「アランか。まあアイツは真面目だからな」

スピカは自身の優柔不断な態度にクリシゥスが気を悪くするのでは心配したが、そうで内容で安心した。

しかし、次にクリシゥスは険しい雰囲気を纏った。

「スピカ、俺から二つ警告だ」

「なんでしょう?」

「まず、【ジョブ】の話をする人間はちゃんと選べ。口が堅くて、善人、それが条件だ」

「はい」

スピカはしっかり頷いた。そうしてきたつもりだし、今協力を頼もうとしている人はクリシゥスを含めてそういう人だと信じている。
272 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:36:16.76 ID:OfpG8PvX0
「それと、スピカが理想を実現したいなら、おそらく俺の言ったようなことをしないといけない日が来る。自分ができないと思ったら俺を頼れ」

「助けてくれるんですか?」

二つ目の忠告はスピカにとってかなり厳しいものだった。

不安げに声を震わせて聞くと、クリシゥスはいたって真面目な様子で答えた。

「金と条件次第だ」

スピカは一瞬思考停止した後、「ふふっ」と笑ってしまった。

クリシゥスの頼りになるお兄さんのような言葉と、アコギな断言がスピカには特別おかしく感じられた。

「クリシゥスさんって、少し変わってますよね」

今度はクリシゥスが驚く番だった。

さっきまで緊張の面持ちで話していたちんちくりんが急に悪戯っぽい笑みを浮かべたのだ。

しかもクリシゥスにとっては報酬は払われてしかるべきもの。

当然の権利。常識。

変わっているのはスピカの方で、そのへんてこな物差しで測られて「変わっている」と言われても腑に落ちない気分だった。
273 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:36:42.35 ID:OfpG8PvX0
「お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした」

「ああ、気にするな」

スピカはクリシゥスと別れ、アランを訪ねることにした。

結局最後の協力者候補までめぐることになってしまったが、仕方のないと。

元より簡単に協力者を得られるとは思っていないし、その程度で諦める気持ちはない。

アランは彼の拠点に行けばすぐに見つかった。

彼の拠点はかつて使われていたであろう乗り物の残骸だ。

四角い箱がいくつも連結した乗り物が横転したり地面に埋まったりしている。

そんな場所を根城にしている。
274 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:37:16.35 ID:OfpG8PvX0
「アラン君、少し相談があるんだけど、いいかな?」

「スピカ。なんだ?」

スピカはクリシゥスの警告もあったので、アランを乗り物の影に連れ込んで小声で事情を話した。

さすがに前に三人同じことを話しているので、かなり要領よく伝えられたはずだ。

だが、アランは苦々しい顔をした。

「提案には乗りたいところだけど、難しいな」

「ど、どうして?」

スピカは最後の一人にも快い返事をもらえず、少なからず動揺した。

「実は、最近新しいメンバーを迎え入れたんだが、そいつら病気で弱ってるんだ。今、俺がグループを離れるわけにはいかない」
275 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:37:42.44 ID:OfpG8PvX0
なんでも、アランの新メンバーは孤児の中でも相当低い立場にいたようで、スラムの境界線を少し越えた場所での生活を余儀なくされていたという。

そのせいで汚染魔力を浴びてしまい、俗にいう「人外病」にかかってしまったという。

人外病とは汚染魔力の影響で体をあらゆる不調が襲う病だ。

末期には感染者の見た目が奇形化することや、【ジョブ】を持たない人類近縁種がかかりやすいため、人外病などと言われている。

「浄化薬が買えたらすぐに治るけど、んな金はねえからな。いいもの食わせて少しづつ汚染魔力を吐き出させないといけない」

だから、スピカの協力はできない。

アランはきっぱりい切った。

スピカはアランが仲間思いだということを知っていたし、そうでなくても目を見たら決意が固いことなんて一目瞭然だ。

「その、浄化薬はいくらするの?」

「100マナ。でも、素材を持ち寄ればもっと安くなったはず」

「そう、なんだ……」
276 : ◆GsFNmlQwPk [saga]:2019/03/06(水) 00:47:34.81 ID:OfpG8PvX0

アランを協力者に引き入れるためには浄化薬を買って汚染魔力に侵された子供たちを治してあげないといけない。
スピカは薬のために尽力してもいいし、別の協力者候補を当たってもいい。
自由安価↓1




見返して気づいたのですが>>259がゾロ目だったので、ボーナス入れようと思います。

ゾロ目ボーナスをどう使いたいか。
確定仲間、【スキル】習得、ステータス更新安価など
自分が書けそうなものを採用させてもらおうと思います。
安価↓2、3、4

3/5分の更新は以上です。おやさい。
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 00:59:33.17 ID:3z6HK7ZPO
仲間集めを一度保留
依頼所に行き、100マナを貯める(ウィリアムorアラン)に向いた依頼をいくつか目星をつける
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 01:07:09.54 ID:adpStbx+O
確定仲間ってウィリアムでもできる?
問題の手切れ金に関しては、誤ってゴミ捨て場に落ちたらしい金貨の入った袋を運良く偶然拾えたとか
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