提督「……辞めたい」

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57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 01:20:38.33 ID:/LAzQYQGo
似たようなss結構見たことあるけどこういう展開全然飽きない
楽しみにしてる失踪だけはしないでくれ
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 07:49:44.24 ID:FsTh0bRwo
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 12:49:09.13 ID:qF3Txuma0
まだ序盤だからわからんけど多分好き
見てるから完走してくれよー
60 :水源+α [saga]:2019/02/28(木) 16:14:58.89 ID:1MPaqioEO
学校から帰ってきたので、続きを書こうか迷ってるんですけどもうちょっと人が居る時間に書いた方が良いんですかね?
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 16:35:07.70 ID:6C5qgHSHO
安価スレでなければ時間帯は気にしないでいいよ
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 17:45:38.90 ID:ds0BoG76O
いつでも良いから続きはよ
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 23:21:38.20 ID:bOploGWyO
完走してくれよ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 01:00:51.66 ID:ZL9qIjGuo
普通に続きが気になる
頑張ってくれ
65 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 05:50:14.83 ID:Dmw+c3z90
さて。では再開していきます。
66 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 05:51:28.46 ID:Dmw+c3z90
書きためたものを一気に放出するので、リクエストには対応できません。ご了承下さい
67 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 05:53:40.07 ID:Dmw+c3z90
それから、オリジナルのキャラクターを入れたので、そこも承知でお願いします
68 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 05:55:26.26 ID:Dmw+c3z90
第二話 提督の復帰
69 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 05:56:18.45 ID:Dmw+c3z90
 階段から突き落とされて入院した数ヵ月後。骨折した部位も完治し、懸命に続けていたリハビリの甲斐もあって以前のように歩けるようになった。
 家族は居ないので、入院中は基本独りで過ごすことになると思っていたが、度々大和と翔鶴が見舞いに来てくれたので、そこまで寂しさとかは気にはしなかった。
 それに俺のことを知ってか、士官学校以来に会ってなかった元提督候補生──つまり今俺と一緒に一線で艦娘の指揮を執っている他の提督達も見舞いに来てくれたことがあるので退屈もしなかった。

 そうして今、明日で退院するので病室を退く準備を終わらせてから、本を読んで時間を潰していると


???「──うーっす」

提督「……? なんだ。お前か清二(せいじ)」
70 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 05:58:03.45 ID:Dmw+c3z90
一通り片付けられた病室の扉を開け、そこに居たのは提督の証である純白の軍服を着て、軍帽を片手に人懐っこそうな笑顔を浮かべる坊主頭の青年だった。

清二「よ。何読んでんだ?」

提督「純文学だ。恋愛小説だな」

清二「へえ。お前には似合わないな」

提督「そりゃお互い様だぞ坊主」

 宮原 清二。俺が提督候補生として士官学校で学んでいたときの同期だ。
 成績は結構下の方だったが、艦隊運営の腕はずっとずば抜けていた。今じゃその腕を見込められ、舞鶴鎮守府の提督補佐として活躍しているらしい。
71 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:00:03.02 ID:Dmw+c3z90
清二「坊主は今関係無いだろが母ちゃん」

提督「母ちゃん言うな」

清二「え〜? 今更本業隠すなよ。昔お前の部屋に勉強教えて貰いにきたときは俺らに良く夜食振る舞ってくれたじゃねえか」

提督「……それぐらいで母ちゃん呼ばわりは止めろと言ってるだろうが。あんぐらい誰でも簡単に作れるって言うのに」

???「──ふふ。そのやり取り懐かしいですね。……又、やってるんですか?」
72 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:00:54.86 ID:Dmw+c3z90
提督「ん? ──あ、お前もしかして新島(にいじま)……だよな?」

新島「はい。お久し振りですね。西野くん」

清二「あ、そうだったな。新島が来てるんだったわ。言うの忘れてた」

提督「おいおい……」

新島「すみません。宮原くんが早く言わないから、つい。待てませんでした」

 そう悪戯な笑みを浮かべる新島に対して清二は

清二「いやすまん。本当はもうちょっと御膳立てしてから登場させるつもりだったんだがなー」

 と頭を掻きながら苦笑した。

新島「本当ですよ全く。……これは後で反省文、十枚ですね」

清二「ファッ……!?」
73 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:01:29.13 ID:Dmw+c3z90
 ──清二の後から入ってきた、清二と同じように純白の軍服を着た女性の名前は新島 楓(かえで)という。こいつも厳しい訓練を一緒に乗り越えてきた俺の同期だ。
 女子でありながら成績も実技も常にトップをひた走っていた。こと指揮能力についてはその当時誰も右に出る者ははなく、試験的に艦娘を貸し出されて行われた演習では、未踏の無敗の記録を保持している。
 それに、黒いショートカットという綺麗で清楚な髪型で顔も整っているので、多くの士官候補生並びに提督候補生からの人望もあった。勿論今も人望はあるが、当時の男だらけの士官学校の時の比ではない。
74 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:02:46.00 ID:Dmw+c3z90
提督「相変わらずナイス支援だな新島」

新島「それはありがとうございます。あ、勿論冗談ですからね」

清二「……そ、そうか良かった。当時はやることなすこと本気だったから今もてっきりそうなんじゃないかとな」

新島「ああ。確かにそんな頃もありました。……懐かしいですね。でも卒業する頃にはもう今の感じでしたよね? 西野くん」

提督「いや俺に聞かれても……まあ確かに、出会った当初とはまるで印象は変わったけどな」

新島「まあ、あの頃は私も若かったんですよ」

提督「何言ってんだよ。今も充分若いだろうが」

清二「そうだぜ。まだピッチピチのお姉さんじゃねえかよ」

新島「ふふ。それもそうですね」

 清二のセクハラ紛いの発言も今やこの三人では恒例となっているので、新島は特に気にもせずに微笑んで応えている。
75 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:03:53.64 ID:Dmw+c3z90
 因みに新島が俺のことを西野くんと呼んでいるのは、俺の名前が西野 真之(さねゆき)だからだ。同期からは普通に西野やら真之やらで呼ばれるのが専らだが、ここには居ない一人の同期から『さねっち』という愛称で呼ばれている。

提督「それにしても、二人とも最近はどうなんだ? 上手く行ってるのか?」

清二「俺は順調に提督街道を突き進んでるぜ。この頃艦隊指揮も任せられるようになって、地位も提督補佐兼参謀になってる。もうジャンプの主人公並の成り上がりようだわ」

提督「へえ……やれば出来るじゃねえか。ジャンプの主人公は流石に言い過ぎだけど、作戦参謀は中々良い経験させてもらってるんじゃないか?」

清二「まあな。何も舞鶴の提督さんが言うにはあともうちょっと、だそうだ」
76 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:05:02.20 ID:Dmw+c3z90
提督「あともうちょっと、か。……新島」

新島「……はい」

 清二の言葉から俺と新島は、あともうちょっとの理由を察することができた。

提督・新島(……絶対セクハラ紛いの言動が問題で昇進が先送りされてるよな)(女性にとって少々近寄りがたい性格なのが難点ですね……)

清二「ん? どうした二人とも。悟り開いたか? ムハンマドか?」

提督「違ぇよ。イスラム教の布教なんてするか。……ま、あともうちょっとって言われたけど、今のお前じゃもう少し長くなりそうだなと思っただけだ」

新島「……同じく、です」

清二「うっわ相変わらずひっでえなお前ら。良いし。その内抜かしてやるし」

提督「そうかよ。じゃあ俺は一足先に執務室でコーラとポテチを嗜みながら高見の見物でもしてますかね」

新島「宮原くんには何だか、絶対に負けたくありません。……下手すれば私の人生の最大の屈辱になります」

清二「西野。お前は取り敢えずウザい。そして新島。お前は取り敢えず酷い。もう泣きそうだぜ」
77 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:06:18.35 ID:Dmw+c3z90
新島「はあ……泣かないでくださいよ。塩水がこぼれてしまうじゃないですか」

提督「ついでに米もな」

清二「俺は塩むすびじゃねえよ! 坊主=おにぎりみたいな定理を造らないでいただきたい」

新島「宮原くん。残念ながら、既にその定理はとある芸人の力により、あの三平方の定理並に世間では浸透してしまっています。もう手遅れです」

清二「……ふざけんな! 芸人、許すまじ!」

提督「新島。清二はどうやらマジで許してくれるらしいぞ」

新島「マジですか? ありがとうございます」

清二「もう煩い! こうなったら見返してやる。……というか俺をイジるときだけお前ら本当に息ピッタリだな」
78 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:08:01.73 ID:Dmw+c3z90
提督「──それで新島の方はどうなんだ?」新島「私も呉の方ですが、宮原くんと同じような感じですね」


清二は「……もう良い。俺ぁ不貞寝する」

 ついにスルーされたことに清二のライフはゼロになったようで、俺のベッドに顔を埋めてしまった。

新島「提督の補佐をしつつ、作戦の立案や指揮を参謀として任されています」

 不貞寝する行動さえもスルーする新島に容赦ないなと思いつつ、苦笑して応えた。

提督「新島も提督まであと一歩のところまで近付いてるな。……清二、新島。取り敢えず二人とも、ここまでお疲れs「──おうっ!」……反応が早えよ清二」

新島「ふふ。本当に単純なんですから。……私たちが目指すべき提督である西野くんからそう言われると、何だかやっと一段落着いた気がしますね」

提督「そうか?」
79 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:09:21.28 ID:Dmw+c3z90
新島「ふふ。本当に単純なんですから。……私たちが目指すべき提督である西野くんからそう言われると、何だかやっと一段落着いた気がしますね」

提督「そうか?」

清二「確かに言われてみれば。誉められるには誉められるんだけど、やっぱり周囲の皆は何処か忙しないからなぁ……」

新島「同感です。確かに本心から功績を讃えてくれているのでしょうけど、まだ周囲の皆さんからは壁があるように思えて釈然としないんですよね。……まあ、私達はどうやら、若くして提督の才能を遺憾なく発揮する『稀代の卵』と世間から呼ばれているらしいですし、注目されているのは分かりますが……」
80 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:10:23.58 ID:Dmw+c3z90
清二「そうそう。なんか誉められてるのにあんまり嬉しくないんだよな。昔俺をバカにしてた知り合いとかも急に連絡寄越してきて誉めちぎってくるし。なんというか……」

新島・清二「「気持ち悪いんだよな(ですよね)」」

提督「……成程。分かる気がしないでもない」

清二「そんなときに、こう……同期のお前から労われると、ああ〜……ってなるんだよ。分かるか?」

提督「いや……ちょっと分かった気がしたけど、やっぱり分からなかった」

新島「つまり、西野くんのような自分達が目指すべき提督でありながらも、本音を遠慮なく言い合える仲の人に労われた方が、真実味があって本当に自分が頑張ってきたということを実感できる……ということですね」クスッ

清二「そう! それだ」

提督「…………なんか、恥ずかしいな」
81 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:11:40.09 ID:Dmw+c3z90
新島「ふふ。……実は私も、です。普段は軽口ばかりでこうして本心をさらけ出すことは滅多にしませんからね。特に宮原くんに至っては普段はぶつかり合ってる相手に本心を言ってしまったも同然ですから、恥ずかしさは二倍ですね」

清二「お、おいおい……お前ら顔赤らめてんぞ。可愛いな〜!」

提督「自己紹介すんな」

清二「……うっせぇ! あそろそろ彼女とデートなんだまたなっ!」

 勝手に自滅して顔を更に赤らめた清二は、慌ただしく病室を後にする。

新島「あらら。今日は有給でこの後予定がないとここに来る前に豪語していたのにも関わらずに行ってしまいましたね」

提督「新島さんよ。それ以上は止めたげて」

新島「おっと。口が滑ってしまいました。この話はここだけの話ですよ?」

提督「もうその約束ごと全く意味がないんだよな。……というかあいつが一番恥ずかしがってんじゃねえか」
82 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:13:45.38 ID:Dmw+c3z90
新島「ふふふっ。間違いありません」

提督「まあ、又会ったときにでも、一応俺を頼りにしてくれた礼でも言っておくか」

新島「そうしてください。多分ですが、西野くんから礼を言われた後の数日間の宮原くんは、恥ずかしさを悟られないように普段以上に突っかかってこようとしてくるはずですから、受けて立ってやってください」ニコッ

提督「……お前本当に容赦ねえな。普通そういうことは逆に悟ってやらないんだよ」

新島「おっと。口が思いの外滑ってしまったようです。この話は忘れてください?」

提督「ごめんもう忘れられなくなったわ。次会うときちょっと気まずくなったらどうすんだ」

新島「その時はいつも通りに軽口を叩き合い、そしていつも通りにそこに私が現れて、いつも通りに愉しげに三人で牽制し合えばいつも通りなって済む話ですよ」クスッ

提督「……そうだな」
83 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:15:07.71 ID:Dmw+c3z90
新島「それでは私もここら辺でお暇させていただきます。……一年ぶりの再会とは思えないほど話が弾みました。楽しかったです」

提督「こちらこそありがとうな。次は三人……いや、次はあいつも含めて四人で又駄弁ろうな」

新島「はい。お元気で」

提督「またな」



ガララ 

ガチャン




新島「やっぱり……西野くんは、西野くんでしたね」

新島(……次は提督同士、二人きりで……だなんて言えませんでしたけど、彼の元気な姿だけでも見れて良かったです。そして又、次に出会う日まで頑張れそうですね)

新島「必ず又会いに来ます。西野くん」

 それから彼女は手に持っていた軍帽を深く被り、歩いて遠ざかっていく彼の病室を背にして、独りでに綺麗に微笑んだのだった。
84 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:16:03.02 ID:Dmw+c3z90
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



大和「──提督。お迎えに上がりました」

提督「ああ。ありがとう大和。早速行くか」

大和「はい」

 同期達の突然の再会が会った日の翌朝。
 純白の軍服を確りと着て荷物とともに外に出ると、朝一の大和の華々しい笑顔が出迎えてくれた。
 病院前まで態々迎えに来たらしく、黒い高級車が停まっていた。
85 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:17:02.41 ID:Dmw+c3z90
 高級車のシートに大和と共に座ること一時間。大和とは情報交換を行っていた。



大和「──以上が提督が不在中の鎮守府の様子でした」

提督「……」

 そして今大和から聞かされた情報に、俺は少々困惑している最中である。話し手である大和さえも自分が伝えた情報に理解が追い付いていない様子だった。

提督「それは……本当、なのか?」

 思わず真偽を問い質してしまう。それほど、大和から聞かされた俺が不在中の鎮守府の様子が様変わりしていたのだ。

大和「……はい。全て本当のことです。身近で見ている側である私や武蔵他二人の秘書艦も同様に、くまなく一ヶ月間鎮守府を監視しておりましたが、本当に唯信じられない現実としか言い様がない光景でした」

提督「──」

 絶句する。
86 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:17:58.49 ID:Dmw+c3z90
 目の前の大和がこの期に及んで嘘を吐くとは到底思えない。いや、大和は普段から信頼しているし、これまでの言動の全てが信用に足る艦娘であると証明している。しかしそんな信頼を寄せている大和を疑ってしまうほど、俺が今聞かされた『提督が不在中の鎮守府の様子』についての内容が衝撃的なものだった。

 大和からの話によれば、これまで不定期に自分達のタイミングで出撃や遠征をしていた多くの艦娘達が、俺が入院した後日を境に、きちんと割り当てられたローテーションで出撃をする艦娘が増えていったらしい。しかも最初の発端はあれほど俺に嫌悪感を露にしていた戦艦、それも金剛型というのだから驚きだ。
 お茶会を興味本意で覗いていたのが見つかり、暴力を受けて以来、主に金剛と比叡から悪口や暴力を振るわれていた。
 
 それなのに。どうして金剛型が率先して適切な行動を取るのだろうか。あれほど俺を嫌い、俺を否定し、率先して行っているらしい俺が立案した出撃と遠征のローテーション表を皆の前で破り捨てたこともあったというのに。

 分からない。なぜだ。
87 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:19:24.40 ID:Dmw+c3z90
 それにまだあった。
 前任が退任し俺が着任した直後素行を著しく悪化させた一部の艦娘達がどうやら気持ち悪いほど大人しくなっているらしい。そいつらは勿論俺に暴力や嫌がらせを行っていた奴等だ。満潮、霞、曙、五十鈴、摩耶、能代だった気がする。大人しくなった時期も金剛型が精力的に活動し始めた時期と一致するとの話だが、一体何があったのだろうか。
 大和も流石に気になったようで直接、「何故急に大人しくなったのか」と単刀直入に聞いてみたらしい。
 すると帰ってくる答えは誰もが口を揃えて「償い」だと言ったとのこと。

提督(償いか……)

 彼女らが償いたい相手。それはどう考えても俺のことだと思うが、どうして今更そのような行動に出たのか俺は先ずそれが知りたい。

 又大和によれば全体的に活動は活発ではあるが、雰囲気はお通夜ぐらいに暗いらしい。
88 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:20:17.08 ID:Dmw+c3z90
提督「一体何が起こってるんだ?」

大和「すみません。この現象の原因ついては未だに解明が出来ていません。聞き込みするにしても、前々から提督側についてた私達ですから不審がられる可能性があるので……なんとも」

提督「そうか……」

提督(……とにかく。これはどの道にしろ、早急に鎮守府へ帰らなければならないな)

提督「運転手さん。急用が出来ました。横須賀鎮守府へ急いでください」

運転手「……は、はい。分かりました」


提督「大和」

大和「……はい」

提督「嫌な予感がする。着いたら直ぐに執務室へ行き、状況を確認次第講堂に皆を集めて緊急集会を開くからそのつもりで居てくれ」

大和「はい!」
89 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:21:26.52 ID:Dmw+c3z90
以上で第二話閉幕となります。お疲れ様でした。お仕事や学校、頑張っていきまっしょい
90 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:22:14.74 ID:Dmw+c3z90
読み終わった方は感想などをお願いします。
91 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 06:24:00.31 ID:Dmw+c3z90
明日の夜七時から八時に第三話艦娘の本心を投下していきます。是非気軽にお越しくださいませ
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 06:37:49.45 ID:BH2PE5SPo
提督以外にオリキャラ出てくるの苦手なんだよな〜
セリフも臭く感じたしすまんが読むのやめるわ
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 06:59:30.97 ID:m3PVXMLQO
乙!
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 07:21:27.39 ID:YIyUjO/0O
おつー
>>92みたいに「俺はもう読まんわ」とかいう書かんでもいい事を書く輩は何処にでもいるから、無視していいぞ
ただ、オリキャラ苦手な人は一定数いるから、出すんだったら>>1の段階でそう書いて欲しかったっていうのは同意だな
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 07:28:25.05 ID:eMLUIuXC0

俺もオリキャラはちょっとなあ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 08:08:23.50 ID:WwYKUS7PO
オリキャラ出すならここで書くよりハーメルンの方がいいんじゃねえの?
ここはオリキャラ受け良くないぞ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 08:23:59.42 ID:rCVRz+CmO
変に名前付けずに友人とか同期とかってしとけばまだ受け入れやすかったんでないかな
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2019/03/01(金) 09:31:13.75 ID:JGDjGuhto
オリキャラは別に気にならないわ
まあ変に嫌ってる人も居るから最初の注意書きに入れておいた方が良かったかもね
分間も空いて読みやすいし、はよ続きが読みたいわ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 09:39:59.56 ID:nK6PmAAzO
後出しで設定を出すと批判されるのは当たり前では?
スレタイや最初に注意書きをしてなければ人を釣るためにわざとやったと思われても仕方ないと思うぞ
100 :水源+α [saga]:2019/03/01(金) 09:40:15.25 ID:Dmw+c3z90
確かにそうですね、表記漏れすみませんでした
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 10:04:03.19 ID:Y4aRPCB5O
一発キャラならネームドくらい出てもいいとは思う
今まで運営や立ち振舞いわキチンとやったり一部艦娘が認めてても駄目だったのに日記読んだら全員がコロッと変わるのは違和感あるな
あと不定期に勝手に出撃やらなんやらしてるのに栄光ある鎮守府を取り戻した言われてるのも何か変
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2019/03/01(金) 10:15:40.23 ID:iBwB1iiKO
書く前にご了承くださいって書いてあるし読んだってことはご了承したんだろ。
あとちなみにR要素って出てくる?
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 10:28:48.93 ID:ud1QRt7i0
色々と書かれてますけど、俺は嫌いじゃないし応援してる
どうか結末まで書いて欲しい
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 06:08:55.48 ID:hIgdcLcfO
安価の打ち方すら分からんかったガイジなんだから少しは許容してやれよ
ガイジなんだから
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2019/03/02(土) 09:01:00.08 ID:iB9lLIwFO
変に苛立ってると禿げるぞ
106 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 10:04:15.95 ID:B+XkXyqR0
>>104
すみませんでした。失敗は成功の母。この失敗を糧にして行きたいと思います。
107 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:29:23.73 ID:B+XkXyqR0
すみません。遅れました。投下していきます
108 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:30:26.94 ID:B+XkXyqR0
第三話 とある艦娘の話
109 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:31:24.72 ID:B+XkXyqR0
 提督が不在の鎮守府内のそれぞれの場所では、それぞれの艦娘達が多種多様な会話をしていた。

 例を挙げるとするならば、弓道場。

???「……ついに、今日ですね」

???「……ええ。そうね」

 そこには的前に立ち、早朝の射込み練習の後片付けをしている二人の艦娘が居た。

 的を取って土を払い、矢が刺さり穴が空いた土を水を掛けてから慣らす。

 普段から幾度もなくやっているその作業。当然手間取ることもなく、綺麗に片付けをしていく。だが今の二人は、何処か一つ一つの行動に焦りや悲しさが感じられる。
110 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:31:57.69 ID:B+XkXyqR0
???「……」ザーッザ

???「……」サッサッサ

 無言。不気味で居心地が悪い静寂が二人の間を取り巻く。
 辺りに響くのは土の足音や、土を払う又は土を慣らす音だけである。 

???「…………私は──私達はどんな顔をして迎えれば良いのでしょうか」ザーッザザーッザ

 静寂が訪れて暫くした後、不意に土を慣らしている片方の艦娘が口火を切った。
 その声は酷く落ち込んでいて、不安げである。
111 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:33:07.26 ID:B+XkXyqR0
???「……分からない、わ」サッサッサ

 不安げで聞かれた質問に、箒で矢取りで使う通路を掃除するもう片方の艦娘が少し力無く答えた。

???「そう、ですよね」

???「……ええ」

 そうしたときには既に、二人の艦娘は無意識に作業を止め、顔を俯かせていた。
 
112 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:33:58.38 ID:B+XkXyqR0
???「……」

???「……」

 再び静寂が訪れ、土を慣らしていた方の艦娘は密かに、提督にどう顔を合わせれば良いのかを考えるために提督との記憶を振り返っていた。
 
113 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:35:02.64 ID:B+XkXyqR0
………………

…………

……




???『ふふ。今日はB定食ですねっ』スタスタ

提督『あ。あの、赤城さん』

赤城『っ』ピタッ

提督『少し、良いですか?』

赤城『……何か用ですか』

提督『あの、もし宜しければなんですけど、執務の方を手伝ってくれませんか。今日は特に多くて……』
114 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:35:50.58 ID:B+XkXyqR0
赤城『……すみません。加賀さんを待たせてますので』タッタッタ

提督『ぇ』









赤城(朝食を堪能してたら蒼龍と一緒に練習することをすっかり忘れてましたっ……)スタスタスタ

提督『──赤城さん』

赤城『……』ピタッ

提督『あの』
115 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:36:40.36 ID:B+XkXyqR0
赤城『すみません。忙しいんです』スタスタスタ

提督『……』





赤城(今日は練習もありませんし、何も約束ごとは無いですからゆっくりお茶でも飲んで過ごしましょうか)

提督『……赤城さん』

赤城『──っ』

赤城(また……ですか)

提督『あの、今日は空いてますか?』

赤城『……すみません。今日も予定が』

提督『そう、ですか……──いッ!?』

赤城『?』
116 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:37:32.41 ID:B+XkXyqR0
赤城『?』

赤城(……何を痛がって──成程。他の方がされたのですね……よく見れば肘が腫れ上がってますね。ああ。だから執務もままならないので最近私を誘ってきているのですか)

赤城『……』

赤城(ですが、私は提督を嫌いでもありませんし好きでもありません。しかも過激な人達から暴行されてるようなので火種がこちらに来ないか心配なので余り関わりたくないと思っています……。それにしても提督に暴行している人達のことですが……確かに前任のことは憎たらしいのですが、今の提督のことは何も知らないし、何よりあの時無関係だった人に暴行をしたくなるとは……到底思えないですね。しかし気の毒ですがここは私のこれからの平和な生活の為にも火種を持っている提督は邪魔でしかありません)

赤城『それでは』

提督『……はい』

赤城(……まあ、私がこういう行動をとっている時点で、提督に対して無意識に嫌悪感があると言えばあるのでしょうね)
117 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:38:11.89 ID:B+XkXyqR0
………………

…………

……














???「……そろそろ時間です。行きましょう赤城さん」


赤城「っ……はい。加賀さん」

加賀「……」

 
118 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:38:58.30 ID:B+XkXyqR0
 重巡寮のとある一室で、二人の艦娘が話し合っている。

 見た目からして高校生ぐらいの見た目から、一見して話している内容は年相応の明るい話だろうと誰もが思うだろうが、実際のところはその真逆だった。
 暗く、そして鬱々とした雰囲気がその部屋に、いやその部屋だけでなく、鎮守府全体にも及んでいる。
119 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:39:31.54 ID:B+XkXyqR0
???「……そろそろ時間だね」

 早朝だからだろうか、電気を点けてない。日は昇りきってはいるものの曇りという天気が理由で、まだ鎮守府には晴天時のような明るい光は差し込んでいないので、事実点けていないと薄暗く、見えにくい位の部屋の明るさである。
 なので今日の曇りで比較的薄暗い現在の場合は点けた方が良いと思うのだが、しかしこの二人の間に流れる重い空気から察するに、それは態とだということが想像できるだろう。
120 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:40:19.52 ID:B+XkXyqR0
???「そう、ですわね」

???「熊野。大丈夫、なの?」

熊野「……」

 そう心配された艦娘──熊野は瞳を僅かに揺らし、それを隠すように下へ俯いた。

???「……熊野?」

熊野「ごめんなさい。……分かりませんわ。ですが今は胸の奥が締め付けられて、とても……とても苦しいのです。これしか今は分からないんですの。私は……どうしたら、良いのでしょうか──鈴谷」

 熊野から聞かれたもう一方の艦娘──鈴谷も、先程の熊野と同様に、表情を曇らせ、今ではこれで一杯一杯かのような苦笑を見せる。
121 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:41:05.49 ID:B+XkXyqR0
鈴谷「……ごめん。私も分かんないや」

熊野「……っ」

 鈴谷と熊野。二人は今、どうしようもないくらいに後悔していた。

 会話が途切れて、二人の間に沈黙が訪れたことからもそれは一目瞭然だろう。
 
鈴谷(どうしよう、か)

 熊野から言われたことを、心のなかでもう一度自問した。

 今までであれば、鈴谷のその性格上直ぐに答えを生み出し、行動に移していたところだろうが、今の鈴谷にはそれは到底出来ないものなのだ。

 これからどうしようと言われても、自責の念や罪悪感、後悔ぐらいしか浮かんで来ない。無力感に襲われて、それを振り払おうと行動に移そうとしても今度は悪化しないかという不安の波が押し寄せてくる。

鈴谷(……もうすぐ提督が戻ってくるというのに、私は何やってるんだろ)



 そこでふと甦る、後悔した記憶。
122 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:41:38.98 ID:B+XkXyqR0
………………

…………

……







 ──それは提督が階段から落とされる日の数日前。憂さ晴らしに勝手に出撃して帰還した時のことだった。

提督『あ、ちょっと今時間良いか? 鈴谷』

鈴谷『……はぁ。何ですか?』

 当時の鈴谷はその時、何で私が……と思った。
 普段から皆から煙たがられ、避けられ、陰口を叩かれては少し悲しそうに苦笑する。鈴谷から見てもこんな扱いを受けているというのに、何故笑っていられるのかという気持ち悪い印象と、前任のこともあり同じ軍人なので一方的に、話したこともないのに嫌悪感を抱いていた。一部からは暴力を受けているのを見たことがあり、その暴力を受けたとしても平然と執務室へ戻っていく提督の行動にもっと気持ち悪く思っていた。
123 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:42:43.06 ID:B+XkXyqR0
提督『ごめん。実は熊野のことで用があって』

鈴谷『……熊野に?』

提督『そう。食堂で熊野の財布が落ちてるの拾ったんだけど……熊野が何処に居るのか知ってるか?』

鈴谷『っ……何で私に聞くんですか』

提督『普段から鈴谷と熊野は仲良しに見えるし、姉妹だからな。知ってそうだから聞い──』

鈴谷『──ッ!』ブン

提督『……っ!?』パシーン

鈴谷『ふざけんな! あんたっ……そうやって私が知らないのを良いことに平然と聞いて、何度も何度も裏では熊野を探しだして……熊野をぉッ!』ドガドガ

提督『な、何を言ってるんだ! いっ……俺は何もっ──』
124 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:43:39.44 ID:B+XkXyqR0
鈴谷『黙って! 私は……あんたが大っ嫌い! キモい! 死ねばいいのに……軍人なんてっ……死ねばいいのに!』ドガドガ

 これまでの鬱憤を、これまで溜め込んできた怒りを前任に似たようなモノにぶつける。鈴谷はそのような的外れで、最低な行為を提督にしていたのだ。

鈴谷『死ね! 私を騙して熊野を苦しませたあんたなんて絶対に許さない……! 殺してやる……ころしてやるぅ!!』ボコボコ

 そして今の鈴谷は過去の記憶を見て思う。

鈴谷『軍人なんて……軍人なん、てっ!』ゲシゲシ

 最低だと。

 そしてこの後のことは一生に忘れられないと、鈴谷は俊巡する。 
125 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:45:01.89 ID:B+XkXyqR0
提督『──……それは俺じゃねえよッッ!!』

鈴谷『……!?』ピタッ

 それまで無我夢中に振るっていた蹴りを、その頃は憎悪の対象だった提督相手だというのに思わず止めてしまうほど、提督が放った咆哮は──怒りに、そして悲壮に満ちていた。
 まるで自分達と同じように、憎悪に、怒りに、悲しみに染まっていたのだ。


提督『……け、んな』ガシ!

 声を張り上げた後、提督はそう言って、当時の鈴谷の襟を強く握り締めて引き寄せ──

鈴谷『──!』グイ

 

提督『ふざけんじゃねえよぉッ!!』

 ──瞠目する鈴谷に、提督は間近で怒鳴り付けた。
 まるで先程の鈴谷のように、これまで溜め込んできた鬱憤を、怒りをぶちまけるように。
126 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:46:21.78 ID:5qd+ZIFmO
 その時の鈴谷は何よりも提督がその瞳に涙を溜まらせているのが衝撃的だった。

提督『いつも……いつもいつもお前らは、俺に……俺はお前らの為にと頑張ってるのに……お前らはいつもぉ!!──』ボロボロ

鈴谷『っ、……』

 依然として瞠目し、そこで若干瞳が揺れる。そんな襟を強く握られて揺らされるままの鈴谷に

提督『…………あ』バッ

 提督はそこで正気に戻ったのか、強く握り締めていた鈴谷の襟から手を離し

提督『………………ごめん』ヌグイ


 その一言を残して、鈴谷の前から逃げるようにその場を走り去っていった。
127 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:47:06.55 ID:5qd+ZIFmO
鈴谷『──……っ』

 そこで初めて、自分がしでかしたことを理解した。

 これまでの気持ち悪い印象は変わらない。しかし、今自分がしたことは唯の八つ当たりで、前任がしていたことと変わらないことだと。

 作戦がうまく行かず、作戦時に旗艦だった艦娘を一人残らせて暴行を行う。あの時の前任と同類な行動を取ってしまった。

鈴谷『……ぁ』

 遠ざかっていくその背中にその時の鈴谷はただ呆然と、弱々しい声を漏らし、力無く片手を伸ばしただけだった。


 その後、鈴谷は直ぐに提督に謝ろうとしたが、そんな行動も虚しく、提督は階段から突き落とされ病院に搬送されてしまい、敢えなく謝ることは叶わなかった。






………………

…………

……
128 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:48:02.69 ID:5qd+ZIFmO
 あの日から一ヶ月後の今日、当時のことが色濃く記憶に残り、心には絡み付いている。

鈴谷 ポロッ

 不意に鈴谷の瞳から頬へ一筋の雫が流れ落ちる。

熊野「! す、鈴谷?」

鈴谷「……くまのぉっ……わた、じ……ていとくに……ていとくにぃっ……」ボロボロ

熊野「鈴谷……」

鈴谷「……わだし……どうし、だらいいのかなぁ……?」ボロボロ

熊野「……」ダキ

鈴谷「わかんないっ、わがんないよぉ……」グスッ 

熊野(提督……) 



129 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:48:33.99 ID:5qd+ZIFmO
………………

…………

……




熊野『──近づかないでッ!』

提督『!』

熊野『あなたも……どうせっ、どうせ同じなんでしょう!?』ポロポロ

提督『……ち、違う! 俺はただ熊野を……──くっ』パシーン

熊野『……近づかないで。これ以上私を……汚さないでッ!!』タッタッタ





提督『……熊野』



………………

…………

……
130 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:49:05.57 ID:5qd+ZIFmO
熊野「……っ」ツー

熊野(ごめんなさい……提督。本当に)

熊野「ごめん、なさい」ポロポロ

鈴谷「……ていとくっ」ボロボロ
131 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:50:32.31 ID:5qd+ZIFmO
………………

…………

……



△月 ○日 天気は晴れ

 最近、熊野の体調が気になっている。何処が虚ろげとしており、足取りも少し怪しい。声を掛けてみようか。
 それよりもこの頃艦娘から俺への嫌悪感が増してる気がしている。正直辛い。辞めたい。そう思う日々が続いている。
 暴力の頻度も増してきている。体の方もアザだらけで、寝るときに一々痛くて、寝返りを打っても痛みは増すばかり。執務中に寝不足気味で倒れそうになることもある。
132 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:51:10.42 ID:5qd+ZIFmO
 だがそれでも俺は諦めない。
 例えどんなに拒絶されても、例えどんなに殴られても、例えどんなに無視されても俺は絶対に諦めない。前任が着任する前の活気があり、栄光ある横須賀鎮守府を取り戻して見せる。

 そして元帥から仰せつかった──横須賀鎮守府、ならびに艦娘達を救ってやってほしいという命令を、俺の夢を必ず叶えて見せる。
133 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:51:51.19 ID:5qd+ZIFmO
△月×日 天気は雨

 今日は凄く気が参っている。気が参っているのはいつものことだが、今日は特に心苦しい。胸がチクチクと痛み、ふとした瞬間に涙が出そうになる。

 つい先程、食堂で熊野の財布を見つけ、届けるついでに熊野の様子が心配だったので声を掛けてみたのだが、酷く拒絶され、挙げ句には頬を叩かれてしまった。どうしてなんだろうか。その気持ちだけだった。しかしよく考えてみれば直ぐに分かることだ。前任になにかトラウマを植え付けられたのだろう。
134 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:52:33.51 ID:5qd+ZIFmO
 涙を溢しながら走り去ってしまった熊野のことが更に心配になり、探していると熊野とよく一緒に居る鈴谷を見かけた。場所を知っているのかと思い、鈴谷に熊野のことを知らないか聞いてみれば、鈴谷にもいきなり激昂され、溝に打ち込まれて屈んだ俺をこれでもかと蹴りを喰らわせられた。

 ……そこで俺はついにやってしまった。
135 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:53:05.67 ID:5qd+ZIFmO
 あの時の記憶はよく覚えていない。ただ、俺の心が限界を迎えていたのか、鈴谷に掴み掛かってしまったことは覚えている。俺は何故あのような愚行に走ってしまったのだろうか。何故俺よりも辛い思いをした艦娘にこれまでの怒りをぶつけてしまったのだろうか。
 
 こうして文字にしているが、書いている今でも今日のことを思い返して後悔し、そして情けなくも──だめだ。涙を流してしまっている。
 紙に滲まないように涙を何度も拭いながら書いているが、駄目だ。止まらない。
136 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:53:50.60 ID:5qd+ZIFmO
 俺が何も考えずに近付いたりしてしまったから熊野を泣かせてしまった。

 俺が依りにもよって普段から不干渉だった鈴谷に怒りをぶつけてしまった。

 鈴谷、熊野。本当にすまなかった。俺は最低男だ。本当に、最低な提督だ。

 
 

………………

…………

……
137 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:54:59.40 ID:5qd+ZIFmO
 鈴谷と熊野。二人の心には金剛から見せられた提督の日記のとある二ページの文章が深く刻まれていた。
138 :水源+α [saga]:2019/03/02(土) 21:55:48.40 ID:5qd+ZIFmO
以上で第三話閉幕となります。今日一日お疲れ様でした
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2019/03/02(土) 21:59:19.25 ID:AxXlvqcho
おつおつ おもろい
どうでも良いけど提督ボコボコにされても怪我で済んでて頑丈と感じた
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 22:18:16.25 ID:RagI9lOzO
乙でした

「この世で最も卑怯な言葉、それは『ごめんなさい』である。この言葉は『反省』を伝える為の言葉と誤解されがちだが、そうではない。被害者に加害者への『許し』を『強要』言葉だからだ」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 22:30:06.69 ID:xhDpo4CT0
これ総勢書いていくのかな
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 02:03:39.15 ID:jmMzRPqsO
書き溜めもないし終わるまで相当期間がかかりそうやね
いずれまとめに載ってから読むか
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 08:40:36.53 ID:gZfdWo1Ro
>>140
こんなこと言ったり考える人間にはなりたくないもんだな
144 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:01:21.90 ID:p+8UkvQu0
皆さんこんにちは。今から投下していきたいと思ってるんですけど、今回は書き溜めたものをそのまま投下していくのではなく、リアルタイムで書いて投下していくので、投下する合間の時間が遅くなると思います。それと誤字も多々見られてしまうかもしれません。ご了承下さい
145 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:03:12.51 ID:p+8UkvQu0
それでは、行きます
146 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:04:03.66 ID:p+8UkvQu0
第四話 提督の再着任
147 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:04:57.19 ID:p+8UkvQu0
提督「これは……」

大和「……」

 現在、俺と大和は鎮守府に到着して門を通り、執務室向かっている。

 門を通る前は一月前と何ら変わりはないように見えたのだが、通った後建物に近付く毎に段々と違和感を感じ始めていた。
 大和は俺が不意に困惑して呟いた言葉を予想しているかのように目だけを瞑って、歩き続けている。

 その俺が感じた違和感の正体。それは──
148 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:06:03.44 ID:p+8UkvQu0
大和「……静か過ぎ、ですよね」

提督「……ああ」

 そう。静か過ぎるのだ。
 横須賀鎮守府はここ日本では都心の護る盾となる最重要拠点の1つ。しかも大平洋側に位置しているので、最も深海棲艦の襲撃を受けやすい。そのため、約100名後半以上もの艦娘が在籍している。
 一月前ならばこの前庭を歩いていても誰かしらの談笑や演習中の砲撃音、工廠等からの金属音が聞こえてくるはずだ。 
149 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:07:35.44 ID:p+8UkvQu0
 なのに今、木々や防波堤に波打ちしている自然音ぐらいしか耳に届いていない。
 ここまで聞こえて来ないとすると、まるでもぬけの殻になった広大な廃墟のなかを歩いているようだ。

大和「二週間前までは、まだ騒々しさはありました。ですが……」

提督「……? もしかして、この静けさの原因が分かったのか?」

大和「いえ、これはあくまでも予測なのですが」
 静かな鎮守府というなんとも不気味になった勤務地を歩いている不思議な経験をしていると、隣を歩く大和が不意に、無意味な情報かもしれないと遠慮しながらも俺へ話し始めた。
150 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:09:54.12 ID:p+8UkvQu0
大和「……大勢の艦娘達の集まりが、とある日の夜に行われたらしいのです」

提督「艦娘達の集まり……? まさか俺が不在中に大規模な作戦でも行ったのか?」

大和「私もそれを耳にしたときは警戒したのですが、そのような動向は見られませんでした。皆さんはいつも通り、提督のローテーション通りに出撃し、報告書も確りと提出していました」

提督「……やっぱり信じられないな。ちゃんと、ただ深海棲艦を撃滅するだけの艦娘としてではなく、横須賀鎮守府の艦娘として任務を遂行しているという話は……中々信じられない」

大和「……ですが、何度も申し上げた通りこれは真実です」

提督「ああ。大和が言うことだから信じる他ないんだけどな……それでも、俺のなかであいつらに期待をするな……とかな? 後ろ向きな言葉ばかりが浮かんでくるんだ」

大和「……提督」
151 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:11:18.42 ID:p+8UkvQu0
提督「…………すまん。話が脱線したな。それで、勝手に大規模な作戦を実行しようとしたという線は消えた訳だ。じゃあ他に何か大和に心当たりがあるのか?」

大和「……はい。心当たりというよりは、憶測です。実は、その集まりをするように促したのは金剛さんだったそうなんです」

提督「金剛?」

大和「はい。金剛さん……いや正しくは金剛型の姉妹達が発端です。それで……そもそも横須賀鎮守府の艦娘達がどんどんと改心し、任務を真面目に遂行するようになったのは金剛さんが始まりだと先程話しましたよね?」

提督「あ、ああ」

大和「しかも提督が突き落とされた事件が起きてからそう経ってはいない時期、そして積極的に鎮守府の活性化をする今までは考えられなかった行動を照らし合わせてみれば、あの集まりの目的が大体見えてきます」
152 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:13:18.21 ID:p+8UkvQu0
提督「……俺に関係すること、だよな。多分。……そういえばさっき、俺にあんな過激な反抗──暴力をしていた一部のやつらが償いだといって大人しくしていると聞いたし……考えられるとすれば」

大和「はい。多分ですが、これからの提督への対応をどうすれば良いのか……みたいなことを考える集まりなのではないかと」

提督「うーん……」

大和「ま、まあ、これはあくまでも私の憶測なので……」

提督「ああ。わかってる。でも気持ちに留めておくよ」

大和「はい」

提督(取り敢えず、今は執務室に行って状況整理をしなきゃな)
153 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:15:07.81 ID:p+8UkvQu0













大和「──ここまで誰も会いませんでしたね」

提督「ああ。……ちょっと不気味だ」

 前庭から建物に着き、執務室間近まで来ている。
 誰にも会うことなく、辺りに響くのは俺と大和二つの足音のみでだ。

提督「久し振りだな」

 執務室の扉前まで来ると、思わずそんな言葉を呟いていた。

 ここのドアノブを握る度に浮かんでくるのは、痛みや悲しみ、怒り──そして心地好さと優しさ。様々なものが複雑に絡まり合っている。

 気持ち悪い。しかし、僅かな温かな思い出がそれを抑え込んでくれている。
154 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:16:38.01 ID:p+8UkvQu0
………………


…………


……



大和『提督。お茶が入りましたよ』

提督『ああ。ありがとう大和』

陸奥『あら? 私もお茶淹れちゃったんだけど……』

提督『……ふっ。いいよ陸奥。そっちのも飲む』

陸奥『そう? ごめんなさいね。大和も』

大和『良いですよ。提督も、二杯飲めて嬉しいようですし』クスッ

提督『まあな。そういえば朝から一滴も水を飲んでなくてな。喉乾いてたんだよ』

大和『え……もうっ提督! そうでしたら早く言ってくだされば良かったのに』

陸奥『そうよ? 一日に結構な水飲んでおかないと、後々それが祟って体調不良
155 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:18:04.98 ID:p+8UkvQu0
を起こすことになるの。無理しないで頂戴』

提督『いやあはは。……善処する。でも今日は特に調子良くてな。いつも退屈だと思っていた執務がスラスラと終わるもんだからつい明日のぶんにまで手を出してて、つい休憩するの忘れてたんだよ』

大和『ついって……日々の仕事量も他の鎮守府に比べて多いという激務なのに倒れたらどうするんですか』

提督『その時は溜まってる有給使って休むよ。久し振りにゲームとか手を出してみたいと思って……いや大和。わかってるからそんなジト目で見ないでくれ。勿論ちゃんと休んでからするから。』

陸奥『提督もゲームがしたいお年頃なのね』

提督『お年頃っていうよりは世代じゃないか? 俺の世代の遊びは専らゲームだったし』

陸奥『ふーん……じゃあ提督は私のようなお姉さんが出てくるエッチなゲームとかやってるわけね?』
156 :水源+α [saga]:2019/03/03(日) 14:19:04.14 ID:p+8UkvQu0
提督『いやいや、エロゲーなんかやるかよ。ストーリーはきっちりしてるのが多いけど。俺が好きなのはRPGだ。冒険する奴』

陸奥『冒険する奴って言われてもやったことがないからどういう奴か分からないわね……というか提督、赤くなってる?』

提督『は? いや? 別に』ドキッ

大和『……も、もう陸奥さん。終わりましょう』///

陸奥『あら。大和さんが赤くなってたわね』

提督『大和は純粋だからな。因みに陸奥はあざとい』

陸奥・大和『……提督?』

提督『……お、おう。あ、時間だな。さ、執務に戻るぞ』ビクッ

大和『て、提督! 私はこれでも大人なんですよ! 純粋とか子供扱いしないでくださいっ』ムス

提督『そういう怒りっぽいところ』ナデナデ

大和『は、はいぃ!!?』プンスカ
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