勇者「………は?嘘だろ」

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42 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/04/03(水) 22:09:05.87 ID:yqFts0mj0
>>41
それについては作者自身よくわかっていない
というのも普通に全年齢板にスレ立てたつもりだったんだが何故か勝手にこっちに立っていたんだ…
正直初めてのスレ立てで仕様とかよくわかってないから誰か原因教えてクレメンス
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 22:23:58.58 ID:6zIVIpjEo
勝手にRで立ってしまうバグは割りと報告されてるみたい
まあ、読む人によっては残酷描写もあるような気もするから特に違和感は感じないけど
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/03(水) 23:05:42.69 ID:reeVIoSpo
>>42
通常のWebブラウザ(IEやらChromeやら)から全年齢板にスレ立てするとRスレにスレが立つっといったバグがあるとか
匿名掲示板専用ブラウザ(Jane StyleやらChMateやら)なら大丈夫らしい
45 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage]:2019/04/03(水) 23:44:15.54 ID:yqFts0mj0
>>43
>>43
バグだったのか…
もういっそR要素ガンガン突っ込んでこうかな(ヤケクソ)
何はともあれ教えてくれてありがとう
更新再開する
46 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage]:2019/04/04(木) 01:36:57.91 ID:ytaYTvH/0
三十分後ーー
ー闘技会場、決勝ブロック


司会「えー、先ほどの試合で消し飛んだ地面の修復が終わったようですので、準決勝二回戦を開始したいと思います!!」

ワアアアァァァアアイイゾオオォォォオマチクタビレタァァアア

司会「では選手入場です!!」

司会「まずは魔法剣士ぃ!決勝ブロック初戦を戦うことなく勝ち進んだ幸運の持ち主!!しかし予選を勝ち抜いてきた実力は本物であります!!!一体どんな剣技を見せてくれるのでしょうかぁ!!」

司会「対するは歩く魔道図書館、賢者ぁああ!!膨大な知識量と絶大な魔翌力、そしてそれを使いこなす技量!!戦う前から勝敗は決したと言わんばかりの自信に満ち溢れた顔は、しかして可憐であります!!」

ウワアァァァァァァアワアァァァァアア

司会「魔法と剣技の合わせ技に対するは純粋な魔術暴力!!勝つのはどちらなのかあぁぁぁあ!?それでは試合ッ開始ぃいいい!!!」

ゴオォォォオオン…

賢者「よろしくお願いしますね」ザッ

魔法剣士「……」ギロリ

賢者「あ、そうそう。先に言っておきますが、この試合で魔界の呪文は使わないことにしました。あれはどうやら人間に対して使うには少々効力が強すぎるようです」

賢者「というわけで安心して戦っていただいて結構ですよ」ニコッ

魔法剣士「てめえ…どこまでも舐め腐りやがって…」ペッ

賢者「おや…先ほどの沈黙はてっきり恐怖で喋れなかったのかと」

魔法剣士「フザけるのも大概にしやがれ!!」ボゥッ


魔法剣士は ほのおのざんげきを はなった!▼

賢者は ひらりとみをかわした▼


司会「先手を取ったのは魔法剣士だぁっ!!しかし賢者の身のこなしも素早いぞ!!」

賢者「ふむ、ではお返ししましょう」キイィィィィンッ


賢者の拳に 魔翌力があつまっていく▼

賢者は 腕力極限強化呪文を となえた!▼ 
賢者の こうげきりょくが あがった▼ 

賢者は 速度極限強化呪文を となえた!▼
賢者の すばやさが あがった▼


魔法剣士「隙だらけだ!!」ブアッ

賢者「遅い」ス…


賢者は 魔翌力をこめた拳で突きをはなった!▼

ミ”シャアアァァァァアンッッ


司会「おおお賢者のカウンターが綺麗に決まったぁぁあああ!!しかし人を殴ったとは思えない音がしたぞお!!?やはり勇者パーティー、容赦がなぁぁああいっ!!!」

賢者「もちろん容赦していますとも。本来不得手な格闘戦をハンデとして選択して差し上げているのですよ?」

魔法剣士「きっさまぁぁぁあああ!!殺してやる!!絶対にぃいい!!!!」ゴシュウゥゥ

賢者「はぁ…殺気だけは一人前ですね」フッ


賢者の すがたがかき消えた▼


47 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage]:2019/04/04(木) 01:37:59.37 ID:ytaYTvH/0
司会「けっ、賢者が消えたぁ!?」

魔法剣士「チッ卑怯な…だが見えないからなんだってんだ!!」ズッ ヴヴヴヴヴン


魔法剣士は 広域爆滅呪文を となえた!▼

グアッ ズドドオオォォォン…

巻き起こる爆発が あたりをつつむ▼


司会「ここで魔法剣士の反撃!見えないなら周りごと吹き飛ばしてしまおうという脳筋思考!!しかし効果のほどは…おや?」


ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ…

賢者「魔翌力を貯める時間稼ぎだと気付かぬようではまだまだですね…私の姿が消えたらすぐに防御呪文をありったけ唱えるのが正解でしたよ?」ゴゴゴゴゴゴ


なんと! 賢者がすがたをあらわした!▼


司会「な、なんという魔翌力量だぁぁああ!!一体何をやるつもりなのでしょうか…!」

魔法剣士「ぐっ…」ヴンッ


魔法剣士は 防御力強化呪文を———
賢者「ですから遅い、と言っているのです」


賢者「《天体操作》」カッ










キラッ

48 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/04/04(木) 02:07:45.70 ID:ytaYTvH/0
司会「まさか…あれは…いや、そんなバカな…!?」

勇者(あーあ、相手死んだな…殺しても勝ち判定なんだっけ…?)

ザワザワ…ドヨドヨ…

係員A「かっ、観客の避難を…!」

係員B「もう間に合わねえ!それより結界の強化を———」

客A「なんだなんだ…賢者のやつ何してんだ?」

客B「ばっか上見ろ上!」

客A「…ひっ!?」


なんと! 巨大ないんせきがふってくる!▼


ワアアァァァァアアキャアァァアアアニゲロオォォオ


魔法剣士「考えがぶっ飛んでやがる…!大勢死人が出るぞ!!」

賢者「私たちを殺すと豪語するような人間が今更善人面ですか?」


ゴオオォォォォォオオオオオオオオ…!

魔法剣士「くそったれめ!!」バッ

賢者「ご安心を、観客に死人は出ません」ギンッ

賢者「《捕縛結界》《防護結界【覇】》」ヴヴンッ

魔法剣士「あがっ」ピタァ


いんせきが 落下した!▼
あたりをはかいの熱風と 衝撃波がおそう▼

しかし 防護結界にはねかえされた▼
にげばをうしなった暴力が 結界内であばれくるう!▼


勇者「うーわえげつな」

狩人「結界で作った密閉空間内で隕石の威力を無駄なくぶつける…塵も残らないだろうね」

勇者「おっ、治ったのか狩人」

狩人「いつまでも寝てられないさ。こんな面白いものが見れるんだからね」ニヤァ

勇者「お前性格悪いぞ…」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/05(金) 00:00:05.13 ID:KBQM9sk2o
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/14(日) 13:48:08.13 ID:3hzvz0NRo
おつおつ
賢者やばすぎワロタァ!
51 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/04/15(月) 02:06:54.63 ID:1TQt+4FN0
遅くなった
更新再開します
52 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/04/15(月) 02:08:14.15 ID:1TQt+4FN0

賢者「結界はもういらないでしょう」パチン


賢者は 結界をといた▼
何かがうごめいている▼


賢者「…!あの威力でまだ形が残っているなど…」

司会「な、なんとまだ生きて…生きて…あれは生きているのでしょうか……?」

ザワザワ…


勇者「…何か邪悪な気配がするな」

狩人「念のため商人を呼んでこようか?」

勇者「ああ…そのほうがいいかもしれん」

狩人「わかった」シャッ


『感謝するぞ…賢者よ…』

司会「…!声が……!」

賢者「感謝されるようなことをした覚えはないんですがね」

『貴様がこの者を殺したことによって私の”依代”への憑依と支配は完全なものとなった』

賢者「…貴方は何者ですか?魔法剣士ではないようですが」

『ククク…まあ聞け…貴様が形も残さず消しとばしてくれたおかげで元の肉体の形に依存せず完全に復活できそうだ』

賢者「…つまり貴方は魔法剣士に憑依していた力の本体だと?」

『気づいていたか…』

賢者「当然です。何やら不吉な予感がしたので影も形も残さず消しとばすつもりだったのですが…まさか逆効果とは」

『クククク…流石の賢者様でもわからなかったようだな…』

53 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/04/15(月) 02:09:38.25 ID:1TQt+4FN0


気配があつまり かたちができていく▼
なんと! 魔王があらわれた▼


司会「」ドサッ

客A「」バタン

ウワアアァァァマオウダアァァキャアアァァァァァ

勇者「魔王……!」バッ

賢者「勇者様!狩人はどこへ?」

勇者「商人を呼びに行った!それよりなぜこんなところに魔王が…!?」

魔王「ククク…本来なら魔法剣士が死んだ時、その肉体を使って復活するはずだった」

勇者「そもそも復活していなかったのか!?俺たちは何のために…」

魔王「だが肉体に依存した復活は本来の力が出せない…器の方が力に耐えられないのだ」

魔王「だからといって依代なしでの復活は膨大なエネルギーの浪費になる」

魔王「元々ある魂を奪った方が効率がいいのだ」

賢者「…しかし私がその器を消しとばしてしまったから限界がなくなり、魂だけを使って本来の力と姿で復活が可能になったと?」

魔王「さすがに賢者だ、理解が早いな」


狩人「勇者!!商人がいない!どこにもだ!」ダダダッ
54 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/05/15(水) 22:35:38.47 ID:4556MZML0
書き溜めしてるからもう少し待ってほしい
すまん
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/15(水) 22:40:18.57 ID:eogNCyCro
ええんやで
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/16(木) 00:20:02.96 ID:mW8i8YUGO
待ってる
57 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/06/15(土) 23:40:17.03 ID:fdBBQEor0

勇者「なっ…なんだと!?」

賢者「こんな時にいなくなるような人ではないはずですが…」

魔王「ククク…フハハハ…ハーーッハッハッハ!!!」

勇者「何を笑っている!」

魔王「いくら探したところで無駄だ。商人は見つからん」

狩人「どういうことだ?商人をどこへやった…!」

魔王「ククク…愚鈍どもめ。誰一人として気付きもせぬ」

賢者「………!ま、まさか…そんな…!?」

魔王「人間の姿が1番エネルギー消費量が少なくて済む。復活する見込みがない以上、商人として貴様らを見張っている方が都合がよい」

勇者「……!!」

狩人「なっ……」

賢者「そうでしたか…あの時…聖剣が語りかけてきた時……商人だけラグがあったのは…!」

魔王「そういうことだ、愚かな英雄諸君。どんな気分だね?共に成長してきた仲間に裏切られたのは」

魔王「いや、裏切られたというよりは真の姿を知ってしまったと言うべきか?」

勇者「くそッ、話がややこしくなってきた!」

賢者「《破》ァ!!!」


賢者は 詠唱極短:破壊呪文を となえた!▼
はめつのあらしが ふきあれる!▼
魔王には ダメージをあたえられない▼


魔王「ククク、忘れたのか?魔王に攻撃を与えられるのは聖剣のみだと」

勇者「忘れるわけあるかよぉぉぉおお!!」


なんと! 死角から勇者がとびだした!▼


勇者「《聖拳突き》!!」


聖なるちからをまとった いちげき!▼
魔王に ××のダメージ▼


魔王「ふん、つまらぬ」


魔王の カウンター!▼
勇者に ××のダメージ▼
勇者は おおきくふきとんだ▼


勇者「ぐあっ」ドォォン

聖剣『勇者!我の力は纏うものではない!接触し、流し込むものだ!』

勇者「もっと早く言え約立たずが!」バッ

狩人「【狩場の暴力】」ユラァ…


なんと! 狩人のすがたが かききえた!▼
かたちのない暴力が▼
魔王「甘い!」ズドンッ


魔王の カウンター!▼
狩人は おおきくふきとんだ▼


狩人「あっぶな…っ」

魔王「ほう?後ろに飛んで威力を殺したか」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 00:34:28.06 ID:vRZJbh7Ao
きた!!
59 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage]:2019/06/16(日) 12:17:04.19 ID:z4iKaTfIO
あんまりにも更新遅れてなんだか申し訳ないからsageてこっそり更新したんだ…
すまん…忙しくて…
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 16:01:43.06 ID:9qBHFaj0o
>>59
エタらなければええんやで
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 16:09:10.06 ID:qdu+qs6Zo
おかえり‼
62 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/06/17(月) 00:16:30.35 ID:F3vXs9060
あったけえ…みんなありがとう…
63 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/06/17(月) 20:03:05.50 ID:F3vXs9060
狩人「なぜ見えた…」

魔王「見えないとでも?」

賢者「《×××××》」


闇が魔王を つつみこむ▼
魔王は 闇をはねのけた!▼


賢者「やはり…魔王に魔界の呪文は通じませんか」

魔王「人間風情が魔界の産物を使いこなせるとでも本気で思っていたのか?」

賢者「…!?」

魔王「《×××××》」ゴオォッ


#°]*が賢者を つつみこむ▼
₽:•’r1§0¡łhæ!▼


賢者「!」ドサッ

勇者「賢者!しっかりしろ!」ダッ

狩人「くそっ、僕達がLv.99になったのと同じ様に商人のレベルも上がっていたから…!」

勇者「手強い……!」

魔王「…魔界で貴様らを待つ。一ヶ月以内に来なかった場合、我は復活を宣言し、本気で人間界に攻め込むぞ」

勇者「けっ、一ヶ月だと?余裕だなおい」

魔王「ククク、当たり前だ。魔界に戻れば我はさらに力が増す。貴様らのような羽虫ごときに負ける道理がないわ」

狩人「言ってくれるじゃないか…!」ギリッ

勇者「落ち着け狩人、今の俺らじゃ勝てないのも事実だ」

狩人「くそ…」

魔王「そういうことだ。ではまた会おう」ボンッ


あたりが えんまくにつつまれた▼


勇者「ごほっ、ゴホッ…ちくしょう……」

狩人「この煙玉は間違いなく商人の持っていたアイテムだ」

勇者「…もう魔王はいないみたいだな…おい賢者」

賢者「………」

勇者「おい賢者」

賢者「…はい」ムクッ

勇者「趣味が悪いぞお前」

狩人「死ぬはずはないとは思ってたけど全然こたえてないの?」

賢者「ええまあ、即死に対する完全耐性がありますので」

勇者「なんだそのクソチートは」

賢者「そういうアイテムです。即死系もしくは即死するダメージの呪文を受けた際一度だけ身代わりになる」

勇者「ああ…どっかの遺跡で見つけたんだったか」
64 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/06/17(月) 20:03:37.16 ID:F3vXs9060
狩人「そんなことより、これからどうするのさ」

賢者「この国はもうパニックでしょうし、魔王復活の噂が世界中に広まるのもすぐでしょうね」

勇者「…先に王国に戻って報告した方がいいな」

賢者「それがいいでしょうね。それから今後についても話し合いましょう」

狩人「……なあ勇者」

勇者「なんだ?」

狩人「俺が言ったこと覚えてるか?正拳突きの話」

勇者「『正拳突きがややこしいことになるね』…だったか?」

賢者「ああ、右腕聖剣の名称を考えていた時の…」

狩人「まさかほんとに使うとは思ってなかったよ」

勇者「ちょっと言ってみたかっただけだ」

賢者「…もう行きますよ。この国のパニックや闘技場の惨状は放置でいいですね?」

勇者「かまわんだろ」


賢者は 帰還魔法をとなえた▼



65 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/06/21(金) 20:17:48.66 ID:jHqEb5Go0
ー王都、王城【謁見の間】


王様「よくぞ戻った、勇者たちよ。疲れておるだろう、貴賓室を4室用意した。しかと疲労を癒すがよい」

賢者「ありがとうございます。ですが…そうも言っていられない事態です」

王様「…魔王のことであるな?要塞都市で復活したと聞いた」

勇者「すでに耳に入ってたみたいだな。なら話が早い。魔王は1ヶ月後に本気で侵攻を開始すると宣言した」

王様「なんと…では至急兵を集めて防衛線を構築せよ」

大臣「し、しかし…魔界との門はどこに開かれるかも不明ですので…」

賢者「防衛線の構築よりも兵力の増強と素早い行動訓練を重点的に行った方がいいでしょう。周辺諸国にも通達を」

大臣「おお、ありがとうございます。ではそのようにいたしますぞ」

王様「して、勇者よ。商人殿の姿が見えないが…」

勇者「ああ、あいつは…なんだ、その…」

王様「おぬしが言葉を濁すとは珍しい。何事だ?」

狩人「……死んだよ」

勇者「狩人…?」

王様「おお、死んでしまうとは情けない。しかしすまぬことを聞いたの」

勇者「あ、ああ、構わない」

賢者「我々は20日ほど鍛錬を積み、残りの10日で魔王に挑もうと考えています。ですので一度報告を、と」

王様「ふむ…倒せるのだな?」

狩人「普通の方法じゃ無理だ。僕達はもう限界まで成長してしまったからね」

賢者「恐らくですが…我々は人間の枠組みを超えることになります」

勇者「限界まで成長したっていうのはあくまで人間として、だ。だから俺達は人をやめる」

王様「ふむ……そうか。では王立図書館に向かうがよい。司書には伝えておく」

賢者「…!ありがとうございます」

勇者(賢者は何か知ってるのか…?)

狩人「じゃあ我々はこれで」

王様「うむ、ご苦労であった」




ー王都、メインストリート


勇者「ふう…相変わらずの賑わいだな」

ワイワイザワザワアァラッシャァアアーイ

賢者「すいません、教会に寄っても?」

狩人「そういえば賢者は元僧侶だっけ」

賢者「ええ、孤児だったところを神父様に拾われて」

勇者「一応俺らも祈りに行くか。神様に顔向け出来るのも最後かもしれないし」

狩人「そうだね…教会は西の区画だったよね?」

賢者「はい。では3人で行きましょう」


66 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/06/25(火) 03:56:25.49 ID:wkEK8iKA0
ー王都、教会


ギイィ…
賢者「こんにちは」

狩人「おじゃまします」

勇者「誰もいねえのか?」

賢者「いえ、奥の部屋にいるはずです」

狩人「神父様ーーー!」

ガチャ
神父「……なんだ賢者か」

賢者「なんだとは失礼な」

神父「使いに出したシスターが帰って来たのかと」

勇者「スケベめ」

神父「神に誓ってそんなことはない」

狩人「変態」

神父「言ってろ。商人はどうした」

勇者「あいつは…あー、死んだ」

神父「おお、死んでしまうとは情けない」

勇者(王も神父も情けないって言わなきゃ気がすまないのかよ…)

神父「で、何の用だ」

賢者「相変わらず無愛想ですね…。我々は魔王を倒すために旅に出るので挨拶を、と」

神父「…?今まで行ってたんじゃないのか」

狩人「勝てなかったんだ、魔王に」

賢者「ですので、我々はこれから人間の限界を破るために孤島にでも引きこもるつもりです。人の形を保っているかも怪しいのでご挨拶をと思いまして」

勇者「人間として神に祈るのもこれが最後だろうしな」

神父「……そうか、寂しくなるな」

勇者「ならもうちょっと寂しそうな顔しやがれってんだ」

賢者「祈りを」

神父「聞こう」
67 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/06/25(火) 03:57:04.08 ID:wkEK8iKA0




ぼうけんのしょに きろくしています…▼



賢者「お救い頂いたこの身を滅ぼしかねない選択をした私を、我が身を犠牲にせんとする私達を、どうかお許しください」



ぼうけんのしょに きろくしています…▼



神父「…汝らが罪、しかと聞き届けた。神は償いを求むるだろう」



でんげんを きらないでください▼



賢者「償いを聞きましょう」



ぼうけんのしょに きろくしています…▼



神父「生きて帰ってこい。それを以て償いとしよう。それが為された時、汝は許されるだろう」



きろくされました▼



賢者「………ありがとうございます」



まだぼうけんをつづけますか?▼



勇者「言われなくても帰ってきてやらぁ」

狩人「当然負ける気もないしね。ちゃんと狩ってくるさ」

神父「では、征くがよい。神の御加護がありますように…」


………がんばって▼



68 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/08/06(火) 16:58:05.93 ID:lHkU4wdG0
ー王都、王立図書館


勇者「はー、でっけ」

狩人「そりゃあ王立だもの」

賢者「図書館ではお静かに」

司書「ようこそ王立図書館へ」

賢者「お久しぶりです、司書さん」

勇者「なんだ知り合いか」

司書「ええ、賢者様がまだ僧侶だった頃によくこの図書館にいらしたんですのよ」

狩人「へぇー、その頃から本読んでたのか」

賢者「賢者になれたのも司書さんのおかげと言っても過言ではありません」

司書「あら、私は何もしてないのよ。あなたに知識を与えたのはあくまで本達」

勇者「ふーん、それで王様は俺らに何を見せようって腹なんだ?」

司書「その件に関しては王様から直接ご連絡をいただいていますわ」

賢者「おそらく…『勅命禁書』では?」

司書「さすがに賢者ね。ご名答」

狩人「勅命禁書ってことは王が直々に閲覧を禁じた本じゃないか…」

司書「その通りですわ。くれぐれも慎重に扱ってくださいね?では案内しますので」

勇者「ああ、よろしく」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/06(火) 17:07:17.54 ID:zOahBvs9O
お更新来てる
70 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/09/08(日) 00:28:32.47 ID:ft3Runt90
ー王都、王立図書館【禁書庫】


狩人「こういう所はワクワクするね」

勇者「空気が違うな」

賢者「魔導書なんかもちらほら見えますから、それの影響ではないでしょうか」

司書「ここにある本は全て勅命禁書ですわ。全部読んでいただいて構わないとのお達しですので、どうぞ遠慮なさらずに」

狩人「結構多いなぁ…どこから読もうか」

司書「そうですわね…こちらなどはいかが?」

勇者「『転職と転生』……?」

司書「遠くの世界では、限界まで成長した者はそういった手段でさらに上を目指すそうですわ」

狩人「へぇ…転生とはまた…」

勇者「つーかよ、司書さんはいつこんなの読んだんだ?」

司書「いいえ、読んでませんわ」

狩人「え?じゃあなんで内容知ってるのさ」

司書「書物を司ると書いて司書と読むのです」

狩人(おや……どこかで聞き覚えが……)

賢者「しかしそれではおそらく間に合いません。転生したら一から鍛え直す必要がありますし…」

司書「あら、お気に召しませんで?ではそうですね……こちらはどうでしょう」

狩人「えーと、『地殻から吹き飛ばす呪文集〜"nuclear"編〜』……すごいタイトルだね」

賢者「……覚えておいて損はなさそうですね」

勇者「危なすぎるだろ」

司書「いくつかの文明はこれによって滅んでいきましたわ」

勇者「げ……」

賢者「……範囲を極限まで絞って……に集中……すれば………エネルギーが……しかし……」ブツブツ

狩人「いったいどこを目指してるのさ賢者は」

賢者「当然目標は魔王討伐です。それ以上でも以下でもありません」

司書「良い心がけですわね」

勇者「これなんかどうだ?『人間の壁とその突破法』」

狩人「へえ、ぴったりじゃないか」

司書「それは…その、文字通りの"人間の壁"ですので…」

勇者「うげ、本当だ…戦略指南書みたいな感じか」ペラッ

賢者「なぜこの本が禁書に?」

司書「その突破法というのがあまりに非人道的、残酷で読むに耐えないものだからですわ」

勇者「………読まなきゃよかった」パタン
71 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/10/06(日) 00:21:57.20 ID:QsWZjBAh0
司書「具体的にどういった方法がお好みでいらっしゃるのかしら?」

賢者「そうですね…短期間で魔王を倒す力が手に入り、なおかつ命の危険が少ないものでしたら贅沢は言いません」

狩人「すでに結構贅沢だけどね」

司書「でしたらこちらでしょうか」スッ

勇者「『巡る時の迷宮書』、だってよ」

狩人「巡る時かぁ、文字通りの意味なのか比喩なのか気になるところだけども」

賢者「迷宮ですか……あまり好きではないですね」

司書「この『迷宮書』は魔翌力を一定量注ぎ込むとその秘められた効力を発揮しますの。その本に触れている者を『巡る時の迷宮』へと誘いますわ」

狩人「へー、どういう迷宮なの?」

司書「一度入ると最下層に達するまで出てくることは出来ません。一階層から段々と時が進んで行き、あるいは未来にまで到達することもあるでしょう。様々な文明を辿って己の強化を図ることが出来ますわ」

賢者「しかしそれでは時間がかかってしまうのではないでしょうか」

司書「時間に干渉する書物ですので迷宮にいる間、こちらの世界の時間は経過いたしませんの。心配ご無用ですわよ」

勇者「ほぼ完璧だ。命の危険は?ある程度のリスクは背負うつもりだが…」

司書「今のあなた方なら"確実に"大丈夫だと言っておきましょう」

賢者(断言するとは珍しいですね……根拠が知りたいところですが)

賢者「では迷宮行きは確定でよろしいですか?」

狩人「もちろん。時間もかからないとなれば行くしかない」

勇者「そうだな。実に好都合だと思う。しかしこんなもん保有してるなんて底が知れねえ国だよな……」

司書「ふふ……もう準備が整っているのでしたら今すぐにでも出発できますが?」

勇者「いや、特にないな」

狩人「全部済ませてからここに来たしね」

司書「では迷宮書に触れてくださいな」


勇者たちは めぐるときのめいきゅうしょに ふれた!▼


賢者「魔翌力を流し込めばよろしいのでしたよね?」

司書「ええ……お手伝いした方がよろしいでしょうか?」

賢者「問題ありません。ふっ………くく…」シュウウゥゥゥゥゥゥウウ


賢者は 魔翌力をこめた!
しかし なにもおこらない▼


賢者「はあ、はあ、馬鹿な……!」

勇者「賢者の魔翌力量でも発動しないとかどういうことだよ」

司書「やはり足りませんでしたわね。時と空間、さらには強い力を持った人間3人の存在をも捻じ曲げなければならない訳ですので……当然膨大な魔翌力が必要になりますわ」

狩人「どうすんのさ?賢者で足りないとなると……」

勇者「意外なとこで足止め食らったな…」
72 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/10/06(日) 00:23:22.72 ID:QsWZjBAh0
司書「ではもう一度触れていただけますか?」

狩人「え?いやでも……」

賢者「まさか……」


勇者たちは めぐるときのめいきゅうしょに ふれた!▼


司書「それでは行ってらっしゃいませ」スッ

勇者「おい行ってらっしゃいっつったって……」

司書「ふっ」ヴンッ


司書は 魔翌力を込めた!
なんと! めぐるときのめいきゅうしょが ひかりかがやきはじめた!▼


狩人「な……っ!」

勇者「おいおいマジかy———」フッ


勇者たちは めぐるときのめいきゅうへ たびだった!▼






73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 00:37:45.04 ID:onSSPZTlo
きた!!!
74 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2019/10/06(日) 01:11:55.80 ID:QsWZjBAh0
待たせたな!!!(すいませんでした)
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 09:09:28.56 ID:lPjbbjiNo
ええんやで(ええんやで!)
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 11:09:16.22 ID:O31g0lP/O
待ってた
77 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage]:2019/12/01(日) 03:52:47.08 ID:AHDHIndU0

ー巡る時の迷宮、一階層【白亜紀前期】


勇者「うおっ、一瞬で景色が切り替わったぞ……!」

狩人「ということは、ここが巡る時の迷宮なんだね」

賢者「迷宮というのでもっと迷路のようなものを想像していましたが、森……のようですね」

狩人「木だらけだ。あったかいね」

勇者「どっちに進めばいいのか見当もつかねえ」

狩人「この森、ずいぶんと大きな生物が棲んでいるみたいだよ。それもかなりたくさん」

賢者「さすが狩人ですね。頼りになる」

狩人「見て、こんなでかい足跡見たことない」

賢者「巨人族より大きいのでは?」

勇者「それにあいつらは人の形してるけどよ、こいつはトカゲに似てるな」

狩人「そうだね、大きな爪があるようにも見える」

ズン…ズン…

勇者「おお……なんだ………?」グラグラ

狩人「何か近づいてきてるみたいだ。用心した方が——」ズゥンッ


アルゼンチノサウルスが あらわれた!▼


勇者「なんだこのでけえドラゴン!?」

賢者「私の知りうる限り、最大のドラゴンでせいぜい10m……!!」

狩人「こいつは30mを軽く超えている!!巨大だ!!」

勇者「おいちょっと待て……!翼も角もない……よく見りゃデカいだけであんま怖くねえぞ!!」


アルゼンチノサウルスは ようすをみている▼


勇者「……大人しいぞ」

狩人「何もしてこないな、牙もないみたいだ。草食かな」

賢者「《破》ァ!!!」


賢者は 詠唱極短:破壊呪文を となえた!▼
はめつのあらしが ふきあれる!▼

アルゼンチノサウルスを たおした▼


勇者「おお……ええ………」

賢者「魔王相手には無力でしたが本来はこういう呪文です」

狩人「魔王がそれだけ強大ってことか」

賢者「癪に障りますがそういうことです。先に進みましょう」

勇者「つってもどっちに行けばいいのか」

賢者「巡る時の迷宮ですから、恐らく時代が進んでいる方へ——」





78 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2019/12/01(日) 03:53:46.79 ID:AHDHIndU0

ー巡る時の迷宮、二階層【白亜紀中期】


賢者「——行けばいいのでは。おや」

勇者「転移したみたいだな。景色が変わった」

賢者「……すごいですね。一体どうやったのか」

狩人「え?転移呪文の類じゃないの?」

賢者「それはそうなんですが、呪文を唱えると通常は光や音が発生します」

勇者「あー、エネルギーの損失か」

狩人「というと?」

勇者「そういや狩人は魔法を使えないんだった。わかりやすく説明してやれ」

賢者「わかりました。いいですか、呪文を唱えると発生する光や音は魔翌力エネルギーの損失です。つまり、魔翌力を物理エネルギーに変換する際にどうしてもこぼれてしまう分ですね」

勇者「魔法陣の発光も同じだぞ。無駄な損失がない魔法陣は見えない」

狩人「はぁー、つまりあの転移は光も音もなく転移したから無駄がないってことね」

賢者「それが恐ろしいんです」

勇者「え?そうなのか」

狩人「勇者もわからないんだ」

賢者「通常、魔翌力の消耗が大きい呪文ほど損失は大きくなります。転移ともなると相当なはずですが……」

勇者「でも賢者も出来るだろそれくらい」

賢者「世界中の魔法学者達が必死に無駄を省こうとして研究を重ねていますが、成功例はありません。私も視認出来ない程度の魔法陣なら描けます。ですが音まで完全に消すとなると現段階では無理です」

狩人「魔法って難しいんだな…」

勇者「ま、それはさておき。ここは第二階層ってことでいいんだろうな」

賢者「ええおそらく」

狩人「どっちに進もうか」

賢者「相変わらず森の中ですね」

狩人「植物は少し違うみたいだ」

賢者「やはり時代が変わっていますか?」

狩人「うん、よく分からないけど多分……」

勇者「階層が進むとよ、未来に進むのか?それとも過去に進んでいくのか?」

賢者「この段階では判断しにくいです」

狩人「ここに人がいれば判断もつくんだけど」

勇者「まあ適当に歩いてようぜ。そのうちなんかあるだろ」

賢者「どの程度の広か確かめるいい機会かもしれません。とりあえず一方向にだけ歩きましょう」


賢者は 全体速度強化呪文を となえた!▼
全員の すばやさが あがった▼


勇者「よし!」スタタタタタタタ

狩人「わぁ……歩いてるだけ、だよねあれ」

賢者「数秒で見えなくなりましたね」
79 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/01/01(水) 20:12:39.57 ID:nDJ7a8tiO

狩人「…!後ろからなにか来るよ」

賢者「私も視認しました……おや」

勇者「………ぉぉおおおお!!!」ズザザザッ

狩人「あれ?なんで後ろから勇者が来るんだ」

勇者「はぁ…はぁ…めっちゃ早い……」

賢者「……前………後ろ……球体………?」ブツブツ

賢者「試してみますか」


賢者は 雷光呪文を となえた!▼
まぶしいひかりが ほとばしる!▼


勇者「うぎゃあ!」バヂチィィッ

賢者「確定ですね、間違いない」

狩人「今後ろから……?」

賢者「この階層はどうやら球体のようです。先ほど私が”前に”撃った呪文は”後ろから”飛んできました。まあ、そういうことです」

勇者「だからって俺を実験に使うなよ」

狩人「いいじゃない、たまには」

勇者「よくねえよ。勇者をなんだと思ってんだ」

賢者「とにかく、球体である、もしくはなんらかの作用で反対の端に転送される等の仕掛けがある以上は下手に歩き回っても仕方ないですね」

狩人「そうだね。どうしようか」

賢者「第一階層はおそらくあの巨大なドラゴンがボスだったのでしょう」

勇者「ははぁ、各階層のボスを倒して先に進みましょうってことだな」

狩人「なるほどね。じゃあボスを探して倒さなきゃいけないんだね」

賢者「そういうことになるかと」

勇者「っしゃ、ガンガンいこうぜ!」

狩人「《探知》!」ブ…ン


狩人を ちゅうしんに さざなみがひろがる▼
なにかが いるようだ!▼


狩人「ええと、生き物は全部で50匹くらい。その中で一番強そうなのはここから北西に向かって距離1300!」

勇者「よくそこまでわかるな。探知ってそんな技だったか?」

狩人「『…今のはメラゾーマでは無い…。メラだ…』」

勇者「んだそりゃ」

狩人「あれ、知らない?そっか……」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 03:12:18.72 ID:5tD9O6ADO
来てたのね乙
81 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage saga]:2020/03/01(日) 21:46:01.60 ID:2RK8em660
勇者「とにかくこっから北西だな?北西ってこっちか」

賢者「あっ勇者様、まだ魔法の効果中でs 勇者「よし行こうぜ」スタタタタタ

狩人「あーあ、またすごい速度で歩いてっちゃった」

賢者「追いましょう」ダッ

狩人「はーい」ダンッ





ー巡る時の迷宮、二階層【白亜紀中期】


狩人「追いついた」タタタタタ

勇者「遅かったな」タタタタタ

賢者「そろそろですよ」タタタタタ

勇者「おっ、あれか?」タタタタタ

狩人「うわぁ……またなんかずいぶんデカいね」

賢者「ワニとトカゲとニワトリを混ぜたみたいな」


スピノサウルスが あらわれた!▼
スピノサウルスは いきなりおそいかかってきた!▼


スピノサウルス「ゴアァァアアアアア!」ブォン

勇者「うおっ」スパァン


勇者は なぎ払われたしっぽを 切り落とした!▼


スピノサウルス「ギャアァァアアス!!」

狩人「こいつが二階層のボスってことでいいのかな?」

賢者「ええ、状況から判断するに間違い無いでしょう」

勇者「よおしこのまま一気に行くぞ!ガンガンいこうぜ!」


勇者は 剣をよこなぎにふりはらった!▼
スピノサウルスのくびが 宙をまう!▼


勇者「あれ?思ったよりあっけなかったな」

賢者「まだ二階層ですし、こんなものでしょう」

狩人「先は長そうだね」

勇者「そろそろ転送かn——」
82 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/03/02(月) 00:27:25.90 ID:p97OoEM70
勇者たちはこうして順調に迷宮を進んでいった▼
83 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/03/02(月) 00:29:41.76 ID:p97OoEM70
ー巡る時の迷宮、九十九階層【???】


勇者「はぁ、はぁ、流石に疲れてきたな……ッ」ドゴッ

狩人「六十階層越えてきた、あたりからッ、周りの雑魚も無視できなくなって、きた、からね!!」パシュゥン ドォォオン

賢者「おそらくあと少しでボスです!!今九十九階層なのでキリよく次が最下層だといいですねッ!!《全体回復》!!」パァァァァア

勇者「助かる賢者!」

狩人「あれかな!?ここのボス!!」


機械龍が あらわれた!▼


勇者「そうらしいな!クソっ雑魚が邪魔だ!《爆》!!」ドゴォォォオンッ

賢者「また金属の敵ですか、厄介な!」

勇者「確か雷撃が効いたよな!はぁぁあああ!」バチバチバチッ


勇者は でんきをまといはじめた!▼


勇者「食らええぇぇえ!!」バヂヂィッ


雷撃をまとった剣が 機械龍をおそう!▼

ギィィイインッ


勇者「なっ!!馬鹿な!!効いてない!?」

賢者「電気は全て地面に流れた様です!」

狩人「反撃が来る!!避けて!」


機械龍「」キュィィィイイイイイン゙ッ

勇者「時間がねぇ!」スッ


勇者は みんなのまえにたちふさがり うけながしのかまえをとった!▼


賢者「《身体強化・剛極》!!」

勇者「助かる!!」


機械龍「」 ド ッ 


機械龍は ひかりの束をはなった!▼
勇者は うけながした!▼


勇者「うおおおおおおおああああああ!!」ズズズズズズ


しかし うけながせなかった▼


勇者「あああああぁぁあぁぁあああああ!!!」ジュンッ

賢者「《結界》!!」パァァアアンッ

狩人「勇者あぁぁぁぁああ!!!!」

賢者「彼は蒸発しました!!助かりません!!この結界も直に破られます!!回避を!」バチッ ピキピキ パキィ

賢者(考えろ、考えろ、助かる方法、帰還、生存、全滅回避……ッ!)

賢者(可能性を模索しろ、状況を打開しろ、最悪は避けねばならない!)

賢者(結界はあと15秒も保たない、魔翌力も尽きた、あとは……!)

賢者(……っ!迷宮に入る前、何か大事なことを言われたはず!!何か、鍵になることッ!!)
84 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/03/02(月) 00:30:07.65 ID:p97OoEM70



〜〜〜

司書『時間に干渉する書物ですので迷宮にいる間、こちらの世界の時間は経過いたしませんの。心配ご無用ですわよ』

勇者『ほぼ完璧だ。命の危険は?ある程度のリスクは背負うつもりだが…』

司書『今のあなた方なら"確実に"大丈夫だと言っておきましょう』

〜〜〜



85 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/03/02(月) 00:30:36.70 ID:p97OoEM70
賢者「そうだ………思い出した、”確実”……!!」

狩人「な、何がさ!?」

賢者(あの司書様が断言した!断言したんですっ!!ならば……)

賢者「やるべきことは!!信じることです!!!」

狩人「だから何を———」




結界が やぶれた!▼













86 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/03/02(月) 00:31:12.91 ID:p97OoEM70
勇者たちは 全滅した▼
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 20:44:19.42 ID:xJv2t92lO
乙です
どういう事なんだ...?
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/03(火) 01:44:14.05 ID:dNFFOm4DO

89 :作者 ◆P0uwXoExSk [sage]:2020/04/09(木) 18:57:35.38 ID:V44oYfh10
更新遅れます…
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/09(木) 20:50:05.77 ID:JRIEfMSt0
まってる
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/16(水) 23:03:50.34 ID:0Z+n5lt4O
     ___
    /     \      _____________
   /   / \ \   /
  |    (゚) (゚)   | < エタスレにうんこしていきますね
  |     )●(  |   \_____________
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      人i ブバチュウ!!
     ノ:;;,ヒ=-;、
    (~´;;;;;;;゙'‐;;;)
  ,i`(;;;゙'―---‐'ヾ
  ヽ;;';ー--―-、'';;;;;゙)
92 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2020/12/31(木) 22:48:02.66 ID:Kif4UPK00
来年ちまちま更新したいと思ってます、ごめん……
うんこしないで……
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/31(木) 22:50:17.08 ID:wKwYsswro
>>92
生存報告だけでもええんやで
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/01(金) 08:27:28.88 ID:+aoXt7D9o
あけおめです!
まってる
95 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2021/01/04(月) 18:11:32.85 ID:LZqKJtzvO

ー王都、王立図書館


勇者「はー、でっけ」

狩人「そりゃあ王立だもの」

賢者「………ッ!?」バッ

司書「ようこそ王立図書館へ」

賢者「な……何が…」

勇者「どうした賢者」

司書「ふふ、それともおかえりかしら?」

狩人「おかえり……?はじめましてのはずだけど」

勇者「会ったことねぇよなぁ」

賢者「二人とも、これは何かの冗談ですか……?」

狩人「何がさ」

勇者「賢者こそ知り合いか?」

司書「ええ、賢者様がまだ僧侶だった頃によくこの図書館にいらしたんですのよ」

狩人「へぇー、その頃から本読んでたのか」

賢者(これは……時が戻っている……?気がついているのは私だけ?)

賢者「賢者になれたのも……司書さんのおかげと……」

狩人「歯切れが悪いね、どうしたの?」

賢者「い、いえ、なんでもありません……その、本を……」

勇者「ああ、そうそう。それで王様は俺らに何を見せようって腹なんだ?」

賢者「……『勅命禁書』」

司書「さすがに賢者ね。ご名答」

狩人「勅命禁書ってことは王が直々に閲覧を禁じた本じゃないか…」

司書「その通りですわ。くれぐれも慎重に扱ってくださいね?では案内しますので」

勇者「ああ、よろしく」

賢者(やはり時が巻き戻っている。新しい時間軸ではない、過去をそのままなぞっているだけ……そんなことが可能なのか?なぜ私だけ記憶が残っている?)

勇者「おい賢者、なにぼーっとしてんだ?置いてくぞ」

賢者「失礼しました、今行きます」

賢者(追々考えましょう。とりあえずは同じ道を進んで相違点の洗い出しと……)ブツブツ

96 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2021/01/04(月) 18:17:14.59 ID:LZqKJtzvO
ー王都、王立図書館【禁書庫】


狩人「こういう所はワクワクするね」

勇者「空気が違うな」

賢者「魔導書なんかもちらほら見えますから、それの影響ではないでしょうか」

司書「ここにある本は全て勅命禁書ですわ。全部読んでいただいて構わないとのお達しですので、どうぞ遠慮なさらずに」

狩人「結構多いなぁ…どこから読もうか」

賢者「これはどうですか?」スッ

勇者「『巡る時の迷宮書』、だってよ」

狩人「迷宮かぁ、そういえば賢者って迷宮嫌いじゃなかった?」

賢者「ええ、ですが手段も選んでいられませんし」

司書「『巡る時の迷宮書』ですね。この『迷宮書』は魔翌力を一定量注ぎ込むとその秘められた効力を発揮しますの。その本に触れている者を『巡る時の迷宮』へと誘いますわ」

狩人「へー、どういう迷宮なの?」

司書「一度入ると最下層に達するまで出てくることは出来ません。一階層から段々と時が進んで行き、あるいは未来にまで到達することもあるでしょう。様々な文明を辿って己の強化を図ることが出来ますわ」

狩人「でもそれじゃ時間がかかるんじゃない?」

司書「時間に干渉する書物ですので迷宮にいる間、こちらの世界の時間は経過いたしませんの。心配ご無用ですわよ」

賢者(そうか、時間への干渉……しかし時間が経過しないだけで過去に戻るわけでは……となるとこれが直接の原因ではない?)

勇者「ほぼ完璧だ。命の危険は?ある程度のリスクは背負うつもりだが…」

司書「ふふ、大丈夫だと思いますよ。ねえ賢者?」

賢者「……ええ」

勇者「?」

狩人「何か知ってるの?」

賢者「詳しくは……確証がない話はしないように心がけているので」

狩人「まだ検証中ってわけ?」

勇者「ま、賢者が何考えてるかなんて俺らにわかるわけもねえしな」

司書「ではこちらでよろしいですか?」

狩人「もちろん。時間もかからないとなれば行くしかない」

勇者「そうだな。実に好都合だと思う。しかしこんなもん保有してるなんて底が知れねえ国だよな……」

司書「ふふ……もう準備が整っているのでしたら今すぐにでも出発できますが?」

勇者「いや、特にないな」

狩人「全部済ませてからここに来たしね」

賢者「いつでも構いません」

司書「ああそうだ、ちょっと待ってくださいね。賢者に渡すものがあるのを忘れていました」ゴソゴソ

賢者(なんでしょうか、前回は何も渡されませんでしたが……)

司書「これです。迷宮の中ででも読んでください」スッ


賢者は 『ロトのぼうけん』を うけとった▼


賢者「これは……?」

司書「ちょっとしたおとぎばなしですよ。あなたなら意味がわかるはずです」

勇者「へえ、俺にも後で読ませろよ」

賢者「ええ、わかりました」

司書「では、迷宮書に触れてくださいな」


勇者たちは めぐるときのめいきゅうしょに ふれた!▼
97 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2021/01/04(月) 18:19:30.79 ID:LZqKJtzvO


賢者「触りました。司書さん、よろしくお願いします」

狩人「え?どういうこと?」

賢者「この迷宮書は魔翌力を流し込めば発動する単純なものですが、私の魔翌力量では足りません」

勇者「待て待て、その言い方だとお前より司書さんの方が魔翌力量が多いってことか?」

賢者「そういうことでしょう」

勇者「信じられねえ……」

司書「ふふ、では参りましょうか」

賢者「よろしくお願いします」

司書「それでは行ってらっしゃいませ」スッ

司書「ふっ」ヴンッ


司書は 魔翌力を込めた!
なんと! めぐるときのめいきゅうしょが ひかりかがやきはじめた!▼


狩人「ほえーー」

勇者「おいおいマジかy———」フッ


勇者たちは めぐるときのめいきゅうへ たびだった!▼





98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/04(月) 18:57:11.39 ID:rufxKZyao
きたー!!!!!
99 :作者 ◆P0uwXoExSk [saga]:2021/01/04(月) 20:16:32.84 ID:LZqKJtzvO

ー巡る時の迷宮、一階層【白亜紀前期】


勇者「うおっ、一瞬で景色が切り替わったぞ……!」

狩人「ということは、ここが巡る時の迷宮なんだね」

賢者(六十階層を越えるまでは敵も強くない……階層の突破は二人に任せておきましょう)


賢者は 全体速度強化呪文を となえた!▼
全員の すばやさが あがった▼

賢者は 全体腕力強化呪文を となえた!▼
全員の こうげきりょくが あがった▼


勇者「お、助かる」

狩人「よーし、どんな敵が出てくるのかな」

賢者「この迷宮は百近い階層に分かれていて、各階層にボスがいます。そのボスを撃破すると次の階層に進むシステムのようです。百近いと言いましたが、百階層以降も存在する可能性があります。できる限り体力等を温存して戦ってください」

勇者「おお……的確な指示どうも……けどよ、なんでそんな詳しいんだ?」

狩人「賢者だし、の一言で片付けるのにも限度があるよね」

賢者「先程も言いましたが、私自身信じきれていないので……」

勇者「そうか……。ま、言えるようになったらいつでも言ってくれ」

賢者「感謝します。私は少し検討しなければならない事象があるので階層の突破はお任せしてもよろしいでしょうか」

勇者「ああ、構わねえ」

狩人「賢者はいつだって正解を僕達に与えてくれるからね。任せて」グッ

賢者「では頼みましたよ」

賢者(さて……まずは司書さんに持たされたこの本……)


賢者は 『ロトのぼうけん』を よみはじめた▼



100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/03(水) 01:54:57.16 ID:dE5Em+XDO
お〜い、まだか〜?
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/03(水) 06:51:11.38 ID:KR3EFdTKO
>>100
今やってます!
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/27(土) 23:37:12.34 ID:JFlyQj1DO
蕎麦屋の出前かよ!
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 19:40:11.95 ID:w3o1lQ/DO
催促の電話かけっぞ!
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 22:08:56.45 ID:Zwmwmbvio
>>103
今やってます!!
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/05(日) 11:28:43.55 ID:JPg+eAuFo
     ___
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